ノズル
【課題】流出する気泡混入水による洗浄効果を向上させることができるノズルを提供することを課題とする。
【解決手段】水の流出口に接続されて水の流出口からの水が流入する流入部11と、流入部11から流入した水の流れを絞って水の流速を増加させる絞り部12と、絞り部12から下流側へ流出する水に空気が吸引されて気泡が混入され、気泡混入水となるように空気を導入する空気導入部13と、絞り部12への水の流入を断続的に遮断する断続的遮断手段14と、を具備し、断続的遮断手段14にて絞り部12への水の流入を断続的に遮断することにより、気泡混入水の流出する流量を断続的に変化させて脈動するような気泡混入水を流出する、ノズル1Aとする。
【解決手段】水の流出口に接続されて水の流出口からの水が流入する流入部11と、流入部11から流入した水の流れを絞って水の流速を増加させる絞り部12と、絞り部12から下流側へ流出する水に空気が吸引されて気泡が混入され、気泡混入水となるように空気を導入する空気導入部13と、絞り部12への水の流入を断続的に遮断する断続的遮断手段14と、を具備し、断続的遮断手段14にて絞り部12への水の流入を断続的に遮断することにより、気泡混入水の流出する流量を断続的に変化させて脈動するような気泡混入水を流出する、ノズル1Aとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡混入水を流出するノズルの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水の流出口からの水が流入する流入部と、流入した水の流れを絞って水の流速を増加させる絞り部と、絞り部から下流側へ流出する水に空気が吸引されて気泡が混入され、気泡混入水となるように空気を導入する空気導入部と、を具備する、気泡混入水を流出するノズル、の技術は公知となっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭52−94513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなノズルは、米、野菜、金属製部材、樹脂製部材、建造物等の洗浄対象物に気泡混合水を直接噴射したり、気泡混合水で作出される水流内に前記洗浄対象物を入れたりして、その水圧に加えて気泡混入水内の気泡によってこれを洗浄する。
しかしながら、このようなノズルから流出する気泡混入水の水圧や気泡混入水内の気泡では、これを洗浄対象物に接触させても、十分に洗浄できない場合があった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、流出する気泡混入水による洗浄効果を向上させることができるノズルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、水の流出口に接続されて、前記水の流出口からの水が流入する流入部と、前記流入部から流入した水の流れを絞って水の流速を増加させる絞り部と、前記絞り部から下流側へ流出する水に空気が吸引されて気泡が混入され、気泡混入水となるように空気を導入する空気導入部と、前記絞り部への水の流入を断続的に遮断する断続的遮断手段と、を具備し、前記断続的遮断手段にて前記絞り部への水の流入を断続的に遮断することにより、前記気泡混入水の流出する流量を断続的に変化させて脈動するような気泡混入水を流出する、ノズル、としたものである。
【0008】
請求項2においては、前記断続的遮断手段は、回転することによって前記絞り部の上流側の開口の閉鎖と開放とを順次おこなって、前記絞り部への水の流入を断続的に遮断する、回転体で構成され、前記ノズルは、水流によって前記回転体を回転させる回転体回転手段を具備するものである。
【0009】
請求項3においては、前記絞り部は、複数個の絞り孔で構成され、前記回転体は、回転することによって前記複数個の絞り孔のうち少なくとも一つの絞り孔の上流側の開口の閉鎖と開放とを順次おこなって、前記絞り孔への水の流入を断続的に遮断するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、ノズルから流出する気泡混入水による洗浄効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第一実施形態に係るノズルを分解した状態を示した正面図。
【図2】同じく側面断面図。
【図3】(a)は本発明の第一実施形態に係るノズルの接続部材についてのA−A断面図、(b)は本発明の第一実施形態に係るノズルの本体部材の拡大平面図。
【図4】本発明の第一実施形態に係るノズルの側面断面図。
【図5】同じく側面断面図。
【図6】本発明の第一実施形態に係るノズルの本体部材の拡大平面図。
【図7】本発明の第一実施形態に係るノズルの側面断面図。
【図8】同じく拡大側面断面図。
【図9】(a)は同じく拡大側面断面図、(b)は同じく拡大側面断面図。
【図10】本発明の第二実施形態に係るノズルを分解した状態を示した正面図。
【図11】同じく側面断面図。
【図12】本発明の第二実施形態に係るノズルの本体部材の拡大平面図。
【図13】本発明の第二実施形態に係るノズルの側面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の第一実施形態に係るノズル1Aについて、図1から図9を用いて説明する。なお図中において示す矢印Aは、ノズル1A内に流入する水の流入方向を示すものとして説明する。
【0013】
ノズル1Aは、水の流出口からノズル1Aに流入した水に気泡を混入させて気泡混入水とし、当該気泡混入水の流出する流量を断続的に変化させて脈動するような気泡混入水として流出するものである。
また、ノズル1Aは、図1乃至図4に示すように、全体的に略筒状に形成され、流入部11と、絞り部12と、空気導入部13と、断続的遮断手段14と、を具備する。
【0014】
ノズル1Aの流入部11は、水の流出口に接続されて、当該水の流出口からの水がノズル1A内に流入する部分である。
ここで、水の流出口は、蛇口に接続されたホースにおける水の吐出口部2であるものとして説明する。
【0015】
ノズル1Aの絞り部12は、流入部11からノズル1A内に流入した水の流れを絞って水の流速を増加させる部分である。ノズル1Aの絞り部12は、流入部11よりも下流側に配置される。ノズル1Aは、絞り部12から下流側へ流出する水の流速が、絞り部12の上流側よりも増加するように構成される。
【0016】
ノズル1Aの空気導入部13は、絞り部12から下流側へ流出する水に空気が吸引されて気泡が混入され、これが気泡混入水となるように、ノズル1A内に空気を導入する部分である。
ノズル1Aの空気導入部13は、ノズル1Aの外部から、ノズル1Aにおける絞り部12の下流側部分近傍に空気を導入する。ノズル1Aの空気導入部13における空気の出口の開口は、ノズル1A内における絞り部12の下流側部分近傍に形成される。
【0017】
ノズル1Aの断続的遮断手段14は、絞り部12の閉鎖と開放とを、絞り部12の上流側において順次おこない、絞り部12への水の流入を断続的に遮断する手段である。
ノズル1Aでは、断続的遮断手段14にて絞り部12への水の流入を断続的に遮断することにより、絞り部12から下流側へ流出する水の流量が断続的に変化する。
そして、ノズル1Aでは、絞り部12から下流側へ流出する水の流量が断続的に変化することにより、ノズル1Aの流出口15から流出する空気混入水の流量も断続的に変化することなる。
このようにして、ノズル1Aは、その流出口15から脈動するような気泡混入水を流出する。
【0018】
このように構成されたノズル1Aでは、例えば、その流出口15から流出する気泡混合水を洗浄対象物(米、野菜、金属製部材、樹脂製部材、建造物等)に直接噴射したり、その流出口15を水中に配置して当該流出口15から流出する気泡混合水で作出される水流内に洗浄対象物を入れたりして、洗浄対象物の表面に脈動するような気泡混合水を接触させる。そして、前記脈動するような気泡混合水に接触した洗浄対象物は、気泡混入水内の気泡による洗浄効果に加えて、脈動するような気泡混合水の振動によっても洗浄されることとなる。
したがって、ノズル1Aによれば、これから流出する気泡混入水による洗浄効果を向上させることができる。
【0019】
次に、ノズル1Aの具体的構成について説明する。
ノズル1Aは、図1乃至図4に示すように、主に、接続部材20、本体部材30、および、回転体40等で構成される。また、ノズル1Aは、回転体配置部16と、回転体回転手段17と、を具備する。
【0020】
ノズル1Aの接続部材20は略有底筒状に形成され、その上流側端が開口し、下流側端に底部20aを有している。
【0021】
ノズル1Aの接続部材20における上流側部20bは、ホースの吐出口部2に接続される部分であって、ホースの吐出口部2に嵌挿可能とされており、ノズル1Aの流入部11として構成される。
なお、ノズル1Aの接続部材20における上流側部20bとホースの吐出口部2との接続は、例えば、ホースの吐出口部2をノズル1Aの接続部材20における上流側部20bに嵌挿し、ホースの吐出口部2における上流側部20bに嵌挿された部分の外周に筒状のホース留め部材3を嵌装することによっておこなう。さらに、ホース留め部材3の外側には、ホース留めカバー4を配置してもよい。
ノズル1Aの接続部材20における下流側部20cは、本体部材30の上流側端の開口から本体部材30内に嵌挿される。
ノズル1Aの接続部材20における上流側部20bと下流側部20cとの間には、フランジ21が形成される。ノズル1Aの接続部材20におけるフランジ21は、側方に突出するように形成される。
【0022】
ノズル1Aの接続部材20は、二つの貫通孔22・22を有する。
ノズル1Aの接続部材20における貫通孔22・22は、180度位相をずらすようにして、その下流側部20cにそれぞれ形成される。ノズル1Aの接続部材20における貫通孔22・22は、接続部材20における下流側部20cの外周面から内部の下端部に向かって半径方向に貫通するように、それぞれ形成される。
【0023】
ノズル1Aの接続部材20は、二つの切欠き23・23を有する。
ノズル1Aの接続部材20における切欠き23・23は、180度位相をずらすようにしてそれぞれ形成される。ノズル1Aの接続部材20における切欠き23・23は、各貫通孔22・22にそれぞれ連通するとともに、その底部20aと下流側部20cとに亘って接続部材20における底部20aの下流側の面と下流側部20cの外周面とが切欠かれるようにして、それぞれ形成される。ノズル1Aの接続部材20における切欠き23・23は、貫通孔22・22の開口から一方の周方向に向かうように(反時計回り)、それぞれ形成される。
【0024】
ノズル1Aの接続部材20は、回転体40の一部が配置される溝24を有する。
ノズル1Aの接続部材20における溝24は、その底部20aの下流側の面における周縁部を環状に切欠くとともに、切欠き23・23と連通するようにして形成される。
【0025】
ノズル1Aの本体部材30は、略有底筒状に形成される。ノズル1Aの本体部材30は、その上流側端および下流側端がそれぞれ開口し、そのやや下流側寄りの内部に上流側と下流側とを遮断するように底部30aが配置されたような形状に形成される。ノズル1Aの本体部材30は、その底部30aより上流側の部分(以下「上流側部30b」という)の側部が底部30aより下流側の部分(以下「下流側部30c」という)の側部に比べて肉厚状に形成されて、構成される。
ノズル1Aの本体部材30は、その上流側部30bの内径が接続部材20の下流側部20cの外形と略同一に形成されて、その上流側部30b内に接続部材20の下流側部20cを嵌挿可能に構成される。
【0026】
ノズル1Aの本体部材30における底部30aの下流側の面は、その縁部(底部30aの下流側の面と側部の内側の面との境界部分)が下流側にいくに従って細くなるように傾斜して形成される。ノズル1Aの本体部材30における底部30aの下流側の面は、その中央部(前記切欠かれた縁部のより中央側の部分)が水の流入方向に対して直交するような面で構成される。
【0027】
ノズル1Aの本体部材30は、回転体40の一部が配置される凹部31を有する。
ノズル1Aの本体部材30における凹部31は、底部30aの上流側の面における中央部に形成される。ノズル1Aの本体部材30における凹部31は、底部30aの上流側の面が略半球状に凹むように、形成される。
【0028】
ノズル1Aの本体部材30は、絞り孔32を有する。
ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32は、ノズル1A内に流入した水の流れを絞って水の流速を増加させるものであり、絞り部12として構成される。
ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32は、上流側部30b内と下流側部30c内とが連通するように、底部30aを貫通して形成される。ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32は、水の流入方向に対して平行に形成される。
ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32の上流側の開口32aは、凹部31内に形成される。また、ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32の上流側の開口32aは、本体部材30の凹部31(底部30a)の中心から側部方向側にずれた位置に形成される。
ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32の下流側の開口32bは、本体部材30における底部30aの下流側の面の中央部(底部30aにおける水の流入方向に対して直交するような面で構成される部分)に形成される。
【0029】
ノズル1Aの本体部材30は、四つの貫通孔33・33・・・を有する。
ノズル1Aの本体部材30における貫通孔33・33・・・は、周方向へ90度ずつ位相をずらすようにして、上流側部30bの側部にそれぞれ形成される。ノズル1Aの本体部材30における貫通孔33・33・・・は、水の流入方向に対して平行に、上流側部30bの側部における上流側端から下流側部30c内に貫通するようにそれぞれ形成される。
【0030】
ノズル1Aの本体部材30は、四つの切欠き34・34・・・を有する。
ノズル1Aの本体部材30における切欠き34・34・・・は、周方向へ90度ずつ位相をずらすようにして、上流側部30bの側部における上流側端部にそれぞれ形成される。ノズル1Aの本体部材30における切欠き34・34・・・は、側部の上流側端部の外周面が切欠かれて貫通孔33・33・・・に至るように、それぞれ形成される。
【0031】
ノズル1Aでは、本体部材30における貫通孔33と切欠き34とで構成される空間が、本体部材30の下流側部30c内(絞り部12の下流側部分の近傍におけるノズル1A内)に空気を導入する部分であり、空気導入部13として構成される。ノズル1Aの本体部材30における側部の切欠き34による開口は、空気導入部13における空気の入口の開口として構成される。ノズル1Aの本体部材30の貫通孔33における下流側部30cの開口は、空気導入部13における空気の出口の開口として構成される。
【0032】
そして、ノズル1Aの本体部材30における上流側部30b内に、本体部材30の上流側端の開口から接続部材20における下流側部20cを嵌挿する。このとき、ノズル1Aの本体部材30における上流側端部が、接続部材20におけるフランジ21に当接するまで、本体部材30における上流側部30b内に接続部材20を嵌挿する。
【0033】
このように、ノズル1Aの本体部材30における上流側部30b内に接続部材20の下流側部20cが嵌挿されることによって、本体部材30における上流側部30b内の面(上流側部30bの側部の内側の面、および、底部30aの上流側の面)と、接続部材20における底部20aの下流側の面と、で形成される空間で、回転体配置部16が構成される。
なお、ノズル1Aの本体部材30における上流側部30b内に接続部材20の下流側部20cが嵌挿された状態では、ノズル1Aの回転体配置部16と本体部材30の下流側部30cとは、その絞り孔32を介して連通した状態となる。
ノズル1Aの回転体配置部16は、回転体40が配置される部分である。ノズル1Aの回転体配置部16は、流入部11よりも下流側に配置されるとともに、絞り部12よりも上流側に配置される。
【0034】
またこのように、ノズル1Aの本体部材30における上流側部30b内に接続部材20の下流側部20cが嵌挿されることによって、接続部材20の貫通孔22とその切欠き23とで形成される空間、および、本体部材30における上流側部30b内の面(上流側部30bの側部の内側の面)と接続部材20の切欠き23とで形成される空間で、回転体回転手段17が構成される。
ノズル1Aの回転体回転手段17とは、ノズル1A内に流入した水の水流によって、回転体配置部16に配置された回転体40を回転させる手段である。ノズル1Aでは、回転体回転手段17によって回転体40を水の流入方向を軸方向とした周方向に回転させる。
ノズル1Aの回転体回転手段17は、流入部11よりも下流側に配置されるとともに、回転体配置部16の上流側に配置される。
【0035】
ノズル1Aの回転体40は、回転することによって絞り孔32(絞り部12)の上流側の開口32aの閉鎖と開放とを順次おこなって、絞り孔32(絞り部12)への水の流入を断続的に遮断するものであり、断続的遮断手段14として構成される。
【0036】
ノズル1Aの回転体40は、棒状の部材の軸心方向中央部に円盤状の部材が互いの軸心を一致させて設けられたような形状に構成される。ノズル1Aの回転体40における棒状部分の両端部は、それぞれ半球状に構成される。
【0037】
ノズル1Aの回転体40は、水の流入方向を軸方向とした周方向に回転可能なように、回転体配置部16に配置される。
このとき、ノズル1Aの回転体40は、その上部の棒状部分の一端部40a側が他端部40bよりも外周側を向くように軸心を傾斜させて、棒状部分の一端部40aを接続部材20の溝24内に位置させ、棒状部分の他端部40bを本体部材30の凹部31に位置させた姿勢で、回転体配置部16に配置される。このように配置されたノズル1Aの回転体40における回転中心は、本体部材30の凹部31(底部30a)の中心となる。
【0038】
ここで、前述のようにノズル1Aの本体部材30における上流側部30b内に接続部材20の下流側部20cが嵌挿された状態では、接続部材20の切欠き23・23と回転体配置部16とは、連通した状態となる。
このため、ノズル1Aの接続部材20における上流部から流入した水は、その内部を通って貫通孔22・22および切欠き23・23(回転体回転手段17)を通り、回転体配置部16に流入することとなる。
このように、ノズル1A内部に流入した水が接続部材20の貫通孔22・22と切欠き23・23と(回転体回転手段17)を通ることにより、水の水流方向がノズル1A内部への流入方向(接続部材20の軸方向)から周方向(反時計周り)となり、回転体配置部16に流入した水流は螺旋状の流水となる。
【0039】
そして、ノズル1Aの回転体配置部16の回転体40は、その円盤状部分にて前記螺旋状の水流を受けることによって周方向(反時計周り)に回転する。
このとき、ノズル1Aの回転体40は、その棒状部分の一端部40aが接続部材20の溝24内を反時計回りに移動し、その棒状部分の他端部40bが本体部材30の凹部31内においてその中心(回転体40の回転中心)より外側の部分の一部に当接するようにして、その軸心の向きを変えながら回転する。
さらにこのとき、ノズル1Aの回転体40は、これが回転して棒状部分の他端部40bが絞り孔32の上流側の開口32a上に位置したときに、当該棒状部分の下端部で当該絞り孔32の上流側の開口32aを閉鎖する。そして、ノズル1Aの回転体40は、これがさらに回転して、前記絞り孔32の上流側の開口32aを通過したときに、当該絞り孔32の上流側の開口32aを開放する。
【0040】
このようにして、ノズル1Aは、その回転体40が回転することによって、その棒状部分の下端部で絞り孔32(絞り部12)の上流側の開口32aの閉鎖と開放とを順次おこなっていき、絞り孔32(絞り部12)への水の流入を断続的に遮断する。そしてこのようにして、ノズル1Aは、本体部材30における絞り孔32(絞り部12)の下流側の開口32bから流出する水の流量を断続的に変化させ、ノズル1Aの流出口15から流出する空気混入水の流量も断続的に変化させて、その流出口15から脈動するような気泡混入水を流出する。
以上のように、ノズル1Aによれば、回転体回転手段17によって水流を利用して回転体40(断続的遮断手段14)を回転させて本体部材30の絞り孔32(絞り部12)への水の流入を断続的に遮断して、ノズル1Aから流出する気泡混入水による洗浄効果を向上させることができるものを、簡易構造で実現することができる。
【0041】
また、ノズル1Aは、その本体部材30における下流側部30c内に筒状に構成される筒部材50の上流側端部を嵌挿して、筒部材50を取付けた構成としてもよい。このようにノズル1Aの本体部材30に筒部材50を取付けた際には、筒部材50の下流側の開口がノズル1Aの流出口15として構成される。
【0042】
このようにノズル1Aに筒部材50を取付けた際には、ノズル1Aの空気導入部13における空気の入口の開口から、ノズル1Aの流出口15を遠ざける構成となる。
このため、ノズル1Aが筒部材50を具備する構成とすることにより、気泡混入水が、前記ノズル1Aの流出口15から飛散って空気導入部13における空気の入口の開口に流入し、当該空気導入部13が詰まることを抑制することができる。
【0043】
また、ノズル1Aに取付けた筒部材50の下流側端部に、シリコンチューブ70や筒状の部材の一端の開口部にブラシが設けられて構成されるブラシ部材71等を取付けて(図4参照)、洗浄対象物に当該ブラシやシリコンチューブ等を当接させながら当該洗浄対象物を洗浄してもよい。
また、ノズル1Aは、洗浄対象物を配置するための容器を筒部材50内と当該容器内とが連通するように筒部材50の下流側端部に設け、当該容器内に気泡混入水を直接流出するように構成してもよい。
【0044】
なお、ノズル1Aの回転体40によって絞り孔32の上流側の開口32aを閉鎖する状態とは、絞り孔32の上流側の開口32aと回転体40との間に若干の隙間が生じて、絞り孔32の上流側の開口32aへの水の流入が少なくなるような状態も含むものとする。
【0045】
また、ノズル1Aの回転体回転手段17は、回転体配置部16に流入した水流が螺旋状の流水となるような、本体部材30の軸方向に対して傾斜した溝を、本体部材30における上流側部30b内の面に形成して構成してもよい。
【0046】
また、ノズル1Aは、図5に示すように、本体部材30における底部30aに凹部31を形成せず、断続的遮断手段14を六面体で構成される回転体60としてもよい。この場合、底部30aは、例えば外周側から中心側へ向かうに従って下流側へ傾斜する面に形成される。
このようなノズル1Aでは、その回転体60は、その側方の面で前記螺旋状の水流を受けることによって回転し、当該転体の下流側の面で、本体部材30における底部30aの上流側面に形成された絞り孔32の上流側の開口32aの閉鎖と開放とをおこなう。
【0047】
また、ノズル1Aの本体部材30が複数個の絞り孔32・32・・・を有する構成とし、当該複数個の絞り孔32・32・・・で絞り部12を構成してもよい。
例えば、図6乃至8に示すように、ノズル1Aの本体部材30の絞り孔32は凹部31内に三つ形成され、当該三つの絞り孔32・32・32で絞り部12が構成される。ノズル1Aの本体部材30の絞り孔32・32・32は、周方向に60度ずつ位相をずらしてそれぞれ形成される。ノズル1Aの本体部材30の絞り孔32・32・32におけるそれぞれの下流側の開口32b・32b・32bは、当該絞り孔32・32・32におけるそれぞれの下流側の開口32b・32b・32bから流出する三本の水の水流が一本の水流となるような位置にそれぞれ形成される。
【0048】
そしてこのようなノズル1Aでは、回転体40は、これが回転してその棒状部分の他端部40bが一つの絞り孔32の上流側の開口32a上に位置したときに、当該棒状部分の下端部で当該一つの絞り孔32の上流側の開口32aを閉鎖し、これがさらに回転して前記一つの絞り孔32の上流側の開口32aを通過したときに、当該一つの絞り孔32の上流側の開口32aを開放する。さらに、回転体40は、前記一つの絞り孔32の回転体40の回転方向側に隣接する絞り孔32の方に回転していき、当該隣接する絞り孔32においても同様に、絞り孔32の上流側の開口32aの閉鎖と開放とをおこなう。
【0049】
このように、ノズル1Aでは、その回転体40が回転することによって、当該回転体40の棒状部分の下端部で、三つの(複数の)絞り孔32・32・32のうち少なくとも一つの絞り孔32の上流側の開口32aの閉鎖と開放とを順次おこなっていき、回転体配置部16から前記少なくとも一つの絞り孔32への水の流入を断続的に遮断する。そして、さらに回転体40が回転することによって、前記閉鎖と開放とをおこなった絞り孔32に隣接する絞り孔32の上流側の開口32aの閉鎖と開放とを順次おこなっていき、回転体配置部16から前記隣接する絞り孔32への水の流入を断続的に遮断する。そしてこのようにして、ノズル1Aは、少なくとも一つの絞り孔32への水の流入を断続的に遮断して、絞り孔32・32・32(絞り部12)の下流側の開口32b・32b・32bから流出する水の流量を断続的に変化させ、ノズル1Aの流出口15から流出する空気混入水の流量も断続的に変化させて、その流出口15から脈動するような気泡混入水を流出する。
【0050】
またこのとき、ノズル1Aでは、本体部材30における絞り孔32・32・32への水の流入が回転体40によって遮断されない状態では、絞り孔32・32・32におけるそれぞれの下流側の開口32b・32b・32bから水が流出する(三本の水が流出する)。また、ノズル1Aでは、本体部材30における一つの絞り孔32への水の流入が回転体40によって遮断された状態では、他の二つの絞り孔32・32におけるそれぞれの下流側の開口32b・32bから水が流出する(二本の水が流出する)。
このようにして、ノズル1Aでは、本体部材30における複数の絞り孔32・32・・・のうち一つの絞り孔32への水の流入が回転体40によって遮断された状態であっても、他の絞り孔32・32・・・から流出する水を気泡混合水として、これを流出口15から流出することができる。
したがって、ノズル1Aによれば、脈動するような気泡混入水をその流出口15から途切れないように流出させて、その洗浄効果をより向上させることができる。
なお、ノズル1Aでは、本体部材30における絞り孔32・32・32の水の流入が回転体40によって遮断されない状態では、下流側の開口32b・32b・32bから流出した三本の水の水流は一本の水流となり、流出口15からも一本の水流の気泡混入水が流出する。また、ノズル1Aでは、本体部材30における一つの絞り孔32への水の流入が回転体40によって遮断された状態では、他の二つの絞り孔32・32におけるそれぞれの下流側の開口32b・32bから流出した二本の水の水流となり、流出口15からも一本の水流の気泡混入水が流出する。
【0051】
ノズル1Aでは、本体部材30における複数の絞り孔32・32・・・の下流側の開口32b・32b・・・から流出する複数の水流が、本体部材30の中心側にそれぞれ近づくように本体部材30の軸方向に対して斜めに流出するように構成してもよい。
例えば図9(a)に示すように、ノズル1Aの本体部材30における底部30aの下流側の面に、その中央部から下流側方向に突出する山状の凸部を形成し、当該凸部の斜面に3つの(複数の)絞り孔32・32・32の下流側の開口32b・32b・32bをそれぞれ形成してもよい。
また図9(b)に示すように、ノズル1Aの本体部材30の三つの(複数の)絞り孔32・32・32は、絞り孔32・32・32の上流側の開口32a・32a・32aから下流側の開口32b・32b・32bに向かって本体部材30の中心側に近づくように本体部材30の軸方向に対して傾斜してそれぞれ形成してもよい。
このように、ノズル1Aの本体部材30における複数の絞り孔32・32・・・の下流側の開口32b・32b・・・から流出する複数の水流が、本体部材30の中心側にそれぞれ近づくように本体部材30の軸方向に対して斜めに流出する構成とすることにより、より確実に、脈動するような気泡混入水を途切れない一本の水流として、その洗浄効果をより向上させることができる。
【0052】
次に、本発明の第二実施形態に係るノズル1Bについて、図10から図13を用いて説明する。なお、第二実施形態に係るノズル1Bは、第一実施形態に係るノズル1Aと同様の構成を有する部分があるため、ノズル1Bの説明は、ノズル1Aと同様の構成の部分については適宜省略し、ノズル1Aの構成と異なる部分を中心に説明する。
【0053】
ノズル1Bは、図10乃至図13に示すように、主に、接続部材20、本体部材30、回転体40、および、筒部材50等で構成される。
【0054】
ノズル1Bの本体部材30は、略有底筒状に形成される。ノズル1Bの本体部材30は、その上流側端が開口し、その下流側端に底部30aが配置されたような形状に形成される。
ノズル1Bの本体部材30における側部は、その底部30aに比べて肉薄状に形成される。
ノズル1Bの本体部材30における上流側端部には、フランジ36が形成される。ノズル1Bの本体部材30におけるフランジ36は、側方に突出するように形成される。
ノズル1Bの本体部材30は、3つの絞り孔32・32・32を有する。
【0055】
ノズル1Bの本体部材30は、四つの切欠き37・37・・・を有する。
ノズル1Bの本体部材30における切欠き37・37・・・は、周方向に90度ずつ位相をずらすようにして、それぞれ形成される。ノズル1Bの本体部材30における切欠き37・37・・・は、フランジ36を含む外周面の一部が、上端部から下端部に亘って水の流入方向に沿って切欠かれるように形成される。
【0056】
ノズル1Bの筒部材50は、その上流側端および下流側端がそれぞれ開口するような筒状に構成される。ノズル1Bの筒部材50における下流側の開口は、ノズル1Bの流出口15として構成される。
ノズル1Bの筒部材50は、その上流側部30bの内径が本体部材30におけるフランジ36を除く部分の外径と略同一に形成されて、当該上流側部30b内に本体部材30におけるフランジ36を除く部分を嵌挿可能に構成される。
【0057】
そして、ノズル1Bの筒部材50内に、筒部材50の上流側端の開口から本体部材30におけるフランジ36を除く部分を嵌挿する。このとき、ノズル1Bの筒部材50における上流側端部が本体部材30におけるフランジ36に当接するまで、本体部材30におけるフランジ36を除く部分を筒部材50内に嵌挿する。
【0058】
このように、ノズル1Bの筒部材50内に本体部材30におけるフランジ36を除く部分が嵌挿されることによって、筒部材50の内周面と本体部材30の切欠き37が形成されていない部分の外周面とは当接または近接するが、筒部材50の内周面と本体部材30の切欠き37が形成された部分の外周面との間には空間が形成される。この本体部材30における切欠き37と筒部材50の内側の面とで形成される空間で、空気導入部13が構成される。ノズル1Bの本体部材30における切欠き37の上端の開口が、空気導入部13における空気の入口の開口として構成される。ノズル1Bの本体部材30における切欠き37の下端の開口が、空気導入部13における空気の出口の開口として構成される。
【0059】
このように、ノズル1Bによれば、本体部材30における切欠き37と筒部材50の内側の面とで形成される空間で空気導入部13を構成することにより、その幅を細く構成して小型化することができる。
【0060】
また、ノズル1Bの内側(上流側と下流側との中途部の内側)は、筒部材50が本体部材に取付けられた状態において、本体部材30における切欠き37・37・・・の下端側の開口(空気導入部13における空気の出口の開口)近傍から下流側にいくに従って、本体部材30の絞り孔32側に近づくようなテーパ状に形成される。
このため、空気導入部13における空気の出口の開口から流出する空気は、前記筒部材50の内側のテーパ状の部分によって本体部材30における絞り孔32の下流側の開口32b側に案内され、当該絞り孔32の下流側の開口32bから流出した水に、容易に吸引されることとなる。このため、ノズル1Bでは、本体部材30における絞り孔32の下流側の開口32bから流出する水に確実に気泡を混入させ、これを気泡混入水とすることができる。
【符号の説明】
【0061】
1A ノズル
1B ノズル
11 流入部
12 絞り部
13 空気導入部
14 断続的遮断手段
16 回転体配置室
17 回転体回転手段
20 接続部材
30 本体部材
40 回転体
50 筒部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡混入水を流出するノズルの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水の流出口からの水が流入する流入部と、流入した水の流れを絞って水の流速を増加させる絞り部と、絞り部から下流側へ流出する水に空気が吸引されて気泡が混入され、気泡混入水となるように空気を導入する空気導入部と、を具備する、気泡混入水を流出するノズル、の技術は公知となっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭52−94513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなノズルは、米、野菜、金属製部材、樹脂製部材、建造物等の洗浄対象物に気泡混合水を直接噴射したり、気泡混合水で作出される水流内に前記洗浄対象物を入れたりして、その水圧に加えて気泡混入水内の気泡によってこれを洗浄する。
しかしながら、このようなノズルから流出する気泡混入水の水圧や気泡混入水内の気泡では、これを洗浄対象物に接触させても、十分に洗浄できない場合があった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、流出する気泡混入水による洗浄効果を向上させることができるノズルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、水の流出口に接続されて、前記水の流出口からの水が流入する流入部と、前記流入部から流入した水の流れを絞って水の流速を増加させる絞り部と、前記絞り部から下流側へ流出する水に空気が吸引されて気泡が混入され、気泡混入水となるように空気を導入する空気導入部と、前記絞り部への水の流入を断続的に遮断する断続的遮断手段と、を具備し、前記断続的遮断手段にて前記絞り部への水の流入を断続的に遮断することにより、前記気泡混入水の流出する流量を断続的に変化させて脈動するような気泡混入水を流出する、ノズル、としたものである。
【0008】
請求項2においては、前記断続的遮断手段は、回転することによって前記絞り部の上流側の開口の閉鎖と開放とを順次おこなって、前記絞り部への水の流入を断続的に遮断する、回転体で構成され、前記ノズルは、水流によって前記回転体を回転させる回転体回転手段を具備するものである。
【0009】
請求項3においては、前記絞り部は、複数個の絞り孔で構成され、前記回転体は、回転することによって前記複数個の絞り孔のうち少なくとも一つの絞り孔の上流側の開口の閉鎖と開放とを順次おこなって、前記絞り孔への水の流入を断続的に遮断するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、ノズルから流出する気泡混入水による洗浄効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第一実施形態に係るノズルを分解した状態を示した正面図。
【図2】同じく側面断面図。
【図3】(a)は本発明の第一実施形態に係るノズルの接続部材についてのA−A断面図、(b)は本発明の第一実施形態に係るノズルの本体部材の拡大平面図。
【図4】本発明の第一実施形態に係るノズルの側面断面図。
【図5】同じく側面断面図。
【図6】本発明の第一実施形態に係るノズルの本体部材の拡大平面図。
【図7】本発明の第一実施形態に係るノズルの側面断面図。
【図8】同じく拡大側面断面図。
【図9】(a)は同じく拡大側面断面図、(b)は同じく拡大側面断面図。
【図10】本発明の第二実施形態に係るノズルを分解した状態を示した正面図。
【図11】同じく側面断面図。
【図12】本発明の第二実施形態に係るノズルの本体部材の拡大平面図。
【図13】本発明の第二実施形態に係るノズルの側面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の第一実施形態に係るノズル1Aについて、図1から図9を用いて説明する。なお図中において示す矢印Aは、ノズル1A内に流入する水の流入方向を示すものとして説明する。
【0013】
ノズル1Aは、水の流出口からノズル1Aに流入した水に気泡を混入させて気泡混入水とし、当該気泡混入水の流出する流量を断続的に変化させて脈動するような気泡混入水として流出するものである。
また、ノズル1Aは、図1乃至図4に示すように、全体的に略筒状に形成され、流入部11と、絞り部12と、空気導入部13と、断続的遮断手段14と、を具備する。
【0014】
ノズル1Aの流入部11は、水の流出口に接続されて、当該水の流出口からの水がノズル1A内に流入する部分である。
ここで、水の流出口は、蛇口に接続されたホースにおける水の吐出口部2であるものとして説明する。
【0015】
ノズル1Aの絞り部12は、流入部11からノズル1A内に流入した水の流れを絞って水の流速を増加させる部分である。ノズル1Aの絞り部12は、流入部11よりも下流側に配置される。ノズル1Aは、絞り部12から下流側へ流出する水の流速が、絞り部12の上流側よりも増加するように構成される。
【0016】
ノズル1Aの空気導入部13は、絞り部12から下流側へ流出する水に空気が吸引されて気泡が混入され、これが気泡混入水となるように、ノズル1A内に空気を導入する部分である。
ノズル1Aの空気導入部13は、ノズル1Aの外部から、ノズル1Aにおける絞り部12の下流側部分近傍に空気を導入する。ノズル1Aの空気導入部13における空気の出口の開口は、ノズル1A内における絞り部12の下流側部分近傍に形成される。
【0017】
ノズル1Aの断続的遮断手段14は、絞り部12の閉鎖と開放とを、絞り部12の上流側において順次おこない、絞り部12への水の流入を断続的に遮断する手段である。
ノズル1Aでは、断続的遮断手段14にて絞り部12への水の流入を断続的に遮断することにより、絞り部12から下流側へ流出する水の流量が断続的に変化する。
そして、ノズル1Aでは、絞り部12から下流側へ流出する水の流量が断続的に変化することにより、ノズル1Aの流出口15から流出する空気混入水の流量も断続的に変化することなる。
このようにして、ノズル1Aは、その流出口15から脈動するような気泡混入水を流出する。
【0018】
このように構成されたノズル1Aでは、例えば、その流出口15から流出する気泡混合水を洗浄対象物(米、野菜、金属製部材、樹脂製部材、建造物等)に直接噴射したり、その流出口15を水中に配置して当該流出口15から流出する気泡混合水で作出される水流内に洗浄対象物を入れたりして、洗浄対象物の表面に脈動するような気泡混合水を接触させる。そして、前記脈動するような気泡混合水に接触した洗浄対象物は、気泡混入水内の気泡による洗浄効果に加えて、脈動するような気泡混合水の振動によっても洗浄されることとなる。
したがって、ノズル1Aによれば、これから流出する気泡混入水による洗浄効果を向上させることができる。
【0019】
次に、ノズル1Aの具体的構成について説明する。
ノズル1Aは、図1乃至図4に示すように、主に、接続部材20、本体部材30、および、回転体40等で構成される。また、ノズル1Aは、回転体配置部16と、回転体回転手段17と、を具備する。
【0020】
ノズル1Aの接続部材20は略有底筒状に形成され、その上流側端が開口し、下流側端に底部20aを有している。
【0021】
ノズル1Aの接続部材20における上流側部20bは、ホースの吐出口部2に接続される部分であって、ホースの吐出口部2に嵌挿可能とされており、ノズル1Aの流入部11として構成される。
なお、ノズル1Aの接続部材20における上流側部20bとホースの吐出口部2との接続は、例えば、ホースの吐出口部2をノズル1Aの接続部材20における上流側部20bに嵌挿し、ホースの吐出口部2における上流側部20bに嵌挿された部分の外周に筒状のホース留め部材3を嵌装することによっておこなう。さらに、ホース留め部材3の外側には、ホース留めカバー4を配置してもよい。
ノズル1Aの接続部材20における下流側部20cは、本体部材30の上流側端の開口から本体部材30内に嵌挿される。
ノズル1Aの接続部材20における上流側部20bと下流側部20cとの間には、フランジ21が形成される。ノズル1Aの接続部材20におけるフランジ21は、側方に突出するように形成される。
【0022】
ノズル1Aの接続部材20は、二つの貫通孔22・22を有する。
ノズル1Aの接続部材20における貫通孔22・22は、180度位相をずらすようにして、その下流側部20cにそれぞれ形成される。ノズル1Aの接続部材20における貫通孔22・22は、接続部材20における下流側部20cの外周面から内部の下端部に向かって半径方向に貫通するように、それぞれ形成される。
【0023】
ノズル1Aの接続部材20は、二つの切欠き23・23を有する。
ノズル1Aの接続部材20における切欠き23・23は、180度位相をずらすようにしてそれぞれ形成される。ノズル1Aの接続部材20における切欠き23・23は、各貫通孔22・22にそれぞれ連通するとともに、その底部20aと下流側部20cとに亘って接続部材20における底部20aの下流側の面と下流側部20cの外周面とが切欠かれるようにして、それぞれ形成される。ノズル1Aの接続部材20における切欠き23・23は、貫通孔22・22の開口から一方の周方向に向かうように(反時計回り)、それぞれ形成される。
【0024】
ノズル1Aの接続部材20は、回転体40の一部が配置される溝24を有する。
ノズル1Aの接続部材20における溝24は、その底部20aの下流側の面における周縁部を環状に切欠くとともに、切欠き23・23と連通するようにして形成される。
【0025】
ノズル1Aの本体部材30は、略有底筒状に形成される。ノズル1Aの本体部材30は、その上流側端および下流側端がそれぞれ開口し、そのやや下流側寄りの内部に上流側と下流側とを遮断するように底部30aが配置されたような形状に形成される。ノズル1Aの本体部材30は、その底部30aより上流側の部分(以下「上流側部30b」という)の側部が底部30aより下流側の部分(以下「下流側部30c」という)の側部に比べて肉厚状に形成されて、構成される。
ノズル1Aの本体部材30は、その上流側部30bの内径が接続部材20の下流側部20cの外形と略同一に形成されて、その上流側部30b内に接続部材20の下流側部20cを嵌挿可能に構成される。
【0026】
ノズル1Aの本体部材30における底部30aの下流側の面は、その縁部(底部30aの下流側の面と側部の内側の面との境界部分)が下流側にいくに従って細くなるように傾斜して形成される。ノズル1Aの本体部材30における底部30aの下流側の面は、その中央部(前記切欠かれた縁部のより中央側の部分)が水の流入方向に対して直交するような面で構成される。
【0027】
ノズル1Aの本体部材30は、回転体40の一部が配置される凹部31を有する。
ノズル1Aの本体部材30における凹部31は、底部30aの上流側の面における中央部に形成される。ノズル1Aの本体部材30における凹部31は、底部30aの上流側の面が略半球状に凹むように、形成される。
【0028】
ノズル1Aの本体部材30は、絞り孔32を有する。
ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32は、ノズル1A内に流入した水の流れを絞って水の流速を増加させるものであり、絞り部12として構成される。
ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32は、上流側部30b内と下流側部30c内とが連通するように、底部30aを貫通して形成される。ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32は、水の流入方向に対して平行に形成される。
ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32の上流側の開口32aは、凹部31内に形成される。また、ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32の上流側の開口32aは、本体部材30の凹部31(底部30a)の中心から側部方向側にずれた位置に形成される。
ノズル1Aの本体部材30における絞り孔32の下流側の開口32bは、本体部材30における底部30aの下流側の面の中央部(底部30aにおける水の流入方向に対して直交するような面で構成される部分)に形成される。
【0029】
ノズル1Aの本体部材30は、四つの貫通孔33・33・・・を有する。
ノズル1Aの本体部材30における貫通孔33・33・・・は、周方向へ90度ずつ位相をずらすようにして、上流側部30bの側部にそれぞれ形成される。ノズル1Aの本体部材30における貫通孔33・33・・・は、水の流入方向に対して平行に、上流側部30bの側部における上流側端から下流側部30c内に貫通するようにそれぞれ形成される。
【0030】
ノズル1Aの本体部材30は、四つの切欠き34・34・・・を有する。
ノズル1Aの本体部材30における切欠き34・34・・・は、周方向へ90度ずつ位相をずらすようにして、上流側部30bの側部における上流側端部にそれぞれ形成される。ノズル1Aの本体部材30における切欠き34・34・・・は、側部の上流側端部の外周面が切欠かれて貫通孔33・33・・・に至るように、それぞれ形成される。
【0031】
ノズル1Aでは、本体部材30における貫通孔33と切欠き34とで構成される空間が、本体部材30の下流側部30c内(絞り部12の下流側部分の近傍におけるノズル1A内)に空気を導入する部分であり、空気導入部13として構成される。ノズル1Aの本体部材30における側部の切欠き34による開口は、空気導入部13における空気の入口の開口として構成される。ノズル1Aの本体部材30の貫通孔33における下流側部30cの開口は、空気導入部13における空気の出口の開口として構成される。
【0032】
そして、ノズル1Aの本体部材30における上流側部30b内に、本体部材30の上流側端の開口から接続部材20における下流側部20cを嵌挿する。このとき、ノズル1Aの本体部材30における上流側端部が、接続部材20におけるフランジ21に当接するまで、本体部材30における上流側部30b内に接続部材20を嵌挿する。
【0033】
このように、ノズル1Aの本体部材30における上流側部30b内に接続部材20の下流側部20cが嵌挿されることによって、本体部材30における上流側部30b内の面(上流側部30bの側部の内側の面、および、底部30aの上流側の面)と、接続部材20における底部20aの下流側の面と、で形成される空間で、回転体配置部16が構成される。
なお、ノズル1Aの本体部材30における上流側部30b内に接続部材20の下流側部20cが嵌挿された状態では、ノズル1Aの回転体配置部16と本体部材30の下流側部30cとは、その絞り孔32を介して連通した状態となる。
ノズル1Aの回転体配置部16は、回転体40が配置される部分である。ノズル1Aの回転体配置部16は、流入部11よりも下流側に配置されるとともに、絞り部12よりも上流側に配置される。
【0034】
またこのように、ノズル1Aの本体部材30における上流側部30b内に接続部材20の下流側部20cが嵌挿されることによって、接続部材20の貫通孔22とその切欠き23とで形成される空間、および、本体部材30における上流側部30b内の面(上流側部30bの側部の内側の面)と接続部材20の切欠き23とで形成される空間で、回転体回転手段17が構成される。
ノズル1Aの回転体回転手段17とは、ノズル1A内に流入した水の水流によって、回転体配置部16に配置された回転体40を回転させる手段である。ノズル1Aでは、回転体回転手段17によって回転体40を水の流入方向を軸方向とした周方向に回転させる。
ノズル1Aの回転体回転手段17は、流入部11よりも下流側に配置されるとともに、回転体配置部16の上流側に配置される。
【0035】
ノズル1Aの回転体40は、回転することによって絞り孔32(絞り部12)の上流側の開口32aの閉鎖と開放とを順次おこなって、絞り孔32(絞り部12)への水の流入を断続的に遮断するものであり、断続的遮断手段14として構成される。
【0036】
ノズル1Aの回転体40は、棒状の部材の軸心方向中央部に円盤状の部材が互いの軸心を一致させて設けられたような形状に構成される。ノズル1Aの回転体40における棒状部分の両端部は、それぞれ半球状に構成される。
【0037】
ノズル1Aの回転体40は、水の流入方向を軸方向とした周方向に回転可能なように、回転体配置部16に配置される。
このとき、ノズル1Aの回転体40は、その上部の棒状部分の一端部40a側が他端部40bよりも外周側を向くように軸心を傾斜させて、棒状部分の一端部40aを接続部材20の溝24内に位置させ、棒状部分の他端部40bを本体部材30の凹部31に位置させた姿勢で、回転体配置部16に配置される。このように配置されたノズル1Aの回転体40における回転中心は、本体部材30の凹部31(底部30a)の中心となる。
【0038】
ここで、前述のようにノズル1Aの本体部材30における上流側部30b内に接続部材20の下流側部20cが嵌挿された状態では、接続部材20の切欠き23・23と回転体配置部16とは、連通した状態となる。
このため、ノズル1Aの接続部材20における上流部から流入した水は、その内部を通って貫通孔22・22および切欠き23・23(回転体回転手段17)を通り、回転体配置部16に流入することとなる。
このように、ノズル1A内部に流入した水が接続部材20の貫通孔22・22と切欠き23・23と(回転体回転手段17)を通ることにより、水の水流方向がノズル1A内部への流入方向(接続部材20の軸方向)から周方向(反時計周り)となり、回転体配置部16に流入した水流は螺旋状の流水となる。
【0039】
そして、ノズル1Aの回転体配置部16の回転体40は、その円盤状部分にて前記螺旋状の水流を受けることによって周方向(反時計周り)に回転する。
このとき、ノズル1Aの回転体40は、その棒状部分の一端部40aが接続部材20の溝24内を反時計回りに移動し、その棒状部分の他端部40bが本体部材30の凹部31内においてその中心(回転体40の回転中心)より外側の部分の一部に当接するようにして、その軸心の向きを変えながら回転する。
さらにこのとき、ノズル1Aの回転体40は、これが回転して棒状部分の他端部40bが絞り孔32の上流側の開口32a上に位置したときに、当該棒状部分の下端部で当該絞り孔32の上流側の開口32aを閉鎖する。そして、ノズル1Aの回転体40は、これがさらに回転して、前記絞り孔32の上流側の開口32aを通過したときに、当該絞り孔32の上流側の開口32aを開放する。
【0040】
このようにして、ノズル1Aは、その回転体40が回転することによって、その棒状部分の下端部で絞り孔32(絞り部12)の上流側の開口32aの閉鎖と開放とを順次おこなっていき、絞り孔32(絞り部12)への水の流入を断続的に遮断する。そしてこのようにして、ノズル1Aは、本体部材30における絞り孔32(絞り部12)の下流側の開口32bから流出する水の流量を断続的に変化させ、ノズル1Aの流出口15から流出する空気混入水の流量も断続的に変化させて、その流出口15から脈動するような気泡混入水を流出する。
以上のように、ノズル1Aによれば、回転体回転手段17によって水流を利用して回転体40(断続的遮断手段14)を回転させて本体部材30の絞り孔32(絞り部12)への水の流入を断続的に遮断して、ノズル1Aから流出する気泡混入水による洗浄効果を向上させることができるものを、簡易構造で実現することができる。
【0041】
また、ノズル1Aは、その本体部材30における下流側部30c内に筒状に構成される筒部材50の上流側端部を嵌挿して、筒部材50を取付けた構成としてもよい。このようにノズル1Aの本体部材30に筒部材50を取付けた際には、筒部材50の下流側の開口がノズル1Aの流出口15として構成される。
【0042】
このようにノズル1Aに筒部材50を取付けた際には、ノズル1Aの空気導入部13における空気の入口の開口から、ノズル1Aの流出口15を遠ざける構成となる。
このため、ノズル1Aが筒部材50を具備する構成とすることにより、気泡混入水が、前記ノズル1Aの流出口15から飛散って空気導入部13における空気の入口の開口に流入し、当該空気導入部13が詰まることを抑制することができる。
【0043】
また、ノズル1Aに取付けた筒部材50の下流側端部に、シリコンチューブ70や筒状の部材の一端の開口部にブラシが設けられて構成されるブラシ部材71等を取付けて(図4参照)、洗浄対象物に当該ブラシやシリコンチューブ等を当接させながら当該洗浄対象物を洗浄してもよい。
また、ノズル1Aは、洗浄対象物を配置するための容器を筒部材50内と当該容器内とが連通するように筒部材50の下流側端部に設け、当該容器内に気泡混入水を直接流出するように構成してもよい。
【0044】
なお、ノズル1Aの回転体40によって絞り孔32の上流側の開口32aを閉鎖する状態とは、絞り孔32の上流側の開口32aと回転体40との間に若干の隙間が生じて、絞り孔32の上流側の開口32aへの水の流入が少なくなるような状態も含むものとする。
【0045】
また、ノズル1Aの回転体回転手段17は、回転体配置部16に流入した水流が螺旋状の流水となるような、本体部材30の軸方向に対して傾斜した溝を、本体部材30における上流側部30b内の面に形成して構成してもよい。
【0046】
また、ノズル1Aは、図5に示すように、本体部材30における底部30aに凹部31を形成せず、断続的遮断手段14を六面体で構成される回転体60としてもよい。この場合、底部30aは、例えば外周側から中心側へ向かうに従って下流側へ傾斜する面に形成される。
このようなノズル1Aでは、その回転体60は、その側方の面で前記螺旋状の水流を受けることによって回転し、当該転体の下流側の面で、本体部材30における底部30aの上流側面に形成された絞り孔32の上流側の開口32aの閉鎖と開放とをおこなう。
【0047】
また、ノズル1Aの本体部材30が複数個の絞り孔32・32・・・を有する構成とし、当該複数個の絞り孔32・32・・・で絞り部12を構成してもよい。
例えば、図6乃至8に示すように、ノズル1Aの本体部材30の絞り孔32は凹部31内に三つ形成され、当該三つの絞り孔32・32・32で絞り部12が構成される。ノズル1Aの本体部材30の絞り孔32・32・32は、周方向に60度ずつ位相をずらしてそれぞれ形成される。ノズル1Aの本体部材30の絞り孔32・32・32におけるそれぞれの下流側の開口32b・32b・32bは、当該絞り孔32・32・32におけるそれぞれの下流側の開口32b・32b・32bから流出する三本の水の水流が一本の水流となるような位置にそれぞれ形成される。
【0048】
そしてこのようなノズル1Aでは、回転体40は、これが回転してその棒状部分の他端部40bが一つの絞り孔32の上流側の開口32a上に位置したときに、当該棒状部分の下端部で当該一つの絞り孔32の上流側の開口32aを閉鎖し、これがさらに回転して前記一つの絞り孔32の上流側の開口32aを通過したときに、当該一つの絞り孔32の上流側の開口32aを開放する。さらに、回転体40は、前記一つの絞り孔32の回転体40の回転方向側に隣接する絞り孔32の方に回転していき、当該隣接する絞り孔32においても同様に、絞り孔32の上流側の開口32aの閉鎖と開放とをおこなう。
【0049】
このように、ノズル1Aでは、その回転体40が回転することによって、当該回転体40の棒状部分の下端部で、三つの(複数の)絞り孔32・32・32のうち少なくとも一つの絞り孔32の上流側の開口32aの閉鎖と開放とを順次おこなっていき、回転体配置部16から前記少なくとも一つの絞り孔32への水の流入を断続的に遮断する。そして、さらに回転体40が回転することによって、前記閉鎖と開放とをおこなった絞り孔32に隣接する絞り孔32の上流側の開口32aの閉鎖と開放とを順次おこなっていき、回転体配置部16から前記隣接する絞り孔32への水の流入を断続的に遮断する。そしてこのようにして、ノズル1Aは、少なくとも一つの絞り孔32への水の流入を断続的に遮断して、絞り孔32・32・32(絞り部12)の下流側の開口32b・32b・32bから流出する水の流量を断続的に変化させ、ノズル1Aの流出口15から流出する空気混入水の流量も断続的に変化させて、その流出口15から脈動するような気泡混入水を流出する。
【0050】
またこのとき、ノズル1Aでは、本体部材30における絞り孔32・32・32への水の流入が回転体40によって遮断されない状態では、絞り孔32・32・32におけるそれぞれの下流側の開口32b・32b・32bから水が流出する(三本の水が流出する)。また、ノズル1Aでは、本体部材30における一つの絞り孔32への水の流入が回転体40によって遮断された状態では、他の二つの絞り孔32・32におけるそれぞれの下流側の開口32b・32bから水が流出する(二本の水が流出する)。
このようにして、ノズル1Aでは、本体部材30における複数の絞り孔32・32・・・のうち一つの絞り孔32への水の流入が回転体40によって遮断された状態であっても、他の絞り孔32・32・・・から流出する水を気泡混合水として、これを流出口15から流出することができる。
したがって、ノズル1Aによれば、脈動するような気泡混入水をその流出口15から途切れないように流出させて、その洗浄効果をより向上させることができる。
なお、ノズル1Aでは、本体部材30における絞り孔32・32・32の水の流入が回転体40によって遮断されない状態では、下流側の開口32b・32b・32bから流出した三本の水の水流は一本の水流となり、流出口15からも一本の水流の気泡混入水が流出する。また、ノズル1Aでは、本体部材30における一つの絞り孔32への水の流入が回転体40によって遮断された状態では、他の二つの絞り孔32・32におけるそれぞれの下流側の開口32b・32bから流出した二本の水の水流となり、流出口15からも一本の水流の気泡混入水が流出する。
【0051】
ノズル1Aでは、本体部材30における複数の絞り孔32・32・・・の下流側の開口32b・32b・・・から流出する複数の水流が、本体部材30の中心側にそれぞれ近づくように本体部材30の軸方向に対して斜めに流出するように構成してもよい。
例えば図9(a)に示すように、ノズル1Aの本体部材30における底部30aの下流側の面に、その中央部から下流側方向に突出する山状の凸部を形成し、当該凸部の斜面に3つの(複数の)絞り孔32・32・32の下流側の開口32b・32b・32bをそれぞれ形成してもよい。
また図9(b)に示すように、ノズル1Aの本体部材30の三つの(複数の)絞り孔32・32・32は、絞り孔32・32・32の上流側の開口32a・32a・32aから下流側の開口32b・32b・32bに向かって本体部材30の中心側に近づくように本体部材30の軸方向に対して傾斜してそれぞれ形成してもよい。
このように、ノズル1Aの本体部材30における複数の絞り孔32・32・・・の下流側の開口32b・32b・・・から流出する複数の水流が、本体部材30の中心側にそれぞれ近づくように本体部材30の軸方向に対して斜めに流出する構成とすることにより、より確実に、脈動するような気泡混入水を途切れない一本の水流として、その洗浄効果をより向上させることができる。
【0052】
次に、本発明の第二実施形態に係るノズル1Bについて、図10から図13を用いて説明する。なお、第二実施形態に係るノズル1Bは、第一実施形態に係るノズル1Aと同様の構成を有する部分があるため、ノズル1Bの説明は、ノズル1Aと同様の構成の部分については適宜省略し、ノズル1Aの構成と異なる部分を中心に説明する。
【0053】
ノズル1Bは、図10乃至図13に示すように、主に、接続部材20、本体部材30、回転体40、および、筒部材50等で構成される。
【0054】
ノズル1Bの本体部材30は、略有底筒状に形成される。ノズル1Bの本体部材30は、その上流側端が開口し、その下流側端に底部30aが配置されたような形状に形成される。
ノズル1Bの本体部材30における側部は、その底部30aに比べて肉薄状に形成される。
ノズル1Bの本体部材30における上流側端部には、フランジ36が形成される。ノズル1Bの本体部材30におけるフランジ36は、側方に突出するように形成される。
ノズル1Bの本体部材30は、3つの絞り孔32・32・32を有する。
【0055】
ノズル1Bの本体部材30は、四つの切欠き37・37・・・を有する。
ノズル1Bの本体部材30における切欠き37・37・・・は、周方向に90度ずつ位相をずらすようにして、それぞれ形成される。ノズル1Bの本体部材30における切欠き37・37・・・は、フランジ36を含む外周面の一部が、上端部から下端部に亘って水の流入方向に沿って切欠かれるように形成される。
【0056】
ノズル1Bの筒部材50は、その上流側端および下流側端がそれぞれ開口するような筒状に構成される。ノズル1Bの筒部材50における下流側の開口は、ノズル1Bの流出口15として構成される。
ノズル1Bの筒部材50は、その上流側部30bの内径が本体部材30におけるフランジ36を除く部分の外径と略同一に形成されて、当該上流側部30b内に本体部材30におけるフランジ36を除く部分を嵌挿可能に構成される。
【0057】
そして、ノズル1Bの筒部材50内に、筒部材50の上流側端の開口から本体部材30におけるフランジ36を除く部分を嵌挿する。このとき、ノズル1Bの筒部材50における上流側端部が本体部材30におけるフランジ36に当接するまで、本体部材30におけるフランジ36を除く部分を筒部材50内に嵌挿する。
【0058】
このように、ノズル1Bの筒部材50内に本体部材30におけるフランジ36を除く部分が嵌挿されることによって、筒部材50の内周面と本体部材30の切欠き37が形成されていない部分の外周面とは当接または近接するが、筒部材50の内周面と本体部材30の切欠き37が形成された部分の外周面との間には空間が形成される。この本体部材30における切欠き37と筒部材50の内側の面とで形成される空間で、空気導入部13が構成される。ノズル1Bの本体部材30における切欠き37の上端の開口が、空気導入部13における空気の入口の開口として構成される。ノズル1Bの本体部材30における切欠き37の下端の開口が、空気導入部13における空気の出口の開口として構成される。
【0059】
このように、ノズル1Bによれば、本体部材30における切欠き37と筒部材50の内側の面とで形成される空間で空気導入部13を構成することにより、その幅を細く構成して小型化することができる。
【0060】
また、ノズル1Bの内側(上流側と下流側との中途部の内側)は、筒部材50が本体部材に取付けられた状態において、本体部材30における切欠き37・37・・・の下端側の開口(空気導入部13における空気の出口の開口)近傍から下流側にいくに従って、本体部材30の絞り孔32側に近づくようなテーパ状に形成される。
このため、空気導入部13における空気の出口の開口から流出する空気は、前記筒部材50の内側のテーパ状の部分によって本体部材30における絞り孔32の下流側の開口32b側に案内され、当該絞り孔32の下流側の開口32bから流出した水に、容易に吸引されることとなる。このため、ノズル1Bでは、本体部材30における絞り孔32の下流側の開口32bから流出する水に確実に気泡を混入させ、これを気泡混入水とすることができる。
【符号の説明】
【0061】
1A ノズル
1B ノズル
11 流入部
12 絞り部
13 空気導入部
14 断続的遮断手段
16 回転体配置室
17 回転体回転手段
20 接続部材
30 本体部材
40 回転体
50 筒部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の流出口に接続されて、前記水の流出口からの水が流入する流入部と、
前記流入部から流入した水の流れを絞って水の流速を増加させる絞り部と、
前記絞り部から下流側へ流出する水に空気が吸引されて気泡が混入され、気泡混入水となるように空気を導入する空気導入部と、
前記絞り部への水の流入を断続的に遮断する断続的遮断手段と、を具備し、
前記断続的遮断手段にて前記絞り部への水の流入を断続的に遮断することにより、前記気泡混入水の流出する流量を断続的に変化させて脈動するような気泡混入水を流出する、ノズル。
【請求項2】
前記断続的遮断手段は、回転することによって前記絞り部の上流側の開口の閉鎖と開放とを順次おこなって、前記絞り部への水の流入を断続的に遮断する、回転体で構成され、
前記ノズルは、水流によって前記回転体を回転させる回転体回転手段を具備する、
請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記絞り部は、複数個の絞り孔で構成され、
前記回転体は、回転することによって前記複数個の絞り孔のうち少なくとも一つの絞り孔の上流側の開口の閉鎖と開放とを順次おこなって、前記絞り孔への水の流入を断続的に遮断する、
請求項2に記載のノズル。
【請求項1】
水の流出口に接続されて、前記水の流出口からの水が流入する流入部と、
前記流入部から流入した水の流れを絞って水の流速を増加させる絞り部と、
前記絞り部から下流側へ流出する水に空気が吸引されて気泡が混入され、気泡混入水となるように空気を導入する空気導入部と、
前記絞り部への水の流入を断続的に遮断する断続的遮断手段と、を具備し、
前記断続的遮断手段にて前記絞り部への水の流入を断続的に遮断することにより、前記気泡混入水の流出する流量を断続的に変化させて脈動するような気泡混入水を流出する、ノズル。
【請求項2】
前記断続的遮断手段は、回転することによって前記絞り部の上流側の開口の閉鎖と開放とを順次おこなって、前記絞り部への水の流入を断続的に遮断する、回転体で構成され、
前記ノズルは、水流によって前記回転体を回転させる回転体回転手段を具備する、
請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記絞り部は、複数個の絞り孔で構成され、
前記回転体は、回転することによって前記複数個の絞り孔のうち少なくとも一つの絞り孔の上流側の開口の閉鎖と開放とを順次おこなって、前記絞り孔への水の流入を断続的に遮断する、
請求項2に記載のノズル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−170929(P2012−170929A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37523(P2011−37523)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000114972)ヤンマー産業株式会社 (5)
【出願人】(511048395)株式会社k&kサービス (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000114972)ヤンマー産業株式会社 (5)
【出願人】(511048395)株式会社k&kサービス (3)
【Fターム(参考)】
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