説明

フロントコンパートメント構造

【課題】車体剛性のバランスを車幅方向で左右対称に近づけることが出来るフロントコンパートメント構造を提供する。
【解決手段】ストラットハウジング10の取付部11の上面側周縁には、前記カウルトップパネル7と共に、補強カバー部材8を構成するストラットサポートバー部材20が、このカウルトップパネル7の前縁部7bに沿って、締結されている。このストラットサポートバー部材20は、左右両端に位置する前端部20a,20bが、一組若しくは二組のボルト部材13及びナット部材14…によって、サポート取り付け面に締結されて、運転席側DSの補強カバー部材8の取付部分の取付剛性が、低剛性となるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車体前部に設けられたエンジンルーム等のフロントコンパートメント構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の車体前部に設けられるフロントコンパートメント構造が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
このような従来のフロントコンパートメント構造では、主に、車体前部の前後方向に沿って、左右一対のサイドメンバ部材が設けられている。
【0004】
このサイドメンバ部材からは、ショックアブソーバ等のフロントサスペンション装置を収容する左右ストラットタワーが一体に立設されている。
【0005】
また、車体剛性を向上させる為、これらの左右ストラットタワー間に跨って、ストラットタワーバー部材が、設置されている。
【0006】
そして、このストラットタワーバー部材の車幅方向中央部を、このフロントコンパートメントと、乗員室との間を仕切るダッシュパネル部材に接続させることにより、車幅方向左右対称に取付剛性を設定して、このストラットタワーバー部材の取り付けによって得られる車体本体の剛性も左右対称となるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2009−29335号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来のフロントコンパートメント構造では、乗員室内の運転席側の足元に操作ペダルが配置されている。
【0009】
これらの操作ペダルの取付ブラケット部材は、前記ダッシュパネル部材と、車幅方向に沿って延設されるステアリングメンバ部材とに跨って取り付けられていて、これらの操作ペダルが配置された運転席側の車体剛性が、助手席側の車体剛性よりも高くなって、車体全体では、左右の車体剛性のバランスが均等となっていないといった問題があった。
【0010】
そこで、この発明は、車体剛性のバランスを車幅方向で左右対称に近づけることが出来るフロントコンパートメント構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のフロントコンパートメント構造では、ダッシュパネル部材の車幅方向右側部分と車幅方向左側部分とのうち、車体剛性が高くなっている側では、ストラットハウジングの各上部に連結されている補強カバー部材の取付部分の取付剛性が低剛性となっている。
【発明の効果】
【0012】
本発明のフロントコンパートメント構造では、操作ペダル等が配置された運転席側等の車体剛性が、助手席側の車体剛性よりも高くなっていても、この高剛性部分に対応して、車両前方に位置する前記ストラットハウジングの各上部に連結されている取付部分の取付剛性を低剛性とすることが出来る。
【0013】
このため、車体全体では、車体剛性のバランスを、左右対称で均等に近くなるように、設定出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態のフロントコンパートメント構造で、全体の構成を説明する車両前部の斜視図である。
【図2】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、全体の構成を説明する車両前部の上面図である。
【図3】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、車両前方方向から見た正面図である。
【図4】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、全体の構成を説明する車両前部の分解斜視図である。
【図5】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、カウルトップパネル取り付け部分周縁の構成を説明する上面図である。
【図6】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、カウルトップパネル取り付け部分周縁の構成を説明する上面図である。
【図7】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、車体左側のストラットハウジング上面部付近の構成を示し、車両前方から見た正面図である。
【図8】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、ストラットハウジング上面部付近の構成を示す図12中F−F線に沿った位置に相当する位置での鉛直方向断面図である。
【図9】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、車体右側のストラットハウジング上面部付近の構成を示し、車両前方から見た正面図である。
【図10】実施の形態のフロントコンパートメント構造に用いられる補強カバー部材の上面図である。
【図11】実施の形態のフロントコンパートメント構造に用いられる補強カバー部材の正面図である。
【図12】実施の形態のフロントコンパートメント構造に用いられる補強カバー部材を車両斜め後ろ方向から見た斜視図である。
【図13】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、図2中A−A線に沿った位置での断面図である。
【図14】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、図3中B部の構成を示す拡大分解斜視図である。
【図15】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、図2中C−C線に沿った位置での断面図である。
【図16】実施の形態のフロントコンパートメント構造で、図3中D部の構成を示す拡大分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態のフロントコンパートメント構造を、図面に基づいて説明する。
【0016】
まず、図1乃至図16を用いて、全体の構成から説明すると、この実施の形態のフロントコンパートメント構造では、図1に示す様に、車体前部に位置するフロントコンパートメントE空間部の下部の車幅方向左右両側には、一対のサイドメンバ部材1,1が車両前後方向に長手方向を沿わせて、延在されている。
【0017】
また、フロントコンパートメントEと乗員室Rとの間には、図4に示す様に、ダッシュパネル部材2が介装されて、このフロントコンパートメントE内空間が独立するように、隔成されている。
【0018】
そして、図1に示す様に、乗員室R内空間では、運転席側DS空間及び助手席側HS空間が、車幅方向中央のセンタトンネル部STを挟んで左右に設けられていて、このうち、運転席側DSのダッシュパネル部材2には、アクセルペダル部材及びブレーキペダル部材等からなる操作ペダル部材Pが配置されている。
【0019】
更に、これらのサイドメンバ部材1,1の後端部は、各々エクステンションサイドメンバ3,3となって、ダッシュパネル部材2の下側に潜り込むように傾斜し、さらに、その後方部分が図示省略したフロアパネルの下側へと延設されている。
【0020】
また、前記フロントコンパートメントEの車幅方向両側の上部には、フードリッジメンバ部材4,4が車両前後方向に延在しており、そのフードリッジメンバ部材4,4の取付基部となる後端部分とダッシュパネル部材2の左右側縁部との間に、各々ダッシュサイドパネル部材5,5が接合されている。
【0021】
この実施の形態では、これらのフードリッジメンバ部材4とダッシュサイドパネル部材5とによって、フードリッジ部材6が形成されている。
【0022】
また、この実施の形態では、ダッシュパネル部材2の上部の中央部に、固着部材としての取付ボルト23,23によって、車両後方へ向けて延設された取付部7cが固定されて、補強カバー部材8の一部を構成するカウルトップパネル7が装着されている。
【0023】
すなわち、このカウルトップパネル7は、前記車幅方向中央部の取付部7cから、前記フロントコンパートメントE空間内方向、左右両側に向けて斜め前方に二股状に左右に広がりながら延設されて、このフロントコンパートメントEの後側周縁を囲繞する縦壁部7d,7dが一体に設けられている。
【0024】
また、図示省略のフロントサスペンションは、前輪を取り付けるホイールハブは、ナックルスピンドルに固定してある。ナックルスピンドルはサスペンションアームによって上下揺動可能に車体側に支持してあり、また、その上下揺動を吸収するショックアブソーバとしてのストラットが設けられている。
【0025】
ストラットの上端部は、車体側のストラットハウジング10の取付部11に、下面側から当接されて、取り付けられている。
【0026】
このストラットハウジング10は、このストラットの上端部を下方から当接させる取付部11を頂壁として上側に膨出する形状を備えており、ストラットの主として上側、前側、後側、および車幅方向中央側が覆われている。
【0027】
また、この左右に位置する取付部11,11の各中央部には、調整穴11a,11aが、各々開口形成されていると共に、これらの取付部11,11の上面側周縁には、前記カウルトップパネル7と共に、補強カバー部材8を構成するストラットサポートバー部材20が取り付けられる取り付けリブ11b,11bが、各々一体となるように立設されている。
【0028】
この各取り付けリブ11b,11bには、図13乃至図16に示す様に、前記カウルトップパネル7の左右縦壁部7d,7dの各前端部7a,7a及び、車幅方向断面形状をL字状とする取り付けブラケット部材21,22が、ボルト部材13及びナット部材14によって共締め固定されている。
【0029】
この取り付けブラケット部材21,22には、図13乃至図16に示す様に、前記取り付けリブ11bと直交するように、車幅方向に沿って延設されるサポート取り付け面21a,22aが一体に形成されている。
【0030】
そして、この補強カバー部材8には、前記カウルトップパネル7の前縁部7bに沿って、図10乃至図12に示す様なストラットサポートバー部材20が締結されている。
【0031】
このストラットサポートバー部材20は、左右両端に位置する前端部20a,20bが、一組若しくは二組のボルト部材13及びナット部材14によって、前記サポート取り付け面21a,22aに締結されるように構成されている。
【0032】
この実施の形態では、車両右側に位置する前端部20aが、一組のボルト部材13及びナット部材14によって、締結されていて、車両左側に位置する前端部20bのように、二組の前記ボルト部材13,13及びナット部材14,14によって、締結されている部分よりも、取付剛性が、低剛性とされている。
【0033】
このため、図1に示す様に、前記ダッシュパネル部材2の車幅方向右側部分と車幅方向左側部分とのうち、車体剛性が高くなっている側である前記操作ペダル部材Pが装着されている側に対応して、運転席側DSである車体右側の前記ストラットハウジング10の取付部11に連結されている前記補強カバー部材8の取付部分の取付剛性が、低剛性となるように構成されている。
【0034】
また、この実施の形態のストラットサポートバー部材20は、図10乃至図12に示されるように、前記カウルトップパネル7の前縁部7bの形状に沿うように、略水平に平板状を呈する車幅方向の中央部20cを長手方向に延設して、この前縁部7bの下面側に当接させると共に、左右一対の締結部材としてのボルト部材13,13及びナット部材14,14が用いられて、一体となるように締結されている。
【0035】
そして、この実施の形態のストラットサポートバー部材20では、この中央部20cから、車両前方右方向へ延設される右腕部20dには、一定の間隔を置いて、ボルト部材13…が各々螺着される雌ねじ部24…が、3箇所、一体に設けられている。
【0036】
また、この実施の形態のストラットサポートバー部材20では、この中央部20cから、車両前方左方向へ延設される左腕部20eには、一定の間隔を置いて、ボルト部材13…が各々螺着される雌ねじ部24…が、4箇所、一体に設けられている。
【0037】
このため、図8に示す様に、各ボルト部材13…を用いて、前記カウルトップパネル7の前縁部7bに、このストラットサポートバー部材20を締結する際、右腕部20dが、左腕部20eよりも、一本少ないボルト部材13…によって螺着されているので、取付剛性を低剛性とすることができる。
【0038】
また、図10に示す様に、このストラットサポートバー部材20の前記右腕部20dの幅方向寸法W1が、左腕部20eの幅方向寸法W2よりも、小さくなる(W1<W2)ように設定されていて、ストラットサポートバー部材20の強度が、右腕部20dが、左腕部20eよりも低く、低剛性となるように構成されている。
【0039】
しかも、この実施の形態では、図13乃至図16に示す様に、前記右腕部20d,左腕部20eの各前端部20a,20bが、介装された取り付けブラケット部材21,22に固定されるサポート取り付け面21a,22aの位置が、図2又は図5に示す様に、車両前後方向にオフセットされて、前端部20a位置を、前端部20b位置よりも、車両前方に設定している。
【0040】
このため、図5に示す様に、前記右腕部20dの前端部20aに設けられるボルト部材13及びナット部材14の位置が、前記左腕部20eの前端部20bに設けられるボルト部材13及びナット部材14の位置よりも、車両前後方向で、前記ストラットハウジング10,10の取付部11,11に開口形成された調整穴11a,11aの開口中心からずらすように、寸法d1、オフセットされて、右腕部20dの全長寸法を、前記左腕部20eの全長寸法よりも長くなるように設定されている。
【0041】
次に、この実施の形態のフロントコンパートメント構造の作用効果について説明する。
【0042】
この実施の形態のフロントコンパートメント構造では、図1に示す様に、前記ダッシュパネル部材2の車幅方向で、運転席側に設けられている操作ペダル部材Pによって車体剛性が高くなっている側では、車両前方位置で対応する車体右側の前記ストラットハウジング10の上部に位置する取付部11に、前記取付ブラケット部材21を介して、連結されている前記補強カバー部材8が、低剛性となっている。
【0043】
すなわち、この実施の形態では、前記ストラットサポートバー部材20の車両右側に位置する前端部20aが、一組のボルト部材13及びナット部材14によって、締結されていて、車両左側に位置する前端部20bのように、二組の前記ボルト部材13,13及びナット部材14,14によって、締結されている側よりも取付剛性が、低剛性となるように構成されている。
【0044】
このため、前記操作ペダル部材Pの設定により、車体剛性が助手席側の車体剛性よりも高くなっていても、この運転席側の高剛性側に対応して、車両前方に位置する前記ストラットハウジング10の各上部に連結されている取付部分の取付剛性を容易に低剛性とすることが出来る。
【0045】
従って、車体全体では、車体剛性のバランスが、左右対称で均等に近くなるように調整出来る。また、この実施の形態では、前記補強カバー部材8が、前記カウルトップパネル7の前縁部7cに、前記ストラットサポートバー部材20を、複数の締結部材としてのボルト部材13…によって一体となるように締結している。
【0046】
このため、この補強カバー部材8の剛性のバランスの調整は容易に行え、この実施の形態では、図8に示す様に、前記カウルトップパネル7の前縁部7bに、このストラットサポートバー部材20を締結する際、右腕部20dが、左腕部20eよりも、一本少ないボルト部材13…によって螺着されて締結固定することが出来る。
【0047】
しかも、ストラットサポートバー部材20の前記右腕部20dの幅方向寸法W1が、左腕部20eの幅方向寸法W2よりも、小さく(Wj1<W2)設定されて、ストラットサポートバー部材20の強度が、右腕部20dが、左腕部20eよりも低く、低剛性としている。
【0048】
このため、取付剛性及び補強カバー部材8自体の剛性を、前記操作ペダル部材Pや、センタトンネル部ST若しくは、フロントコンパートメントE内の機器の設置による設置スペース上の制約に拘わらず、与えられる剛性の設定が可能となり、左右のバランスを均等に近づけることができる。
【0049】
更に、この実施の形態では、図13乃至図16に示す様に、前記左,右腕部20e,20dの各前端部20a,20bが、介装された取り付けブラケット部材21,22に固定されるサポート取り付け面21a,22aの位置が、図2又は図5に示す様に、車両前後方向にオフセットされて、前端部20a位置が、前端部20b位置よりも、車両前方に位置する。
【0050】
このため、図5に示す様に、前記右腕部20dの前端部20aに設けられるボルト部材13及びナット部材14の位置が、前記左腕部20eの前端部20bに設けられるボルト部材13及びナット部材14の位置よりも、車両前後方向で寸法d1だけ、前記ストラットハウジング10,10の取付部11,11に開口形成された調整穴11a,11aの開口中心からずれて、開口中心軸を結ぶ直線の前後に互い違いに設けられる。
【0051】
よって、前記右腕部20dの全長寸法が、前記左腕部20eの全長寸法よりも長くなるように設定されて、更に、前記ストラットサポートバー部材20の右腕部20dの強度が、前記左腕部20e強度に比較して、小さく低剛性とすることができる。
【0052】
そして、この実施の形態では、更に、図14に示す様に、前記前端部20aが、ボルト部材13及びナット部材14によって、一点で前記サポート取り付け面21aの車両前側面に固定されている。
【0053】
このため、図16に示す様に、同様に、二組のボルト部材13及びナット部材14によって、サポート取り付け面21bの車両後側面に面当たり状態で固定された前記前端部20bよりも、入力した荷重は、前記前端部20aと前記サポート取り付け面21aとの間に剥離方向に作用しやすい。
【0054】
よって、更に、前記ストラットサポートバー部材20の右腕部20dの取り付け強度が、前記左腕部20eの取り付け強度に比較して、小さく低剛性とすることができる。
【0055】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態のフロントコンパートメント構造に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0056】
即ち、前記実施の形態のフロントコンパートメント構造では、前記ストラットサポートバー部材20の車両右側に位置する前端部20aが、一組のボルト部材13及びナット部材14によって、締結されていて、車両左側に位置する前端部20bのように、二組の前記ボルト部材13,13及びナット部材14,14によって、締結されている側よりも取付剛性が、低剛性となるように構成されているが、特にこれに限らず、例えば、前端部20aが、二組のボルト部材13及びナット部材14…によって、締結されていて、車両左側に位置する前端部20bが、三組以上の前記ボルト部材13及びナット部材14…によって、締結されている等、取付けられる部分に用いられる締結部材の本数を少なく設定するものであれば良く、また、締結部材の数量、形状及び材質若しくはこれらの締結固定される位置等が特に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
前記実施の形態では、この発明のフロントコンパートメント構造として、車両の車体前部に位置するエンジンルーム等のフロントコンパートメント構造に適用したものを用いて説明してきたが、例えば、車体の前部のフロントコンパートメント内に設けられた駆動源が、エンジン等の内燃機関によるものに限定されることは無く、電気自動車或いは、ハイブリッドカー等であっても良く、他の車載搭載機器の収納スペースやトランクスペース等として用いられていてもよい。
【符号の説明】
【0058】
E フロントコンパートメント
R 乗員室
DS 運転席側(高車体剛性側)
HS 助手席側(低車体剛性側)
1,1 サイドメンバ部材
2 ダッシュパネル部材
7 カウルトップパネル
8 補強カバー部材
10,10 ストラットハウジング
11,11 取付部(上部)
13,23 ボルト部材(締結部材)
14 ナット部材(締結部材)
20 ストラットサポートバー部材
20a,20b前端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントコンパートメント空間部の車幅方向左右両側に位置する一対のストラットハウジングの各上部間を連結する補強カバー部材を設けて、該フロントコンパートメント空間部と、該フロントコンパートメントよりも、車体後方に位置する乗員室との間を仕切るダッシュパネル部材に、該補強カバー部材を延設して接続するフロントコンパートメント構造であって、
前記ダッシュパネル部材の車幅方向右側部分と車幅方向左側部分とのうち、車体剛性が高くなっている側では、前記ストラットハウジングの各上部に連結されている前記補強カバー部材の取付部分の取付剛性を低剛性としていることを特徴とするフロントコンパートメント構造。
【請求項2】
前記補強カバー部材は、前記一対のストラットハウジングの各上部間を連結するストラットサポートバー部材と、このストラットサポートバー部材を、複数の締結部材を用いて前縁部に締結すると共に、前記ダッシュパネル部材への取付部を車両後方へ向けて延設するカウルトップパネル部材とを有して主に構成されていることを特徴とする請求項1記載のフロントコンパートメント構造。
【請求項3】
前記ダッシュパネル部材の車幅方向で、車体剛性が高くなっている側は、運転席側の操作ペダルが配置されている側であり、車幅方向反対側の助手席側に対応する前記補強カバー部材の取付部分の取付剛性よりも、この運転席側に対応する取付剛性を、低剛性としていることを特徴とする請求項1又は2記載のフロントコンパートメント構造。
【請求項4】
前記ストラットサポートバー部材の左右各前端部が、前記ストラットハウジングの上部に各々連結される取付部分の取付剛性を、該取付部分に用いる締結部材の本数を少なく設定することにより、低剛性としたことを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか一項記載のフロントコンパートメント構造。
【請求項5】
前記ストラットサポートバー部材の左右各前端部が、前記ストラットハウジングの上部に各々連結される取付部分には、取付ブラケット部材が介装されていて、車両前後方向で取付位置をオフセットすることにより、低剛性としたことを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか一項記載のフロントコンパートメント構造。
【請求項6】
前記ストラットサポートバー部材を、複数の締結部材を用いて前縁部に締結する締結部材の本数を、少なく設定して低剛性とすることを特徴とする請求項2乃至5のうち何れか一項記載のフロントコンパートメント構造。
【請求項7】
前記ストラットサポートバー部材の強度を、低く設定して、低剛性とすることを特徴とする請求項2乃至6のうち何れか一項記載のフロントコンパートメント構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−81859(P2012−81859A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229638(P2010−229638)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】