ヒトインターロイキン−13に対する抗体およびそれらの使用
【課題】本発明は、インターロイキン−13(IL−13)、特に、ヒトIL−13と結合する抗体、例えば、ヒト化抗体およびそれらの抗原結合性フラグメント、ならびにIL−13により仲介される免疫応答を調節する際のそれらの使用を提供することを目的とする。
【解決手段】抗体またはその抗原結合性フラグメントであって、10−7M未満のKDでIL−13と結合し、規定のの特性を有する抗体またはその抗原結合性フラグメントを提供することにより上記課題を解決する。
【解決手段】抗体またはその抗原結合性フラグメントであって、10−7M未満のKDでIL−13と結合し、規定のの特性を有する抗体またはその抗原結合性フラグメントを提供することにより上記課題を解決する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体またはその抗原結合性フラグメントであって、10−7M未満のKDでIL−13と結合し、以下の特性、すなわち
(a)重鎖免疫グロブリン可変領域が、mAb13.2の重鎖CDR3(配列番号24)またはmAb13.2の対応する重鎖CDR3と3つ未満のアミノ酸置換が異なる重鎖CDR3を含むこと、
(b)軽鎖免疫グロブリン可変領域が、mAb13.2の軽鎖CDR1(配列番号19)またはmAb13.2の対応する軽鎖CDR1と3つ未満のアミノ酸置換が異なる軽鎖CDR1を含むこと、
(c)重鎖免疫グロブリン可変領域が、h13.2の重鎖可変ドメイン(配列番号15、16または36)をコードする核酸の相補体と高い厳密性の条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされる配列を含むこと、
(d)軽鎖免疫グロブリン可変領域が、h13.2の軽鎖可変ドメイン(配列番号11、12または35)をコードする核酸の相補体と高い厳密性の条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされる配列を含むこと、
(e)重鎖免疫グロブリン可変領域が、h13.2の重鎖可変ドメイン(配列番号15、16または36)と少なくとも90%一致していること、
(f)軽鎖免疫グロブリン可変領域が、h13.2の軽鎖可変ドメイン(配列番号11、12または35)と少なくとも90%一致していること、
(g)抗体またはその抗原結合性フラグメントが、ヒトIL−13との結合についてmAb13.2と競合すること、
(h)抗体またはその抗原結合性フラグメントが、配列番号31の残基68、72、88、91、92、93および105からなる群から選択されるIL−13由来の1つまたはそれ以上のアミノ酸残基と接触すること、
(i)重鎖可変領域が、mAb13.2と同一のカノニカル構造を有すること、
(j)軽鎖可変領域が、mAb13.2と同一のカノニカル構造を有すること、
(k)重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域が、それぞれ生殖系列遺伝子DP−54およびDPK−9によりコードされるVHセグメント由来のFR1、FR2およびFR3フレームワーク領域または生殖系列遺伝子DP−54およびDPK−9によりコードされるVHセグメントと少なくとも95%一致する配列を有すること、
(l)注入の少なくとも6週後にヒツジモデルにおいて回虫(Ascaris)抗原への暴露に対する注入後防御効果を付与すること;
の1つまたはそれ以上を有する抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項2】
精製された請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項3】
組換え完全長IgGである、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項4】
FabまたはscFvである、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項5】
ヒト生殖系列フレームワーク領域と少なくとも90%一致するフレームワーク領域を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項6】
ヒトフレームワーク領域、ヒトFc領域または両方を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項7】
重鎖可変領域が、mAb13.2と同一のカノニカル構造を有し((i)のように)、重鎖可変ドメインが、mAb13の少なくとも4つのIL−13と接触するアミノ酸残基を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項8】
90〜120pMのKDでヒトIL−13と結合する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項9】
1×10−4s−1未満のKoffでヒトIL−13と結合する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項10】
5×104〜8×105M−1s−1のKonでヒトIL−13と結合する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項11】
IL−4Rαと結合するIL−13の能力を低減する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項12】
IL−13Rα1とのインビトロ複合体中にあるIL−13と結合する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項13】
2つの免疫グロブリン鎖、すなわち、配列番号9、10、11、12または35を含む軽鎖および配列番号13、14、15、16または36を含む重鎖を含む単離された組換えIgG抗体。
【請求項14】
重鎖が配列番号17をさらに含み、軽鎖が配列番号18をさらに含む、請求項13に記載の単離された組換えIgG抗体。
【請求項15】
抗体またはその抗原結合性フラグメントであって、以下の特性、すなわち
(a)ヒトIL−13(配列番号31)の残基81〜93もしくは114〜132またはそれらの保存的に置換された形態を含むエピトープと特異的に結合すること、
(b)以下のアミノ酸残基、すなわち、配列番号32の49位のグルタミン酸、53位のアスパラギン、69位のグリシン、72位のプロリン、73位のヒスチジン、74位のリジンおよび86位のアルギニンのうちの1つまたはそれ以上またはそれらの保存的アミノ酸置換を含むヒトIL−13のエピトープと特異的に結合すること、
(c)IL−13とIL13Rαの複合体と結合すること、
(d)IL−13とIL−4Rαの間の結合相互作用を妨害すること、
(e)IL−13/IL−13Rα1とIL−4Rαの間の結合相互作用を妨害すること、および
(f)ヒトIL−13と特異的に結合し、前記ヒトとの二次抗体の結合を競合的に阻害する(ここに、前記二次抗体は、mAb13.2、ch13.2、h13.2v1、h13.2v2またはh13.2v3から選択される)こと;
の1つまたはそれ以上を有する抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項16】
Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基数、エフェクター細胞機能または補体機能のうちの1つまたはそれ以上を減少させるために変異された定常領域を有する、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項17】
配列番号17の1つまたはそれ以上の残基116および119において変異されたヒトIgG1定常領域をさらに含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項18】
ヒトκ軽鎖をさらに含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項19】
配列番号19のアミノ酸配列、配列番号20のアミノ酸配列、配列番号21のアミノ酸配列、配列番号22のアミノ酸配列、配列番号23のアミノ酸配列、配列番号24のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つの相補性決定領域をさらに含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項20】
フラグメントが、scFv、FabまたはF(ab’)2フラグメントである、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項21】
ヒトκ定常領域を含む軽鎖またはその活性フラグメントおよびヒトIgG定常領域を含む重鎖またはその活性フラグメントをさらに含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項22】
前記軽鎖のヒトκ定常領域が、配列番号18のアミノ酸配列またはその活性フラグメントを含む、請求項21に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項23】
前記重鎖のヒトIgG定常領域が、FcRおよび補体結合を低減するために変異される、請求項21に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項24】
前記重鎖の変異したヒトIgG定常領域が、配列番号17のアミノ酸配列またはその活性フラグメントを含む、請求項23に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項25】
請求項1または15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントおよび薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項26】
皮下、吸入または局所投与に適合している、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
(i)重鎖免疫グロブリン可変領域であって、
(a)mAb13.2の重鎖CDR3(配列番号24)またはmAb13.2の対応するCDR3と3つ未満のアミノ酸置換が異なるCDR3を含むか、あるいは
(b)h13.2の重鎖可変ドメイン(配列番号15、16または36)と少なくとも90%一致する、重鎖免疫グロブリン可変領域を含む、ポリペプチドをコードするか、あるいは
(ii)h13.2の重鎖可変ドメイン(配列番号15、16または36)をコードする核酸の相補体と高い厳密性の条件下でハイブリダイズする配列を含む核酸。
【請求項28】
(i)軽鎖免疫グロブリン可変領域であって、
(a)mAb13.2の軽鎖CDR1(配列番号19)またはmAb13.2の対応するCDR1と3つ未満のアミノ酸置換が異なるCDR1を含むか、あるいは
(b)h13.2の軽鎖可変ドメイン(配列番号11、12または35)と少なくとも90%一致する、軽鎖免疫グロブリン可変領域を含む、ポリペプチドをコードするか、あるいは
(ii)h13.2の軽鎖可変ドメイン(配列番号11、12または35)をコードする核酸の相補体と高い厳密性の条件下でハイブリダイズする配列を含む核酸。
【請求項29】
請求項1または15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントをコードする核酸配列を含む宿主細胞。
【請求項30】
組換え抗体を提供する方法であって、
抗体またはその抗原結合性フラグメントをコードする核酸配列を宿主細胞に提供すること、および
抗体またはその抗原結合性フラグメントが発現される条件下に細胞を維持することを含む方法。
【請求項31】
宿主細胞または宿主細胞が維持される培地からタンパク質を単離することをさらに含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
単離されたタンパク質を医薬組成物として調剤することをさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
有効成分として請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントを含む、IL−13関連障害の治療用医薬組成物。
【請求項34】
IL−13関連障害が、喘息性障害、アトピー性障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道炎症、好酸球増加症、線維症および過剰な粘液産生を含む状態、炎症性状態、自己免疫性状態、腫瘍または癌、ウイルス感染および防御性1型免疫応答の発現の抑制からなる群から選択される請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
障害が喘息性障害またはアレルギー性鼻炎である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項36】
障害が炎症性腸疾患である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項37】
障害が慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項38】
障害がアトピー性障害である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項39】
皮下投与、吸入による投与、または局所投与用の、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項40】
有効成分として、IL−13と結合する抗体を含む、IL−13関連障害の治療用医薬組成物であって、下記:
(i)注入の少なくとも6週後にヒツジモデルにおいて回虫(Ascaris)抗原への暴露に対する注入後防御効果を付与すること、あるいは
(ii)IL−13のIL−4Rαとの結合を妨害するが、IL−13のIL−13Rα1との結合を妨害しないこと
で示される特性のうちの1つまたはそれ以上を有する医薬組成物。
【請求項41】
サンプルにおけるIL−13の存在を検出する方法であって、
(i)サンプルを、抗IL−13抗体またはそのフラグメントと接触させること、および
(ii)抗IL−13抗体またはそのフラグメントとサンプルの間の複合体の形成を検出すること(サンプルにおける複合体の形成は、サンプルにおけるIL−13の存在を示す)を含む方法。
【請求項42】
サンプルが対象由来である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
喘鳴、息切れ、気管支収縮、気道過反応性、肺気量減少、線維症、気道炎症および粘液産生からなる群から選択される喘息の症状を示す対象を治療するための医薬組成物であって、請求項1または15に記載の抗体を含み、抗体がIL−13と結合し、機能性IL−13シグナル伝達複合体の形成を妨害する、医薬組成物。
【請求項44】
有効成分として、10−7M未満のKDでIL−13と結合する重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合性フラグメントと1つまたはそれ以上のさらなる治療剤を含む、IL−13関連障害の治療用医薬組成物であって、1つまたはそれ以上のさらなる治療剤が、吸入ステロイド;βアゴニスト;ロイコトリエンアンタゴニストまたはロイコトリエン受容体アンタゴニスト;IgE阻害剤;ホスホジエステラーゼ阻害剤;キサンチン;抗コリン薬;肥満細胞安定化薬;IL−4阻害剤;IL−5阻害剤;エオタキシン/CCR3阻害剤;抗ヒスタミン薬;TNFアンタゴニスト;TNF酵素アンタゴニスト;TGF−βアンタゴニスト;インターフェロンガンマ;ペルフェニドン(perfenidone);化学療法剤;NSAID;免疫調節薬;p38阻害剤およびNFκB阻害剤からなる群から選択されるものである、医薬組成物。
【請求項45】
IL−13と同族のIL−13結合性タンパク質との間の結合相互作用を変調させる方法であって、IL−13を、10−7M未満のKDでIL−13と結合する重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合性フラグメントと接触させることを含む、方法。
【請求項46】
インビボにおけるIL−13の存在を検出する方法であって、
(i)抗体またはその抗原結合性フラグメントのIL−13への結合を可能にする条件下で、対象に10−7M未満のKDでIL−13と結合する重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合性フラグメントを投与すること、および
(ii)抗体またはそのフラグメントとIL−13の間の複合体の形成を検出すること
を含み、コントロールと比較した場合の対象における複合体の形成の変化がIL−13の存在を示す、方法。
【請求項47】
喘息またはアトピー性障害の進行を測定もしくはモニターする方法であって、
(i)サンプルを提供すること;
(ii)サンプルを、10−7M未満のKDでIL−13と結合する重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合性フラグメントと接触させること;および
(iii)サンプルにおけるIL−13のレベルの変化を検出すること
を含む、方法。
【請求項48】
二重特異性抗体またはの抗原結合性フラグメントである、請求項1または15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項1】
抗体またはその抗原結合性フラグメントであって、10−7M未満のKDでIL−13と結合し、以下の特性、すなわち
(a)重鎖免疫グロブリン可変領域が、mAb13.2の重鎖CDR3(配列番号24)またはmAb13.2の対応する重鎖CDR3と3つ未満のアミノ酸置換が異なる重鎖CDR3を含むこと、
(b)軽鎖免疫グロブリン可変領域が、mAb13.2の軽鎖CDR1(配列番号19)またはmAb13.2の対応する軽鎖CDR1と3つ未満のアミノ酸置換が異なる軽鎖CDR1を含むこと、
(c)重鎖免疫グロブリン可変領域が、h13.2の重鎖可変ドメイン(配列番号15、16または36)をコードする核酸の相補体と高い厳密性の条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされる配列を含むこと、
(d)軽鎖免疫グロブリン可変領域が、h13.2の軽鎖可変ドメイン(配列番号11、12または35)をコードする核酸の相補体と高い厳密性の条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされる配列を含むこと、
(e)重鎖免疫グロブリン可変領域が、h13.2の重鎖可変ドメイン(配列番号15、16または36)と少なくとも90%一致していること、
(f)軽鎖免疫グロブリン可変領域が、h13.2の軽鎖可変ドメイン(配列番号11、12または35)と少なくとも90%一致していること、
(g)抗体またはその抗原結合性フラグメントが、ヒトIL−13との結合についてmAb13.2と競合すること、
(h)抗体またはその抗原結合性フラグメントが、配列番号31の残基68、72、88、91、92、93および105からなる群から選択されるIL−13由来の1つまたはそれ以上のアミノ酸残基と接触すること、
(i)重鎖可変領域が、mAb13.2と同一のカノニカル構造を有すること、
(j)軽鎖可変領域が、mAb13.2と同一のカノニカル構造を有すること、
(k)重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域が、それぞれ生殖系列遺伝子DP−54およびDPK−9によりコードされるVHセグメント由来のFR1、FR2およびFR3フレームワーク領域または生殖系列遺伝子DP−54およびDPK−9によりコードされるVHセグメントと少なくとも95%一致する配列を有すること、
(l)注入の少なくとも6週後にヒツジモデルにおいて回虫(Ascaris)抗原への暴露に対する注入後防御効果を付与すること;
の1つまたはそれ以上を有する抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項2】
精製された請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項3】
組換え完全長IgGである、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項4】
FabまたはscFvである、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項5】
ヒト生殖系列フレームワーク領域と少なくとも90%一致するフレームワーク領域を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項6】
ヒトフレームワーク領域、ヒトFc領域または両方を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項7】
重鎖可変領域が、mAb13.2と同一のカノニカル構造を有し((i)のように)、重鎖可変ドメインが、mAb13の少なくとも4つのIL−13と接触するアミノ酸残基を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項8】
90〜120pMのKDでヒトIL−13と結合する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項9】
1×10−4s−1未満のKoffでヒトIL−13と結合する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項10】
5×104〜8×105M−1s−1のKonでヒトIL−13と結合する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項11】
IL−4Rαと結合するIL−13の能力を低減する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項12】
IL−13Rα1とのインビトロ複合体中にあるIL−13と結合する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項13】
2つの免疫グロブリン鎖、すなわち、配列番号9、10、11、12または35を含む軽鎖および配列番号13、14、15、16または36を含む重鎖を含む単離された組換えIgG抗体。
【請求項14】
重鎖が配列番号17をさらに含み、軽鎖が配列番号18をさらに含む、請求項13に記載の単離された組換えIgG抗体。
【請求項15】
抗体またはその抗原結合性フラグメントであって、以下の特性、すなわち
(a)ヒトIL−13(配列番号31)の残基81〜93もしくは114〜132またはそれらの保存的に置換された形態を含むエピトープと特異的に結合すること、
(b)以下のアミノ酸残基、すなわち、配列番号32の49位のグルタミン酸、53位のアスパラギン、69位のグリシン、72位のプロリン、73位のヒスチジン、74位のリジンおよび86位のアルギニンのうちの1つまたはそれ以上またはそれらの保存的アミノ酸置換を含むヒトIL−13のエピトープと特異的に結合すること、
(c)IL−13とIL13Rαの複合体と結合すること、
(d)IL−13とIL−4Rαの間の結合相互作用を妨害すること、
(e)IL−13/IL−13Rα1とIL−4Rαの間の結合相互作用を妨害すること、および
(f)ヒトIL−13と特異的に結合し、前記ヒトとの二次抗体の結合を競合的に阻害する(ここに、前記二次抗体は、mAb13.2、ch13.2、h13.2v1、h13.2v2またはh13.2v3から選択される)こと;
の1つまたはそれ以上を有する抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項16】
Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基数、エフェクター細胞機能または補体機能のうちの1つまたはそれ以上を減少させるために変異された定常領域を有する、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項17】
配列番号17の1つまたはそれ以上の残基116および119において変異されたヒトIgG1定常領域をさらに含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項18】
ヒトκ軽鎖をさらに含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項19】
配列番号19のアミノ酸配列、配列番号20のアミノ酸配列、配列番号21のアミノ酸配列、配列番号22のアミノ酸配列、配列番号23のアミノ酸配列、配列番号24のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つの相補性決定領域をさらに含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項20】
フラグメントが、scFv、FabまたはF(ab’)2フラグメントである、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項21】
ヒトκ定常領域を含む軽鎖またはその活性フラグメントおよびヒトIgG定常領域を含む重鎖またはその活性フラグメントをさらに含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項22】
前記軽鎖のヒトκ定常領域が、配列番号18のアミノ酸配列またはその活性フラグメントを含む、請求項21に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項23】
前記重鎖のヒトIgG定常領域が、FcRおよび補体結合を低減するために変異される、請求項21に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項24】
前記重鎖の変異したヒトIgG定常領域が、配列番号17のアミノ酸配列またはその活性フラグメントを含む、請求項23に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項25】
請求項1または15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントおよび薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項26】
皮下、吸入または局所投与に適合している、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
(i)重鎖免疫グロブリン可変領域であって、
(a)mAb13.2の重鎖CDR3(配列番号24)またはmAb13.2の対応するCDR3と3つ未満のアミノ酸置換が異なるCDR3を含むか、あるいは
(b)h13.2の重鎖可変ドメイン(配列番号15、16または36)と少なくとも90%一致する、重鎖免疫グロブリン可変領域を含む、ポリペプチドをコードするか、あるいは
(ii)h13.2の重鎖可変ドメイン(配列番号15、16または36)をコードする核酸の相補体と高い厳密性の条件下でハイブリダイズする配列を含む核酸。
【請求項28】
(i)軽鎖免疫グロブリン可変領域であって、
(a)mAb13.2の軽鎖CDR1(配列番号19)またはmAb13.2の対応するCDR1と3つ未満のアミノ酸置換が異なるCDR1を含むか、あるいは
(b)h13.2の軽鎖可変ドメイン(配列番号11、12または35)と少なくとも90%一致する、軽鎖免疫グロブリン可変領域を含む、ポリペプチドをコードするか、あるいは
(ii)h13.2の軽鎖可変ドメイン(配列番号11、12または35)をコードする核酸の相補体と高い厳密性の条件下でハイブリダイズする配列を含む核酸。
【請求項29】
請求項1または15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントをコードする核酸配列を含む宿主細胞。
【請求項30】
組換え抗体を提供する方法であって、
抗体またはその抗原結合性フラグメントをコードする核酸配列を宿主細胞に提供すること、および
抗体またはその抗原結合性フラグメントが発現される条件下に細胞を維持することを含む方法。
【請求項31】
宿主細胞または宿主細胞が維持される培地からタンパク質を単離することをさらに含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
単離されたタンパク質を医薬組成物として調剤することをさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
有効成分として請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントを含む、IL−13関連障害の治療用医薬組成物。
【請求項34】
IL−13関連障害が、喘息性障害、アトピー性障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道炎症、好酸球増加症、線維症および過剰な粘液産生を含む状態、炎症性状態、自己免疫性状態、腫瘍または癌、ウイルス感染および防御性1型免疫応答の発現の抑制からなる群から選択される請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
障害が喘息性障害またはアレルギー性鼻炎である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項36】
障害が炎症性腸疾患である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項37】
障害が慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項38】
障害がアトピー性障害である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項39】
皮下投与、吸入による投与、または局所投与用の、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項40】
有効成分として、IL−13と結合する抗体を含む、IL−13関連障害の治療用医薬組成物であって、下記:
(i)注入の少なくとも6週後にヒツジモデルにおいて回虫(Ascaris)抗原への暴露に対する注入後防御効果を付与すること、あるいは
(ii)IL−13のIL−4Rαとの結合を妨害するが、IL−13のIL−13Rα1との結合を妨害しないこと
で示される特性のうちの1つまたはそれ以上を有する医薬組成物。
【請求項41】
サンプルにおけるIL−13の存在を検出する方法であって、
(i)サンプルを、抗IL−13抗体またはそのフラグメントと接触させること、および
(ii)抗IL−13抗体またはそのフラグメントとサンプルの間の複合体の形成を検出すること(サンプルにおける複合体の形成は、サンプルにおけるIL−13の存在を示す)を含む方法。
【請求項42】
サンプルが対象由来である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
喘鳴、息切れ、気管支収縮、気道過反応性、肺気量減少、線維症、気道炎症および粘液産生からなる群から選択される喘息の症状を示す対象を治療するための医薬組成物であって、請求項1または15に記載の抗体を含み、抗体がIL−13と結合し、機能性IL−13シグナル伝達複合体の形成を妨害する、医薬組成物。
【請求項44】
有効成分として、10−7M未満のKDでIL−13と結合する重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合性フラグメントと1つまたはそれ以上のさらなる治療剤を含む、IL−13関連障害の治療用医薬組成物であって、1つまたはそれ以上のさらなる治療剤が、吸入ステロイド;βアゴニスト;ロイコトリエンアンタゴニストまたはロイコトリエン受容体アンタゴニスト;IgE阻害剤;ホスホジエステラーゼ阻害剤;キサンチン;抗コリン薬;肥満細胞安定化薬;IL−4阻害剤;IL−5阻害剤;エオタキシン/CCR3阻害剤;抗ヒスタミン薬;TNFアンタゴニスト;TNF酵素アンタゴニスト;TGF−βアンタゴニスト;インターフェロンガンマ;ペルフェニドン(perfenidone);化学療法剤;NSAID;免疫調節薬;p38阻害剤およびNFκB阻害剤からなる群から選択されるものである、医薬組成物。
【請求項45】
IL−13と同族のIL−13結合性タンパク質との間の結合相互作用を変調させる方法であって、IL−13を、10−7M未満のKDでIL−13と結合する重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合性フラグメントと接触させることを含む、方法。
【請求項46】
インビボにおけるIL−13の存在を検出する方法であって、
(i)抗体またはその抗原結合性フラグメントのIL−13への結合を可能にする条件下で、対象に10−7M未満のKDでIL−13と結合する重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合性フラグメントを投与すること、および
(ii)抗体またはそのフラグメントとIL−13の間の複合体の形成を検出すること
を含み、コントロールと比較した場合の対象における複合体の形成の変化がIL−13の存在を示す、方法。
【請求項47】
喘息またはアトピー性障害の進行を測定もしくはモニターする方法であって、
(i)サンプルを提供すること;
(ii)サンプルを、10−7M未満のKDでIL−13と結合する重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体またはその抗原結合性フラグメントと接触させること;および
(iii)サンプルにおけるIL−13のレベルの変化を検出すること
を含む、方法。
【請求項48】
二重特異性抗体またはの抗原結合性フラグメントである、請求項1または15に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32A】
【図32B】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
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【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
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【図31】
【図32A】
【図32B】
【図33】
【図34】
【図35】
【公開番号】特開2011−155980(P2011−155980A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51866(P2011−51866)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【分割の表示】特願2007−527694(P2007−527694)の分割
【原出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【分割の表示】特願2007−527694(P2007−527694)の分割
【原出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】
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