説明

フレーバー剤

【課題】ペパーミントフレーバーの氷菓、それに使用されるフレーバー剤およびフレーバー剤を作る方法を提供する。
【解決手段】Mentha piperitaの葉からグリーンペパーミント粉末を調製する方法であって、新鮮な葉を乾燥させる、粉砕する、殺菌するおよび製粉するステップを含み、(a)乾燥前に、過熱蒸気処理を行うこと、(b)乾燥を、超低圧条件下(最大0.4kPa)でマイクロ波加熱および遠赤外線加熱の組合せを施す乾燥器を使用して、最大100℃で行うこと、および(c)殺菌を、165〜185℃の過熱蒸気を使用して行うことを特徴とする、前記方法。得られる粉末は、アイスクリームなどの氷菓に、さらなる緑の着色剤の添加を必要とせずに十分に緑を添加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ペパーミントフレーバーの氷菓、それに使用されるフレーバー剤およびフレーバー剤を作る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペパーミントは、アイスクリームなどの氷菓において人気のあるフレーバーであり、広く利用されている。それは伝統的に、ペパーミント粉末をアイスクリームまたは氷菓ベースに添加することにより提供される。グリーンペパーミント(Green peppermint)粉末は、乾燥させ、製粉したペパーミント低木Mentha piperitaの葉からなる。現在の粉末の問題の一つは、それらが茶色がかる傾向にあることである。この褐変は、葉における酵素反応の結果、加工後間もなくして始まる。その結果、所望の緑ではない粉末となる。
所望の緑色は、銅クロロフィリンナトリウムおよび食用緑色3などの着色物質の添加により得ることができることが知られている。しかしながら、明らかなかかる材料離れとより天然の材料寄りの傾向がある。
【発明の概要】
【0003】
ペパーミントフレーバーの氷菓に人口着色剤を使用せずに所望の色を提供することが可能であることが今見出された。したがって、Mentha piperitaの葉からグリーンペパーミント粉末を調製する方法であって、新鮮な葉を乾燥させる、粉砕する、殺菌するおよび製粉するステップを含み、
(a)乾燥前に、過熱蒸気処理を行うこと、
(b)乾燥を、超低圧条件下(最大0.4kPa)でマイクロ波加熱および遠赤外線加熱の組合せを施す乾燥器を使用して、最大100℃で行うこと、および
(c)殺菌を、165〜185℃の過熱蒸気を使用して行うこと
を特徴とする、前記方法を提供する。
さらに、上述の方法により調製可能なグリーンペパーミント粉末を提供する。
【0004】
加工において、新鮮な葉を最初に過熱蒸気処理する。これは長すぎまたは短すぎであってはならず、あるいは温度が高すぎまたは低すぎであってはならない。これに失敗すると、葉が直ちに(温度が高すぎるか時間が長すぎる場合)または加工中後半に(温度が低すぎるか時間が短すぎる場合)茶色に変わることとなる。典型的に、温度は180〜220℃であり、処理は20〜60秒間施されるが、ある状況ではこれらの数値からの小さな変動が可能である。
そして、それらをIRおよびマイクロ波乾燥の両方を同時に施す乾燥器内に入れる。かかる乾燥器は周知であり、当該技術分野において広く使用されており、選択は重大ではない。典型例は、日本国新潟県の桜井精機株式会社製Hyperdry HD-48SZである。
【0005】
乾燥器の内圧は、0.4〜7kPa、好ましくは2〜3kPaに減圧し、水分量が5重量%以下になるまで乾燥を継続する。これを達成する時間は当然さまざまであり、乾燥器の種類および搭載物の性質/大きさに依存するが、必要な時間は典型的に、80および120分の間である。
殺菌を、当該技術分野における標準的な方法、典型的に165〜185℃の過熱蒸気を使用して乾燥させた葉に行う。
そして、葉を製粉し、50マイクロメートル未満、より特定すると10マイクロメートル以下の平均粒度である粒度の粉末を得る。少なくとも50%の挽いた粒子はこの粒度以下である。
【0006】
得られる粉末は、強い緑色であり、他のかかる市販の粉末の特徴であるいかなる茶色もしばしば完全に欠如している。アイスクリームなどの氷菓に組み込まれるとき、結果は、所望の緑色を提供するために着色物質を添加する必要のない良好なフレーバーおよび完全に天然の鮮やかな緑色である。したがって、ペパーミントフレーバーを有し、氷菓ベースおよび上述のように調製されたペパーミントフレーバー剤を含み、緑の着色物質が加えられていない、緑の氷菓を提供する。
【0007】
「氷菓ベース」は、ペパーミントフレーバー剤以外の所望の氷菓に必要な他の成分すべてを意味する。上述のように調製されたフレーバー剤のベースへの組込みにより氷菓を得ることは、完全に従来のものである。
本開示はさらに、特定の態様を説明しているがいかなる限定も意図しない以下の実施例を参照に説明する。
【0008】

29.38Kgの新鮮なペパーミントの葉(含水率84.43%)を、30秒間蒸した。そして、葉をトレイの上に広げ、5000L容量の48W Hyperdry HD-48SZ IR/マイクロ波加熱器(日本国新潟県、桜井精機株式会社)に入れた。温度プローブを葉の中に置き、乾燥器を0.4kPaに脱気し、乾燥器の設定24kWで乾燥を開始した。100℃の温度の到達は、必要な含水率(5重量%以下)に到達したことを示す。これには、107分かかった。
【0009】
出来上がった葉の重量は、3.52Kg(含水率3.99%)であった。
葉を、165〜185℃の過熱蒸気に2〜10秒間曝露することにより殺菌し、そして、ジェットミル(日本国東京都、株式会社セイシン企業製STJ-315)により平均サイズ8.0マイクロメートルに製粉した。
【0010】
結果は、細かく、強い緑の粉末であって、実質的に市販の既存の粉末より緑であった。その結果、上述のように調製された粉末(以下、「粉末AHD」と記載する)および市販の粉末を、アイスクリーム処方に0.2重量%で組み込み、専門家のパネルにより評価したとき、粉末AHDを含有するアイスクリームは、市販の粉末よりも明らかにより緑であった。差異は非常に大きく、粉末AHDのアイスクリームは、消費者に許容される緑色にするための人工着色添加剤は必要なかった。
一方、市販の粉末を含有するアイスクリームは、アイスクリームを同じ許容される色にするために2ppmの食用緑色3(C.I.42053)が必要であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Mentha piperitaの葉からグリーンペパーミント粉末を調製する方法であって、新鮮な葉を乾燥させる、粉砕する、殺菌するおよび製粉するステップを含み、
(a)乾燥前に、過熱蒸気処理を行うこと、
(b)乾燥を、超低圧条件下(最大0.4kPa)でマイクロ波加熱および遠赤外線加熱の組合せを施す乾燥器を使用して、最大100℃で行うこと、および
(c)殺菌を、165〜185℃の過熱蒸気を使用して行うこと
を特徴とする、前記方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法によって調製可能なグリーンペパーミント粉末。
【請求項3】
ペパーミントフレーバーを有し、氷菓ベースおよび請求項1に記載の方法により調製されたペパーミントフレーバー剤を含み、緑の着色物質が加えられていない、緑の氷菓。

【公開番号】特開2013−81460(P2013−81460A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−222805(P2012−222805)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】