説明

ナビゲーション装置

【課題】本発明はナビゲーション装置に関するもので、使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、本体ケース1と、この本体ケース1に設けられた表示部2、およびスピーカ3と、これらの表示部2、およびスピーカ3に接続された制御部9と、この制御部9に接続された現在位置検出部13および気象情報受信部11とを備え、前記制御部9には、前記気象情報受信部11で受信した気象情報から、現在位置における気象変化予測を行う気象解析予測部12を接続し、この気象解析予測部12で天候悪化が予測された場合には、前記表示部2とスピーカ3の少なくとも一方で、避難地を報知する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、船舶用や、登山用や車両用等としても活用することが出来るナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば車両用として実用化されているナビゲーション装置は、本体ケースと、この本体ケースに設けられた表示部、およびスピーカと、これらの表示部、およびスピーカに接続された制御部と、この制御部に接続された現在位置検出部とを備えた構成となっており、表示部には、現在位置と、目的地までの推奨ルートが表示されるようになっている。
すなわち、表示部に表示された推奨ルートにしたがって運転をすれば、目的地まで簡単に到達することが出来るので、運転者からは好評を博している。
【0003】
近年、前記ナビゲーション装置で、目的地までの気象情報を入手することにより、より快適な運転が出来るようにすることが提案されている。
すなわち、前記制御部に気象情報受信部を接続し、目的地までの気象情報を加味した推奨ルートを表示部に表示させ、例えば大雨が予想される地域を迂回するルートを推奨ルートとして表示させるようにしているのである(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−148061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記ナビゲーション装置では、表示部に、例えば大雨が予想される地域を迂回するルートを、推奨ルートとして表示させるようにしているので、その推奨ルートを選択すれば、運転者は大雨を避け、より快適な運転を行うことが出来るものと考える。
【0006】
しかしながら、前記推奨ルートは、運転開始前に設定されたものであり、その地域の天候が急激に悪化する時でも、既にこの推奨ルートにしたがって運転を行っている時には、期待に反しての雨中運転を強いられることになり、不満感が高まる、つまり使い勝手が悪いものと感じることにもなる。
そこで、本発明は、使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けられた表示部、およびスピーカと、これらの表示部、およびスピーカに接続された制御部と、この制御部に接続された現在位置検出部および気象情報受信部とを備え、前記制御部には、前記気象情報受信部で受信した気象情報から、現在位置における気象変化予測を行う気象解析予測部を接続し、この気象解析予測部で天候悪化が予測された場合には、前記表示部とスピーカの少なくとも一方で、避難地を報知する構成とし、これによって初期の目的を達成しようとするものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のごとく本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けられた表示部、およびスピーカと、これらの表示部、およびスピーカに接続された制御部と、この制御部に接続された現在位置検出部および気象情報受信部とを備え、前記制御部には、前記気象情報受信部
で受信した気象情報から、現在位置における気象変化予測を行う気象解析予測部を接続し、この気象解析予測部で天候悪化が予測された場合には、前記表示部とスピーカの少なくとも一方で、避難地を報知する構成としたものであるので、使い勝手の良いものとなる。
【0009】
すなわち、本発明においては、前記制御部に接続した気象解析予測部により、現在位置における天候悪化が予測された場合には、前記表示部とスピーカの少なくとも一方で、警告するとともに、避難地を報知する構成としたものであるので、事前に避難地に向かい、その結果として、急激な天候悪化対応を強いられることが少なくなり、使い勝手の良いものとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるナビゲーション装置の斜視図
【図2】同制御ブロック図
【図3】同表示部の表示内容を示す正面図
【図4】同表示部の表示内容を示す正面図
【図5】同表示部の表示内容を示す正面図
【図6】同表示部の表示内容を示す正面図
【図7】同表示部の表示内容を示す正面図
【図8】同動作フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を、船舶用のナビゲーション装置に適用したものを、添付図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1において、1は矩形箱状の本体ケースで、この本体ケース1の前面には矩形の表示部2が設けられている。
また、本体ケース1の前面で、表示部2の側方には、スピーカ3と、電源ランプ4と、電源スイッチ5が設けられている。
さらに、本体ケース1の裏面側からは、電源コード6、通信ケーブル7、GPS受信ケーブル8が引き出されている。
【0012】
つまり、電源コード6を介して本体ケース1の各部に電源が供給され、また通信ケーブル7を介して気象情報が受信され、さらにGPS受信ケーブル8を介して現在位置情報が受信されるようになっている。
図2は制御ブロック図を示しており、制御部9には、前記表示部2とスピーカ3が表示管理部10を介して接続されている。
また、この制御部9には、通信ケーブル7が、気象情報受信部11と、気象解析予測部12を介して接続されている。
【0013】
さらに、GPS受信ケーブル8は現在位置検出部13を介して制御部9に接続されているが、前記現在位置検出部13は前記気象解析予測部12にも接続された状態となっている。なお、この図2の14は地図データベースであり、この地図データベース14も制御部9に接続されている。
【0014】
また、この図2の15は操作入力部であり、周知のごとく、表示部2に表出させる表示内容を指で押せば、その表示内容の入力が制御部9に行われるようになっている。
以下、図3〜図8を用いて、動作説明を行う。
図3は、例えば海で魚つりをするために目的地(ポイント)まで、船を進めた状態を示している。
この時には、表示部2には、船マーク16で、現在位置と、その進行方向が表示され、ま
た船マーク14を中心とした地図情報が表示されている。
【0015】
なお、この図3の状態では、船は、既に魚釣りをする目的地(ポイント)に到着した状態を示しているので、船マーク16の前方には推奨ルートは表示されていないが、船マーク16の後方には破線で、進行してきた航跡17が破線で表示されている。
ここまでの状態は、制御部9では図8に示した動作フローチャートのS1〜S7にて実行されている。
【0016】
なお、この図8においては、目的地(ポイント)設定を割愛しているが、この目的地(ポイント)設定は周知のごとく、表示部2の操作入力部(図2の15)により、緯度や経度を入力することにより行われ、その状態で案内開始を、操作入力部15により入力する。
【0017】
図8のS1は船の進行により、現在位置を更新し、S2により案内中か否かを確認し、S3により目的地(ポイント)までの方位、距離を更新し、S4により地図表示画面も更新している。
本実施形態で特徴的なのは、この図3のごとく、表示部2で目的地(ポイント)案内を行っている時にでも、図8のS5〜S7が行われていることである。
すなわち、図8のS5では、気象情報を更新している。
【0018】
これは、前記通信ケーブル7に、例えば無線機(図示せず)や携帯電話(図示せず)を接続することで、気象情報を気象情報受信部11で受信し、刻々と更新状態としているのである。
そして、S6では、この様に刻々と更新される気象情報から、気象解析予測部12により天候悪化を予測するようにしている。
【0019】
この気象解析予測部12による天候悪化予測を行うためには、現在位置検出部13で検出した現在位置情報が必要で、現在の位置で魚釣りをしている状態で、悪天候に遭遇しないかの判定を、この気象解析予測部12が判定する(S7)。
この気象解析予測部12により、悪天候化判定が無いと判定されて時には、図8のS1に戻るルーチンが繰り返される。
【0020】
ところが、S7において、気象解析予測部12により、現在地において、例えば1時間後に天候が悪化すると判定されると、図8のS8において荒天アラーム開始が行われる。
具体的には、図2の制御部9は、表示管理部10を介して図1のスピーカ3から「天候悪化注意」という音声警告を発する。
この音声警告を聞いた使用者は、魚釣りを一時中断し、表示部2を見ると、そこには図4のような警告情報18が表示されている。
【0021】
また、この図4の表示部2内の荒天マーク19、及び右隣の文字情報20を見ると、風雨が激しくなる旨の表示がなされているので、使用者は次に詳細情報を確認すべく操作キー21を押すことになる。
【0022】
すると、表示部2の表示内容は図5の状態へと切り替わり、発達した雨雲が急速に接近してくる状態を天気図や雨雲レーダー図等の図形情報22と、その右隣の文字情報23で確認することが出来る(図8のS9)。
このような警告情報18を確認した使用者は、避難をするために、図5の操作キー24を押すことになる。
この操作キー24は避難地を検索するためのものであって、この操作キー24が押されれば表示部2の表示内容は図6の状態へと切り替わる。
この図6に示すように、避難地としては複数の避難地が表示されるとともに、その内のど
れが推薦地かの表示もなされる(図8のS10)。
具体的には、文字情報25は出発した港と、そこまでの距離も表示されている。
また、文字情報26には近隣の港と、そこまでの距離が表示されている。
さらに、文字情報26の左隣には、二重丸表示27が推薦地を表示するものとして表出している。
【0023】
つまり、この実施形態では、1時間後の天候悪化を知らせているので、出発した港までの距離が例えば20キロメータもあれば、船で、その出発港まで1時間で戻るのは難しく、それなら近隣の港に避難した方が好ましいと判断し、二重丸表示27が推薦地として表示されているのである。
使用者が、推薦地である近隣の港に避難しようと決断すると、文字情報26を押すことになる。
すると、表示部2の表示は図7の状態へと切り替わることになる(図8のS11)。
【0024】
図7では、表示部2に、現在地の船マーク16と、避難地の港28と、そこへの避難ルート表示29と、この避難地の港28までの方位と距離を表示した文字情報30が表示されている。
【0025】
つまりこの時には、避難地までの距離が5.2キロメートルとなっているので、これであれば船でも、1時間以内に、十分に避難が完了できることになるのである。
【0026】
以上のごとく、本実施形態によれば、前記制御部9に接続した気象解析予測部12により、現在位置における天候悪化が予測された場合には、前記表示部2とスピーカ3の少なくとも一方で、警告するとともに、避難地を報知する構成としたものであるので、事前に避難地に向かい、急激な天候悪化対応を強いられることが少なくなり、使い勝手の良いものとなるのである。
【0027】
なお、この実施形態では、船舶で利用する場合を説明したが、例えば登山の時にも、前記制御部9に接続した気象解析予測部12により、現在位置における天候悪化が予測された場合には、前記表示部2とスピーカ3の少なくとも一方で警告するとともに、避難地を報知する構成とすれば、事前に避難地に向かい、急激な天候悪化対応を強いられることが少なくなり、使い勝手の良いものとなるのである。
【0028】
つまり、山登りの場合には、避難地までの距離が単に近いと言うことよりも、そこが現在地よりの上にあるのか、下にあるのか、より安全なルートはどれなのか、と言うことも必要条件になることがあり、それらを考慮して避難地を推奨されれば、使用者にとって極めて使い勝手の良いものとなるのである。
もちろん車両用として活用する場合でも、事前の大雨情報が判れば、近くのドライブインに退避することにも活用できる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のごとく本発明は、本体ケースと、この本体ケースに設けられた表示部、およびスピーカと、これらの表示部、およびスピーカに接続された制御部と、この制御部に接続された現在位置検出部および気象情報受信部とを備え、前記制御部には、前記気象情報受信部で受信した気象情報から、現在位置における気象変化予測を行う気象解析予測部を接続し、この気象解析予測部で天候悪化が予測された場合には、前記表示部とスピーカの少なくとも一方で、避難地を報知する構成としたものであるので、使い勝手の良いものとなる。
【0030】
すなわち、本発明においては、前記制御部に接続した気象解析予測部により、現在位置における天候悪化が予測された場合には、前記表示部とスピーカの少なくとも一方で、警告
するとともに、避難地を報知する構成としたものであるので、事前に避難地に向かい、急激な天候悪化対応を強いられることが少なくなり、使い勝手の良いものとなる。
したがって、船舶用、山登り用、車両用のナビゲーション装置として、広く活用が期待される。
【符号の説明】
【0031】
1 本体ケース
2 表示部
3 スピーカ
4 電源ランプ
5 電源スイッチ
6 電源コード
7 通信ケーブル
8 GPS受信ケーブル
9 制御部
10 表示管理部
11 気象情報受信部
12 気象解析予測部
13 現在位置検出部
14 地図データベース
15 操作入力部
16 船マーク
17 航跡
18 警告情報
19 荒天マーク
20 文字情報
21 操作キー
22 図形情報
23 文字情報
24 操作キー
25 文字情報
26 文字情報
27 二重丸表示
28 港
29 避難ルート表示
30 文字情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、この本体ケースに設けられた表示部、およびスピーカと、これらの表示部、およびスピーカに接続された制御部と、この制御部に接続された現在位置検出部および気象情報受信部とを備え、前記制御部には、前記気象情報受信部で受信した気象情報から、現在位置における気象変化予測を行う気象解析予測部を接続し、この気象解析予測部で天候悪化が予測された場合には、前記表示部とスピーカの少なくとも一方で、避難地を報知する構成としたナビゲーション装置。
【請求項2】
気象解析予測部で天候悪化が予測された場合には、スピーカで警告後、表示部には避難地を表示させる構成とした請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
表示部には複数の避難地を表示させるとともに、これら複数の避難地のうちの推薦地を表示する構成とした請求項2に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−196918(P2011−196918A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66058(P2010−66058)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】