説明

ナビゲーションシステム

【課題】新設されたスマートICを活用して目的地までの所要時間を短縮できる走行を、簡便、効率的かつ経済的に実現することができる「ナビゲーションシステム」を提供すること。
【解決手段】最新SIC所定情報をサーバ4に要求すべき最適経路/目的地に関する所定のトリガの発生を検出するトリガ発生検出手段28と、前記トリガの発生の検出後、サーバ4に、最新SIC所定情報の要求を行う最新SIC所定情報要求手段29と、前記要求に応答して、最新SIC所定情報を生成する最新SIC所定情報生成手段35と、生成された最新SIC所定情報を車載機2に提供する最新SIC所定情報提供手段36と、提供された最新SIC所定情報を経路誘導に利用する最新SIC所定情報利用手段26,27とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムに係り、特に、スマートインターチェンジ(以下、スマートICと称する)を利用した高速道路を含む目的地までの最適経路にしたがった経路誘導を行うのに好適なナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高速道路においては、サービスエリアを中心に、ETC(Electronic Toll Collection)車載器を搭載した車両の専用のインターチェンジであるスマートICが導入されるようになった。スマートICを利用すれば、高速道路に対する乗り降りの機会を増やすことができ、所望の地点まで短時間で到達することができるといった利点がある。
【0003】
そして、このようなスマートICの導入に対応すべく、車載機(ナビゲーション装置)においても、スマートICの情報を格納した地図データベースに基づいて、スマートICを利用して高速道路に対する乗り降りを行うような高速道路を含む目的地までの最適経路を探索することによって、スマートICを活用した時間的に効率的な経路誘導を行うことが提案されるようになった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−256148号公報
【特許文献2】特開2006−106001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スマートICは、本格導入されて以降、各地に続々と新設(開通)されており、このような新設されたスマートICに車載機の地図データベースが未対応となることは珍しくない。
【0006】
かかる場合には、多くのドライバーは、自宅周辺等の特別に馴染みがある地域に新設されたものでもない限り、自車位置または目的地の近くに新設されたスマートICが存在することを知ることなく、車載機の地図データベースに基づいて探索された自車位置または目的地から遠く離れたインターチェンジやスマートICを利用して高速道路に対する乗り降りを行うような経路誘導を受けることを余儀なくされていた。
【0007】
ところで、従来から、ナビゲーション装置においては、最新の地図データベースを保有するサーバとの間での通信によって、最新の地図データを取得することが可能とされており(例えば、特許文献2参照)、このような方法によれば、最新のスマートICの情報も取得することは可能であった。
【0008】
しかるに、特許文献2においては、サーバに対する通信を介した最新のスマートICの情報の要求を、ユーザの特別な労力をともなうことなく必要性に見合った好適なタイミングに限定して行うことによって、新設されたスマートICを活用して目的地までの所要時間を短縮できる走行を簡便、効率的かつ経済的に行うことについては、何ら具体的な提案はなされていない。
【0009】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、新設されたスマートICを活用して目的地までの所要時間を短縮できる走行を、簡便、効率的かつ経済的に実現することができるナビゲーションシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、本発明に係るナビゲーションシステムは、最新のスマートインターチェンジの情報を含む最新の地図データを保有するサーバと、これとの通信が可能とされたスマートインターチェンジの情報を含む地図データを保有する車載機とを備え、前記車載機側で、スマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路にしたがった経路誘導を行うことが可能とされたナビゲーションシステムであって、前記車載機に配設され、前記最新のスマートインターチェンジの情報に基づく所定の情報である最新SIC所定情報を前記サーバに要求すべき所定のトリガであって、前記車載機側で探索された前記目的地までの最適経路または前記車載機側で設定された前記目的地に関するトリガが発生したことを検出するトリガ発生検出手段と、前記車載機に配設され、前記トリガ発生検出手段によって前記所定のトリガの発生が検出された場合に、前記サーバに対して、前記最新SIC所定情報の要求を所定の車載機側情報の提供とともに通信によって行う最新SIC所定情報要求手段と、前記サーバに配設され、前記最新SIC所定情報要求手段による前記要求に応答して、前記最新のスマートインターチェンジの情報および前記車載機から提供された前記車載機側情報に基づく前記最新SIC所定情報の生成を行う最新SIC所定情報生成手段と、前記サーバに配設され、前記最新SIC所定情報生成手段によって生成された前記最新SIC所定情報を、前記車載機に通信によって提供する最新SIC所定情報提供手段と、前記車載機に配設され、前記最新SIC所定情報提供手段によって提供された前記最新SIC所定情報を前記経路誘導に利用する最新SIC所定情報利用手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
そして、このような構成によれば、最新SIC所定情報をサーバに要求すべき所定のトリガとして、車載機側で探索された最適経路または車載機側で設定された目的地に関するトリガを採用することにより、最新SIC所定情報の要求のための特別なユーザ操作を要しないようにすることができ、また、最新SIC所定情報の要求のタイミングとして、探索された最適経路または設定された目的地との関係から最新SIC所定情報を必要とすべき好適なタイミングを選択することができるので、新設されたスマートICを活用して目的地までの所要時間を短縮できる走行を、ユーザに特別な操作負担を強いることなく、必要時に限定した効率的な処理の下で、通信費を抑えつつ実現することができる。
【0012】
また、前記最新SIC所定情報は、前記スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報であり、前記所定のトリガは、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路に高速道路が含まれることであり、前記車載機側情報は、目的地情報および自車位置情報を含んでもよい。
【0013】
そして、このような構成によれば、所定のトリガとして、車載機側で探索された目的地までの最適経路に高速道路が含まれることを採用することにより、スマートICの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報(最新SIC所定情報の一態様)の要求のタイミングとして、車載機側で探索された最適経路との関係から、高速道路を走行することが経路上確定された時点といった必要性が高い最適なタイミングを選択することができる。
【0014】
さらに、前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から情報が提供された前記スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路が、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路と異なり、かつ、当該車載機側で探索された目的地までの最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮される場合に、当該スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報を前記経路誘導に利用してもよい。
【0015】
そして、このような構成によれば、サーバ側で生成されたスマートICの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報の有用性を車載機側で評価し、目的地までの所要時間の短縮が可能な車載機側に無い有用な情報である場合に限って経路誘導に利用するように構成することによって、目的地までの所要時間を確実に短縮させることができる。
【0016】
さらにまた、前記車載機側情報は、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路の情報を含み、前記最新SIC所定情報提供手段は、前記最新SIC所定情報生成手段によって情報が生成された前記スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路が、前記車載機から情報が提供された前記車載機側で探索された目的地までの最適経路と異なり、かつ、当該車載機側で探索された目的地までの最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮される場合に、当該スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報を前記車載機に提供し、前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から提供された前記スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報を前記経路誘導に利用してもよい。
【0017】
そして、このような構成によれば、サーバ側で生成されたスマートICの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報の有用性をサーバ側で評価し、目的地までの所要時間の短縮が可能な車載機側に無い有用な情報である場合に限って車載機に提供するように構成することによって、車載機側での処理負担の軽減および無用な情報の提供を未然に回避することによる通信費の削減が可能となる。
【0018】
また、前記最新SIC所定情報は、前記スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報であり、前記所定のトリガは、前記車載機側で設定された目的地の自車位置からの直線距離が所定値以上となることであり、前記車載機側情報は、目的地情報および自車位置情報を含んでもよい。
【0019】
そして、このような構成によれば、所定のトリガとして、車載機側で設定された目的地の自車位置からの直線距離が所定値以上となることを採用することにより、スマートICの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報の要求のタイミングとして、車載機側で設定された目的地との関係から、高速道路を利用する可能性が高い遠方の目的地に赴くことが確定された時点といった必要性が高い最適なタイミングを選択することができ、また、車載機側で経路探索を行うことを要しないので、車載機側の処理負担を軽減することができる。
【0020】
さらに、前記最新SIC所定情報は、自車位置から所定距離または目的地から所定距離の領域内に該当する自車位置/目的地付近の最新のスマートインターチェンジの情報であり、前記所定のトリガは、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路に高速道路が含まれることであり、前記車載機側情報は、目的地情報および自車位置情報を含んでもよい。
【0021】
そして、このような構成によれば、所定のトリガとして、車載機側で探索された目的地までの最適経路に高速道路が含まれることを採用することにより、自車位置/目的地付近の最新のスマートICの情報(最新SIC所定情報の一態様)の要求のタイミングとして、車載機側で探索された最適経路との関係から必要性が高い最適なタイミングを選択することができる。
【0022】
さらにまた、前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から情報が提供された前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジが、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路に含まれる高速道路の入口/出口として利用されていない場合に、当該自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索し、探索された当該最適経路を、前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジが利用されていない当初の最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮されることを条件に、前記経路誘導に利用してもよい。
【0023】
そして、このような構成によれば、サーバ側で生成された自車位置/目的地付近の最新のスマートICの情報の有用性を車載機側で評価し、車載機側で利用されていない有用な情報である場合に限って経路探索に利用するように構成することによって、無用な経路探索を回避することによる更なる処理の効率化を図ることができる。
【0024】
また、前記車載機側情報は、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路の情報を含み、前記最新SIC所定情報提供手段は、前記最新SIC所定情報生成手段によって情報が生成された前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジが、前記車載機から情報が提供された前記車載機側で探索された目的地までの最適経路に含まれる高速道路の入口/出口として利用されていない場合に、当該自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジの情報を前記車載機に提供し、前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から情報が提供された前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索し、探索された当該最適経路を、前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジが利用されていない当初の最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮されることを条件に、前記経路誘導に利用してもよい。
【0025】
そして、このような構成によれば、サーバ側で生成された自車位置/目的地付近の最新のスマートICの情報の有用性をサーバ側で評価し、車載機側で利用されていない有用な情報である場合に限って車載機に提供するように構成することによって、車載機側での処理負担の軽減および無用な情報の提供を未然に回避することによる通信費の削減が可能となる。
【0026】
さらに、前記自車位置からの所定距離は、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路に含まれる高速道路の入口までの距離よりも短い距離であり、前記目的地からの所定距離は、当該高速道路の出口までの距離よりも短い距離であり、前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から情報が提供された前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索し、探索された当該最適経路を、前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジが利用されていない当初の最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮されることを条件に、前記経路誘導に利用してもよい。
【0027】
そして、このような構成によれば、車載機側で利用されていないことが明らかで、かつ、当初の最適経路における高速道路の入口/出口よりも自車位置/目的地に近い領域内の最新のスマートICの情報を初めから生成することができるので、この情報の有用性の評価を要しなくすることができるとともに、目的地までの所要時間を短縮させる可能性を高めることができる。
【0028】
さらにまた、前記最新SIC所定情報は、自車位置から所定距離または目的地から所定距離の領域内に該当する自車位置/目的地付近の最新のスマートインターチェンジの情報であり、前記所定のトリガは、前記車載機側で設定された目的地の自車位置からの直線距離が所定値以上となることであり、前記車載機側情報は、目的地情報および自車位置情報を含み、前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から情報が提供された前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索し、探索された当該最適経路を前記経路誘導に利用してもよい。
【0029】
そして、このような構成によれば、所定のトリガとして、車載機側で設定された目的地の自車位置からの直線距離が所定値以上となることを採用することにより、自車位置/目的地付近の最新のスマートICの情報の要求のタイミングとして、車載機側で設定された目的地との関係から必要性が高い最適なタイミングを選択することができる。
【0030】
また、前記最新SIC所定情報利用手段は、前記車載機の地図データ中に前記自車位置付近のスマートインターチェンジに接続される一般道のリンクが存在しないことによって、前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索することができなかった場合には、前記自車位置付近のスマートインターチェンジの位置をユーザに提示してもよい。
【0031】
そして、このような構成によれば、車載機の地図データ中に自車位置付近の新設スマートICに接続される一般道のリンクが存在しないことによって、当該新設スマートICを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索することができない場合であっても、当該新設スマートICの位置を提示することによって、実際の道路上の案内標識等に基づいた新設スマートIC(入口)の直前における自走をともなう当該新設スマートICを利用した効率的な走行の機会を確保することができる。
【0032】
さらに、前記最新SIC所定情報利用手段は、前記車載機の地図データ中に前記自車位置付近のスマートインターチェンジに接続される一般道のリンクが存在しないことによって、前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索することができなかった場合には、前記車載機の地図データ中に存在する前記自車位置付近のスマートインターチェンジに直近の一般道のリンクまでの自車位置からの最適経路を探索し、探索された当該最適経路を前記経路誘導に利用してもよい。
【0033】
そして、このような構成によれば、新設スマートICの直前における自走を要する場合であっても、車載機側にデータが存在する新設スマートICに直近の道路と自車位置との間の区間については、最適経路にしたがった経路誘導を行うことによって、自走区間を最小限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、新設されたスマートICを活用して目的地までの所要時間を短縮できる走行を、簡便、効率的かつ経済的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るナビゲーションシステムの第1実施形態を示す構成図
【図2】図1のナビゲーションシステムにおける車載機側CPUの具体的構成を示すブロック図
【図3】図1のナビゲーションシステムにおけるサーバ側CPUの具体的構成を示すブロック図
【図4】第1実施形態の効果の一例を示す概念図
【図5】第1実施形態の処理工程を示すフローチャート
【図6】第1実施形態の変形例を示すフローチャート
【図7】本発明に係るナビゲーションシステムの第2実施形態を示すフローチャート
【図8】本発明に係るナビゲーションシステムの第3実施形態を示すフローチャート
【図9】第3実施形態の第1の変形例を示すフローチャート
【図10】第3実施形態の第2の変形例を示すフローチャート
【図11】第3実施形態の第3の変形例を示すフローチャート
【図12】第3実施形態の第4の変形例を示すフローチャート
【図13】第3実施形態の第5の変形例を示すフローチャート
【図14】第3実施形態の第6の変形例を示す第1の画面構成図
【図15】第3実施形態の第6の変形例を示す第2の画面構成図
【図16】本発明に係るナビゲーションシステムの第4実施形態を示すフローチャート
【図17】第4実施形態の変形例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0036】
(第1実施形態)
以下、本発明に係るナビゲーションシステムの第1実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0037】
図1に示すように、本実施形態におけるナビゲーションシステム1は、大別して、自車に搭載された車載機(ナビゲーション装置)2と、この車載機2にインターネット等の通信網3を介して接続可能とされたサーバ4とによって構成されている。
【0038】
まず、車載機2について詳述すると、この車載機2は、車載機側CPU7を有しており、この車載機側CPU7は、所定の実行プログラムを実行することによって、ナビゲーションのための種々の処理や制御を行うようになっている。
【0039】
図1に示すように、車載機側CPU7には、車載機側地図記憶装置8が接続されており、この車載機側地図記憶装置8には、車載機2側の地図データが記憶されている。この車載機側地図記憶装置8は、ハードディスクドライブ等であってもよい。
【0040】
ここで、地図データは、例えば、道路データフレーム、背景データフレーム、名称データフレーム、経路誘導データフレーム、経路計算データフレームおよび地点情報フレーム等の各種の物理データフレームによって構成されている。
【0041】
これらのうち、道路データフレームは、道路地図の表示等に用いられるようになっている。この道路データフレームには、リンク列データレコードが格納されており、このリンク列データレコードは、リンク列ヘッダ、リンク列の形状を示すリンク列形状情報、他のリンク列との関係を示すノード・リンク接続情報、ノード付加情報(リンクID、幅員・車線情報、道路名称等)、標高情報および通行規制情報等によって構成されている。
【0042】
また、背景データフレームは、背景地図の表示等に用いられるようになっている。この背景データフレームには、表示クラスごとにまとめられた図形データリスト列が格納されており、更に、各図形データリストには、図形(線または面)の形状を表現するための要素点座標情報(始点座標、オフセット座標等)が格納されている。
【0043】
さらに、名称データフレームは、地図上への文字列の表示等に用いられるようになっている。この名称データフレームには、表示クラスごとにまとめられた名称データリストが格納されており、この名称データリストは、名称データレコード列によって構成されている。各名称データレコードは、地図上に文字を表示するための文字データに相当する。この名称データフレームを用いて表示される文字列は、例えば、建物名、公園名、行政区画名および河川名等の表示クラスごとの表示対象地物の名称となる。
【0044】
さらにまた、経路誘導データフレームは、経路誘導に用いられるようになっており、この経路誘導データフレームには、誘導データフレーム、文字列データフレーム、音声データフレーム、形状データフレームおよびパターンデータフレーム等が格納されている。ここで、誘導データフレームには、交差点名称、道路名称、方面名称、スポットガイドおよび方向ガイド等が格納されている。また、文字列データフレームには、誘導データフレームと関連した実体の表示文字、発音文字およびアクセント情報等が格納されている。さらに、音声データフレームには、名称の自然音声発声をする場合の音声発声の実データが格納される。さらにまた、形状データフレームには、誘導データフレームと関連した実体を描画するための形状が格納されている。また、パターンデータフレームには、案内のために交差点の進入方向に応じた画像を描画するための実データが格納されている。
【0045】
また、経路計算データフレームは、目的地までの最適経路の計算に用いられるようになっており、この経路計算データフレームには、ノードデータフレーム、リンクデータフレーム、リンクコストデータフレーム、上位レベルノード・リンク対応データフレームおよびノード座標データフレーム等が格納されている。ここで、ノードデータフレームには、例えば、道路種別を複数まとめたランクの単位でノードデータが格納されている。また、リンクデータフレームには、リンクレコード、規制レコードおよびリンク間コストレコード等が格納されている。さらに、リンクコストデータフレームには、リンクIDやリンク自身のコスト等が格納されている。さらにまた、上位レベルノード・リンク対応データフレームには、当該レベルを基準とした上位のノードおよびリンクを特定する情報が格納されている。また、ノード座標データフレームには、ノードの座標が格納されている。
【0046】
さらに、地点情報フレームには地点情報が格納されている。この地点情報は、目的地または経由地の候補となる地点の検索や、地図上へのPOI(Points Of Interests)のアイコン(換言すれば、ランドマーク)の表示等に用いられるようになっている。この地点情報は、具体的には、地点の名称、位置(経緯度)、住所、郵便番号、電話番号、種別およびPOIのアイコン等によって構成されている。
【0047】
そして、本実施形態において、地点情報には、スマートICの情報(名称、位置(座標)、住所、接続リンク情報等)が含まれている。ただし、このスマートICの情報は、車載機2側の地図データの更新が、年次更新等の所定期間ごとになされるものであり、スマートICが新設される毎に逐次更新されるものではないため、必ずしも最新のスマートICの情報であるとは限らない。
【0048】
また、図1に示すように、車載機側CPU7には、車載機側メモリ10が接続されており、この車載機側メモリ10は、車載機側CPU7の実行プログラムの格納や車載機側CPU7の処理結果の一時的な保存等に用いられるようになっている。この車載機側メモリ10は、例えば、SDRAMやflashROM等からなるものであってもよい。
【0049】
さらに、図1に示すように、車載機側CPU7には、衛星航法受信機11が接続されており、この衛星航法受信機11は、図示しない測位衛星(例えば、GPS衛星)から配信された軌道および時刻等に関する情報を含む測位信号を受信し、受信した測位信号を車載機側CPU7に入力するようになっている。
【0050】
さらにまた、図1に示すように、車載機側CPU7には、自律航法センサ12が接続されており、この自律航法センサ12は、自車の車速、角速度および方位等を検出し、検出結果を車載機側CPU7に入力するようになっている。
【0051】
また、図1に示すように、車載機側CPU7には、画像インターフェース(I/F)14を介してディスプレイ15が接続されており、このディスプレイ15には、車載機側CPU7によって生成された各種の画像が車載機側CPU7によって出力されて表示されるようになっている。
【0052】
さらに、図1に示すように、車載機側CPU7には、音声インターフェース(I/F)16を介してスピーカ17が接続されており、このスピーカ17からは、車載機側CPU7によって各種の音声が出力されるようになっている。
【0053】
さらにまた、図1に示すように、車載機側CPU7には、ユーザインターフェース(I/F)18を介して入力操作部20が接続されており、ユーザは、この入力操作部20を用いることによって、車載機2に対してナビゲーションのための種々の入力操作を行うことが可能とされている。この入力操作部20は、リモコン、ディスプレイ15のタッチパネル、リニアエンコーダ、ロータリエンコーダ、音声入力用のマイクロホン等であってもよい。
【0054】
また、図1に示すように、車載機側CPU7には、車載機側通信部21が接続されており、この車載機側通信部21により、通信網3を介したサーバ4との通信が可能となっている。車載機側通信部21は、携帯電話機等によって構成してもよい。
【0055】
次に、車載機側CPU7について更に詳述すると、図2に示すように、車載機側CPU7は、その機能ブロックの1つとしての自車位置算出部23を有しており、この自車位置算出部23には、衛星航法受信機11から出力された測位信号および自律航法センサ12から出力された検出結果が入力されるようになっている。そして、自車位置算出部23は、衛星航法受信機11側から入力された測位信号に基づいて、自車位置を絶対座標として算出(測位)する衛星航法を行うようになっている。また、自車位置算出部23は、自律航法センサ12側から入力された検出結果に基づいて、自車位置を前回の測位位置からの相対的な変化分として算出する自律航法を行うようになっている。さらに、自車位置算出部23は、車載機側地図記憶装置8に記憶されている地図データを用いることによって、衛星航法および自律航法(ハイブリッド航法)によって算出された自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。そして、自車位置算出部23は、マップマッチング処理が適正に行われた場合には、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0056】
また、図2に示すように、車載機側CPU7は、その機能ブロックの1つとしての地図描画部24を有している。この地図描画部24は、車載機側地図記憶装置8に記憶されている地図データを用いることによって、所定の領域を示す地図をディスプレイ15に表示するようになっている。この地図描画部24によって表示される地図には、自車位置算出部23によって算出された自車位置の周辺の地図や、入力操作部20を用いたスクロール操作によって指定された領域の地図が含まれる。
【0057】
さらに、図2に示すように、車載機側CPU7は、その機能ブロックの1つとしての目的地設定部25を有している。この目的地設定部25は、目的地を設定するための各種の操作画面をディスプレイ15に表示した上で、表示された操作画面に対する入力操作部20の操作結果に応じた目的地を設定するようになっている。
【0058】
さらにまた、図2に示すように、車載機側CPU7は、その機能ブロックの1つとしての経路探索部26を有している。この経路探索部26は、車載機側地図記憶装置8に記憶されている地図データに基づいて、自車位置算出部23によって算出された自車位置から目的地設定部25によって設定された目的地までの予め設定された経路探索条件に応じた最適経路を、ダイクストラ法等の経路計算方法を用いて探索するようになっている。経路探索条件は、デフォルトで設定される場合もあるし、ユーザが入力操作部20を用いた入力操作によって設定する場合もある。このとき、目的地設定部25によって経由地が設定されている場合には、経路探索部26は、設定された経由地を経由するような目的地までの最適経路を探索するようになっている。そして、経路探索部26は、探索された最適経路を、ディスプレイ15への表示によって誘導経路の候補としてユーザに提示するようになっている。最適経路の提示は、地図上における最適経路の強調表示や、最適経路に対応した目的地までの所要時間、距離、通行する道路名の表示等によって、最適経路を誘導経路として選択可能な表示態様で行うようにしてもよい。
【0059】
また、図2に示すように、車載機側CPU7は、その機能ブロックの1つとしての経路誘導部27を有している。この経路誘導部27は、経路探索部26によって提示された最適経路を誘導経路に設定するための入力操作部20を用いた入力操作が行われると、この最適経路を誘導経路に設定するようになっている。誘導経路の設定は、誘導経路に関する情報、例えばリンクおよび目的地等を車載機側メモリ10に一時的に保存することによって行うようにしてもよい。そして、経路誘導部27は、誘導経路の設定の後に、設定された誘導経路にしたがった経路誘導を開始するようになっている。経路誘導は、交差点拡大図やジャンクション拡大図等をディスプレイ15に表示することや、スピーカ17を介した交差点右左折音声案内等によって行うようにしてもよい。
【0060】
さらに、図2に示すように、車載機側CPU7は、その機能ブロックの1つとして、トリガ発生検出手段としてのトリガ発生検出部28を有している。このトリガ発生検出部28は、最新のスマートICの情報に基づく所定の情報である最新SIC所定情報をサーバ4に要求すべき所定のトリガが発生したことを検出するようになっている。ここで、本実施形態における最新SIC所定情報は、スマートICの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路(以下、SIC利用最適経路と称する)の情報とされている。また、本実施形態における所定のトリガは、車載機2側で探索された目的地までの最適経路に関するトリガとしての経路探索部26によって探索された最適経路(以下、車載機側最適経路と称する)に高速道路が含まれることとされている。このようなトリガが発生したことは、車載機側最適経路を構成する各リンクに対応付けられた道路種別情報や道路名称情報等に基づいて検出することができる。ここで、車載機側最適経路は、高速道路を優先的に利用して目的地まで最短時間で到達する経路を探索することを経路探索条件として探索された最適経路であってもよい。このような経路探索条件においては、高速道路が最適経路として優先的に選択されるように、例えば、高速道路のリンクコストを一般道や他の経路探索条件の下での高速道路の場合と比較して小さい値に設定してもよい。また、車載機側最適経路の探索には、不図示のビーコン受信機やFM多重レシーバ等の交通情報受信機を介して交通情報センタ等から取得した交通情報を加味してもよい。
【0061】
さらにまた、図2に示すように、車載機側CPU7は、その機能ブロックの1つとして、最新SIC所定情報要求手段としての最新SIC所定情報要求部29を有している。この最新SIC所定情報要求部29は、トリガ発生検出部28によって車載機側最適経路に高速道路が含まれること(所定のトリガの発生)が検出された場合に、サーバ4に対して、SIC利用最適経路の情報(最新SIC所定情報)を要求する要求信号を、車載機側通信部21を介した通信によって送信するようになっている。この要求信号の送信は、所定の車載機側情報としての自車位置算出部23から取得された自車位置情報および目的地設定部25から取得された目的地情報の提供(送信)とともに行われるようになっている。
【0062】
図1に戻って、次に、サーバ4について詳述すると、このサーバ4は、サーバ側CPU30と、このサーバ側CPU30にそれぞれ接続されたサーバ側通信部31、サーバ側メモリ32およびハードディスクドライブ等のサーバ側地図記憶装置33とによって構成されている。
【0063】
サーバ側地図記憶装置33には、サーバ4側の地図データとして、最新のスマートICの情報を含む最新の地図データが記憶されている。このサーバ4側の地図データの基本構造は、車載機2側の地図データと同様であるので、詳細は割愛する。
【0064】
また、サーバ側CPU30は、サーバ側メモリ32に格納された所定のプログラムを実行することによって、車載機2のナビゲーションのための各種の処理を行うようになっている。
【0065】
このサーバ側CPU30について更に詳述すると、図3に示すように、サーバ側CPU30は、その機能ブロックの1つとして、最新SIC所定情報生成手段としての最新SIC所定情報生成部35を有している。この最新SIC所定情報生成部35は、最新SIC所定情報要求部29からのSIC利用最適経路の情報の要求信号、自車位置情報および目的地情報を、サーバ側通信部31を介して取得するようになっている。そして、最新SIC所定情報生成部35は、取得された当該要求信号に応答して、SIC利用最適経路の情報を生成するようになっている。このSIC利用最適経路の情報の生成は、サーバ側地図記憶装置33に記憶された最新のスマートICの情報を含む最新の地図データおよび車載機2から提供された自車位置情報および目的地情報に基づいて行われるようになっている。具体的には、最新SIC所定情報生成部35は、SIC利用最適経路として、高速道路を優先的に利用するとともに高速道路の乗り降りにスマートICを利用することを考慮して目的地まで最短時間で到達する経路を探索することを経路探索条件とした最適経路を探索することによって、SIC利用最適経路の情報を生成するようになっている。なお、SIC利用最適経路の探索には、交通情報センタ等から取得した交通情報を加味してもよい。また、SIC利用最適経路の情報は、SIC利用最適経路に該当するリンクデータ、ノードデータおよび経路誘導データ等によって構成されるものであってもよい。
【0066】
また、図3に示すように、サーバ側CPU30は、その機能ブロックの1つとして、最新SIC所定情報提供手段としての最新SIC所定情報提供部36を有している。この最新SIC所定情報提供部36は、最新SIC所定情報生成部35によって生成されたSIC利用最適経路の情報を、サーバ側通信部31を介した通信によって車載機2に提供(送信)するようになっている。
【0067】
図2に戻って、本実施形態において、経路探索部26および経路誘導部27は、最新SIC所定情報提供部36によって提供されたSIC利用最適経路の情報を経路誘導に利用する最新SIC所定情報利用手段として機能するようになっている。
【0068】
具体的には、本実施形態においては、トリガ発生検出部28によって車載機側最適経路に高速道路が含まれることが検出された場合には、サーバ4からのSIC利用最適経路の情報の提供およびこの情報の時間短縮ルート情報としての有用性の評価が行われるまで、車載機側最適経路にしたがった経路誘導の開始を待機状態とするようになっている。この待機状態は、経路探索部26が、探索された車載機側最適経路を誘導経路の候補として提示(表示)することを待機することによって行ってもよいし、あるいは、経路誘導部27が、既に提示された車載機側最適経路を誘導経路に設定する旨のユーザ操作を実行待ち状態とすることによって行うようにしてもよい。
【0069】
このような前提で、経路探索部26は、最新SIC所定情報提供部36から提供されたSIC利用最適経路の情報を、車載側通信部21を介して取得し、取得された情報に示されるSIC利用最適経路を、車載機側最適経路と比較して、SIC利用最適経路の情報の時間短縮ルート情報としての有用性を評価するようになっている。具体的には、経路探索部26は、SIC利用最適経路が、車載機側最適経路とは異なり、かつ、車載機側最適経路よりも目的地までの所要時間を短縮させることができる場合には、SIC利用最適経路の情報が有用であると評価するようになっている。ここで、目的地までの所要時間については、例えば、最適経路を構成する各リンクに対応付けられたリンク長を各リンクに対応付けられた制限速度によって除した時間の総和の計算や、経路探索条件(高速道路利用、交通情報加味等)に応じた各リンクのリンクコスト(リンク平均旅行時間)の総和の計算等によって得ることができる。一方、経路探索部26は、SIC利用最適経路が、車載機側最適経路と同一であるか、または、車載機側最適経路よりも目的地までの所要時間が長くなる場合には、SIC利用最適経路の情報が無用であると評価するようになっている。
【0070】
そして、経路探索部26は、このような評価基準の下で、SIC利用最適経路の情報が有用であると評価した場合には、SIC利用最適経路を、誘導経路の候補として提示するようになっている。このSIC利用最適経路の提示は、車載機側最適経路の提示の代わりに行うようにしてもよいし、時間短縮ルート(別ルート)として車載機側最適経路の提示に追加して行うようにしてもよい。SIC利用最適経路の提示は、音声案内をともなうものであってもよい。一方、経路探索部26は、SIC利用最適経路の情報が無用であると評価した場合には、SIC利用最適経路を提示せず、車載機側最適経路のみを提示するようになっている。そして、このような有用性の評価を経て経路探索部26によって提示されたSIC利用最適経路が、入力操作部20の操作によって誘導経路に設定された場合には、経路誘導部27は、SIC利用最適経路にしたがった経路誘導を開始するようになっている。
【0071】
これにより、例えば、図4に示すように、自車位置Pから遠く離れたインターチェンジICから高速道路に乗って目的地に向かう車載機側最適経路Rの代わりに、自車位置に近い新設スマートIC(新設SIC)から高速道路に乗って目的地に向かうSIC利用最適経路R’を、経路誘導の対象として選択することができる。
【0072】
本実施形態によれば、SIC利用最適経路の情報をサーバ4に要求すべき所定のトリガとして、車載機側最適経路に高速道路が含まれることを採用することにより、SIC利用最適経路の情報の要求のための特別なユーザ操作を要しないようにすることができる。また、SIC利用最適経路の情報の要求のタイミングとして、車載機側最適経路との関係から、高速道路を走行することが経路上確定された時点といったSIC利用最適経路の情報の必要性が高い最適なタイミングを選択することができる。これにより、新設されたスマートICを活用して目的地までの所要時間を短縮できる走行を、ユーザに特別な操作負担を強いることなく、必要時に限定した効率的な処理の下で、通信費を抑えつつ実現することができる。また、本実施形態によれば、サーバ4側で生成されたSIC利用最適経路の情報の有用性を車載機2側で評価し、目的地までの所要時間の短縮が可能な車載機2側に無い有用な情報である場合に限って経路誘導に利用するように構成することによって、目的地までの所要時間を確実に短縮させることができる。
【0073】
なお、車載機側CPU7は、SIC利用最適経路の情報が車載機2側に無い情報である場合には、この情報を車載機2側の地図データに登録する更新処理を行ってもよい。
【0074】
次に、本実施形態の処理工程の一例について説明する。
【0075】
本実施形態においては、まず、図5のステップ1(ST1)において、目的地設定部25により、目的地を設定する。
【0076】
次いで、ステップ2(ST2)において、経路探索部26により、自車位置算出部23の算出結果およびステップ1(ST1)における目的地の設定結果に基づいた車載機側最適経路の探索を行う。
【0077】
次いで、ステップ3(ST3)において、トリガ発生検出部28により、ステップ2(ST2)において探索された車載機側最適経路に高速道路が含まれているか否かを判定する。そして、ステップ3(ST3)において肯定的な判定結果が得られた場合、すなわち、所定のトリガの発生が検出された場合には、ステップ4(ST4)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ10(ST10)に進む。
【0078】
ここで、ステップ4(ST4)に進んだ場合には、最新SIC所定情報要求部29により、サーバ4に対して、SIC利用最適経路の情報の要求を、目的地情報および自車位置情報の提供とともに行って、ステップ5(ST5)に進む。
【0079】
一方、ステップ10(ST10)に進んだ場合には、経路探索部26により、ステップ2(ST2)において探索された車載機側最適経路を、誘導経路の候補としてユーザに提示して、ステップ9(ST9)に進む。
【0080】
次いで、ステップ5(ST5)において、最新SIC所定情報生成部35により、ステップ4(ST4)における要求に応答して、前述した経路探索条件(高速道路を優先的に利用するとともに高速道路の乗り降りにスマートICを利用することを考慮して目的地まで最短時間で到達する経路を探索すること)にしたがった経路探索によって、SIC利用最適経路の情報を生成する。
【0081】
次いで、ステップ6(ST6)において、最新SIC所定情報提供部36により、ステップ5(ST5)において生成されたSIC利用最適経路の情報を、車載機2に提供する。
【0082】
次いで、ステップ7(ST7)において、経路探索部26により、ステップ6(ST6)において提供されたSIC利用最適経路の情報の有用性の評価を、前述した評価基準に基づいて行う。そして、ステップ7(ST7)において有用(Yes)であると評価された場合には、ステップ8(ST8)に進み、無用(No)であると評価された場合には、ステップ10(ST10)に進む。
【0083】
次いで、ステップ8(ST8)において、経路探索部26により、SIC利用最適経路を誘導経路の候補として提示する。
【0084】
次いで、ステップ9(ST9)において経路誘導部27により、前工程において提示された経路の誘導経路への設定操作を待って、当該提示された経路にしたがった経路誘導を開始して、処理を終了する。
【0085】
(変形例)
本実施形態の変形例としては、所定のトリガおよび最新SIC所定情報については図1〜図5に示した基本構成のままとした上で、SIC利用最適経路の情報の有用性の評価を、基本構成のように車載機2側で行うのではなく、サーバ4側で行い、そして、有用と評価されたSIC利用最適経路の情報のみを車載機2に提供することが考えられる。
【0086】
具体的な構成としては、本変形例においては、最新SIC所定情報要求部29によってサーバ4に提供する車載機側情報に、目的地情報および自車位置情報だけでなく、車載機側最適経路の情報も含ませる。
【0087】
また、本変形例において、最新SIC所定情報提供部36は、最新SIC所定情報生成部35によって情報が生成されたSIC利用最適経路を、車載機2から情報が提供された車載機側最適経路と比較して、SIC利用最適経路の情報の時間短縮ルート情報としての有用性を評価する。評価基準は、基本構成と同様に、SIC利用最適経路が、車載機側最適経路とは異なり、かつ、車載機側最適経路よりも目的地までの所要時間を短縮できることである。そして、最新SIC所定情報提供部36は、SIC利用最適経路の情報が有用であると評価した場合には、SIC利用最適経路の情報を車載機2に提供し、一方、SIC利用最適経路の情報が無用であると評価した場合には、SIC利用最適経路の情報を車載機2に提供しない。
【0088】
そして、車載機2側では、最新SIC所定情報提供部36からSIC利用最適経路の情報が提供された場合には、当該SIC利用最適経路を、経路探索部26によって誘導経路の候補としてユーザに提示する。そして、提示されたSIC利用最適経路の誘導経路への設定を待って、SIC利用最適経路にしたがった経路誘導を開始する。
【0089】
このような構成によれば、SIC利用最適経路の情報の有用性の評価をサーバ4側に負わせることによる車載機2側での処理負担の軽減および無用なSIC利用最適経路の情報の提供を未然に回避することによる通信費の削減が可能となる。
【0090】
図6に示すように、本変形例の処理工程は、基本構成の処理工程(図5)に対して一部異なるものである。すなわち、図6に示すように、本変形例においては、図5におけるステップ4(ST4)の代わりに、ステップ4’(ST4’)を実行し、SIC利用最適経路の情報の要求とともにサーバ4に提供する車載機側情報として、ステップ2(ST2)において探索された車載機側最適経路の情報を含ませる。また、図6に示すように、本変形例においては、ステップ5(ST5)とステップ6(ST6)との間に、SIC利用最適経路の情報の有用性を評価するステップ7(ST7)の工程を実行する。ただし、本変形例におけるステップ7(ST7)は、車載機2の経路探索部26ではなく、サーバ4の最新SIC所定情報提供部36によって実行する。さらに、図6に示すように、本変形例においては、ステップ7(ST7)においてSIC利用最適経路の情報が無用であると評価された場合における次工程として、最新SIC所定情報提供部36によるSIC利用最適経路の情報の車載機2への提供を行わないステップ11(ST11)の工程が追加されている。なお、ステップ11(ST11)の後は、処理を終了する。さらにまた、図6に示すように、本変形例においては、ステップ6(ST6)の直後にステップ8(ST8)を実行する。
【0091】
(第2実施形態)
次に、本発明に係るナビゲーションシステムの第2実施形態について、第1実施形態との差異を中心として、図7を参照して説明する。
【0092】
なお、本実施形態におけるナビゲーションシステムを説明するにあっては、第1実施形態と同一の符号を用いることとする。
【0093】
本実施形態の第1実施形態との相違点は、所定のトリガが、目的地設定部25によって設定された目的地の自車位置算出部23によって算出された自車位置からの直線距離が所定値以上となることとされている点にある。この直線距離は、目的地と自車位置との二点の座標に基づいて簡便に算出することができる。この直線距離の算出は、トリガ発生検出部28が車載機2の地図データに基づいて行うようにすればよい。また、直線距離の所定値については、遠方の目的地に赴くとみなすことができるような好適な値を設定すればよい。
【0094】
このような構成によれば、SIC利用最適経路の情報の要求のタイミングとして、車載機2側で設定された目的地との関係から、高速道路を利用する可能性が高い遠方の目的地に赴くことが確定された時点といった必要性が高い最適なタイミングを選択することができ、また、SIC利用最適経路の情報の要求に、車載機側最適経路の探索を前提としないので、車載機2側の処理負担を軽減することができる。
【0095】
図7に示すように、本実施形態の処理工程は、第1実施形態の基本構成(図5)に対して一部異なるものである。すなわち、本実施形態においては、ステップ1(ST1)の後に、図5のようにステップ2(ST2)を実行するのではなく、トリガ発生検出部28により、ステップ1(ST1)において設定された目的地の自車位置からの直線距離が所定値以上であるか否かを判定するステップ21(ST21)の工程を実行する。そして、ステップ21(ST21)において肯定的な判定結果が得られた場合、すなわち、所定のトリガの発生が検出された場合には、ステップ4(ST4)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ2(ST2)に進む。また、図7に示すように、本実施形態においては、ステップ2(ST2)の後に、ステップ10(ST10)を実行する。さらに、図7に示すように、本実施形態においては、ステップ6(ST6)の後に、ステップ8(ST8)を実行する。
【0096】
(第3実施形態)
次に、本発明に係るナビゲーションシステムの第3実施形態について、第1実施形態との差異を中心として、図8乃至図15を参照して説明する。
【0097】
なお、本実施形態におけるナビゲーションシステムを説明するにあっては、第1実施形態と同一の符号を用いることとする。
【0098】
本実施形態の第1実施形態との相違点は、最新SIC所定情報が、自車位置から所定距離または目的地から所定距離の領域内に該当する自車位置/目的地付近の最新のスマートICの情報(以下、自車/目的地付近最新SIC情報と称する)とされている点にある。自車/目的地付近最新SIC情報の該当領域を規定する所定距離については、コンセプトに応じて好適な値を設定することができる。また、自車/目的地付近最新SIC情報は、スマートICの位置(座標)および接続リンクを含む情報であってもよい。
【0099】
また、本実施形態において、経路探索部26は、最新SIC所定情報提供部36から自車/目的地付近最新SIC情報が提供された場合には、この提供された自車/目的地付近最新SIC情報についての時間短縮ルートの探索に利用する上での有用性を評価するようになっている。具体的には、経路探索部26は、自車/目的地付近最新SIC情報に示されるスマートIC(以下、自車/目的地付近SICと称する)が、当初の車載機側最適経路(所定のトリガ発生時の車載機側最適経路)に含まれる高速道路の入口/出口として利用されていない場合(より具体的には、入口として自車付近SICが、出口として目的地付近SICが利用されていない場合)には、自車/目的地付近最新SIC情報が有用であると評価するようになっている。一方、経路探索部26は、自車/目的地付近SICが、当初の車載機側最適経路に含まれる高速道路の入口/出口として利用されている場合には、自車/目的地付近最新SIC情報が無用であると評価するようになっている。
【0100】
そして、経路探索部26は、このような評価基準の下で、自車/目的地付近最新SIC情報が有用であると評価した場合には、自車/目的地付近最新SIC情報を車載機側最適経路の再探索に利用するようになっている。すなわち、この場合には、 経路探索部26は、高速道路を利用するとともに高速道路の入口/出口として自車/目的地付近SICを利用して(より具体的には、入口として自車付近SICを、出口として目的地付近SICを利用して)目的地に最短時間で到達する経路を探索することを経路探索条件とした車載機側最適経路の再探索を行うようになっている。一方、経路探索部26は、自車/目的地付近最新SIC情報が無用であると評価した場合には、車載機側最適経路の再探索を行わず、当初の車載機側最適経路を、誘導経路の候補として提示するようになっている。
【0101】
さらに、経路探索部26は、車載機側最適経路の再探索を行った場合には、再探索された車載機側最適経路を、当初の車載機側最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮される場合に、誘導経路の候補として提示するようになっている。この再探索された車載機側最適経路の提示は、当初の車載機側最適経路の提示の代わりに行うようにしてもよいし、時間短縮ルート(別ルート)として当初の車載機側最適経路の提示に追加して行うようにしてもよい。一方、経路探索部26は、再探索された車載機側最適経路が、当初の車載機側最適経路よりも目的地までの所要時間が長くなる場合には、再探索された車載機側最適経路を提示せず、当初の車載機側最適経路を提示するようになっている。
【0102】
そして、このようにして経路探索部26によって提示された車載機側最適経路が、入力操作部20の操作によって誘導経路に設定された場合には、経路誘導部27は、車載機側最適経路にしたがった経路誘導を開始するようになっている。
【0103】
さらにまた、本実施形態において、経路探索部26は、車載機2の地図データ中に自車付近SIC(自車位置から所定距離の領域内の有用なスマートIC)に接続される一般道のリンクが存在しないことによって、車載機側最適経路を再探索することができなかった場合には、自車付近SICの位置を、地図上への表示等によってユーザに提示するようになっている。
【0104】
このような構成によれば、自車/目的地付近最新SIC情報の要求のタイミングとして、車載機側最適経路との関係から必要性が高い最適なタイミングを選択することができる。また、サーバ4側で生成された自車/目的地付近最新SIC情報の有用性を車載機2側で評価し、車載機2側で経路探索に利用されていない有用な情報である場合に限って再探索に利用するように構成することによって、無用な経路探索を回避することによる更なる処理の効率化を図ることができる。さらに、車載機2の地図データ中に自車付近の新設スマートICに接続される一般道のリンクが存在しないことによって、当該新設スマートICを利用した車載機側最適経路の再探索ができない場合であっても、当該新設スマートICの位置を提示することによって、実際の道路上の案内標識等に基づいた新設スマートIC(入口)の直前における自走をともなう当該新設スマートICを利用した効率的な走行の機会を確保することができる。
【0105】
図8に示すように、本実施形態における処理工程は、第1実施形態の基本構成(図5)に対して、処理開始からステップ1(ST1)〜ステップ3(ST3)を順次実行する点と、ステップ3(ST3)において否定的な判定結果が得られた場合にステップ10(ST10)およびステップ9(ST9)を順次実行する点は共通し、それら以外の点は相違している。
【0106】
相違点として、まず、本実施形態においては、ステップ3(ST3)において肯定的な判定結果が得られた場合に、次工程のステップ31(ST31)において、最新SIC所定情報要求部29により、サーバ4に対して、自車/目的地付近最新SIC情報の要求を、目的地情報および自車位置情報の提供とともに行う。
【0107】
次いで、ステップ32(ST32)において、最新SIC所定情報生成部35により、ステップ31(ST31)における要求に応答して、最新のスマートICの情報を含むサーバ4側の最新の地図データおよびステップ31(ST31)において車載機2から提供された目的地情報および自車位置情報に基づく自車/目的地付近最新SIC情報の生成を行う。ここで、自車/目的地付近最新SIC情報は、自車位置から所定距離の円形領域内および目的地から所定距離の円形領域内を検索対象領域とし、スマートICを検索対象地点種別とした地点情報に基づく地点検索を行うことによって生成してもよい。このとき、スマートICの検索条件として、対応する高速道路名が、当初の車載機側最適経路に含まれる高速道路名と同一である旨が含まれてもよい。また、自車/目的地付近SICの検索結果が0件の場合には、自車/目的地付近最新SIC情報を生成することができないので、処理を終了すればよい。
【0108】
次いで、ステップ33(ST33)において、最新SIC所定情報提供部36により、ステップ32(ST32)において生成された自車/目的地付近最新SIC情報を、車載機2に提供する。
【0109】
次いで、ステップ34(ST34)において、経路探索部26により、ステップ33(ST33)において提供された自車/目的地付近最新SIC情報の有用性の評価を、前述した評価基準に基づいて行う。そして、ステップ34(ST34)において有用であると評価された場合には、ステップ35(ST35)に進み、無用であると評価された場合には、ステップ10(ST10)に進む。
【0110】
次いで、ステップ35(ST35)において、経路探索部26により、高速道路を利用するとともに高速道路の入口/出口として自車/目的地付近SICを利用して目的地に最短時間で到達する経路を探索することを経路探索条件とした車載機側最適経路の再探索を行う。
【0111】
次いで、ステップ36(ST36)において、経路探索部26により、車載機側最適経路が再探索されたか否かを判定する。そして、ステップ36(ST36)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ37(ST37)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ39(ST39)に進む。
【0112】
ここで、ステップ37(ST37)に進んだ場合には、経路探索部26により、再探索された車載機側最適経路が、ステップ2(ST2)において探索された当初の車載機側最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮されるか否かを判定する。そして、ステップ37(ST37)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ38(ST38)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ10(ST10)に進む。
【0113】
一方、ステップ39(ST39)に進んだ場合には、経路探索部26により、自車付近SICの位置を提示して処理を終了する。
【0114】
次いで、ステップ38(ST38)において、再探索された車載機側最適経路を誘導経路の候補として提示してステップ9(ST9)に進む。
【0115】
(第1の変形例)
本実施形態の第1の変形例としては、所定のトリガおよび最新SIC所定情報については基本構成のままとした上で、自車/目的地付近最新SIC情報の有用性の評価を、基本構成のように車載機2側で行うのではなく、サーバ4側で行い、そして、有用と評価された自車/目的地付近最新SIC情報のみを車載機2に提供することが考えられる。
【0116】
具体的な構成としては、本変形例においては、最新SIC所定情報要求部29によってサーバ4に提供する車載機側情報に、目的地情報および自車位置情報だけでなく、当初の車載機側最適経路の情報も含ませる。
【0117】
また、本変形例において、最新SIC所定情報提供部36は、最新SIC所定情報生成部35によって情報が生成された自車/目的地付近SICを、車載機2から情報が提供された当初の車載機側最適経路と比較して、自車/目的地付近最新SIC情報についての時間短縮ルートの探索(再探索)に利用する上での有用性を評価する。評価基準は、基本構成と同様に、自車/目的地付近SICが、当初の車載機側最適経路に含まれる高速道路の入口/出口として利用されていないことである。そして、最新SIC所定情報提供部36は、自車/目的地付近最新SIC情報が有用であると評価した場合には、自車/目的地付近最新SIC情報を車載機2に提供し、一方、自車/目的地付近最新SIC情報が無用であると評価した場合には、自車/目的地付近最新SIC情報を車載機2に提供しない。
【0118】
そして、車載機2側では、最新SIC所定情報提供部36から自車/目的地付近最新SIC情報が提供された場合には、経路探索部26によって、当該自車/目的地付近SIC情報を利用した車載機側最適経路の再探索を行い、再探索された車載機側最適経路を、当初の車載機側最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮されることを条件に、誘導経路の候補として提示する。そして、提示された再探索された車載機側最適経路の誘導経路への設定を待って、再探索された車載機側最適経路にしたがった経路誘導を開始する。
【0119】
このような構成によれば、自車/目的地付近最新SIC情報の有用性の評価をサーバ4側に負わせることによる車載機2側での処理負担の軽減および無用な自車/目的地付近最新SIC情報の提供を未然に回避することによる通信費の削減が可能となる。
【0120】
図9に示すように、本変形例の処理工程は、基本構成の処理工程(図8)に対して一部異なるものである。すなわち、図9に示すように、本変形例においては、図8におけるステップ31(ST31)の代わりに、ステップ31’(ST31’)を実行し、自車/目的地付近最新SIC情報の要求とともにサーバ4に提供する車載機側情報として、ステップ2(ST2)において探索された車載機側最適経路の情報を含ませる。また、図9に示すように、本変形例においては、ステップ32(ST32)とステップ33(ST33)との間に、自車/目的地付近最新SIC情報の有用性を評価するステップ34(ST34)の工程を実行する。ただし、本変形例におけるステップ34(ST34)は、車載機2の経路探索部26ではなく、サーバ4の最新SIC所定情報提供部36によって実行する。さらに、図9に示すように、本変形例においては、ステップ34(ST34)において自車/目的地付近最新SIC情報が無用であると評価された場合における次工程として、最新SIC所定情報提供部36による自車/目的地付近最新SIC情報の車載機2への提供を行わないステップ40(ST40)の工程が追加されている。なお、ステップ40(ST40)の後は、処理を終了する。さらにまた、図9に示すように、本変形例においては、ステップ33(ST33)の直後にステップ35(ST35)を実行する。
【0121】
(第2の変形例)
次に、本実施形態の第2の変形例としては、基本構成に対して、自車/目的地付近最新SIC情報を利用した車載機側最適経路の再探索に失敗した場合の処理を異ならせることを考えることができる。
【0122】
具体的には、図10に示すように、本変形例においては、基本構成の処理工程(図8)におけるステップ39(ST39)の代わりに、ステップ41(ST41)およびステップ42(ST42)の各工程を順次実行する。
【0123】
すなわち、ステップ41(ST41)においては、経路探索部26により、車載機2の地図データ中に存在する自車付近SICに直近の(最も近い)一般道のリンクまでの自車位置からの最適経路を探索する。このとき、自車付近SICから目的地までの最適経路を併せて探索してもよい。
【0124】
次いで、ステップ42(ST42)においては、経路探索部26により、ステップ41(ST41)において探索された最適経路を、誘導経路の候補として提示して、ステップ9(ST9)に進む。
【0125】
本変形例によれば、新設スマートICの直前における自走を要する場合であっても、車載機側にデータが存在する新設スマートICに直近の道路と自車位置との間の区間については、最適経路にしたがった経路誘導を行うことによって、自走区間を最小限に抑えることができる。
【0126】
(第3の変形例)
次に、本実施形態の第3の変形例としては、第1の変形例に対して、自車/目的地付近最新SIC情報を利用した車載機側最適経路の再探索に失敗した場合の処理を異ならせることを考えることができる。
【0127】
具体的には、図11に示すように、本変形例においては、第1の変形例の処理工程(図9)におけるステップ39(ST39)の代わりに、ステップ41(ST41)およびステップ42(ST42)の各工程を順次実行し、そして、ステップ42(ST42)の後に、ステップ9(ST9)を実行する。
【0128】
(第4の変形例)
次に、本実施形態の第4の変形例としては、基本構成に対して、自車/目的地付近最新SIC情報の該当領域を規定する自車位置からの所定距離および目的地からの所定距離に限定要素を加えることが考えられる。
【0129】
具体的には、本変形例において、自車位置からの所定距離は、当初の車載機側最適経路に含まれる高速道路の入口までの距離よりも短い距離とし、また、目的地からの所定距離は、当該高速道路の出口までの距離よりも短い距離とする。
【0130】
このようにして限定された所定距離によって規定される該当領域に該当する自車/目的地付近最新SIC情報は、当初の車載機側最適経路の探索において高速道路の入口/出口として利用されていないことは明らかである。
【0131】
したがって、本変形例においては、図12に示すように、基本構成の処理工程(図8)におけるステップ34(ST34)で行われていた自車/目的地付近最新SIC情報の有用性の評価は行わず、ステップ33(ST33)においてサーバ4側から車載機2側への自車/目的地付近最新SIC情報の提供を行った直後に、ステップ35(ST35)において車載機2側における提供された自車/目的地付近最新SIC情報を利用した車載機側最適経路の再探索を行う。その他の処理は、基本構成と同様である。
【0132】
本変形例によれば、車載機2側で当初の車載機側最適経路の探索に利用されていないことが明らかで、かつ、当初の車載機側最適経路における高速道路の入口/出口よりも自車位置/目的地に近い領域内の最新のスマートICの情報を初めから生成することができるので、この情報の有用性の評価を要しなくすることができるとともに、目的地までの所要時間を短縮させる可能性を高めることができる。
【0133】
(第5の変形例)
次に、本実施形態の第5の変形例としては、第4の変形例に対して、自車/目的地付近最新SIC情報を利用した車載機側最適経路の再探索に失敗した場合の処理を異ならせることを考えることができる。
【0134】
具体的には、図13に示すように、本変形例においては、第4の変形例の処理工程(図12)におけるステップ39(ST39)の代わりに、ステップ41(ST41)およびステップ42(ST42)の各工程を順次実行し、そして、ステップ42(ST42)の後に、ステップ9(ST9)を実行する。
【0135】
(第6の変形例)
次に、本実施形態の第6の変形例においては、サーバ4側から提供された自車/目的地付近最新SIC情報が、図8〜図11に示したステップ34(ST34)において有用と評価された情報である場合に、その自車/目的地付近最新SIC情報を利用した車載機側最適経路の再探索を開始する前に、図14に示すように、自車/目的地付近SICの存在の通知および再探索の意思確認を行うための操作画面をディスプレイ15に表示する。そして、この操作画面に対するユーザ操作によって、再探索の意思が確認(実行が決定)された場合に、自車/目的地付近最新SIC情報を利用した車載機側最適経路の再探索を行う。
【0136】
また、本変形例においては、そのようにして行われた再探索が失敗した場合に、ステップ41(ST41)における自車位置−自車付近SIC直近リンク間の最適経路の探索を実行する前に、図15に示すように、当該探索の意思確認を行うための操作画面をディスプレイ15に表示する。そして、この操作画面に対するユーザ操作によって、探索の意思が確認された場合に、ステップ41(ST41)を実行する。
【0137】
(第4実施形態)
次に、本発明に係るナビゲーションシステムの第4実施形態について、第3実施形態との差異を中心として、図16および図17を参照して説明する。
【0138】
なお、本実施形態におけるナビゲーションシステムを説明するにあっては、第1実施形態と同一の符号を用いることとする。
【0139】
本実施形態の第3実施形態との相違点は、所定のトリガが、目的地設定部25によって設定された目的地の自車位置算出部23によって算出された自車位置からの直線距離が所定値以上となることとされている点にある。
【0140】
このような構成によれば、自車/目的地付近最新SIC情報の要求のタイミングとして、車載機2側で設定された目的地との関係から、高速道路を利用する可能性が高い遠方の目的地に赴くことが確定された時点といった必要性が高い最適なタイミングを選択することができる。
【0141】
なお、本実施形態においては、自車/目的地付近最新SIC情報の要求に車載機側最適経路の探索を前提としないため、自車/目的地付近最新SIC情報が生成された時点で車載機側最適経路は探索されていない。したがって、本実施形態においては、自車/目的地付近最新SIC情報と車載機側最適経路とを比較することによる自車/目的地付近最新SIC情報の有用性の評価は行わない。
【0142】
図16に示すように、本実施形態の処理工程は、第2実施形態の処理工程(図7)の一部および第3実施形態の基本構成の処理工程(図8)の一部を含んでいる。
【0143】
すなわち、図16に示すように、本実施形態においては、第2実施形態と同様に、ステップ1(ST1)の後に、所定のトリガの発生の有無を判定するステップ21(ST21)を実行し、ステップ21(ST21)において否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ2(ST2)、ステップ10(ST10)およびステップ9(ST9)を順次実行する。
【0144】
また、図16に示すように、本実施形態においては、ステップ21(ST21)において肯定的な判定結果が得られた場合には、第3実施形態の基本構成と同様に、ステップ31(ST31)〜ステップ33(ST33)の処理を順次実行する。
【0145】
そして、本実施形態においては、図16に示すように、ステップ33(ST33)の後、ステップ35’(ST35’)において、経路探索部26により、高速道路を利用するとともに高速道路の入口/出口として自車/目的地付近SICを利用して目的地に最短時間で到達する経路を探索することを経路探索条件とした車載機側最適経路の探索を行う。
【0146】
次いで、ステップ36’(ST36’)において、経路探索部26により、車載機側最適経路が探索されたか否かを判定する。そして、ステップ36’(ST36’)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ38’(ST38’)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ39(ST39)に進む。
【0147】
次いで、ステップ38’(ST38’)において、探索された車載機側最適経路を誘導経路の候補として提示してステップ9(ST9)に進む。
【0148】
(変形例)
本実施形態の変形例としては、基本構成に対して、自車/目的地付近最新SIC情報を利用した車載機側最適経路の再探索に失敗した場合の処理を異ならせることを考えることができる。
【0149】
具体的には、図17に示すように、本変形例においては、基本構成の処理工程(図16)におけるステップ39(ST39)の代わりに、ステップ41(ST41)およびステップ42(ST42)の各工程を順次実行し、そして、ステップ42(ST42)の後に、ステップ9(ST9)を実行する。
【0150】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【符号の説明】
【0151】
1 ナビゲーションシステム
2 車載機
4 サーバ
26 経路探索部
27 経路誘導部
28 トリガ発生検出部
29 最新SIC所定情報要求部
35 最新SIC所定情報生成部
36 最新SIC所定情報提供部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最新のスマートインターチェンジの情報を含む最新の地図データを保有するサーバと、これとの通信が可能とされたスマートインターチェンジの情報を含む地図データを保有する車載機とを備え、前記車載機側で、スマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路にしたがった経路誘導を行うことが可能とされたナビゲーションシステムであって、
前記車載機に配設され、前記最新のスマートインターチェンジの情報に基づく所定の情報である最新SIC所定情報を前記サーバに要求すべき所定のトリガであって、前記車載機側で探索された前記目的地までの最適経路または前記車載機側で設定された前記目的地に関するトリガが発生したことを検出するトリガ発生検出手段と、
前記車載機に配設され、前記トリガ発生検出手段によって前記所定のトリガの発生が検出された場合に、前記サーバに対して、前記最新SIC所定情報の要求を所定の車載機側情報の提供とともに通信によって行う最新SIC所定情報要求手段と、
前記サーバに配設され、前記最新SIC所定情報要求手段による前記要求に応答して、前記最新のスマートインターチェンジの情報および前記車載機から提供された前記車載機側情報に基づく前記最新SIC所定情報の生成を行う最新SIC所定情報生成手段と、
前記サーバに配設され、前記最新SIC所定情報生成手段によって生成された前記最新SIC所定情報を、前記車載機に通信によって提供する最新SIC所定情報提供手段と、
前記車載機に配設され、前記最新SIC所定情報提供手段によって提供された前記最新SIC所定情報を前記経路誘導に利用する最新SIC所定情報利用手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記最新SIC所定情報は、前記スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報であり、
前記所定のトリガは、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路に高速道路が含まれることであり、
前記車載機側情報は、目的地情報および自車位置情報を含むこと
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から情報が提供された前記スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路が、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路と異なり、かつ、当該車載機側で探索された目的地までの最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮される場合に、当該スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報を前記経路誘導に利用すること
を特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記車載機側情報は、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路の情報を含み、
前記最新SIC所定情報提供手段は、前記最新SIC所定情報生成手段によって情報が生成された前記スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路が、前記車載機から情報が提供された前記車載機側で探索された目的地までの最適経路と異なり、かつ、当該車載機側で探索された目的地までの最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮される場合に、当該スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報を前記車載機に提供し、
前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から提供された前記スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報を前記経路誘導に利用すること
を特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記最新SIC所定情報は、前記スマートインターチェンジの利用を考慮した高速道路を含む目的地までの最適経路の情報であり、
前記所定のトリガは、前記車載機側で設定された目的地の自車位置からの直線距離が所定値以上となることであり、
前記車載機側情報は、目的地情報および自車位置情報を含むこと
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記最新SIC所定情報は、自車位置から所定距離または目的地から所定距離の領域内に該当する自車位置/目的地付近の最新のスマートインターチェンジの情報であり、
前記所定のトリガは、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路に高速道路が含まれることであり、
前記車載機側情報は、目的地情報および自車位置情報を含むこと
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から情報が提供された前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジが、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路に含まれる高速道路の入口/出口として利用されていない場合に、当該自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索し、探索された当該最適経路を、前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジが利用されていない当初の最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮されることを条件に、前記経路誘導に利用すること
を特徴とする請求項6に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記車載機側情報は、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路の情報を含み、
前記最新SIC所定情報提供手段は、前記最新SIC所定情報生成手段によって情報が生成された前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジが、前記車載機から情報が提供された前記車載機側で探索された目的地までの最適経路に含まれる高速道路の入口/出口として利用されていない場合に、当該自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジの情報を前記車載機に提供し、
前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から情報が提供された前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索し、探索された当該最適経路を、前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジが利用されていない当初の最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮されることを条件に、前記経路誘導に利用すること
を特徴とする請求項6に記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記自車位置からの所定距離は、前記車載機側で探索された目的地までの最適経路に含まれる高速道路の入口までの距離よりも短い距離であり、
前記目的地からの所定距離は、当該高速道路の出口までの距離よりも短い距離であり、
前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から情報が提供された前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索し、探索された当該最適経路を、前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジが利用されていない当初の最適経路よりも目的地までの所要時間が短縮されることを条件に、前記経路誘導に利用すること
を特徴とする請求項6に記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記最新SIC所定情報は、自車位置から所定距離または目的地から所定距離の領域内に該当する自車位置/目的地付近の最新のスマートインターチェンジの情報であり、
前記所定のトリガは、前記車載機側で設定された目的地の自車位置からの直線距離が所定値以上となることであり、
前記車載機側情報は、目的地情報および自車位置情報を含み、
前記最新SIC所定情報利用手段は、前記最新SIC所定情報提供手段から情報が提供された前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索し、探索された当該最適経路を前記経路誘導に利用すること
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記最新SIC所定情報利用手段は、前記車載機の地図データ中に前記自車位置付近のスマートインターチェンジに接続される一般道のリンクが存在しないことによって、前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索することができなかった場合には、前記自車位置付近のスマートインターチェンジの位置をユーザに提示すること
を特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記最新SIC所定情報利用手段は、前記車載機の地図データ中に前記自車位置付近のスマートインターチェンジに接続される一般道のリンクが存在しないことによって、前記自車位置/目的地付近のスマートインターチェンジを利用した高速道路を含む目的地までの最適経路を探索することができなかった場合には、前記車載機の地図データ中に存在する前記自車位置付近のスマートインターチェンジに直近の一般道のリンクまでの自車位置からの最適経路を探索し、探索された当該最適経路を経路誘導に利用すること
を特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2013−36808(P2013−36808A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171874(P2011−171874)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】