説明

ナビゲーションデータベースを構造化するための技法

【課題】ナビゲーションデータを効率的にアドレス指定するためのより柔軟なデータベース構造を提供する。
【解決手段】ナビゲーションデータベースを構造化する技法が提供され、ナビゲーションデータベースは、少なくとも所定の地理的地域に関する経路リンクデータを含む。この技法の方法実装は、所定の地理的地域に関連する経路リンクデータを少なくとも1つの経路指定クラスタに組織化するステップと、少なくとも1つの経路指定クラスタにクラスタ識別子を提供するステップと、クラスタ識別子と共に、少なくとも1つの経路指定クラスタを前記ナビゲーションデータベース内に記憶するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ナビゲーションデータベースに関する。詳細には、本開示は、ナビゲーションデータベース内でデータを構造化する技法に関する。
【背景技術】
【0002】
最新のナビゲーションデバイスは、進行することになる経路、計算された経路の近傍内またはデバイス位置の近傍内の関心地点(POI)、都市、通り、または建物の名称、交通情報などに関する大量の有用な情報および検索オプションをユーザに提供する。ナビゲーションデバイスが提供することになるサービスに応じて、ナビゲーションデバイスは、例えば、経路指定、地図表示、目的地入力、POI、交通情報に関連する大量のナビゲーションデータをそのデータベース内に記憶している。
【0003】
ユーザ入力と記憶されたナビゲーションデータとに基づいて経路を計算するとき、経路指定アルゴリズムは、経路計算のために、かつ計算された経路をナビゲーションデバイス内のメインメモリ内に保持するために使用されているナビゲーションデータベース内のすべての考えられる経路リンクをアドレス指定することが可能でなければならない。したがって、大量の記憶されたナビゲーションデータから特定のナビゲーションデータに対するアクセスを得るために、アドレス指定方式が必要とされる。一般に、使用されるアドレス指定方式は、データベース内のデータ構造化に密に関連する。
【0004】
最新のナビゲーションデータベース(例えば、ナビゲーションデータ標準(Navigation Data Standard)(NDS)記憶フォーマットに準拠するナビゲーションデータベース)は、ナビゲーションデータアドレス指定のために大域タイリング(tiling)方式を使用する。NDSによるデータ構造およびアドレス指定方式が図1および2を参照してより詳細に説明される。
【0005】
図1aに例示されるように、NDSは、経路指定データに関して、16個のデータレベルを提供する(図1aのx軸を参照されたい。最大データレベルはレベル0とラベル付けされ、最低データレベルはレベル15とラベル付けされている)。特定のデータレベルが特定の道路機能クラス(FC)の道路(すなわち、道路に関する国際分類標準によるFC1からFC4の道路)を表す経路指定データに割り当てられている。この文脈で、NDSは、レベル13を、FC0からFC4の道路の経路指定データを含む基本レベルと定義する。したがって、レベル13は、幹線道路から地方の小型道路まで、道路網全体、したがって、最大道路網分解能を含む。図1aにさらに例示されるように、道路網分解能は、レベル番号の減少に伴って連続的に減少する。例えば、データレベル10、9、8、および6は、それぞれ、FC0からFC3の道路、FC0からFC2の道路、(幹線道路だけからなる道路網に対応する)FC0からFC1の道路、およびFC0道路と単に関連付けられる(図1aの十字を参照されたい)。分かり易くするために、NDSによってサポートされるすべてのレベルがデータベース内で利用可能である必要があるとは限らない点に留意されたい。図1aに示される実施形態では、レベル6、8、9、10、および13だけが経路指定データと関連付けられている。
【0006】
それぞれのNDSレベルは、その独自の基本となる大域タイリング構造を有する。タイルは、所定のサイズを有するグローバル座標系内の直角の特定領域区分を表す。それぞれのレベルに関するタイル構造は、図2aを参照して短く議論される大域タイリング方式から導出される。レベル0の場合、地表は、1個のタイルが経度0°線から+180°線の地表(図2のタイル1)をカバーし、1個のタイルが経度0°線から−180°線の地表(図2のタイル2)をカバーする、2個のタイルに区分化される。その後のレベル1に関して、これらの2個のタイルは、それぞれ、4個のタイルに分割される(図2ではタイル2だけに関して示される)。レベル1のそれぞれのタイルは、レベル2に関して、再度、4個のタイルに分割される(斜線範囲を参照されたい)、等々である。この階層的分割方式は、基礎レベルに至るまで、すべてのレベルを通して続く。より詳細には、k=0、1、2、...15であるレベルkの場合、2(2k+1)個のタイルが生成される。レベル0は地表全体をカバーする2個のタイルだけを含むが、基礎レベル13を構造化するために227個のタイルが提供され、この場合、それぞれのタイルは、およそ2.5km×2.5kmの直角の特定領域区分をカバーする。
【0007】
NDSデータレベルのNDS下部構造化は、図1bおよび1cのNDSレベル9に関して例示的に示される。図1bは、都市「ミュンヘン」周辺の局所特定領域区分(楕円形の陰影付き部分を参照されたい)をカバーする4個のタイル201、203、205、207を示す。さらに、経路リンクL1からL8は、次の通り、対応するナビゲーションデータベース(図1cの地理的領域、すなわち、ドイツを含むナビゲーションデータベース)内で組織化された都市道路網のいくつかの道路を表す。タイル201の経路リンクL2、L8(図lbを参照されたい)はタイル識別子T−ID10111を用いたタイルブロック内に記憶され、経路リンクL3、L4、およびL5は、T−ID10112を用いた別のタイルブロック内に記憶され、経路リンクL1はT−ID10113を用いたタイルブロック内に、経路リンクL6、L7はT−ID10114を用いたタイルブロック内に記憶される(NDSは、経路リンクがその開始点を有するタイル内のタイル境界にわたって広がる経路リンクを記憶する点に留意されたい)。同様に、基本地図表示データも基礎となるタイル構造に従って組織化可能である。
【0008】
NDSは、タイル内の個々の経路リンクをアドレス指定するために、大域T−IDを使用する。T−IDの構造は、NDSで使用され、図2aおよび2bで例示される地理座標系の符号化と密に関連する。
【0009】
経度座標および緯度座標(x座標およびy座標)は、それぞれ、32ビット、および31ビットの整数によって表される。したがって、NDS座標単位は、経度および緯度の90/230度に対応する(230のスケーリング係数に留意されたい)。経度および緯度の整数値は、モートンマッピング(Morton mappping)を使用して、単一の整数値にさらにマッピングされる。受信されたモートン符号は、受信された63ビット整数が経度ならびに緯度に関する32ビットおよび31ビットのビットインターリービングを形成することを表す。他方で、地理座標系は、レベルkに関して、2(2k+1))個のタイルに区分化される。レベルk内の所与のタイルのタイル数は、そのタイル内に存在する座標のモートン符号の最上位2k+1ビットから推論可能である。したがって、レベルk内の単一のタイルを一義的にアドレス指定するために、2k+1ビットが必要とされる。その結果、レベル13のタイルをアドレス指定するために、少なくとも27ビットが必要とされる。
【0010】
異なるレベルの異なるタイルをさらに区別するために、追加のアドレス指定ビットが必要とされる。図2bに示されるように、NDS内のそれぞれのT−IDは、レベル番号とタイル番号とからなる。図1a〜1cに示されるレベルとタイル構造とを有するナビゲーションデータベースの場合、任意のレベルのそれぞれのタイルを一義的にアドレス指定するために、32ビットのIDが必要である。さらに、NDSは、それぞれのタイル内で経路リンクをアドレス指定するために、16ビットの経路リンク識別子(L−ID)を示唆する。それぞれの特定のタイル内ですべての考えられる経路リンクをアドレス指定するために、そのようなメモリを消費するL−IDが必要なのは、NDSが高密度の経路リンクを有するタイルと低密度の経路リンクを有するタイルとを区別しないためである(例えば、大都市をカバーするタイルは、多数の経路リンクを含むことが可能であるのに対して、山(例えば、ヒマラヤ)または大洋をカバーするタイルは、少数の経路リンク(例えば、フェリーの接続を表すリンク)を含むか、または無効の場合がある)。要するに、NDSで単一の経路リンクをアドレス指定するために、メモリを消費する48ビットのIDが必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ナビゲーションデータを効率的にアドレス指定するためのより柔軟なデータベース構造を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様によれば、ナビゲーションデータベースを構造化する方法が提供され、ナビゲーションデータベースは少なくとも所定の地理的地域に関する経路リンクデータを含み、この方法は、所定の地理的地域に関連する経路リンクデータを少なくとも1つの経路指定クラスタに組織化するステップと、少なくとも1つの経路指定クラスタにクラスタ識別子を提供するステップと、クラスタ識別子と共に、少なくとも1つの経路指定クラスタをナビゲーションデータベース内に記憶するステップとを含む。
【0013】
「所定の地理的地域」は、地図サプライヤまたはナビゲーションデータサプライヤによって提供される任意の(個々の)地理的地域に対応し得る。所定の地理的地域は、地理的にかつ/または政治的に共に属する、より小さなまたはより大きな地域を含むことが可能である。例えば、(連邦)州、国、国のグループ、および/または単一の大陸、もしくは北米、中東、南欧、西ロシアなど、その一部を意味する場合がある。
【0014】
本明細書で提示される技法は、(背景の項で説明された)NDSの文脈で、あるいは任意のその他の優先権を主張できるナビゲーションデータ標準および/もしくは地図標準、または一般的なナビゲーションデータ標準および/もしくは地図標準の文脈で実施可能である。したがって、本明細書でNDS固有の表現が使用されるとき、それらの表現は、NDSエンティティに限定さると解釈されるべきでなく、任意のその他の標準の対応するエンティティも包含することを理解されよう。
【0015】
この方法は、ナビゲーションデータベースに少なくとも1つの経路指定クラスタをアドレス指定するための少なくとも1つの指標構造を提供するステップをさらに含むことが可能である。この少なくとも1つの指標構造は、指標ツリー(オプションで、Bツリー、B+ツリー)として提供可能である。この少なくとも1つの指標構造は、クラスタ識別子を含むことが可能である。この少なくとも1つの指標構造を経由して、データベースのそれぞれの経路指定クラスタおよび/または経路リンクにアクセスすることが可能である。
【0016】
所定の地理的地域をタイルにさらに区分化することが可能である。タイルは、所定の地理的地域の局所特定領域区分を表すことができる。すなわち、タイルは、ギャップなしに、所定の地理的地域全体をカバーするように設計された、所定のサイズおよび所定の形状の局所特定領域区分(例えば、40km×40kmの矩形領域)を表すことができる。形状およびサイズは、区分化に関して使用されるタイリング方式に依存し得る。NDSと類似のタイリング方式を使用できることが考えられる。
【0017】
別の理解によれば、所定の地理的地域を区分化するために(かつ、所定の地理的地域に関連するナビゲーションデータベースのナビゲーションデータベースを区分化するために)、上記のNDSタイリング方式を使用することが可能である。さらに別に理解によれば、所定の地理的地域を区分化するために(かつ、所定の地理的地域に関連するナビゲーションデータベースのナビゲーションデータを区分化するために)、局所タイル識別子(局所T−ID)を用いた局所タイリング方式を使用することが可能である。
【0018】
所与のタイルに関連する経路リンク(および、オプションで、基本地図表示データ、目的地入力データなど、対応するタイルの他のナビゲーションデータ)を少なくとも1つの経路指定クラスタに組織化することが可能である。すなわち、所定の地理的地域をカバーするそれぞれのタイルに別個の経路指定クラスタを提供することが可能である。
【0019】
経路指定クラスタに関連する少なくとも1つの指標構造をタイル構造から独立して組織化することが可能である。すなわち、指標ツリーは、経路指定クラスタ構造に従って、データベース内のタイリング構造から独立して組織化可能である。少なくとも1つの指標構造は、それを経由してそれぞれのクラスタが参照され得るクラスタ識別子(および、オプションで、経路リンク識別子)(だけを)含むことが可能である。経路指定クラスタに関連する指標構造は、考えられるデータベースタイル構造に関連する考えられる指標構造から独立し得る。
【0020】
したがって、タイルをアドレス指定するための指標構造は、クラスタ(および、経路リンク)をアドレス指定する指標構造から独立し得る。これにより、データベースにタイルアドレス指定および経路リンクアドレス指定(または、その他のナビゲーションデータアドレス指定)のための2つの異なるアドレス指定方式を提供することが可能である。
【0021】
それぞれの経路指定クラスタに自由な数の経路リンクを提供することが可能である。しかし、それぞれの経路指定クラスタに少なくとも1つの経路リンクを提供することも可能である。無効経路リンクを有する経路指定クラスタがデータベース内に存在しない場合がある。それぞれの経路指定クラスタは、メモリブロック内に記憶された自由な数の経路リンクを含むデータベース下部構造を表すことができる。それぞれのクラスタ内の経路リンクをデータ表(すなわち、経路リンク表)に組織化することが可能である。データ表は、関係表であってよい。それとは対照的に、経路リンク(および/またはその他のナビゲーションデータ)を有さない無効タイルが存在する場合がある。タイルのサイズおよび数は、基礎となる所定の地理的地域を区分化するために適用されるタイルリンク方式だけに依存し得る。無効タイルは経路指定クラスタを有さない場合がある。
【0022】
クラスタごとの経路リンクの数は、(所与の)上限閾値を超えなくてよい。上限閾値は、任意の値をとってよい。クラスタごとの経路リンクの考えられる最大数(すなわち、クラスタサイズ)を低く維持するために、小さな閾値を使用することが可能である。
【0023】
記憶される経路指定クラスタの数も自由であってよい。クラスタ数は、組織されることになるデータベースの経路リンクデータの量に依存し得る。クラスタ数は、所定の地理的地域に関する総数または経路リンク密度に依存し得る。オプションで、クラスタ数は、上限閾値により制限される場合がある。タイル区分化の場合、タイルごとに生み出された経路指定クラスタの数は、タイルの経路リンク密度に依存し得る。すなわち、多数の経路リンクを有するタイルは、それに応じて、より少ない数の経路リンクを有するタイルよりもより多くの経路指定クラスタを含むことが可能である。これにより、経路指定クラスタの数は、それぞれのタイル内の経路リンクの数に対して個々に調整可能である。
【0024】
生み出された経路指定クラスタの数は、経路リンク密度に比例し得る。生成されたクラスタは(クラスタサイズが上限閾値によって制限される場合)経路リンクで完全に満たされることが可能であり、生成されたクラスが完全に満たされているときだけ新しいクラスタが生み出されることが考えられる。あるいは、生成されたクラスタは、経路リンクデータで単に部分的に満たされてもよい。
【0025】
この方法は、少なくとも1つの経路指定クラスタに組織化された経路リンクデータを少なくとも1つの新しい経路指定クラスタに再組織化するステップと、その少なくとも1つの新しい経路指定クラスタをデータベース内に記憶するステップとをさらに含むことが可能である。新しい経路指定クラスタにクラスタ識別子をさらに提供することが可能である。経路リンクデータの再組織化は、データベース更新の間に実行可能である。この再組織化は、更新の間にデータベース内に新しく追加された経路リンクデータを新しい経路指定クラスタにおよび/または既存の経路指定クラスタに組織化するステップを含むことが可能である。この再組織するステップは、既存の経路指定クラスタ内の既存の経路リンクを他の既存の(1つもしくは複数の)クラスタ、または新しく生成された(1つもしくは複数の)クラスタに割り当てるステップを含むことも可能である。少なくとも1つの指標構造は、新しいクラスタ構成に対して適切に調整可能である。したがって、この再組織化するステップは、データベース内に効率的な経路リンク組織化を提供することができる。
【0026】
ナビゲーションデータ更新は、データベース全体のナビゲーションデータ更新、または1つもしくは複数のタイルに関連するナビゲーションデータの更新(増分的な更新)を含むことが可能である。「タイル状(tiled)データベース」の場合、単一のタイル更新に基づいて増分的な更新を実行することが可能である。そのような場合、更新されることになるタイルに関連する経路リンクデータおよび経路指定クラスタは、上で説明されたように再組織化可能である。
【0027】
少なくとも1つの経路指定クラスタに識別子(クラスタ識別子)を提供することが可能である。識別子は固定識別子であってよい。固定識別子は、識別子が(増分的な)データベース更新の間に変わらない状態に留まることを意味し得る。新しいクラスタに新しいクラスタ識別子を提供することが可能である。固定識別子は、増分的なデータベース更新の後に、指標構造全体の更新を必要とせずに、経路指定クラスタおよび/または経路リンクがアクセス可能な状態に留まることを確実にできる。
【0028】
少なくとも1つの経路指定クラスタ内のそれぞれの経路リンクにリンク識別子を提供することが可能である。リンク識別子は可変リンク識別子であってよい。リンク識別子は、リンク表内の経路リンクの順序を示すリンク番号に対応し得る。「可変リンク識別子」は、経路リンク順序が、上で説明されたように、経路リンクの再組織化に伴って変更し得ることを意味し得る。
【0029】
経路リンク識別子のサイズ(すなわち、ビット数サイズ)はクラスタ内で組織化可能な経路リンクの最大数を示す上限閾値によって決定可能である。経路リンク識別子のサイズは、クラスタサイズを決定することができる。経路リンクアドレス指定空間を小さく維持するために、上限閾値、および、したがって、経路リンク識別子のビットサイズを小さく維持することができる。すなわち、経路リンク識別子のビット数サイズは、所定の(小さな)値をとることができる。低いビット数の経路リンク識別子は、「タイル状データベース」内で特に有利な場合がある。少数の経路リンクだけを有するタイルの経路リンクは、容易に組織化されて、1つまたは少数のアドレス指定可能な経路指定クラスタ内にアドレス指定されることが可能であるのに対して、多数の経路リンクは、タイルごとの経路指定クラスタの数を単に増大することによって、組織化されて、アドレス指定されることが可能である。したがって、アドレス指定可能な経路指定クラスタの数は、アドレス指定されることになる経路リンク(一般に、ナビゲーションデータ)の量に対して(動的に)調整可能である。
【0030】
クラスタ識別子のビット数サイズは、それぞれの生み出された経路指定クラスタがその割り当てられたクラスタ識別子を経由して個々にアドレス指定され得るように選択可能である。クラスタ識別子のサイズは、経路リンク識別子のサイズに対して調整可能である。経路リンク識別子のビット数サイズが小さい場合、(より多くのクラスタが生成およびアドレス指定されなければならないため)クラスタ識別子のサイズを増大することが可能であり、逆もまた同様である。ナビゲーションデータアドレス指定のために所定のビット数サイズを提供するアドレス指定方式範囲内で、ナビゲーションデータアドレス指定に関する所定のビット数サイズと、(選択された)経路リンク識別子サイズとの間の差からクラスタ識別子を取得することが可能である。
【0031】
ナビゲーションデータベース内のそれぞれの経路リンクは、対応するクラスタ識別子をアドレス指定することによってアクセス可能であり、その場合、経路リンクを組織化することが可能であり、対応する経路リンク識別子。経路指定クラスタおよび/またはそれらのクラスタ内の経路リンクは、対応する指標構造によって直接的にアドレス指定可能である。したがって、
経路指定データは固定タイル構造から独立してアドレス指定可能である。
【0032】
ナビゲーションデータベースは、地図表示データ、目的地入力データ、POIデータ、TMCデータ、およびその他の拡張されたナビゲーションデータのうちの少なくとも1つをさらに含むことが可能である。地図表示データ、目的地入力データ、POIデータ、TMCデータ、およびその他の拡張されたナビゲーションデータのうちの少なくとも1つは、可変ナビゲーションデータクラスタに組織化可能である。拡張されたナビゲーションデータは、例えば、オルソ画像(orthoimage)データ、3Dデータ、音声データ、全文検索データ、デジタル地形モデルデータなどであってよい。
【0033】
やはり提供されるのは、コンピュータプログラム製品がコンピュータデバイス上で実行されるとき、本明細書で説明される構造化技法を実行するためのプログラムコードを備えたコンピュータプログラム製品である。このために、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記録媒体(例えば、メモリカードまたは読出し専用メモリ)上に記憶可能である。
【0034】
やはり提供されるのは、ナビゲーションデータベースであり、このナビゲーションデータベースは少なくとも所定の地理的地域に関する経路リンクデータを含み、所定の地理的地域に関して、ナビゲーションデータベースは、経路リンクデータを組織化するためのクラスタ識別子を有する少なくとも1つの経路指定クラスタを含む。
【0035】
ナビゲーションデータベースは、それを経由して、少なくとも1つの経路指定クラスタおよび/またはその少なくとも1つの経路指定クラスタ内の経路経路リンクがアクセス可能なクラスタ識別子を含む、少なくとも1つの指標構造をさらに含むことが可能である。クラスタ識別子は、(増分的な)(1つまたは複数の)データ更新の間に変更されない状態に留まる固定識別子であってよい。
【0036】
少なくとも1つの経路指定クラスタは、可変数の経路リンクを含む、柔軟な経路指定クラスタであってよい。少なくとも1つの経路指定クラスタ内の経路指定クラスタを(関係)経路リンク表に組織化することが可能である。表内のそれぞれの経路リンクに経路リンク識別子を提供することが可能である。経路リンク識別子は、経路リンク表内の経路リンク順序番号に対応し得る。経路リンク順序は可変であってよい。すなわち、経路リンク順序は(増分的な)更新の後で変更してよい。
【0037】
クラスタサイズは可変であってよい。クラスタサイズは、クラスタ内の組織化された経路リンクの数によって提示され得る。クラスタごとの経路リンクの最大数は上限閾値を超えなくてよい。閾値は、対応するメモリを節約する経路リンク識別子を使用できるように選択可能である。
【0038】
ナビゲーションデータベースをタイルにさらに区分化することが可能である。単一のタイルに関連する経路リンク(および、オプションで、その他のナビゲーションデータ)をクラスタに組織化することが可能である。
【0039】
さらに提供されるのは、上で説明されたナビゲーションデータベースによるナビゲーションデータベースを含むナビゲーションデバイスである。
【0040】
本明細書で説明される本開示のさらなる詳細、利点、および態様は、以下の図面によって提示される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1a】本発明の先行技術によるナビゲーションデータベース構造化を概略的に例示する図である。
【図1b】本発明の先行技術によるナビゲーションデータベース構造化を概略的に例示する図である。
【図1c】本発明の先行技術によるナビゲーションデータベース構造化を概略的に例示する図である。
【図2a】本発明の先行技術によるアドレス指定方式を概略的に例示する図である。
【図2b】本発明の先行技術によるアドレス指定方式を概略的に例示する図である。
【図3】本発明の一実施形態によるナビゲーションデバイスを概略的に例示する図である。
【図4a】本発明の一実施形態によるナビゲーションデータベース構造化を概略的に例示する図である。
【図4b】本発明の一実施形態によるナビゲーションデータベース構造化を概略的に例示する図である。
【図5】本発明の1つの方法実施形態の流れ図である。
【図6a】本発明の一実施形態によるアドレス指定方式を概略的に例示する図である。
【図6b】本発明の一実施形態によるアドレス指定方式を概略的に例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下の説明では、本開示の詳細な理解をもたらす目的で、限定ではなく、説明のために、特定のナビゲーションデータベース構造および特定のシグナリングシナリオなど、特定の詳細が記載される。本明細書で提示される技術は、これらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態の形で実施可能である点は当業者に明らかであろう。例えば、本明細書で説明される方法、ステップ、および機能は、NDSデータベース標準で容易に実施可能である。説明される方法、ステップ、および機能は、データレベル構造、またはレベルに依存する特別なNDSのタイル設計に依存しない点を当業者は容易に認識されよう。説明される方法、ステップ、および機能は、他のナビゲーションデータ標準または地図データ標準の文脈で適用されることも可能である。
【0043】
当業者は、本明細書で説明される方法、ステップ、および機能は、個々のハードウェア回路を使用して、プログラムされたマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと共にソフトウェア機能を使用して、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つもしくは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)および/または1つもしくは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を使用して実施可能であることをさらに理解されよう。本明細書で開示される方法、ステップ、および機能は、プロセッサ内、およびそのプロセッサに結合されたメモリ内で実施可能であり、メモリは、プロセッサによって実行されるとき、本明細書で議論されるステップを実行するためにプロセッサを制御する1つまたは複数のプログラムを記憶することも理解されよう。
【0044】
本開示のある例示的な実施形態の原理が図3から5を参照してより詳細に説明される。
【0045】
図3は、サーバ40と通信中であるナビゲーションデバイス10のある実施形態を示す。ナビゲーションデバイス10は、本開示に従ってナビゲーションデータが構造化されるナビゲーションデータベース20を含む。データベースの構造化、およびナビゲーションデータのアドレス指定が、図4、5、および6を参照して下でより詳細に説明される。デバイス10は、処理ユニット12、位置センサ14、入出力(I/O)モジュール16、メインメモリ18、ならびに通信モジュール22をさらに含む。
【0046】
位置センサ14は、全地球測位システム(GPS)、Galileo、またはその他のシステムなど、測位システムから位置座標を受信するように構成される。I/Oモジュール16は、一方でナビゲーションデバイス10と他方でユーザとの間のインターフェースを表す。計算または検索されたナビゲーション情報の出力(例えば、計算された経路の光出力および/または音響出力)のための光学手段および/または音響手段を含めることが可能である。メインメモリ18は、処理ユニット12によるさらなる処理のために、入力データ、通信モジュール22上で受信されたデータ、および/またはデータベース20からロードされたナビゲーションデータをバッファするように構成される。処理ユニット12は、ナビゲーションデバイス10内に事前に記憶されたプログラムまたは(サブ)ルーチンに従って、通信モジュールから受信されたデータ(例えば、更新データ)、通信モジュールを経由して送信されることになるデータ(例えば、更新要求)、位置センサ14、I/Oモジュール16および/またはナビゲーションデータベース20のデータを調整ならびに処理する(図3の矢印)ように構成される。
【0047】
通信モジュール22は、ナビゲーションサーバ40および/または他のナビゲーションデバイス、ユーザ端末(スマートフォン、PDAなど)など、外部デバイスとの無線通信および/または有線通信をサポートするように構成される。通信モジュールは、UMTSおよびGPRS通信のうちの少なくとも1つをサポートするための少なくとも1つの無線モジュール(図3に図示せず)を含むことが可能である。
【0048】
サーバ40は、ナビゲーションデータをナビゲーションデバイスに提供するように構成される。サーバは、データリポジトリ42、処理ユニット44、ならびに通信モジュール46を含む。
【0049】
データベースリポジトリ42は、個々の州、国、大陸、またはその他の地理的領域に関する少なくとも最新バージョンのナビゲーションデータを記憶するように構成される。リポジトリは、先のバージョンのナビゲーションデータを記憶することも可能である。ナビゲーションデータは、経路指定データ、地図表示データ、目的地入力データ、関心地点(POI)データ、TMCデータ、およびその他の拡張されたナビゲーションデータのうちの少なくとも1つを含むことが可能である。データは、モジュラーの形で記憶可能である。例えば、経路指定データ、目的地入力データ、地図表示データ、POIデータ、TMCデータ、およびその他の拡張されたナビゲーションデータのうちの少なくとも1つをデータクラスタの形でそれぞれ記憶することが可能である。タイル構造化されたナビゲーションデータベースの増分的なデータ更新をサポートするために、クラスタはタイルと関連付けられることが可能であることも考えられる。加えて、リポジトリ42は、ナビゲーションコンテンツバージョンを示すバージョンデータを含むことが可能である。ナビゲーションデータは、単一のナビゲーションデータにアクセスするように構成された指標構造(すなわち、経路リンククラスタ、地図表示クラスタなど)をさらに含むことが可能である。
【0050】
サーバ40は、下で図4に関してより詳細に説明されるように、ナビゲーションデータ構造化を実行するようにさらに構成可能である。このために、サーバは、下で議論されている構造化ステップを実行するために処理ユニット44を制御する(サーバメモリ(図3に図示されず)上に記憶された)少なくとも1つのプログラムを含むことが可能である。処理ユニット44は、通信モジュール46からデータリポジトリ42へのデータトラフィックを制御するようにさらに構成可能であり、逆も同様である。すなわち、通信モジュールは、通信モジュール46を経由してナビゲーションデバイス10から受信された更新要求30に応答して、ナビゲーションデバイスに更新信号を提供するように構成可能である。更新要求に応じて、処理ユニット44は、ナビゲーションデータベース20のデータ構造に従って構造化された、更新されたナビゲーションデータ、ならびに更新された指標データを含む更新信号32を提供することが可能である。更新信号32は、データクラスタの形でナビゲーションデータを含むことが可能である。一実施形態によれば、データクラスタを個々のタイルと関連付けることが可能である。データ信号は、ナビゲーションデータベース20の完全な更新、または(すなわち、単一のタイルに基づく)増分的な更新を含むことが可能である。
【0051】
図4から6を参照すると、少なくとも所定の地理的地域に関する経路リンクデータを含むナビゲーションデータベース20の構造化およびアドレス指定がより詳細に説明される。上で既に要点を述べたように、ナビゲーションデータ構造化は、図3のサーバ40など、ナビゲーションデータサプライヤによって実行されることが考えられる。ナビゲーションデバイスが対応する事前に記憶されたプログラムを含むとき、ナビゲーションデータ構造化はナビゲーションデバイス10によって実行されることも可能である。
【0052】
図4aおよび4bは、本開示の一実施形態によるデータベース構造化の概略図を表す。分かり易くするために、図4aは、より大きな所定の地域に関連するナビゲーションデータベースコンテンツの部分の経路リンクデータだけを表す。比較のために、図2aと同じミュンヘン周辺の地理的地域(および、したがって、同じ経路リンクデータ)が例示される。地理的地域部分はタイルに区分化される。この文脈で、NDSで使用される大域タイリング方式に類似した局所タイリング方式または大域タイリング方式を使用することが可能である。しかし、本開示は、データベースコンテンツによって表される所定地域のタイリングに関する詳細に依存しない。
【0053】
データベース構造およびデータベース構造化が図4bおよび5を参照して説明される。
【0054】
第1のステップで、所定の地理的地域のそれぞれのタイルの経路リンクデータは少なくとも1つの経路指定クラスタに組織化される。さらに、それぞれの経路指定クラスタに一意クラスタ識別子が提供される。例えば、図4bに示されるように、タイル203の経路リンクL2b、L4、L3、L5、L6aは対応するクラスタ識別子(C−ID)C−ID100およびC−ID101を有する、2つの独立した経路リンククラスタに組織化される。図4bに提示されるC−ID値が単なる例示的な値であることは明らかである。クラスタ識別子は、通常、所定のビット値によって与えられ、下でより詳細に議論される。同じように、経路リンクL1b、L2、およびL8は、C−ID102および103を有する、2つの独立したクラスタに組織化される。図4bに図示されないが、タイル205、207に関連する経路リンクも、少なくとも1つの経路指定クラスタにそれぞれ組織化される。その結果、経路指定クラスタは、一意識別子に関連するデータベース20のデータベース下部構造を表す。さらなるステップで、生成された経路指定クラスタ、および対応する提供されたクラスタ識別子はナビゲーションデータベース20内に記憶される。
【0055】
ナビゲーションデータベースは、クラスタ識別子を含む、少なくとも1つの指標構造をさらに含む。この少なくとも1つの指標構造は、経路指定クラスタおよび/またはそれらの経路指定クラスタの経路リンクに(直接)アクセスを提供するように構成される。例えば、クラスタおよび/または経路リンクがどの葉ノードが経路指定クラスタIDを含むかを参照するために、Bツリーを使用することが可能である。指標構造は、経路指定データから(かつ、オプションで、その他のナビゲーションデータから)切り離して記憶可能である。
【0056】
ナビゲーションデータベース20は、基本地図表示データと、目的地入力データと、POIデータとをさらに含む。例示的な実施形態では、基本地図表示データおよび目的地入力データも(それぞれのタイルに関して)データクラスタに組織化される。例えば、タイル203は、地図表示クラスタ305と、地図表示データ、ならびに次に有効な特性(NVC)データ、および指定されたオブジェクトデータを含む目的地入力データクラスタとをそれぞれ含む。したがって、図4aで、区分化された部分M1、M2、M3、M4によって概略的に例示されるように、経路指定データ、基本地図表示データ、および目的地入力データはそれぞれのタイルに関して別個に少なくとも1つのデータクラスタに組織化される。
【0057】
当然、基礎となるタイリング方式から独立して、経路リンクデータ、目的地入力データ、および/または基本地図表示データをクラスタに組織化することも可能である。例えば、いくつかのタイルの経路リンクを単一の経路指定クラスタに組織化することが可能である。さらに、基礎となるタイリング方式から独立して、POIデータをPOIクラスタに組織化することが可能である。所定の地理的地域に関連するPOIデータは、POIクラスに従って組織化可能である。例えば、レストランを示すPOIデータを少なくとも1つのPOIクラスタに組織化することが可能であり、薬局を示すPOIデータを少なくとも1つの他のPOIクラスタ内に記憶することが可能である。記憶された経路指定クラスタ(および、その他のナビゲーションデータクラスタ)は、対応する指標構造を経由して(ナビゲーションアプリケーションによって)直接アクセスされ得るアドレス指定可能データ下部構造を表す。
【0058】
基礎となるタイル構造は、ナビゲーションデータアドレス指定方式およびアクセスに影響を及ぼさない。タイル構造は、ナビゲーションデータベース20内で増分的な更新(すなわち、単一のタイルベースのナビゲーションデータの置換または更新)をサポートするためだけに使用可能である。
【0059】
図6を参照すると、経路指定クラスタの構造、およびそれに関連して、経路リンクに関するアドレス指定方式が議論される。以下の説明では、ナビゲーションデータベース20は増分的な更新をサポートするためのタイル構造を有すると仮定されることになる。
【0060】
図6は、ナビゲーションデータベース20の2つの例示的なタイル301、302、ならびに両方のタイル301、302に関連する道路網を表す経路リンクを示す。タイル301内の経路リンクは3つの経路指定クラスタ61、62、63にさらに組織化され、経路指定クラスタはクラスタ識別子(C−ID)110、111、112と関連付けられている。詳細には、クラスタ61は経路リンク1a、1bを含み、クラスタ62は経路リンク2aおよび2bを含み、クラスタ63は経路リンク3aおよび3bを含む。類似の形で、タイル302のクラスタ64は、経路リンク4a〜4eを含む。両方のタイル301、302に関連する経路リンクおよび/または経路指定クラスタは柔軟に組織化される。タイル302は単一の経路指定クラスタに容易に組織化され得る、少数の経路リンクだけを含むが、タイル301は3つの経路指定クラスタに組織化された多数の経路リンクを含む。この例は、本開示による柔軟な経路リンククラスタリングの原理を説明するためだけに使用されることは明らかである。クラスタの数およびクラスタごとの経路リンクの数は、それぞれ、タイルごと、およびクラスタごとに異なってよい。
【0061】
組織化は、経路リンク組織化方式に従って実行可能である。例えば、タイル境界を横断する道路または道路部分を表す経路リンクは単一のクラスタにクラスタリングされることが考えられる。特定の道路機能クラスの経路リンクはクラスタ内に記憶されることも可能であり得る。その組織化の詳細にかかわらず、それぞれの経路リンククラスタにC−IDが提供され、クラスタ内のそれぞれの経路リンクに経路リンク識別子(L−ID)がさらに提供される。L−IDは、例えば、クラスタ内の経路リンクの位置番号であってよい。したがって、それぞれの経路リンクは、その経路が属するクラスタのC−IDと、対応するL−IDとによってアドレス指定可能である。例えば、経路指定クラスタをアドレス指定するために、24ビットC−IDを使用することが可能であり、それぞれのクラスタ内の経路リンクをアドレス指定するために、8ビットL−IDを使用することが可能である。そのような場合、ナビゲーションデータベース内の考えられるクラスタをアドレス指定するために十分高い数である224個のクラスタ識別子が利用可能であり得る。さらに、それぞれの経路指定クラスタ内で2個の経路リンクをアドレス指定することが可能である。要するに、経路リンクアドレス指定のために、柔軟性のない大域タイリング方式を使用したNDSの場合のように48ビットではなく、24ビット+8ビットだけが必要とされる。当然、C−IDおよび/またはL−IDは、データベースのデータ量に応じて、他のビット値をとることができる。しかし、経路指定クラスタは経路リンク組織化に関してだけ生成され、クラスタの数は(提供されるL−IDのサイズによって決定される)クラスタサイズに比例してスケーリングするため、クラスタの数、および、したがって、クラスタ識別子のサイズを小さく維持することが可能であり、結果として、より効率的なナビゲーションデータアドレス指定が可能である。
【0062】
図6bは、(増分的な)更新の後のタイル301および302を示す。示されるように、両方のタイル301、302内に新しい経路リンク(1d、5a〜5c)が追加されている。柔軟なクラスタリング方式によれば、新しい道路を(タイル302に関して示されるように)新しいクラスタ65に組織化すること、または既存のクラスタ(クラスタ61、63)に追加することが可能である。それに応じて、クラスタ61を再組織化することが可能であり、クラスタの経路リンク1a〜1cに新しいL−IDを提供することが可能である。さらに、道路構成の変更により、(適切な場合)既存の経路指定クラスタを修正することが可能である。例えば、再組織化プロセスの間、クラスタ62は削除されており、クラスタ62の既存の経路リンク2aおよび2bが既存のクラスタ61および63に追加されている(それぞれ、リンク1cおよび3c)。したがって、それぞれのタイルに関して、経路リンク密度および/または経路リンク属性に応じて、クラスタは、動的に生成、再組織化、および/または削除される。
【0063】
そのような柔軟な経路リンクおよびクラスタ組織化の利点は、クラスタの数を小さく維持することが可能なことである。したがって、柔軟でないアドレス指定方式に関するクラスタ識別子のサイズもより小さな大きさにできる。したがって、ナビゲーションデータをアドレス指定するために、メモリの消費量がより少ないアドレス指定方式が提供される。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーションデータベース(20)を構造化する方法であって、前記ナビゲーションデータベース(20)が少なくとも所定の地理的地域に関する経路リンクデータを含み、前記方法が、
前記所定の地理的地域に関連する経路リンクデータを少なくとも1つの経路指定クラスタに組織化するステップと、
前記少なくとも1つの経路指定クラスタにクラスタ(61、62、63、64)識別子を提供するステップと、
前記クラスタ識別子と共に、前記少なくとも1つの経路指定クラスタ(61、62、63、64)を前記ナビゲーションデータベース(20)内に記憶するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記ナビゲーションデータベース(20)に前記少なくとも1つの経路指定クラスタ(61、62、63、64)をアドレス指定するための少なくとも1つの指標構造を提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の地理的地域がタイル(301、302)にさらに区分化され、前記組織化するステップが、それぞれのタイルに関して、前記タイル(301、302)に関連する経路リンクデータを少なくとも1つの経路指定クラスタ(61、62、63、64)に組織化するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記経路指定クラスタ(61、62、63、64)に関連する前記少なくとも1つの指標構造が前記タイル構造から独立して組織化される、請求項3と組み合わせて、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
それぞれの経路指定クラスタ(61、62、63、64)に少なくとも1つの経路リンクが提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの経路指定クラスタ(61、62、63、64)内で組織化される経路リンクの数が上限閾値を超えない、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
経路指定クラスタ(61、62、63、64)の数が経路リンク密度に依存する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの経路指定クラスタ(61、62、63、64)に組織化される経路リンクデータを少なくとも1つの新しい経路指定クラスタに再組織化するステップと、
前記少なくとも1つの新しい経路指定クラスタを前記データベース(20)内に記憶するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの新しい経路指定クラスタ(61、62、63、64)にクラスタ識別子が提供される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの経路指定クラスタ(61、62、63、64)内のそれぞれの経路リンクに経路リンク識別子が提供される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記経路リンク識別子のサイズがクラスタ内で組織化可能な経路リンクの最大数を示す前記上限閾値によって決定される、請求項6と組み合わせて、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ナビゲーションデータベースが、地図表示データ、目的地入力データ、POIデータ、TMCデータ、およびその他の拡張されたナビゲーションデータのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
地図表示データ、目的地入力データ、POIデータ、TMCデータ、およびその他の拡張されたナビゲーションデータのうちの前記少なくとも1つが可変ナビゲーションデータクラスタに組織化される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から13の少なくとも1つに記載の方法を実行するためのプログラムコードを備えたコンピュータプログラム製品であって、コンピュータデバイス上で実行されるコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
コンピュータ可読媒上に記憶される、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
少なくとも所定の地理的地域に関する経路リンクデータを含むナビゲーションデータベース(20)であって、前記所定の地理的地域に関して、前記ナビゲーションデータベース(20)が、前記経路リンクデータを組織化するためのクラスタ識別子を有する少なくとも1つの経路指定クラスタ(61、62、63、64)を含む、ナビゲーションデータベース(20)。
【請求項17】
前記ナビゲーションデータベース(20)が、それを経由して、前記少なくとも1つの経路指定クラスタ(61、62、63、64)がアクセス可能な、少なくとも1つの指標構造をさらに含む、請求項16に記載のナビゲーションデータベース(20)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの経路指定クラスタ(61、62、63、64)が可変数の経路リンクを含む、柔軟な経路指定クラスタである、請求項16または17に記載のナビゲーションデータベース(20)。
【請求項19】
前記クラスタ識別子が固定識別子である、請求項16に記載のナビゲーションデータベース(20)。
【請求項20】
請求項16から18に記載のナビゲーションデータベース(20)を含むナビゲーションデバイス(10)。


【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−101120(P2013−101120A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−244408(P2012−244408)
【出願日】平成24年11月6日(2012.11.6)
【出願人】(511007093)エレクトロビット オートモーティブ ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】