説明

ナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法

【課題】ナノファイバ製造空間を所定の範囲に規制する。
【解決手段】原料液300からナノファイバ301が製造されるナノファイバ製造空間A中に原料液300を流出させる流出孔118を有する複数の流出手段115と、流出する原料液300、および、ナノファイバ301と電気的に反発する電荷を帯びたイオン風302であってナノファイバ製造空間Aの側方に流れ、ナノファイバ製造空間Aを所定の範囲に規制するイオン風302を発生させるイオン流発生手段106と、流出手段115と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極121と、流出手段115と帯電電極121との間に所定の電圧を印加する帯電電源122とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、静電延伸現象によりサブミクロンオーダーやナノオーダーの細さである繊維(ナノファイバ)を製造するナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂などから成り、サブミクロンスケールやナノスケールの直径を有する糸状(繊維状)物質を製造する方法として、静電延伸現象(エレクトロスピニング)を用いた方法が知られている。
【0003】
この静電延伸現象とは、溶媒中に樹脂などの溶質を分散または溶解させた原料液を空間中にノズルなどにより流出(噴射)させるとともに、原料液に電荷を付与して帯電させ、空間を飛行中の原料液を電気的に延伸させることにより、ナノファイバを得る方法である。
【0004】
より具体的に静電延伸現象を説明すると次のようになる。すなわち、帯電され空間中に流出された原料液は、空間を飛行中に徐々に溶媒が蒸発していく。これにより、飛行中の原料液の体積は、徐々に減少していくが、原料液に付与された電荷は、原料液に留まる。この結果として、空間を飛行中の原料液は、電荷密度が徐々に上昇することとなる。そして、溶媒は、継続して蒸発し続けるため、原料液の電荷密度がさらに高まり、原料液の中に発生する反発方向のクーロン力が原料液の表面張力より勝った時点で原料液が爆発的に線状に延伸される現象が生じる。これが静電延伸現象である。この静電延伸現象が、空間において次々と幾何級数的に発生することで、直径がサブミクロンオーダーやナノオーダーの樹脂から成るナノファイバが製造される。
【0005】
以上のような静電延伸現象を用いて製造されるナノファイバを用いて、例えば長尺の不織布を製造する場合、一列に並べられたノズルから原料液を流出させてナノファイバを製造するナノファイバ製造装置が用いられることがある。このナノファイバ製造装置によれば、堆積したナノファイバを前記ノズルの並び方向と直交する方向に徐々に搬送することで、長尺の不織布を製造することができる。
【0006】
この場合、製造される不織布の品質の一つとして、不織布の幅方向におけるナノファイバの品質の均一性がある。通常複数のノズルを配列した場合、端部に配置されるノズルから流出する原料液は、飛翔軌跡が安定しない。また、端部に配置されるノズルから流出する原料液は、中間部に配置されるノズルから流出する原料液に比べ隣接するノズルから流出する原料液との間隔が広がる傾向となる。このような状態で製造される不織布は、幅方向の端部を形成するナノファイバと中間部分を形成するナノファイバとの間に品質の大きな相違が発生することとなる。この場合、端部が削除された不織布を使用することとなり、歩留まりが低下する結果となる。
【0007】
そこで、特許文献1に記載のナノファイバ製造装置は、ナノファイバが製造される空間の近傍に電極を配置し、当該電極に電圧を印加することで電界を発生させ、当該電界によりナノファイバ製造空間が広がることを抑止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2005−534828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、電極に電圧を印加してナノファイバ製造空間の広がりを抑制しようとする場合、電極はノズルよりもコレクタ(帯電電極)に近い位置に配置する必要がある。この場合、電極とコレクタとの間で放電が発生することが懸念される。放電が発生すると、一時的に電界が乱れ、ナノファイバの品質に悪影響が及ぶ。また、ナノファイバ製造空間の近傍に配置される電極の存在により、本来ノズルに集中するはずの電荷が、ノズルと電極に分割されることにより、ノズルの帯電量が減少し紡糸能力が落ちてしまう。また、このことにより、電極の近傍に配置されるノズルに集まる電荷量と、電極から遠い位置に配置されるノズルに集まる電荷量と間に相違が発生し、ナノファイバの品質の幅方向のばらつきが発生する。例えば、ナノファイバ製造空間の境界部(幅方向における端部)に近い程ナノファイバの堆積厚みが薄くなるなどの現象が生じる。
【0010】
さらに、ノズルとコレクタとの間に発生する主たる電界を他の電界で制御することは比較的困難であり、安定性にかけるなどの問題もある。
【0011】
本願発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ナノファイバ製造空間の広がりを容易に規制することのできるナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本願発明にかかるナノファイバ製造装置は、原料液を空間中で電気的に延伸させて、ナノファイバを製造するナノファイバ製造装置であって、原料液からナノファイバが製造されるナノファイバ製造空間中に原料液を流出させる流出孔を有する複数の流出体と、流出する原料液、および、ナノファイバと電気的に反発する電荷を帯びたイオン流であって前記ナノファイバ製造空間の側方に流れ、前記ナノファイバ製造空間を所定の範囲に規制するイオン流を発生させるイオン流発生手段と、前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と、前記流出体と前記帯電電極との間に所定の電圧を印加する帯電電源とを備えることを特徴とする。
【0013】
さらに、前記流出孔の先端である開口部が所定の間隔で一次元的に並ぶように配置される複数の前記流出体を一体に備える流出手段を備え、前記流出手段は、前記開口部が配置される先端部から離れるに従い相互の間隔が広がるように配置され、前記流出孔を挟むように延設される二つの側面部と、前記流出孔と連通し、前記開口部から流出する原料液を前記流出体の内部に貯留する貯留槽とを備え、前記イオン流発生手段は、前記開口部の並び方向におけるナノファイバ製造空間の側方に流れるイオン流を発生させるものとしてもよい。
【0014】
これにより、ナノファイバ製造空間の側方に原料液やナノファイバと同極性のイオン流が発生し、ナノファイバ製造空間の広がりを規制することが可能となる。また、ナノファイバ製造空間の規制を電界ではなくクーロン力で行うため、放電の心配がなく安定した状態でナノファイバ製造空間を規制することが可能となる。また、イオン流が近傍に配置される流出体の帯電状態に与える影響を可及的に抑制することができ、複数の流出体間における帯電状態の相違の発生を抑制することが可能となり、例えば、ナノファイバ製造空間の境界部までほぼ均一な厚みでナノファイバを堆積することができる。
【0015】
また、前記イオン流は、イオン風であり、前記イオン流発生手段は、前記流出体と同じ極性の電圧が印加され、微小な領域に電荷が集中する特異部を備えるイオン風発生体を備えるものでもよい。
【0016】
これによれば、ナノファイバ製造空間の近傍にある雰囲気(大気)を用いてイオン流を発生させることができるため、簡単な装置構成で上記効果を得ることが可能となる。
【0017】
さらに、前記特異部の位置を調整する位置調整手段を備えてもかまわない。
【0018】
これによれば、流出する原料液の種類や状態によって、イオン流が流れる位置を調整することができ、ナノファイバ製造空間を所定の領域に安定して規制することが可能となる。
【0019】
前記イオン風発生体は、前記流出体と同電位となるように前記流出体と電気的に接続されるものでもよい。
【0020】
これによれば、さらに簡単な構造でナノファイバ製造空間を規制することが可能となる。
【0021】
また、上記目的を達成するために、本願発明に係るナノファイバ製造方法は、原料液を空間中で電気的に延伸させて、ナノファイバを製造するナノファイバ製造方法であって、流出孔を有する複数の流出体からナノファイバが製造されるナノファイバ製造空間中に原料液を流出させるとともに、帯電電源により前記流出体と前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極との間に所定の電圧を印加し、流出する原料液、および、ナノファイバと電気的に反発する電荷を帯びたイオン流であって前記ナノファイバ製造空間の側方に流れ、前記ナノファイバ製造空間を所定の範囲に規制するイオン流をイオン流発生手段により発生させることを特徴とする。
【0022】
これにより、ナノファイバ製造空間の側方に原料液やナノファイバと同極性のイオン流を発生させ、ナノファイバ製造空間の広がりを規制した状態でナノファイバを製造することが可能となる。また、ナノファイバ製造空間の規制を電界ではなくクーロン力で行うため、放電の心配がなく安定した状態でナノファイバ製造することが可能となる。また、イオン流が近傍に配置される流出体の帯電状態に与える影響を可及的に抑制することができ、複数の流出体間における帯電状態の相違の発生を抑制し、品質のばらつきを抑えたナノファイバを製造することが可能となる。
【0023】
また、前記イオン流が、前記流出体と同じ極性の電圧が印加され、微小な領域に電荷が集中する特異部を備えるイオン風発生体から発生するイオン風である場合において、前記特異部の位置を調整する位置調整手段により、ナノファイバ製造空間が所定の範囲を超えている場合は、イオン風の流れがナノファイバ製造空間に対しより強く作用するようにイオン風発生体の特異部の位置を調整し、ナノファイバ製造空間が所定の範囲より狭い場合は、イオン風の流れがナノファイバ製造空間に対しより弱く作用するようにイオン風発生体の特異部の位置を調整してもよい。
【0024】
これによれば、流出体から流出する原料液の状態が代わった場合でも、ナノファイバ製造空間を適切な範囲に規制することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本願発明によれば、複数の流出体から流出する原料液相互の反発によりナノファイバ製造空間が広がることを安定した状態で規制し、ナノファイバ製造空間において均等な品質のナノファイバを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、ナノファイバ製造装置を示す斜視図である。
【図2】図2は、流出体をXZ平面で切断して示す斜視図である。
【図3】図3は、先端部を下方から示す平面図である。
【図4】図4は、先端部のバリエーションを示す斜視図である。
【図5】図5は、流出手段などの中間部分を省略してイオン流発生手段を正面から模式的に示す図である。
【図6】図6は、流出手段などの中間部分を省略して別態様のイオン流発生手段を正面から模式的に示す図である。
【図7】図7は、一列に並ぶ複数の流出体の中間部分を省略して別態様のイオン流発生手段を正面から模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本願発明に係るナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本願発明に係るナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法の一例を示したものに過ぎない。従って本願発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。
【0028】
図1は、ナノファイバ製造装置を示す斜視図である。
【0029】
同図に示すように、ナノファイバ製造装置100は、原料液300を空間中で電気的に延伸させて、ナノファイバ301を製造する装置であって、流出手段115と、イオン流発生手段106と、供給手段107と、帯電電極121と、帯電電源122とを備えている。本実施の形態の場合さらに、ナノファイバ製造装置100は、収集手段128と、誘引手段104と、移動手段129とを備えている。
【0030】
図2は、流出手段をXZ平面で切断して示す斜視図である。
【0031】
流出手段115は、原料液300を流出させる流出孔118の先端である開口部119を1つ有する流出体150が図のY方向に連続して配置された構成を有する部材であり、つまり、開口部119が所定の間隔で一次元的に並ぶように配置される部材である。同図において個々の流出体150を区別して看取することができないが、一つの流出孔118を形成する流出手段115の部分が一つの流出体150に対応している。流出手段115は、原料液300を空間中に流出させるための部材であり、複数の流出孔118と、先端部116と、側面部117と、貯留槽113とを備えている。
【0032】
また、流出手段115は、流出する原料液300に電荷を供給する帯電手段の電極としても機能しており、原料液300と接触する部分の少なくとも一部は導電性を備えた部材で形成される。本実施の形態の場合、流出手段115全体が金属で形成されており、先端部116の全体が均等に帯電することができるものとなっている。なお、流出手段115を構成する金属の種類は、導電性を備えていれば特に限定されるものではなく、例えば黄銅やステンレス鋼、アルミニウムやその合金など任意の材料を選定しうる。
【0033】
流出孔118は、原料液300を空間中に流出させる孔であり、流出手段115に複数個設けられている。また、流出孔118の先端にある開口部119は、所定の間隔で一次元的に並んで配置されている。本実施の形態の場合、流出孔118は、開口部119が同一平面内に直線的に並ぶように配置されており、開口部119が配置される方向に対し流出孔118の軸が直角に交わるように配置されている。
【0034】
流出孔118の孔長や孔径は、特に限定されるものではなく、原料液300の粘度などにより適した形状を選定すれば良い。具体的には、孔長は、1mm以上、5mm以下の範囲から選定されるのが好ましい。孔径は、0.1mm以上、2mm以下の範囲から選定されるのが好ましい。また、流出孔118の形状は、円筒形状に限定されるわけではなく、任意の形状を選定しうる。特に開口部119の形状は、円形に限定されるわけではなく、三角形や四角形などの多角形、星形など内側に突出する部分のある形状などでもかまわない。
【0035】
また、開口部119が並べられる間隔は、全てを等間隔としてもよく、また、流出手段115の端部における開口部119の間隔は、流出手段115の中央部における開口部119の間隔よりも広く(狭く)するなど任意に定めることができる。
【0036】
また、開口部119は、同一直線上に配置されるばかりでなく、一次元的に並べられていればよい。ここで、一次元的とは、全ての開口部119が配置されるぎりぎりの領域を矩形で囲った場合、開口部119が前記矩形の幅方向には並ばない状態をいう。また、前記開口部119が配置される矩形の領域は、帯形状となる。この意味において、開口部119は、図3に示すように、ジグザグ(千鳥)に配置されてもよく、サインカーブなどの波を描くように配置されてもよい。
【0037】
ここで、開口部119がジグザグに配置される場合、一直線上で隣り合う開口部119の間隔pは、全てを等間隔としてもよく、また、流出手段115の端部における間隔は、流出手段115の中央部における間隔よりも広く(狭く)するなど任意に定めることができる。現在得られている知見において、開口部の孔径が0.3mmの場合、一直線上に配置される開口部119の二つの列の間隔dを0.5mmとし、開口部の間隔pを、5mm未満とすることが可能である。
【0038】
先端部116は、流出孔118の開口部119が配置される流出手段115の部分であり、所定の間隔で配置される開口部119の間を滑らかな面で接続する部分である。本実施の形態の場合、先端部116は、細長い矩形の平面を表面に備えている。
【0039】
このように先端部116を設けると開口部119を覆って紡錘形状で垂れ下がるテーラーコーンが形成され、イオン風の発生を抑止することが可能となる。
【0040】
なお、先端部116は、矩形の平面を備えるものに限定されるわけではない。例えば図4(a)に示すように、先端部116は、曲面を備えてもよく、また、図4(b)に示すように、端部が突き合わされた二つの平面を備えていてもよい。以上のように、先端部116は、複数存在する開口部119の間を面でつなげている(図4(b)では、上記のように二つの平面でつなげている)ため、形状的に特異な部分が少なく、イオン風の発生を抑制することができる。
【0041】
側面部117は、先端部116を挟むように配置される二つの面である。本実施の形態の場合、側面部117は、先端部116から延設され、起立状態で配置されている。側面部117は、それぞれ並んで配置されている流出孔118の配置方向(Y軸方向)に延びた状態で設けられており、全ての流出孔を側面部117で挟むように設けられている。また、側面部117は、図2に示すように、先端部116から離れるに従い相互の間隔が広がるように配置されている。
【0042】
以上のように、流出手段115は、なめらかな面で構成される先端部116や側面部117を表面に備えることで、流出手段115から発生するイオン風を可及的に抑止することが可能となる。
【0043】
なお、図4(a)、図4(b)に示すように先端部116と側面部117との境界は曖昧である。また、側面部117の形状は、平面ばかりでなく、曲面であってもかまわない。
【0044】
貯留槽113は、図2に示すように、流出手段115の内部に形成され、供給手段107(図1参照)から供給される原料液300を貯留するタンクである。また、貯留槽113は、複数の流出孔118に接続され、複数の流出孔118に同時に原料液300を供給するものとなっている。本実施の形態の場合、流出手段115に一つ設けられており、流出手段115のY軸方向の一端部から他端部にわたって延びて設けられ、全ての流出孔118と連通状態で接続されている。
【0045】
貯留槽113は、流出孔の開口部が並ぶ方向(Y軸方向)に延びて配置され、Y軸方向に直交する貯留槽113の断面(XZ平面)は、略三角形となっている。本実施の形態の場合、流出手段115は、管形状(筒形状)となっている。
【0046】
以上のように貯留槽113は、原料液300を流出孔118の近傍で一時的に貯留し、複数の流出孔118に均等な圧力で原料液300を供給する機能を備えており、これにより、各流出孔118から均等な状態で原料液300を流出させることが可能となる。従って、製造されるナノファイバ301のY軸方向における品質の空間的なムラを抑制することが可能となる。
【0047】
帯電電極121は、流出手段115と所定の間隔を隔てて配置され、自身が流出手段115に対し高い電圧もしくは低い電圧となることで、流出手段115に電荷を誘導するための導電性を備える部材であり帯電手段を構成する要素である。本実施の形態の場合、図1に示すように、帯電電極121は、空間中で製造されたナノファイバ301を誘引する誘引手段104としても機能しており、流出手段115の先端部と対向する位置に配置される板状の導電性部材である。帯電電極121は接地されており、流出手段115に正の電圧が印加されると帯電電極121には、負の電荷が誘導され、流出手段115に負の電圧が印加されると帯電電極121には、正の電荷が誘導される。
【0048】
帯電電源122は、流出手段115に高電圧を印加することのできる電源である。帯電電源122は、一般には、直流電源が好ましい。特に、発生させるナノファイバ301の帯電極性に影響を受けないような場合、生成したナノファイバ301の帯電を利用して、逆極性の電位を印加した電極でナノファイバ301を誘引するような場合には、直流電源を採用することが好ましい。また、帯電電源122が直流電源である場合、帯電電源122が帯電電極121に印加する電圧は、5KV以上、100KV以下の範囲の値から設定されるのが好適である。
【0049】
本実施の形態のように、帯電電源122の一方の電極を接地電位とし、帯電電極121を接地するものとすれば、比較的大型の帯電電極121を接地状態とすることができ、安全性の向上に寄与することが可能となる。
【0050】
なお、帯電電極121に電源を接続して帯電電極121を高電圧に維持し、流出手段115を接地することで原料液300に電荷を付与してもよい。また、帯電電極121と流出手段115とのいずれも接地しないような接続状態であってもかまわない。
【0051】
収集手段128は、静電延伸現象により製造されるナノファイバ301を堆積させて収集する部材である。本実施の形態の場合、収集手段128は、ロール127に巻き付けられた状態で供給されている。
【0052】
なお、収集手段128はこれに限定されるわけではない。例えば、収集手段128は、剛性のある板状の部材からなるものでもかまわない。また、ナノファイバ301の堆積物のみを利用する場合には、収集手段128の表面にフッ素樹脂コート、または、シリコンコートを行うなど、ナノファイバ301を剥ぎ取る際の剥離性が高い収集手段128であってもよい。
【0053】
誘引手段104は、空間中で製造されたナノファイバ301を収集手段128に誘引するための装置である。本実施の形態の場合、誘引手段104は、帯電電極121としても機能する金属板であり、収集手段128の後方に配置されている。誘引手段104は、帯電しているナノファイバ301を電界により収集手段128に誘引する。つまり、誘引手段104は、帯電したナノファイバ301を誘引するための電界を発生させるための電極である。また、誘引手段104は、吸引装置などによって収集手段128に向かう気体流を発生させるものでもよい。
【0054】
移動手段129は、流出手段115と、収集手段128とを相対的に移動させる装置である。本実施の形態の場合、流出手段115は固定されており、収集手段128のみが移動するものとなっている。具体的に移送手段は、長尺の収集手段128を巻き取りながらロール127から引き出し、堆積するナノファイバ301と共に収集手段128を搬送するものとなっている。
【0055】
なお、移動手段129は、収集手段128を移動させるばかりではなく、流出手段115を収集手段128に対して移動させるものでもかまわない、また、移動手段129は、収集手段128を一定方向に移動させ、流出手段115を往復動させるなど、任意の動作状態を例示することができる。また、開口部119の並び方向と直交する方向に収集手段128を移動させているが、それに限定するものではなく、開口部119の並び方向に収集手段128を移動させ、流出手段115を開口部119の並び方向と直交する方向に往復動させるものであってもかまわない。
【0056】
供給手段107は、図1に示すように、流出手段115に原料液300を供給する装置であり、原料液300を大量に貯留する容器151と、原料液300を所定の圧力で搬送するポンプ(図示せず)と、原料液300を案内する案内管114とを備えている。
【0057】
図5は、流出手段などの中間部分を省略してイオン流発生手段を正面から模式的に示す図である。
【0058】
イオン流発生手段106は、流出する原料液300、および、ナノファイバ301と電気的に反発する電荷を帯びたイオン流(イオン風302)であってナノファイバ製造空間Aの側方に流れ、ナノファイバ製造空間Aを所定の範囲に規制するイオン流を発生させる装置である。
【0059】
本実施の形態の場合、イオン流は、イオン風302であり、イオン流発生手段106は、流出手段115と同じ極性の電圧が印加され、微小な領域に電荷が集中する特異部161を備えるイオン風発生体160を備える。イオン風発生体160は、流出手段115と同電位となるように流出手段115と電気的に接続される。具体的には、イオン風発生体160は、先端が帯電電極121に向かって尖った導電性の棒状部材である。また、イオン風発生体160は、導電性を有し丸棒形状の接続部材162によって流出手段115に固定的に接続されている。接続部材162は、流出手段115とイオン風発生体160とを電気的に接続するばかりでなく、流出手段115に対しイオン風発生体160を構造的に固定するとともに、特異部161の位置を調整する位置調整手段としても機能している。本実施の形態の場合、イオン風発生体160は、接続部材162に上下方向に刺し通された状態で配置されており、特異部161の上下方向の位置を調整できるものとなっている。
【0060】
ここで、イオン風は、次のような現象で発生すると考えられている。すなわち、特異部161は、イオン風発生体160の尖った部分であり電荷が溜まり易いと考えられる。特異部161に電荷がたまると、特異部161の周辺に存在する空気(雰囲気)がイオン化する。そして、イオン化した空気がイオン風発生体160の電荷に反発して帯電電極121の方向に飛び出すことで、イオンを含んだ空気の流れであるイオン風が発生する。 また、当該イオン風がナノファイバ製造空間Aの近傍に流れることで、原料液300や製造されつつあるナノファイバ301と静電気的に反発し合い、ナノファイバ製造空間Aの上下方向の全域にわたってほぼ均等に作用(図中白抜き矢印)することができるため、結果としてナノファイバ製造空間Aを所定の範囲に安定して規制することが可能となる。
【0061】
また、流出手段115から発生するイオン風は、流出手段115の形状により抑止されているため、ナノファイバ製造空間Aにはイオン風が存在しにくい状態となり、イオン流発生手段106によりナノファイバ製造空間Aの側方にのみイオン風を流すことができるため、効果的にナノファイバ製造空間Aの広がりを規制することが可能となる。
【0062】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。
【0063】
例えば、図6に示すように、イオン流発生手段106は、液体ノズル165を備えてもかまわない。液体ノズル165は、流出手段115と同極性の電位が印加されており、ナノファイバ301を形成する溶質が含まれていない液体を流出させるノズルである。これにより、イオン流発生手段106は、液体からなるイオン流303を発生させることが可能となる。また、液体は、原料液300からナノファイバ301を形成する溶質が除外された溶媒液等を例示することができ、供給手段107とは別系統で液体タンク166から供給されるものとしてもよい。
【0064】
また、位置調整手段は、イオン風発生体160や液体ノズル165の上下方向の位置を調整可能とするだけではなく、流出手段115(流出体150)との間隔(Y方向の間隔)を調整可能としてもかまわない。
【0065】
さらに、図7に示すように、流出手段115(流出体150)と電気的に接続しないイオン風発生体160や液体ノズル165を設け、イオン風発生体160や液体ノズル165に接続される電源(図示せず)により電圧を独立して印加するようにしてもかまわない。この場合、イオン風発生体160や液体ノズル165に印加する電圧を調整してイオン流の電気的な強さを調整し、ナノファイバ製造空間Aの広がりを調整することが可能となる。
【0066】
ここで、ナノファイバ301を構成する樹脂であって、原料液300に溶解、または、分散する溶質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等およびこれらの共重合体等の高分子物質を例示できる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明は上記樹脂に限定されるものではない。
【0067】
原料液300に使用される溶媒としては、揮発性のある有機溶剤などを例示することができる。具体的に例示すると、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、ピリジン、水等を挙示することができる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明に用いられる原料液300は上記溶媒を採用することに限定されるものではない。
【0068】
さらに、原料液300に無機質固体材料を添加してもよい。当該無機質固体材料としては、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、珪化物、弗化物、硫化物等を挙げることができるが、製造されるナノファイバ301の耐熱性、加工性などの観点から酸化物を用いることが好ましい。当該酸化物としては、Al23、SiO2、TiO2、Li2O、Na2O、MgO、CaO、SrO、BaO、B23、P25、SnO2、ZrO2、K2O、Cs2O、ZnO、Sb23、As23、CeO2、V25、Cr23、MnO、Fe23、CoO、NiO、Y23、Lu23、Yb23、HfO2、Nb25等を例示することができる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明の原料液300に添加される物質は、上記添加剤に限定されるものではない。
【0069】
原料液300における溶媒と溶質との混合比率は、選定される溶媒の種類と溶質の種類とにより異なるが、溶媒量は、約60重量%から98重量%の間が望ましい。好適には溶質が5〜30%となる。
【0070】
次に、上記構成のナノファイバ製造装置100を用いたナノファイバ301の製造方法を説明する。
【0071】
まず、供給手段107により流出手段115に原料液300を供給する(供給工程)。以上により、流出手段115の貯留槽113に原料液300が満たされる。
【0072】
次に、帯電電源122により帯電電極121を正または負の高電圧とする。帯電電極121と対向する流出手段115の先端部116に電荷が集中し、当該電荷が流出孔118を通過して空間中に流出する原料液300に転移し、原料液300が帯電する(帯電工程)。
【0073】
前記帯電工程と供給工程とは同時期に実施され、流出手段115の開口部119から均等に帯電した原料液300が流出する(流出工程)。
【0074】
この段階において、イオン風発生体160は、流出手段115と同電位となっているため、特異部161から帯電電極に向かうイオン風(イオン流)が流れる(イオン風発生工程)。
【0075】
次にある程度空間中を飛行した原料液300に静電延伸現象が作用することによりナノファイバ301が製造される(ナノファイバ製造工程)。
【0076】
原料液300やナノファイバ301は、ナノファイバ製造空間Aの側方に流れるイオン風と反発する方向にクーロン力が発生する。従って、ナノファイバ製造空間Aの広がりが規制され、ナノファイバ製造空間Aは所定の範囲に収められる。
【0077】
ここで、ナノファイバ製造空間Aが所定の範囲を超えている場合は、イオン風の流れがナノファイバ製造空間Aに対しより強く作用するようにイオン風発生体160の特異部161の位置を調整すればよい。本実施の形態の場合、位置調整手段によりイオン風発生体160の特異部161を帯電電極121に近づくように調整すればよい。これによれば、イオン風の帯電状態が強くなり、原料液300やナノファイバ301との反発力が強まる。一方、ナノファイバ製造空間Aが所定の範囲より狭い場合は、イオン風の流れがナノファイバ製造空間に対しより弱く作用するようにイオン風発生体の特異部161の位置を調整すればよい。具体的には、位置調整手段により特異部161の位置を帯電電極121から遠ざければよい。これによれば、イオン風の帯電状態が弱くなり、原料液300やナノファイバ301との反発力が弱まる。
【0078】
最後に、収集手段128の背方に配置される誘引手段104と流出手段115との間に発生する電界により、ナノファイバ301が収集手段128に誘引される(誘引工程)。
【0079】
以上により、収集手段128にナノファイバ301が堆積して収集される(収集工程)。収集手段128は、移動手段129によりゆっくり移送されているため、ナノファイバ301も移送方向に延びた長尺の帯状部材として回収される。
【0080】
以上のような構成のナノファイバ製造装置100を用い、以上のナノファイバ製造方法を実施することによって、ナノファイバ製造空間Aを所定の範囲に規制することができるため、収集手段128上に堆積するナノファイバ301の品質を収集手段128の幅方向(Y軸方向)に均等とすることが可能となる。
【0081】
なお、ナノファイバ製造空間Aの広がりの調整方法は、上記に限定するものでは無い。例えば、ナノファイバ製造空間Aが所定の範囲を超えている場合は、イオン流がナノファイバ製造空間Aに対しより近くなるように、イオン流発生手段106の位置を調整すればよい。具体的には、イオン流がナノファイバ製造空間Aに近づけば原料液300やナノファイバ301との反発力が強まる。一方、ナノファイバ製造空間Aが所定の範囲より狭い場合は、イオン流がナノファイバ製造空間Aに対しより遠くなるように、イオン流発生手段106の位置を調整すればよい。具体的には、イオン流がナノファイバ製造空間Aから遠ざかれば原料液300やナノファイバ301との反発力が弱まる。
【0082】
また、ナノファイバ製造空間Aが所定の範囲を超えている場合は、イオン流の帯電状態が強まるように印加する電圧を高めればよい。一方、ナノファイバ製造空間Aが所定の範囲より狭い場合は、イオン流の帯電状態が弱まるように印加する電圧を低下させればよい。ま、上記複数のパラメータを調整してもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本願発明は、ナノファイバの製造やナノファイバを用いた紡糸、不織布の製造に利用可能である。
【符号の説明】
【0084】
A ナノファイバ製造空間
100 ナノファイバ製造装置
104 誘引手段
106 イオン流発生手段
107 供給手段
113 貯留槽
114 案内管
115 流出手段
116 先端部
117 側面部
118 流出孔
119 口部
121 帯電電極
122 帯電電源
127 ロール
128 収集手段
129 移動手段
150 流出体
151 容器
160 イオン風発生体
161 異部
162 接続部材
165 液体ノズル
166 液体タンク
218 第二流出孔
219 第二開口部
300 原料液
301 ナノファイバ
302 イオン風
303 イオン流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料液を空間中で電気的に延伸させて、ナノファイバを製造するナノファイバ製造装置であって、
原料液からナノファイバが製造されるナノファイバ製造空間中に原料液を流出させる流出孔を有する複数の流出体と、
流出する原料液、および、ナノファイバと電気的に反発する電荷を帯びたイオン流であって前記ナノファイバ製造空間の側方に流れ、前記ナノファイバ製造空間を所定の範囲に規制するイオン流を発生させるイオン流発生手段と、
前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と、
前記流出体と前記帯電電極との間に所定の電圧を印加する帯電電源と
を備えるナノファイバ製造装置。
【請求項2】
さらに、前記流出孔の先端である開口部が所定の間隔で一次元的に並ぶように配置される複数の前記流出体を一体に備える流出手段を備え、
前記流出手段は、
前記開口部が配置される先端部から離れるに従い相互の間隔が広がるように配置され、前記流出孔を挟むように延設される二つの側面部と、
前記流出孔と連通し、前記開口部から流出する原料液を前記流出体の内部に貯留する貯留槽とを備え、
前記イオン流発生手段は、前記開口部の並び方向におけるナノファイバ製造空間の側方に流れるイオン流を発生させる
請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項3】
前記イオン流は、イオン風であり、
前記イオン流発生手段は、
前記流出体と同じ極性の電圧が印加され、微小な領域に電荷が集中する特異部を備えるイオン風発生体を備える
請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項4】
さらに、前記特異部の位置を調整する位置調整手段を備える
請求項3に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項5】
前記イオン風発生体は、前記流出体と同電位となるように前記流出体と電気的に接続される
請求項3に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項6】
原料液を空間中で電気的に延伸させて、ナノファイバを製造するナノファイバ製造方法であって、
流出孔を有する複数の流出体からナノファイバが製造されるナノファイバ製造空間中に原料液を流出させるとともに、
帯電電源により前記流出体と前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極との間に所定の電圧を印加し、
流出する原料液、および、ナノファイバと電気的に反発する電荷を帯びたイオン流であって前記ナノファイバ製造空間の側方に流れ、前記ナノファイバ製造空間を所定の範囲に規制するイオン流をイオン流発生手段により発生させる
ナノファイバ製造方法。
【請求項7】
前記イオン流が、前記流出体と同じ極性の電圧が印加され、微小な領域に電荷が集中する特異部を備えるイオン風発生体から発生するイオン風である場合において、
前記特異部の位置を調整する位置調整手段により、ナノファイバ製造空間が所定の範囲を超えている場合は、イオン風の流れがナノファイバ製造空間に対しより強く作用するようにイオン風発生体の特異部の位置を調整し、ナノファイバ製造空間が所定の範囲より狭い場合は、イオン風の流れがナノファイバ製造空間に対しより弱く作用するようにイオン風発生体の特異部の位置を調整する
請求項6に記載のナノファイバ製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−219420(P2012−219420A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89419(P2011−89419)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】