説明

フィルタエレメント、フィルタ装置

【課題】 本発明は、燃料中の水分を取り除く機能が早期に低下することを抑制でき、液中のダスト濃度が高い場合であっても水分を取り除く機能が早期に低下することを抑制できるフィルタエレメントを提供する。
【解決手段】 フィルタエレメント50は、燃料F中のダストDを取り除く機能を有する筒状の第1の濾材51と、第1の濾材51の内側に収容されるとともに、燃料F中の水分Wを取り除く機能を有する第2の濾材52とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば燃料中のダストと水分とを濾過する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料タンクと内燃機関とを連通し、燃料タンク内の燃料をエンジン(内燃機関)に導く燃料流路中には、燃料中のダストと水分を取り除くためのフィルタ装置が設けられている。フィルタ装置は、1つの濾材を備えている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2004−500506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されるように1つの濾材を用いる構造であると、当該1つの濾材は、燃料中のダストと水分とを取り除く機能を有することが求められる。1つの濾材が、燃料中のダストと水分とを取り除く場合、濾材がダストを捕集するにしたがって、水分を取り除く機能が低下する傾向にある。このため、濾材は、水分を取り除く機能が早期に低下してしまうことが考えられる。水分を取り除く機能が早期に低下することは、好ましくない。
【0005】
このため、本発明は、液中の水分を取り除く機能が早期に低下することを抑制でき、液中のダスト濃度が高い場合であっても水分を取り除く機能が早期に低下することを抑制できるフィルエレメント提供することを目的とする。また、他の本発明は、液中の水分を取り除く機能が早期に低下することを抑制でき、液中のダスト濃度が高い場合であっても水分を取り除く機能が早期に低下することを抑制できるフィルタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明のフィルタエレメントは、濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1のエレメントと、前記第1のエレメントの内側に収容されるとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2のエレメントとを備える。
【0007】
請求項2に記載の発明のフィルタエレメントは、濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1のエレメントと、前記第1のエレメントを内側に収容するとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2のエレメントとを備える。
【0008】
請求項3に記載の発明のフィルタ装置は、濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1のエレメントと、前記第1のエレメントの内側に収容されるとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2のエレメントとを具備するフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントを収容するハウジングと、前記ハウジング内に前記液を導く流入路と、前記フィルタエレメントを通過した後の前記液を外部に導く流出路と、前記第2のエレメントで取り除かれた水分をためる貯水部と、前記第2のエレメントで取り除かれた水分を前記貯水部へ導く流路とを備える。前記第1のエレメントと前記第2のエレメントとの間には、隙間が形成される。前記第2のエレメントは、撥水性を有して前記液が前記第2のエレメントを通過する際に前記液中の水分を前記隙間内に分離する。前記流路は、前記隙間と前記貯水部とを連通する。前記ハウジングは、前記フィルタエレメントが固定される基部を備える。前記流入路は、前記基部内に形成される。前記流出路は、前記基部内に形成される。前記貯水部は、前記基部に取り付けられる。前記流路は、前記基部内に形成される。
【0009】
請求項4に記載の発明のフィルタ装置は、濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1のエレメントと、前記第1のエレメントを内側に収容するとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2のエレメントとを具備するフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントを収容するハウジングと、前記第1のエレメントの内側に前記液を導く流入路と、前記フィルタエレメントを通過した後の前記液を外部に導く流出路と、前記第2のエレメントで取り除かれた水分をためる貯水部と、前記第2のエレメントで取り除かれた水分を前記貯水部へ導く流路とを備える。前記第1のエレメントと前記第2のエレメントとの間には、隙間が形成される。前記第2のエレメントは、撥水性を有して前記液が前記第2の濾材を通過する際に前記液中の水分を前記隙間内に分離する。前記流路は、前記隙間と前記貯水部とを連通する。前記ハウジングは、前記フィルタエレメントが固定される基部を備える。前記流入路は、前記基部内に形成される。前記流出路は、前記基部内に形成される。前記貯水部は、前記基部に取り付けられる。前記流路は、前記基部内に形成される。
【0010】
請求項5に記載の発明のフィルタ装置は、濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1のエレメントと、前記第1のエレメントの両端を支持する一対のプレートとを具備するダスト分離用フィルタエレメントと、前記液中の水を分離する機能を有する筒状の第2のエレメントと、前記第2のエレメントの両端を支持する一対のプレートとを具備する水分離用フィルタエレメントと、前記ダスト分離用フィルタエレメントと前記水分離用フィルタエレメントとを収容するハウジングと、前記第1のエレメントの内側に前記液を導く流入路と、前記第2のエレメントを通過した後の前記液を外部に導く流出路と、前記第2のエレメントで取り除かれた水分をためる貯水部とを備える。前記ダスト分離用フィルタエレメントと前記水分離用フィルタエレメントとが前記ハウジング内に収容された状態において、前記ダスト分離用フィルタエレメントは前記第2のエレメントの軸線が延びる方向に前記水分離用フィルタエレメントに並び、かつ、前記水分離用フィルタエレメントは、前記液の流れる方向において前記ダスト分離用フィルタエレメントよりも下流であって、重力が作用する方向に進んだ位置に配置される。前記ハウジングの内面と前記第1のエレメントの外面との間には第1の隙間が設けられる。前記ハウジングと前記第2のエレメントとの間には、前記第1の隙間と前記貯水部とに連通する第2の隙間が設けられる。前記第2のエレメントは、撥水性を有して前記液が前記第2のエレメントを通過する際に前記液中の水分を前記第2の隙間内に分離する。
【0011】
請求項6に記載のフィルタエレメントは、濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1の濾材と、前記第1の濾材の内側に収容されるとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2の濾材とを備える。
【0012】
請求項7に記載の発明のフィルタエレメントは、濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1の濾材と、前記第1の濾材を内側に収容するとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2の濾材とを備える。
【0013】
請求項8に記載のフィルタ装置は、濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1の濾材と、前記第1の濾材の内側に収容されるとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2の濾材とを具備するフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントを収容するハウジングと、前記ハウジング内に前記液を導く流入路と、前記フィルタエレメントを通過した後の前記液を外部に導く流出路と、前記第2の濾材で取り除かれた水分をためる貯水部と、前記第2の濾材で取り除かれた水分を前記貯水部へ導く流路とを備える。前記第1のフィルタエレメントと前記第2の濾材との間には、隙間が形成される。前記第2の濾材は、撥水性を有して前記液が前記第2の濾材を通過する際に前記液中の水分を前記隙間内に分離する。前記流路は、前記隙間と前記貯水部とを連通する。前記ハウジングは、前記フィルタエレメントが固定される基部を備える。前記流入路は、前記基部内に形成される。前記流出路は、前記基部内に形成される。前記貯水部は、前記基部に取り付けられる。前記流路は、前記基部内に形成される。
【0014】
請求項9に記載の発明のフィルタ装置は、濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1の濾材と、前記第1の濾材を内側に収容するとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2の濾材とを具備するフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントを収容するハウジングと、前記第1の濾材の内側に前記液を導く流入路と、前記フィルタエレメントを通過した後の前記液を外部に導く流出路と、前記第2の濾材で取り除かれた水分をためる貯水部と、前記第2の濾材で取り除かれた水分を前記貯水部へ導く流路とを備える。前記第1のフィルタエレメントと前記第2の濾材との間には、隙間が形成される。前記第2の濾材は、撥水性を有して前記液が前記第2の濾材を通過する際に前記液中の水分を前記隙間内に分離する。前記流路は、前記隙間と前記貯水部とを連通する。前記ハウジングは、前記フィルタエレメントが固定される基部を備える。前記流入路は、前記基部内に形成される。前記流出路は、前記基部内に形成される。前記貯水部は、前記基部に取り付けられる。前記流路は、前記基部内に形成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、液中の水分を取り除く機能が早期に低下することを抑制できるフィルタエレメントを提供できる。また、他の本発明によれば、液中の水分を取り除く機能が早期に低下することを抑制できるフィルタエレメントを備える燃料フィルタ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を備える、燃料タンクからエンジンまでのシステムを示す概略図。
【図2】図1に示されたハウジングとフィルタエレメントとが分解された状態を示す分解図。
【図3】図2に示される基部を本体筒部側から見た平面図。
【図4】図2に示される基部を貯水部側から見た平面図。
【図5】図2に示される第2のプレートを示す平面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るフィルタ装置を備える、燃料タンクからエンジンまでのシステムを示す概略図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るフィルタ装置を備える、燃料タンクからエンジンまでのシステムを示す概略。
【図8】図7に示されるフィルタ装置の分解図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1の実施形態に係るフィルタエレメントとフィルタ装置とを、図1〜5を用いて説明する。図1は、燃料Fを収容する燃料タンク10からエンジン20(内燃機関)までのシステム1を示している。燃料Fは、本発明で言う濾過すべき液の一例である。システム1は、一例として、重機などに用い用いられている。図1に示すように、システム1は、燃料タンク10と、エンジン20と、燃料タンク10とエンジン20とを連通して燃料Fをエンジン20に導く燃料流路30と、燃料流路30中に設けられて燃料Fを濾過するフィルタ装置40とを備えている。図1中では、フィルタ装置40は、断面が示されている。
【0018】
燃料流路30は、燃料タンク10とフィルタ装置40とを連通する第1の燃料流路部31と、フィルタ装置40とエンジン20とを連通する第2の燃料流路部32とを備えている。第1の燃料流路部31は、燃料タンク10中の燃料Fをフィルタ装置40に導く。第2の燃料流路部32は、フィルタ装置40を通過した燃料Fをエンジン20に導く。なお、図中、第1の燃料流路部31は、一部が示されており、他の部分は2点鎖線で省略して示されている。第2の燃料流路部32は、一部が示されており、他の部分は2点鎖線で省略して示されている。
【0019】
フィルタ装置40は、一対のフィルタエレメントを備えるフィルタエレメント50と、フィルタエレメント50で分離された水分Wを収容する貯水部110と、フィルタエレメント50を収容するハウジング70とを備えている。図2は、ハウジング70とフィルタエレメント50とが分解された状態を示す。図2では、フィルタエレメント50の半分は、断面が示されている。
【0020】
図1,2に示すように、フィルタエレメント50は、第1の濾材51と、第2の濾材52と、第1のプレート53と、第2のプレート54と、第1の内筒55と、第2の内筒56とを備えている。本発明で言うフィルタエレメントは、濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する第1の濾材(第1のエレメント)と、液中の水分を取り除く機能を有する第2の濾材(第2のエレメント)を備えるものを示す。なお、第1の濾材51は、本発明で言う第1のエレメントの一例である。第2の濾材52は、本発明で言う第2のエレメントの一例である。
【0021】
第1の濾材51は、燃料F中のダストDを捕集可能な板状の材料をひだ折りして(プリーツ状にして)筒状にすることによって形成されている。このため、第1の濾材51は、両端が開口する筒状である。燃料Fが第1の濾材51を通過する際に、燃料F中のダストDが第1の濾材51に捕集される。このことによって、燃料F中のダストが取り除かれる。ダストは、本発明では、水分以外の異物を示す。ダストの一例としては、微小な固形物である。ダストDを捕集するとは、本発明で言う濾過すべき液中のダストを取り除く機能の一例である。
【0022】
第1の内筒55は、第1の濾材51の内側に収容されている。第1の内筒55は、一例として金属性であり、両端が開口する筒状に形成されている。第1の内筒55には、周壁を貫通する複数の貫通孔55aが形成されている。貫通孔55aは、第1の内筒55の周壁部の全域に形成されている。第1の内筒55は、第1の濾材51の内面に当接しており、第1の濾材51が内側に変形しないように、第1の濾材51を支持している。
【0023】
第2の濾材52は、燃料Fが通過可能であるとともに撥水性を有する板状の材料をひだ折りして(プリーツ状にして)筒状にすることによって形成されている。このため、第2の濾材52は、両端が開口する筒状である。第2の濾材52は、第1の濾材51内に収容されている。第1の濾材51と第2の濾材52との間には、隙間Sが設定されている。より具体的には、第2の濾材52と第1の内筒55との間には、隙間Sが形成されている。第2の濾材52は、第1の濾材51と同軸になるように配置されている。隙間Sは、第2の濾材52の周囲に連続する環状に形成されている。第1の濾材51を通過した燃料Fが第2の濾材52を通過する際に、燃料F中の水分Wが第2の濾材52の表面ではじかれて隙間S内に落ちる。水分Wを撥水機能を利用して分離することは、本発明で言う、液中の水分を取り除く機能の一例である。
【0024】
第2の内筒56は、第2の濾材52の内側に収容されている。第2の内筒56は、一例として金属性であり、両端が開口する筒状に形成されている。第2の内筒56の周壁には、周壁を貫通する複数の貫通孔56aが形成されている。貫通孔56aは、周壁の全域に形成されている。第2の内筒56は、第2の濾材52の内面に当接しており、第2の濾材52が内側に変形しないように、第2の濾材52を支持している。
【0025】
上記のように、第1,2の濾材51,52が、燃料F中のダストDと水分Wとの捕集、分離を分担して行うので、第1の濾材51は、燃料F中の水分Wを取り除く機能を有さなくてよい。言い換えると、第1の濾材51を構成する材料は、ダストDを捕集し、かつ、燃料F中の水分Wは、捕集せずに通過させる性質を有する。第2の濾材52は、燃料F中のダストDを取り除く機能を有さなくてよい。
【0026】
第1のプレート53は、第1,2の濾材51,52の一端51a,52aと、第1,2の内筒55,56との一端55b,56bとを支持している。具体的には、第1のプレート53は、一端51a,52a,55b,56bを液密に覆うプレート状であり、環状に形成される第1の突出部57と、第1の突出部57の内側に形成される第2の突出部58とを備えている。第1の突出部57は、第1の内筒55の内側にはまる。第2の突出部58は、第2の内筒56の内側にはまる。また、第1のプレート53の周縁部53aは、立ち上がっている。周縁部53aは、第1の濾材51の一端の縁部を覆って支持している。
【0027】
第2のプレート54は、第1,2の濾材51,52の他端51b,52bと、第1,2の内筒55,56の他端55c,56cとを支持している。具体的には、第2のプレート54は、他端51b,52b,55c,56cを覆うプレート状であり、環状に形成される第3の突出部59と、第3の突出部59の内側で環状に形成される第4の突出部60とを備えている。第3の突出部59は、第1の内筒55の内側にはまる。第4の突出部60は、第2の内筒56の内側にはまる。また、第2のプレート54の周縁部54aは、立ち上がっている。周縁部54aは、第1の濾材51の他端の縁部を支持している。
【0028】
ハウジング70は、基部80と、本体筒部90と、蓋部材100とを備えている。基部80は、フィルタエレメント50を支持する。
【0029】
本体筒部90は、一例として金属性であり、両端が開口する筒状である。本体筒部90の一端は、基部80に固定されて液密に閉塞されている。
【0030】
フィルタエレメント50は、基部80と本体筒部90とによって規定される空間内に収容される。そして、フィルタエレメント50は、基部80に固定される。フィルタエレメント50を基部80に固定する固定構造について具体的に説明する。
【0031】
基部80の中央部には、一段高くなる固定部83が形成されている。図3は、基部80を本体筒部90側から見た平面図である。図3に示すように、固定部83は、平面形状が円である。フィルタエレメント50の第2のプレート54には、内側に固定部83がはまる筒状の嵌合部84が形成されている。嵌合部84の内側には、シール部材の一例として、Oリング85が形成されている。固定部83が嵌合部84内にはまることによって、フィルタエレメント50は、基部80に固定される。Oリング85によって、固定部83と嵌合部84との間が液密にシールされる。
【0032】
また、基部80は、第1の燃料流路部31と連通して濾過される前の燃料Fをフィルタエレメント50に導く流入路81と、第2の燃料流路部32と連通してフィルタエレメント50で濾過された後の燃料Fを第2の燃料流路部32に導く流出路82とが形成されている。
【0033】
図2,3に示すように、流入路81は基部80の側部からフィルタエレメント50が固定される側の表面にわたって形成されている。図3に示すように、流入路81の開口81aは、固定部83の周りの一部に形成されている。
【0034】
固定部83の中央には、柱部86が形成されている。柱部86は、第4の突出部60を通って第2の内筒56内に収容される。第4の突出部60には、第4の突出部60と柱部86との間を液密にシールするOリング87が設けられている。柱部86の一端は、第2の内筒56の中腹まで延びている。流出路82は、柱部86の一端から基部80の側部にわたって形成されている。
【0035】
蓋部材100の周縁部101は、全域立ち上がっており、内面には雌ねじ部102が形成されている。雌ねじ部102は、本体筒部90の開口側の周縁部の周面に形成される雄ねじ部103に螺合する。雌ねじ部102が雄ねじ部103に螺合して蓋部材100が本体筒部90に組み付けられた状態では、蓋部材100は、基部80との間でフィルタエレメント50を挟持する。
【0036】
具体的には、蓋部材100は、フィルタエレメント50の第1のプレート53を押圧して、第2のプレート54を固定部83に押し付ける。このことによって、フィルタエレメント50は、基部80と本体筒部90と蓋部材100とによって規定される空間内、つまりハウジング70内に姿勢が固定された状態で収容される。
【0037】
貯水部110は、基部80において本体筒部90と反対側に固定されている。貯水部110は、第2の濾材52で分離された水分をためる。貯水部110の下部には、ドレンプラグ111が形成されている。ドレンプラグ111を抜くと、貯水部110にためられた水分を外部に排出することができる。
【0038】
ついで、第2の濾材52で分離された水分Wを貯水部110に導く流路120について説明する。流路120は、基部80に形成されている。図3に示すように、固定部83の周縁部83aより内側は、周縁部83aより一段低く形成されており、第2のプレート54との間に空間Aが形成されている。流路120は、周縁部83aの内側で流出路82を避けた位置に形成されている。図4は、基部80を貯水部110側からみた平面図である。流路120は、基部80を貫通している。流路120は、貯水部110内に連通している。図1,3中では、流路120は、点線で示されている。
【0039】
図5は、フィルタエレメント50の第2のプレート54を示す平面図である。図5は、第2のプレート54を、基部80側から見ている。図5に示すように、第2のプレート54には、隙間Sと連通するとともに第2のプレート54を貫通する貫通溝121が形成されている。貫通溝121は、フィルタエレメント50が基部80に固定された際に、固定部83の周縁部83aの内側に位置する。図1中、貫通溝121の縁122を点線で示している。第2の濾材52で分離された水分Wは、貫通溝121を通って空間A内に出る。ついで、流路120を通って貯水部110に出る。
【0040】
つぎに、フィルタ装置40の動作を説明する。燃料タンク10からフィルタ装置40に導かれた燃料Fは、濾過される前の状態である。燃料Fは、流入路81を通って、ハウジング70内に出る。ハウジング70内に出た燃料Fは、まず、第1の濾材51を通過する。燃料Fは、第1の濾材51を通過することによって、ダストDが第1の濾材51に捕集される。燃料F中の水分Wは、第1の濾材51を通過する。
【0041】
第1の濾材51を通過した燃料Fは、ついで、第2の濾材52を通過するべく、流れる。このとき、燃料F中の水分Wは、第2の濾材52の表面ではじかれて隙間S内に落ちる。燃料F中の水分Wが取り除かれた燃料Fは、第2の濾材52を通過して第2の濾材52の内側に出る。第2の濾材52の内側に出た燃料Fは、ダストDと水分Wとが取り除かれた状態である。この燃料Fは、流出路82を流れて、第2の燃料流路部32に導かれる。第2の燃料流路部32を流れる燃料Fは、エンジン20に導かれる。
【0042】
第1の濾材51を通過した燃料Fの一部は、隙間S内に落ちた水分Wとともに、流路120を通って貯水部110に流れる。貯水部110には、水分Wと燃料Fとがたまる。燃料Fが連続してフィルタ装置40を通過することによって、貯水部110内の水分Wの割合が多くなる。このように、流路120は、水分Wと燃料Fとが流れる。
【0043】
例えば、貯水部110内の水分量があらかじめ設定される所定量たまると(例えば、貯水部110内が水分Wで満たされると)、フィルタ装置40が燃料Fを濾過していないときにドレンプラグ111を取り外して、貯水部110内の水分を排出する。
【0044】
このように構成されるフィルタ装置40では、フィルタエレメント50が、燃料F中のダストDを取り除く第1の濾材51と、燃料F中の水分Wを取り除く第2の濾材52とを備えている。さらに、第2の濾材52が第1の濾材51の内側に収容されることによって、第2の濾材52に到達する燃料F中のダストDは取り除かれている状態となる。このため、第2の濾材52に燃料F中のダストDが付着することを抑制できるので、第2の濾材52の水分を取り除く機能が早期に低下することが抑制される。つまり、フィルタエレメント50の水分を取り除く機能が早期に低下することを抑制できる。同様に、燃料F中のダストDの濃度が高い場合であっても、フィルタエレメント50とフィルタ装置40とにおいて水分Wを取り除く機能が早期に低下することを抑制できる。
【0045】
また、第1の濾材51と第2の濾材52との間に隙間Sを形成して分離された水分Wを隙間S内に分離し、隙間Sと貯水部110とを流路120で連通する構造にすることによって、分離された水分Wをスムーズに貯水部110に導くことができる。
【0046】
また、基部80内に流入路81と流出路82と流路120とを形成することによって、複雑な流路の配置を基部80内にまとめることができるので、フィルタ装置40を組み立てる作業と、フィルタ装置40を燃料流路30に組み込む作業とをスムーズに行うことができる。
【0047】
つぎに、本発明の第2の実施形態に係るフィルタエレメントとフィルタ装置とを、図6を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、フィルタエレメント50の構造が第1の実施形態と異なる。さらに、フィルタエレメント50の構造にあわせて、基部80の構造が第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同様であってよい。上記異なる構造について説明する。
【0048】
図6は、本実施形態のフィルタ装置40を示す断面図である。本実施形態では、燃料Fの流れが第1の実施形態と逆になる。このため、基部80では、第1の実施形態で説明された流出路82が、本実施形態では流入路81として機能する。第1の実施形態で説明された流入路81が、本実施形態では流出路82として機能する。図6に示すように、燃料Fは、フィルタエレメント50を内側から外側に向かって通過する。
【0049】
このため、図6に示すように、フィルタエレメント50は、第2の濾材52の内側に第1の濾材51が収容される。第1の内筒55は、第2の濾材52の内側を支持する。第2の内筒56は、第1の濾材51の内側を支持する。
【0050】
第1,2の濾材51,52の間には、第1の実施形態と同様に隙間Sが形成されている。そして、隙間Sと貯水部110とを連通する流路120の構造も第1の実施形態と同様であってよい。
【0051】
本実施形態では、燃料Fがフィルタエレメント50を内側から外側に通過する際に、第1の濾材51でダストDが捕集され、第2の濾材52の内面で水分Wが分離されて隙間S内に落ちる。隙間S内に落ちた水分Wは、貯水部110に導かれる。本実施形態では、第1の実施形態と同様の作用と効果とが得られる。
【0052】
つぎに、本発明の第3の実施形態に係るフィルタ装置を、図7,8を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、フィルタ装置40の構造が第1の実施形態と異なる。
【0053】
図7は、本実施形態での、燃料Fを収容する燃料タンク10からエンジン20(内燃機関)までのシステム1を示している。図7中では、フィルタ装置40は、断面が示されている。図7は、フィルタ装置40が分解された状態を示す断面図である。
【0054】
図7,8に示すように、フィルタ装置40は、ハウジング70と、フィルタエレメント50に代えてハウジング70内に収容されるダスト分離用フィルタエレメント200と燃料F中の水分Wを取り除く水分離用フィルタエレメント210とを備えている。ハウジング70の構造は、第1の実施形態と異なる。
【0055】
ダスト分離用フィルタエレメント200は、濾材201と、濾材用第1のプレート202と、濾材用第2のプレート203とを備えている。濾材201は、第1,2の実施形態で説明された第1の濾材51と同じ材料から形成されており、第1の濾材51と同じ機能を有している。濾材201は、燃料F中のダストDを捕集する機能を有する。濾材201は、ひだ折りにされて筒状に形成されている。本実施形態では、濾材201は、第1の濾材51と同じである。濾材51は、本発明で言う第1のエレメントの一例である。濾材用第1のプレート202は、濾材201の一端を支持している。濾材用第2のプレート203は、濾材201の他端を支持している。
【0056】
水分離用フィルタエレメント210は、水分離エレメント211と、内筒212と、水分離用第1のプレート213と、水分離用第2のプレート214とを有している。水分離エレメント211は、撥水性を有する板状の部材がひだ折されて筒状に丸められることによって形成される。水分離エレメント211は、第1,2の実施形態で用いられた第2の濾材52と同じ材料で形成されており、第2の濾材52と同様の機能を有している。本実施形態では、水分離エレメント211は、第2の濾材52と同じである。水分離エレメント211は、本発明で言う第2のエレメントの一例である。
【0057】
内筒212は、水分離エレメント211内に収容されている。内筒212は、内側と外側とを連通する複数の貫通孔215が形成されている。水分離用第1のプレート213は、水分離エレメント211の一端と内筒212の一端とを支持している。水分離用第2のプレート214は、水分離エレメント211の他端と内筒212の他端とを支持している。
【0058】
ハウジング70は、ハウジング本体220と、蓋部材230とを有している。ハウジング本体220は、一端に開口221が形成される筒形状である。ハウジング本体220内には、開口221と反対側に貯水部110が形成されている。フィルタ装置40がシステム1中に取り付けられた際のハウジング70の姿勢は、重力が作用する方向の先端部に、貯水部110配置される姿勢である。
【0059】
なお、重力が作用する方向に下方とは、フィルタ装置40が組み込まれる装置(本実施形態では、重機)が通常使用される状態の姿勢にあるときに重力が作用する方向に進む方向である。例えば、当該装置がクレーンである場合には、当該クレーンが設置された状態において重力が作用する方向に進んだ方向を示す。または、車輪などを有して走行する装置においては、当該装置が水平な面に載置された状態において重力が作用する方向に進む方向を示す。
【0060】
ここで、上下方向Vを定める。フィルタ装置40がシステム1中に組みつけられてフィルタ装置40が組み込まれる重機が水平な面に載置された状態で、重力が作用する方向を上から下へ向かう方向として、上下方向Vを設定する。なお、上下方向Vは、重力が作用する方向に厳密に平行であることに限定されない。例えば、略平行であってもよい。
【0061】
図7に示されるように、濾材201と水分離エレメント211とは、各々の軸線B,Cが重なるよう(同一直線上に配置されるように)に並んだ状態で、ハウジング本体220内に収容される。フィルタ装置40がシステム1に組み込まれると、水分離用フィルタエレメント210は、ダスト分離用フィルタエレメント200よりも下方に配置される。つまり、水分離用フィルタエレメント210は、重力が作用する方向にそって、ダスト分離用フィルタエレメント200よりも進んだ配置される(重力が作用する方向下方)。また、第1のプレート202,213が上位置し、第2のプレート203,214が下方に位置する。また、本実施形態では、一例として、フィルタ装置40がシステム1に組み込まれると、軸線B,Cは、上下方向Vに平行になる。なお、厳密に平行でなくてもよく、略平行であってもよい。
【0062】
貯水部110内には、上下方向に延びる複数のリブ240が形成されている。各リブ240は、互いに離間して形成されている。ハウジング本体220の下端部には、貯水部110内に溜まった水を外部に排出するドレンプラグ111が設けられている。
【0063】
ダスト分離用フィルタエレメント200の濾材201の外面204とハウジング本体220の内面222との間には、第1の隙間G1が形成される。水分離用フィルタエレメントの水分離エレメント211の外周面217と内面222との間には、第2の隙間G2が形成される。第1,2の隙間G1,G2は、互いに連通する。第2の隙間G2は、貯水部110に連通している。
【0064】
蓋部材230は、開口221を覆う。蓋部材230は、開口221を覆う本体部231と、本体部231に形成される筒部232とを備えている。本体部231の周縁部233には、雄ねじ部234が形成されている。ハウジング本体220の開口221の縁部には、雄ねじ部234が螺合する雌ねじ部223が形成されている。雄ねじ部234を雌ねじ部223に螺合するべく蓋部材230を回転することによって、雄ねじ部234が雌ねじ部223に螺合して、蓋部材230がハウジング本体220に固定される。蓋部材230がハウジング本体220に螺合して固定されることによって、開口221がふさがれる。
【0065】
筒部232は、本体部231の雄ねじ部234が雌ねじ部223に螺合した(最後まで螺合した)状態において、ダスト分離用フィルタエレメント200の濾材201の内側を通って水分離用フィルタエレメント210の内筒212の内側まで延びる。筒部232の軸線Eは、軸線B,Cと重なる(同一線上に重なる)。筒部232と本体部231とは、一体に形成されている。
【0066】
フィルタ装置40内には、フィルタ装置40によって濾過される前の燃料Fをフィルタ装置40内に導くとともに、フィルタ装置40によってダストDと水分Wとが取り除かれた燃料Fを外部に導く流路300が形成されている。
【0067】
流路300について具体的に説明する。蓋部材230の本体部231には、ダスト分離用フィルタエレメント200に燃料Fを導く流入路301が形成されている。流入路301は、第1の燃料流路部31に接続され、第1の燃料流路部31に連通している。流入路301の一端の開口302は、蓋部材230の本体部231の側面235に形成されている。他端の開口304は、本体部231においてハウジング本体220内に対向する部位(本実施形態では、下端面236)に形成されている。開口302,304は、連通している。
【0068】
濾材用第1のプレート202には、濾材201の内側と外側とを連通する貫通孔206が形成されている。貫通孔206は、濾材用第1のプレート202において濾材201の内側と対向する範囲内に形成されている。それゆえ、濾材用第1のプレート202は、濾材201の一端(本実施形態では、上端)において濾材201がひだ折されている部分を液密に覆っている。蓋部材230の筒部232は、貫通孔206内を通る。貫通孔206は、開口304に対向しており、それゆえ、流入路301とダスト分離用フィルタエレメント200(濾材201)内とは連通する。
【0069】
濾材用第2のプレート203には筒部232を通す貫通孔207が形成されている。貫通孔207は、濾材用第2のプレート203において濾材201の内側に対向する範囲内に形成されている。このため、濾材用第2のプレート203は、濾材201の他端(本実施形態では、下端)において濾材201がひだ折されている部分を液密に覆っている。
【0070】
水分離用フィルタエレメント210の水分離用第1のプレート213には、筒部232を通す貫通孔216が形成されている。貫通孔216は、水分離用第1のプレート213において筒部232の内側に対向する範囲内に形成されている。このため、水分離用第1のプレート213は、水分離エレメント211においてひだ折されている部分を液密に覆っている。水分離用第2のプレート214には、水分離用第2のプレート214を貫通する貫通孔は形成されていない。このため、水分離用第2のプレート214は、水分離エレメント211の他端と内筒212の他端(本実施形態では下端)の全域を液密に覆っている。
【0071】
筒部232内と本体部231内とには、流出路308が形成されている。流出路308の一端の開口305は、筒部232の先端に形成されている。流出路308の他端の開口306は、蓋部材230の本体部231の側面307に形成されている。開口305,306は、互いに連通している。
【0072】
ハウジング70内にダスト分離用フィルタエレメント200と水分離用フィルタエレメント210とが配置されるとともに、蓋部材230内に流入路301と流出路308とが形成されることによって、フィルタ装置40内に燃料Fが導かれ、かつ、フィルタ装置40でダストDと水分Wとが分離された後の燃料Fを外部に導く流路300が構成される。
【0073】
流路300には、流路300と、流路300の外部とを液密に塞ぐ構造が設けられている。この構造を説明する。図7に示すように、蓋部材230の本体部231と濾材用第1のプレート202との間には、第1のOリング310が設けられている。第1のOリング310は、環形状である。第1のOリング310は、内側に開口304と筒部232とが配置される大きさを有している。第1のOリング310が、本体部231の下端面236と濾材用第1のプレート202とに当接することによって、流入路301と濾材201内とを連通する部位が液密にシールされる。
【0074】
濾材用第2のプレート203と水分離用第1のプレート213との間には、第2のOリング311が設けられている。第2のOリング311は、環形状である。第2のOリング311は、内側に貫通孔207,216と筒部232とを配置する大きさを有している。水分離用第1のプレート213の貫通孔216の縁と筒部232との間には、縁と筒部232との間を液密にシールする第3のOリング312が設けられている。
【0075】
第2のOリング311が濾材用第2のプレート203と水分離用第1のプレート213とに当接するとともに、第3のOリング312が貫通孔216の縁と筒部232とに当接することによって、貫通孔207は、筒部232、水分離用第1のプレート213、第2,3のOリング311,312とにより液密にふさがれる。このことによって、流路300は、燃料Fが、流入路301、濾材201内、第1の隙間G1、第2の隙間G2、水分離エレメント211内、流出路308の順番で流れるように構成される。
【0076】
つぎに、フィルタ装置40の動作を説明する。図7に示すように、開口302より流路300内に流入した燃料Fは、開口304と貫通孔206とを通って、濾材201の内側に出る。濾材201の内側に出た燃料Fは、濾材201を内側から外側に向かって通過する。このとき、燃料F中に含まれるダストDは、濾材201によって捕集される。
【0077】
濾材201を通過した燃料Fは、第1の隙間G1内に出る。第1の隙間G1内に出た燃料Fは、第2の隙間G2に流れる。第2の隙間G2に流れた燃料Fは、水分離エレメント211を、外側から内側に向かって流れる。燃料Fは、水分離エレメント211の撥水機能によって、水分Wが分離される。分離された水分Wは、水分離エレメント211の外側(第2の隙間G2)を通って、貯水部110内に導かれる。
【0078】
水分離エレメント211によって水分Wが分離された後の燃料Fは、水分離エレメント211を通過して、流出路308を通って外部に導かれる。
【0079】
このように構成されるフィルタ装置40では、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、水分離エレメント211を、濾材201に対して重力が作用する方向に沿って進んだ位置(重力が作用する方向に下方)に配置することによって、燃料Fよりも重い水分Wを、効率よく貯水部110に導くことができる。
【0080】
本実施形態では、濾材201と、水分離エレメント211とは、1つのユニットとしては構成されてない。具体的には、ダスト分離用フィルタエレメント200と水分離用フィルタエレメント210とは、別々に形成されている。しかしながら、これに限定されない。本発明で言う第1のエレメントと第2のエレメントとが、1つのユニットとして構成されてもよい。具体的には、本実施形態では、ダスト分離用フィルタエレメント200と水分離用フィルタエレメント210とは、一体に形成されてもよい。この場合、具体的な構造として、濾材用第2のプレート203の機能を有するとともに水分離用第1のプレート213の機能を有する1つのプレートを用いる。
【0081】
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0082】
40…フィルタ装置、50…フィルタエレメント、51…第1の濾材(第1のエレメント)、52…第2の濾材(第2のエレメント)、70…ハウジング、80…基部、81…流入路、82…流出路、110…貯水部、120…流路、200…ダスト分離用フィルタエレメント、201…濾材(第1のエレメント)、210…水分離用フィルタエレメント、211…水分離エレメント(第2のエレメント)、301…流入路、308…流出路、F…燃料(濾過すべき液)、W…水分、D…ダスト、S…隙間、G1…第1の隙間、G2…第2の隙間、C…軸線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1のエレメントと、
前記第1のエレメントの内側に収容されるとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2のエレメントと
を具備することを特徴とするフィルタエレメント。
【請求項2】
濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1のエレメントと、
前記第1のエレメントを内側に収容するとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2のエレメントと
を具備することを特徴とするフィルタエレメント。
【請求項3】
濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1のエレメントと、前記第1のエレメントの内側に収容されるとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2のエレメントとを具備するフィルタエレメントと、
前記フィルタエレメントを収容するハウジングと、
前記ハウジング内に前記液を導く流入路と、
前記フィルタエレメントを通過した後の前記液を外部に導く流出路と、
前記第2のエレメントで取り除かれた水分をためる貯水部と、
前記第2のエレメントで取り除かれた水分を前記貯水部へ導く流路と
を具備し、
前記第1のエレメントと前記第2のエレメントとの間には、隙間が形成され、
前記第2のエレメントは、撥水性を有して前記液が前記第2のエレメントを通過する際に前記液中の水分を前記隙間内に分離し、
前記流路は、前記隙間と前記貯水部とを連通し、
前記ハウジングは、前記フィルタエレメントが固定される基部を具備し、
前記流入路は、前記基部内に形成され、
前記流出路は、前記基部内に形成され、
前記貯水部は、前記基部に取り付けられ、
前記流路は、前記基部内に形成される
ことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項4】
濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1のエレメントと、前記第1のエレメントを内側に収容するとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2のエレメントとを具備するフィルタエレメントと、
前記フィルタエレメントを収容するハウジングと、
前記第1のエレメントの内側に前記液を導く流入路と、
前記フィルタエレメントを通過した後の前記液を外部に導く流出路と、
前記第2のエレメントで取り除かれた水分をためる貯水部と、
前記第2のエレメントで取り除かれた水分を前記貯水部へ導く流路と
を具備し、
前記第1のエレメントと前記第2のエレメントとの間には、隙間が形成され、
前記第2のエレメントは、撥水性を有して前記液が前記第2の濾材を通過する際に前記液中の水分を前記隙間内に分離し、
前記流路は、前記隙間と前記貯水部とを連通し、
前記ハウジングは、前記フィルタエレメントが固定される基部を具備し、
前記流入路は、前記基部内に形成され、
前記流出路は、前記基部内に形成され、
前記貯水部は、前記基部に取り付けられ、
前記流路は、前記基部内に形成される
ことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項5】
濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1のエレメントと、前記第1のエレメントの両端を支持する一対のプレートとを具備するダスト分離用フィルタエレメントと、
前記液中の水を分離する機能を有する筒状の第2のエレメントと、前記第2のエレメントの両端を支持する一対のプレートとを具備する水分離用フィルタエレメントと、
前記ダスト分離用フィルタエレメントと前記水分離用フィルタエレメントとを収容するハウジングと、
前記第1のエレメントの内側に前記液を導く流入路と、
前記第2のエレメントを通過した後の前記液を外部に導く流出路と、
前記第2のエレメントで取り除かれた水分をためる貯水部と
を具備し、
前記ダスト分離用フィルタエレメントと前記水分離用フィルタエレメントとが前記ハウジング内に収容された状態において、前記ダスト分離用フィルタエレメントは前記第2のエレメントの軸線が延びる方向に前記水分離用フィルタエレメントに並び、かつ、前記水分離用フィルタエレメントは、前記液の流れる方向において前記ダスト分離用フィルタエレメントよりも下流であって、重力が作用する方向に進んだ位置に配置され、
前記ハウジングの内面と前記第1のエレメントの外面との間には第1の隙間が設けられ、
前記ハウジングと前記第2のエレメントとの間には、前記第1の隙間と前記貯水部とに連通する第2の隙間が設けられ、
前記第2のエレメントは、撥水性を有して前記液が前記第2のエレメントを通過する際に前記液中の水分を前記第2の隙間内に分離する
ことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項6】
濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1の濾材と、
前記第1の濾材の内側に収容されるとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2の濾材と
を具備することを特徴とするフィルタエレメント。
【請求項7】
濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1の濾材と、
前記第1の濾材を内側に収容するとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2の濾材と
を具備することを特徴とするフィルタエレメント。
【請求項8】
濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1の濾材と、前記第1の濾材の内側に収容されるとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2の濾材とを具備するフィルタエレメントと、
前記フィルタエレメントを収容するハウジングと、
前記ハウジング内に前記液を導く流入路と、
前記フィルタエレメントを通過した後の前記液を外部に導く流出路と、
前記第2の濾材で取り除かれた水分をためる貯水部と、
前記第2の濾材で取り除かれた水分を前記貯水部へ導く流路と
を具備し、
前記第1のフィルタエレメントと前記第2の濾材との間には、隙間が形成され、
前記第2の濾材は、撥水性を有して前記液が前記第2の濾材を通過する際に前記液中の水分を前記隙間内に分離し、
前記流路は、前記隙間と前記貯水部とを連通し、
前記ハウジングは、前記フィルタエレメントが固定される基部を具備し、
前記流入路は、前記基部内に形成され、
前記流出路は、前記基部内に形成され、
前記貯水部は、前記基部に取り付けられ、
前記流路は、前記基部内に形成される
ことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項9】
濾過すべき液中のダストを取り除く機能を有する筒状の第1の濾材と、前記第1の濾材を内側に収容するとともに、前記液中の水分を取り除く機能を有する筒状の第2の濾材とを具備するフィルタエレメントと、
前記フィルタエレメントを収容するハウジングと、
前記第1の濾材の内側に前記液を導く流入路と、
前記フィルタエレメントを通過した後の前記液を外部に導く流出路と、
前記第2の濾材で取り除かれた水分をためる貯水部と、
前記第2の濾材で取り除かれた水分を前記貯水部へ導く流路と
を具備し、
前記第1のフィルタエレメントと前記第2の濾材との間には、隙間が形成され、
前記第2の濾材は、撥水性を有して前記液が前記第2の濾材を通過する際に前記液中の水分を前記隙間内に分離し、
前記流路は、前記隙間と前記貯水部とを連通し、
前記ハウジングは、前記フィルタエレメントが固定される基部を具備し、
前記流入路は、前記基部内に形成され、
前記流出路は、前記基部内に形成され、
前記貯水部は、前記基部に取り付けられ、
前記流路は、前記基部内に形成される
ことを特徴とするフィルタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−230111(P2011−230111A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129420(P2010−129420)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000178675)ヤマシンフィルタ株式会社 (18)
【Fターム(参考)】