説明

ナビゲーションデータを構造化するための技法

【課題】改善されたナビゲーションデータベース構造と、効率的なナビゲーションデータ更新手順とを提供する。
【解決手段】増分的なデータ更新をサポートするためのナビゲーションデータベースを構造化するための技法が提供される。この技法の方法実施形態は、少なくとも2つのデータレベルを提供するステップであって、第1のデータレベルが領域距離道路の道路区分を表す経路リンクと関連付けられる、提供するステップと、前記第1のデータレベルを局所タイルに区分化するステップであって、それぞれの局所タイルが特定の局所的な地理的地域に関する領域距離道路の道路区分を表す経路リンクと関連付けられる、区分化するステップと、近接する局所タイルにわたって広がる領域距離道路の道路区分部分を表す、近接する局所タイルのそれらの経路リンクを相互リンクするステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ナビゲーション関連の態様に関する。詳細には、本開示は、更新を効率的に実行するために、ナビゲーションデータベースコンテンツを構造化する技法に関する。
【背景技術】
【0002】
最新のナビゲーションデバイスは、進行することになる経路、計算された経路の近傍内またはデバイス位置の近傍内の関心地点(POI)、都市、通り、または建物の名称、交通情報などに関する大量の有用な情報および検索オプションを提供する。ナビゲーションデバイスが提供することになるサービスに応じて、ナビゲーションデバイスは、例えば、経路指定、地図表示、目的地入力、POI、交通情報に関連する大量のナビゲーションデータをそのデータベース内に記憶する。
【0003】
最新のナビゲーションデバイスに関する1つの問題は、大規模なナビゲーションデータベースを効率的に更新することである。実際には、道路網内、POIネットワーク内などの継続的な変更を考慮に入れるために、経路指定データ、目的地入力データ、地図表示データ、POIデータなどは定期的に更新されなければならない。しかし、記憶されたナビゲーションデータ(特に、目的地入力データ、経路指定データ、および地図表示データ)は非常に相互リンクされているため、かつデータベース設計はモバイルまたは埋め込み式ナビゲーションデバイスの限定された計算能力を考慮に入れなければならないため、データベース更新は、一般に、データセット全体またはデータセットの大きなデータブロックを置換する結果となる。
【0004】
現在の解決策では、大きな更新可能データブロックは、(連邦)州(例えば、カリフォルニア)、国、国グループ(例えば、ベネルクス:ベルギー、オランダ、およびルクセンブルグ)、または個々の大陸(例えば、オーストラリア、欧州)など、大規模な地理的地域に関連するナビゲーションデータを含む。更新可能データブロックのサブセット(例えば、40km×40kmの局所的な地理的地域を表す(以下、ローカルタイルと呼ばれる)データサブセットが置換される部分的または増分的な更新は、データベース全体の一貫性の理由から、ほとんど不可能である。この理由は、データベース内のナビゲーションデータ要素は非常に相互リンクしており、その結果、局所的な地理的地域に関連する1つまたは複数のデータサブセット内の個々のデータ要素を置換することは、更新可能データブロックまたはデータベース全体のナビゲーションデータ修正を必要とする可能性がある点にある。
【0005】
さらに、ナビゲーションデータおよびナビゲーションシステムは、多くの場合、異なるサプライヤから提供される。したがって、最新のナビゲーションシステムは、一般に、所有権を主張できるナビゲーションデータフォーマットを使用する。その結果、ナビゲーションデータサプライヤは、ナビゲーションデータを提供して、販売されているすべてのデータフォーマットに関してパッケージを更新しなければならず、ナビゲーションデータサプライヤの側にかなりの努力とコストを招く。
【0006】
最新のナビゲーションデバイスおよびナビゲーションデータベースに関連するさらなる問題は、ナビゲーションデバイスがパッチ更新の形で限定されたデータ更新をサポートする場合ですら、パッチ履歴はナビゲーションデバイスサプライヤに依存する可能性があり、したがって、パッチ履歴は、それぞれのナビゲーションデバイスに関して異なる可能性があることである。それぞれの個々のシステムに適切なパッチを提供するために、パッチ履歴は、記録されて、対応するナビゲーションデータサーバに提供されなければならない。しかし、複雑なパッチ履歴は、ますます大量のデータを含み、ナビゲーションシステム上の追加の記憶リソース、伝送リソースなど、追加のハードウェアリソースを必要とする。さらに、個々のパッチ内で、ナビゲーションデータベースの分散が高まり、パッチの資格に関するテスト、ならびに個々のシステム内で発生するエラーの診断はますます複雑かつ広範囲になる。
【0007】
ナビゲーションデータの設定および更新を簡素化するために、ナビーションシステムに依存しない物理記憶フォーマットが、ナビゲーションデータ標準(Navigation Data Standard)(NDS)e.V.、すなわち、ドイツ自動車製造者、ナビーションシステムサプライヤ、および地図サプライヤ登録協会によって開発されている。NDSフォーマットは、NDSデータベースのより柔軟な更新を可能にして、データベースの一貫性を失わずに、異なる流通経路を経由した異なるデータサプライヤからのデータ取出しをサポートする。しかし、局所(例えば、タイル)ベースの増分的なナビゲーションデータ更新は、現在、NDSによってサポートされていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
改善されたナビゲーションデータベース構造と、効率的なナビゲーションデータ更新手順とを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様によれば、増分的なデータ更新をサポートするためのナビゲーションデータベースコンテンツを構造化する方法が提供される。この方法は、少なくとも2つのデータレベルを提供するステップであって、第1のデータレベルが領域距離道路(regional distance road)の道路区分を表す経路リンクに関連する、提供するステップと、その第1のデータレベルを局所タイルに区分化するステップであって、それぞれの局所タイルが特定の局所的な地理的地域に関連する領域距離道路の道路区分を表す経路リンクに関連する、区分化するステップと、対応する近接する局所タイルにわたって広がる領域距離道路の道路区分を表す、近接する局所タイルの経路リンク同士の間に相互リンクを確立するステップとを含む。
【0010】
本明細書で提示される技法は、NDSの文脈で、またはいずれかのその他のナビゲーションデータおよび/または地図標準の文脈で実施可能である。したがって、本明細書でNDS特定の表現が使用されるとき、それらの表現は、NDSエンティティに限定されていると解釈されず、いずれかのその他の標準の対応するエンティティも包含することを理解されよう。
【0011】
局所タイルは、共通のナビゲーションデータベースによって提供される、州、国、国グループ、または大陸など、より大きな地理的地域またはナビゲーション更新領域を再分割する局所的な特定領域地域を表すことができる。局所タイルは、したがって、(例えば、所定のタイリング(tiling)方式に従って)より大きな地理的地域(または、更新領域)の局所的な特定領域サブユニットへのさらなる区分化を表すことができる。このタイリング方式は局所的な特定領域サブユニットのサイズおよび形状を決定することができる。更新領域のタイル区分化は、(例えば、重複せずに、ネットのような形で構成された)所定の量のタイルによって更新領域全体をカバーできるように実行可能である。タイルサイズは、任意のタイルに関連するナビゲーションデータ量がナビゲーションデバイスによって容易に管理可能な状態に留まるように選択可能である。
【0012】
1つの認識によれば、タイリング方式は、(局所タイル識別子を用いた)局所タイリング方式であってよく、別の認識によれば、タイリング方式は、(大域タイル識別子を用いた)大域タイリング方式であってよく、例えば、局所タイルを提供するために、NDSで定められた大域タイリング方式を使用することが可能である。
【0013】
ナビゲーションデータベースコンテンツは、まさに2つの階層データレベルに、または3つ以上の階層データレベルに区分化可能である。さらに、第2のデータレベルは、遠距離道路を表す経路リンクと関連付けられることが可能である。第2のデータレベル内の経路リンクは、第1のデータレベルの局所タイルの構造から独立して組織化可能である。それぞれのデータレベルは、ある種の道路範疇の道路リンクに関連するデータベースサブセットを表すことができる。
【0014】
「遠距離道路」は、道路網の主な道路および/または遠く離れた都市もしくは目的地を接続する道路を含むことが可能である。例えば、遠距離道路は、機能クラスFC0およびFC1(例えば、幹線道路、中央分離帯を伴う道路)など、所与の優先順位を超える、1つまたは複数の事前に定義された機能クラスの道路を含むことが可能である。「領域距離道路」は、領域道路および/または地方道路を含むことが可能である。領域距離道路は、機能クラスFC2、FC3、およびFC4など、所与の優先順位を下回る、1つまたは複数の機能クラスの道路であってよい。したがって、第1のデータレベルは領域距離道路に関連するすべての経路リンクデータを含むことが可能であるのに対して、第2のデータレベルは遠距離道路に関連するすべての経路リンクデータを含むことが可能である。経路リンクデータは、経路リンク属性、経路位相データ、および経路幾何データのうちの少なくとも1つを含むことが可能である。これらの2つのデータレベルは、それぞれが特定の道路機能クラスの経路リンクに関連するサブレベルにさらに区分化可能である。当然、データレベルに対する道路割当ては異なる形で実行することも可能である。
【0015】
第1のデータレベルを局所タイルに区分化するステップは、少なくとも2つ以上のタイルにわたって広がる道路区分を表す経路リンクを上方へ別個の経路リンクに分割するステップと、別個の経路リンクに、対応するタイル内の近接するタイルにわたって広がる道路区分を(例えば、完全に)表すための経路リンクデータを提供するステップと、経路リンクデータと共に別個の経路リンクを対応する局所タイルに割り当てるステップとを含むことが可能である。2つ以上のタイルにわたって広がる道路区分に関連する経路リンクを分割するステップは、それぞれのタイルに、そのタイル境界内に存在する経路リンクが単に提供されることを確実にすることができる。それぞれの分割された経路リンクは、対応するタイル経路区分に関する完全なリンク情報(例えば、位相情報および幾何情報)をさらに含むことが可能である。したがって、経路リンクを分割すること、およびそれらの位相的リンク情報および幾何学的リンク情報と共に、分割された経路リンクを記憶することは、実際の道路網内に広がる同じ道路区分に関連する近接するタイルの関連する分割された経路リンクですら、位相的かつ幾何学的に互いから独立していることを確実にすることができる。
【0016】
近接するタイルの経路リンクを相互リンクするステップは、近接するタイルにわたって広がる道路の道路区分を表す経路リンクを少なくとも1つの特別な経路指定クラスタに組織化するステップを含むことが可能である。少なくとも1つの特別な経路指定クラスタの経路リンクは、固定経路リンク順序で経路リンク表内に組織化可能である。固定経路リンク順序は、(増分的な)データベース更新の間に、固定経路リンク順序を維持することが可能であることを意味し得る。詳細には、表内のリンク数およびリンク位置は、データベース更新によって影響を受けない状態に留まることが可能である。この文脈で、少なくとも1つの特別な経路指定クラスタに対する更新の間に追加された、新しく分割された経路リンクは、新しい表の位置および表の番号と関連付けられることが可能である。したがって、削除された経路リンクの位置は、経路リンク順序を維持するために置換されなくてよい。
【0017】
それぞれの経路リンクに識別子を提供することが可能である。識別子は、固定経路リンク数に対応する固定識別子であってよい。固定識別子(例えば、固定経路リンク番号)は、近接するタイルの関連する分割された経路リンクを相互リンクするために使用可能である。例えば、近接するタイルの分割されたリンク同士の間の相互リンクは、それらの固定識別子を使用して、タイルの1つの分割されたリンクから近接するタイルの対応する分割されたリンク(すなわち、関連する分割されたリンク)までを参照することによって確立可能である。固定識別子は(増分的)更新によって変更されない状態に留まるため、2つの近接するタイルのうちの1つだけが更新される場合ですら、近接するタイル同士の間の相互リンク一貫性を常に維持することが可能である。
【0018】
この文脈で、以下の説明において、「相互リンク一貫性」という表現を用いることで、一方だけのタイル更新の場合ですら、互いと相互リンクされている分割された経路リンクの識別子(すなわち、経路リンク番号)、および、その結果、互いと相互リンクされている関連する分割された経路リンク同士の間の一意に定義された参照関係は変わらない状態に留まるため、任意の一方だけのタイル更新によって、上記の相互リンク方式の一般的な相互リンク機能は失われないことを意味し得る。これは、例えば、一方だけのタイルコンテンツ更新により、関連する分割されたリンクのうちの1つが更新されたタイル内で削除される、近接するタイルの関連する分割されたリンク同士の間の定義された参照関係にも適用可能であるが、これは、そのような場合、特別な経路指定クラスタ内の対応する「空間」は自由な状態に維持され、別の(無関係な)分割された経路リンクでもはや占有されていないためである。
【0019】
代わりに、または加えて、相互リンクするステップは、それぞれの局所タイルにタイルノット(tile knots)と、タイルノット識別子とを提供するステップと、相互リンクされることになる分割された経路リンクを局所タイルの対応するノットと関連付けるステップとを含むことが可能である。このために、相互リンクされることになる近接するタイルの関連する分割されたリンクを、それぞれ、同じタイルノット識別子を有するタイルノットに割り当てることが可能である。それぞれの提供されたタイルノットは、経路指定アルゴリズムによって相互リンクされなければならない、近接するタイル内に位置する分割された経路リンクを参照することができる。これにより、タイルノットは、相互リンクされることになる近接するタイルの分割されたリンク同士の間のリンケージを仲介することができる。
【0020】
タイルノット識別子は、(増分的な)データベース更新の間に変更されない状態に留まることが可能な固定識別子であってよい。それぞれの局所タイルには、対応するタイルノットと分割された経路リンクとの間の(すなわち、固定ノット識別子と分割された経路リンク識別子との間の)割当てを表す、少なくとも1つのノット識別子表をさらに提供することが可能である。経路リンク識別子は、(増分的な)データベース更新に伴って変更してよく、または変更しなくてもよい。ノット識別子表は、それぞれのタイルに関して、固定タイルノット識別子と分割された経路リンクとの間に一義的な関係を提供するため、2つの近接するタイルのうちの1つの分割された経路リンク識別子が(増分的な)データベース更新の間に変更されている場合ですら、(更新の間に、タイルノット識別子表が更新されたタイルノット識別子表によって置換されることを条件に)近接するタイル同士の間の相互リンク一貫性を常に維持することが可能である。
【0021】
また、タイル内に完全に存在する道路要素に関連する経路リンクを少なくとも1つの経路指定クラスタに組織化することも可能である。それぞれの経路リンクは、位相情報、幾何情報、および経路リンク属性情報を少なくとも含むことが可能である。クラスタ内の経路リンクは経路リンク表内に組織化可能である。それぞれの経路リンクには、経路リンク表内の経路リンクの位置を表す経路リンク数をさらに提供することが可能である。表内の経路リンクの位置は異なってよい。例えば、それぞれの(増分的な)データベース更新と共に、表内の1つまたは複数の経路リンクの位置を新しく定義することが可能である。
【0022】
経路指定クラスタのサイズおよび/または数は、事前に決定されてよく、または可変であってもよい。クラスタサイズは、対応する局所タイル内で組織化されることになる経路リンクの数に依存し得る。経路指定クラスタのサイズおよび/または数は、経路リンク密度(すなわち、タイルごとの経路リンクの数)にも依存し得る。例えば、高密度の道路網を有する大都市をカバーするタイルには、より大きな経路指定クラスタおよび/またはより多数の経路指定クラスタを提供することが可能である。この文脈で、クラスタは少なくとも1つの経路リンクを含むことが可能である。タイル内の経路指定クラスタの数およびサイズから独立して、それぞれの経路指定クラスタに、それを介してクラスタがタイルに割り当てられるクラスタ識別子(クラスタID)を提供することが可能である。
【0023】
少なくとも2つのデータレベルに関連する経路リンクをさらに相互リンクすることが可能である。少なくとも2つのデータレベル同士の間の相互リンクは、(長距離道路と領域距離道路とを含む)道路網全体の経路リンクを適切に接続できることを確実にし得る。1つの相互リンク方式によれば、少なくとも2つのデータレベルに、レベルノットとレベルノット識別子とを提供することが可能である。異なるレベルの関連する経路リンクを同じ識別子を有する対応するレベルノットに割り当てることによって、第1のデータレベルに関連する経路リンクを第2のデータレベルに関連する経路リンクと相互リンクすることが可能である。両方のデータレベルに関して、レベルノットと相互リンクされることになる対応する経路リンクとの間の割当てを第1の識別子表内および第2の識別子表内に記憶することが可能である。第1の識別子表は、相互リンクされることになる経路リンクを含む第1のデータレベルの対応するタイル内に記憶可能であり、第2の識別子表は第2のデータレベル内に記憶可能である。レベルノットは、第1のデータレベルおよび第2のデータレベルの対応する(割り当てられた)経路リンク同士の間の参照を確立することができる。これによって、タイルノットは、少なくとも2つのデータレベルの関連する経路リンク同士の間のリンケージを仲介することができる。
【0024】
レベルノット識別子は固定識別子であってよい。固定識別子は、(増分的な)データベース更新の間に変更されない状態に留まることができる。経路リンク識別子は、(増分的な)データベース更新に伴って変更してよく、または変更しなくてもよい。経路リンク識別子が更新の間に変更された場合、第1の識別子表および/または第2の識別子表は、更新の間に、新しい経路リンク識別子を含む新しい識別子表と置換されなければならない。レベルノット識別子が変わらない状態に留まるとき、((増分的な)更新の間に、対応する識別子表が置換されることを条件に)両方のデータレベルの間の相互リンク一貫性を常に維持することが可能である。
【0025】
ナビゲーションデータベースコンテンツは、基本地図表示データ、目的地入力データ、関心地点(POI)データ、TMCデータ、およびデジタル地形モデル、オルソ画像(orthoimage)、全文検索、音声データ、3Dデータなど、さらに拡張されたナビゲーションデータのうちの少なくとも1つをさらに含むことが可能である。基本地図表示は、地図表示のために事前に一般化された道路幾何データを含むことが可能であり、オプションで、両方のデータレベル(例えば、遠距離道路レベルおよび領域距離道路レベル)に関するデータベース内に個別に記憶可能である。
【0026】
道路、場所、都市などに関する目的地入力要素を含むナビゲーションデータベースの目的地入力データを少なくとも2つのデータレベルに従って区分化することも可能であり、局所目的地入力(LDE)データは第1のデータレベルと関連付けられ、大域目的地入力(GDE)データは第2のデータレベルと関連付けられる。GDEデータは、遠距離道路に関する目的地入力指標、ならびに、都市または都市の一部に関する目的地入力指標を含むことが可能である。LDEデータは、地方道路および/または領域距離道路に関する目的地入力指標を含むことが可能である。局所タイルに従って、領域距離道路に関連する目的地入力指標をさらに区分化することが可能である。詳細には、(場所など)地方道路に関して次に有効な特性(NVC)ツリーを提供する目的地入力指標は、複数のNVCツリーに分割可能である。それぞれのツリーは、対応する局所タイルの道路に関連する道路名を表すことができる。したがって、地方道路に関する目的地入力データは、それぞれのタイルに関する経路リンクデータに完全に対応する。都市に関する目的地入力データに基づくNVC機能性をサポートするために、局所タイルに従って分割された複数のNVCツリーを、ナビゲーションアプリケーションによってオンザフライで統合することが可能である。
【0027】
ナビゲーションデータベースは、POIデータ、ならびにPOI−NVC機能性に関するPOI指標ツリーをさらに含むことが可能である。POIデータは、少なくとも2つのデータレベルに従って区分化可能である。詳細には、POIデータは、遠距離道路に関連する第2のデータレベルに割り当てられた大域POIと、領域距離道路に関連する第1のデータレベルに割り当てられた局所POIとに区分化可能である。大域POIデータ、ならびに局所POIデータは、それぞれ、遠距離道路データおよび/また領域距離道路データと相互リンク可能である。そのような場合、大域POIデータおよび局所POIデータは、それぞれ、遠距離道路データおよび/または領域距離道路データと共に更新可能である。あるいは、POIデータは、経路指定データから独立して組織化可能である。例えば、POIデータは、単一のデータブロック内で、または事前に定義されたPOI範疇に従って、いくつかのデータブロックに組織化可能である。そのような場合、POIデータは、他のナビゲーションデータから独立して更新可能であり得る。POIデータと対応する経路リンクとの間にリンケージを提供するために、POIデータに位置データを提供することが可能であり、その位置データに基づいて、最も近いエッジ検索を適用することが可能である。
【0028】
それぞれの局所タイルに一意タイル識別子をさらに提供することが可能である。タイル識別子は、経路指定クラスタ、特別な経路指定クラスタ、固定識別子表などのデータ構造を対応するタイルに一義的に割り当てるために使用可能である。これにより、局所タイルのデータコンテンツ、またはその一部を更新するとき、更新されることになる適切なデータをアドレス指定するためにタイル識別子を使用することが可能である。
【0029】
それぞれの局所タイルにタイルバージョンデータをさらに提供することが可能である。タイルバージョンデータは、それぞれの局所タイルに関する更新履歴、または最後の更新の更新日を含むことが可能である。更新履歴は、最後のタイル更新のデータバージョン番号を含むことが可能である。この更新バージョンデータに基づいて、ナビゲーションデータサプライヤは、タイル更新が必要とされるか否かを決定する。
【0030】
上述のデータ構造とデータ相互リンクとに基づいて、それぞれの局所タイルは、基礎となるナビゲーションデータベース(全体)の一貫性を失わずに、個々に更新可能であるように構造化された自立式のナビゲーションデータベース下部構造を表すことができる。「自立式」は、それぞれのタイルが、対応するタイルに関連する領域距離道路区分の少なくとも幾何、位相、名称、および属性に関するすべてのナビゲーション情報を含むことが可能であることを意味し得る。したがって、実際の領域道路網内の変更だけが対応するタイル内でナビゲーションデータ修正を引き起こすことが可能である。局所タイルに関連する修正は、近接するタイル内のナビゲーションデータの修正または適応を必要としない。
【0031】
やはり提供されるのは、ナビゲーションデバイスのナビゲーションデータベースを増分的に更新する方法であって、ナビゲーションデータベースは、上で議論されたデータベース構造に従って構造化される。この更新は、ナビゲーションデータサーバによって実行され、ナビゲーションデバイスから更新要求を受信するステップと、ナビゲーションデバイスに局所タイルベースで更新されたナビゲーションデータを提供するステップとを含む。
【0032】
更新要求は、ナビゲーションデータベース内の現在のナビゲーションデータバージョンに関する情報を含むことが可能である。例えば、この情報は、少なくとも1つの局所タイルに関連するナビゲーションデータバージョン情報を含むことが可能である。代わりに、または加えて、この情報は、第2のデータレベルに関連するナビゲーションデータバージョン情報を含むことが可能である。受信された情報をナビゲーションデータサーバ上で利用可能なナビゲーションデータバージョン(単一のタイルおよび/または第2のデータレベルに関するナビゲーションデータバージョン)とさらに比較することが可能である。この比較は、タイルごとに実行可能である。
【0033】
その比較の結果に応じて、次いで、更新されたナビゲーションデータを提供することが可能である。提供されるナビゲーションデータは、更新されることになる少なくとも1つの局所タイルに関する更新された経路指定データおよび更新された相互リンクデータを含むことが可能である。局所タイルが基本地図表示データ、目的地入力データ、POIデータ、および拡張されたナビゲーションデータのうちの1つまたは複数とさらに関連付けられる場合、提供されるナビゲーションデータは、更新された基本地図表示データ、目的地入力データ、POIデータ、および拡張されたナビゲーションデータのうちの1つまたは複数をさらに含むことが可能である。加えて、この更新された相互リンク情報は、更新されたタイル内の更新された経路リンクと近接するタイルおよび/または第2のデータレベルのまだ更新されていない経路リンクとの間の接続性を維持するために、更新された識別子表を含むことが可能である。
【0034】
第1のデータレベルのそれぞれのタイルは個々に更新可能であり得る。それぞれのタイルはタイル固有のナビゲーションコンテンツを単に含むため、かつ例えば、第1の識別子表および第2の識別子表、または特別な経路指定クラスタによってタイルとデータレベルとの間の接続性が提供されるため、それぞれのタイルは、増分的な更新の後でデータベースの一貫性を失う危険を冒さずに個々に更新可能である。
【0035】
さらに、第1のデータレベルおよび第2のデータレベルは、互いから独立して更新可能である。あるいは、第1のデータレベルと第2のデータレベルを共に更新することが可能である。タイルベースで実行された第1のデータレベル更新と対照的に、第2のデータレベルに関連するナビゲーションコンテンツは、全体として、すなわち、第2のデータレベルに関連するナビゲーションコンテンツ全体を置換することによって更新可能である。
【0036】
やはり提供されるのは、コンピュータプログラム製品がコンピュータデバイス上で実行されるとき、本明細書で説明される構造化技法を実行するためのプログラムコードを備えたコンピュータプログラム製品である。このために、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記録媒体(例えば、メモリカードまたは読出し専用メモリ)上に記憶可能である。
【0037】
やはり提供されるのは、本明細書で説明される構造化技術に従って構造化されたナビゲーションデータベースである。
【0038】
やはり提供されるのは、本明細書で説明される構造化技術に従って構造化されたナビゲーションデータベースを含むナビゲーションデバイスである。
【0039】
さらにまた、ナビゲーションデバイスのナビゲーションデータベースを増分的に更新するためのデータ信号が提供され、ナビゲーションデータベースは本明細書で説明される構造化技術に従って構造化される。データ信号は、ナビゲーションデータサーバによって提供可能である。データ信号は、第1のデータレベルの少なくとも1つの局所タイルに関する、更新された経路指定データを少なくとも含む、更新されたナビゲーションデータと、少なくとも1つの更新された局所タイルとナビゲーションデータベースの変更されない状態に留まっているナビゲーションデータとの間の接続性を確実にするために更新されることになる少なくとも1つの局所タイルに関する更新された相互リンクデータとを含む。
【0040】
データ信号は、目的地入力データ、基本地図表示データ、POIデータ、および第1のデータレベルの少なくとも1つの局所タイルに関するその他の拡張されたナビゲーションデータのうちの少なくとも1つをさらに含むことが可能である。データ信号は、更新されたタイルバージョンデータを含むことも可能である。
【0041】
更新された相互リンクデータは、第2のデータレベルの経路リンクと相互リンクされることになる第1のデータレベルのタイル経路リンクと両方のレベル上の対応するタイルノットとの間の割当てを少なくとも含む少なくとも1つの識別子表を含むことが可能である。
【0042】
更新ナビゲーションデータは、第2のデータレベルに関する(固定)識別子表の形で更新されたナビゲーションデータと相互リンク情報とをさらに含むことが可能である。
【0043】
より詳細には、本明細書で説明される本開示の利点および態様は、以下の図面によって提示される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のナビゲーションデータ標準(NDS)仕様書によるナビゲーションデータベースを概略的に例示する図である。
【図2a】本発明のNDS仕様書によるデータレベルおよびタイルへのナビゲーションデータの組織化を示す図である。
【図2b】本発明のNDS仕様書によるデータレベルおよびタイルへのナビゲーションデータの組織化を示す図である。
【図3a】本発明の図2a/2bのタイル概念に関連する、図1に例示されたナビゲーションデータベース構造を概略的に例示する図である。
【図3b】本発明の図2a/2bのタイル概念に関連する、図1に例示されたナビゲーションデータベース構造を概略的に例示する図である。
【図4】本発明のNDSによる目的地入力データに関するナビゲーションデータベース構造を概略的に例示する図である。
【図5】本発明の1つの方法実施形態の流れ図である。
【図6】本発明の一実施形態によるナビゲーションデータベース構造化を例示する図である。
【図7a】本発明の図6に例示されたナビゲーションデータベース構造化に従って区分化された経路リンクを概略的に示す図である。
【図7b】本発明の図6に例示されたナビゲーションデータベース構造化に従って区分化された経路リンクを概略的に示す図である。
【図7c】本発明の図6に例示されたナビゲーションデータベース構造化に従って区分化された経路リンクを概略的に示す図である。
【図8】本発明の図6に示された実施形態に従って区分化されている経路リンク相互リンクに関する一実施形態を概略的に示す図である。
【図9】本発明の図6に示された実施形態に従って区分化されている経路リンク相互リンクに関するさらなる実施形態を概略的に示す図である。
【図10a】本発明の本開示によるナビゲーションデータベースの一実施形態を示す図である。
【図10b】本発明の本開示によるナビゲーションデータベースの一実施形態を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による目的地入力データに関するナビゲーションデータベース構造を概略的に例示する図である。
【図12a】本発明の本開示の一実施形態によるナビゲーションデータ更新を概略的に例示する図である。
【図12b】本発明の本開示の一実施形態によるナビゲーションデータ更新を概略的に例示する図である。
【図13】本発明のさらなる方法実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下の説明では、本開示の詳細な理解をもたらすために、特定のナビゲーションデータベース構造および特定のシグナリングシナリオなど、特定の詳細が、限定ではなく、説明のために記載される。本明細書で提示される技術は、これらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態の形で実施可能である点は当業者に明らかであろう。例えば、以下の説明は主にNDSに関するが、本明細書で提示される技法は、他のナビゲーションデータ標準または地図データ標準の文脈で適用されることも可能である点を容易に理解されよう。
【0046】
当業者は、本明細書で説明される方法、ステップ、および機能は、個々のハードウェア回路を使用して、プログラムされたマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと共にソフトウェア機能を使用して、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つもしくは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)および/または1つもしくは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を使用して実施可能であることをさらに理解されよう。本明細書で開示される方法、ステップ、および機能は、プロセッサ内、およびそのプロセッサに結合されたメモリ内で実施可能であり、メモリは、プロセッサによって実行されるとき、本明細書で議論されるステップを実行するためにプロセッサを制御する1つまたは複数のプログラムを記憶することも理解されよう。
【0047】
以下の説明では、(多くのナビゲーション設計または地図データベース設計のうちの1つなど)NDSデータベース設計は、図1の概略的な例示に関してより詳細に例示的に説明される。下でより詳細に説明されるように、本明細書で提示される技法は、一実施形態では、NDSの文脈で実施可能である。
【0048】
図1は、NDSによるナビゲーションデータベースを示す。NDSデータベースは、1つのデータサプライヤまたは異なるデータサプライヤによって供給される、いくつかの製品データベース1、2、...、nを含む。それぞれの製品データベースは、いくつかの更新領域1、2、3、...、nにさらに組織化され、それぞれの更新領域は、特定の大規模な地理的地域に関連するすべてのナビゲーションデータを含むように設計される。例えば、地理的領域、すなわち、欧州をカバーする製品データベースの場合、個々の更新領域は、ドイツ、ポーランドなど、個々の欧州国、またはスカンジナビア(すなわち、フィンランド、ノルウェー、およびスウェーデン)など、国グループのナビゲーションデータを含むことが可能である。それぞれの更新領域は、別個に更新可能であるように構成され、更新領域の数は製品データベースによって異なってよい。
【0049】
それぞれの更新領域に関連するナビゲーションデータは、異なる構成ブロックにさらに組織化される。構成ブロックは、基本地図表示データ、経路指定データ、目的地入力データ、POTデータ、TMCデータなど、特定のタイプのナビゲーションデータによって定義される。特定の更新領域に関する構成ブロックの数は、データサプライヤに依存し得る。更新領域は、基本地図表示データ、経路指定データ、および目的地入力データなど、基本的なナビゲーションデータだけを含むことが可能であり、またはPOI、TMC、デジタル地形モデル、オルソ画像、全文検索、音声など、拡張されたナビゲーションデータを追加で含むことが可能である。
【0050】
少なくとも経路指定データは、いわゆるデータレベルおよびタイルにさらに組織化される。次に、NDS仕様書によるレベルおよびタイル構造が図2aおよび2bに関連してより詳細に議論される。
【0051】
図2aの表は、NDSデータレベルと道路機能クラス(FC)との間のマッピングを示す。国際分類標準によれば、道路は、通常、5個の道路機能クラスに分類される。例えば、幹線道路または中央分離帯を伴う道路など、遠距離道路はFC0道路またはFC1道路として分類されるのに対して、領域道路および地方道路はFC2−FC4道路として分類される。NDSは、13個の経路指定データレベル(レベル1から13)を指定して、所定の道路FCの道路を特定のNDSレベルに割り当てる。図2aに示されるように(十字を参照されたい)、レベル13は、更新領域の全道路網の経路指定データを含む基本的なレベルとして定義される。すなわち、レベル13は、すべての5個の道路機能クラスの道路を含む最高の道路網分解能を有する。道路網分解能は、レベル番号が減少するのに伴って連続的に減少する。例えば、データレベル10、9、8、および6は、それぞれ、FC0−FC3道路、FC0−FC2道路、FC0−FC1道路、およびFC0道路を単に含む、より低い分解能の道路網を表す。
【0052】
したがって、上記のNDSデータレベルは、所定の分解能の道路網を表すナビゲーションデータと関連付けられる。この時点で、NDSデータレベルは、より低く番号付けされたレベルの経路指定情報を後のより高く番号付けされたレベルで部分的に複製する点に留意されたい。例えば、図2bに示されるように(NDSレベル8、9、10内の対応する道路網の部分を表す例示された経路リンクを参照されたい)、データレベル8は、対応する道路網のFC0道路およびFC1道路(図2では、FC1道路だけが示される)を単に表すのに対して、データレベル9および10は、領域道路および地方道路(FC0道路およびFC1道路と共にFC2道路およびFC3道路)も含む、より詳細な道路網を表す。要約すれば、NDSレベル概念は、経路指定データを異なるデータレベルで冗長的に複製する。
【0053】
さらに、やはり図2bに示されるように、それぞれのレベルは、所定のサイズを有するタイルにさらに分割される。タイルは、特定のNDSレベルの経路指定データと、更新領域の特定の局所的な地理的地域の経路指定データとを含むデータベース下部構造を表す。NDS仕様書によれば、タイルサイズ(すなわち、タイルに関連する局所的な地理的地域のサイズ)はNDSレベル番号によって異なり、タイルサイズは、レベル番号が減少するのに伴って連続的に増大する。例えば、レベル13は、2.5km×2.5kmの直角の地理的地域を表すタイルに再分割される。その後のより低いレベル12には5km×5kmのサイズが既に提供されており、レベル11には10km×10kmのサイズが提供されている等々である。したがって、それぞれのその後のより低く番号付けされたレベルに関して、タイルサイズは4倍にされている。しかし、タイルサイズはNDSレベル番号が減少するのに伴って連続的に増大するが、道路網分解能(および、したがって、経路リンクの量)はレベルの減少に伴って減少するため、対応するデータベース下部構造サイズは、ナビゲーションデバイスによって管理可能な状態に留まる。要約すれば、レベルタイルは、制限された計算能力を備えたナビゲーションデバイスによって容易に管理可能であり、すなわち、ナビーションシステムアプリケーションによるさらなる処理のために、ナビーションシステムメインメモリ内に容易にロード可能であるデータベース下部構造単位を表す。
【0054】
図3aおよび3bの概略的な例示を参照すると、タイル概念に関連するNDSデータベースの組織化がさらに説明される。図3aは、更新領域、すなわち、ドイツのNDSレベル9の4つのタイル201、203、205、207を例示的に表し、これら4つのタイルはミュンヘン周辺の局所的な地理的地域をカバーする。分かり易くするために、都市および一部の主要道路だけが概略的に例示される。
【0055】
図3bは、更新領域、すなわち、ドイツに関するNDSデータベースの構造を例示する。NDSデータベースは、バイナリデータ構造の形でメタデータとナビゲーションデータとを含むSQLiteデータベースとして設計される。ナビゲーションデータは、基本地図表示、経路指定、目的地入力、およびPOI構成ブロックとして記憶される。基本地図表示データおよび経路指定データは、レベル9タイル構造に従ってさらに組織化される。詳細には、局所タイル201、203、205、207内に存在する経路指定リンク(すなわち、道路区分L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、およびL8に関連する経路指定リンク)が対応するタイルブロック内に記憶される。タイル境界にわたって広がる経路指定リンク(L1、L2、L6)は、それらのリンクがその開始点を有するタイルブロック内に記憶される。さらに、それぞれのタイルブロックは、それを経由して経路リンクがアドレス指定可能な一意タイル識別子(T−ID10111、10112、10113、10114を参照されたい)と関連付けられる。図3aに示される構成の場合、経路リンクL8、L2はブロック10111内に記憶され、経路リンクL3、L4、L5はブロック10112内に記憶され、経路リンクL1はブロック10113内に、経路リンクL6、L7はブロック10114内に記憶される。
【0056】
基本地図構成ブロック内の基本地図表示データの組織化は、同等であり、この時点でさらに議論されない。図3bの基本地図表示構成ブロックと、経路指定構成ブロックと、目的地入力構成ブロックとの間の矢印は、対応する構成ブロックのナビゲーションデータが相互リンクされていることを象徴する。例えば、対応する道路区分のグラフィカル表示を可能にするために、地図表示構成ブロック内に記憶された道路幾何データは経路構成ブロック内に記憶された経路リンクによって参照可能である(逆も同様である)。
【0057】
メタデータブロックは、データベース全体に適用される、すべての構成ブロックに共通のデータを含む。メタデータの組織化に関する詳細は、対応するNDS指針に見出すことができる。
【0058】
POI構成ブロックのデータ組織化に関して、NDSは、基本的なナビゲーション構成ブロック(すなわち、経路指定データ、基本地図表示データ、目的地入力データ)およびモノリシックデータ構造設計からの物理的な分離を示唆する。これは、POIが記憶されて、更新領域全体として、すべてのPOI、または事前に定義されたクラスのPOI(例えば、ガソリンスタンド、レストラン、博物館など)を含む、より大きなデータブロックに組織化されることを意味する。経路指定データとPOIデータとの間で欠けている相互リンクは、他のナビゲーションデータから独立したPOI更新を可能にする。しかし、POIデータブロックのモノリシック設計は、通常、POIデータセット全体を交換すること、または別個のデータブロックユニットとして記憶される、事前に定義されたPOIクラスに関連するPOIデータを少なくとも交換することであるPOI更新を依然として必要とする。
【0059】
POIデータ構造化に類似して、目的地入力データは、モノリシックデータブロックとして組織化されて、記憶される。図3bに概略的に例示されるように、指定されたオブジェクト「ミュンヘン」に関連するすべての目的地入力データ(例えば、通り名、家の名称など)は、図3aに示されるタイル区分化から独立してモノリシックデータブロックとして記憶される。すなわち、目的地入力データは、対応する経路指定データおよび基本地図表示データと密に相互リンクされるが、タイルに依存するデータ下部構造に組織化されない。
【0060】
NDSによる目的地入力構成ブロックの組織化は、図4にさらにおおまかに例示される。目的地入力構成ブロックは、指定されたオブジェクトデータブロックと次に有効な特性(NVC)データブロックとを含む。それぞれの指定されたオブジェクトは、都市、国、または道路など、実世界のオブジェクトを表し、同一のオブジェクトを記述する名称は互いに関係する。指定されたオブジェクトは表内に記憶され、それぞれの指定されたオブジェクトはオブジェクトIDによって一意に定義される。指定されたオブジェクトは、NVCデータブロック内に記憶された少なくとも1つのNVCツリーとさらに関連付けられる。NVCツリーは、文字を連続的に入力するとき、ユーザが、B構造を垂直に横断することによって、大きな名称のリストから段階的に名称を選択することを可能にするBデータ構造である。図4では、指定されたオブジェクト「ミュンヘン」に関連する道路名に関して4つのNVCツリーが例示される。道路が特定のタイル内に追加されている(例えば、タイル201内の「Neustrasse」)場合、NVCデータツリー全体が交換されなければならない。
【0061】
既存のNDS物理記憶フォーマットは、多くの柔軟な更新概念を提供する。例えば、基本的なデータベース構造を変更せず、かつデータベースの一貫性を失わずに、製品データベースの更新領域を更新すること、または新しく追加することが可能である。加えて、データベース全体に関する、または単一の更新領域に関する単一の構成ブロックを追加もしくは更新することが可能である。経路指定データおよび地図表示データと相互リンクされていない構成ブロックデータは、一貫性を失わずに独立して更新可能である。しかし、既存のNDS記憶フォーマットによれば、ナビゲーションデータ更新は更新領域レベルまたは構成ブロックレベルで実行され、したがって、結果として、大量のデータの交換を依然としてもたらす。しかし、単一のタイルに基づく、経路指定データ、地図表示データおよび/または目的地入力データの更新(すなわち、ナビゲーションデータベースコンテンツの増分的な更新)は、現在、以下の理由で不可能である。
【0062】
まず、NDS内のマルチレベル構造は、特定のレベルの単一のタイルを単に交換するとき、データベースの矛盾をもたらす。1つの理由は、経路リンクデータ(すなわち、経路リンク属性、経路リンク位相および道路幾何に関連するデータなど)は、いくつかのレベルと関連付けられることが可能なことである。例えば、図2bに示されるように、新しいFC1道路(太い破線を参照されたい)が導入される場合、FC1道路区分を記述する、対応する経路リンクデータは、レベル8のタイル1001(経路リンク8a)内だけでなく、少なくとも、レベル9内のタイル1004内およびレベル10内のタイル1015内にも導入されなければならない。したがって、NDSレベル8、9、および10上で一貫した道路網を取得するために、タイル1001、1004、1015は同時に更新されなければならない。
【0063】
さらに、経路リンク8aの追加は、それぞれのレベルのいくつかのタイルにわたって広がる経路リンク1の位相に関する因果関係も有する。詳細には、更新データセット内で、経路リンク1は異なる位相特徴を有する新しい経路リンク1a、1bによって置換されなければならない(経路リンクlaは経路ノード1dと1eの間の線によって与えられる点に留意されたい)。さらに、NDS仕様書によれば、経路リンク1aは、その開始点が位置するタイル上にその経路属性と共に記憶される。したがって、少なくともタイル1000、1008、1030をさらに更新しなければならない。したがって、図2bに例示される例は、単一の道路の追加が、データベースの一貫性を維持するために、大量のデータ(すなわち、多くのタイルのナビゲーションデータ)を更新する必要がどれだけあり得るかを既に示している。
【0064】
図5および図6を参照すると、次に、例示的なNDS実装形態に関して、本開示によるナビゲーションデータベース構造化の一実施形態がより詳細に議論される。図5は、1つの方法実施形態の流れ図を示し、図6は、関連するデータベース構造を視覚的に例示する。
【0065】
第1のステップ(S1)で、(領域距離レベル、以下、RDLとして示される)第1のデータレベル100と(遠距離レベル、以下、FDLとして示される)第2のデータレベル120とに従って、ナビゲーションデータベースコンテンツの経路指定データが区分化される。一実施形態によれば、RDL100は、領域(および、地方)道路(例えば、機能クラスFC2、FC3、およびFC4の道路として、国際道路分類(international road classification)に従って分類される道路)の道路区分を表す経路リンクを含む。さらに、FDL100は、大きな距離規模(例えば、幹線道路および中央分離帯を伴う道路など、FC0道路およびFC1道路)上の地理的地点(都市、空港など)を接続する遠距離道路と関連付けられる。
【0066】
目的地入力データは、それぞれ、RDL100とFDL120とに割り当てられる、2つのより大きなデータブロックにも区分化される。詳細には、遠距離道路に関する目的地入力指標、ならびに都市および都市の一部に関する目的地入力指標を含む、いわゆる、大域目的地入力データ(GDE)はFDL120と関連付けられるのに対して、地方道路および/または領域道路に関する目的地入力指標を含む、いわゆる、局所目的地入力(LDE)データはRDL100と関連付けられる。目的地入力データおよび経路リンクデータはナビゲーションデータベース内で高度に相互リンクされるため(例えば、目的地入力要素は対応する経路リンクを参照し、逆もまた同様であるため)、LDEデータからGDEデータを分離することは、ナビゲーションデータセット全体の一貫性を危険にさらさずに、データレベル100、120の両方を別個に更新することを可能にする。
【0067】
加えて、ナビゲーションデータベースが関心地点(POI)データも含む場合、POIデータを区分化して、両方のデータレベル100、120に割り当てることが可能である。例えば、図6に示されるように、空港、港湾など、国家または超国家のサービス設備に関連するPOIまたはPOIデータを表すPOIクラスはFDL120と関連付けられるのに対して、薬局、病院、レストラン、ガソリンスタンドなど、地域のPOIを表すPOIまたはPOIクラスはRDL100と関連付けられる。大域POIデータ、ならびに局所POIデータは、それぞれ、FDL経路指定およびFDL目的地入力データのうちの少なくとも1つ、ならびに/またはRDL経路指定およびRDL目的地入力データのうちの少なくとも1つと相互リンク可能である。POI相互リンクの場合、提示されるPOI区分化は、現在更新されているデータレベル/タイルのPOIデータを置換することによって、部分的なPOIデータ更新を可能にする。したがって、POIデータセット全体の更新は必要とされない。POIデータが経路指定データおよび/または目的地入力データによって参照されない場合、ナビゲーションデータセット内のPOIデータは独立したデータブロックを構築する。そのような場合、単一のPOI、POIのグループ、単一のPOIクラス、またはすべてのPOIを、別個に、ナビゲーションデータベース20内の経路指定データまたは目的地入力データから独立して更新することが可能である。
【0068】
図5および図7a〜7cを参照して、RDL構造化およびFDL構造化がさらに詳細に説明される。
【0069】
さらなるステップ(S2)で、RDL100は局所タイル200、201、202、203、204、205、206、207に区分化される。局所タイル200、201、202、203、204、205、206、207は、特定の局所的な地理的地域に関連するRDLナビゲーションデータ(例えば、RDL経路指定データ、LDEデータ、地図表示データ、局所POIデータなど)を表す。すなわち、局所タイル200、201、202、203、204、205、206、207は、所定のサイズの特定の地理的地域に関するRDLナビゲーションデータおよび/またはRDLナビゲーションデータ構造を表す。図7aは、4つの局所タイル200、202、204、206を例示し、それぞれの局所タイル200、202、204、206は、40km×40kmの二次地域、ならびにその中に存在する、いくつかのRDL経路リンクをカバーすることを例示的に示す。本実施形態によれば、ナビゲーションデータベース20によって表される地理的地域全体(例えば、欧州、北米など)は、40km×40kmサイズの均一タイルによって重複しない形で完全にカバーされる。この文脈で、本発明の原理はタイルサイズに依存しないことは明らかである。RDL100をさらに区分化するために、任意の「妥当な」サイズ(例えば、10km×10km、または20km×20kmなどの二次地域をカバーするタイル)を選択することが可能である。この文脈で「妥当な」は、それぞれのタイルに関連するデータまたはデータ構造のサイズがナビゲーションデバイス10によって容易に管理可能であるように、すなわち、対応するナビゲーションアプリケーションによる処理のためにメインメモリ内にロード可能であるように、タイルサイズが選択されることを意味する。
【0070】
図7bは、図7aのRDLタイル200、202、204、206がカバーするのと同じ地理的地域をカバーする、FDL120の一部を概略的に例示する。FDL120の対応する地理的地域部分はタイル構造を有さない。本発明によれば、このタイル概念は、RDL100に関してだけ提供され、FDL120に関して提供されないことが好ましい。その結果、NDS標準におけるように、FDL120に関連するナビゲーションデータはタイルに依存するデータ下部構造を有さない。
【0071】
最後に、図7cは、RDLデータおよびFDLデータの重ね合せ(すなわち、追加)として取得される、選択された地理的地域に関する道路網全体を概略的に例示する。両方のレベル100、120の道路を使用して経路を計算するために、FDL120とRDL100との間の特別な相互リンク方式が必要とされる。この相互リンク方式は、図9に関して下で詳細に説明される。
【0072】
次に、図5および図8を参照して、RDL100のタイル区分化が議論される。
【0073】
図8は、対応する領域距離経路リンク(すなわち、タイル200、202内に存在する領域距離道路の道路区分を表す経路リンク)と共に、図7aのRDLタイル200、202を表す。図8に示されるように、両方のタイル200、202は、タイル200、202内に完全に存在する道路区分を表す経路リンクと、少なくとも1つのタイル境界にわたって広がる道路区分2、3、4、5を表す経路リンク2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5b(タイル200、202の境界にわたって広がる単一の道路区分2を表すリンク識別子L−ID5、27内の経路リンク2a、2bを参照されたい)とを含む。タイル200、202内の道路区分を表す経路リンクは、経路リンク属性および道路幾何データと共に対応するタイル200、202内に記憶される。加えて、タイル200、202の境界にわたって広がる道路区分2、3、4、5に関連する経路リンクは、別個の経路リンク2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bにさらに分割されて(ステップ2a)、(タイル200、202内の対応する道路区分部分を完全に表すために)提供された経路リンク情報と共に対応するタイル内に記憶される(ステップ2bおよび2c)。したがって、RDLタイル200、202は、タイル境界内に存在する経路リンクだけを含む。
【0074】
タイル境界において経路リンクを分割することは、タイルが、ナビゲーションデータベースの一貫性を失わずに、互いから独立して更新可能であることを確実にする。加えて、切断された経路リンク2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bは、経路リンク構成内および/または(例えば、更新手順によって引き起こされた経路リンク表内の経路リンクの新しい構成、新しい識別子など)タイルの経路リンクデータ組織内の変更が近接するタイルの経路リンクの構成/組織化にも影響を及ぼすことを回避する。これにより、経路リンクの分割は、データベースの一貫性の損失の危険を冒さずに、独立して修正および更新可能である独立したナビゲーションデータベース下部構造をもたらす。
【0075】
経路リンクの分割はナビゲーションデータ更新に有利であるが、ユーザの目的地入力、および本開示に従って構造化されたナビゲーションデータベース構造に基づく経路の計算を試みるとき、経路アルゴリズムに関する問題が生じる可能性がある。タイル境界における切断は近接するタイルのリンケージに干渉を引き起こす。その結果、データベースサブユニットに近接するタイル同士の間に接続性を提供する相互リンク方式が提供されなければならない。次に、図8を参照して、そのような方式が説明される。
【0076】
図8に示されるように(グレイの囲み300、320を参照されたい)、タイル200、202の分割された経路リンク2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bは、1つまたは複数の特別な経路指定クラスタ300、320にさらにグループ化される(S3)。それぞれのタイル200、202に関して、それぞれの分割された経路リンク、2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bが対応する特別な経路指定クラスタ300、320の関係経路リンク表内に固定位置を得るように、経路リンク2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bがグループ化される。さらに、それぞれの分割された経路リンク2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bは、タイル更新の後、変更されない状態に留まる固定リンク数(例えば、経路リンク2a、2bの場合、L−ID5、L−ID27)と関連付けられる。その結果、(増分的な)更新の間、分割されたリンクを特別な経路指定クラスタ300、320に追加すること、または、分割されたリンクを特別な経路指定クラスタ300、320から削除することは、特別なクラスタ300、320内の経路リンク順序を変更しない。追加された経路リンクは新しいリンク番号を取得し、一方、削除されたリンクの位置は未使用の状態に留まる。固定リンク数により、それらの固定IDを使用して、ある分割されたリンクから近接するタイルの対応する分割されたリンクまでを参照することによって、近接するタイルの分割されたリンク2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bの間に相互リンクを確立することが可能である(例えば、タイル200、202の間に適切な接続性を確立するために、固定リンクID、すなわち、L−ID5およびL−ID27が使用される)。これにより、分割された経路リンク2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bを特別なクラスタ300、320にグループ化することによって、単一のタイル更新に対して頑強な相互リンク方式を近接するタイル200、202間に確立することが可能である。
【0077】
特別な経路指定クラスタを提供する代わりに、それぞれのタイルにタイルノットと対応するタイルノット識別子(図8に図示せず)とを提供して、経路指定アルゴリズムによって相互リンクされなければならない、近接するタイルの分割された経路リンク2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bを対応するタイルノットに割り当てることも考えられる。このために、それぞれのタイルに、対応するノット識別子と、相互リンクされることになる分割された経路リンク2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bの経路リンクIDとの間の割当てを表すノット識別子表を提供することが可能である。これにより、ノット識別子表を介して、経路指定アルゴリズムは、予め分割された経路リンクを相互リンクして、タイルにわたって広がる道路区部を表すことができる。さらに、それぞれのタイル200、201、202、203、204、205、206、207に、オプションで、それぞれのタイル、200、201、202、203、204、205、206、207に関連するナビゲーションデータの現在の更新バージョンを表すタイルバージョンデータ360が提供される。
【0078】
さらなる実施形態によれば、少なくとも1つのタイル境界にわたって広がる道路区分を表す、関連する分割された経路リンク同士の間の相互リンク(すなわち、接続性)を仲介するためのタイトルノットの提供に関して、(加えて)提供されたタイルノットは、対応するタイルの境界上、またはその境界近くに設定される。すなわち、あるタイルから別の(近接する)タイルにわたって広がる道路区分を表す経路リンクが分割されるタイル境界位置において、タイルノットの対が生み出され、この対の1つのノットは1つのタイルと関連付けられ、生成された対のもう1つのノットは他方のタイルと関連付けられる。この対の両方のノットにノット識別子が提供される。両方のノットに(1つまたは複数の)同じノット識別子を提供することが可能である。提供されるノット識別子は固定識別子であってよい。この文脈で、固定は、識別子が増分的なタイル更新の間に変わらない状態に留まることを意味する。さらに、それぞれのタイルには追加のノット識別子表が提供され、それぞれのタイルのノット識別子表は、そのタイルに関連するレベルノットと、相互に接続されることになる分割された経路リンクとの間の一意割当てを表す。したがって、ノット識別子表は、特定の分割された経路リンク(すなわち、経路リンクID)から特定のタイルノット(すなわち、タイルノットID)までを一意に参照し、したがって、タイルノット識別子表を解釈するとき、経路指定アルゴリズムが特定の分割されたリンクを特定のタイルノットと関連付けることを可能にする。それぞれのタイルノットは、次に、ノットの対の他方のノットを参照し、その他方のノットは、次に、そのリンクに割り当てられた特定の分割された経路リンクを参照し、その結果、関連する分割された経路リンク同士の間の相互リンクは、提供されるタイルノットの対によって仲介される。
【0079】
また、分割されていない局所タイル200、201、202、203、204、205、206、207の経路リンクは、図8の囲み330、340、350によって概略的に例示されるように、1つまたは複数のデータクラスタ330、340、350にさらに組織化される。それぞれのクラスタ330、340、350は自由な数の経路リンクを含むことが可能であり、それぞれのクラスタ330、340、350に関する経路リンクの数は、更新バージョンごとに異なってよい。特別な経路指定クラスタ300、320と対照的に、クラスタ330、340、350内のそれぞれの経路リンクは、それぞれの(増分的な)更新に伴って変更し得る、クラスタ330、340、350内の経路リンクの位置を反映する、動的に割り当てられた経路リンク数(経路リンクID)と関連付けられることが可能である。また、単一のタイルに関連するクラスタ330、340、350の数および/またはそれぞれのクラスタ330、340、350内の経路の数は自由であり、更新ごとに変更してよい。それに応じて、経路リンククラスタ330、340、350のサイズは可変である。図8の重複する囲みによっても示されるように、経路クラスタは重複してよく、かつ/または入れ子にされてもよく、そのタイルに関連する地理的地域内の任意の位置の道路区分に対応する経路リンクを含むことが可能である。データは更新された局所タイルに限定されるため、局所タイル更新の間の経路指定クラスタ330、340、350の変更もしくは修正、または経路指定クラスタ330、340、350内で組織化された経路リンクの変更もしくは修正は、近接するタイルのナビゲーションデータ(したがって、データベースの一貫性)に影響を及ぼさない。ナビゲーションデータベース20が目的地入力データまたは地図表示データも含む場合、対応するデータは、クラスタの形で組織化されルことも可能である。
【0080】
図9は、FDL120経路リンクをRDL100経路リンクと接続するための相互リンク方式をさらに例示する。このために、図9は、図8のタイル202のRDL道路網と、対応するFDL道路網(すなわち、遠距離道路網)とを表す。
【0081】
タイル202には、レベルノット211(図9の左を参照されたい)と、対応する固定レベルノット識別子(図示せず)とがさらに提供される。「固定」は、記憶されたレベルノット識別子が(増分的な)更新の間に変更しないことを意味する。加えて、タイル202には、提供されたレベルノット211と、(1つまたは複数の)関連するFDL経路リンクと相互リンクされなければならないタイル経路リンク211cとの間の割当てを表す第1の識別子表380が提供される。詳細には、固定識別子表は、対応する経路リンク211cの経路リンク識別子(L−ID112:10)と固定ノット識別子との間の割当てを含む。レベルノット211はFDL120(図9の右を参照されたい)内で複製される。また、FDL120には、レベルノット識別子と、対応するRDL経路リンク211cと相互リンクされることになるFDL経路リンク212のFDL経路リンク識別子(L−ID17)との間の割当てを表す第2の識別子表381が提供される。両方のレベル100、120の固定識別子表を解釈することによって、経路指定アルゴリズムは両方の関連する経路リンク211、212を相互リンクすることができる。更新手順の間、レベルノット識別子は固定された状態に留まるため、タイル202の経路指定データが修正されており、更新の間に経路リンク211cの経路リンクIDが変更されている場合ですら、RDLタイルとFDLの間の相互リンクは影響を受けない状態に留まる。そのような場合、対応する経路リンクIDとレベルノットIDとの間に正確な割当てを有するために、第1の識別子表380だけがやはり更新されなければならない。
【0082】
図10aおよび図10bの概略図を参照すると、本開示によるRDL100に関連するナビゲーションデータベースコンテンツの組織化が要約される。分かり易くするために、FDLナビゲーションコンテンツは図10aおよび図10bの図で省略されている。図10aは、NDSデータベース構造を議論するとき、図3aに示されたのと同じ、ミュンヘン周辺の局所的な地理的地域(したがって、同じナビゲーションデータ)を表す。図3aに示されるナビゲーションデータ構造化と対照的に、近接するタイル201、203、205、207にわたって広がるリンクL1、L2、およびL6は、タイルリンクL1a、L1b、L2a、L2b、L6a、およびL6bをそれぞれ識別するために分割される。したがって、それぞれの局所タイル201、203、205、207は、対応するタイル201、203、205、207内に存在する道路区分を表す経路リンクだけと関連付けられる。さらに、タイル201、203、205、207内の経路リンクは、組織化されて、所定のクラスタ識別子(図10bを参照されたい)を用いてアドレス指定可能なクラスタ300、320、320、340内に記憶される。例えば、タイル203の場合、分割された経路リンクL2b、L6aは特別クラスタ300(図10b)内で組織化されるのに対して、経路リンクL3、L4、L5はクラスタ330内で組織化される。したがって、それぞれのタイル201、203、204、205に関する経路指定データは、アドレス指定可能なデータクラスタ300、320、330、340の形でデータ構造として記憶される。
【0083】
基本地図表示データの組織化は、経路指定データの組織化に対してアナログである。すなわち、それぞれのタイル201、203、205、207に関して、地図表示のためのデータ(例えば、道路幾何データなど)を含む、少なくとも1つのアドレス指定可能な地図クラスタ305が形成される。経路指定データと基本地図表示データとの間の矢印は、この場合もやはり、対応するタイル201、203、205、207内の地図データと経路指定クラスタデータとの間のリンケージを象徴する。
【0084】
さらに、NDSデータベース構造化と対照的に、目的地入力データはタイル構造に従って区分化される。これは、指定されたオブジェクト「ミュンヘン」に関連する目的地入力データ(例えば、通り名)が、それぞれ、対応するタイルの経路リンクと関連付けられることになる通り名だけを含む部分M1、M2、M3、M4に区分化されることを意味する。図11を参照すると、目的地入力データに関する区分化概念がさらに詳細に説明される。図11に示されるように、それぞれの部分M1、M2、M3、M4は、対応するタイル201、203、205、207に関連する通り名に関するNVC指標だけを含む。例えば、M2は、道路の名称「Neustrasse」および「Mittlerer Ring」を表すNVCツリーを含むタイル201と関連付けられている。対応するタイルはその通り区分も含むため、通り名「Mittlerer Ring」は、部分M1、M2、およびM4のNVCツリーによっても表される。したがって、タイルに従って目的地入力指標を区分化することは、局所タイル201、203、205、207内に含まれた道路と、目的地入力によって見出すことができる道路との間の一貫性を確実にする。さらに、古い/新しい通り名(例えば、タイル201内の「Neustrasse」)が削除/追加されなければならないとき、対応する目的地入力部分(現在の例では、M2)だけが更新されなければならない。これによって、現在のナビゲーションデータベース構造化方式によれば、それぞれのタイルは、自立した形で、すなわち、近接するタイルのナビゲーションデータ部分(分離された経路指定データ、地図表示データ、および目的地入力データ)から独立してすべてのナビゲーションデータベース部分を表す。
【0085】
しかし、すべての目的地入力指標がロードおよび表示される完全なNVC機能性も提供するために、異なる部分M1、M2、M3、M4の複数のNVCツリーはナビゲーションアプリケーションによってオンザフライで統合される。したがって、別個の部分として記憶されるが、オブジェクト「ミュンヘン」のすべての通りはナビゲーションNVC機能性を介してユーザによってアクセス可能である。
【0086】
図12a/12b、および図13を参照して、上で説明されたような構造であるナビゲーションデータベース20の増分的な更新がより詳細に説明される。
【0087】
図12aは、ナビゲーションデータサーバ40と通信中であるナビゲーションデバイス10の一実施形態を示す。図12bは、サーバ40によって提供される更新信号32を概略的に例示する。
【0088】
ナビゲーションデバイス10は、上述のナビゲーションデータベース20、処理ユニット12、位置センサ14、入出力(I/O)モジュール16、メインメモリ18、ならびに通信モジュール22を含む。位置センサ14は、全地球測位システム(GPS)、Galileo、またはその他のシステムなど、測位システムから位置座標を受信するように構成される。I/Oモジュール16は、一方のナビゲーションデバイス10と他方のユーザとの間のインターフェースを表す。計算または検索されたナビゲーション情報を出力するための光学手段および/または音響手段を含めることが可能である。メインメモリ18は、処理ユニット12によるさらなる処理のために、入力データ、通信モジュール22上で受信されたデータ、および/またはデータベース20からロードされたナビゲーションデータをバッファするように構成される。処理ユニット12は、通信モジュールから受信されたデータ(すなわち、更新データ)、通信モジュールを経由して送信されることになるデータ(例えば、タイルバージョンデータ)、位置センサ14のデータ、I/Oモジュール16および/または(図11の矢印によって示される)ナビゲーションデータベース20のデータを調整ならびに処理するように構成される。
【0089】
通信モジュール22は、ナビゲーションサーバ40および/またはその他のナビゲーションデバイス、ユーザ端末(スマートフォン、PDAなど)など、外部デバイスとの無線通信および/または有線通信をサポートするように構成される。通信モジュールは、UMTSおよびGPRS通信のうちの少なくとも1つをサポートするための少なくとも1つの無線モジュール(図12aに図示せず)を含むことが可能である。
【0090】
ナビゲーションサーバ40は、データリポジトリ42、処理ユニット44、ならびに通信モジュール46を含む。処理ユニット44は、通信モジュール46および/またはデータベースリポジトリ42から受信されたデータ、または通信モジュール46および/またはデータベースリポジトリ42に送信されたデータを処理する。処理ユニット44は、両方向のデータトラフィック調整も行う。
【0091】
通信モジュール46は、(ナビゲーションデバイス10など)クライアントとの無線通信および有線通信をサポートするように構成される。
【0092】
データベースリポジトリ42は、個々の国、大陸、またはその他の地理的領域に関する、少なくとも最新バージョンのナビゲーションデータを記憶するように構成される。データは、モジュラの形で記憶可能である。例えば、RDL経路指定データ、目的地入力データ、地図表示データ、POIデータ、TMCデータ、オルソ画像、3D画像などを(クラスタユニットとして)個々に記憶して、適切なタイルと関連付けることが可能である。加えて、リポジトリ42は、RDLタイルおよびFDLレベルのうちの少なくとも1つのナビゲーションコンテンツバージョンを示すバージョンデータを含む。さらに、ナビゲーションリポジトリ42は、少なくともRDL−FDL相互リンク、およびRDL内のタイル相互リンクを示す相互リンクデータ380を含む。
【0093】
図12a/12b、および図13を参照すると、上で説明されたナビゲーションデータベース20に関する増分的な更新が詳細に説明される。
【0094】
第1のステップ(S10)で、ナビゲーションデバイス10は、通信モジュール22を経由して更新要求30を送信する。更新要求30は、データベース20の現在のナビゲーションデータバージョンに関する情報を含む。この情報は、ナビゲーションデータベースの最後の増分的な更新または完全な更新の日付に関する簡単な情報であってよい。あるいは、この情報は、バージョンツリーの形で、それぞれの個々のRDLタイルバージョンに関するより詳細な情報を含むことも可能である。
【0095】
第2のステップ(S20)で、ナビゲーションサーバ40の処理ユニット44は、通信モジュール46を経由して受信された更新要求30を処理および評価する。この文脈で、処理ユニット44は、要求信号30をリポジトリ42内に記憶されたバージョンデータと比較する。万一に備えて、受信された要求信号30と、リポジトリ42内に記憶されたバージョンデータとの間のバージョン差が決定され、処理ユニットは、どのRDLタイルが更新されなければならないかをさらに決定する。処理ユニット44は、次いで、更新されることになるRDLタイルと関連付けられることになる、更新されたナビゲーションコンテンツをデータリポジトリ42から取り出す。加えて、処理ユニットは、対応する更新された相互リンクデータ36とRDLタイルバージョンデータ38とを取り出して、取り出されたデータをデータパケットに処理する。これらのデータパケットは、次いで、通信モジュール46を経由して、更新信号32として、ナビゲーションデバイス10に送信される。送信された更新信号32は、したがって、少なくとも1つのRDLタイルに関する、更新されたナビゲーションデータ34、少なくとも1つのRDLタイルに関する相互リンクデータ36、および、オプションで、タイルバージョンデータ38(図12bを参照されたい)を含む。
【0096】
本明細書で提示される技法は特定の実施形態に関して説明されているが、本発明は、本明細書で説明され、例示された特定の実施形態に限定されない点を当業者は認識することができる。本開示は単なる例示であることを理解されたい。したがって、本発明は、添付の請求項の範囲だけによって限定されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増分的なデータ更新をサポートするためのナビゲーションデータベースコンテンツを構造化する方法であって、
少なくとも2つのデータレベル(100、120)を提供するステップであって、第1のデータレベル(100)が領域距離道路の道路区分を表す経路リンクと関連付けられる、提供するステップと、
前記第1のデータレベル(100)を局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)に区分化するステップであって、それぞれの局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)が特定の局所的な地理的地域に関連する領域距離道路の道路区分を表す経路リンクと関連付けられる、区分化するステップと、
対応する近接する局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)にわたって広がる領域距離道路の道路区分を表す近接する局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)の経路リンク同士の間に相互リンクを確立するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも2つのデータレベル(100、120)の第2のデータレベル(120)が、遠距離道路区分を表す経路リンクと関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のデータレベル(120)内の前記経路リンクが、前記第1のデータレベル(100)の前記局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)構造から独立して組織化される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記区分化するステップが、
少なくとも2つ以上の局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)にわたって広がる道路区分を表す経路リンクを上方へ別個の経路リンクに分割するステップと、
前記別個の経路リンクに、近接するタイルにわたって広がる領域距離道路の道路区分部分を表すための経路リンクデータを提供するステップと、
経路リンクデータと共に前記別個の経路リンクを前記対応する局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)に割り当てるステップとを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
近接する局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)の経路リンク同士の間に相互リンクを確立するステップが、近接するタイル(200、201、202、203、204、205、206、207)にわたって広がる道路区分を表す経路リンクを特別な経路指定クラスタに組織化するステップと、その中のそれぞれの経路リンクに固定識別子を提供するステップとを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
近接する局所タイルの経路リンク同士の間に相互リンクを提供するステップが、それぞれの局所タイルにタイルノットとタイルノット識別子とを提供するステップと、相互リンクされることになる、近接するタイルの関連する分割された経路リンクを同じ識別子を有する前記近接するタイルのタイルノットに割り当てるステップと、それぞれの局所タイルに前記タイルのノットと分割されたリンクとの間の割当てを表すタイルノット識別子表を提供するステップとを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
それぞれの局所タイル内の道路区分を表す経路リンクを1つまたは複数の経路指定クラスタ(330、350、350)に組織化するステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
それぞれのデータレベル(100、120)にレベルノットとレベルノット識別子とを提供することによって、前記少なくとも2つのデータレベル(100、120)に関連する経路リンク同士の間の相互リンクを提供するステップをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のデータレベル(100)のそれぞれの局所タイルに、前記第2のデータレベル(120)の対応する経路リンクと相互リンクされることになる前記局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)の経路リンクと前記対応するレベルノットとの間の割当てを表す、少なくとも1つの第1の識別子表(380)を提供するステップ、ならびに前記第2のデータレベル(120)に、前記第1のデータレベル(100)の経路リンクと相互リンクされることになる前記第2のデータレベル(120)の前記対応する経路リンクと前記対応するレベルノットとの間の割当てを表す、少なくとも1つの第2の識別子表(381)を提供するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記データベースコンテンツが、基本地図表示データ、目的地入力データ、関心地点(POI)データ、トラフィックメッセージチャネル(TMC)データ、およびさらに拡張されたナビゲーションデータのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ナビゲーションデータベースの前記目的地入力データが、前記少なくとも2つのデータレベル(100、120)に従って組織化され、局所目的地入力(LDE)データが前記第1のデータレベル(100)と関連付けられ、大域目的地入力(GDE)データが前記第2のデータレベル(120)と関連付けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
GDEデータが、遠距離道路、および都市または都市の一部に関する目的地入力指標を含み、LDEデータが、領域距離道路に関する目的地入力指標を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)に従って、領域距離道路に関連する前記目的地入力指標を区分化するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
それぞれの局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)が事前に定義されたサイズを有し、それぞれの局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)に一意タイル識別子がさらに提供される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)の経路指定クラスタ(300、320、330、340、350)が、前記対応するタイル識別子にさらに割り当てられる、請求項5および7のうちの少なくとも一項と組み合わせて、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
それぞれの局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)にタイルバージョンデータがさらに提供される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
ナビゲーションデバイス(10)のナビゲーションデータベース(20)を増分的に更新する方法であって、前記ナビゲーションデータベース(20)が、請求項1から16のいずれか一項に従って構造化されており、前記更新するステップがナビゲーションデータサーバ(40)によって実行され、前記方法が、
前記ナビゲーションデバイス(10)から更新要求(30)を受信するステップと、
前記ナビゲーションデバイス(10)に局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)ベースで更新されたナビゲーションデータ(34)を提供するステップとを含む方法。
【請求項18】
前記更新要求(30)が前記ナビゲーションデータベース(20)内の現在のナビゲーションデータバージョンに関する情報を含み、
前記受信された情報を前記ナビゲーションデータサーバ(40)上で利用可能なナビゲーションデータバージョンと比較するステップと、
前記比較するステップの結果に応じて、前記更新されたナビゲーションデータ(34)を提供するステップとをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記更新されたナビゲーションデータ(34)が、更新されることになる少なくとも1つのタイルに関する更新された経路指定データ、および更新された相互リンクデータ(380)のうちの1つを少なくとも含むことが可能な、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のデータレベル(100)のそれぞれの局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)が、増分的な更新手順の間に、ナビゲーションデータ(380)、相互リンクデータ(360)、および前記対応する局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)に関連するタイルバージョンデータのうちの少なくとも1つを置換することによって個々に更新可能である、請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のデータレベル(100)および第2のデータレベル(120)が互いから独立して更新可能であるか、または前記第2のデータレベル(120)が、前記第2のデータレベル(120)に関連する前記ナビゲーションデータ全体を置換することによって、前記第1のデータレベル(100)と共に更新可能である、請求項17から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
コンピュータプログラム製品がコンピュータデバイス上で実行されるとき、請求項1から21の少なくとも一項に記載の方法を実行するためのプログラムコードを備えたコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
コンピュータ可読記録媒体上に記憶される、請求項22に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項24】
請求項1から16のいずれか一項に従って構造化されたナビゲーションデータベース(20)。
【請求項25】
請求項24に記載の前記ナビゲーションデータベース(20)を含むナビゲーションデバイス(10)。
【請求項26】
ナビゲーションデバイス(10)のナビゲーションデータベース(20)を増分的に更新するためのデータ信号(32)であって、前記ナビゲーションデータベース(20)が、請求項1から16のいずれか一項に従って構造化され、前記データ信号が、
前記第1のデータレベル(100)の少なくとも1つの局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)に関する更新された経路指定データを少なくとも含む、更新されたナビゲーションデータ(34)と、
前記少なくとも1つの更新された局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)と前記ナビゲーションデータベース(20)の前記変更されない状態に留まっているナビゲーションデータとの間の接続性を確実にするために更新されることになる前記少なくとも1つの局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)に関する更新された相互リンクデータ(380)とを含むデータ信号(32)。
【請求項27】
前記更新されたナビゲーションデータ(34)が、目的地入力データ、基本地図表示データ、POIデータ、および前記第1のデータレベル(100)の少なくとも1つの局所タイル(200、201、202、203、204、205、206、207)に関するその他の拡張されたナビゲーションデータのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項26に記載の前記データ信号(32)。
【請求項28】
前記更新された相互リンクデータが、前記第2のデータレベル(120)の経路リンクと相互リンクされることになる前記第1のデータレベル(100)のタイル経路リンクと対応するタイルノットとの間の割当てを少なくとも含む、少なくとも1つの固定識別子表を含む、請求項26または27に記載の前記データ信号(32)。
【請求項29】
更新されたタイルバージョンデータをさらに含む、請求項26から28のいずれか一項に記載の前記データ信号(32)。
【請求項30】
前記第2のデータレベル(120)に関する固定識別子表の形で、更新されたナビゲーションデータと相互リンクデータとをさらに含む、請求項26から29のいずれか一項に記載の前記データ信号(32)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−101119(P2013−101119A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−244404(P2012−244404)
【出願日】平成24年11月6日(2012.11.6)
【出願人】(511007093)エレクトロビット オートモーティブ ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】