説明

ネコにおける腎障害の長期処置のためのメロキシカムの使用

本発明は、ネコにおける腎疾患を処置するための、NSAIDまたはその薬理学的に許容されうる塩ならびに1種以上の添加剤を含有する製剤に関する。血清クレアチニン濃度は、NSAIDでの処置後、時間とともに、未処置のネコと比べて、より少なく増加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ネコにおける腎疾患を処置するためのメロキシカムの長期使用に向けられる。
【0002】
発明の背景
慢性腎疾患(CKD)、および骨関節症(OA)などの慢性筋骨格系疾患は、老齢のネコによく見られ、多くの場合に共存する。これらの症状は、ネコの生活の質に影響し、多くの場合に処置を必要とする。メロキシカムは、オキシカムファミリーのCOX2優先的NSAIDである。メロキシカムは、現在のところネコにおける長期使用が認可されている唯一のNSAID分子である。しかしながら、腎機能障害はNSAIDのデータシートに禁忌または警告として挙げられている。慢性腎疾患は、ネコにおいて非常によく見られる。ネコにおける腎疾患の有病率は、年齢と共に増加すると見なされる。
【0003】
メロキシカムは、2007年にネコにおける長期使用について、1日目に0.1mg/kg、続いて0.05mg/kgという経口用量で認可された。しかしながら、慢性腎疾患を処置するためのネコの長期処置にメロキシカムの使用が適することを示す先行技術はない。骨関節症を患うネコを0.01〜0.03mg/kgの間の濃度範囲のメロキシカムで処置できることが、Gunewによって報告されている(Gunew et al., Long-term safety, efficacy and palatability of oral meloxicam at 0.01 - 0.03 mg/ kg for treatment of osteoarthritic pain in cats. Journal of Feline Medicine and Surgery 2008, 10, 235-241)。治験は、5.8ヶ月の平均処置期間後に完了した。しかしながら、この試験は、比較可能なプラセボ製品も、客観的有効性の尺度も含まず、主観的有効性の測定だけを含む。
【0004】
Gunewは、さらに、メロキシカムで処置後のネコのクレアチニン値を検討した。Clarke & Bennettによって行われた短期(23日間)概念研究から、また、骨関節症を処置するために、0.05mg/ネコのメロキシカムの1日投薬量を用いることができることが示された(Clarke & Bennett, Feline osteoarthritis: a prospective study of 28 cases. Journal of Small Animal Practice 2006, 47, 439-445)。この研究は、長期間にわたるメロキシカム処置の徹底的な研究および評価を含まない。
【0005】
したがって、ネコ、特に高齢ネコにおける腎疾患の長期処置を開発することが、本発明の目的である。
【0006】
発明の説明
驚くべきことに、非限定的なメロキシカムなどの非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)が、ネコ、特に高齢ネコにおける腎疾患の長期処置に使用されうることが見出された。
【0007】
本発明によると、ネコにおける腎疾患の長期処置のための薬学的活性物質は、NSAIDである。好ましくは、NSAIDは、以下の分類の活性物質である:プロピオン酸誘導体、酢酸誘導体、フェナム酸誘導体、ビフェニルカルボン酸誘導体、オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、メチルスルホニルまたはアミノスルホニル置換基を有するジアリール複素環類、および酸スルホンアミド類。
【0008】
以下の活性物質がプロピオン酸誘導体の例として挙げられるが、もっともこの列挙がこの分類の活性物質を限定するものと見なすべきではない:イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸およびフルプロフェン、またはその薬学的に許容されうる塩。
【0009】
酢酸誘導体の例には、以下の活性物質が挙げられるが、もっともこの列挙がこの分類の活性物質の限定となるわけではない:インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラック、ナブメトン、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、アルクロフェナク、ブロムフェナク、イブフェナク、アセクロフェナク、アセメタシン、フェンチアザク、クリンダナク、エトドラクおよびオキシピナク(oxpinac)、またはその薬学的に許容されうる塩。
【0010】
以下の活性物質がフェナム酸誘導体の例として挙げられるが、もっともこの列挙がこの分類の活性物質の限定となるわけではない:メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミン酸(nifluminic acid)およびトルフェナム酸、またはその薬学的に許容されうる塩。
【0011】
ビフェニルカルボン酸誘導体の例には以下の活性物質が挙げられるが、もっともこの列挙がこの分類の活性物質の限定となるわけではない:ジフルニサルおよびフルフェニサル、またはその薬学的に許容されうる塩。
【0012】
以下は、メロキシカム、ピロキシカム、ロルノキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、イソキシカム、好ましくはメロキシカム、またはその薬学的に許容されうる塩などのオキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤の例であるが、もっともこの列挙がこの分類の活性物質の限定となるわけではない。
【0013】
ニメスリドは、酸スルホンアミドの例として挙げられるが、この分類の活性物質の限定となるべきではない。
【0014】
本発明により特に好ましいのは、活性物質として、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカムおよびメロキシカム、またはその薬学的に許容されうる塩などの酸エノールカルボキサミド/オキシカムを含有するものであり、特に好ましいのはメロキシカムである。
【0015】
したがって、本発明は、ネコにおける慢性腎疾患の処置に使用するための、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)またはその薬理学的に許容されうる塩を提供する。好ましくは、本発明は、ネコにおける慢性腎疾患の処置のための、オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤などのNSAID(好ましくはメロキシカム)またはその薬学的に許容されうる塩を提供する。さらに、ネコにおける腎疾患、好ましくは慢性腎疾患の処置のための獣医学的組成物を調製するための、オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤(好ましくはメロキシカム)またはその薬学的に許容されうる塩などの、非ステロイド系抗炎症薬またはその薬理学的に許容されうる塩の使用を提供する。NSAIDには、非限定的にオキシカム型化合物(好ましくはメロキシカム)またはその薬理学的な塩が挙げられる。本発明によると、薬理学的に許容されうるメロキシカム塩は、好ましくはメグルミン、カリウムまたはアンモニウム塩、なおより好ましくはメロキシカムメグルミン塩を含む。
【0016】
オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤などのNSAID(好ましくはメロキシカム)またはその薬学的に許容されうる塩を含む組成物を用いた処置は、ネコにおける腎疾患の長期処置である。腎疾患は、好ましくは慢性である。この処置は、血清クレアチニンのレベルを測定することによってモニターできる腎機能を改善する。CKDを有するネコのクレアチニンレベルが上昇する。これらのクレアチニンレベルは、該NSAIDの処置後に時間と共に増加が小さくなる。表1に示されるようなCKDのIRIS 2006ステージングは、上昇した血漿中クレアチニン濃度を定義および分類する。オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤などのNSAID(好ましくはメロキシカム)またはその薬学的に許容されうる塩を含むそのような組成物を用いた処置は、老齢ネコにおける既存の腎機能不全/腎疾患を促進せず、腎疾患も発症させるのではなく、実際には腎疾患を有するネコにおける上昇したクレアチニン値を減少させる。
【0017】
処置の間に、血漿クレアチン値を測定することによって、改善した腎機能が観察され、それがクレアチニン値の推移遅延を招き、したがって腎機能の悪化を遅延させる。一般に、そして表1に記載するように、140μmol/L未満の血漿クレアチニン値を有するネコは、いくつかの腎異常を有し、140〜249μmol/Lの血漿クレアチニン値を有するネコは、軽度の臨床徴候を示す軽度の腎性高窒素血症を有するか、または臨床徴候を有さず、250〜439μmol/Lの血漿クレアチニン値を有するネコは、全身臨床徴候を示す中等度の腎性高窒素血症を有し、440μmol/L超の血漿クレアチニン値を有するネコは、多数の過剰な腎臨床徴候を示す重度の腎性高窒素血症を有すると分類される。改善した腎機能は、これらの値を考慮してモニターされるクレアチニン値の推移遅延によって示され、例えば160μmol/Lの平均血漿クレアチニン値を有する慢性腎疾患のネコが6〜40ヶ月間モニターされ、その結果、最終測定で170μmol/Lの値を示す。それに反して、160μmol/Lの平均血漿クレアチニン濃度を有する慢性腎疾患のネコは、6〜40ヶ月間NSAIDによる処置を受けず、6〜40ヶ月の期間の終わりに、240μmol/Lの平均血漿濃度を有する。これは、6〜40ヶ月間で血漿クレアチン濃度増加における約400%の減少を示す。
【0018】
したがって、さらなる局面によると、オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤などのNSAID(好ましくはメロキシカム)またはその薬学的に許容されうる塩を含む組成物が、ネコにおける腎疾患、好ましくはCKDの処置に使用するために提供され、その際、そのネコは、140μmol/Lよりも大きい、好ましくは約140〜439μmol/L、より好ましくは140〜249μmol/Lの血漿クレアチン値を有する。
【0019】
上記のように、オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤などのNSAID(好ましくはメロキシカム)または薬学的に許容されうる塩を用いた、腎疾患、特にCKDを患うネコの処置は、血漿クレアチニン値の推移の予想外の遅延を招く。したがって、さらなる局面によると、オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤などのNSAID(好ましくはメロキシカム)またはその薬学的に許容されうる塩を含む組成物が、ネコにおける腎疾患、好ましくはCKDの処置に使用するために提供され、その際、この処置は、好ましくは上記処置を受けていないネコに比べて、血漿クレアチン値の推移の、50%よりも大きい、好ましくは100%よりも大きい、なおより好ましくは200%よりも大きい、なおより好ましくは400%よりも大きい遅延を招く。推移の遅延は、少なくとも6ヶ月間、好ましくは6〜40ヶ月間得ることができる。
【0020】
本明細書記載の実施例によって示されるように、約160μmol/Lの平均血漿クレアチニン値を有するCKDを患うネコ(IRIS 2006ステージ2)は、オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤などのNSAID(好ましくはメロキシカム)または薬学的に許容されうる塩で処置されると、6〜40ヶ月間IRIS 2006ステージ3のCKDを発症しなかった。したがってさらなる局面によると、ネコにおける腎疾患、好ましくはCKDの進行を緩和するために、オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤などのNSAID(好ましくはメロキシカム)またはその薬学的に許容されうる塩を含む組成物が提供される。そのような文脈において、「腎疾患の進行を緩和する」または「腎機能改善」は、より低いIRIS 2006ステージからより高いIRIS 2006ステージへの進行がないことを意味する。
【0021】
本発明は、さらに、ネコにおける慢性腎疾患の処置のための、オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤などのNSAID(好ましくはメロキシカム)またはその薬学的に許容されうる塩を含有する製剤であって、本質的に非ステロイド系抗炎症薬、水、ならびに場合により、緩衝剤、可溶化剤、保存料および場合による増粘剤から成る群より選択される1種以上の添加剤から成る製剤を提供する。該製剤は、メロキシカムなどのNSAIDまたはその薬理学的に許容されうる塩を含む。さらに本発明は、ネコにおける腎疾患の処置のための獣医学的組成物を調製するための、オキシカム型/酸エノールカルボキサミド類のシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤などのNSAID(好ましくはメロキシカム)またはその薬学的に許容されうる塩を含有する製剤であって、本質的に非ステロイド系抗炎症薬、水、ならびに場合により、緩衝剤、pH調整剤、可溶化剤、保存料および場合による増粘剤から成る群より選択される1種以上の添加剤から成る製剤の使用を提供する。
【0022】
別の局面では、本発明は、腎疾患の処置に使用するための、そして該腎疾患、好ましくは慢性腎疾患の進行を遅らせるための、メロキシカムおよび本明細書定義の他の賦形剤を含む製剤の投与に関する。
【0023】
本発明によると、その製剤は、好ましくはベースとしてオキシカム型化合物などのNSAID(好ましくはメロキシカム)またはその薬学的に許容されうる塩を含有する。好ましくは、メロキシカムの塩は、メグルミン、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩から成る群より、最も好ましくはメロキシカムのメグルミン塩より選択される。
【0024】
液剤または懸濁剤の他の成分は、懸濁化剤、保存料、香味剤、pH調整剤などの懸濁剤または液剤用の一般に知られている薬剤、および該製剤のために使用される、例えば水などの溶媒を含む。
【0025】
使用される懸濁化剤は、例えばセルロースエーテルなどの有機親水コロイド形成剤および/または二酸化ケイ素、好ましくはヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび/または二酸化ケイ素もしくはコロイド状無水シリカ、好ましくはコロイド状無水シリカおよび/またはヒドロキシエチルセルロースであってもよい。
【0026】
使用される保存料は、例えば安息香酸またはその任意の誘導体もしくは塩、好ましくは安息香酸ナトリウムであってもよい。
【0027】
使用される香味剤は、例えばグリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトールなどの糖アルコール、またはサッカリンもしくは任意のその塩、シクラメート、アスパルテーム、スクラロース、タウマチン(taumatin)、もしくは任意のそれらの塩、アセスルファム−カリウム、その水溶液などの人工甘味料、またはその混合物、好ましくはソルビトール、グリセロール、サッカリン、またはサッカリンナトリウムおよびグリセロールであってもよい。他の香味剤は、人工果物または肉香料などの人工香料、例えばハチミツ、イチゴ、ラズベリー、または牛肉もしくは魚の着香料、好ましくはハチミツであってもよい。
【0028】
使用されるpH調整剤は、例えばリン酸二水素ナトリウム二水和物/クエン酸一水和物緩衝液、グリシン/HCl、フタル酸水素−K/HCl、クエン酸/リン酸塩、クエン酸塩−リン酸塩−ホウ酸塩/HClまたはBritton-Robinson緩衝液、その混合物、またはグリセロールもしくは場合による糖アルコールの水溶液などの他の生理学的に許容されうる液体との混合物、好ましくはリン酸二水素ナトリウム二水和物およびクエン酸一水和物であってもよい。
【0029】
好ましくは、ネコにおける腎疾患の処置のために使用される製剤は、活性成分としてのメロキシカム、高分散二酸化ケイ素、ヒドロキシエチルセルロース、ソルビトール溶液(非結晶)、グリセロール、キシリトール、リン酸二水素ナトリウム二水和物、クエン酸一水和物、サッカリンナトリウム結晶、安息香酸ナトリウムおよび着香料を精製水と共に含む。
【0030】
別の局面では、本発明は、好ましくはメロキシカム、安息香酸ナトリウム、コロイド状無水シリカ、ヒドロキシエチルセルロース、マンニトール、グリセロール、サッカリンナトリウム二水和物、キシリトール、グリシン、HCl、着香料および精製水を含む、ネコにおける腎疾患を処置するために使用される製剤に関する。
【0031】
その処置は、少なくとも6ヶ月間の長期間にわたり行われ、好ましい範囲は、6〜40ヶ月、10〜40ヶ月、10〜37ヶ月、10〜30ヶ月、10〜25ヶ月、10〜20ヶ月、10〜17ヶ月、11〜40ヶ月、11〜37ヶ月、11〜30ヶ月、11〜25ヶ月、11〜20ヶ月、11〜17ヶ月、12〜40ヶ月、12〜37ヶ月、12〜30ヶ月、12〜25ヶ月、12〜20ヶ月、12〜17ヶ月、13〜40ヶ月、13〜37ヶ月、13〜30ヶ月、13〜25ヶ月、13〜20ヶ月、13〜17ヶ月、14〜40ヶ月、14〜37ヶ月、14〜30ヶ月、14〜25ヶ月、14〜20ヶ月および14〜17ヶ月の選択された群より選択される。
【0032】
老齢ネコまたは高齢ネコは、本明細書において、5歳以上、好ましくは5〜20歳、なおより好ましくは7〜17歳、特に好ましくは10〜13、4から15、5〜16歳と定義される。研究から、7歳を超えるネコの53%が腎疾患を有することが示されている。
【0033】
腎疾患は、慢性尿細管間質性腎炎、糸球体腎炎、腎盂腎炎、アミロイドーシス、水腎症、腎リンパ腫などの後天性腎疾患、または多嚢胞性腎疾患、腎無形成症、腎形成不全、腎形成異常、アミロイドーシスなどのネコにおける腎不全を引き起こす先天性疾患を含みうる。これらは、慢性疾患状態のことがあり、またそうでないこともある。したがって、別の局面によると、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、好ましくはメロキシカムは、ネコ、特に高齢ネコにおける腎疾患の処置のために使用され、その際、腎疾患は、慢性尿細管間質腎炎、糸球体腎炎、腎盂腎炎、アミロイドーシス、水腎症、腎リンパ腫、または多嚢胞性腎疾患、腎無形成症、腎形成不全、腎形成異常もしくはアミロイドーシスのようなネコにおいて腎不全を引き起こす先天性疾患を含む。
【0034】
別の態様では、ネコの処置は、5歳以上、好ましくは5〜20歳、なおより好ましくは7〜17歳、特に好ましくは10〜13、4から15、5〜16歳のネコに有用な製剤で行われうる。製剤の1日用量は、1日、0.01から0.075mg/kgの間、好ましくは0.01〜0.05mg/kg、なおより好ましくは0.01〜0.03mg/kgである。中央維持用量値についての最低有効用量は、0.02mg/kgであることが見出された。この範囲は、腎疾患を処置するために使用されうる。好ましくは、製剤は、メロキシカム塩、水、ならびに場合により、緩衝剤、可溶化剤、保存料および場合による増粘剤から成る群より選択される1種以上の添加剤を含有するか、または本質的にそれらから成る。
【0035】
実施例
ネコ専門診療所の医療記録が、4年間にメロキシカムで処置されているOAを有するネコについて検索された。OAの診断は、以下の任意の二つに基づいた:飼い主が運動性の変化および/または身体診察の所見もしくはX線写真の変化に気付いた。算入されたネコは、7歳よりも老齢であり、6ヶ月よりも長期間メロキシカムで処置されていた。生化学、尿検査および体重を定期的にモニターした。高齢の非腎疾患および腎疾患−処置群における腎疾患の進行を、同じクリニックからの、年齢をマッチさせ、IRISをマッチさせた未処置対照と比較した。CKDのIRISステージ分類は、下記のような、小動物における腎疾患の進行の診断および評価に関する特定のガイドラインに従う。動物をその疾患のステージにより三つのカテゴリーに分ける、表1参照(www.iris-kidney.com)。
【0036】
【表1】

【0037】
驚くことに、結果は、0.02mg/kgメロキシカムの維持用量がIRISステージ1〜3の腎疾患に属する高齢ネコにおける腎疾患の進行を促進するのではなく、実際にクレアチニン値の進行を遅延させ、したがって腎機能の悪化遅延の徴候を示していることを示す。したがって、メロキシカムは、腎疾患を有するネコのための処置として使用されうる。
【0038】
材料および方法
メルボルン郊外のネコ専門診療所のデータベースが、4年間に慢性筋骨格系疾患をメロキシカム(Metacam経口用懸濁液、Boehringer Ingelheim)で処置されたことのあるネコについて検索された。骨関節炎または変形性脊椎症の診断を、以下の任意の二つに基づいて行った:飼い主が運動性の変化、身体診察の所見またはX線写真の変化に気付いた。算入基準は、6ヶ月よりも長い期間メロキシカムで連続的に処置され、調査に利用可能な完全な医療記録を有した7歳よりも高齢のネコを算入した。加えて、血清の生化学、尿分析および体重が定期的にモニターされたネコだけを算入した。
【0039】
若齢ネコと同様に、処置前の腎パラメーター測定が行われなかったネコも除外した。加えて、飼い主に接触してネコがまだ毎日メロキシカム処置を受けていることをチェックできなかった場合のネコも除外した。
【0040】
年齢、品種、性別、随伴疾患および投薬ならびに処置を開始した日付、処置期間およびメロキシカムの1日用量を記録した。
【0041】
血清の生化学的決定の大部分は、外部の基準検査室によるもので(正常範囲:クレアチニン0.08〜0.20mmol/L)、残りは、社内のIDEXX生化学−電解質装置(正常範囲:クレアチニン71〜212umol/L)を用いた。社内の尿比重は、Reichert Vet360屈折計を用いて決定された。尿比重を、同一の基準検査室によって測定された比重と定期的に比較した。尿沈渣の検査および尿試験紙の判定を、必要な尿培養および尿タンパク質と共に社内で実施した。尿クレアチニンの決定を、同一の基準検査室で実施した。処置前の腎疾患の存在または不在、および腎疾患のステージ分類を、血漿クレアチニンおよび尿比重を用いて行った。
【0042】
次に、処置されたネコを2群に細分した:IRISステージ1〜3に属する腎疾患−処置群、および処置前に同定可能な腎疾患を有さない非腎疾患−処置群。尿比重、血清クレアチニンおよび体重を腎疾患の進行の指標として使用した。次に、腎疾患の進行を、同じクリニックのデータベースからランダムに同定された、年齢およびIRISをマッチさせた未処置対照と比較した。
【0043】
次に、2元配置症例対照後ろ向き試験(two-way case-controlled retrospective study)を形成するために、ネコを4群、すなわちメロキシカムで処置された2群および比較となる(comparator)2群に細分した。
群A:メロキシカムで処置された、慢性腎疾患(CKD)の高齢ネコ(すなわち処置前にIRISステージ1〜3のネコ)、
群B:メロキシカムで処置された、慢性腎疾患を有さない(CKDなし)高齢ネコ(すなわち処置前に同定可能な腎疾患を有さないネコ)、
群C:メロキシカムを投与されていない、CKDの高齢ネコ(すなわちIRISステージ1〜3を有するネコ)、
群D:CKDを有さず、メロキシカムを投与されていない高齢ネコ(すなわち処置前に同定可能な腎疾患を有さないネコ)。
【0044】
統計解析
腎疾患および非腎疾患−処置ネコの中央年齢値、中央処置期間値および中央維持用量値を計算した。
【0045】
非腎疾患−処置群における腎疾患の進行を、年齢をマッチさせた未処置対照と比較した。処置−腎疾患群における腎疾患の進行を、同じクリニックからの、年齢およびIRISをマッチさせた未処置対照と比較した。ベースライン時間0から最終記録値(n)まで、時間を調整した曲線下面積(AUC)の変化を用いて統計解析を実施した。
【0046】
【数1】


:初回測定の時点(ベースライン)
:最終測定の時点
:時点i=0,…,nでのパラメーターの濃度とベースラインとの差
【0047】
群を比較するために、Wilcoxon順位和検定を用いた。このノンパラメトリック検定で、2群の調整されたAUCの分布を位置に関して比較した。帰無仮説のもと、二つの処置群の分布に位置のずれがないと仮定する。結果として生じたp値が5%の両側有意水準よりも小さいならば、帰無仮説は棄却される。
【0048】
結果
3016匹のネコの総データベースから、Metacam経口懸濁液で処置された214匹を同定した。これらのうち、38匹がメロシアム(melociam)処置群(A+B)の算入基準に合致した。これらのネコの22匹(58%)が処置前にIRISステージ1〜3のCKDを有し、一方で8匹がIRISステージ1と分類され、13匹がステージ2に属し、1匹がステージ3に属すると分類された。さらなる16匹は、処置前に同定可能な腎疾患を有さなかった。
【0049】
腎疾患−処置群(A)の中央年齢値は15.5歳で、非腎疾患−処置群(B)は13.4歳であった。
【0050】
中央処置期間値は腎疾患群(A)で467日であり、非腎疾患群(B)では327日であり、一方で群Cは、475日間の中央期間値で処置された。最低有効用量への用量設定後に、腎疾患−処置群および非腎疾患−処置群の両方で中央維持用量値は1日0.02mg/kgであった。年齢およびIRISをマッチさせた未処置−腎疾患群と比べたメロキシカム処置−腎疾患群における、またはメロキシカム未処置−非腎疾患群と比べたメロキシカム処置−非腎疾患群における腎パラメーターの推移に差はなかった。
【0051】
腎疾患−処置ネコ2匹は、ベースラインからのクレアチニン変化の解析から除外した。それは、それらの処置前の試料採取が処置の開始から3日以内に実施されなかったからである。CKD−メロキシカム群(A)と、年齢およびIRISをマッチさせた未処置−CKD群(C)の間で、または非CKD−メロキシカム群(B)と未処置−非CKD群(D)の間で、体重にベースラインからの統計的に有意な差はなかった。平均血清クレアチニン濃度は、未処置−CKD群(C)に比べてメロキシカム処置−CKD群(A)では時間と共に増加が小さくなった。群Aは、試験の開始時に中央クレアチニン濃度値160mmol/L、終了時に中央クレアチニン濃度値170mmol/Lを有した。他方で、群Cは、試験の開始時に中央クレアチニン濃度値160mmol/L、終了時に中央クレアチニン濃度値240mmol/Lを有した。さらに、メロキシカム処置された非CKD−処置群(B)および未処置−非CKDにおいてクレアチニンの推移に有意差はなかった。中央処置期間値は、群Aについて467日であった。群Cのネコを中央処置期間値475日間モニターした。
【0052】
実施例
好ましくは、例えば、非限定的に、ネコ用Metacam経口懸濁液などのメロキシカム製剤が使用される。本発明によると、非限定的に以下の製剤例を使用することができる。
【0053】
実施例1:
メロキシカム0.05g、高分散二酸化ケイ素1g、ヒドロキシエチルセルロース0.1g、70%ソルビトール溶液(非結晶)35g、85%グリセロール12.8g、マンニトール15g、グリシン1.5g、HCl 0.12g、アスパルテーム0.010g、安息香酸ナトリウム0.15gおよびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.15g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0054】
実施例2:
メロキシカム0.15g、高分散二酸化ケイ素1g、ヒドロキシエチルセルロース0.1g、70%ソルビトール溶液(非結晶)35g、85%グリセロール12.8g、マンニトール15g、グリシン1.5g、HCl 0.12g、アスパルテーム0.010g、安息香酸ナトリウム0.15g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.15g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0055】
実施例3:
メロキシカム0.05g、コロイド状無水シリカ1g、ヒドロキシエチルセルロース0.1g、70%ソルビトール溶液(非結晶)35g、85%グリセロール12.8g、マンニトール15g、グリシン1.5g、HCl 0.12g、アスパルテーム0.010g、安息香酸ナトリウム0.15g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.15g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0056】
実施例4:
メロキシカム0.15g、コロイド状無水シリカ1g、ヒドロキシプロピルセルロース0.1g、70%ソルビトール溶液(非結晶)35g、85%グリセロール12.8g、マンニトール15g、グリシン1.5g、HCl 0.12g、アスパルテーム0.010g、安息香酸ナトリウム0.15g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.15g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0057】
実施例5:
メロキシカム0.05g、高分散二酸化ケイ素1g、ヒドロキシエチルセルロース0.1g、70%ソルビトール溶液(非結晶)35g、85%グリセロール12.8g、キシリトール15g、リン酸二水素ナトリウム二水和物2g、クエン酸一水和物0.12g、サッカリンナトリウム結晶0.010g、安息香酸ナトリウム0.15g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.15g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0058】
実施例6:
メロキシカム0.15g、高分散二酸化ケイ素1g、ヒドロキシエチルセルロース0.1g、12.70 70%ソルビトール溶液(非結晶)35g、85%グリセロール12.8g、キシリトール15g、リン酸二水素ナトリウム二水和物2g、クエン酸一水和物0.12g、サッカリンナトリウム結晶0.01g、安息香酸ナトリウム0.15g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0059】
実施例7:
メロキシカム0.05g、高分散二酸化ケイ素1.5g、ヒドロキシエチルセルロース0.1g、70%ソルビトール溶液(非結晶)40g、85%グリセロール10g、キシリトール5g、リン酸二水素ナトリウム二水和物0.2g、クエン酸一水和物0.1g、サッカリンナトリウム結晶0.030g、安息香酸ナトリウム0.20g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.05g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0060】
実施例8:
メロキシカム0.15g、高分散二酸化ケイ素1.5g、ヒドロキシエチルセルロース0.1g、70%ソルビトール溶液(非結晶)40g、85%グリセロール10g、キシリトール5g、リン酸二水素ナトリウム二水和物0.2g、クエン酸一水和物0.1g、サッカリンナトリウム結晶0.030g、安息香酸ナトリウム0.20g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.05g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0061】
実施例9:
メロキシカム0.05g、高分散二酸化ケイ素0.5g、ヒドロキシエチルセルロース0.5g、70%ソルビトール溶液(非結晶)20g、85%グリセロール20g、キシリトール10g、リン酸二水素ナトリウム二水和物3g、クエン酸一水和物0.1g、サッカリンナトリウム結晶0.020g、安息香酸ナトリウム0.10g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.05g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0062】
実施例10:
メロキシカム0.15g、高分散二酸化ケイ素0.5g、ヒドロキシエチルセルロース0.5g、70%ソルビトール溶液(非結晶)20g、85%グリセロール20g、マンニトール10g、グリシン3g、HCl 0.1g、アスパルテーム0.020g、安息香酸ナトリウム0.10g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.05g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0063】
実施例11:
メロキシカム0.05g、コロイド状無水シリカ1g、ヒドロキシエチルセルロース0.1g、70%ソルビトール溶液(非結晶)35g、85%グリセロール12.8g、マンニトール15g、グリシン0.2g、HCl 0.12g、アスパルテーム0.010g、安息香酸ナトリウム0.15g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.15g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0064】
実施例12:
メロキシカム0.15g、コロイド状無水シリカ1g、ヒドロキシエチルセルロース0.1g、70%ソルビトール溶液(非結晶)35g、85%グリセロール12.8g、マンニトール15g、グリシン0.2g、HCl 0.12g、アスパルテーム0.010g、安息香酸ナトリウム0.15g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.15g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0065】
実施例13:
メロキシカム0.05g、高分散二酸化ケイ素1.5g、ヒドロキシエチルセルロース0.05g、70%ソルビトール溶液(非結晶)45g、85%グリセロール10g、キシリトール10g、リン酸二水素ナトリウム二水和物3g、クエン酸一水和物0.15g、サッカリンナトリウム結晶0.010g、安息香酸ナトリウム0.15g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料0.15g。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。
【0066】
実施例14:
メロキシカム0.15g、高分散二酸化ケイ素1.5g、ヒドロキシエチルセルロース0.05g、70%ソルビトール溶液(非結晶)45g、85%グリセロール10g、キシリトール10g、リン酸二水素ナトリウム二水和物3g、クエン酸一水和物0.15g、サッカリンナトリウム結晶0.010g、安息香酸ナトリウム0.15g、およびハチミツ、イチゴ、ラズベリー、牛肉もしくは魚などの着香料。精製水で、混合物を、100mlの終体積に調整する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネコにおける慢性腎疾患の処置に使用するための、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)またはその薬理学的に許容されうる塩。
【請求項2】
ネコにおける腎疾患の処置に使用するための、非ステロイド系抗炎症薬またはその薬理学的に許容されうる塩。
【請求項3】
NSAIDがメロキシカムまたはその薬理学的に許容されうる塩であることを特徴とする、請求項1または2記載の、非ステロイド系抗炎症薬またはその薬理学的に許容されうる塩。
【請求項4】
処置が長期処置であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の、非ステロイド系抗炎症薬またはその薬理学的に許容されうる塩。
【請求項5】
処置が、6〜40ヶ月間の長期処置であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項記載の、非ステロイド系抗炎症薬またはその薬理学的に許容されうる塩。
【請求項6】
ネコが、慢性腎疾患を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の、非ステロイド系抗炎症薬またはその薬理学的に許容されうる塩。
【請求項7】
1日用量が、0.01〜0.075mg/kgであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の、非ステロイド系抗炎症薬またはその薬理学的に許容されうる塩。
【請求項8】
1日用量が、1日0.02〜0.06mg/kgであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の、非ステロイド系抗炎症薬またはその薬理学的に許容されうる塩。
【請求項9】
1日用量が、1日0.05mg/kgであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項記載の、非ステロイド系抗炎症薬またはその薬理学的に許容されうる塩。
【請求項10】
ネコが、上昇したクレアチニンレベルを有することを特徴とする、請求項1〜9記載の、非ステロイド系抗炎症薬またはその薬理学的に許容されうる塩。
【請求項11】
本質的に、非ステロイド系抗炎症薬、水、ならびに場合により、緩衝剤、pH調整剤、可溶化剤、保存料および場合による増粘剤から成る群より選択される1種以上の添加剤から成ることを特徴とする、ネコにおける慢性腎疾患を処置するための、NSAIDまたはその薬理学的に許容されうる塩を含有する製剤。
【請求項12】
NSAIDが、メロキシカムまたはその薬理学的に許容されうる塩であることを特徴とする、請求項11記載の製剤。

【公表番号】特表2013−521253(P2013−521253A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555407(P2012−555407)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053072
【国際公開番号】WO2011/107498
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(504225895)ベーリンガー インゲルハイム フェトメディカ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (34)
【Fターム(参考)】