説明

プロゲステロン受容体アゴニストとしてのシアノピロール

【課題】新規シアノピロール誘導体及びその使用に関する。
【解決手段】式1で示されるプロゲステロン受容体に結合しうるシアノピロール誘導体又はその製薬学的に許容できる塩を提供する。当該化合物は乳癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜癌又は前立腺癌を処置又は抑制する。式1


式中、TはO、Sであるか又は存在せず、R1〜R6は各々独立に水素、アルキル、置換されたアルキル等である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規シアノピロール誘導体及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞内受容体(IR)は「リガンド依存性転写因子」として知られた構造的に関連した遺伝子調節因子(gene regulators)のクラスを形成する(R.M.Evans,Science,240,889,1988)。ステロイド受容体ファミリーはプロゲステロン受容体(PR)、エストロゲン受容体(ER)、アンドロゲン受容体(AR)、グルココルチコイド受容体(GR)及びミネラルコルチコイド受容体(MR)を包含するIRファミリーのサブセットである。
【0003】
PRのための天然のホルモン又はリガンドはステロイドプロゲステロンであるが、メドロキシプロゲステロンアセテート(medroxyprogesterone acetate)又はレボノルゲストレル(levonorgestrel)の如き合成化合物が製造され、これらもリガンドとして働く。細胞を取り囲んでいる流体中にリガンドが存在すると、それは受動拡散により膜を通過し、そしてIRに結合して受容体/リガンド複合体を生成する。この複合体は細胞のDNA中に存在する特定の遺伝子プロモーターに結合する。DNAに結合されると、複合体はmRNA及びその遺伝子によりコードされたタンパク質の産生をモジュレートする(modulartes)。
【0004】
IRに結合しそして天然のホルモンの作用のまねをする(mimics)化合物はアゴニストと呼ばれるが、ホルモンの効果を抑制する化合物はアンタゴニストと呼ばれる。
【0005】
PRアゴニスト(天然及び合成)は婦人の健康に重要な役割を果たすことが知られている。PRアゴニストは典型的にはERアゴニストの存在下に出産制御配合物(birth
control formulations)に使用され、あるいはそれらはPRアンタゴニストと共同して使用することができる。ERアゴニストは閉経の症状を処置するのに使用されるが、子宮癌の危険を増大させることがありうる子宮に対する増殖効果(proliferative effect)と関連していた。
【0006】
PRアゴニストの同時投与(co−administration)はその危険を減少させるか又はなくする。
【0007】
Jones等の特許文献1はPRアンタゴニストジヒドロキノリンAを記載している。
【0008】
【化1】

【0009】
Jones等の特許文献2はPRリガンドとしてエノールエーテルBを記載している。
【0010】
【化2】

【0011】
Jones等の特許文献3はPRリガンドとして化合物Cを記載している。
【0012】
【化3】

【0013】
Zhi等の非特許文献1はPRアンタゴニストとしてラクトンD、E及びFを記載している。
【0014】
【化4】

【0015】
Zhi等の非特許文献1はPRアンタゴニストとしてエーテルGを記載している。
【0016】
【化5】

【0017】
Combs等の非特許文献2はPRのためのリガンドとしてアミドHを開示している。
【0018】
【化6】

【0019】
Perlman等の非特許文献3はPRリガンドとしてビタミンD類似体Iを記載している。
【0020】
【化7】

【0021】
Hamman等の非特許文献4はPRアンタゴニストJを記載している。
【0022】
【化8】

【0023】
Chen等の非特許文献5はPRアンタゴニストKを記載している。
【0024】
【化9】

【0025】
Kurihari等の非特許文献6はPRリガンドLを記載している。
【0026】
【化10】

【0027】
Kuhla等の特許文献4は強心剤としてオキシインドールMを請求している。
【0028】
【化11】

【0029】
Weber等の特許文献5は心臓血管指示(cardiovascular indications)のためのオキシインドールNを請求している。
【0030】
【化12】

【0031】
Fischer等の特許文献6は一般構造Oを包含する化合物の製造を請求している。
【0032】
【化13】

【0033】
Singh等の非特許文献7はPDEIII抑制剤Pを記載している。
【0034】
【化14】

【0035】
Andrean等の非特許文献8は細胞傷害剤Qを記載している。
【0036】
【化15】

【0037】
Binder等の特許文献7はCOX II抑制剤を製造するための中間体である構造Rを記載している。
【0038】
【化16】

【0039】
Walsh(A.H.Robins)等の特許文献8及び9は中間体としてオキシインドールSを記載している。
【0040】
【化17】

【0041】
Bohm等の特許文献10は心臓血管剤としてオキシインドールTを請求している。
【0042】
【化18】

【0043】
Bohm等の特許文献11は一般構造Uを包含する。
【0044】
【化19】

【0045】
特許文献12は一般構造Vを含む。
【0046】
【化20】

【0047】
Boar等の特許文献13はアセチルコリンエステラーゼ抑制剤の製造のための中間体としてジオキソランWを記載している。
【0048】
【化21】

【0049】
Kence等の非特許文献9は3,3−置換オキシインドール、例えば本発明で使用されたXを製造する方法を記載している。
【0050】
【化22】

【0051】
多数のベンゾオキサジン−2−オンを開示する多数の文献報告がある。しかしながら、これらの特許のこれらの実施例のいずれも、化合物がプロゲステロン受容体モジュレーターとして活性であるために必要な置換基を含有していない。
【0052】
これらの刊行物の中でも、Narr等の特許文献14及び15はそのイミダゾベンゾオキサジノン、例えば、Yを強心剤として請求しており、抗不安薬として活性なブロホキシン(Z)の如きベンゾオキサジン−2−オンはHartmann等の非特許文献10により報告されており、もっと最近では、多数の特許文献16及び17はHIV逆転写酵素の抑制剤として化合物AA及びBBの如きキナゾリン−2−オン及びベンゾオキサジン−2−オンを請求している。
【0053】
【化23】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】
【特許文献1】米国特許第5,688,810号
【特許文献2】米国特許第5,693,646号
【特許文献3】米国特許第5,696,127号
【特許文献4】WO86/03749
【特許文献5】WO91/06545
【特許文献6】米国特許第5453516号
【特許文献7】WO97/13767
【特許文献8】米国特許第4440785号
【特許文献9】米国特許第4670566号
【特許文献10】WO91/06545
【特許文献11】WO91/04974
【特許文献12】特開昭63−112584号公報
【特許文献13】WO93/12085A1
【特許文献14】ドイツ特許DE3633861
【特許文献15】CA109:22973
【特許文献16】WO95/20389
【特許文献17】WO98/14436
【非特許文献】
【0055】
【非特許文献1】J.Med.Chem.41,291,1998
【非特許文献2】J.Med.Chem.38,4880,1995
【非特許文献3】Tetrahedron Lett.35,2295,1994
【非特許文献4】Ann.N.Y.Acad.Sci.761,383,1995
【非特許文献5】Chen et al,POI−37,16th Int.Cong.Het.Chem.,Montana,1997
【非特許文献6】J.Antibiotics 50,360,1997
【非特許文献7】J.Med.Chem.37,248,1994
【非特許文献8】Acta.Pharm.Nord.2,407,1990
【非特許文献9】Synth.Commun.12,1,1982
【非特許文献10】Proc.West.Pharmacol.Soc.21,51〜55(1978)
【発明の概要】
【0056】
本発明は、避妊のために有用な、類繊維腫、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、卵巣癌及び前立腺癌の処置に並びに閉経後のホルモン補充治療において有用な、構造式
【0057】
【化24】

【0058】
式中、
TはO、Sであるか又は存在せず、
1及びR2は各々独立に水素、アルキル、置換されたアルキルであり、又は
1及びR2は一緒になって環を形成しそして一緒になって
−CH2(CH2nCH2−、−CH2CH2CMe2CH2CH2−、
−O(CH2pCH2−、−O(CH2qO−、−CH2CH2OCH2CH2−、
又は−CH2CH2NR7CH2CH2−を含有し、
nは1〜5の整数であり、
pは1〜4の整数であり、
qは1〜4の整数であり
3は水素、OH、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル又はCORAであり、
Aは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
4は水素、ハロゲン、CN、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
5は水素、アルキル又は置換されたアルキルであり、
6は水素、アルキル、置換されたアルキル又はCORBであり、
Bは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
7は水素又はアルキルである、
で表される式1のプロゲステロン受容体アゴニスト又はその製薬学的に許容できる塩を提供する。
【0059】
本発明の好ましい化合物は、構造
【0060】
【化25】

【0061】
式中、
TはOであるか又は存在せず、
1及びR2は各々独立に水素、アルキル、置換されたアルキルであり、又は
1及びR2は一緒になって環を形成しそして一緒になって−CH2(CH2nCH2−を含有し、
nは〜5の整数であり、
3は水素であり、
4は水素又はハロゲンであり、
5は水素又はアルキルであり、
6は水素又はアルキルである、
で表される化合物又はその製薬学的に許容できる塩である。
【0062】
本発明の化合物は、不斉炭素原子を含有することができ、そして本発明の化合物のいくらかは1個以上の不斉中心を含有することができ、かくして光学的異性体及びジアステレ
オ異性体を生じることができる。式1では立体化学に関することなく示されているが、本発明はこのような光学的異性体及びジアステレオ異性体、並びにラセミ(racemic)及び分割された(resolved)、エナンチオマー的に純粋な(enantiomerically pure)R及びS立体異性体、並びにR及びS立体異性体の他の混合物及び製薬学的に許容できるそれらの塩を包含する。本発明の化合物は、生体外及び生体内のいずれか又は両方で、PRに結合するプロゲステロンの競合的抑制剤(inhibitors)として作用しそして機能モデルではアゴニストとして作用することが示された。これらの化合物は、避妊のため、類繊維腫(fibroids)、子宮内膜炎(endometriosis)、乳癌、子宮癌、卵巣癌及び前立腺癌の処置並びに閉経後のホルモン補充療法(post menopausal hormone replacement therapy)において使用することができる。
【0063】
「アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状及び分岐鎖状の両方の飽和脂肪族炭化水素基を示すために本明細書では使用される。「アルケニル」は少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む2〜6個の炭素原子の直鎖状及び分岐鎖状の両方のアルキル基を包含し、「アルキニル基」は少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する2〜6個の炭素原子の直鎖状及び分岐鎖状の両方のアルキル基を包含する。
【0064】
「置換されたアルキル」、「置換されたアルケニル」、「置換されたアルキニル」という用語は、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アリール、複素環、置換されたアリール、置換された複素環、アルコキシ、アリールオキシ、置換されたアルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ、アリールチオを包含する群からの1個以上の置換基を含有するアルキル、アルケニル及びアルキニルを指す。これらの置換基はアルキル、アルケニル又はアルキニル基のいかなる炭素に結合していてもよいが、但しこの結合は安定な化学的部分(chemical moiety)を構成するものとする。
【0065】
「チオアルキル」という用語は、本明細書ではSR基、ここでRはアルキル又は置換されたアルキルである、を示すのに使用される。
【0066】
「アルコキシ」という用語は、本明細書ではOR基、ここでRはアルキル又は置換されたアルキルである、を示すのに使用される。
【0067】
「アリールオキシ」という用語は、本明細書ではOR基、ここでRはアリール又は置換されたアリールである、を示すのに使用される。
【0068】
「アルキルカルボニル」という用語は、本明細書ではRCO基、ここでRはアルキル又は置換されたアルキルである、を示すのに使用される。
【0069】
「アルキルカルボキシ」という用語は、本明細書ではCOOR基、ここでRはアルキル又は置換されたアルキルである、を示すのに使用される。この用語はアルコキシカルボニルとも呼ばれる。
【0070】
「アミノアルキル」という用語は、アルキル又は置換されたアルキル基が同じであるか又は相異なることができそして結合点が窒素原子上にある第二級及び第三級アミンの両方を指す。
【0071】
「ハロゲン」という用語はCl、Br、F及びIとして定義される。
【0072】
製薬学的許容できる塩は有機酸及び無機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエ
ン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、及び同様な既知の許容できる酸から形成することができる。塩は、無機塩基、好ましくはアルカリ金属塩、例えばナトリウム、リチウム又はカリウム並びに有機塩基、例えば、アンモニウム、モノ−、ジ−及びトリメチルアンモニウム、モノ−、ジ−及びトリエチルアンモニウム、モノ−、ジ−又はトリプロピルアンモニウム(イソ及びノルマル)、エチルジメチルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、シクロヘキシルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、ジベンジルアンモニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、1−メチルピペリジニウム、4−エチルエチルモルホリニウム、1−イソプロピルピロリジニウム、1,4−ジメチルピペラジニウム、1−n−ブチルピペリジニウム、2−メチルピペリジニウム1−エチル−2−メチルピペリジニウム、モノ−、ジ−及びトリエタノールアンモニウム、エチルジエタノールアンモニウム、n−ブチルモノエタノールアンモニウム、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウム、フェニルモノエタノールアンモニウム等から形成することもできる。
【0073】
本発明の化合物は、商業的に入手可能な出発物質及び文献の方法を使用して製造することができる出発物質から下記のスキームに従って製造された。これらのスキームは本発明の代表的な化合物の製造を示す。
【0074】
【化26】

【0075】
スキーム1に従えは、商業的に入手可能なオキシインドール4を不活性溶媒中で(例えばTHF、ジエチルエーテル)窒素下に減少した温度で(約−20℃)強い有機金属塩基(例えば、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムヘキサメチルジシラジド)で処理される(Kende,et al,Synth.Commun.12,1,1982)。次いで得られるジ−アニオンを過剰の求電子試薬、例えば、ハロゲン化アルキル、好ましくはヨウ化物で処理する。生成物5が3位置にスピロ環を含有する如くR1及びR2が一緒になるべき場合には、求電子試薬は二官能性、即ち、ジヨウ化物であるべきである。5のその後の臭素化は酢酸ナトリウムの存在下に酢酸(必要に応じてジクロロメタンの如き有機共溶媒を加えることができる)中の臭素により円滑に進行して、アリールブロミド6を与える。ブロミド6を、適当な溶媒(例えば、THF、ジメトキシエタン、アセトン、エタノール又はトルエン)中で室温で不活性雰囲気(アルゴン、窒素)下にパラジウム塩(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又は酢酸パラジウム)と反応させる。次いで混合物をピロール2−ボロン酸(Synthesis 613,1991)及び水中の塩基(炭酸カリウム、トリエチルアミン、リン酸カリウム)又は無水条件下のフッ化物ソース(フッ化セシウム)で処理する。ビアリール化合
物7をクロロスルホニルイソシアネートで処理し、続いて低温でDMFで処理して、保護されたシアノピロール8を生成させる。標準条件(例えば、TFA/ジクロロメタン、水性NaOH、熱分解)によりtert−ブチルオキシカルボニル(BOC)保護基を除去して、必要な最終生成物を生成させ、これを標準手段により精製する。
【0076】
【化27】

【0077】
スキーム2に示されたとおり、適当に置換されたオルト−アミノ安息香酸又は誘導体(エチルエステルの如き)10を適当な非プロトン性溶媒(例えばTHF、エーテル、トルエン)中でアルゴン又は窒素の如き不活性雰囲気中で−78℃〜室温で適当な有機金属試薬、例えばグリニャール試薬で処理してオルト−アミノカルビノール11を得る。ベンゾオキサジン−2−オン12を得るためのカルビノール11の閉環は、適当な非プロトン性溶媒(例えばTHF、エーテル、トルエン)中で室温〜65℃の範囲の温度で縮合剤(例えば、カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート)により普通に行われる。ピロール環は適当なカップリング反応(例えば、Suzuki、Stille)を使用することによりこのプラットホームに結合されてビアリール(biaryl)13を得る。これらの反応は、適当な触媒(例えば、しばしばホスフィノ配位子、例えばPh3P、dppf、dppeとのパラジウムもしくはニッケル錯体、又は酢酸パラジウムの如きパラジウム塩)及び塩基の存在下に行われ、普通に使用される塩基は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸バリウム、酢酸カリウム又はフッ化セシウムを包含するが(それらに限定はされない)。これらの反応で最も普通に使用される溶媒は、ベンゼン、DMF、イソプロパノール、エタノール、DME、エーテル、アセトン、又はこれらの溶媒のいずれかと水の混合物を包含する。カップリング反応は一般に窒素又はアルゴンの如き不活性雰囲気下に室温〜95℃の範囲の温度で行われる。ビアリール化合物13をクロロスルホニルイソシアネートで処理し、続いて低温で過剰のDMFで処理して、保護されたシアノピロール14を生成させる。標準条件(例えば、TFA/ジクロロメタン、水性NaOH、熱分解)によりtert−ブチルオキシカルボニル(BOC)保護基を除去して、必要な最終生成物15を生成させ、これを標準手段により精製する。
【0078】
本発明の化合物は、プロゲステロンアゴニスト(progestational agonists)であり、従って経口避妊薬(雄及び雌)として、ホルモン補充治療(特にエストロゲンと組み合わせた場合)、子宮内膜症(endometriosis)、黄体期欠損(luteal phase defects)、良性乳房及び前立腺疾患、並びに乳癌、卵巣癌、子宮癌及び子宮内膜癌の処置に有用である。
【0079】
本発明の化合物は単独治療剤として単独で使用することができ、又は他の作用物質、例
えば、他のエストロゲン、プロゲスチン、又はアンドロゲンと組み合わせて使用することができる。
【0080】
本発明の化合物は混ぜ物なしで(neat)処方することができ又は投与するための製薬学的担体と共に処方することができ、その割合は化合物の溶解性及び化学的性質、選ばれる投与経路及び標準薬理学的実施(standard pharmacological practice)により決定される。製薬学的担体は固体又は液体であることができる。
【0081】
固体担体は、香味剤、滑剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、すべり剤(glidants)、圧縮助剤、結合剤又は錠剤崩壊剤として作用することもできる1種又はそれより多くの物質を包含することができ、それはカプセル被包材料(encapsulating
material)であることもできる。粉末剤(powders)では、担体は微細に分割された活性成分と混合されている微細に分割された固体である。錠剤では、活性成分は適当な割合で必要な圧縮性を有する担体と混合されそして所望される形状及び寸法に圧縮される。粉末剤及び錠剤は好ましくは活性成分99%以下を含有する。適当な固体担体は、例えばリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、低融点ワックス及びイオン交換樹脂を包含する。
【0082】
液体担体は溶液剤、懸濁液剤、乳濁液剤、シロップ剤、エリキシル剤及び加圧された組成物を製造するのに使用される。活性成分は水、有機溶媒、両者の混合物又は製薬学的許容できる油又は脂肪の如き製薬学的に許容できる液体担体中に溶解又は懸濁させることができる。液体担体は他の適当な製薬学的添加剤、例えば、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味料、香味料、懸濁化剤、濃稠化剤、色素(colors)、粘度調節剤、安定剤又は浸透圧調節剤(osmo−regulators)を含有することができる。経口及び非経口投与のための液体担体の適当な例は、水(部分的に上記の如き添加剤、例えばセルロース誘導体、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を含有する)、アルコール(一価アルコール及び多価アルコール、例えばグリコールを包含する)及びそれらの誘導体、レシチン及び油(例えば、分別されたやし油及び落花生油)を包含する。非経口投与のために、担体はオレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルのような油状エステルであることもできる。無菌の液体担体は非経口投与のための無菌の液体形態の組成物において有用である。加圧された組成物のための液体担体はハロゲン化炭化水素又は他の製薬学的に許容できるプロペラント(propellant)であることができる。
【0083】
無菌の溶液又は懸濁液である液体製薬学的組成物は、例えば、筋肉内、腹腔内又は皮下注射により利用することができる。無菌溶液は静脈内に投与することもできる。本発明の化合物は液体又は固体組成物形態で経口的に投与することもできるる
本発明の化合物は慣用の坐剤の形態で直腸内又は腟内に投与することができる。鼻内又は気管支内吸入又はガス注入(insufflation)による投与のために、本発明の化合物は水性溶液又は部分的水性溶液に処方することができ、該溶液は次いでエアゾルの形態で利用することができる。本発明の化合物は、活性化合物及び活性化合物に対して不活性であり、皮膚に対して無毒性でありそして皮膚を介して血流への全身系吸収(systemic absorption)のための作用物質の送達を許容する担体を含有する経皮パッチ(transdermal patch)の使用により経皮的に投与することもできる。担体はクリーム及び軟膏、ペースト、ゲル及び閉塞装置(occlusive devices)の如き多数の形態を取ることができる。クリーム及び軟膏は水中油又は油中水型のいずれかの粘性液体又は半固体乳濁液であることができる。活性成分を含
有する鉱油(petroleum)又は親水性石鉱油(hydrophilic petroleum)に分散された吸収性粉末を含んでなるペーストも適当である。担体を伴うか又は伴わない活性成分を含有する貯蔵器(reservoir)を覆う半透膜又は活性成分を含有するマトリックスの如き種々の閉塞装置を使用して活性成分を血流中に放出することができる。他の閉塞装置が文献で知られている。
【0084】
用量要件は使用される特定の組成物、投与の経路、現れる症状のひどさ及び処置されるべき特定の対象と共に変わる。標準薬理学的試験方法で得られた結果に基づいて、活性成分の計画された日用量(daily dosages)は0.02μg/kg〜750μg/kgであろう。処置は一般に化合物の最適用量より少ない少用量から開始されるであろう。しかる後、用量はその状況の最適効果に達するまで増加させられ、経口、非経口、鼻内又は気管支内投与のための正確な用量は処置される個々の対象に関する経験に基づいて投与医師により決定されるであろう。好ましくは、製薬学的組成物は例えば錠剤又はカプセル剤として単位投与形態(unit dosage form)にある。このようなそ形態では、組成物は活性成分の適当に量を含有する単位用量(unit dose)に小分割され(sub−divided)、単位投与形態は包装された組成物、例えば包装された粉末剤、バイアル剤、アンプル剤、予備充填された注射器(pre−filled
syringes)又は液体を含有するにおい袋(sachets)であることができる。これらの単位投与形態は、例えばカプセル又は錠剤自体であることができ、又はそれは包装形態にある適当な数のいかなるこのような組成物であってもよい。
【0085】
以下は本発明の代表的な化合物の製造を与える。
【実施例1】
【0086】
5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1.3]オキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
乾燥THF(200mL)中の2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(10g、46ミリモル)の溶液をエーテル中臭素化メチルマグネシウムの溶液(3.0M、90mL、270ミリモル)で窒素下に−78℃で処理した。反応混合物を窒素下に48時間撹拌しながら周囲の温度にゆっくりと加温し、次いで冷0.5N水性塩化水素溶液(300mL)中に注いだ。混合物を水性1N水酸化ナトリウム溶液で中和しそして酢酸エチル(300mL)を加えた。有機層を分離しそして水性層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄しそして乾燥した(MgSO4)。真空中で溶媒を除去した後、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル/3:2)により精製して、2−(2−アミノ−5−ブロモフェニル)プロパン−2−オールがオフホワイトの(off−white)固体(6g、57%)として得られた。融点62〜63℃。1H NMR(CDCl3)δ7.19(d,1H,J=2.3Hz),7.12(dd,1H,J=8.4,2.3Hz),6.51(d,1H,J=8.4Hz),4.70(s,2H),1.82(s,1H),1.65(s,6H)。
【0087】
乾燥THF(150mL)中の2−(2−アミノ−5−ブロモフェニル)プロパン−2−オール(18g、78ミリモル)の溶液に、1,1′−カルボニルジイミダゾール(15.5g、94ミリモル)を窒素下加えた。反応溶液を50℃で一夜撹拌した。溶媒を真空中で除去しそして残留物を酢酸エチル(100mL)中に溶解した。溶液を1N水性塩化水素溶液(2×40mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。真空中で溶媒の除去の後、6−ブロモ−4,4−ジメチル−1,4−ジヒドロ−ベンゾ[d][1.3]オキサジン−2−オンが白色固体(20g、100%)として得られた。融点199〜200℃、1H NMR(DMSO−d6)δ10.32(s,1H,D2O交換可能),7.48(d,1H,J=2.1Hz),7.43(dd,1H,J=8.5,2.1Hz),6.84(d,1H,J=8.4Hz),1.61(s,6H
)。
【0088】
トルエン(200mL)中の6−ブロモ−4,4−ジメチル−1,4−ジヒドロ−ベンゾ[d][1.3]オキサジン−2−オン(5.0g、20ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(580mg、0.5ミリモル)の溶液を窒素の流れ下に25分間撹拌した。この溶液に無水エタノール(50mL)中の1−tert−ブトキシカルボニルピロール−2−ボロン酸(8.24g、39ミリモル)及び水(50mL)中の炭酸カリウム(5.39g、39ミリモル)を順次に加えた。混合物を80℃に16時間加熱しそして冷却させた。反応混合物を水性飽和炭酸水素ナトリウム溶液(200mL)に注ぎそして酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。有機層を一緒にし、水(200mL)及びブライン(100mL)で洗浄しそして硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶液をろ過し、真空中で濃縮しそして残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1.3]オキサジン−6−イル)−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.0g、58%)が黄褐色(tan)の固体として得られた。融点172〜173℃。
【0089】
−78℃のTHF(無水、50mL)中の2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1.3]オキサジン−6−イル)−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.0g、5.8ミリモル)の溶液に、クロロスルホニルイソシアネート(0.66mL、6.7ミリモル)を加えた。90分後、DMF(9mL、116ミリモル)を加えそして反応を室温に加温させた。反応混合物を水(50mL)中に注ぎそして酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を一緒にし、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過しそして真空中で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1.3]オキサジン−6−イル)−5−シアノ−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.1g、52%)を白色粉末として得た。融点165〜167℃。1H NMR(d6−DMSO,300MHz)δ1.36(s,9H)、1.61(s,6H),6.44(d,1H,J=3.7Hz),6.92(d,1H,J=8.2Hz),7.27〜7.32(m,2H),7.36(‘d’,1H,J=1.5Hz),10.36(s,1H).MS(EI)m/z367[M]+
【0090】
2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1.3]オキサジン−6−イル)−5−シアノ−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1g,2.7ミリモル)をゴム隔膜(rubber septum)で栓をされそして窒素入り口とガスの流出を許容するための針を備えた25mLの丸底フラスコに入れた。フラスコが油浴に入れられそして160℃に加熱されるにつれて窒素の激しい流れを維持した。この温度で20分の後、フラスコを油浴から取り出しそして冷却させた。黄色残留物をジクロロメタン/酢酸エチルでより大きいフラスコ中に洗い込み、そして少量のシリカゲルに吸着させた。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、標題の化合物(340mg、47%)が黄色粉末として得られた。融点241〜242℃。1H NMR(d6−DMSO,300MHz)δ1.65(s,6H),6.67(d,1H,J=3.9Hz),6.91(d,1H,J=8.3Hz),6.98(d,1H,J=3.9Hz),7.61(dd,1H,J=1.8,8.3Hz),7.65(‘d’,1H,J=1.6Hz),10.32(s,1H),12.54(bs,1H).MS(EI)m/z267M+.分析C151332:計算値C,67.41;H,4.90;N,15.72.実測値:C,67.19;H,4.96;N,15.35。
【実施例2】
【0091】
5−(2'−オキソ−2',3'−ジヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル−2−シアノピロール
無水テトラヒドロフラン(800mL)中のオキシインドール(25g、0.19モル)の溶液を−20℃に冷却し、次いでn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、152mL、0.38モル)をゆっくりと加え、続いてN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン(51mL、0.38モル)を加えた。15分後、1,5−ジヨードペンタン(174g、0.54モル)をゆっくりと加えそして混合物を室温に加温させた。16時間撹拌した後、飽和水性塩化アンモニウム溶液(1L)及びEtOAc(1L)を加えた。15分後、層を分離しそして水性相をEtOAc(×2)で抽出した。一緒にした有機層を塩酸(1N)で抽出し、次いでブライン(500mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)そして濃縮して油を得た。この油をヘキサン(200mL)及びベンゼン(20mL)で摩砕した(triturated)。沈殿を集めそして真空中で乾燥してスピロ[シクロヘキサン−1,3'−[3H]インドール]−2'(1'H)オン(26.3g、69.6%)が無色の結晶として得られた。融点110〜114℃。1H NMR(DMSO−d6)δ1.67(m,10H),6.84(d,1H,J=8Hz),6.94(t,1H,J=8Hz),7.17(t,1H,J=8Hz),7.44(d,1H,J=8Hz),10.3(s,1H)。
【0092】
酢酸(300mL)中のスピロ[シクロヘキサン−1,3'−[3H]インドール]−2'(1'H)−オン(17.6g、9ミリモル)の溶液に酢酸ナトリウム(8.0g、0.1モル)及び臭素(14.6g、91ミリモル)を撹拌しながら加えた。30分後、室温で、反応混合物を水及びEtOAcに分配した。水性相をEtOAcで2回抽出した。一緒にした有機層を水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)そして蒸発させ、残留物をヘキサンで摩砕した。沈殿を集めそして真空中で乾燥して5'−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,3'−[3H]インドール]−2'(1'H)−オン(16.5g、67%)がオフホワイトの結晶として得られた。融点196〜199℃。1H NMR(DMSO−d6)δ1.62(m,10H),6.8(d,1H,J=6.8Hz),7.36(d,1H,J=8.2,1.8Hz),7.58(dd,1H,J=8.2,1.8Hz),10.44(s,1H)。
【0093】
窒素雰囲気下の1,2−DME(100mL)中の5'−ブロモ−スピロ[シクロヘキサン−1,3'−インドリン]−2'−オン(3.4g、12ミリモル)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(70mg、5モル%)を加えた。15分後、2−ボロノ−1H−ピロール−1−カルボン酸1−tertブチルエステル(1.3当量、3.31g、15.6ミリモル)及び水(5mL)中のK2CO3(2.3当量、3.83g、27.6ミリモル)の溶液を順次に加えた。溶液を80℃に3時間加熱しそして冷却させた。反応混合物を水(200mL)に注ぎそしてEtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を一緒にし、ブライン(150mL)で洗浄しそしてMgSO4上で乾燥した。溶液をろ過し、真空中で濃縮し、そして残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサンで溶離する)により精製して2−(1′,2′−ジヒドロ−2′−オキソスピロ[シクロヘキサン−1,3'−[3H]インド−ル]−5′−イル)−1H−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.4g、76%)が白色粉末として得られた。融点177℃。1H NMR(CDCl3;300MHz)δ1.38(s,9H),1.59−1.93(m,10H),6.18(m,1H),6.23(‘t’,1H,J=3Hz),6.91(d,1H,J=8Hz),7.21(d,1H,J=8Hz),7.34(m,1H),7.44(s,1H),8.33(br s,1H,D2Oex).MS((+)−APCI)m/z367[(M+H)+].分析C222623:計算値C,72.11;H,7.15;N,7.64.実測値:C,71.7;H,7.16;N,7.5。
【0094】
−78℃のTHF(無水、20mL)中の2−(1′,2′−ジヒドロ−2′−オキソスピロ[シクロヘキサン−1,3'−[3H]インド−ル]−5′−イル)−1H−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.75g、2ミリモル)の溶液に、クロロスルホニルイソシアネート(1.15当量、0.23mL、2.3ミリモル)を加えた。90分後、DMF(20当量、3.6mL、46ミリモル)を加えそして反応を室温に加温させた。反応混合物を水(50mL)に注ぎそして酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を一緒にし、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過しそして真空中で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、5−(2'−オキソ−2',3'−ジヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル−2−シアノピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.5g、63%)が油として得られ、これをアセトンから結晶化させて白色結晶を得た。融点156℃。1H NMR(d6−DMSO,400MHz)δ1.32(s,9H),1.50(m,3H),1.60−1.70(m,5H),1.75−1.85(m,2H),6.38(d,1H,J=3.7Hz),6.87(d,1H,J=7.9Hz),7.18(dd,1H,J=1.5,7.9Hz),7.27(d,1H,J=3.7Hz),7.48(d,1H,J=1.8Hz),10.42(bs,1H).MS(EI)m/z391(M+).分析C232533:計算値C,70.57;H,6.44;N,10.73.実測値C,69.82;H,6.46;N,10.43。
【0095】
5−(2'−オキソ−2',3'−ジヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル−2−シアノピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.25g、0.8ミリモル)を、ゴム隔膜で栓をされそして窒素入り口及びガスの流出を許容するための針を備えた5mLの丸底フラスコに入れた。フラスコが油浴に入れられそして180℃に加熱されるにつれて窒素の激しい流れを維持した。この温度で5分後、フラスコを油浴から取り出しそして冷却させた。黒色の残留物をより大きいフラスコにアセトンで洗い入れそして少量のシリカゲルに吸着させた。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサンにより溶離する)により精製して、標題の化合物(95mg、51%)が黄色油として得られ、このものをジクロロメタンから結晶化させて灰色の粉末を得た。融点239℃(分解)。1H NMR(DMSO−d6;300MHz)δ1.40−1.90(m,10H),6.60(m,1H),6.88(d,1H,J=8.1Hz),6.95(m,1H),7.56(dd,1H,J=1.8,8.1Hz),7.78(d,1H,J=1.3Hz),10.42(s,1H),12.50(s,1H).MS(EI)m/z291(M+).分析C181731:計算値C,74.20;H,5.88;N,14.42.実測値:C,66.63;H,5.52;N,12.46。
【実施例3】
【0096】
5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−2−シアノピロール
−78℃のTHF(無水、9ml)中の5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.39g、1.2ミリモル)の溶液にクロロスルホニルイソシアネート(1.15当量、0.12mL、1.4ミリモル)を加えた。120分後、DMF(20当量、1.8mL、23ミリモル)を加えそして反応を室温に加温させた。反応混合物を水(25mL)に注ぎそして酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を一緒にし、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過しそして真空中で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:3酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H
−インドール−5−イル)−2−シアノピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.21g、50%)が白色固体として得られた。融点158.6℃。1H NMR(DMSO−d6;300MHz)δ1.27(s,6H),1.33(s,9H),6.40(d,1H,J=3.8Hz),6.90(d,1H,J=8.0Hz),7.19(dd,1H,J=1.8,8.0Hz),7.30(d,1H,J=1.5Hz),10.50(s,1H).MS m/z350(M−H)-.C192223:計算値C,68.36;H,6.02;N,11.96.実測値:C,66.79;H,6.03;N,11.02。
【0097】
5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.18g、0.51ミリモル)を、ゴム隔膜で栓をされそして窒素入り口及びガス流出を許容するための針を備えた50mLの丸底フラスコに入れた。フラスコが油浴に入れられそして160℃に加熱されるにつれて窒素の激しい流れを維持した。この温度で10分後、フラスコを油浴から取り出しそして冷却させた。黒色の残留物をより大きいフラスコにアセトンで洗い入れそして少量のフルロシル(flurosil)に吸着させた。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:3アセトン/ヘキサンにより溶離する)により精製して、標題の化合物(118mg、92%)が白色固体として得られた。融点255.9〜257.9℃。1H NMR(DMSO−d6;300MHz)δ1.29(s,6H),6.60(m,1H),6.89(d,1H,J=8.0Hz),6.96(m,1H),7.55(dd,1H,J=1.4,8.1Hz),7.69(bs,1H),10.47(s,1H),12.48(s,1H). MS m/z250(M−H)-.C202133:計算値C,71.7;H,5.21;N,16.72.実測値:C,71.16;H,5.58;N,16.09。
【実施例4】
【0098】
5−(2'−オキソ−2',3'−ジヒドロスピロ[シクロペンタン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル−2−シアノピロール
エチレングリコールジメチルエーテル(50mL)中の5'−ブロモスピロ[シクロペンタン−1,3'−[3H]インドール]−2'(1'1H)−オン(2.0g、7.5ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフイン)パラジウム(0)(430mg、0.3ミリモル)の溶液を窒素の流れの下で15分間撹拌した。この溶液に、1−t−ブトキシカルボニルピロール−2−ボロン酸(2.1g、9.7ミリモル)及び水(10mL)中の炭酸カリウム(2.4g、17ミリモル)を順次に加えた。混合物を80℃に3時間加熱しそして冷却させた。反応混合物を水(50mL)中に注ぎそして酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を一緒にし、ブライン(30mL)で洗浄しそして硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶液をろ過しそして真空中で濃縮した。20%酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化により2−(1',2'−ジヒドロ−2'−オキソスピロ[シクロペンタン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル)−1H−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.2g、83%)が白色粉末として得られた。融点179〜180.5℃。1H NMR(DMSO−d6,400MHz)δ1.30(s,9H),1.75−1.98(m,8H),6.16(dd,1H,J=1.8,3.3Hz),6.22(‘t’,1H,J=3.3,3.3Hz),6.79(d,1H,J=7.9Hz),7.08(dd,1H,J=1.8,7.9Hz),7.14(‘d’,1H,J=1.5Hz),7.28(dd,J=1.9,3.3Hz),10.30(s,1H).MS(EI)m/z352[M+].分析C212423:計算値C,71.57;H,6.86;N,7.95.実測値:C,71.08;H,6.83;N,7.74。
【0099】
THF(無水、25mL)中の2−(1',2'−ジヒドロ−2'−オキソスピロ[シク
ロヘキサン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル)−1H−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.2g、6.0ミリモル)の溶液に、クロロスルホニルイソシアネート(0.63mL、7.0ミリモル)を−78℃で加えた。90分後、ジメチルホルムアミド(11mL、140ミリモル)を加えそして反応を室温に加温させた。反応混合物を水(50mL)中に注ぎそして酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を一緒にし、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過しそして真空中で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、5−(2'−オキソ−2',3'−ジヒドロスピロ[シクロペンタン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル−2−シアノピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.7g、75%)が白色の結晶として得られた。融点167〜169℃。1H NMR(DMSO−d6,400MHz)δ1.34(s,9H),1.75−1.98(m,8H),6.39(d,1H,J=3.7Hz),6.84(d,1H,J=7.9Hz),7.17(dd,1H,J=1.8,7.9Hz),7.28(‘t’,2H),10.41(s,1H).MS(ESI)m/z376[M−H]-.分析C222333:計算値C,70.01;H,6.14;N,11.13.実測値:C,69.67;H,6.38;N,11.04。
【0100】
5−(2'−オキソ−2',3'−ジヒドロスピロ[シクロペンタン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル−2−シアノピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1g、2.7ミリモル)を、ゴム隔膜で栓をされそして窒素入り口及びガス流出を許容するための針を備えた25mLの丸底フラスコに入れた。フラスコが油浴に入れられそして165℃に加熱されるにつれて窒素の激しい流れを維持した。この温度で20分後、フラスコを油浴から取り出しそして冷却させた。酢酸エチルから結晶化させて、標題の化合物(600mg、79%)が黄色粉末として得られた。融点285〜286℃。1
NMR(DMSO−d6,400MHz)δ1.75−2.03(m,8H),6.60(dd,1H,J=2.4,3.7Hz),6.84(d,1H,J=8.1Hz),6.84(d,1H,J=8.1Hz),6.94(dd,1H,J=2.4,3.7Hz),7.52(dd,1H,J=1.8,8.1Hz),7.60(d,1H,J=1.8Hz),10.38(s,1H),12.45(s,1H).MS(ESI)m/z276[M−H]-.分析C17153O:計算値C,73.63;H,5.45;N,15.15.実測値:C,73.24;H,5.34;N,14.96。
【実施例5】
【0101】
5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル(1当量、71mg、0.27ミリモル)の溶液に、炭酸カリウム(5当量、0.18g、0.135ミリモル)を加えた。10分後、ヨードメタン(3当量、0.05mL、0.81ミリモル)を加えそして懸濁液を2時間撹拌し、水(5mL)に注ぎそして酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。層を分離し、水性層を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、そして一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥しそして30%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(30mg、41%)が白色固体として得られた。1H NMR(300MHz,d6−DMSO)δ1.64(s,6H),3.71(s,3H),6.33(d,1H,J=4.1Hz),6.98(d,1H,J=8.0Hz),7.03(d,1H,J=4.1Hz),7.39(m,2H),10.39(s,1H).MS(APCI(−))m/z280(M−H)-.分析C161532,計算値C,68.3,H,5
.37,N,14.9.実測値,C,68.4,H,5.51,N,14.6。
【実施例6】
【0102】
一般的方法A:5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−エチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
ジメチルホルムアミド(25mL)中の5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル(1,3g、5ミリモル)の溶液に、炭酸カリウム(1g、7.5ミリモル)及びヨードエタン(0.4ml、5.1ミリモル)を加え、そして混合物を室温で3時間撹拌した。酢酸エチル及び水を加え、酢酸エチル層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥しそして真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶させて標題の化合物(0.4g、27%)を得た。融点200〜202℃。1H−NMR(DMSO−d6)δ1.25(t,J=7.2Hz,3H),1.64(s,6H),4.07(q,J=7.2Hz,2H),6.29(d,J=4.1Hz,1H),7.0(d,J=8Hz,1H),7.05(d,J=4.1Hz,1H),7.34(m,2H),10.42(s,1H).MS(ESI(−))m/z294(M−H)-
【実施例7】
【0103】
5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−プロプ−2−イニル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.74g、2.8ミリモル)及びプロパルギルブロミド(0.5g、4.2ミリモル)を一般的方法Aに従って反応させて標題の化合物(0.13g、15%)を得た。融点222〜224℃。1H−NMR(DMSO−d6)δ1.65(s,6H),3.64(t,J=2.3Hz,1H),4.85(d,J=2.3Hz,2H),6.37(d,J=4Hz,1H),7.01(d,J=8.2Hz,1H),7.11(d,J=4Hz,1H),7.43(m,2H),10.45(s,1H),MS(APCI(−))m/z304(M−H)-
【実施例8】
【0104】
tert−ブチル[2−シアノ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−1−イル]アセテート
5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル(5.4g、20ミリモル)及びtert−ブチルブロモアセテート(4.64g、22ミリモル)を一般的方法Aに従って反応させて、標題の化合物(3g、40%)を得た。融点188〜190℃。1H−NMR(DMSO−d6)δ1.35(s,9H),1.62(s,9H),4.8(s,2H),6.35(d,J=4.3Hz,1H),6.98(d,J=8.1Hz,1H),7.09(d,J=4.3Hz,1H),7.26(m,2H),10.42(s,1H),MS(APCI(−))m/z380(M−H)-
【実施例9】
【0105】
[2−シアノ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−1−イル]酢酸
エタノール(200mL)中のtert−ブチル[2−シアノ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−1−イル]アセテート(2.2g、5.8ミリモル)及び水酸化ナトリウム(1.6g、40ミリモル)を2時間加熱還流した。室温に冷却した後、混合物を希塩酸で酸性化しそして酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥
し、ろ過しそして真空中で濃縮した。酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶により標題の化合物(1.2g、64%)を得た。融点207〜209℃。1H−NMR(DMSO−d6)δ1.61(s,6H),4.77(s,2H),6.35(d,J=4Hz,1H),6.98(d,J=8.1Hz,1H),7.09(d,J=4.1Hz,1H),7.26(m,2H),10.43(s,1H),MS(APCI(−))m/z324(M−H)-
【実施例10】
【0106】
2−[2−シアノ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−1−イル]N−[2−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)エチル]アセトアミド
ジメチルホルムアミド(20mL)中の[2−シアノ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−1−イル]酢酸(0.6g、1.8ミリモル)、3−エトキシ−4−メトキシフェニルエチルアミン(0.36g、1.9ミリモル)、ジイソ−プロピルエチルアミン(0.26g、2ミリモル)及びO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.7g、1.8ミリモル)の溶液を室温で20時間撹拌した。混合物を水で希釈しそして酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥しそして真空中で濃縮した。残留物をエタノールから再結晶させて標題の化合物(0.2g、22%)を得た。融点160〜162℃。1H−NMR(DMSO−d6)δ1.3(t,J=6.9Hz,3H),1.59(s,6H),2.61(t,2H,J=7Hz),3.29(q,J=6.9Hz,2H),3.71(s,3H),3.97(q,J=6.9Hz,2H),4.6(s,2H),6.32(d,J=5.1Hz,1H),6.65(dd,J=7.6,2.0Hz,1H),6.77(d,J=2.3Hz,1H),6.83(d,J=8.3Hz,1H),6.96(d,J=8.7Hz,1H),7.05(d,J=4.1Hz,1H),7.26(m,2H),8.3(t,J=6Hz,1H),10.42(s,1H),MS(APCI(+))m/z503(M+H)+
【実施例11】
【0107】
5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−ペンチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
5−(4,4−ジメチル−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−カルボニトリル(1.94g、7.3ミリモル)を一般的方法Aに従って1−ヨードペンタン(1.5g、7.6ミリモル)と反応させて標題の化合物(0.2g、8%)を得た。融点128〜131℃。1H−NMR(DMSO−d6)δ0.73(t,J=7.3Hz,3H),1.05(m,2H),1.14(m,2H),1.57(m,2H),1.63(s,6H),4.04(t,J=7.5Hz,2H),6.28(d,J=4Hz,1H),6.98(d,J=7.9Hz,1H),7.04(d,J=4.5Hz,1H),7.33(dd,J=8.9,2.0Hz,1H),7.37(d,J=2.2Hz,1H),10.41(s,1H),MS(APCI(−))m/z336(M−H)-
【実施例12】
【0108】
5−(1,4,4−トリメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
tert−ブチル2−シアノ−5−(1,4,4−トリメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート
DMF(無水、25mL)中の2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒド
ロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−5−シアノ−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.5g、1.4ミリモル、1当量)の溶液に、NaH(油中の60%分散液、65mg、1.6ミリモル、1.2当量)を0℃で加えた。15分後、ヨウ化メチル(0.25mL、4.1ミリモル、3当量)を加えそして反応を一夜室温に加温させた。反応混合物を水(50mL)中に注ぎそして酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を一緒にし、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過しそして真空中で濃縮して、生成物(0.5g、94%)がオフホワイトの固体として得られた。融点143〜145℃。1H NMR(300MHz,d6−DMSO)δ1.38(s,9H),1.62(s,6H),3.33(s,3H),6.48(d,1H,J=3.8Hz),7.13−7.16(‘dd’,1H),7.33(d,1H,J=3.8Hz),7.40−7.43(m,2H).MS(ESI(+))[M+H]+=382.分析C212334;計算値C,66.13;H,6.08;N,11.02.実測値:C,65.46;H,6.16;N,11.02。
【0109】
tert−ブチル2−シアノ−5−(1,4,4−トリメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾキサジン−6−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート(180mg、0.47ミリモル)をゴム隔膜で栓をされそして窒素入り口及びガス流出を許容するための針を備えた25mLの丸底フラスコに入れた。フラスコが油浴に入れられそして150℃に加熱されるにつれて窒素の激しい流れを維持した。この温度で20分後、フラスコを油浴から取り出しそして冷却させた。固体にアセトン/ジクロロメタンを加えた。固体を濾過して生成物(100mg、76%)がオフホワイトの固体として得られた。融点256〜7℃(分解)。1H NMR(300MHz,d6−DMSO)δ1.65(s,6H),3.33(s,3H),6.74(dd,1H,J=2.6,3.6Hz),7.00(dd,1H,J=2.2,3.8Hz),7.15(d,1H,J=8.5Hz),7.67(d,1H,J=1.9Hz),7.73(dd,1H,J=1.9,8.5Hz),12.62(s,1H).MS(ESI(+))[M+H]+=282.分析C161532;計算値 C,68.31;H,5.37;N,14.94.実測値:C,67.87;H,5.42,N,14.75。
【実施例13】
【0110】
4−ブロモ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
−78℃のTHF(150mL)中のtert−ブチル6−(5−シアノ−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−4,4−ジメチル−2−オキソ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−1(4H)−カルボキシレート(1当量、1.94g、5.10ミリモル)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(1.1当量、1.0g、5.6ミリモル)を加えた。溶液を加温させそして16時間撹拌した。ピリジン(1mL)を加えそして混合物を水(150mL)中に注ぎ。層を分離させ、水性層を酢酸エチル(3×10mL)で抽出しそして一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥しそして真空中で濃縮した。生成物、tert−ブチル6−(3−ブロモ−5−シアノ−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−4,4−ジメチル−2−オキソ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−1(4H)−カルボキシレートが20%酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化により白色結晶固体として得られた。1H NMR(300MHz,d6−DMSO)δ1.56(s,9H),1.71(s,6H),3.65(s,3H),7.30(s,1H),7.44(d,1H,J=8.4Hz),7.52(d,1H,J=8.4Hz),7.55(s,1H).M/z(ESI(+))461(M+H)-.分析C212234:計算値C,54.8,H,4.82,N,9.13.実測値:C,54.9,H,4.86,N,9.1。
【0111】
THF中のtert−ブチル6−(3−ブロモ−5−シアノ−1−メチル−1H−ピロ
ール−2−イル)−4,4−ジメチル−2−オキソ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−1(4H)−カルボキシレート(1当量、0.4g、0.87ミリモル)の溶液を、エタノール(10mL)中のナトリウムエトキシド(3当量、0.18g、2.6ミリモル)の溶液を加えた。溶液を80℃で1時間加熱し、次いで室温に冷却しそして真空中で濃縮した。残留物をTHF(10mL)に溶解しそして4N HCl(10mL)を加えた。60℃に16時間加熱した後、溶液を冷却し、水に注ぎそして層を分離した。水性層を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、そして一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥しそして真空中で濃縮した。生成物、4−ブロモ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.17g、54%)が20%酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化により得られた。1H NMR(300MHz,d6−DMSO)δ1.64(s,6H),3.62(s,3H),7.02(d,1H,J=8.2Hz),7.34(s,1H),7.35(dd,1H,J=1.3,8.2Hz),7.40(s,1H),10.47(s,1H).MS(ESI(−))m/z358/360(M−H)-.分析C161432Br:計算値C,53.4,H,3.92,N,11.7.実測値:C,52.6,H,3.82,N,11.2。
【実施例14】
【0112】
5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1,4−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
HMPA(3mL)中の4−ブロモ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(70mg、0.2ミリモル)、PhCNPdCl(PPh32(触媒、7mg)及びテトラメチル錫(10当量、0.35g、2ミリモル)を110℃に5日間加熱した。溶液を冷却させ、水(20mL)中に注ぎそして酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥しそして30%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1,4−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(36mg、63%)が白色固体として得られた。1H NMR(300MHz,d6−DMSO)δ1.64(s,6H),1.97(s,3H),3.56(s,3H),6.87(s,1H),7.00(d,2H,J=8.1Hz),7.28(dd,1H,J=8.1,1.6Hz),7.32(s,1H),10.40(s,1H).MS(ESI(−))294(M−H)-.分析C171732:計算値C,69.1,H,5.8,N,14.2.実測値:C,69.1,H,5.72,N,14.0。
【実施例15】
【0113】
tert−ブチル5−シアノ−2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−3−ニトロ−1H−ピロール−1−カルボキシレート
無水酢酸(50mL)中の2−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−5−シアノ−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.0g、8.2ミリモル、1当量)の溶液に、Cu(NO32・2.5H2O(1.04g、4.5ミリモル、0.55当量)を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した後、それを飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)中に注ぎそして酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層を一緒にし、水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過しそして真空中で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、生成物が黄色固体(0.54g、16%)として得られた。1H NMR(500MHz,d6−DMSO)δ1.25(s,9H),
1.60(s,6H),6.97(d,1H,J=8.2Hz),7.38(dd,1H,J=1.8,8.2Hz),7.49(d,1H,J=1.8Hz),8.09(s,1H),10.47(s,1H).MS(ESI(−))[M−H]-=411.分析C202046:計算値C,58.25;H,4.89;N,13.59.実測値:C,58.72;H,5.14,N,13.39。
【実施例16】
【0114】
4−アミノ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
エタノール/水(5:1、20mL)中の4−ニトロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.4g、1.28ミリモル)の溶液を亜鉛粉末(2.5重量、1.0g)及び塩化アンモニウム(5重量、2.0g)で順次に処理した。懸濁液を80℃で30分間加熱し、室温に冷却し、水(30mL)中に注ぎそして酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、そして酢酸エチルで溶離するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して4−アミノ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.29g、80%)が黄色固体として得られた。1H NMR(500MHz,d6−DMSO)δ1.63(s,6H),4.29(s,2H),6.39(s,1H),6.89(d,1H,J=8.1Hz),7.49(s,1H),7.52(dd,1H,J=8.1及び2.3Hz),10.25(s,1H),11.76(s,1H).MS(ESI(−))m/z281(M−H)-.分析C151442:計算値C,63.8,H,5.00,N,19.9.実測値:C,63.7,H,5.10,N,19.82。
【実施例17】
【0115】
5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−3−ニトロ−1H−ピロール−2−カルボニトリル
無水酢酸(7.3mL)中の4,4−ジメチル−6−(5−シアノ−1H−ピロール−2−イル)−1,4−ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−オン(0.3g、1.2ミリモル、1当量)に、Cu(NO32・2.5H2O(0.15g、0.65ミリモル、0.55当量)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、それを飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)中に注ぎそして酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を一緒にし、水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過しそして真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン/アセトンから結晶化させて生成物が黄色の固体(48mg、13%)として得られた。ろ液(0.3g)は取っておいた。1H NMR(300MHz,d6−DMSO)δ1.65(s,6H),6.94(d,1H,J=8.3Hz),7.51(s,1H),7.73(d,1H,J=8.3Hz),7.78(s,1H),10.46(s,1H),13.84(s,1H).MS(ESI(−))[M−H]- m/z311.分析C151244:計算値C,57.69;H,3.87;N,17.94.実測値:C,57.91;H,3.96,N,17.41。
【実施例18】
【0116】
3−アミノ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
EtOH/H2O(5:1、20mL:4mL)中の5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−3−ニトロ−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.14g、0.45ミリモル)に、亜鉛粉末(0.35g、5.3ミリモル)及びNH4Cl(0.70g、13ミリモル)を加え、そ
して混合物を60℃に25分間加熱した。室温に冷却しそして24時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈しそしてセライトのパッドを通してろ過した。ろ液を水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過しそして真空中で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、生成物が橙色の発泡体(30mg、24%)として得られた。1H NMR(500MHz,d6−DMSO)δ1.63(s,6H),5.01(s,2H),5.95(d,1H,J=2.9Hz),6.87(d,1H,J=8.3Hz),7.48(dd,1H,J=2.0,8.3Hz),7.54(d,1H,J=2.0Hz),10.30(s,1H),11.17(d,1H,J=2.5Hz).MS(ESI)[M−H]-m/z281。
【実施例19】
【0117】
5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1,3,4−トリメチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
−78℃のTHF(5mL)中の5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾキサジン−6−イル)−1,4−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(1当量、0.15g、0.51ミリモル)の溶液にN−ブロモスクシンイミド(1.1当量、0.1g、0.56ミリモル)を加えた。溶液を加温させそして16時間撹拌した。ピリジン(1mL)を加えそして混合物を水(15mL)に注ぎ、層を分離し、水性層を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、そして一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥しそして真空中で濃縮した。生成物、5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−3−ブロモ−1,4−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルが20%酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化により白色結晶固体として得られた。1H NMR(300MHz,d6−DMSO)δ1.64(s,6H),1.93(s,3H),3.57(s,3H),7.01(d,1H,J=8Hz),7.31(dd,1H,J=1.95,8Hz),7.35(s,1H),10.43(s,1H).MS m/z(ESI(−))372/374(M−H)-.分析C171632:計算値C,54.6,H,4.31,N,11.2.実測値:C,54.8,H,4.42,N,11.1。
【0118】
HMPA(3mL)中の5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−3−ブロモ−1,4−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.11g、0.29ミリモル)、PhCNPdCl(PPh32(触媒、11mg)及びテトラメチル錫(10当量、0.53g、2.9ミリモル)の溶液を110℃に5日間加熱した。溶液を冷却させ、水(20mL)中に注ぎそして酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥しそして30%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1,3,4−トリメチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(77mg、85%)が白色固体として得られた。1H NMR(300MHz,d6−DMSO)δ1.63(s,6H),1.87(s,3H),2.49(s,3H),3.50(s,3H),6.99(d,1H,J=8.2Hz),7.25(dd,1H,J=8.2,1.4Hz),7.29(s,1H),10.39(s,1H).MS(ESI(−))308(M−H)-.分析C181934:計算値C,69.9,H,6.19,N,13.6.実測値:C,68.8,H,6.22,N,12.9。
【実施例20】
【0119】
4−ブロモ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
THF(無水、60mL)中の4,4−ジメチル−6−(5−シアノ−1H−ピロール−2−イル)−1,4−ジヒドロベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−オン(0.625g、2.3ミリモル、1当量)に、−78℃でNBS(0.46g、2.5ミリモル、1.1当量)を加えた。1時間後、反応を室温に加温し、水(100mL)に注ぎそして酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層を一緒にし、水性10%亜硫酸ナトリウム溶液(50mL)、水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過しそして真空中で濃縮した。20%酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化により生成物(40mg、5%)が白色固体として得られた。ろ液(0.5g)は取っておいた。1H NMR(300MHz,d6−DMSO)δ1.64(s,6H),6.98(d,1H,J=8.2Hz),7.19(d,1H,J=1.4Hz),7.57(s,1H),7.62(dd,1H,J=1.4,8.3Hz),10.43(s,1H),12.91(s,1H).MS(ESI)[M−H]-m/z 344/346.分析C1512BrN32:計算値C,52.04;H,3.49;N,12.14.実測値:C,51.4;H,3.57,N,11.59。
【0120】
本明細書で列挙されたすべての刊行物は参照により本明細書に加入される。本発明を特に好ましい態様に関して説明してきたが、本発明の精神から逸脱することなく多くの変更がなされうることは認められるであろう。本願発明の主たる特徴及び態様はつぎのとおりである。
【0121】
態様1:構造式I
【化28】

式中、
TはO、Sであるか又は存在せず、
1及びR2は各々独立に水素、アルキル、置換されたアルキルであり、又は
1及びR2は一緒になって環を形成しそして一緒になって
−CH2(CH2nCH2−、−CH2CH2CMe2CH2CH2−、
−O(CH2pCH2−、−O(CH2qO−、−CH2CH2OCH2CH2−、
又は−CH2CH2NR7CH2CH2−を含有し、
nは1〜5の整数であり、
pは1〜4の整数であり、
qは1〜4の整数であり
3は水素、OH、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル又はCORAであり、
Aは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
4は水素、ハロゲン、CN、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
5は水素、アルキル又は置換されたアルキルであり、
6は水素、アルキル、置換されたアルキル又はCORBであり、
Bは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
7は水素又はアルキルである、
で表される化合物又はその製薬学的に許容できる塩。
【0122】
態様2:TがOであるか又は存在せず、
1及びR2が各々独立に水素、アルキル、置換されたアルキルであり、又は
1及びR2が一緒になって環を形成しそして一緒になって−CH2(CH2nCH2−を含有し、
nが1〜5の整数であり、
3が水素であり、
4が水素又はハロゲンであり、
5が水素又はアルキルであり、
6が水素又はアルキルである、
態様1に記載の化合物又はその製薬学的に許容できる塩。
【0123】
態様3:5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル。
【0124】
態様4:5−(2'−オキソ−2',3'−ジヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル−2−シアノピロール。
【0125】
態様5:5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−2−シアノピロール。
【0126】
態様6:5−(2'−オキソ−2',3'−ジヒドロスピロ[シクロペンタン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル−2−シアノピロール。
【0127】
態様7:プロゲステロン的に有効量の、構造式I
【化29】

式中、
TはO、Sであるか又は存在せず、
1及びR2は各々独立に水素、アルキル、置換されたアルキルであり、又は
1及びR2は一緒になって環を形成しそして一緒になって
−CH2(CH2nCH2−、−CH2CH2CMe2CH2CH2−、
−O(CH2pCH2−、−O(CH2qO−、−CH2CH2OCH2CH2−、
又は−CH2CH2NR7CH2CH2−を含有し、
nは1〜5の整数であり、
pは1〜4の整数であり、
qは1〜4の整数であり
3は水素、OH、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル又はCORAであり、
Aは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
4は水素、ハロゲン、CN、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
5は水素、アルキル又は置換されたアルキルであり、
6は水素、アルキル、置換されたアルキル又はCORBであり、
Bは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
7は水素又はアルキルである、
で表される化合物又はその製薬学的に許容できる塩を有効成分とするプロゲステロン治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる該動物にプロゲステロン治療を与える方法。
【0128】
態様8:構造式I
【化30】

式中、
TはO、Sであるか又は存在せず、
1及びR2は各々独立に水素、アルキル、置換されたアルキルであり、又は
1及びR2は一緒になって環を形成しそして一緒になって
−CH2(CH2nCH2−、−CH2CH2CMe2CH2CH2−、
−O(CH2pCH2−、−O(CH2qO−、−CH2CH2OCH2CH2−、
又は−CH2CH2NR7CH2CH2−を含有し、
nは1〜5の整数であり、
pは1〜4の整数であり、
qは1〜4の整数であり
3は水素、OH、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル又はCORAであり、
Aは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
4は水素、ハロゲン、CN、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
5は水素、アルキル又は置換されたアルキルであり、
6は水素、アルキル、置換されたアルキル又はCORBであり、
Bは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
7は水素又はアルキルである、
で表される化合物又はその製薬学的に許容できる塩を哺乳動物に投与することを含んでなる乳癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜癌又は前立腺癌を処置又は抑制する方法。
【0129】
態様9:構造式I
【化31】

式中、
TはO、Sであるか又は存在せず、
1及びR2は各々独立に水素、アルキル、置換されたアルキルであり、又は
1及びR2は一緒になって環を形成しそして一緒になって
−CH2(CH2nCH2−、−CH2CH2CMe2CH2CH2−、
−O(CH2pCH2−、−O(CH2qO−、−CH2CH2OCH2CH2−、
又は−CH2CH2NR7CH2CH2−を含有し、
nは1〜5の整数であり、
pは1〜4の整数であり、
qは1〜4の整数であり
3は水素、OH、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル又はCORAであり、
Aは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
4は水素、ハロゲン、CN、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
5は水素、アルキル又は置換されたアルキルであり、
6は水素、アルキル、置換されたアルキル又はCORBであり、
Bは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
7は水素又はアルキルである、
を有する式1の化合物又はその製薬学的に許容できる塩の有効量を避妊を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる該動物に避妊させる方法。
【0130】
態様10:構造式I
【化32】

式中、
TはO、Sであるか又は存在せず、
1及びR2は各々独立に水素、アルキル、置換されたアルキルであり、又は
1及びR2は一緒になって環を形成しそして一緒になって
−CH2(CH2nCH2−、−CH2CH2CMe2CH2CH2−、
−O(CH2pCH2−、−O(CH2qO−、−CH2CH2OCH2CH2−、
又は−CH2CH2NR7CH2CH2−を含有し、
nは1〜5の整数であり、
pは1〜4の整数であり、
qは1〜4の整数であり
3は水素、OH、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル又はCORAであり、
Aは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
4は水素、ハロゲン、CN、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
5は水素、アルキル又は置換されたアルキルであり、
6は水素、アルキル、置換されたアルキル又はCORBであり、
Bは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
7は水素又はアルキルである、
で表される化合物又はその製薬学的に許容できる塩を含んでなる製薬学的組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I
【化1】

式中、
TはO、Sであるか又は存在せず、
1及びR2は各々独立に水素、アルキル、置換されたアルキルであり、又は
1及びR2は一緒になって環を形成しそして一緒になって
−CH2(CH2nCH2−、−CH2CH2CMe2CH2CH2−、
−O(CH2pCH2−、−O(CH2qO−、−CH2CH2OCH2CH2−、
又は−CH2CH2NR7CH2CH2−を含有し、
nは1〜5の整数であり、
pは1〜4の整数であり、
qは1〜4の整数であり
3は水素、OH、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル又はCORAであり、
Aは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
4は水素、ハロゲン、CN、NH2、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
5は水素、アルキル又は置換されたアルキルであり、
6は水素、アルキル、置換されたアルキル又はCORBであり、
Bは水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アミノアルキル又は置換されたアミノアルキルであり、
7は水素又はアルキルである、
を有する式1の化合物又はその製薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
TがOであるか又は存在せず、
1及びR2が各々独立に水素、アルキル、置換されたアルキルであり、又は
1及びR2が一緒になって環を形成しそして一緒になって−CH2(CH2nCH2−を含有し、
nが1〜5の整数であり、
3が水素であり、
4が水素又はハロゲンであり、
5が水素又はアルキルであり、
6が水素又はアルキルである、
請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容できる塩。
【請求項3】
5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル、
5−(2'−オキソ−2',3'−ジヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル−2−シアノピロール、
5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−2−シアノピロール及び
5−(2'−オキソ−2',3'−ジヒドロスピロ[シクロペンタン−1,3'−[3H]インドール]−5'−イル−2−シアノピロール
よりなる群から選ばれる請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容できる塩。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載された化合物のプロゲステロン的に有効量をプロゲステロン治療を、必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる該動物にプロゲステロン治療を与える方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載された化合物のを、哺乳動物に投与することを含んでなる乳癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜癌又は前立腺癌を処置又は抑制する方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載された化合物を、避妊を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる該動物に避妊させる方法。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかに記載された化合物及び製薬学的に許容される担体を含む製薬学的組成物。

【公開番号】特開2011−236225(P2011−236225A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140568(P2011−140568)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【分割の表示】特願2000−615611(P2000−615611)の分割
【原出願日】平成12年5月1日(2000.5.1)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】