説明

フッ素系樹脂水性分散体

【課題】 分散安定性に優れると共に、乾燥皮膜の耐水性に優れるフッ素系樹脂水性分散体を提供する。
【解決手段】 カルボキシル基を有するフッ素系樹脂(A)及び水を含有してなり、界面活性剤を含まないことを特徴とするフッ素系樹脂水性分散体である。フッ素系樹脂(A)の酸価は5〜200であることが好ましく、フッ素系樹脂(A)が有するカルボキシル基の少なくとも一部が、アンモニア、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びエチルジメチルアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の中和剤で中和されていることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素系樹脂水性分散体に関する。更に詳しくは、耐熱離型材、耐熱電線皮膜及び耐熱コーティング剤として好適に使用できるフッ素系樹脂水性分散体に関する。
【背景技術】
【0002】
フッ素系樹脂は耐熱性、滑り性及び離型性が優れることから離型材、パッキン、電線皮膜、塗料及びコーティング剤等に使用されている。近年、主に環境対策として、これらフッ素系樹脂の水性分散体化が広く要請されており、今後も環境保全、省資源及び安全性等の観点からますます重要性を増していくと考えられる。
上記フッ素系樹脂を水に分散させる方法として、界面活性剤存在化でテトラフルオロエチレンを乳化重合し、水性分散体を得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、特許文献1に記載の水性分散体は分散安定性を向上させる目的で界面活性剤を使用しているため、塗膜の耐水性の低下や塗膜から界面活性剤がブリードアウトするという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−064304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は分散安定性に優れると共に、乾燥皮膜の耐水性に優れるフッ素系樹脂水性分散体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、カルボキシル基を有するフッ素系樹脂(A)及び水を含有してなり、界面活性剤を含まないことを特徴とするフッ素系樹脂水性分散体である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のフッ素系樹脂水性分散体は、分散安定性に優れると共に、界面活性剤を含まないことから、乾燥皮膜の耐水性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明においては、フッ素系樹脂(A)がカルボキシル基を有することにより、界面活性剤を含有することなく分散安定性に優れ、乾燥皮膜の耐水性に優れる水性分散体を得ることができる。
【0008】
フッ素系樹脂(A)は、例えばフルオロオレフィン(a1)と、カルボキシル基、エステル基及び酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有するエチレン性不飽和モノマー(a2)とを開始剤(a3)の存在化で重合して、エステル基及び/又は酸無水物基を有するエチレン性不飽和モノマーを用いた場合は更に酸若しくはアルカリの存在下又は非存在下に加水分解することにより得られる。
【0009】
フルオロオレフィン(a1)としては、分子中に1つ以上のフッ素原子を有するオレフィンが使用でき、例えばフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレン等が挙げられる。
【0010】
カルボキシル基、エステル基及び酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有するエチレン性不飽和モノマー(a2)におけるカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、カルボキシル基を有する炭素数3〜20のビニルモノマー[(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、10−ウンデセン酸及び桂皮酸等]等が挙げられる。
【0011】
エステル基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、上記カルボキシル基を有する炭素数3〜20のビニルモノマーの炭素数1〜4のアルキルエステル等が挙げられる。
酸無水物基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、炭素数4〜10の不飽和ポリ(n=2〜3またはそれ以上、好ましくは2)カルボン酸の無水物(例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、シクロヘキセンジカルボン酸無水物及びアコニット酸)が挙げられる。
【0012】
エチレン性不飽和モノマー(a2)の使用量は、フッ素系樹脂(A)の耐熱性、滑り性、耐薬品性及び(A)を水に分散した際の分散安定性の観点から、フルオロオレフィン(a1)に対して0.2〜40重量%が好ましい。
【0013】
開始剤(a3)としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム及び過酸化水素等の無機過酸化物、若しくはそれら無機過酸化物と亜硫酸水素ナトリウム及びチオ硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせて用いることができる。
【0014】
開始剤(a3)の使用量は、フッ素系樹脂(A)の耐熱性、滑り性、耐薬品性及び(A)を水に分散した際の分散安定性の観点から、フルオロオレフィン(a1)に対して0.1〜10重量%が好ましい。
【0015】
フッ素系樹脂(A)の製造における重合反応は、好ましくは50〜200℃、更に好ましくは60℃〜180℃、特に好ましくは70℃〜160℃で行われる。温度が50℃未満の場合は、重合速度が遅くなる。また、温度が200℃以上になると重合反応を制御することが難しくなってしまう。反応時間は好ましくは1分〜24時間である。重合反応は不活性ガス存在下で行うことが好ましい。
【0016】
フッ素系樹脂(A)を得る際の反応には、水又は有機溶媒(s)を用いることができる。
【0017】
有機溶媒(s)としては、公知の有機溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジフェニルスルホン、γ−ブチロラクトン、トルエン及びキシレン(各異性体及びそれらの混合物を含む)等が挙げられる。これらの有機溶媒(s)は1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
有機溶媒(s)を使用する場合の使用量は、(A)の重量に対して50重量%以下、更に好ましくは30重量%以下であり、環境汚染の観点からは使用しないことが特に好ましい。
【0018】
フッ素系樹脂(A)におけるカルボキシル基の含有量は、樹脂の酸価を測定することにより定量することができる。(A)の酸価は、分散性及び乳化安定性の観点から、5〜300であることが好ましく、更に好ましくは10〜280、特に好ましくは20〜260である。
【0019】
フッ素系樹脂(A)が有するカルボキシル基を中和剤により中和することにより樹脂粒子の分散安定性が更に向上する。
【0020】
中和剤としては、例えばアンモニア、炭素数1〜10のアミン化合物及びアルカリ金属(ナトリウム、カリウム及びリチウム等)の水酸化物が挙げられる。
炭素数1〜10のアミン化合物としては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン及びモノエタノールアミン等の1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン及びジエタノールアミン等の2級アミン並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン及びトリエタノールアミン等の3級アミンが挙げられる。
【0021】
カルボキシル基の中和剤としては、生成するフッ素系樹脂(A)の水性分散体の乾燥性及び乾燥後の耐水性の観点から、25℃における蒸気圧が高い化合物が好適である。このような観点から、アンモニア、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びエチルジメチルアミンが好ましく、更に好ましいのはアンモニア、モノエチルアミン、ジメチルアミン及びジエチルアミン、特に好ましいのはアンモニアである。
【0022】
中和剤の使用量は、フッ素系樹脂水性分散体の分散安定性の観点から、フッ素系樹脂(A)中のカルボキシル基1当量に対して、好ましくは0.1〜3当量であり、更に好ましくは0.5〜1当量である。
【0023】
本発明におけるフッ素系樹脂(A)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは2,000〜2,000,000又はそれ以上、更に好ましくは5,000〜1,000,000、特に好ましくは10,000〜500,000である。本発明におけるフッ素系樹脂(A)の数平均分子量(Mn)は、ASTM D1457−56Tにより標準比重(d)を求めて、次式から算出される。
logMn=(2.6113−d)/0.0579
【0024】
フッ素系樹脂(A)を製造するための装置は、特に限定されないが、耐圧密閉性及び加熱能力に優れるものを用いることが好ましい。
【0025】
フッ素系樹脂(A)の製造に際しては、酸化防止剤、着色防止剤、遅延剤及び可塑剤等の添加剤を併用することができる。
【0026】
本発明のフッ素系樹脂水性分散体は、フッ素系樹脂(A)、水並びに必要により上記中和剤、上記有機溶媒(s)及びその他の添加剤を構成成分とする。
【0027】
フッ素系樹脂(A)を水に分散させる際に上述の有機溶媒(s)を使用することにより、フッ素系樹脂(A)の分散性を更に向上させることができる。
【0028】
有機溶剤(s)を使用する場合、その使用量は通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。尚、上述のフッ素系樹脂(A)の製造時を含めて、有機溶剤(s)を使用した場合には、環境汚染の観点からフッ素系水性分散体製造後に、これを好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは500ppm以下、特に好ましくは100ppm以下まで留去することが好ましく、有機溶剤(s)を使用せず、有機溶剤を実質的に含まないことが最も好ましい。
【0029】
その他の添加剤としては、pH調整剤、破泡剤、抑泡剤、脱泡剤、酸化防止剤、着色防止剤、可塑剤及び離型剤等が挙げられる。
【0030】
本発明のフッ素系樹脂水性分散体の固形分濃度は、分散安定性及び輸送コストの観点から、好ましくは10〜65重量%、更に好ましくは20〜55重量%である。
【0031】
本発明のフッ素系樹脂水性分散体中のフッ素系樹脂(A)の体積平均粒子径は、分散安定性の向上の観点から、0.01〜5μmであることが好ましく、更に好ましくは0.01〜4μm、特に好ましくは0.02〜2μm、最も好ましくは0.03〜0.8μmである。体積平均粒子径は、(A)が有するカルボキシル基の量や、必要により使用する中和剤及び有機溶媒(s)の量等により制御することができる。
【0032】
本発明における体積平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定装置[例えば、LA−750(堀場制作所製)]又は光散乱粒度分布測定装置[例えば、ELS−8000(大塚電子株製)]を用いて測定できる。
【0033】
本発明のフッ素系樹脂水性分散体は、フッ素系樹脂(A)を必要により中和剤で中和し、水に分散させることで製造することができる。具体的には、分散混合装置として回転式分散混合装置を用いてフッ素系樹脂(A)の溶融温度未満の温度で水中に分散させる方法等が挙げられる。
【0034】
中和剤を使用する場合は、水分散工程前、水分散工程中又は水分散後のいずれの時期に添加してもよいが、フッ素系樹脂(A)の分散安定性の観点から、水分散工程前又は水分散工程中に添加することが好ましい。
尚、フッ素系樹脂水性分散体の製造に当たっては、必要により任意成分である上記有機溶媒(s)及びその他の添加剤を併用することができる。
【0035】
回転式分散混合装置を用いる場合、フッ素系樹脂(A)の形状を20μm〜50mmの粒状又はブロック状にすることが回転式分散混合装置に供給し易いという観点から好ましく、その大きさは、更に好ましくは50μm〜30mm、特に好ましくは100μm〜10mmである。
【0036】
フッ素系樹脂(A)を粒子状に調整する手段としては、裁断、ペレット化、粒子化又は粉砕する等の手段を用いることができる。この粒子状への調整は、水中又は水の非存在下において実施することができる。例えば、シート状に圧延したフッ素系樹脂(A)を角形ペレット機[(株)ホーライ製]で粒子状にする方法が挙げられる。
【0037】
粒子状に調整されたフッ素系樹脂(A)を、水等とともに回転式分散混合装置に導入するが、この装置の主たる分散原理は、駆動部の回転等によって粒子に外部から剪断力を与えて粉砕し、分散させるという原理である。またこの装置は、常圧又は加圧下で稼働させることができる。
【0038】
回転式分散混合装置としては、例えばTKホモミキサー[プライミクス(株)製]、クレアミックス[エムテクニック(株)製]、フィルミックス[プライミクス(株)製]、ウルトラターラックス[IKA(株)製]、エバラマイルダー[荏原製作所(株)製]、キャビトロン(ユーロテック社製)及びバイオミキサー[日本精機(株)製]が挙げられ、これらの2種類以上の装置を併用してもかまわない。
【0039】
回転式分散混合装置を用いてフッ素系樹脂(A)を分散混合処理する際の分散液の温度としては、分散体であるフッ素系樹脂(A)の分解や劣化等を防ぐ観点から、フッ素系樹脂(A)の溶融温度未満、好ましくは溶融温度よりも5℃以上低い温度で室温以上の温度、更に好ましくは溶融温度よりも10〜120℃低い温度で室温以上の温度が、分散効率及び分解・劣化抑制の観点から好ましい。
【0040】
フッ素系樹脂(A)と水との回転式分散混合装置内の滞留時間は、分解・劣化抑制の観点から0.1〜60分であることが好ましく、更に好ましくは10〜30分である。
【実施例】
【0041】
以下、実施例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
【0042】
<実施例1>
簡易加圧装置に、イオン交換水1000部及び無水マレイン酸10.2部を仕込み、真空ポンプによる脱気、窒素ガスによる加圧を5回繰り返し、系内の空気を窒素ガスで置換した後、テトラフルオロエチレン120.0部を仕込み、内温を80℃に昇温した。攪拌しながら1wt%過硫酸カリウム水溶液20.0部を滴下した後に、内温を120℃まで昇温し、3時間反応させた後、固液分離することで体積平均粒子径200μmのフッ素系樹脂を得た。得られたフッ素系樹脂100部を、温度制御可能な耐圧容器にイオン交換水164.6部及びトリエチルアミン21.1部と共に仕込み、TKホモミキサー[プライミクス(株)製]を用いて200℃1時間分散処理することで本発明のフッ素系樹脂水性分散体を得た。
【0043】
<比較例1>
簡易加圧装置に、イオン交換水350部及び界面活性剤としてのペルフルオロデカン酸アンモニウム1.0部を仕込み、真空ポンプによる脱気、窒素ガスによる加圧を5回繰り返し、系内の空気を窒素ガスで置換した後に、テトラフルオロエチレン120.0部を仕込み、内温を80℃に昇温した。攪拌しながら1wt%過硫酸カリウム水溶液20.0部を滴下した後に、80℃で6時間反応させ、比較用のフッ素系樹脂水性分散体を得た。
【0044】
実施例1及び比較例1で得られたフッ素系樹脂の酸価を以下の方法で測定した結果を表1に示す。また、実施例1及び比較例1で得られた水性分散体におけるフッ素系樹脂の固形分濃度、体積平均粒子径、フッ素系樹脂皮膜の耐水性を以下の方法で測定又は評価した結果を表1に示す。
【0045】
<樹脂の酸価>
本発明におけるフッ素系樹脂の酸価(mgKOH/g)の測定法は以下の通りである。
(1)フッ素系樹脂をN,N−ジメチルホルムアミドで約1%に希釈し、N/10KOH水溶液で電位差滴定する。
(2)次式を用いて酸価を決定する。
酸価(mgKOH/g)=(A×f×5.61)/S
但し、Aは0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数、fは0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価、Sは試料採取量(g)である。
【0046】
<固形分濃度>
フッ素系樹脂水性分散体約1gをペトリ皿上にうすく伸ばし、精秤した後、循環式定温乾燥機を用いて130℃で、45分間加熱した後の重量を精秤し、加熱前の重量に対する加熱後の残存重量の割合(百分率)を計算することにより得ることができる。
【0047】
<体積平均粒子径>
フッ素系樹脂水性分散体を、イオン交換水でフッ素系樹脂の固形分が0.01%となるよう希釈した後、光散乱粒度分布測定装置[ELS−8000(大塚電子(株)製)]を用いて測定する。
【0048】
<皮膜の耐水性>
フッ素系樹脂水性分散体を10cm×20cm×1cmのポリプロピレン製モールドに乾燥後の膜厚が0.2±0.1mmになる量を流し込み、常温で12時間乾燥後、更に180℃で2時間乾燥して得られた皮膜を、イオン交換水に24時間浸漬した後、取り出した皮膜の状態を目視評価する。全く変化しない場合は○、白化が見られる場合は×とする。
【0049】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のフッ素系樹脂水性分散体は、耐熱離型材、耐熱電線皮膜及び耐熱コーティング剤として好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシル基を有するフッ素系樹脂(A)及び水を含有してなり、フッ素系樹脂(A)を分散させるための界面活性剤を含まないことを特徴とするフッ素系樹脂水性分散体。
【請求項2】
前記カルボキシル基を有するフッ素系樹脂(A)が、フルオロオレフィン(a1)と、カルボキシル基、エステル基及び酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有するエチレン性不飽和モノマー(a2)とを開始剤(a3)の存在化で重合して、エステル基及び/又は酸無水物基を有するエチレン性不飽和モノマーを用いた場合は更に酸若しくはアルカリの存在下又は非存在下に加水分解することにより得られるカルボキシル基を有するフッ素系樹脂である請求項1記載のフッ素系樹脂水性分散体。
【請求項3】
前記カルボキシル基を有するフッ素系樹脂(A)の酸価が5〜300である請求項1又は2記載のフッ素系樹脂水性分散体。
【請求項4】
前記カルボキシル基の少なくとも一部が、アンモニア、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びエチルジメチルアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の中和剤で中和されてなる請求項1〜3のいずれか記載のフッ素系樹脂水性分散体。
【請求項5】
有機溶剤の含有量が1000ppm以下である請求項1〜4のいずれか記載のフッ素系樹脂水性分散体。
【請求項6】
前記フッ素系樹脂(A)の体積平均粒子径が0.01〜5μmである請求項1〜5のいずれか記載のフッ素系樹脂水性分散体。

【公開番号】特開2012−162659(P2012−162659A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24577(P2011−24577)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】