説明

プロジェクタ

【課題】
投影画像上に線状のムラが生じない透過型の光変調装置を用いたプロジェクタを提供すること。
【解決手段】
光合成による合成光の形成を2段階とすることで、光合成面12bと光合成面13bとの交差箇所である中心軸Pが合成光PLの光路上の領域外にあるようにし、光合成面どうしが交わる箇所を合成時に通過することによって生じ得る投影画像上の線状のムラを回避する。また、光路変更部材を用いて光路の方向を変えていること等により、光透過型の光変調装置である液晶ライトバルブを用いることで、彩度が高く、暗いところでの表示にも好適となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型の光変調装置によって各色光を変調し、光合成によって投射光を形成するプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
透過型の光変調装置を用いた液晶プロジェクタにおいて、カラー画像を形成するために各色光の合成がしばしば行われるが、その際、例えば、所定波長を反射させるダイクロイック膜を交差させて内蔵するダイクロイックプリズム等を用いることにより、各色光を合成させる方法が一般的に知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、色分割と光合成とを一括して行うプリズムを用いて、反射型の光変調装置である反射型ライトバルブによって各色光の変調を行うプロジェクタが知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平1−302387号公報
【特許文献2】特開2004−12968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前者の液晶プロジェクタでは、ダイクロイック膜等を交差させた部分において、異なる色合成面が交わることになるため、当該膜が抜けた状態になっており、投影画像上に線状のムラが生じてしまうという問題がある。また、後者のプロジェクタは、光変調装置に入射させる光(照明用の光)と、光変調装置から射出される光(投射画像の形成に用いられる光)の偏光を、同じ偏光分離スプリッタで選択しなければならないこと等により、光透過型の光変調装置を用いたプロジェクタに比べて、彩度が低く、暗い場所では表示し難くなるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明では、色分割と光合成の双方を行う光分割合成光学系を用い、投影画像上に線状のムラが生じない、透過型で明るい光変調装置を用いたプロジェクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るプロジェクタは、照明光を射出する照明光学系と、照明光から得た3色の分割光によってそれぞれ照明されて、透過光として各色の像光をそれぞれ形成する各色用の光変調装置と、照明光を2段階で色分割することにより3色の分割光を形成する2つの光分割面と、各色用の光変調装置からの各色の像光を2段階で合成することにより合成光を形成する有効領域をそれぞれ含む2つの光合成面とを有する光分割合成光学系と、光分割合成光学系により形成された3色の分割光を各色用の光変調装置へ導くとともに、各色用の光変調装置からの各色の像光を光分割合成光学系に導く光路変更部材と、合成光を投射光として投射する投射光学系とを備え、2つの光合成面は、前記合成光を形成する有効領域外で互いに交わり、3色の分割光のうち、少なくとも1色の分割光の光路と、対応する色の像光の光路とが、光分割合成光学系中において一部重なっていることを特徴とする。
【0007】
上記光分割合成光学系では、線状のムラが形成される原因となる2つの光合成面の交わる箇所が両光合成面の有効領域から外れている。従って、従来発生していた線状のムラが投影画像上に発生しない。また、3色の分割光のうち、少なくとも1色の分割光の光路と、対応する色の像光の光路とが、光分割合成光学系中において一部重なっているので、光路がプロジェクタ内に占める領域を狭くして省スペース化を図ることができる。また、本発明では、透過型の光変調装置を用いているので、反射型の光変調装置を用いたタイプのプロジェクタに比べ、彩度が高く、暗い室内で見やすい。
【0008】
また、本発明の具体的な態様として、光分割合成光学系が、2つの光分割面及び2つの光合成面を形成する複合ダイクロイック膜を組み込んだプリズムにより形成される。この場合、プリズムの形状により光路の設計が比較的容易に可能となるとともに、当該ダイクロイック膜を所望の角度に安定して設置することが可能となる。
【0009】
また、本発明の具体的な態様として、プリズムが、正多角柱の少なくとも一部を含む形状であり、各色用の光変調装置が、それぞれ正多角柱の第1乃至第3側面に対向して配置され、複合ダイクロイック膜が、第1色反射用の第1反射特性面と第2色反射用の第2反射特性面とを正多角柱の中心軸で正多角柱の形状に応じた角度で交差させて形成することによって得られ、第1反射特性面のうち中心軸を挟んだ一方の部分と第2反射特性面のうち中心軸を挟んだ一方の部分とが、中心軸で交わる2つの光分割面であるとともに、第1反射特性面のうち中心軸を挟んだ他方の部分と第2反射特性面のうち中心軸を挟んだ他方の部分とが、中心軸で交わる前記2つの光合成面である。この場合、正多角柱の底面を形成する正多角形の形状に応じて光変調装置等の設置箇所を定めるとともに、当該ダイクロイック膜を形成させる。また、この際、正多角柱の中心軸及び側面が各色光の光路を定める基準となる。さらに、この場合、2種類の反射特性面を同一平面上に形成させるのでプリズムの作製が比較的容易となる。
【0010】
また、本発明の具体的な態様として、照明光の入射面と合成光の射出面とが、正多角柱の第4側面にある。この場合、照明光の入射面と合成光の射出面とが同一平面上にくる。
【0011】
また、本発明の具体的な態様として、正多角柱が、正六角柱及び直方体のいずれかである。この場合、光分割合成光学系を、比較的小型のものとすることができる。また、特に、底面が正方形である直方体を用いた場合、プリズムの作製が容易となる。
【0012】
また、本発明の具体的な態様として、プリズムが、正六角柱の少なくとも一部を含む形状であり、各色用の光変調装置が、それぞれ正六角柱の第1乃至第3側面に対向して配置され、照明光の入射面と合成光の射出面とは、正六角柱の第4及び第5側面にそれぞれあり、複合ダイクロイック膜が、第1色反射用の第1反射特性面と第2色及び第3色反射用の部分を有する第2反射特性面と第1色反射用の第3反射特性面とを形成することによって得られ、第1反射特性面と第3色反射用の部分とが、2つの光分割面であり、第3反射特性面と第2色反射用の部分とが、2つの光合成面である。この場合、照明光の入射面と合成光の射出面とが異なる平面上にあるので、照明光学系と投射光学系とが隣接しない。
【0013】
また、本発明の具体的な態様として、光分割合成光学系上に設けた2つの光分割面及び2つの光合成面が、2種類のダイクロイックミラーを組み合わせることにより形成されたものである。この場合、2種類のダイクロイックミラーにより、上記プリズムと同様に2つの光分割面及び2つの光合成面が形成され、2種類のダイクロイックミラーの交差角度等の設定により、光路の設計及び各部の設置箇所等が定まる。
【0014】
また、本発明の具体的な態様として、2種類のダイクロイックミラーが、第1色反射用の第1反射特性面と第2色反射用の第2反射特性面とを形成し、第1反射特性面と第2反射特性面とが、所定角度で交差し、第1反射特性面のうち交線を挟んだ一方の部分と第2反射特性面のうち交線を挟んだ一方の部分とが、2つの光分割面となるとともに、第1反射特性面のうち交線を挟んだ他方の部分と第2反射特性面のうち交線を挟んだ他方の部分とが、2つの光合成面となり、所定角度に応じて各色用の光変調装置がそれぞれ配置される。この場合、2種類の反射特性面をそれぞれ同一平面上に形成させるので、2種類のダイクロイックミラーを利用した比較的単純な構造となる。
【0015】
また、本発明の具体的な態様として、光路変更部材が、光分割合成光学系と各色用の光変調装置とに対する配置関係によって3色の分割光間の光路長差の調整を行う。この場合、光路変更部材により適宜必要に応じて各色光の光路長を調整することができるので各色間の光路差を補正できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係るプロジェクタの構造の一態様を説明するための平面図である。本実施形態に係るプロジェクタ100は、照明光学系10と、各色用の光変調装置である透過型の液晶ライトバルブ40b、40g、40rと、光分割合成光学系30と、光路変更部材である反射ミラー系17、18、19及びフィールドレンズ20、21、22と、投射光学系である投射レンズ50とを備える。
【0017】
照明光SLを形成する照明光学系10は、光源光WLを発生する光源装置1と、光量を光束断面内で均一化するレンズアレイ2、3及び重畳レンズ5と、光源光WLを1種類の直線偏光光に偏光変換して射出する偏光ビームスプリッタ4とを備える。
【0018】
光分割合成光学系30は、光分割及び光合成を行う正六角柱形状のプリズム11であり、青色光波長領域に対する反射特性面を形成するダイクロイック膜12と、赤色光波長領域に対する反射特性面を形成するダイクロイック膜13とを備える。また、光分割合成光学系30は、プリズムを構成する四側面の一部として、青色光BLを射出する青色光射出面14と、緑色光GLを射出する緑色光射出面15と、赤色光RLを射出する赤色光射出面16と、青色光BLが入射する青色光入射面24と、緑色光GLが入射する緑色光入射面25と、赤色光RLが入射する赤色光入射面26と、照明光SLが入射する入射面IFと、投射光となる合成光PLを射出する射出面OFとを備える。ここで、ダイクロイック膜12は、光分割面12aと、光合成面12bとに2分割され、ダイクロイック膜13は、光分割面13aと、光合成面13bとに2分割される。これらのうち、光分割面12a、13aは、入射する照明光を波長領域に応じて分割し、光合成面12b、13bは、各色の像光を合成することによって、合成光PLを形成する。
【0019】
以上のプリズム11において、青色光射出面14及び青色光入射面24は、正六角柱形状のプリズム11の隣接する第1〜第3側面のうち第1側面に形成されており、緑色光射出面15及び緑色光入射面25は、プリズム11の第2側面に形成されており、赤色光射出面16及び赤色光入射面26は、プリズム11の第3側面に形成されている。各色光射出面14、15、16と、各色光入射面24、25、26とは、それぞれ第1乃至第3側面をプリズム11の中心軸Pに平行な方向に切断することにより二等分された領域に形成されている。また、緑色光射出面15と緑色光入射面25とが形成されているプリズム11の第2側面の対面は、プリズム11の第4側面となっており、この第4側面には、同様に二等分された領域として入射面IFと射出面OFとが形成されている。ダイクロイック膜12は、第4側面の入射面IF側の側辺と、第1及び第2側面の交線とを対辺とする面に形成され、ダイクロイック膜13は、第4側面の射出面OF側の側辺と、第2及び第3側面の交線とを対辺とする面に形成される。ダイクロイック膜12とダイクロイック膜13との交わる箇所はプリズム11の中心軸Pを含み、中心軸Pを分岐箇所の基準としてダイクロイック膜12、13は、それぞれ入射面IF側にある光分割面12a、13aと、射出面OF側にある光合成面12b、13bとに分けられる。
【0020】
プリズム11の周囲に配置された3つの反射ミラー系17、18、19は、それぞれ2つのミラーを90°で組み合わせたものである。各反射ミラー系17、18、19は、プリズム11の第1側面に設けた青色光射出面14、第2側面に設けた緑色光射出面15、第3側面に設けた赤色光射出面16から射出された分割光である青色光BL、緑色光GL、赤色光RLの光路方向を反転させつつ平行移動させることでそれぞれを液晶ライトバルブ40b、40g、40rに導く。反射ミラー系17、18、19の射出側に設けた各フィールドレンズ20、21、22は、反射ミラー系17、18、19によって光路変更された各分割光の各液晶ライトバルブ40b、40g、40rへの入射角度を調整する。
【0021】
液晶ライトバルブ40b、40g、40rは、偏光子41b、41g、41rと、液晶パネル42b、42g、42rと、検光子43b、43g、43rとを備える。偏光子41b、41g、41rは、光路上液晶パネル42b、42g、42rの前段に位置し、各液晶パネル42b、42g、42rへの入射光の偏光方向をより狭い範囲に限定して偏光度を高めるための偏光板である。各液晶パネル42b、42g、42rは、透過型の光変調素子であり、各色の分割光を透過させる際に、入力画像信号に応じて透過光の偏光方向に変化を与えることにより変調光を形成する。検光子43b、43g、43rは、各液晶パネル42b、42g、42rを射出した変調光から特定方向の偏光成分を選択するための偏光板である。
【0022】
液晶ライトバルブ40b、40g、40rは、それぞれプリズム11の第1乃至第3側面に略平行に対向しており、検光子43b、43g、43rから射出される各色の像光は、第1乃至第3側面の各色光入射面24、25、26に入射する。
【0023】
投射レンズ50は、光分割合成光学系30により形成された合成光PLを投射光としてスクリーン(不図示)へ適当な拡大率で投射する。
【0024】
以下、本実施形態における合成光PLの形成過程について説明する。光源装置1から発生した光源光WLは、レンズアレイ2、3及び重畳レンズ5を透過することにより、照明光SLの光束断面内での光量の均一化が図られる、この際、偏光ビームスプリッタ4の入射領域(不図示)へ照明光SLを入射させるために集光が行われ、偏光ビームスプリッタ4により照明光SLの偏光方向が揃えられる。
【0025】
重畳レンズ5を透過した照明光SLは、プリズム11の第4側面に形成されている入射面IFよりプリズム11内に略垂直に入射する。入射した照明光SLは、青色光波長領域に対する反射特性を有する光分割面12aにおいて、反射される青色光BLと、透過する黄色光YLとに分割され、それぞれ分割光となる。さらに、黄色光YLは、赤色光波長領域に対する反射特性を有する光分割面13aにおいて、反射される赤色光RLと、透過する緑色光GLとに分割され、それぞれ分割光となる。以上のように照明光SLは、2段階で三原色に色分割される。
【0026】
光分割面12aで反射された青色光BLは、光合成面13bを透過し、青色光射出面14より射出される。射出された青色光BLは、反射ミラー系17により光路方向が変更され、フィールドレンズ20により入射角度が調整され、偏光子41bを介して液晶パネル42bに導かれ、透過型の液晶パネル42bを照明する。青色光BLによって照明された液晶パネル42bによって変調光が形成され、形成された変調光に対応する像光は、検光子43bを介して青色光入射面24へ入射する。
【0027】
光分割面12aを透過した後に光分割面13aを透過した緑色光GLは、緑色光射出面15より射出される。射出された緑色光GLは、反射ミラー系18により光路方向が変更され、フィールドレンズ21により入射角度が調整され、偏光子41gを介して液晶パネル42gに導かれ、透過型の液晶パネル42gを照明する。緑色光GLによって照明された液晶パネル42gによって変調光が形成され、形成された変調光に対応する像光は、検光子43gを介して緑色光入射面25へ入射する。
【0028】
光分割面13aで反射された赤色光RLは、赤色光射出面16より射出される。射出された赤色光RLは、反射ミラー系19により光路方向が変更され、フィールドレンズ22により入射角度が調整され、偏光子41rを介して液晶パネル42rに導かれ、透過型の液晶パネル42rを照明する。赤色光RLによって照明された液晶パネル42rによって変調光が形成され、形成された変調光に対応する像光は、検光子43rを介して赤色光入射面26へ入射する。
【0029】
尚、ここで各分割光間において光路差の微調整が必要な場合は、反射ミラー系17、18、19と液晶ライトバルブ40b、40g、40r間の距離を適宜調整することで補正が可能である。
【0030】
青色光入射面24より像光として入射した青色光BLは、青色光波長領域に対する反射特性により、光合成面12bにおいて反射される一方、緑色光入射面25より像光として入射した緑色光GLは、光合成面12bを透過する。これにより、シアン光CLが合成光として形成される。さらに、赤色光入射面26より像光として入射し光分割面12aを透過した赤色光RLは、赤色光波長領域に対する反射特性により、光合成面13bにおいて反射される一方、シアン光CLは光合成面13bを透過する。これにより、三原色を合わせた合成光PLが形成され、射出面OFより投射レンズ50へ射出される。合成光PLは、投射レンズ50によって投射光としてスクリーン等に投影され、当該スクリーン上に所望の拡大率のカラー合成画像が表示される。
【0031】
本実施形態における光合成による合成光の形成は、2段階となっている。これにより、光合成面12bと光合成面13bとの交差箇所である中心軸Pが、合成光PLの光路上の領域外にある。つまり、両光合成面12b、13bは、合成光を形成する有効領域EA外で互いに交わる。従って、クロスダイクロイックプリズムを用いる場合等に光合成面同士が交わる箇所を像光が通過することによって生じ得る投影画像上の線状のムラを回避できる。また、本実施形態では、反射ミラー17、18、19を用いて光路の方向を変えていること等により、光透過型の液晶ライトバルブ40b、40g、40rを用いることができ、彩度が高く、暗いところでの表示にも好適なプロジェクタ100を提供することができる。
【0032】
また、特に、本実施形態では、光分割面12aと、光合成面12bとはともに同じ青色光波長領域反射特性を有するダイクロイック膜12として、また同様に、光分割面13aと、光合成面13bとはともに同じ赤色光波長領域反射特性を有するダイクロイック膜13として作製すればよいので作製が比較的容易となる。尚、プリズム11の作製は、例えば、6つの同一形状の正三角柱を組み合わせて接合する際に該当箇所にダイクロイック膜12、13を施すことによって形成される。
【0033】
尚、各ダイクロイック膜12、13を他の波長領域反射特性を示すものに適宜置き換えることによって各色光の分割順序を変更することも可能である。この際、各色光に応じて各液晶ライトバルブの設置所を変更すればよい。また、ダイクロイック膜の反射特性及び設置箇所を変更することにより、本実施形態において未使用であったプリズム11の側面を第1乃至第4側面として利用することも可能である。
【0034】
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、光分割合成光学系30の入射面IFと射出面OFとが同一側面上にあったが、本実施形態では、入射面IFと射出面OFとがプリズムの異なる側面にある場合について説明する。図2は、第2実施形態におけるプロジェクタの構造を説明するための平面図である。本実施形態に係るプロジェクタ200は、照明光学系10と、透過型の液晶ライトバルブ40b、40g、40rと、光分割合成光学系230と、反射ミラー系17、18、19と、フィールドレンズ20、21、22と、投射レンズ50とを備える。ここで、プロジェクタ200のうち、光分割合成光学系230を除いた各構成要素については、その内部構造及び機能が第1実施形態と同様であり、光分割光学系230に対する全体としての配置のみが異なるため、光分割合成光学系230を除く各構成要素の構造等に関する説明を省略する。
【0035】
光分割合成光学系230は、光分割及び光合成を行う六角柱形状のプリズム211であり、青色光波長領域に対する反射特性面を形成するダイクロイック膜よりなる光分割面212a及び光合成面212bと、緑色光波長領域に対する反射特性面を形成するダイクロイック膜よりなる光分割面213aと、赤色光波長領域に対する反射特性面を形成するダイクロイック膜よりなる光分割面213bとを備える。また、光分割合成光学系230は、プリズムを構成する五側面の一部として、青色光BLを射出する青色光射出面214と、緑色光GLを射出する緑色光射出面215と、赤色光RLを射出する赤色光射出面216と、青色光BLが入射する青色光入射面224と、緑色光GLが入射する緑色光入射面225と、赤色光RLが入射する赤色光入射面226と、照明光SLが入射する入射面IFと、投射光となる合成光PLを射出する射出面OFとを備える。尚、第1実施形態同様、光分割面212a、213aは、入射する照明光を波長領域に応じて分割し、光合成面212b、213bは、各色の像光を合成することによって、合成光PLを形成する。
【0036】
ここで、プリズム211は、図中点線によって示された箇所を正六角柱から切り出すことによって形成されている。尚、以下の説明において、元の正六角柱の中心軸を軸P′とする。以上のプリズム211において、青色光射出面214及び青色光入射面224は、プリズム211の切り出されていない隣接する第1〜第3側面のうち第1側面に形成されており、緑色光射出面215及び緑色光入射面225は、プリズム211の第2側面に形成されており、赤色光射出面216及び赤色光入射面226は、プリズム211の第3側面に形成されている。各色光射出面214、215、216と、各色光入射面224、225、226とは、それぞれ第1乃至第3側面を軸P′に平行な方向に切断することにより二等分された領域に形成されている。また、プリズム211の第3側面の対面が、プリズム211の第4側面となっており、この第4側面には、同様に二等分された領域のうち、赤色光射出面216に対峙する箇所に入射面IFが形成されている。また、プリズム211の第2側面の対面が、プリズム211の第5側面となっており、この第5側面は、元の正六角柱の一側面を軸P′に平行な方向に切断することにより二等分された領域の一方を図2の点線部のように切り出した残りの部分である。第5側面のうち、緑色光入射面225に対峙する箇所に、射出面OFが形成されている。光分割面212aは、青色光波長領域に対する反射特性により、入射面IFより垂直に所定幅を持って入射する照明光SLのうちの青色光BLを、青色光射出面214より垂直に射出させる向き・大きさに設計されている。もう一方の光分割面213aは、軸P′と、第2及び第3側面の交線とを対辺とする面に形成される。また、光合成面212bは、軸P′と、第1及び第2側面の交線とを対辺とする面に形成され、光合成面213bは、軸P′と、第4及び第5側面の交線とを対辺とする面に形成される。
【0037】
以下、本実施形態における合成光PLの形成過程について説明する。照明光学系10より射出された照明光SLは、プリズム211の第4側面に形成されている入射面IFよりプリズム211内に略垂直に入射する。入射した照明光SLは、青色光波長領域に対する反射特性を有する光分割面212aにおいて、反射される青色光BLと透過する黄色光YLとに分割され、それぞれ分割光となる。さらに、光合成面212bを透過した黄色光YLは、赤色光波長領域に対する反射特性を有する光分割面213aにおいて、反射される緑色光GLと透過する赤色光RLとに分割され、それぞれ分割光となる。以上のように照明光SLは、2段階で三原色に色分割される。
【0038】
光分割面212aで反射された青色光BLは、青色光射出面214より射出される。射出された青色光BLは、第1実施形態と同様にして、反射ミラー系17及びフィールドレンズ20を経て、透過型の液晶ライトバルブ40bにより変調されて像光となり、この像光は、青色光入射面224へ入射する。
【0039】
光分割面212aを透過した後に光分割面213aで反射された緑色光GLは、緑色光射出面215より射出される。射出された緑色光GLは、第1実施形態と同様にして、反射ミラー系18及びフィールドレンズ21を経て、透過型の液晶ライトバルブ40gにより変調されて像光となり、この像光は、緑色光入射面225へ入射する。
【0040】
光分割面213aを透過した赤色光RLは、赤色光射出面216より射出される。射出された赤色光RLは、第1実施形態と同様にして、反射ミラー系19及びフィールドレンズ22を経て、透過型の液晶ライトバルブ40rにより変調されて像光となり、この像光は、赤色光入射面226へ入射する。
【0041】
尚、ここで各分割光間において光路差の微調整が必要な場合は、反射ミラー系17、18、19と液晶ライトバルブ40b、40g、40r間の距離を適宜調整することで補正が可能である。特に、本態様の構成では、これらの間隔を全て同じにした場合、青色光BLの光路が短くなってしまう。従って、通常、反射ミラー系17と液晶ライトバルブ40bとの距離は他のものより長くする必要がある。
【0042】
青色光入射面224より像光として入射した青色光BLは、青色光波長領域に対する反射特性を有する光合成面212bにおいて反射される一方、緑色光入射面225より像光として入射した緑色光GLは、光合成面212bを透過する。これにより、シアン光CLが合成光として形成される。さらに、赤色光入射面226より像光として入射した赤色光RLは、赤色光波長領域に対する反射特性を有する光合成面213bにおいて反射される一方、シアン光CLは光合成面213bを透過する。これにより、三原色を合わせた合成光PLが形成され、射出面OFより投射レンズ50へ射出される。合成光PLは、投射レンズ50によって投射光としてスクリーン等に投影され、当該スクリーン上に所望の拡大率のカラー合成画像が表示される。
【0043】
本実施形態における光合成による合成光の形成は、2段階となっている。これにより、光合成面212bと光合成面213bとの交差箇所である軸P′が、合成光PLの光路上の領域外にある。つまり、両光合成面212b、213bは、光合成を形成する有効領域外で互いに交わる。従って、クロスダイクロイックプリズムを用いる場合等に光合成面同士が交わる箇所を像光が通過することによって生じ得る投影画像上に線状のムラを回避できる。また、本実施形態では、反射ミラー17、18、19を用いて光路の方向を変えていること等により、光透過型の液晶ライトバルブ40b、40g、40rを用いることができ、彩度が高く、暗いところでの表示にも好適なプロジェクタ200を提供することができる。
【0044】
また、特に本実施形態の場合、照明光SLの入射面IFと合成光PLの射出面OFとが異なる平面上にあるので、照明光学系10と投射光学系50とが隣接しないので、各々の大きさ・配置等の自由度が増す。
【0045】
尚、各ダイクロイック膜である光分割面212a、213a及び光合成面212b、213bを他の波長領域反射特性を示すものに適宜置き換えることによって各色光の分割順序を変更することも可能である。この際、各色光に応じて各液晶ライトバルブの設置所を変更すればよい。また、ダイクロイック膜の反射特性及び設置箇所を変更することにより、本実施形態において未使用であったプリズム211の側面を第1乃至第5側面として利用することも可能である。
【0046】
〔第3実施形態〕
これまでは、光分割合成光学系に用いるプリズムとして、六角柱形状のものを使用したが、本実施形態においては、底面が正方形である直方体形状のプリズムを用いた場合について説明する。図3は、第3実施形態におけるプロジェクタの構造の一態様を説明するための平面図である。本実施形態に係るプロジェクタ300は、照明光学系10と、透過型の液晶ライトバルブ40b、40g、40rと、光分割合成光学系330と、反射ミラー系17、18、19と、フィールドレンズ20、21、22と、投射レンズ50とを備える。ここで、プロジェクタ300のうち、光分割合成光学系330を除いた各構成要素については、その内部構造及び機能が第1実施形態と同様であるため、構造等に関する説明を省略する。
【0047】
光分割合成光学系330は、光分割及び光合成を行う底面を正方形とする直方体のプリズム311であり、青色光波長領域に対する反射特性面を形成するダイクロイック膜312と、赤色光波長領域に対する反射特性面を形成するダイクロイック膜313とを備える。また、光分割合成光学系330は、プリズムを構成する三側面の一部として、青色光BLを射出する青色光射出面314と、緑色光GLを射出する緑色光射出面315と、赤色光RLを射出する赤色光射出面316と、青色光BLが入射する青色光入射面324と、緑色光GLが入射する緑色光入射面325と、赤色光RLが入射する赤色光入射面326と、照明光SLが入射する入射面IFと、投射光となる合成光PLを射出する射出面OFとを備える。ここで、ダイクロイック膜312は、光分割面312aと、光合成面312bとに分割され、ダイクロイック膜313は、光分割面313aと、光合成面313bとに分割される。これらのうち、光分割面312a、313aは、入射する照明光を波長領域に応じて分割し、光合成面312b、313bは、各色の像光を合成することによって、合成光PLを形成する。
【0048】
以上のプリズム311において、青色光射出面314及び青色光入射面324は、プリズム311の4つの側面のうち隣接する第1〜第3側面のうち第1側面に形成されており、緑色光射出面315及び緑色光入射面325は、プリズム311の第2側面に形成されており、赤色光射出面316及び赤色光入射面326は、プリズム311の第3側面に形成されている。各色光射出面314、315、316と、各色光入射面324、325、326とは、それぞれ第1乃至第3側面をプリズム311の中心軸P″に平行な方向に切断することにより二等分された領域に形成されている。また、緑色光射出面315と緑色光入射面325とが形成されているプリズム311の第2側面の対面は、プリズム311の第4側面なっており、この第4側面には、同様に二等分された領域として、入射面IFと射出面OFとが形成されている。ダイクロイック膜312は、第4側面の入射面IF側の側辺と第1及び第2側面の交線とを対辺とする面に形成され、ダイクロイック膜313は、第4側面の射出面OF側の側辺と第2及び第3側面の交線とを対辺とする面に形成される。ダイクロイック膜312とダイクロイック膜313との交わる箇所はプリズム311の中心軸P″を含み、中心軸P″を分岐箇所の基準としてダイクロイック膜312、313は、それぞれ入射面IF側にある光分割面312a、313aと、射出面OF側にある光合成面312b、313bとに分けられる。
【0049】
以下、本実施形態における合成光PLの形成過程について説明する。照明光学系10より射出された照明光SLは、プリズム311の第4側面に形成されている入射面IFよりプリズム311内に略垂直に入射する。入射した照明光SLは、青色光波長領域に対する反射特性を有する光分割面312aにおいて、反射される青色光BLと、透過する黄色光YLとに分割され、それぞれ分割光となる。さらに、黄色光YLは、赤色光波長領域に対する反射特性を有する光分割面313aにおいて、反射される赤色光RLと、透過する緑色光GLとに分割され、それぞれ分割光となる。以上のように照明光SLは、2段階で三原色に色分割される。
【0050】
光分割面312aで反射された青色光BLは、光合成面313bを透過し、青色光射出面314より射出される。射出された青色光BLは、第1実施形態と同様にして、反射ミラー系17及びフィールドレンズ20を経て、透過型の液晶ライトバルブ40bにより変調されて像光となり、この像光は、青色光入射面324へ入射する。
【0051】
光分割面312aを透過した後に光分割面313aを透過した緑色光GLは、緑色光射出面315より射出される。射出された緑色光GLは、第1実施形態と同様にして、反射ミラー系18及びフィールドレンズ21を経て、透過型の液晶ライトバルブ40gにより変調されて像光となり、この像光は、緑色光入射面325へ入射する。
【0052】
光分割面313aで反射された赤色光RLは、赤色光射出面316より射出される。射出された赤色光RLは、第1実施形態と同様にして、反射ミラー系19及びフィールドレンズ22を経て、透過型の液晶ライトバルブ40rにより変調されて像光となり、この像光は、赤色光入射面326へ入射する。
【0053】
尚、ここで各分割光間において光路差の微調整が必要な場合は、反射ミラー系17、18、19と液晶ライトバルブ40b、40g、40r間の距離を適宜調整することで補正が可能である。
【0054】
青色光入射面324より像光として入射した青色光BLは、青色光波長領域に対する反射特性を有する光合成面312bにおいて反射される一方、緑色光入射面325より像光として入射した緑色光GLは、光合成面312bを透過する。これにより、シアン光CLが合成光として形成される。さらに、赤色光入射面326より像光として入射し光分割面312aを透過した赤色光RLは、赤色光波長領域に対する反射特性を有する光合成面313bにおいて、反射される一方、シアン光CLは光合成面313bを透過する。これにより、三原色を合わせた合成光PLが形成され、射出面OFより投射レンズ50へ射出される。合成光PLは、投射レンズ50によって投射光としてスクリーン等に投影され、当該スクリーン上に所望の拡大率のカラー合成画像が表示される。
【0055】
本実施形態における光合成による合成光の形成は、2段階となっている。これにより、光合成面312bと光合成面313bとの交差箇所である中心軸P″が、合成光の光路上の領域外にある。つまり、両光合成面312b、313bは、光合成を形成する有効領域外で互いに交わる。従って、クロスダイクロイックプリズムを用いる場合等に光合成面同士が交わる箇所を像光が通過することによって生じ得る投影画像上に線状のムラを回避できる。また、本実施形態では、反射ミラー17、18、19を用いて光路の方向を変えていること等により、光透過型の液晶ライトバルブ40b、40g、40rを用いることができ、彩度が高く、暗いところでの表示にも好適なプロジェクタ300を提供することができる。
【0056】
また、特に、本実施形態では、光分割面312aと、光合成面312bとはともに同じ青色光波長領域反射特性を有するダイクロイック膜312として、また同様に、光分割面313aと、光合成面313bとはともに同じ赤色光波長領域反射特性を有するダイクロイック膜313として作製すればよいので作製が比較的容易となる。尚、プリズム311の作製は、例えば、直角三角形を底面とする4つの同一形状の三角柱を組み合わせて接合する際に該当箇所にダイクロイック膜12、13を施すことによって形成される。
【0057】
〔第4実施形態〕
これまでは、光分割合成光学系の形成に、プリズムを用いたが、本実施形態においては、ダイクロイックミラーを組み合わせることにより光分割合成光学系を形成する場合について説明する。図4は、第4実施形態におけるプロジェクタの構造の一態様を説明するための平面図である。本実施形態に係るプロジェクタ400は、照明光学系10と、透過型の液晶ライトバルブ40b、40g、40rと、光分割合成光学系430と、反射ミラー系17、18、19と、フィールドレンズ20、21、22と、投射レンズ50とを備える。ここで、プロジェクタ400のうち、光分割合成光学系430を除いた各構成要素については、その内部構造及び機能が第1実施形態と同様であるため、構造等に関する説明を省略する。
【0058】
光分割合成光学系430は、光分割及び光合成を行うダイクロイックミラー系411と、青色光波長領域に対する反射特性面を形成するダイクロイック膜412と、赤色光波長領域に対する反射特性面を形成するダイクロイック膜413とを備える。さらに、ダイクロイック膜412は、光分割面412aと、光合成面412bとに2分割され、ダイクロイック膜413は、光分割面413aと、光合成面413bとに2分割される。
【0059】
ダイクロイックミラー系411は、ダイクロイック膜412とダイクロイック膜413とがそれぞれ貼付されることにより形成される2つのダイクロイックミラーがそれぞれの中心位置で交差している。交差した領域を中心領域Qとする。中心領域Qを境界として、ダイクロイック膜412は、光分割面412aと光合成面412bとに、ダイクロイック膜413は、光分割面413aと光合成面413bとにそれぞれ領域分けされる。また、交差によって、ダイクロイック膜412とダイクロイック膜413とがなす角を交差角αとする。特に、図4においては、交差角αを60°とする。この場合、ダイクロイック膜412、413を図1におけるダイクロイック膜12、13と同一の配置と見ることにより、第1実施形態と対比させることができる。つまり、第1実施形態に用いた図1におけるプリズム11の代わりにダイクロイックミラー系411を設置し、中心軸Pに代わり中心領域Qを全体構造の中心とし、設置されたダイクロイックミラー系411上のダイクロイック膜412、413が図1におけるダイクロイック膜12、13と同一の役割を果たす。さらに、照明光学系10その他の各構成要素についても同等の配置とすることで、図1と同様の光学的制御が可能となり、これにより、第1実施形態におけるプロジェクタ100と同等の機能をプロジェクタ400が有する。
【0060】
また、さらに、交差角度αを90°とすれば、ダイクロイック膜412、413を図3におけるダイクロイック膜312、313と同一の配置と見ることもできる。これにより、第3実施形態と同等のプロジェクタとしての機能を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1実施形態に係るプロジェクタの構造を説明するための平面図である。
【図2】第2実施形態に係るプロジェクタの構造を説明するための平面図である。
【図3】第3実施形態に係るプロジェクタの構造を説明するための平面図である。
【図4】第4実施形態に係るプロジェクタの構造を説明するための平面図である。
【符号の説明】
【0062】
100、200、300、400…プロジェクタ、 10…照明光学系、 40b、40g、40r…液晶ライトバルブ、 30、230、330、430…光分割合成光学系、 17、18、19…反射ミラー系、 20、21、22…フィールドレンズ、 50…投射レンズ 11…プリズム、 12、13…ダイクロイック膜、 12a、13a…光分割面、 12b、13b…光合成面、 SL…照明光、 PL…投射光、 BL…青色光、 GL…緑色光、 RL…赤色光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を射出する照明光学系と、
照明光から得た3色の分割光によってそれぞれ照明されて、透過光として各色の像光をそれぞれ形成する各色用の光変調装置と、
前記照明光を2段階で色分割することにより前記3色の分割光を形成する2つの光分割面と、前記各色用の光変調装置からの各色の像光を2段階で合成することにより合成光を形成する有効領域をそれぞれ含む2つの光合成面とを有する光分割合成光学系と、
前記光分割合成光学系により形成された前記3色の分割光を前記各色用の光変調装置へ導くとともに、前記各色用の光変調装置からの各色の像光を前記光分割合成光学系に導く光路変更部材と、
前記合成光を投射光として投射する投射光学系と、
を備え、
前記2つの光合成面は、前記合成光を形成する有効領域外で互いに交わり、
前記3色の分割光のうち、少なくとも1色の分割光の光路と、対応する色の像光の光路とは、前記光分割合成光学系中において一部重なっていることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
前記光分割合成光学系は、前記2つの光分割面及び前記2つの光合成面を形成する複合ダイクロイック膜を組み込んだプリズムにより形成されることを特徴とする請求項1記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記プリズムは、正多角柱の少なくとも一部を含む形状であり、前記各色用の光変調装置は、それぞれ前記正多角柱の第1乃至第3側面に対向して配置され、前記複合ダイクロイック膜は、第1色反射用の第1反射特性面と第2色反射用の第2反射特性面とを前記正多角柱の中心軸で前記正多角柱の形状に応じた角度で交差させて形成することによって得られ、前記第1反射特性面のうち前記中心軸を挟んだ一方の部分と前記第2反射特性面のうち前記中心軸を挟んだ一方の部分とが、前記中心軸で交わる前記2つの光分割面であるとともに、前記第1反射特性面のうち前記中心軸を挟んだ他方の部分と前記第2反射特性面のうち前記中心軸を挟んだ他方の部分とが、前記中心軸で交わる前記2つの光合成面であることを特徴とする請求項2記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記照明光の入射面と前記合成光の射出面とは、前記正多角柱の第4側面にあることを特徴とする請求項3記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記正多角柱は、正六角柱及び直方体のいずれかであることを特徴とする請求項3及び請求項4のいずれか一項記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記プリズムは、正六角柱の少なくとも一部を含む形状であり、前記各色用の光変調装置は、それぞれ前記正六角柱の第1乃至第3側面に対向して配置され、前記照明光の入射面と前記合成光の射出面とは、前記正六角柱の第4及び第5側面にそれぞれあり、前記複合ダイクロイック膜は、第1色反射用の第1反射特性面と第2色及び第3色反射用の部分を有する第2反射特性面と前記第1色反射用の第3反射特性面とを形成することによって得られ、前記第1反射特性面と前記第3色反射用の部分とが、前記2つの光分割面であり、前記第3反射特性面と前記第2色反射用の部分とが、前記2つの光合成面であることを特徴とする請求項2記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記光分割合成光学系上に設けた前記2つの光分割面及び前記2つの光合成面は、2種類のダイクロイックミラーを組み合わせることにより形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記2種類のダイクロイックミラーは、第1色反射用の第1反射特性面と第2色反射用の第2反射特性面とを形成し、前記第1反射特性面と前記第2反射特性面とは、所定角度で交差し、前記第1反射特性面のうち交線を挟んだ一方の部分と前記第2反射特性面のうち前記交線を挟んだ一方の部分とが、前記2つの光分割面となるとともに、前記第1反射特性面のうち前記交線を挟んだ他方の部分と前記第2反射特性面のうち前記交線を挟んだ他方の部分とが、前記2つの光合成面となり、前記所定角度に応じて前記各色用の光変調装置がそれぞれ配置されることを特徴とする請求項7記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記光路変更部材は、前記光分割合成光学系と前記各色用の光変調装置とに対する配置関係によって前記3色の分割光間の光路長差の調整を行うことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項記載のプロジェクタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−78624(P2006−78624A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260561(P2004−260561)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】