ファスチンを阻害するための方法
本発明は、ファスチンを阻害するのに有用な組成物および方法に関する。これらの組成物および方法を用い、ファスチン関連疾患が阻害されうる。例えば、本発明によると、ファスチンの阻害は哺乳動物における腫瘍細胞の転移を阻害する。本発明の一態様は、ファスチンの発現および/または活性を阻害する方法であって、有効量のファスチン阻害剤を、ファスチンを発現している細胞に投与し、それによって細胞内でのファスチンの発現または活性を阻害するステップを含む方法である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファスチンの発現および/または活性を阻害する方法であって、有効量のファスチン阻害剤を、ファスチンを発現する細胞に投与し、それにより前記細胞内での前記ファスチンの発現または活性を阻害するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記ファスチン阻害剤は、配列番号2、4、6もしくは8からなるファスチンRNAもしくはDNAに特異的に結合する阻害性核酸、小分子、ファスチンポリペプチド断片、またはファスチンに特異的に結合する抗体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記阻害性核酸は、配列番号13〜62のいずれかからなるRNAまたはDNAである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記阻害性核酸は、前記阻害性核酸の発現を誘導する発現カセットを含む発現ベクターを投与することによって投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記抗体は、ファスチンアクチン結合部位へのアクチンの結合を遮断するか、またはファスチンアクチン結合部位に特異的に結合する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ファスチンアクチン結合部位は、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250のいずれかを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ファスチンアクチン結合部位は、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473のいずれかを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記抗体は、ファスチンタンパク質に結合される場合、ファスチンアミノ酸His392およびHis474の一方または両方へのアクチンの結合を遮断する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記抗体は、ファスチンタンパク質に結合される場合、ファスチンアミノ酸His392およびHis474の一方または両方に結合する、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記ファスチン阻害剤は、式I:
【化7】
(式中、
XはCH、N、NHもしくはOであり;
R1はOH、CZ3であるか、またはR1およびR2がともに−C=Oであり(式中、Zはハロである);
R2はOH、CZ3であるか、またはR1およびR2がともに−C=Oであり(式中、Zはハロである);
R3はHまたは低級アルキルであり;
R4はHまたは低級アルキルであり;
R5はOHであり;
R6はアルキルオキシであり;
Y1およびY2は別々に−CH2−であるか、またはY1およびY2がともに−C=C−もしくは薬学的に許容されうるその塩を形成する)
の化合物である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物は、次の化合物、すなわち
【化8】
のいずれか1つ、またはそれらの組み合わせである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ファスチンポリペプチド断片は、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記ファスチンポリペプチド断片は、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記ファスチンポリペプチド断片はファスチンアミノ酸259〜493からなる、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記ファスチンポリペプチド断片は配列番号9、10および/もしくは12からなる、請求項2に記載のファスチン阻害剤。
【請求項16】
前記細胞は動物細胞である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記動物はヒトである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒトは疾患または症状に罹患する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記疾患または症状は、転移癌、神経疾患、神経変性、炎症状態、ウイルス感染、細菌感染、リンパ過形成、ホジキン病または虚血関連組織損傷である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記癌は、上皮性悪性腫瘍、リンパ腫、肉腫、メラノーマ、星状細胞腫、中皮腫細胞、卵巣癌、結腸癌、膵癌、食道癌、胃癌、肺癌、尿癌、膀胱癌、乳癌、胃癌、白血病、肺癌、結腸癌、中枢神経系癌、メラノーマ、卵巣癌、腎癌または前立腺癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ファスチンの阻害剤を同定する方法であって、
a)ファスチン配列を有する少なくとも1つのタンパク質またはペプチドを、少なくとも1つの試験作用物質と、前記成分を相互作用させるのに十分な時間接触させるステップと、
b)ファスチン配列を有する前記少なくとも1つのタンパク質またはペプチドと前記試験作用物質の間に結合が生じているか否かを判定するステップと、
を含み、ここでファスチン配列を有する前記少なくとも1つのタンパク質またはペプチドと試験作用物質の間の結合が、前記試験作用物質が癌転移の阻害剤であることを示唆する、方法。
【請求項22】
前記試験作用物質は、ファスチンアクチン結合部位へのアクチンの結合を遮断するかまたはファスチンアクチン結合部位に結合する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ファスチンアクチン結合部位は、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250を含む、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記ファスチンアクチン結合部位は、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473を含む、請求項21または22に記載の方法。
【請求項25】
前記試験作用物質は、ファスチンタンパク質に結合される場合、ファスチンアミノ酸His392およびHis474の一方もしくは両方へのアクチンの結合を阻害する、請求項21、22または24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記試験作用物質は、ファスチンタンパク質に結合される場合、ファスチンアミノ酸His392およびHis474の一方もしくは両方に結合する、請求項21、22または24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
ファスチンに対する前記試験作用物質の結合定数を判定するステップをさらに含む、請求項21〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記試験作用物質がファスチン媒介性アクチン束形成を阻害するか否かを判定するステップをさらに含む、請求項21〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記アクチンはF−アクチンである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ファスチンの阻害剤を同定するための方法であって、
a)表2に従い、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250におけるファスチン原子座標からファスチン結合部位の三次元構造画像を生成するステップであって、前記アミノ酸の骨格原子からの±a二乗平均平方根偏差は1.5オングストローム以下であるステップと、
b)有望な阻害剤を前記ファスチン結合部位内部に存在するように設計または選択し、それによりファスチンの阻害剤を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項31】
ファスチンの阻害剤を同定するための方法であって、
a)表2に従い、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473におけるファスチン原子座標からファスチン結合部位の三次元構造画像を生成するステップであって、前記アミノ酸の骨格原子からの±a二乗平均平方根偏差は1.5オングストローム以下であるステップと、
b)有望な阻害剤を前記ファスチン結合部位内部に存在するように設計または選択し、それによりファスチンの阻害剤を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項32】
前記有望な阻害剤を合成または入手するステップと、前記有望な阻害剤をファスチンと接触させるステップと、前記有望な阻害剤がファスチンに結合するか否かを確認するステップと、をさらに含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記有望な阻害剤は、約8オングストローム×約10オングストローム×約10オングストローム以下である、請求項30〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記方法は、データセットとして前記ファスチン原子座標を含むコンピュータシステムを使用して実施される、請求項30〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
ファスチンの前記阻害剤は転移癌の阻害剤である、請求項21〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
表2のファスチン原子座標を含む機械読取り可能記憶媒体。
【請求項37】
表2による、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250におけるファスチン原子座標を含み、ここで前記アミノ酸の骨格原子からの±a二乗平均平方根偏差は1.5オングストローム以下である、請求項36に記載の機械読取り可能記憶媒体。
【請求項38】
表2による、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473におけるファスチン原子座標を含み、ここで前記アミノ酸の骨格原子からの±a二乗平均平方根偏差は1.5オングストローム以下である、請求項36に記載の機械読取り可能記憶媒体。
【請求項39】
配列番号2、4、6もしくは8からなるファスチンRNAもしくはDNAに特異的に結合する阻害性核酸、小分子、ファスチンポリペプチド断片、またはファスチンに特異的に結合する抗体を含むファスチン阻害剤。
【請求項40】
前記阻害性核酸は、配列番号13〜62のいずれかからなるRNAまたはDNAである、請求項39に記載のファスチン阻害剤。
【請求項41】
前記阻害性核酸は、ファスチン阻害性核酸の発現を誘導する発現カセットを含む発現ベクター内で発現される、請求項39または40に記載のファスチン阻害剤。
【請求項42】
前記抗体は、ファスチンアクチン結合部位に特異的に結合するかまたはファスチンアクチン結合部位へのアクチンの結合を遮断し、ここで前記アクチン結合部位はファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250を含む、請求項39に記載のファスチン阻害剤。
【請求項43】
前記抗体は、ファスチンアクチン結合部位に特異的に結合するかまたはファスチンアクチン結合部位へのアクチンの結合を遮断し、ここで前記アクチン結合部位はファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473を含む、請求項42に記載のファスチン阻害剤。
【請求項44】
前記抗体は、ファスチンアミノ酸259〜493を含む配列を有するポリペプチドを使用して生成された、請求項39または43に記載のファスチン阻害剤。
【請求項45】
前記抗体は、配列番号9、10および/もしくは12を有するポリペプチドを使用して生成された、請求項39または43に記載のファスチン阻害剤。
【請求項46】
前記ファスチンポリペプチド断片は、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250を含む、請求項39に記載のファスチン阻害剤。
【請求項47】
前記ファスチンポリペプチド断片は、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473を含む、請求項39に記載のファスチン阻害剤。
【請求項48】
前記ファスチンポリペプチド断片はファスチンアミノ酸259〜493からなる、請求項39または47に記載のファスチン阻害剤。
【請求項49】
前記ファスチンポリペプチド断片は配列番号9、10および/もしくは12からなる、請求項39または48に記載のファスチン阻害剤。
【請求項50】
患者における転移癌を治療または阻害する方法であって、前記患者に、請求項39〜49のいずれか一項に記載のファスチン阻害剤を投与するステップを含む、方法。
【請求項51】
薬剤の製造における、請求項39〜49のいずれか一項に記載のファスチン阻害剤の使用。
【請求項52】
前記薬剤は、転移癌、神経疾患、神経変性、炎症状態、ウイルス感染、細菌感染、リンパ過形成、ホジキン病または虚血関連組織損傷の治療を目的とする、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
前記薬剤は、哺乳動物における転移癌の治療または阻害を目的とする、請求項51に記載の使用。
【請求項1】
ファスチンの発現および/または活性を阻害する方法であって、有効量のファスチン阻害剤を、ファスチンを発現する細胞に投与し、それにより前記細胞内での前記ファスチンの発現または活性を阻害するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記ファスチン阻害剤は、配列番号2、4、6もしくは8からなるファスチンRNAもしくはDNAに特異的に結合する阻害性核酸、小分子、ファスチンポリペプチド断片、またはファスチンに特異的に結合する抗体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記阻害性核酸は、配列番号13〜62のいずれかからなるRNAまたはDNAである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記阻害性核酸は、前記阻害性核酸の発現を誘導する発現カセットを含む発現ベクターを投与することによって投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記抗体は、ファスチンアクチン結合部位へのアクチンの結合を遮断するか、またはファスチンアクチン結合部位に特異的に結合する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ファスチンアクチン結合部位は、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250のいずれかを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ファスチンアクチン結合部位は、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473のいずれかを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記抗体は、ファスチンタンパク質に結合される場合、ファスチンアミノ酸His392およびHis474の一方または両方へのアクチンの結合を遮断する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記抗体は、ファスチンタンパク質に結合される場合、ファスチンアミノ酸His392およびHis474の一方または両方に結合する、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記ファスチン阻害剤は、式I:
【化7】
(式中、
XはCH、N、NHもしくはOであり;
R1はOH、CZ3であるか、またはR1およびR2がともに−C=Oであり(式中、Zはハロである);
R2はOH、CZ3であるか、またはR1およびR2がともに−C=Oであり(式中、Zはハロである);
R3はHまたは低級アルキルであり;
R4はHまたは低級アルキルであり;
R5はOHであり;
R6はアルキルオキシであり;
Y1およびY2は別々に−CH2−であるか、またはY1およびY2がともに−C=C−もしくは薬学的に許容されうるその塩を形成する)
の化合物である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物は、次の化合物、すなわち
【化8】
のいずれか1つ、またはそれらの組み合わせである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ファスチンポリペプチド断片は、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記ファスチンポリペプチド断片は、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記ファスチンポリペプチド断片はファスチンアミノ酸259〜493からなる、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記ファスチンポリペプチド断片は配列番号9、10および/もしくは12からなる、請求項2に記載のファスチン阻害剤。
【請求項16】
前記細胞は動物細胞である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記動物はヒトである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒトは疾患または症状に罹患する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記疾患または症状は、転移癌、神経疾患、神経変性、炎症状態、ウイルス感染、細菌感染、リンパ過形成、ホジキン病または虚血関連組織損傷である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記癌は、上皮性悪性腫瘍、リンパ腫、肉腫、メラノーマ、星状細胞腫、中皮腫細胞、卵巣癌、結腸癌、膵癌、食道癌、胃癌、肺癌、尿癌、膀胱癌、乳癌、胃癌、白血病、肺癌、結腸癌、中枢神経系癌、メラノーマ、卵巣癌、腎癌または前立腺癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ファスチンの阻害剤を同定する方法であって、
a)ファスチン配列を有する少なくとも1つのタンパク質またはペプチドを、少なくとも1つの試験作用物質と、前記成分を相互作用させるのに十分な時間接触させるステップと、
b)ファスチン配列を有する前記少なくとも1つのタンパク質またはペプチドと前記試験作用物質の間に結合が生じているか否かを判定するステップと、
を含み、ここでファスチン配列を有する前記少なくとも1つのタンパク質またはペプチドと試験作用物質の間の結合が、前記試験作用物質が癌転移の阻害剤であることを示唆する、方法。
【請求項22】
前記試験作用物質は、ファスチンアクチン結合部位へのアクチンの結合を遮断するかまたはファスチンアクチン結合部位に結合する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ファスチンアクチン結合部位は、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250を含む、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記ファスチンアクチン結合部位は、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473を含む、請求項21または22に記載の方法。
【請求項25】
前記試験作用物質は、ファスチンタンパク質に結合される場合、ファスチンアミノ酸His392およびHis474の一方もしくは両方へのアクチンの結合を阻害する、請求項21、22または24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記試験作用物質は、ファスチンタンパク質に結合される場合、ファスチンアミノ酸His392およびHis474の一方もしくは両方に結合する、請求項21、22または24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
ファスチンに対する前記試験作用物質の結合定数を判定するステップをさらに含む、請求項21〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記試験作用物質がファスチン媒介性アクチン束形成を阻害するか否かを判定するステップをさらに含む、請求項21〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記アクチンはF−アクチンである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ファスチンの阻害剤を同定するための方法であって、
a)表2に従い、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250におけるファスチン原子座標からファスチン結合部位の三次元構造画像を生成するステップであって、前記アミノ酸の骨格原子からの±a二乗平均平方根偏差は1.5オングストローム以下であるステップと、
b)有望な阻害剤を前記ファスチン結合部位内部に存在するように設計または選択し、それによりファスチンの阻害剤を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項31】
ファスチンの阻害剤を同定するための方法であって、
a)表2に従い、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473におけるファスチン原子座標からファスチン結合部位の三次元構造画像を生成するステップであって、前記アミノ酸の骨格原子からの±a二乗平均平方根偏差は1.5オングストローム以下であるステップと、
b)有望な阻害剤を前記ファスチン結合部位内部に存在するように設計または選択し、それによりファスチンの阻害剤を同定するステップと、
を含む、方法。
【請求項32】
前記有望な阻害剤を合成または入手するステップと、前記有望な阻害剤をファスチンと接触させるステップと、前記有望な阻害剤がファスチンに結合するか否かを確認するステップと、をさらに含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記有望な阻害剤は、約8オングストローム×約10オングストローム×約10オングストローム以下である、請求項30〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記方法は、データセットとして前記ファスチン原子座標を含むコンピュータシステムを使用して実施される、請求項30〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
ファスチンの前記阻害剤は転移癌の阻害剤である、請求項21〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
表2のファスチン原子座標を含む機械読取り可能記憶媒体。
【請求項37】
表2による、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250におけるファスチン原子座標を含み、ここで前記アミノ酸の骨格原子からの±a二乗平均平方根偏差は1.5オングストローム以下である、請求項36に記載の機械読取り可能記憶媒体。
【請求項38】
表2による、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473におけるファスチン原子座標を含み、ここで前記アミノ酸の骨格原子からの±a二乗平均平方根偏差は1.5オングストローム以下である、請求項36に記載の機械読取り可能記憶媒体。
【請求項39】
配列番号2、4、6もしくは8からなるファスチンRNAもしくはDNAに特異的に結合する阻害性核酸、小分子、ファスチンポリペプチド断片、またはファスチンに特異的に結合する抗体を含むファスチン阻害剤。
【請求項40】
前記阻害性核酸は、配列番号13〜62のいずれかからなるRNAまたはDNAである、請求項39に記載のファスチン阻害剤。
【請求項41】
前記阻害性核酸は、ファスチン阻害性核酸の発現を誘導する発現カセットを含む発現ベクター内で発現される、請求項39または40に記載のファスチン阻害剤。
【請求項42】
前記抗体は、ファスチンアクチン結合部位に特異的に結合するかまたはファスチンアクチン結合部位へのアクチンの結合を遮断し、ここで前記アクチン結合部位はファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250を含む、請求項39に記載のファスチン阻害剤。
【請求項43】
前記抗体は、ファスチンアクチン結合部位に特異的に結合するかまたはファスチンアクチン結合部位へのアクチンの結合を遮断し、ここで前記アクチン結合部位はファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473を含む、請求項42に記載のファスチン阻害剤。
【請求項44】
前記抗体は、ファスチンアミノ酸259〜493を含む配列を有するポリペプチドを使用して生成された、請求項39または43に記載のファスチン阻害剤。
【請求項45】
前記抗体は、配列番号9、10および/もしくは12を有するポリペプチドを使用して生成された、請求項39または43に記載のファスチン阻害剤。
【請求項46】
前記ファスチンポリペプチド断片は、ファスチンアミノ酸Thr326、Ser328、Ser329、Lys330、Asn331、Ser333、Arg276、Gln277、Met279、Asp286、Glu287、Gln291、Thr320、Thr318、Lys313、Thr311、Gln362、Asn360、Lys359、Asp168、Pro159、Arg151、Lys150、Arg149、Arg197、Arg201、Glu207、Glu227、Ser237、Pro236、Lys241、Lys247、およびLys250を含む、請求項39に記載のファスチン阻害剤。
【請求項47】
前記ファスチンポリペプチド断片は、ファスチンアミノ酸His392、Glu391、Ala488、Lys471、His474およびAsp473を含む、請求項39に記載のファスチン阻害剤。
【請求項48】
前記ファスチンポリペプチド断片はファスチンアミノ酸259〜493からなる、請求項39または47に記載のファスチン阻害剤。
【請求項49】
前記ファスチンポリペプチド断片は配列番号9、10および/もしくは12からなる、請求項39または48に記載のファスチン阻害剤。
【請求項50】
患者における転移癌を治療または阻害する方法であって、前記患者に、請求項39〜49のいずれか一項に記載のファスチン阻害剤を投与するステップを含む、方法。
【請求項51】
薬剤の製造における、請求項39〜49のいずれか一項に記載のファスチン阻害剤の使用。
【請求項52】
前記薬剤は、転移癌、神経疾患、神経変性、炎症状態、ウイルス感染、細菌感染、リンパ過形成、ホジキン病または虚血関連組織損傷の治療を目的とする、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
前記薬剤は、哺乳動物における転移癌の治療または阻害を目的とする、請求項51に記載の使用。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
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【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2011−506274(P2011−506274A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534970(P2010−534970)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/012988
【国際公開番号】WO2009/070244
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(508057896)コーネル・ユニバーシティー (12)
【氏名又は名称原語表記】CORNELL UNIVERSITY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/012988
【国際公開番号】WO2009/070244
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(508057896)コーネル・ユニバーシティー (12)
【氏名又は名称原語表記】CORNELL UNIVERSITY
【Fターム(参考)】
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