説明

フィルムロールの自動交換システム

【課題】 同種のフィルムロールについて、効率よく自動交換を行うことが可能なフィルムロールの自動交換システムを提供する。
【解決手段】 製袋包装システム50では、第2制御部30が、ストック部52に複数格納されているフィルムロール9の中から、製袋包装機3において梱包される商品の種類に対応するフィルムロール9を選定する。同種のフィルムロール9が複数ある場合には、記憶部31(IDタグ9d)に記憶されているストック部52への搬入日を基準にしてフィルムロール9の選定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の梱包を行う包装機に装填されるフィルムロールの自動交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、樹脂製の長尺のフィルムを巻き付けたフィルムロールからフィルムを引き出して食品等の商品の梱包を行う包装機が用いられている。
【0003】
このような包装機に対してフィルムロールを装填する際には、倉庫等に複数保管されているフィルムロールから適切なフィルムロールを選定して人手によって取り出して、搬送ライン等で包装機まで搬送して装填していた。しかし、フィルムロールの選定にあたっては人手を介するために人為的な選定ミスの発生や作業効率の悪化等の問題がある。
【0004】
これに対して、特許文献1には、梱包される物品に対応するフィルムのフィルムロールを効率よく選定して装填するシステムが提供されている。
【0005】
このフィルムロールの交換システムでは、フィルムの幅、材質、デザイン等の品目別のフィルムロールのデータを記憶させておき、選定手段によって選定されたフィルムロールの収納棚の表示ランプを点灯させて作業者に知らせている。これにより、梱包される物品に対して適切なフィルムロールを効率よく選定して取り出すことができるため、フィルムロールを交換する際の選定ミスの発生を防止するとともに作業性を向上させることができる。
【特許文献1】特開平6−32325号公報(平成6年2月8日公開)
【特許文献2】特開2004−155469号公報(平成16年6月3日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の包装機に対するフィルムロールの自動交換システムでは、以下に示すような問題点を有している。
【0007】
すなわち、上記公報に開示されたフィルムロールの自動交換システムでは、フィルムの幅や材質等に基づいてフィルムロールの選定を自動的に行い、選定されたフィルムロールを表示するだけであり、複数の同種のフィルムロールの中から選定されたフィルムロールをストック場所から取り出して包装機に装填するまでの工程を自動化することについては考慮されていない。
【0008】
本発明の課題は、同種のフィルムロールについて、効率よく自動交換を行うことが可能なフィルムロールの自動交換システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係るフィルムロール自動交換システムは、物品の梱包を行う包装機に対して物品に対応するフィルムロールを選定して自動的に包装機に装填するフィルムロールの自動交換システムであって、記憶部と、制御部とを備えている。記憶部は、所定のストック場所に配置されている複数のフィルムロールのそれぞれの搬入日を記憶する。制御部は、フィルムロールを装填する際には、同種のフィルムロールの中で搬入日が古いフィルムロールを優先して選定する。
【0010】
ここでは、包装機によって梱包される物品の種類に応じて適切なフィルムロールを選定して装填するフィルムロールの自動交換システムにおいて、同種のフィルムロールが複数ストックされている場合にはストック場所に搬入された日を選定の基準としてフィルムロールを取り出して装填する。
【0011】
このように、フィルムロールの搬入日が古いものから優先させて選定することで、同種のフィルムロールが複数ある場合でも効率よく古いフィルムロールから使用することができる。
【0012】
なお、選定されるフィルムロールの種類は、梱包される物品ごとに異なるものであり、例えば、フィルムの材質、幅、色、デザイン等によって分別される。
【0013】
第2の発明に係るフィルムロールの自動交換システムは、第1の発明に係るフィルムロールの自動交換システムであって、記憶部には、フィルムロールごとのフィルム残量が記憶されている。
【0014】
ここでは、各フィルムロールごとにフィルム残量を記憶している。
【0015】
これにより、同種のフィルムロールが複数ストックされている場合には、フィルム残量が少ないものを優先して使用することができる。この結果、中途半端な量でフィルムが残っているフィルムロールの数を減らして、在庫としてストックしておくフィルムロールの数を減らすことができる。
【0016】
第3の発明に係るフィルムロールの自動交換システムは、第2の発明に係るフィルムロールの自動交換システムであって、制御部は、記憶部に記憶されているフィルム残量と、生産計画に基づいてこれから梱包に使用される使用予定量とを比較して、使用予定量がフィルム残量を上回る場合には、使用されるフィルムロールと同種のフィルムロールの装填準備を行う。
【0017】
ここでは、生産計画に基づく使用予定量が、現在装填されているフィルムロールのフィルム残量を上回る場合には、現在装填中のフィルムロールがなくなる前に同種のフィルムロールの装填準備を行う。
【0018】
これにより、運転中にフィルムがなくなってしまった場合でも、すぐに同種のフィルムロールを装填することができるため、フィルムロールの交換を効率よく行って運転効率を高めることが可能になる。
【0019】
第4の発明に係るフィルムロールの自動交換システムは、第1から第3の発明のいずれか1つに係るフィルムロールの自動交換システムであって、記憶部は、各フィルムロールに取り付けられている。
【0020】
ここでは、フィルムロールの種類(対応品目)、搬入日、フィルム残量等を記憶する記憶部を、例えば、IDタグ等のような記憶部として個々のフィルムロールに取り付けている。
【0021】
これにより、複数のフィルムロールを格納しているストック部において各フィルムロールの記憶部を読み取ることで、各フィルムロールの状態を容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のフィルムロールの自動交換システムによれば、同種のフィルムロールが複数ある場合でも効率よく古いフィルムロールから使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の一実施形態に係る製袋包装システム(フィルムロールの自動交換システム)について、図1〜図12(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0024】
[製袋包装機3の構成]
本実施形態に係る製袋包装システム50を構成する製袋包装機3は、図1に示すように、被包装物となるポテトチップス等の食品をフィルムで覆い、筒状となったフィルムを縦および横にシールして袋を製造する機械である。また、製袋包装機3は、後述する製袋包装システム(フィルムロールの自動交換システム)50(図8参照)が有する複数の製袋包装機の中に含まれている。
【0025】
被包装物は、製袋包装機3の上方に設けられた計量機2から、原則として所定量ずつ落下してくる。計量機2は、フィーダ、プールホッパ24、計量ホッパ25、集合排出シュート26などから構成される組合せ計量装置である。
【0026】
製袋包装機3は、被包装物の袋詰めを行う本体部分である製袋包装ユニット5(図3参照)と、この製袋包装ユニット5に袋となるフィルムFを供給するフィルム供給ユニット6と、両ユニット5,6等の駆動部分の動きを制御する第1制御部20(図2参照)とから構成されている。
【0027】
[フィルム供給ユニット6]
フィルム供給ユニット6は、製袋包装ユニット5の成形機構13(図3参照)に対してシート状のフィルムFを供給するユニットであって、製袋包装ユニット5に隣接して設けられている。このフィルム供給ユニット6では、第2制御部30によって選定されたフィルムロール9が搬送装置51によってストック部(ストック場所)52から製袋包装機3の横まで搬送されると(図8参照)、これを自動的に装填する。なお、第2制御部30によって選定されたフィルムロール9の自動装填(自動交換)については、後段にて詳述する。
【0028】
フィルムロール9から繰り出されるフィルムFは、フィルムロール9を回転させる送出モータ6a(図2参照)や、後述する搬送ベルト6cおよび製袋包装ユニット5のプルダウンベルト機構14の作動により製袋包装ユニット5側に引っ張られて搬送される。
【0029】
また、フィルム供給ユニット6は、図10(c)等に示すように、自動装填するフィルムロール9を支持する第1シャフト(第1支持軸)16a、第1シャフト16aの一方の端部に取り付けられており第1シャフト16aに沿って第1シャフト16aに対して相対的に移動可能なブラケット16b(移動機構、芯材除去機構、板材)、ブラケット16bを移動させるエアシリンダ16cを含む支持部16を、各製袋包装機3に1つずつ有している。
【0030】
第1シャフト16aは、一方の端部が開放された開放端を有し、この開放端側からフィルムロール9の芯材9aに挿入されて、フィルムロール9を片持ち支持する。なお、第1シャフト16aにおけるフィルムロール9の保持は、空気圧によって半径方向外側へ広がって芯材9aの部分を保持するエアチャックが用いられている。
【0031】
ブラケット16bは、第1シャフト16aにおける上記開放端とは反対側の端部に配置されており、第1シャフト16aに装填されたフィルムロール9の位置を決定するストッパとして機能する。そして、ブラケット16bは、エアシリンダ(駆動部)16cによって第1シャフト16aに沿って第1シャフト16aに対して相対的に開放端側へ移動することで、後述するフィルムロール9の芯材9aの除去やフィルムロール9の効果等を行う。
【0032】
エアシリンダ16cは、ブラケット16bを第1シャフト16aに沿って相対的に移動させる駆動機構であって、第1シャフト16aからみてブラケット16bの背後に配置されている。
【0033】
さらに、フィルム供給ユニット6は、図8および図10(a)等に示すように、後述するフィルムロール9の自動装填制御を行う際に、装填するフィルムロール9を搬送装置51から受け取って支持部16まで搬送する仮受け部60を備えている。
【0034】
仮受け部60は、一方の端部に開放端を有しており支持部16まで搬送するフィルムロール9を支持する第2シャフト(第2支持軸)60a、第2シャフト60aの一方の端部に取り付けられており第2シャフト60aに沿って第2シャフト60aに対して相対的に移動可能なブラケット(移動機構、板材、芯材除去機構)60b、ブラケット60bを移動させるエアシリンダ60cを有している。
【0035】
第2シャフト60aは、第1シャフト16aと同様に、一方の端部が開放された開放端を有し、この開放端側からフィルムロール9の芯材9aに挿入されて、フィルムロール9を片持ち支持する。なお、この第2シャフト60aにおいても第1シャフト16aと同様に、エアチャックによってフィルムロール9の芯材9a部分が保持される。
【0036】
ブラケット60bは、ブラケット16bと同様に、第2シャフト60aにおける上記開放端とは反対側の端部に配置されており、第2シャフト60aに装填されたフィルムロール9の位置を決定するストッパとして機能する。そして、ブラケット60bは、ブラケット16bと同じように、エアシリンダ(駆動部)60cによって第2シャフト60aに対して相対的に開放端側へ移動することで、支持しているフィルムロール9を支持部16に対して引き渡したり、芯材9aを廃棄場所53へ廃棄したりする。
【0037】
エアシリンダ60cは、ブラケット60bを第2シャフト60aに沿って相対的に移動させる駆動機構であって、第2シャフト60aからみてブラケット60bの背後に配置されている。
【0038】
なお、支持部16および仮受け部60を用いたフィルムロール9の自動装填制御、自動交換制御、芯材除去制御については、後段にて詳述する。
【0039】
フィルム供給ユニット6は、図4(a)〜図4(e)および図5に示すように、自動的に装填されたフィルムロール9からフィルムFの終端(フィルムロール9の最も外側にくるフィルムFの端部)F1を自動的に引き出すための爪部材6bと、爪部材6bによってフィルムロール9から引き出されたフィルムFの終端F1を、下流側に配置されたオートスプライサ(フィルム継ぎ装置、スプライサ部)6dまで搬送する搬送ベルト6cとを備えている。
【0040】
爪部材6bは、図5に示すように、搬送ベルト6cの端部に取り付けられており、尖った先端部分によってフィルムロール9からフィルムFの終端F1を引っ掛けるようにして引き出す。
【0041】
搬送ベルト6cは、図5に示すように、爪部材6bとともに一体として形成されており、駆動ローラ6caと従動ローラ6cbと無端状ベルト6ccとを有している。そして、搬送ベルト6cは、爪部材6bによってフィルムロール9から引き出されたフィルムの終端F1を挟み込んで、下流側のオートスプライサ6d(図2参照)まで搬送する。
【0042】
オートスプライサ6dは、フィルムロール9から全てのフィルムFが送出されると、フィルムFの最後の端部(始端F0)を吸引して密着させる。そして、新たに装填したフィルムロール9から引き出されたフィルムFについても同様に吸引して密着させた状態とする。そして、前にセットされていたフィルムロール9のフィルムFの始端F0と、新たに装填したフィルムロール9のフィルムFの終端F1とを自動的に継ぎ合わせる。このように、直前に装填されていたフィルムロール9の端部(始端F0)と、今回新たに装填したフィルムロール9の終端F1とを継ぎ合わせることで、フィルムロール9を交換した場合でも、継続して製袋包装機3へフィルムFを供給することが可能になる。
【0043】
ここで、第1制御部20によって行われるフィルムロール9からフィルムFの終端F1を引き出す処理について、図4(a)〜図4(e)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0044】
本実施形態の製袋包装機3では、図4(a)に示すように、装填されたフィルムロール9の近傍には爪部材6bが配置されている。
【0045】
第1制御部20は、図4(b)に示すように、フィルムFの終端F1を引っ掛ける先端部分とは反対側の端部付近を中心として爪部材6bを回動させる。そして、図4(c)に示すように、爪部材6bの先端がフィルムロール9のフィルム面に沿って0.3〜1.0mmの間隔をあけて近接する位置まで移動させる。このように、フィルムロール9を装填した後に爪部材6bを近接配置することで、フィルムロール9の装填中に爪部材6bがフィルムFに接触してフィルムFが損傷する等の問題の発生を回避することができる。
【0046】
次に、第1制御部20は、図4(c)の状態において、送出モータ6aによってフィルムロール9を1回転させる。すると、図4(d)に示すように、後述する粘着性部材9bによってフィルムロール9のフィルム面から若干浮き上がっているフィルムFの終端F1(図6(b)参照)が、爪部材6bの先端部分に引っ掛かって持ち上げられる。このとき、第1制御部20は、図4(e)に示すように、搬送ベルト6cを駆動させているため、フィルムFの終端F1はそのまま下流側へと自動的に搬送される。そして、第1制御部20は、フィルムロール9からフィルムFの終端F1を引き出した後、爪部材6bを再度回動させて元の待機位置へ戻す。
【0047】
搬送ベルト6cによって下流側へと搬送されたフィルムFの終端F1は、下流側に配置されたオートスプライサ6d(図2参照)まで搬送され、ここで前に装填されていたフィルムロール9のフィルムFの端部と継ぎ合わせられる。
【0048】
[製袋包装ユニット5]
製袋包装ユニット5は、図3に示すように、シート状で送られてくるフィルムFを筒状に成形する成形機構13と、筒状となったフィルムF(以下、筒状フィルムFmという。)を下方に搬送するプルダウンベルト機構14と、筒状フィルムFmの重なり部分を縦にシールする縦シール機構15と、筒状フィルムFmを横にシールすることで袋Bの上下の端部を封止する横シール機構17とを有している。
【0049】
<成形機構13>
成形機構13は、チューブ13bと、フォーマー13aとを有している。チューブ13bは、円筒形状の部材であり、上下端が開口している。このチューブ13bの上端の開口部には、計量機2で計量された被包装物Cが投入される。フォーマー13aは、チューブ13bを取り囲むように配置されている。このフォーマー13aの形状は、フィルムロール9から繰り出されてきたシート状のフィルムFがフォーマー13aとチューブ13bとの間を通るときに筒状に成形されるような形状となっている(図3参照)。また、成形機構13のチューブ13bやフォーマー13aは、製造する袋の大きさに応じて取り替えることができる。
【0050】
<プルダウンベルト機構14>
プルダウンベルト機構14は、チューブ13bに巻き付いた筒状フィルムFmを吸着して下方に搬送する機構であり、図3に示すように、チューブ13bを挟んで左右両側にそれぞれベルト14cが設けられている。プルダウンベルト機構14では、吸着機能を有するベルト14cを駆動ローラ14aおよび従動ローラ14bによって回して筒状フィルムFmを下方に運ぶ。なお、図3においては、駆動ローラ14a等を回転させるローラ駆動モータの図示を省略している。
【0051】
<縦シール機構15>
縦シール機構15は、チューブ13bに巻き付いた筒状フィルムFmの重なり部分を、一定の圧力でチューブ13bに押しつけながら加熱して縦にシールする機構である。この縦シール機構15は、チューブ13bの正面側に位置しており、ヒーターや、そのヒーターにより加熱され筒状フィルムFmの重なり部分に接触するヒータベルトを有している。また、縦シール機構15は、図示しないが、ヒータベルトをチューブ13bに近づけたり遠ざけたりするための駆動装置も備えている。
【0052】
<横シール機構17>
横シール機構17は、成形機構13、プルダウンベルト機構14および縦シール機構15の下方に配置されている。横シール機構17は、図3に示すように、ヒーターを内蔵する一対のシールジョー55を含む機構である。
【0053】
一対のシールジョー55は、互いに押しつけ合うようにして筒状フィルムFmを挟持し、袋の上下のそれぞれの端部となる筒状フィルムFmの一部に圧力および熱を加えてシールを施す。
【0054】
[第1制御部20]
第1制御部20は、計量機2、製袋包装機3における各種制御を行うものであって、CPU、ROM、RAMなどから構成されており、各製袋包装機3の内部に備えられている。また、第1制御部20は、図1および図2に示す操作スイッチ類7やタッチパネル式ディスプレイ8から入力された操作や設定に従って各種制御を行う。
【0055】
具体的には、第1制御部20は、フィルム供給ユニット6においてフィルムロール9を回転させてフィルムFを送り出す送出モータ6a、フィルムロール9からフィルムFの終端F1を引き出す爪部材6b、爪部材6bによって引き出された終端F1を下流側へ搬送する搬送ベルト6c、搬送ベルト6cによって搬送されたフィルムFの終端F1と前のフィルムロール9の切れ端とを継ぎ合わせるオートスプライサ6d、フィルムロール9を支持する支持部16、フィルムロール9を搬送装置51から支持部16まで搬送する仮受け部60、製袋包装ユニット5の各機構の駆動部分などを制御する。
【0056】
さらに、第1制御部20は、計量機2のフィーダ(図示せず)、プールホッパ24、計量ホッパ25などの駆動を制御する。さらに、第1制御部20は、製袋包装機3において、計量機2および製袋包装機3にある各種センサから必要な情報を取り込み、その情報を各種制御において利用する。
【0057】
また、第1制御部20は、連続的に計量および製袋包装を行う連続運転制御に加え、間欠的に計量および製袋包装を行う間欠運転制御を行うことができる。間欠運転制御では、製袋包装機3において、フィルム供給ユニット6から間欠的にフィルムFが製袋包装ユニット5へと供給され、製袋包装ユニット5において袋が間欠的に製造される。
【0058】
特に、第1制御部20は、後述するフィルムロール9の自動装填、自動交換、芯材除去等を行う際には、支持部16および仮受け部60においてブラケット16b,60bを移動させるエアシリンダ(駆動部)16c,60cの駆動を制御する。
【0059】
[フィルムロール9]
本実施形態では、製袋包装機3に搭載されるフィルムロールとして、図6(a)および図6(b)に示すようなフィルムロール9を用いている。
【0060】
すなわち、本実施形態のフィルムロール9は、芯材9aに巻回された長尺のフィルムFと、フィルム面とフィルムFの終端F1とを仮固定する粘着性部材9bと、によって構成されている。このように、フィルムFの終端F1をフィルムロール9に対して仮固定することで、フィルムロール9の搬送中等において、フィルムFの終端F1がフィルムロール9から離れてトラブル発生の原因となることを回避することができる。
【0061】
フィルムFの終端F1を仮固定する粘着性部材9bは、図6(a)および図6(b)に示すように、フィルムFの終端F1から10数ミリ内側(フィルムFの搬送方向から見て上流側、フィルムFの始端F0側)の部分の裏面側(フィルムFとの接触側)と、終端F1の部分が上に重なるフィルムロール9の部分の表面側(終端F1部分との接触側)と、の間に配置されている。そして、粘着性部材9bは、図6(b)に示すように、フィルムロール9の内側から終端F1側に近づくにつれて厚みが大きくなるように形成されている。このため、本実施形態のフィルムロール9では、フィルムロール9からフィルムFの終端F1をその下のフィルム面から0.5〜1.0mm程度浮き上がらせることができる。また、粘着性部材9bは、均一の厚さではなく、終端F1側に近づくにつれて厚みが大きくなっている。このため、粘着性部材9bが接着されている位置よりも内側のフィルムFの部分がフィルムロール9から浮き上がってフィルムFが損傷したりトラブルが発生したりすることを回避できる。このように、フィルムロール9から終端F1だけを必要最小限だけフィルム面から浮き上がらせることで、フィルムロール9のフィルムFが損傷することなく、終端F1を引き出し易いフィルムロール9を得ることができる。
【0062】
粘着性部材9bとしては、両面テープが用いられている。なお、この粘着性部材9bは、通常の粘着テープと比較して粘着力が小さい、いわゆる弱粘性の粘着力を有していることが好ましい。このような弱粘性の粘着性部材9bを用いることにより、フィルムロール9の搬送中等ではフィルム面にくっついており、支持部16に装填された後にはフィルムロール9からフィルムFの終端F1を引き出し易くすることができる。
【0063】
また、それぞれのフィルムロール9には、図7(a)に示すように、IDタグ(記憶部)9dが取り付けられている。IDタグ9dは、各フィルムロール9に対応する商品に関するデータや、フィルムFの巾、材質等のデータ、ストック部52に搬入された日時、フィルムFの残量等のデータを記憶しており、図9の制御ブロック図に含まれる記憶部31に相当する。そして、このIDタグ9dに記憶されたデータは、図7(b)に示すように、ストック部52においてフィルムロール9を支持しているストック支持部62の第3シャフト62aに取り付けられた読取部62bによって読み取られる。
【0064】
[製袋包装システム50の構成]
本実施形態の製袋包装システム50は、図8および図9に示すように、上述した製袋包装機3を複数備えており、各製袋包装機3に対してフィルムロール9の選定から装填、交換、芯材除去までを自動的に行うシステムである。
【0065】
製袋包装システム50は、図8に示すように、上述した製袋包装機3を5台備えている。そして、製袋包装システム50は、新たに装填する(あるいは支持部16から取り外された)フィルムロール9を搬送する搬送装置51、フィルムロール9を複数格納したストック部52および芯材9aや不要なフィルムF等の廃棄場所53を備えている。
【0066】
搬送装置51は、無端状の搬送ベルトを回転させて搬送ベルト上の物品を搬送するベルトコンベアであって、第2制御部30において選定されたフィルムロール9を、装填される製袋包装機3の横まで搬送する。
【0067】
ストック部52は、図7(b)に示すストック支持部62を複数備えており、製袋包装機3において現在使用されていない複数のフィルムロール9を格納した自動倉庫である。なお、図8に示す平面図では、フィルムロール9を格納する場所が10箇所記載されているが、実際にはこの格納場所は複数段に渡って設けられており、数10本のフィルムロール9を格納する。
【0068】
ストック支持部62は、第3シャフト62a、読取部62bを有している。そして、ストック支持部62は、第2制御部30において新たに製袋包装機3に装填されるフィルムロール9が選定されると、このフィルムロール9を支持しているストック支持部62が搬送装置51まで移動してフィルムロール9を搬送装置51に引き渡す。なお、ストック部52におけるストック支持部62から搬送装置51へのフィルムロール9の引渡しについては、上述した支持部16や仮受け部60が有しているブラケット16b,60bをエアシリンダ16c,60c等の駆動機構によって移動させて行うことができる。
【0069】
第3シャフト62aは、フィルムロール9の芯材9aの中に挿入される棒状の部材であって、ストック部52においてフィルムロール9を支持する。
【0070】
読取部62bは、各フィルムロール9の芯材9aに取り付けられているIDタグ9d(図7(a)参照)に記憶されている各フィルムロール9ごとの各種データを読み取って、第2制御部30へ送信する。
【0071】
[第2制御部30]
第2制御部30は、CPU、ROM、RAMなどから構成されており、製袋包装システム50を構成するいずれか1つの製袋包装機3の内部に第1制御部20とともに備えられている。また、第2制御部30は、製袋包装システム50を構成する複数の製袋包装機3、搬送装置51、ストック部52に接続されている。そして、第2制御部30は、製袋包装システム50における各製袋包装機3に対するフィルムロール9の自動装填制御、芯材9aの自動除去制御等の製袋包装システム50全体における各種制御を行う。
【0072】
また、第2制御部30は、ストック部52に格納されている複数のフィルムロール9に取り付けられているIDタグ9dに記憶された情報を読み取る読取部62bから各フィルムロール9の個別情報(対応する商品、フィルムの巾、材質、搬入日、フィルム残量)を受信する。これにより、第2制御部30は、フィルムロール9の自動装填制御を行う場合には、読取部62bから受信したフィルムロール9の個別情報に基づいて、装填先である製袋包装機3に対応するフィルムロール9の選定を行うとともに、ストック部52からフィルムロール9を取り出す。
【0073】
さらに、第2制御部30は、選定したフィルムロール9を搬送装置51によって製袋包装機3の横まで搬送し、第1制御部20を介して各製袋包装機3においてフィルムロール9の自動装填を行わせる。
【0074】
<製袋包装システム50におけるフィルムロールの自動装填(交換)制御>
本実施形態の製袋包装システム50では、各製袋包装機3においてフィルムロール9の自動装填を行う際には、図9に示す記憶部31(IDタグ9d(図7(a)参照))に格納されている各種データに基づいて、図8に示すストック部52に格納された複数のフィルムロール9の中から適正なフィルムロール9の選定を行う。
【0075】
記憶部31(IDタグ9d)に格納されている各種データとしては、フィルムロール9のフィルムFの材質、幅等と製袋包装機3において包装される商品とを対応付けした品目別フィルムロールのデータ、フィルムロール9の搬入日に関するデータ、フィルムロール9のフィルム残量に関するデータ等がある。
【0076】
具体的には、製袋包装機3に対して新たにフィルムロール9を装填する場合には、第2制御部30は、まず、上記品目別フィルムロールのデータに基づいて、製袋包装機3において包装される商品に対応するフィルムロール9を、ストック部52に複数格納されているフィルムロール9の中から選定する。次に、対応する同種のフィルムロール9が複数ある場合には、記憶部31に格納されているフィルムロール搬入日のデータに基づいて、同種のフィルムロール9の中から最も搬入日が古いフィルムロール9を選定する。これにより、同種のフィルムロールがストック部52に複数ある場合には搬入日が古いものから優先して使用することができる。
【0077】
さらに、第2制御部30は、同じ搬入日に同種のフィルムロール9が複数搬入されている場合には、同じく記憶部31に格納されているフィルムロール9のフィルムFの残量に関するデータに基づいて、最もフィルム残量の少ないフィルムロール9を選定する。これにより、同種で搬入日が同じフィルムロール9については、フィルムロール9に残っているフィルムFの残量に基づいて少ないフィルムロール9を優先させて選定することができる。この結果、少しずつフィルムFが残ったフィルムロール9が大量に残されて、ストック部52におけるフィルムロール9の在庫が増えることを防止できる。
【0078】
なお、作業者によって生産計画に基づくその日のフィルムFの使用量が入力されているような場合には、第2制御部30は、その日のフィルムFの使用量と記憶部31に記憶されているフィルム残量とを比較する。ここで、その日のフィルムFの使用予定量が装填されたフィルムロール9のフィルム残量を上回っている場合には、同種のフィルムロール9をストック部52から取り出して搬送装置51によって運転中の製袋包装機3の横まで搬送して待機させる。
【0079】
以上のように、その日の運転中にフィルムロール9からフィルムFがなくなってしまうことが分かっている場合には、リアルタイムの生産状況とリンクさせて同種のフィルムロール9をその製袋包装機3の横まで搬送して待機させておくことで、フィルムFが切れた際のフィルムロール9の装填を効率よく行うことが可能になる。さらに、フィルムロール9の選定を自動化することで、作業者によって行われるフィルムロール9の選定と比較してフィルムロール9の交換のタイミングや選定間違い等の発生を防止できる。
【0080】
ここで、このように第2制御部30によって選定されたフィルムロール9を各製袋包装機3に対して自動装填する際の工程について、図10(a)〜図10(c)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0081】
最初に、第2制御部30によって選定されたフィルムロール9は、ストック部52から取り出されて搬送装置51によってこのフィルムロール9を装填する製袋包装機3の横まで搬送される(図8の左から2番目の製袋包装機3横参照)。
【0082】
ここで、図10(a)に示すように、製袋包装機3に対して配置された仮受け部60が、搬送装置51上のフィルムロール9の位置まで移動する。
【0083】
そして、仮受け部60は、図10(b)に示すように、第2シャフト60aを開放端側からフィルムロール9の芯材9aの内部へ挿入してフィルムロール9を支持する。
【0084】
第2シャフト60aによって支持されたフィルムロール9は、図10(b)に示す支持状態のまま製袋包装機3への装填位置まで搬送される。製袋包装機3における装填位置では、図示しない位置決めセンサによって第1シャフト16aと第2シャフト60aのセンター同士を合致させる。そして、図10(c)に示すように、支持部16の第1シャフト16aの開放端と仮受け部60の第2シャフト60aの開放端とが対向し、かつ第1シャフト16aと第2シャフト60aとが一直線上(同軸上)にさせる。
【0085】
この状態において、図10(d)に示すように、仮受け部60のブラケット60bがエアシリンダ(駆動部)60cによって第2シャフト60aに対して相対的に開放端側へ前進する。これにより、フィルムロール9が、図11(a)に示すように、ブラケット60bに押し出されるように仮受け部60から支持部16側へと移動する。この結果、フィルムロール9を仮受け部60から支持部16に対して引き渡すことができる。仮受け部60からフィルムロール9を引き渡された支持部16では、第1シャフト16aのエアチャックによってフィルムロール9を保持する。
【0086】
また、フィルムロール9を引き渡した仮受け部60は、図11(b)に示すように、エアシリンダ60cによってブラケット60bを元の位置へ戻し、図11(c)に示すように、搬送装置51横の待機位置まで移動する。
【0087】
以上のような工程により、本実施形態の製袋包装システム50では、従来は作業者によって行われていたフィルムロール9の選定から装填までの作業を自動的に行うことができる。この結果、生産効率を向上させることができるとともに、重労働であったフィルムロール9の装填作業等を自動化することで生産ラインの省力化、負荷低減が図れる。
【0088】
なお、現在製袋包装機3に装填されているフィルムロール9を別のフィルムロール9に交換する場合には、上述したフィルムロール9の自動装填制御を行う前に、第2制御部30によって、以下のように制御される。
【0089】
すなわち、まず、製袋包装機3の支持部16において現在フィルムロール9を支持している第1シャフト16aと第2シャフト60aとが、互いの開放端同士が対向して一直線上になる位置へ仮受け部60を移動させる(図11(b)参照)。
【0090】
そして、支持部16の第1シャフト16aにおけるエアチャックを解除した後、エアシリンダ16cによってブラケット16bを移動させてフィルムロール9を仮受け部60に対して引き渡す。支持部16からフィルムロール9を受け取った仮受け部60は、搬送装置51上へ移動してフィルムロール9を搬送装置51へ引き渡す。このとき、フィルムロール9の引渡しは、エアシリンダ60cによってブラケット60bを移動させて行われる。
【0091】
続いて、フィルムロール9は、搬送装置51によってストック部52へと搬送され、ストック部52において現在空いているストック支持部62によって支持される。ストック支持部62において支持されたフィルムロール9は、読取部62bによってIDタグ9dに記憶されたフィルム残量等の情報が読み取られて第2制御部30へ送信される。
【0092】
これにより、従来は作業者によって行われていた製袋包装機3に装填中のフィルムロール9の取り外し作業を、製袋包装機3が自動的に行うことができる。この結果、フィルムロール9の取り外し、装填までの全ての工程を自動化した製袋包装システム50を構築することができる。
【0093】
<製袋包装システム50による芯材除去制御>
製袋包装機3のフィルム供給ユニット6においてフィルムロール9のフィルムFを全て供給して芯材9aだけが残されている場合には、新たなフィルムロール9を装填する前に、この芯材9aを第1シャフト16aから除去する必要がある。本実施形態の製袋包装システム50では、この芯材9aの除去についても、第2制御部30が第1制御部20を介して自動的に行う。
【0094】
すなわち、第2制御部30は、図12(a)に示すように、フィルムFが全て供給されて芯材9aだけが残された状態になると、図12(b)に示すように、仮受け部60を支持部16の前まで移動させる。このとき、上述したフィルムロール9の装填時と同様に、図示しない位置決めセンサによって第1シャフト16aと第2シャフト60aとのセンターを合致させる。そして、互いの開放端同士を対向させ、かつ第1シャフト16aと第2シャフト60aとが一直線上(同軸上)になるように仮受け部60を移動させる。
【0095】
そして、この状態のまま、支持部16におけるエアチャックを解除した後、図12(c)に示すように、エアシリンダ16cによってブラケット16bを第1シャフト16aに対して開放端側へ相対移動させる。これにより、第1シャフト16aに支持された芯材9aを、仮受け部60の第2シャフト60a側へ移動させることができる。
【0096】
続いて、図12(d)に示す状態で、第2シャフト60aにおいて芯材9aをエアチャックし、第2シャフト60aで芯材9aを保持する。そして、図12(e)に示すように、仮受け部60を廃棄場所53(図8参照)まで移動させる。
【0097】
廃棄場所53まで移動した仮受け部60は、図12(f)に示すように、エアチャックを解除した後、エアシリンダ60cによってブラケット60bを第2シャフト60aに対して相対的に移動させて、第2シャフト60aから芯材9aを廃棄する。
【0098】
以上のように、芯材9aの廃棄についても支持部16および仮受け部60を用いて自動的に行うことで、さらに自動化が進んだ製袋包装システム50を構築することができる。この結果、生産効率の向上、生産ラインの省力化、負荷低減が図れる。
【0099】
[本製袋包装システム50の特徴]
(1)
本実施形態の製袋包装システム50では、第2制御部30が、ストック部52に複数格納されているフィルムロール9の中から、製袋包装機3において梱包される商品の種類に対応するフィルムロール9を選定する。そして、同種のフィルムロール9が複数ある場合には、図9に示すように、記憶部31(IDタグ9d)に記憶されているストック部52への搬入日を基準にしてフィルムロール9の選定を行う。
【0100】
これにより、製袋包装機3において梱包される商品に対応する同種のフィルムロール9の中から、搬入日が古いものを優先して選定することが可能になる。よって、フィルムロール9の古い方から効率よく使用することで、フィルムFの使用期限切れとなることを回避することができる。
【0101】
(2)
本実施形態の製袋包装システム50では、図9に示すように、記憶部31(IDタグ9d)に、各フィルムロール9に残っているフィルムFの残量が記憶されている。
【0102】
これにより、選定された同種のフィルムロール9であって、搬入日が同じものについては、フィルム残量が少ないものを優先して使用することができる。この結果、フィルム残量の少ないフィルムロール9から効率よく使用することで、少量のフィルムFが残ったフィルムロール9の数が多くなってフィルムロール9の在庫数が増えることを防止できる。
【0103】
(3)
本実施形態の製袋包装システム50では、第2制御部30が、生産計画に基づくその日のフィルム使用予定量と、現在製袋包装機3に装填されているフィルムロール9のフィルム残量とを比較して、使用予定量のほうが上回っている場合には、同種のフィルムロール9をストック部52から取り出して製袋包装機3の横に待機させる。
【0104】
これにより、運転中にフィルムFがなくなることが予想される製袋包装機3については、予め同種のフィルムロール9を製袋包装機3の横に待機させておくことで、効率よくフィルムロール9の交換を行うことができる。よって、フィルムロール9のフィルム残量が少ない場合でも、フィルムロール9の交換に伴う生産性の低下を最小限に抑えることができる。
【0105】
(4)
本実施形態の製袋包装システム50では、各フィルムロール9の対応商品(品目)、フィルムFの巾、材質、搬入日、フィルム残量等の情報を記憶する記憶部31を、IDタグ9dとして各フィルムロール9に取り付けている。
【0106】
これにより、ストック部52に格納されている複数のフィルムロール9について、読取部62bによって各フィルムロール9の情報を読み取って第2制御部30へ送信することができる。この結果、第2制御部30によるフィルムロール9の選定を効率よく行うことが可能になる。
【0107】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0108】
(A)
上記実施形態では、図8に示すように、製袋包装システム50に含まれる各製袋包装機3が個々に対応する仮受け部60を有している例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0109】
例えば、1つの製袋包装システム50に対して1つの仮受け部60が搬送装置51の近傍に配置されており、1つの仮受け部60によって全ての製袋包装機3に対するフィルムロール9の自動装填、自動交換、芯材除去等を行ってもよい。
【0110】
また、反対に、1つの製袋包装機3に対して複数の仮受け部60が設けられており、一方でフィルムロール9の交換、装填、他方で芯材9aの除去等を行う製袋包装機3であってもよい。この場合には、芯材9aの除去と新たなフィルムロール9の装填とをほぼ同時に行うことができるため、さらに生産性の向上が図れる。
【0111】
(B)
上記実施形態では、製袋包装システム50全体の制御を行う第2制御部30が、各製袋包装機3の制御を行う第1制御部20を介して、フィルムロール9の自動装填、交換、芯材除去等の制御を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0112】
例えば、第2制御部30はフィルムロール9の選定〜搬送のみを行い、搬送装置51によって搬送されたフィルムロール9の自動装填、交換、芯材除去については、各製袋包装機3の第1制御部20において行ってもよい。
【0113】
(C)
上記実施形態では、支持部16および仮受け部60におけるブラケット16b,60bの移動をエアシリンダ16c,60cによって行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0114】
例えば、ボールねじ等の他の駆動機構を用いてブラケット16b,60bを第1・第2シャフト16a,60aに対して開放端側へ相対移動させてもよい。
【0115】
(D)
上記実施形態では、フィルムロール9の選定に際して、同種のフィルムロールについてはフィルムロール9の搬入日に基づいて搬入日が古いものから優先して選定し、搬入日が同じフィルムロールについてはフィルム残量の少ないものから優先して選定する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0116】
例えば、搬入日よりもフィルム残量を優先させてフィルムロール9の選定を行なってもよいし、いずれか一方の選定条件だけで同種のフィルムロール9の選定を行なってもよい。
【0117】
(E)
上記実施形態では、フィルムロール9のフィルムFが全て供給されて第1シャフト16aに残された芯材9aを廃棄する際には、仮受け部60によって芯材9aを受け取って廃棄場所まで搬送して廃棄する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0118】
例えば、支持部16の下部に芯材9aを廃棄場所まで搬送する搬送装置や廃棄用のボックス等が設けられている場合には、仮受け部60によって芯材9aを受け取らずに第1シャフト16aにおいてそのままブラケット16bを移動させて芯材9aを落下させて廃棄してもよい。
【0119】
(F)
上記実施形態では、製袋包装機3を制御する第1制御部20と、製袋包装システム50を制御する第2制御部30とが別々に設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0120】
例えば、第1制御部と第2制御部とが1つの制御部として、製袋包装システム50全体を制御するとともに、各製袋包装機3を制御してもよい。
【0121】
(G)
上記実施形態では、製袋包装システム50が5台の製袋包装機3を備えており、各製袋包装機3に対するフィルムロール9の自動交換、自動装填の制御を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明は製袋包装システム50に含まれる製袋包装機3の台数について上記実施形態に限定されるものではない。
【0122】
例えば、製袋包装システム50に含まれる製袋包装機3が1台であってもよいし、10台以上の製袋包装機3を含むシステムであってもよい。
【0123】
(H)
上記実施形態では、フィルムロール9のフィルムFの終端F1を、仮固定する粘着性部材9bとして、両面テープを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0124】
例えば、粘着性部材として、ミクロ吸盤を表裏面に有するミクロ吸盤シートを用いてもよい。この場合には、両面テープ等の粘着テープを使用した場合と比較して、フィルムFの表面に粘着成分を残さずにフィルムFの終端F1の仮固定を行うことができる。
【0125】
さらに、粘着性部材として、図13に示すように、終端F19の上から貼り付けられる粘着テープ19b等を採用したフィルムロール19であってもよい。
【0126】
ただし、上記実施形態のように、フィルムFの終端F1の部分とその下のフィルム面との間に両面テープ等を挟んで終端F1の仮固定を行った場合には、終端F1をフィルムロール9のフィルム面から若干浮き上がらせることができ、爪部材6bによって引き剥がしやすくなる点では、粘着性部材を終端F1とその下のフィルム面との間に配置することがより好ましい。
【0127】
(I)
上記実施形態では、自動交換するロール体としてフィルムロール9,19を自動交換する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0128】
例えば、フィルムロール以外にも、製袋した袋を取り付けるストリップテープや印字用のリボン等のロール体の自動交換に対して仮受け部60等の本発明の各構成を適用することで、上記と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明のフィルムロールの自動交換システムは、フィルムロール等のロール体の自動装填、交換等を効率よく行うことができるという効果を奏することから、例えば、ストリップテープや印字用リボン等の各種ロール体の装填、交換等を行う各種装置に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の一実施形態に係る製袋包装システムに含まれる製袋包装機および計量機の概略斜視図。
【図2】図1の製袋包装機の制御ブロック図。
【図3】図1の製袋包装機の製袋包装ユニットの概略を示す斜視構成図。
【図4】(a)〜(e)は、装填されたフィルムロールからフィルムの終端を引き出す工程を示す説明図。
【図5】図4(a)〜図4(e)に示すフィルムロールからフィルムの終端を引き出す際に用いられる爪部材、搬送ベルトの概略的な構成を示す側面図。
【図6】(a)は、図1の製袋包装機に装填されるフィルムロールを示す斜視図。 (b)は、その側面図。
【図7】(a)は、フィルムロールに取り付けられたIDタグを示す斜視図。 (b)は、フィルムロールに取り付けられたIDタグと読取装置との関係を示す図。
【図8】本発明の一実施形態に係る製袋包装システムの概略的な構成を示す平面図。
【図9】図8の製袋包装システムを構成する制御ブロック図。
【図10】(a)〜(d)は、図1の製袋包装機が備えている支持部に対してフィルムロールを自動装填する工程を示す説明図。
【図11】(a)〜(c)は、図10(a)〜図10(d)に示すフィルムロールを自動装填する工程の続きの工程を示す説明図。
【図12】(a)〜(f)は、製袋包装機3の支持部から芯材を除去する工程を示す説明図。
【図13】本発明の他の実施形態に係る製袋包装システムの製袋包装機に装填されるフィルムロールを示す斜視図。
【符号の説明】
【0131】
2 計量機
3 製袋包装機(包装機)
5 製袋包装ユニット
6 フィルム供給ユニット
6a 送出モータ
6b 爪部材
6c 搬送ベルト(フィルム搬送部)
6d オートスプライサ(スプライサ部)
9 フィルムロール
9a 紙管(芯材)
9b 粘着性部材
9d IDタグ(記憶部)
13 成形機構
15 縦シール機構
16 支持部
16a 第1シャフト(第1支持軸)
16b ブラケット(移動機構、板材)
16c エアシリンダ(駆動機構)
17 横シール機構
19 フィルムロール
20 第1制御部
30 第2制御部(制御部)
31 記憶部
50 製袋包装システム(フィルムロールの自動交換システム)
51 搬送装置
52 ストック部
53 廃棄場所
55 シールジョー
60 仮受け部
60a 第2シャフト(第2支持軸)
60b ブラケット(移動機構、板材)
60c エアシリンダ(駆動機構)
62 ストック支持部
62a 第3シャフト
62b 読取部
F フィルム
F0 始端
F1,F11 終端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の梱包を行う包装機に対して前記物品に対応するフィルムロールを選定して自動的に前記包装機に装填するフィルムロールの自動交換システムであって、
所定のストック場所に配置されている複数の前記フィルムロールのそれぞれの搬入日を記憶する記憶部と、
前記フィルムロールを装填する際には、同種の前記フィルムロールの中で前記搬入日が古いフィルムロールを優先して選定する制御部と、
を備えているフィルムロールの自動交換システム。
【請求項2】
前記記憶部には、前記フィルムロールごとのフィルム残量が記憶されている、
請求項1に記載のフィルムロールの自動交換システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている前記フィルム残量と、生産計画に基づいてこれから梱包に使用される使用予定量とを比較して、前記使用予定量が前記フィルム残量を上回る場合には、使用される前記フィルムロールと同種の前記フィルムロールの装填準備を行う、
請求項2に記載のフィルムロールの自動交換システム。
【請求項4】
前記記憶部は、各フィルムロールに取り付けられている、
請求項1から3のいずれか1項に記載のフィルムロールの自動交換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−199489(P2006−199489A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15886(P2005−15886)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】