説明

プリンタ、印刷方法、及び、印刷物

【課題】使用者の要求に応じた内容で、低コストかつセキュリティ性の高い印刷を行うことが可能であるとともに、真贋の判別が容易な印刷物を作製可能なプリンタ、印刷方法、及び、印刷物を提供する。
【解決手段】プリンタ1は、光の反射状態が表面上で変化する転写箔15aを、印刷媒体10上に下地層として、または、下地層上に表示層として転写可能な印刷手段4と、印刷手段4によって、転写箔15aが転写されることで下地層が設けられ、または、予め転写箔によって下地層が設けられた印刷媒体10の下地層上に、印刷手段4によって表示層として所定の形状で転写箔15aを重ねて転写させる制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に転写箔を転写して印刷を行うプリンタ、印刷方法、及び、印刷物に関し、特に光の反射状態が変化する転写箔を使用して印刷を行うプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、チケット、紙幣などの印刷物においては、セキュリティ性を向上させるなどの目的により、ホログラムなどによって印刷媒体上に光の反射状態が表面上で変化するように印刷を行う方法が用いられてきている。例えば、ホログラムによって所望の文字、模様を印刷する場合、まず、電子線を描写させるなどによって、対応する文字、模様が形成された原版を製作する。次に、原版を利用して実際に印刷を行う転写箔上に転写させることで、所望の文字、模様を有する転写箔を製作することができる。そして、この転写箔を印刷媒体上に熱転写等することで、文字、模様を、光の反射状態の変化によって表現していた。
【0003】
また、サーマルプリンタによって、予め所定の模様等パターンを有するホログラム箔を印刷媒体に所定形状となるように熱転写する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、平面的に異なる位置で、光回折パターンの異なる複数のホログラムを印刷する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−163535号公報
【特許文献2】特開平6−278396号公報
【特許文献3】特開平8−247181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような所望の文字、模様と対応する原版を製作して転写させるような方法では、一つの原版で印刷できる文字、模様などの形態は一種類に限られ、多種類の形態を印刷するには、それに応じた多数の原版が必要となる。さらに、原版自体の製造コストも高く、印刷コストが高くなってしまう問題があった。また、印刷コストが高くなってしまうことから、オンデマンドで印刷を行う方式に適用することが困難となってしまう問題があった。
【0006】
一方、特許文献1〜3の方法では、ホログラム箔の熱転写させる範囲を変化させることにより、様々な形状で印刷することが可能である。しかしながら、いずれの方法も、一種類の模様のホログラムを使用するか、多種類の模様のホログラムを使用するかの違いはあるものの、単に印刷媒体上で形状を変えてホログラム箔を転写させるものであり、転写されたホログラムの外郭形状で所望の文字、模様を表現するものである。このため、潜像効果に乏しく、よりセキュリティ性が向上された印刷物を印刷することが可能なプリンタ及び印刷方法が望まれていた。
【0007】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、使用者の要求に応じた内容で、低コストかつセキュリティ性の高い印刷を行うことが可能であるとともに、真贋の判別が容易な印刷物を作製可能なプリンタ、印刷方法、及び、印刷物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明のプリンタは、光の反射状態が表面上で変化する転写箔を、印刷媒体上に下地層として、または、該下地層上に表示層として転写可能な印刷手段と、該印刷手段によって前記転写箔が転写されることで前記下地層が設けられ、または、予め転写箔によって前記下地層が設けられた前記印刷媒体の該下地層上に、前記印刷手段によって前記表示層として所定の形状で前記転写箔を重ねて転写させる制御部とを備えることを特徴としている。
ここで、光の反射状態の変化とは、見る方向や照明する方向によって光の反射状態が変化して見えることをいい、照射される外光に対して、表面上で反射光の方向、強度などが変化することをいう。また、反射とは、単に反射するような狭義のものに限られず、例えば、回折または散乱などによるものも含む広義の概念である。
【0009】
この構成によれば、印刷媒体への印刷は、制御部による制御のもと、転写箔で形成される下地層上に、印刷手段よってさらに表示層を形成することで行われる。ここで、表示層も、転写箔を所定の形状となるように転写するだけであり、所望の内容を容易かつ低コストで印刷することができる。また、下地層が光の反射状態が表面上で変化する転写箔で形成されているとともに、下地層上に設けられる表示層も光の反射状態が表面上で変化する転写箔で形成されている。このため、表示層として表わされる形状は、下地層の光の反射状態の変化によって直接目視によって識別しにくくなり、所謂潜像効果を発揮させることができる。一方、表示層を目視する方向あるいは照明光を照射方向を変化させると、ある方向では下地層及び表示層の反射状態によって表示層が浮かび上がり、識別することができるようになる。また、下地層及び表示層が形成された印刷媒体を複写した場合には、光の反射状態の変化が色のコントラストで表わされることで、表示層の輪郭が浮かび上がることとなり、これにより容易に識別することが可能となる。
【0010】
また、前記制御部は、前記印刷手段によって、前記印刷媒体上に前記下地層として前記転写箔を転写した後に、前記表示層として所定の形状で前記下地層上に前記転写箔を重ねて転写させることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、制御部による制御のもと、印刷手段によって印刷媒体上に下地層及び表示層を形成することで、印刷媒体上の予め設定された印刷範囲に、所定の形状を印刷することができる。
【0012】
また、前記印刷媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送手段を備え、前記印刷手段は、前記下地層として前記転写箔を転写可能な第一のプリンタヘッドと、該第一のプリンタヘッドの前記搬送方向後方側に設けられ、前記表示層として前記転写箔を転写可能な第二のプリンタヘッドとを有し、前記制御部は、前記搬送手段によって前記印刷媒体を搬送させて、前記印刷手段の前記第一のプリンタヘッドで前記転写箔を転写させて後に、前記第二のプリンタヘッドで前記下地層上に前記転写箔を転写させることがより好ましい。
【0013】
この構成によれば、印刷手段が、下地層を形成する第一のプリンタヘッドを有し、さらに搬送方向後方側に表示層を形成する第二のプリンタヘッドを有することで、搬送手段によって搬送方向に印刷媒体を搬送させながら、連続して下地層及び表示層を形成することができ、より効率的に印刷を行うことができる。特に、第一のプリンタヘッドと第二のプリンタヘッドとを近接させれば、下地層を転写しながら、下地層が形成された部分から順次表示層も転写することができる。また、第一のプリンタヘッドと第二のプリンタヘッドとを印刷媒体の搬送方向のサイズ分だけ離せば、表示層を転写と同時に、次の印刷媒体の下地層を転写し、連続印刷することができ、より効率的な印刷となる。
【0014】
また、前記印刷手段は、一定のパターンで光の反射状態の変化が繰り返される第一の転写箔を前記転写箔として供給する第一の供給部と、該第一の供給部で供給される前記第一の転写箔と異なるパターンで光の反射状態の変化が繰り返される第二の転写箔を前記転写箔として供給する第二の供給部とを備え、前記制御部は、前記印刷手段によって、前記第一の供給部から供給される前記第一の転写箔で前記下地層を形成させるとともに、前記第二の供給部から供給される前記第二の転写箔で前記下地層上に前記表示層を形成させることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、印刷手段が、第一の転写箔を供給する第一の供給部と、第二の転写箔を供給する第二の供給部とを有しており、異なる転写箔によって下地層及び表示層を形成することができる。そして、第一の転写箔と第二の転写箔とが、それぞれ一定のパターンで光の反射状態の変化が繰り返されるものであることから、材料コストを低減させることができる一方、互いのパターンが異なることから、下地層の第一の転写箔のパターンと、表示層の第二の転写箔のパターンとが一致して表示層の形状が完全に埋没してしまうことを防止することができる。
【0016】
また、前記制御部は、前記印刷手段によって、予め取得された前記下地層に関する情報に基づいて、該下地層を形成する前記転写箔の光の反射状態の変化によって表されるパターンに対して、前記表示層を形成する前記転写箔の反射状態の変化によって表されるパターンの相対位置を変化させて前記表示層となる前記転写箔を転写させることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、制御部による制御のもと、印刷手段によって、下地層に関する情報に基づいて下地層を形成する転写箔のパターンに対して表示層を形成する転写箔のパターンの相対位置を変化させて転写させることができる。このため、下地層と表示層とで同一のパターンの転写箔を使用したとしても、互いの転写箔のパターンが一致して表示層の形状が完全に埋没してしまうことを防止することができる。
【0018】
また、前記下地層を形成する前記転写箔の光の反射状態の変化を表面上の少なくとも一部で認識する認識手段を備え、前記制御部は、該認識手段の認識結果を前記情報として、前記印刷手段によって前記表示層を形成させることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、認識手段によって下地層を形成する転写箔の光の反射状態の変化を表面上の少なくとも一部で認識し、これを情報として、制御部による制御のもと印刷手段よって表示層を形成させることで、互いのパターンが一致して表示層の形状が完全に埋没してしまうことを防ぐことができる。
【0020】
また、本発明の印刷方法は、印刷媒体上に、光の反射状態が表面上で変化する転写箔を転写して下地層を形成する下地層形成工程と、該下地層上に、所定の形状で前記転写箔を重ねて転写させて表示層を形成する表示層形成工程とを備えることを特徴としている。
【0021】
また、前記下地層形成工程及び前記表示層形成工程は、互いの異なるパターンで光の反射状態の変化が繰り返される前記転写箔をそれぞれ使用して行うことが好ましい。
【0022】
前記下地層形成工程で形成された前記下地層に関する情報を取得する前記検出工程を備え、前記表示層形成工程は、該検出工程で取得された前記情報に基づいて、前記下地層を形成する前記転写箔の光の反射状態の変化によって表されるパターンに対して、前記表示層を形成する前記転写箔の反射状態の変化によって表されるパターンの相対位置を変化させて前記表示層となる前記転写箔を転写することが好ましい。
【0023】
また、前記検出工程は、前記情報として、前記下地層を形成する前記転写箔の光の反射状態の変化を表面上の少なくとも一部で認識することが好ましい。
【0024】
さらに、本発明の印刷物は、印刷媒体と、該印刷媒体上の所定の印刷範囲に設けられ、光の反射状態が表面上で変化する転写箔で形成された下地層と、該下地層上に所定の形状で設けられ、前記転写箔で形成された表示層とを備えることを特徴としている。
【0025】
また、前記下地層が、前記転写箔として、一定のパターンで光の反射状態の変化が繰り返される第一の転写箔によって形成されているとともに、前記表示層が、前記転写箔として、前記第一の転写箔と異なるパターンで光の反射状態の変化が繰り返される第二の転写箔によって形成されていることが好ましい。
【0026】
また、前記下地層及び前記表示層は、前記転写箔として光の反射状態の変化が一定のパターンで繰り返されているもので互いに形成されているとともに、繰り返される該パターンの相対位置を異なるものとして積層されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明のプリンタによれば、印刷手段と制御部とを備えることで、使用者の要求に応じた内容で、低コストで印刷を行うことができるとともに、潜像効果によりセキュリティ性の高い印刷を行うことができ、真贋の判別が容易な印刷物を作製することができる。
また、本発明の印刷方法によれば、下地層形成工程と表示層形成工程とを備えることで、使用者の要求に応じた内容で、低コストで印刷を行うことができるとともに、潜像効果によりセキュリティ性の高い印刷を行うことができ、真贋の判別が容易な印刷物を作製することができる。
また、本発明の印刷物によれば、下地層と表示層とを備えることで、低コストで、潜像効果によりセキュリティ性が高く、真贋の判別が容易なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(第1の実施形態)
図1から図3は、この発明に係る第1の実施形態を示していて、プリンタの一例として、印刷媒体であるチケット原紙に所定の内容を印刷して発券する発券機を示している。
【0029】
図1から図3に示すように、この実施形態の発券機1は、ケース2と、チケット原紙10が収容された用紙カセット3と、チケット原紙10に識別表示のための印刷を行う印刷手段4と、チケット原紙10を搬送する搬送手段5と、各構成を制御する制御部6とを備える。用紙カセット3は、ケース2に形成された給紙口に着脱可能に取り付けられている。搬送手段5は、用紙カセット3に収容されているチケット原紙10の前端10a部分に当接して、最上層のチケット原紙10を送り出すピックアップローラ51と、ピックアップローラ51で送り出したチケット原紙10を挟み込んで搬送方向X前後に搬送する一対の搬送ローラ52、53と、印刷完了した印刷物であるチケット13をケース2に形成された排出口21へ送り出す一対の排出ローラ54、55とを有する。これにより、搬送手段5は、図3に示す制御部6の用紙搬送制御部61による制御のもと、ピックアップローラ51を駆動させて、用紙カセット3からチケット原紙10を取り出し、また、一対の搬送ローラ52、53を駆動させて搬送方向Xに沿ってチケット原紙10を前後させ、さらに、排出ローラ54、55を駆動させて排出口21からチケット原紙10を排出させることが可能となっている。なお、一対の搬送ローラ52、53の搬送方向X前方側には、搬送されるチケット原紙10の前端10aを検出する用紙前端センサ71が設けられているとともに、搬送方向X後方側には、搬送されるチケット原紙10の後端10bを検出する用紙後端センサ72が設けられている。用紙前端センサ71及び用紙後端センサ72は、図3に示す制御部6のセンサ制御部62と接続されていて、センサ制御部62による制御のもとセンシングするとともに、検出結果を出力することが可能となっている。
【0030】
また、印刷手段4は、転写箔15aが帯状に形成された転写箔リボン15を供給する供給部41と、供給部41から供給された転写箔リボン15から転写箔15aをチケット原紙10に転写する転写部42とを有する。ここで、本実施形態で使用される転写箔15aは、その表面上で光の反射状態が変化するホログラム箔である。より具体的には、転写箔15aは、例えば、反射方向などの変化により、矩形状の図形の内部で放射状に虹色の模様が形成されていて、この矩形状の図形が一パターンとして配列し、繰り返されている。そして、供給部41は、転写箔リボン15がロール状に形成されたロール体を回転可能に支持した送り出しローラ411と、ロール体から送り出された転写箔リボン15を巻き取る巻き取りローラ412とを有する。送り出しローラ411と、巻き取りローラ412とには、それぞれ図示しない送り出しモータと、巻き取りモータとが接続されていて、図3に示す制御部6のリボン制御部63による制御のもと、回転することで、転写箔リボン15を搬送方向Xに沿って前後に進退させることが可能となっている。
【0031】
また、転写部42は、一対の搬送ローラ52、53よりも搬送方向X前方側に設けられ、搬送されたチケット原紙10を支持するプラテンローラ421と、搬送されたチケット原紙10及び転写箔リボン15をプラテンローラ421とで挟み込んで転写箔リボン15をチケット原紙10に圧接させるプリンタヘッドであるサーマルヘッド422とを備える。サーマルヘッド422は、図3に示す制御部6のヘッド駆動制御部64による制御のもと、転写箔リボン15に対して離間した状態から圧接した状態まで進退することが可能である。また、制御部6のヘッドエネルギー制御部65による制御のもと、搬送方向Xと直交する幅方向Yの所定の範囲を加熱し、対応する範囲で圧接した転写箔リボン15の転写箔15aをチケット原紙10に熱転写させることが可能となっている。また、サーマルヘッド422の幅方向Y端部には、転写箔15aのパターンを認識する認識手段であるリボンセンサ73が設けられている。リボンセンサ73も、図3に示す制御部6のリボン制御部63と接続されていて、センサ制御部62による制御のもとセンシングするとともに、検出結果を出力することが可能となっている。そして、リボンセンサ73による検出結果から、サーマルヘッド422で転写される転写箔15aの一パターン内における位置を認識することが可能となっている。
【0032】
図3に示すように制御部6は、パーソナルコンピュータなどの上位通信部75と接続されて各種情報を送受信可能なメイン制御部66を備えている。また、メイン制御部66は、印刷データなどが記憶されたメモリ部76及び各種入力を行う操作部77と接続されている。また、用紙搬送制御部61、リボン制御部63、ヘッド駆動制御部64、ヘッドエネルギー制御部65、及び、センサ制御部62は、それぞれ、メイン制御部66に接続されていて、メイン制御部66による指令に基づいて対応する構成を制御している。そして、メイン制御部66は、操作部77による入力あるいは、上位通信部75からの指令に基づき、メモリ部76に記憶されている印刷データを読み出して、上記各制御部6に指令を伝送する。各制御部6では、メイン制御部66による指令に基づいて対応する構成を制御し、これによりチケット原紙10に転写箔15aを転写して印刷を行っている。
【0033】
次に、本実施形態の発券機1による印刷方法の詳細、並びに、作製される印刷物の詳細について説明する。本実施形態では、チケット原紙10に発行済みを表わす「発行」という識別表示Aを印刷して発券する(図8参照)場合について説明する。ここで、図4及び図5に示すように、チケット原紙10には、例えば、予め通常のインクで必要な絵柄表示Bが印刷されているとともに、後述する識別表示Aを行う印刷範囲A1には未使用のチケット原紙10であることを示す「未使用」という表示Cがなされている。このため、以下の印刷処理がなされていない状態では、本チケット原紙10は、未発行のもので承認されていないことを明確に識別することができる。
【0034】
そして、まず、給紙工程として、図1及び図2に示すように、メイン制御部66は、例えば操作部77の入力による発券指令に基づいて、搬送手段5のピックアップローラ51を駆動させて、用紙カセット3から一枚のチケット原紙10を取り出し、一対の搬送ローラ52、53で挟持するまで送り出させる。次に、一対の搬送ローラ52、53を駆動させて、取り出したチケット原紙10を搬送方向X前方へ搬送する。そして、用紙前端センサ71によってチケット原紙10の前端10aが検出されたら、メイン制御部66は、一対の搬送ローラ52、53の駆動を一旦停止させる。この時点で、チケット原紙10の前端10aの搬送方向Xの位置が検出されており、これによりチケット原紙10の搬送方向Xの位置を正確に制御して、所望の範囲に印刷を行うことが可能な状態となる。
【0035】
次に、下地層形成工程として、メイン制御部66は、一対の搬送ローラ52、53を駆動させることで、チケット原紙10を搬送方向X後方へ搬送しながら、チケット原紙10上の所定の印刷範囲A1に印刷を行い、下地層11を形成する。すなわち、メモリ部76から読み出した印刷データに基づいて、上記の「未使用」と記載された部分を含む印刷範囲A1に、サーマルヘッド422によって転写箔リボン15から転写箔15aをチケット原紙10に熱転写させる。これにより図6及び図7に示すように、印刷範囲A1には、転写箔15aによって光の反射状態が一定のパターンで繰り返し変化するように下地層11が形成されることなり、予め印刷されていた「未使用」の表示Cは覆い隠されることとなる。そして、チケット原紙10の後端10bが用紙後端センサ72によって検出されたら、メイン制御部66は、一対の搬送ローラ52、53による搬送方向Xを後方から前方へ切り替えさせて、チケット原紙10の前端10aが用紙前端センサ71で検出されるまで搬送させる。
【0036】
次に、表示層形成工程として、図1及び図2に示すように、メイン制御部66は、一対の搬送ローラ52、53を駆動させることで、チケット原紙10を搬送方向X後方へ搬送しながら、下地層11上に重ねて印刷を行い、図8及び図9に示すように、表示層12を形成する。すなわち、メモリ部76から読み出した印刷データに基づいて、発行済みを意味する識別表示Aとして、「発行」という文字形状となるようにサーマルヘッド422によって下地層11上に転写箔リボン15から転写箔15aを熱転写させる。そして、メイン制御部66は、用紙後端センサ72によってチケット原紙10の後端10bが検出されたら、さらに一定量搬送方向X後方へ搬送して排出ローラ54、55まで送り出した後に、排出ローラ54、55を駆動させることで、下地層11及び表示層12が形成されたチケット原紙10を排出口21から排出させる。これにより、チケット原紙10上に下地層11が形成され、さらに下地層11上の「発行」なる形状で表示層12が形成された印刷物であるチケット13が発券されることとなる。
【0037】
以上のように、本実施形態の発券機1及び発券機1による印刷方法によれば、下地層11及び表示層12は、所定の印刷範囲A1及び形状となるように、転写箔15aを転写するだけであり、所望の内容を容易かつ低コストで印刷することができる。また、印刷して発券されたチケット13においては、下地層11が光の反射状態が表面上で変化する転写箔15aで形成されているとともに、下地層11上に設けられる表示層12も光の反射状態が表面上で変化する転写箔15aで形成されている。このため、表示層12として表わされる「発行」なる文字形状は、下地層11の光の反射状態の変化によって直接目視によって識別しにくくなり、所謂潜像効果を発揮させることができる。一方、表示層12を目視する方向あるいは照明光の照射方向を変化させると、ある方向では下地層11及び表示層12の反射状態によって表示層12が浮かび上がり、識別することができるようになる。また、このチケット13を複写した場合には、光の反射状態の変化が色のコントラストで表わされることで、下地層11上で表示層12の輪郭が浮かび上がることとなり、これにより容易に識別することが可能となる。すなわち、この発券機1によって潜像効果によりセキュリティ性の高い印刷を行うことができるとともに、真贋の判別が容易なチケット13を発券することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、下地層形成工程でチケット原紙10上に下地層11を形成し、さらに、表示層形成工程で、下地層11上に表示層12を形成したが、これらの工程時に転写する転写箔15aの位置管理を行うものとしても良い。すなわち、まず、給紙工程で、メイン制御部66は、用紙前端センサ71の検出結果に基づいて、チケット原紙10の前端10a位置を記憶する。そして、下地層形成工程では、記憶されたチケット原紙10の前端10aの位置と、一対の搬送ローラ52、53の回転数に基づいて、チケット原紙10の位置管理を行う。また、メイン制御部66は、下地層11としてチケット原紙10に転写箔リボン15から転写箔15aが転写される際に、転写されるのが、当該転写箔15aのパターン内のどの位置であるかリボンセンサ73によって検出する。そして、メイン制御部66は、チケット原紙10の位置情報と、リボンセンサ73による検出結果から、チケット原紙10に対する転写箔15aのパターンの相対位置を演算する。
【0039】
次に、表示層形成工程でも、メイン制御部66は、表示層12としてチケット原紙10に転写箔リボン15から転写箔15aが転写される際に、転写されるのが、当該転写箔15aのパターン内のどの位置であるかリボンセンサ73によって検出させる。そして、メイン制御部66は、表示層12として転写される転写箔15aのパターンが、先に下地層11として転写された転写箔15aのパターンと一致してしまうと判断した場合には、一対の搬送ローラ52、53による搬送を一時停止させ、また、サーマルヘッド422を転写箔15aから離間させる。そして、メイン制御部66は、印刷手段4の供給部41によって転写箔リボン15のみ僅かに搬送方向Xに移動させ、再び、サーマルヘッド422を転写箔15aに圧接させる。そして、メイン制御部66は、印刷手段4の給紙部及び一対の搬送ローラ52、53を駆動させて、表示層12の印刷を開始させる。これにより、下地層11と表示層12とで同じパターンが繰り返される転写箔リボン15を使用したとしても、互いの転写箔15aのパターンが一致して表示層12の形状が完全に埋没してしまうことを確実に防止することができる。
【0040】
なお、上記においては、リボンセンサによって転写されるのが、転写箔15aのパターン内のどの位置であるか検出し、この検出結果の情報をもとに表示層15aとして転写される転写箔15aを調整していたが、これに限るものでは無い。例えば、転写箔リボン15上に転写箔15aのパターンと所定の位置関係を有するマークを設け、当該マークを検出し、この情報をもとに表示層を形成するものとしても良い。また、チケット原紙10と、下地層11として転写される転写箔15aのパターンの相対関係が常に一致する場合には、チケット原紙10の位置情報を、下地層に関する情報として表示層を形成するものとしても良い。
なお、下地層11と表示層12とで転写箔15aのパターンが僅かでもずれることで、上記効果を得ることができ、上記のように、各センサによる検出結果に基づいて転写箔15aのパターンの位置制御を必ずしも行わなくても良い。
【0041】
また、本実施形態では、発券機1によってチケット原紙10に下地層11及び表示層12を続けて形成するものとしたが、これに限るものでは無い。予め下地層11が形成されたチケット原紙10を用意して、表示層12のみを形成するものとしても良い。あるいは、一部の下地層11は予め形成されていて、他の一部は発券機1で形成するようにしても良い。ここで、予め下地層11が形成されていて、転写箔15aのパターンの位置制御を行う場合には、供給されたチケット原紙10の下地層11に転写されている転写箔15aのパターンを検出し、検出後に上記のように表示層12を形成するものとすれば良い。
【0042】
(第2の実施形態)
図10及び図11は、この発明に係る第2の実施形態を示している。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0043】
図10及び図11に示すように、この実施形態の発券機8において、印刷手段9は、第一の供給部91及び第一の転写部92と、第二の供給部93及び第二の転写部94と、供給部及び転写部の組を二つ有している。第一の供給部91及び第一の転写部92は、下地層11を形成するためのもので、また、第二の供給部93及び第二の転写部94は、表示層12を形成するためのもので、第一の供給部91及び第一の転写部92よりも搬送方向X後方側に配設されている。
【0044】
また、第一の供給部91は、対応するロール体を回転可能に支持した第一の送り出しローラ911と、ローラ体から送り出された転写箔リボンを巻き取る第一の巻き取りローラ912とを有している。第一の供給部91のロール体は、第一の転写箔16aが帯状に形成された第一の転写箔リボン16をロール状に巻いて構成されている。同様に、第二の供給部93は、対応するロール体を回転可能に支持した第二の送り出しローラ931と、ローラ体から送り出された転写箔リボンを巻き取る第二の巻き取りローラ412とを有している。第二の供給部93のロール体には、第二の転写箔17aが帯状に形成された第二の転写箔リボン17をロール状に巻いて構成されている。そして、第二の供給部93のロール体は、第二の転写箔17aが帯状に形成された第二の転写箔リボン17をロール状に巻いて構成されている。ここで、第一の転写箔16aと、第二の転写箔17aとは、一定のパターンで光の反射状態の変化が繰り返されているホログラム箔である点で共通するものの、互いの異なるパターンを繰り返すように形成されている。
【0045】
また、第一の転写部92は、チケット原紙10を支持する第一のプラテンローラ921と、第一の転写箔リボン16をチケット原紙10に圧接させて熱転写させる第一のサーマルヘッド922とを有する。同様に、第二の転写部94は、チケット原紙10を支持する第二のプラテンローラ941と、第二の転写箔リボン17をチケット原紙10に圧接させて熱転写させる第二のサーマルヘッド942とを有する。なお、第一のサーマルヘッド922には、対応する第一の転写箔16aのパターンを認識する第一のリボンセンサ95が設けられている。同様に、第二のサーマルヘッド942には、対応する第二の転写箔17aのパターンを認識する第二のリボンセンサ96が設けられている。そして、メイン制御部66のセンサ制御部62による制御のもと各リボンセンサによってセンシングし、検出結果を出力することが可能となっている。
【0046】
このような発券機8では、給紙工程で用紙カセット3から給紙されたチケット原紙10を搬送手段5によって搬送方向X後方へ搬送させながら、下地層形成工程として、第一のサーマルヘッド922で第一の転写箔リボン16から第一の転写箔16aをチケット原紙10に転写する。さらに、下地層11を形成した後に、表示層形成工程として、第二のサーマルヘッド942で第二の転写箔リボン17から第二の転写箔17aを下地層11上に転写し、表示層12を形成することができる。この際、工程毎に、チケット原紙10を搬送手段5によって搬送方向X前方へ戻す作業を行う必要無く、連続して下地層11及び表示層12を形成することができるので、効率的に印刷を行うことができる。また、下地層形成工程で使用される第一の転写箔16aと、表示層形成工程で使用される第二の転写箔17aとでは、互いの光の反射状態の変化のパターンが異なるから、下地層11の第一の転写箔16aのパターンと、第二の転写箔17aのパターンとが一致して表示層12の形状が完全に埋没してしまうことを防止することができる。なお、第一の転写箔16aと第二の転写箔17aとでパターンを同一としても良く、この場合にも第一のリボンセンサ95及び第二のリボンセンサ96でセンシングし、メイン制御部66によって第一の転写箔16aのパターンと第二の転写箔17aのパターンの相対位置を異なるように制御して転写させることで、表示層12の形状が完全に埋没してしまうことを防止することができる。
【0047】
なお、本実施形態の発券機8において、チケット原紙10を収容する用紙カセット3の取付位置を、ケース2において反対側とし、これと対応して搬送手段5のピックアップローラ51及び一対の搬送ローラ52、53の設置位置を印刷手段4の搬送方向X前方側としても良い。これによりチケット原紙10は、用紙カセット3から搬送方向X後方側に向かって取り出され、そのまま一対の搬送ローラによって搬送方向X後方へ搬送されながら、第一のサーマルヘッド922及び第二のサーマルヘッド942で印刷が行われることとなる。これにより、上記実施形態のように、取り出したチケット原紙10を搬送方向X前後に進退させる必要がなく、より効率的に印刷を行うことができるようになる。さらに、この場合に、第一のサーマルヘッド922と第二のサーマルヘッド942とをチケット原紙10の搬送方向Xのサイズ分だけ離せば、表示層12を転写と同時に、次のチケット原紙10の下地層11を転写し、連続印刷することができ、さらに効率的な印刷となる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0049】
なお、上記各実施形態では、下地層11は、図示される印刷範囲A1にベタ印刷するように説明したが、これに限るものでは無い。所定の形状で下地層11を形成して、該下地層11上にさらに異なる形状で表示層12を形成するものとしても良い。すなわち、図12に示す変形例のチケット13´のように、下地層11´を、例えばジグザグ周縁を持つものとし、下地層11´上に表示層12´を設けるものとしても良い。また、例えば、下地層11として、「発行」という文字を印刷し、当該発行という文字の内部に表示層12として、発行元の名前を印刷するものとしても良い。また、上記各実施形態では、下地層11及び表示層12の二層としたが、これに限るものでは無い。下地層11上に第一の表示層を形成し、さらに、下地層11または第一の表示層の上にさらに第二の表示層を形成するものとしても良い。
【0050】
また、上記各実施形態の発券機では、ホログラム箔などの光の反射状態が変化する転写箔のみを転写するものとしたが、これに限るものではない。例えば、通常のインクリボンで印刷する他の印刷手段9を備え、識別表示Aを行うとともに、他の情報、例えば日付や番号をチケット原紙10に印刷して発券するものとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明の第1の実施形態の発券機の側面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態の発券機の平面図である。
【図3】この発明の第1の実施形態の発券機のブロック図である。
【図4】この発明の第1の実施形態の発券機で使用されるチケット原紙の一例を示す上面図である。
【図5】この発明の第1の実施形態の発券機で使用されるチケット原紙の一例を示す部分断面図である。
【図6】この発明の第1の実施形態の印刷方法において、下地層形成工程で下地層が形成されたチケット原紙を示す上面図である。
【図7】この発明の第1の実施形態の印刷方法において、下地層形成工程で下地層が形成されたチケット原紙を示す部分断面図である。
【図8】この発明の第1の実施形態のチケットを示す上面図である。
【図9】この発明の第1の実施形態のチケットを示す部分断面図である。
【図10】この発明の第2の実施形態の発券機の側面図である。
【図11】この発明の第2の実施形態の発券機の平面図である。
【図12】この発明の変形例のチケットを示す上面図である。
【符号の説明】
【0052】
1、8 発券機(プリンタ)
10 チケット原紙(印刷媒体)
11 下地層
12 表示層
13 チケット(印刷物)
15a 転写箔
16a 第一の転写箔
17a 第二の転写箔
4、9 印刷手段
41 供給部
42 転写部
422 サーマルヘッド(プリンタヘッド)
5 搬送手段
6 制御部
73 リボンセンサ(認識手段)
91 第一の供給部
92 第一の転写部
922 第一のサーマルヘッド(第一のプリンタヘッド)
93 第二の供給部
94 第二の転写部
942 第二のサーマルヘッド(第二のプリンタヘッド)
X 搬送方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の反射状態が表面上で変化する転写箔を、印刷媒体上に下地層として、または、該下地層上に表示層として転写可能な印刷手段と、
該印刷手段によって前記転写箔が転写されることで前記下地層が設けられ、または、予め転写箔によって前記下地層が設けられた前記印刷媒体の該下地層上に、前記印刷手段によって前記表示層として所定の形状で前記転写箔を重ねて転写させる制御部とを備えることを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプリンタにおいて、
前記制御部は、前記印刷手段によって、前記印刷媒体上に前記下地層として前記転写箔を転写した後に、前記表示層として所定の形状で前記下地層上に前記転写箔を重ねて転写させることを特徴とするプリンタ。
【請求項3】
請求項2に記載のプリンタにおいて、
前記印刷媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送手段を備え、
前記印刷手段は、前記下地層として前記転写箔を転写可能な第一のプリンタヘッドと、 該第一のプリンタヘッドの前記搬送方向後方側に設けられ、前記表示層として前記転写箔を転写可能な第二のプリンタヘッドとを有し、
前記制御部は、前記搬送手段によって前記印刷媒体を搬送させて、前記印刷手段の前記第一のプリンタヘッドで前記転写箔を転写させた後に、前記第二のプリンタヘッドで前記下地層上に前記転写箔を転写させることを特徴とするプリンタ。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のプリンタにおいて、
前記印刷手段は、一定のパターンで光の反射状態の変化が繰り返される第一の転写箔を前記転写箔として供給する第一の供給部と、
該第一の供給部で供給される前記第一の転写箔と異なるパターンで光の反射状態の変化が繰り返される第二の転写箔を前記転写箔として供給する第二の供給部とを備え、
前記制御部は、前記印刷手段によって、前記第一の供給部から供給される前記第一の転写箔で前記下地層を形成させるとともに、前記第二の供給部から供給される前記第二の転写箔で前記下地層上に前記表示層を形成させることを特徴とするプリンタ。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のプリンタにおいて、
前記制御部は、前記印刷手段によって、予め取得された前記下地層に関する情報に基づいて、該下地層を形成する前記転写箔の光の反射状態の変化によって表されるパターンに対して、前記表示層を形成する前記転写箔の反射状態の変化によって表されるパターンの相対位置を変化させて前記表示層となる前記転写箔を転写させることを特徴とするプリンタ。
【請求項6】
請求項5に記載のプリンタにおいて、
前記下地層を形成する前記転写箔の光の反射状態の変化を表面上の少なくとも一部で認識する認識手段を備え、
前記制御部は、該認識手段の認識結果を前記情報として、前記印刷手段によって前記表示層を形成させることを特徴とするプリンタ。
【請求項7】
印刷媒体上に、光の反射状態が表面上で変化する転写箔を転写して下地層を形成する下地層形成工程と、
該下地層上に、所定の形状で前記転写箔を重ねて転写させて表示層を形成する表示層形成工程とを備えることを特徴とする印刷方法。
【請求項8】
請求項7に記載の印刷方法において、
前記下地層形成工程及び前記表示層形成工程は、互いの異なるパターンで光の反射状態の変化が繰り返される前記転写箔をそれぞれ使用して行うことを特徴とする印刷方法。
【請求項9】
請求項7に記載の印刷方法において、
前記下地層形成工程で形成された前記下地層に関する情報を取得する前記検出工程を備え、
前記表示層形成工程は、該検出工程で取得された前記情報に基づいて、前記下地層を形成する前記転写箔の光の反射状態の変化によって表されるパターンに対して、前記表示層を形成する前記転写箔の反射状態の変化によって表されるパターンの相対位置を変化させて前記表示層となる前記転写箔を転写することを特徴とする印刷方法。
【請求項10】
請求項9に記載の印刷方法において、
前記検出工程は、前記情報として、前記下地層を形成する前記転写箔の光の反射状態の変化を表面上の少なくとも一部で認識することを特徴とする印刷方法。
【請求項11】
印刷媒体と、
該印刷媒体上の所定の印刷範囲に設けられ、光の反射状態が表面上で変化する転写箔で形成された下地層と、
該下地層上に所定の形状で設けられ、前記転写箔で形成された表示層とを備えることを特徴とすることを特徴とする印刷物。
【請求項12】
請求項11に記載の印刷物において、
前記下地層が、前記転写箔として、一定のパターンで光の反射状態の変化が繰り返される第一の転写箔によって形成されているとともに、
前記表示層が、前記転写箔として、前記第一の転写箔と異なるパターンで光の反射状態の変化が繰り返される第二の転写箔によって形成されていることを特徴とする印刷物。
【請求項13】
請求項11に記載の印刷物において、
前記下地層及び前記表示層は、前記転写箔として光の反射状態の変化が一定のパターンで繰り返されているもので互いに形成されているとともに、繰り返される該パターンの相対位置を異なるものとして積層されていることを特徴とする印刷物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−125944(P2009−125944A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−299864(P2007−299864)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(000002059)神鋼電機株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】