説明

ヒトβディフェンシン分泌促進剤

本発明は、外用剤、内用剤、食品等の各種形態で使用でき、ヒトβディフェンシンの分泌を促進できるヒトβディフェンシン分泌促進剤を提供することを目的とする。 有機酸には、ヒトβディフェンシン、特にヒトβディフェンシン−2の分泌を促進する作用があり、該有機酸をヒトβディフェンシン分泌促進剤の有効成分として使用する。また、当該ヒトβディフェンシン分泌促進剤を、外用剤、内用剤、又は食品に配合することにより、これらにヒトβディフェンシン分泌促進作用を備えさせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、βディフェンシンの分泌を促進できるβディフェンシン分泌促進剤に関する。更に本発明は、βディフェンシンの分泌を促進する方法に関する。
【背景技術】
植物、昆虫、両生類、哺乳類などにおいて、生来もっている生体防御機構として生体内の抗菌物質(抗菌ペプチド)の存在が以前より知られている。これらは、自然免疫と呼ばれ、局所での感染防御を担っている。ヒトにおける抗菌ペプチドの一つとして知られているディフェンシンは、細菌、真菌、原虫、ウィルス等に対して抗菌活性を有しており、生体内で種々の生体防御機構に関与していることが分かっている。
皮膚、肺、気管、腎臓、生殖器等の粘膜上皮に発現するディフェンシンとして、βディフェンシンが知られている。現在、ヒトβディフェンシンとして、6種のもの(ヒトβディフェンシン−1、ヒトβディフェンシン−2、ヒトβディフェンシン−3、ヒトβディフェンシン−4、ヒトβディフェンシン−5及びヒトβディフェンシン−6)が単離・構造決定されている。特に、ヒトβディフェンシン−2については、皮膚、肺、気管及び口腔粘膜において特に強く発現する、細菌感染や炎症性サイトカイン刺激にて発現誘導される、等の特徴があることが解明されており(富田哲治等、「生体防御機構としてのディフェンシン」、日本老年医学会雑誌、2001年、第38巻、第4号、第440−443頁参照)、肺炎等の気管感染症や炎症と密接な関係があることが示唆されている。
また、近年、βディフェンシンは、局所の感染防御だけでなく、樹状細胞、Tリンパ球、単球等の細胞を遊走させることによって獲得免疫にも関与していることも報告されている。(Yang,D.,Chertov,O.,Bykovskaia,S.N.et al.,“β−Defensins:linking innate and Adaptive immunity through dendritic and T cell CCR6”,Science,1999,vol.286、p.525;Territo,M.C.,Ganz,T.,Selsted,M.E.et al.,“Monocyto−chemotactic activity of defensins from human neutrophils”,J.Clin.Invest.,1989,vol.84,p.2017;Lillard,J.W.,Jr.,Boyaka,P.N.,Chertov O.et al.,“Mechanisms for induction of acquired host immunity by neutrophil peptide defensins”,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1999,vol.96,p.651;長岡功等、「Defensinの感染防御と免疫応答における役割」、臨床免疫、2000年、第33巻、第577頁参照)。
これまでに、炎症性サイトカインやリポポリサッカカイドにはヒトβディフェンシンの分泌を促進する作用があることが知られている。しかしながら、ヒトβディフェンシンの産生・分泌メカニズムについては、未だ十分に解明されておらず、上記物質以外でヒトβディフェンシンの分泌を促進させる手段については知られていない。
【発明の開示】
そこで本発明の目的は、ヒトβディフェンシンの分泌を促進できるβディフェンシン分泌促進剤を提供することである。また、本発明は、外用剤、内用剤、食品等の各種形態で使用可能なヒトβディフェンシン分泌促進剤を提供することを目的とするものである。
更に、本発明は、ヒトβディフェンシンの分泌を効率的に促進する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、有機酸には、ヒトβディフェンシンの分泌を促進する作用があることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねて開発されたものである。
即ち、本発明は、下記に掲げるヒトβディフェンシン分泌促進剤である:
項1. 有機酸を有効成分とすることを特徴とする、ヒトβディフェンシン分泌促進剤。
項2. 有機酸が、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、酒石酸、桂皮酸、グルタミン酸及びコハク酸よりなる群から選択される少なくとも一種である、項1に記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤。
項3. 有機酸が、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸及び酒石酸よりなる群から選択される少なくとも一種である、項1に記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤。
項4. 分泌促進対象となるヒトβディフェンシンが、ヒトβディフェンシン−2である、項1に記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤。
項5. 口唇部又は口腔内で使用されるものである、項1に記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤。
項6. 項1乃至4のいずれかに記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤を含有する、ヒトβディフェンシン分泌促進用の外用組成物。
項7. 項1乃至4のいずれかに記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤を含有する、ヒトβディフェンシン分泌促進用の内用組成物。
項8. 項1乃至4のいずれかに記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤を含有する、ヒトβディフェンシン分泌促進用の食品。
また、本発明は、下記に掲げるヒトβディフェンシンの分泌促進方法である:
項9. 有効量の有機酸を投与又は摂取させることを特徴とする、ヒトβディフェンシン分泌促進方法。
項10. 有機酸が、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、酒石酸、桂皮酸、グルタミン酸及びコハク酸よりなる群から選択される少なくとも一種である、項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
項11. 有機酸が、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸及び酒石酸よりなる群から選択される少なくとも一種である、項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
項12. 分泌促進対象となるヒトβディフェンシンが、ヒトβディフェンシン−2である、項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
項13. 口唇部又は口腔内においてヒトβディフェンシンの分泌を促進する、項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
項14. 有機酸として、項1乃至5のいずれかに記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤を使用する、項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
項15. 有機酸として項6に記載の内用組成物を使用する、項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
項16. 有機酸として項7に記載の食品を使用する、項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
項17. 有機酸として項8に記載の外用組成物を使用する、項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
更に本発明は、下記態様の使用である:
項18. 有機酸の、ヒトβディフェンシン分泌促進剤の製造のための使用。
項19. 有機酸の、ヒトβディフェンシン分泌促進用内用組成物の製造のための使用。
項20. 有機酸の、ヒトβディフェンシン分泌促進用食品の製造のための使用。
項21. 有機酸の、ヒトβディフェンシン分泌促進用外用組成物の製造のための使用。
項22. 有機酸の、ヒトβディフェンシンの分泌を促進するための使用。
【図面の簡単な説明】
図1は、試験例1において、各有機酸を口腔内に適用した場合に、唾液中に分泌が促進されたヒトβディフェンシン−2の量(ng/min)を示す図である。
図2は、試験例2において、各有機酸を口腔内に適用した場合に、唾液中に分泌が促進されたヒトβディフェンシン−2の量(ng/min)を示す図である。
図3は、試験例3において、種々の量のリンゴ酸を口腔内に適用した場合に、唾液中に分泌が促進されたヒトβディフェンシン−2の量(ng/min)を示す図である。
発明を実施するための形態
(1)ヒトβディフェンシン分泌促進剤
本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤において、分泌促進対象となるヒトβディフェンシンには、ヒトβディフェンシン−1、ヒトβディフェンシン−2、ヒトβディフェンシン−3、ヒトβディフェンシン−4、ヒトβディフェンシン−5及びヒトβディフェンシン−6のいずれもが含まれる。これらの中でも、ヒトβディフェンシン−2は、より効果的な分泌促進がなされるため、最適な分泌促進対象である。
本発明のβディフェンシン分泌促進剤の有効成分は、有機酸である。本発明に使用される有機酸としては、薬学的、香粧学的又は食品衛生上許容されるものであれば、特に制限されるものではない。本発明に使用される有機酸の一例として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、プロピオニル酸、ケイ皮酸、コーヒー酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸;グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、イソ酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸等のヒドロキシ酸;葉酸;パントテン酸;ニコチン酸;及びその他糖誘導体等の有機酸を例示できる。これらの中で、好ましくはフマル酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、酒石酸、桂皮酸、グルタミン酸及びコハク酸であり、更に好ましくはフマル酸、リンゴ酸、クエン酸及び酒石酸である。これらの有機酸は、1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。また、本発明では、有効成分として、上記有機酸の代わりに、又は上記有機酸と組み合わせて、薬学的、香粧学的又は食品衛生上許容される上記有機酸の塩を使用することもできる。
また、上記有機酸は、必ずしも精製されたものでなくてもよく、上記有機酸を一成分として含有するものであれば、本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤の有効成分として使用することができる。
本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤は、上記有効成分そのものからなるものであってもよいし、上記有効成分に加えて、他に食品衛生上、薬学的または香粧学的に許容される基剤、担体又は添加物等の他の成分を含有するものであってもよい。
本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤の適用対象については、特に制限されず、生体内のいずれの部位や組織であってもよい。より優れたヒトβディフェンシンの分泌促進という観点からは、鼻腔内、肛門部、気道内、口唇部、口腔内、咽頭、眼、生殖器、皮膚、消化器内等が好ましい適用対象であり、特に、これらの粘膜移行部位及び粘膜上皮が好適な適用対象である。中でも、口唇部及び口腔内におけるヒトβディフェンシン分泌促進作用は特に優れており、口唇部及び口腔内は本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤の最も好適な適用対象である。
本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤は、食品、内用医薬品、内用医薬部外品等に配合して、ヒトβディフェンシン分泌促進用の食品や内用組成物として使用することができる。また、本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤は、外用医薬品、外用医薬部外品、香粧品、外用品(絆創膏)等に配合して、ヒトβディフェンシン分泌促進用の外用組成物として使用することもできる。
本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤を含有するヒトβディフェンシン分泌促進用の外用組成物を調製するには、上記有効成分に加えて、薬学的又は香粧学的に許容される基材や担体を配合して、所望の形態に調製すればよい。更に、当該外用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種の界面活性剤、色素(染料、顔料)、香料、防腐剤、殺菌剤(抗菌剤)、増粘剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、清涼化剤、防臭剤、pH調整剤等の各種添加剤を配合してもよい。また、必要に応じて、保湿剤、紫外線吸収剤、紫外線錯乱剤、ビタミン類、植物エキス、皮膚収斂剤、抗炎症剤(消炎剤)、美白剤、細胞賦活剤、血管拡張剤、血行促進剤、皮膚機能亢進剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、抗生物質等の外用剤に配合される公知の薬効成分を配合することもできる。
上記外用組成物は、皮膚や粘膜に適用可能である限り、その形状については、特に制限されるものではない。一例として、液状、乳液状、粉末状、懸濁液状、クリーム状、軟膏状、ムース状、ゲル状、ゼリー状、ペースト状、ジェル状、スティック状、エアゾール状、スプレー状、リニメント剤、パック剤、貼付剤等の形状を挙げることができる。また、上記外用組成物の形状は、投与対象部位に応じて適宜設定すればよい。
また、上記外用組成物は、ヒトβディフェンシンの分泌促進作用を発揮することを限度として、ヒトβディフェンシンの分泌促進作用以外の作用を備える外用組成物、具体的には、創傷治癒剤、清拭剤、清浄剤(例えば、洗顔料、クレンジング、ボディ洗浄料等)、基礎化粧料(例えば、乳液、クリーム、ローション、オイル及びパック等)、歯磨き剤、洗口剤、口中清涼剤、口中用貼付剤等の形態の外用組成物であってもよい。特に、口腔内に適用されてヒトβディフェンシンの分泌促進作用を発揮するという観点からは、口中用貼付剤、歯磨き剤、洗口剤又は口中清涼剤の形態であることが望ましい。
また、上記外用組成物は、浣腸製剤、点眼剤、点鼻剤等の形態であってもよい。
また、ヒトβディフェンシン分泌促進剤の有効成分として蒸散性の有機酸を使用する場合であれば、有効成分を揮散(蒸発)させてこれを吸引することによって、鼻孔内、口腔内又は気管支内に適用することもできる。このような形態で使用する方法としては、例えば、有効成分を含有する水溶液を加熱等し、得られる蒸気を吸引する方法が挙げられる。このように有効成分を揮散させて使用される形態として、上記外用組成物を調製してもよい。このような形態に調製する場合、上記外用組成物は、必要に応じて、芳香成分を含有することにより、芳香液として使用できるものであってもよい。ヒトβディフェンシン分泌促進剤の有効成分として使用される蒸散性の有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、蟻酸、酪酸、吉草酸等が挙げられる。
上記ヒトβディフェンシン分泌促進用の外用組成物中の上記ヒトβディフェンシン分泌促進剤の配合割合については、該組成物の形態、有効成分の種類、対象者の年齢や性別、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、上記外用組成物の総重量に対して、上記ヒトβディフェンシン分泌促進剤の有効成分が総量で0.001重量%以上、好ましくは0.005〜99重量%、更に好ましくは0.01〜99重量%となる割合が挙げられる。
本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤は、皮膚や粘膜に適用されることによって、βディフェンシン分泌促進作用を発揮することができる。当該ヒトβディフェンシン分泌促進剤を適用する量並びに回数については、有効成分の種類や濃度、使用者の年齢や性別、適用形態、期待される程度等に応じて、適宜設定される。例えば、ヒトβディフェンシン分泌促進剤の有効成分0.1mg以上、好ましくは0.5〜10000mgを、一日に1〜10回程度、皮膚や粘膜に適用すればよい。
また、本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤を含有するヒトβディフェンシン分泌促進用の食品を調製するには、通常の食品の製造において上記有効成分を一成分として食品(飲料を含む)に配合すればよい。また、ヒトβディフェンシン分泌促進用の食品は、食品衛生上許容される各種食品添加物を適宜含むのもであってもよい。
上記食品としては、例えば、特定保健用食品、栄養補助食品、病者用食品等を挙げることができる。より具体的には、飲料(炭酸飲料、清涼飲料、乳飲料、アルコール飲料、果汁飲料、茶類、栄養飲料等)、粉末飲料(粉末ジュース、粉末スープ等)、菓子類(ガム、キャンディー、クッキー、グミ、せんべい、ビスケット、ゼリー、キャラメル、ラムネ菓子、可食性シート、可食性フィルム、トローチ等)、口中清涼剤(ガム、飴、グミ、可食性シート、可食性フィルム、トローチ等)、乳製品(チーズ、ヨーグルト等)、パン、麺類、シリアル、調味料(ソース、ドレッシング等)等を例示できる。口腔内におけるヒトβディフェンシンの分泌促進という観点から、これらの中で好適なものとして、ガム、グミ、ラムネ、キャンディー、可食性シート及び可食性フィルムを挙げることができる。
上記ヒトβディフェンシン分泌促進用の食品において、配合されるヒトβディフェンシン分泌促進剤の割合については、有効成分の種類、対象者の年齢、性別、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、上記食品の総重量に対して、上記ヒトβディフェンシン分泌促進剤の有効成分が総量で0.01重量%以上、好ましくは0.02〜100重量%、更に好ましくは0.05〜100重量%となる割合が挙げられる。
上記ヒトβディフェンシン分泌促進用の食品の一日当たりの摂取量については、有効成分の種類や濃度、使用者の年齢や性別、食品の形状、期待される効果の程度等に応じて、ヒトβディフェンシンの分泌促進に必要となる有効量を適宜設定すればよい。例えば、該食品の一日当たりの摂取量として、ヒトβディフェンシン分泌促進剤の有効成分が0.1mg以上、好ましくは0.5〜10000mgとなる量が例示される。
また、本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤を含有するヒトβディフェンシン分泌促進用の内用医薬品組成物又は内用医薬部外品組成物を調製するには、上記有効成分に加えて、薬学的に許容される基材や担体を配合して、所望の形態に調製すればよい。また、必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、湿潤化剤、緩衝剤、保存剤、香料等の薬学的に許容される添加剤を任意に配合してもよい。
上記内用医薬品組成物又は内用医薬部外品組成物の形態としては、特に制限されるものではないが、好ましくは粘膜上、特に口腔内で溶解可能なものである。一例として、フィルム剤、トローチ、チュアブル錠、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤等を挙げることができる。これらの中で、口腔内で溶解可能であるという観点から、好ましくは、フィルム剤、トローチ及びチュアブル錠を挙げることができる。
上記内用医薬品組成物又は内用医薬部外品組成物中の上記ヒトβディフェンシン分泌促進剤の配合割合については、有効成分の種類、組成物の形態、対象者の年齢や性別、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、上記内用医薬品組成物又は内用医薬部外品組成物の総重量に対して、上記ヒトβディフェンシン分泌促進剤の有効成分が総量で0.01重量%以上、好ましくは0.02〜99重量%、更に好ましくは0.05〜99重量%となる割合が挙げられる。
上記内用医薬品組成物又は内用医薬部外品組成物の一日当たりの投与量としては、有効成分の種類や濃度、使用者の年齢や性別、組成物の形状、投与方法、期待される程度等に応じて異なるので一律に規定することはできないが、ヒトβディフェンシンの分泌を促進する有効量であればよい。例えば、1回当たりの投与量としてヒトβディフェンシン分泌促進剤の有効成分が0.1mg以上、好ましくは0.5〜10000mgとなる量を、一日当たりに1〜10回程度、投与すればよい。
前述するように、有機酸には、ヒトβディフェンシンの分泌を促進する作用がある。従って、本発明は、更に、有機酸のヒトβディフェンシン分泌促進剤の製造のための使用を提供する。加えて、本発明は、有機酸の、ヒトβディフェンシン分泌促進用の外用組成物又は内用組成物の製造のための使用を提供する。
(2)ヒトβディフェンシンの分泌促進方法
前述するように、有機酸は、ヒトβディフェンシンの分泌を効果的に促進することができる。よって、本発明は、有機酸を用いてヒトβディフェンシンの分泌を促進する方法を提供する。
本発明のヒトβディフェンシンの分泌促進方法は、ヒトβディフェンシンの分泌促進を目的とする身体部位に対して、有機酸を外用形態で投与することにより実施できる。また、本発明のヒトβディフェンシンの分泌促進方法は、有機酸を内用形態で投与、又は摂取させることにより、実施することもできる。本発明の方法は、好適には、上記(1)のヒトβディフェンシン分泌促進剤、特にヒトβディフェンシン分泌促進用の外用組成物、内用組成物又は食品を使用することにより実施される。
本発明の方法において、分泌促進されるヒトβディフェンシン、使用する有機酸、該有機酸の投与量や投与回数、分泌促進対象となる身体部位(又は組織)等については、前記(1)に記載の通りである。
有機酸を使用することによって、ヒトβディフェンシンの分泌を効果的に促進することができる。従って、本発明は、更に、有機酸の、ヒトβディフェンシンの分泌を促進するための使用を提供する。
(3)ヒトβディフェンシンの分泌促進方法−2
更に、本発明者らは、口腔内環境を一時的に酸性にすることによって口腔内のヒトβディフェンシンの分泌が促進されることを見出した。かかる知見に基づいて、本発明は、更に、口腔内におけるヒトβディフェンシンの分泌を促進する方法を提供する。かかる方法によってヒトβディフェンシンの分泌を促進するには、口腔内環境を一時的に酸性、具体的には口腔内のpHを7以下、好ましくは6.2以下に保てばよい。また、かかる方法において、口腔内環境を酸性に保持する時間は、ヒトβディフェンシン分泌の促進に有効な保持時間であればよい。また、かかる方法において、口腔内環境を酸性にするには、例えば口腔内に前述する有機酸を投与すればよい。かかる方法の好ましい実施形態の一例として、上記のヒトβディフェンシン分泌促進剤を口腔内に投与する方法を挙げることができる。かかる方法によれば、口腔内を健康に保つことができるので、該方法は、歯周病、口内炎、虫歯、口臭等の予防や緩和に有用である。
なお、上記(1)のヒトβディフェンシン分泌促進剤の使用、又は上記(2)のヒトβディフェンシンの分泌促進方法においては、皮膚や粘膜上でのpH条件については特に制限されるものではない。
【実施例】
以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下、ヒトβディフェンシンを単にhBD−2と記すこともある。
[実施例1] ガム
下記処方のガムを常法に従って製造した。
配合量(重量%)
ライムパウダー 5.0
(ライムパウダー中にクエン酸を75重量%含有)
ガムベース(主成分:酢酸ビニル) 22.0
キシリトール 35.0
マルチトール 27.0
香料 適量
合計 100重量%
[実施例2] ラムネ菓子
下記処方のラムネ菓子を常法に従って製造した。
配合量(重量%)
リンゴ酸 7.5
炭酸水素ナトリウム 7.5
キシリトール 40.0
マルチトール 30.0
コーンスターチ 15.0
合計 100重量%
[実施例3] 口中清涼剤(液状)
下記処方の口中清涼剤(液状)を常法に従って製造した。
配合量(重量%)
乳酸 0.2
l−メントール 1.0
エタノール 40.0
グリセリン 20.0
モノラウリン酸デカグリセリン 0.5
香料 0.1
精製水 残量
合計 100重量%
[実施例4] 口中清涼剤(トローチ)
下記処方の口中清涼剤(トローチ)を常法に従って製造した。
配合量(重量%)
酒石酸 45
l−メントール 1
炭酸水素ナトリウム 24
乳糖 25
ショ糖脂肪酸エステル 3
フレーバー剤 1
甘味剤 1
合計 100重量%
[実施例5] 食品(トローチ)
下記処方の食品(トローチ)を常法に従って製造した。
配合量(重量%)
アスコルビン酸 5.0
乳糖 85.5
キシリトール 5.0
ショ糖脂肪酸エステル 4.0
フレーバー剤 0.5
合計 100重量%
[実施例6] 液体歯磨き
下記処方の液体歯磨きを常法に従って製造した。
配合量(重量%)
フマル酸 45
l−メントール 1
炭酸水素ナトリウム 24
乳糖 25
ショ糖脂肪酸エステル 3
フレーバー剤 1
甘味剤 1
合計 100重量%
[実施例7] 芳香液
下記処方の芳香液を常法に従って製造した。
配合量(重量%)
精製水 54
無水エタノール 40
レモンエキス 4
グレープフルーツエキス 1
酢酸 1
香料 適量
合計 100重量%
[実施例8] 点鼻剤
下記処方の点鼻剤を常法に従って製造した。
成分名 配合量(重量%)
塩化ナトリウム 0.9
クエン酸 1.0
pH調整剤 適量
精製水 残余
合計 100重量%
[実施例9] 点眼剤
下記処方の点眼剤を常法に従って製造した。
成分名 配合量(重量%)
塩化ナトリウム 0.9
塩化カリウム 0.1
フラビンアデニンジヌクレオチド 0.05
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 1.0
pH調整剤 適量
精製水 残余
合計 100重量%
試験例1 βディフェンシン分泌促進確認試験−1
各種有機酸のβディフェンシン分泌促進効果を評価するために、健常人1名を被験者として下記の試験を行った。
安静にした被験者が3分間に分泌する唾液を吐出法により回収した(以下、これをコントロールと記す)。その後、フマル酸50mgを口腔内に入れ、そのまま1分間保持した後に、分泌された唾液と共に回収した。回収した唾液中のヒトβディフェンシン−2濃度をELISA法により測定し、下記計算式に基づいて、1分間に当該有機酸によって分泌されたヒトβディフェンシン−2の量を算出した。但し、下記計算式中の唾液量(ml)は、唾液の重量1g=唾液量1mlであるとして、回収した唾液の重量(g)からを算出した。前記と同様の試験をフマル酸の代わりに、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アジピン酸、酢酸、及び酒石酸を用いて行った。なお、乳酸及び酢酸の場合には、該有機酸50mgに水を加えて全量1gに調製したものを口腔内に入れることにより、上記試験を行った。
計算式
[1分間に分泌されたhBD−2の量(ng/min)]
={[唾液中のhBD−2濃度(ng/ml)]×[唾液量(ml)]}/[唾液回収時間(min)]
#唾液回収時間は、コントロールの場合は3分であり、有機酸投与後の場合は1分である。
得られた結果を図1に示す。口腔内に有機酸を適用することによって、唾液中に分泌されるヒトβディフェンシン−2量が増大していることが明らかとなった。この結果から、有機酸は、生体内においてヒトβディフェンシン−2の分泌を促進する作用があり、特に口腔内におけるヒトβディフェンシン−2の分泌促進作用に優れていることが確認された。
試験例2 βディフェンシン分泌促進確認試験−2
各種有機酸のβディフェンシン分泌促進効果を評価するために、健常人6名を被験者として下記の試験を行った。有機酸として、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、L−グルタミン酸、trans−ケイ皮酸、L(+)−アスコルビン酸、コハク酸、DL−酒石酸、アジピン酸、L−乳酸、及び酢酸を用いた。
安静にした被験者が3分間に分泌する唾液を吐出法により回収した(以下、これをコントロールと記す)。その後、有機酸50mgを口腔内に入れ、そのまま1分間保持した後に、分泌された唾液と共に回収した。回収した唾液中のヒトβディフェンシン−2濃度をELISA法により測定し、下記計算式に基づいて、1分間に当該有機酸によって分泌されたヒトβディフェンシン−2の量を算出した。但し、下記計算式中の唾液量(ml)は、唾液の重量1g=唾液量1mlであるとして、回収した唾液の重量(g)からを算出した。なお、乳酸及び酢酸の場合には、該有機酸50mgに水を加えて全量1gに調製したものを口腔内に入れることにより、上記試験を行った。
計算式
[1分間に分泌されたhBD−2の量(ng/min)]
={[唾液中のhBD−2濃度(ng/ml)]×[唾液量(ml)]}/[唾液回収時間(min)]
#唾液回収時間は、コントロールの場合は3分であり、有機酸投与後の場合は1分である。
得られた結果を図2に示す。この結果から、試験例1の結果と同様に、口腔内に有機酸を適用することによって、唾液中に分泌されるヒトβディフェンシン−2量が増大していることが明らかとなった。
試験例3 βディフェンシン分泌促進確認試験−3(濃度依存性)
有機酸のβディフェンシン分泌促進効果と濃度依存性の関係を評価するために、健常人3名を被験者として下記の試験を行った。
安静にした被験者が3分間に分泌する唾液を吐出法により回収した(以下、これをコントロールと記す)。その後、0.01重量%リンゴ酸水溶液の1mL(リンゴ酸摂取量0.1mg)を口腔内に入れ、そのまま1分間保持した後に、分泌された唾液と共に回収した。回収した唾液中のヒトβディフェンシン−2濃度をELISA法により測定し、下記計算式に基づいて、1分間に0.1mgのリンゴ酸摂取によって、分泌されたヒトβディフェンシン−2の量を算出した。但し、下記計算式中の唾液量(mL)は、唾液の重量1g=唾液量1mlであるとして、回収した唾液の重量(g)からを算出した。更に、前記と同様の試験を0.05、0.1、0.2、0.5、及び1重量%リンゴ酸水溶液(摂取量0.5、1、2、5、10mg)を用いて行った。
計算式
[1分間に分泌されたhBD−2の量(ng/min)]
={[唾液中のhBD−2濃度(ng/ml)]×[唾液量(ml)]}/[唾液回収時間(min)]
#唾液回収時間は、コントロールの場合は3分であり、有機酸投与後の場合は1分である。
得られた結果を図3に示す。図3から、唾液中に分泌されるヒトβディフェンシン−2量はリンゴ酸水溶液の濃度依存的に増大していることが明らかとなった。この結果から、有機酸のヒトβディフェンシン−2分泌促進効果には濃度依存性があり、0.01%濃度(摂取量0.1mg)であってもヒトβディフェンシン−2分泌誘導効果を有することが確認された。
【産業上の利用可能性】
ヒトβディフェンシンは、以下の優れた特性を備えていることが知られている:(a)それ自体に抗菌性があるため、短時間で抗菌作用を発揮することができる、(b)生体内で分泌されるため、外用又は内用形態で投与する従来の抗菌剤では困難であった部位に対しても優れた抗菌作用を発揮できる、(c)樹状細胞やメモリーTリンパ球を遊走(chemotaxis)させる(即ち、免疫担当細胞を動員して獲得免疫に関与する)。
本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤は、適用された部位において、βディフェンシンの分泌、特にヒトβディフェンシン−2の分泌を促進することができる。それ故、本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤によれば、βディフェンシンの分泌を促進して生体内の抗菌作用や免疫作用を増強することができ、これによって、生体の防御機構を高めることが可能になる。そのため、本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤は、細菌、真菌、ウィルス、原虫感染が原因となって起こる症状の予防や緩和に有効である。特に、アトピー性皮膚炎の二次感染予防、にきび予防、口臭防止、足臭防止、髭剃り又は脱毛後の二次感染予防、オムツかぶれの二次感染予防、あせもの二次感染予防、熱傷の二次感染予防、ステロイド剤使用による易感染性の予防等のスキンケア等に有効である。また、細菌、真菌、ウィルス、原虫感染が原因となる荒れ肌・乾燥肌・手荒れ等のスキンケア等に有効である。
また、本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤は、ヒトβディフェンシン分泌促進作用に基づいた薬理効果が期待される。故に、本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤は、例えば、眼内に投与する場合であれば、ウィルス性結膜炎、細菌性結膜炎、麦粒腫等;鼻腔内や咽頭に投与する場合であれば、風邪、インフルエンザ等;鼻腔内に投与する場合であれば、鼻炎、膿性鼻漏、鼻副鼻腔炎等;口腔内に使用する場合であれば、歯周病、口内炎、虫歯等;口唇部に使用する場合であれば、単純疱疹等;皮膚に使用する場合であれば、水虫の予防、とびひ、疣贅、伝染性軟属腫、水痘、性器ヘルペスウィルス感染症、カンジダ症、帯状疱疹、単純疱疹、ニキビ、アトピー性皮膚炎、創傷治療剤等;その他の部位に使用する場合であれば、肺炎、胃炎、腫瘍、後天性免疫不全症候群、トリパノソーマ症等の疾患の予防や治療剤として有用である。これらの疾患の中でも、特に、細菌、真菌、ウィルス、原虫等が関与する疾患の予防又は治療剤として有用である。
また、本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤は、口腔内及び口唇部において、より一層優れたβディフェンシン分泌促進作用を発揮できるので、歯周病、口内炎、虫歯、口臭、単純疱疹等の予防又は治療剤として特に有効である。それ故、本発明のヒトβディフェンシン分泌促進剤は、健康な口腔内環境を保つためのオーラルケア製品に好適に使用される。
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機酸を有効成分とすることを特徴とする、ヒトβディフェンシン分泌促進剤。
【請求項2】
有機酸が、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、酒石酸、桂皮酸、グルタミン酸及びコハク酸よりなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤。
【請求項3】
有機酸が、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸及び酒石酸よりなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤。
【請求項4】
分泌促進対象となるヒトβディフェンシンが、ヒトβディフェンシン−2である、請求項1に記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤。
【請求項5】
口唇部又は口腔内で使用されるものである、請求項1に記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤を含有する、ヒトβディフェンシン分泌促進用の外用組成物。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれかに記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤を含有する、ヒトβディフェンシン分泌促進用の内用組成物。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれかに記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤を含有する、ヒトβディフェンシン分泌促進用の食品。
【請求項9】
有効量の有機酸を投与又は摂取させることを特徴とする、ヒトβディフェンシン分泌促進方法。
【請求項10】
有機酸が、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、酒石酸、桂皮酸、グルタミン酸及びコハク酸よりなる群から選択される少なくとも一種である、請求項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
【請求項11】
有機酸が、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸及び酒石酸よりなる群から選択される少なくとも一種である、請求項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
【請求項12】
分泌促進対象となるヒトβディフェンシンが、ヒトβディフェンシン−2である、請求項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
【請求項13】
口唇部又は口腔内においてヒトβディフェンシンの分泌を促進する、請求項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
【請求項14】
有機酸として、請求項1乃至5のいずれかに記載のヒトβディフェンシン分泌促進剤を使用する、請求項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
【請求項15】
有機酸として請求項6に記載の内用組成物を使用する、請求項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
【請求項16】
有機酸として請求項7に記載の食品を使用する、請求項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
【請求項17】
有機酸として請求項8に記載の外用組成物を使用する、請求項9に記載のヒトβディフェンシン分泌促進方法。
【請求項18】
有機酸の、ヒトβディフェンシン分泌促進剤の製造のための使用。
【請求項19】
有機酸の、ヒトβディフェンシン分泌促進用内用組成物の製造のための使用。
【請求項20】
有機酸の、ヒトβディフェンシン分泌促進用食品の製造のための使用。
【請求項21】
有機酸の、ヒトβディフェンシン分泌促進用外用組成物の製造のための使用。
【請求項22】
有機酸の、ヒトβディフェンシンの分泌を促進するための使用。

【国際公開番号】WO2005/027893
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発行日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514130(P2005−514130)
【国際出願番号】PCT/JP2004/014024
【国際出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000206956)大塚製薬株式会社 (230)
【Fターム(参考)】