説明

ブロック・パズル

【課題】 ポケットなどに入れて持ち運びができるとともに、必要に応じて複数枚のプレート基盤3を合体させて拡張できるブロック・パズルを提供する。
【解決手段】 天面に多数の凸部7を有しており、中央部分が周囲の四方部分よりも1段高い2段構造をしたプレート基盤3と、天面が平面であり、その底面に少なくとも2行2列に形成された凹部8を有する凹型ブロック2と、天面に少なくとも2行2列に形成された凸部7を有しており、その底面に少なくとも2行2列に形成された凹部8を有する凹凸型ブロック4を用いる。複数枚のプレート基盤3は、その凸部7が凹型ブロック2又は凹凸型ブロック4の凹部8と嵌合することによって合体することができる。そして、凹型ブロック2の天面には、数字、文字、絵模様の一部などが印刷され、又はこれらが印刷されたシールが貼られている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天面に絵柄、写真などの画像の一部や、文字、数字などの記号が印刷されている複数個のブロックをプレート基盤に嵌合させて、絵模様や万年カレンダーなどとして楽しむことができるブロック・パズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、節約志向が高まっており、家庭で手軽に繰り返して遊ぶことができるブロック・パズルの需要が伸びている。そして、これらの市場においては、従来のブロック・パズルに新たな機能や特徴を備えている製品の提供が求められている。
【0003】
このような傾向にあって、絵柄や写真などの一部が切り取られた状態で印刷されている複数個のブロックを組み合わせることによって絵模様を完成させたり、文字や数字などが印刷されている複数個のブロックを組み合わせることによって繰り返して使用できる万年カレンダーを完成させたりするような製品が提供されている。
【0004】
例えば、特許文献1のように、一般的には水泳などで利用されている発泡樹脂製のビート板を原材料とし、それを打抜き加工をした万年カレンダーに関する考案が提案されている。
【0005】
一方、特許文献2のように、格子状をしたフレームのマス目に、あらかじめ数字や文字などが印刷されているサイコロ状をしたブロックを並べて万年カレンダーとして利用したり、簡単な文章を表示したりする考案も提案されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1や特許文献2などで開示されている万年カレンダー等は、寸法が大きく、一般家庭では置物や装飾品として使用されているようなサイズのものである。したがって、ポケットなどに入れて持ち運びができるような携帯サイズの大きさで、振動にも耐えられるようなものではない。
【0007】
また、特許文献1や特許文献2などで開示されている万年カレンダー等は、ブロックを並べる基盤の大きさも限られており、需要者の好みに応じて基盤を自由に拡張して用いることができるようなものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】登録実用新案第3067412号公報
【特許文献2】登録実用新案第3154746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、繰り返し使える万年カレンダー等に関する技術が提案されてはいるものの、ポケットなどに入れて持ち運びができるような携帯サイズの大きさであり、かつ振動にも耐えられるようなものは見当たらないのが実情である。また、ブロックを並べる基盤の大きさも限られており、需要者の好みに応じて基盤を自由に拡張して用いることができるようなものでもない。
【0010】
そこで、本発明は、絵模様や数字などが記載されているブロックを基盤に嵌合させることにより繰り返して使用することができるものであって、ポケットなどに入れて持ち運びができるとともに、必要に応じてブロックを嵌合させる基盤の大きさを自由に拡張できるブロック・パズルの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した問題点の解決を目的とするものである。
【0012】
請求項1記載の発明は、天面に断面が略矩形状をした凸部を有するプレート基盤に、底面に断面が略矩形状をした凹部を有する複数個のブロックを嵌合させて形成するブロック・パズルにおいて、前記プレート基盤は、天面の大部分を占めている中央部分が、周囲の四方部分よりも1段高い2段構造であり、前記ブロックは、天面は平面であり、その底面には少なくとも2行2列に形成されている前記凹部を有する凹型ブロックであり、前記プレート基盤の前記凸部と、前記凹型ブロックの前記凹部とは嵌合するものであり、一方の前記プレート基盤の合体部分に隣接する前記四方部分に形成されている前記凸部と、他方の前記プレート基盤の合体部分に隣接する前記四方部分に形成されている前記凸部とに、前記凹型ブロックの前記凹部を嵌合させることによって、複数の前記プレート基盤を合体させることができることを特徴としている。
【0013】
すなわち、複数枚のプレート基盤を合体させる合体用ブロックとして凹型ブロックを用いることができる。凹型ブロックは、底面に2行2列に配列されている計4個の凹部を有しているので、プレート基盤の凸部との嵌合後は嵌合軸方向にグラついたり回転したりすることがない。したがって、ポケットなどに入れて持ち運びをしても、プレート基盤の凸部から凹型ブロックが外れることもない。
【0014】
請求項2記載の発明は、天面に断面が略矩形状をした凸部を有するプレート基盤に、底面に断面が略矩形状をした凹部を有する複数個のブロックを嵌合させて形成するブロック・パズルにおいて、前記プレート基盤は、天面の大部分を占めている中央部分が、周囲の四方部分よりも1段高い2段構造であり、前記ブロックには、天面は平面であり、その底面には少なくとも2行2列に形成されている前記凹部を有する凹型ブロックと、天面には少なくとも2行2列に形成されている前記凸部を有しており、その底面には少なくとも2行2列に形成されている前記凹部を有する凹凸型ブロックとがあり、前記プレート基盤の前記凸部と、前記凹型ブロック及び前記凹凸型ブロックの前記凹部とは嵌合するものであり、前記凹凸型ブロックの前記凸部と、該凹凸型ブロック及び前記凹型ブロックの前記凹部とは嵌合するものであり、一方の前記プレート基盤の合体部分に隣接する前記四方部分に形成されている前記凸部と、他方の前記プレート基盤の合体部分に隣接する前記四方部分に形成されている前記凸部とに、前記凹型ブロック又は前記凹凸型ブロックの前記凹部を嵌合させることによって、複数の前記プレート基盤を合体させることができることを特徴としている。
【0015】
凹凸型ブロックを用いて複数のプレート基盤を合体させた場合には、合体後のプレート基盤の凸部の高さは、中央部分も周囲の合体された部分も同じ高さにすることができる。したがって、合体後のプレート基盤を用いると、繋ぎ目のない大きな絵模様などを形成することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記プレート基盤は、底面の周囲の四方部分に前記凹部を有しており、該凹部は、前記凹凸型ブロックの前記凸部と嵌合するものであることを特徴としている。
【0017】
プレート基盤の底面の周囲部分に形成した凹部に、好みに応じて複数個の凹凸型ブロックを嵌合させることによって、一対の衝立部を形成して自立させることができる。この場合に、凹凸型ブロックの数を好みに応じて選択することによって、卓上用として設置する場合でも好みの角度に調整することができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1、請求項2又は請求項3記載の発明において、前記ブロックには、天面が平面で、底面には1個の前記凹部を有しており、該凹部は、前記プレート基盤の前記凸部及び前記凹凸型ブロックの前記凸部と嵌合する凹型微小ブロックが含まれていることを特徴としている。
【0019】
凹型微小ブロックを用いると、凹型ブロックに比べて、天面の面積が1/4と小さいので、より高密度なブロック・パズルを形成することができる。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1、請求項2又は請求項3記載の発明において、前記ブロックには、天面には1個の前記凸部を有し、底面には1個の前記凹部を有しており、該凹部は、前記プレート基盤の前記凸部及び前記凹凸型ブロックの前記凸部と嵌合する凹凸型微小ブロックが含まれていることを特徴としている。
【0021】
この凹凸型微小ブロックを、プレート基盤周囲の四方部分に形成されている一段低い凸部と嵌合させることによって、プレート基盤天面の凸部の高さをそろえることができる。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載の発明において、前記凹型ブロックと、前記凹型微小ブロックの天面には、数字、文字、絵模様の一部などが印刷され、又はこれらが印刷されたシールが貼られていることを特徴としている。
【0023】
凹型ブロックや凹型微小ブロックの天面に、数字、文字、絵模様の一部などを印刷等することによって、ブロック・パズルとして用いることができる。
【0024】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記プレート基盤と、前記凹型ブロック又は前記凹型微小ブロックのうちのいずれか一方又は両方を用いて万年カレンダーを作成することを特徴としている。
【0025】
本発明を用いることによって、ポケットなどに入れて持ち運びができる万年カレンダーを作成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係わるブロック・パズルは、絵模様や数字などが記載されているブロックをプレート基盤に嵌合させたり、取り外したりすることによって繰り返して使用することができる。そして、ポケットなどに入れて持ち運びができるとともに、装飾用として壁面に立てた状態で固定しても各ブロックがプレート基盤から外れることもない。
【0027】
また、需要者の好みに応じて複数枚のプレート基盤を合体させて、その大きさを自由に拡張して使用をすることができる。したがって、繋ぎ目のない絵模様などを形成することができる。
【0028】
加えて、本発明を用いたブロック・パズルは、部品数も少ないので安価な費用で製造をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ブロック・パズルの説明図である。
【図2】ブロック・パズルを用いた絵模様及び万年カレンダーの説明図である。
【図3】プレート基盤の底面にマグネットを取り付けた説明図である。
【図4】プレート基盤の底面に絵模様を印刷した説明図である。
【図5】プレート基盤の天面の説明図である。
【図6】凹型ブロック1,2の説明図である。
【図7】凹凸型ブロック4,4aの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下において、本発明に係わるブロック・パズル20の実施の形態について、図1〜図7を用いて詳細に説明する。
(本発明に係わるブロック・パズル)
本発明に係わるブロック・パズル20は、例えば、プレート基盤3、凹型ブロック2、凹凸型ブロック4 などの形状に特徴のある3種類の構造体で構成されている(図1)。これら3種類の構造体は、バイオマス・プラスチックなどの樹脂を用いて、射出成型法によって製造することができる。
【0031】
これらの構造体には、凸部7や凹部8が形成されており、図示されていないものも含めて、それぞれが同一の寸法形状をしており、それぞれの凸部7と凹部8とを互いに嵌合させて一体化することができる。そして、それぞれの凸部7と凹部8の断面が略矩形状をしている。なお、凸部7と凹部8の断面を矩形状にすることによって、嵌合後は軸方向に回転したりすることがない。
【0032】
本発明は、ポケットなどに入れて持ち運びをすることも可能な携帯サイズの大きさのブロック・パズル20の提供を目的としているので、後述するようにそれぞれの構造体自体も小さな寸法形状のものである。
(プレート基盤)
プレート基盤3は、平面状をした略直方体であり、その天面には多数の凸部7が形成されている(図5)。この凸部7は、凹型ブロック2(図6)及び凹凸型ブロック4(図7)などの底面部分に形成されている凹部8と嵌合することができる。
【0033】
プレート基盤3の天面は2段構造をしており、天面の大部分を占めている中央部分は、周囲の四方部分よりも1段(凹型ブロック2又は凹凸型ブロック4の高さ相当分。約2.5mm程度)高い構造となっている。すなわち、プレート基盤3の周囲の四方部分に形成されている1列の凸部7は、中央部分に形成されている多数の凸部7よりも1段低い位置に形成されている。
【0034】
後述するように、プレート基盤3天面周囲の四方部分に形成されている一段低い凸部7と、凹型ブロック2又は凹凸型ブロック4の底面部分に形成されている凹部8とを、それぞれのプレート基盤3を跨ぐように嵌合させることによって、複数のプレート基盤3を合体させることができる。
【0035】
なお、凹凸型ブロック4を用いて複数のプレート基盤3を合体させた場合には、合体後のプレート基盤3の凸部7の高さは、中央部分も四方の合体された部分も同じ高さにすることができる。したがって、合体後のプレート基盤3を用いると、繋ぎ目のない大きな絵模様を形成することができる。
【0036】
一方、プレート基盤3の底面は、周囲の四方部分と、周囲の四方部分よりも1段低い中央部分とで構成されている(図3、図4)。この周囲の四方部分には1列の凹部8を有しており、凹凸型ブロック4の天面に形成されている凸部7と嵌合することができる(図2、図7)。
【0037】
プレート基盤3の底面の1段低い中央部分には、冷蔵庫扉などの鋼板製の表面に取付けたり取外しをしたりすることができるように、図示されていない接着剤等で磁石5を貼り付けて使用することもできる(図3)。同様に、図示されていない両面テープ等で、プレート基盤3を壁面等に貼り付けて固定することもできる。
【0038】
また、プレート基盤3の底面の1段低い中央部分には、あらかじめ絵模様などを印刷しておき、そのままの状態でも置物として利用することもできる(図4)。
(凹型ブロック)
凹型ブロック2は、略直方体形状であり、天面は平面形状をしており、底面にはプレート基盤3や凹凸型ブロック4の凸部7と嵌合できる4個の凹部8を有している(図1、図6)。凹型ブロック2の寸法は、天面が約5mm角であり、約2.5mmの高さをしている。
【0039】
凹型ブロック2の天面には、絵模様の一部、数字、文字などを印刷したり、これらが印刷されているシールを貼ったりすることができる。なお、絵模様や文字・数字などの印刷方法としては、ダイレクト印刷法、箔押し印刷法、シルク印刷法などがある。
【0040】
凹型ブロック2は、底面に2行2列に配列されている計4個の凹部8を有しているので、プレート基盤3や凹凸型ブロック4の凸部7との嵌合後は嵌合軸方向にグラついたり回転したりすることがない。したがって、凹型ブロック2は、後述するようにプレート基盤3の合体用ブロック10として用いることもできる。
【0041】
なお、本実施例では、凹型ブロック2として、底面に少なくとも2行2列に配列されている計4個の凹部8を有するものについての記載をしているが、2行3列や2行4列のように本実施例よりも、行方向や列方向に多くの凹部8を有するものについても同様の効果がある。
(凹凸型ブロック)
凹凸型ブロック4は、略直方体形状であり、天面にはプレート基盤3と同様の凸部7が4個形成されており、底面には図6に示されている凹型ブロック2と同様の4個の凹部8を有している(図7)。これらの凹部8は、プレート基盤3の凸部7や他の凹凸型ブロックの凸部7と嵌合することができる。凹凸型ブロック4の寸法は、天面が約5mm角であり、約3.5mmの高さをしている。
【0042】
凹凸型ブロック4は、凹型ブロック2と同様に2行2列に配列されている計4個の凹部8を有しているので、プレート基盤3や凹凸型ブロック4の凸部7と嵌合後は嵌合軸方向にグラついたり回転したりすることがない。
【0043】
したがって、凹凸型ブロック4は、凹型ブロック2と同様に、プレート基盤3の合体用ブロック10としても用いることができる。そして、凹凸型ブロック4を用いて複数のプレート基盤3を合体させた場合には、合体後のプレート基盤3の凸部7の高さは、中央部分も周囲の合体された部分も同じ高さにすることができる。
【0044】
凹凸型ブロック4の凸部7は、凹型微小ブロック1、凹型ブロック2及び凹凸型ブロック4の凹部8と嵌合できる。したがって、凹凸型ブロック4を積み重ねることによって、ブロック・パズル20の厚み調整用としても用いることができる。
【0045】
また、後述するように、凹凸型ブロック4の凸部7は、プレート基盤3の底面の周囲部分に形成されている凹部8とも嵌合することができる(図2、図3、図4)。
【0046】
凹凸型ブロック4の他の例としては、図7に示されるように凹凸型微小ブロック4a(1行1列)のように、天面には1個の凸部7を有し、底面には1個の凹部8を有するブロックがある。この凹凸型微小ブロック4aを、プレート基盤3周囲の四方部分に形成されている一段低い凸部7と嵌合させることによって、プレート基盤3の天面の凸部7の高さのすべてをそろえることができる。
【0047】
なお、本実施例では、凹凸型ブロック4、4aとして、天面や底面に1行1列及び2行2列に配列されている凸部7や凹部8を有するものについて記載をしているが、2行3列や2行4列のように本実施例よりも、行方向や列方向に多くの凹部8を有するものについても同様の効果がある。
(凹型微小ブロック)
凹型微小ブロック1は、略サイコロ形状であり、天面は平面形状をしており、底面にはプレート基盤3や凹凸型ブロック4の凸部7と嵌合できる1個の凹部8を有するブロックである(図6)。
【0048】
凹型微小ブロック1の寸法は、約2.5mm角であり、高さが約2.5mmであり、天面には上述した手法で、数字、文字、絵模様の一部などを印刷したり、印刷されたシールを貼ったりすることができる。
【0049】
凹型微小ブロック1を用いると、上述した凹型ブロック2に比べて、天面の面積が1/4と小さいので、より高密度なブロック・パズル20を形成することができる。なお、嵌合する凸部7や凹部8の断面が略矩形状をしているので、嵌合後は嵌合軸方向に回転することがない。
(凹型ブロック又は凹凸型ブロックによるプレート基盤の合体)
凹型ブロック2又は凹凸型ブロック4を、合体用ブロック10として用いることによって、複数枚のプレート基盤3を合体させることができる(図1)。まず、合体部分11が形成されるように複数枚のプレート基盤3を互いに接する状態とする。そして、隣接するプレート基盤3の2個の凸部7に、凹型ブロック2又は凹凸型ブロック4の2個の凹部8を跨るように嵌合させることによって、複数枚のプレート基盤3を合体させることができる。
【0050】
例えば、図1に示されるように、4枚のプレート基盤3の天面の合体部分11に隣接する凸部7に、凹凸型ブロック4のそれぞれの底面に形成されている凹部8を跨るように嵌合させることによって、それぞれのプレート基盤3どうしをしっかりと合体させることができる(図1)。
【0051】
ここで、各プレート基盤3の合体部分11近傍の凸部7に、複数個の凹凸型ブロック4の凹部8が跨るように嵌合されているので、各プレート基盤3がグラついたり、外れたりすることもない。
【0052】
すなわち、本発明を用いると需要者の好みに応じてプレート基盤3のサイズを自由に拡張することができるので、繋ぎ目のない絵模様を形成することができる。したがって、絵模様などのサイズがプレート基盤3の寸法によって制限されることもない。なお、合体用ブロック10として、図1に示されるような凹凸型ブロック4に替えて凹型ブロック2を用いることもできる。
【実施例1】
【0053】
(猫の絵模様及び万年カレンダー)
図2において、本発明に係わるブロック・パズル20を、1枚のプレート基盤3には猫の絵模様を、もう1枚のプレート基盤3には万年カレンダーとして用い、2枚のプレート基盤3に凹凸型ブロック4を用いて合体させる場合の実施例について説明する。
【0054】
1枚のプレート基盤3には、組みあがった状態で猫の絵模様が形成されるようにブロックごとに印刷されている凹型ブロック2を用いる。そして、プレート基盤3の天面の凸部7に、天面に猫の絵模様の一部が印刷されている多数個の凹型ブロック2を嵌合させることによって猫の絵模様が完成する。
【0055】
なお、上述した実施例では、絵模様が印刷されているブロックとして凹型ブロック2を用いたものについて説明をしたが、天面寸法の小さい凹型微小ブロック1を用いると、さらに高密度な絵模様を形成することができる。
【0056】
同様に、1枚のプレート基盤3と、万年カレンダーが形成されるようにブロックごとに文字や数字が印刷されている凹型ブロック2を用いる。そして、プレート基盤3の凸部7に、天面に文字や数字が印刷されている凹型ブロック2を嵌合させることによって万年カレンダーが完成する。
【0057】
月が替わった場合には、上部の曜日が印刷されている文字の部分はそのままの状態とし、日にちを表す数字が印刷されている凹型ブロック2をプレート基盤3から取り外した後に、その凹型ブロック2を月ごとに適切な位置に嵌合させることによって万年カレンダーとして利用をすることができる。
【0058】
なお、図2では、月初めの日曜日が1日(ついたち)となる例を示している。一方、月初めの1日(ついたち)となる日が日曜日以外の曜日(例えば、月曜日の場合など。)の場合には、天面に印刷されていない凹型ブロック2をプレート基盤3の凸部7に嵌合させたり、数字以外の絵文字等が印刷されている凹型ブロック2をその部分に嵌合させたりすることができる。
(2枚のプレート基盤の合体)
次に、上方の猫の絵模様のプレート基盤3と、下方の万年カレンダーのプレート基盤3とを、合体用ブロック10として凹凸型ブロック4を用いて合体させるようにした(図2)。
【0059】
上述したように、プレート基盤3の天面は2段構造をしており、周囲の四方部分に形成されている1列の凸部7は、中央部分に形成されている凸部7よりも1段(約2.5mm)低い位置に形成されている。この1段低い位置に形成されている凸部7を用いて複数のプレート基盤3を合体させることができる。
【0060】
ここで、猫の絵模様のあるプレート基盤3の下端部分の凸部7のうちの2個と、万年カレンダーのあるプレート基盤3の上端部分の複数の凸部7のうちの2個とを、凹凸型ブロック4の底面に形成されている図示されていない4個の凹部8を用い、この凹部8が2枚のプレート基盤3に跨るように嵌合させて、それぞれのプレート基盤3を合体させて1枚にすることができる。
【0061】
すなわち、上方のプレート基盤3の合体部分11に隣接する凸部7と、下方のプレート基盤3の合体部分11に隣接する凸部7とに、合体用ブロック10として凹凸型ブロック4の凹部8を嵌合させることによって、2枚のプレート基盤3を合体させることができる。
【0062】
そうすると、合体部分11の上方には猫の絵模様が、下方には万年カレンダーが形成されている1枚のブロック・パズルが完成する(図2)。また、合体用ブロック10として凹凸型ブロック4の凹部8を嵌合させて用いているので、この凹凸型ブロック4の天面の凸部7の高さは、プレート基盤3の中央部分の多数の凸部7の高さと横並びに揃えることができる。したがって、繋ぎ目のない1枚のプレート基盤として利用することができる。
【0063】
なお、凹凸型ブロック4は、2行2列に配列されている計4個の凹部8を有しており、この凹部8は2枚のプレート基盤3の凸部7と跨るように嵌合されるので、合体後のそれぞれのプレート基盤3はしっかりと固定されており、嵌合軸方向にグラついたり回転したりすることがない。したがって、合体後のプレート基盤3を、そのままポケットなどに入れてもそれぞれのブロックやプレート基盤3が外れたりすることがなく、そのまま持ち運びをすることができる。
【0064】
一方、複数枚のプレート基盤3を合体させるというような合体用ブロック10としての用途のみであれば、凹凸型ブロック4に替えて凹型ブロック2を用いることもできる。ただし、この場合には、凹型ブロック2の天面には凸部7を有していないので、さらに他の凹型ブロック2や凹凸型ブロック4と嵌合することはできないことになる。
(衝立部の形成)
下方のプレート基盤3の底面の周囲部分に形成した凹部8に、好みに応じて複数個の凹凸型ブロック4を嵌合させて一対の衝立部9を形成して自立させることができる(図2)。この場合に、凹凸型ブロック4の数を好みに応じて選択することによって、卓上用として設置する場合でも好みの角度に調整することができる。なお、図2では、凹凸型ブロック4を5個重ねて嵌合させたものを用いている。
【0065】
本発明に係わるブロック・パズル20は、プレート基盤3、凹型ブロック2、凹凸型ブロック4、凹型微小ブロック1などの構造体の凸部7と凹部8とがそれぞれ嵌合された状態で保持されている。そして、それぞれの部品寸法が小さいので、コンパクトなブロック・パズル20を構成することができる。加えて、それぞれの凸部7や凹部8の断面が略矩形状をしているので、嵌合後は嵌合軸方向に回転することがない。
【0066】
また、凹型ブロック2や凹凸型ブロック4は、2行2列に配列されている計4個の凹部8を有しているので、プレート基盤3や凹凸型ブロック4の凸部7との嵌合後は、しっかりと固定される。したがって、ポケットなどに入れて持ち運びをしても、それぞれのブロックがプレート基盤3から外れることはなく、そのまま壁面などに垂直に立てた状態で飾ることができる。
【0067】
一方、複数のプレート基盤3を、凹型ブロック2又は凹凸型ブロック4を合体用ブロック10として用いることによってそれぞれのプレート基盤3を合体させることができるので、大きさに制限のないブロック・パズル20を提供することができる。したがって、繋ぎ目のない大きな絵模様を形成することができる。
【0068】
さらに、本発明を用いたブロック・パズル20は、部品数も少ないので安価な費用で製造をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、天面に絵柄、写真などの画像の一部や、文字、数字などの記号が印刷されている複数個のブロックをプレート基盤に嵌合させて、絵模様や万年カレンダーなどとして楽しむことができるブロック・パズルに利用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 凹型微小ブロック
2 凹型ブロック
3 プレート基盤
4 凹凸型ブロック
4a 凹凸型微小ブロック
5 磁石
6 印刷部
7 凸部
8 凹部
9 衝立部
10 合体用ブロック
11 合体部分
20 ブロック・パズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面に断面が略矩形状をした凸部を有するプレート基盤に、底面に断面が略矩形状をした凹部を有する複数個のブロックを嵌合させて形成するブロック・パズルにおいて、
前記プレート基盤は、天面の大部分を占めている中央部分が、周囲の四方部分よりも1段高い2段構造であり、
前記ブロックは、天面は平面であり、その底面には少なくとも2行2列に形成されている前記凹部を有する凹型ブロックであり、
前記プレート基盤の前記凸部と、前記凹型ブロックの前記凹部とは嵌合するものであり、
一方の前記プレート基盤の合体部分に隣接する前記四方部分に形成されている前記凸部と、他方の前記プレート基盤の合体部分に隣接する前記四方部分に形成されている前記凸部とに、前記凹型ブロックの前記凹部を嵌合させることによって、複数の前記プレート基盤を合体させることができる
ことを特徴とするブロック・パズル。
【請求項2】
天面に断面が略矩形状をした凸部を有するプレート基盤に、底面に断面が略矩形状をした凹部を有する複数個のブロックを嵌合させて形成するブロック・パズルにおいて、
前記プレート基盤は、天面の大部分を占めている中央部分が、周囲の四方部分よりも1段高い2段構造であり、
前記ブロックには、
天面は平面であり、その底面には少なくとも2行2列に形成されている前記凹部を有する凹型ブロックと、
天面には少なくとも2行2列に形成されている前記凸部を有しており、その底面には少なくとも2行2列に形成されている前記凹部を有する凹凸型ブロックとがあり、
前記プレート基盤の前記凸部と、前記凹型ブロック及び前記凹凸型ブロックの前記凹部とは嵌合するものであり、
前記凹凸型ブロックの前記凸部と、該凹凸型ブロック及び前記凹型ブロックの前記凹部とは嵌合するものであり、
一方の前記プレート基盤の合体部分に隣接する前記四方部分に形成されている前記凸部と、他方の前記プレート基盤の合体部分に隣接する前記四方部分に形成されている前記凸部とに、前記凹型ブロック又は前記凹凸型ブロックの前記凹部を嵌合させることによって、複数の前記プレート基盤を合体させることができる
ことを特徴とするブロック・パズル。
【請求項3】
前記プレート基盤は、
底面の周囲の四方部分に前記凹部を有しており、
該凹部は、前記凹凸型ブロックの前記凸部と嵌合するものである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブロック・パズル。
【請求項4】
前記ブロックには、
天面が平面で、底面には1個の前記凹部を有しており、
該凹部は、前記プレート基盤の前記凸部及び前記凹凸型ブロックの前記凸部と嵌合する凹型微小ブロックが含まれている
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のブロック・パズル。
【請求項5】
前記ブロックには、
天面には1個の前記凸部を有し、底面には1個の前記凹部を有しており、
該凹部は、前記プレート基盤の前記凸部及び前記凹凸型ブロックの前記凸部と嵌合する凹凸型微小ブロックが含まれている
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のブロック・パズル。
【請求項6】
前記凹型ブロックと前記凹型微小ブロックの天面には、
数字、文字、絵模様の一部などが印刷され、又はこれらが印刷されたシールが貼られているものが含まれている
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載のブロック・パズル。
【請求項7】
前記プレート基盤と、前記凹型ブロック又は前記凹型微小ブロックのうちのいずれか一方又は両方を用いて万年カレンダーを作成する
ことを特徴とする請求項6記載のブロック・パズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−191998(P2012−191998A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56751(P2011−56751)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(711001701)
【Fターム(参考)】