トランスファロボット
【課題】 ワーク搬送システムのスケールダウンおよび装置の小型化を図ることができ、かつ、ゴミなどの付着を防止しつつワークをスムーズに受け渡しすることができるトランスファロボットを提供する。
【解決手段】 トランスファロボットA1は、上下方向に開放したオープンスペース40をもつフレーム部材4と、オープンスペース40を跨いでフレーム部材4に梁状に設けられているとともに、ワークWの下面を支持しながら水平方向に伸縮する複数のスライドアーム機構5と、複数のスライドアーム機構5と上下方向に干渉することなくオープンスペース40内に収まるように設けられているとともに、フレーム部材4が下降移動して所定の位置にある状態では、相対的にオープンスペース40よりも上方に位置し、その際、ワークWを空気圧により浮上させて保持するエアベントステージ6とを備えている。
【解決手段】 トランスファロボットA1は、上下方向に開放したオープンスペース40をもつフレーム部材4と、オープンスペース40を跨いでフレーム部材4に梁状に設けられているとともに、ワークWの下面を支持しながら水平方向に伸縮する複数のスライドアーム機構5と、複数のスライドアーム機構5と上下方向に干渉することなくオープンスペース40内に収まるように設けられているとともに、フレーム部材4が下降移動して所定の位置にある状態では、相対的にオープンスペース40よりも上方に位置し、その際、ワークWを空気圧により浮上させて保持するエアベントステージ6とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、たとえば液晶パネル用のガラス基板といった板状のワークを水平に保ちながら所定の部所から他の部所へと受け渡しするためのトランスファロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のトランスファロボットとしては、たとえば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示されたトランスファロボットは、本願の図13および図14に示すように、板状のワークWを水平に保持するハンド400と、このハンド400を所定の水平直線移動行程Sに沿って前進・後退させる直線移動機構300と、この直線移動機構300に含まれる支持ベース310を上下方向に移動させる昇降機構200とを備えている。直線移動機構300は、支持ベース310のほか、この支持ベース310に基端部が連結された第1水平リンクアーム320と、この第1水平リンクアーム320の先端部に基端部が連結されているとともに、上記ハンド400を鉛直軸周りに回転可能として先端部に支持する第2水平リンクアーム330とを含んで構成されている。昇降機構200は、固定ベース100に基端部が連結された第1起立リンクアーム210と、この第1起立リンクアーム210の先端部に基端部が連結されているとともに、上記支持ベースを水平軸周りに回転可能として先端部に支持する第2起立リンクアーム220とを含んで構成されている。支持ベース310は、第1および第2起立リンクアーム210,220が水平軸周りに回転することにより、一定姿勢を保ちながら上下方向に移動させられる。ハンド400は、第1および第2水平リンクアーム320,330が鉛直軸周りに回転することにより、一定姿勢を保ちながら水平直線移動行程Sに沿って前進・後退する。なお、支持ベース310には、鉛直軸周りに回転する回転部材311が設けられており、この回転部材311を介して支持ベース310と第1水平リンクアーム320とが連結されている。
【0003】
このようなトランスファロボットXは、図13に示すように、多数のワークWを収容したカセット部Cからバッファ部Bを介してワークWを受け取ることができるように、バッファ部Bに隣接したロボット部Rに設置されている。カセット部Cには、多数のワークWが鉛直方向に一定間隔をあけて重なった状態で昇降ステージC1に保持されている。昇降ステージC1が下方に移動すると、最下段に保持されたワークWがカセット部CのローラコンベアC2上に載置される。昇降ステージC1には、ローラコンベアC2の搬送幅方向に沿ってワークWの下面を支持する複数のワイヤ(図示略)が架け渡されており、これらのワイヤは、ローラコンベアC2の隙間に進入することができる。これにより、昇降ステージC1が下方に移動したときには、ローラコンベアC2よりも下方にワイヤが移動し、このワイヤに支持されていたワークWがローラコンベアC2上に置き去りにされた状態となって載置される。
【0004】
その後、ワークWは、カセット部CのローラコンベアC2からバッファ部BのローラコンベアB1上に搬送される。バッファ部BのローラコンベアB1には、図14に示すように、トランスファロボットXのハンド400を差し入れ可能な空隙部B2が設けられている。トランスファロボットXは、昇降機構200および直線移動機構300を作動させることでハンド400をローラコンベアB1の空隙部B2に差し入れた状態とし、さらにハンド400をローラコンベアB1よりも上方に持ち上げた状態とする。これにより、バッファ部BのローラコンベアB1上にあったワークWがハンド400上に載り移る。さらにその後、トランスファロボットXは、ハンド400をロボット部Rの所定位置まで後退させて回転部材311をたとえば180度あるいは90度回転させ、ハンド400を図外のワーク処理部に向けた姿勢で再び直線移動機構300を作動させる。これにより、トランスファロボットXは、カセット部Cからバッファ部Bを経由して受け取ったワークWを移送先となるワーク処理部に転送する。
【0005】
【特許文献1】特開2003−275980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のトランスファロボットXでは、ローラコンベアB1の下方からワークWを持ち上げるようにしてハンド400上に載せなければならないので、ロボット部Rとカセット部Cとの間にワークWを受け渡しするためのバッファ部Bを設けなければならない。つまり、バッファ部の設備やその設置スペースを要するために、トランスファロボットを含むワーク搬送システムが大掛かりなものになってしまう。
【0007】
また、図13に示すように、ローラコンベアB1,C2は、カセット部Cからバッファ部Bへと距離L0をもってワークWを搬送しなければならない一方、トランスファロボットXは、ロボット部Rとバッファ部Bとの間で距離L1をもってハンド400を前進・後退させなければならず、両者ともワークやハンドについて比較的長い距離を移動させなければならない。特に、トランスファロボットについては、ハンドを移動させる距離L1が長くなればなるほど、動作時の安定性などを確保する面から大型なものになってしまう難点がある。
【0008】
さらに、ワークWは、その下面がローラコンベアB1,C2やハンド400に直に接するため、ワークWに対してゴミなどが付きやすく、ワークWの下面に傷などが付いてしまうおそれもある。このような点から、ワークWを受け渡しする際には、ローラコンベアB1,C2やハンド400が比較的ゆっくりと動くようになされており、これではワークWをスムーズに受け渡しすることができない。
【0009】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ワーク搬送システムのスケールダウンおよび装置の小型化を図ることができ、かつ、ゴミなどの付着を防止しつつワークをスムーズに受け渡しすることができるトランスファロボットを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0011】
本願発明によって提供されるトランスファロボットは、板状のワークを水平に保ちながら所定の部所から受け取るとともに、受け取ったワークを他の部所へと引き渡すトランスファロボットであって、ベース部材と、上記ベース部材に上下移動可能に支持されているフレーム部材と、上記フレーム部材に設けられているとともに、ワークの下面を支持しながら水平方向に伸縮する複数のスライドアーム機構と、上記複数のスライドアーム機構と上下方向に干渉しないようにして上記ベース部材に対して支持されているとともに、上記フレーム部材が下降移動して所定の位置にある状態では、ワークを空気圧により浮上させるエアベントステージとを備えたことを特徴としている。
【0012】
好ましい実施の形態としては、上記エアベントステージは、上記ベース部材に水平移動可能に支持されている。
【0013】
このような構成によれば、たとえば所定の部所からワークを受け取る場合、トランスファロボットは、当該部所にエアベントステージを横付けにする。このとき、フレーム部材は、下降移動して所定の位置にある状態とされる。そのため、エアベントステージは、相対的にフレーム部材よりも上方に位置した状態となる。これにより、エアベントステージは、フレーム部材やスライドアーム機構につかえることなく水平方向に移動することができ、上記所定の部所に最も接近した姿勢をとることができる。そうした後、所定の部所からワークが搬送されてくる。このとき、ワークは、エアベントステージ上に次第に移動するとともに、エアベントステージ上では、空気圧によってワークが浮上させられる。つまり、ワークは、エアベントステージに対して非接触の状態でエアベントステージ上に移動する。これにより、ワークに対するゴミなどの付着を効果的に防止しつつ、ワークをスムーズに受け取ることができる。さらにその後、エアベントステージは、ワークを保持したままフレーム部材の上方に戻る。そうした後、フレーム部材が上昇移動することにより、ワークは、エアベントステージから複数のスライドアーム機構によって保持されるように載せ替えられる。そして、複数のスライドアーム機構は、ワークを保持したまま水平方向に伸張することにより、ワークを他の部所へと引き渡す。
【0014】
したがって、本願発明に係るトランスファロボットによれば、所定の部所にエアベントステージを横付けにした状態でワークを受け取ることができるため、従来のバッファ部といった設備やその設置スペースが不要となり、ワーク搬送システムのスケールダウンを図ることができる。また、トランスファロボットとしては、エアベントステージやスライドアーム機構についての水平移動距離をできる限り短くして小型化を図ることができる。さらには、ワークを空気圧によりエアベントステージ上に浮上させつつ、非接触の状態で保持することができるため、ゴミなどの付着を防止しつつワークをスムーズに受け渡しすることができる。
【0015】
好ましい実施の形態としては、上記エアベントステージには、ワークの下面を支持しながらこのワークを水平方向に移動させるための複数の駆動ローラまたは駆動ベルトが設けられている。このような構成によれば、たとえばエアベントステージ上にワークが搬送されてくる際、ワークを浮上させつつも駆動ローラあるいは駆動ベルトを介してよりスムーズにワークを受け取ることができる。
【0016】
好ましい実施の形態としては、上記ベース部材は、鉛直軸周りに回転可能に構成されており、このベース部材には、上記エアベントステージに空気を送るための空気供給源が備え付けられている。このような構成によれば、たとえばエアベントステージ上にワークを保持した状態であっても、ベース部材を支障なく回転させることができる。
【0017】
好ましい実施の形態としては、上記スライドアーム機構は、上記フレーム部材に直接固定されるガイドレールと、このガイドレールにスライド可能に支持されている第1スライドアームとを含んで構成されている。また、上記スライドアーム機構はさらに、上記第1スライドアームにスライド可能に支持されているとともに、ワークの下面に直に接する第2スライドアームを含んで構成されている。このような構成によれば、たとえば第2スライドアーム上に保持されたワークを引き渡す際、第1および第2スライドアームを伸張させることにより、ワークを水平に保ちながら目的とする部所へと移すことができる。
【0018】
好ましい実施の形態としては、上記フレーム部材には、ワークの対角部または両側部を挟持可能なクランプ機構が設けられている。このような構成によれば、エアベントステージ上やスライドアーム機構上に保持されたワークの姿勢をクランプ機構によって矯正することができ、ワークの位置調整をその都度適切に行うことができる。
【0019】
好ましい実施の形態としては、上記フレーム部材および上記複数のスライドアーム機構は、ワークを保持しながら上下方向および水平方向に移動するハンドステージを構成しており、このハンドステージとして、互いに上下に隣接して段違い状となる第1および第2ハンドステージを備えている。このような構成によれば、2組のハンドステージを交互に用いてワークの受け渡しをより効率良く行うことができる。
【0020】
好ましい実施の形態としては、上記ベース部材を上下方向に移動させる昇降機構を備えている。このような構成によれば、各部所の高さにエアベントステージやスライドアーム機構の高さを合わせ、これらの部所との間でワークを適切に受け渡しすることができる。
【0021】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。図1〜10は、本願発明に係るトランスファロボットの一実施形態を示している。なお、各図においては、構成要素やその一部を適宜省略している。
【0023】
図1〜4に良く示されているように、本実施形態のトランスファロボットA1は、大別すると、昇降機構2、昇降機構2によって上下方向に移動させられるベース部材3、ベース部材3に上下移動可能に支持されているフレーム部材4、フレーム部材4に梁状に設けられている複数のスライドアーム機構5、および、複数のスライドアーム機構5と上下方向に干渉することなくフレーム部材4のオープンスペース40内に収まるように設けられている複数のエアベントステージ6を有して構成されている。フレーム部材4および複数のスライドアーム機構5は、ワークWを保持しながら所定の方向に移動させるハンドステージを構成しており、このようなハンドステージとしては、互いに上下に隣接して段違い状となるように上段ハンドステージ4Aと下段ハンドステージ4Bとが設けられている。エアベントステージ6は、ベース部材3に水平移動可能に支持されている。なお、以下の説明や各図においては、ワークWが移動させられる水平方向をx軸方向、このx軸方向に直交する水平方向をy軸方向、x軸およびy軸の両方向に直交する上下方向をz軸方向とする。
【0024】
図9に良く示されているように、昇降機構2は、固定ベース1、固定ベース1に設けられた第1昇降用モータM1、固定ベース1に対してy軸周りに回転可能に基端部20aが連結された第1起立リンクアーム20、第1起立リンクアーム20の先端部20bに内蔵された第2昇降用モータM2、第1起立リンクアーム20の先端部20bに基端部21aが連結されているとともに、後述するベース部材3の基部30を支える台座21cを先端部21bに支持する第2起立リンクアーム21、ならびに第1および第2起立リンクアーム20,21に連動する第1および第2補助アーム22,23を有して構成されている。
【0025】
第1起立リンクアーム20の基端部20aは、第1昇降用モータM1から減速機構(図示略)を介して回転力が伝えられることによりy軸周りに回転する。第2起立リンクアーム21の基端部21aは、第2昇降用モータM2から減速機構(図示略)を介して回転力が伝えられることにより、第1起立リンクアーム20の先端部20bを支点としてy軸周りに回転する。なお、第1および第2起立リンクアーム20,21は、同一角度をもって互いに逆方向に回転するように構成されている。第1および第2補助アーム22,23は、第1起立リンクアーム20の先端部20bと第2起立リンクアーム21の基端部21aとの間でy軸周りに回転可能に支持された中間部材24を介して連結されている。これら第1および第2補助アーム22,23は、第1および第2起立リンクアーム20,21と対になって常に平行四辺形をなすように、それぞれの一端が固定ベース1および台座21cに対して回転可能に連結されている。これにより、第1および第2起立リンクアーム20,21の基端部20a,21aがy軸周りの所定の方向に回転すると、第2起立リンクアーム21の先端部21bが概ねz軸方向に沿って変位し、これに伴い台座21cおよびベース部材3は、水平姿勢を保ちながらz軸方向に移動する。
【0026】
図2〜4に示されているように、ベース部材3は、台座21cに固定される基部30、この基部30上に固定されているとともにy軸方向の両端に起立部31aを有する本体ブロック31、起立部31aの内壁に上下移動可能に支持された一対の上下スライダ32、本体ブロック31の中央上部に水平移動可能に支持された水平スライダ33を有して構成されている。
【0027】
図4に良く示されているように、ベース部材3の基部30は、上下に分割可能な上部30aおよび下部30bを有して構成されている。下部30bは、台座21cに直接固定されている一方、上部30aは、下部30bに対してz軸周りに回転可能に保持されている。このような基部30の内部には、回転駆動用モータM3が設けられている。この回転駆動用モータM3の回転力が減速機構(図示略)を介して上部30aに伝えられることにより、上部30aとともに本体ブロック31がz軸周りに回転する。一方、図3に良く示されているように、本体ブロック31の起立部31aには、z軸方向に沿う一対のレール31bを介して上下スライダ32が支持されている。この起立部31a付近には、上下スライダ32を上下移動させるためのモータM4が設けられている。このモータM4の回転軸M4aは、駆動ベルト32aを介して上下スライダ32に内蔵されたボールネジ軸32bに連結されている。上下スライダ32の内壁側には、フレーム部材4の両側部が固定されている。これにより、モータM4が回転駆動すると、レール31bに沿って上下スライダ32がz軸方向に移動し、この上下スライダ32と一体になってフレーム部材4がz軸方向に移動する。また、本体ブロック31の中央上部には、x軸方向に沿う一対のレール31cに水平スライダ33が支持されている。水平スライダ33には、フレーム部材4のオープンスペース40をz軸方向に貫くように複数の支柱部33aが設けられており、これら支柱部33aの上部には、複数のエアベントステージ6が支持されている。このような本体ブロック31の中央上部と水平スライダ33との間には、水平スライダ33をx軸方向に移動させるためのボールネジ機構33bやこれを駆動するためのモータ(図示略)が設けられている。これにより、モータが回転駆動すると、レール31cに沿って水平スライダ33がx軸方向に移動し、この水平スライダ33と一体になってエアベントステージ6がx軸方向に移動する。ただし、エアベントステージ6は、水平スライダ33の支柱部33aがフレーム部材4に干渉しない範囲でx軸方向に移動可能となっている。
【0028】
図2に示されているように、フレーム部材4は、z軸方向に開放した平面視矩形状のオープンスペース40をもっている。図3に良く示されているように、上段ハンドステージ4Aのフレーム部材4と下段ハンドステージ4Bのフレーム部材4とは、これらの間にワークWやエアベントステージ6を進入させることが可能な間隔をあけつつ重なった状態で両者共に上下スライダ32に固定されている。これらフレーム部材4の上部には、x軸方向に沿ってオープンスペース40を跨ぐように複数(本実施形態では1つのフレーム部材当たり4つ)のスライドアーム機構5が設けられている。また、複数のエアベントステージ6は、フレーム部材4のオープンスペース40のうち、スライドアーム機構5によって跨がれていないエリアを占有するように配置されている。これにより、図4に示すようにエアベントステージ6が所定のホームポジションにある状態では、フレーム部材4が上下スライダ32と一体になってz軸方向に移動しても、スライドアーム機構5とエアベントステージ6とが互いに干渉することはない。また、図4に実線で示すようにフレーム部材4が最も低い位置にあるとき、エアベントステージ6は、相対的にオープンスペース40よりも上方に位置した状態になる。これにより、エアベントステージ6がx軸方向に移動可能とされる。さらに、図2に良く示されているように、フレーム部材4の対角部には、スライドアーム機構5あるいはエアベントステージ6上に保持された状態にあるワークWの対角部を挟持可能なクランプ機構7が設けられている。このようなクランプ機構7は、図7に良く示されているように、フレーム部材4の外側部から対角方向(x軸およびy軸と略45°をなす水平方向)に沿って外側に延びる水平ロッド73a、水平ロッド73aの先端に固定された平面視L字状の金具73b、ならびに金具73bの各先端に対してz軸周りに回転自在に支持された一対のガイドローラ73cを有して構成されている。また、フレーム部材4の内部には、水平ロッド73aを対角方向に動かすためのアクチュエータ74が設けられている。ガイドローラ73cは、当初はワークWと接しない位置にある一方、スライドアーム機構5やエアベントステージ6上にワークWが保持された状態となり、このワークWが所定のホームポジションにくると、水平ロッド73aがアクチュエータ74によってフレーム部材4内に引き込まれる。これにより、ガイドローラ73cがワークWの対角部に当接した状態になる。このようなクランプ機構7は、スライドアーム機構5やエアベントステージ6上に保持されたワークWの姿勢を適切に矯正するために設けられている。
【0029】
図8に示されているように、スライドアーム機構5は、x軸方向に沿ってフレーム部材4(図8では図示略)に直接固定されたガイドレール50、ガイドレール50にスライド可能に支持されている第1スライドアーム51、第1スライドアーム51にスライド可能に支持されているとともにワークWの下面を直接支える第2スライドアーム52、第1および第2スライドアーム51,52をx軸方向にスライドさせるためのスライド用モータM5などを有して構成されている。
【0030】
ガイドレール50は、フレーム部材4の前後両端部を跨ぐように固定されており、このガイドレール50の後端部付近にスライド用モータM5が設けられている(図4参照)。図8に良く示されているように、ガイドレール50の内部には、スライド用モータM5により回転駆動される第1プーリギヤ50aと、第1プーリギヤ50aを介してx軸方向に走行する第1プーリベルト50bとが設けられている。この第1プーリベルト50bには、第1スライドアーム51が連結されている。また、ガイドレール50の内部には、ラックギヤ50cが設けられている一方、第1スライドアーム51の内部には、上記ラックギヤ50cに噛み合うピニオンギヤ51aが設けられている。さらに、第1スライドアーム51の内部には、アイドルギヤ51bを介してピニオンギヤ51aに連結された第2プーリギヤ51cと、第2プーリギヤ51cを介してx軸方向に走行する第2プーリベルト51dとが設けられている。この第2プーリベルト51dには、第2スライドアーム52が連結されている。これにより、スライド用モータM5が所定の方向に回転駆動すると、たとえば第1スライドアーム51がガイドレール50に沿って伸張するように移動するとともに、これに連動して第2スライドアーム52も第1スライドアーム51に沿って伸張するように移動し、第1および第2スライドアーム51,52が同時に伸びる。逆に縮む場合についても、第1および第2スライドアーム51,52が同時に縮むこととなる。
【0031】
図5に示されているように、エアベントステージ6は、上面60aに多数の開口60bを有する矩形状のステージ本体60、各開口60bに嵌め込まれた多孔質状の円板体61などを有して構成されている。各ステージ本体60は、上記水平スライダ33の支柱部33a(図5では図示略)の上部に固定されており、水平スライダ33と一体化されている。特に、y軸方向の両端に位置するステージ本体60の外側部には、ワークWの側部下面を支持しながらこのワークWを強制的にx軸方向に移動させるための複数の駆動ローラ62が設けられている(図2および図6参照)。これら両端のステージ本体60の適部には、複数の駆動ローラ62を回転させるためのローラ回転用モータ64や伝動ベルト66、プーリギヤ67が内蔵されている(図6参照)。これらの駆動ローラ62は、x軸方向に沿って一定間隔おきに並んでいる。また、図6に良く示されているように、駆動ローラ62は、ステージ本体60の上面60aよりも若干上方に迫り出てワークWの下面に接する小径部62aと、この小径部62aの外側でワークWを規制する大径部62bとを一体的に有して構成されている。ローラ回転用モータ64からの回転力は、伝動ベルト66およびプーリギヤ67を介して複数の駆動ローラ62に伝わり、これにより複数の駆動ローラ62が同時に回転する。なお、エアベントステージの開口や円板体の形状は、特に円形状でなくてもよく、たとえば楕円状や矩形状であってもよい。また、ワークWをx軸方向に移動させるための手段としては、駆動ローラ62に代えて、例えば駆動ベルトを用いたローラコンベアによるものでもよい。
【0032】
また、図5に良く示されているように、各ステージ本体60の内部には、上記開口60bに空気を送るための送気管60cや、送気管60cから送られてきた空気の空気溜まりを複数の開口60bの下部に形成するための隔壁60dが設けられている。このような各ステージ本体60には、空気供給源8(図5においては図示略)から可撓性のエアパイプ80を経由して空気が送られてくる。空気供給源8は、図2に示すように、ベース部材3の適部に備え付けられている。これにより、ベース部材3がz軸周りに回転しても、各ステージ本体60と空気供給源8との相対的な位置関係が変わることなく、ステージ本体60の下部周辺に引き回されたエアパイプ80の姿勢が一定に保たれる。つまり、空気供給源8からエアパイプ80を介してステージ本体60へと空気を送りつつも、何ら支障なくベース部材3を回転させることができる。
【0033】
エアベントステージ6のステージ本体60は、先述したように、フレーム部材4が最も低い位置にあるとき、相対的にオープンスペース40よりも上方に位置した状態となる。このとき、ステージ本体60は、図2や図10に示すように、所定のホームポジションからx軸方向に沿って前進させられることにより、カセット部Cに横付けされる。そして、カセット部CからワークWが送られてくる際には、空気供給源8からステージ本体60へと空気が送られる。空気は、円板体61を通ってステージ本体60の上面60aに噴出させられる。このような円板体61は、たとえばセラミックの焼結体からなり、開口60bの下部からステージ本体60の上面60aへと微小孔を通じて空気を噴出してワークWを浮上させる。なお、この円板体61の代わりに小径からなる穴を複数個ステージ本体60の上面に設けて空気を噴出させる機構であっても、同様にワークWを浮上させることができる。また、この際には、両端のステージ本体60に設けられた複数の駆動ローラ62が回転させられる。これにより、カセット部Cから送られてきたワークWは、ステージ本体60の上面60aに接することなくこの上面60aとの間に極薄の空気層を介して浮上させられ、しかも回転する駆動ローラ62によって強制的にx軸方向に移動させられる。これにより、ワークWは、エアベントステージ6上に保持された状態となる。その後、エアベントステージ6のステージ本体60は、カセット部Cに横付けされた状態からワークWを保持したまま所定のホームポジションに戻る。その後、フレーム部材4が上昇移動することにより、相対的にステージ本体60よりもスライドアーム機構5が上方に位置した状態となる。これにより、エアベントステージ6に保持されていたワークWの下面がスライドアーム機構5の第2スライドアーム52に接した状態となり、ワークWがエアベントステージ6からスライドアーム機構5に載せ替えられる。そうした後、スライドアーム機構5は、ベース部材3が回転することでワークWの移送先に振り向けられ、さらにその後、スライドアーム機構5の第1および第2スライドアーム51,52が伸張させられることにより、カセット部Cから受け取ったワークWが移送先となる他の部所へと引き渡される。
【0034】
次に、上記トランスファロボットA1の動作について説明する。
【0035】
図10に示されているように、トランスファロボットA1は、たとえば液晶パネル用のガラス基板といったワークWをカセット部Cから図外の移送先となるワーク処理部へと転送するために設置されている。より具体的には、トランスファロボットA1は、ワーク搬送システムを構成する主要設備としてカセット部Cに隣接したロボット部Rに設置されている。なお、トランスファロボットは、フロア上を水平移動可能なキャリアベースに搭載されたものでもよい。
【0036】
カセット部Cは、概ね従来のものと同様の構成を備えたものであるが、本実施形態のカセット部Cとしては、トランスファロボットA1と一部において類似する構成が採用されている。すなわち、図11および図12に良く示されているように、昇降ステージC1のワークWが降ろされる所定高さの箇所には、トランスファロボットA1のエアベントステージ6と同様の構成からなる複数の浮上ユニット90が設置されている。これらの浮上ユニット90は、図12に良く示されているように、ワークWの下面を支持するために昇降ステージC1に架け渡されたワイヤ(図示略)と交錯することがないように、ワークWを送り出す方向(搬送方向)に沿って所定間隔おきに設置されている。また、ワークWの搬送方向に沿う浮上ユニット90の両側には、ワークWを強制的に送り出すための複数の搬送ローラ91または搬送ベルトが所定間隔おきに設けられている。各浮上ユニット90には、エアベントステージ6と同様の開口90aや円板体60bが備えられており、図外の空気供給源から浮上ユニット90内に空気が送られるように構成されている。このような浮上ユニット90と搬送ローラ91によれば、昇降ステージC1から降ろされたワークWは、浮上ユニット90の上面に接することなくこの上面との間に極薄の空気層を介して浮上させられ、しかもこのワークWは、所定方向に回転する搬送ローラ91によって強制的に移動させられる。これにより、ワークWは、カセット部Rの浮上ユニット90上からトランスファロボットA1が設置されたロボット部Rの方へと送り出される。このとき、ワークWは、搬送ローラ91に接する部分を除き浮上ユニット90に対してほとんど非接触の状態でスムーズに送り出される。また、ワークWの下面に対して空気が吹き付けられることにより、ワークWに対するゴミなどの付着が効果的に防止される。
【0037】
カセット部Cにおいて最前列に設けられた浮上ユニット90は、その前端がカセット部Cとロボット部Rとの間に設けられたワーク受渡口T付近に位置し、ワークWは、その最前列の浮上ユニット90の前端を越えるまで搬送ローラ91により搬送される。つまり、カセット部CにおいてワークWが搬送される距離は、概ね図10に示す距離L0’となる。
【0038】
一方、図10に良く示されているように、ロボット部RのトランスファロボットA1は、ワークWの受け取りに先立ち、最前列の浮上ユニット90の前端にエアベントステージ6を横付けにしておく。このとき、上段ハンドステージ4Aおよび下段ハンドステージ4Bは、最も低い位置まで引き下げられた状態にある。そのため、エアベントステージ6は、相対的にフレーム部材4のオープンスペース40よりも上方に位置するとともに、水平方向(x軸方向)に沿って所定のホームポジションよりも前進した位置を容易にとることができる。つまり、ワークWを受け取るためにエアベントステージ6が水平方向に移動する距離は、概ね図10に示す距離L1’となる。その後、カセット部CにおけるワークWの搬送が開始され、エアベントステージ6上にワークWが移ってくる。
【0039】
ワークWがエアベントステージ6上に移ってくると、ワークWの下面両側部が回転する複数の駆動ローラ62に支持された状態となり、ワークWは、これら複数の駆動ローラ62によってエアベントステージ6の真上へと移動させられる。これら駆動ローラ62の回転は、ワークWの搬送を開始してから所定時間経過後に停止させられる。なお、エアベントステージの後端にワークの移動を規制するストッパを設けておき、駆動ローラの回転を一定時間経過後に停止させるようにしたり、あるいはエアベントステージの後端にワークを検出するセンサを設けておき、このセンサによってワークが検出された時点で駆動ローラの回転を停止させるようにしてもよい。このようにしてワークWがエアベントステージ6上に載り移る際においても、ワークWは、駆動ローラ62に接する部分を除きエアベントステージ6に対してほとんど非接触の状態でスムーズに受け取られる。また、ワークWの下面に対してエアベントステージ6から空気が吹き付けられることにより、ワークWに対するゴミなどの付着が効果的に防止される。
【0040】
その後、エアベントステージ6は、ワークWを保持したまま後退移動し、フレーム部材4のオープンスペース40の真上に位置する。そうした後、たとえば上段ハンドステージ4Aは、相対的にエアベントステージ6よりも上方に位置するように上昇移動させられる。このとき、エアベントステージ6上に保持されたワークWは、スライドアーム機構5によって持ち上げられた状態となり、エアベントステージ6からスライドアーム機構5の第2スライドアーム52にワークWが載せ替えられる。この際、ワークWの下面に第2スライドアーム52が当たることとなり、その際の衝撃などによってはワークWの姿勢が不適正になってしまうことがある。そのため、第2スライドアーム52上にワークWが載ると、トランスファロボットA1は、クランプ機構7を作動させる。その結果、第2スライドアーム52上のワークWは、その対角部の2箇所がクランプ機構7によって挟持された状態となり、平面視において適正な姿勢に矯正される。なお、クランプ機構7については、たとえばカセット部Cからエアベントステージ6上にワークWが移動し、このエアベントステージ6上にワークWが保持されているときに作動させるようにしてもよい。
【0041】
そうした後、トランスファロボットA1は、ベース部材3をたとえば180度あるいは90度回転させ、ワークWを載せた上段ハンドステージ4Aのスライドアーム機構5を所望とするワーク処理部に向けた姿勢とする。そして、トランスファロボットA1は、昇降機構2やスライドアーム機構5を作動させることにより、上段ハンドステージ4Aに保持したワークWをワーク処理部へと移動させる。以上のような一連の動作を行うことにより、トランスファロボットA1は、カセット部Cから移送先となるワーク処理部にワークWを効率良く転送することができる。なお、カセット部CからワークWを受け取る際の高さと、ワーク処理部にワークWを引き渡す際の高さとが大きく異なる場合、トランスファロボットA1は、その都度、昇降機構2を作動させてベース部材3の高さを調整する。これにより、カセット部Cとワーク処理部との間に相当な高低差があっても、カセット部Cからワーク処理部へと何ら支障なくワークWを転送することができる。なお、ワーク処理部からカセット部CへとワークWを移動させる際には、下段ハンドステージ4Bを用いてワーク処理部からワークWを取り出し、その後、エアベントステージ6などを上記とは逆の手順となるように動作させる。このように、通常は、カセット部Cからワーク処理部へとワークWを移動させるために上段ハンドステージ4Aを用いるとともに、その逆方向にワークWを移動させる際には下段ハンドステージ4Bを用いるが、もちろんその反対に用いてもかまわない。
【0042】
したがって、本実施形態のトランスファロボットA1によれば、カセットCにエアベントステージ6を横付けにした状態とし、そのカセット部Cから直接ワークWを受け取ることができるため、従来のワーク搬送システムでは必要とされたバッファ部やそのための設置スペースが不要とされ、これによりワーク搬送システムのスケールダウンを図ることができる。
【0043】
また、カセット部Cに対してできる限り近い位置にトランスファロボットA1を設置することができ、しかもエアベントステージ6を水平に移動させる距離L1’を従来の距離L1(図13参照)に比べて相当短くすることができる。そのため、ワークWを受け取る際には、エアベントステージ6を水平方向に若干移動させるだけでよく、エアベントステージ6を安定した姿勢で動かすことができる。また、昇降機構2やエアベントステージ6としては、作動範囲が従来に比べて小さくて済むことから、できる限り小型のものを採用することができ、これによってロボットそのものの小型化を図ることができる。
【0044】
さらに、ワークWを空気圧によってエアベントステージ6上に浮上させることにより、ほとんど非接触の状態でワークを保持することができるため、ワークWに悪影響を与える静電気の発生がほとんどなく、ゴミなどの付着を防止しつつワークWをスムーズに受け取ることができる。
【0045】
なお、本願発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0046】
トランスファロボットとしては、1つのハンドステージを備えたものでもよい。
【0047】
また、カセット部からワークを受け取る際の高さと、ワーク処理部にワークを引き渡す際の高さとがほとんど変わらない場合には、特に昇降機構がなくてもよい。
【0048】
昇降機構としては、上記実施形態のようなリンク機構のものに限らず、たとえば上下方向や水平方向に移動させることが可能な他の機構でもよい。
【0049】
上記実施形態のエアベントステージに代えて、ローラ機構を備えたステージを設けることによっても、本願発明の課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本願発明に係るトランスファロボットの一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示すトランスファロボットの全体上面図である。
【図3】図1に示すトランスファロボットの一部正面図である。
【図4】図1に示すトランスファロボットの全体側面図である。
【図5】図1に示すトランスファロボットに含まれるエアベントステージの一部切断斜視図である。
【図6】図1に示すトランスファロボットに含まれるエアベントステージの一部断面図である。
【図7】図1に示すトランスファロボットに含まれるクランク機構の断面図である。
【図8】図1に示すトランスファロボットに含まれるスライドアーム機構の内部構造図である。
【図9】図1に示すトランスファロボットに含まれる昇降機構の内部構造図である。
【図10】図1に示すトランスファロボットの動作を説明するための説明図である。
【図11】図10に示すカセット部の一部正面図である。
【図12】図10に示すカセット部の内部平面図である。
【図13】従来のトランスファロボットを説明するための説明図である。
【図14】従来のトランスファロボットを説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0051】
2 昇降機構
3 ベース部材
4A 上段ハンドステージ
4B 下段ハンドステージ
4 フレーム部材
5 スライドアーム機構
50 ガイドレール
51 第1スライドアーム
52 第2スライドアーム
6 エアベントステージ
62 駆動ローラ
7 クランプ機構
8 空気供給源
A1 トランスファロボット
W ワーク
【技術分野】
【0001】
本願発明は、たとえば液晶パネル用のガラス基板といった板状のワークを水平に保ちながら所定の部所から他の部所へと受け渡しするためのトランスファロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のトランスファロボットとしては、たとえば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示されたトランスファロボットは、本願の図13および図14に示すように、板状のワークWを水平に保持するハンド400と、このハンド400を所定の水平直線移動行程Sに沿って前進・後退させる直線移動機構300と、この直線移動機構300に含まれる支持ベース310を上下方向に移動させる昇降機構200とを備えている。直線移動機構300は、支持ベース310のほか、この支持ベース310に基端部が連結された第1水平リンクアーム320と、この第1水平リンクアーム320の先端部に基端部が連結されているとともに、上記ハンド400を鉛直軸周りに回転可能として先端部に支持する第2水平リンクアーム330とを含んで構成されている。昇降機構200は、固定ベース100に基端部が連結された第1起立リンクアーム210と、この第1起立リンクアーム210の先端部に基端部が連結されているとともに、上記支持ベースを水平軸周りに回転可能として先端部に支持する第2起立リンクアーム220とを含んで構成されている。支持ベース310は、第1および第2起立リンクアーム210,220が水平軸周りに回転することにより、一定姿勢を保ちながら上下方向に移動させられる。ハンド400は、第1および第2水平リンクアーム320,330が鉛直軸周りに回転することにより、一定姿勢を保ちながら水平直線移動行程Sに沿って前進・後退する。なお、支持ベース310には、鉛直軸周りに回転する回転部材311が設けられており、この回転部材311を介して支持ベース310と第1水平リンクアーム320とが連結されている。
【0003】
このようなトランスファロボットXは、図13に示すように、多数のワークWを収容したカセット部Cからバッファ部Bを介してワークWを受け取ることができるように、バッファ部Bに隣接したロボット部Rに設置されている。カセット部Cには、多数のワークWが鉛直方向に一定間隔をあけて重なった状態で昇降ステージC1に保持されている。昇降ステージC1が下方に移動すると、最下段に保持されたワークWがカセット部CのローラコンベアC2上に載置される。昇降ステージC1には、ローラコンベアC2の搬送幅方向に沿ってワークWの下面を支持する複数のワイヤ(図示略)が架け渡されており、これらのワイヤは、ローラコンベアC2の隙間に進入することができる。これにより、昇降ステージC1が下方に移動したときには、ローラコンベアC2よりも下方にワイヤが移動し、このワイヤに支持されていたワークWがローラコンベアC2上に置き去りにされた状態となって載置される。
【0004】
その後、ワークWは、カセット部CのローラコンベアC2からバッファ部BのローラコンベアB1上に搬送される。バッファ部BのローラコンベアB1には、図14に示すように、トランスファロボットXのハンド400を差し入れ可能な空隙部B2が設けられている。トランスファロボットXは、昇降機構200および直線移動機構300を作動させることでハンド400をローラコンベアB1の空隙部B2に差し入れた状態とし、さらにハンド400をローラコンベアB1よりも上方に持ち上げた状態とする。これにより、バッファ部BのローラコンベアB1上にあったワークWがハンド400上に載り移る。さらにその後、トランスファロボットXは、ハンド400をロボット部Rの所定位置まで後退させて回転部材311をたとえば180度あるいは90度回転させ、ハンド400を図外のワーク処理部に向けた姿勢で再び直線移動機構300を作動させる。これにより、トランスファロボットXは、カセット部Cからバッファ部Bを経由して受け取ったワークWを移送先となるワーク処理部に転送する。
【0005】
【特許文献1】特開2003−275980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のトランスファロボットXでは、ローラコンベアB1の下方からワークWを持ち上げるようにしてハンド400上に載せなければならないので、ロボット部Rとカセット部Cとの間にワークWを受け渡しするためのバッファ部Bを設けなければならない。つまり、バッファ部の設備やその設置スペースを要するために、トランスファロボットを含むワーク搬送システムが大掛かりなものになってしまう。
【0007】
また、図13に示すように、ローラコンベアB1,C2は、カセット部Cからバッファ部Bへと距離L0をもってワークWを搬送しなければならない一方、トランスファロボットXは、ロボット部Rとバッファ部Bとの間で距離L1をもってハンド400を前進・後退させなければならず、両者ともワークやハンドについて比較的長い距離を移動させなければならない。特に、トランスファロボットについては、ハンドを移動させる距離L1が長くなればなるほど、動作時の安定性などを確保する面から大型なものになってしまう難点がある。
【0008】
さらに、ワークWは、その下面がローラコンベアB1,C2やハンド400に直に接するため、ワークWに対してゴミなどが付きやすく、ワークWの下面に傷などが付いてしまうおそれもある。このような点から、ワークWを受け渡しする際には、ローラコンベアB1,C2やハンド400が比較的ゆっくりと動くようになされており、これではワークWをスムーズに受け渡しすることができない。
【0009】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ワーク搬送システムのスケールダウンおよび装置の小型化を図ることができ、かつ、ゴミなどの付着を防止しつつワークをスムーズに受け渡しすることができるトランスファロボットを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0011】
本願発明によって提供されるトランスファロボットは、板状のワークを水平に保ちながら所定の部所から受け取るとともに、受け取ったワークを他の部所へと引き渡すトランスファロボットであって、ベース部材と、上記ベース部材に上下移動可能に支持されているフレーム部材と、上記フレーム部材に設けられているとともに、ワークの下面を支持しながら水平方向に伸縮する複数のスライドアーム機構と、上記複数のスライドアーム機構と上下方向に干渉しないようにして上記ベース部材に対して支持されているとともに、上記フレーム部材が下降移動して所定の位置にある状態では、ワークを空気圧により浮上させるエアベントステージとを備えたことを特徴としている。
【0012】
好ましい実施の形態としては、上記エアベントステージは、上記ベース部材に水平移動可能に支持されている。
【0013】
このような構成によれば、たとえば所定の部所からワークを受け取る場合、トランスファロボットは、当該部所にエアベントステージを横付けにする。このとき、フレーム部材は、下降移動して所定の位置にある状態とされる。そのため、エアベントステージは、相対的にフレーム部材よりも上方に位置した状態となる。これにより、エアベントステージは、フレーム部材やスライドアーム機構につかえることなく水平方向に移動することができ、上記所定の部所に最も接近した姿勢をとることができる。そうした後、所定の部所からワークが搬送されてくる。このとき、ワークは、エアベントステージ上に次第に移動するとともに、エアベントステージ上では、空気圧によってワークが浮上させられる。つまり、ワークは、エアベントステージに対して非接触の状態でエアベントステージ上に移動する。これにより、ワークに対するゴミなどの付着を効果的に防止しつつ、ワークをスムーズに受け取ることができる。さらにその後、エアベントステージは、ワークを保持したままフレーム部材の上方に戻る。そうした後、フレーム部材が上昇移動することにより、ワークは、エアベントステージから複数のスライドアーム機構によって保持されるように載せ替えられる。そして、複数のスライドアーム機構は、ワークを保持したまま水平方向に伸張することにより、ワークを他の部所へと引き渡す。
【0014】
したがって、本願発明に係るトランスファロボットによれば、所定の部所にエアベントステージを横付けにした状態でワークを受け取ることができるため、従来のバッファ部といった設備やその設置スペースが不要となり、ワーク搬送システムのスケールダウンを図ることができる。また、トランスファロボットとしては、エアベントステージやスライドアーム機構についての水平移動距離をできる限り短くして小型化を図ることができる。さらには、ワークを空気圧によりエアベントステージ上に浮上させつつ、非接触の状態で保持することができるため、ゴミなどの付着を防止しつつワークをスムーズに受け渡しすることができる。
【0015】
好ましい実施の形態としては、上記エアベントステージには、ワークの下面を支持しながらこのワークを水平方向に移動させるための複数の駆動ローラまたは駆動ベルトが設けられている。このような構成によれば、たとえばエアベントステージ上にワークが搬送されてくる際、ワークを浮上させつつも駆動ローラあるいは駆動ベルトを介してよりスムーズにワークを受け取ることができる。
【0016】
好ましい実施の形態としては、上記ベース部材は、鉛直軸周りに回転可能に構成されており、このベース部材には、上記エアベントステージに空気を送るための空気供給源が備え付けられている。このような構成によれば、たとえばエアベントステージ上にワークを保持した状態であっても、ベース部材を支障なく回転させることができる。
【0017】
好ましい実施の形態としては、上記スライドアーム機構は、上記フレーム部材に直接固定されるガイドレールと、このガイドレールにスライド可能に支持されている第1スライドアームとを含んで構成されている。また、上記スライドアーム機構はさらに、上記第1スライドアームにスライド可能に支持されているとともに、ワークの下面に直に接する第2スライドアームを含んで構成されている。このような構成によれば、たとえば第2スライドアーム上に保持されたワークを引き渡す際、第1および第2スライドアームを伸張させることにより、ワークを水平に保ちながら目的とする部所へと移すことができる。
【0018】
好ましい実施の形態としては、上記フレーム部材には、ワークの対角部または両側部を挟持可能なクランプ機構が設けられている。このような構成によれば、エアベントステージ上やスライドアーム機構上に保持されたワークの姿勢をクランプ機構によって矯正することができ、ワークの位置調整をその都度適切に行うことができる。
【0019】
好ましい実施の形態としては、上記フレーム部材および上記複数のスライドアーム機構は、ワークを保持しながら上下方向および水平方向に移動するハンドステージを構成しており、このハンドステージとして、互いに上下に隣接して段違い状となる第1および第2ハンドステージを備えている。このような構成によれば、2組のハンドステージを交互に用いてワークの受け渡しをより効率良く行うことができる。
【0020】
好ましい実施の形態としては、上記ベース部材を上下方向に移動させる昇降機構を備えている。このような構成によれば、各部所の高さにエアベントステージやスライドアーム機構の高さを合わせ、これらの部所との間でワークを適切に受け渡しすることができる。
【0021】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。図1〜10は、本願発明に係るトランスファロボットの一実施形態を示している。なお、各図においては、構成要素やその一部を適宜省略している。
【0023】
図1〜4に良く示されているように、本実施形態のトランスファロボットA1は、大別すると、昇降機構2、昇降機構2によって上下方向に移動させられるベース部材3、ベース部材3に上下移動可能に支持されているフレーム部材4、フレーム部材4に梁状に設けられている複数のスライドアーム機構5、および、複数のスライドアーム機構5と上下方向に干渉することなくフレーム部材4のオープンスペース40内に収まるように設けられている複数のエアベントステージ6を有して構成されている。フレーム部材4および複数のスライドアーム機構5は、ワークWを保持しながら所定の方向に移動させるハンドステージを構成しており、このようなハンドステージとしては、互いに上下に隣接して段違い状となるように上段ハンドステージ4Aと下段ハンドステージ4Bとが設けられている。エアベントステージ6は、ベース部材3に水平移動可能に支持されている。なお、以下の説明や各図においては、ワークWが移動させられる水平方向をx軸方向、このx軸方向に直交する水平方向をy軸方向、x軸およびy軸の両方向に直交する上下方向をz軸方向とする。
【0024】
図9に良く示されているように、昇降機構2は、固定ベース1、固定ベース1に設けられた第1昇降用モータM1、固定ベース1に対してy軸周りに回転可能に基端部20aが連結された第1起立リンクアーム20、第1起立リンクアーム20の先端部20bに内蔵された第2昇降用モータM2、第1起立リンクアーム20の先端部20bに基端部21aが連結されているとともに、後述するベース部材3の基部30を支える台座21cを先端部21bに支持する第2起立リンクアーム21、ならびに第1および第2起立リンクアーム20,21に連動する第1および第2補助アーム22,23を有して構成されている。
【0025】
第1起立リンクアーム20の基端部20aは、第1昇降用モータM1から減速機構(図示略)を介して回転力が伝えられることによりy軸周りに回転する。第2起立リンクアーム21の基端部21aは、第2昇降用モータM2から減速機構(図示略)を介して回転力が伝えられることにより、第1起立リンクアーム20の先端部20bを支点としてy軸周りに回転する。なお、第1および第2起立リンクアーム20,21は、同一角度をもって互いに逆方向に回転するように構成されている。第1および第2補助アーム22,23は、第1起立リンクアーム20の先端部20bと第2起立リンクアーム21の基端部21aとの間でy軸周りに回転可能に支持された中間部材24を介して連結されている。これら第1および第2補助アーム22,23は、第1および第2起立リンクアーム20,21と対になって常に平行四辺形をなすように、それぞれの一端が固定ベース1および台座21cに対して回転可能に連結されている。これにより、第1および第2起立リンクアーム20,21の基端部20a,21aがy軸周りの所定の方向に回転すると、第2起立リンクアーム21の先端部21bが概ねz軸方向に沿って変位し、これに伴い台座21cおよびベース部材3は、水平姿勢を保ちながらz軸方向に移動する。
【0026】
図2〜4に示されているように、ベース部材3は、台座21cに固定される基部30、この基部30上に固定されているとともにy軸方向の両端に起立部31aを有する本体ブロック31、起立部31aの内壁に上下移動可能に支持された一対の上下スライダ32、本体ブロック31の中央上部に水平移動可能に支持された水平スライダ33を有して構成されている。
【0027】
図4に良く示されているように、ベース部材3の基部30は、上下に分割可能な上部30aおよび下部30bを有して構成されている。下部30bは、台座21cに直接固定されている一方、上部30aは、下部30bに対してz軸周りに回転可能に保持されている。このような基部30の内部には、回転駆動用モータM3が設けられている。この回転駆動用モータM3の回転力が減速機構(図示略)を介して上部30aに伝えられることにより、上部30aとともに本体ブロック31がz軸周りに回転する。一方、図3に良く示されているように、本体ブロック31の起立部31aには、z軸方向に沿う一対のレール31bを介して上下スライダ32が支持されている。この起立部31a付近には、上下スライダ32を上下移動させるためのモータM4が設けられている。このモータM4の回転軸M4aは、駆動ベルト32aを介して上下スライダ32に内蔵されたボールネジ軸32bに連結されている。上下スライダ32の内壁側には、フレーム部材4の両側部が固定されている。これにより、モータM4が回転駆動すると、レール31bに沿って上下スライダ32がz軸方向に移動し、この上下スライダ32と一体になってフレーム部材4がz軸方向に移動する。また、本体ブロック31の中央上部には、x軸方向に沿う一対のレール31cに水平スライダ33が支持されている。水平スライダ33には、フレーム部材4のオープンスペース40をz軸方向に貫くように複数の支柱部33aが設けられており、これら支柱部33aの上部には、複数のエアベントステージ6が支持されている。このような本体ブロック31の中央上部と水平スライダ33との間には、水平スライダ33をx軸方向に移動させるためのボールネジ機構33bやこれを駆動するためのモータ(図示略)が設けられている。これにより、モータが回転駆動すると、レール31cに沿って水平スライダ33がx軸方向に移動し、この水平スライダ33と一体になってエアベントステージ6がx軸方向に移動する。ただし、エアベントステージ6は、水平スライダ33の支柱部33aがフレーム部材4に干渉しない範囲でx軸方向に移動可能となっている。
【0028】
図2に示されているように、フレーム部材4は、z軸方向に開放した平面視矩形状のオープンスペース40をもっている。図3に良く示されているように、上段ハンドステージ4Aのフレーム部材4と下段ハンドステージ4Bのフレーム部材4とは、これらの間にワークWやエアベントステージ6を進入させることが可能な間隔をあけつつ重なった状態で両者共に上下スライダ32に固定されている。これらフレーム部材4の上部には、x軸方向に沿ってオープンスペース40を跨ぐように複数(本実施形態では1つのフレーム部材当たり4つ)のスライドアーム機構5が設けられている。また、複数のエアベントステージ6は、フレーム部材4のオープンスペース40のうち、スライドアーム機構5によって跨がれていないエリアを占有するように配置されている。これにより、図4に示すようにエアベントステージ6が所定のホームポジションにある状態では、フレーム部材4が上下スライダ32と一体になってz軸方向に移動しても、スライドアーム機構5とエアベントステージ6とが互いに干渉することはない。また、図4に実線で示すようにフレーム部材4が最も低い位置にあるとき、エアベントステージ6は、相対的にオープンスペース40よりも上方に位置した状態になる。これにより、エアベントステージ6がx軸方向に移動可能とされる。さらに、図2に良く示されているように、フレーム部材4の対角部には、スライドアーム機構5あるいはエアベントステージ6上に保持された状態にあるワークWの対角部を挟持可能なクランプ機構7が設けられている。このようなクランプ機構7は、図7に良く示されているように、フレーム部材4の外側部から対角方向(x軸およびy軸と略45°をなす水平方向)に沿って外側に延びる水平ロッド73a、水平ロッド73aの先端に固定された平面視L字状の金具73b、ならびに金具73bの各先端に対してz軸周りに回転自在に支持された一対のガイドローラ73cを有して構成されている。また、フレーム部材4の内部には、水平ロッド73aを対角方向に動かすためのアクチュエータ74が設けられている。ガイドローラ73cは、当初はワークWと接しない位置にある一方、スライドアーム機構5やエアベントステージ6上にワークWが保持された状態となり、このワークWが所定のホームポジションにくると、水平ロッド73aがアクチュエータ74によってフレーム部材4内に引き込まれる。これにより、ガイドローラ73cがワークWの対角部に当接した状態になる。このようなクランプ機構7は、スライドアーム機構5やエアベントステージ6上に保持されたワークWの姿勢を適切に矯正するために設けられている。
【0029】
図8に示されているように、スライドアーム機構5は、x軸方向に沿ってフレーム部材4(図8では図示略)に直接固定されたガイドレール50、ガイドレール50にスライド可能に支持されている第1スライドアーム51、第1スライドアーム51にスライド可能に支持されているとともにワークWの下面を直接支える第2スライドアーム52、第1および第2スライドアーム51,52をx軸方向にスライドさせるためのスライド用モータM5などを有して構成されている。
【0030】
ガイドレール50は、フレーム部材4の前後両端部を跨ぐように固定されており、このガイドレール50の後端部付近にスライド用モータM5が設けられている(図4参照)。図8に良く示されているように、ガイドレール50の内部には、スライド用モータM5により回転駆動される第1プーリギヤ50aと、第1プーリギヤ50aを介してx軸方向に走行する第1プーリベルト50bとが設けられている。この第1プーリベルト50bには、第1スライドアーム51が連結されている。また、ガイドレール50の内部には、ラックギヤ50cが設けられている一方、第1スライドアーム51の内部には、上記ラックギヤ50cに噛み合うピニオンギヤ51aが設けられている。さらに、第1スライドアーム51の内部には、アイドルギヤ51bを介してピニオンギヤ51aに連結された第2プーリギヤ51cと、第2プーリギヤ51cを介してx軸方向に走行する第2プーリベルト51dとが設けられている。この第2プーリベルト51dには、第2スライドアーム52が連結されている。これにより、スライド用モータM5が所定の方向に回転駆動すると、たとえば第1スライドアーム51がガイドレール50に沿って伸張するように移動するとともに、これに連動して第2スライドアーム52も第1スライドアーム51に沿って伸張するように移動し、第1および第2スライドアーム51,52が同時に伸びる。逆に縮む場合についても、第1および第2スライドアーム51,52が同時に縮むこととなる。
【0031】
図5に示されているように、エアベントステージ6は、上面60aに多数の開口60bを有する矩形状のステージ本体60、各開口60bに嵌め込まれた多孔質状の円板体61などを有して構成されている。各ステージ本体60は、上記水平スライダ33の支柱部33a(図5では図示略)の上部に固定されており、水平スライダ33と一体化されている。特に、y軸方向の両端に位置するステージ本体60の外側部には、ワークWの側部下面を支持しながらこのワークWを強制的にx軸方向に移動させるための複数の駆動ローラ62が設けられている(図2および図6参照)。これら両端のステージ本体60の適部には、複数の駆動ローラ62を回転させるためのローラ回転用モータ64や伝動ベルト66、プーリギヤ67が内蔵されている(図6参照)。これらの駆動ローラ62は、x軸方向に沿って一定間隔おきに並んでいる。また、図6に良く示されているように、駆動ローラ62は、ステージ本体60の上面60aよりも若干上方に迫り出てワークWの下面に接する小径部62aと、この小径部62aの外側でワークWを規制する大径部62bとを一体的に有して構成されている。ローラ回転用モータ64からの回転力は、伝動ベルト66およびプーリギヤ67を介して複数の駆動ローラ62に伝わり、これにより複数の駆動ローラ62が同時に回転する。なお、エアベントステージの開口や円板体の形状は、特に円形状でなくてもよく、たとえば楕円状や矩形状であってもよい。また、ワークWをx軸方向に移動させるための手段としては、駆動ローラ62に代えて、例えば駆動ベルトを用いたローラコンベアによるものでもよい。
【0032】
また、図5に良く示されているように、各ステージ本体60の内部には、上記開口60bに空気を送るための送気管60cや、送気管60cから送られてきた空気の空気溜まりを複数の開口60bの下部に形成するための隔壁60dが設けられている。このような各ステージ本体60には、空気供給源8(図5においては図示略)から可撓性のエアパイプ80を経由して空気が送られてくる。空気供給源8は、図2に示すように、ベース部材3の適部に備え付けられている。これにより、ベース部材3がz軸周りに回転しても、各ステージ本体60と空気供給源8との相対的な位置関係が変わることなく、ステージ本体60の下部周辺に引き回されたエアパイプ80の姿勢が一定に保たれる。つまり、空気供給源8からエアパイプ80を介してステージ本体60へと空気を送りつつも、何ら支障なくベース部材3を回転させることができる。
【0033】
エアベントステージ6のステージ本体60は、先述したように、フレーム部材4が最も低い位置にあるとき、相対的にオープンスペース40よりも上方に位置した状態となる。このとき、ステージ本体60は、図2や図10に示すように、所定のホームポジションからx軸方向に沿って前進させられることにより、カセット部Cに横付けされる。そして、カセット部CからワークWが送られてくる際には、空気供給源8からステージ本体60へと空気が送られる。空気は、円板体61を通ってステージ本体60の上面60aに噴出させられる。このような円板体61は、たとえばセラミックの焼結体からなり、開口60bの下部からステージ本体60の上面60aへと微小孔を通じて空気を噴出してワークWを浮上させる。なお、この円板体61の代わりに小径からなる穴を複数個ステージ本体60の上面に設けて空気を噴出させる機構であっても、同様にワークWを浮上させることができる。また、この際には、両端のステージ本体60に設けられた複数の駆動ローラ62が回転させられる。これにより、カセット部Cから送られてきたワークWは、ステージ本体60の上面60aに接することなくこの上面60aとの間に極薄の空気層を介して浮上させられ、しかも回転する駆動ローラ62によって強制的にx軸方向に移動させられる。これにより、ワークWは、エアベントステージ6上に保持された状態となる。その後、エアベントステージ6のステージ本体60は、カセット部Cに横付けされた状態からワークWを保持したまま所定のホームポジションに戻る。その後、フレーム部材4が上昇移動することにより、相対的にステージ本体60よりもスライドアーム機構5が上方に位置した状態となる。これにより、エアベントステージ6に保持されていたワークWの下面がスライドアーム機構5の第2スライドアーム52に接した状態となり、ワークWがエアベントステージ6からスライドアーム機構5に載せ替えられる。そうした後、スライドアーム機構5は、ベース部材3が回転することでワークWの移送先に振り向けられ、さらにその後、スライドアーム機構5の第1および第2スライドアーム51,52が伸張させられることにより、カセット部Cから受け取ったワークWが移送先となる他の部所へと引き渡される。
【0034】
次に、上記トランスファロボットA1の動作について説明する。
【0035】
図10に示されているように、トランスファロボットA1は、たとえば液晶パネル用のガラス基板といったワークWをカセット部Cから図外の移送先となるワーク処理部へと転送するために設置されている。より具体的には、トランスファロボットA1は、ワーク搬送システムを構成する主要設備としてカセット部Cに隣接したロボット部Rに設置されている。なお、トランスファロボットは、フロア上を水平移動可能なキャリアベースに搭載されたものでもよい。
【0036】
カセット部Cは、概ね従来のものと同様の構成を備えたものであるが、本実施形態のカセット部Cとしては、トランスファロボットA1と一部において類似する構成が採用されている。すなわち、図11および図12に良く示されているように、昇降ステージC1のワークWが降ろされる所定高さの箇所には、トランスファロボットA1のエアベントステージ6と同様の構成からなる複数の浮上ユニット90が設置されている。これらの浮上ユニット90は、図12に良く示されているように、ワークWの下面を支持するために昇降ステージC1に架け渡されたワイヤ(図示略)と交錯することがないように、ワークWを送り出す方向(搬送方向)に沿って所定間隔おきに設置されている。また、ワークWの搬送方向に沿う浮上ユニット90の両側には、ワークWを強制的に送り出すための複数の搬送ローラ91または搬送ベルトが所定間隔おきに設けられている。各浮上ユニット90には、エアベントステージ6と同様の開口90aや円板体60bが備えられており、図外の空気供給源から浮上ユニット90内に空気が送られるように構成されている。このような浮上ユニット90と搬送ローラ91によれば、昇降ステージC1から降ろされたワークWは、浮上ユニット90の上面に接することなくこの上面との間に極薄の空気層を介して浮上させられ、しかもこのワークWは、所定方向に回転する搬送ローラ91によって強制的に移動させられる。これにより、ワークWは、カセット部Rの浮上ユニット90上からトランスファロボットA1が設置されたロボット部Rの方へと送り出される。このとき、ワークWは、搬送ローラ91に接する部分を除き浮上ユニット90に対してほとんど非接触の状態でスムーズに送り出される。また、ワークWの下面に対して空気が吹き付けられることにより、ワークWに対するゴミなどの付着が効果的に防止される。
【0037】
カセット部Cにおいて最前列に設けられた浮上ユニット90は、その前端がカセット部Cとロボット部Rとの間に設けられたワーク受渡口T付近に位置し、ワークWは、その最前列の浮上ユニット90の前端を越えるまで搬送ローラ91により搬送される。つまり、カセット部CにおいてワークWが搬送される距離は、概ね図10に示す距離L0’となる。
【0038】
一方、図10に良く示されているように、ロボット部RのトランスファロボットA1は、ワークWの受け取りに先立ち、最前列の浮上ユニット90の前端にエアベントステージ6を横付けにしておく。このとき、上段ハンドステージ4Aおよび下段ハンドステージ4Bは、最も低い位置まで引き下げられた状態にある。そのため、エアベントステージ6は、相対的にフレーム部材4のオープンスペース40よりも上方に位置するとともに、水平方向(x軸方向)に沿って所定のホームポジションよりも前進した位置を容易にとることができる。つまり、ワークWを受け取るためにエアベントステージ6が水平方向に移動する距離は、概ね図10に示す距離L1’となる。その後、カセット部CにおけるワークWの搬送が開始され、エアベントステージ6上にワークWが移ってくる。
【0039】
ワークWがエアベントステージ6上に移ってくると、ワークWの下面両側部が回転する複数の駆動ローラ62に支持された状態となり、ワークWは、これら複数の駆動ローラ62によってエアベントステージ6の真上へと移動させられる。これら駆動ローラ62の回転は、ワークWの搬送を開始してから所定時間経過後に停止させられる。なお、エアベントステージの後端にワークの移動を規制するストッパを設けておき、駆動ローラの回転を一定時間経過後に停止させるようにしたり、あるいはエアベントステージの後端にワークを検出するセンサを設けておき、このセンサによってワークが検出された時点で駆動ローラの回転を停止させるようにしてもよい。このようにしてワークWがエアベントステージ6上に載り移る際においても、ワークWは、駆動ローラ62に接する部分を除きエアベントステージ6に対してほとんど非接触の状態でスムーズに受け取られる。また、ワークWの下面に対してエアベントステージ6から空気が吹き付けられることにより、ワークWに対するゴミなどの付着が効果的に防止される。
【0040】
その後、エアベントステージ6は、ワークWを保持したまま後退移動し、フレーム部材4のオープンスペース40の真上に位置する。そうした後、たとえば上段ハンドステージ4Aは、相対的にエアベントステージ6よりも上方に位置するように上昇移動させられる。このとき、エアベントステージ6上に保持されたワークWは、スライドアーム機構5によって持ち上げられた状態となり、エアベントステージ6からスライドアーム機構5の第2スライドアーム52にワークWが載せ替えられる。この際、ワークWの下面に第2スライドアーム52が当たることとなり、その際の衝撃などによってはワークWの姿勢が不適正になってしまうことがある。そのため、第2スライドアーム52上にワークWが載ると、トランスファロボットA1は、クランプ機構7を作動させる。その結果、第2スライドアーム52上のワークWは、その対角部の2箇所がクランプ機構7によって挟持された状態となり、平面視において適正な姿勢に矯正される。なお、クランプ機構7については、たとえばカセット部Cからエアベントステージ6上にワークWが移動し、このエアベントステージ6上にワークWが保持されているときに作動させるようにしてもよい。
【0041】
そうした後、トランスファロボットA1は、ベース部材3をたとえば180度あるいは90度回転させ、ワークWを載せた上段ハンドステージ4Aのスライドアーム機構5を所望とするワーク処理部に向けた姿勢とする。そして、トランスファロボットA1は、昇降機構2やスライドアーム機構5を作動させることにより、上段ハンドステージ4Aに保持したワークWをワーク処理部へと移動させる。以上のような一連の動作を行うことにより、トランスファロボットA1は、カセット部Cから移送先となるワーク処理部にワークWを効率良く転送することができる。なお、カセット部CからワークWを受け取る際の高さと、ワーク処理部にワークWを引き渡す際の高さとが大きく異なる場合、トランスファロボットA1は、その都度、昇降機構2を作動させてベース部材3の高さを調整する。これにより、カセット部Cとワーク処理部との間に相当な高低差があっても、カセット部Cからワーク処理部へと何ら支障なくワークWを転送することができる。なお、ワーク処理部からカセット部CへとワークWを移動させる際には、下段ハンドステージ4Bを用いてワーク処理部からワークWを取り出し、その後、エアベントステージ6などを上記とは逆の手順となるように動作させる。このように、通常は、カセット部Cからワーク処理部へとワークWを移動させるために上段ハンドステージ4Aを用いるとともに、その逆方向にワークWを移動させる際には下段ハンドステージ4Bを用いるが、もちろんその反対に用いてもかまわない。
【0042】
したがって、本実施形態のトランスファロボットA1によれば、カセットCにエアベントステージ6を横付けにした状態とし、そのカセット部Cから直接ワークWを受け取ることができるため、従来のワーク搬送システムでは必要とされたバッファ部やそのための設置スペースが不要とされ、これによりワーク搬送システムのスケールダウンを図ることができる。
【0043】
また、カセット部Cに対してできる限り近い位置にトランスファロボットA1を設置することができ、しかもエアベントステージ6を水平に移動させる距離L1’を従来の距離L1(図13参照)に比べて相当短くすることができる。そのため、ワークWを受け取る際には、エアベントステージ6を水平方向に若干移動させるだけでよく、エアベントステージ6を安定した姿勢で動かすことができる。また、昇降機構2やエアベントステージ6としては、作動範囲が従来に比べて小さくて済むことから、できる限り小型のものを採用することができ、これによってロボットそのものの小型化を図ることができる。
【0044】
さらに、ワークWを空気圧によってエアベントステージ6上に浮上させることにより、ほとんど非接触の状態でワークを保持することができるため、ワークWに悪影響を与える静電気の発生がほとんどなく、ゴミなどの付着を防止しつつワークWをスムーズに受け取ることができる。
【0045】
なお、本願発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0046】
トランスファロボットとしては、1つのハンドステージを備えたものでもよい。
【0047】
また、カセット部からワークを受け取る際の高さと、ワーク処理部にワークを引き渡す際の高さとがほとんど変わらない場合には、特に昇降機構がなくてもよい。
【0048】
昇降機構としては、上記実施形態のようなリンク機構のものに限らず、たとえば上下方向や水平方向に移動させることが可能な他の機構でもよい。
【0049】
上記実施形態のエアベントステージに代えて、ローラ機構を備えたステージを設けることによっても、本願発明の課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本願発明に係るトランスファロボットの一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示すトランスファロボットの全体上面図である。
【図3】図1に示すトランスファロボットの一部正面図である。
【図4】図1に示すトランスファロボットの全体側面図である。
【図5】図1に示すトランスファロボットに含まれるエアベントステージの一部切断斜視図である。
【図6】図1に示すトランスファロボットに含まれるエアベントステージの一部断面図である。
【図7】図1に示すトランスファロボットに含まれるクランク機構の断面図である。
【図8】図1に示すトランスファロボットに含まれるスライドアーム機構の内部構造図である。
【図9】図1に示すトランスファロボットに含まれる昇降機構の内部構造図である。
【図10】図1に示すトランスファロボットの動作を説明するための説明図である。
【図11】図10に示すカセット部の一部正面図である。
【図12】図10に示すカセット部の内部平面図である。
【図13】従来のトランスファロボットを説明するための説明図である。
【図14】従来のトランスファロボットを説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0051】
2 昇降機構
3 ベース部材
4A 上段ハンドステージ
4B 下段ハンドステージ
4 フレーム部材
5 スライドアーム機構
50 ガイドレール
51 第1スライドアーム
52 第2スライドアーム
6 エアベントステージ
62 駆動ローラ
7 クランプ機構
8 空気供給源
A1 トランスファロボット
W ワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のワークを水平に保ちながら所定の部所から受け取るとともに、受け取ったワークを他の部所へと引き渡すトランスファロボットであって、
ベース部材と、
上記ベース部材に上下移動可能に支持されているフレーム部材と、
上記フレーム部材に設けられているとともに、ワークの下面を支持しながら水平方向に伸縮する複数のスライドアーム機構と、
上記複数のスライドアーム機構と上下方向に干渉しないようにして上記ベース部材に対して支持されているとともに、上記フレーム部材が下降移動して所定の位置にある状態では、ワークを空気圧により浮上させるエアベントステージと、
を備えたことを特徴とする、トランスファロボット。
【請求項2】
上記エアベントステージは、上記ベース部材に水平移動可能に支持されている、請求項1に記載のトランスファロボット。
【請求項3】
上記エアベントステージには、ワークの下面を支持しながらこのワークを水平方向に移動させるための複数の駆動ローラまたは駆動ベルトが設けられている、請求項1または2に記載のトランスファロボット。
【請求項4】
上記ベース部材は、鉛直軸周りに回転可能に構成されており、このベース部材には、上記エアベントステージに空気を送るための空気供給源が備え付けられている、請求項1ないし3のいずれかに記載のトランスファロボット。
【請求項5】
上記スライドアーム機構は、上記フレーム部材に直接固定されるガイドレールと、このガイドレールにスライド可能に支持されている第1スライドアームとを含んで構成されている、請求項1ないし4のいずれかに記載のトランスファロボット。
【請求項6】
上記スライドアーム機構はさらに、上記第1スライドアームにスライド可能に支持されているとともに、ワークの下面に直に接する第2スライドアームを含んで構成されている、請求項5に記載のトランスファロボット。
【請求項7】
上記フレーム部材には、ワークの対角部または両側部を挟持可能なクランプ機構が設けられている、請求項1ないし6のいずれかに記載のトランスファロボット。
【請求項8】
上記フレーム部材および上記複数のスライドアーム機構は、ワークを保持しながら上下方向および水平方向に移動するハンドステージを構成しており、このハンドステージとして、互いに上下に隣接して段違い状となる第1および第2ハンドステージを備えている、請求項1ないし7のいずれかに記載のトランスファロボット。
【請求項9】
上記ベース部材を上下方向に移動させる昇降機構を備えている、請求項1ないし8のいずれかに記載のトランスファロボット。
【請求項1】
板状のワークを水平に保ちながら所定の部所から受け取るとともに、受け取ったワークを他の部所へと引き渡すトランスファロボットであって、
ベース部材と、
上記ベース部材に上下移動可能に支持されているフレーム部材と、
上記フレーム部材に設けられているとともに、ワークの下面を支持しながら水平方向に伸縮する複数のスライドアーム機構と、
上記複数のスライドアーム機構と上下方向に干渉しないようにして上記ベース部材に対して支持されているとともに、上記フレーム部材が下降移動して所定の位置にある状態では、ワークを空気圧により浮上させるエアベントステージと、
を備えたことを特徴とする、トランスファロボット。
【請求項2】
上記エアベントステージは、上記ベース部材に水平移動可能に支持されている、請求項1に記載のトランスファロボット。
【請求項3】
上記エアベントステージには、ワークの下面を支持しながらこのワークを水平方向に移動させるための複数の駆動ローラまたは駆動ベルトが設けられている、請求項1または2に記載のトランスファロボット。
【請求項4】
上記ベース部材は、鉛直軸周りに回転可能に構成されており、このベース部材には、上記エアベントステージに空気を送るための空気供給源が備え付けられている、請求項1ないし3のいずれかに記載のトランスファロボット。
【請求項5】
上記スライドアーム機構は、上記フレーム部材に直接固定されるガイドレールと、このガイドレールにスライド可能に支持されている第1スライドアームとを含んで構成されている、請求項1ないし4のいずれかに記載のトランスファロボット。
【請求項6】
上記スライドアーム機構はさらに、上記第1スライドアームにスライド可能に支持されているとともに、ワークの下面に直に接する第2スライドアームを含んで構成されている、請求項5に記載のトランスファロボット。
【請求項7】
上記フレーム部材には、ワークの対角部または両側部を挟持可能なクランプ機構が設けられている、請求項1ないし6のいずれかに記載のトランスファロボット。
【請求項8】
上記フレーム部材および上記複数のスライドアーム機構は、ワークを保持しながら上下方向および水平方向に移動するハンドステージを構成しており、このハンドステージとして、互いに上下に隣接して段違い状となる第1および第2ハンドステージを備えている、請求項1ないし7のいずれかに記載のトランスファロボット。
【請求項9】
上記ベース部材を上下方向に移動させる昇降機構を備えている、請求項1ないし8のいずれかに記載のトランスファロボット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−16144(P2006−16144A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195470(P2004−195470)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【出願人】(000208709)第一施設工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【出願人】(000208709)第一施設工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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