説明

プロファイルレールを有するローラ体コンベヤ

プロファイルレールを有するローラ体コンベヤを提供する。
【課題】本発明は、基板(11)と、前記基板(11)に対する応力の影響で相互に回転するように形成され、基板(11)に対して一定の角度をなして延びる二つの側壁(12)とを有するプロファイルレールと(1)、前記側壁(12)のベアリング開口(4)内の回転軸(3)に回転可能に支持される多数のローラ体(2)と、前記ベアリング開口(4)内の回転軸(3)の位置を固定する手段(13)とを備え、前記ベアリング開口(4)は前記側壁(12)の自由端から延びる対面凹部として設計されることを特徴とする収納品を搬送するローラトラックに関し、更に、基板(11)と、前記基板(11)に対する応力の影響で相互に回転するように形成され、基板(11)に対して一定の角度をなして延びる二つの側壁(12)とを有するプロファイルレール(1)と、前記側壁(12)のベアリング開口(4)内の回転軸(3)に回転可能に支持される多数のローラ体(2)と、前記ベアリング開口(4)内の回転軸(3)の位置を固定する手段(13)とを備える、収納品を搬送するローラトラックの製造方法であって、前記ローラ体(2)は、前記回転軸(3)と共に、実質的に前記側壁(12)の方向に相互に挿入されることを特徴とする方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵品を搬送するためのローラトラックに関し、プロファイルレールが基板と、基板に対して一定の角度をなして延び、基板に対する応力の影響で相互に回転するように形成された二つの側壁と、これら側壁のベアリングの開口部内の回転軸に回転可能に支持される多数のローラ体と、ベアリングの開口部の回転軸の位置を固定する手段とを備えることを特徴とする。本発明の更なる課題は、このようなローラトラックの製造方法を提供することである。
【背景技術】
【0002】
搬送及び/又は収納手段としてのローラトラックの使用は、個別のローラトラックの形態で、又、生鮮物の収納棚として、収納及び選別作業においてよく見られるものである。通常、多数のローラ体がプロファイルレールの長手方向に連続的に配置され回転可能に支持された側壁の側において、公知のローラトラックは薄板曲げ加工した溝形状のプロファイルレールからなる。搬送対象物である収納品は、供給方向側からローラ体上に載置され、ローラトラックの傾きによる重力の影響によりプロファイルレールに沿って搬出又は選別方向に搬送される。搬送対象である収納品の一方を第一のローラトラック上に置き、収納品のもう一方を第二のローラトラック上に置くように、ローラトラックはペア配置で使用することができる。収納品は、梱包品又は規格内の木枠、コンテナ、積荷、搬送用ケース、カートン、梱包品単品等がほとんどである。
【0003】
多くのローラトラックは、基板と、この基板に対して一定の角度をなして延びると共にローラ体の回転軸を軸受するベアリングの開口部を備える二つの側壁とを有する剛性プロファイルレールからなる。プロファイルレール上の回転軸の位置を固定するため、ナット、クリップ、ボルト等の固定部材が追加的に使用されるが、これは部品点数の増加を招き、特に多数のローラ体の装着作業に多大な労力を要する。
【0004】
更に、プロファイルレールの側壁が少なくとも数か所でレールの中央方向に斜めに傾斜する構成が知られている。このような構成は、韓国実用新案2002−15858に記載されている。側壁に対して横方向に延びる貫通孔はベアリングの開口部として機能し、この貫通孔には回転軸が側壁に対して横方向の側から挿入される。回転軸を軸方向に固定するため、側壁の上部自由端は、回転軸の自由端の背後に軸方向に配置される当接面がマルチベンディングされた状態で形成されている。この当接面により、ベアリングの開口部からの回転軸のすり抜けが抑制される。
【0005】
このようなローラトラックは、回転軸の位置を開口部に固定するための固定部材を追加せずにすむが、ベアリングの開口部が孔として形成され側壁に対して横方向に延びているため、ベアリング孔への回転軸の挿入は比較的むずかしいという問題がある。まず、側壁間の空隙に回転軸を挿入するに足る側壁間のスペースを確保するように側壁のストラッドリングを行わなければならない。側壁間の間隔及びベアリングの開口部間の間隔が回転軸の長さより大きい時にのみ、ローラ体は回転軸と共に、プロファイルレールの基板方向に上から、二つのベアリン孔間に位置決めされる。この位置で、回転軸は、側壁に対して横方向に延びるベアリングの開口部に合わせるように保持されなければならず、この際、側壁のストラッドリングが逆になり、回転軸の端部はベアリングの開口部に入り込む形になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術に鑑み、本発明の目的は、ローラ体の簡単な装着を特徴とするローラトラック及びローラトラックの製造方法を提供することにある。
この目的は、独立請求項の課題により解決される。好ましい実施形態を従属項に記載する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様は、貯蔵品を搬送するためのローラトラックに関し、プロファイルレールが基板と、基板に対して一定の角度をなして延びると共に、基板に対する応力の影響で相互に回転するように形成された二つの側壁と、これら側壁のベアリングの開口部の回転軸に回転可能に支持される多数のローラ体と、ベアリングの開口部の回転軸の位置を固定する手段とを備え、開口部は側壁の自由端から基板方向へ延びる凹部として形成されていることを特徴とする。
【0008】
側壁の自由端から基板方向へ延びる凹部により、回転軸を有するローラ体の、側壁のベアリングの開口部内への簡単な装着が可能になる。凹部という用語は、ベアリングの開口部の特定の製造方法により得られるものと解釈されてはならない。凹部は任意の方法、例えばプロファイルを製造するプロファイリング工程に先立って行われる打抜きにより製造されるものである。このように構成されるベアリングの開口部は、それぞれの側壁の自由端に向かって開口を有してもよく、従って上方向へ開口するように形成されている。ローラ体は上から下降させることにより、回転軸と共にベアリングの開口部に挿入することができる。装着の際、ローラ体の回転軸をベアリングの開口部の真上に位置づける必要はない。すなわち回転軸の半径方向に、ベアリングの開口部に合わせて位置づける必要はない。というのは、ローラトラックのローラ体をプロファイルレールにすみやかに装着することができ、全体的に装着が容易なローラトラックを実現できるからである。
【0009】
ローラトラックの一実施形態によると、側壁の自由端間の間隔が基板の幅より小さく形成される。間隔が測定される側壁の領域において、支持面をベアリングの開口部の底部に形成することができ、この支持面により、支持面間の間隔が基板の幅より小さくなるようにローラ体の回転軸が支持される。この小さい間隔により、横方向の応力が側壁の自由端にかかり、この応力により側壁の内側への回転が促進される。
【0010】
本発明の更なる実施形態によると、側壁は少なくとも数か所において基板に対して90°未満の角度をなして形成され、これにより基板に対する側壁間の間隔の削減を図る。
【0011】
更に、側壁は、全高さに亘り基板に対して90°未満、好ましくは85°以内の角度をなして形成される。本実施形態に係る側壁は、それぞれ好ましいバネ特性を備えたバネ状脚として形成される。
【0012】
本発明の更なる実施形態によると、好ましくは側壁の一枚折りとしてプロファイルレール上に形成された固定手段が提供され、この固定手段は回転軸の自由端に対面する部分を含む。この部分により、部品点数を更に追加する必要なく、回転軸がベアリングの開口部から軸方向にすり抜けることを抑制する。
【0013】
更に、側壁の回転運動の際、各部材が回転軸の自由端に当接するようにプロファイルレールを形成され、これにより、負荷の掛かった側壁のスプリングバックの際、回転軸の位置が固定される。ここで、ローラトラックは、装着時に、負荷が掛かった状態で部材が回転軸の自由端に当接するまでに減少するような遊びを回転軸の端部との間に設けて構成してもよい。更に、装着状態において、弾性的にバイアスが掛かるように、そして負荷が掛かるとそのバイアスが増すように、部材が回転軸の自由端と当接してもよい。
【0014】
本発明の更なる実施形態によると、当接位置において、側壁間の間隔がローラ体の幅より大きいことを特徴とする。これにより、内側へ回転する時、側壁がローラ体を挟み込むことでロ−ラ体の回転運動の速度を減少させると共に回転運動を阻止する。
【0015】
更に、側壁の自由端の領域におけるベアリングの開口部の幅が回転軸の直径より大きく設定する。このようなプロファイルトラック方向へのベアリングの開口部の幅又は伸長により、装着がより簡素化された。というのは、回転軸をベアリングの開口部の長手方向上部の広い領域内で位置づけすればよいからである。自由端の領域内のベアリングの開口部の幅は対応する軸径の1.2倍より大きく設定してもよい。
【0016】
本発明の更なる実施形態によると、ベアリングの開口部が基板方向に向かうにつれ狭くなる。ここで、ベアリングの開口部を、側壁の自由端の領域内におけるベアリングの開口部より基板に向かうにつれて狭く形成してもよい。ベアリングの開口部は、回転軸の直径に実質的に対応する基板領域内の幅を有してもよい。
【0017】
本実施形態によると自転効果が達成される。これによると、上部が広くなったベアリングの開口部の上部に配置される回転軸は、基板方向に漏斗状に収束するベアリングの開口部内で自転する。これにより、装着の簡素化が達成される。
【0018】
更に、ベアリングの開口部は挿入傾斜部及び/又は回転軸の直径に実質的に対応する直径を有するベアリングシェルを有する。回転軸はベアリングシェルに対して直接に設けてもよいし、又は挿入傾斜部に設けてもよい。斜面状挿入傾斜部の下方傾斜により、要求されるようにベアリングシェルにぴったり合わせることなく、回転軸をベアリングシェルに滑り込ませることができる。ベアリングシェルは、プロファイルレールの長手方向の往復運動に抗して回転軸を固定するように形成してもよい。ベアリングシェルは、ベアリングの開口部を形成するように打抜き加工された基板として構成されてもよい。
【0019】
本発明の更なる実施形態によると、二つの対面するベアリングの開口部は、回転軸の長さより小さい開口幅を有する。開口幅は、ローラが挿入及び/又は挿入されずにトラックが弛緩した状態になった時、及び/又はローラが装着されて装着状態になった時、回転軸の長手方向に測定することができる。本実施形態においては、事前に側壁のストラッドリングを行わずにベアリングの開口部に回転軸を挿入することはできない。開口幅が回転軸の長さに対応するように側壁のストラッドリングを行った後にのみ、回転軸をベアリングの開口部に上から挿入することができ、その後側壁のストラッドリングを逆に行う。このように、回転軸の位置を軸方向に固定できないのみならず、軸方向外側に固定することもできない。開口幅は、回転軸の挿入を可能にするため、プロファイルトラックのみが少し拡張するように測定してもよい。
【0020】
本発明の更なる実施形態によると、ローラ体の前側をフラスコ円錐形に形成する。フラスコ円錐形に形成する結果、ローラ体前側のほんの少しの部分しか側壁と当接せず、結果ローラ体と側壁との間の小さい摩擦を生じさせる。
【0021】
ローラトラックの更なる変形例を、方法に関する以下の記載で説明する。
【0022】
本発明の第二の態様は、収納品を搬送するためのローラトラックの製造方法に関し、当該製造方法は、回転軸を備えた多数のローラ体を提供する工程と、基板と、前記基板に対する応力の影響で相互に回転するように形成され、基板に対して一定の角度をなして延び、ベアリング開口を有する側壁を有するプロファイルレールと、前記側壁のベアリング開口内の回転軸に回転可能に支持される多数のローラ体と、前記ベアリング開口内の回転軸の位置を固定する手段とを提供する工程と、回転軸を側壁のベアリング開口部に挿入する工程、とを有し、ローラ体は回転軸と共にベアリング開口部内に、挿入方向下方プロファイルレールの基板方向にベアリング開口部の上から挿入されることを特徴とする。
【0023】
ローラ体を側壁方向へ回転軸と共に挿入することで、プロファイルトラック上にローラ体を配列することが容易になる。側壁に対して横方向に延びるベアリング開口と軸方向に合わせて回転軸の自由端を保持する必要はない。装着時に、ローラ体をベアリング開口上部の対応する回転軸に合わせ、この位置から装着位置まで降下させればよいだけである。
【0024】
本発明の一実施形態によると、回転軸を挿入する工程に先立って側壁のストラッドリングを行うことによって、相互に対面するベアリング開口の開口幅を一時的に拡張し、回転軸をベアリング開口に挿入する工程の後、相互に対面するベアリング開口の開口幅を再び削減する。このように、回転軸の位置もまた半径方向外側に固定できる。尚、プロファイルトラックの内部で脚部に対して機能し、この脚部を押し広げる機能を有するストラッドリング装置により側壁のストラッドリングを行ってもよい。更に、このストラッドリング装置は外側部分に対して機能し、この部分に作用するストラッドリング応力によって脚部を引っ張り分離させることも考えられる。後者の構成により、プロファイルレールの内部が自由な状態になり、ローラ挿入時に充分なスペースが提供される。
【0025】
上記方法によると、プロファイルレールの長手方向の局地的に限られた領域において側壁のストラッドリングを行うことができる。そして側壁のストラッドリングを行った後にローラをこの領域に挿入することができる。このように、挿入されたローラは、この局地的に限られた領域の背後にある領域内の挿入位置に、プロファイルレールの脚部のスプリングバックによって、製造方向に固定することができる。
【0026】
又、上記方法において、プロファイル加工済み又は未加工の金属薄板上にベアリング開口を製造するベアリング開口作製工程を更に設けてもよい。このベアリング開口作製工程は、例えば打抜き工程を有してもよい。ベアリンング開口のその他作製方法ももちろん考えられる。
【0027】
又、ローラの挿入に先立って、上記方法は更にプロファイリング工程を有してもよい。ここで、第一又は第二の態様によると、金属薄板は断面形状を有することもできる。
【0028】
上記方法によると、各ベアリング開口の作製タイミングと各ローラのベアリング開口への挿入タイミングがそれぞれ相互依存的に起こるように、各ベアリング開口の作製タイミングと各ローラのベアリング開口への挿入タイミングを設定する。各ローラの挿入タイミングは、各ベアリング開口の作製タイミングに依存的に制御することができる。各ベアリング開口の作製タイミングは例えばセンサーにより検知することができ、各ローラの挿入タイミングは、検知された値に基づいて決めることができる。製造速度は、このような制御によって決定される。
【0029】
又、上記方法は連続法として構成してもよい。打抜き工程の全工程が製造ラインに沿って行われ、まず、この打抜き工程によってベアリング開口が、例えば金属薄板コイルから巻出された金属薄板より打ち抜かれ、続いてプロファイリング工程で金属薄板は望ましい形状に加工され、その後、プロファイルのストラッドリングを行った後、ローラを挿入することができる。プロファイリング工程は冷間成形工程、すなわち冷間圧延工程であってもよい。
【0030】
又、ローラトラックに関する上記説明に対し、製造方法の変形例を挙げることもできる。
【0031】
本発明の第3の態様は、収納品を搬送するためのローラトラックの製造方法に関し、製造されたローラトラックのローラ体の間隔を異ならせる工程と、プロファイルレールの方向における特定のローラ体の間隔に対応する間隔であって、それぞれ異なる間隔(a,b,c)を有するベアリング開口(4)を備えたプロファイルレール(1)を製造する工程と、回転軸(3)を備えた多数のローラ体(2)を提供する工程と、これら回転軸(3)をベアリング開口(4)に挿入する工程とを備えることを特徴とする。ローラ体の間隔を異ならせる工程は、例えば製造するローラトラックの所定の工作条件に従って行われる。このように、ローラ体の間隔を異ならせる工程は、全コンベヤラインのプランニングプロセスの一部であってもよい。従って、コンベヤラインの各ローラトラックを個別に製造することによって、ローラトラックが異なるローラ間隔を個別に有することができる。ここで、まずローラ一つ一つの間隔を求めてから、ローラトラックをこれに対応するように製造することも可能である。
【0032】
本発明の第二の態様に関して述べるように、上記方法は更なる方法ステップを有する。例えば、連続法により異なるローラトラックの製造が連続して行われる。又、上記方法は、本発明の第四の態様に係る製造ラインの記載に示す方法ステップを有してもよい。
【0033】
本発明の第四の態様は、第二の態様及び/又は第三の態様に記載する方法を使用する、第一の態様に記載するローラトラックを製造するための製造ラインに関する。
【0034】
上記製造ラインは、ベアリング開口を打ち抜くための打抜き装置を有してもよいし、金属片材料を形成するためのプロファイリング機を有してもよい。
【0035】
又、上記製造ラインは、金属片材料を矯正する矯正部、及び/又はローラをベアリング開口に挿入するための供給装置、及び/又は装着されたローラトラックを一定の長さに切断する切断装置とを有してもよい。
【0036】
上記製造ラインの一実施形態によると、例えば、金属薄板が金属薄板コイルから連続的に巻出され、次の段階で、この金属薄板が矯正部により矯正され、続いて打抜き装置に入り、ここで、隣接するベアリング開口と一定の間隔をおいて開口が打ち抜かれる。本明細書の記載によると、この間隔は開口の場所によってバラつきがあるようにする。引き続きプロファイリング機に入り、ここで金属薄板はほぼコの字型に成形される。供給装置は製造ライン上、プロファイリング機の下流に配置され、加工済みプロファイルがこの供給装置に入り、回転軸を備えたローラがベアリング開口内に上から挿入される。一方、切断装置が下流に配置され、ここで加工済みプロファイルが一定の長さに切断される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の好ましい実施形態を一例として以下に記載する。以下に記載する実施形態は、本発明を実施する上で絶対的に必要不可欠というのではなく、概して好ましいと思われるものである。よって、以下に記載する実施形態の特徴をすべて有していなくても、本発明の教示の範囲内に入ると思われる。又、各実施形態に記載された特徴を組み合わせることも可能と思われる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ローラトラックの斜視図である。
【図2】図1のローラトラックの側面図である。
【図3】図1のローラトラックの平面図である。
【図4】図2のIVで示す方向におけるローラトラックの図である。
【図5】ローラトラックの一部を示す斜視図である。
【図6】ローラトラックを、負荷が掛からないようにした状態で、図2のVI−VIで示す線で切断した断面図である。
【図7a】負荷が掛かった状態の、図6に対応するローラトラックの断面図である。
【図7b】負荷が掛かった状態の、更なるプロファイルの断面を有するローラトラックの断面図である。
【図8】ローラトラックの部分領域の側面図であり、ローラ体のプロファイルレールへの装着を示す。
【図9】本発明に係るローラトラックを製造する製造方法の、回路図の形態としての概略図である。
【0039】
図1は、溝形状のプロファイルレール1からなるローラトラックと、図1に図示されない回転軸により回転可能に支持され、プロファイルレール1の方向に次々と配置される多数のローラ体2とを示す斜視図である。
【0040】
プロファイルレール1の長さを見てみると、ローラ体2は図2に比べて異なる間隔を有する。供給側領域、すなわち収納品が収容される側でローラ体2は集中する。すなわちローラ体の間隔が間隔bより、そして次の間隔cより狭くなる。収納品がより長く存在する選別領域及びローラトラックの他の部分において、ローラの数を増加させることもできる。
【0041】
図3及び図4に示すように、プロファイルレール1は平板状基板11と、基板面に対し一定の角度をなして延びる二つの側壁12を有する。プロファイルレール1は金属薄板からなる成形部分であり、マルチベンディング、フォルディング、深絞り、又はこれらの組み合わせ、及びその他金属薄板成形法により製造されたものである。
【0042】
プロファイルレール1の側壁12はその上端にベアリング開口4を備え、この開口にローラ体2の回転軸3がレール1に対して横方向に配置される。ベアリング開口4は、図8に示すように構成されてもよい。側壁12は、基板11に対して直角に延びるように構成されるのではなく、内方向に少し傾くように構成されてもよい。
【0043】
図7aに示す実施形態によると、傾き角度αは略85°である。本実施形態の他の変形例によると、傾き角度αは80°と90°の間、又は60°と97°の間でもよい。本実施形態においては、側壁は略平板状であり基板近くで直接折り曲げ加工されている。図6に示す本実施形態の変形例によると、側壁12は基板11と上部領域との間で長手方向にねじれを有し、このねじれにより略平板状とはならない。この基板11より、まず側壁12が略直角に上方向に延び、基板上間隔をおいて内側方向へ折り曲げ加工されている。両実施形態共、図6と比べると、側壁12の自由端間の間隔Aは基板11の幅Bより狭くなっている。結果として、重い収納品が支持される際、横方向の応力成分Fが発生する。又は応力Fが基板11の方向に作用する。この横方向の応力成分により、図7aに示すように、矢印Faが示す方向に側壁12の自由端が相互に回転する。溝形状のプロファイルレール1は、負荷が掛かった状態で開口を閉じようとする。
【0044】
図6及び図7aに示す実施形態によると、回転軸3を支持するベアリング開口4の支持面が、側壁12の自由端の領域に配置されている。
【0045】
回転軸3上の側壁の部材14が、側壁の自由端からプロファイルレールの中心より外側方向へそれぞれ延びている。これら部材14は、例えば略水平部材14として延びることもできる。この際、回転軸3がベアリング開口4に挿入される場合、対面する部材14の領域内の二つの対応するベアリング開口4のエッジ間の間隔は、対面する側壁12において、回転軸の長さLより短くてもよい。このように、回転軸3の挿入を可能にするため、ローラ2を回転軸3と共に挿入する際、プロファイルレールの側壁間を拡げることができる。回転軸3の挿入後、対面する部材14の領域内の二つの対応するベアリング開口4のエッジ間の間隔が回転軸の長さLより狭くなる位置に、弾性回復可能なように側壁を位置づけることができる。これにより、回転軸3に対して横方向に、回転軸を水平部材14によりベアリング開口4に保持、固定することができる。
【0046】
水平部材14には、回転軸に対して横方向に延びる更なる部材15が隣接する。これらの部材は、略垂直に下方向に延びる垂直部分として形成されてもよい。これらの部材15は、回転軸3がプロファイル内に挿入される際、小さい隙間を有しながら回転軸3の端部と当接することができる。これら部材15は、弾性的にバイアスがかかった状態で回転軸3の端部に当接することも考えられる。
【0047】
この垂直部材15により、回転軸3の軸方向における、支持位置からの回転軸3のすり抜け及び脱落を防ぐことができる。
【0048】
図7bは、側壁12が基板に対して垂直に上方向に延びるプロファイルの更なる実施形態を示す。回転軸3の上部で、側壁の部分がプロファイルレールの中央に向かってそれぞれ延びている。更なる部材15が、下方向に延びるように隣接している。ベアリング開口4が、これら後者の部分に配置されている。ベアリング開口は、図8に示すように構成されてもよく、これによると、ベアリング開口4の上部領域は挿入傾斜部41を有し、低部に横たわるベアリングシェル42方向に傾いている。回転軸3は、プロファイルレール1の両側でベアリングシェル42に載置される。ベアリングシェルは、各側壁12と基板との間に形成されるねじれ部位17に対してプロファイルレールの中央に向かって変位するように配置されるので、応力Fによりローラに負荷が掛かる時、傾きモーメントが側壁12に掛かり、結果、側壁12が、負荷の掛かった状態で相互に回転しようとする。
【0049】
図5は、左側に、側壁12に備えられるベアリング開口4の構成を示す斜視図である。開口4が側壁12の材料中に上から延びている。ベアリング開口4は、全体として凹部のように形成され、側壁12の自由端から基板11方向に、側壁面上に延びる。このように、回転軸3が備えられたローラ2は上から降下させることができる。すなわち、略側壁12方向にベアリング開口4の中に降下させ、この開口中に収容することができる。
【0050】
ベアリング開口4は、ローラ体2と回転軸3の上からの簡単な挿入を可能にする構成を有する。側壁12の自由端領域において、ベアリング開口4の幅、すなわちプロファイルレール1方向におけるその延伸は、シェル形状の低部領域における幅より広い。ベアリング開口4の上部領域は、低部のベアリングシェル42方向に傾く挿入傾斜部41を有する。ベアリングシェル42の直径は、少し大きめに、回転軸3の直径に略対応し、回転軸3を傾かせずに滑り込ませることができる。挿入傾斜部は、全体的に斜面形状の傾きとして構成され、回転軸3の挿入筒のように形成されている。図8の右側に示すローラ2は、開口4のベアリングシェル42内に占める回転軸3の最終位置に位置する。
【0051】
この最終位置に、回転軸3の位置が固定手段13により固定される。位置固定の詳細に関しては、負荷の掛かった状態と掛からない状態両方の状態におけるプロファイルレール1のプロファイルを示す図6及び図7を見るとわかる。
【0052】
側壁12の上端領域における二つの部材14と15からなるダブルフォールドが固定手段13として機能する。その一方の部材14が回転軸3方向に実質的に延びる一方、他方の部材15は回転軸3の軸方向横に延び、正面で回転軸3の自由端と直面する。図6からわかるように、ローラトラックの負荷が掛からない状態において、部材15の内面と回転軸3の正面の間には一定の隙間があり、これにより、回転軸3が遊びを有しながらベアリング開口4内で軸方向前後に移動できることになる。しかし、この遊びは、図7aに示すように、充分重い収納品が支持される場合は存在しない。応力Fを基板11に掛けることにより、回転軸3に対する横方向の応力Fが、側壁12と単独に結合する部材15において起こり、その結果、部材15が回転軸3の正面側端部に当接するまで、側壁12の自由端が相互に回転する。ここで、回転経路又はプロファイルレール1の長さは、回転軸3の端部の部材15の当接位置において側壁12間が最小間隔となり、これによりローラ体2の更なる回転を可能にするように、設定される。ローラ体2はこの最小間隔より狭く、これによりローラ体2の減速や引っ掛かりを防ぐことができる。
【0053】
図6及び図7から更にわかるように、相互に対面する一対の開口4は、回転軸3の長さLより小さい開口幅Wを有する。この構成は、回転軸3がベアリング開口4に上から挿入できるように、開口幅Wが軸長Lに対応するまで、まず側壁12の上端間のストラッドリングを行うことにより間隔を拡げる、すなわち相互に曲げ加工される必要がある。すると、側壁12は元の位置に返り、これにより、部材15によって軸方向の固定が実現するのみならず、部材14によって回転軸3の半径方向上側における固定が可能となった。図6及び図7の実施形態に係るプロファイルレールの長さは、側壁12が基板11に対して90°の角度をなす時、開口幅Wが回転軸3の軸長Lに対応するように設定される。
【0054】
図5の図示によると、ベアリング開口4は、基板11に略平行である固定手段13の部材14の中にその一部のみが延びている。側壁12のスプリングバック後、開口4の延伸がない領域、つまり、部材14の領域において半径方向の固定が達成される。
【0055】
最後に、図9は、本発明に係るローラトラックを製造する製造方法を実施する上で適した製造ラインの一実施形態を示す。図中、下部にプロファイルレール1の製造を示し、上部にローラ体2の製造と回転軸3の装着を示す。その後、ローラ2はプロファイルレール1に配置される。
【0056】
プロファイルレールの製造は、金属片材料101をコイルに巻回することから始まり、この金属片材料101は巻き戻され、その後、多数のローラ102を有し金属片を矯正する矯正装置103に案内される。それから分岐装置104、打抜き装置105に案内され、ここでプレス成形工具106により金属片材料101からベアリング開口4を打ち抜く。ベアリング開口は、完成したローラトラックの使用目的及び使用場所等その必要に応じて、それぞれ異なる間隔をおいてオートメーションで打抜き加工が施される。そして、溝形状を有するプロファイルレール1の断面部が、固定手段13を側壁12の自由端上に配置した状態で、プロファイリング機107により製造される。
【0057】
プロファイルレール1の製造と並行して、ローラ2が、対応する装置108により、例えば射出成形又は押出成形でプラスチック材料から製造される。ボルト形状の回転軸3が更なる機械109により製造され、圧入機110によってローラ体2の中へ実質的に挿入される。その後、ローラ体2が、上記詳述したように、圧入機111によりプロファイル1のベアリング開口4内に回転軸3と共に挿入される。そして、プロファイルレールはマーキングされてから、更なる切断装置112により一定の長さに切断され、その後、最後の方法ステップによる適切な搬送装置113によって搬送される。
【符号の説明】
【0058】
1 プロファイルレール
2 ローラ体
3 回転軸
4 ベアリング開口
11 基板
12 側壁
13 固定手段、フォールド
14 部材
15 部材
16 ねじれ
17 ねじれ部位
31 自由端
41 挿入傾斜部
42 ベアリングシェル
100 ローラ
101 金属片材料
102 ローラ
103 矯正装置
104 分岐装置
105 打抜き装置
106 プレス成形工具
107 プロファイリング機
108 装置
109 機械
110 圧入機
111 圧入機
112 切断装置
113 搬送装置
A 間隔
B 幅
W 開口幅
L 長さ
F 応力
重力
a 間隔
b 間隔
c 間隔
α 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納品を搬送するためのローラトラックであって、
基板(11)と、前記基板(11)に対する応力の影響で相互に回転するように形成され、前記基板(11)に対して一定の角度をなして延びる二つの側壁(12)とを有するプロファイルレールと(1)、
前記側壁(12)のベアリング開口(4)内の回転軸(3)に回転可能に支持される多数のローラ体(2)と、
前記ベアリング開口(14)内の回転軸(3)の位置を固定する手段(13)とを備え、
前記ベアリング開口(4)は側壁(12)の自由端から基板(12)方向へ延びる凹部として形成されていることを特徴とするローラトラック。
【請求項2】
前記側壁(12)の自由端間の間隔(A)は、前記基板(11)の幅(B)より狭いことを特徴とする請求項1に記載のローラトラック。
【請求項3】
前記側壁(12)がその全高さの少なくとも一部で、前記基板(11)に対して90°未満の角度をなすことを特徴とする請求項1又は2に記載のローラトラック。
【請求項4】
前記側壁(12)がその全高さで、前記基板(11)に対して90°未満、好ましくは85°の角度をなすことを特徴とする請求項3に記載のローラトラック。
【請求項5】
前記側壁(12)の一枚折りとして形成される固定手段(13)を備え、この固定手段(13)は前記回転軸(3)の自由端(31)と対向する部材(14)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のローラトラック。
【請求項6】
側壁(12)の回転運動の際、前記部材(14)が回転軸(3)の自由端(31)に当接するように前記プロファイルレール(1)が形成されることを特徴とする請求項5に記載のローラトラック。
【請求項7】
前記側壁(12)の自由端領域における前記開口(4)の幅が、前記回転軸(3)の直径より大きいことを特徴とし、及び/又は前記ベアリング開口(4)が前記側壁(12)の自由端領域より前記基板(11)方向に狭く形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のローラトラック。
【請求項8】
前記ベアリング開口(4)は挿入傾斜部(41)と、前記回転軸(3)の直径に実質的に対応するベアリングシェル(42)を有することを特徴とする請求項7に記載のローラトラック。
【請求項9】
二つの対面するベアリング開口(4)は、前記回転軸(3)の長さ(L)より狭い開口幅(W)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のローラトラック。
【請求項10】
収納品を搬送するためのローラトラックを製造する方法であって、
回転軸(3)を備えた多数のローラ体(2)を提供する工程と、
基板(11)と、前記基板(11)に対する応力の影響で相互に回転するように形成され、基板(11)に対して一定の角度をなして延び、ベアリング開口(4)を有する二つの側壁(12)とを有するプロファイルレール(1)と、前記ベアリング開口(4)内の回転軸(3)の位置を固定する手段(13)とを提供する工程と、
前記回転軸(3)を前記側壁(12)のベアリング開口(4)内に挿入する工程とを含み、
前記ローラ体(2)は、前記回転軸(3)と共に前記ベアリング開口(4)内に、前記ベアリング開口(4)の上から前記プロファイルレールの基板方向下向きに、挿入方向へ挿入されることを特徴とする方法。
【請求項11】
相互に対面するベアリング開口(4)の前記開口幅(W)を、前記回転軸を挿入する工程に先立って、前記側壁(12)のストラッドリングを行うことにより一時的に拡張し、前記相互に対面するベアリング開口(4)の前記開口幅(W)を、前記回転軸を前記ベアリング開口内に挿入する工程後に再び削減することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ローラが挿入されるプロファイルレールの長手方向の局地的に限られた領域において前記側壁(12)のストラッドリングを行うことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
プロファイル加工済み又は未加工の金属薄板上に前記ベアリング開口(4)を製造するベアリング開口作製工程を更に含むことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記ローラの挿入に先立って、プロファイリング工程を更に含むことを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
各ベアリング開口を作製するタイミングと各ローラの挿入タイミングが相互依存的に起こるように、各ローラをベアリング開口内に挿入するタイミングを設定すると共に、各ローラをベアリング開口に挿入するタイミングを設定することを特徴とする請求項13と14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
収納品を搬送するためのローラトラックを製造する方法であって、
製造するローラトラックのローラ体の間隔を異ならせて設定する工程と、
特定のローラ体の間隔に対応する間隔であって、プロファイルレール(1)の長手方向にそれぞれ異なる間隔(a,b,c)を有するベアリング開口(4)を備える前記プロファイルレール(1)を製造する工程と、
回転軸(3)を備える多数のローラ体(2)を提供する工程と、
前記回転軸(3)を前記ベアリング開口(4)に挿入する工程とを含むことを特徴とするローラトラックを製造する方法。
【請求項17】
請求項10〜15のいずれかに記載の各方法ステップを更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項10〜17のいずれかに記載の方法を採用することによって、請求項1〜9のいずれかに記載のローラトラックを製造するための製造ライン。
【請求項19】
前記ベアリング開口(4)を打抜くための打抜き装置(105)と、金属片材料(101)を形成するためのプロファイリング機(107)とを備えることを特徴とする請求項18に記載の製造ライン。
【請求項20】
金属片材料(101)を矯正する矯正装置(103)、及び/又は前記ローラを前記ベアリング開口(4)内に挿入する供給装置(111)、及び/又は取り付けられたローラトラック(1)を一定の長さに切断する切断装置(112)とを備えることを特徴とする請求項19に記載の製造ライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−527273(P2011−527273A)
【公表日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517029(P2011−517029)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004990
【国際公開番号】WO2010/003674
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(506301427)インターロール・ホールディング・アーゲー (13)
【Fターム(参考)】