説明

ピロリジン化合物

【課題】より幅広い治療スペクトラムを有し、短期間で十分な治療効果を発現できる薬剤の製造に使用できる新規なピロリジン化合物を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、一般式(1)


[式中、R101及びR102は、同一又は異なって、フェニル基、ピリジル基等を示す。これらのフェニル基又はピリジル基は、ハロゲン原子及び1個以上のハロゲン原子が置換していてもよい低級アルキル基からなる群から選ばれた置換基を1個以上有していてもよい。]
で表されるピロリジン化合物又はその塩を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロリジン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
セロトニン、ノルエピネフリン及びドパミンとして知られる3種のモノアミンは、生体内で神経伝達物質として機能し、そのため、これらモノアミンの再取り込み阻害作用を有する薬剤は、中枢神経系ないし末梢神経系に関わる疾患の治療薬として広く用いられている。
【0003】
今日まで、うつ病の治療に用いられている薬物の多くは、ノルエピネフリン又はセロトニン再取り込みを選択的に阻害するものである。そのような薬剤としては、例えば、イミプラミン(第一世代の抗うつ薬)、マプロチリン(第二世代の抗うつ薬)、フルオキセチン(Fluoxetine)で代表される選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI、第三世代の抗うつ薬)、ベンラファキシン(Venlafaxine)で代表されるセロトニン及び/又はノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI、第四世代の抗うつ薬)等が挙げられる(非特許文献1)。
【0004】
しかしながら、これらの薬剤は、いずれも、治療効果が発現されるまで3週間以上の長期間を必要とし、しかも30%程度のうつ病患者に対して十分な治療効果を発現することができない(非特許文献2)。
【非特許文献1】三浦貞則, 臨床精神薬理, 2000, 3:311-318
【非特許文献2】Phil Skolnick, European Journal of Pharmacology, 2001, 375: 31-40
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、公知の抗うつ薬に比べ幅広い治療スペクトラムを有し、短期間の投与後に十分な治療効果を発現できる薬剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で表されるピロリジン化合物を所望の薬剤の製造に使用できることを見い出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
【0007】
本発明は、下記項1〜項14に示すようなピロリジン化合物、該化合物を含有する組成物、該化合物を含有する薬剤、該化合物の使用、病気の治療方法及び該化合物の製造方法を提供する。
【0008】
項1. 一般式(1)
【0009】
【化1】

【0010】
[式中、R101及びR102は、各々独立して、下記(1)〜(86)で示されるいずれかの基を示す。
(1) フェニル基、
(2) ピリジル基、
(3) ベンゾチエニル基、
(4) インドリル基、
(5) 2,3−ジヒドロ−1H−インデニル基、
(6) ナフチル基、
(7) ベンゾフリル基、
(8) キノリル基、
(9) チアゾリル基、
(10) ピリミジニル基、
(11) ピラジニル基、
(12) ベンゾチアゾリル基、
(13) チエノ[3,2−b]ピリジル基、
(14) チエニル基、
(15) シクロアルキル基、
(16) テトラヒドロピラニル基、
(17) ピロリル基、
(18) 2,4−ジヒドロ−1,3−ベンゾジオキシニル基、
(19) 2,3−ジヒドロベンゾフリル基、
(20) 9H−フルオレニル基、
(21) ピラゾリル基、
(22) ピリダジニル基、
(23) インドリニル基、
(24) チエノ[2,3−b]ピリジル基、
(25) チエノ[3,2−d]ピリミジニル基、
(26) チエノ[3,2−e]ピリミジニル基、
(27) 1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジル基、
(28) イソキノリル基、
(29) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサジニル基、
(30) キノキサリニル基、
(31) キナゾリニル基、
(32) 1,2,3,4−テトラヒドロキノリル基、
(33) シクロアルキル低級アルキル基、
(34) 低級アルキルチオ低級アルキル基、
(35) アミノ置換低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(36) フェノキシ低級アルキル基、
(37) ピリジルオキシ低級アルキル基、
(38) 低級アルキニル基、
(39) フェニル低級アルケニル基、
(40) 1,3−ベンゾジオキソリル基、
(41) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル基、
(42) 3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾジオキセピニル基、
(43) ジヒドロピリジル基、
(44) 1,2−ジヒドロキノリル基、
(45) 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル基、
(46) ベンゾオキサゾリル基、
(47) ベンゾイソチアゾリル基、
(48) インダゾリル基、
(49) ベンゾイミダゾリル基、
(50) イミダゾリル基、
(51) 1,2,3,4−テトラヒドロナフチル低級アルキル基、
(52) イミダゾ[1,2−a]ピリジル低級アルキル基、
(53) チアゾリル低級アルキル基、
(54) テトラヒドロピラニル低級アルキル基、
(55) ピペリジル低級アルキル基、
(56) ジフェニル低級アルコキシ置換低級アルキル基、
(57) 低級アルコキシカルボニル置換低級アルキル基、
(58) フェニル低級アルコキシカルボニル置換低級アルキル基、
(59) ヒドロキシ置換低級アルキル基、
(60) 低級アルコキシ低級アルキル基、
(61) カルボキシ低級アルキル基、
(62) カルバモイル置換低級アルキル基(カルバモイル基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(63) 低級アルケニル基、
(64) モルホリニルカルボニル低級アルキル基、
(65) ベンゾイル低級アルキル基、
(66) フェニルチオ低級アルキル基、
(67) ナフチルチオ低級アルキル基、
(68) シクロアルキルチオ低級アルキル基、
(69) ピリジルチオ低級アルキル基、
(70) ピリミジニルチオ低級アルキル基、
(71) フリルチオ低級アルキル基、
(72) チエニルチオ低級アルキル基、
(73) 1,3,4−チアジアゾリルチオ低級アルキル基、
(74) ベンズイミダゾリルチオ低級アルキル基、
(75) ベンズチアゾリルチオ低級アルキル基、
(76) テトラゾリルチオ低級アルキル基、
(77) ベンゾキサゾリルチオ低級アルキル基、
(78) チアゾリルチオ低級アルキル基、
(79) イミダゾリルチオ低級アルキル基、
(80) アミノ置換低級アルキルチオ低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(81) フェニル置換低級アルキルチオ低級アルキル基、
(82) フリル置換低級アルキルチオ低級アルキル基、
(83) ピリジル置換低級アルキルチオ低級アルキル基、
(84) ヒドロキシ置換低級アルキルチオ低級アルキル基、
(85) フェノキシ置換低級アルキルチオ低級アルキル基、及び
(86) 低級アルコキシカルボニル置換低級アルキルチオ低級アルキル基;
上記(1)〜(32)、(37)、(39)〜(56)、(64)〜(79)、(81)〜(83)及び(85)で示される各基は、シクロアルキル環、芳香環又は複素環上に、下記(1-1)〜(1-37)から選ばれた置換基を1個以上有していてもよい。
【0011】
(1-1) ハロゲン原子、
(1-2) 1個以上のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキルチオ基、
(1-3) 1個以上のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基、
(1-4) 1個以上のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルコキシ基、
(1-5) ニトロ基、
(1-6) 低級アルコキシカルボニル基、
(1-7) 1個又は2個の低級アルキル基が置換されていてもよいアミノ基、
(1-8) 低級アルキルスルホニル基、
(1-9) シアノ基、
(1-10) カルボキシ基、
(1-11) 水酸基、
(1-12) チエニル基、
(1-13) オキサゾリル基、
(1-14) ナフチル基、
(1-15) ベンゾイル基、
(1-16) フェノキシ基(フェニル環上にはハロゲン原子が1〜3個置換していてもよい)、
(1-17) フェニル低級アルコキシ基、
(1-18) 低級アルカノイル基、
(1-19) フェニル基(フェニル環上にはハロゲン原子、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アルカノイル基及び低級アルキル基からなる群から選ばれた置換基が1〜5個置換していてもよい)、
(1-20) フェニル低級アルキル基、
(1-21) シアノ低級アルキル基、
(1-22) 窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれたヘテロ原子を1個又は2個含有する5〜7員の飽和ヘテロ環基が置換したスルホニル基、
(1-23) チアゾリル基(チアゾール環上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(1-24) イミダゾリル基、
(1-25) アミノ低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(1-26) ピロリジニル低級アルコキシ基、
(1-27) イソオキサゾリル基、
(1-28) シクロアルキルカルボニル基、
(1-29) ナフチルオキシ基、
(1-30) ピリジル基、
(1-31) フリル基、
(1-32) フェニルチオ基、
(1-33) オキソ基、
(1-34) カルバモイル基、
(1-35) 窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれたヘテロ原子を1個又は2個含有する5〜7員の飽和ヘテロ環基(飽和ヘテロ環基上には、オキソ基;低級アルキル基;低級アルカノイル基;フェニル低級アルキル基;フェニル環上にハロゲン原子及び低級アルコキシ基からなる群から選ばれた基を1〜3個有していてもよいフェニル基;並びにピリジル基からなる群から選ばれた置換基が1〜3個置換していてもよい)
(1-36) オキシド基、及び
(1-37) 低級アルコキシド基;
但し、R101及びR102は、同時に無置換のフェニル基であってはならない。]
で表されるピロリジン化合物又はその塩。
【0012】
項2. R101が、
(1) フェニル基、
(3) ベンゾチエニル基、
(4) インドリル基、
(5) 2,3−ジヒドロ−1H−インデニル基、
(6) ナフチル基、
(7) ベンゾフリル基、
(8) キノリル基、
(12) ベンゾチアゾリル基、
(18) 2,4−ジヒドロ−1,3−ベンゾジオキシニル基、
(19) 2,3−ジヒドロベンゾフリル基、
(20) 9H−フルオレニル基、
(23) インドリニル基、
(28) イソキノリル基、
(29) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサジニル基、
(30) キノキサリニル基、
(31) キナゾリニル基、
(32) 1,2,3,4−テトラヒドロキノリル基、
(40) 1,3−ベンゾジオキソリル基、
(41) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル基、
(42) 3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾジオキセピニル基、
(44) 1,2−ジヒドロキノリル基、
(45) 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル基、
(46) ベンゾオキサゾリル基、
(47) ベンゾイソチアゾリル基、
(48) インダゾリル基、又は
(49) ベンゾイミダゾリル基であり、
これら各基の芳香環又は複素環上には項1で定義される(1-1)〜(1-37)から選ばれた置換基が1〜3個有していてもよい、
項1に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩。
【0013】
項3.R101が(1)フェニル基又は(3)ベンゾチエニル基であり、
これら各基の芳香環又は複素環上には(1-1)ハロゲン原子及び(1-3)1〜3個のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基からなる群から選ばれた置換基を1〜3個有していてもよい、
項2に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩。
【0014】
項4.R102が、
(1) フェニル基、
(2) ピリジル基、
(9) チアゾリル基、
(10) ピリミジニル基、
(11) ピラジニル基、
(14) チエニル基、
(48) インダゾリル基、
(59) ヒドロキシ置換低級アルキル基、又は
(60) 低級アルコキシ低級アルキル基であり、
上記(1)、(2)、(9)、(10)、(11)、(14)及び(48)で示される各基は、芳香環又は複素環上に項1で定義される(1-1)〜(1-37)から選ばれた置換基が1〜3個有していてもよい、
項3に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩。
【0015】
項5.R101が、モノハロフェニル基、ジハロフェニル基又は1個のハロゲン原子と1個の低級アルキル基とが置換したフェニル基であり、
102が、
(1) フェニル基、
(2) ピリジル基、
(9) チアゾリル基、
(10) ピリミジニル基、
(11) ピラジニル基、
(14) チエニル基、
(48) インダゾリル基、
(59) ヒドロキシ置換低級アルキル基、又は
(60) 低級アルコキシ低級アルキル基であり、
上記(1)、(2)、(9)、(10)、(11)、(14)及び(48)で示される各基は、芳香環又は複素環上に(1-1)ハロゲン原子、(1-3)1個以上のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基及び(1-9)シアノ基からなる群から選ばれた置換基を1〜2個有していてもよい、
項4に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩。
【0016】
項6. 以下の群から選ばれた項5に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩;
(4−クロロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(4−フルオロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3,4−ジフルオロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
ビス(4−フルオロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3,4−ジフルオロフェニル)−(4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イル−p−トリルアミン、
4−[(S)−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ]ベンゾニトリル
ビス(3−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチアゾール−2−イルアミン、
(4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチアゾール−2−イルアミン、
(3,4−ジクロロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチアゾール−2−イルアミン、
(3,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−5−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(5−クロロピリジン−2−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(6−フルオロピリジン−3−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3,4−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチオフェン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(5−フルオロピリジン−3−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−(5−フルオロピリジン−3−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
2−[(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ)エタノール、
1−[(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ)−2−メチルプロパン−2−オール、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(2−メトキシエチル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
3−[(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ)プロパン−1−オール、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(3−メトキシプロピル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
ベンゾ[b]チオフェン−6−イル−(S)−ピロリジン−3−イルチオフェン−3−イルアミン、及び
ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−(S)−ピロリジン−3−イルチオフェン−3−イルアミン。
【0017】
項7. 有効成分として項1に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩、及び薬理的に許容される担体を含有する医薬組成物。
【0018】
項8. 項1に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩を有効成分として含有する、セロトニン、ノルエピネフリン又はドパミンの神経伝達の低下に伴う障害の予防及び/又は治療剤。
【0019】
項9.傷害が、高血圧;うつ病;不安障害;恐怖;外傷後ストレス症候群;急性ストレス症候群;回避的人格障害;身体異常傷害;早発射精;摂食障害;肥満;アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン類に対する化学物質依存症;群発性頭痛;片頭痛;疼痛;Alzheimer's病;強迫障害;パニック障害;記憶障害;Parkinson's病;内分泌障害;血管痙攣;小脳性運動失調;胃腸管障害;精神分裂病の陰性症候群;月経前症候群;線維筋肉痛症候群;緊張性尿失禁;Tourette's症候群;抜毛癖;盗癖;男性インポテンス;注意欠陥多動性障害(ADHD);慢性痙攣;慢性発作性片頭痛;慢性疲労;脱力発作;睡眠無呼吸症候群;及び頭痛からなる群から選ばれる、
項8に記載の予防及び/又は治療剤。
【0020】
項10. 傷害が、以下の群から選ばれる項8に記載の予防及び/又は治療剤;
大うつ病性障害;双極性1障害;双極性2障害;混合状態;気分変調性障害;ラピッド・サイクラー;非定型うつ病;季節性感情障害;産後うつ病;軽症うつ病;反復性短期うつ病性障害;難治性うつ病・慢性うつ病;重複うつ病;アルコール誘発性気分障害;混合性不安抑うつ障害;Cushing症候群、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、Addison病、無月経・乳汁分泌症候群、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳出血、糖尿病、慢性疲労症候群及び癌からなる群から選ばれる身体疾患に伴ううつ病;中年期のうつ病;老年期うつ病;小児・思春期のうつ病;インターフェロン誘発性うつ病;及び調整傷害に伴ううつ病からなる群から選ばれるうつ病、並びに
調整傷害に伴う不安;及び頭部損傷、脳感染及び内耳傷害からなる群から選ばれる神経障害に伴う不安からなる群から選ばれる不安。
【0021】
項11. 項1〜項6のいずれかに記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩の、薬剤としての使用。
【0022】
項12. 項1〜項6のいずれかに記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩の、セロトニン再取り込み阻害剤及び/又はノルエピネフリン再取り込み阻害剤及び/又はドパミン再取り込み阻害剤としての使用。
【0023】
項13. 項1〜項6のいずれかに記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩を、人又は動物に投与することを含む、セロトニン、ノルエピネフリン又はドパミンの神経伝達の低下に伴う障害を治療及び/又は予防する方法。
【0024】
項14. 一般式(1)
【0025】
【化2】

【0026】
[式中、R101及びR102は、項1におけるそれらと同じ。]
で表されるピロリジン化合物又はその塩の製造方法であって、
一般式(2)
【0027】
【化3】

【0028】
[式中、R101及びR102は、項1におけるそれらと同じ。R112は、アミノ保護基を示す。]
で表される化合物をアミノ保護基を除去するための脱離反応に付すことを含む、
ピロリジン化合物又はその塩の製造方法。
【0029】
ピロリジン化合物(1)の好ましい態様は、一般式(1)で表される化合物又はその塩を含む。
【0030】
【化4】

【0031】
[式中、R101は、
(1) フェニル基、
(3) ベンゾチエニル基、
(4) インドリル基、
(5) 2,3−ジヒドロ−1H−インデニル基、
(6) ナフチル基、
(7) ベンゾフリル基、
(8) キノリル基、
(12) ベンゾチアゾリル基、
(18) 2,4−ジヒドロ−1,3−ベンゾジオキシニル基、
(19) 2,3−ジヒドロベンゾフリル基、
(20) 9H−フルオレニル基、
(23) インドリニル基、
(28) イソキノリル基、
(29) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサジニル基、
(30) キノキサリニル基、
(31) キナゾリニル基、
(32) 1,2,3,4−テトラヒドロキノリル基、
(40) 1,3−ベンゾジオキソリル基、
(41) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル基、
(42) 3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾジオキセピニル基、
(44) 1,2−ジヒドロキノリル基、
(45) 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル基、
(46) ベンゾオキサゾリル基、
(47) ベンゾイソチアゾリル基、
(48) インダゾリル基、又は
(49) ベンゾイミダゾリル基を示す。
【0032】
これら各基の芳香環又は複素環上には下記(1-1)〜(1-37)から選ばれた置換基が1〜5個(好ましくは1〜3個)有していてもよい。
【0033】
(1-1) ハロゲン原子、
(1-2) 1個以上(好ましくは1〜3個)のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキルチオ基、
(1-3) 1個以上(好ましくは1〜3個)のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基、
(1-4) 1個以上(好ましくは1〜4個)のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルコキシ基、
(1-5) ニトロ基、
(1-6) 低級アルコキシカルボニル基、
(1-7) 1個又は2個の低級アルキル基が置換されていてもよいアミノ基、
(1-8) 低級アルキルスルホニル基、
(1-9) シアノ基、
(1-10) カルボキシ基、
(1-11) 水酸基、
(1-12) チエニル基、
(1-13) オキサゾリル基、
(1-14) ナフチル基、
(1-15) ベンゾイル基、
(1-16) フェノキシ基(フェニル環上にはハロゲン原子が1〜3個置換していてもよい)、
(1-17) フェニル低級アルコキシ基、
(1-18) 低級アルカノイル基、
(1-19) フェニル基(フェニル環上にはハロゲン原子、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アルカノイル基及び低級アルキル基からなる群から選ばれた置換基が1〜5個(好ましくは1〜3個)置換していてもよい)、
(1-20) フェニル低級アルキル基、
(1-21) シアノ低級アルキル基、
(1-22) 窒素原子を1個又は2個含有する5〜7員の飽和ヘテロ環基が置換したスルホニル基(好ましくはピペリジルスルホニル基)、
(1-23) チアゾリル基(チアゾール環上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(1-24) イミダゾリル基、
(1-25) アミノ低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(1-26) ピロリジニル低級アルコキシ基、
(1-27) イソオキサゾリル基、
(1-28) シクロアルキルカルボニル基、
(1-29) ナフチルオキシ基、
(1-30) ピリジル基、
(1-31) フリル基、
(1-32) フェニルチオ基、
(1-33) オキソ基、
(1-34) カルバモイル基、
(1-35) 窒素原子を1個又は2個含有する5〜7員の飽和ヘテロ環基(好ましくはピロリジニル、ピペラジニル又はピペリジル)(飽和ヘテロ環基上には、オキソ基;低級アルキル基;低級アルカノイル基;フェニル低級アルキル基;フェニル環上にハロゲン原子及び低級アルコキシ基からなる群から選ばれた基を1〜3個有していてもよいフェニル基;並びにピリジル基からなる群から選ばれた置換基が1〜3個置換していてもよい)
(1-36) オキシド基、及び
(1-37) 低級アルコキシド基;
但し、R101及びR102は、同時に無置換のフェニル基であってはならない。]
ピロリジン化合物(1)のより好ましい態様は、一般式(1)で表される化合物又はその塩を含む。
【0034】
【化5】

【0035】
[式中、R101は、(1)フェニル基又は(3)ベンゾチエニル基を示す。これら各基の芳香環又は複素環上には(1-1)ハロゲン原子及び(1-3)1〜3個のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基からなる群から選ばれた置換基を1又は2個有していてもよい。
102は、
(1) フェニル基、
(2) ピリジル基、
(3) ベンゾチエニル基、
(4) インドリル基、
(5) 2,3−ジヒドロ−1H−インデニル基、
(6) ナフチル基、
(7) ベンゾフリル基、
(8) キノリル基、
(9) チアゾリル基、
(10) ピリミジニル基、
(11) ピラジニル基、
(12) ベンゾチアゾリル基、
(13) チエノ[3,2−b]ピリジル基、
(14) チエニル基、
(15) シクロアルキル基、
(16) テトラヒドロピラニル基、
(17) ピロリル基、
(18) 2,4−ジヒドロ−1,3−ベンゾジオキシニル基、
(19) 2,3−ジヒドロベンゾフリル基、
(20) 9H−フルオレニル基、
(21) ピラゾリル基、
(22) ピリダジニル基、
(23) インドリニル基、
(24) チエノ[2,3−b]ピリジル基、
(25) チエノ[3,2−d]ピリミジニル基、
(26) チエノ[3,2−e]ピリミジニル基、
(27) 1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジル基、
(28) イソキノリル基、
(29) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサジニル基、
(30) キノキサリニル基、
(31) キナゾリニル基、
(32) 1,2,3,4−テトラヒドロキノリル基、
(40) 1,3−ベンゾジオキソリル基、
(41) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル基、
(42) 3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾジオキセピニル基、
(43) ジヒドロピリジル基、
(44) 1,2−ジヒドロキノリル基、
(45) 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル基、
(46) ベンゾオキサゾリル基、
(47) ベンゾイソチアゾリル基、
(48) インダゾリル基、
(49) ベンゾイミダゾリル基、
(50) イミダゾリル基、
(59) ヒドロキシ置換低級アルキル基、又は
(60) 低級アルコキシ低級アルキル基を示す。上記(1)〜(50)で示される各基は、芳香環又は複素環上に、下記(1-1)〜(1-37)から選ばれた置換基を1〜5個(好ましくは1〜3個)有していてもよい。
【0036】
(1-1) ハロゲン原子、
(1-2) 1個以上(好ましくは1〜3個)のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキルチオ基、
(1-3) 1個以上(好ましくは1〜3個)のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基、
(1-4) 1個以上(好ましくは1〜4個)のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルコキシ基、
(1-5) ニトロ基、
(1-6) 低級アルコキシカルボニル基、
(1-7) 1個又は2個の低級アルキル基が置換されていてもよいアミノ基、
(1-8) 低級アルキルスルホニル基、
(1-9) シアノ基、
(1-10) カルボキシ基、
(1-11) 水酸基、
(1-12) チエニル基、
(1-13) オキサゾリル基、
(1-14) ナフチル基、
(1-15) ベンゾイル基、
(1-16) フェノキシ基(フェニル環上にはハロゲン原子が1〜3個置換していてもよい)、
(1-17) フェニル低級アルコキシ基、
(1-18) 低級アルカノイル基、
(1-19) フェニル基(フェニル環上にはハロゲン原子、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アルカノイル基及び低級アルキル基からなる群から選ばれた置換基が1〜5個(好ましくは1〜3個)置換していてもよい)、
(1-20) フェニル低級アルキル基、
(1-21) シアノ低級アルキル基、
(1-22) 窒素原子を1個又は2個含有する5〜7員の飽和ヘテロ環基が置換したスルホニル基(好ましくはピペリジルスルホニル基)、
(1-23) チアゾリル基(チアゾール環上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(1-24) イミダゾリル基、
(1-25) アミノ低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(1-26) ピロリジニル低級アルコキシ基、
(1-27) イソオキサゾリル基、
(1-28) シクロアルキルカルボニル基、
(1-29) ナフチルオキシ基、
(1-30) ピリジル基、
(1-31) フリル基、
(1-32) フェニルチオ基、
(1-33) オキソ基、
(1-34) カルバモイル基、
(1-35) 窒素原子を1個又は2個含有する5〜7員の飽和ヘテロ環基(好ましくはピロリジニル、ピペラジニル又はピペリジル)(飽和ヘテロ環基上には、オキソ基;低級アルキル基;低級アルカノイル基;フェニル低級アルキル基;フェニル環上にハロゲン原子及び低級アルコキシ基からなる群から選ばれた基を1〜3個有していてもよいフェニル基;並びにピリジル基からなる群から選ばれた置換基が1〜3個置換していてもよい)
(1-36) オキシド基、及び
(1-37) 低級アルコキシド基;
但し、R101及びR102は、同時に無置換のフェニル基であってはならない。]
ピロリジン化合物(1)の特に好ましい態様は、一般式(1)で表される化合物又はその塩を含む。
【0037】
【化6】

【0038】
[式中、R101は、(1)フェニル環上に(1-1)ハロゲン原子及び(1-3)1〜3個のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基からなる群から選ばれた置換基が1〜2個置換したフェニル基を示す。
102は、
(1) フェニル基、
(2) ピリジル基、
(9) チアゾリル基、
(10) ピリミジニル基、
(11) ピラジニル基、
(14) チエニル基、
(48) インダゾリル基、
(59) ヒドロキシ置換低級アルキル基、又は
(60) 低級アルコキシ低級アルキル基を示す。上記(1)、(2)、(9)、(10)、(11)、(14)及び(48)で示される各基は、芳香環又は複素環上に(1-1)ハロゲン原子、(1-3)1〜3個のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基及び(1-9)シアノ基からなる群から選ばれた置換基を1〜2個有していてもよい。
【0039】
特に好ましいピロリジン化合物の具体例を以下に示す;
(4−クロロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(4−フルオロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3,4−ジフルオロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
ビス(4−フルオロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3,4−ジフルオロフェニル)−(4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イル−p−トリルアミン、
4−[(S)−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ]ベンゾニトリル
ビス(3−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチアゾール−2−イルアミン、
(4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチアゾール−2−イルアミン、
(3,4−ジクロロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチアゾール−2−イルアミン、
(3,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−5−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(5−クロロピリジン−2−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(6−フルオロピリジン−3−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3,4−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチオフェン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(5−フルオロピリジン−3−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−(5−フルオロピリジン−3−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
2−[(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ)エタノール、
1−[(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ)−2−メチルプロパン−2−オール、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(2−メトキシエチル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
3−[(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ)プロパン−1−オール、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(3−メトキシプロピル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
ベンゾ[b]チオフェン−6−イル−(S)−ピロリジン−3−イルチオフェン−3−イルアミン、及び
ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−(S)−ピロリジン−3−イルチオフェン−3−イルアミン。
【0040】
上記一般式(1)において示される各基は、より具体的にはそれぞれ次の通りである。
【0041】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を示す。
【0042】
1個以上のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキルチオ基は、ハロゲン原子が1〜3個置換していてもよい炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルチオ基を含み、その具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ,イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、sec−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、イソヘキシルチオ、3−メチルペンチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリクロロメチルチオ、クロロメチルチオ、ブロモメチルチオ、フルオロメチルチオ、ヨードメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、ジブロモメチルチオ、2−クロロエチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチオ、2,2,2−トリクロロエチルチオ、3−クロロプロピルチオ、2,3−ジクロロプロピルチオ、4,4,4−トリクロロブチルチオ、4−フルオロブチルチオ、5−クロロペンチルチオ、3−クロロ−2−メチルプロピルチオ、5−ブロモヘキシルチオ、5,6−ジブロモヘキシルチオ基等を例示できる。
【0043】
1個以上のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基は、ハロゲン原子が1〜4個置換していてもよい炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を含み、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル,イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、フルオロメチル、ヨードメチル、ジフルオロメチル、ジブロモメチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、3−クロロプロピル、2,3−ジクロロプロピル、4,4,4−トリクロロブチル、4−フルオロブチル、5−クロロペンチル、3−クロロ−2−メチルプロピル、5−ブロモヘキシル、5,6−ジブロモヘキシル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基等を例示できる。
【0044】
1個以上のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルコキシ基としては、ハロゲン原子が1〜4個置換していてもよい炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基を含み、その具体例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、3−メチルペンチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、フルオロメトキシ、ヨードメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジブロモメトキシ、2−クロロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、3−クロロプロポキシ、2,3−ジクロロプロポキシ、4,4,4−トリクロロブトキシ、4−フルオロブトキシ、5−クロロペンチルオキシ、3−クロロ−2−メチルプロポキシ、5−ブロモヘキシルオキシ、5,6−ジブロモヘキシルオキシ、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基等を例示できる。
【0045】
低級アルコキシカルボニル基は、アルコキシ部分が炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基であるアルコキシカルボニル基を含み、その具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、イソヘキシルオキシカルボニル、3−メチルペンチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0046】
低級アルキル基は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を含み、その具体例として、メチル、エチル、n−プロピル,イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル基等を挙げることができる。
【0047】
低級アルカノイル基は、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルカノイル基を含み、その具体例としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、tert−ブチルカルボニル、ヘキサノイル基等が挙げられる。
【0048】
低級アルキルスルホニル基は、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルスルホニル基を含み、その具体例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル,イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル、イソヘキシルスルホニル、3−メチルペンチルスルホニル基等を例示できる。
【0049】
フェノキシ基(フェノキシ環上にはハロゲン原子が1〜3個置換していてもよい)としては、例えば、フェノキシ、2−フルオロフェノキシ、3−フルオロフェノキシ、4−フルオロフェノキシ、2−クロロフェノキシ、3−クロロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、2−ブロモフェノキシ、3−ブロモフェノキシ、4−ブロモフェノキシ、2−ヨードフェノキシ、3−ヨードフェノキシ、4−ヨードフェノキシ、2,3−ジフルオロフェノキシ、3,4−ジフルオロフェノキシ、3,5−ジフルオロフェノキシ、2,4−ジフルオロフェノキシ、2,6−ジフルオロフェノキシ、2,3−ジクロロフェノキシ、3,4−ジクロロフェノキシ、3,5−ジクロロフェノキシ、2,4−ジクロロフェノキシ、2,6−ジクロロフェノキシ、3,4,5−トリフルオロフェノキシ、3,4,5−トリクロロフェノキシ、2,4,6−トリフルオロフェノキシ、2,4,6−トリクロロフェノキシ、2−フルオロ−4−ブロモフェノキシ、4−クロロ−3−フルオロフェノキシ、2,3,4−トリクロロフェノキシ基等を例示できる。
【0050】
フェニル低級アルコキシ基は、アルコキシ部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基であるフェニルアルコキシ基を含み、その具体例としては、ベンジルオキシ、2−フェニルエトキシ、1−フェニルエトキシ、3−フェニルプロポキシ、4−フェニルブトキシ、5−フェニルペンチルオキシ、6−フェニルヘキシルオキシ、1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ、2−メチル−3−フェニルプロポキシ基等を例示できる。
【0051】
フェニル低級アルキル基は、アルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるフェニルアルキル基を含み、その具体例としては、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、3−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、4−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、2−メチル−3−フェニルプロピル、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基等を例示できる。
【0052】
シアノ低級アルキル基は、アルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるシアノアルキル基を含み、その具体例としては、シアノメチル、2−シアノエチル、1−シアノエチル、3−シアノプロピル、4−シアノブチル、1,1−ジメチル−2−シアノエチル、5−シアノペンチル、6−シアノヘキシル、1−シアノイソプロピル、2−メチル−3−シアノプロピル基等を例示できる。
【0053】
チアゾリル基(チアゾール環上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)は、チアゾール環上に炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を1個又は2個有することのあるチアゾリル基を含み、その具体例としては、(2−、4−又は5−)チアゾリル、2−メチル−(4−又は5−)チアゾリル、4−メチル−(2−又は5−)チアゾリル、2−エチル−(4−又は5−)チアゾリル、4−n−プロピル−(2−又は5−)チアゾリル、5−n−ブチル−(2−又は4−)チアゾリル、2−n−ペンチル−(4−又は5−)チアゾリル、4−n−ヘキシル−(2−又は5−)チアゾリル、2,4−ジメチル−5−チアゾリル基等を例示できる。
【0054】
アミノ低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)は、アルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるアミノアルキル基(アミノ基上には、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が1個又は2個置換していてもよい)を含み、その具体例としては、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、5−アミノペンチル、6−アミノヘキシル、1,1−ジメチル−2−アミノエチル、2−メチル−3−アミノプロピル、メチルアミノメチル、2−エチルアミノエチル、3−プロピルアミノプロピル、3−イソプロピルアミノプロピル、4−ブチルアミノブチル、5−ペンチルアミノペンチル、6−ヘキシルアミノヘキシル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジイソプロピルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、ジイソプロピルアミノメチル、3−ジイソプロピルアミノプロピル、(N−エチル−N−プロピルアミノ)メチル、2−(N−メチル−N−ヘキシルアミノ)メチル基等を例示できる。
【0055】
ピロリジニル低級アルコキシ基は、アルコキシ部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基であるピロリジニルアルコキシ基を含み、その具体例としては、(1−、2−又は3−)ピロリジニルメトキシ、2−[(1−、2−又は3−)ピロリジニル]エトキシ、1−[(1−、2−又は3−)ピロリジニル]エトキシ、3−[(1−、2−又は3−)ピロリジニル]プロポキシ、4−[(1−、2−又は3−)ピロリジニル]ブトキシ、5−[(1−、2−又は3−)ピロリジニル]ペンチルオキシ、6−[(1−、2−又は3−)ピロリジニル]ヘキシルオキシ、1,1−ジメチル−2−[(1−、2−又は3−)ピロリジニル]エトキシ、2−メチル−3−[(1−、2−又は3−)ピロリジニル]プロポキシ基等を例示できる。
【0056】
シクロアルキル基は、炭素数3〜8のシクロアルキル基を含み、その具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等を挙げることができる。
【0057】
シクロアルキルカルボニル基は、シクロアルキル部分が炭素数3〜8のシクロアルキル基であるシクロアルキルカルボニル基を含み、その具体例としては、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル、シクロオクチルカルボニル基等を挙げることができる。
【0058】
低級アルコキシ基は、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基を含み、その具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、3−メチルペンチルオキシ基等を挙げることができる。
【0059】
低級アルキルチオ基は、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルチオ基を含み、その具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ,イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、sec−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、イソヘキシルチオ、3−メチルペンチルチオ基等を例示できる。
【0060】
フェニル環上にハロゲン原子及び低級アルコキシ基なる群から選ばれた基を1〜3個有していてもよいフェニル基は、フェニル環上に置換基としてハロゲン原子及び炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基なる群から選ばれた基を1〜3個有していてもよいフェニル基を含み、その具体例としては、フェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシルフェニル、2−エトキシフェニル、3−エトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−イソプロポキシフェニル、3−ブトキシフェニル、4−ペンチルオキシフェニル、4−ヘキシルオキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジエトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−メトキシ−4−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、3−ブロモフェニル、4−ヨードフェニル、2−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−ヨードフェニル、3−ヨードフェニル、2,3−ジブロモフェニル、2,4−ジヨードフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル基等を例示できる。
【0061】
窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれたヘテロ原子を1個又は2個含有する5〜7員の飽和複素環基としては、具体的には、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル等を例示できる。
【0062】
置換基としてオキソ基;低級アルキル基;低級アルカノイル基;フェニル低級アルキル基;フェニル環上にハロゲン原子及び低級アルコキシ基なる群から選ばれた基を1〜3個有していてもよいフェニル基並びにピリジル基なる群から選ばれた基を1〜3個有する上記複素環基は、置換基としてオキソ基;炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基;炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルカノイル基;アルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるフェニルアルキル基;フェニル環上に置換基としてハロゲン原子及び炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基なる群から選ばれた基を1〜3個有することのあるフェニル基並びにピリジル基なる群から選ばれた基を1〜3個有する上記複素環基を含み、その具体例としては、2−オキソ−(1−、3−、4−又は5−)ピロリジニル、2−オキソ−(1−、3−、4−、5−又は6−)ピペラジニル、4−メチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−アセチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−エチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、2−メチル−(1−、2−、3−、4−又は5−)ピロリジニル、2−メチル−(1−、2−、3−、4−、5−又は6−)ピペリジニル、2,4−ジメチル−(1−、2−、3−、5−又は6−)ピペリジニル、3−メチル−(1−、2−、3−、4−又は5−)ピロリジニル、2,3,4−トリメチル−(1−、2−、3−、5−又は6−)ピぺラジニル、4−アセチル−3−メチル−(1−、2−、3−、5−又は6−)ピペラジニル、3−メチル−(2−、3−、4−、5−又は6−)モルホリノ、2−アセチル−(2−、3−、4−、5−又は6−)モルホリノ、4−(2−フェニルエチル)−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−(1−、2−、3−又は4−)ピペラジニル、4−(4−メトキシフェニル)−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−(2−クロロフェニル)−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−[(2−、3−又は4−)ピリジル]−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−フェニル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−ベンジル−(1−、2−又は3−)ピペリジニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−(1−、2−又は3−)モルホリノ、2−(4−メトキシフェニル)−(1−、2−、3−、4−又は5−)ピロリジニル、4−(2−クロロフェニル)−(1−、2−又は3−)ピペリジニル、4−[(2−、3−又は4−)ピリジル]−(1−、2−又は3−)ピペリジニル、4−フェニル−(1−、2−又は3−)ピペリジニル、4−フェニル−3−メチル−(1−、2−、3−、5−又は6−)ピペラジニル、4−[(2−、3−又は4−)ピリジル]−2−アセチル−(1−、2−、3−、5−又は6−)ピペラジニル基等を例示できる。
【0063】
シクロアルキル低級アルキル基は、シクロアルキル部分が炭素数3〜8のシクロアルキル基であり且つアルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるシクロアルキルアルキル基を含み、その具体例としては、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロプロピルエチル、1−シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、3−シクロペンチルプロピル、4−シクロヘキシルブチル、5−シクロヘプチルペンチル、6−シクロオクチルヘキシル、1,1−ジメチル−2−シクロヘキシルエチル、2−メチル−3−シクロプロピルプロピル基等を挙げることができる。
【0064】
低級アルキルチオ低級アルキル基は、アルキルチオ部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルチオ基であり且つアルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるアルキルチオアルキル基を含み、その具体例としては、メチルチオメチル、2−メチルチオエチル、1−エチルチオエチル、2−エチルチオエチル、3−n−ブチルチオプロピル、4−n−プロピルチオブチル、1,1−ジメチル−2−n−ペンチルチオエチル、5−n−ヘキシルチオペンチル、6−メチルチオヘキシル、1−エチルチオイソプロピル、2−メチル−3−メチルチオプロピル基等を例示できる。
【0065】
フェノキシ低級アルキル基は、アルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるフェノキシアルキル基を含み、その具体例としては、フェノキシメチル、1−フェノキシエチル、2−フェノキシエチル、3−フェノキシプロピル、2−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、5−フェノキシペンチル、4−フェノキシペンチル、6−フェノキシヘキシル、2−メチル−3−フェノキシプロピル、1,1−ジメチル−2−フェノキシエチル等を例示できる。
【0066】
ピリジルオキシ低級アルキル基としては、アルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるピリジルオキシアルキル基を含み、その具体例としては、[2−、3−又は4−]ピリジルオキシ]メチル、1−[2−、3−又は4−]ピリジルオキシ]エチル、2−[2−、3−又は4−]ピリジルオキシ]エチル、3−[2−、3−又は4−]ピリジルオキシ]プロピル、2−[2−、3−又は4−]ピリジルオキシ]プロピル、4−[2−、3−又は4−]ピリジルオキシ]ブチル、5−[2−、3−又は4−]ピリジルオキシ]ペンチル、4−[2−、3−又は4−]ピリジルオキシ]ペンチル、6−[2−、3−又は4−]ピリジルオキシ]ヘキシル、2−メチル−3−[2−、3−又は4−]ピリジルオキシ]プロピル、1,1−ジメチル−2−[2−、3−又は4−]ピリジルオキシ]エチル等を例示できる。
【0067】
低級アルキニル基は、炭素数2〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキニル基を含み、その具体例としては、エチニル、(1−又は2−)プロピニル、1−メチル−(1−又は2−)プロピニル、1−エチル−(1−又は2−)プロピニル、(1−、2−又は3−)ブチニル、(1−、2−、3−又は4−)ペンチニル、(1−、2−、3−、4−又は5−)ヘキシニル基等を例示できる。
【0068】
フェニル低級アルケニル基は、アルケニル部分が炭素数2〜6の直鎖又は分枝鎖状のアルケニル基であり、二重結合を1〜3個含有するフェニルアルケニル基を含み、その具体例としては、スチリル、3−フェニル−2−プロペニル(慣用名:シンナミル)、4−フェニル−2−ブテニル、4−フェニル−3−ブテニル、5−フェニル−4−ペンテニル、5−フェニル−3−ペンテニル、6−フェニル−5−ヘキセニル、6−フェニル−4−ヘキセニル、6−フェニル−3−ヘキセニル、4−フェニル−1,3−ブタジエニル、6−フェニル−1,3,5−ヘキサトリエニル基等を例示できる。
【0069】
シクロアルキル低級アルキル基は、シクロアルキル部分が前記例示の炭素数3〜8のシクロアルキル基であり且つアルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるシクロアルキルアルキル基を含む。
【0070】
低級アルキルチオ低級アルキル基は、アルキルチオ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルチオ基であり且つアルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるアルキルチオアルキル基を含む。
【0071】
アミノ置換低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であり、アミノ基上に炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が1個又は2個置換していてもよいアミノ置換アルキル基を含む。
【0072】
フェノキシ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるフェノキシアルキル基を含む。
【0073】
ピリジルオキシ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるピリジルオキシアルキル基を含む。
【0074】
1,2,3,4−テトラヒドロナフチル低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基である1,2,3,4−テトラヒドロナフチルアルキル基を含む。
【0075】
イミダゾ[1,2−a]ピリジル低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるイミダゾ[1,2−a]ピリジルアルキル基を含む。
【0076】
チアゾリル低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるチアゾリルアルキル基を含む。
【0077】
テトラヒドロピラニル低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるテトラヒドロピラニルアルキル基を含む。
【0078】
ピペリジル低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるピペリジルアルキル基を含む。
【0079】
ジフェニル低級アルコキシ置換低級アルキル基は、アルコキシ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基であり、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるジフェニルアルコキシ置換アルキル基を含む。
【0080】
低級アルコキシカルボニル置換低級アルキル基は、アルコキシ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基であり、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるアルコキシカルボニル置換アルキル基を含む。
【0081】
フェニル低級アルコキシカルボニル置換低級アルキル基は、アルコキシ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基であり、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるフェニルアルコキシカルボニル置換アルキル基を含む。
【0082】
ヒドロキシ置換低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であり、ヒドロキシ基が1〜3個置換したアルキル基を含み、その具体例としては、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、4−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2,3,4−トリヒドロキシブチル基等を例示できる。
【0083】
低級アルコキシ低級アルキル基は、アルコキシ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基であり、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるアルコキシアルキル基を含み、その具体例としては、メトキシメチル、1−メトキシエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、3−プロポキシプロピル、4−メトキシブチル、3−メトキシブチル、5−メトキシペンチル、4−エトキシペンチル、6−メトキシヘキシル、2,2−ジメチル−3−メトキシプロピル、1,1−ジメチル−2−メトキシエチル基等を例示できる。
【0084】
カルボキシ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるカルボキシアルキル基を含む。
【0085】
カルバモイル置換低級アルキル基(カルバモイル基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるカルバモイル置換アルキル基(カルバモイル基上には、前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が1〜2個置換していてもよい)を含む。
【0086】
モルホリニルカルボニル低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるモルホリニルカルボニルアルキル基を含む。
【0087】
ベンゾイル低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるベンゾイルアルキル基を含む。
【0088】
フェニルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるフェニルチオアルキル基を含む。
【0089】
ナフチルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるナフチルチオアルキル基を含む。
【0090】
シクロアルキルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるシクロアルキルチオアルキル基を含む。
【0091】
ピリジルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるピリジルチオアルキル基を含む。
【0092】
ピリミジニルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるピリミジニルチオアルキル基を含む。
【0093】
フリルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるフリルチオアルキル基を含む。
【0094】
チエニルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるチエニルチオアルキル基を含む。
【0095】
1,3,4−チアジアゾリルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基である1,3,4−チアジアゾリルチオアルキル基を含む。
【0096】
ベンズイミダゾリルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるベンズイミダゾリルチオアルキル基を含む。
【0097】
ベンズチアゾリルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるベンズチアゾリルチオアルキル基を含む。
【0098】
テトラゾリルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるテトラゾリルチオアルキル基を含む。
【0099】
ベンゾキサゾリルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるベンゾキサゾリルチオアルキル基を含む。
【0100】
チアゾリルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるチアゾリルチオアルキル基を含む。
【0101】
イミダゾリルチオ低級アルキル基は、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるイミダゾリルチオアルキル基を含む。
【0102】
アミノ置換低級アルキルチオ低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)は、アルキルチオ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルチオ基であり、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるアミノ置換アルキルチオアルキル基(アミノ基上には、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が1〜2個置換していてもよい)を含む。
【0103】
フェニル置換低級アルキルチオ低級アルキル基は、アルキルチオ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルチオ基であり、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるフェニル置換アルキルチオアルキル基を含む。
【0104】
フリル置換低級アルキルチオ低級アルキル基は、アルキルチオ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルチオ基であり、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるフリル置換アルキルチオアルキル基を含む。
【0105】
ピリジル置換低級アルキルチオ低級アルキル基は、アルキルチオ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルチオ基であり、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるピリジル置換アルキルチオアルキル基を含む。
【0106】
ヒドロキシ置換低級アルキルチオ低級アルキル基は、アルキルチオ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルチオ基であり、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるヒドロキシ置換アルキルチオアルキル基を含む。
【0107】
フェノキシ置換低級アルキルチオ低級アルキル基は、アルキルチオ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルチオ基であり、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるフェノキシ置換アルキルチオアルキル基を含む。
【0108】
低級アルコキシカルボニル置換低級アルキルチオ低級アルキル基は、アルコキシ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基であり、アルキルチオ部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルチオ基であり、アルキル部分が前記例示の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるアルコキシカルボニル置換アルキルチオアルキル基を含む。
【0109】
低級アルケニル基は、炭素数2〜6の直鎖又は分枝鎖状アルケニル基を含み、その具体例としては、ビニル、1−プロペニル、アリル、1−メチルアリル、(1−、2−又は3−)ブテニル、(1−、2−、3−又は4−)ペンテニル、(1−、2−、3−、4−又は5−)ヘキセニル基等を例示できる。
【0110】
窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれたヘテロ原子を1個又は2個含有する5〜7員の飽和ヘテロ環基が置換したスルホニル基としては、具体的には、ピロリジニルスルホニル、ピペラジニルスルホニル、ピペリジニルスルホニル、モルホリノスルホニル、チオモルホリノスルホニル、ホモピペラジニルスルホニル、ホモピペリジニルスルホニル、イミダゾリジニルスルホニル、チアゾリジニルスルホニル、イソチアゾリジニルスルホニル、オキサゾリジニルスルホニル、イソオキサゾリジニルスルホニル、イソチアゾリジニルスルホニル、ピラゾリジニルスルホニル等を例示できる。
【0111】
低級アルコキシド基は、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシド基を含み、その具体例としては、メトキシド、エトキシド等を例示できる。
【0112】
上記一般式(1)で表されるピロリジン化合物は、種々の方法により製造され得るが、その一例を示せば、例えば、下記反応式−1で示される方法により製造される。
【0113】
[反応式−1]
【0114】
【化7】

【0115】
[式中、R101及びR102は前記に同じ。R112は、アミノ保護基を示す。]
ピロリジン化合物(1)は、化合物(2)をアミノ保護基の除去反応に付すことにより製造される。
【0116】
ここで、アミノ基の保護基としては、例えば、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基、アリールオキシカルボニル基、アリール置換低級アルキル基等を例示できる。
【0117】
低級アルコキシカルボニル基は、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシカルボニル基を含み、その具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0118】
低級アルカノイル基は、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルカノイル基を含み、その具体例としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、tert−ブチルカルボニル、ヘキサノイル基等が挙げられる。
【0119】
アリールオキシカルボニル基の具体例としては、例えば、置換基を1〜3個有していてもよいフェノキシカルボニル基、置換基を1〜3個有していてもよいナフチルオキシカルボニル基等が挙げられる。アリール基の置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、5,5,4−トリヒドロキシペンチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、1−ヒドロキシイソプロピル、2−メチル−3−ヒドロキシプロピル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、フルオロメチル、ヨードメチル、ジフルオロメチル、ジブロモメチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、3−クロロプロピル、2,3−ジクロロプロピル、4,4,4−トリクロロブチル、4−フルオロブチル、5−クロロペンチル、3−クロロ−2−メチルプロピル、5−ブロモヘキシル、5,6−ジクロロヘキシル、3−ヒドロキシ−2−クロロプロピル基等の置換基としてハロゲン原子及び水酸基なる群から選ばれた基を1〜3個有することのある炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、ヒドロキシメトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、1−ヒドロキシエトキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、2,3−ジヒドロキシプロポキシ、4−ヒドロキシブトキシ、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエトキシ、5,5,4−トリヒドロキシペンチルオキシ、5−ヒドロキシペンチルオキシ、6−ヒドロキシヘキシルオキシ、1−ヒドロキシイソプロポキシ、2−メチル−3−ヒドロキシプロポキシ、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、フルオロメトキシ、ヨードメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジブロモメトキシ、2−クロロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、3−クロロプロポキシ、2,3−ジクロロプロポキシ、4,4,4−トリクロロブトキシ、4−フルオロブトキシ、5−クロロペンチルオキシ、3−クロロ−2−メチルプロポキシ、5−ブロモヘキシルオキシ、5,6−ジクロロヘキシルオキシ、3−ヒドロキシ−2−クロロプロポキシ基等の置換基としてハロゲン原子及び水酸基なる群から選ばれた基を1〜3個有することのある炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基;弗素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等を例示できる。置換基が2個以上の場合、これらの置換基は、同種のものであってもよいし、異種のものであってもよい。
【0120】
アリール置換低級アルキル基としては、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル、2−メチル−3−フェニルプロピル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、2−(α−ナフチル)エチル、1−(β−ナフチル)エチル、3−(α−ナフチル)プロピル、4−(β−ナフチル)ブチル、5−(α−ナフチル)ペンチル、6−(β−ナフチル)ヘキシル、1,1−ジメチル−2−(α−ナフチル)エチル、2−メチル−3−(β−ナフチル)プロピル基等の置換基を1〜3個有していてもよいフェニル基が置換した炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基、置換基を1〜3個有していてもよいナフチル基が置換した炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基等が挙げられる。アリール基の置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、5,5,4−トリヒドロキシペンチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、1−ヒドロキシイソプロピル、2−メチル−3−ヒドロキシプロピル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、フルオロメチル、ヨードメチル、ジフルオロメチル、ジブロモメチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、3−クロロプロピル、2,3−ジクロロプロピル、4,4,4−トリクロロブチル、4−フルオロブチル、5−クロロペンチル、3−クロロ−2−メチルプロピル、5−ブロモヘキシル、5,6−ジクロロヘキシル、3−ヒドロキシ−2−クロロプロピル基等の置換基としてハロゲン原子及び水酸基なる群から選ばれた基を1〜3個有することのある炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、ヒドロキシメトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、1−ヒドロキシエトキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、2,3−ジヒドロキシプロポキシ、4−ヒドロキシブトキシ、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエトキシ、5,5,4−トリヒドロキシペンチルオキシ、5−ヒドロキシペンチルオキシ、6−ヒドロキシヘキシルオキシ、1−ヒドロキシイソプロポキシ、2−メチル−3−ヒドロキシプロポキシ、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、フルオロメトキシ、ヨードメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジブロモメトキシ、2−クロロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、3−クロロプロポキシ、2,3−ジクロロプロポキシ、4,4,4−トリクロロブトキシ、4−フルオロブトキシ、5−クロロペンチルオキシ、3−クロロ−2−メチルプロポキシ、5−ブロモヘキシルオキシ、5,6−ジクロロヘキシルオキシ、3−ヒドロキシ−2−クロロプロポキシ基等の置換基としてハロゲン原子及び水酸基なる群から選ばれた基を1〜3個有することのある炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基;弗素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等を例示できる。置換基が2個以上の場合、これらの置換基は、同種のものであってもよいし、異種のものであってもよい。
【0121】
化合物(2)から化合物(1)を製造する反応は、適当な溶媒中又は無溶媒下、酸又は塩基性化合物の存在下に行われる。この反応を、以下「反応A」という。
【0122】
用いられる溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類;酢酸、蟻酸等の脂肪酸類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド;ヘキサメチル燐酸トリアミド又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0123】
酸としては、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸等の鉱酸及び蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を挙げることができる。
【0124】
塩基性化合物としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等の金属水酸化物等を挙げることができる。
【0125】
酸又は塩基性化合物の使用量は、化合物(2)1モルに対して、通常少なくとも1モル程度、好ましくは1〜10モル程度であるが、酸は、化合物(2)に対して大過剰に用いてもよい。
【0126】
この反応は、通常0〜200℃程度、好ましくは0〜150℃程度にて好適に進行し、一般に10分〜30時間程度で終了する。
【0127】
112がアリール置換低級アルキル基を示す化合物(2)の場合、該化合物(2)を還元することによっても化合物(1)を製造することができる。
【0128】
この還元反応は、例えば適当な溶媒中、触媒の存在下、接触水素添加することにより行われる。
【0129】
使用される溶媒としては、例えば水;酢酸;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0130】
使用される触媒としては、例えば、パラジウム、パラジウム−黒、パラジウム−炭素、白金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネーニッケル等又はこれらの混合物等が挙げられる。触媒は、化合物(2)に対して一般に0.02〜1倍重量程度使用される。
【0131】
該還元反応の反応温度は、通常−20〜100℃付近、好ましくは0〜80℃付近、水素圧は通常1〜10気圧である。該反応は、一般に0.5〜20時間程度で終了する。
【0132】
112がアリール置換低級アルキル基を示す化合物(2)の場合、(i) 適当な溶媒中、該化合物(2)を脱アルキル化剤を用いて処理し、(ii) 次いで得られる化合物を適当な溶媒中で加熱する工程により化合物(1)に導くことができる。
【0133】
工程(i)の反応で使用される溶媒としては、上記反応Aで用いられる溶媒と同じ溶媒をいずれも使用することができる。
【0134】
脱アルキル化剤としては、例えば、クロロ蟻酸1−クロロエチル、クロロ蟻酸エチル、クロロ蟻酸tert−ブチル等の蟻酸エステル類等が挙げられる。脱アルキル化剤は、化合物(2)1モルに対して、通常少なくとも1モル程度、好ましくは1〜10モル程度で使用される。
【0135】
該反応は、通常0〜150℃程度、好ましくは室温〜100℃付近にて好適に進行し、一般に1〜25時間程度にて終了する。
【0136】
工程(ii)で使用される溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類を挙げることができる。加熱温度は、通常0〜150℃程度、好ましくは室温〜100℃付近であり、1〜10時間程度加熱するのがよい。
【0137】
出発原料として用いられる一般式(2)の化合物は、例えば、反応式−2に示す方法により容易に製造できる。
【0138】
[反応式−2]
【0139】
【化8】

【0140】
[式中、R101、R102及びR112は前記に同じ。]
化合物(3)と化合物(4)との反応は、例えば、無溶媒又は適当な溶媒中、還元剤の存在下に行われる。
【0141】
該反応において、化合物(4)は、化合物(3)1モルに対して、通常少なくとも1モル程度、好ましくは1モル〜大過剰量用いられる。
【0142】
この反応で使用される溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等の低級アルコール類;アセトニトリル;蟻酸、酢酸等の脂肪酸;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類又はこれらの混合溶媒等を例示できる。
【0143】
還元剤としては、例えば、蟻酸等の脂肪酸;蟻酸ナトリウム等の脂肪酸アルカリ金属塩;水素化硼素ナトリウム、水素化シアノ硼素ナトリウム、水素化トリアセチルオキシ硼素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム等の水素化還元剤又はこれらの水素化還元剤の混合物、パラジウム−黒、パラジウム−炭素、酸化白金、白金黒、ラネーニッケル等の接触水素還元剤等を例示できる。
【0144】
還元剤として脂肪酸及び脂肪酸アルカリ金属塩を使用する場合、反応温度は、通常室温〜200℃程度、好ましくは50〜150℃程度付近が適当である。該反応は一般に10分〜10時間程度にて終了する。脂肪酸又は脂肪酸アルカリ金属塩は、好ましくは化合物(3)に対して大過剰量使用される。
【0145】
還元剤として水素化還元剤を使用する場合、反応温度は、通常−80〜100℃程度、好ましくは−80〜70℃程度が適当である。該反応は一般に30分〜60時間程度で終了する。水素化還元剤は、化合物(3)1モルに対して、通常1モル〜20モル程度、好ましくは1モル〜6モル程度用いられる。特に水素化還元剤として水素化アルミニウムリチウムを使用する場合、溶媒はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類又はこれらの混合溶媒を使用するのが好ましい。該反応の反応系内に、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン等のアミン類、又はタイプ3Aのモレキュラーシーヴス(MS−3A)、タイプ4Aのモレキュラーシーヴス(MS−4A)等のモレキュラーシーヴスを添加してもよい。
【0146】
還元剤として接触水素還元剤を使用する場合、反応は、通常常圧〜20気圧程度、好ましくは常圧〜10気圧程度の水素雰囲気中で、又は蟻酸、蟻酸アンモニウム、シクロへキセン、抱水ヒドラジン等の水素供与剤の存在下で、通常−30〜100℃程度、好ましくは0〜60℃程度の温度で行われる。該反応は、一般に1〜12時間程度で終了する。接触水素還元剤は、化合物(3)に対して、通常0.1〜40重量%程度、好ましくは1〜20重量%程度用いられる。
【0147】
[反応式−3]
【0148】
【化9】

【0149】
[式中、R101、R102及びR112は前記に同じ。R113は、低級アルキルスルホニルオキシ基、フェニル環上に1個以上の低級アルキル基が置換していてもよいフェニルスルホニルオキシ基又はハロゲン原子を示す。]
低級アルキルスルホニルオキシ基とは、炭素数1〜6のアルキル基とスルホニルオキシ基で構成される基であって、例えば、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、プロパンスルホニルオキシ基、ブタンスルホニルオキシ基、ペンタンスルホニルオキシ基、ヘキサンスルホニルオキシ基等を挙げることができる。
【0150】
フェニル環上に1個以上の低級アルキル基が置換していてもよいフェニルスルホニルオキシ基としては、例えば、ベンゼンスルホニルオキシ基、o−トルエンスルホニルオキシ基、m−トルエンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、2−エチルベンゼンスルホニルオキシ基、3−エチルベンゼンスルホニルオキシ基、4−エチルベンゼンスルホニルオキシ基、2−プロピルベンゼンスルホニルオキシ基、3−プロピルベンゼンスルホニルオキシ基、4−プロピルベンゼンスルホニルオキシ基、2,3−ジメチルベンゼンスルホニルオキシ基、2,4−ジメチルベンゼンスルホニルオキシ基、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が1〜3個置換していてもよいベンゼンスルホニルオキシ基を挙げることができる。
【0151】
ハロゲン原子としては、弗素原子、臭素原子、塩素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
【0152】
化合物(4)と化合物(5)との反応は、適当な溶媒中、塩基性化合物の存在下に行われる。
【0153】
用いられる不活性溶媒としては、例えば、水;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、2−メトキシエタノール、モノグライム、ジグライム等のエーテル類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等の低級アルコール類;酢酸等の脂肪酸;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;アセトニトリル、ピリジン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミド又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0154】
塩基性化合物としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;ナトリウムアミド;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウムn−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコラート類;ピリジン、イミダゾール、N−エチルジイソプロピルアミン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN),1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等の有機塩基又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0155】
化合物(5)は、化合物(4)1モルに対して、通常少なくとも0.1モル程度、好ましくは0.1〜10モル程度用いられる。
【0156】
塩基性化合物は、化合物(4)1モルに対して、通常少なくとも1モル程度、好ましくは1〜10モル程度使用される。
【0157】
該反応においては、塩基性化合物を添加する代わりに化合物(4)を大過剰量使用してもよい。
【0158】
この反応の反応系内には、沃化ナトリウム、沃化カリウム等のアルカリ金属ハロゲン化合物等を添加してもよい。
【0159】
該反応は、通常0〜200℃程度、好ましくは0〜150℃程度にて行われ、一般に5分〜80時間程度にて反応は終了する。
【0160】
[反応式−4]
【0161】
【化10】

【0162】
[式中、R101、R102及びR112は前記に同じ。Xは、ハロゲン原子を示す。]
化合物(6)と化合物(7)との反応及び化合物(8)と化合物(9)との反応は、前記反応式−3における化合物(5)と化合物(4)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0163】
101又はR102が、前記(1)〜(14)、(17)〜(32)及び(40)〜(50)で示されるいずれかの基を示す化合物(6)の場合、該化合物(6)と化合物(7)の反応を、適当な溶媒中、塩基性化合物及び触媒の存在下に行うことができる。また、R101又はR102が、前記(1)〜(14)、(17)〜(32)及び(40)〜(50)で示されるいずれかの基を示す化合物(8)の場合も同様に、該化合物(8)と化合物(9)の反応を、適当な溶媒中、塩基性化合物及び触媒の存在下に行うことができる。
【0164】
これらの反応で使用される溶媒及び塩基性化合物としては、前記反応式−3における化合物(5)と化合物(4)の反応で用いられる溶媒及び塩基性化合物と同じ溶媒及び塩基性化合物を使用することができる。
【0165】
触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、ビス(トリブチル錫)/ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ヨウ化銅/2,2'−ビピリジル、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム等のパラジウム化合物;R−2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル(R−BINAP)、S−2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル(S−BINAP)、RAC−2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル(RAC−BINAP)等のビナフチル化合物;4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン等のキサンテン化合物;トリtert−ブチルホスフィンテトラフルオロ硼酸塩等の硼酸塩;2,2−ビス(ジフェニルイミダゾリディニリデン)又はこれらの混合物等を挙げることができる。
【0166】
塩基性化合物は、化合物(6)又は(8)1モルに対して、通常少なくとも0.5モル程度、好ましくは0.5〜40倍モル量程度使用される。
【0167】
触媒は、化合物(6)又は(8)に対して、通常の触媒量で使用される。
【0168】
化合物(7)及び(9)は、化合物(6)又は(8)1モルに対して、通常少なくとも0.5モル程度、好ましくは0.5〜3モル量程度使用される。
【0169】
これらの反応は、通常室温〜200℃程度、好ましくは室温〜150℃付近にて好適に進行し、一般に0.5〜20時間程度にて終了する。
【0170】
101又はR102が、前記(1)〜(14)、(17)〜(32)及び(40)〜(50)で示されるいずれかの基を示す化合物(6)の場合、該化合物(6)と化合物(7)の反応を、適当な溶媒中、塩基性化合物、ヨウ化銅及びエチレングリコールの存在下に行うことができる。また、R101又はR102が、前記(1)〜(14)、(17)〜(32)及び(40)〜(50)で示されるいずれかの基を示す化合物(8)の場合も同様に、該化合物(8)と化合物(9)の反応を、適当な溶媒中、塩基性化合物、ヨウ化銅及びエチレングリコールの存在下に行うことができる。
【0171】
該反応で使用される溶媒及び塩基性化合物としては、前記反応式−3における化合物(5)と化合物(4)の反応で用いられる溶媒及び塩基性化合物と同じ溶媒及び塩基性化合物を使用することができる。
【0172】
ヨウ化銅及びエチレングリコールは、化合物(6)又は(7)1モルに対して、各々、通常0.01〜3モル程度、好ましくは0.05〜1モル程度使用される。
【0173】
化合物(7)及び(9)は、化合物(6)又は(8)1モルに対して、通常少なくとも1モル程度、好ましくは1モル〜2モル程度使用される。
【0174】
これらの反応は、通常室温〜200℃程度、好ましくは室温〜150℃付近にて好適に進行し、一般に0.5〜50時間程度にて終了する。
【0175】
101又はR102が、前記(1)〜(14)、(17)〜(32)及び(40)〜(50)で示されるいずれかの基を示す化合物(6)の場合、該化合物(6)と化合物(7)の反応を、適当な溶媒中、ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム等のシラン化合物の存在下に行うことができる。また、R101又はR102が、前記(1)〜(14)、(17)〜(32)及び(40)〜(50)で示されるいずれかの基を示す化合物(8)の場合も同様に、該化合物(8)と化合物(9)の反応を、適当な溶媒中、ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム等のシラン化合物の存在下に行うことができる。
【0176】
該反応で使用される溶媒としては、前記反応式−3における化合物(5)と化合物(4)の反応で用いられる溶媒と同じ溶媒を使用することができる。
【0177】
シラン化合物は、化合物(6)又は(7)1モルに対して、通常0.1〜3モル程度、好ましくは0.1〜2モル程度使用される。
【0178】
化合物(7)及び(9)は、化合物(6)又は(8)1モルに対して、通常少なくとも1モル程度、好ましくは1〜2モル量程度使用される。
【0179】
これらの反応は、通常0〜200℃程度、好ましくは0〜150℃付近にて好適に進行し、一般に0.5〜20時間程度にて終了する。
【0180】
上記化合物(6)と化合物(7)との反応において、使用される化合物(7)の種類によっては、化合物(8)の代わりに下記に示す化合物(10)が製造される。
【0181】
【化11】

【0182】
[式中、R101及びR112は前記に同じ。]
[反応式−5]
【0183】
【化12】

【0184】
[式中、R101及びXは前記に同じ。R108は、一般式(1)において定義された(1-1)〜(1-37)で示されるいずれかの基を示す。R110及びR111は、これらが結合する窒素原子と共に、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれたヘテロ原子を1個有していてもよい1個の窒素原子を含有する5〜7員の飽和ヘテロ環基(飽和ヘテロ環基上には、オキソ基;低級アルキル基;低級アルカノイル基;フェニル低級アルキル基;フェニル環上にハロゲン原子及び低級アルコキシ基からなる群から選ばれた基を1〜3個有していてもよいフェニル基;並びにピリジル基からなる群から選ばれた置換基が1〜3個置換していてもよい)を形成する。b’は、0〜3の整数を示す。]
窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれたヘテロ原子を1個有していてもよい1個の窒素原子を含有する5〜7員の飽和ヘテロ環基としては、具体的には、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル等を例示できる。
【0185】
置換基としてオキソ基;低級アルキル基;低級アルカノイル基;フェニル低級アルキル基;フェニル環上に置換基としてハロゲン原子及び低級アルコキシ基なる群から選ばれた基を1〜3個有することのあるフェニル基並びにピリジル基なる群から選ばれた基を1〜3個有する上記複素環基は、置換基としてオキソ基;炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基;炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルカノイル基;アルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であるフェニルアルキル基;フェニル環上に置換基としてハロゲン原子及び炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基なる群から選ばれた基を1〜3個有することのあるフェニル基並びにピリジル基なる群から選ばれた基を1〜3個有する上記複素環基を含み、その具体例としては、2−オキソ−(1−、3−、4−又は5−)ピロリジニル、2−オキソ−(1−、3−、4−、5−又は6−)ピペラジニル、4−メチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−アセチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−エチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、2−メチル−(1−、2−、3−、4−又は5−)ピロリジニル、2−メチル−(1−、2−、3−、4−、5−又は6−)ピペリジニル、2,4−ジメチル−(1−、2−、3−、5−又は6−)ピペリジニル、3−メチル−(1−、2−、3−、4−又は5−)ピロリジニル、2,3,4−トリメチル−(1−、2−、3−、5−又は6−)ピぺラジニル、4−アセチル−3−メチル−(1−、2−、3−、5−又は6−)ピペラジニル、3−メチル−(2−、3−、4−、5−又は6−)モルホリノ、2−アセチル−(2−、3−、4−、5−又は6−)モルホリノ、4−(2−フェニルエチル)−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−(1−、2−、3−又は4−)ピペラジニル、4−(4−メトキシフェニル)−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−(2−クロロフェニル)−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−[(2−、3−又は4−)ピリジル]−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−フェニル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−ベンジル−(1−、2−又は3−)ピペリジニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−(1−、2−又は3−)モルホリノ、2−(4−メトキシフェニル)−(1−、2−、3−、4−又は5−)ピロリジニル、4−(2−クロロフェニル)−(1−、2−又は3−)ピペリジニル、4−[(2−、3−又は4−)ピリジル]−(1−、2−又は3−)ピペリジニル、4−フェニル−(1−、2−又は3−)ピペリジニル、4−フェニル−3−メチル−(1−、2−、3−、5−又は6−)ピペラジニル、4−[(2−、3−又は4−)ピリジル]−2−アセチル−(1−、2−、3−、5−又は6−)ピペラジニル基等を例示できる。
【0186】
化合物(11)と化合物(12)との反応は、前記反応式−4における化合物(6)と化合物(7)の反応と同様の反応条件下に行われる。
【0187】
[反応式−6]
【0188】
【化13】

【0189】
[式中、R101、R108、b’及びXは前記に同じ。]
化合物(14)は、適当な溶媒中、触媒の存在下、化合物(11)と金属シアノ化合物とを反応させることにより製造される。
【0190】
金属シアノ化合物としては、例えば、シアノナトリウム、シアノカリウム、シアノ亜鉛、シアノ銅等を挙げることができる。
【0191】
ここで使用される溶媒及び触媒は、前記反応式−4における化合物(6)と化合物(7)との反応で用いられる溶媒及び触媒をいずれも使用することができる。触媒は、化合物(11)に対して、通常の触媒量で使用される。
【0192】
金属シアノ化合物は、化合物(11)1モルに対して、通常少なくとも1モル程度、好ましくは1〜3モル程度使用される。
【0193】
該反応は、通常室温〜200℃程度、好ましくは室温〜150℃付近にて好適に進行し、一般に0.5〜20時間程度にて終了する。
【0194】
[反応式−7]
【0195】
【化14】

【0196】
[式中、R101、R108、b’及びXは前記に同じ。R114は、一般式(1)における(1-3)、(1-12)、(1-14)、(1-19)、(1-23)、(1-30)及び(1-31)で示されるいずれかの基を示す。]
化合物(11)と化合物(15)との反応は、前記反応式−4における化合物(6)と化合物(7)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0197】
[反応式−8]
【0198】
【化15】

【0199】
[式中、R101及びR112は前記に同じ。R115は、フェニル基、フェニル低級アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル低級アルキル基、低級アルキルチオ低級アルキル基、アミノ置換低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、フェノキシ低級アルキル基又はピリジル低級アルキル基を示す。R116は、水素原子又は低級アルキル基を示す。また、R115とR116とは互いに結合してシクロアルキル基を形成してもよい。但し、化合物(18)の側鎖−(R101)CH(R116)(R115)におけるCH(R116)(R115)部分の総炭素数は、6を超えないものとする。]
化合物(8)と化合物(17)の反応は、化合物(8)1モルに対して化合物(17)を通常少なくとも1モル(好ましくは1〜5モル)使用する以外は、前記反応式−2における化合物(3)と化合物(4)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0200】
[反応式−9]
【0201】
【化16】

【0202】
[式中、R101及びR112は前記に同じ。a’は0〜4の整数を示す。R103は、一般式(1)における(1-1)〜(1-37)で示されるいずれかの基を示す。R117は低級アルコキシカルボニル基を示す。R118は、カルボキシ基を示す。]
化合物(20)は、化合物(19)を加水分解することにより製造される。
【0203】
化合物(19)の加水分解は、適当な溶媒中又は無溶媒で、酸又は塩基性化合物の存在下に行われる。
【0204】
ここで用いられる溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類;酢酸、蟻酸等の脂肪族類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミド又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0205】
酸としては、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸等の鉱酸及び蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸等の有機酸を挙げることができる。これらの酸は、1種単独で又は2種以上混合して用いられる。
【0206】
塩基性化合物としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物等を挙げることができる。これらの塩基性化合物は、1種単独で又は2種以上混合して用いられる。
【0207】
加水分解反応は、通常0〜200℃程度、好ましくは0〜150℃程度にて好適に進行し、一般に10分〜30時間程度で終了する。
【0208】
化合物(19)は、化合物(20)と一般式(21)
119OH (21)
[式中、R119は低級アルキル基を示す。]
で表される化合物とを反応させることにより製造される。
【0209】
化合物(20)と化合物(21)との反応には、通常のエステル化反応の反応条件を適用することができる。例えば、化合物(20)と化合物(21)との反応は、塩酸、硫酸等の鉱酸、チオニルクロリド、オキシ塩化燐、五塩化燐、三塩化燐等のハロゲン化剤の存在下で行われる。化合物(21)は、化合物(20)に対して、大過剰量使用される。該反応は、通常0〜150℃程度、好ましくは50〜100℃程度にて好適に進行し、一般に1〜10時間程度で終了する。
【0210】
[反応式−10]
【0211】
【化17】

【0212】
[式中、R101、R103、a’及びR112は前記に同じ。R120は、低級アルキルチオ基を示す。R121は、低級アルキルスルホニル基を示す。]
化合物(22)を化合物(23)に導く反応は、適当な溶媒中、酸化剤の存在下に行われる。
【0213】
ここで使用される溶媒としては、例えば、水;蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の脂肪酸類;メタノール、エタノール等のアルコール類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類又はこれらの混合溶媒等を例示できる。
【0214】
使用される酸化剤としては、例えば、過蟻酸、過酢酸、過トリフルオロ酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、o−カルボキシ過安息香酸等の過酸;過酸化水素;メタ過沃素酸ナトリウム;重クロム酸、重クロム酸ナトリウム、重クロム酸カリウム等の重クロム酸塩;過マンガン酸、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩;四酢酸鉛等の鉛塩等が挙げられる。
【0215】
酸化剤は、化合物(22)1モルに対して、通常少なくとも2モル程度、好ましくは2〜4モル程度使用するのがよい。
【0216】
該反応は、通常−10〜150℃程度、好ましくは−10〜100℃付近にて行われ、一般に1〜10時間程度で終了する。
【0217】
[反応式−11]
【0218】
【化18】

【0219】
[式中、R101及びR112は前記に同じ。R122は、1個以上のハロゲン原子を有する低級アルキル基を示す。R123は、アミノ置換低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)を示す。R123aは、アミノ基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)を示す。]
化合物(24)と化合物(25)との反応は、前記反応式−3における化合物(5)と化合物(4)の反応と同様の反応条件下に行われる。
【0220】
出発原料として用いられる化合物(7)及び(9)は、例えば、下記反応式に示す方法にて容易に製造される。
【0221】
[反応式−12]
【0222】
【化19】

【0223】
[式中、Xは前記に同じ。R124は、1個以上のハロゲン原子を有する低級アルキル基を示す。]
化合物(27)と化合物(28)との反応は、前記反応式−3における化合物(5)と化合物(4)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0224】
出発原料の化合物(8)は、例えば下記反応式−13に示す方法にて製造することができる。
【0225】
[反応式−13]
【0226】
【化20】

【0227】
[式中、R103、a’、X及びR112は前記に同じ。]
化合物(30)から化合物(31)を製造する反応は、例えば、無溶媒又は適当な溶媒中、還元剤の存在下に行われる。
【0228】
ここで使用される溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等の低級アルコール類;アセトニトリル;蟻酸、酢酸等の脂肪酸;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類又はこれらの混合溶媒等を例示できる。
【0229】
還元剤としては、例えば、パラジウム−黒、パラジウム−炭素、酸化白金、白金黒、ラネーニッケル等の接触水素還元剤等を例示できる。
【0230】
接触水素還元剤は、化合物(30)に対して、通常0.1〜40重量%程度、好ましくは0.1〜20重量%程度用いられる。
【0231】
この反応の反応系に、水酸化ナトリウム等の塩基性化合物を添加すると、該反応は有利に進行する。
【0232】
該反応は、通常常圧〜20気圧程度、好ましくは常圧〜10気圧程度の水素雰囲気中で、通常−30〜100℃程度、好ましくは0〜60℃程度の温度下で行われる。該反応は、一般に1〜12時間程度で終了する。
【0233】
出発原料として用いられる化合物(3)、(5)及び(6)は、例えば、下記反応式に示す方法により容易に製造される。
【0234】
[反応式−14]
【0235】
【化21】

【0236】
[式中、R112及びXは前記に同じ。R125は、オキソ基、基−R113又はアミノ基を示す。ここでR113は前記に同じ。]
化合物(32)と化合物(33)との反応は、前記反応式−3における化合物(5)と化合物(4)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0237】
出発原料として用いられる化合物(4)は、例えば、下記反応式に示す方法により容易に製造される。
【0238】
[反応式−15]
【0239】
【化22】

【0240】
[式中、R101、R102及びXは前記に同じ。]
化合物(35)と化合物(9)との反応は、前記反応式−4における化合物(6)と化合物(7)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0241】
反応式−2〜11に示す各反応において出発物質として用いられる化合物(3)、(5)、(6)、(8)、(11)、(19)、(20)、(22)又は(24)におけるR112が水素原子に変換された化合物を出発原料に用い、反応式−2〜11に示す各反応と同様の反応条件下に該化合物を反応させることにより、それぞれR112が水素原子である化合物(2)、(8)、(13)、(14)、(16)、(18)、(19)、(20)、(23)又は(26)が製造される。
【0242】
反応式−3〜11に示す各反応における出発物質(化合物(5)、(6)、(8)、(11)、(19)、(20)、(22)又は(24))として光学活性体を用いると、反応式−3〜11に示す各反応と同様の反応条件下に該化合物を反応させることにより、それぞれ光学活性体の化合物(2)、(8)、(13)、(14)、(16)、(18)、(19)、(20)、(23)又は(26)を製造することができる。
【0243】
反応式−2〜11に示す各反応で製造された化合物(2)、(8)、(13)、(14)、(16)、(18)、(19)、(20)、(23)又は(26)を単離することなく、これをそのまま次の反応式−1に示す反応の出発原料に使用して、本発明化合物(1)を製造することもできる。
【0244】
上記に示す各反応式で得られる各々の目的化合物は、反応混合物を、例えば、冷却した後、濾過、濃縮、抽出等の単離操作により粗反応生成物を分離し、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の精製操作により、反応混合物から単離、精製することができる。
【0245】
本発明の一般式(1)で表される化合物は、立体異性体及び光学異性体を包含する。
【0246】
本発明の出発原料及び目的とするピロリジン化合物のうち塩基性基を有する化合物は、通常の薬理的に許容される酸と容易に塩を形成し得る。斯かる酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸及びメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸が挙げられる。
【0247】
本発明の出発原料及び目的とするピロリジン化合物のうち酸性基を有する化合物は、医薬的に許容される塩基性化合物を作用させることにより容易に塩を形成させることができる。斯かる塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を挙げることができる。
【0248】
更に、各反応式で示されている出発原料及び目的化合物に加えられた溶媒和物(例えば、水和物、エタノール和物等)形態の化合物も、各一般式に含まれる。
【0249】
本発明化合物を有効成分として含有する医療製剤について説明する。
【0250】
上記医療製剤は、本発明化合物を通常の医療製剤の形態に製剤したものであって、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤及び/又は賦形剤を用いて調製される。
【0251】
このような医療製剤としては、治療目的に応じて種々の形態の中から選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等が挙げられる。
【0252】
錠剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が挙げられる。
【0253】
更に、錠剤は、必要に応じて通常の被覆物質を用いて被覆し、例えば、糖衣剤、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0254】
丸剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、寒天等の崩壊剤等が挙げられる。
【0255】
坐剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等が挙げられる。
【0256】
注射剤として調製される場合は、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましい。これらの液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に成形する際に用いられる希釈剤としては、公知のものを広く用いられているものを使用することができ、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルベタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。この場合、等張性の溶液を調製するのに十分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を、更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等、及び/又は他の医薬品を含有させてもよい。
【0257】
医療製剤中に含有される本発明化合物の量は、特に限定されず広い範囲内から適宜選択することができるが、通常、医療製剤中に本発明化合物を1〜70重量%程度含有させるのが好ましい。
【0258】
本発明に係る医療製剤の投与方法としては特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別、疾患の状態、その他の条件に応じた方法で投与される。例えば、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には経口投与される。また、注射剤の場合には、単独であるいはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内に投与したり、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内に投与することができる。坐剤の場合には、直腸内に投与される。
【0259】
上記医療製剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度、その他の条件に応じて適宜選択すればよく、通常、1日あたり体重1kgに対して0.001〜100mg程度、好ましくは0.001〜50mg程度を1回〜数回に分けて投与される。
【0260】
上記投与量は、種々の条件で変動するので、上記範囲より少ない投与量で充分な場合もあるし、また上記範囲を超えた投与量が必要な場合もある。
【発明の効果】
【0261】
本発明のピロリジン化合物は、1種類、2種類又は3種類のモノアミン(セロトニン、ノルエピネフリン、ドパミン)の再取り込み阻害作用を有している。
【0262】
本発明のピロリジン化合物は、既存のモノアミン取り込み阻害活性を有する化合物に比し、3種類のモノアミンのうちいずれかのモノアミンについてのin vitro試験での取り込み阻害活性又はEx vivo試験での取り込み阻害活性が著しく強い。また、マイクロディアライシススタディー(microdialysis study)において、本発明のピロリジン化合物は、既存のモノアミン取り込み阻害活性を有する化合物に比し、3種類のモノアミンのうちいずれかのモノアミンの増加に対して著しく強い活性を示す。
【0263】
本発明のピロリジン化合物は、公知の抗うつ薬に比べ、幅広い治療スペクトラムを有している。
【0264】
本発明のピロリジン化合物は、短期間の投与で十分な治療効果を発現する。
【0265】
本発明のピロリジン化合物は、生物学的利用率に優れ、肝臓における代謝酵素阻害活性が弱く、副作用が少なく、安全性に優れている。
【0266】
本発明のピロリジン化合物は、うつ病のスクリーニングに使用されるマウス強制水泳試験・尾懸垂試験において強い活性を発現する。また、本発明のピロリジン化合物は、うつ病のスクリーニングに使用されるラット強制水泳試験・尾懸垂試験においても強い活性を発現する。また、本発明のピロリジン化合物は、うつ病のスクリーニングに使用されるレセルピン誘導低体温症モデルにおいても強い活性を発現する。
【0267】
本発明のピロリジン化合物は、不安又はストレス疾患モデルであるマウスビー玉埋め行動テスト及び恐怖条件付けストレスモデルにおいて強い活性を発現する。
【0268】
本発明のピロリジン化合物は、1種類、2種類又は3種類のモノアミン(セロトニン、ノルエピネフリン、ドパミン)の再取り込み阻害作用を有しているので、セロトニン、ノルエピネフリン又はドパミンの神経伝達の低下と関連している種々の障害の治療に有効である。
【0269】
このような障害には、高血圧、うつ病(例えば、大うつ病性障害;双極性1障害;双極性2障害;混合状態;気分変調性障害;ラピッド・サイクラー;非定型うつ病;季節性感情障害;産後うつ病;軽症うつ病;反復性短期うつ病性障害;難治性うつ病・慢性うつ病;重複うつ病;アルコール誘発性気分障害;混合性不安抑うつ障害;Cushing症候群、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、Addison病、無月経・乳汁分泌症候群、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳出血、糖尿病、慢性疲労症候群、癌等の種々の身体疾患に伴ううつ病;中年期のうつ病;老年期うつ病;小児・思春期のうつ病;インターフェロン等の薬物誘発性うつ病;調整傷害に伴ううつ病等)、心臓血管障害(心臓停止、心拍異常)、内分泌病(腎臓機能亢進症、甲状腺機能亢進症)、呼吸障害(喘息、慢性閉塞性肺疾患)、全般性不安障害、恐怖(例えば、広場恐怖症、社会恐怖症及び単純恐怖症)、外傷後ストレス症候群、急性ストレス症候群、回避的人格障害、身体異常障害、早発射精、摂食障害(例えば神経性食欲不振及び神経性大食)、肥満、化学物質依存症(例えば、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン類に対する嗜癖)、群発性頭痛、片頭痛、疼痛、Alzheimer's病、強迫障害、パニック障害、記憶障害(例えば、痴呆、健忘障害及び年齢関連性認識力減退(ARCD))、Parkinson's病(例えば、Parkinson’s病における痴呆、神経弛緩薬誘発パーキンソン症候群及び遅発性ジスキネジー)、内分泌障害(例えば、高プロラクチン血症)、血管痙攣(特に、大脳血管系における)、小脳性運動失調、胃腸管障害(運動及び分泌の変化を包含)、精神分裂病の陰性症候群、月経前症候群、線維筋肉痛症候群、緊張性尿失禁、Tourette's症候群、抜毛癖、盗癖、男性インポテンス、注意欠陥多動性障害(ADHD)、慢性発作性片頭痛、慢性疲労、脱力発作、睡眠無呼吸症候群及び頭痛(脈管障害に関連した)が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0270】
以下に、製剤例、参考例、実施例及び薬理試験例を挙げる。
【0271】
製剤例1
本発明化合物100g、アビセル(商標名、旭化成(株)製)40g、コーンスターチ30g及びステアリン酸マグネシウム2gを混合研磨後、糖衣錠用のR10mmのキネを用いて打錠した。得られた錠剤をTC−5(商標名、信越化学工業(株)製、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)10g、ポリエチレングルコール6000 3g、ひまし油40g及び適量のエタノールからなるフィルムコーテイング剤を用いて被覆を行い、上記組成のフイルムコーテイング錠を製造した。
【0272】
参考例1
3−[(3,4−ジクロロフェニル)−(4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルの合成
水素化ナトリウム(60%油性)0.19gをジメチルスルホキシド(DMSO)10mlに加えて60℃で1時間撹拌した。次いで、混合物に(3,4−ジクロロフェニル)−(4−フルオロフェニル)−アミン1.0gを加え、60℃で1時間撹拌した。混合物に3−(トルエン−4−スルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル2.0gを含むDMSO溶液を徐々に加え、60℃で15時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加えた。次いでこの溶液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製した。減圧下に溶媒を留去し、褐色油状の3−[(3,4−ジクロロフェニル)−(4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.29gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.43(9H,s),1.74−1.92(1H,m),2.04−2.22(1H,m),3.10−3.35(3H,m),3.61−3.85(1H,m),4.31−4.48(1H,m),6.42(1H,dd,J=2.9Hz,J=8.9Hz),6.67(1H,d,J=2.8Hz),6.90−7.22(5H,m)。
【0273】
参考例2
3(S)−[(3,4−ジクロロフェニル)フェニルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルの合成
水素化ナトリウム(60%油性)0.36gをジメチルスルホキシド(DMSO)20mlに加えて60℃で1時間撹拌した。次いで、混合物に3,4−ジクロロフェニル−フェニルアミン 2.0gを加え、60℃で1時間撹拌した。混合物に3(R)−メタンスルホニルオキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.5gを含むDMSO溶液を徐々に加え、60℃で15時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製した。減圧下に溶媒を留去し、淡褐色無定形固体の3(S)−[(3,4−ジクロロフェニル)フェニルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.13gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.42(9H,s),1.73−1.93(1H,m),2.05−2.23(1H,m),3.10−3.36(3H,m),3.61−3.83(1H,m),4.33−4.50(1H,m),6.48(1H,dd,J=2.9Hz,J=10.3Hz),6.74(1H,d,J=2.8Hz),6.96−7.07(2H,m),7.16−7.34(2H,m),7.35−7.46(2H,m)。
【0274】
参考例3
((S)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)−(3−フルオロフェニル)アミンの合成
(S)−1−ベンジルピロリジン−3−イルアミン2.2g(12.5ミリモル)、3−ブロモフルオロベンゼン2.2g(12.5ミリモル)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)0.31g(0.51ミリモル)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(Pd(dba))0.14g(0.22ミリモル)及びナトリウムt−ブトキシド1.3g(13.2ミリモル)を含むトルエン溶液を窒素気流下3時間加熱還流した。反応液を濾過して不溶物を除き、濾液に酢酸エチル及び水を加えて分液した。有機層を水で洗浄し、減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1→1:1)で精製した。減圧下に溶媒を留去し、無色油状の((S)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)−(3−フルオロフェニル)アミン3.0gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.59−1.78(2H,m),2.21−2.38(1H,m) 2.39−2.50(1H,m),2.55(1H,dd,J=3.3Hz,J=9.7Hz),2.71−2.85(2H,m),3.63(2H,s),3.90−4.10(1H,m),6.24(1H,dt,J=2.3Hz,J=11.6Hz),6.29−6.41(2H,m),7.02−7.11(1H,m),7.21−7.39(5H,m)。
【0275】
参考例4
((S)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)フェニルアミンの合成
(S)−1−ベンジルピロリジン−3−イルアミン及びブロモベンゼンを用い、参考例3と同様にして、((S)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)フェニルアミンを合成した。
褐色油状物
H−NMR(CDCl)δppm:
1.56−1.78(2H,m),2.22−2.39(1H,m),2.41−2.58(1H,m),2.70−2.84(2H,m),3.63(2H,s),4.01(1H,s),6.57(2H,d,J=8.5Hz),6.64−6.73(1H,m),7.11−7.19(2H,m),7.21−7.36(5H,m)。
【0276】
参考例5
((S)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)−(3−フルオロフェニル)−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンの合成
((S)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)−(3−フルオロフェニル)アミン0.7g(2.6ミリモル)、4−ブロモベンゾトリフルオリド0.59g(2.6ミリモル)、BINAP 65mg(0.1ミリモル)、酢酸パラジウム23mg(0.1ミリモル)及びナトリウムt−ブトキシド0.28g(2.9ミリモル)を含むトルエン溶液を窒素気流下3時間加熱還流した。反応液を濾過して不溶物を除き、濾液に酢酸エチル及び水を加えて分液した。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1→10:1)で精製した。減圧下に溶媒を留去し、無色油状の((S)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)−(3−フルオロフェニル)−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン0.48gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.82−2.01(1H,m),2.17−2.31(1H,m),2.61−2.78(3H,m),3.45(1H,d,J=12.9Hz),3.64(1H,d,J=12.9Hz),4.55(1H,m),6.78−6.86(3H,m),6.88−6.96(2H,m),7.19−7.36(6H,m)。
【0277】
参考例6
3(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルの合成
3(S)−アミノピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル5.0g(27ミリモル)、4−ブロモ−2−クロロ−1−フルオロベンゼン5.7g(27ミリモル)を含むトルエン溶液(50ml)にBINAP 1.7g(2.7ミリモル)、酢酸パラジウム0.30g(1.3ミリモル)及びナトリウムtert−ブトキシド3.5g(36ミリモル)を加えた。この混合物を窒素雰囲気下8時間加熱還流し、次いで室温まで冷却した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。減圧下に溶媒を留去し、残渣をジエチルエーテルから再結晶して、白色粉末の3(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル4.76gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.47(9H,s),1.78−1.96(1H,m),2.10−2.28(1H,m),2.10−2.28(1H,m),3.11−3.30(1H,m),3.30−3.56(2H,m),3.57−3.79(2H,m),3.85−4.03(1H,m),6.38−6.47(1H,m),6.60(1H,dd,J=6.0Hz,J=2.9Hz),6.90−7.00(1H,m)。
【0278】
参考例7
3(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−アミノピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル15.0g(80.5ミリモル)及び2−クロロ−1−フルオロ−4−ヨードベンゼン24.8g(96.7ミリモル)を含むイソプロピルアルコール溶液(50ml)によう化銅(I)1.54g(8.1ミリモル)、エチレングリコール9.0ml(10.1ミリモル)及び燐酸カリウム34.2g(161ミリモル)を加えて窒素雰囲気下46時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却し、セライト濾過した。濾物を酢酸エチルで洗浄し、洗液と濾液を合わせて減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。減圧下に溶媒を留去し、残渣をジエチルエーテルから再結晶して、白色粉末の3(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル15.9gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.47(9H,s),1.78−1.96(1H,m),2.10−2.28(1H,m),2.10−2.28(1H,m),3.11−3.30(1H,m),3.30−3.56(2H,m),3.57−3.79(2H,m),3.85−4.03(1H,m),6.38−6.47(1H,m),6.60(1H,dd,J=6.0Hz,J=2.9Hz),6.90−7.00(1H,m)。
【0279】
参考例8
3(S)−(3−シアノフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルの合成
3(S)−アミノピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル2.82g(15ミリモル)及び3−ブロモ−ベンゾニトリル1.82g(10ミリモル)を含むトルエン溶液(7ml)にBINAP68.5mg(0.11ミリモル)、酢酸パラジウム22.5mg(0.1ミリモル)及び炭酸セシウム3.91g(12ミリモル)を加えた。この混合物を窒素雰囲気下8時間加熱還流した。室温まで冷却し、反応溶液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して、淡黄色粉末の3(S)−(3−シアノフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.56gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.46(9H,s),1.8−2.0(1H,m),2.1−2.3(1H,m),3.1−3.6(3H,m),3.6−3.8(1H,m),3.9−4.1(2H,m),6.7−6.9(2H,m),6.99(1H,d,J=7.6Hz),7.23(1H,dd,J=7.6Hz,J=8.4Hz)。
【0280】
参考例9
3(S)−(3−クロロ−4−メトキシフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−アミノピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.20g(1.1ミリモル)及び2−クロロ−3−ブロモアニソール0.238g(1.1ミリモル)を含むトルエン溶液(5ml)にBINAP67.0mg(0.11ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム24mg(0.027ミリモル)及びナトリウムtert−ブトキシド144mg(1.5ミリモル)を加えた。この混合物を窒素雰囲気下100℃で1時間加熱還流した。室温まで冷却後、反応溶液をセライト濾過した。濾液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1→3:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して、淡黄色無定形固体の3(S)−(3−クロロ−4−メトキシフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.28gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.47(9H,s),1.80−1.90(1H,m),2.10−2.20(1H,m),3.10−3.25(1H,m),3.38−3.75(3H,m),3.83(3H,s),3.92−3.96(1H,m),6.47(1H,dd,J=2.8Hz,J=8.8Hz),6.67(1H,d,J=2.8Hz),6.81(1H,d,J=8.8Hz)。
【0281】
参考例10
3(S)−(4−メトキシフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルの合成
3(S)−(3−クロロ−4−メトキシフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.28gを含むエタノール溶液(10ml)に5N−水酸化ナトリウム溶液0.2ml及び10%パラジウム炭素0.1gを加えた。室温、常圧で接触還元を行った。反応溶液をセライト濾過し、減圧下に濃縮した。残渣に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固して、黄色無定形固体の3(S)−(4−メトキシフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.25gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.46(9H,s),1.79−1.88(1H,m),2.10−2.22(1H,m),3.12−3.25(1H,m),3.30−3.52(3H,m),3.60−3.75(4H,m),3.88−4.00(1H,m),6.50−6.58(2H,m),6.72−6.80(2H,m)。
【0282】
参考例11
3(S)−[ビス−(3−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−アミノピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.0g(5.3ミリモル)及び3−ブロモ−1−フルオロベンゼン2.3g(13ミリモル)を含むトルエン溶液(10ml)にトリtert−ブチルホスフィン・テトラフルオロホウ酸塩32mg(0.11ミリモル)、酢酸パラジウム24mg(0.11ミリモル)及びナトリウムtert−ブトキシド1.5g(16ミリモル)を加えた。この混合物を窒素雰囲気下8時間加熱還流した。室温まで冷却し、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して、黄色油状物の3(S)−[ビス−(3−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.56gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.43(9H,s),1.78−1.95(1H,m),2.02−2.26(1H,m),3.12−3.39(3H,m),3.65−3.83(1H,m),4.35−4.51(1H,m),6.61(2H,dt,J=2.1Hz,J=11.0Hz),6.61−6.68(2H,m),6.77(2H,t,J=8.0Hz),7.18−7.31(2H,m)。
【0283】
参考例12
3(S)−[(3,4−ジクロロフェニル)チアゾール−2−イルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルの合成
3(S)−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル20.0g(60.4ミリモル)及び2−ブロモチアゾール15.0g(91.5ミリモル)を含むトルエン溶液(150ml)にトリtert−ブチルホスフィン・テトラフルオロホウ酸塩1.86g(6.4ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム2.88g(3.15ミリモル)及びナトリウムtert−ブトキシド11.6g(120ミリモル)を加えた。この混合物を窒素雰囲気下9時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却し、セライト濾過した。濾液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して、黄色粉末の3(S)−[(3,4−ジクロロフェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル7.94gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.43(9H,s),1.83−2.03(1H,m),2.11−2.35(1H,m),3.18−3.42(3H,m),3.73−3.87(1H,m),4.97−5.09(1H,m),6.53(1H,d,J=3.5Hz),7.14(1H,dd,J=2.5Hz,J=8.5Hz),7.22(1H,brs),7.39(1H,d,J=2.5Hz),7.56(1H,brd,J=8.5Hz)。
【0284】
参考例13
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.0g(3.2ミリモル)及び3−ブロモピリジン0.75g(4.75ミリモル)を含むトルエン溶液(10ml)に9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(XANTPHOS)50mg(0.09ミリモル)、酢酸パラジウム21.4mg(0.10ミリモル)及びナトリウムtert−ブトキシド11.6g(120ミリモル)を加えた。この混合物を窒素雰囲気下9時間加熱還流した。室温まで冷却し、反応溶液をセライト濾過した。濾液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮して、淡黄色油状の3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.14gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.43(9H,s),1.79−1.98(1H,m),2.08−2.29(1H,m),3.12−3.41(3H,m),3.65−3.85(1H,m),4.38−4.51(1H,m),6.83−6.91(1H,m),7.00−7.23(4H,m[7.04ppm(dd,J=2.7Hz,J=6.4Hz)を含む]),8.14(1H,s),8.22(1H,d,J=4.4Hz)。
【0285】
参考例14
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)シクロヘキシルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルの合成
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.60g(1.9ミリモル)及びシクロヘキサノン0.56g(5.7ミリモル)を含む酢酸溶液(3ml)を室温で一夜撹拌した。この混合物に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム1.21g(5.7ミリモル)を加え、次いで室温で8時間撹拌した。反応溶液にジクロロメタンを加え、水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製した。精製物から減圧下に溶媒を留去して、無色油状の3−[(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)シクロヘキシルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.24gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
0.81−1.32(6H,m),1.44(9H,s),1.60−2.00(6H,m),2.79−2.93(1H,m),2.98−3.10(1H,m),3.16−3.31(1H,m),3.35−3.70(2H,m),3.35−3.70(2H,m),3.85−4.07(1H,m),6.85−7.13(3H,m)。
【0286】
参考例15
3(S)−[(4−カルボキシフェニル)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルの合成
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(4−エトキシカルボニルフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.7g(3.7ミリモル)を含むエタノール溶液に5N−水酸化ナトリウム溶液6mlを加え、室温で15時間撹拌した。反応溶液にジクロロメタン及び酢酸を加えて酸性とした。これを水で3回洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回洗浄した後、減圧下に溶媒を留去して、白色粉末の3(S)−[(4−カルボキシフェニル)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.50gを得た。
H−NMR(DMSO−d)δppm:
1.33(9H,s),1.72−1.88(1H,m),2.06−2.26(1H,m),2.99−3.23(3H,m),3.61(1H,dd,J=6.4Hz,J=11.3Hz),4.53−4.69(1H,m),6.57−6.65(2H,m),7.19−7.28(1H,m),7.46−7.58(2H,m),7.68−7.78(2H,m),12.3(1H,brs)。
【0287】
参考例16
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(4−メタンスルホニルフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(4−メチルスルファニルフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.45g(1.0ミリモル)を含むジクロロメタン溶液に0℃でメタクロロ過安息香酸0.54g(3.1ミリモル)を加え、次いで0℃で2時間撹拌した。反応溶液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。次に、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1→1:1)で精製した。精製物から減圧下に溶媒を留去し、淡黄色油状の3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(4−メタンスルホニルフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.42gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.43(9H,s),1.80−1.91(1H,m),2.11−2.29(1H,m),3.01(3H,s),3.16−3.40(3H,m),3.70−3.86(1H,m),4.49−4.61(1H,m),6.62(2H,d,J=9.0Hz),7.03(1H,ddd,J=2.6Hz,J=4.1Hz,J=8.6Hz),7.01−7.06(1H,m),7.19−7.23(1H,m),7.24−7.31(1H,m),7.66−7.74(2H,m)。
【0288】
参考例17
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(6−シアノピリジン−2−イル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−[(6−ブロモピリジン−2−イル)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル500mg(1.06ミリモル)、青酸亜鉛250mg(2.12ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム122mg(0.106ミリモル)をジメチルホルムアミド(DMF)8mlに懸濁し、次いで窒素気流下110℃で9時間撹拌した。室温まで冷却し、反応溶液に酢酸エチル及び水を加えて分液した。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=6:1→3:1)で精製した。精製物から減圧下に溶媒を留去して、無色油状の3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(6−シアノピリジン−2−イル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル398mgを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.44(9H,s),1.74−1.84(1H,m),2.03−2.24(1H,m),3.08−3.32(3H,m),3.76−3.86(1H,m),5.28−5.38(1H,m),6.21(1H,d,J=8.7Hz),7.04−7.11(2H,m),7.23−7.42(3H,m)。
【0289】
参考例18
3(S)−{(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−アミノ}ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルの合成
3(S)−[(5−ブロモピリジン−2−イル)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル300mg(0.64ミリモル)、4−フルオロフェニルホウ酸98mg(0.7ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム23mg(0.02ミリモル)及び2M−炭酸ナトリウム水溶液0.83mlをトルエン3mlに加え、次いで窒素雰囲気下、100℃で10時間撹拌した。室温まで冷却し、反応溶液に酢酸エチル及び水を加えて分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製した。精製物から減圧下に溶媒を留去して、白色固体の3(S)−{(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル255mgを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.44(9H,s),1.78−1.89(1H,m),2.05−2.23(1H,m),3.07−3.31(3H,m),3.85(1H,dd,J=7.1,10.8Hz),5.31−5.42(1H,m),6.08(1H,d,J=8.8Hz),7.06−7.14(3H,m),7.20−7.28(2H,m),7.41−7.50(3H,m),8.37−8.41(1H,m)。
【0290】
参考例19
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(4−チオフェン−3−イルフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−[(4−ブロモフェニル)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び3−チオフェンホウ酸を用い、参考例9と同様にして、3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(4−チオフェン−3−イルフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを合成した。
無色油状物
H−NMR(CDCl)δppm:
1.43(9H,s),1.83−1.88(1H,m),2.05−2.20(1H,m),3.18−3.31(3H,m),3.63−3.84(1H,m),4.40−4.51(1H,m),6.71−6.80(1H,m),6.85−6.88(2H,m),6.94(1H,dd,J=2.8Hz,J=6.4Hz),7.05−7.10(1H,m),7.30−7.45(3H,m),7.50−7.55(2H,m)。
【0291】
参考例20
(S)−{(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−[(6−ブロモピリジン−2−イル)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル200mg(0.43ミリモル)、1−メチルピペラジン0.61ml(0.55ミリモル)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(XANTPHOS)12mg(0.02ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム9mg(0.01ミリモル)及びナトリウムt−ブトキシド61mg(0.63ミリモル)をトルエン5mlに加え、次いで窒素雰囲気下、100℃で8時間撹拌した。不溶物を濾過して除き、濾液を減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。精製物から減圧下に溶媒を留去して、無色油状の(S)−{(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル102mgを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.44(9H,s),1.74−1.89(1H,m),2.03−2.21(1H,m),2.36(3H,s),2.51−2.55(4H,m),3.08−3.31(3H,m),3.54(4H,brs),3.64−3.90(1H,m),5.10−5.23(1H,m),5.32(1H,d,J=8.1Hz),6.01(1H,d,J=8.1Hz),7.03−7.08(1H,m),7.19−7.25(3H,m)。
【0292】
参考例21
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(4−ピペリジン−1−イルフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−[(4−ブロモフェニル)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及びピペリジンを用い、参考例11と同様にして、3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(4−ピペリジン−1−イルフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを合成した。
無色油状物
H−NMR(CDCl)δppm:
1.43(9H,s),1.55−1.62(2H,m),1.68−1.73(4H,m),1.74−1.90(1H,m),2.02−2.18(1H,m),3.16−3.29(7H,m),3.61−3.81(1H,m),4.23−4.38(1H,m),6.40−6.46(1H,m),6.59−6.62(1H,m),6.86−6.92(5H,m)。
【0293】
参考例22
3(S)−[(3−クロロ−4−シアノフェニル)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.50g(1.6ミリモル)及び2−クロロ−4−フルオロベンゾニトリル0.30g(1.9ミリモル)を含む無水トルエン溶液に(1.1M)ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウムを含むテトラヒドロフラン溶液1.45mlをシリンジを用いて加えた。この混合物を窒素雰囲気下8時間加熱還流し、室温まで冷却した。反応溶液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して、白色無定形固体の3(S)−[(3−クロロ−4−シアノフェニル)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.56gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.43(9H,s),1.76−1.93(1H,m),2.11−2.27(1H,m),3.15−3.39(3H,m),3.66−3.87(1H,m),4.39−4.55(1H,m),6.42(1H,dd,J=2.5Hz,J=9.0Hz),6.57(1H,d,J=2.5Hz),6.98−7.04(1H,m),7.20(1H,dd,J=2.5Hz,J=6.5Hz),7.23−7.32(1H,m),7.40(1H,d,J=8.5Hz)。
【0294】
参考例23
2−(4−クロロブトキシ)ピリジンの合成
2−ピリジノール10g(105ミリモル)及び1−ブロモ−4−クロロブタン36ml(315ミリモル)を含むDMF溶液(110ml)に炭酸カリウム16g(116ミリモル)を加え、次いで室温で8時間撹拌した。反応溶液に水300mlを加え、酢酸エチル300mlで抽出した。有機層を水(300ml)で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、次いで残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮して、無色油状の2−(4−クロロブトキシ)ピリジン3.32gを得た。
【0295】
参考例24
3(S)−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)ブチルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−アミノピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.93g(5.0ミリモル)、2−(4−クロロブトキシ)ピリジン0.93g(5.0ミリモル)、炭酸カリウム0.83g(6.0ミリモル)及び沃化ナトリウム0.83g(5.5ミリモル)をアセトニトリル20mlに懸濁し、24時間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応溶液に水50mlを加え、酢酸エチル50mlで抽出した。有機層を水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮して、無色油状の3(S)−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)ブチルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル372mgを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.46(9H,s),1.5−1.9(6H,m),1.95−2.15(1H,m),2.68(2H,t,J=7Hz),2.95−3.15(1H,m),3.25−3.65(4H,m),4.30(2H,t,J=6.5Hz),6.71(1H,d,J=8.5Hz),6.85(1H,dd,J=5.5Hz,J=6.5Hz),7.5−7.65(1H,m),8.14(1H,dd,J=2Hz,J=5Hz)。
【0296】
参考例25
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(3−クロロプロピル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル3g(9.5ミリモル)、1−ブロモ−3−クロロプロパン4.7ml(48ミリモル)及び炭酸カリウム1.97g(14.3ミリモル)をN−メチルピロリドン(NMP)15mlに懸濁し、次いで100℃で8時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、精製物を減圧下に濃縮して、無色油状の3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(3−クロロプロピル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.0gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.46(9H,s),1.7−2.1(4H,m),3.1−3.35(4H,m),3.35−3.7(4H,m),3.8−4.1(1H,m),6.7−6.9(1H,m),6.9−7.1(2H,m)。
【0297】
参考例26
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(3−クロロプロピル)−アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.5g(1.24ミリモル)、50%ジメチルアミン水溶液1ml及び沃化ナトリウム0.37g(2.5ミリモル)をDMF3mlに懸濁し、次いで60℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、次いで精製物を減圧下に濃縮して、無色油状の3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.36gを得た。
H−NMR(CDCl)δppm:
1.46(9H,s),1.5−1.75(4H,m),1.75−2.1(2H,m),2.19(6H,s),3.0−3.3(4H,m),3.3−3.75(2H,m),3.8−4.2(1H,m),6.6−6.8(1H,m),6.8−7.1(2H,m)。
【0298】
上記参考例と同様にして、下記表に示す化合物を製造した。
【0299】
【表1】

【0300】
【表2】

【0301】
【表3】

【0302】
【表4】

【0303】
【表5】

【0304】
【表6】

【0305】
【表7】

【0306】
【表8】

【0307】
【表9】

【0308】
【表10】

【0309】
【表11】

【0310】
【表12】

【0311】
【表13】

【0312】
【表14】

【0313】
【表15】

【0314】
【表16】

【0315】
【表17】

【0316】
【表18】

【0317】
【表19】

【0318】
【表20】

【0319】
【表21】

【0320】
【表22】

【0321】
【表23】

【0322】
【表24】

【0323】
【表25】

【0324】
【表26】

【0325】
【表27】

【0326】
【表28】

【0327】
【表29】

【0328】
【表30】

【0329】
【表31】

【0330】
【表32】

【0331】
【表33】

【0332】
【表34】

【0333】
【表35】

【0334】
【表36】

【0335】
【表37】

【0336】
【表38】

【0337】
実施例1
(3,4−ジクロロフェニル)フェニルピロリジンー3−イルアミン・二塩酸塩の合成
3−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.67g及び(3,4−ジクロロフェニル)フェニルアミン0.94gを含む酢酸溶液(15ml)を室温で一夜撹拌した。この混合物に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム1.5gを加え、次いで室温で8時間撹拌した。反応溶液にジクロロメタンを加え、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製した。精製物から減圧下に溶媒を留去し、残渣を1N−塩酸−エタノールに溶解し、1時間加熱還流した。反応溶液を濃縮乾固して、褐色無定形固体の(3,4−ジクロロフェニル)フェニルピロリジン−3−イルアミン・二塩酸塩50mgを得た。
H−NMR(DMSO−d)δppm:
1.50−1.68(1H,m),2.10−2.29(1H,m),2.74−2.90(1H,m),3.02−3.22(2H,m),3.51−3.66(1H,m),4.61−4.79(1H,m),6.58(1H,dd,J=2.9Hz,J=9.0Hz),6.87(1H,d,J=2.9Hz),7.13−7.19(2H,m),7.29−7.44(2H,m),7.45−7.54(2H,m),9.03(2H,brs)。
【0338】
実施例2
3(S)−(3,4−ジクロロフェニル)フェニルピロリジン−3−イルアミン・二塩酸塩の合成
3(S)−[(3,4−ジクロロフェニル)フェニルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.13gを1N−塩酸−エタノールに溶解し、1時間加熱還流した。反応溶液を濃縮乾固して、褐色無定形固体の3(S)−(3,4−ジクロロフェニル)フェニルピロリジン−3−イルアミン・塩酸塩0.11gを得た。
H−NMR(DMSO−d)δppm:
1.50−1.68(1H,m),2.10−2.29(1H,m),2.75−2.90(1H,m),3.02−3.23(2H,m),3.51−3.65(1H,m),4.60−4.80(1H,m),6.58(1H,dd,J=2.9Hz,J=9.0Hz),6.87(1H,d,J=2.9Hz),7.12−7.19(2H,m),7.29−7.44(2H,m),7.45−7.54(2H,m),9.05(2H,brs)。
【0339】
実施例3
(3−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イル−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン・二フマル酸塩の合成
((S)−1−ベンジルピロリジン−3−イル)−(3−フルオロフェニル)−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン0.48g(1.1ミリモル)を含む1,2−ジクロロメタン溶液(1ml)にクロロ蟻酸1−クロロエチル0.82g(5.8ミリモル)を加えた。混合物を室温で15時間撹拌し、3時間加熱還流した。減圧下に溶媒を留去し、残渣にメタノール5mlを加え、3時間加熱還流した。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。残渣をエタノールに溶解し、フマル酸128mg(1.1ミリモル)を加えて均一溶液とした。減圧下に溶媒を留去し、残渣にジクロロメタンを加えて析出した結晶を濾過により分離し、乾燥して、淡褐色粉末の(3−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イル)−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン・二フマル酸塩0.24gを得た。
融点 144.0−146.2℃。
【0340】
実施例4
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(4−メタンスルホニルフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン・塩酸塩の合成
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(4−メタンスルホニルフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.42g(0.9ミリモル)を4N−塩酸/酢酸エチルに加え、次いで室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧下に濃縮乾固して、白色粉末の(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(4−メタンスルホニルフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン・塩酸塩0.35gを得た。
H−NMR(DMSO−d)δppm:
1.56−1.68(1H,m),2.19−2.29(1H,m),2.82−2.94(1H,m),3.08(3H,s),3.10−3.20(2H,m),3.57−3.68(1H,m),4.70−4.85(1H,m),6.69−6.75(2H,m),7.32−7.37(1H,m),7.58−7.64(1H,m),7.65−7.69(3H,m),9.10−9.45(2H,m)。
【0341】
実施例5
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)ブチル]−(S)−ピロリジン−3−イルアミン・二フマル酸塩の合成
3(S)−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)ブチルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.2g(0.6ミリモル)及び4−ブロモ−2−クロロ−1−フルオロベンゼン0.8ml(0.65ミリモル)を含むトルエン溶液(4ml)にトリtert−ブチルホスフィン・テトラフルオロホウ酸塩14mg(0.05ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム11mg(0.012ミリモル)及びナトリウムtert−ブトキシド110mg(1.2ミリモル)を加え、窒素雰囲気下12時間加熱還流した。室温まで冷却し、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮し、次いで残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。精製物から減圧下に溶媒を留去した。残渣をジクロロメタン0.4mlに溶解し、トリフルオロ酢酸0.06ml(0.8ミリモル)を加え、室温で3時間撹拌した。減圧下に濃縮し、残渣をHPLCで精製した。目的の画分を合わせ、減圧下に溶媒を留去し、残渣に10%炭酸カリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮し、残渣(エタノール溶液)にフマル酸8.1mgを含むエタノール溶液を加えて均一溶液とした。減圧下に濃縮した後、残渣に水3mlを加え、次いで凍結乾燥して、白色固体の(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)ブチル]−(S)−ピロリジン−3−イルアミン・二フマル酸塩19mgを得た。
H−NMR(DMSO−d)δppm:
1.45−1.55(2H,m),1.65−1.8(2H,m),1.8−1.95(1H,m),2.05−2.15(1H,m),2.6−4.05(11H,m),4.25(2H,t,J=6.5Hz),4.3−4.4(1H,m),6.55(4H,s),6.77(1H,d,J=8.5Hz),6.8−6.9(1H,m),6.9−7.0(1H,m),7.03(1H,dd,J=3Hz,J=6.5Hz),7.22(1H,dd,J=9Hz,J=9Hz),7.65−7.7(1H,m),8.1−8.15(1H,m)。
【0342】
実施例6
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(3−メチルスルファニルプロピル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン・塩酸塩の合成
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.60g(1.9ミリモル)及び3−メチルチオプロピオンアルデヒド0.6g(5.7ミリモル)を含む酢酸溶液(3ml)を室温で一夜撹拌した。この混合物に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム0.81g(3.8ミリモル)を加え、次いで室温で15時間撹拌した。反応溶液にジクロロメタンを加え、水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残渣を1N−塩酸−エタノール10mlに溶解し、1時間加熱還流した。反応溶液を濃縮乾固して、黄色無定形固体の(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(3−メチルスルファニルプロピル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン・塩酸塩0.16gを得た。
H−NMR(DMSO−d)δppm:
1.52−1.70(2H,m),1.80−2.18(5H,m[2.07ppm(s)を含む]),2.40−2.51(2H,m),2.84−3.49(6H,m),4.29−4.49(1H,m),6.85−6.95(1H,m),7.05−7.35(2H,m),9.30−9.79(2H,m)。
【0343】
実施例7
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル −(S)−ピロリジン−3−イルアミン・二メタンスルホン酸塩の合成
3(S)−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イルアミノ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル16.0g(41ミリモル)を含むジクロロメタン溶液(100ml)にトリフルオロ酢酸20mlを加え、室温で3時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とし、ジクロロメタンで抽出した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し、残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製した。精製物から減圧下に溶媒を留去し、残渣を含むエタノール溶液にメタンスルホン酸9.2gを加え、減圧下に溶媒を留去した。残渣をエタノールから再結晶して、白色粉末の(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン・二メタンスルホン酸塩16.9gを得た。
融点 194.0−195.0℃。
【0344】
対応する適当な出発原料を用い、上記実施例と同様にして、下記表に示す実施例8〜1180の化合物を製造した。これらの表において、例えば、結晶形、m.p.(融点)、塩、H−NMR及びMS(マススペクトル)等の物性を有する化合物が、実際に製造された。
【0345】
【表39】

【0346】
【表40】

【0347】
【表41】

【0348】
【表42】

【0349】
【表43】

【0350】
【表44】

【0351】
【表45】

【0352】
【表46】

【0353】
【表47】

【0354】
【表48】

【0355】
【表49】

【0356】
【表50】

【0357】
【表51】

【0358】
【表52】

【0359】
【表53】

【0360】
【表54】

【0361】
【表55】

【0362】
【表56】

【0363】
【表57】

【0364】
【表58】

【0365】
【表59】

【0366】
【表60】

【0367】
【表61】

【0368】
【表62】

【0369】
【表63】

【0370】
【表64】

【0371】
【表65】

【0372】
【表66】

【0373】
【表67】

【0374】
【表68】

【0375】
【表69】

【0376】
【表70】

【0377】
【表71】

【0378】
【表72】

【0379】
【表73】

【0380】
【表74】

【0381】
【表75】

【0382】
【表76】

【0383】
【表77】

【0384】
【表78】

【0385】
【表79】

【0386】
【表80】

【0387】
【表81】

【0388】
【表82】

【0389】
【表83】

【0390】
【表84】

【0391】
【表85】

【0392】
【表86】

【0393】
【表87】

【0394】
【表88】

【0395】
【表89】

【0396】
【表90】

【0397】
【表91】

【0398】
【表92】

【0399】
【表93】

【0400】
【表94】

【0401】
【表95】

【0402】
【表96】

【0403】
【表97】

【0404】
【表98】

【0405】
【表99】

【0406】
【表100】

【0407】
【表101】

【0408】
【表102】

【0409】
【表103】

【0410】
【表104】

【0411】
【表105】

【0412】
【表106】

【0413】
【表107】

【0414】
【表108】

【0415】
【表109】

【0416】
【表110】

【0417】
【表111】

【0418】
【表112】

【0419】
【表113】

【0420】
【表114】

【0421】
【表115】

【0422】
【表116】

【0423】
【表117】

【0424】
【表118】

【0425】
【表119】

【0426】
【表120】

【0427】
【表121】

【0428】
【表122】

【0429】
【表123】

【0430】
【表124】

【0431】
【表125】

【0432】
【表126】

【0433】
【表127】

【0434】
【表128】

【0435】
【表129】

【0436】
【表130】

【0437】
【表131】

【0438】
【表132】

【0439】
【表133】

【0440】
【表134】

【0441】
【表135】

【0442】
【表136】

【0443】
【表137】

【0444】
【表138】

【0445】
【表139】

【0446】
【表140】

【0447】
【表141】

【0448】
【表142】

【0449】
【表143】

【0450】
【表144】

【0451】
【表145】

【0452】
【表146】

【0453】
【表147】

【0454】
【表148】

【0455】
【表149】

【0456】
【表150】

【0457】
【表151】

【0458】
【表152】

【0459】
【表153】

【0460】
【表154】

【0461】
【表155】

【0462】
【表156】

【0463】
【表157】

【0464】
【表158】

【0465】
【表159】

【0466】
薬理試験1
ラット脳シナプトソームによる試験化合物のセロトニン(5−HT)取り込み阻害活性の測定
雄のウィスターラットを断頭し、脳を取り出し、前頭皮質を切開した。分離した前頭皮質を、重量の20倍の0.32モーラー(M)ショ糖溶液内に入れ、ポッター型ホモジナイザーでホモジナイズした。ホモジネートを1000g、4℃で10分間遠心し、その上清をさらに20000g、4℃で20分間遠心した。そのペレットをインキュベーションバッファー(10mMグルコース,145mM塩化ナトリウム,4.5mM塩化カリウム,1.2mM塩化マグネシウム及び1.5mM塩化カルシウムを含む20mMヘペスバッファー(pH7.4))に懸濁させ、粗シナプトソーム画分として用いた。
【0467】
96ウェル−ラウンドボトムのプレートの各ウェルに、取り込み反応混合物を、パージェリン(最終濃度10μM)及びアスコルビン酸(最終濃度0.2mg/ml)を含む200μlの最終容量中に吊した。
【0468】
溶媒、未標識5−HT及び段階希釈した試験化合物を各ウェルに加え、最終容量の10分の1量のシナプトソーム画分を加えた。37℃で10分間プレインキュベーション後、トリチウムラベル5−HT溶液(最終濃度8nM)を加えて37℃で取り込み反応を開始した。96ウェルガラス繊維フィルタープレートに吸引濾過することにより10分後に取り込み反応を終了させた。さらにフィルターを冷生理食塩水で洗った後、十分に乾燥させ、マイクロシンチ0(パーキンエルマー)を加え、フィルター上の残存放射活性を測定した。
【0469】
溶媒のみを加えたときの取り込み値を100%、未標識の5−HT(最終濃度10μM)を加えたときの取り込み値(非特異的取り込み値)を0%とした。試験化合物の濃度とその阻害活性から50%阻害濃度を計算した。結果を表160に示す。
【0470】
【表160】

【0471】
薬理試験2
ラット脳シナプトソームによる試験化合物のノルエピネフィリン(NE)取り込み阻害活性の測定
雄のウィスターラットを断頭し、脳を取り出し、海馬を切開した。分離した海馬を、重量の20倍の0.32モーラー(M)ショ糖溶液内に入れ、ポッター型ホモジナイザーでホモジナイズした。ホモジネートを1000g、4℃で10分間遠心し、その上清をさらに20000g、4℃で20分間遠心した。そのペレットをインキュベーションバッファー(10mMグルコース,145mM塩化ナトリウム,4.5mM塩化カリウム,1.2mM塩化マグネシウム及び1.5mM塩化カルシウムを含む20mMヘペスバッファー(pH7.4))に懸濁させ、粗シナプトソーム画分として用いた。
【0472】
96ウェル−ラウンドボトムのプレートの各ウェルに、取り込み反応混合物を、パージェリン(最終濃度10μM)及びアスコルビン酸(最終濃度0.2mg/ml)を含む200μlの最終容量中に吊した。
【0473】
溶媒、未標識NE及び段階希釈した試験化合物を各ウェルに加え、最終容量の10分の1量のシナプトソーム画分を加えた。37℃で10分間プレインキュベーション後、トリチウムラベルNE溶液(最終濃度12nM)を加えて37℃で取り込み反応を開始した。96ウェルガラス繊維フィルタープレートに吸引濾過することにより10分後に取り込み反応を終了させた。さらにフィルターを冷生理食塩水で洗った後、十分に乾燥させ、マイクロシンチ0(パーキンエルマー)を加え、フィルター上の残存放射活性を測定した。
【0474】
溶媒のみを加えたときの取り込み値を100%、未標識のNE(最終濃度10μM)を加えたときの取り込み値(非特異的取り込み値)を0%とした。試験化合物の濃度とその阻害活性から50%阻害濃度を計算した。結果を表161に示す。
【0475】
【表161】

【0476】
薬理試験3
ラット脳シナプトソームによる試験化合物のドパミン(DA)取り込み阻害活性の測定
雄のウィスターラットを断頭し、脳を取り出し、線条体を切開した。分離した線条体を、重量の20倍の0.32モーラー(M)ショ糖溶液内に入れ、ポッター型ホモジナイザーでホモジナイズした。ホモジネートを1000g、4℃で10分間遠心し、その上清をさらに20000g、4℃で20分間遠心した。そのペレットをインキュベーションバッファー(10mMグルコース,145mM塩化ナトリウム,4.5mM塩化カリウム,1.2mM塩化マグネシウム及び1.5mM塩化カルシウムを含む20mMヘペスバッファー(pH7.4))に懸濁させ、粗シナプトソーム画分として用いた。
【0477】
96ウェル−ラウンドボトムのプレートの各ウェルに、取り込み反応混合物を、パージェリン(最終濃度10μM)及びアスコルビン酸(最終濃度0.2mg/ml)を含む200μlの最終容量中に吊した。
【0478】
溶媒、未標識DA及び段階希釈した試験化合物を各ウェルに加え、最終容量の10分の1量のシナプトソーム画分を加えた。37℃で10分間プレインキュベーション後、トリチウムラベルDA溶液(最終濃度2nM)を加えて37℃で取り込み反応を開始した。96ウェルガラス繊維フィルタープレートに吸引濾過することにより10分後に取り込み反応を終了させた。さらにフィルターを冷生理食塩水で洗った後、十分に乾燥させ、マイクロシンチ0(パーキンエルマー)を加え、フィルター上の残存放射活性を測定した。
【0479】
溶媒のみを加えたときの取り込み値を100%、未標識のDA(最終濃度10μM)を加えたときの取り込み値(非特異的取り込み値)を0%とした。試験化合物の濃度とその阻害活性から50%阻害濃度を計算した。結果を表162に示す。
【0480】
【表162】

【0481】
薬理試験4
強制水泳試験
この試験を、ポルソルトらの方法(Porsolt, R.D., et al. , Behavioural despair in mice: A primary screening test for antidepressants. Arch. int. Pharmacodyn., 229, pp327-336(1977))に準じて行った。
【0482】
試験化合物を5%アラビアゴム/生理食塩水溶液(w/v)に懸濁し、雄性アイシーアール(ICR)マウス(日本クレア(JCL)、5〜6週齢)に経口投与した。その1時間後に、マウスを水深9.5cm、水温21〜25℃の水槽内に入れ、直後より6分間水泳試行を実施した。そして後半4分間におけるマウスが動かない時間(無動時間)を計測した。無動時間の測定解析には、メルクエスト社のスキャネットMV−20AQ(SCANET MV−20 AQ)システムを使用した。
【0483】
この実験において、試験化合物で処理された動物は、無動時間の短縮を示した。このことから、試験化合物が抗うつ薬として有用であることが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、R101及びR102は、各々独立して、下記(1)〜(86)で示されるいずれかの基を示す。
(1) フェニル基、
(2) ピリジル基、
(3) ベンゾチエニル基、
(4) インドリル基、
(5) 2,3−ジヒドロ−1H−インデニル基、
(6) ナフチル基、
(7) ベンゾフリル基、
(8) キノリル基、
(9) チアゾリル基、
(10) ピリミジニル基、
(11) ピラジニル基、
(12) ベンゾチアゾリル基、
(13) チエノ[3,2−b]ピリジル基、
(14) チエニル基、
(15) シクロアルキル基、
(16) テトラヒドロピラニル基、
(17) ピロリル基、
(18) 2,4−ジヒドロ−1,3−ベンゾジオキシニル基、
(19) 2,3−ジヒドロベンゾフリル基、
(20) 9H−フルオレニル基、
(21) ピラゾリル基、
(22) ピリダジニル基、
(23) インドリニル基、
(24) チエノ[2,3−b]ピリジル基、
(25) チエノ[3,2−d]ピリミジニル基、
(26) チエノ[3,2−e]ピリミジニル基、
(27) 1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジル基、
(28) イソキノリル基、
(29) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサジニル基、
(30) キノキサリニル基、
(31) キナゾリニル基、
(32) 1,2,3,4−テトラヒドロキノリル基、
(33) シクロアルキル低級アルキル基、
(34) 低級アルキルチオ低級アルキル基、
(35) アミノ置換低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(36) フェノキシ低級アルキル基、
(37) ピリジルオキシ低級アルキル基、
(38) 低級アルキニル基、
(39) フェニル低級アルケニル基、
(40) 1,3−ベンゾジオキソリル基、
(41) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル基、
(42) 3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾジオキセピニル基、
(43) ジヒドロピリジル基、
(44) 1,2−ジヒドロキノリル基、
(45) 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル基、
(46) ベンゾオキサゾリル基、
(47) ベンゾイソチアゾリル基、
(48) インダゾリル基、
(49) ベンゾイミダゾリル基、
(50) イミダゾリル基、
(51) 1,2,3,4−テトラヒドロナフチル低級アルキル基、
(52) イミダゾ[1,2−a]ピリジル低級アルキル基、
(53) チアゾリル低級アルキル基、
(54) テトラヒドロピラニル低級アルキル基、
(55) ピペリジル低級アルキル基、
(56) ジフェニル低級アルコキシ置換低級アルキル基、
(57) 低級アルコキシカルボニル置換低級アルキル基、
(58) フェニル低級アルコキシカルボニル置換低級アルキル基、
(59) ヒドロキシ置換低級アルキル基、
(60) 低級アルコキシ低級アルキル基、
(61) カルボキシ低級アルキル基、
(62) カルバモイル置換低級アルキル基(カルバモイル基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(63) 低級アルケニル基、
(64) モルホリニルカルボニル低級アルキル基、
(65) ベンゾイル低級アルキル基、
(66) フェニルチオ低級アルキル基、
(67) ナフチルチオ低級アルキル基、
(68) シクロアルキルチオ低級アルキル基、
(69) ピリジルチオ低級アルキル基、
(70) ピリミジニルチオ低級アルキル基、
(71) フリルチオ低級アルキル基、
(72) チエニルチオ低級アルキル基、
(73) 1,3,4−チアジアゾリルチオ低級アルキル基、
(74) ベンズイミダゾリルチオ低級アルキル基、
(75) ベンズチアゾリルチオ低級アルキル基、
(76) テトラゾリルチオ低級アルキル基、
(77) ベンゾキサゾリルチオ低級アルキル基、
(78) チアゾリルチオ低級アルキル基、
(79) イミダゾリルチオ低級アルキル基、
(80) アミノ置換低級アルキルチオ低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(81) フェニル置換低級アルキルチオ低級アルキル基、
(82) フリル置換低級アルキルチオ低級アルキル基、
(83) ピリジル置換低級アルキルチオ低級アルキル基、
(84) ヒドロキシ置換低級アルキルチオ低級アルキル基、
(85) フェノキシ置換低級アルキルチオ低級アルキル基、及び
(86) 低級アルコキシカルボニル置換低級アルキルチオ低級アルキル基;
上記(1)〜(32)、(37)、(39)〜(56)、(64)〜(79)、(81)〜(83)及び(85)で示される各基は、シクロアルキル環、芳香環又は複素環上に、下記(1-1)〜(1-37)から選ばれた置換基を1個以上有していてもよい。
(1-1) ハロゲン原子、
(1-2) 1個以上のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキルチオ基、
(1-3) 1個以上のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基、
(1-4) 1個以上のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルコキシ基、
(1-5) ニトロ基、
(1-6) 低級アルコキシカルボニル基、
(1-7) 1個又は2個の低級アルキル基が置換されていてもよいアミノ基、
(1-8) 低級アルキルスルホニル基、
(1-9) シアノ基、
(1-10) カルボキシ基、
(1-11) 水酸基、
(1-12) チエニル基、
(1-13) オキサゾリル基、
(1-14) ナフチル基、
(1-15) ベンゾイル基、
(1-16) フェノキシ基(フェニル環上にはハロゲン原子が1〜3個置換していてもよい)、
(1-17) フェニル低級アルコキシ基、
(1-18) 低級アルカノイル基、
(1-19) フェニル基(フェニル環上にはハロゲン原子、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アルカノイル基及び低級アルキル基からなる群から選ばれた置換基が1〜5個置換していてもよい)、
(1-20) フェニル低級アルキル基、
(1-21) シアノ低級アルキル基、
(1-22) 窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれたヘテロ原子を1個又は2個含有する5〜7員の飽和ヘテロ環基が置換したスルホニル基、
(1-23) チアゾリル基(チアゾール環上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(1-24) イミダゾリル基、
(1-25) アミノ低級アルキル基(アミノ基上には、低級アルキル基が1〜2個置換していてもよい)、
(1-26) ピロリジニル低級アルコキシ基、
(1-27) イソオキサゾリル基、
(1-28) シクロアルキルカルボニル基、
(1-29) ナフチルオキシ基、
(1-30) ピリジル基、
(1-31) フリル基、
(1-32) フェニルチオ基、
(1-33) オキソ基、
(1-34) カルバモイル基、
(1-35) 窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれたヘテロ原子を1個又は2個含有する5〜7員の飽和ヘテロ環基(飽和ヘテロ環基上には、オキソ基;低級アルキル基;低級アルカノイル基;フェニル低級アルキル基;フェニル環上にハロゲン原子及び低級アルコキシ基からなる群から選ばれた基を1〜3個有していてもよいフェニル基;並びにピリジル基からなる群から選ばれた置換基が1〜3個置換していてもよい)
(1-36) オキシド基、及び
(1-37) 低級アルコキシド基;
但し、R101及びR102は、同時に無置換のフェニル基であってはならない。]
で表されるピロリジン化合物又はその塩。
【請求項2】
101が、
(1) フェニル基、
(3) ベンゾチエニル基、
(4) インドリル基、
(5) 2,3−ジヒドロ−1H−インデニル基、
(6) ナフチル基、
(7) ベンゾフリル基、
(8) キノリル基、
(12) ベンゾチアゾリル基、
(18) 2,4−ジヒドロ−1,3−ベンゾジオキシニル基、
(19) 2,3−ジヒドロベンゾフリル基、
(20) 9H−フルオレニル基、
(23) インドリニル基、
(28) イソキノリル基、
(29) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサジニル基、
(30) キノキサリニル基、
(31) キナゾリニル基、
(32) 1,2,3,4−テトラヒドロキノリル基、
(40) 1,3−ベンゾジオキソリル基、
(41) 2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル基、
(42) 3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾジオキセピニル基、
(44) 1,2−ジヒドロキノリル基、
(45) 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル基、
(46) ベンゾオキサゾリル基、
(47) ベンゾイソチアゾリル基、
(48) インダゾリル基、又は
(49) ベンゾイミダゾリル基であり、
これら各基の芳香環又は複素環上には請求項1で定義される(1-1)〜(1-37)から選ばれた置換基が1〜3個有していてもよい、
請求項1に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩。
【請求項3】
101が(1)フェニル基又は(3)ベンゾチエニル基であり、
これら各基の芳香環又は複素環上には(1-1)ハロゲン原子及び(1-3)1〜3個のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基からなる群から選ばれた置換基を1〜3個有していてもよい、
請求項2に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩。
【請求項4】
102が、
(1) フェニル基、
(2) ピリジル基、
(9) チアゾリル基、
(10) ピリミジニル基、
(11) ピラジニル基、
(14) チエニル基、
(48) インダゾリル基、
(59) ヒドロキシ置換低級アルキル基、又は
(60) 低級アルコキシ低級アルキル基であり、
上記(1)、(2)、(9)、(10)、(11)、(14)及び(48)で示される各基は、芳香環又は複素環上に請求項1で定義される(1-1)〜(1-37)から選ばれた置換基が1〜3個有していてもよい、
請求項3に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩。
【請求項5】
101が、モノハロフェニル基、ジハロフェニル基又は1個のハロゲン原子と1個の低級アルキル基とが置換したフェニル基であり、
102が、
(1) フェニル基、
(2) ピリジル基、
(9) チアゾリル基、
(10) ピリミジニル基、
(11) ピラジニル基、
(14) チエニル基、
(48) インダゾリル基、
(59) ヒドロキシ置換低級アルキル基、又は
(60) 低級アルコキシ低級アルキル基であり、
上記(1)、(2)、(9)、(10)、(11)、(14)及び(48)で示される各基は、芳香環又は複素環上に(1-1)ハロゲン原子、(1-3)1個以上のハロゲン原子が置換されていてもよい低級アルキル基及び(1-9)シアノ基からなる群から選ばれた置換基を1〜2個有していてもよい、
請求項4に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩。
【請求項6】
以下の群から選ばれた請求項5に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩;
(4−クロロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(4−フルオロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3,4−ジフルオロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
ビス(4−フルオロフェニル)フェニル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3,4−ジフルオロフェニル)−(4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イル−p−トリルアミン、
4−[(S)−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ]ベンゾニトリル
ビス(3−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチアゾール−2−イルアミン、
(4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチアゾール−2−イルアミン、
(3,4−ジクロロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチアゾール−2−イルアミン、
(3,4−ジクロロフェニル)ピリミジン−5−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(5−クロロピリジン−2−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(6−フルオロピリジン−3−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3,4−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(S)−ピロリジン−3−イルチオフェン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(5−フルオロピリジン−3−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−(5−フルオロピリジン−3−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
2−[(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ)エタノール、
1−[(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ)−2−メチルプロパン−2−オール、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(2−メトキシエチル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
3−[(S)−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イルアミノ)プロパン−1−オール、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(3−メトキシプロピル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−(S)−ピロリジン−3−イルアミン、
ベンゾ[b]チオフェン−6−イル−(S)−ピロリジン−3−イルチオフェン−3−イルアミン、及び
ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−(S)−ピロリジン−3−イルチオフェン−3−イルアミン。
【請求項7】
有効成分として請求項1に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩、及び薬理的に許容される担体を含有する医薬組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩を有効成分として含有する、セロトニン、ノルエピネフリン又はドパミンの神経伝達の低下に伴う障害の予防及び/又は治療剤。
【請求項9】
傷害が、高血圧;うつ病;不安障害;恐怖;外傷後ストレス症候群;急性ストレス症候群;回避的人格障害;身体異常傷害;早発射精;摂食障害;肥満;アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン類に対する化学物質依存症;群発性頭痛;片頭痛;疼痛;Alzheimer's病;強迫障害;パニック障害;記憶障害;Parkinson's病;内分泌障害;血管痙攣;小脳性運動失調;胃腸管障害;精神分裂病の陰性症候群;月経前症候群;線維筋肉痛症候群;緊張性尿失禁;Tourette's症候群;抜毛癖;盗癖;男性インポテンス;注意欠陥多動性障害(ADHD);慢性痙攣;慢性発作性片頭痛;慢性疲労;脱力発作;睡眠無呼吸症候群;及び頭痛からなる群から選ばれる、
請求項8に記載の予防及び/又は治療剤。
【請求項10】
傷害が、以下の群から選ばれる請求項8に記載の予防及び/又は治療剤;
大うつ病性障害;双極性1障害;双極性2障害;混合状態;気分変調性障害;ラピッド・サイクラー;非定型うつ病;季節性感情障害;産後うつ病;軽症うつ病;反復性短期うつ病性障害;難治性うつ病・慢性うつ病;重複うつ病;アルコール誘発性気分障害;混合性不安抑うつ障害;Cushing症候群、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、Addison病、無月経・乳汁分泌症候群、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳出血、糖尿病、慢性疲労症候群及び癌からなる群から選ばれる身体疾患に伴ううつ病;中年期のうつ病;老年期うつ病;小児・思春期のうつ病;インターフェロン誘発性うつ病;及び調整傷害に伴ううつ病からなる群から選ばれるうつ病、並びに
調整傷害に伴う不安;及び頭部損傷、脳感染及び内耳傷害からなる群から選ばれる神経障害に伴う不安からなる群から選ばれる不安。
【請求項11】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩の、薬剤としての使用。
【請求項12】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩の、セロトニン再取り込み阻害剤及び/又はノルエピネフリン再取り込み阻害剤及び/又はドパミン再取り込み阻害剤としての使用。
【請求項13】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の一般式(1)で表されるピロリジン化合物又はその塩を、人又は動物に投与することを含む、セロトニン、ノルエピネフリン又はドパミンの神経伝達の低下に伴う障害を治療及び/又は予防する方法。
【請求項14】
一般式(1)
【化2】

[式中、R101及びR102は、請求項1におけるそれらと同じ。]
で表されるピロリジン化合物又はその塩の製造方法であって、
一般式(2)
【化3】

[式中、R101及びR102は、請求項1におけるそれらと同じ。R112は、アミノ保護基を示す。]
で表される化合物をアミノ保護基を除去するための脱離反応に付すことを含む、
ピロリジン化合物又はその塩の製造方法。

【公表番号】特表2008−540329(P2008−540329A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552427(P2007−552427)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【国際出願番号】PCT/JP2006/309988
【国際公開番号】WO2006/121218
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000206956)大塚製薬株式会社 (230)
【Fターム(参考)】