説明

バイオセンサ用異常出力検出システム

【課題】分析対象物のレドックス反応由来の出力シグナルが正常な形状または構造または異常な形状または構造を有するかどうかを決定する異常出力検出システムを提供する。
【解決手段】異常出力検出システムは、出力シグナルが生体液の精密な解析および/または正確な解析をもたらすことができない形状または構造を有するかどうかを決定する際に、バイオセンサの精密性および正確性を向上させる。バイオセンサは、分析対象物のレドックス反応に応答して、出力シグナルを生成する。バイオセンサは、出力シグナルを正規化し、そして正規化出力シグナルを1またはそれ以上の管理限界と比較する。バイオセンサは、正規化出力シグナルが管理限界内にない場合、エラーシグナルを生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の参照
[001] 本出願は、2006年5月8日に出願された“Abnormal Output Detection System for a Biosensor”との発明の名称のU.S.仮出願No. 60/746,771に基づく利益を主張し、こ
の内容の全体を、参考文献として援用する。
【0002】
背景
[002] バイオセンサは通常、生体液(例えば、全血、尿、または唾液)の解析をもた
らす。典型的には、バイオセンサは、生体液サンプルを解析し、生体液中の1またはそれ
以上の分析対象物(グルコース、尿酸、ラクテート、コレステロール、またはビリルビンなど)の濃度を測定する。解析は、生理学的異常の診断および治療に有用である。例えば、糖尿病個体は、食事および/または投薬に調整を加えるために、バイオセンサを使用して、血中グルコースレベルを測定することができる。
【0003】
[003]バイオセンサは、生体液の解析のあいだに、異常出力をもたらす場合がある。異
常出力は、生体液の解析のあいだの誤差に応答している可能性がある。誤差は、サンプルの物理的特徴、サンプルの環境的側面、サンプルの操作条件、妨害物質等の1またはそれ
以上の因子に由来するものである可能性がある。サンプルの物理的特徴には、ヘマトクリットレベルなどが含まれる。サンプルの環境的側面には、温度等が含まれる。サンプルの操作条件には、サンプルサイズが十分には大きくない場合の充填量不足条件、サンプルのゆっくりとした充填、サンプルとバイオセンサ中の1またはそれ以上の電極との間欠的な
電気的接触等が含まれる。妨害物質には、アスコルビン酸、アセトアミノフェンなどが含まれる。その他の因子および/または誤差および/または異常出力を生じる因子の組合せが存在していてもよい。
【0004】
[004] バイオセンサは、卓上型、携帯型などの装置を使用して実行することができる
。携帯型装置は、手持ち型であってもよい。バイオセンサは、1またはそれ以上の分析対
象物を解析するように設計することができ、そして様々な容量の生体液を使用することができる。いくつかのバイオセンサは、一滴の全血、例えば0.25〜15マイクロリットル(μL)の容量を解析することができる。携帯型測定装置の例には、Bayer CorporationのAscensia Breeze(登録商標)およびElite(登録商標)測定装置;Abbott(Abbott Park, Illinois)から入手可能な正確性(登録商標)バイオセンサ;Roche(Indianapolis, Indiana)から入手可能なAccucheck(登録商標)バイオセンサ;そしてLifescan(Milpitas, California)から入手可能なOneTouch Ultra(登録商標)バイオセンサ;が含まれる。卓上型測定装置の例には、BAS Instruments(West Lafayette, Indiana)から入手可能なBAS 100B Analyzer;CH Instruments(Austin, Texas)から入手可能なCH InstrumentsのElectrochemical Workstation;Cypress Systems(Lawrence, Kansas)から入手可能なCypress Electrochemical Workstation;そしてPrinceton Research Instruments(Princeton, New Jersey)から入手可能なEG&G Electrochemical Instrument;が含まれる。
【0005】
[005] バイオセンサは通常、電気的シグナルを測定して、生体液サンプル中の分析対
象物濃度を決定する。分析対象物は典型的には、入力シグナルがサンプルに対して印加される場合に、酸化/還元またはレドックス反応を受ける。酵素または同様の種をサンプルに対して添加して、レドックス反応を亢進することができる。入力シグナルは通常、電気的シグナル(電流または電位など)である。レドックス反応は、入力シグナルに応答して、出力シグナルを生成する。出力シグナルは通常、電気的シグナル(電流または電位など)であり、それを測定することができ、そして生体液中の分析対象物濃度と相関させるこ
とができる。
【0006】
[006] 多数のバイオセンサは、測定装置およびセンサストリップを有する。生体液サ
ンプルは、センサストリップ中のサンプルチャンバ中に導入される。センサストリップは、解析のための測定装置中に設置される。測定装置は通常、センサストリップ中の導電体に接続する電気接点を有する。導電体は典型的に、作用電極、カウンタ電極、および/またはその他の電極に接続し、それがサンプルチャンバ中にまで伸展する。測定装置は、電気接点を介してセンサストリップ中の導電体に入力シグナルを印加する。導電体は、電極を介して、サンプルチャンバ中に正確におかれたサンプル中に入力シグナルを運搬する。分析対象物のレドックス反応は、入力シグナルに応答して、出力シグナルを生成する。測定装置は、出力シグナルに応答して、分析対象物濃度を決定する。
【0007】
[007] センサストリップには、生体液サンプル中の分析対象物と反応する試薬が含ま
れていてもよい。試薬には、分析対象物の酸化還元を促進するためのイオン化剤、および分析対象物と伝導体とのあいだでの電子の輸送を補助するメディエータまたはその他の物質が含まれていてもよい。イオン化剤は、分析対象物特異的酵素(例えば、全血サンプル中のグルコースの酸化を触媒する、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼ)であってもよい。試薬には、酵素とメディエータとを一緒に保持する結合剤が含まれていてもよい。
【0008】
[008] バイオセンサには、誤差と関連した解析を防止しまたは除外するための1またはそれ以上の誤差検出システムが含まれてもよい。誤差を伴う解析から得られる濃度値は不正確である可能性がある。これらの不正確な解析を防止しまたは除外する能力により、得られる濃度値の正確性を上昇させることができる。誤差検出システムは、参照温度とは異なるサンプル温度等の誤差を検出しそして誤差を補正することができる。誤差検出システムは、充填量不足条件などの誤差に応答して、生体液の解析を検出しそして停止することができる。
【0009】
[009] いくつかのバイオセンサは、サンプル温度を検出しそしてそれを補正する誤差
検出システムを有する。そのような誤差検出システムは典型的には、サンプル温度に応答して、特定の参照温度について分析対象物濃度を補正する。多数のバイオセンサシステムが、相関式から分析対象物濃度を算出する前に出力シグナルを変更することにより、温度を補正する。その他のバイオセンサシステムは、相関式により算出される分析対象物濃度を変化させることにより、温度を補正する。サンプル温度についての誤差検出システムを有するバイオセンサシステムは、U.S.特許番号4,431,004;4,750,496;5,366,609;5,395,504;5,508,171;6,391,645;および6,576,117;に記載される。
【0010】
[0010] いくつかのバイオセンサは、充填量不足条件が存在するかどうかを検出する誤差検出システムを有する。そのような誤差検出システムは、典型的には、不十分な容量のサンプルサイズと関連した解析を防止しまたは除外する。多数の充填量不足検出システムは、センサストリップ内のサンプルチャンバの部分的な充填および/または完全な充填を検出する、1またはそれ以上の指示電極を有する。いくつかの充填量不足検出システムは
、入力シグナルを生体液サンプルに対して印加するために使用されるカウンタ電極および作用電極に加えて、第三の電極を有する。その他の充填量不足検出システムは、カウンタ電極の補助的構成要素(sub-element)を使用して、センサストリップが充填量不足であ
るかどうかを決定する。充填量不足条件についての誤差検出システムを有するバイオセンサシステムが、US特許5,582,697および6,531,040中に記載される。
【0011】
[0011] これらの充填量不足検出システムは様々な利点と欠点とを併せ持っているが、理想的なものは存在しない。これらのシステムは通常は、特定のタイプの誤差を検出しそ
してそれに対して反応するように指向される。しかしながら、これらのシステムは、典型的には、バイオセンサからの出力シグナルが生体液の解析からの正常な反応または異常な反応かどうかを評価せずまたは決定しない。結果的に、バイオセンサは、誤差検出システムが誤差を検出しない場合、不正確な解析をもたらす可能性がある。さらに、バイオセンサは、誤差検出システムが個別には誤差を生じない因子の組合せに由来する誤差を検出しない場合、不正確な解析をもたらす場合がある。
【0012】
[0012] 従って、改良型のバイオセンサ、特にバイオセンサからの異常出力シグナルのますます精密なおよび/または正確な検出をもたらすことができるもの、についての現在継続中の要望が存在する。本発明のシステム、装置、そして方法は、従来型のバイオセンサに関連する少なくとも1つの欠点を克服する。
【0013】
発明の概要
[0013] 本発明は、分析対象物のレドックス反応由来の出力シグナルが、正常な形状または構造または異常な形状または構造を有するかどうかを決定する、異常出力検出システムを伴うバイオセンサを提供する。正常な形状または構造を伴う出力シグナルは、生体液の精密なおよび/または正確な解析を提供することができる。異常な形状または構造を伴う出力シグナルは、生体液の精密なおよび/または正確な解析を提供することができない。バイオセンサは、分析対象物のレドックス反応に応答して、出力シグナルを生成する。バイオセンサは、出力シグナルを測定しそして正規化する。バイオセンサは、正規化出力シグナルを1またはそれ以上の管理限界と比較し、そして正規化出力シグナルが管理限界
内にない場合に、エラーシグナルを生成する。
【0014】
[0014] バイオセンサにおける異常出力を検出するための方法には、生体液サンプル中の分析対象物のレドックス反応からの出力シグナルを正規化すること、正規化出力シグナルを少なくとも一つの管理限界と比較すること、そして正規化出力シグナルが少なくとも一つの管理限界内にない場合にエラーシグナルを生成すること、が含まれる。この方法にはまた、少なくとも1つの基礎出力値と少なくとも1つの出力シグナルの測定出力値とのあいだの差異を決定することが含まれていてもよい。出力シグナルは、パルス化シークエンスに応答するものであってもよく、そして少なくとも1つの基礎出力値は、出力シグナル
の測定出力値であってもよい。この方法にはまた、出力シグナルパルスにおける少なくとも1つの出力値を出力シグナルパルスにおける最初の出力値で割ることが含まれていても
よく、そして出力シグナルはゲート化アンペロメトリー電気化学システムに応答するものであってもよい。この方法にはまた、研究室の結果の統計的解析から少なくとも一つの管理限界を決定することが含まれてもよい。
【0015】
[0015] この方法には、パルス化シークエンスに応答して、出力シグナルを生成することが含まれてもよく、そしてパルス化シークエンスは少なくとも5回のパルスを含んでも
よい。4回目のパルスにおける正規化電流値、R4は、式
【0016】
【数1】

【0017】
により示すことができ、ここで式中、i4,1は4回目のパルスにおける最初の電流値であり
、そしてi4,8は4回目のパルスにおける最後の電流値である。R4は、0.45よりも大きいか
または等しいものであってもよく、そしてR4は、0.85未満であるかまたは0.85と等しいものであってもよい。5回目のパルスにおける正規化電流値、R5は、式
【0018】
【数2】

【0019】
により示すことができ、ここで式中、i5,1は5回目のパルスにおける最初の電流値であり
、そしてi5,8は5回目のパルスにおける最後の電流値である。R5は、0.45よりも大きいか
または等しいものであってもよく、そしてR5は、0.85未満であるかまたは0.85と等しいものであってもよい。4回目のパルスにおける正規化電流値の5回目のパルスにおける正規化電流値に対する比率(Ratio)は、式
【0020】
【数3】

【0021】
により示すことができ、ここで式中i4,1は4回目のパルスにおける最初の電流値であり、i4,8は4回目のパルスにおける最後の電流値であり、i5,1は5回目のパルスにおける最初の
電流値であり、そしてi5,8は5回目のパルスにおける最後の電流値である。4回目のパルスにおける正規化電流値の5回目のパルスにおける正規化電流値に対する比率(Ratio)は、0.75よりも高いかまたは0.75と等しいか、または1.2未満であるかまたは1.2と等しいものであってもよい。
【0022】
[0016] バイオセンサにおける異常出力を検出するための別の方法には、生体液サンプル中の分析対象物のレドックス反応に応答して出力シグナルを生成すること、出力シグナルを測定すること、出力シグナルを正規化すること、正規化出力シグナルを少なくとも一つの管理限界と比較すること、そして正規化出力シグナルが少なくとも一つの管理限界中のものではない場合にエラーシグナルを生成すること、が含まれる。この方法には、入力シグナルを生体液サンプルに対して印加することが含まれていてもよい。この方法には、出力シグナルを間欠的に測定することが含まれていてもよく、そしてすくなくとも8つの
電流値を少なくとも1つの出力シグナルパルスにおいて測定することができる。この方法
には、出力シグナルパルスにおける少なくとも1つの出力値を、出力シグナルパルスにお
ける最初の出力値で割ることが含まれていてもよい。この方法には、研究室での結果の統計的解析から、少なくとも一つの管理限界を決定することが含まれてもよい。
【0023】
[0017] 出力シグナルには、少なくとも5回のパルスが含まれていてもよく、ここで4回目のパルスにおける正規化電流値、R4は式
【0024】
【数4】

【0025】
により示され、ここで式中、i4,1は4回目のパルスにおける最初の電流値であり、そしてi4,8は4回目のパルスにおける最後の電流値である。5回目のパルスにおける正規化電流値
、R5は式
【0026】
【数5】

【0027】
により示され、ここで式中、i5,1は5回目のパルスにおける最初の電流値であり、そしてi5,8は5回目のパルスにおける最後の電流値である。4回目のパルスにおける正規化電流値
の5回目のパルスにおける正規化電流値に対する比率(Ratio)は式
【0028】
【数6】

【0029】
により示され、ここで式中、i4,1は4回目のパルスにおける最初の電流値であり、i4,8は4回目のパルスにおける最後の電流値であり、i5,1は5回目のパルスにおける最初の電流値
であり、そしてi5,8は5回目のパルスにおける最後の電流値である。
【0030】
[0018] 入力シグナルにはパルス化シークエンスが含まれていてもよく、入力シグナルはゲート化アンペロメトリー電気化学システムに応答するものであってもよく、および/または入力シグナルにはポーリング入力シグナルとアッセイ入力シグナルとが含まれていてもよい。ポーリング入力シグナルは約300 ms未満のポーリングパルス幅を有してもよく、そしてポーリング入力シグナルは約1秒未満のポーリングパルス間隔を有してもよい。
ポーリング入力シグナルは、約0.5 ms〜約75 msの範囲のポーリングパルス幅と約5 ms〜
約300 msの範囲のポーリングパルス間隔とを有してもよい。アッセイ入力シグナルは、約5秒未満のアッセイパルス幅と約15秒未満のアッセイパルス間隔とを有してもよい。アッ
セイ入力シグナルはまた、約0.1秒〜約3秒の範囲のアッセイパルス幅と約0.2秒〜約6秒の範囲のアッセイパルス間隔とを有してもよい。
【0031】
[0019] 入力シグナルがポーリング入力シグナルとアッセイ入力シグナルとを含む場合、この方法には、約180秒未満のポーリング周期のあいだポーリング入力シグナルを印加
すること、そして約180秒未満のアッセイ周期のあいだアッセイ入力シグナルを印加する
ことが含まれてもよい。入力シグナルがポーリング入力シグナルとアッセイ入力シグナルとを含む場合、この方法には、約0.1秒〜約10秒の範囲のポーリング周期のあいだポーリ
ング入力シグナルを印加すること、そして約1秒〜約100秒の範囲のアッセイ周期のあいだアッセイ入力シグナルを印加すること、が含まれてもよい。
【0032】
[0020] 入力シグナルがポーリング入力シグナルとアッセイ入力シグナルとを含む場合、この方法には、約5〜10 msのポーリングパルス幅と約125 msのポーリングパルス間隔とを有するポーリング入力シグナルを、約1.25秒のあいだサンプルに対して印加すること、そして約1秒のアッセイパルス幅と約1.5秒のアッセイパルス間隔とを有するアッセイ入力シグナルを、約7秒のあいだサンプルに印加することが含まれていてもよい。ポーリング
入力シグナルは約400 mVの電位を有していてもよく、アッセイ入力シグナルは約400 mVの電位を伴う第一のパルスを有していてもよく、そしてアッセイ入力シグナルは約200 mVの電位を伴う少なくとも1つのその他のパルスを有していてもよい。アッセイ入力シグナル
を、ポーリング出力シグナルがポーリング閾値よりも高いかまたは同等である場合に印加することができ、そしてポーリング閾値は約250 nAであってもよい。
【0033】
[0021] 生体液中の分析対象物濃度を測定するためのバイオセンサには、基板により形成されるリザーバに隣接するサンプルインターフェースを基板上に有するセンサストリッ
プ、サンプルインターフェースと電気的に連通しているセンサインターフェースに接続されたプロセッサを有する測定装置が含まれ、ここでプロセッサは生体液サンプル中の分析対象物のレドックス反応に由来する出力シグナルを正規化し、プロセッサは正規化出力シグナルを少なくとも一つの管理限界と比較し、そしてプロセッサは正規化出力シグナルが少なくとも一つの管理限界内にない場合にエラーシグナルを生成する。プロセッサは、出力シグナルの少なくとも1つの基礎出力値と少なくとも1つの測定出力値とのあいだの差異を決定することができおよび/または出力シグナルパルスにおける少なくとも1つの出力
値を出力シグナルパルスにおける最初の出力値で割ることができる。少なくとも一つの管理限界を、研究室の結果の統計的解析から予め決めることができる。
【0034】
[0022] プロセッサは、ポーリング入力シグナルとアッセイ入力シグナルとを含む入力シグナルを、生体液サンプルへと印加することができる。ポーリング入力シグナルは、約300 ms未満のポーリングパルス幅と約1秒未満のポーリングパルス間隔とを有していても
よい。アッセイ入力シグナルは、約5秒未満のアッセイパルス幅と約15秒未満のアッセイ
パルス間隔とを有していてもよい。プロセッサは、約180秒未満のポーリング周期のあい
だポーリング入力シグナルを印加することができ、そして約180秒未満のアッセイ周期の
あいだアッセイ入力シグナルを印加することができる。プロセッサは、約0.1秒〜約10秒
の範囲のポーリング周期のあいだポーリング入力シグナルを印加することができ、そして約1秒〜約100秒の範囲のアッセイ周期のあいだアッセイ入力シグナルを印加することができる。プロセッサは、約5〜10 msのポーリングパルス幅、約125 msのポーリングパルス間隔、および約400 mVの電位を有するポーリング入力シグナルを、サンプルに対して約1.25秒のあいだ印加することができる。プロセッサは、約1秒のアッセイパルス幅、約1.5秒のアッセイパルス間隔、約400 mVの電位を伴う第一のパルス、および約200 mVの電位を伴う少なくとも1つのその他のパルスを有するアッセイ入力シグナルを、サンプルに対して約7秒のあいだ印加することができる。プロセッサは、ポーリング出力シグナルが約250 nAのポーリング閾値よりも大きいかまたは同等である場合に、アッセイ入力シグナルを印加することができる。
【0035】
[0023] バイオセンサの出力シグナルには、少なくとも5回のパルスが含まれていても
よく、4回目のパルスにおける正規化電流値、R4は、式
【0036】
【数7】

【0037】
により示すことができ、ここで式中、i4,1は4回目のパルスにおける最初の電流値であり
、そしてi4,8は4回目のパルスにおける最後の電流値である。5回目のパルスにおける正規化電流値、R5は、式
【0038】
【数8】

【0039】
により示すことができ、ここで式中、i5,1は5回目のパルスにおける最初の電流値であり
、そしてi5,8は5回目のパルスにおける最後の電流値である。4回目のパルスにおける正規化電流値の5回目のパルスにおける正規化電流値に対する比率(Ratio)は、式
【0040】
【数9】

【0041】
により示すことができ、ここで式中、i4,1は4回目のパルスにおける最初の電流値であり
、i4,8は4回目のパルスにおける最後の電流値であり、i5,1は5回目のパルスにおける最初の電流値であり、そしてi5,8は5回目のパルスにおける最後の電流値である。
【0042】
[0024] バイオセンサのプロセッサは、出力シグナルを測定することができる。プロセッサは、出力シグナルを間欠的に測定することができる。出力シグナルは、パルス化シークエンスに応答性のものであってもよい。出力シグナルは、ゲート化アンペロメトリー電気化学システムに応答性のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
[0025] 本発明は、以下の図面および記載を参照してよりよく理解することができる。図面中の構成要素は必ずしも等縮尺という訳ではなく、代わりに本発明の原理を説明する際に強調されている場合がある。さらに、図面中において、異なる図面を通じて対応する部分を示す番号は同様な意味を有している。
【図1】[0026] 図1は、バイオセンサにおける異常出力シグナルを検出するための方法を示す。
【図2】[0027] 図2は、ゲート化電流測定(アンペロメトリー)を使用する電気化学システムについての入力シグナルに関連した出力シグナルを示すグラフである。
【図3】[0028] 図3は、異常出力シグナル検出システムを伴うバイオセンサの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
詳細な説明
[0029] 本発明は、バイオセンサ用の異常出力検出システムを提供する。異常出力検出システムは、出力シグナルが生体液の精密なおよび/または正確な解析をもたらすことができない形状または構造を有するかどうかを調べる際の、バイオセンサの精密性および正確性を向上させる。バイオセンサは、分析対象物のレドックス反応に応答して、出力シグナルを生成する。出力シグナルを測定し、それを生体液中の分析対象物濃度と相関させることができる。バイオセンサは、出力シグナルを正規化し、そして正規化出力シグナルを1またはそれ以上の管理限界と比較する。バイオセンサは、正規化出力シグナルが管理限
界内にない場合、エラーシグナルを生成する。異常出力検出システムを、その他の誤差検出システムとは別個に使用することができまたは一緒に使用することができる。バイオセンサを使用して、生体液(全血、尿、唾液など)中の1またはそれ以上の分析対象物濃度
(グルコース、尿酸、ラクテート、コレステロール、ビリルビンなど)を測定することができる。
【0045】
[0030] 図1は、バイオセンサからの異常出力を検出するための方法を示す。正常な出
力シグナルは、生体液の精密なおよび/または正確な解析をもたらすことができる形状または構造を有する。異常出力シグナルは、生体液の精密なおよび/または正確な解析を提供することができない形状または構造を有する。102において、バイオセンサは、生体液
サンプル中の分析対象物のレドックス反応に応答して、出力シグナルを生成する。104に
おいて、バイオセンサは出力シグナルを測定する。106において、バイオセンサは出力シ
グナルを正規化する。108において、バイオセンサは正規化出力シグナルを1またはそれ以上の管理限界と比較する。110において、バイオセンサは、正規化出力シグナルが管理限
界内にない場合、エラーシグナルを生成する。
【0046】
[0031] 図1の102において、バイオセンサは、生体液サンプル中の分析対象物の酸化/還元反応またはレドックス反応に応答して、出力シグナルを生成する。出力シグナルを、光学的センサシステム、電気化学的センサシステム等を使用して生成することができる。
【0047】
[0032] 光学的センサシステムは、分析対象物のレドックス反応による化学指示薬の反応によって吸収される光量または生成される光量を一般的には測定する。酵素を化学指示薬とともに含ませて、反応速度を高めることができる。光学的システム由来の出力シグナルまたは光を、電流または電位などの電気的シグナルに変換することができる。
【0048】
[0033] 光吸収性光学システムにおいて、化学指示薬は、光を吸収する反応生成物を生成する。テトラゾリウムなどの化学指示薬を、ジアホラーゼなどの酵素と共に使用することができる。テトラゾリウムは通常、分析対象物のレドックス反応に応答して、ホルマザン(色原体、chromagen)を形成する。光源からの入射入力ビームは、サンプルに対して
向けられる。光源は、レーザー、光放射性ダイオード等であってもよい。入射ビームは、反応生成物による吸収のために選択された波長を有していてもよい。入射ビームがサンプルを通過するため、反応生成物は入射ビームの一部を吸収し、それにより入射ビームの強度を減弱しまたは低下させる。入射ビームは、サンプルから反射して戻って、またはサンプルを透過して、検出器へと向かうことができる。検出器は、減弱された入射ビーム(出力シグナル)を回収しそして測定する。反応生成物により減弱された光量は、サンプル中の分析対象物濃度の指標である。
【0049】
[0034] 光生成性光学システムにおいて、化学的検出器が、分析対象物のレドックス反応に応答して、蛍光を発するかまたは光を放射する。検出器は、生成される光(アッセイ出力シグナル)を回収しそして測定する。化学指示薬により生成される光量は、サンプル中の分析対象物濃度の指標である。
【0050】
[0035] 電気化学的システムは、入力シグナルを生体液サンプルに対して印加する。入力シグナルは電位であってもまたは電流であってもよく、そして一定であっても、可変であっても、またはそれらの組合せ(例えばACシグナルがDCシグナルオフセットと共に印加される場合など)であってもよい。入力シグナルを、単一パルスとして印加することができ、または複数パルス、連続的、またはサイクル状で印加することができる。分析対象物は、入力シグナルをサンプルに対して印加する場合に、レドックス反応を受ける。酵素または同様の種を使用して、分析対象物のレドックス反応を亢進することができる。メディエータを使用して、酵素の酸化状態を維持することができる。レドックス反応は、一過性の出力のあいだにおよび/または定常状態の出力のあいだに、定常的にまたは定期的に測定することができる出力シグナルを生成する。電流測定(アンペロメトリー)、電量分析(クーロメトリー)、ボルタンメトリーなどの、様々な電気化学的プロセスを使用することができる。ゲート化電流測定(アンペロメトリー)およびゲート化ボルタンメトリーもまた、使用することができる。
【0051】
[0036] 電流測定(アンペロメトリー)において、電位または電圧を生体液サンプルに対して印加する。分析対象物のレドックス反応は、電位に応答して、電流を生成する。電流は、時間をかけて測定され、サンプル中の分析対象物を定量する。電流測定は、一般的には、分析対象物が酸化されまたは還元される速度を測定して、サンプル中の分析対象物濃度を決定する。電流測定を使用するバイオセンサシステムは、U.S. Pat. Nos. 5,620,579;5,653,863;6,153,069;および6,413,411;中に記載される。
【0052】
[0037] 電量分析(クーロメトリー)において、電位を生体液サンプルに対して印加して、サンプル中の分析対象物を完全に酸化させまたは還元する。電位は、酸化/還元の時
間に対して積分される電流を生成して、分析対象物濃度を示す電荷を生成する。電量分析(クーロメトリー)は、サンプル中の分析対象物の全量を一般的に捕捉する。全血グルコース測定のための電量分析を使用するバイオセンサシステムは、U.S. Pat. No. 6,120,676中に記載される。
【0053】
[0038] ボルタンメトリーにおいて、様々な電位を生体液サンプルに対して印加する。分析対象物のレドックス反応は、印加された電位に応答して、電流を生成する。電流は時間をかけて測定され、サンプル中の分析対象物を定量する。ボルタンメトリーは一般的に、分析対象物が酸化されまたは還元される速度を測定して、サンプル中の分析対象物濃度を決定する。ボルタンメトリーについての追加的な情報は、A.J. BardとL.R. Faulknerによる1980年の文献“Electrochemical Methods: Fundamentals and Applications”中に見いだすことができる。
【0054】
[0039] ゲート化電流測定(アンペロメトリー)およびゲート化ボルタンメトリーにおいて、2005年7月20日に出願されたUS仮特許出願No. 60/700,787、および2005年9月30日に出願されたUS仮特許出願No. 60/722,584(これらの文献を参照により援用する)のそれぞれの中に記載されるように、パルス状入力を使用することができる。
【0055】
[0040] 図2は、ゲート化電流測定(アンペロメトリー)を使用した電気化学システム
についての、入力シグナルに関する出力シグナルを示すグラフである。入力シグナルは、生体液サンプルに対して印加される電位である。入力シグナルには、ポーリング入力シグナルとアッセイ入力シグナルとが含まれる。出力シグナルは、サンプルから生成される電流である。出力シグナルには、ポーリング出力シグナルとアッセイ出力シグナルとが含まれる。サンプルは、アッセイ入力シグナルに応答して、全血中のグルコースのレドックス反応からのアッセイ出力シグナルを生成する。入力シグナルおよび出力シグナルは、作用電極およびカウンタ電極を有するバイオセンサ用のものであってもよい。追加の電極および異なる構造を有するものを含め、その他のバイオセンサを、使用することができる。その他の生体液中のものを含め、その他の分析対象物濃度を測定することができる。最初に減少するシグナル、およびすべてのパルスにおいて減少するシグナルを含め、その他の出力シグナルを生成することができる。
【0056】
[0041] 図2におけるアッセイ出力シグナルは、正常な形状または構造を有する。1回目のパルスにおける電流値は、最初の電流値から最後の電流値まで増加する。2回目のパル
スから5回目のパルスにおける電流値は、最初の電流値から最後の電流値まで各パルスに
おいて減少しまたは減衰する。異常な形状または構造には、2回目のパルスから5回目のパルスのいずれかにおいて増加する電流値が含まれる。異常な形状または構造には、非常に迅速に(より急な傾きで)または非常にゆっくりと(より平坦な傾きで)減少しまたは減衰する電流値が含まれる。その他の異常な形状および構造が生じてもよい。
【0057】
[0042] 使用する際、生体液サンプルをバイオセンサ中に溶着させる。バイオセンサは、ポーリングシグナルをサンプルに対して、約-1.25秒〜約0秒まで印加する。パルスは、約5〜10 msのパルス幅と約125 msのパルス間隔とを有する。バイオセンサは、ポーリング入力シグナルに応答して、ポーリング出力シグナルを生成する。バイオセンサは、ポーリング出力シグナルを測定する。バイオセンサは、ポーリング出力シグナルをアナログコンパレーターの入力へ提供するポテンシオスタットを有していてもよい。
【0058】
[0043]ポーリング出力シグナルがポーリング閾値と同等またはそれよりも高い場合、バイオセンサは、約0秒〜約7秒まで、アッセイ入力シグナルを電極へと印加する。ポーリング閾値は約250 nAであってもよい。コンパレーターは、ポーリング出力シグナルをポーリング閾値と比較することができる。ポーリング出力シグナルがポーリング閾値を超える場
合、コンパレーターの出力シグナルは、アッセイ入力シグナルの開始を誘導することができる。
【0059】
[0044] アッセイ入力シグナルのあいだ、バイオセンサは、約400 mVの電位を有する1
回目のパルスを約1秒のあいだ作用電極およびカウンタ電極に対して印加する。1回目のパルスに続いて、0.5秒の弛緩(relaxation)を行い、これは本質的に開回路などであって
もよい。1回目のパルス中のアッセイ出力シグナルまたは電流が測定され、そして記憶装
置中に保存される。バイオセンサは、2回目のパルスを、約200 mVにて約1秒のあいだ、作用電極およびカウンタ電極に対して印加する。2回目のパルス中のアッセイ出力シグナル
または電流が測定され、そして記憶装置中に保存される。バイオセンサは、アッセイ周期の終了まで、またはバイオセンサにより所望される限りずっと、アッセイ入力シグナルからのパルスを作用電極およびカウンタ電極に対して印加し続ける。アッセイ周期は、約7
秒であってもよい。バイオセンサは、各パルス中のアッセイ出力シグナルまたは電流を測定し、そして保存することができる。
【0060】
[0045]ポーリング入力シグナルは、パルスを発生しまたはセット周波数またはセット間隔でのオンとオフを行う、電気的シグナル(例えば、電流または電位)である。サンプルは、ポーリングシグナルに応答して、ポーリング出力シグナルを生成する。ポーリング出力シグナルは、電気的シグナル(例えば、電流または電位)である。バイオセンサは、ディスプレイ上にポーリング出力シグナルを示すことができおよび/または記憶装置においてアッセイ出力シグナルを保存することができる。バイオセンサは、ポーリングシグナルを印加して、サンプルが電極と接触するタイミングを検出することができる。バイオセンサは、その他の方法およびその他の装置を使用して、サンプルが解析のために利用可能となるタイミングを検出することができる。
【0061】
[0046]ポーリング入力シグナルは、ポーリング弛緩により分離された一連のポーリングパルスである。ポーリングパルスのあいだ、電気的シグナルはオンである。ポーリング弛緩のあいだ、電気的シグナルはオフである。オンには、電気的シグナルが存在する期間が含まれてもよい。オフには、電気的シグナルが存在しない期間が含まれてもよい。オフには、電気的シグナルは存在するがしかしながら振幅が本質的に存在しない場合は含まれなくてもよい。電気的シグナルは、電気回路をそれぞれ閉鎖しそして開放することにより、オンとオフの間を切り替えることができる。電気回路は、機構的に、電気的に、などにより開放しそして閉鎖することができる。
【0062】
[0047]ポーリング入力シグナルは、1またはそれ以上のポーリングパルス間隔を有して
いてもよい。ポーリングパルス間隔は、ポーリングパルスとポーリング弛緩との合計である。それぞれのポーリングパルスは、振幅とポーリングパルス幅とを有する。振幅は、電気的シグナルの電位、電流などの強度を示す。振幅は、ポーリングパルスのあいだに、変化してもよく、または一定であってもよい。ポーリングパルス幅は、ポーリングパルスの期間である。ポーリング入力シグナルにおけるポーリングパルス幅は、変化してもよく、または本質的に同一であってもよい。それぞれのポーリング弛緩は、ポーリング弛緩幅を有し、それはポーリング弛緩の期間である。ポーリング入力シグナルにおけるポーリング弛緩幅は、変化してもよく、または本質的に同一であってもよい。
【0063】
[0048]ポーリング入力シグナルは、約300ミリ秒(ms)未満のポーリングパルス幅と約1秒未満のポーリングパルス間隔とを有することができる。ポーリング入力シグナルは、約100 ms未満のポーリングパルス幅と約500 ms未満のポーリングパルス間隔とを有することができる。ポーリング入力シグナルは、約0.5 ms〜約75 msの範囲のポーリングパルス幅
および約5 ms〜約300 msの範囲のポーリングパルス間隔を有することができる。ポーリング入力シグナルは、約1 ms〜約50 msの範囲のポーリングパルス幅と約10 ms〜約250 msの
範囲のポーリングパルス間隔とを有することができる。ポーリング入力シグナルは、約5 msのポーリングパルス幅と約125 msのポーリングパルス間隔とを有することができる。ポーリング入力シグナルは、その他のパルス幅とパルス間隔とを有することができる。
【0064】
[0049] バイオセンサは、ポーリング周期のあいだに、ポーリング入力シグナルをサンプルに対して印加することができる。ポーリング周期は、約15分未満、5分未満、2分未満、または1分未満であってもよい。ポーリング周期は、ユーザーがどのようにしてバイオ
センサを使用するかに依存して、より長くてもよい。ポーリング周期は、約0.5秒(sec)〜約15分の範囲のものであってもよい。ポーリング周期は、約5秒〜約5分の範囲のものであってもよい。ポーリング周期は、約10秒〜約2分の範囲のものであってもよい。ポーリ
ング周期は、約20秒〜約60秒の範囲のものであってもよい。ポーリング周期は、約30〜約40秒の範囲のものであってもよい。ポーリング周期は、約200未満のパルス間隔、100未満のパルス間隔、50未満のパルス間隔、または25未満のパルス間隔を有していてもよい。ポーリング周期は、約2〜約150のパルス間隔を有していてもよい。ポーリング周期は、約5
〜約50のパルス間隔を有していてもよい。ポーリング周期は、約5〜約15のパルス間隔を
有していてもよい。ポーリング周期は、約10のパルス間隔を有していてもよい。その他のポーリング周期を使用してもよい。
【0065】
[0050] バイオセンサは、ポーリング出力シグナルがポーリング閾値と同等かまたはそれ以上である場合に、アッセイ入力シグナルを印加する。ポーリング閾値は、1回目のパ
ルスの開始時に、予測アッセイ入力シグナルの約5パーセント(%)よりも大きくてもよ
い。ポーリング閾値は、1回目のパルスの開始時に、予測アッセイ入力シグナルの約15%
より大きくてもよい。ポーリング閾値は、1回目のパルスの開始時に、予測アッセイ入力
シグナルの約5パーセント(%)〜約50%の範囲であってもよい。その他のポーリング閾
値を使用することができる。バイオセンサは、ポーリング出力シグナルがディスプレイ上のポーリング閾値と同等であるかまたはそれよりも大きいことを示すことができる。
【0066】
[0051] アッセイ入力シグナルは、パルスを与えるかまたはセット周波数またはセット間隔でオンおよびオフを行う、電気的シグナル(電流または電位など)である。サンプルは、アッセイ入力シグナルに応答して、アッセイ出力シグナルを生成する。アッセイ出力シグナルは、電気的シグナル(電流または電位など)である。
【0067】
[0052] アッセイ入力シグナルは、アッセイ弛緩(assay relaxations)によって分離
される一連のアッセイパルスである。アッセイパルスのあいだ、電気的シグナルはオンである。アッセイ弛緩のあいだ、電気的シグナルはオフである。オンには、電気的シグナルが存在する場合の時間期間が含まれる。オフには、電気的シグナルが存在しない時間期間が含まれ、そして電気的シグナルが存在するが本質的に振幅を有さない時間期間は含まれない。電気的シグナルは、電気回路をそれぞれ閉鎖しそして開放することにより、オンとオフの間を切り替える。電気回路は、機械的、電気的などにより開放されそして閉鎖されてもよい。
【0068】
[0053] アッセイ入力シグナルは、1またはそれ以上のアッセイパルス間隔を有してい
てもよい。アッセイパルス間隔は、アッセイパルスとアッセイ弛緩の合計である。各アッセイパルスは、振幅およびアッセイパルス幅を有する。振幅は、電気的シグナルの電位、電流などの強度を示す。振幅は、アッセイパルスのあいだ、変化してもよく、または一定であってもよい。アッセイパルス幅は、アッセイパルスの時間期間である。アッセイ入力シグナルにおけるアッセイパルス幅は、変化してもよく、または本質的に同一であってもよい。各アッセイ弛緩は、アッセイ弛緩幅を有しており、それはアッセイ弛緩の時間期間である。アッセイ入力シグナルにおけるアッセイ弛緩幅は、変化してもよく、または本質的に同一であってもよい。
【0069】
[0054] アッセイ入力シグナルは、約5秒未満のアッセイパルス幅と約15秒未満のアッ
セイパルス間隔とを有していてもよい。アッセイ入力シグナルは、約3秒未満、2秒未満、1.5秒未満、または1秒未満のアッセイパルス幅と約13秒未満、7秒未満、4秒未満、3秒未
満、2.5秒未満、または1.5秒未満のアッセイパルス間隔とを有していてもよい。アッセイ入力シグナルは、約0.1秒〜約3秒の範囲のアッセイパルス幅と約0.2秒〜約6秒の範囲のアッセイパルス間隔とを有していてもよい。アッセイ入力シグナルは、約0.1秒〜約2秒の範囲のアッセイパルス幅と約0.2秒〜約4秒の範囲のアッセイパルス間隔とを有していてもよい。アッセイ入力シグナルは、約0.1秒〜約1.5秒の範囲のアッセイパルス幅と約0.2秒〜
約3.5秒の範囲のアッセイパルス間隔とを有していてもよい。アッセイ入力シグナルは、
約0.4秒〜約1.2秒の範囲のアッセイパルス幅と約0.6秒〜約3.7秒の範囲のアッセイパルス間隔とを有していてもよい。アッセイ入力シグナルは、約0.5秒〜約1.5秒の範囲のアッセイパルス幅と約0.75秒〜約2.0秒の範囲のアッセイパルス間隔とを有していてもよい。ア
ッセイ入力シグナルは、約1秒のアッセイパルス幅と約1.5秒のアッセイパルス間隔とを有していてもよい。アッセイ入力シグナルは、その他のパルス幅とパルス間隔とを有していてもよい。
【0070】
[0055] バイオセンサは、アッセイ周期のあいだに、アッセイ入力シグナルをサンプルに対して印加する。アッセイ周期は、ポーリング期間と同一の期間またはポーリング期間とは異なる期間を有していてもよい。アッセイ入力シグナルのアッセイ周期は、約180秒
未満、120秒未満、90秒未満、60秒未満、30秒未満、15秒未満、10秒未満、または5秒未満であってもよい。アッセイ周期は、約1秒〜約100秒の範囲であってもよい。アッセイ周期は、約1秒〜約25秒の範囲であってもよい。アッセイ周期は、約1秒〜約10秒の範囲であってもよい。アッセイ周期は、約2秒〜約3秒の範囲であってもよい。アッセイ周期は約2.5
秒であってもよい。アッセイ周期は、約50未満のアッセイパルス間隔、25未満のアッセイパルス間隔、20未満のアッセイパルス間隔、15未満のアッセイパルス間隔、10未満のアッセイパルス間隔、8未満のアッセイパルス間隔、6未満のアッセイパルス間隔、または4未
満のアッセイパルス間隔を有していてもよい。アッセイ周期は、約2〜約50の範囲のアッ
セイパルス間隔を有していてもよい。アッセイ周期は、約2〜約25の範囲のアッセイパル
ス間隔を有していてもよい。アッセイ周期は、約2〜約15の範囲のアッセイパルス間隔を
有していてもよい。アッセイ周期は、約10のアッセイパルス間隔を有していてもよい。その他のアッセイ周期を使用することができる。
【0071】
[0056] 図1の104において、バイオセンサは、サンプル中の分析対象物のレドックス反応により生成される出力シグナルを測定する。バイオセンサは、継続的にまたは間欠的に出力シグナルを測定することができる。例えば、バイオセンサは、図2において各パルス
のあいだに間欠的にアッセイ出力シグナルを測定し、結果として各パルスのあいだに8つ
の電流値を得た。サンプルは、生体液中の分析対象物のレドックス反応に応答したアッセイ出力シグナルと、アッセイ入力シグナルとを生成する。バイオセンサは、ディスプレイ上にアッセイ出力シグナルを示すことができおよび/またはアッセイ出力シグナルをメモリ装置中に保存することができる。バイオセンサは、サンプル中の分析対象物濃度を出力シグナルから決定することができる。
【0072】
[0057] 図1の106において、バイオセンサは、アッセイ出力シグナルを正規化する。正規化出力シグナルは、生体液サンプル中の分析対象物量により、異なる程度を有するアッセイ出力シグナルの比較を改良することができる。一般的には、サンプル中のより多量の分析対象物により、より少量の分析対象物の場合と比較して、より高い程度の出力シグナルが生成される。正規化出力シグナルはまた、出力シグナルの形状または構造の数学的評価を改善して、出力シグナルが正常であるかまたは異常であるかを決定することができる。正規化出力シグナルにより、同一の管理限界を、より幅広い範囲のグルコースレベルお
よびヘマトクリットレベルに対して使用することができる。
【0073】
[0058] アッセイ出力シグナルを正規化するため、バイオセンサは、アッセイ出力シグナルの1またはそれ以上の基礎出力値と測定出力値とのあいだの差異を測定する。この差
異は、基礎出力値とアッセイ出力値とのあいだの算術的差異であってもよい。この差異は、基礎出力シグナルとアッセイ出力シグナルの比率であってもよい。その他の差異を使用することができる。基礎出力値は、研究室の結果の統計的解析から選択されるものであってもまたはそれから予め決められるものであってもよい。基礎出力値は、アッセイ出力シグナルの1またはそれ以上の測定出力値であってもよい。単一の基礎出力値を、アッセイ
出力シグナルのために使用することができる。アッセイ出力シグナルにおける各パルスについての異なる基礎出力値等の複数の基礎出力値を使用することができる。
【0074】
[0059] ゲート化電流測定(アンペロメトリー)またはゲート化ボルタンメトリー等のパルス化シークエンスにおいて、パルスにおけるすべての出力値をパルスにおける最初の出力値で割ることにより、アッセイ出力値を正規化することができる。各パルスにおけるその他の出力値は、基礎出力値であってもよい。単一パルスまたは同様のシークエンスにおいて、パルスにおけるすべての出力値を最初のまたはその他の出力値で割ることにより、アッセイ出力値を正規化することができる。その他の正規化方法を使用することができる。
【0075】
[0060] 表Iは、図2のゲート化電流測定シークエンスからのパルスについての、最初の電流値および最後の電流値を示す。正規化電流値は、測定電流値の基準電流値に対する比率である。基準電流値は、各パルスにおける最初の電流値である。正規化電流値は、出力シグナルの形状または構造が、1回目のパルスの最初の電流値から最後の電流値へと増加
することを数学的に示す。正規化電流値は、出力シグナルの形状または構造が、1回目の
パルスにおける最初の電流値から最後の電流値へと減少することを数学的に示す。
【0076】
【表1】

【0077】
[0062] 図1の108において、バイオセンサは、正規化出力シグナルを、1またはそれ以
上の管理限界と比較する。管理限界は、出力シグナルの形状または構造が正常から異常へと遷移する場合の、閾値の数学的表示である。出力シグナルのすべての部分または特定の部分へと適用するために、管理限界を選択することができ、または予め決めることができる。出力シグナルの特定の部分には、1またはそれ以上のパルス、各パルスまたは特定の
パルスにおける1またはそれ以上の出力値などが含まれる。異なる管理限界を、出力シグ
ナルの異なる部分について使用することができる。異なる管理限界を、異なる範囲のグルコース、ヘマトクリット等について使用することができる。特定のパルスにおける特定の出力シグナル値の正規化出力シグナルへと適用するために、管理限界を選択することができ、または予め決めることができる。異なるパルスにおける出力シグナル値間の数学的関係へと適用するために、管理限界を選択することができまたは予め決めることができる。管理限界を選択して、出力シグナルの所望の形状または構造をさらに規定することができる。研究室の結果の統計的解析または同様の解析から、管理限界を予め決めることができる。その他の管理限界を使用することができる。
【0078】
[0063] 図2のアッセイ出力シグナルにおいて、4回目のパルスにおける最終パルスの正規化電流値(R4)、5回目のパルスにおける最終パルスの正規化電流値(R5)、およびR4
のR5 に対する比率(Ratio)について、管理限界を選択しまたは予め決めた。4回目のパ
ルスおよび5回目のパルスについて管理限界を使用したものの、4回目のパルスおよび5回
目のパルスについての管理限界およびアッセイ出力シグナルにおけるその他のパルスについての管理限界を含め、その他の管理限界を使用することができた。
【0079】
[0064] 4回目のパルスにおける最終パルスの正規化電流値(R4)を、以下の式により
示すことができる:
【0080】
【数10】

【0081】
[0066] 表I由来の値を式(1)に置換すると、以下の結果が得られる:
【0082】
【数11】

【0083】
[0068] 5回目のパルスにおける最終パルスの正規化電流値(R5)は、以下の式により
示すことができる:
【0084】
【数12】

【0085】
[0070] 表I由来の値を式(2)に置換すると、以下の結果が得られる:
【0086】
【数13】

【0087】
[0072] 4回目のパルスにおける最終パルスの正規化電流値(R4)の5回目のパルスにおける最終パルスの正規化電流値(R5)に対する比率(Ratio)は、以下の式により示すこ
とができる:
【0088】
【数14】

【0089】
[0074] 式(3)を単純化して、以下の式が得られる:
【0090】
【数15】

【0091】
[0076] 表I由来の値を式(4)に置換すると、以下の結果が得られる:
【0092】
【数16】

【0093】
[0078] R4、R5、およびRatioについての管理限界は、表IIに示される。R4、R5、およ
びRatioは、適用可能な管理限界の範囲内であり、これは、図2のアッセイ出力シグナルが正常な形状または構造を有することを示す。その他の管理限界を使用することができる。
【0094】
【表2】

【0095】
[0080] 管理限界は、9,000より多くの血液サンプルからの正規化電流読み取り値に基
づいて選択された。血液サンプルをそれぞれ、測定装置中に置かれた新たに調製されたまたは時間の経ったセンサストリップに対して導入した。電流読み取り値を、約10℃〜約40℃のサンプル温度で、ストリップから得た。血液サンプルは、約10 mg/dLから約600 mg/dLまでのグルコース濃度および約20%から約55%までのヘマトクリット濃度を有した。各
解析からの正規化電流値を、裏付けとなる電流プロファイルに基づいて、既知の良好な値と悪い値とに分類した。管理限界を選択して、標準的な統計技術を使用して良好な値の平均についての許容可能な変動を含ませた。
【0096】
[0081] 図1の110において、バイオセンサは、管理限界の範囲内にない正規化出力シグナルに応答して、エラーシグナルを生成する。エラーシグナルは、ディスプレイ装置上に示されてもよくおよび/または記憶装置中に保存されてもよい。バイオセンサは、サンプル中の1またはそれ以上の分析対象物の解析のあいだに、または解析の後に、エラーシグ
ナルを提供することができる。バイオセンサは、検出の後すぐにエラーシグナルを提供することができ、そして分析対象物の解析を停止することができる。バイオセンサは、エラーシグナルに応答して、分析対象物濃度を提供することはできない。
【0097】
[0082] 図3は、異常出力検出システムを伴うバイオセンサ300の概略図を示す。バイオセンサ300は、生体液サンプル中の分析対象物濃度を決定する。異常出力検出システムは
、出力シグナルの形状または構造が、上述したように、1またはそれ以上の分析対象物の
非精密な解析および/または不正確な解析をもたらす可能性がある場合を示す。バイオセンサ300には、センサストリップ304および測定装置302が含まれ、それらにより卓上型装
置、携帯型装置または手持ち型装置などとして実施することができる。測定装置302およ
びセンサストリップ304は、電気化学的センサシステム、光学的センサシステム、これら
の組合せなどを実施するように、適合させることができる。異常出力検出システムは、異常出力シグナルが生じる場合を測定する際にバイオセンサ300の精密性および/または正
確性を改善することができる。バイオセンサ300を使用して、生体液(例えば、全血、尿
、唾液など)における1またはそれ以上の分析対象物濃度(例えば、グルコース、尿酸、
ラクテート、コレステロール、ビリルビンなど)を測定することができる。特定の構造が示される一方、バイオセンサ300は、追加の構成要素を有するものを含め、その他の構造
を有してもよい。
【0098】
[0083] センサストリップ304は、リザーバ308および開口部312を伴うチャネル310を形成する基板306を有する。リザーバ308およびチャネル310は、穴を有する蓋によって覆う
ことができる。リザーバ308は、部分的に封入された容量(キャップ-ギャップ)を規定する。リザーバ308は、水膨潤性ポリマーマトリクスまたは多孔性ポリマーマトリクスなど
の液体サンプルを保持するための補助をする組成物を含有してもよい。試薬を、リザーバ308および/またはチャネル310中に溶着させることができる。試薬には、1またはそれ以
上の酵素、メディエータ、結合剤、およびその他の活性種または非反応性種が含まれていてもよい。試薬には、光学的システム用の化学指示薬が含まれていてもよい。センサストリップ304もまた、リザーバ308に隣接して溶着されるサンプルインターフェース314を有
していてもよい。サンプルインターフェース314は、部分的にまたは完全に、リザーバ308を取り囲んでもよい。センサストリップ304は、その他の構造を有してもよい。
【0099】
[0084] サンプルインターフェース314は、作用電極およびカウンタ電極に接続された
伝導体を有する。電極は、実質的に同一平面中に存在してもよい。電極は、200μmまたは250μmよりも大きく離れていてもよく、そして蓋から少なくとも100μm離れていてもよい。電極は、リザーバ308を形成する基板306の表面上に配列させることができる。電極は、リザーバ308により形成されるキャップ-ギャップ中に伸展されるかまたは突出させることができる。誘電層が、伝導体および/または電極を部分的に覆っていてもよい。サンプルインターフェース314は、その他の電極および伝導体を有していてもよい。サンプルイン
ターフェース314は、サンプルを見るための1またはそれ以上の光学的入り口または開口部を有していてもよい。サンプルインターフェース314は、その他の構成要素およびその他
の構造を有していてもよい。
【0100】
[0085] 測定装置302には、センサインターフェース318およびディスプレイ320に接続
された電気回路316が含まれる。電気回路316には、シグナル生成器324に接続されたプロ
セッサ322、および保存媒体328が含まれる。測定装置は、その他の構成要素およびその他の構造を有していてもよい。
【0101】
[0086] シグナル生成器324は、プロセッサ322に応答して、電気的入力シグナルをセンサインターフェース318へと提供する。電気的入力シグナルには、電気化学的センサシス
テムにおいて使用されるポーリング入力シグナルおよびアッセイ入力シグナルが含まれていてもよい。電気的入力シグナルには、光学的センサシステム用のセンサインターフェース318における検出器および光源を操作しまたは調節するために使用される電気的シグナ
ルが含まれていてもよい。電気的入力シグナルを、センサインターフェース318によって
サンプルインターフェース314へと伝達することができる。電気的入力シグナルは、電位
または電流であってもよく、そしてACシグナルがDCシグナルオフセットと共に印加される場合など、一定のもの、可変のもの、またはそれらの組合せであってもよい。電気的入力シグナルは、単一パルスまたは複数パルスとして、連続的に、またはサイクル状に、印加することができる。シグナル生成器324はまた、生成器-レコーダーとして、センサインターフェース318から受信したシグナルを記録することができる。
【0102】
[0087] 保存媒体328は、磁気的メモリ、光学的メモリ、または半導体メモリ、その他
のコンピュータ読みとり保存装置、等であってもよい。保存媒体328は、固定メモリ装置
またはメモリカードなどのリムーバブルメモリ装置であってもよい。
【0103】
[0088] プロセッサ322は、異常出力検出、分析対象物解析、および保存媒体328中に保存されたコンピュータ読み取り可能ソフトウェアコードおよびデータを使用したデータ処理を実施する。プロセッサ322は、センサインターフェース318におけるセンサストリップ304の存在、サンプルのセンサストリップ304への適用、ユーザー入力、などに応答して、異常出力検出および分析対象物解析を開始させることができる。プロセッサ322は、シグ
ナル生成器324に対して、電気的入力シグナルをセンサインターフェース318に対して提供するように命令する。
【0104】
[0089] プロセッサ322は、センサインターフェース318由来の出力シグナルを受信しそして測定する。出力シグナルは、電流または電位などの電気的シグナル、または光であってもよい。出力シグナルには、ポーリング出力シグナルおよびアッセイ出力シグナルが含まれていてもよい。出力シグナルには、サンプル中の分析対象物のレドックス反応に応答して生成されるアッセイ出力シグナルが含まれていてもよい。出力シグナルを、光学的システム、電気化学的システム、等を使用して生成することができる。プロセッサ322は、
ポーリング出力シグナルを、1またはそれ以上のポーリング閾値と比較することができる
。プロセッサ322は、アッセイ出力シグナルを測定し、そしてそれをサンプル中の分析対
象物濃度と相関させることができる。プロセッサ322は、アッセイ出力シグナルを正規化
し、そして正規化されたシグナルを1またはそれ以上の管理限界と比較することができる

【0105】
[0090] プロセッサ322は、正規化出力シグナルが管理限界の範囲内にない場合、言い
換えるとアッセイ出力シグナルの形状または構造が正常ではない場合、異常出力のエラーシグナルを提供する。プロセッサ322は、エラーシグナルをディスプレイ320上に表示することができ、そしてエラーシグナルおよび関連するデータを保存媒体328中に保存するこ
とができる。プロセッサ322は、分析対象物解析のあいだまたは解析の後のいつでも、エ
ラーシグナルを提供することができる。
【0106】
[0091] プロセッサ322は、アッセイ出力シグナルから分析対象物濃度を決定する。分
析対象物解析の結果は、ディスプレイ320に対する出力であり、そして保存媒体328中に保存することができる。分析対象物解析の実施に関する指示は、保存媒体328中に保存され
たコンピュータ読み取り可能ソフトウェアコードにより提供することができる。このコードは、オブジェクトコードであっても、または記述される機能を記述し、または調節するその他のコードのいずれであってもよい。分析対象物解析からのデータは、減衰率、K定
数、傾き、切片、および/またはプロセッサ322中のサンプル温度の測定を含む、1またはそれ以上のデータ処理にかけてもよい。
【0107】
[0092] センサインターフェース318は、センサストリップ304のサンプルインターフェース314中の伝導体と接続しまたは電気的に連通する接点を有する。センサインターフェ
ース318は、電気的入力シグナルをシグナル生成器324から接点を介してサンプルインターフェース314中のコネクタへと伝達する。センサインターフェース318はまた、出力シグナルを、サンプルインターフェース314からプロセッサ322および/またはシグナル生成器324へと伝達する。センサインターフェース308にはまた、検出器、光源、および光学的センサシステム中で使用されるその他の構成要素が含まれていてもよい。
【0108】
[0093] ディスプレイ320は、アナログであってもデジタルであってもよい。ディスプ
レイは、数値読み取り値を表示するように適合させたLCDディスプレイであってもよい。
その他のディスプレイを使用することができる。
【0109】
[0094] 使用する際、生体液の液体サンプルを、リザーバ308により形成されるキャッ
プ-ギャップ中に、液体を開口部312へと導入することにより輸送する。液体サンプルが、チャネル310を介して、リザーバ308中に流れ、それまで含有されていた空気を追い出しながらキャップ-ギャップを充填する。液体サンプルは、チャネル310および/またはリザーバ308中に溶着される試薬と化学的に反応する。
【0110】
[0095] プロセッサ322は、生体液サンプルが解析のために利用可能である場合を検出
する。センサストリップ302は、測定装置302に隣接して溶着される。隣接するという場合、サンプルインターフェース314がセンサインターフェース308と電気的に連通しおよび/または光学的に連通する場合の位置が含まれる。電気的連通には、センサインターフェース318中の接点とサンプルインターフェース314中の伝導体とのあいだの、入力シグナルおよび/または出力シグナルの輸送が含まれる。光学的連通には、サンプルインターフェース302中の光学的入り口とセンサインターフェース308中の検出器とのあいだの光の転送が含まれる。光学的連通にはまた、サンプルインターフェース302中の光学的入り口とセン
サインターフェース308中の光源とのあいだの光の転送も含まれる。
【0111】
[0096] プロセッサ322は、シグナル生成器324に対して、ポーリング入力シグナルをセンサインターフェース318に対して提供するように命令することができ、それがサンプル
インターフェース314中の電極を介してポーリング入力シグナルをサンプルに対して印加
する。サンプルは、ポーリング入力シグナルに応答してポーリング出力シグナルを生成する。サンプルインターフェース314は、ポーリング出力シグナルをセンサインターフェー
ス318に対して提供する。プロセッサ322は、ポーリング出力シグナルをセンサインターフェース318から受信する。プロセッサ322は、ポーリング出力シグナルをディスプレイ320
上に表示することができおよび/または保存媒体328中にポーリング出力シグナルを保存
することができる。
【0112】
[0097] プロセッサ322は、ポーリング出力シグナルがポーリング閾値と同等であるか
またはそれよりも大きい場合に、シグナル生成器324に対して、アッセイ入力シグナルを
センサインターフェース318に対して提供するように命令することができる。プロセッサ322は、ポーリング出力シグナルがポーリング閾値と同等であるかまたはそれよりも大きい場合に、アッセイ入力シグナルをセンサインターフェース318に提供するためのコンパレ
ータ回路を有することができる。コンパレータ回路において、ポーリング出力シグナルは、電気的(アナログ)コンパレータ等の入力に対して向けられる。コンパレーターは、ポーリング出力シグナルをポーリング閾値と比較する。ポーリング出力シグナルがポーリング閾値と同等であるかまたはそれよりも大きい場合、コンパレータの出力は、アッセイ入力シグナルの開始を誘導する。
【0113】
[0098] センサインターフェース318は、アッセイ周期のあいだにサンプルインターフ
ェース314を介して、アッセイ入力シグナルをサンプルへと印加する。サンプルは、アッ
セイ入力シグナルに応答して、アッセイ出力シグナルを生成する。サンプルインターフェース314は、アッセイ出力シグナルをセンサインターフェース318に対して提供する。
【0114】
[0099] プロセッサ322は、センサインターフェース318からアッセイ出力シグナルを受信する。プロセッサ322は、サンプルにより生成されるアッセイ出力シグナルを測定する
。プロセッサ322は、アッセイ出力シグナルに応答して、サンプルの分析対象物濃度を決
定する。プロセッサ322は、ディスプレイ320上にアッセイ出力シグナルを表示することができおよび/または保存媒体328中にアッセイ出力シグナルを保存することができる。プ
ロセッサ322は、上述したように、アッセイ出力シグナルを正規化する。プロセッサ322
は、アッセイ周期のあいだ、正規化出力シグナルを、1またはそれ以上の管理限界と比較
する。プロセッサ322は、正規化出力シグナルが管理限界を伴わない場合に、異常出力の
エラーシグナルを提供する。エラーシグナルは、ディスプレイ320上に表示することがで
きおよび/または保存媒体328中に保存することができる。プロセッサ322は、即時にまたは別の時(分析対象物解析の後など)に、エラーシグナルを提供することができる。
【0115】
[00100] 発明の範囲、用途、または実施を制限することなく、上述した方法およびシ
ステムを、以下の様なものなどのアルゴリズムを使用して実施することができる:
[00101] ステップ1: バイオセンサの電源を入れる
[00102] ステップ2: バイオセンサの自己試験を行う
[00103] ステップ3: サンプルをセンサに適用するためにポーリングするように設定する
ASICポーリング電位をvpollに設定する
ASIC閾値レベルをitriggerに設定する
ポーリング周期タイマーをintpollに終了するように設定する
[00104] ステップ4: センサ電流をアッセイするために設定する
ポーリング周期タイマーが終了するまでまつ
ASIC電荷ポンプを有効にする
ASIC閾値検出器(itrigger)を有効にする
ポーリング電位(vpoll)を有効にする
電位をセンサに印加するセンサチャネルを選択する
整定時間tpollを待つ
[00105] ステップ5: センサ電流が閾値を超えるかどうかを試験する
[00106] ステップ6: 遅延させ、そしてセンサ電流を再び試験する
[00107] ステップ7: サンプル適用の検出に際して、
時間の計測を開始し、
パルスシークエンスを発生させる
[00108] ステップ8: パルス1 - センサ電流i1,1およびi1,8を測定する
パルス1をtp1の時点で開始する
パルス1の期間をdp1に設定する
パルス1のセンサ電位をvp1に設定する
センサチャネルを選択して、電位をセンサに対して印加する
t1,1の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS11として保存する
t1,8の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS18として保存する
[00109] ステップ9: 遅延1 - 電子機器を再安定化させる
遅延1をAD2読み取りの終了時に開始し、センサチャネルを切断する
遅延1をパルス2の開始時に終了し
電位をVstandardizeに設定する
tc1の時点で、参照抵抗チャネルを選択し、次いでシグナルを測定し、その値をADR1
して保存する
tc2の時点で、オフセットチャネルを選択し、次いでシグナルを測定し、その値をADO1
として保存する
注:パルス1で開始するセンサ電流を、ADR1測定値およびADO1測定値から算出する
[00110] ステップ10: パルス2 - センサ電流i2,1およびi2,8を測定する
パルス2をtp2の時点で開始する
パルス2の期間をdp2に設定する
パルス2のセンサ電位をvp2に設定する
センサチャネルを選択し、電位をセンサに印加する
t2,1の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS21として保存する
t2,8の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS28として保存する
[00111] ステップ11:遅延2 -
遅延2をADS3読み取りの終了時に開始し、センサチャネルを切断する
遅延2をパルス3の開始時に終了する
オフセットチャネルを選択し、センサを切断する
[00112] ステップ12: パルス3 - センサ電流:i3,1およびi3,8を測定する
パルス3をtp3の時点で開始する
パルス3の期間をdp3に設定する
パルス3のセンサ電位をvp3に設定する
センサチャネルを選択して、電位をセンサに対して印加する
t3,1の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS31として保存する
t3,8の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS38として保存する
[00113] ステップ13: 遅延3 - T1およびiwet
遅延3をADS38読み取りの終了時に開始し、センサチャネルを切断する
遅延3をパルス4の開始時に終了する
電位をVstandardizeに設定する
tc3の時点で、サーミスタチャネルを選択し、次いでシグナルを測定し、その値をADT1
として保存する
twetの時点で、オフセットチャネルを選択し、次いでシグナルを測定し、その値をADwetとして保存する
[00114] ステップ14: パルス4 - センサ電流:i4,1、i4.4、およびi4,8を測定する
パルス4をtp4の時点で開始する
パルス4の期間をdp4に設定する
パルス4のセンサ電位をvp4に設定する
センサチャネルを選択し、電位をセンサに対して印加する
t4,1の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS41として保存する
t4,4の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS44として保存する
t4,8の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS48として保存する
[00115] ステップ15: 遅延4 -
遅延4をADS48読み取りの終了時に開始し、センサチャネルを切断する
遅延4をパルス5の開始時に終了する
オフセットチャネルを選択し、センサを切断する
[00116] ステップ16: パルス5 - センサ電流:i5,1、i5,4、およびi5,8を測定する
パルス5をtp5の時点で開始する
パルス5の期間をdp5に設定する
パルス5のセンサ電位をvp5に設定する
センサチャネルを選択し、電位をセンサに対して印加する
t5,1の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS51として保存する
t5,4の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS54として保存する
t5,8の時点で、センサシグナルを測定し、その値をADS58として保存する
ASICアナログ機能を無効にする
[00117] ステップ17: 比率(Ratio)を算出する
【0116】
【数17】

【0117】
を算出する
【0118】
【数18】

【0119】
を算出する
【0120】
【数19】

【0121】
を算出する。
【0122】
[00118] ステップ18: ロット較正数についての傾きおよび切片をルックアップする
S=電流ロット較正数についての傾き値
Int=電流ロット較正数についての切片値
[00119] ステップ19: 温度効果について傾きと切片を調整する
[00120] ステップ20: 25℃でのグルコース濃度を計算する
[00121] ステップ21: 参照を標的とするために変換する(血漿vs. WB参照)
[00122] ステップ22: 充填量不足をチェックする
[00123] ステップ23: “異常な振る舞い”について比率(Ratio)をチェックする
If (R4> R4max or
R4< R4min or
R5> R5max or
R5< R5min or
Ratio > Ratiomax or
Ratio < Ratiomin) then
BEGIN
If (ErrorCode is not set) then
set ErrorCode to “Abnormal Behavior”
END
〔(R4>R4maxまたはR4<R4minまたはR5>R5maxまたはR5<R5minまたはRatio>Ratiomax
またはRatio<Ratiomin)の場合、
開始
(エラーコードが設定されていない)場合、
エラーコードを“異常な振る舞い”に設定
終了〕
[00124] ステップ24: 低グルコースの場合、“異常な振る舞い”について比率(Ratio)を再びチェックする
If (G25C< Glim) then
BEGIN
If (R4> R4Lmax or
R4< R4Lmin or
R5> R5Lmax or
R5< R5Lmin or
Ratio > RatioLmax or
Ratio < RatioLmin) then
BEGIN
If (ErrorCode is not set) then
set ErrorCode to “Abnormal Behavior”
END
〔(G25C<Glim)の場合、
開始
(R4>R4LmaxまたはR4<R4LminまたはR5>R5LmaxまたはR5<R5LminまたはRatio>RatioLmaxまたはRatio<RatioLmin)の場合、
開始
(エラーコードが設定されていない)場合、
エラーコードを“異常な振る舞い”に設定
終了〕
[00125] ステップ25: 極端なグルコースレベルについてチェックする
[00126] ステップ26: 結果を表示する。
【0123】
[00127] このアルゴリズムは、サンプル温度や充填量不足条件等の誤差についてチェ
ックするためのサブルーチンを含め、その他のサブルーチンを有してもよい。このアルゴリズム中で使用することができる定数は、以下の表IIIおよび表IVにおいて提供される。
その他の定数を使用することができる。
【0124】
【表3】

【0125】
【表4】

【0126】
[00130] 本出願の明細書および請求の範囲の明確かつより一貫した理解をもたらすた
め、以下の定義を提供する。
【0127】
[00131] “分析対象物”は、サンプル中に存在する1またはそれ以上の物質と定義される。解析は、サンプル中に存在する分析対象物の存在および/または濃度を測定する。
【0128】
[00132] “サンプル”は、未知量の分析対象物を含有していてもよい組成物と定義さ
れる。典型的には、電気化学的解析についてのサンプルは、液体形状のものであり、そして好ましくはサンプルは水性混合物である。サンプルは、血液、尿、または唾液などの生物学的サンプルであってもよい。サンプルはまた、生物学的サンプルの誘導体、例えば抽出物、希釈物、濾過物、または再構成沈殿物などであってもよい。
【0129】
[00133] “伝導体”は、電気化学的解析のあいだ変化しないままである、電気的に伝
導性な物質として定義される。
【0130】
[00134] “精密性”は、センサシステムにより測定された分析対象物の量が、サンプ
ル中の分析対象物の真の量にどのくらい近く対応しているか、として定義される。精密性は、参照分析対象物読み取り値と比較した、センサシステムの分析対象物読み取り値のバイアスとして表現することができる。より大きなバイアス値は、より精密性が低いことを反映する。
【0131】
[00135] “正確性”は、複数回の分析対象物測定値が同一サンプルについてどれだけ
近いものであるか、として定義される。正確性は、複数の測定値間の広がりまたは分散として表現することができる。
【0132】
[00136] “レドックス反応”は、少なくとも一つの電子を第一の種から第二の種へと
輸送することに関する、2つの種のあいだでの化学的反応として定義される。従って、レ
ドックス反応には、酸化と還元が含まれる。反応の酸化半電池には、第一の種による少なくとも一つの電子の喪失が関連し、一方還元半電池には、少なくとも一つの電子の第二の種への付加が関与する。酸化される種のイオン電荷は、除去された電子数と同等の量だけより正となる。同様に、還元される種のイオン電荷は、獲得される電子数と同等の量だけ負になる。
【0133】
[00137] “メディエータ”は、酸化または還元することができ、そして1またはそれ以上の電子を輸送することができる物質と定義される。メディエータは、電気化学的解析における試薬であり、そして目的とする分析対象物ではなく、しかし分析対象物の間接的な測定値をもたらす。単純な系において、メディエータは、分析対象物の酸化または還元に応答して、レドックス反応を受ける。酸化されたメディエータまたは還元されたメディエータは、次いで、センサストリップの作用電極で反対の反応を受け、そしてそのもとの酸化数へと再生される。
【0134】
[00138] “結合剤”は、試薬との化学的適合性を有しつつ、試薬への物理的支持およ
び束縛をもたらす物質と定義される。
【0135】
[00139] “充填量不足条件”は、バイオセンサが生体液中の1またはそれ以上の分析対象物の濃度を精密におよび/または正確に解析するためには、十分ではないサイズまたは容量を有する、バイオセンサ中の生体液サンプルと定義される。
【0136】
[00140] “手持ち型装置”は、ヒトの手で保持できそして携帯型である装置と定義さ
れる。手持ち型装置の例は、Ascensia(登録商標)Elite Blood Glucose Monitoring System(Bayer HealthCare, LLC, Elkhart, IN.から入手可能)を伴う測定装置である。
【0137】
[00141] 本発明の様々な態様を記載したが、当業者には、その他の態様および実施が
本発明の範囲内で可能であることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体液サンプル中の分析対象物のレドックス反応に由来する出力シグナルを正規化すること;
正規化出力シグナルを少なくとも一つの管理限界と比較すること;そして
正規化出力シグナルが少なくとも一つの管理限界内にない場合、エラーシグナルを生成すること;
を含む、バイオセンサ中での異常出力を検出するための方法。
【請求項2】
生体液サンプル中の分析対象物のレドックス反応に応答して、出力シグナルを生成すること;そして出力シグナルを正規化する前に出力シグナルを測定すること;をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの基礎出力値と出力シグナルの少なくとも1つの測定出力値とのあいだの差異を調べることをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの基礎出力値が、出力シグナルの測定出力値である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
出力シグナルが、パルス化シークエンスに応答性である、請求項1〜4のいずれか1項に
記載の方法。
【請求項6】
出力シグナルパルスにおける少なくとも1つの出力値を、出力シグナルパルスにおける
最初の出力値により割ることをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
パルス化シークエンスに応答して出力シグナルを生成することをさらに含む、請求項1
〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
出力シグナルが、ゲート化アンペロメトリー電気化学システムに応答性である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
パルス化シークエンスが、少なくとも5回のパルスを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
4回目のパルスにおける正規化電流値、R4が、以下の式:
【数1】

〔式中i4,1は、4回目のパルスにおける最初の電流値であり、そしてi4,8は、4回目のパルスにおける最後の電流値である〕
により示される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
R4が0.45よりも大きいかまたは等しく、そしてR4が0.85よりも小さいかまたは等しい、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
5回目のパルスにおける正規化電流値、R5が、以下の式:
【数2】

〔式中i5,1は、5回目のパルスにおける最初の電流値であり、そしてi5,8は、5回目のパルスにおける最後の電流値である〕
により示される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
R5が0.45よりも大きいかまたは等しく、そしてR5が0.85よりも小さいかまたは等しい、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
4回目のパルスにおける正規化電流値の、5回目のパルスにおける正規化電流値に対する比率(Ratio)は、以下の式:
【数3】

〔式中、i4,1は4回目のパルスにおける最初の電流値であり、i4,8は4回目のパルスにおける最後の電流値であり、i5,1は5回目のパルスにおける最初の電流値であり、そしてi5,8
は5回目のパルスにおける最後の電流値である〕
により示される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
比率(Ratio)は、0.75よりも大きいかまたは等しく、そしてRatioは、1.25よりも小さいかまたは等しい、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
研究室での結果の統計的解析から、少なくとも一つの管理限界を決定することをさらに含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
入力シグナルを生体液サンプルに対して印加することをさらに含む、請求項1〜16のい
ずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
入力シグナルが、パルス化シークエンスを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
入力シグナルが、ゲート化アンペロメトリー電気化学システムに応答性である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
入力シグナルが、ポーリング入力シグナルおよびアッセイ入力シグナルを含む、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
ポーリング入力シグナルが約300 ms未満のポーリングパルス幅を有し、そしてポーリング入力シグナルが約1秒未満のポーリングパルス間隔を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ポーリング入力シグナルが、約0.5 ms〜約75 msの範囲のポーリングパルス幅を有し、
そしてポーリング入力シグナルが約5 ms〜約300 msの範囲のポーリングパルス間隔を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
アッセイ入力シグナルが約5秒未満のアッセイパルス幅を有し、そしてアッセイ入力シ
グナルが約15秒未満のアッセイパルス間隔を有する、請求項20〜22のいずれか1項に記載
の方法。
【請求項24】
アッセイ入力シグナルが約0.1秒〜約3秒の範囲のアッセイパルス幅を有し、そしてアッセイ入力シグナルが約0.2秒〜約6秒の範囲のアッセイパルス間隔を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
約180秒未満のポーリング周期のあいだポーリング入力シグナルを印加すること;そし

約180秒未満のアッセイ周期のあいだアッセイ入力シグナルを印加すること;
をさらに含む、請求項20〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
約0.1秒〜約10秒の範囲のポーリング周期のあいだポーリング入力シグナルを印加する
こと;そして
約1秒〜約100秒の範囲のアッセイ周期のあいだ、アッセイ入力シグナルを印加すること;
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
約5〜10 msのポーリングパルス幅および約125 msのポーリングパルス間隔を有するポーリング入力シグナルを、サンプルに対して約1.25秒間、印加すること;そして
約1秒のアッセイパルス幅と約1.5秒のアッセイパルス間隔とを有するアッセイ入力シグナルを、サンプルに対して約7秒間、印加すること;
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
ポーリング入力シグナルは約400 mVの電位を有し、アッセイ入力シグナルは約400 mVの電位を有する第1のパルスを有し、そしてアッセイ入力シグナルは約200 mVの電位を有す
る少なくとも1つのその他のパルスを有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ポーリング出力シグナルがポーリング閾値よりも大きいかまたは等しい場合に、アッセイ入力シグナルを印加することをさらに含む、請求項20〜28のいずれか1項に記載の方法

【請求項30】
ポーリング閾値が約250 nAである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
出力シグナルを間欠的に測定することをさらに含む、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも1つの出力シグナルパルスにおいて、すくなくとも8つの電流値を測定することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
基板により形成されるリザーバに隣接するサンプルインターフェースを基板上に有するセンサストリップ;
サンプルインターフェースと電気的に連通しているセンサインターフェースに接続されたプロセッサを有する測定装置;
を含む、生体液中の分析対象物濃度を測定するためのバイオセンサであって:
ここで、プロセッサは生体液サンプル中の分析対象物のレドックス反応由来の出力シグナルを正規化し、
ここで、プロセッサは正規化出力シグナルを少なくとも一つの管理限界と比較し、そして
ここで、プロセッサは、正規化出力シグナルが少なくとも一つの管理限界内にない場合、エラーシグナルを生成する、
前記バイオセンサ。
【請求項34】
プロセッサが、出力シグナルパルスにおける少なくとも1つの出力値を、出力シグナル
パルスにおける最初の出力値により割る、請求項33に記載のバイオセンサ。
【請求項35】
出力シグナルが、パルス化シークエンスに応答性である、請求項33または34に記載のバイオセンサ。
【請求項36】
出力シグナルが、ゲート化アンペロメトリー電気化学システムに応答性である、請求項35に記載のバイオセンサ。
【請求項37】
出力シグナルが少なくとも5回のパルスを含む、請求項33〜36のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項38】
4回目のパルスにおける正規化電流値、R4が以下の式:
【数4】

〔式中、i4,1は4回目のパルスにおける最初の電流値であり、そしてi4,8は4回目のパルスにおける最後の電流値である〕
により示される、請求項37に記載のバイオセンサ。
【請求項39】
5回目のパルスにおける正規化電流値、R5が、以下の式:
【数5】

〔式中、i5,1は5回目のパルスにおける最初の電流値であり、そしてi5,8は5回目のパルスにおける最後の電流値である〕
により示される、請求項37に記載のバイオセンサ。
【請求項40】
4回目のパルスにおける正規化電流値の5回目のパルスにおける正規化電流値に対する比率(Ratio)が、以下の式:
【数6】

〔式中、i4,1は4回目のパルスにおける最初の電流値であり、i4,8は4回目のパルスにおける最後の電流値であり、i5,1は5回目のパルスにおける最初の電流値であり、そしてi5,8
は5回目のパルスにおける最後の電流値である〕
により示される、請求項37に記載のバイオセンサ。
【請求項41】
プロセッサが、ポーリング入力シグナルとアッセイ入力シグナルとを含む入力シグナルを、生体液サンプルに対して印加する、請求項33〜40のいずれか1項に記載のバイオセン
サ。
【請求項42】
ポーリング入力シグナルが、約300 ms未満のポーリングパルス幅、そして約1秒未満の
ポーリングパルス間隔を有する、請求項41に記載のバイオセンサ。
【請求項43】
アッセイ入力シグナルが、約5秒未満のアッセイパルス幅を有し、そしてアッセイ入力
シグナルが約15秒未満のアッセイパルス間隔を有する、請求項41または42に記載のバイオセンサ。
【請求項44】
プロセッサが約180秒未満のポーリング周期のあいだポーリング入力シグナルを印加し
、そしてプロセッサが約180秒未満のアッセイ周期のあいだアッセイ入力シグナルを印加
する、請求項41〜43のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
【請求項45】
プロセッサが約0.1秒〜約10秒の範囲のポーリング周期のあいだポーリング入力シグナ
ルを印加し、そしてプロセッサが約1秒〜約100秒の範囲のアッセイ周期のあいだアッセイ入力シグナルを印加する、請求項44に記載のバイオセンサ。
【請求項46】
プロセッサが、約5〜10 msのポーリングパルス幅、約125 msのポーリングパルス間隔、そして約400 mVの電位を有するポーリング入力シグナルを、サンプルに対して約1.25秒間印加し;そして
プロセッサが、約1秒のアッセイパルス幅、約1.5秒のアッセイパルス間隔、約400 mVの電位を有する最初のパルス、そして約200 mVの電位を有する少なくとも1つのその他のパ
ルスを有するアッセイ入力シグナルを、サンプルに対して約7秒間印加する、請求項41に
記載のバイオセンサ。
【請求項47】
ポーリング出力シグナルが約250 nAのポーリング閾値よりも大きいかまたは等しい場合に、プロセッサが、アッセイ入力シグナルを印加する、請求項41〜46のいずれか1項に記
載のバイオセンサ。
【請求項48】
プロセッサが、少なくとも1つの基礎出力値と出力シグナルの少なくとも1つの測定出力値とのあいだの差異を決定する、請求項33に記載のバイオセンサ。
【請求項49】
プロセッサが出力シグナルを測定する、請求項33〜48のいずれか1項に記載のバイオセ
ンサ。
【請求項50】
プロセッサが出力シグナルを間欠的に測定する、請求項49に記載のバイオセンサ。
【請求項51】
少なくとも一つの管理限界が研究室での結果の統計解析からあらかじめ決定される、請求項33〜50のいずれか1項に記載のバイオセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−255803(P2012−255803A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−182103(P2012−182103)
【出願日】平成24年8月21日(2012.8.21)
【分割の表示】特願2009−510115(P2009−510115)の分割
【原出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)