説明

パターン測定装置及びパターン測定方法

【課題】パターンの線幅を精度よく測定できるパターン測定装置及びパターン測定方法を提供する。
【解決手段】試料の設計データ30を参照して、設計データ30上のパターンのエッジの段差がない部分に測定領域35を設定するとともに、その設計データ30から特徴部としてエッジ36c、36dを検出する。また、二次電子像40から、設計データ30の特徴部に対応する特徴部としてエッジ46c、46dを検出する。そして、設計データ30のエッジ36c、36dと、二次電子像のエッジ46c、46dとの位置関係に基づいて測定領域35を二次電子像40上に位置合わせして配置する。このようにして配置された測定領域45内のエッジ間の距離に基づいてパターンの幅を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン測定装置及びパターン測定方法に関し、特に電子ビームを試料表面に照射してパターンの測定を行うパターン測定装置及びパターン測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体装置の微細化に伴い、半導体装置の露光プロセスには、光による近接効果を考慮したOPC(Optical Proximity effect Correction;光近接効果補正)マスクが用いられている。このOPCマスクには高い精度が求められることから、実際に作製されたOPCマスクが設計通りの線幅を有するか否かを確認するための測定が行われる。
【0003】
従来、パターンの線幅は、パターンの二次電子像を参照しながら、このパターンと交差するように、ROI(Region of Interest)と呼ばれる矩形状の測定領域を設定し、その測定領域内でパターンのエッジ間の距離を測定して求める。この測定領域内にパターンの角部が含まれると正確な線幅の測定を行えないことから、測定領域はパターンの直線部分を選んで設定される。
【0004】
ところで、OPCマスクのパターンは、設計データ上では複数の小さなパターン(ブロック)をつなげて形成しているため、これらのパターンの繋ぎ目の部分で段部が生じる。そのため、二次電子像上では直線状に見える部分でも、設計データ上では小さな段部が形成されている場合がある。したがって、二次電子像のみに基づいて直線状の部分を探して測定領域を設定するだけでは、正確な線幅の測定が行えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−169835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、パターンの線幅を精度よく測定できるパターン測定装置及びパターン測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一観点によれば、電子ビームを試料の表面に照射する電子ビーム照射部と、前記試料の表面で発生した二次電子を検出する検出器と、前記検出器の検出信号に基づいて前記試料表面の二次電子像を生成する信号処理部と、前記試料の設計データを参照して、前記設計データ上に測定領域を設定する測定領域設定部と、前記設計データの特徴部を検出する第1の検出部と、前記二次電子像の特徴部を検出する第2の検出部と、前記設計データの特徴部と前記二次電子像の特徴部との位置関係に基づいて、前記設計データ上の測定領域を前記二次電子像上に位置決めして配置するアライメント部と、前記二次電子像の測定領域内のパターンのエッジの位置に基づいてパターンの幅を測定する測定部と、を備えるパターン測定装置が提供される。
【0008】
また、別の一観点によれば、二次電子像に測定領域を設定し、該測定領域内のパターンのエッジの位置から前記パターンの線幅を求めるパターン測定方法であって、前記二次電子像の視野に対応する設計データ上に測定領域を設定するステップと、前記設計データの特徴部を検出するステップと、前記二次電子像の特徴部を検出するステップと、前記設計データの特徴部と前記二次電子像の特徴部との位置関係に基づいて、前記設計データ上の測定領域を前記二次電子像上に位置決めして配置するステップと、を有するパターン測定方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
上記観点によれば、設計データを参照して測定領域を設定し、その測定領域を設計データ上の特徴部と二次電子像上の特徴部との位置関係に基づいて二次電子像上に位置決めして配置する。これにより、設計データに基づいて設定した測定領域を、二次電子像上で設計データと同じ位置に配置できるので、パターンの線幅をより正確に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(a)は、二次電子像に基づく測定領域の設定例を示す図であり、図1(b)は図1(a)に対応する部分の設計データを示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係るパターン測定装置のブロック図である。
【図3】図3は、図2のパターン測定装置を用いたパターン測定方法を示すフローチャートである。
【図4】図4(a)は、第1実施形態に係る設計データ上での測定領域の設定方法を示すフローチャートであり、図4(b)は図4(a)の方法で設計データ上に設定された測定領域の一例を示す図である。
【図5】図5は、設計データ上で設定された測定領域を位置決めせずに二次電子像上に配置した例を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係るパターン測定方法において、設計データ上の特徴部の検出方法を示すフローチャートである。
【図7】図7(a)は、第1実施形態において、設計データからエッジを特徴部として検出した例を示す図であり、図7(b)は、第1位実施形態において、設計データから角部を特徴部として検出した例を示す図である。
【図8】図8(a)は、第1実施形態において二次電子像からエッジを特徴部として検出した例を示す図であり、図8(b)は第1実施形態において二次電子像からエッジの変曲点を特徴部として検出した例を示す図である。
【図9】図9(a)、(b)は、第1実施形態に係る変曲点の検出方法を示す図である。
【図10】図10(a)、(b)は、第1実施形態に係るパターン測定方法において、2つの特徴部を用いて測定領域を二次電子像上に位置決めする方法を示す図である。
【図11】図11(a)、(b)は、第1実施形態に係るパターン測定方法において1つの特徴部を用いて測定領域を二次電子像上に位置決めする方法を示す図である。
【図12】図12(a)、(b)は、測定領域の長さ調整を行わない場合の問題を説明する図である。
【図13】図13(a)は、第1実施形態に係るパターン測定方法での測定領域のサイズの調整方法を示すフローチャートであり、図13(b)は、図13(a)の方法で測定領域のサイズを調整した例を示す図である。
【図14】図14は、第2実施形態に係るパターン測定装置を示すブロック図である。
【図15】図15は、設計データの一例を示す図である。
【図16】図16は、第2実施形態に係る測定対象の指定方法を示すフローチャートである。
【図17】図17(a)は、第2実施形態に係るパターン測定装置の測定対象指定部による設計データの各ブロックの数を幅及び長さ毎に集計した結果を示す表であり、図17(b)は、図17(a)の表に基づいて長さ0.1μmのパターンが選択された場合に測定対象となるブロックを示す図である。
【図18】図18は、段部付近での設計データ及び実際のパターンのエッジを示す図である。
【図19】図19は、第3実施形態に係るパターン測定方法における、測定対象の指定方法を示すフローチャートである。
【図20】図20(a)〜(c)は、第3実施形態における測定対象の指定方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態の説明に先立って、基礎となる予備的事項について説明する。
【0012】
図1(a)は、二次電子像に基づく測定領域の設定例を示す図であり、図1(b)は図1(a)に対応する部分の設計データに基づく図である。
【0013】
図1(a)の二次電子像では、その視野内にパターン81a、81bとスペース82とが形成されており、それらの境界部分には、他の部分よりも輝度が高いホワイトバンドと呼ばれる帯状のエッジ84a、84bが現れる。
【0014】
図の中央付近のスペース82の幅を測定する場合には、パターン81a、81bのエッジ84a、84bを含むように、ROI(Region Of Interest)と呼ばれる矩形状の測定領域85を設定する。次に、測定領域85内で、幅方向(Y方向)に延在するラインに沿った二次電子像の輝度値の分布であるラインプロファイルを求める。そして、スペース82の幅を、このラインプロファイルの輝度値の極大値間の距離を測定することで求める。
【0015】
ところで、OPCマスクのパターンは、設計データ上では、小さなパターン(ブロック)82a、82b(又は82c、82d)をつなげて形成されるため、ブロックの繋ぎ目の部分で段部が生じる場合がある。そのため、二次電子像では直線状に見える部分であっても、図1(b)ように、設計データを参照すると、小さな段部88が形成されている場合がある。
【0016】
本願発明者らの調査では、設計データにおいて、大きさが数nm程度の段部は、二次電子像では検出できず、二次電子像のみに基づいて測定する場合には設計データの段部88を避けることは困難であることが判明した。そのため、測定領域内に段部が含まれてしまい、線幅の測定を正確に行うことができない。
【0017】
本願発明者らは、以上の知見に基づいて、下記の実施形態を着想するに至った。
【0018】
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態に係るパターン測定装置のブロック図である。
【0019】
図2に示すように、本実施形態に係るパターン測定装置100は、試料8を収容するチャンバー2と、試料8に電子ビームを照射する電子走査部1と、電子走査部1及びチャンバー2の制御並びにデータ処理を行う制御部10とを備える。
【0020】
チャンバー2には、支持体7aを上部に備えたステージ7が設けられており、その支持体7a上にはウェハやフォトマスクなどの試料8が保持される。ステージ7は、その位置をレーザー干渉計7bで測定しつつ、駆動部7cによって駆動することで、試料8を所定の位置に移動させる。また、試料8の表面には位置決めマークが形成されており、その位置決めマークを観察することで試料8の位置座標が決定される。
【0021】
電子走査部1の電子銃3からは電子ビーム3aが放出され、その電子ビーム3aはコンデンサレンズ4で収束された後、偏向コイル5で走査されつつ、対物レンズ6を経て試料8の表面に照射される。電子ビーム3aの照射によって試料8の表面から放出された二次電子は検出器9によって検出されて電気信号に変換される。
【0022】
制御部10は、上記の電子走査部1及びチャンバー2の各部に制御信号を出力する。
【0023】
また、制御部10は、信号処理部11と、設計データ処理部12と、二次電子像処理部13とを備える。このうち、信号処置部11は、検出器9からのアナログ信号をデジタル信号に変換し、電子ビームの照射位置毎の二次電子の検出量を輝度で表した二次電子像を生成する。
【0024】
設計データ処理部12は、測定領域設定部14及び第1の検出部15を備える。測定領域設定部14では、二次電子像の視野に対応する部分の設計データを抽出し、抽出した設計データのパターンの段部や角部のない部分に矩形状の測定領域を設定する。また、第1の検出部15は、設計データのパターンから、測定領域を位置決めするための特徴部を検出する。この特徴部としては、パターンのエッジや角部が検出される。
【0025】
二次電子像処理部13は、第2の検出部16とアライメント部17とサイズ調整部18と測定部19とにより二次電子像を処理して試料8のパターンの測長を行う。このうち、第2の検出部16は、二次電子像のパターンから、測定領域の位置決めのための特徴部を検出する。この特徴部としては、パターンのエッジや、エッジの変曲点が検出される。
【0026】
また、アライメント部17は、二次電子像上の特徴部と設計データ上の特徴部との位置関係に基づいて、設計データ上の測定領域を二次電子像上で位置決めして配置する。さらに、サイズ調整部18は、アライメント部17が配置した測定領域に二次電子像上のパターンの角部付近の湾曲部分が含まれる場合には、その湾曲部分を測定領域から除くべく測定領域のサイズを調整する。
【0027】
測定部19は、二次電子像上に配置された測定領域のラインプロファイルを求め、そのラインプロファイルの輝度の極大値間の距離をパターンの線幅として測定する。
【0028】
また、上記の制御部10には表示部20及び入力部21が接続されている。表示部20では二次電子像等が表示される。また入力部21からは測定条件等の入力が行われる。
【0029】
以下、パターン測定装置100を用いたパターン測定方法について説明する。
【0030】
図3は、本実施形態に係るパターン測定方法を示すフローチャートである。
【0031】
まず、図3のステップS10において、パターン測定装置100(図2参照)により試料8の表面の二次電子像を取得する。
【0032】
次に、ステップS20において、設計データ処理部12の測定領域設定部14(図2参照)が設計データを参照して、パターンの段部や角部のない部分に測定領域を設定する。
【0033】
図4(a)は、本実施形態に係る測定領域設定部14による測定領域の設定方法を示すフローチャートであり、図4(b)は図4(a)の方法で設定された測定領域の一例を示す図である。
【0034】
まず、図4(a)のステップS21において、測定領域設定部14は二次電子像の視野に対応する部分の設計データを抽出する。ここでは、図4(b)に示すような設計データ30が抽出されるものとする。なお、設計データ30では、パターン及びスペースが矩形状の複数のブロック31a〜31d、32a〜32eを繋げて形成されており、それらのブロックの繋ぎ目には段部37a、37bがある。ここで抽出された設計データ30は、表示部20の表示画面に表示される。
【0035】
次いで、図4(a)のステップS22において、測定領域設定部14は測定領域35を配置すべき測定対象(ブロック)を指定する。
【0036】
ここでは、操作者が、表示部20に表示された図4(b)の設計データ30に基づいて、設計データ30上の何れかの部分を選択すると、測定領域設定部14がいずれのブロックが選択されたかを検出する。そして、検出したブロックを測定対象とする。
【0037】
図4(b)では、ブロック32bが測定対象となるブロックに指定されたものとする。
【0038】
次に、図4(a)のステップS23において、測定領域設定部14は測定対象となるブロックの中心に、測定領域の中心を設定する。例えば、図4(b)の場合には、ブロック32bの中心の座標が測定領域35の中心35aの座標に設定される。
【0039】
次に、図4(a)のステップS24において、測定領域設定部14は測定領域35の幅及び長さを設定する。
【0040】
ここでは、図4(b)に示すように、測定領域設定部14は、測定対象となるブロック32bの2つのエッジ33a、33bを検出し、それらのエッジ33a、33bと直交する方向(図のY方向)を測定領域35の幅方向とし、エッジ33a、33bに平行な方向(図のX方向)を測定領域35の長さ方向とする。
【0041】
次に、測定領域設定部14は、エッジ33a、33bの間隔W2を求め、その間隔W2よりも大きい幅W1を測定領域35の幅とする。幅W1は、例えばブロック32bの幅W2の1.5倍程度とすればよい。
【0042】
次いで、測定領域設定部14は、ブロック32bの長さL2を求め、その長さL2よりも小さい長さL1を測定領域35の長さに設定する。ここでは、長さL1は、例えばブロック32bの長さL2の0.9倍以下とすればよい。このように、測定領域35の中心をブロック32bの中心と一致させ、且つ測定領域35の長さL1をブロック32bの長さL2よりも小さくすることで、測定領域35をパターンの段部37a、37bや角部38a、38bのない部分に設定できる。
【0043】
以上により、設計データ30への測定領域35の設定が完了する。
【0044】
ところで、設計データ30に設定された測定領域35をそのまま二次電子像上に配置する場合には以下のような問題が生ずる。
【0045】
図5は、設計データ上で設定された測定領域を二次電子像上に配置する場合の問題点を示す図である。図5において、一点鎖線で示す部分は、設計データ30上で意図していた測定領域35の設置位置であり、実線で示す部分は設計データ30の測定領域35の座標をそのまま用いて二次電子像40に配置した測定領域45の位置を示す。
【0046】
図5に示すように、設計データ30上で設定した測定領域35を、位置決めせずに二次電子像40上に配置すると、二次電子像40の測定領域45の位置が設計データ30で意図していた測定領域35の位置と異なってしまう。このような測定領域35と測定領域45との位置ずれは、パターン測定装置100のレーザー干渉計7bによるステージ7の位置の検出の誤差等によって発生するものと考えられる。
【0047】
そのため、測定領域35を位置決めせずに二次電子像40に配置しても、段部や角部を含まない部分に測定領域45を配置できるとは限らない。
【0048】
そこで、本実施形態のパターン測定方法では、図3のステップS30〜ステップS50において、測定領域の位置決めを行う。
【0049】
まず、ステップS30において、設計データ処理部12の第1の検出部15(図2参照)が、設計データのパターンの特徴部を検出する。この特徴部は、測定領域を二次電子像上に位置決めするための目印であり、ここでは設計データ上のパターンのエッジ又は角部を特徴部として検出する。
【0050】
以下、特徴部の検出方法について具体的に説明する。
【0051】
図6は、本実施形態に係る第1の検出部15における設計データ上の特徴部の検出方法を示すフローチャートである。また、図7(a)は、設計データ上のパターンのエッジを特徴部として検出した例を示す図であり、図7(b)は設計データ上のパターンの角部を変曲点として検出した例を示す図である。
【0052】
まず、図6のステップS31において、設計データ処理部12の第1の検出部15が、設計データのパターンを参照して、測定領域の幅方向に延在するエッジのうち、所定長さ以上のものを検出する。ここでは、例えば長さが25nm以上のエッジを検出するものとする。
【0053】
例えば、図7(a)の設計データ30の場合には、第1の検出部15は測定領域35の幅方向(Y方向)に延在するエッジ36a、36b、36c、36dを特徴部として検出する。このような設計データ上で幅方向に延在する25nm以上の長さのエッジ36a〜36dは、二次電子像上で対応するエッジの検出が容易であるとともにエッジの長さ(図7(a)のX方向)方向の位置を正確に求めることができる。そのため、エッジ36a〜36dは、測定領域35の長さ方向の位置決めのための特徴部として好適である。
【0054】
一方、段部37a、37bのエッジのように、長さが25nm未満のエッジは、二次電子像上で対応するエッジを確実に検出できないおそれがある。そのため、段部37a、37bのエッジは、ステップS31での検出対象からは除外される。
【0055】
次に、図6のステップS32において、第1の検出部15がステップS31でエッジが検出されたか否かを判断する。エッジが検出されたと判断された場合(YES)には、設計データの特徴部の検出処理を終了する。
【0056】
一方、パターンによっては、ステップS31においてエッジが検出されない場合もある。このような場合には、ステップS32においてNOと判断され、次のステップS33に移行する。
【0057】
ステップS33では、第1の検出部15は所定の大きさ以上の段部の角部を特徴部として検出する。ここでは、例えば5nm以上の段部の角部を特徴部として検出するものとする。
【0058】
図7(b)に示す設計データ30では、第1の検出部15によりパターン31の角部38a、38b、38c、38dが検出される。ただし、段部37a、37bのような5nm以下の小さな段部の角部は、二次電子像上で対応する特徴部を確実に検出できない。そのため、段部37a、37bの角部は、ステップS33の検出対象から除外される。
【0059】
以上により、設計データからの特徴部の検出が完了する。
【0060】
次に、図3のステップS40において、二次電子像処理部13の第2の検出部16(図2参照)が二次電子像のパターンの特徴部を検出する。
【0061】
図8(a)は、二次電子像上のエッジを特徴部として検出した例を示す図であり、図8(b)は、二次電子像上の変曲点を特徴部として検出した例を示す図である。
【0062】
設計データ30のパターンのエッジが特徴部として検出された場合には、図8(a)に示すように、第2の検出部16は二次電子像40のパターン41a、41bの幅方向に延在するエッジ46a、46b、46c、46dを特徴部として検出する。
【0063】
また、設計データ30のパターンの角部が特徴部として検出された場合には、図8(b)に示すように、第2の検出部16は二次電子像40のパターン41a、41bのエッジが曲がり始める変曲点48a、48b、48c、48dを特徴部として検出する。
【0064】
なお、変曲点は以下の方法で検出できる。
【0065】
図9(a)は、エッジの角度に基づいて変曲点を検出する方法を示す図であり、図9(b)はエッジ位置の幅方向への変化量に基づいて変曲点を検出する方法を示す図である。なお、図9(a)、図9(b)は、図8(b)の破線Nに囲まれた部分に対応している。
【0066】
図9(a)に示すように、第2の検出部16は、X方向に一定ピクセル毎にパターンのエッジと重なる点43を配置する。次に、隣接する点43間を結ぶ線分44を引き、それらの線分と長さ方向(X方向)に延在するライン44aとの成す角度θをそれぞれ求める。そして、角度θが所定の基準値を超える線分44に隣接す点43を、変曲点48aとして検出する。
【0067】
また、変曲点は、図9(b)に示すようにエッジの幅方向への変化量に基づいて検出してもよい。
【0068】
この場合にも、第2の検出部16は、X方向に一定のピクセル毎にパターンのエッジと重なる点43を配置する。次に、各点43間の幅方向(Y方向)の変化量ΔYをそれぞれ求める。そして、変化量ΔYが所定の基準値を超える点43を変曲点48aとして検出する。
【0069】
以上のようにして、第2の検出部16による二次電子像のパターンの特徴部の検出が完了する。
【0070】
次に、図3のステップS50において、二次電子像処理部13のアライメント部17(図2参照)が、設計データのパターンの特徴部と二次電子像のパターンの特徴部との位置関係に基づいて、測定領域を二次電子像上に位置決めして配置する。
【0071】
以下、測定領域の位置決めについて具体的に説明する。
【0072】
図10(a)は、設計データ30上での特徴部36c、36dと測定領域35との位置を示す図であり、図10(b)は、アライメント部17による二次電子像上への測定領域の位置決め方法を説明する図である。
【0073】
まず、アライメント部17は、図10(a)に示すように、設計データ30を参照して、測定領域の長さ方向(X方向)に離れた2つの特徴部を抽出する。ここでは、特徴部として2つのエッジ36c、36dを抽出するものとする。
【0074】
次に、アライメント部17は、2つのエッジ36c、36d間の長さ方向(X方向)の距離Aを求める。また、アライメント部17は、一方のエッジ36cと測定領域35の中心35aとの間の長さ方向(X方向)の距離Bを求める。そして、距離Aと距離Bとの比B/Aを求める。
【0075】
次に、アライメント部17は、図10(b)のように、二次電子像40を参照して、設計データ30のパターンの特徴部に対応する2つの特徴部であるエッジ46c、46dを抽出する。
【0076】
続いて、アライメント部17は、エッジ46c、46d間の距離Cを求める。そして、配置すべき測定領域45の中心45aとエッジ46cとの距離Dを、B/A=D/Cの関係式を満たすように定める。このようにして求めた距離Dを、エッジ46cのX座標に加算することで、二次電子像での測定領域45の中心のX方向の位置座標が求まる。これにより、測定領域45の長さ方向(X方向)の位置決めが完了する。
【0077】
なお、上記の説明では、距離Aと距離Bの比及び距離Cと距離Dの比に着目して位置決めしたが、下記に説明するように距離Aと距離Cとのオフセット量に着目して位置決めしてもよい。
【0078】
すなわち、設計データ上のエッジ間の距離A(図10(a)参照)と二次電子像上のエッジ間の距離C(図10(b)参照)とに差がある場合について考える。この場合には、まず距離Cから距離Aを差し引いて両者のオフセット量(C−A)を求める。次に、二次電子像上の距離D(図10(b)参照)を、(C−A)÷2+Bとして求める。そして、このようにして求めた距離Dをエッジ46cのX座標に加算して、二次電子像での測定領域45の中心のX座標を求める。
【0079】
なお、測定領域45の位置が幅方向にずれていても測定結果に誤差は生じないため、本実施形態では測定領域45の幅方向(Y方向)の位置決めは行わず、設計データ30の測定領域35の中心35aのY座標をそのまま用いる。
【0080】
その後、アライメント部17は、中心45aを中心とし、幅及び長さが測定領域35と同じ大きさの矩形状の領域を測定領域45として配置する。
【0081】
これにより、測定領域45の位置決め及び配置が完了する。
【0082】
上記のように、図10(a)及び図10(b)に示す方法では、測定領域35の長さ方向に離れた2つの特徴部の位置関係に基づいて測定領域45の位置決めを行う。そのため、設計データ30と二次電子像40との間の位置ずれ及び倍率のずれがある場合であっても、精度よく測定領域45を位置決めして配置できる。
【0083】
なお、パターンの形状によっては、設計データ及び二次電子像において1つの特徴部しか検出できない場合がある。この場合には、以下の方法で位置決めを行うものとする。
【0084】
図11(a)は、設計データ30上での特徴部36cと測定領域35との位置を示す図であり、図11(b)は、アライメント部17における1つの特徴部を用いて測定領域の位置決めを行う方法を示す図である。
【0085】
図11(a)に示すように、ここでは設計データ30においてエッジ36cを特徴部として位置決めを行う場合を例に説明する。この場合には、アライメント部17は、測定領域35の中心35aとエッジ36cとの長さ方向(X方向)の距離Eを求める。
【0086】
次に、図11(b)に示すように、アライメント部17は、二次電子像40を参照して、設計データ30の特徴部(エッジ36c)に対応する特徴部であるエッジ46cを抽出する。
【0087】
続いて、アライメント部17は、二次電子像40上での測定領域45の中心45aの長さ方向(X方向)の位置座標を、エッジ46cの長さ方向(X方向)の座標に距離Eを加算して求める。
【0088】
なお、測定領域45の中心45aの幅方向(Y方向)の位置座標は、設計データ30の測定領域35の中心35aの幅方向(Y方向)の位置座標と同じとする。
【0089】
以上の方法によれば、特徴部が1つしか検出できない場合であっても位置決めを行うことができる。
【0090】
以上により、ステップS50(図3参照)におけるアライメント部17による二次電子像上への測定領域の位置決め及び配置が完了する。
【0091】
なお、以上の説明ではエッジを特徴部とした場合を例に説明したが、パターンの角部及び変曲点を特徴部とする場合であっても同様の方法で測定領域45の位置決めを行うことができる。
【0092】
以上のステップS50で二次電子像上に配置される測定領域のサイズは、設計データ上で設定された測定領域と同じサイズである。そのため、測定領域のサイズによっては下記のような問題が生じる。
【0093】
図12(a)は、設計データ上の測定領域の一例を示す図であり、図12(b)は二次電子像上の測定領域を図12(a)で設定された測定領域と同じサイズとした例を示す図である。
【0094】
図12(a)に示すように、設計データ30上の設計領域35は、パターン31の角部39a、39bを含まないように配置されている。
【0095】
ところが、図12(b)の二次電子像40に示すように、設計データ30に基づいて実際のパターン41を作製すると、角部49a、49bが曲率を帯びる。そのため、測定領域35が大きすぎる場合又は、角部49a、49bの曲率が大きい場合には、測定領域45にパターンの角部49a、49bの丸みを帯びた部分が含まれてしまい、スペース42の幅が実際よりも大きく測定されるなどして、測定精度が低下する。
【0096】
そこで、上記の問題を防ぐために、本実施形態では、図3のステップS60において、二次電子像処理部12のサイズ調整部18(図2参照)により測定領域のサイズ(長さ)を調整する。
【0097】
図13(a)は、本実施形態に係るサイズ調整部18における測定領域のサイズ調整方法を示すフローチャートであり、図13(b)は図13(a)の方法で測定領域のサイズを調整した例を示す図である。
【0098】
まず、図13(a)のステップS61において、サイズ調整部18は二次電子像を参照して測定領域の周辺の角部の変曲点を検出する。例えば、図13(b)の二次電子像40の場合には、角部49a、49bの変曲点が検出される。なお、変曲点は、図9(a)及び図9(b)を参照しつつ説明した方法で検出する。
【0099】
次に、図13(a)のステップS62において、サイズ調整部18は、二次電子像上の測定領域内に変曲点が含まれるか否かを調べる。ステップS62において、測定領域内に変曲点が含まれないと判断された場合には(NO)、測定領域のサイズの調整を行わずに処理を終了する。
【0100】
一方、ステップS62において、測定領域内に変曲点が含まれる場合には(YES)、ステップS63に移行して測定領域のサイズ調整を行う。図13(b)の場合には、測定領域45内に2つの角部49a、49bの変曲点が含まれるため、ステップS62においてYESと判定される。
【0101】
次に、図13(a)のステップS63において、サイズ調整部18は、測定領域の中心に最も近い変曲点までの長さ方向の距離を求める。すなわち、図13(b)に示すように、測定領域45の中心45aに最も近い変曲点までの長さ方向(図中のY方向)の距離Laを求める。
【0102】
次に、図13(a)のステップS64において、サイズ調整部18は測定領域の長さを、測定領域の中心から変曲点までの長さ方向の距離の2倍またはそれ以下に設定する。例えば、図13(b)のように、測定領域45の長さ(Y方向の長さ)を測定領域45の中心45aから角部49a(又は角部49b)の変曲点までの距離の2×Laとする。
【0103】
これにより、測定領域45から角部49a、49bの曲率を帯びた部分を除くことができる。
【0104】
以上により、サイズ調整部18による測定領域45のサイズ調整が完了する。
【0105】
その後、図3のステップS70において、二次電子像処理部13の測定部19により測定領域45内のパターン(又はスペース)の線幅の測定を行う。
【0106】
すなわち、二次電子像40上に配置された測定領域45から、幅方向に沿ったラインプロファイルを抽出する。ここでは、エッジの凹凸による影響を減らすために、測定領域の長さ方向に離れた複数の部分でラインプロファイルを求め、それらを平均化したラインプロファイルを求める。そして、平均化したラインプロファイルの輝度の極大値間の距離を検出することでパターンの線幅を求める。
【0107】
以上により、本実施形態のパターン測定装置100によるパターンの測定が完了する。
【0108】
本実施形態では、上記のように、設計データを参照して段部が無い部分に測定領域を設定する。そして、測定領域を、設計データのパターンの特徴部及び二次電子像のパターンの特徴部との位置に基づいて、二次電子像上に位置決めして配置する。
【0109】
そのため、二次電子像と設計データとの間で位置座標がずれている場合であっても、二次電子像上において、段部のない部分に正確に測定領域を配置できる。
【0110】
さらに、サイズ修正部18により、測定領域に角部付近の変曲点が含まないように測定領域のサイズに調整するため、測定領域に段部や角部付近のエッジが湾曲した部分が含まれるのを防止できる。
【0111】
その結果、パターンのエッジが直線状の部分にのみ測定領域を配置できるので、パターンの線幅を精度よく測定できる。
【0112】
(第2実施形態)
上記の第1の実施形態では、測定対象を操作者が手動で指定するため、測定対象となるブロックが多数ある場合には、作業が煩雑となる。そこで、以下に測定対象が複数ある場合に、より簡単に測定対象を指定する方法について説明する。
【0113】
図14は、第2実施形態に係るパターン測定装置を示すブロック図である。
【0114】
図14に示すように、本実施形態のパターン測定装置200は、制御部10の設計データ処理部12に測定対象指定部22を備えている点で図2のパターン測定装置100と異なる。なお、パターン測定装置200のその他の構成はパターン測定装置100と同じであり、同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。
【0115】
本実施形態のパターン測定装置200の測定対象指定部22(図14参照)は、設計データ上のパターン及びスペースを構成するブロックの幅及び長さを集計するとともに、指定された幅又は長さを有する全てのブロックを測定対象に指定する。
【0116】
以下、本実施形態に係る測定対象指定部22による測定対象の指定方法について説明する。
【0117】
図15は、本実施形態に係るパターン測定装置100の設計データ処理部12に入力される設計データの一例を示す図である。ここでは、図15に示すような設計データ70が設計データ処理部12に入力された場合を例に説明する。
【0118】
図15において、斜線を付した部分がパターン71であり、それ以外の部分はスペース72である。スペース72はそれぞれ矩形状のブロック72aを繋ぎ合わせて形成されている。また、これらのブロック72aの繋ぎ目の部分に様々な大きさの段部が現れている。
【0119】
図16は、本実施形態に係るパターン測定装置200による測定対象の指定方法を示すフローチャートである。図17(a)は、本実施形態に係るパターン測定装置200の測定対象指定部22により、スペース72に含まれるブロック72aを集計した結果を示す表であり、図17(b)は測定対象指定部22により測定対象を指定した例を示す図である。
【0120】
図16に示すように、まず、ステップS81において、測定対象指定部22がスペース72に含まれるブロックの数を長さ及び幅毎に集計する。そして、図17(a)に示すように、長さ及び幅毎の各ブロックの数を表した表を作成する。
【0121】
次に、ステップS82において、測定対象指定部22はステップS81で作製した表をパターン測定装置200の表示部20(図14参照)に表示させる。
【0122】
なお、OPCマスクのように、段部が多いパターンの場合には、パターン(又はスペース)の長さが短い部分ほど、実際のパターンを設計データ通りに形成することが困難となる。そのため、ブロックの中でも長さが短い部分の線幅の管理が相対的に重要になる。
【0123】
したがって、図17(a)に示すようにブロックの長さ及び幅毎に集計した結果を表示することにより、操作者が測定対象とすべきブロックを把握しやすくなる。
【0124】
次のステップS83において、測定対象指定部22は操作者によるブロックの長さ及び幅の入力を待つ。
【0125】
操作者が、表示部20の表示画面に表示された表(図17(a)参照)に基づいて、測定対象とすべきブロックの長さ(又は幅)を指定すると、次のステップS84に移行する。
【0126】
ステップS84において、測定対象指定部22は、指定された長さ又は幅を有する全てのブロックを測定対象に指定する。
【0127】
例えば、図17(a)の表に基づいて、長さ0.1μmのブロックが指定された場合には、図17(b)で斜線を付して示すように、設計データ70において、長さが0.1μmの全てのブロック72aが測定対象に含まれる。
【0128】
以上により、本実施形態の測定対象指定部22による測定対象の指定が完了する。
【0129】
その後、ステップS84で測定対象に指定されたブロック72aのそれぞれについて、図3〜図13を参照しつつ説明した方法で測定領域35を配置し、線幅の測定を行なう。その際には、図17(b)の設計データ70のエッジ73を、測定領域の位置決めのための特徴部として用いることができる。
【0130】
上記のように、本実施形態によれば、ブロックの長さ又は幅を指定することにより、その長さ又は幅を有する複数のブロックを一括して測定対象とすることができる。そのため、各ブロックを個々に手動で選択する場合に比べて、迅速かつ簡単に測定部位の指定を行うことができる。
【0131】
(第3実施形態)
第3実施形態では、パターンの段部の大きさに基づいて自動的に測定対象を指定する方法について説明する。
【0132】
本実施形態に用いるパターン測定装置は、図14のパターン測定装置200(第2実施形態)と同様であり、また、設計データの形式も図15と同様であるので、これらの説明は省略する。
【0133】
図18は、パターンに大きな段部がある部分の設計データ及び実際に作製されたパターンのエッジ位置を示す図である。
【0134】
図18において、斜線を付した部分が設計データ75上のパターン76であり、それらのパターン76の間にスペース77が形成されている。これらのパターン76には段部76aが形成されている。
【0135】
また、図中の破線は、設計データに基づいて実際に作製されたパターンのエッジ78の位置を示している。図示のように比較的大きな段部76aの近傍では、設計データ上のエッジの位置と、実際に作製されたパターンのエッジ78の位置との間のずれが大きくなる。
【0136】
そのため、マスクパターンをより精度よく作製するためには、比較的大きな段部76aの近傍でのパターンの線幅の管理が重要となる。
【0137】
そこで、本実施形態では以下に説明するように、設計データで所定の基準値以上の大きさの段部を検出し、その段部の近傍のブロックを測定対象に指定する。
【0138】
図19は、本実施形態に係るパターン測定方法における測定対象の指定方法を示すフローチャートである。図20(a)は、図19の方法で検出された段部の一例を示す図であり、図20(b)は及び図20(c)は、それぞれ図20(a)の領域P及び領域Qにおける測定対象の指定方法を示す図である。
【0139】
まず、図19のステップS91において、パターン測定装置200の測定対象指定部22(図14参照)は、設計データ中で規定値以上の大きさの段部を検出する。ここでは例えば25nm以上の段部を検出する。
【0140】
図20(a)に示す設計データ70の場合には、段部76a、76b、76cが規定値以上の大きさの段部として検出される。
【0141】
次に、図19のステップS92において、測定対象指定部22は検出された段部76a、76b、76cのエッジに隣接するブロックと、そのブロックの周囲のブロックを測定対象に指定する。
【0142】
図20(b)に示すように、領域Pでは検出された段部76aのエッジに隣接するブロック77aが測定対象に指定される。続いて、ブロック77aの周囲のブロック77c〜77hが測定対象に追加される。
【0143】
また、図20(c)に示すように、領域Qでは段部76b、76cのエッジに隣接するブロック78aが測定対象に指定される。続いて、ブロック78aの周囲のブロック78b〜78Iが測定対象に指定される。
【0144】
以上のように、本実施形態によれば、線幅のずれが生じやすい比較的大きな段部に隣接するブロック及びその周囲のブロックを測定対象とすることができる。これにより、多数の段部を有するOPCマスクにおいて、線幅の管理が必要な部位を自動的に測定対象に指定できる。
【符号の説明】
【0145】
1…電子走査部、2…チャンバー、3…電子銃、3a…電子ビーム、4…コンデンサレンズ、5…偏向コイル、6…対物レンズ、7…ステージ、7a…支持体、7b…レーザー干渉計、7c…駆動部、8…試料、9…検出器、10…制御部、11…信号処理部、12…設計データ処理部、13…二次電子像処理部、14…測定領域設定部、15…第1の検出部、16…第2の検出部、17…アライメント部、18…サイズ調整部、19…測定部、20…表示部、21…入力部、22…測定対象指定部、30、70…設計データ、40…二次電子像、31、41、71…パターン、32、42、72…スペース、35、45…測定領域、37a、37b、76a〜76d…段部、38a〜38d…角部、36a〜36d、46a〜46d、73…エッジ、48a〜48d…変曲点、31a〜31d、32a〜32e、72a、77a〜77h、78a〜78i…ブロック、100、200…パターン測定装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ビームを試料の表面に照射する電子ビーム照射部と、
前記試料の表面で発生した二次電子を検出する検出器と、
前記検出器の検出信号に基づいて前記試料表面の二次電子像を生成する信号処理部と、
前記試料の設計データを参照して、前記設計データ上に測定領域を設定する測定領域設定部と、
前記設計データの特徴部を検出する第1の検出部と、
前記二次電子像の特徴部を検出する第2の検出部と、
前記設計データの特徴部と前記二次電子像の特徴部との位置関係に基づいて、前記設計データ上の測定領域を前記二次電子像上に位置決めして配置するアライメント部と、
前記二次電子像の測定領域内のパターンのエッジの位置に基づいてパターンの幅を測定する測定部と、
を備えることを特徴とするパターン測定装置。
【請求項2】
前記第1の検出部及び前記第2の検出部は前記測定領域の測長方向に延在するエッジを特徴部として検出することを特徴とする請求項1に記載のパターン測定装置。
【請求項3】
前記第1の検出部は前記設計データにおいてパターンの角部を特徴部として検出し、前記第2の検出部は前記二次電子像においてパターンのエッジの変曲点を特徴部として検出することを特徴とする請求項1に記載のパターン測定装置。
【請求項4】
前記アライメント部は、前記設計データ及び前記二次電子像における2つの特徴部の位置関係に基づいて前記測定領域の位置決めを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパターン測定装置。
【請求項5】
前記二次電子像上に配置された測定領域に前記パターンのエッジの変曲点が含まれる場合には、前記測定領域の長さを前記測定領域の中心から前記変曲点までの距離の2倍以下に調整するサイズ調整部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のパターン測定装置。
【請求項6】
前記測定領域設定部は、前記設計データのパターンにおいて線幅が変化する段部のない部分に前記測定領域を配置することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のパターン測定装置。
【請求項7】
前記設計データは、パターン及びスペースが矩形状の複数のブロックに分割されてなり、前記設計データ中の前記ブロックのうち所定の長さ又は幅のブロックを一括して測定領域の設定を行う測定対象に指定する測定対象指定部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のパターン測定装置。
【請求項8】
前記設計データは、パターン及びスペースが矩形状の複数のブロックに分割されてなり、前記設計データから規定値以上の大きさの段部を検出し、検出された前記段部と隣接するブロック及びその周囲のブロックを測定領域の設定を行う測定対象に指定する測定対象指定部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のパターン測定装置。
【請求項9】
二次電子像に測定領域を設定し、該測定領域内のパターンのエッジの位置から前記パターンの線幅を求めるパターン測定方法であって、
前記二次電子像の視野に対応する設計データ上に測定領域を設定するステップと、
前記設計データの特徴部を検出するステップと、
前記二次電子像の特徴部を検出するステップと、
前記設計データの特徴部と前記二次電子像の特徴部との位置関係に基づいて、前記設計データ上の測定領域を前記二次電子像上に位置決めして配置するステップと、
を有することを特徴とするパターン測定方法。
【請求項10】
前記設計データの特徴部及び前記二次電子像の特徴部は、前記測定領域の測長方向に延在するエッジであることを特徴とする請求項9に記載のパターン測定方法。
【請求項11】
前記設計データの特徴部は前記設計データ上のパターンの角部であり、前記二次電子像の特徴部は前記二次電子像上のパターンのエッジの変曲点であることを特徴とする請求項9に記載のパターン測定方法。
【請求項12】
前記測定領域の位置決めは、前記設計データ及び前記二次電子像における2つの特徴部の位置関係に基づいて行うことを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載のパターン測定方法。
【請求項13】
前記二次電子像上に配置された測定領域に前記パターンのエッジの変曲点が含まれる場合には、前記測定領域の長さを前記測定領域の中心から前記変曲点までの距離の2倍以下に調整するステップを有することを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載のパターン測定方法。
【請求項14】
前記設計データのパターンにおいて線幅が変化する段部のない部分に前記測定領域を配置することを特徴とする請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載のパターン測定方法。
【請求項15】
前記設計データは、パターン及びスペースが矩形状の複数のブロックに分割されてなり、
前記設計データ中の前記ブロックのうち所定の長さ又は幅のブロックを一括して測定領域の設定を行う測定対象に指定するステップを更に有することを特徴とする請求項9乃至請求項14の何れか1項に記載のパターン測定方法。
【請求項16】
前記設計データは、パターン及びスペースが矩形状の複数のブロックに分割されてなり、
前記設計データから規定値以上の大きさの段部を検出するステップと、
検出された前記段部と隣接するブロック及びその周囲のブロックを測定領域の設定を行う測定対象に指定するステップとを更に有することを特徴とする請求項9乃至請求項14の何れか1項に記載のパターン測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−92440(P2013−92440A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234546(P2011−234546)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】