説明

トランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造方法

【課題】ポリウレタン樹脂やポリアミド樹脂のモノマー原料および医農薬原料の中間体として有用な、トランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造方法を提供する。
【解決手段】トランス体構造及びシス体構造からなるジハロゲン化物をアンモニアでアミノ化する下記一般式(2)で表されるトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造方法であって、アミノ化時にシス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対して塩基性化合物を1.0〜10.0モル使用する。


(式中、点線は単結合又は二重結合を表し、mは0又は1を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの新規な製造方法に関する。本発明で製造されたトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンはポリウレタン樹脂やポリアミド樹脂のモノマー原料、医農薬原料の中間体として有用なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環状構造の脂肪族炭化水素を骨格に持つ環状脂肪族ジイソシアネートを原料とするポリウレタン樹脂は、無黄変性、耐候性及び剛直性を有し、塗料や接着剤用途として注目されている。環状脂肪族ジイソシアネートのイソシアネート基の立体構造は樹脂の物性に影響を及ぼすことから、トランス体の構造を持つことが期待されている。一般に、ジイソシアネート基の立体構造は、原料となるジアミンのアミノ基の立体が保持されることから、環状脂肪族ジイソシアネートの原料となる環状脂肪族ジアミンはトランス体の構造を持つことが望まれている。
【0003】
このようなトランス体の構造を持つ環状脂肪族ジアミンは、例えば、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンが知られ、シクロペンタジエン又はジシクロペンタジエンと無水マレイン酸を用いてディールスアルダー反応を行い、次いで、メチルエステル化、エピマー化、水素化、イミノ化、そして再度水素化を行う全6工程からなるルートで製造する方法(例えば、非特許文献1参照)、シクロペンタジエン又はジシクロペンタジエンとフマロニトリルを反応させ、次いで水素化して製造する方法(例えば、特許文献1参照)が開示されている。
【0004】
しかし、非特許文献1のルートは、トランス体の構造を取るために−78℃の超低温でエピマー化処理をする必要があり、煩雑かつ特殊な反応装置を必要とする問題があった。更に、エピマー化処理が十分でないと、シス体が残留し、目的の環状脂肪族ジアミンのトランス体の純度が低下する問題もあった。また、特許文献1のルートでは高価なフマロニトリルを用いる必要があり、更に、フマロニトリル中に構造異性体であるマレオニトリルが混在すると、目的の環状脂肪族ジアミンのトランス体の純度が維持できない問題もあった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Tetrahedron:Asymmetry 2003年 14巻 1167頁
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3185807号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は容易に入手可能なトランス体とシス体が混合した原料を用い、煩雑かつ特殊な工程を経ることなく、ポリウレタン樹脂やポリアミド樹脂用モノマーの中間原料、医農薬原料の中間体として有用なトランス体の構造を有する環状脂肪族ジアミンを選択的に製造するとともに、アミノ化反応におけるアンモニアの使用効率を高める方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、トランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの新規な製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、下記一般式(2)で表されるトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの新規な製造方法である。
【0009】
【化1】

(式中、点線は単結合又は二重結合を表し、mは0又は1を表す。)
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明の一般式(2)で表されるトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの新規な製造方法は、下記一般式(1)で示されるトランス体構造及びシス体構造からなるジハロゲン化物をアンモニアでアミノ化する一般式(2)で表されるトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造方法であって、アミノ化時にシス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対して塩基性化合物を1.0〜10.0モル使用するものである。
【0011】
【化2】

(式中、点線は単結合又は二重結合を示し、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又
はヨウ素原子を表し、nは0又は1を表す。)
本発明の製造方法で製造される上記一般式(2)で表されるトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンとしては、例えば、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン等があげられる。これらのうち、原料の入手及び合成が容易なこと、さらに環状脂肪族ジアミン自体の安定性が高いことから、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンが好ましい。
【0012】
本発明の製造方法に用いられる上記一般式(1)で表されるトランス体構造及びシス体構造からなるジハロゲン化物としては、例えば、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、2,3−ビス(ブロモメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、2,3−ビス(ヨードメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、2,3−ビス(ブロモメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、2,3−ビス(ヨードメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、2,3−ビス(ブロモメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、2,3−ビス(ヨードメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、2,3−ビス(ブロモメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、2,3−ビス(ヨードメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン等のトランス体構造及びシス体構造からなるジハロゲン化物があげられる。ここで、これらのうち、原料入手が容易で、簡便に効率よく製造できることから、上記一般式(1)におけるXが両方とも塩素原子である2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンのトランス体構造及びシス体構造からなるジハロゲン化物が好ましく、特に安定性が高いことから、一般式(1)におけるnが0である2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンのトランス体構造及びシス体構造からなるジハロゲン化物がさらに好ましい。
【0013】
また、本発明の製造方法に用いられる上記一般式(1)で表されるトランス体構造及びシス体構造からなるジハロゲン化物は、下記一般式(3)で表されるトランス体構造を有するジハロゲン化物、下記一般式(4)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物及び下記一般式(5)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物の混合物であってもよい。
【0014】
【化3】

(式中、点線は単結合又は二重結合を示し、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは0又は1を表す。)
【0015】
【化4】

(式中、点線は単結合又は二重結合を示し、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは0又は1を表す。)
【0016】
【化5】

(式中、点線は単結合又は二重結合を示し、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは0又は1を表す。)
ここで、上記一般式(3)で表されるトランス体構造を有するジハロゲン化物としては、例えば、トランス−2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、トランス−2,3−ビス(ブロモメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、トランス−2,3−ビス(ヨードメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、トランス−2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、トランス−2,3−ビス(ブロモメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、トランス−2,3−ビス(ヨードメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、トランス−2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、トランス−2,3−ビス(ブロモメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、トランス−2,3−ビス(ヨードメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、トランス−2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、トランス−2,3−ビス(ブロモメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、トランス−2,3−ビス(ヨードメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン等があげられる。ここで、上記一般式(3)で表されるトランス体構造を有するジハロゲン化物のハロゲン化メチル基、例えばクロロメチル基は立体化学的にエンド−エキソ体とも称される。これらのうち、原料入手が容易で、簡便に効率よく製造できることから、上記一般式(3)におけるXが両方とも塩素原子であるトランス−2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、トランス−2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、トランス−2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、トランス−2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンが好ましく、特に安定性が高いことから、一般式(3)におけるnが0であるトランス−2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンがさらに好ましい。
【0017】
また、上記一般式(4)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物、上記一般式(5)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物としては、例えば、シス−2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、シス−2,3−ビス(ブロモメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、シス−2,3−ビス(ヨードメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、シス−2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、シス−2,3−ビス(ブロモメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、シス−2,3−ビス(ヨードメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、シス−2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、シス−2,3−ビス(ブロモメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、シス−2,3−ビス(ヨードメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、シス−2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、シス−2,3−ビス(ブロモメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、シス−2,3−ビス(ヨードメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン等があげられる。ここで、上記一般式(4)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物のハロゲン化メチル基、例えばクロロメチル基は立体化学的にエキソ−エキソ体と分類され、また、上記一般式(5)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物のハロゲン化メチル基、例えばクロロメチル基は立体化学的にエンド−エンド体に分類される。これらのうち、原料入手が容易で、簡便に効率よく製造できることから、上記一般式(4)、上記一般式(5)におけるX、Xのそれぞれが両方とも塩素原子であるシス−2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、シス−2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、シス−2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、シス−2,3−ビス(クロロメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンが好ましく、特に安定性が高いことから、一般式(4)、一般式(5)におけるn、nのそれぞれが0であるシス−2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンがさらに好ましい。
【0018】
本発明の製造方法に用いられる混合物中のトランス体構造を有するジハロゲン化物とシス体構造を有するジハロゲン化物の比は特に限定されないが、トランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの収率が高くなることから、好ましくは99:1〜30:70であり、さらに好ましくは99:1〜50:50である。
【0019】
本発明の製造方法のアミノ化に用いられるアンモニアとしては特に限定されないが、例えば、アンモニア水、ガス状のアンモニア、液状のアンモニア等があげられる。
【0020】
アミノ化におけるアンモニアの使用量は特に限定されないが、効率的にアミノ化が行えることから、好ましくはトランス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対してアンモニアの量は10〜1000モル、さらに好ましくは20〜500モル、特に好ましくは20〜100モルである。
【0021】
本発明の製造方法においては、アミノ化時にシス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対して塩基性化合物を1.0〜10.0モル使用する。塩基性化合物の使用により、シス体構造を有するジハロゲン化物が選択的に脱ハロゲン化反応を起こし、副反応生成物として反応系から除去される。故に、トランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンが選択的に製造される。塩基性化合物の使用量が1.0モル未満の場合は、アンモニアの使用効率が低下し、トランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの収率が低下する。また、10.0モルを超える場合は、トランス体構造を有するジハロゲン化物も脱ハロゲン化反応を起こし、トランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの収率が低下する。トランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンがより選択的に得られ、しかもアンモニア使用量をより抑制できることから、好ましくは1.0〜3.0モル、さらに好ましくは1.5〜2.5モルである。
【0022】
塩基性化合物としては、特に限定されないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物類;メチルリチウム、ブチルリチウム等の有機アルカリ金属類;リチウムアミド、ナトリウムアミド等のアルカリ金属アミド類;ピリジン、ルチジン、トルイジン等の有機塩基類などが挙げられる。これらの塩基性化合物は単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用いることも可能である。これらのうち、トランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンが選択的に得られることから、アルカリ金属水酸化物類が好ましく用いられ、さらに好ましくは水酸化ナトリウムが用いられる。
【0023】
アミノ化は溶媒中又は無溶媒で行うことができる。そのような溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、水;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デカヒドロナフタレン等の脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム、トリグライム等のエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等があげられる。これらの溶媒は単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用いることも可能である。
【0024】
アミノ化における温度は特に制限はなく、例えば、−50〜300℃、好ましくは0〜200℃である。反応圧力は特に制限されないが、通常、絶対圧で0.001〜30MPaであり、好ましくは0.1〜15MPaである。また、反応時間は温度や原料の基質濃度に左右され、一概に決めることはできないが、通常、1秒〜100時間である。反応中の雰囲気は特に限定されないが、アンモニアガスであることが好ましく、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスによって希釈して用いることができる。
【0025】
アミノ化の方法に特に制限はなく、原料である一般式(1)で表されるトランス体構造及びシス体構造からなるジハロゲン化物、特に一般式(3)で表されるトランス体構造を有するジハロゲン化物、一般式(4)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物及び一般式(5)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物の混合物、アンモニア、塩基性化合物並びに必要であれば溶媒を反応装置に仕込む回分式、原料である当該混合物、アンモニア、塩基性化合物及び必要であれば溶媒等を連続的に供給すると共に未反応原料、及び反応液を連続的に抜き出す連続式のいずれでも実施できる。また、反応状態は特に制限されず、液相または気相状態、さらに気液混合状態で行うことができる。また、原料の仕込み順序は特に制限はなく、原料である当該混合物、アンモニア、塩基性化合物及び必要であれば溶媒を一度に混合する方法、原料である当該混合物、塩基性化合物及び必要であれば溶媒をあらかじめ接触してから、アンモニアと混合する方法等が挙げられる。これらのうち、アンモニアの使用量を抑えることができることから、原料である当該混合物、塩基性化合物及び必要であれば溶媒をあらかじめ接触してから、アンモニアと混合する方法が好ましい。
【0026】
反応終了後、公知の分離法、例えば、蒸留等の方法により一般式(2)で表されるトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンを得ることができる。
【0027】
本発明で用いられる一般式(1)で示されるトランス体構造及びシス体構造からなるジハロゲン化物、特に一般式(3)で表されるトランス体構造を有するジハロゲン化物、一般式(4)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物及び一般式(5)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物の混合物は、いかなる方法により製造されても差し支えないが、例えば、シクロペンタジエン又はジシクロペンタジエンを下記一般式(6)で表される1,4−ジハロゲノ−2−ブテンと反応することにより、二重結合を有するジハロゲン化物を効率的に製造することができる。また、二重結合を有するジハロゲン化物を水素で水素化することにより、環構造がすべて単結合からなるジハロゲン化物を製造することができる。
【0028】
【化6】

(式中、Yはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
ここで、トランス体構造を有するジハロゲン化物とシス体構造を有するジハロゲン化物の比を高めるためには、原料として用いる1,4−ジハロゲノ−2−ブテンの立体構造が重要で、トランス体がシス体よりも比率の高い1,4−ジハロゲノ−2−ブテンを用いることが好ましい。
【0029】
本発明で製造されたトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンは、ポリウレタン樹脂やポリアミド樹脂のモノマー原料、医農薬原料の中間体として、好適に使用することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、ポリウレタンやポリアミド樹脂のモノマー原料、医農薬原料の中間体として有用なトランス体構造の環状脂肪族ジアミンの選択的かつ効率的な製造方法を提供するものであり、工業的にも非常に有用である。
【実施例】
【0031】
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0032】
以下に実施例に用いた測定方法を示す。
【0033】
<ガスクロマトグラフ分析>
反応液に内標としてN−メチルピロリドンを加え、ジーエルサイエンス製TC−1カラム(商品名)を用い、FID検出器(水素化炎イオン化検出器)が備わったガスクロマトグラフ(島津製作所製GC−1700)に反応液0.4μlを注入し、気化室温度250℃、検出器温度320℃の条件で分析を行った。
【0034】
<GC−MS測定>
ガスクロマトグラフ質量分析計(GC部;ヒューレット・パッカード製、商品名HP6890、MS部;日本電子製、商品名JMS−700)を用い、気化室温度250℃、検出器温度320℃の条件で測定を行った。
【0035】
13C−核磁気共鳴吸収(以下、13C−NMRと記す)測定>
核磁気共鳴装置(日本電子製、商品名GSX400)を用い、試料を重クロロホルム溶媒に溶解して測定を行った。
【0036】
合成例1
(環内に二重結合を有する環状脂肪族ジハライドの合成)
ジシクロペンタジエン212g(1.6mol)と1,4−ジクロロ−2−ブテン(トランス体:シス体=90:10)800g(6.4mol)を2リットルのオートクレーブに仕込んだ。内部を窒素置換した後、攪拌しながら170℃まで昇温し、そのまま5時間加熱攪拌し、ディールスアルダー反応を行った。反応終了後、25℃まで温度を下げ、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液は褐色溶液であった。得られた褐色の溶液を0.4kPaの減圧下で蒸留し、80〜93℃の範囲の留出分を集めることにより、純度94重量%の2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンを365g(ジシクロペンタジエン基準の収率:60%)の無色溶液として得た。
(環構造がすべて単結合からなる環状脂肪族ジハライドの合成)
300mlのオートクレーブに上記で得られた2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン150g及びエタノール50gとエヌ・イー ケムキャット社製5wt%Pd/C2.0gを入れて、窒素置換した。その後、攪拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃に上げ、水素を供給し1.0MPaに保ち2時間後、反応液を取り出した。得られた反応液をろ過後、0.4kPaの減圧下で蒸留し88〜90℃の範囲の留出分を集めガスクロマトグラフで分析した結果、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンは完全に転化し、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン(トランス体:シス体=81:19)の選択率は91%であった。
【0037】
実施例1
300mlのステンレス製オートクレーブに蒸留水60g、t−ブタノール20gおよび水酸化ナトリウム1.2g(0.030mol、シス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対する量:2.3モル)を入れ密閉した。窒素でオートクレーブ内を置換した後、液体アンモニア65g(3.8mol)を窒素で圧入した。その後、温度を上げてオートクレーブ内の温度を140℃、オートクレーブ内の圧力を4.0MPaに維持した。
【0038】
合成例1で得られた2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン15g(0.078mol、内訳:トランス体0.058mol、シス体0.013mol、その他0.007mol)を上記オートクレーブ内に窒素で圧入して反応を開始した。5時間後、オートクレーブを氷冷して温度を室温まで下げた。その後、オートクレーブを開放して反応液を回収した。
【0039】
水酸化ナトリウム8.0gを添加した後、ガスクロマトグラフで分析した結果、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンは完全に転化し、2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンの収率は58%であった。
【0040】
生成物のGC−MSを測定した結果、主成分はm/e154に分子イオンピークが確認された。
【0041】
13C−NMR測定の結果、δ44.4ppmと47.6ppmにメチレン基に基づくピーク、22.2ppm、30.0ppm、36.8ppm、38.6ppm、39.9ppm、49.6ppm、52.0ppmにノルボルナン環の炭化水素に基づくピークが観察され、本アミノ化で得られた2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンはトランス体であった。
【0042】
実施例2
液体アンモニアの使用量を53g(3.1mol)に変更したこと以外、実施例1と同様にアミノ化を行い、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンを得た。トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンの収率は47%であった。なお、シス体の生成は認められなかった。
【0043】
実施例3
水酸化ナトリウムを0.76g(0.019mol、シス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対する量:1.5モル)用いたこと以外、実施例1と同様にアミノ化を行い、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンを得た。トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンの収率は53%であった。なお、シス体の生成は認められなかった。
【0044】
実施例4
水酸化ナトリウムを1.5g(0.038mol、シス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対する量:2.9モル)用いたこと以外、実施例1と同様にアミノ化を行い、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンを得た。トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンの収率は58%であった。なお、シス体の生成は認められなかった。
【0045】
比較例1
水酸化ナトリウムを用いなかったこと以外、実施例1と同様にアミノ化を行い、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンを得た。トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンの収率は46%であり、実施例1と比較し、アンモニアの使用効率は劣っていた。なお、シス体の生成は認められなかった。
【0046】
合成例2
(環内に二重結合を有する環状脂肪族ジハライドの合成)
トランス体:シス体=65:35の1,4−ジクロロ−2−ブテンを用いたこと以外、合成例1と同様にディールスアルダー反応等を行い、純度91重量%の2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンを301gの無色溶液として得た。
(環構造がすべて単結合からなる環状脂肪族ジハライドの合成)
上記で得られた2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン150gを用い、合成例1と同様に水素化反応等を行った。2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンは完全に転化し、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン(トランス体:シス体=45:55)の選択率は89%であった。
【0047】
実施例5
300mlのステンレス製オートクレーブに蒸留水60g、t−ブタノール20gおよび水酸化ナトリウム3.5g(0.087mol、シス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対する量:2.3モル)を入れ密閉した。窒素でオートクレーブ内を置換した後、液体アンモニア65g(3.8mol)を窒素で圧入した。その後、温度を上げてオートクレーブ内の温度を140℃、オートクレーブ内の圧力を4.0MPaに維持した。
【0048】
合成例2で得られた2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン15g(0.078mol、内訳:トランス体0.031mol、シス体0.038mol、その他0.009mol)を上記オートクレーブ内に窒素で圧入して反応を開始した。5時間後、オートクレーブを氷冷して温度を室温まで下げた。その後、オートクレーブを開放して反応液を回収した。
【0049】
水酸化ナトリウム8.0gを添加した後、ガスクロマトグラフで分析した結果、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンは完全に転化し、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンの収率は31%であった。シス体の生成は認められなかった。
【0050】
比較例2
水酸化ナトリウムを用いなかったこと以外、実施例5と同様にアミノ化を行い、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンを得た。トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンの収率は22%であり、実施例5と比較し、アンモニアの使用効率は劣っていた。なお、シス体の生成は認められなかった。
【0051】
合成例3
(環内に二重結合を有する環状ジハライドの合成)
トランス体:シス体=95:5の1,4−ジクロロ−2−ブテンを用いたこと以外、合成例1と同様にディールスアルダー反応等を行い、純度92重量%の2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンを350gの無色溶液として得た。得られた2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンは、トランス体:シス体=90:10であった。また、シス体は、エンド−エンド体のみであり、エキソ−エキソ体は含まれていなかった。
(環構造がすべて単結合からなる環状脂肪族ジハライドの合成)
上記で得られた2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン150gを用い、合成例1と同様に水素化反応等を行った。2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンは完全に転化し、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン(トランス体:シス体=85:15)の選択率は92%であった。また、シス体は、エンド−エンド体のみであり、エキソ−エキソ体は含まれていなかった。
【0052】
実施例6
合成例1により得られた2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン15gの代わりに、合成例3により得られた2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン14.7gを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、アミノ化を行い、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンを得た。トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンの収率は62%であった。なお。シス体の生成は認められなかった。
【0053】
実施例7
合成例1により得られた2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン15gの代わりに、合成例3により得られた2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン15gを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、アミノ化を行い、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンを得た。トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンの収率は63%であった。なお。シス体の生成は認められなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示されるトランス体構造及びシス体構造からなるジハロゲン化物をアンモニアでアミノ化する下記一般式(2)で表されるトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造方法であって、アミノ化時にシス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対して塩基性化合物を1.0〜10.0モル使用することを特徴とする一般式(2)で表されるトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造方法。
【化1】

(式中、点線は単結合又は二重結合を示し、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは0又は1を表す。)
【化2】

(式中、点線は単結合又は二重結合を表し、mは0又は1を表す。)
【請求項2】
一般式(1)で示されるジハロゲン化物が、下記一般式(3)で表されるトランス体構造を有するジハロゲン化物、下記一般式(4)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物及び下記一般式(5)で表されるシス体構造を有するジハロゲン化物の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造方法。
【化3】

(式中、点線は単結合又は二重結合を示し、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは0又は1を表す。)
【化4】

(式中、点線は単結合又は二重結合を示し、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは0又は1を表す。)
【化5】

(式中、点線は単結合又は二重結合を示し、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは0又は1を表す。)
【請求項3】
トランス体構造を有するジハロゲン化物とシス体構造を有するジハロゲン化物の比が99:1〜30:70であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造方法。
【請求項4】
一般式(1)におけるXの両方がともに塩素原子であり、さらにnが0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造方法。
【請求項5】
一般式(3)、一般式(4)及び一般式(5)におけるX、X、Xのそれぞれの両方がともに塩素原子であり、さらにn、n、nのそれぞれが0であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造方法。
【請求項6】
塩基性化合物がアルカリ金属水酸化物類であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載のトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造方法。

【公開番号】特開2010−163415(P2010−163415A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123992(P2009−123992)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】