説明

プリンタ及びプリント処理方法

【課題】自動印刷障害検出及び修復機能を有するプリンタ及びプリント処理方法を提供する。
【解決手段】プリンタの第1の印字ヘッドによって生成された画像が、プリンタを通過する際に媒体上に生成される。次に、画像は媒体上に現れる際に事前定義された品質レベルに照らして検査される。品質レベルが許容できない時には、予防保守をプリンタ上で実行するためにプリンタから遠隔ネットワーク通知を送信できる。さらに、品質レベルが許容できない時には、プリンタの別の印字ヘッドを用いて媒体の反対側の面に画像のコピーを自動的に再生できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動印刷障害検出及び修復機能を有するプリンタ及びプリント処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
感熱印刷は、印字ヘッドの劣化と感熱紙の低品質が印字品質の低下を招き、その結果、幾つかの下流側での課題と問題を引き起こすという事実のマイナス面を常に抱えてきた。これらの問題は、多くの場合、工程の一部としてスキャナによって読み取られるバーコードを含む所期の印刷情報が判読できないという現象を含む。これらのバーコード又はその他の情報を正確に印刷できず、その結果判読できないことで所期の工程フローが阻害され、潜在的に重要な混乱を引き起こし、徹底的な解決策を要する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の状況は、感熱印刷がますます無人化し、工程が中断してはじめて上記問題が明らかになるまで長期間継続する事態となっている。このことは上記問題の深刻さを助長し必要な修復作業を増大させる。
【0004】
バーコード及びその他の情報の印刷に関連する識別された問題は感熱プリンタに限定されない。すなわち、インクジェットプリンタ、インパクトプリンタ、及びレーザプリンタも同様の問題を抱えている。すなわち、無人の印刷ステーションが誤動作してその問題が検出され修復されるまで長期間かかるという問題である。そのような状況は企業にとってコスト高につく。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、様々な実施形態で、自動印刷障害及び修復の機能を有するプリンタ及びプリント処理方法を提示するものである。
【0006】
本願発明は、その一実施形態として、印字ヘッドと、キャプチャデバイスとを含む。キャプチャデバイスは、プリンタ内に位置して、媒体の第1の面から得られる画像のバージョンを電子的に取り込み記録するプリンタを提供するものである。ここで、キャプチャデバイスは、バージョンの品質レベルが事前定義された許容範囲内であることを検証するように構成される。バージョンは電気的に取り込まれて検証され、媒体の第1の面に画像のバージョンが表現された状態で媒体がプリンタから提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】印刷媒体上の様々な構成で生起する様々な結像情報を示す図である。
【図2】例示的実施形態によるプリンタを示す図である。
【図3】例示的実施形態による別のプリンタを示す図である。
【図4】例示的実施形態による印刷ジョブ障害の検出方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1A〜図1Dは、印刷媒体上の様々な構成で生起する様々な結像情報を示す図である。図1A〜図1Dは、もっぱら例示のために示されている。様々な構成は本明細書に提示する教示で達成可能である。さらに、図1A〜図1Dの例示的な図に示す状況を超えた様々な印刷障害状況が検出できる。
【0009】
図1A〜図1Dは、本明細書に提示する実施形態の様々な態様を記述する際に有用な視覚的内容を提供する。
【0010】
例えば、図1Aは、媒体の第1の面に印刷されたバーコードを示す。バーコードは、消費者及び企業にとって重要な情報であることに留意されたい。バーコードは、ある形で発生した消費者と企業との特定の取引をユニークに識別する。
【0011】
本明細書で使用する「画像」という用語は、バーコード、ユニークな画像、ユニークなパターン、製造番号、パスコードなどの情報を指す。この情報は、消費者と企業との特定の取引を一意的に識別する。したがって、この意味で図1Aのバーコードは、本明細書及び以下に提示する技術のためにプリンタは、印刷媒体に結像されるユニークな識別画像のタイプの一例に過ぎない。
【0012】
以下に詳述するように、プリンタは、機能を拡張されて自動障害検出及び修復機能を提供する。機能拡張プリンタは、感熱ベース、インクジェットベース、レーザベース及び/又はインパクトベースのプリンタであってもよい。
【0013】
図1Bは、バーコードが図1Bで生成される第2のバージョン又はそのバージョンのコピーとして再度結像される図1Aに示す印刷媒体の反対側の面を示すように意図されている。本質的に、バーコードは媒体の反対側の面にコピー又は複製される。本明細書及び以下に詳述するように、バーコードの第2の印刷は、機能拡張プリンタに関連する第2のデュアル印字ヘッドを介して実行される。したがって、第2の印字ヘッドは、媒体の反対側の面にバーコードを再度印刷する。
【0014】
印刷媒体(本明細書及び以下で、「媒体」とも呼ぶ)の第2の面に印刷されるこのバーコード又はユニークな画像は消費者が必要とするものを表し、したがって、媒体の第1の面の印刷品質(図1A)は消費者が使用するのに十分なレベルでなければならない。例えば、バーコードは、消費者がそれに入場する前にバーコード読取装置がスキャンしなければならないイベントのチケットを表していてもよい。また、バーコードは、バーコード読取装置がスキャンしなければならない航空機、船、列車などの搭乗券であってもよい。したがって、印刷媒体の第1の面に現れる画像(図1Aのバーコード)の品質はスキャナが自動的に読み出せる、及び/又は消費者が目視で読むのに十分なレベルでなければならない。
【0015】
図1Cは、媒体の第1の面に印刷された時に画像の劣化の兆候がない中実バーコードを示すように意図されている。逆に、図1Dは、媒体の第1の面に印刷されるその一部が切れた又は低品質のバーコードを示すように意図されている。本明細書及び以下に記載する技術は図1Cのシナリオが許容できることを検証し、図1Dは、媒体がプリンタから消費者へ提供されるまで許容できないということを検出する。
【0016】
また、幾つかの実施形態では、プリンタは消費者が対話するキオスク内に組み込まれていてもよいことに留意されたい。キオスクは、物品の購入、サービスの購入、イベントチケットの購入、及び/又は金融取引などの様々な目的に供するものであってもよい。
【0017】
この文脈で本発明の様々な実施形態が提示される。
【0018】
図2は、例示的実施形態によるプリンタ200を示す。プリンタ200は他の構成であってもよく、図2に示していない追加の構成要素を含んでもよい。プリンタ200は、自動印刷障害検出及び印刷修復を提供するように構成される。
【0019】
プリンタ200は、第1の印字ヘッド210Aと、キャプチャデバイス220Aとを含む。幾つかの実施形態では、プリンタ200は、また、第2の印字ヘッド210Bと、第2のキャプチャデバイス220Bと、再配置機構230とを含む。これらの各々について順次説明する。
【0020】
第1の印字ヘッド210Aは、印刷媒体203の第1の面202に画像201の第1のバージョンを生成するように構成される。さらに、画像201は、印刷媒体203の第1の面202に結像される予定のユニークな情報である。このユニークな情報は、バーコード、製造番号、パスコード、ユニークな写真、ユニークなデザインなどを含んでもよいが、これらに限定されない。ユニークな情報は消費者の企業との取引を識別する。
【0021】
一実施形態によれば、プリンタ200は、感熱プリンタ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、又はインパクトプリンタである。プリンタ200は、本明細書に記載する方法で新規の印刷障害検出を、また幾つかの例では、自動修復を提供するように変更されている。
【0022】
キャプチャデバイス220Aは、画像201が媒体203の第1の面202に現れる際に画像201のバージョンを電子的に取り込み記録するようにプリンタ200内に位置し組み込まれている。すなわち、キャプチャデバイス220Aは、プリンタ220内に構成され位置して、媒体203の第1の面202から画像201の電子バージョンを得る。
【0023】
キャプチャデバイス220Aは、また画像201のバージョンの品質レベルが事前定義された許容範囲内にあることを検証するように構成される。
【0024】
画像201のバージョンが電子的に取り込まれ、事前定義された許容範囲に対して検証されてから媒体203の第1の面202に画像201のバージョンが表現された状態で媒体203がプリンタ200から提供されることに留意されたい。言い換えれば、媒体203は、印刷媒体203の消費者によってプリンタを通して再度供給されてキャプチャデバイス220Aに遭遇するわけではない。キャプチャデバイス220Aによる画像201及び画像201の検証は、ユーザ/消費者の指示なしに実行される。
【0025】
一実施形態では、キャプチャデバイス220Aは、プリンタ200内に組み込まれたバーコード読み取り装置/スキャナである。
【0026】
別の実施形態では、キャプチャデバイス220Aは、プリンタ200内に組み込まれたカメラである。
【0027】
一構成によれば、プリンタ200は、また、媒体203の第2の面204上の媒体203と作用し合う位置にある第2の印字ヘッド210Bを含む。第2の印字ヘッド210Bは、媒体203の第2の面204に画像201の別のコピー205を生成するように構成される。
【0028】
プリンタ200が画像201を生成するために処理する印刷ジョブに関連するパラメータによっては、(1)プリンタ200は、第1の印字ヘッド210Aを用いて媒体203の第1の面202上に画像201を自動的に印刷し、コピー205を媒体203の第2の面204に印刷するように構成でき、又は(2)プリンタ200は、画像201の検証の結果として事前定義された許容値の範囲に入らない時に媒体203の第2の面204上にコピー205を印刷するだけであってもよい。
【0029】
したがって、一例では、プリンタ200は、プリンタ内にキャプチャデバイス220Aを再配置し、及び/又は媒体203を再配置して、キャプチャデバイス220Aが媒体203の第2の反対側の面204から得られた画像201のコピー205を取り込み記録できるように構成された再配置機構230を含んでもよい。またキャプチャデバイス220Aは、コピー205の第2の品質レベルが事前定義された許容値又は値の範囲に収まることを検証するように構成される。したがって、コピー205は、再配置機構230を介してプリンタ200内の媒体203を裏返してコピー205をキャプチャデバイス220Aに対して露出させるか又は再配置機構230を介してプリンタ内のキャプチャデバイス220Aを移動させて第2の面204からコピー205を読み出し/スキャンすることで品質を検証できる。
【0030】
プリンタ200の別の構成は、上記の最後の実施形態の代替形態としても可能である。例えば、プリンタ200は、媒体203の第2の面204上に位置する第2のキャプチャデバイス220Bを含んでもよく、媒体203はプリンタ200を通過する。次に、第2のキャプチャデバイス220Bは、コピー205を取り込み記録して、コピー205の第2の品質レベルを事前定義されたしきい値又は値の範囲と比較する。
【0031】
状況によっては、第2の印字ヘッド210Bは、第1のキャプチャデバイス220Aが媒体の第1の面202上の画像201を検証できなかった時にだけ起動される。
【0032】
別の例では、媒体203が常に、画像201と、第1の面202及び第2の面204の両方のコピー205を含むように第2の印字ヘッド210Bは検証にかかわらず起動される。
【0033】
一実施形態によれば、キャプチャデバイス220Aは、ネットワーク接続を介して事前定義されたリソースへ品質レベルの検証に関連する結果を送信するように構成される。幾つかの例では、結果は、画像201が媒体の第1の面202に現れる時に画像201から取り込んだ画像属性を識別する。
【0034】
一実施形態では、事前定義されたリソースは、管理者のEメールアカウント、テキストメッセージの送信先の管理者の電話番号を有する電話機、ログデータベース、及び/又は管理者がモニタするウェブサイトである。
【0035】
品質レベルは、キャプチャデバイス220A内に構成され、そこからアクセス可能な任意の値又は値のセットであってもよいことに留意されたい。これらの値は、印刷濃度、要素の消失、白い領域、カラーリング、パターン、提供されたバーコードを読み取る能力、破線、実線などの項目の値を識別し、及び/又は提供できる。画像201は媒体203の第1の面202に現れるので、品質レベルは画像201の画像属性の検査に基づいて計算される。事前定義された許容範囲は、品質レベルを表す画像201から得られる値と比較される単一の値、ある範囲の値、又は値のセットであってもよく、画像201が許容されるか許容されないかに関して決定が下される。したがって、媒体203の第1の面202から得た取り込まれた画像201を事前定義された許容範囲と比較する工程が画像201の属性の値を抽出してそれらの値を事前定義されたしきい値と比較することで、キャプチャデバイス220Aの処理に組み込まれる。
【0036】
図3は、例示的実施形態による別のプリンタ300を示す。プリンタは、また、他の構成を採用して図3に示していない追加の構成要素を含んでもよい。プリンタ300は、自動印刷障害検出及び印刷修復を提供するように構成される。幾つかの例では、プリンタ300は、図2に関連して上述したプリンタ200の機能拡張バージョン又は異なる展望である。
【0037】
プリンタ300は、第1の印字ヘッド301と、第2の印字ヘッド302と、スキャナ303と、画像妥当性検査プロセッサ304とを含む。幾つかの例では、プリンタ300は、また、媒体再配置機構305を含む。以下、上記構成要素とそれらの相互作用について順次説明する。
【0038】
第1の印字ヘッド301は、印刷媒体311がプリンタ300を通過する際に印刷媒体311の第1の面310と作用し合うように構成される。第1の印字ヘッド301は、媒体311がプリンタ300を通過する際に媒体311の第1の面310上に画像312の第1のバージョンを生成するように構成される。
【0039】
第2の印字ヘッド302は、印刷媒体311がプリンタ300を通過する際に印刷媒体311の第2の面313と作用し合うように構成される。第2の印字ヘッド302は、媒体311がプリンタ300を通過する際に媒体311の第2の面313上に画像314の第2のバージョンを生成するように構成される。
【0040】
スキャナ303は、画像312の第1のバージョンの読み取りを試行し、読み取りの試行の結果を画像妥当性検査プロセッサ304へ渡すように構成される。
【0041】
一実施形態によれば、スキャナ303はバーコード読み取り装置である。別の例では、スキャナ303は、バーコードを読み取る処理能力とディジタル画像のその他の態様を有するディジタルカメラである。
【0042】
画像妥当性検査プロセッサ304は、結果をしきい値と比較して第1の印字ヘッド301が障害になったか又は媒体311への将来の印刷で第1の印字ヘッド301の障害の可能性が高い状態にあるか否かを決定する。
【0043】
しきい値は、単一の値、スキャナ303によって画像312の第1のバージョンから収集した様々な画像属性値に対応する値のセット、及び/又は値の範囲であってもよい。属性及び値の例は、図2のプリンタ200を参照して上に提示した。
【0044】
一実施形態では、画像妥当性検査プロセッサ304は、インターネット接続などのネットワーク接続を介して事前定義されたリソースへ比較の不一致を報告する。これによって、プリンタ300の予防的な保守が容易になり、プリンタ300がより頻繁に確実に動作可能になるようにする。第1の印字ヘッド301が万一障害になったか障害になり始めた場合でも、消費者は、画像314の第2のバージョンを媒体311の第2の面313に入手可能であることに留意されたい。したがって、第1の印字ヘッド301を修復するサービスコールの発信中でもプリンタ300は動作可能であり、そのサービスコールは画像妥当性検査プロセッサ304によって自動生成される。
【0045】
一実施形態によれば、プリンタ300は、また、媒体再配置機構305を含む。媒体再配置機構305は、媒体311の第2の面313がスキャナ303に対して露出され、結果がしきい値を満足しない時に画像314の第2のバージョンが画像妥当性検査プロセッサ304によって妥当性検査を受けるように、媒体311の第2の面313を再配置するように構成される。言い換えれば、再配置機構305は、画像314の第2のバージョンを有する媒体311の第2の面313をスキャナ303へ移動させて画像314の第2のバージョンの電子コピーを取り込み、画像312の第1のバージョンに欠陥がある時に妥当性検査のためにこのコピーを画像妥当性検査プロセッサ304へ供給する。これによって、画像を2回チェックすることになり、消費者にとって印字ヘッド301と302の少なくとも一方が正常に機能していることが確実となる。
【0046】
幾つかの例では、プリンタ300は、両面感熱プリンタ、両面レーザプリンタ、両面インクジェットプリンタ、又は両面インパクトプリンタである。
【0047】
プリンタ300は、スタンドアローンの消費者キオスクの一部であるか又はそれに組み込まれていてもよい。
【0048】
図4は、例示的実施形態による印刷ジョブ障害を検出する方法400を示す。方法400(以後、「印刷サービス」と呼ぶ)は、非過渡的な記憶媒体で実施され、その内部にプログラミングされ、プリンタに内蔵された1つ又は複数のプロセッサによって実行される。図2及び図3のプリンタ200及び300は印刷サービスを処理することができる。
【0049】
410で、印刷サービスは、プリンタの印字ヘッドに印刷ジョブに従ってプリンタを通過する媒体の第1の面に画像の第1のバージョンを生成するように指示する。画像は、バーコード、ユニークなパターン、パスコードなどの消費者の企業との取引をユニークに識別する何らかのユニークな識別情報である。
【0050】
420で、印刷サービスは、プリンタに組み込まれたスキャナに画像が媒体の第1の面上に現れる際に画像の第1のバージョンを電子的に取り込むように指示する。したがって、スキャナは、画像が媒体上に生成された後で媒体から画像の第1のバージョンを取得することになる。
【0051】
430で、印刷サービスは、画像の電子的に取り込んだバージョンから画像属性を取得する。画像属性のタイプと値は、図2及び図3に関連して上述した。
【0052】
440で、印刷サービスは、画像属性をしきい値と比較して画像の第1のバージョンが許容可能な品質であるか否かを決定する。ここでも、「許容可能」の意味は、画像が媒体上に現れる際に画像から取得される画像属性と比較されるしきい値を介して定義される。これについては、図2及び図3に関連してすでに詳述した。
【0053】
一実施形態によれば、450で、印刷サービスは、比較によって第1のバージョンが許容可能な品質ではないと決定された時に、第2の印字ヘッドを起動して媒体の第2の面に画像の第2のバージョンを生成する。したがって、第1の面の元の生成された画像が事前定義された品質レベルを満たさなかった時に画像は媒体の反対側の面に再生される。
【0054】
別の状況では、460で、印刷サービスは、第1のバージョンが許容できない品質であるか又は事前定義された範囲内であってもプリンタを通過する後続の印刷ジョブで許容できない品質の可能性が高い時に、ネットワーク接続を介して事前定義されたリソースへ通知メッセージを送信する。言い換えれば、画像属性値がしきい値に近づき、事前定義された範囲内に現れる時には、印刷サービスは、将来の印刷ジョブに関して許容できない品質の可能性が高いと判断して第1の印字ヘッドが障害になる前にそれを交換するように保守部門に遠隔で要求することができる。
【0055】
上記説明は例示的なものであって限定的なものではない。上記の説明を読み直すことで、当業者は容易にその他多数の実施形態を思い付くであろう。したがって、実施形態の範囲は添付の特許請求の範囲が値する等価物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲に関連して決定すべきである。
【0056】
米国特許法施行規則第1.72条第(b)項に準拠する要約書が提供され、読者はそれを読むことで技術的開示の性質及び要旨を迅速に確認することができる。要約書は、それを用いて特許請求の範囲の意味又は範囲を解釈又は制限することがないという理解をもって提出されている。
【0057】
各実施形態の上記説明で、開示を簡素化するために例示的実施形態では様々な特徴がグループ化されている。この開示方法は、請求された実施形態が各請求項に明示されている以上の特徴を有することの反映であると解釈してはならない。逆に、添付の特許請求の範囲が反映するように、発明の主題は単一の開示された実施形態の全部の特徴より少ない中にある。したがって、添付の特許請求の範囲は本明細書の実施形態の説明の項に組み込まれ、各々の請求項は別個の例示的な実施形態として成り立つ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の第1の面に画像のバージョンを生成するように構成された印字ヘッドと、
プリンタ内に位置して前記媒体の前記第1の面から得られる前記画像のバージョンを電子的に取り込み記録し、前記バージョンの品質レベルが事前定義された許容範囲内であることを検証するように構成されたキャプチャデバイスであって、前記バージョンが電気的に取り込まれて検証され、前記媒体の前記第1の面に前記画像のバージョンが表現された状態で前記媒体が前記プリンタから提供されるキャプチャデバイスと、
を備えるプリンタ。
【請求項2】
前記プリンタが、感熱プリンタ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、及びインパクトプリンタのうちの1つである、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記キャプチャデバイスが、前記プリンタ内に組み込まれたバーコード読み取り装置である、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記キャプチャデバイスが、前記プリンタ内に組み込まれたカメラである、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記媒体の第2の反対側の面に前記画像の別のコピーを生成するように構成された第2の印字ヘッドをさらに備える、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記プリンタ内に前記キャプチャデバイスを再配置し、及び/又は前記媒体を再配置して、前記キャプチャデバイスが前記媒体の前記第2の反対側の面から得られた前記画像のコピーを取り込み記録できるように構成された再配置機構であって、前記キャプチャデバイスが、前記コピーの第2の品質レベルが前記事前定義された許容範囲に収まることを検証するように構成された再配置機構をさらに備える、請求項5に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記媒体の前記第2の反対側の面から得られた前記コピーを取り込み記録できるように構成された第2のキャプチャデバイスであって、前記コピーの第2の品質レベルが前記事前定義された許容範囲に収まることを検証するように構成された第2のキャプチャデバイスをさらに備える、請求項5に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記キャプチャデバイスが、前記品質レベルが前記事前定義された許容範囲内にあると決定できなかった時に前記第2の印字ヘッドが起動されるように構成される、請求項5に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記第2の印字ヘッドが、前記事前定義された許容範囲に対する前記品質レベルの検証に関連する結果にかかわらず起動されるように構成される、請求項5に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記キャプチャデバイスが、ネットワーク接続を介して前記品質レベルの検証に関連する結果を事前定義されたリソースへ送信するように構成される、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項11】
前記事前定義されたリソースが、管理者のEメールアカウント、前記管理者の事前定義された電話番号へのテキストメッセージ、ログデータベース、及び/又は前記管理者がモニタするウェブサイトである、請求項10に記載のプリンタ。
【請求項12】
前記媒体の前記第1の面に前記画像が現れる際に前記結果が前記画像から取り込まれた画像属性を識別する、請求項10に記載のプリンタ。
【請求項13】
第1の印字ヘッドと、
第2の印字ヘッドと、
スキャナと、
画像妥当性検査プロセッサであって、前記第1の印字ヘッドが、プリンタを通過する媒体の第1の面に画像の第1のバージョンを生成するように構成され、前記第2の印字ヘッドが、前記媒体が前記プリンタを通過する際に前記媒体の第2の面に前記画像の第2のバージョンを生成するように構成され、前記スキャナが、前記画像の前記第1のバージョンの読み取りを試行し、前記読み取りの試行の結果を前記画像妥当性検査プロセッサへ渡すように構成され、前記画像妥当性検査プロセッサが、前記結果をしきい値と比較して前記第1の印字ヘッドが障害になったか又は他の媒体への将来の印刷で前記第1の印字ヘッドの障害の可能性が高い状態にあるか否かを決定するように構成された画像妥当性検査プロセッサと、
を備えるプリンタ。
【請求項14】
前記プリンタが、両面感熱プリンタ、両面レーザプリンタ、両面インクジェットプリンタ、又は両面インパクトプリンタである、請求項13に記載のプリンタ。
【請求項15】
前記プリンタが、スタンドアローンの消費者キオスクである、請求項13に記載のプリンタ。
【請求項16】
前記結果が前記しきい値を満足しない時に、前記画像の第2のバージョンが前記画像妥当性検査プロセッサによって妥当性検査を受けるために、前記媒体の前記第2の面を前記スキャナに対して露出させて再配置するように構成された媒体再配置機構をさらに備える、請求項13に記載のプリンタ。
【請求項17】
前記画像妥当性検査プロセッサが、ネットワーク接続を介して事前定義されたリソースへ比較の不一致を報告するように構成される、請求項13に記載のプリンタ。
【請求項18】
非過渡的なコンピュータ可読媒体内にプログラミングされ、プリンタに内蔵されたプロセッサによって実行されるプリント処理方法であって、
プリンタの印字ヘッドに印刷ジョブに従って前記プリンタを通過する媒体の第1の面に画像の第1のバージョンを生成するように指示するステップと、
前記プリンタに組み込まれたスキャナに前記画像が前記媒体の前記第1の面上に現れる際に前記画像の前記第1のバージョンを電子的に取り込むように指示するステップと、
前記画像の前記電子的に取り込んだバージョンから画像属性を取得するステップと、
前記画像属性をしきい値と比較して前記画像の前記第1のバージョンが許容可能な品質であるか否かを決定するステップと、
を含むプリント処理方法。
【請求項19】
前記比較によって前記第1のバージョンが許容可能な品質ではないと決定された時に、第2の印字ヘッドを起動して前記媒体の第2の面に前記画像の第2のバージョンを生成するステップをさらに含む、請求項18に記載のプリント処理方法。
【請求項20】
前記第1のバージョンが許容できない品質であるか又は事前定義された範囲内であっても、前記プリンタを通過する後続の印刷ジョブで許容できない品質の可能性が高い時にネットワーク接続を介して事前定義されたリソースへ通知メッセージを送信するステップをさらに含む、請求項18に記載のプリント処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−61858(P2012−61858A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−204158(P2011−204158)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】