説明

ナビゲーションシステム及びナビゲーション方法

【課題】ナビゲーション装置と情報配信センタとの不要な通信の削減化を図ることが可能となるナビゲーションシステム及びナビゲーション方法を提供する。
【解決手段】情報配信センタは、ナビゲーション装置から変更経路探索条件を受信した場合に、ナビゲーション装置の現在位置から最も近い近接リンクまでの距離が所定距離より長いと判定した際には、該近接リンクに関する近接リンク情報及び変更経路探索条件を次回送信するまでの最大待ち時間を含むリルート禁止情報をナビゲーション装置へ配信する。そして、ナビゲーション装置は、該リルート禁止情報を受信したときから最大待ち時間が経過した後に、再探索条件送信手段を介して変更経路探索条件を再度送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム及びナビゲーション方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、情報配信センタで探索された案内経路の案内経路データをナビゲーション装置で受信して経路案内を行う技術に関して種々提案されている。
例えば、ナビゲーションサーバにて、案内経路を探索し、ナビゲーション装置の利用者の現在位置情報をマップマッチングにより補正して補正位置情報を生成し、ナビゲーション装置に送信する。そして、ナビゲーション装置にて、現在位置が案内経路から外れたか否かを判定し、外れたと判定された場合、現在位置情報をナビゲーションサーバへ送信するように構成されたナビゲーションシステムがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−47886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載される構成では、ナビゲーション装置が案内経路から外れて、施設の駐車場に入った場合等には、現在位置情報をナビゲーションサーバへ頻繁に送信して、経路の再探索の要求を行うこととなり、ナビゲーション装置とナビゲーションサーバとの通信量が増大する可能性があるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ナビゲーション装置と情報配信センタとの不要な通信の削減化を図ることが可能となるナビゲーションシステム及びナビゲーション方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係るナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置から少なくとも出発地及び目的地を含む経路探索条件を受信した場合に、前記出発地から前記目的地までの案内経路を探索して案内経路データを作成する経路データ作成手段と、前記案内経路データを前記ナビゲーション装置へ配信する配信手段と、を有する情報配信センタと、前記案内経路データを受信した場合に、該案内経路データに基づいて経路案内を行う経路案内手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記現在位置が前記案内経路を逸脱したか否かを判定する逸脱判定手段と、前記現在位置が前記案内経路を逸脱したと判定された場合には、前記情報配信センタへ前記現在位置及び前記目的地を含む変更経路探索条件を送信する再探索条件送信手段と、を有するナビゲーション装置と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、前記情報配信センタは、前記変更経路探索条件を受信した場合に、前記現在位置から最も近い近接リンクまでの距離が所定距離以内か否かを判定する距離判定手段と、前記現在位置から最も近い近接リンクまでの距離が前記所定距離より長いと判定された場合には、該近接リンクに関する近接リンク情報及び前記変更経路探索条件を次回送信するまでの最大待ち時間を含むリルート禁止情報を前記ナビゲーション装置へ配信するように制御する配信制御手段と、を有し、前記ナビゲーション装置は、前記リルート禁止情報を受信した場合には、該リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過した後に、前記再探索条件送信手段を介して前記変更経路探索条件を再度送信するように制御するリルート制御手段を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係るナビゲーションシステムは、請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーション装置は、前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、該リルート禁止情報に含まれる前記近接リンクを通過したか否かを判定する通過判定手段を有し、前記リルート制御手段は、前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、該リルート禁止情報に含まれる前記近接リンクを通過したと判定された場合には、前記再探索条件送信手段を介して前記変更経路探索条件を再度送信するように制御することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係るナビゲーションシステムは、請求項1又は請求項2に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーション装置は、前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、逸脱した前記案内経路に戻ったか否かを判定する経路復帰判定手段を有し、前記リルート制御手段は、前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、逸脱した前記案内経路に戻ったと判定された場合には、前記再探索条件送信手段を介して前記変更経路探索条件を再度送信しないように制御すると共に、前記経路案内手段を介して前記案内経路データに基づいて経路案内を行うように制御することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係るナビゲーションシステムは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーション装置は、前記変更経路探索条件を前記情報配信センタへ送信するように指示する要求指示を入力する入力手段と、前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、前記入力手段を介して前記要求指示が入力されたか否かを判定する入力判定手段と、を有し、前記リルート制御手段は、前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、前記入力手段を介して前記要求指示が入力されたと判定された場合には、前記再探索条件送信手段を介して前記変更経路探索条件を再度送信するように制御することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項5に係るナビゲーション方法は、情報配信センタで実行される、ナビゲーション装置から少なくとも出発地及び目的地を含む経路探索条件を受信した場合に、前記出発地から前記目的地までの案内経路を探索して案内経路データを作成する経路データ作成工程と、前記経路データ作成工程で作成した前記案内経路データを前記ナビゲーション装置へ配信する配信工程と、前記ナビゲーション装置で実行される、前記案内経路データを受信した場合に、該案内経路データに基づいて経路案内を行う経路案内工程と、現在位置を検出する現在位置検出工程と、前記現在位置検出工程で検出した現在位置が前記案内経路を逸脱したか否かを判定する逸脱判定工程と、前記逸脱判定工程で前記現在位置が前記案内経路を逸脱したと判定された場合には、前記情報配信センタへ前記現在位置及び前記目的地を含む変更経路探索条件を送信する再探索条件送信工程と、を備えたナビゲーション方法において、前記情報配信センタで実行される、前記変更経路探索条件を受信した場合に、前記現在位置から最も近い近接リンクまでの距離が所定距離以内か否かを判定する距離判定工程と、前記距離判定工程で前記現在位置から最も近い近接リンクまでの距離が前記所定距離より長いと判定された場合には、該近接リンクに関する近接リンク情報及び前記変更経路探索条件を次回送信するまでの最大待ち時間を含むリルート禁止情報を前記ナビゲーション装置へ配信するように制御する配信制御工程と、前記ナビゲーション装置で実行される、前記リルート禁止情報を受信した場合には、該リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過した後に、前記変更経路探索条件を再度送信するように制御するリルート制御工程を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前記構成を有するナビゲーションシステム及びナビゲーション方法では、ナビゲーション装置から情報配信センタへ変更経路探索条件を頻繁に送信することを防止して、不要な通信の削減化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施例に係るナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1のナビゲーション装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施例に係るナビゲーションシステムの処理の一例を示すメインフローチャートである。
【図4】本実施例に係るナビゲーションシステムの処理の一例を示すメインフローチャートである。
【図5】図4のナビゲーション装置のCPUが実行する「リルート禁止解除処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図6】ナビゲーション装置から情報配信センタへリルート要求を送信した一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るナビゲーションシステム及びナビゲーション方法を具体化した実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、ナビゲーションシステム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーションシステム1を示したブロック図である。
【0014】
図1に示すように本実施例に係るナビゲーションシステム1は、ナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置2に対して地図情報を更新する為の更新情報や、後述のように探索した案内ルートのルートデータ等の種々の情報を配信する情報配信センタ3と、ネットワーク4から基本的に構成されている。そして、ナビゲーション装置2と情報配信センタ3は、ネットワーク4を介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されている。
尚、ナビゲーション装置2の構成に関しては後に図2を用いて詳細に説明する。
【0015】
また、ネットワーク4としては、例えば、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。また、このネットワーク4には、不図示の道路交通情報センタが接続されている。そして、情報配信センタ3は、ネットワーク4を介して、警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や交通規制情報等の交通情報を所定時間毎に受信し、現況交通情報を作成することが可能に構成されている。
【0016】
また、図1に示すように、情報配信センタ3は、サーバ10と、サーバ10に接続された地図情報記録部としてのセンタ側地図情報データベース(センタ側地図情報DB)15と、センタ側通信装置17とを備える。
【0017】
また、サーバ10は、サーバ10の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU11、並びにCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM12、後述のようにナビゲーション装置2からの要求によって探索した案内ルートのルートデータ等をネットワーク4を介して配信する「ルート情報配信処理」等を行うための各種の制御プログラムが記録されたROM13等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ14等を備えている。
【0018】
また、センタ側地図情報DB15には、情報配信センタ3で作成され、ナビゲーション装置2に記憶された地図情報を更新する際の基本となる地図情報であるセンタ地図情報15Aがバージョン毎に区分されて記憶されている。更に、現在のナビゲーション装置2に記憶される地図情報の一部分(例えば、自車の現在位置又は予め登録されている自宅地点を中心とする80km四方の領域である。)又は全部をセンタ地図情報15Aに記憶される最新のバージョンに更新する為の更新情報(以下、「差分データ」という。)についてもバージョン毎に区分されて記憶されている。ここで、バージョンとは地図情報が作成された時期を特定する為の作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期を特定することが可能となっている。
【0019】
また、センタ側地図情報DB15に記憶されたセンタ地図情報15Aには、ナビゲーション装置2でルート案内及び地図表示を行うのに必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0020】
次に、ナビゲーションシステム1を構成するナビゲーション装置2の概略構成について図2に基づいて説明する。
【0021】
図2に示すように、ナビゲーション装置2は、自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する現在地検出処理部21と、各種のデータが記録されたデータ記録部22と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部23と、操作者からの操作を受け付ける操作部24と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ(LCD)25と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ26と、道路交通情報センタ5や情報配信センタ3等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置27と、から構成されている。尚、ナビゲーション制御部23に自車の走行速度を検出する不図示の車速センサの出力信号が入力されるように構成してもよい。
【0022】
以下に、ナビゲーション装置2を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部21は、GPS31等からなり、自車位置、自車方位、走行距離等を検出することが可能となっている。尚、現在地検出処理部21に不図示の方位センサや距離センサ等を接続するようにしてもよい。
【0023】
また、データ記録部22は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)やフラッシュメモリ(図示せず)等と、ハードディスクやフラッシュメモリ等に記憶されたナビ側地図情報データベース(ナビ側地図情報DB)36を備えている。このナビ側地図情報DB36には、ナビゲーション装置2のルート案内やルート表示等に使用されるナビ地図情報36Aが格納されている。
【0024】
ここで、ナビ地図情報36Aは、ルート案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。尚、ナビ側地図情報DB36の内容は、情報配信センタ3から配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0025】
また、ナビゲーション制御部23は、ナビゲーション装置2の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、受信した案内ルートのルートデータ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラム等が記憶されたROM43等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0026】
また、ROM43には、後述のように、情報配信センタ3から受信した案内ルートのルートデータに従って案内するルート案内処理(図3参照)等の各種プログラムが記憶されている。
更に、前記ナビゲーション制御部23には、操作部24、液晶ディスプレイ25、スピーカ26、通信装置27の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0027】
操作部24は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、案内ルートから逸脱したときに情報配信センタ3へ案内ルートの再探索を要求するリルート要求指示を入力する要求ボタン24Aや、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部23は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。更に、液晶ディスプレイ25の前面には、操作部24を構成するタッチパネルが設けられ、画面に表示されたボタン上を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。
【0028】
また、液晶ディスプレイ25には、ナビ地図情報36Aに基づく地図が表示されて各リンク上の交通情報が表示されるルート案内画面の他、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの案内ルート、案内ルートに沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
また、スピーカ26は、ナビゲーション制御部23からの指示に基づいて、案内ルートに沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0029】
そして、通信装置27は、情報配信センタ3と通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、情報配信センタ3との間で最もバージョンの新しい更新地図情報や現況交通情報、案内ルートのルートデータ等の送受信を行う。
【0030】
次に、ナビゲーションシステム1において、ナビゲーション装置2のCPU41が実行して、情報配信センタ3から案内ルートのルートデータを取得して案内する「ルート案内処理」と、情報配信センタ3のCPU11が実行して、ナビゲーション装置2へ案内ルート等のルート情報を配信する「ルート情報配信処理」とについて図3乃至図6に基づいて説明する。
【0031】
尚、図3及び図4の左側にS11〜S24のフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2のROM43に記憶されており、CPU41により一定時間毎に(例えば、10msec〜100msec毎である。)実行される。また、図3及び図4の右側にS111〜S119のフローチャートで示されるプログラムは、情報配信センタ3のROM13に記憶されており、CPU11により一定時間毎に(例えば、10msec〜100msec毎である。)実行される。
【0032】
[ナビゲーション装置2の処理]
図3及び図4に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、ナビゲーション装置2のCPU41は、タッチパネル、操作スイッチ等の操作部24の入力操作等によって、出発地と目的地が設定されているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、出発地と目的地が設定されていないと判定した場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0033】
一方、出発地と目的地が設定されていると判定した場合には(S11:YES)、CPU41は、出発地と目的地とをRAM42に記憶した後、S12の処理に移行する。S12において、CPU41は、出発地から目的地までの案内ルートの探索を要求する操作部24のルート配信ボタン(不図示)が、所定時間以内(例えば、30秒以内である。)に押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、操作部24のルート配信ボタンが、所定時間以内に押下されていないと判定した場合には(S12:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0034】
一方、操作部24のルート配信ボタンが、所定時間以内に押下されたと判定した場合には(S12:YES)、CPU41は、S13の処理に移行する。S13において、CPU41は、RAM42から出発地と目的地を読み出し、少なくとも出発地と目的地とを含むルート探索条件を、当該ナビゲーション装置2を特定する「ナビ識別ID」(例えば、ナビ識別ID「1001」である。)と共に通信装置27を介して情報配信センタ3へ送信して、案内ルートの配信を要求する。その後、CPU41は、後述のS14の処理に移行する。尚、出発地は、現在地検出処理部21によって検出される自車位置(現在位置)であってもよい。また、ルート探索条件には、経由地を含んでもよい。
【0035】
[情報配信センタ3の処理]
そして、S111において、情報配信センタ3のCPU11は、少なくとも出発地と目的地とを含むルート探索条件と、ナビ識別IDをセンタ側通信装置17を介して受信したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、少なくとも出発地と目的地とを含むルート探索条件と、ナビ識別IDを受信していないと判定した場合には(S111:NO)、CPU11は、後述のS114の処理に移行する。
【0036】
一方、少なくとも出発地と目的地とを含むルート探索条件と、ナビ識別IDを受信したと判定した場合には(S111:YES)、CPU11は、ルート探索条件とナビ識別IDをRAM12に記憶した後、S112の処理に移行する。S112において、CPU11は、センタ地図情報15Aや現況交通情報等に基づいて、例えばダイクストラ法等によって、出発地から目的地までの案内ルートを探索して、当該案内ルートのルートデータをRAM12に記憶する。尚、ルートデータは、案内ルート上の各リンクの両端点(ノード)の座標(例えば、緯度経度である。)と各リンクの形状を表す両端点間の形状補間点の座標とから構成された座標点列で構成されている。
【0037】
続いて、S113において、CPU11は、探索した案内ルートのルートデータとナビ識別IDをRAM12から読み出し、当該ナビ識別IDで特定されるナビゲーション装置2へ探索した案内ルートのルートデータをセンタ側通信装置17を介して配信した後、後述のS114の処理に移行する。
【0038】
[ナビゲーション装置2の処理]
そして、図3に示すように、S14において、ナビゲーション装置2のCPU41は、情報配信センタ3から配信されたルートデータをRAM42に記憶した後、このルートデータを案内ルートとして液晶ディスプレイ25に表示した地図上に太い青線等で識別可能に表示する。
【0039】
続いて、S15において、CPU41は、案内ルート上の各ノード点に関するノードデータを自車位置から目的地まで順番にナビ地図情報36Aから読み出し、地図上の交差点に位置するか否かを判定する。そして、CPU41は、案内ルート上のノード点が交差点に位置すると判定した場合には、当該ノード点を案内分岐点として自車位置から目的地まで順番にRAM42に記憶する。
【0040】
そして、CPU41は、案内ルート上に自車位置を車両位置マークで表示して、案内ルートに沿ってルート案内を行う。また、CPU41は、車両位置マークから進行方向に最も近い案内ルート上の案内分岐点をRAM42から読み出して、自車位置から当該案内分岐点までの距離が、所定距離(例えば、約50mの距離である。)になった時に、この案内分岐点での進行方向を案内する。
【0041】
続いて、S16において、CPU41は、所定時間間隔(例えば、約100ミリ秒間隔である。)で、目的地に到着したか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、CPU41は、到着判定距離(例えば、約100mである。)をROM43から読み出し、自車位置から目的地までの距離が到着判定距離未満になったか否かを判定する。そして、自車位置から目的地までの距離が到着判定距離未満になったと判定した場合には(S16:YES)、CPU41は、目的地へ到着した旨を音声案内し、或いは、液晶ディスプレイ25に目的地へ到着した旨を表示した後、当該処理を終了する。
【0042】
一方、自車位置から目的地までの距離が、到着判定距離以上であると判定した場合には(S16:NO)、CPU41は、S17の処理に移行する。図4に示すように、S17において、CPU41は、後述の案内ルートの再探索要求(以下、「リルート要求」という。)を情報配信センタ3へ送信することが再度、可能となるように設定する「リルート禁止解除処理」のサブ処理(図5参照)を実行した後、S18の処理に移行する。
【0043】
S18において、CPU41は、自車位置が案内ルートから逸脱したか否か、つまり、自車位置が案内ルート上の座標(例えば、緯度と経度である。)から所定半径の範囲外(例えば、半径10mの範囲外である。)に位置するか否かを判定する判定処理を実行する。そして、自車位置が案内ルート上の座標から所定半径の範囲内に位置する場合には(S18:NO)、CPU41は、自車位置が案内ルートから逸脱していないと判定して、S15以降の処理を再度実行する。
【0044】
一方、自車位置が案内ルート上の座標から所定半径の範囲外に位置する場合には(S18:YES)、CPU41は、自車位置が案内ルートから逸脱したと判定して、S19の処理に移行する。S19において、CPU41は、RAM42からリルート禁止フラグを読み出し、このリルート禁止フラグが「オン」に設定されているか否か、つまり、リルート要求を情報配信センタ3へ送信することが禁止されているリルート禁止状態か否かを判定する判定処理を実行する。尚、リルート禁止フラグは、ナビゲーション装置2の起動時に、「オフ」に設定されてRAM42に記憶されている。
【0045】
そして、リルート禁止フラグが「オン」に設定されていて、リルート禁止状態であると判定した場合には(S19:YES)、CPU41は、リルート要求を情報配信センタ3へ送信することなく、S15以降の処理を再度実行する。
【0046】
一方、リルート禁止フラグが「オフ」に設定されていて、リルート禁止状態でないと判定した場合には(S19:NO)、CPU41は、S20の処理に移行する。S20において、CPU41は、RAM42から目的地を読み出し、少なくとも自車位置(現在位置)と目的地とを含むルート再探索条件を、ナビ識別IDと共に、リルート要求として情報配信センタ3へ送信する。
【0047】
[情報配信センタ3の処理]
そして、図4に示すように、S114において、情報配信センタ3のCPU11は、少なくとも自車位置(現在位置)と目的地とを含むルート再探索条件と、ナビ識別IDをセンタ側通信装置17を介して受信したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、少なくとも自車位置(現在位置)と目的地とを含むルート再探索条件と、ナビ識別IDを受信していないと判定した場合には(S114:NO)、CPU11は、当該処理を終了する。
【0048】
一方、少なくとも自車位置(現在位置)と目的地とを含むルート再探索条件と、ナビ識別IDを受信したと判定した場合には(S114:YES)、CPU11は、ルート再探索条件とナビ識別IDをRAM12に記憶した後、S115の処理に移行する。S115において、CPU11は、センタ地図情報15Aや現況交通情報等に基づいて、例えばダイクストラ法等によって、自車位置(現在位置)から目的地までの案内ルートを再探索(リルート)して、当該再探索ルートのルートデータをRAM12に記憶する。
【0049】
続いて、S116において、CPU11は、再探索ルート上のリンクのうち、当該自車位置(現在位置)から最も近いリンク(以下、「近接リンク」という。)までの距離を算出し、規定距離(例えば、規定距離は約10mである。)以内か否か、つまり、当該自車位置(現在位置)が再探索ルート上に位置するか否かを判定する判定処理を実行する。尚、規定距離はセンタ側地図情報DB15に予め記憶されている。
【0050】
そして、自車位置(現在位置)から近接リンクまでの距離が規定距離以内であると判定した場合には(S116:YES)、CPU11は、S117の処理に移行する。S117において、CPU11は、再探索した再探索ルートのルートデータをナビゲーション装置2への送信データとして再度RAM12に記憶した後、後述のS119の処理に移行する。
【0051】
一方、自車位置(現在位置)から近接リンクまでの距離が規定距離より長いと判定した場合には(S116:NO)、CPU11は、S118の処理に移行する。S118において、CPU11は、少なくとも当該近接リンクの「リンクデータ」と、リルート要求を情報配信センタ3へ次回送信するまでの「最大待ち時間」(例えば、約30分である。)とを含む「リルート禁止情報」をナビゲーション装置2への送信データとしてRAM12に記憶した後、S119の処理に移行する。
【0052】
続いて、S119において、CPU11は、ナビゲーション装置2への送信データとナビ識別IDをRAM12から読み出し、当該ナビ識別IDで特定されるナビゲーション装置2へセンタ側通信装置17を介して送信データを配信した後、当該処理を終了する。
【0053】
[ナビゲーション装置2の処理]
そして、S21において、ナビゲーション装置2のCPU41は、情報配信センタ3から配信された送信データをRAM42に記憶する。
続いて、S22において、CPU41は、情報配信センタ3から配信された送信データをRAM42から読み出し、当該送信データが「リルート禁止情報」か否かを判定する判定処理を実行する。
【0054】
そして、情報配信センタ3から配信された送信データが「リルート禁止情報」であると判定した場合には(S22:YES)、CPU41は、S23の処理に移行する。S23において、CPU41は、RAM42からリルート禁止フラグを読み出し、「オン」に設定して再度RAM42に記憶する。また、CPU41は、RAM42記憶されるタイマーカウンタを初期化した後、リルート禁止情報に含まれる「最大待ち時間」を読み出し、このタイマーカウンタのカウント値が「最大待ち時間」に達するまでカウントを開始する。その後、CPU41は、S15以降の処理を再度実行する。
【0055】
一方、情報配信センタ3から配信された送信データが「リルート禁止情報」でないと判定した場合、つまり、当該送信データが再探索ルートのルートデータであると判定した場合には(S22:NO)、CPU41は、S24の処理に移行する。S24において、CPU41は、情報配信センタ3から配信された再探索ルートのルートデータを新たな案内ルートのルートデータとしてRAM42に再度記憶すると共に、液晶ディスプレイ25に表示した地図上に太い青線等で識別可能に表示する。その後、CPU41は、S15以降の処理を再度実行する。
【0056】
[ナビゲーション装置2の処理]
次に、上記S17でナビゲーション装置2のCPU41が実行する「リルート禁止解除処理」について図5に基づいて説明する。
図5に示すように、S211において、CPU41は、RAM42からリルート禁止フラグを読み出し、このリルート禁止フラグが「オン」に設定されているか否か、つまり、リルート要求を情報配信センタ3へ送信することが禁止されているリルート禁止状態か否かを判定する判定処理を実行する。
【0057】
そして、リルート禁止フラグが「オフ」に設定されていて、リルート禁止状態でないと判定した場合には(S211:NO)、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S18の処理に移行する。
一方、リルート禁止フラグが「オン」に設定されていて、リルート禁止状態であると判定した場合には(S211:YES)、CPU41は、S212の処理に移行する。
【0058】
S212において、CPU41は、自車位置(現在位置)が案内ルートのリンク上に位置するか否か、つまり、案内ルート上に戻ったか否かを判定する判定処理を実行する。そして、自車位置(現在位置)が案内ルートのリンク上に位置する、つまり、案内ルート上に戻ったと判定した場合には(S212:YES)、CPU41は、S213の処理に移行する。S213において、CPU41は、リルート禁止フラグをRAM42から読み出し、「オフ」に設定して再度RAM42に記憶した後、つまり、リルート禁止状態を解除した後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S18の処理に移行する。
【0059】
一方、自車位置(現在位置)が案内ルートのリンク上に位置しない、つまり、案内ルート上に戻っていないと判定した場合には(S212:NO)、CPU41は、S214の処理に移行する。S214において、CPU41は、情報配信センタ3へ案内ルートの再探索を要求するリルート要求指示を入力する要求ボタン24Aが押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、要求ボタン24Aが押下されたと判定した場合には(S214:YES)、CPU41は、上記S213の処理に移行する。
【0060】
一方、要求ボタン24Aが押下されていないと判定した場合には(S214:NO)、CPU41は、S215の処理に移行する。S215において、CPU41は、リルート禁止情報に含まれる近接リンクのリンクデータをナビ地図情報36Aから読み出し、自車位置(現在位置)が当該近接リンク上に位置するか否か、つまり、近接リンクを通過したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、近接リンクを通過したと判定した場合には(S215:YES)、CPU41は、上記S213の処理に移行する。
【0061】
一方、近接リンクを通過していないと判定した場合には(S215:NO)、CPU41は、S216の処理に移行する。S216において、CPU41は、タイマーカウンタのカウント値と、リルート禁止情報に含まれる最大待ち時間とをRAM42から読み出し、タイマーカウンタのカウント値が最大待ち時間に達したか否か、つまり、ルート禁止情報を受信してから最大待ち時間が経過したか否かを判定する判定処理を実行する。
【0062】
そして、ルート禁止情報を受信してから最大待ち時間が経過したと判定した場合には(S216:YES)、CPU41は、上記S213の処理に移行する。
一方、ルート禁止情報を受信してから最大待ち時間が未だ経過していないと判定した場合には(S216:NO)、CPU41は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S18の処理に移行する。つまり、リルート禁止フラグは「オン」に設定された状態で、RAM42に記憶されている。
【0063】
ここで、リルート要求を受信した情報配信センタ3からナビゲーション装置2へ送信データを配信した一例について図6に基づいて説明する。尚、図6の左側に示す例は、案内ルート51を逸脱して進入した道路52のリンクデータがナビ地図情報36Aに格納されている場合を示している。また、図6の中央に示す例は、案内ルート51を逸脱して進入した道路52のリンクデータがナビ地図情報36Aに格納されていないが、情報配信センタ3のセンタ地図情報15Aに格納されている場合を示している。また、図6の右側に示す例は、案内ルート51に隣接する大型ショッピングセンタ等の施設61の駐車場61Aに駐車して、案内ルート51から規定距離より遠い位置まで離れた場合を示している。
【0064】
図6の左側及び中央に示すように、自車位置(現在位置)が液晶ディスプレイ25に表示している案内ルート51から道路52に逸脱した場合には、ナビゲーション装置2からリルート要求を情報配信センタ3へ送信する。そして、リルート要求を受信した情報配信センタ3のCPU11は、ナビゲーション装置2が道路52上の再探索ルートの近接リンク53上に位置することから、再探索ルートのルートデータを送信データとしてナビゲーション装置2へ配信する。
【0065】
また、図6の右側に示すように、液晶ディスプレイ25に表示している案内ルート51から、当該案内ルート51に隣接する大型ショッピングセンタ等の施設61の駐車場61Aに駐車した場合には、ナビゲーション装置2のCPU11は、案内ルート51から逸脱したと判定して、リルート要求を情報配信センタ3へ送信する。そして、リルート要求を受信した情報配信センタ3のCPU11は、再探索した案内ルート51の近接リンク62から駐車場61Aの駐車位置(現在位置)までの距離が規定距離より長いと判定して、リルート禁止情報を送信データとしてナビゲーション装置2へ配信する。
【0066】
そして、リルート禁止情報を受信したナビゲーション装置2のCPU11は、RAM42からリルート禁止フラグを読み出して「オン」に設定して再度RAM42に記憶して、リルート禁止状態に設定すると共に、最大待ち時間が経過するのを待つ。そして、ナビゲーション装置2が駐車場61Aから案内ルート51の近接リンク62上に戻るか、又は、ユーザがナビゲーション装置2の要求ボタンを押下するか、又は、リルート禁止情報を受信してから最大待ち時間が経過した場合には、CPU41は、リルート禁止フラグを「オフ」に設定する。これにより、CPU41は、案内ルート51を逸脱している場合に、リルート要求を再度、情報配信センタ3へ送信することが可能となる。
【0067】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーションシステム1では、情報配信センタ3のCPU11は、ナビゲーション装置2からリルート要求を受信して、自車位置(現在位置)から再探索した再探索ルートの近接リンクまでの距離が規定距離よりも長いと判定した際には、少なくとも近接リンクの「リンクデータ」と「最大待ち時間」とを含む「リルート禁止情報」をナビゲーション装置2へ配信する。そして、ナビゲーション装置2のCPU41は、リルート禁止情報を受信した場合には、リルート禁止情報に含まれる最大待ち時間が経過した後に、リルート要求を再度、情報配信センタ3へ送信する。
【0068】
これにより、情報配信センタ3のCPU11は、ナビゲーション装置2が案内ルートを逸脱して、施設の駐車場に入った場合等には、ナビゲーション装置2の自車位置(現在位置)から近接リンクまでの距離が規定距離(例えば、約10mである。)より長くなるため、ナビゲーション装置2へリルート禁止情報を送信することが可能となり、通信量の削減化を図ることが可能となる。
【0069】
また、ナビゲーション装置2のCPU41は、リルート要求を情報配信センタ3へ送信した後、リルート禁止情報を受信した場合には、該リルート禁止情報を受信したときから最大待ち時間(例えば、約30分である。)が経過した後に、リルート要求を再度送信する。これにより、ナビゲーション装置2から情報配信センタ3へリルート要求を頻繁に送信することを防止して、不要な通信の削減化を図ることが可能となる。
【0070】
また、ナビゲーション装置2のCPU41は、案内ルートを逸脱して、施設の駐車場等に入った後、リルート禁止情報を受信したときから最大待ち時間が経過する前に、近接リンクを通過した場合、つまり、案内ルートと異なる再探索ルートに進入した場合には、リルート要求を再度送信することが可能となる。これにより、ナビゲーション装置2のCPU41は、案内ルートを逸脱して、施設の駐車場等に入った後、当該施設から出発した際に、情報配信センタ3から迅速に再探索ルートのルートデータを再度、受信することが可能となる。
【0071】
また、ナビゲーション装置2のCPU41は、案内ルートを逸脱して、施設の駐車場等に入った後、リルート禁止情報を受信したときから最大待ち時間が経過する前に、逸脱した当該案内ルートに戻った場合には、リルート要求を再度送信することなく、案内ルートのルートデータに基づいてルート案内を行うことができ、不要な通信の削減化を図ることが可能となる。
【0072】
更に、ナビゲーション装置2のCPU41は、案内ルートを逸脱して、施設の駐車場等に入った後、リルート禁止情報を受信したときから最大待ち時間が経過する前に、情報配信センタ3へ案内ルートの再探索を要求するリルート要求指示を入力する要求ボタン24Aが押下された場合には、リルート要求を再度送信することが可能となる。これにより、ナビゲーション装置2のユーザは、案内ルートを逸脱して、施設の駐車場等に入った後、当該施設から出発する際に、要求ボタン24Aを押下することによって、情報配信センタ3から迅速に再探索ルートのルートデータを受信することが可能となる。
【0073】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0074】
例えば、情報配信センタ3のCPU11は、少なくとも自車位置(現在位置)と目的地とを含むルート再探索条件と、ナビ識別IDを受信したと判定した場合には(S114:YES)、CPU11は、ルート再探索条件とナビ識別IDをRAM12に記憶した後、上記S115の処理を実行することなく、S116の処理に移行するようにしてもよい。
【0075】
そして、S116において、CPU11は、センタ地図情報15Aに基づいて、当該自車位置(現在位置)から最も近いリンク(以下、「地図上の近接リンク」という。)のリンクデータを読み出す。続いて、CPU11は、自車位置(現在位置)から「地図上の近接リンク」までの距離が、規定距離(例えば、規定距離は約10mである。)以内か否かを判定する判定処理を実行するようにしてもよい。
【0076】
そして、自車位置(現在位置)から「地図上の近接リンク」までの距離が規定距離以内であると判定した場合には(S116:YES)、CPU11は、S117の処理に移行して、自車位置(現在位置)から目的地までの案内ルートを再探索(リルート)して、当該再探索ルートのルートデータを送信データとしてRAM12に記憶するようにしてもよい。
【0077】
一方、自車位置(現在位置)から「地図上の近接リンク」までの距離が規定距離より長いと判定した場合には(S116:NO)、CPU11は、上記S118の処理に移行するようにしてもよい。これにより、上記実施例と同じ効果を奏することができると共に、上記S115の処理を実行しないことにより、リルート禁止情報を迅速に送信することが可能となり、CPU11の処理負荷の軽減化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
1 ナビゲーションシステム
2 ナビゲーション装置
3 情報配信センタ
4 ネットワーク
10 サーバ
11、41 CPU
12、42 RAM
13、43 ROM
15 センタ側地図情報DB
17 センタ側通信装置
21 現在地検出処理部
23 ナビゲーション制御部
24 操作部
24A 要求ボタン
27 通信装置
36 ナビ側地図情報DB
51 案内ルート
53、62 近接リンク
61 施設
61A 駐車場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置から少なくとも出発地及び目的地を含む経路探索条件を受信した場合に、前記出発地から前記目的地までの案内経路を探索して案内経路データを作成する経路データ作成手段と、
前記案内経路データを前記ナビゲーション装置へ配信する配信手段と、
を有する情報配信センタと、
前記案内経路データを受信した場合に、該案内経路データに基づいて経路案内を行う経路案内手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記現在位置が前記案内経路を逸脱したか否かを判定する逸脱判定手段と、
前記現在位置が前記案内経路を逸脱したと判定された場合には、前記情報配信センタへ前記現在位置及び前記目的地を含む変更経路探索条件を送信する再探索条件送信手段と、
を有するナビゲーション装置と、
を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記情報配信センタは、
前記変更経路探索条件を受信した場合に、前記現在位置から最も近い近接リンクまでの距離が所定距離以内か否かを判定する距離判定手段と、
前記現在位置から最も近い近接リンクまでの距離が前記所定距離より長いと判定された場合には、該近接リンクに関する近接リンク情報及び前記変更経路探索条件を次回送信するまでの最大待ち時間を含むリルート禁止情報を前記ナビゲーション装置へ配信するように制御する配信制御手段と、
を有し、
前記ナビゲーション装置は、
前記リルート禁止情報を受信した場合には、該リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過した後に、前記再探索条件送信手段を介して前記変更経路探索条件を再度送信するように制御するリルート制御手段を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記ナビゲーション装置は、前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、該リルート禁止情報に含まれる前記近接リンクを通過したか否かを判定する通過判定手段を有し、
前記リルート制御手段は、前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、該リルート禁止情報に含まれる前記近接リンクを通過したと判定された場合には、前記再探索条件送信手段を介して前記変更経路探索条件を再度送信するように制御することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、逸脱した前記案内経路に戻ったか否かを判定する経路復帰判定手段を有し、
前記リルート制御手段は、前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、逸脱した前記案内経路に戻ったと判定された場合には、前記再探索条件送信手段を介して前記変更経路探索条件を再度送信しないように制御すると共に、前記経路案内手段を介して前記案内経路データに基づいて経路案内を行うように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記ナビゲーション装置は、
前記変更経路探索条件を前記情報配信センタへ送信するように指示する要求指示を入力する入力手段と、
前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、前記入力手段を介して前記要求指示が入力されたか否かを判定する入力判定手段と、
を有し、
前記リルート制御手段は、前記リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過する前に、前記入力手段を介して前記要求指示が入力されたと判定された場合には、前記再探索条件送信手段を介して前記変更経路探索条件を再度送信するように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
情報配信センタで実行される、
ナビゲーション装置から少なくとも出発地及び目的地を含む経路探索条件を受信した場合に、前記出発地から前記目的地までの案内経路を探索して案内経路データを作成する経路データ作成工程と、
前記経路データ作成工程で作成した前記案内経路データを前記ナビゲーション装置へ配信する配信工程と、
前記ナビゲーション装置で実行される、
前記案内経路データを受信した場合に、該案内経路データに基づいて経路案内を行う経路案内工程と、
現在位置を検出する現在位置検出工程と、
前記現在位置検出工程で検出した現在位置が前記案内経路を逸脱したか否かを判定する逸脱判定工程と、
前記逸脱判定工程で前記現在位置が前記案内経路を逸脱したと判定された場合には、前記情報配信センタへ前記現在位置及び前記目的地を含む変更経路探索条件を送信する再探索条件送信工程と、
を備えたナビゲーション方法において、
前記情報配信センタで実行される、
前記変更経路探索条件を受信した場合に、前記現在位置から最も近い近接リンクまでの距離が所定距離以内か否かを判定する距離判定工程と、
前記距離判定工程で前記現在位置から最も近い近接リンクまでの距離が前記所定距離より長いと判定された場合には、該近接リンクに関する近接リンク情報及び前記変更経路探索条件を次回送信するまでの最大待ち時間を含むリルート禁止情報を前記ナビゲーション装置へ配信するように制御する配信制御工程と、
前記ナビゲーション装置で実行される、
前記リルート禁止情報を受信した場合には、該リルート禁止情報を受信したときから前記最大待ち時間が経過した後に、前記変更経路探索条件を再度送信するように制御するリルート制御工程
を備えたことを特徴とするナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−104760(P2013−104760A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248149(P2011−248149)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】