説明

パチンコ玉発射装置およびパチンコ遊技機

【課題】 異なるプレイ料金(パチンコ玉1個当たりの換算プレイ料金)によるプレイモードで遊技可能なパチンコ遊技機に用いるのに適したパチンコ玉発射装置を提案すること。
【解決手段】 パチンコ遊技機4のパチンコ玉発射装置10は、第1〜第4位置44(1)〜44(4)を経由する水平な円弧状の移動軌跡に沿って玉ポケット44を往復移動させ、第1位置で発射玉を供給し、第2位置で追加玉を受け入れ、第3位置で持ち玉を受け入れ、第4位置で持ち玉を回収できるようになっている。追加玉供給口15a、持ち玉回収口16aの開閉を、玉ポケット44の位置に応じて適切に行えば、持ち玉P1のみ、持ち玉P1よりも多い個数のパチンコ玉P、あるいは持ち玉P1よりも少ない個数のパチンコ玉Pを用いてプレイできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者がパチンコ玉1個当たりのプレイ料金を選択可能なパチンコ遊技機に用いるのに適したパチンコ玉発射装置に関するものである。更に詳しくは、パチンコ玉の発射間隔を変えることなく、選択されたプレイ料金に応じて、発射されるパチンコ玉の数を持ち玉の数に応じて増減可能な機能を備えたパチンコ玉発射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ遊技における玉貸し出し率は100円当たり25個に固定されている。したがって、パチンコ玉1個当たり4円換算のプレイ料金で遊技が行われ、入賞玉払い出し率も玉貸し出し率に応じて定められている。パチンコ玉1個当たりのプレイ料金を高くすると、玉貸し出し率が低くなるので、それに応じて入賞玉払い率が高くなり、よりギャンブル性に富むプレイを楽しむことができる。
【0003】
しかしながら、パチンコ遊技機のパチンコ玉発射装置は、特許文献1に記載されているように、パチンコ玉の発射間隔が一定である。よって、ギャンブル性を高めて持ち玉数を減らすと、持ち玉が短時間で無くなる確率が高くなる。ゆっくりと遊技を楽しみたい一般の遊技者にとっては、ギャンブル性を低くして、より長い時間遊技ができることが望ましい。また、このようにすることが、パチンコ遊技人口の拡大にとっても望ましい。
【特許文献1】特開平07−204324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本願人は先に、特願2003−297236号の明細書、図面において、遊技者によりパチンコ玉1個当たりの換算プレイ料金を選択可能であり、プレイ料金が選択されると、選択されたプレイ料金となるように玉発射装置から実際に発射されるパチンコ玉の個数を増減するパチンコ遊技方法を提案している。また、選択されたプレイ料金に応じて入賞玉の払い出し率を変える方法を提案している。
【0005】
この方法では、安いプレイ料金が選択されると、持ち玉は同一個数であっても、パチンコ玉発射装置から発射されるパチンコ玉の個数が増加する。パチンコ玉発射装置の玉発射速度は一定であるので、結果として遊技時間が長くなる。また、発射されるパチンコ玉が多くなるので入賞確率も増加する。よって、ギャンブル性の低い遊技をゆっくりと楽しむことができる。逆に、高いプレイ料金が選択されると、持ち玉が同一個数であっても、パチンコ玉発射装置から発射されるパチンコ玉の個数が少なくなる。この場合には、遊技時間が短くなり、入賞確率も低下する。よって、ギャンブル性の高い遊技を楽しむことができる。
【0006】
ここで、本願人は、特願2004−16920号の明細書、図面において、かかるパチンコ遊技方法を実施するために適したパチンコ玉発射装置、および当該パチンコ玉発射装置を備えたパチンコ遊技機を提案している。
【0007】
本発明の課題は、当該特許出願の場合と同様に、プレイ料金を選択可能なパチンコ遊技方法などに用いるのに適したパチンコ玉発射装置を提案することにある。
【0008】
また、本発明の課題は、この新しいパチンコ玉発射装置を備えたパチンコ遊技機を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明のパチンコ玉発射装置は、上方から1個のパチンコ玉を受け入れ可能な玉ポケットと、この玉ポケットを、第1位置ないし第4位置を経由する所定角度を張る円弧状の水平移動経路に沿って往復移動させる駆動機構と、前記第1位置にある前記玉ポケットに保持されているパチンコ玉を発射玉として受け取る発射玉供給口と、前記第2位置にある前記玉ポケットに追加玉を供給可能な追加玉供給口と、前記第3位置にある前記玉ポケットに遊技者の持ち玉を供給可能な持ち玉供給口と、前記第4位置にある前記玉ポケットに保持されているパチンコ玉を、発射させることなく回収するための持ち玉回収口と、前記追加玉供給口および前記持ち玉回収口を開閉する開閉機構とを有していることを特徴としている。
【0010】
ここで、垂直中心軸線回りに回転可能な状態で水平に配置した水平回転円盤と、この水平回転円盤における外周側の部位に形成した貫通穴あるいは貫通溝と、前記水平回転円盤の下側に水平に配置した水平固定板とを備えている場合には、前記玉ポケットは、前記貫通穴あるいは貫通溝と、前記水平固定板の上面とによって規定することができる。
【0011】
また、この場合には、前記水平固定板に、前記発射玉供給口としてのパチンコ玉落下穴と、前記持ち玉回収口としてのパチンコ玉落下穴を形成すればよい。さらに、前記持ち玉供給口を前記第3位置にある前記玉ポケットの真上に配置し、前記追加玉供給口を前記第2位置にある前記玉ポケットの真上に配置すればよい。
【0012】
次に、前記発射玉供給口から落下するパチンコ玉を叩いてパチンコ台盤面に向けて発射する発射位置と、当該発射位置から後退した後退位置の間を、所定の周期で揺動可能な発射アームを有している場合には、前記駆動機構として、前記発射アームの前記発射位置から前記後退位置へ移動する前記発射アームの動きを利用して、前記玉ポケットが前記第1位置から第4位置に至る回転位置まで前記水平回転円盤を回転させるように構成されたものを用いることができる。
【0013】
また、本発明においては、前記開閉機構として、前記水平回転円盤の回転中心を中心として回転可能な回転部材と、前記水平回転円盤の回転位置を検出するための検出部と、この検出部の出力に基づき前記回転部材を所定位置に回転させる駆動源とを備え、前記回転部材は、前記追加玉供給口の上端開口を封鎖するための第1レバーと、前記持ち玉回収口の上端開口を封鎖するための第2レバーとを備えているものを用いることができる。
【0014】
次に、本発明はパチンコ遊技機に関するものであり、パチンコ玉1個当たりのプレイ料金を選択するための選択ボタンと、所定間隔でパチンコ玉を発射するパチンコ玉発射装置と、前記選択ボタンにより選択された前記プレイ料金に基づき、前記パチンコ玉発射装置による玉発射動作を制御する玉発射コントローラとを有し、前記パチンコ玉発射装置として、上記構成のパチンコ玉発射装置を用い、前記玉発射コントローラは、前記選択ボタンによる選択に応じて、次の第1モード、第2モードおよび第3モードのうちのいずれか一つ、またはこれらの組み合わせモードで、前記パチンコ玉発射装置を駆動制御することを特徴としている。
【0015】
(a)第1モード:前記追加玉供給口および前記持ち玉回収口を共に閉鎖したままで前記玉ポケットを前記移動経路に沿って一往復させ、往動時に前記第3位置で前記玉ポケットに持ち玉を受け入れて、当該持ち玉を発射玉供給口に供給する。
(b)第2モード:前記玉ポケットの往動時に前記第1位置から前記第2位置に移動させる間に前記追加玉供給口を開き、前記第2位置で前記玉ポケットに追加玉を受け入れた後は前記持ち玉回収口を閉じ、受け入れた前記追加玉を前記発射玉供給口に供給する。
(c)第3モード:前記玉ポケットの往動時に前記追加玉供給口を閉じ、前記第3位置で前記玉ポケットに持ち玉を受け入れ、前記第4位置に移動する前に前記持ち玉回収口を開き、前記第4位置で前記玉ポケットの持ち玉を前記持ち玉回収口から排出し、前記玉ポケットの復動時に前記第3位置で前記玉ポケットに次の持ち玉を受け入れ、当該持ち玉を前記発射玉供給口に供給する。
【0016】
第1モードを採用すれば、玉ポケットが一往復する間に、遊技者の持ち玉が1個だけ発射玉供給口に供給されるので、一定の玉発射間隔で遊技者の持ち玉のみを用いて遊技を行うことができる。第2モードを採用すれば、玉ポケットが一往復する間に、追加玉が1個だけ発射玉供給口に供給されるので、一定の玉発射間隔で追加玉のみを用いて遊技を行うことができる。また、第3モードを採用すれば、玉ポケットが一往復する間に、遊技者の持ち玉の1個が発射されることなく回収され、1個が発射玉供給口に供給されるので、一定の玉発射間隔で、持ち玉の半数を用いて遊技を行うことができる。
【0017】
前記選択ボタンによって、少なくとも、標準プレイ料金と、これより安い第1のプレイ料金と、前記標準プレイ料金より高い第2のプレイ料金とを選択可能な場合には、前記玉発射コントローラは、前記標準プレイ料金が選択されたときには、前記第1モードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御すれば、持ち玉のみを用いた標準の遊技を行うことができる。また、前記第1のプレイ料金が選択されたときには、前記第1モードと前記第2モードの組み合わせモードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御すれば、持ち玉よりも多くの玉を用いて遊技を行うことができる。逆に、前記第2のプレイ料金が選択されたときには、前記第1モードと前記第3モードの組み合わせモードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御すれば、持ち玉よりも少ない玉を用いて遊技を行うことができる。
【0018】
ここで、遊技中の発射玉はパチンコ台盤面に届いてはじめて有効になるが、時には盤面に届かずに戻ってしまうことがある。このような無効戻り玉は、所定の戻り玉通路を経由して再び遊技者に戻されるようになっている。すなわち、戻り玉が再び持ち玉として使用される。この結果、プレイ料金が標準料金とは異なる第1あるいは第2のプレイ料金の場合には、戻り玉が多くなると、プレイ料金が実質的に変動してしまう。
【0019】
例えば、標準料金より安い第1のプレイ料金の場合には、持ち玉に追加玉を加算した数の玉を使用できる。戻り玉がそのまま持ち玉として使用されると、追加玉の追加個数が増加し、使用できる玉数が戻り玉の数に応じて増加していってしまい、第1のプレイ料金よりも更に安い料金でプレイすることになってしまう。
【0020】
逆に、標準料金より高い第2のプレイ料金の場合には、持ち玉より少ない数の玉のみを使用できる。戻り玉がそのまま持ち玉として再度使用されると、必要以上に持ち玉が減らされることになり、第2プレイ料金よりも更に高い料金でプレイすることになってしまう。
【0021】
このような弊害を回避するためには、前記発射アームによって発射された後に前記パチンコ台盤面に届かずに、所定の戻り玉通路を経由して遊技者に戻される戻り玉を検出する戻り玉通過センサを配置しておき、前記玉発射コントローラは、前記第1のプレイ料金が選択された場合には、前記戻り玉の個数に応じて、前記第3モードによる割り込み処理を行わせ、前記第2のプレイ料金が選択された場合には、前記戻り玉の個数に応じて、前記第1モードによる割り込み処理を行わせるようにすればよい。
【0022】
次に、パチンコ遊技機は、一般に、パチンコ台と、このパチンコ台に対して遊技者の持ち玉を前記標準プレイ料金と同一額の玉貸し料で貸し出す台間機とを備えた構成とされている。前記パチンコ台には、前記パチンコ玉発射装置と前記玉発射コントローラとを搭載し、前記選択ボタンを、前記パチンコ台あるいは前記台間機に配置することができる。
【0023】
典型的なパチンコ遊技では前記台間機による玉貸し料が4円である。前記選択ボタンにより、少なくとも4円、2円および6円の3種類のプレイ料金を選択可能とした場合、前記パチンコ玉発射コントローラは、4円の前記プレイ料金が選択されると、前記第1モードを繰り返すモードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御すればよい。また、2円の前記プレイ料金が選択されると、前記第1モードと前記第2モードを繰り返し行う組み合わせモードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御すれば、持ち玉の2倍の玉数で遊技を行うことができる。逆に、6円の前記プレイ料金が選択されると、前記第1モードと前記第3モードを繰り返し行う組み合わせモードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御すれば、持ち玉の2/3の玉数で遊技を行うことができる。
【0024】
この場合において、パチンコ台盤面に届かずに再び遊技者に戻される戻り玉によりプレイ料金が変動することに無いようにするためには、前記発射アームによって発射された後に前記パチンコ台盤面に届かずに、所定の戻り玉通路を経由して遊技者に戻される戻り玉を検出する戻り玉通過センサを配置しておき、前記玉発射コントローラは、2円の前記プレイ料金が選択された場合には、前記戻り玉が2個以上に達する毎に、前記第3モードによる割り込み処理を行わせ(すなわち、戻り玉に起因する持ち玉の増加を抑制し)、6円の前記プレイ料金が選択された場合には、前記戻り玉が3個以上に達する毎に、前記第1モードによる割り込み処理を3回繰り返し行わせる(すなわち、戻り玉に起因する持ち玉の過剰な減少を抑制する)ようにすればよい。
【0025】
ここで、遊技可能な玉数を変更した場合には、前記玉貸し料と選択された前記プレイ料金とに基づき、入賞時の払い出し玉数を増減することが望ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明のパチンコ玉発射装置では、発射玉供給口、追加玉供給口、持ち玉供給口および持ち玉回収口を経由して、パチンコ玉1個を受け入れ可能な玉ポケットを所定の周期で往復移動させるようにしている。したがって、追加玉供給口および持ち玉回収口の開閉を、玉ポケットの移動位置に応じて適切に行えば、持ち玉のみ、持ち玉よりも多い個数のパチンコ玉、あるいは持ち玉よりも少ない個数のパチンコ玉を発射玉供給口に供給できる。
【0027】
また、玉ポケットが水平な円弧状の移動軌跡を描き、上方からパチンコ玉が供給されるようになっている。したがって、直線状の移動軌跡に沿って往復移動させる場合に比べて、機構の小型・コンパクト化に有利であり、また、玉ポケットへのパチンコ玉の供給と、玉ポケットから発射玉供給口、持ち玉回収口へのパチンコ玉の引渡し、パチンコ玉の自然落下を利用して簡単かつ円滑に行うことができる。
【0028】
さらに、貫通穴あるいは貫通溝が形成された水平回転円盤の下側に水平固定板を配置し、当該水平固定板に発射玉供給口および持ち玉回収口を形成するという簡単な構成により、第1ないし第4位置を経由する円弧状の移動軌跡に沿って往復移動する玉ポケットを簡単に実現できる。
【0029】
さらには、水平回転円盤を、一定の周期で揺動する発射アームの動きを利用して回転させるようにしている。また、追加玉供給口と持ち玉排出口を共通の駆動源によって回転する回転部材によって封鎖できるようにしている。かかる構成は、パチンコ玉発射装置の小型・コンパクト化に有利である。
【0030】
これに加えて、本発明では、パチンコ玉盤面に届かずに再び遊技者に戻される戻り玉を考慮して、各プレイ料金による動作モードを定めている。したがって、戻り玉に起因して実際のプレイ料金が変動してしまうことを回避あるいは抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したパチンコ遊技システムを説明する。
【0032】
(全体構成)
図1はパチンコ遊技システムの全体構成図である。パチンコ遊技システム1は、一般的に使用されているシステムと同様であり、パチンコ台2と隣接配置された台間機3からなるパチンコ遊技機4を単位として、複数組のパチンコ遊技機4が列状に配列されて一つの遊技島5が構成され、この構成の遊技島5が複数配置された構成となっている。また、パチンコ遊技システム1は、各パチンコ遊技機4の駆動を制御すると共に監視するための管理コンピュータ6と、景品交換所に設置されているPOS端末7と、このPOS端末7に接続されている玉計数機8を有している。さらには、各パチンコ台2にパチンコ玉を供給すると共に、各パチンコ台2から排出されたパチンコ玉を回収するパチンコ玉供給回収機構9を有している。本例の台間機3は、100円当たり25個の貸し出し率でパチンコ玉の貸し出し処理を行うものとする。従って、パチンコ玉1個当たりの玉貸し料が4円である。
【0033】
図2はパチンコ台2における特徴部分を示す機能ブロック図である。パチンコ台2の基本構成は一般的に普及しているパチンコ台と同様であるので説明を省略するものとする。本例のパチンコ台2は、所定間隔でパチンコ玉を発射するパチンコ玉発射装置10を有し、このパチンコ玉発射装置10には、パチンコ台2の前面下側に配置されている玉上皿11に供給された遊技者の持ち玉P1を供給するための持ち玉供給路12が接続され、ここを介して持ち玉P1が供給される。パチンコ玉発射装置10に供給された持ち玉P1は、パチンコ台2の前面右下部分に配置されている玉発射ハンドル13を操作すると、一定の発射間隔でパチンコ台盤面に向けて発射される。発射されたパチンコ玉が入賞すると、入賞玉払い出しコントローラ14の制御の下に、所定個数の入賞玉が玉上皿11に払い出される。
【0034】
ここで、パチンコ玉発射装置10には、パチンコ玉供給回収機構9の側から、追加玉供給路15を経由して、追加のパチンコ玉(追加玉)P2を供給可能となっている。また、パチンコ玉発射装置10には、ここに供給された遊技者の持ち玉P1を発射させることなくパチンコ玉供給回収機構9の側に排出するための持ち玉回収路16が接続されている。パチンコ玉発射装置10に対する追加玉P2の追加動作および持ち玉P1の回収動作は、玉発射コントローラ17によって制御される。
【0035】
一方、パチンコ台2の前面に配置した操作部にはプレイモード選択ボタン30が配置されている。プレイモード選択ボタン30には3種類の選択ボタン31〜33が含まれている。図においてスイッチ枠内に「4円」と表示されている選択ボタン31は、パチンコ玉1個当たり4円換算の基準プレイ料金でのプレイモード(4円プレイ)を選択するための4円ボタンである。スイッチ枠内に「2円」と表示されているボタン32は、2円換算のプレイ料金でのプレイモード(2円プレイ)を選択するための2円ボタンであり、スイッチ枠内に「6円」と表示されているボタン33は、6円換算のプレイ料金でのプレイモード(6円プレイ)を選択するための6円ボタンである。
【0036】
玉発射コントローラ17は、プレイモード選択ボタン30からの選択信号に基づき選択されたプレイモードとなるように、パチンコ玉発射装置10を駆動制御する。また、選択信号は玉発射コントローラ17を経由して入賞玉払い出しコントローラ14にも供給される。入賞玉払い出しコントローラ14は、選択されたプレイモードに応じた払い出し率で入賞玉の払い出し制御を行う。
【0037】
(パチンコ玉発射装置)
図3はパチンコ玉発射装置10の主要部分を示す概略正面図であり、図4(a)および(b)は、その水平回転円盤の部分を示す模式図、および水平回転円盤の1サイクル分の動作を示す説明図である。
【0038】
パチンコ玉発射装置10は垂直に配置された取付板41を備え、この上半部分には垂直回転軸42が回転自在の状態で支持されている。垂直回転軸42の上下方向の中ほどの部位には同軸状態で水平回転円盤43が固定されている。水平回転円盤43は、パチンコ玉の直径とほぼ同一厚さであり、その外周面の一部が半径方向の内方にほぼ円形に切り取られて、パチンコ玉1個が通過可能な貫通溝44が形成されている。
【0039】
水平回転円盤43の下側には、取付板41に固定した水平固定板45が配置されている。したがって、貫通溝44はその下側開口が水平固定板45によって封鎖され、パチンコ玉1個を保持可能な玉ポケットとして機能する。よって、以下の説明においては、必要に応じて貫通溝44を玉ポケット44として説明する。図4(b)に示すように、玉ポケット44は、水平回転円盤43の回転に伴って、初期位置である第1位置44(1)から、ほぼ180°回転した第4位置44(4)に至る円弧状の移動軌跡を描く。
【0040】
第1位置44(1)にある貫通溝44の真下に位置する水平固定板45の部位には、発射玉供給口として機能するパチンコ玉落下穴47が形成されている。このパチンコ玉落下穴47から落下したパチンコ玉は遊技台盤面に向けて発射される。また、第4位置44(4)にある貫通溝44の真下に位置する水平固定板45の部位には、持ち玉回収口として機能するパチンコ玉落下穴16aが形成されている。このパチンコ玉落下穴16aから落下したパチンコ玉は持ち玉回収路16を介して回収される。
【0041】
取付板41における水平回転円盤43の上側の部位には、その一方の側に持ち球供給路12が取り付けられており、他方の側には追加玉供給路15が取り付けられている。持ち球供給路12の先端に形成されている下向きの持ち玉供給口12aは、第3位置44(3)にある玉ポケット44の真上に位置している。また、追加玉供給路15の先端に形成されている下向きの追加玉供給口15aは、第2位置44(2)にある玉ポケット44の真上に位置している。
【0042】
次に、取付板41には、上記の追加玉供給口15aおよびパチンコ玉落下穴16a(持ち玉回収口)を開閉するための開閉機構が組み付けられている。開閉機構は、垂直回転軸42に回転可能な状態で取り付けた回転部材51と、垂直回転軸42の回転位置を検出するための検出部53と、回転部材51を回転するためのプランジャ54を備えている。回転部材51は、水平回転円盤43の上側においてその中心から半径方向に延びている第1レバー55と、水平回転円盤43の下側においてその中心から半径方向に延びている第2レバー56と、水平回転円盤43の下側においてその中心から半径方向に延びている第3レバー51aと、これらを連結している連結部分57とを備えた形状をしている。
【0043】
この構成の回転部材51を所定角度位置まで回転すると、第1レバー55によって追加玉供給口15aが封鎖され、第2レバー56によって円形貫通穴16a(持ち玉回収口)が封鎖された状態を形成できる。また、第3レバー51aによって、発射玉供給口として機能するパチンコ玉落下穴47のみを封鎖した状態を形成できるようになっている。
【0044】
検出部53は、垂直回転軸42の上側の端部分に固定した扇形の回転板58と、この回転板58の回転位置を検出するための一対のホトカプラ59、60とを備えている。本例では、回転板58がホトカプラ59によって検出される時点が、玉ポケット44が第2位置44(2)に至る時点とされ、回転板58がホトセンサー60によって検出される時点が、玉ポケット44が第4位置44(4)に至る時点とされている。
【0045】
次に、取付板41における水平回転円盤43の下方の部位には、発射アーム61が取り付けられている。発射アーム61は、取付板41に固定した支軸62を中心として、図3において実線で示す発射位置61Aと、想像線で示す後退位置61Bとの間を揺動可能である。この発射アーム61は、カム機構63を介して、ステッピングモータなどの駆動モータ64によって駆動される。本例では、コイルばね65によって発射アーム61が常に発射位置61Aに向けて引張られており、駆動モータ64を駆動すると、回転カム63aが回転して、そのインボリュート曲線状の外周カム面によって、発射アーム61に取り付けた腕先端のカムフォロワ・ピン66が押されて、発射アーム61が後退位置61Bまで強制的に引き込まれる。後退位置61Bに至ると、回転カム63aの外周カム面からカムフォロワ・ピン66が外れ、ばね力によって、発射アーム61が勢い良く発射位置61Aに向けて戻る。回転カム63aの一回転毎に、発射アーム61が一往復する。
【0046】
発射アーム61の上端部側には、発射レール67が傾斜配置されている。発射レール67の真上には発射玉供給口47が位置しており、ここから落下するパチンコ玉Pは、発射レール67に沿って発射アーム61の側に自重によって滑落する。発射アーム61の動きと、発射玉供給口12aからのパチンコ玉Pの落下とは所定の同期が取られており、落下して発射レール67に沿って滑落するパチンコ玉Pが発射レール61によって叩かれて、当該発射レール67に沿って、パチンコ台盤面に向けて発射するようになっている。
【0047】
本例では、このような発射アーム61の動きを利用して、玉ポケット44を第1〜第4位置を経由する円弧状の軌跡に沿って往復移動させる駆動機構が組み込まれている。すなわち、水平回転円盤43が固定されている垂直回転軸42の下端部には同軸状態で下側プーリ71が固定されている。このプーリ71の外周面にはワイヤ72の一端が連結され、当該外周面に所定長さだけ巻き付けられている。プーリ71から引き出されているワイヤ72の部分は、取付板41に水平軸線回りに回転自在の状態に取り付けられているガイドプーリ73を経由して下方に引き出された後に、旋回板74に連結されている。
【0048】
旋回板74は、取付板41に固定した水平ピン75によって支持されている下端部を中心として上下に旋回可能である。この旋回板74の上端には係合ピン76が突出しており、発射位置61Aから後退位置61Bに向けて移動する発射アーム61が当該係合ピン76に係合するようになっている。発射アーム61が係合ピン76に係合すると、発射アーム61によって旋回板74が押されて下方に旋回する。旋回板74が旋回すると、ワイヤ72が引かれて、当該ワイヤ72に連結されている下側プーリ71が回転する。この結果、垂直回転軸42が時計回りに回転し、そこに固定されている水平回転円盤43が一体回転するので、玉ポケット44も回転する。
【0049】
ここで、垂直回転軸42の上端にも上側プーリ77が同軸状態で固定されている。この上側プーリ77の外周面にもワイヤ78の一端が連結されている。ワイヤ78は、水平軸線回りに回転自在の状態で支持されているガイドプーリ79を介して下方に引き出されており、その下端には錘80が吊り下げられている。
【0050】
図3に示す状態から、発射アーム61を後退位置61Bに向けて後退させると、発射アーム61が旋回板74に当たり、当該旋回板74を下方に旋回させ、ワイヤ72が引かれて、垂直回転軸42が時計回りに回転する。この結果、上側のワイヤ78がプーリ77の外周面に巻き付けられ、それに伴って錘80が上昇する。発射アーム61が後退位置61Aに至ると、旋回板74および錘80は、図3の想像線で示す位置まで移動する。
【0051】
発射アーム61が開放されてコイルばねのばね力によって前方に勢い良く引かれると、垂直回転軸42は、錘80による反時計回りの回転力によって、初期位置まで戻る。すなわち、玉ポケット44が第1位置44(1)まで戻る。
【0052】
なお、図3において、水平固定板44の下側には、玉通過センサ81が配置されており、ここからの検出信号に基づき、発射されるパチンコ玉の数がカウントされるようになっている。また、第1位置44(1)にある玉ポケット44の真上には、上下に移動自在な状態で錘82が取り付けられており、玉ポケット44内のパチンコ玉が当該錘82によって押されて、直下に発射玉供給口12aから速やかに落下するようになっている。
【0053】
(動作モード)
このように構成した本例のパチンコ玉発射装置10は、玉ポケット44が第1〜第4位置を一往復する1サイクル動作として、3つの異なる動作モード(第1〜第3モード)を備えている。図5〜図7はそれぞれ第1〜第3モードを示す説明図である。
【0054】
図5の示す第1モードでは、回転部材51の第1レバー55および第2レバー56によって追加玉供給口15aおよび持ち玉回収口16aを共に閉鎖した状態で、玉ポケット44を第1位置44(1)〜第4位置42(4)を経由する移動経路に沿って一往復させる。玉ポケット44の往動時に、第3位置44(3)において玉ポケット44に持ち玉P1を受け入れて、当該持ち玉P1を発射玉供給口47に供給する。なお、玉ポケット44はパチンコ玉の発射直後の時点で第1位置44(1)に位置するように、回転円盤44の回転が制御される。この点は、以下の各モードにおいても同様である。したがって、第1モードを採用すれば、玉ポケット44が一往復する間に、遊技者の持ち玉P1が1個だけ発射玉供給口47に供給されるので、一定の玉発射間隔で遊技者の持ち玉P1のみを用いて遊技を行うことができる。
【0055】
図6の第2モードでは、玉ポケット44の往動時に第1位置44(1)から第2位置44(2)に移動させる間に追加玉供給口15aを開き、第2位置44(2)において玉ポケット44に追加玉P2を受け入れる。したがって、第3位置44(3)においては、玉ポケット44に既にパチンコ玉が入っているので、持ち玉P1が玉ポケット44に供給されることがない。この後は持ち玉回収口16aを閉じる(従って、追加玉供給口15aも閉じる。)。この結果、受け入れた追加玉P2は、持ち玉回収口16aから排出されることなく、玉ポケット44によって発射玉供給口47に供給される。したがって、第2モードを採用すれば、玉ポケット44が一往復する間に、追加玉P2が1個だけ発射玉供給口47に供給されるので、一定の玉発射間隔で追加玉P2のみを用いて遊技を行うことができる。
【0056】
図7の第3モードでは、玉ポケット44の往動時に追加玉供給口15aを閉じ、第3位置44(3)で玉ポケット44に持ち玉P1(1)を受け入れ、第4位置44(4)に移動する前に持ち玉回収口16aを開き、当該第4位置44(4)で玉ポケット44に保持されている持ち玉P1(1)を持ち玉回収口16aから排出する。玉ポケット44の復動時には、第3位置44(3)で玉ポケット44に次の持ち玉P1(2)を受け入れ、当該持ち玉P1(2)を発射玉供給口47に供給する。よって、第3モードを採用すれば、玉ポケット44が一往復する間に、遊技者の持ち玉P1の1個が発射されることなく回収され、持ち玉P1の1個が発射玉供給口47に供給されるので、一定の玉発射間隔で、持ち玉の半数を用いて遊技を行うことができる。
【0057】
(遊技動作の説明)
このように構成されたパチンコ遊技機4による遊技動作を説明する。まず、図8は各プレイモードの選択動作を示すフローチャートである。本例では、パチンコ台2のプレイモードとして基準プレイ料金でのプレイモードである4円プレイが初期設定されている。従って、玉発射ハンドル13を操作して遊技が開始された時点でいずれのプレイモード選択ボタン31〜33も操作されていない場合には、4円プレイによる動作が行われる(図8のステップST1→ST2→ST3→ST4)。この4円プレイ動作は、パチンコ玉発射装置10を前述の第1モードで繰り返し駆動する動作であり、既存のパチンコ台の場合と同様であり、100円で25個の貸し出し率で貸し出された持ち玉P1がパチンコ玉発射装置10において順次に所定の間隔で発射される。従って、持ち玉P1が1個に対してパチンコ玉発射装置10から発射される発射玉数は1個であり、4円(100円/25個)換算プレイになる。この場合には、入賞玉払い出しコントローラ14における払い出し率は基準の払い出し率とされる。
【0058】
2円ボタン32が操作された場合には、プレイ料金(パチンコ玉1個当たりの換算プレイ料金)が4円プレイの半分の料金である2円となるようにパチンコ玉の発射動作が制御される(図8のステップST1→ST2→ST5)。
【0059】
この場合には、パチンコ玉発射装置10は、前述の第1モードと第2モードを交互に繰り返す組み合わせモードで駆動される。第1モードでは、持ち玉P1が玉発射装置10に1個供給されて発射され、次の第2モードでは、追加玉供給路15を介して追加玉P2が1個供給され、当該追加玉P2が発射される。よって、持ち玉P1が1個無くなる間に、パチンコ玉発射装置10からは2個のパチンコ玉が発射される。従って、4円プレイ時に比べて、2倍の個数のパチンコ玉が発射されるので、結果として、プレイ料金が半額の2円となり、また、2倍の個数のパチンコ玉が発射されるので、4円プレイに対して2倍の遊技時間に亘って遊技ができる。さらに、入賞玉払い出しコントローラ14では、追加のパチンコ玉P2の追加割合である2倍に応じて、入賞玉払い出し率を1/2に減少させるように制御する。よって、2円プレイを選択すると、4円プレイに比べて、ギャンブル性が低く、長い時間に亘り遊技を楽しむことができる。
【0060】
一方、6円ボタン33が操作された場合には、プレイ料金(パチンコ玉1個当たりの換算プレイ料金)が4円プレイの1.5倍の料金である6円となるようにパチンコ玉の発射動作が制御される((図8のステップST1→ST2→ST3→ST6)。
【0061】
この場合には、パチンコ玉発射装置10は、基本的に、第1モードと第3モードを交互に繰り返す組み合わせモードで駆動される。すなわち、第1モードでは持ち玉P1が発射され、次の第3モードでは、1個の持ち玉P1が発射されることなく排出されると共に1個の持ち玉P1が実際に発射される。したがって、パチンコ玉発射装置10に持ち玉P1が3個供給される毎に、1個の持ち玉が発射することなく持ち玉回収口16aを介してパチンコ玉供給回収機構9に回収される。
【0062】
このように持ち玉P1の2/3が発射されるのみであり、持ち玉P1が3個無くなる間に、パチンコ玉発射装置10からは2個のパチンコ玉が発射される。従って、4円プレイに比べて、2/3の個数のパチンコ玉が発射されるだけなので、結果として、プレイ料金が4円プレイの1.5倍の6円になり、また、2/3の短い時間だけ遊技ができる。また、この場合には、入賞玉払い出しコントローラ14では、持ち玉P1の減少割合である2/3に応じて、入賞玉払い出し率を1.5倍に増加させるように制御する。よって、6円プレイを選択すると、4円プレイに比べて、ギャンブル性の高い遊技を楽しむことができる。
【0063】
次に、遊技の途中においてボタン31〜33のいずれかが操作された場合には、図8の割り込みルーチンが起動してプレイモードが選択されたモードに変更される。変更後においては選択されたプレイモードによる動作が開始される。
【0064】
なお、本例では3種類のプレイモードを設定するためにボタン31〜33を備えているが、プレイモードとしては、図9に示すように、1円プレイ〜8円プレイなどのように各種の金額を設定することが可能である。例えば、3円プレイの場合には、3個の持ち玉P1が発射される毎に4個のパチンコ玉が追加で発射される。各種のプレイモードは、パチンコ玉発射装置10の第1〜第3モードを組み合わせることにより実現できる。なお、入賞時の払い出し玉数の計算が割り切れない場合には、例えば、1回目の入賞時に1個少なく払い出し、次の入賞時に1個多く払い出すような払い出し制御を行えばよい。
【0065】
(戻り玉を考慮した場合のプレイモード)
ここで、遊技中の発射玉はパチンコ台盤面に届いてはじめて有効になるが、時には盤面に届かずに戻ってしまうことがある。このような無効戻り玉は、一般に所定の戻り玉通路を経由して再び遊技者に戻されるようになっている。すなわち、戻り玉が再び持ち玉として使用される。この結果、プレイ料金が標準料金とは異なるプレイ料金の場合には、戻り玉が多くなると、プレイ料金が実質的に変動してしまう。
【0066】
例えば、標準料金(4円)より安い2円のプレイ料金の場合には、持ち玉に追加玉を加算した数の玉を使用できる。戻り玉がそのまま持ち玉として使用されると、追加玉の追加個数が増加し、使用できる玉数が戻り玉の数に応じて増加していってしまい、2円のプレイ料金よりも更に安い料金でプレイできることになってしまう。
【0067】
逆に、標準料金より高い6円のプレイ料金の場合には、持ち玉より少ない数の玉のみを使用できる。戻り玉がそのまま持ち玉として再度使用されると、必要以上に持ち玉が減らされることになり、6円のプレイ料金よりも更に高い料金でプレイすることになってしまう。
【0068】
このような弊害を回避するためには、戻り玉通路に戻り玉通過センサ(図示せず)を配置しておき、このセンサ出力に基づき、発射玉コントローラ17は、図8におけるステップST5の2円のプレイモードとして図10に示す処理を実行し、また、図8におけるステップST6の6円のプレイモードとして図11に示す処理を実行することが望ましい。図10の2円のプレイモードでは、戻り玉が2個以上に達する毎に、第3モードによる割り込み処理を行わせる(すなわち、戻り玉に起因する持ち玉の増加を抑制する)。図11の6円のプレイモードでは、戻り玉が3個以上に達する毎に、第1モードによる割り込み処理を3回繰り返し行わせる(すなわち、戻り玉に起因する持ち玉の過剰な減少を抑制する)。
【0069】
すなわち、図10に示す2円プレイモードでは、第1モードおよび第2モードを2回繰り返す毎に(ステップST51、52、53、54)、無効戻り玉の有無および個数を確認する(ステップST55、56)。無効戻り玉の個数が2個以上になると、ステップST57に進み、第3モードによる割り込み処理を行って、持ち玉を1個減らす。この後は、無効戻り玉の個数を計数しているカウンタのカウント値から「2」を減算して(ステップST58)、ステップST56に戻り、カウント値が2以上(すなわち、無効戻り玉の個数が2以上)であるか否かを判別する。2未満の場合には通常のモードに復帰し、2以上の場合には再度ステップST57、58の割り込み処理を行う。
【0070】
次に、図11の6円のプレイモードでは、第1モード、第1モードおよび第3モードを実行した後(ステップST61、62、63)、無効戻り玉の有無および個数を確認する(ステップST64、65)。無効戻り玉の個数が3個以上になると、第1モードを3回繰り返す割り込み処理を行い(ステップST66、67、68)、持ち玉を3回分だけ減らすことなく発射する。この後は、無効戻り玉の個数を計数しているカウンタのカウント値から「3」を減算し(ステップST69)、ステップST65に戻り、カウント値が3以上であるか否かを判別する。3未満の場合には通常のモードに復帰し、いまだ3以上の場合には再度ステップST66〜69の割り込み処理を繰り返す。
【0071】
(その他の実施の形態)
上記の例では、プレイモード選択ボタン30(31〜33)をパチンコ台2に配置してある。この代わりに、図12に示すように、台間機3の操作部35にプレイモード選択スイッチ30(31〜33)を配置してもよい。この場合には、プレイモード選択ボタン30が操作されると、台間機側の制御ユニット36を介して、玉発射コントローラ17(図2参照)に選択信号を供給してもよいし、プレイモード選択ボタン30から直接に玉発射コントローラ21に選択信号を供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明を適用したパチンコ遊技システムの全体構成図である。
【図2】図1のパチンコ台の特徴部分を示す機能ブロック図である。
【図3】図2のパチンコ玉発射装置を示す概略正面図である。
【図4】(a)は水平回転円盤の部分を示す模式図であり、(b)は玉ポケットの移動位置を示す説明図である。
【図5】図2のパチンコ玉発射装置の第1モードを示す動作説明図である。
【図6】図2のパチンコ玉発射装置の第2モードを示す動作説明図である。
【図7】図2のパチンコ玉発射装置の第3モードを示す動作説明図である。
【図8】図2のパチンコ台におけるプレイモード選択動作を示すフローチャートである。
【図9】図2のパチンコ台における各プレイモードでの動作を示すための説明図である。
【図10】無効戻り玉を考慮した2円プレイモードを示す概略フローチャートである。
【図11】無効戻り玉を考慮した6円プレイモードを示す概略フローチャートである。
【図12】プレイモード選択ボタンを台間機の側に配置した例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0073】
1 パチンコ遊技システム
2 パチンコ台
3 台間機
4 パチンコ遊技機
5 遊技島
9 玉供給回収機構
10 パチンコ玉発射装置
11 玉上皿
12 持ち玉供給路
12a 持ち玉供給口
13 玉発射ハンドル
14 入賞玉払い出しコントローラ
15 追加玉供給路
15a 追加玉供給口
16 持ち玉回収路
16a 持ち玉回収口
17 玉発射コントローラ
30 プレイモード選択ボタン
31〜33 ボタン
35 台間機の操作部
36 台間機の制御ユニット
42 垂直回転軸
43 水平回転円盤
44 貫通溝(玉ポケット)
45 水平固定板
44(1) 玉ポケットの第1位置
44(2) 玉ポケットの第2位置
44(3) 玉ポケットの第3位置
44(4) 玉ポケットの第4位置
47 発射玉供給口
61 発射アーム
63 カム機構
65 コイルばね
71、73、77、79 プーリ
72、78 ワイヤ
80 錘
P パチンコ玉
P1 持ち玉
P2 追加玉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方から1個のパチンコ玉を受け入れ可能な玉ポケットと、
この玉ポケットを、第1位置ないし第4位置を経由する所定角度を張る円弧状の水平移動経路に沿って往復移動させる駆動機構と、
前記第1位置にある前記玉ポケットに保持されているパチンコ玉を発射玉として受け取る発射玉供給口と、
前記第2位置にある前記玉ポケットに追加玉を供給可能な追加玉供給口と、
前記第3位置にある前記玉ポケットに遊技者の持ち玉を供給可能な持ち玉供給口と、
前記第4位置にある前記玉ポケットに保持されているパチンコ玉を、発射させることなく回収するための持ち玉回収口と、
前記追加玉供給口および前記持ち玉回収口を開閉する開閉機構とを有していることを特徴とするパチンコ玉発射装置。
【請求項2】
請求項1において、
垂直中心軸線回りに回転可能な状態で水平に配置した水平回転円盤と、
この水平回転円盤における外周側の部位に形成した貫通穴あるいは貫通溝と、
前記水平回転円盤の下側に水平に配置した水平固定板とを有し、
前記玉ポケットは、前記貫通穴あるいは貫通溝と、前記水平固定板の上面とによって規定されており、
前記水平固定板には、前記発射玉供給口としてのパチンコ玉落下穴と、前記持ち玉回収口としてのパチンコ玉落下穴が形成されており、
前記持ち玉供給口は前記第3位置にある前記玉ポケットの真上に配置されており、
前記追加玉供給口は前記第2位置にある前記玉ポケットの真上に配置されていることを特徴とするパチンコ玉発射装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記発射玉供給口から落下するパチンコ玉を叩いてパチンコ台盤面に向けて発射する発射位置と、当該発射位置から後退した後退位置の間を、所定の周期で揺動可能な発射アームを有し、
前記駆動機構は、前記発射アームの前記発射位置から前記後退位置へ移動する前記発射アームの動きを利用して、前記玉ポケットが前記第1位置から第4位置に至る回転位置まで前記水平回転円盤を回転させるようになっていることを特徴とするパチンコ玉発射装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記開閉機構は、
前記水平回転円盤の回転中心を中心として回転可能な回転部材と、
前記水平回転円盤の回転位置を検出するための検出部と、
この検出部の出力に基づき前記回転部材を所定位置に回転させる駆動源とを備え、
前記回転部材は、前記追加玉供給口の上端開口を封鎖するための第1レバーと、前記持ち玉回収口の上端開口を封鎖するための第2レバーと、前記発射玉供給口の上端開口を封鎖するための第3レバーとを備えていることを特徴とするパチンコ玉発射装置。
【請求項5】
パチンコ玉1個当たりのプレイ料金を選択するための選択ボタンと、
所定間隔でパチンコ玉を発射するパチンコ玉発射装置と、
前記選択ボタンにより選択された前記プレイ料金に基づき、前記パチンコ玉発射装置による玉発射動作を制御する玉発射コントローラとを有し、
前記パチンコ玉発射装置は、請求項1、2または3に記載のパチンコ玉発射装置であり、
前記玉発射コントローラは、前記選択ボタンによる選択に応じて、次の第1モード、第2モードおよび第3モードのうちのいずれか一つ、またはこれらの組み合わせモードにより、前記パチンコ玉発射装置を駆動制御するパチンコ遊技機。
(a)第1モード:前記追加玉供給口および前記持ち玉回収口を共に閉鎖したままで前記玉ポケットを前記移動経路に沿って一往復させ、往動時に前記第3位置で前記玉ポケットに持ち玉を受け入れて、当該持ち玉を発射玉供給口に供給する。
(b)第2モード:前記玉ポケットの往動時に前記第1位置から前記第2位置に移動させる間に前記追加玉供給口を開き、前記第2位置で前記玉ポケットに追加玉を受け入れた後は前記持ち玉回収口を閉じ、受け入れた前記追加玉を前記発射玉供給口に供給する。
(c)第3モード:前記玉ポケットの往動時に前記追加玉供給口を閉じ、前記第3位置で前記玉ポケットに持ち玉を受け入れ、前記第4位置に移動する前に前記持ち玉回収口を開き、前記第4位置で前記玉ポケットの持ち玉を前記持ち玉回収口から排出し、前記玉ポケットの復動時に前記第3位置で前記玉ポケットに次の持ち玉を受け入れ、当該持ち玉を前記発射玉供給口に供給する。
【請求項6】
請求項5において、
前記選択ボタンは、少なくとも、標準プレイ料金と、これより安い第1のプレイ料金と、前記標準プレイ料金より高い第2のプレイ料金とを選択可能であり、
前記玉発射コントローラは、
前記標準プレイ料金が選択された場合には、前記第1モードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御し、
前記第1のプレイ料金が選択された場合には、前記第1モードと前記第2モードの組み合わせモードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御し、
前記第2のプレイ料金が選択された場合には、前記第3モードまたは、前記第1モードと前記第3モードの組み合わせモードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御するパチンコ遊技機。
【請求項7】
請求項6において、
前記発射アームによって発射された後に前記パチンコ台盤面に届かずに、所定の戻り玉通路を経由して遊技者に戻される戻り玉を検出する戻り玉通過センサを有し、
前記玉発射コントローラは、
前記第1のプレイ料金が選択された場合には、前記戻り玉の個数に応じて、前記第3モードによる割り込み処理を行わせ、
前記第2のプレイ料金が選択された場合には、前記戻り玉の個数に応じて、前記第1モードによる割り込み処理を行わせることを特徴とするパチンコ玉遊技機。
【請求項8】
請求項6において、
パチンコ台と、このパチンコ台に対して遊技者の持ち玉を前記標準プレイ料金と同一額の玉貸し料で貸し出す台間機とを有し、
前記パチンコ台は、前記パチンコ玉発射装置と前記玉発射コントローラとを備え、
前記選択ボタンは、前記パチンコ台あるいは前記台間機に配置されているパチンコ遊技機。
【請求項9】
請求項8において、
前記台間機による玉貸し料が4円であり、前記選択ボタンは少なくとも4円、2円および6円の3種類のプレイ料金を選択可能であり、
前記パチンコ玉発射コントローラは、
4円の前記プレイ料金が選択されると、前記第1モードの繰り返しモードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御し、
2円の前記プレイ料金が選択されると、前記第1モードと前記第2モードを繰り返し行う組み合わせモードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御し、
6円の前記プレイ料金が選択されると、前記第1モードと前記第3モードを繰り返し行う組み合わせモードで前記パチンコ玉発射装置を駆動制御するパチンコ遊技機。
【請求項10】
請求項9において、
前記発射アームによって発射された後に前記パチンコ台盤面に届かずに、所定の戻り玉通路を経由して遊技者に戻される戻り玉を検出する戻り玉通過センサを有し、
前記玉発射コントローラは、
2円の前記プレイ料金が選択された場合には、前記戻り玉が2個以上に達する毎に、前記第3モードによる割り込み処理を行わせ、
6円の前記プレイ料金が選択された場合には、前記戻り玉が3個以上に達する毎に、前記第1モードによる割り込み処理を3回繰り返し行わせることを特徴とするパチンコ玉遊技機。
【請求項11】
請求項9または10において、
前記玉貸し料と選択された前記プレイ料金とに基づき、入賞時の払い出し玉数を増減する入賞玉払い出しコントローラを有しているパチンコ遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−314578(P2006−314578A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−140706(P2005−140706)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000128946)マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【出願人】(596047171)コスモ・イーシー株式会社 (12)
【Fターム(参考)】