ヘアグラフトを移植するための方法及び装置
【課題】シンプルで概ね非侵襲的で、周囲のヘアグラフトを取り除くこと無くヘアグラフトの移植を完了させる、ヘアグラフトの移植方法及び装置を提供する。
【解決手段】ヘアグラフトチャンバにヘアグラフトを捕捉し、ヘアグラフトチャンバを頭皮に髪を移植するために整合する。ヘアグラフトは、手動又は機械的にヘアグラフトチャンバに配置される。ガス浸透性ストッパを含む植毛装置は、ヘアグラフトを装填する及び/又は移植するのにガスフローを利用する。別の植毛装置はハウジング内にガス浸透性ロッドを含んでいる。バキュームが、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバに装填するために利用されても良い。ロッドはチャンバの開口した先端の方へ前進され、ロッドの端部がチャンバの開口した先端と概ね一致すると、ヘアグラフトをチャンバから押出し、あらかじめ作られた傷口に挿入する。
【解決手段】ヘアグラフトチャンバにヘアグラフトを捕捉し、ヘアグラフトチャンバを頭皮に髪を移植するために整合する。ヘアグラフトは、手動又は機械的にヘアグラフトチャンバに配置される。ガス浸透性ストッパを含む植毛装置は、ヘアグラフトを装填する及び/又は移植するのにガスフローを利用する。別の植毛装置はハウジング内にガス浸透性ロッドを含んでいる。バキュームが、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバに装填するために利用されても良い。ロッドはチャンバの開口した先端の方へ前進され、ロッドの端部がチャンバの開口した先端と概ね一致すると、ヘアグラフトをチャンバから押出し、あらかじめ作られた傷口に挿入する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアグラフトを移植するための装置及び方法に関し、特に、あらかじめ作られた傷口に、ヘアグラフトを非侵襲的に移植する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の頭皮にヘアグラフトを移植することは良く知られている。現在の技術は、髪が豊富な部分の頭皮を切除し、移植用に個々のヘアグラフトを得るため、切除した頭皮部分を細かく分割する。そして、頭皮の髪がない又は薄い部分に移植する部位を作るために、切断器具で傷口を作り、出血が収まった後に、準備された移植部位に個々のグラフトを移植している。
【0003】
現在の植毛技術は、自然な頭皮に見えるように、1本から4本の髪が1つに束ねられたフォリキュラユニットを作り、これらのフォリキュラユニットをヘアグラフトとして使用するという移植プロセスにとどまっている。
【0004】
一般的には2種類の器具が、ヘアグラフトの移植を行う医師に現在使用されている。1種類目の器具は、ヘアグラフトを、あらかじめ作られた傷口に配置するようにデザインされている。一般に、市販のヘアグラフト移植器具の1つは、鞘に入った中空の針を含み、針が鞘を越えて延在する伸長位置と、針が鞘内に納められている収納位置の間を交互に移動する。2種類目の器具は、頭皮に傷口を作る単体器具で、新しくできた傷口にヘアグラフトを次々に移植する。これら(傷のない皮膚を介する)「経皮」器具は、あらかじめ作られた部位にヘアグラフトを配置するように使用されることも可能である。
【0005】
これら従来の器具にはいくつか不具合がある。通常、器具は非常に細心且つ繊細な制御をするので、グラフトを捕捉するべく針先端を配置するのに微調整が必要である。グラフトが捕捉されると、様々な方向に配向されることがある。器具がグラフトを頭皮に進入させると、これら器具の可動部は、しばしばグラフトの配置が完了する前に、移植されているグラフト又は移植部位周辺の以前に移植されたグラフトを脱落させる。
【0006】
従来の装置は、移植装置の一部分を頭皮の傷口に挿入している。例えば、米国特許第6,059,807号のように、グラフトが針に収容され、その後、順番に頭皮内に挿入される(即ち、針とグラフトの両方が、挿入中は物理的に頭皮内に配置される)。米国特許第6,461,369号では、針は、迅速に引込められる前に、針の先端に取付けられたグラフトと共に頭皮に挿入される。従って、グラフトが傷口内の所望の位置に配置されたとしても、グラフトは傷口から押出されることがある。なぜなら、器具が操作される度に侵襲的に針が傷口に進入する、即ち傷口に進入及び退出する針に伴う他の機械力によって、傷口の出血が再び発生するからである。
【0007】
それ故に、シンプルで概ね非侵襲的で、周囲のヘアグラフトを取り除くこと無くヘアグラフトの移植を完了させる、ヘアグラフトの移植方法及び装置が必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施態様によれば、開口した先端を有するハウジングと、装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿って、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致する位置まで移動可能な、前記ハウジング内に延在するロッドと、前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含む、ヘアグラフトを移植するための装置が提供される。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、ヘアグラフトを装填するために、第1の部分と第2の部分が分離可能な、開口した先端を有するハウジングと、装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿って、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致する位置まで移動可能な、前記ハウジング内に延在するロッドと、前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含む、ヘアグラフトを移植するための装置が提供される。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、開口した先端を有するハウジングと、前記開口した先端とは別の、前記ハウジングの側面にある開口部と、前記開口した先端に吸引力を提供するための、前記開口部と動作可能に連結されたバキューム装置とを含み、それによって、ヘアグラフトを前記開口した先端を介して前記ハウジングに引込むようにしたことを含む、ヘアグラフトを移植するための装置が提供される。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、アクチュエータチャンバと開口した先端を有するヘアグラフトチャンバを含むハウジングと、前記ヘアグラフトチャンバと動作可能に連結されたガス浸透性ストッパと、前記アクチュエータチャンバの側面にある開口部と、前記ガス浸透性ストッパを介して前記開口した先端に吸引力を提供して、前記開口した先端を介して前記ハウジングにヘアグラフトを引込ませるための、前記開口部と動作可能に連結されたバキューム源とを含む、ヘアグラフトを移植するための装置が提供される。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、アクチュエータチャンバと開口した先端を有するヘアグラフトチャンバを含むハウジングと、前記開口した先端に吸引力を提供して、前記開口した先端を介して前記ハウジングにヘアグラフトを引込ませるための、前記ハウジングと動作可能に連結されたバキューム源と、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿った所定の位置まで動作可能な、前記ハウジング内のガス浸透性ロッドと、装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含む、ヘアグラフトを移植するための装置が提供される。
【0013】
本発明のこれら及び別の特徴及び利点は、以下に記載される実施態様の詳細な説明と添付図面から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
従来のヘアグラフト移植器具は、針の一部又は全体が、皮膚又は傷口を介して、髪のフォリキュラユニットの長さに概ね等しい深さまで挿入される。これらの器具は、機械的方法を介して髪を最終的な静止位置に導く。移植器具(例えば、指状の突起又は針状のハウジング)の一部がグラフトを捕捉し、グラフトが器具から押出される前に、器具の一部が理想の深さまで挿入される。皮下に進入する器具の一部は、ヘアグラフトが配置されるスペースを膨張させる。グラフトを移植する時の器具の機械的動作は、皮膚に圧力をかけ、皮膚を切断するかどうかを問わず、ヘアグラフトのためのスペース内に体積と圧力を増加させる。
【0015】
グラフトが挿入される位置又はその下部で、傷口の環境は動的に変化する。ヘアグラフトのためのスペース内には、体積及び圧力効果がおこる。移植プロセスの物理的な動的変化は、移植中に器具の一部が皮下に配置されることによる体積の増加及び器具が同じ場所に留まったままヘアグラフトが押出されることによる体積の増加によって、皮下部分に強い衝撃を与える。増加した体積の各要素は、結果として皮下に加わる圧力を増加させる。圧力の変化は、傷口自身はもちろん、その限定されたスペースの外側にも横方向に伝達される。追加の衝撃には、グラフトがあらかじめ作られた部位に配置されることによる皮膚の膨張、切開器具によって皮膚表面が切られることによる皮膚の沈下及び機械的擾乱による新たに作られた傷口の再活性化が含まれる。機械的擾乱は、血管が最高血圧レベルで傷口に血液を「吸い上げる」原因となる。
【0016】
これら要因の全てが、グラフトを移植する部分に追加的な擾乱を加える。これら体積、圧力及び機械力が合わさることで、シャンパンのボトルからコルクが飛び出るのと同様の作用で、移植中にグラフトが押出される強い傾向がある。
【0017】
これらの力は、1つ又は複数の以下のことを引き起こす原因となり得る。(a)移植されたグラフトが、配置直後に押出される、(b)配置されたグラフトに近接するグラフトが押出される、(c)(限定された連鎖反応により)移植部位からかなり離れたグラフトが押出される。
【0018】
本発明は、ヘアグラフトを所望の方向及び位置で捕捉し、概ね非侵襲的に人間の頭皮にヘアグラフトを移植するための方法及び装置を有利に提供し、その結果、より完成した且つ安定した移植を可能とする。ヘアグラフト装置及び方法は、患者の頭皮の摘出部から以前に採取されたグラフトから供給されるヘアグラフトを捕捉する。
【0019】
図1Aから図1Dは、本発明の一実施態様に基づいたヘアグラフトを移植するための装置及び方法の略図である。図1Aから図1Dは、植毛装置100の断面図を示している。
【0020】
一実施態様において、植毛装置100は、ヘアグラフトチャンバ104及びピストンチャンバ106を有するハウジング101を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ104の近接端部は、ピストンチャンバ106と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、図1A及び図1Bに示されているように、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)をヘアグラフトチャンバ104に装填する。次に、装置100は、図1C及び図1Dに示されているように、プランジャ114を使って、ピストン112及びそれに連結されたロッド108を動作させて、グラフト102を頭皮118に挿入する。この実施態様において、グラフト102は、例えば鉗子を使用して、手動でグラフトチャンバ104に装填されても良い。ロッド108の端部115は、ヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116の方へ押進され、その結果、ヘアグラフトを頭皮に移植する。
【0021】
ヘアグラフト102は、ロッド108の端部115、ヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116及びヘアグラフトチャンバ104の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ104内のスペースに装填される。有利なことに、ヘアグラフト102はヘアグラフトチャンバ104に装填され、図1Bに示されているように、グラフトの根元が、ヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116に向いた状態で適切に配置される。一実施例において、ヘアグラフトチャンバ104は、移植されるヘアグラフトの幅よりも最低限大きい内径を有する中空のチューブとして提供され、それによって、装填されたヘアグラフトを適切な装填位置及び整合で概ね保持する。従って、ヘアグラフト102は、次に行う頭皮への移植のために、(ヘアグラフトチャンバ104の整合に基づく)既知の整合で適切に配置される。
【0022】
本発明では、プランジャ114が先端116を介してヘアグラフトを頭皮の傷口に押出すので、ヘアグラフトはヘアグラフトチャンバ104によって、不適切な横の偏位に制約がかけられる。ヘアグラフトチャンバ104は、加えられた全ての力がハウジング101の中心軸線Aを降下するように伝達される。「骨格」のような不定形のヘアグラフトに堅さを提供する髪によってヘアグラフトはゆがまず、ヘアグラフトチャンバ104は、ヘアグラフトの横方向の移動を抑制し、ヘアグラフトチャンバ104から押出されるヘアグラフトを、あらかじめ作られた「擬チューブ状」の頭皮の傷口に正確に入れることを可能にするからである。比較的不定形なグラフト周囲にある湿った脂質はグラフトを滑らかにし、傷口の様々な凝血を滑り抜けるので、傷口の乱れは最低限で済む。
【0023】
図10A及び10Bに示されているように、ヘアグラフトチャンバ104の先端116に、著しいベベル又はテーパがある場合、ベベル又はテーパの角度が増加するほど、ヘアグラフトはゆがみやすくなる。なぜなら、ヘアグラフトに対するヘアグラフトチャンバの制約が、増大したテーパによって減少するからである。ヘアグラフトチャンバ104の先端におけるわずかなベベル又はテーパは、ベベル又はテーパの無いヘアグラフトチャンバと概ね同じ機能及び制約を提供し得る。
【0024】
図10Aには、テーパの無いヘアグラフトチャンバ104の一例が示されている。先端116の横断面は、ヘアグラフトチャンバ104の壁と90度の角度を形成しており、ヘアグラフト102の表面とヘアグラフトチャンバ104の内壁との間のスペースS1を、概ね最小限にさせている。従って、テーパの無いヘアグラフトチャンバ104は、ヘアグラフトの横方向の移動に対して、より高い制約を提供し得る。更に有利なことに、テーパの無いヘアグラフトチャンバ104は、ヘアグラフトチャンバの先端が、傷口内に入ること無く傷口の開口部を密閉させる。
【0025】
図10Bは、テーパがつけられたヘアグラフトチャンバ104の一例を示している。先端116の横断面は、ヘアグラフトチャンバ104の壁と90度未満の角度を形成しており、それによって、ヘアグラフト102の表面とヘアグラフトチャンバ104の内壁との間のスペースを増加させている。通常の針は、針の長さ方向の軸線Aに対して約45度から60度の角度でテーパがつけられた先端を有している。従って、テーパがつけられたヘアグラフトチャンバ104は、ヘアグラフト102の表面とヘアグラフトチャンバ104の内壁との間に増大したスペースS2を提供する。その結果、ヘアグラフトの横方向の移動の制約が減少する。更に、この実施態様において、ヘアグラフトチャンバ104のテーパがつけられた部分は、皮膚表面で密閉を形成するべく、頭皮の傷口の軸線に沿って下向きの力をかけるため、あらかじめ作られた傷口の上面に進入せざるを得ない。更に不利なことに、チューブのベベルがつけられた部分は傷口に押し込まれ、その結果、チューブの体積の機械的効果が傷口周辺の環境に強い衝撃を与え、付近に配置されたグラフト又は傷口内の凝血の再出血を引き起こすことがある。
【0026】
再び図1Aから図1Dを参照すると、ピストン112はロッド108と連結されており、ピストン112及び連結ロッド108はピストンチャンバ106内で動作し、共にハウジング101の中心軸線である軸線A(一点鎖線により表示)と整合される。ロッド108は、移植ステップでヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116を介してヘアグラフト102を押出す。ハウジング101に対するロッド108の端部115の位置は、ヘアグラフトを装填し、装填されたグラフトを適正に配置し、グラフトを頭皮に挿入し、頭皮に入ったグラフトを離すために重要であり、以下に更に詳しく説明される。一実施例において、最初にロッド108の端部115は、ヘアグラフトチャンバ106内の、ヘアグラフトチャンバ106の先端116から約6mmの所に位置している。別の実施例において、ピストンチャンバ106はチューブ形状を有しており、長さは約2.5インチであり、直径は約0.5インチである。
【0027】
プランジャ114は、ピストンチャンバ106の近接端部113の開口部を介して、ピストン112に連結される。プランジャ114はピストン112の一連の位置を決定し、その結果、動作している間のロッド108の位置も決定する。プランジャ114が力Fで押圧される時、図1C及び図1Dに示されているように、ピストン112及びロッド108は、ヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116の方へ移動される。プランジャ114は、中心軸線Aに沿って、先端116の方へピストン112及びロッド108を移動させる。
【0028】
この実施態様では、スプリング110も、ピストンチャンバ106内の、ピストン112とヘアグラフトチャンバ104との間に含まれている。プランジャ114に力Fが加えられていない場合、図1A及び図1Bに示されているように、スプリング110は圧縮されず、ピストン112は静止位置にある。力Fが加えられている場合、図1C及び図1Dに示されているように、ハウジング101の中心軸線Aに沿って、ピストン112はヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116の方へ移動する。ピストン112は同時に、スプリング110によって、ピストンチャンバ106の近接端部113の方へ付勢される。
【0029】
操作する間、植毛装置100は操作者の親指と中指の間で保持され得る。人差し指は装置を操作するために自由にしておくが、詳しくは後述される。操作者は別な方法で装置100を保持しても良く、例えば装置を手のひらに置き、親指で操作する。
【0030】
ヘアグラフトのヘアグラフトチャンバ104への装填後、図1Bに示されているように、ハウジング101は頭皮118の傷口120上に配置される。ヘアグラフトチャンバ104は、頭皮の傷口開口部の方向に整合され、皮膚に対して徐々に押圧される。ヘアグラフトチャンバ104の先端116と開口した傷口は、きっちりとフィットするが、ヘアグラフトチャンバ104の先端116及び装置100の他の部分を、傷口に著しく進入させないように、細心の注意が払われる。
【0031】
有利なことに、ヘアグラフトはヘアグラフトチャンバ104内に制約されるので、操作者は、ヘアグラフトチャンバ104及びヘアグラフトチャンバ104の先端116と一緒に、ヘアグラフトを頭皮の傷口の開口部と容易に整合させることができる。そして、グラフトを実際に移植する際、ロッド108を前進させるため、装置は操作者によるわずかな調整を必要とする。
【0032】
ヘアグラフトチャンバ104内に装填されたグラフトと共に、ヘアグラフトチャンバ104の先端116が皮膚表面に配置されると、ヘアグラフトチャンバ104の軸線が傷口の軸線と整合されるので、図1C及び図1Dに示されているように、プランジャ114が作動させられる。プランジャ114に先端116の方へ力Fを提供することによって、プランジャ114と連通されたピストン112及び連結ロッド108を先端116の方へ移動させる。有利なことに、操作者は指1本で力Fを加え得る。プランジャ114が、先端116の方へロッド108を移動させると、ロッド108の端部115は、髪を施され、周囲を囲むヘアグラフトチャンバ104の内部表面に制約されたヘアグラフトの近接端部の上に降下され、ヘアグラフトを最小抵抗の進路に沿って、ヘアグラフトチャンバ104から傷口に前進させる。
【0033】
有利なことに、ハウジングはあらかじめ作られた傷口の方向に整合され、損傷を与えること無く、あらかじめ作られた傷口にヘアグラフトを容易に滑り込ませる。余計な力は傷口に対するハウジングの整合によって排除される。従って、頭皮の傷口内に落着するまで障害物無く移動させるべく、ヘアグラフトのために直線状の進路が作り出される。
【0034】
移動可能なロッド108は、ヘアグラフトチャンバ104の軸線Aに沿って、ピストン112によって作動され、おおよそヘアグラフトの長さを移動する。従って、移植が行われる時、図1Dに示されているように、ロッド108の端部115はヘアグラフトチャンバ104の先端116と一致する。ヘアグラフトチャンバ104からのグラフトの離脱は、ロッド108がヘアグラフトチャンバ104の先端116まで完全に進んだ時点で完了される。一実施態様において、装置100のいずれの部分も傷口に入ること無く、グラフトが頭皮の傷口内に配置される。別の実施態様において、皮膚表面又は皮下にグラフトを辛うじて固定するためのロッド108の最前進位置として、ロッド108がヘアグラフトチャンバ104の端部をわずかに越えて延在しても良いが、著しく傷口に進入するほどではない。プランジャ114が完全に展開されると、装置100の大部分は頭皮内に移動されずに、グラフトが完全に移植される。そして、装置100は実質的に頭皮環境を妨害すること無く皮膚表面から離れ得る。
【0035】
力Fがプランジャ114に加えられる時、スプリング110はピストン112とピストンチャンバ106の先端との間で圧縮される。一実施態様において、圧縮されたスプリング110は、ロッド108の完全な展開位置を制御するために使用され得る。完全に圧縮されたスプリング110の長さは、「ストッパ」として機能し、ピストン112の更なる移動を制限し、従ってロッド108の移動も制限する。最大限に展開したロッド108の端部115は、図1Dに示されているように、ヘアグラフトチャンバ104の先端116と概ね一致する。別の実施態様において、操作者はプランジャ114に対して加えられる力Fの大きさを変化させて良く、ピストン112及びロッド108の移動を制御する。更なる実施態様において、図2Aから図2Dに示されているように、ピストン112の移動を物理的に制限するために、単純なストッパ209がピストンチャンバ106内に提供されて良く、ロッド108の端部115は実質的に先端116を越えて延在できない。
【0036】
ピストン112及びロッド108は、プランジャ114への力Fを取り除くことによって引込められ得る。その結果、スプリング110からの付勢が、図1Aに示されているように、ピストン112及びロッド108を、近接端部113及び最初の静止位置の方へ移動させる。
【0037】
本発明が提供するヘアグラフトの移植装置及び方法は、グラフトを所望の深さに配置する際に、装置の各部分の傷口への進入を最小限にする又は排除する。一実施態様において、針(高角度なベベルを有するチューブ)は使用されず、硬いチューブ(または最低限の傾斜がつけられたチューブ)が皮下に著しく押入ることもない。従って本発明は、植毛器具から頭皮の傷口に対する負担となる体積及び圧力を減少する。その結果、存在している凝血の擾乱を減少させ、グラフトが押出されることを防止する。
【0038】
図2Aから図2Dは、本発明の別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植する装置及び方法の略図である。図2Aから図2Dは、植毛装置200の断面図を示している。
【0039】
植毛装置200は、ヘアグラフトチャンバ204及びピストンチャンバ206を有するハウジング201を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ204の近接端部は、ピストンチャンバ206と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)をヘアグラフトチャンバ204に装填する。ヘアグラフト102は、ロッド208の端部215、ヘアグラフトチャンバ204の開口した先端216及びヘアグラフトチャンバ204の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ204内のスペースに装填される。次に装置200は、ピストン212及び連結ロッド208を作動させるプランジャ214によって、グラフト102を頭皮118に挿入する。この実施態様において、グラフト102は、例えば鉗子を使用して、手動でグラフトチャンバ204に装填されても良い。ロッド208の端部215は、ヘアグラフトチャンバ204の開口した先端216の方へ押進され、その結果、ヘアグラフトを頭皮に移植する。
【0040】
ヘアグラフトチャンバ204、ピストンチャンバ206、ロッド208、ピストン212及びプランジャ214は、それぞれの構造及び機能が、上述のヘアグラフトチャンバ104、ピストンチャンバ106、ロッド108、ピストン112及びプランジャ114と概ね同様である。
【0041】
装置200はピストン212周囲のピストンリング210を含んでいるが、ピストンチャンバ内のスプリング機構は含んでいない。ピストンリング210は、ピストン212をピストンチャンバ206内側に十分密接してフィットさせ、プランジャ214に対して力Fが加わる時、操作者にピストン212の移動をより正確に制御させる。一実施態様において、ピストンリング210は、ゴム、ポリマ又は類似の機械的性質を有する別の材料から形成されて良く、ピストンチャンバ206の内面とピストン212との間をよくフィットさせる。別の実施態様において、ピストンリングの代わりに、ピストン212がピストンチャンバ206の内面とフィットするような材料から形成されて良く、ピストンチャンバ206内でピストン212の移動が正確に制御されるようにする。例えば、ピストン212はゴム、ポリマ又は類似の機械的性質を有する別の材料から形成されて良く、ピストン212は、ピストンチャンバ206の内面と接触する畝及び溝を含んで良い。
【0042】
装置200は、チャンバ206内にストッパ209を含んでも良く、ピストンチャンバ206内でのピストン212の移動を制限する。その結果、ヘアグラフトチャンバ204の先端216に対して、ロッド208の端部215を正確に配置させる。
【0043】
図3Aから図3Dは、本発明のまた別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植する装置及び方法の略図である。図3Aから図3Dは、植毛装置300の断面図を示している。
【0044】
植毛装置300は、ヘアグラフトチャンバ304及びピストンチャンバ306を有するハウジング301を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ304の近接端部は、ピストンチャンバ306と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)をヘアグラフトチャンバ304に装填する。ヘアグラフト102は、ロッド308の端部315、ヘアグラフトチャンバ304の開口した先端316及びヘアグラフトチャンバ304の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ304内のスペースに装填される。
【0045】
次に装置300は、ピストン312及び連結ロッド308を作動させるバキューム装置322を利用して、グラフト102を頭皮118に挿入する。装置300は、バキューム装置322及びピストンチャンバ306内のバキュームを制御するためのポート311と330を含んでいる。この実施態様において、グラフト102は、例えば鉗子を使用して、手動でグラフトチャンバ304に装填されても良い。ロッド308の端部315は、ヘアグラフトチャンバ304の開口した先端316の方へ押進され、ヘアグラフトを頭皮に移植する。
【0046】
ヘアグラフトチャンバ304、ピストンチャンバ306、ロッド308、スプリング310及びピストン312は、それぞれの構造及び機能が、上述のヘアグラフトチャンバ104、ピストンチャンバ106、ロッド108、スプリング110及びピストン112と概ね同様である。
【0047】
バキューム装置322は、ポート311を介してピストンチャンバ306に連結されており、ピストンチャンバ306にバキュームを印加する及び解除する。一実施例において、ポート311は単純な開口部である。バキューム装置322は様々な市販のバキューム装置で良く、ピストン312を先端316の方へ作動させるのに十分なバキュームを提供し、スプリング310を圧縮させ、ロッド308を最大限の展開位置である端部316まで展開させる。ポート330はまた、単純な開口部と開口部の開閉を可能とするカバーを含んでおり、ピストンチャンバ306内のバキュームの解除又は印加を可能にする(即ち、ポート330が閉じるとバキュームを印加し、ポート330が開くとバキュームを解除する)。別の実施態様において、単純なスイッチ又は別の制御機構がバキューム装置322に連結され、ピストンチャンバ306内のバキュームの解除、印加又はバキュームの強さの制御を行う。
【0048】
バキューム装置322のバキュームが解除された時、図3A及び図3Bに示されているように、スプリング310は圧縮されず、ピストン312は静止位置にある。バキュームが印加された時、図3C及び図3Dに示されているように、ハウジング301の中心軸線Aに沿って、ピストン312はヘアグラフトチャンバ304の開口した先端316の方へ移動する。ピストン312は同時に、スプリング310によって、ピストンチャンバ306の近接端部313の方へ付勢される。
【0049】
ヘアグラフト102が、ヘアグラフトチャンバ304のスペースに堅く保持されるとすぐに、ヘアグラフトチャンバ304の先端316は、頭皮118の開口した傷口120に移動する。傷口は好ましくはヘアグラフトチャンバ304の内径とおおよそ同じ幅であるべきである。ヘアグラフトチャンバ304が、傷口の縁を皮膚表面で密閉させるように配置され、且つヘアグラフトチャンバ304が、皮膚表面から傷口の深部まで傷口と整合されると、ポート330はバキューム装置322を連通させるべく閉じられ、その結果、ピストンチャンバ306にバキュームを作り出す。従って、この実施態様において、ピストン312は単純な指の移動によって作動される。器具が頭皮に対してまだ保持されたまま、ピストン312及び連結ロッド308は、先端316の方へ移動される。ヘアグラフト102は、ピストン及びロッドの移動が完了するまで傷口に前進する。この時点で、グラフトは最終位置にある。
【0050】
ピストンチャンバ306内にバキュームが作り出される時、ピストン312及び連結ロッド308は、スプリング310を圧縮するべく先端316の方へ作動される。最大限に展開したロッド308の端部315は、図3Dに示されているように、ヘアグラフトチャンバ304の先端316と概ね一致する。圧縮されたスプリング310は、ロッド308の端部315が、先端316と概ね一致するように、ロッド308の完全な展開位置を制御し得る。別の実施態様において、バキューム装置328の強さは印加的に制御されて良く、ピストン312及びロッド308の移動が制御されるようにする。或いは、ストッパはピストンチャンバ306内に提供されて良く、ピストン312の移動を物理的に制限し、ロッド308の端部315は実質的に先端316を越えて延在できない。
【0051】
ピストン312及びロッド308は、ピストンチャンバ306のバキュームを解除することによって引込められ、その結果、図3A及び図3Bに示されているように、スプリング310がピストン312及びロッド308を、近接端部313の方へ別のヘアグラフトが装填される静止位置まで移動させる。
【0052】
図4Aから図4Dは、本発明のまた別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植する装置及び方法の略図である。図4Aから図4Dは、装置400の断面図を示している。
【0053】
植毛装置400は、ヘアグラフトチャンバ404及びピストンチャンバ406を有するハウジング401を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ404の近接端部は、ピストンチャンバ406と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)をヘアグラフトチャンバ404に装填する。ヘアグラフト102は、ロッド408の端部415、ヘアグラフトチャンバ404の開口した先端416及びヘアグラフトチャンバ404の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ404内のスペースに装填される。バキューム装置424は、真空吸引によってヘアグラフトを捕捉するべく使用される。
【0054】
次に装置400は、ピストン412及び連結ロッド408を作動させるプランジャ414を利用して、グラフト102を頭皮118に挿入する。ロッド408の端部415は、ヘアグラフトチャンバ404の開口した先端416の方へ押進され、ヘアグラフトを頭皮に移植する。
【0055】
ヘアグラフトチャンバ404、ピストンチャンバ406、ロッド408、スプリング410、ピストン412及びプランジャ414は、それぞれの構造及び機能が、上述のヘアグラフトチャンバ104、ピストンチャンバ106、ロッド108、スプリング110、ピストン112及びプランジャ114と概ね同様である。
【0056】
バキューム装置424は、ヘアグラフトチャンバ404の側面にあるポート405に連結されており、図4Aに示されているように、グラフトをヘアグラフトチャンバ404の開口した先端416に引込ませる。バキューム装置424は様々な市販のバキューム装置で良く、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバ404に吸引するのに十分なバキュームを提供する。ヘアグラフトチャンバ404のポート405で連結されたセパレートチューブ425を介して、ヘアグラフトチャンバ404にバキュームが提供されると、先端416において吸引が行われる。ヘアグラフトチャンバの先端がヘアグラフトに対向して配置されると、エアフローでグラフトを捕捉し、グラフトがロッド408の端部415で止められる迄又はバキュームが解除される迄、グラフトをヘアグラフトチャンバに引込む。一実施例において、最初にロッド408の端部415は、ヘアグラフトチャンバ404内の、ヘアグラフトチャンバの先端416から約6mmの所に位置しているが、本発明をこれだけに限定するものではない。
【0057】
制御手段426は、ヘアグラフトチャンバ404へのバキュームの印加又は解除の制御に用いられる。一実施例において、制御手段426は、バキューム装置424とポート405を連結するライン425にある開口部を覆う単純なカバーであるが、本発明をこれだけに限定するものではない。制御手段426が連通されている(例えば、カバーが開口部を覆う)時にバキュームが発生し、制御手段が連通を解除されている(例えば、カバーが開口部を覆っていない)時はバキュームが発生しない。別の実施態様において、連通している制御手段426がバキュームを解除して良く、連通していない制御手段426がバキュームを印加しても良い。別の実施態様において、単純なスイッチ又は別の制御機構がバキューム装置424に連結され、ヘアグラフトチャンバ404内のバキュームの解除、印加又はバキュームの強さの制御を行う。
【0058】
この実施態様において、装置400は都合よく手動操作可能であり、ヘアグラフト102がヘアグラフトチャンバ404内へ適切に配置されるように装填する役割を果たす。有利なことに、ヘアグラフトの端部に位置している髪は、毛根が先端416を向くようにヘアグラフトチャンバ404内に引込まれ、その結果、次に行う移植のために、ヘアグラフトを適切な位置且つ既知の整合で装填する。ヘアグラフトチャンバ404に適切に装填された後、バキューム装置424は連通を解除される。
【0059】
図5Aから図5Dは、本発明の別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植する装置及び方法の略図である。図5Aから図5Dは、装置500の断面図を示している。
【0060】
植毛装置500は、それぞれ装置300及び装置400として上述された、図3Aから図3D及び図4Aから図4Dに示されている2つの実施態様の組み合わせである。植毛装置500は、ヘアグラフトチャンバ504及びピストンチャンバ506を有するハウジング501を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ504の近接端部は、ピストンチャンバ506と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)はヘアグラフトチャンバ504に装填される。ヘアグラフト102は、ロッド508の先端515、ヘアグラフトチャンバ504の開口した先端516及びヘアグラフトチャンバ504の内壁で画定されるヘアグラフトチャンバ504内のスペースに装填される。バキューム装置524は、真空吸引によってヘアグラフトを捕捉するべく使用される。
【0061】
次に装置500は、ロッド508を作動させるピストンチャンバ506を利用して、グラフトを頭皮に挿入するべく動作する。バキューム装置522は、グラフトを頭皮に挿入するべくロッド508を作動させるために用いられる。
【0062】
ヘアグラフトチャンバ504、ピストンチャンバ506、ロッド508、スプリング510及びピストン512は、それぞれの構造及び機能が、上述のヘアグラフトチャンバ104、ピストンチャンバ106、ロッド108、スプリング110及びピストン112と概ね同様である。バキューム装置522、ポート511及びポート530は、それぞれの構造及び機能が、上述のバキューム装置322、ポート311及びポート330と概ね同様である。バキューム装置524、制御手段526及びポート505は、それぞれの構造及び機能が、上述のバキューム装置424、制御手段426及びポート405と概ね同様である。
【0063】
バキューム装置524は、ヘアグラフトチャンバ504の側面にあるポート505に連結されており、図5A及び図5Bに示されているように、グラフト102をヘアグラフトチャンバ504の開口した先端516に引込ませる。制御手段526は、ヘアグラフトチャンバ504へのバキュームの印加及び解除の制御に用いられる。ヘアグラフトがヘアグラフトチャンバ504に適切に装填されている時、その後にバキューム装置524は連通が遮断され得る。有利なことに、制御手段526を連通する又は解除するための操作者の単純な指の動作によって、バキュームは提供される。別の実施態様において、単純なスイッチ又は別の制御機構がバキューム装置524に連結され、ヘアグラフトチャンバ504内のバキュームの解除、印加又はバキュームの強さの制御を行う。バキュームは次にピストンチャンバ506に印加される。
【0064】
バキューム装置522からバキュームが解除されている時、図5A及び図5Bに示されているように、スプリング510は圧縮されず、ピストン512は最初の静止位置にある。ピストンチャンバ506にバキュームが印加されている時、図5C及び図5Dに示されているように、ハウジング501の中心軸線Aに沿って、ピストン512はヘアグラフトチャンバ504の開口した先端516の方へ移動する。有利なことに、ポート530を連通する又は解除するための操作者の単純な指の動作によって、バキュームは提供される。別の実施態様において、単純なスイッチ又は別の制御機構がバキューム装置522に連結され、ピストンチャンバ506内のバキュームの解除、印加又はバキュームの強さの制御を行う。
【0065】
ピストンチャンバ506内のバキュームの印加は、ピストン512及び連結ロッド508を先端516の方へ移動させ、スプリング510を圧縮する。ピストン512は同時に、スプリング510によって、ピストンチャンバ506の近接端部513の方へ付勢される。最大限に展開したロッド508の端部515は、図5Dに示されているように、ヘアグラフトチャンバ504の先端516と概ね一致する。圧縮されたスプリング510は、ロッド508の端部515が、先端516と概ね一致するように、ロッド508の完全な展開位置を制御し得る。別の実施態様において、バキューム装置522の強さは印加的に制御されて良く、ピストン512及びロッド508の移動が制御されるようにする。或いは、ストッパはピストンチャンバ506内に提供されて良く、ピストン512の動作を物理的に制限し、ロッド508の端部515は先端516を越えて延在できない。
【0066】
ピストン512及びロッド508は、ピストンチャンバ506のバキュームを解除することによって引込められ、その結果、図5A及び図5Bに示されているように、スプリング510がピストン512及びロッド508を、近接端部513の方へ別のヘアグラフトが装填される静止位置まで移動させる。
【0067】
本発明の一実施態様に基づいた、図4Aから図4D及び図5Aから図5Dに示されている、ヘアグラフトチャンバにバキュームの印加及び解除を行う装置及び方法を、図6A及び図6Bで示している。
【0068】
ポート605がヘアグラフトチャンバ604の側面に提供されており、そこにはバキューム装置、例えば上述のバキューム装置424又は524が、連通手段、例えばチューブ425又は525及び/又は制御手段426又は526によって連結され得る。一実施例において、ポート605はヘアグラフトチャンバ604の側壁にある開口部であり、空気は通過させるがヘアグラフトは通過させないメッシュ607を含んでいる。
【0069】
バキューム装置が、図6Bに矢印Aで示されているように、ポート605を介してヘアグラフトチャンバ604に空気吸引を提供するべく作動されると、図6Bに矢印Bで示されているように、空気吸引がヘアグラフトチャンバ604の開口した先端616に提供される。先端616での空気吸引は、先端616を介してヘアグラフトチャンバ604に引込まれるグラフトを装填させ、移植準備を整わせる。
【0070】
図7A〜図7B、図8A〜図8B及び図9A〜図9Bは、本発明に基づいたヘアグラフトチャンバの異なった実施態様を示している。それぞれの実施態様は、チューブ状のヘアグラフトチャンバを含んでいる。ヘアグラフトチャンバの2つの部分は、ヘアグラフトを装填するために互いに分離され得る。次にヘアグラフトチャンバの2つの部分は、ヘアグラフトを頭皮に移植する準備と整合を行うべく、装填されたヘアグラフトの周囲に中空のチューブを形成するように互いに連結される。一実施例において、ヘアグラフトチャンバは、チューブの中間部で2つの部分からなっている。更なる実施例において、中空のチューブは、装填されるヘアグラフトの幅よりも最低限大きい内径を有している。
【0071】
ここで図7A及び図7Bを参照すると、先端716、第1の部分704a及び第2の部分704bを含むヘアグラフトチャンバ704が示されている。第1の部分704aは、インターフェイス740で第2の部分704bに対して移動可能であり、インターフェイス742で互いに連結される。一実施例において、インターフェイス740はヒンジを含んでも良く、両側矢印線Aで示されている方向に沿って第1の部分704aを移動させる。別の実施態様において、インターフェイス740及び742は、他の適切なジョイント(例えば、フレキシブルポリマ)を含んでも良く、2つの部品が互いに離れている開放位置と2つの部品が互いに連結されている閉鎖位置の間で、第1の部分704aを移動させる。
【0072】
開放位置において、第1の部分704aは第2の部分704bから離れており、ヘアグラフトが第2の部分704bに装填され得る。次に第1の部分704aは、ヘアグラフトチャンバ704の壁でヘアグラフトを囲むべく第2の部分704bと連結され、それによって、ヘアグラフトを適切な整合で制約し、開口した先端716を介して、連結したヘアグラフトチャンバ704からヘアグラフトを移動する次に行う移植に備える。
【0073】
図8A及び図8Bは、先端816、第1の部分804a及び第2の部分804bを含むヘアグラフトチャンバ804を示している。第1の部分804aは、インターフェイス840に沿って第2の部分804bに対して移動可能である。一実施例において、インターフェイス840はスライド機構又はジョイントを含んでも良く、例えば溝とそれに連結する畝があり、両側矢印線Aで示されている方向に沿って第1の部分804aを移動させる。別の実施態様において、インターフェイス840は、他の適切なジョイントを含んでも良く、2つの部品が互いに離れている開放位置と2つの部品が互いに連結されている閉鎖位置の間で、第1の部分804aをスライドさせる。
【0074】
図9A及び図9Bは、先端916、第1の部分904a及び第2の部分904bを含むヘアグラフトチャンバ904を示している。第1の部分904aは、ジョイント940で第2の部分904bに対して移動可能である。一実施例において、ジョイント940はヒンジを含んでも良く、両側矢印線Aで示されている方向に沿って第1の部分904aを移動させる。別の実施態様において、ジョイント940は、他の適切なジョイントを含んでも良く(例えば、ユニバーサルジョイント、ボールソケットジョイント)、2つの部品が互いに離れている開放位置と2つの部品が互いに連結されている閉鎖位置の間で、第1の部分904aを移動させる。
【0075】
図7A〜図7B、図8A〜図8B及び図9A〜図9Bで示されている実施態様は、ヘアグラフトチャンバの一部にあるインターフェイスが、ヘアグラフトチャンバ全長の一部分のみに延在しているように表示しているが、2つの部分の間にあるインターフェイスは、ヘアグラフトチャンバ全長に渡って延在しても良い。更に、図7A〜図7B、図8A〜図8B及び図9A〜図9Bで示されている実施態様は、ヘアグラフトチャンバの2つの部分がインターフェイス及び/又はジョイントによって連結されるように表示しているが、一実施例において、ヘアグラフトを装填するための開放位置で、2つの部分が互いに完全に分離されても良い。そして2つの部分は、次に行う装填されたヘアグラフトの移植のために互いに連結され得る。一実施例において、ヘアグラフトチャンバの一部は、鉗子の自由端又はトングのような構造のアームに連結され得る。鉗子又はトングのような構造のアームが互いに離れている時、ヘアグラフトチャンバの一部は、互いに完全に分離されている。鉗子又はトングのような構造のアームが互いに近接するように移動される時、ヘアグラフトチャンバの一部は、チューブ状のヘアグラフトチャンバを形成するべく互いに連結される。
【0076】
別の実施態様において、ヘアグラフトチャンバは指状の突起を含んでおり、ハウジングの中心軸線に沿ってヘアグラフトチャンバの先端を越えて延在する。指状の突起は、おおよそヘアグラフトの長さを延在する。この実施態様を使用すると、ヘアグラフトを移植する時、装置の整合を導くための指状の突起が傷口の軸線に沿って傷口に配置される。有利なことに、指状の突起はヘアグラフトを傷口に導くだけではなく、ヘアグラフトを移植する前に傷口を少しずつ開く役割も果たし得る。
【0077】
更なる実施態様において、ピストンチャンバ内のロッドは、移植されるヘアグラフトと接するロッドの自由端から延在する指状の突起を含んでも良い。そのような指状の突起は、ウィリアム・ラスマン出願の米国特許第5,817,120号で開示されており、あらゆる面においてここに言及したことで本願の一部とする。
【0078】
図11Aから図11Dは、本発明のまた別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植するための装置及び方法の略図である。図11Aから図11Dは、装置1100の断面図を示している。
【0079】
植毛装置1100は、ヘアグラフトチャンバ1104及びアクチュエータチャンバ1106を有するハウジング1101を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ1104の近接端部は、アクチュエータチャンバ1106と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)はヘアグラフトチャンバ1104に装填される。ヘアグラフト102は、ガス浸透性ロッド1108の端部1115、ヘアグラフトチャンバ1104の開口した先端1116及びヘアグラフトチャンバ1104の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ1104内のスペースに装填される。バキューム装置1122は、真空吸引によってヘアグラフトを捕捉するべく使用される。
【0080】
次に装置1100は、ピストン1112及び連結ロッド1108を作動させるプランジャ1114を利用して、グラフト102を頭皮118に挿入する。ロッド1108の端部1115は、ヘアグラフトチャンバ1104の開口した先端1116の方へ押進され、ヘアグラフトを頭皮に移植する。
【0081】
ヘアグラフトチャンバ1104、アクチュエータチャンバ1106、スプリング1110、ピストン1112及びプランジャ1114は、それぞれの構造及び機能が、上述のヘアグラフトチャンバ104、ピストンチャンバ106、スプリング110、ピストン112及びプランジャ114と概ね同様である。
【0082】
プランジャ1114は、アクチュエータチャンバ1106の近接端部1113の開口部を介して、ピストン1112に連結されている。プランジャ1114はピストン1112の一連の位置を決定し、その結果、動作している間のロッド1108の位置も決定する。プランジャ1114が力Fで押圧される時、図11C及び図11Dに示されているように、ピストン1112及びロッド1108は、ヘアグラフトチャンバ1104の開口した先端1116の方へ移動される。プランジャ1114は、中心軸線Aに沿って、先端1116の方へピストン1112及びロッド1108を移動させる。
【0083】
この実施態様では、スプリング1110も、アクチュエータチャンバ1106内のピストン1112とヘアグラフトチャンバ1104の間に、ガス浸透性ロッドを囲むように含まれている。プランジャ1114に力Fが加えられていない場合、図11A及び図11Bに示されているように、スプリング1110は圧縮されず、ピストン1112は静止位置にある。力Fが加えられている場合、図11C及び図11Dに示されているように、ハウジング1101の中心軸線Aに沿って、ピストン1112はヘアグラフトチャンバ1104の開口した先端1116の方へ移動する。ピストン1112は同時に、スプリング1110によって、アクチュエータチャンバ1106の近接端部1113の方へ付勢される。
【0084】
ガス浸透性ロッド1108は、ヘアグラフトチャンバ1104の軸線Aに沿って、ピストン1112によって作動され、おおよそヘアグラフトの長さを移動する。移植が実施される時、図11Dに示されているように、ロッド1108の端部1115はヘアグラフトチャンバ1104の先端1116と一致する。ヘアグラフトチャンバからのグラフトの離脱は、ロッド1108がヘアグラフトチャンバ1104の先端1116まで完全に進んだ時点で完了される。一実施態様において、装置1100のいずれの部分も傷口に入ること無く、グラフトが頭皮の傷口内に配置される。別の実施態様において、皮膚表面又は皮下にグラフトを辛うじて固定するためのロッド1108の最前進位置として、ロッド1108がヘアグラフトチャンバ1104の端部をわずかに越えて延在しても良いが、著しく傷口に進入するほどではない。プランジャ1114が完全に展開されると、装置1100の大部分は頭皮内に移動されずに、グラフトが完全に移植される。そして、装置1100は実質的に頭皮環境を妨害すること無く皮膚表面から離れ得る。
【0085】
ピストン1112及びロッド1108は、プランジャ1114への力Fを取り除くことによって引込められ得る。その結果、スプリング1110からの付勢が、図11Aに示されているように、ピストン1112及びロッド1108を、近接端部1113及び最初の静止位置の方へ移動させる。
【0086】
ガス浸透性ロッド1108は、装填されたヘアグラフトを頭皮の傷口に移植する上述のロッド108と同様の機能を果たすが、植毛装置へのヘアグラフトの装填は異なる方法で機能している。バキューム装置1122が作動されている時、ロッド1108の端部1115で吸引を発生させるため、ガス浸透性の構造を介して、ガス浸透性ロッド1108に十分なガスを浸透させる。一実施例において、ガス浸透性ロッド1108は編組線で形成されるが、本発明をこれだけに限定するものではない。別の実施例において、ガス浸透性ロッド1108は多孔質の材料で形成され、ロッド1108の端部1115で印加される真空吸引を可能とするのに十分多孔質であるが、移植のために装填されたヘアグラフトを、ヘアグラフトチャンバから物理的に押出可能な構造で形成される。
【0087】
バキューム装置1122は、アクチュエータチャンバ1106の側面にあるポート1111に連結されており、図11A及び図11Bに示されているように、ヘアグラフト102をヘアグラフトチャンバ1104の開口した先端に引込ませる。バキューム装置1122は様々な市販のバキューム装置で良く、ガス浸透性ロッド1108を介して、吸引が端部1115そしてそれに従って先端1116に作られるので、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバ1104に吸引するのに十分なバキュームを提供する。ヘアグラフトチャンバの先端がヘアグラフトに対向して配置されると、吸引でグラフトを捕捉し、グラフトがロッド1108の端部1115で止められる迄又はバキュームが解除される迄、グラフトをヘアグラフトチャンバに引込む。一実施例において、最初にロッド1108の端部1115は、ヘアグラフトチャンバ1104内の、ヘアグラフトチャンバの先端1116から約6mmの所に位置しているが、本発明をこれだけに限定するものではない。
【0088】
制御手段が、ヘアグラフトチャンバ1104内のバキュームの印加及び解除の制御に使用され得る。一実施例において、制御手段はバキューム装置1122とポート1111を連結するラインにある開口部を覆う単純なカバーであるが、本発明をこれだけに限定するものではない。制御手段が連通されている(例えば、カバーが開口部を覆う)時にバキュームが発生し、制御手段が連通を解除されている(例えば、カバーが開口部を覆っていない)時はバキュームが発生しない。別の実施態様において、制御手段を連通するとバキュームを解除して良く、制御手段の連通を解除するとバキュームが印加されて良い。別の実施態様において、単純なスイッチ又は別の制御機構がバキューム装置1122に連結され、ヘアグラフトチャンバ1104内のバキュームの解除、印加又はバキュームの強さの制御を行う。
【0089】
この実施態様において、装置1100は都合良く手動操作可能であり、ヘアグラフト102がヘアグラフトチャンバ1104内へ適切に配置されるように装填する役割を果たす。有利なことに、ヘアグラフトの端部に位置している髪は、毛根が先端1116を向くようにヘアグラフトチャンバ1104内に引込まれ、その結果、次に行う移植のために、ヘアグラフトを適切な位置且つ既知の整合で装填する。ヘアグラフトチャンバ1104に適切に装填された後、バキューム装置1122は連通を解除される。
【0090】
図12Aから図12Dは、本発明のまた別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植する装置及び方法の略図である。図12Aから図12Bは、装置1200の断面図を示している。
【0091】
植毛装置1200は、ヘアグラフトチャンバ1204及びアクチュエータチャンバ1206を有するハウジング1201を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ1204の近接端部は、アクチュエータチャンバ1206と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)はヘアグラフトチャンバ1204に装填される。ヘアグラフト102は、ガス浸透性ストッパ1205の端部1215、ヘアグラフトチャンバ1204の開口した先端1216及びヘアグラフトチャンバ1204の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ1204内のスペースに装填される。ガスポンプ1222は、真空吸引によってヘアグラフトを捕捉するべく使用される。
【0092】
次に装置1200は、ガス浸透性ストッパ1205を介して先端1216の方へガスフローを提供可能なガスポンプ1222を利用して、グラフト102を頭皮118に挿入する。ガスフローは、ヘアグラフトを頭皮に移植するため、チャンバ1204の開口した先端を介して、装填されたヘアグラフトをハウジングから作動させる又は押出させる。
【0093】
ヘアグラフトチャンバ1204は、構造、機能及び有利な点が、上述のヘアグラフトチャンバ104と概ね同様である。
【0094】
ガスポンプ1222が1つのモードで作動されている時、ストッパ1205の端部1215で吸引を発生させるため、ガス浸透性の構造を介して、ガス浸透性ストッパ1205に十分なガスを浸透させる。ガスポンプが別のモードで作動されている時も、先端1216の方ヘアグラフトチャンバ1204を介してガスフローを発生させるため、ガス浸透性の構造を介して、ガス浸透性ストッパ1205に十分なガスを浸透させる。一実施例において、ガス浸透性ストッパ1205は編組線で形成されるが、本発明をこれだけに限定するものではない。別の実施例において、ガス浸透性ストッパ1205は多孔質の材料で形成され、端部1215で印加される真空吸引を可能とするのに十分多孔質であるが、吸引されたヘアグラフトを、アクチュエータチャンバ1206への進入を物理的に停止可能な構造で形成される。
【0095】
ガスポンプ1222は、アクチュエータチャンバ1206の側面にあるポート1211に連結されており、図12A及び図12Bに示されているように、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバ1204の開口した先端1216を介して引込ませる。ガスポンプ1222は様々な市販の装置であって良く、ガス浸透性ストッパ1205を介して、吸引が端部1215そしてそれに従って先端1216に作られるので、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバ1204に吸引するのに十分なバキュームを提供する。ヘアグラフトチャンバの先端がヘアグラフトに対向して配置されると、吸引でグラフトを捕捉し、グラフトがストッパ1205の端部1215で止められる迄又はバキュームが解除される迄、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバに引込む。ガスポンプ1222は様々な市販の装置であっても良く、先端1216の方へガス浸透性ストッパ1205を介して十分なエアフローを提供し、装填されたヘアグラフトが先端1216を介してヘアグラフトチャンバ1204から押出される又は作動され得る。
【0096】
制御手段が、ヘアグラフトチャンバ1204を通過するエアフローの印加及び解除の制御に使用され得る。一実施例において、制御手段はガスポンプ1222に連結された単純なスイッチであり、バキュームの強さとヘアグラフトチャンバ1204を通過するエアフローの解除、印加及び制御を行うが、本発明をこれだけに限定するものではない。
【0097】
この実施態様において、装置1200は都合良く手動操作可能であり、ヘアグラフト102が、次に行う移植のためにヘアグラフトチャンバ1204内へ適切に配置されるように装填する役割を果たす。有利なことに、ヘアグラフトの端部に位置している髪は、毛根が先端1216を向くようにヘアグラフトチャンバ1204内に引込まれ、その結果、次に行う移植のために、ヘアグラフトを適切な位置且つ既知の整合で装填する。ヘアグラフトチャンバ1204に適切に装填された後、ガスポンプ1222は連通を解除され、装填されたヘアグラフトを移植するための別のモードが作動される。
【0098】
上述された本発明の実施態様は、単に具体例を示すためだけに記載されたのであって、本発明がこれらに限定されるわけではない。様々な変化及び変更が、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。従って、本発明は特定の構造又は寸法に限定されない。例として、本発明は個々のフォリキュラユニットだけではなく、全てのタイプのヘアグラフトに適用され得る。更なる実施例において、上述のピストンは機械部品に限定されず、連結ロッドの作動を提供するべく移動可能な大量の水又はエアを含んでも良い。従って、そのような全ての変化及び変更は、本発明の範囲内であるので、本願明細書に記載されている請求項に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1A】本発明の一実施態様に基づいたスプリング装填式移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図1B】本発明の一実施態様に基づいたスプリング装填式移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図1C】本発明の一実施態様に基づいたスプリング装填式移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図1D】本発明の一実施態様に基づいたスプリング装填式移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図2A】本発明の別の実施態様に基づいた別の移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図2B】本発明の別の実施態様に基づいた別の移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図2C】本発明の別の実施態様に基づいた別の移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図2D】本発明の別の実施態様に基づいた別の移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図3A】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図3B】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図3C】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図3D】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図4A】本発明のまた別の実施態様に基づいた別のバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図4B】本発明のまた別の実施態様に基づいた別のバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図4C】本発明のまた別の実施態様に基づいた別のバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図4D】本発明のまた別の実施態様に基づいた別のバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図5A】本発明のまた別の実施態様に基づいた2つのバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図5B】本発明のまた別の実施態様に基づいた2つのバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図5C】本発明のまた別の実施態様に基づいた2つのバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図5D】本発明のまた別の実施態様に基づいた2つのバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図6A】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の装填部分の図である。
【図6B】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の装填部分の図である。
【図7A】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図7B】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図8A】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図8B】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図9A】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図9B】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図10A】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図10B】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図11A】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図11B】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図12A】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図12B】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。 異なる図面において同じ参照シンボルを使用しているものは、類似又は同一アイテムである。更に、図面は一定の縮尺で描かれているわけではないことに注意されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアグラフトを移植するための装置及び方法に関し、特に、あらかじめ作られた傷口に、ヘアグラフトを非侵襲的に移植する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の頭皮にヘアグラフトを移植することは良く知られている。現在の技術は、髪が豊富な部分の頭皮を切除し、移植用に個々のヘアグラフトを得るため、切除した頭皮部分を細かく分割する。そして、頭皮の髪がない又は薄い部分に移植する部位を作るために、切断器具で傷口を作り、出血が収まった後に、準備された移植部位に個々のグラフトを移植している。
【0003】
現在の植毛技術は、自然な頭皮に見えるように、1本から4本の髪が1つに束ねられたフォリキュラユニットを作り、これらのフォリキュラユニットをヘアグラフトとして使用するという移植プロセスにとどまっている。
【0004】
一般的には2種類の器具が、ヘアグラフトの移植を行う医師に現在使用されている。1種類目の器具は、ヘアグラフトを、あらかじめ作られた傷口に配置するようにデザインされている。一般に、市販のヘアグラフト移植器具の1つは、鞘に入った中空の針を含み、針が鞘を越えて延在する伸長位置と、針が鞘内に納められている収納位置の間を交互に移動する。2種類目の器具は、頭皮に傷口を作る単体器具で、新しくできた傷口にヘアグラフトを次々に移植する。これら(傷のない皮膚を介する)「経皮」器具は、あらかじめ作られた部位にヘアグラフトを配置するように使用されることも可能である。
【0005】
これら従来の器具にはいくつか不具合がある。通常、器具は非常に細心且つ繊細な制御をするので、グラフトを捕捉するべく針先端を配置するのに微調整が必要である。グラフトが捕捉されると、様々な方向に配向されることがある。器具がグラフトを頭皮に進入させると、これら器具の可動部は、しばしばグラフトの配置が完了する前に、移植されているグラフト又は移植部位周辺の以前に移植されたグラフトを脱落させる。
【0006】
従来の装置は、移植装置の一部分を頭皮の傷口に挿入している。例えば、米国特許第6,059,807号のように、グラフトが針に収容され、その後、順番に頭皮内に挿入される(即ち、針とグラフトの両方が、挿入中は物理的に頭皮内に配置される)。米国特許第6,461,369号では、針は、迅速に引込められる前に、針の先端に取付けられたグラフトと共に頭皮に挿入される。従って、グラフトが傷口内の所望の位置に配置されたとしても、グラフトは傷口から押出されることがある。なぜなら、器具が操作される度に侵襲的に針が傷口に進入する、即ち傷口に進入及び退出する針に伴う他の機械力によって、傷口の出血が再び発生するからである。
【0007】
それ故に、シンプルで概ね非侵襲的で、周囲のヘアグラフトを取り除くこと無くヘアグラフトの移植を完了させる、ヘアグラフトの移植方法及び装置が必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施態様によれば、開口した先端を有するハウジングと、装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿って、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致する位置まで移動可能な、前記ハウジング内に延在するロッドと、前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含む、ヘアグラフトを移植するための装置が提供される。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、ヘアグラフトを装填するために、第1の部分と第2の部分が分離可能な、開口した先端を有するハウジングと、装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿って、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致する位置まで移動可能な、前記ハウジング内に延在するロッドと、前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含む、ヘアグラフトを移植するための装置が提供される。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、開口した先端を有するハウジングと、前記開口した先端とは別の、前記ハウジングの側面にある開口部と、前記開口した先端に吸引力を提供するための、前記開口部と動作可能に連結されたバキューム装置とを含み、それによって、ヘアグラフトを前記開口した先端を介して前記ハウジングに引込むようにしたことを含む、ヘアグラフトを移植するための装置が提供される。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、アクチュエータチャンバと開口した先端を有するヘアグラフトチャンバを含むハウジングと、前記ヘアグラフトチャンバと動作可能に連結されたガス浸透性ストッパと、前記アクチュエータチャンバの側面にある開口部と、前記ガス浸透性ストッパを介して前記開口した先端に吸引力を提供して、前記開口した先端を介して前記ハウジングにヘアグラフトを引込ませるための、前記開口部と動作可能に連結されたバキューム源とを含む、ヘアグラフトを移植するための装置が提供される。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、アクチュエータチャンバと開口した先端を有するヘアグラフトチャンバを含むハウジングと、前記開口した先端に吸引力を提供して、前記開口した先端を介して前記ハウジングにヘアグラフトを引込ませるための、前記ハウジングと動作可能に連結されたバキューム源と、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿った所定の位置まで動作可能な、前記ハウジング内のガス浸透性ロッドと、装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含む、ヘアグラフトを移植するための装置が提供される。
【0013】
本発明のこれら及び別の特徴及び利点は、以下に記載される実施態様の詳細な説明と添付図面から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
従来のヘアグラフト移植器具は、針の一部又は全体が、皮膚又は傷口を介して、髪のフォリキュラユニットの長さに概ね等しい深さまで挿入される。これらの器具は、機械的方法を介して髪を最終的な静止位置に導く。移植器具(例えば、指状の突起又は針状のハウジング)の一部がグラフトを捕捉し、グラフトが器具から押出される前に、器具の一部が理想の深さまで挿入される。皮下に進入する器具の一部は、ヘアグラフトが配置されるスペースを膨張させる。グラフトを移植する時の器具の機械的動作は、皮膚に圧力をかけ、皮膚を切断するかどうかを問わず、ヘアグラフトのためのスペース内に体積と圧力を増加させる。
【0015】
グラフトが挿入される位置又はその下部で、傷口の環境は動的に変化する。ヘアグラフトのためのスペース内には、体積及び圧力効果がおこる。移植プロセスの物理的な動的変化は、移植中に器具の一部が皮下に配置されることによる体積の増加及び器具が同じ場所に留まったままヘアグラフトが押出されることによる体積の増加によって、皮下部分に強い衝撃を与える。増加した体積の各要素は、結果として皮下に加わる圧力を増加させる。圧力の変化は、傷口自身はもちろん、その限定されたスペースの外側にも横方向に伝達される。追加の衝撃には、グラフトがあらかじめ作られた部位に配置されることによる皮膚の膨張、切開器具によって皮膚表面が切られることによる皮膚の沈下及び機械的擾乱による新たに作られた傷口の再活性化が含まれる。機械的擾乱は、血管が最高血圧レベルで傷口に血液を「吸い上げる」原因となる。
【0016】
これら要因の全てが、グラフトを移植する部分に追加的な擾乱を加える。これら体積、圧力及び機械力が合わさることで、シャンパンのボトルからコルクが飛び出るのと同様の作用で、移植中にグラフトが押出される強い傾向がある。
【0017】
これらの力は、1つ又は複数の以下のことを引き起こす原因となり得る。(a)移植されたグラフトが、配置直後に押出される、(b)配置されたグラフトに近接するグラフトが押出される、(c)(限定された連鎖反応により)移植部位からかなり離れたグラフトが押出される。
【0018】
本発明は、ヘアグラフトを所望の方向及び位置で捕捉し、概ね非侵襲的に人間の頭皮にヘアグラフトを移植するための方法及び装置を有利に提供し、その結果、より完成した且つ安定した移植を可能とする。ヘアグラフト装置及び方法は、患者の頭皮の摘出部から以前に採取されたグラフトから供給されるヘアグラフトを捕捉する。
【0019】
図1Aから図1Dは、本発明の一実施態様に基づいたヘアグラフトを移植するための装置及び方法の略図である。図1Aから図1Dは、植毛装置100の断面図を示している。
【0020】
一実施態様において、植毛装置100は、ヘアグラフトチャンバ104及びピストンチャンバ106を有するハウジング101を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ104の近接端部は、ピストンチャンバ106と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、図1A及び図1Bに示されているように、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)をヘアグラフトチャンバ104に装填する。次に、装置100は、図1C及び図1Dに示されているように、プランジャ114を使って、ピストン112及びそれに連結されたロッド108を動作させて、グラフト102を頭皮118に挿入する。この実施態様において、グラフト102は、例えば鉗子を使用して、手動でグラフトチャンバ104に装填されても良い。ロッド108の端部115は、ヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116の方へ押進され、その結果、ヘアグラフトを頭皮に移植する。
【0021】
ヘアグラフト102は、ロッド108の端部115、ヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116及びヘアグラフトチャンバ104の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ104内のスペースに装填される。有利なことに、ヘアグラフト102はヘアグラフトチャンバ104に装填され、図1Bに示されているように、グラフトの根元が、ヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116に向いた状態で適切に配置される。一実施例において、ヘアグラフトチャンバ104は、移植されるヘアグラフトの幅よりも最低限大きい内径を有する中空のチューブとして提供され、それによって、装填されたヘアグラフトを適切な装填位置及び整合で概ね保持する。従って、ヘアグラフト102は、次に行う頭皮への移植のために、(ヘアグラフトチャンバ104の整合に基づく)既知の整合で適切に配置される。
【0022】
本発明では、プランジャ114が先端116を介してヘアグラフトを頭皮の傷口に押出すので、ヘアグラフトはヘアグラフトチャンバ104によって、不適切な横の偏位に制約がかけられる。ヘアグラフトチャンバ104は、加えられた全ての力がハウジング101の中心軸線Aを降下するように伝達される。「骨格」のような不定形のヘアグラフトに堅さを提供する髪によってヘアグラフトはゆがまず、ヘアグラフトチャンバ104は、ヘアグラフトの横方向の移動を抑制し、ヘアグラフトチャンバ104から押出されるヘアグラフトを、あらかじめ作られた「擬チューブ状」の頭皮の傷口に正確に入れることを可能にするからである。比較的不定形なグラフト周囲にある湿った脂質はグラフトを滑らかにし、傷口の様々な凝血を滑り抜けるので、傷口の乱れは最低限で済む。
【0023】
図10A及び10Bに示されているように、ヘアグラフトチャンバ104の先端116に、著しいベベル又はテーパがある場合、ベベル又はテーパの角度が増加するほど、ヘアグラフトはゆがみやすくなる。なぜなら、ヘアグラフトに対するヘアグラフトチャンバの制約が、増大したテーパによって減少するからである。ヘアグラフトチャンバ104の先端におけるわずかなベベル又はテーパは、ベベル又はテーパの無いヘアグラフトチャンバと概ね同じ機能及び制約を提供し得る。
【0024】
図10Aには、テーパの無いヘアグラフトチャンバ104の一例が示されている。先端116の横断面は、ヘアグラフトチャンバ104の壁と90度の角度を形成しており、ヘアグラフト102の表面とヘアグラフトチャンバ104の内壁との間のスペースS1を、概ね最小限にさせている。従って、テーパの無いヘアグラフトチャンバ104は、ヘアグラフトの横方向の移動に対して、より高い制約を提供し得る。更に有利なことに、テーパの無いヘアグラフトチャンバ104は、ヘアグラフトチャンバの先端が、傷口内に入ること無く傷口の開口部を密閉させる。
【0025】
図10Bは、テーパがつけられたヘアグラフトチャンバ104の一例を示している。先端116の横断面は、ヘアグラフトチャンバ104の壁と90度未満の角度を形成しており、それによって、ヘアグラフト102の表面とヘアグラフトチャンバ104の内壁との間のスペースを増加させている。通常の針は、針の長さ方向の軸線Aに対して約45度から60度の角度でテーパがつけられた先端を有している。従って、テーパがつけられたヘアグラフトチャンバ104は、ヘアグラフト102の表面とヘアグラフトチャンバ104の内壁との間に増大したスペースS2を提供する。その結果、ヘアグラフトの横方向の移動の制約が減少する。更に、この実施態様において、ヘアグラフトチャンバ104のテーパがつけられた部分は、皮膚表面で密閉を形成するべく、頭皮の傷口の軸線に沿って下向きの力をかけるため、あらかじめ作られた傷口の上面に進入せざるを得ない。更に不利なことに、チューブのベベルがつけられた部分は傷口に押し込まれ、その結果、チューブの体積の機械的効果が傷口周辺の環境に強い衝撃を与え、付近に配置されたグラフト又は傷口内の凝血の再出血を引き起こすことがある。
【0026】
再び図1Aから図1Dを参照すると、ピストン112はロッド108と連結されており、ピストン112及び連結ロッド108はピストンチャンバ106内で動作し、共にハウジング101の中心軸線である軸線A(一点鎖線により表示)と整合される。ロッド108は、移植ステップでヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116を介してヘアグラフト102を押出す。ハウジング101に対するロッド108の端部115の位置は、ヘアグラフトを装填し、装填されたグラフトを適正に配置し、グラフトを頭皮に挿入し、頭皮に入ったグラフトを離すために重要であり、以下に更に詳しく説明される。一実施例において、最初にロッド108の端部115は、ヘアグラフトチャンバ106内の、ヘアグラフトチャンバ106の先端116から約6mmの所に位置している。別の実施例において、ピストンチャンバ106はチューブ形状を有しており、長さは約2.5インチであり、直径は約0.5インチである。
【0027】
プランジャ114は、ピストンチャンバ106の近接端部113の開口部を介して、ピストン112に連結される。プランジャ114はピストン112の一連の位置を決定し、その結果、動作している間のロッド108の位置も決定する。プランジャ114が力Fで押圧される時、図1C及び図1Dに示されているように、ピストン112及びロッド108は、ヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116の方へ移動される。プランジャ114は、中心軸線Aに沿って、先端116の方へピストン112及びロッド108を移動させる。
【0028】
この実施態様では、スプリング110も、ピストンチャンバ106内の、ピストン112とヘアグラフトチャンバ104との間に含まれている。プランジャ114に力Fが加えられていない場合、図1A及び図1Bに示されているように、スプリング110は圧縮されず、ピストン112は静止位置にある。力Fが加えられている場合、図1C及び図1Dに示されているように、ハウジング101の中心軸線Aに沿って、ピストン112はヘアグラフトチャンバ104の開口した先端116の方へ移動する。ピストン112は同時に、スプリング110によって、ピストンチャンバ106の近接端部113の方へ付勢される。
【0029】
操作する間、植毛装置100は操作者の親指と中指の間で保持され得る。人差し指は装置を操作するために自由にしておくが、詳しくは後述される。操作者は別な方法で装置100を保持しても良く、例えば装置を手のひらに置き、親指で操作する。
【0030】
ヘアグラフトのヘアグラフトチャンバ104への装填後、図1Bに示されているように、ハウジング101は頭皮118の傷口120上に配置される。ヘアグラフトチャンバ104は、頭皮の傷口開口部の方向に整合され、皮膚に対して徐々に押圧される。ヘアグラフトチャンバ104の先端116と開口した傷口は、きっちりとフィットするが、ヘアグラフトチャンバ104の先端116及び装置100の他の部分を、傷口に著しく進入させないように、細心の注意が払われる。
【0031】
有利なことに、ヘアグラフトはヘアグラフトチャンバ104内に制約されるので、操作者は、ヘアグラフトチャンバ104及びヘアグラフトチャンバ104の先端116と一緒に、ヘアグラフトを頭皮の傷口の開口部と容易に整合させることができる。そして、グラフトを実際に移植する際、ロッド108を前進させるため、装置は操作者によるわずかな調整を必要とする。
【0032】
ヘアグラフトチャンバ104内に装填されたグラフトと共に、ヘアグラフトチャンバ104の先端116が皮膚表面に配置されると、ヘアグラフトチャンバ104の軸線が傷口の軸線と整合されるので、図1C及び図1Dに示されているように、プランジャ114が作動させられる。プランジャ114に先端116の方へ力Fを提供することによって、プランジャ114と連通されたピストン112及び連結ロッド108を先端116の方へ移動させる。有利なことに、操作者は指1本で力Fを加え得る。プランジャ114が、先端116の方へロッド108を移動させると、ロッド108の端部115は、髪を施され、周囲を囲むヘアグラフトチャンバ104の内部表面に制約されたヘアグラフトの近接端部の上に降下され、ヘアグラフトを最小抵抗の進路に沿って、ヘアグラフトチャンバ104から傷口に前進させる。
【0033】
有利なことに、ハウジングはあらかじめ作られた傷口の方向に整合され、損傷を与えること無く、あらかじめ作られた傷口にヘアグラフトを容易に滑り込ませる。余計な力は傷口に対するハウジングの整合によって排除される。従って、頭皮の傷口内に落着するまで障害物無く移動させるべく、ヘアグラフトのために直線状の進路が作り出される。
【0034】
移動可能なロッド108は、ヘアグラフトチャンバ104の軸線Aに沿って、ピストン112によって作動され、おおよそヘアグラフトの長さを移動する。従って、移植が行われる時、図1Dに示されているように、ロッド108の端部115はヘアグラフトチャンバ104の先端116と一致する。ヘアグラフトチャンバ104からのグラフトの離脱は、ロッド108がヘアグラフトチャンバ104の先端116まで完全に進んだ時点で完了される。一実施態様において、装置100のいずれの部分も傷口に入ること無く、グラフトが頭皮の傷口内に配置される。別の実施態様において、皮膚表面又は皮下にグラフトを辛うじて固定するためのロッド108の最前進位置として、ロッド108がヘアグラフトチャンバ104の端部をわずかに越えて延在しても良いが、著しく傷口に進入するほどではない。プランジャ114が完全に展開されると、装置100の大部分は頭皮内に移動されずに、グラフトが完全に移植される。そして、装置100は実質的に頭皮環境を妨害すること無く皮膚表面から離れ得る。
【0035】
力Fがプランジャ114に加えられる時、スプリング110はピストン112とピストンチャンバ106の先端との間で圧縮される。一実施態様において、圧縮されたスプリング110は、ロッド108の完全な展開位置を制御するために使用され得る。完全に圧縮されたスプリング110の長さは、「ストッパ」として機能し、ピストン112の更なる移動を制限し、従ってロッド108の移動も制限する。最大限に展開したロッド108の端部115は、図1Dに示されているように、ヘアグラフトチャンバ104の先端116と概ね一致する。別の実施態様において、操作者はプランジャ114に対して加えられる力Fの大きさを変化させて良く、ピストン112及びロッド108の移動を制御する。更なる実施態様において、図2Aから図2Dに示されているように、ピストン112の移動を物理的に制限するために、単純なストッパ209がピストンチャンバ106内に提供されて良く、ロッド108の端部115は実質的に先端116を越えて延在できない。
【0036】
ピストン112及びロッド108は、プランジャ114への力Fを取り除くことによって引込められ得る。その結果、スプリング110からの付勢が、図1Aに示されているように、ピストン112及びロッド108を、近接端部113及び最初の静止位置の方へ移動させる。
【0037】
本発明が提供するヘアグラフトの移植装置及び方法は、グラフトを所望の深さに配置する際に、装置の各部分の傷口への進入を最小限にする又は排除する。一実施態様において、針(高角度なベベルを有するチューブ)は使用されず、硬いチューブ(または最低限の傾斜がつけられたチューブ)が皮下に著しく押入ることもない。従って本発明は、植毛器具から頭皮の傷口に対する負担となる体積及び圧力を減少する。その結果、存在している凝血の擾乱を減少させ、グラフトが押出されることを防止する。
【0038】
図2Aから図2Dは、本発明の別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植する装置及び方法の略図である。図2Aから図2Dは、植毛装置200の断面図を示している。
【0039】
植毛装置200は、ヘアグラフトチャンバ204及びピストンチャンバ206を有するハウジング201を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ204の近接端部は、ピストンチャンバ206と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)をヘアグラフトチャンバ204に装填する。ヘアグラフト102は、ロッド208の端部215、ヘアグラフトチャンバ204の開口した先端216及びヘアグラフトチャンバ204の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ204内のスペースに装填される。次に装置200は、ピストン212及び連結ロッド208を作動させるプランジャ214によって、グラフト102を頭皮118に挿入する。この実施態様において、グラフト102は、例えば鉗子を使用して、手動でグラフトチャンバ204に装填されても良い。ロッド208の端部215は、ヘアグラフトチャンバ204の開口した先端216の方へ押進され、その結果、ヘアグラフトを頭皮に移植する。
【0040】
ヘアグラフトチャンバ204、ピストンチャンバ206、ロッド208、ピストン212及びプランジャ214は、それぞれの構造及び機能が、上述のヘアグラフトチャンバ104、ピストンチャンバ106、ロッド108、ピストン112及びプランジャ114と概ね同様である。
【0041】
装置200はピストン212周囲のピストンリング210を含んでいるが、ピストンチャンバ内のスプリング機構は含んでいない。ピストンリング210は、ピストン212をピストンチャンバ206内側に十分密接してフィットさせ、プランジャ214に対して力Fが加わる時、操作者にピストン212の移動をより正確に制御させる。一実施態様において、ピストンリング210は、ゴム、ポリマ又は類似の機械的性質を有する別の材料から形成されて良く、ピストンチャンバ206の内面とピストン212との間をよくフィットさせる。別の実施態様において、ピストンリングの代わりに、ピストン212がピストンチャンバ206の内面とフィットするような材料から形成されて良く、ピストンチャンバ206内でピストン212の移動が正確に制御されるようにする。例えば、ピストン212はゴム、ポリマ又は類似の機械的性質を有する別の材料から形成されて良く、ピストン212は、ピストンチャンバ206の内面と接触する畝及び溝を含んで良い。
【0042】
装置200は、チャンバ206内にストッパ209を含んでも良く、ピストンチャンバ206内でのピストン212の移動を制限する。その結果、ヘアグラフトチャンバ204の先端216に対して、ロッド208の端部215を正確に配置させる。
【0043】
図3Aから図3Dは、本発明のまた別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植する装置及び方法の略図である。図3Aから図3Dは、植毛装置300の断面図を示している。
【0044】
植毛装置300は、ヘアグラフトチャンバ304及びピストンチャンバ306を有するハウジング301を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ304の近接端部は、ピストンチャンバ306と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)をヘアグラフトチャンバ304に装填する。ヘアグラフト102は、ロッド308の端部315、ヘアグラフトチャンバ304の開口した先端316及びヘアグラフトチャンバ304の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ304内のスペースに装填される。
【0045】
次に装置300は、ピストン312及び連結ロッド308を作動させるバキューム装置322を利用して、グラフト102を頭皮118に挿入する。装置300は、バキューム装置322及びピストンチャンバ306内のバキュームを制御するためのポート311と330を含んでいる。この実施態様において、グラフト102は、例えば鉗子を使用して、手動でグラフトチャンバ304に装填されても良い。ロッド308の端部315は、ヘアグラフトチャンバ304の開口した先端316の方へ押進され、ヘアグラフトを頭皮に移植する。
【0046】
ヘアグラフトチャンバ304、ピストンチャンバ306、ロッド308、スプリング310及びピストン312は、それぞれの構造及び機能が、上述のヘアグラフトチャンバ104、ピストンチャンバ106、ロッド108、スプリング110及びピストン112と概ね同様である。
【0047】
バキューム装置322は、ポート311を介してピストンチャンバ306に連結されており、ピストンチャンバ306にバキュームを印加する及び解除する。一実施例において、ポート311は単純な開口部である。バキューム装置322は様々な市販のバキューム装置で良く、ピストン312を先端316の方へ作動させるのに十分なバキュームを提供し、スプリング310を圧縮させ、ロッド308を最大限の展開位置である端部316まで展開させる。ポート330はまた、単純な開口部と開口部の開閉を可能とするカバーを含んでおり、ピストンチャンバ306内のバキュームの解除又は印加を可能にする(即ち、ポート330が閉じるとバキュームを印加し、ポート330が開くとバキュームを解除する)。別の実施態様において、単純なスイッチ又は別の制御機構がバキューム装置322に連結され、ピストンチャンバ306内のバキュームの解除、印加又はバキュームの強さの制御を行う。
【0048】
バキューム装置322のバキュームが解除された時、図3A及び図3Bに示されているように、スプリング310は圧縮されず、ピストン312は静止位置にある。バキュームが印加された時、図3C及び図3Dに示されているように、ハウジング301の中心軸線Aに沿って、ピストン312はヘアグラフトチャンバ304の開口した先端316の方へ移動する。ピストン312は同時に、スプリング310によって、ピストンチャンバ306の近接端部313の方へ付勢される。
【0049】
ヘアグラフト102が、ヘアグラフトチャンバ304のスペースに堅く保持されるとすぐに、ヘアグラフトチャンバ304の先端316は、頭皮118の開口した傷口120に移動する。傷口は好ましくはヘアグラフトチャンバ304の内径とおおよそ同じ幅であるべきである。ヘアグラフトチャンバ304が、傷口の縁を皮膚表面で密閉させるように配置され、且つヘアグラフトチャンバ304が、皮膚表面から傷口の深部まで傷口と整合されると、ポート330はバキューム装置322を連通させるべく閉じられ、その結果、ピストンチャンバ306にバキュームを作り出す。従って、この実施態様において、ピストン312は単純な指の移動によって作動される。器具が頭皮に対してまだ保持されたまま、ピストン312及び連結ロッド308は、先端316の方へ移動される。ヘアグラフト102は、ピストン及びロッドの移動が完了するまで傷口に前進する。この時点で、グラフトは最終位置にある。
【0050】
ピストンチャンバ306内にバキュームが作り出される時、ピストン312及び連結ロッド308は、スプリング310を圧縮するべく先端316の方へ作動される。最大限に展開したロッド308の端部315は、図3Dに示されているように、ヘアグラフトチャンバ304の先端316と概ね一致する。圧縮されたスプリング310は、ロッド308の端部315が、先端316と概ね一致するように、ロッド308の完全な展開位置を制御し得る。別の実施態様において、バキューム装置328の強さは印加的に制御されて良く、ピストン312及びロッド308の移動が制御されるようにする。或いは、ストッパはピストンチャンバ306内に提供されて良く、ピストン312の移動を物理的に制限し、ロッド308の端部315は実質的に先端316を越えて延在できない。
【0051】
ピストン312及びロッド308は、ピストンチャンバ306のバキュームを解除することによって引込められ、その結果、図3A及び図3Bに示されているように、スプリング310がピストン312及びロッド308を、近接端部313の方へ別のヘアグラフトが装填される静止位置まで移動させる。
【0052】
図4Aから図4Dは、本発明のまた別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植する装置及び方法の略図である。図4Aから図4Dは、装置400の断面図を示している。
【0053】
植毛装置400は、ヘアグラフトチャンバ404及びピストンチャンバ406を有するハウジング401を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ404の近接端部は、ピストンチャンバ406と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)をヘアグラフトチャンバ404に装填する。ヘアグラフト102は、ロッド408の端部415、ヘアグラフトチャンバ404の開口した先端416及びヘアグラフトチャンバ404の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ404内のスペースに装填される。バキューム装置424は、真空吸引によってヘアグラフトを捕捉するべく使用される。
【0054】
次に装置400は、ピストン412及び連結ロッド408を作動させるプランジャ414を利用して、グラフト102を頭皮118に挿入する。ロッド408の端部415は、ヘアグラフトチャンバ404の開口した先端416の方へ押進され、ヘアグラフトを頭皮に移植する。
【0055】
ヘアグラフトチャンバ404、ピストンチャンバ406、ロッド408、スプリング410、ピストン412及びプランジャ414は、それぞれの構造及び機能が、上述のヘアグラフトチャンバ104、ピストンチャンバ106、ロッド108、スプリング110、ピストン112及びプランジャ114と概ね同様である。
【0056】
バキューム装置424は、ヘアグラフトチャンバ404の側面にあるポート405に連結されており、図4Aに示されているように、グラフトをヘアグラフトチャンバ404の開口した先端416に引込ませる。バキューム装置424は様々な市販のバキューム装置で良く、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバ404に吸引するのに十分なバキュームを提供する。ヘアグラフトチャンバ404のポート405で連結されたセパレートチューブ425を介して、ヘアグラフトチャンバ404にバキュームが提供されると、先端416において吸引が行われる。ヘアグラフトチャンバの先端がヘアグラフトに対向して配置されると、エアフローでグラフトを捕捉し、グラフトがロッド408の端部415で止められる迄又はバキュームが解除される迄、グラフトをヘアグラフトチャンバに引込む。一実施例において、最初にロッド408の端部415は、ヘアグラフトチャンバ404内の、ヘアグラフトチャンバの先端416から約6mmの所に位置しているが、本発明をこれだけに限定するものではない。
【0057】
制御手段426は、ヘアグラフトチャンバ404へのバキュームの印加又は解除の制御に用いられる。一実施例において、制御手段426は、バキューム装置424とポート405を連結するライン425にある開口部を覆う単純なカバーであるが、本発明をこれだけに限定するものではない。制御手段426が連通されている(例えば、カバーが開口部を覆う)時にバキュームが発生し、制御手段が連通を解除されている(例えば、カバーが開口部を覆っていない)時はバキュームが発生しない。別の実施態様において、連通している制御手段426がバキュームを解除して良く、連通していない制御手段426がバキュームを印加しても良い。別の実施態様において、単純なスイッチ又は別の制御機構がバキューム装置424に連結され、ヘアグラフトチャンバ404内のバキュームの解除、印加又はバキュームの強さの制御を行う。
【0058】
この実施態様において、装置400は都合よく手動操作可能であり、ヘアグラフト102がヘアグラフトチャンバ404内へ適切に配置されるように装填する役割を果たす。有利なことに、ヘアグラフトの端部に位置している髪は、毛根が先端416を向くようにヘアグラフトチャンバ404内に引込まれ、その結果、次に行う移植のために、ヘアグラフトを適切な位置且つ既知の整合で装填する。ヘアグラフトチャンバ404に適切に装填された後、バキューム装置424は連通を解除される。
【0059】
図5Aから図5Dは、本発明の別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植する装置及び方法の略図である。図5Aから図5Dは、装置500の断面図を示している。
【0060】
植毛装置500は、それぞれ装置300及び装置400として上述された、図3Aから図3D及び図4Aから図4Dに示されている2つの実施態様の組み合わせである。植毛装置500は、ヘアグラフトチャンバ504及びピストンチャンバ506を有するハウジング501を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ504の近接端部は、ピストンチャンバ506と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)はヘアグラフトチャンバ504に装填される。ヘアグラフト102は、ロッド508の先端515、ヘアグラフトチャンバ504の開口した先端516及びヘアグラフトチャンバ504の内壁で画定されるヘアグラフトチャンバ504内のスペースに装填される。バキューム装置524は、真空吸引によってヘアグラフトを捕捉するべく使用される。
【0061】
次に装置500は、ロッド508を作動させるピストンチャンバ506を利用して、グラフトを頭皮に挿入するべく動作する。バキューム装置522は、グラフトを頭皮に挿入するべくロッド508を作動させるために用いられる。
【0062】
ヘアグラフトチャンバ504、ピストンチャンバ506、ロッド508、スプリング510及びピストン512は、それぞれの構造及び機能が、上述のヘアグラフトチャンバ104、ピストンチャンバ106、ロッド108、スプリング110及びピストン112と概ね同様である。バキューム装置522、ポート511及びポート530は、それぞれの構造及び機能が、上述のバキューム装置322、ポート311及びポート330と概ね同様である。バキューム装置524、制御手段526及びポート505は、それぞれの構造及び機能が、上述のバキューム装置424、制御手段426及びポート405と概ね同様である。
【0063】
バキューム装置524は、ヘアグラフトチャンバ504の側面にあるポート505に連結されており、図5A及び図5Bに示されているように、グラフト102をヘアグラフトチャンバ504の開口した先端516に引込ませる。制御手段526は、ヘアグラフトチャンバ504へのバキュームの印加及び解除の制御に用いられる。ヘアグラフトがヘアグラフトチャンバ504に適切に装填されている時、その後にバキューム装置524は連通が遮断され得る。有利なことに、制御手段526を連通する又は解除するための操作者の単純な指の動作によって、バキュームは提供される。別の実施態様において、単純なスイッチ又は別の制御機構がバキューム装置524に連結され、ヘアグラフトチャンバ504内のバキュームの解除、印加又はバキュームの強さの制御を行う。バキュームは次にピストンチャンバ506に印加される。
【0064】
バキューム装置522からバキュームが解除されている時、図5A及び図5Bに示されているように、スプリング510は圧縮されず、ピストン512は最初の静止位置にある。ピストンチャンバ506にバキュームが印加されている時、図5C及び図5Dに示されているように、ハウジング501の中心軸線Aに沿って、ピストン512はヘアグラフトチャンバ504の開口した先端516の方へ移動する。有利なことに、ポート530を連通する又は解除するための操作者の単純な指の動作によって、バキュームは提供される。別の実施態様において、単純なスイッチ又は別の制御機構がバキューム装置522に連結され、ピストンチャンバ506内のバキュームの解除、印加又はバキュームの強さの制御を行う。
【0065】
ピストンチャンバ506内のバキュームの印加は、ピストン512及び連結ロッド508を先端516の方へ移動させ、スプリング510を圧縮する。ピストン512は同時に、スプリング510によって、ピストンチャンバ506の近接端部513の方へ付勢される。最大限に展開したロッド508の端部515は、図5Dに示されているように、ヘアグラフトチャンバ504の先端516と概ね一致する。圧縮されたスプリング510は、ロッド508の端部515が、先端516と概ね一致するように、ロッド508の完全な展開位置を制御し得る。別の実施態様において、バキューム装置522の強さは印加的に制御されて良く、ピストン512及びロッド508の移動が制御されるようにする。或いは、ストッパはピストンチャンバ506内に提供されて良く、ピストン512の動作を物理的に制限し、ロッド508の端部515は先端516を越えて延在できない。
【0066】
ピストン512及びロッド508は、ピストンチャンバ506のバキュームを解除することによって引込められ、その結果、図5A及び図5Bに示されているように、スプリング510がピストン512及びロッド508を、近接端部513の方へ別のヘアグラフトが装填される静止位置まで移動させる。
【0067】
本発明の一実施態様に基づいた、図4Aから図4D及び図5Aから図5Dに示されている、ヘアグラフトチャンバにバキュームの印加及び解除を行う装置及び方法を、図6A及び図6Bで示している。
【0068】
ポート605がヘアグラフトチャンバ604の側面に提供されており、そこにはバキューム装置、例えば上述のバキューム装置424又は524が、連通手段、例えばチューブ425又は525及び/又は制御手段426又は526によって連結され得る。一実施例において、ポート605はヘアグラフトチャンバ604の側壁にある開口部であり、空気は通過させるがヘアグラフトは通過させないメッシュ607を含んでいる。
【0069】
バキューム装置が、図6Bに矢印Aで示されているように、ポート605を介してヘアグラフトチャンバ604に空気吸引を提供するべく作動されると、図6Bに矢印Bで示されているように、空気吸引がヘアグラフトチャンバ604の開口した先端616に提供される。先端616での空気吸引は、先端616を介してヘアグラフトチャンバ604に引込まれるグラフトを装填させ、移植準備を整わせる。
【0070】
図7A〜図7B、図8A〜図8B及び図9A〜図9Bは、本発明に基づいたヘアグラフトチャンバの異なった実施態様を示している。それぞれの実施態様は、チューブ状のヘアグラフトチャンバを含んでいる。ヘアグラフトチャンバの2つの部分は、ヘアグラフトを装填するために互いに分離され得る。次にヘアグラフトチャンバの2つの部分は、ヘアグラフトを頭皮に移植する準備と整合を行うべく、装填されたヘアグラフトの周囲に中空のチューブを形成するように互いに連結される。一実施例において、ヘアグラフトチャンバは、チューブの中間部で2つの部分からなっている。更なる実施例において、中空のチューブは、装填されるヘアグラフトの幅よりも最低限大きい内径を有している。
【0071】
ここで図7A及び図7Bを参照すると、先端716、第1の部分704a及び第2の部分704bを含むヘアグラフトチャンバ704が示されている。第1の部分704aは、インターフェイス740で第2の部分704bに対して移動可能であり、インターフェイス742で互いに連結される。一実施例において、インターフェイス740はヒンジを含んでも良く、両側矢印線Aで示されている方向に沿って第1の部分704aを移動させる。別の実施態様において、インターフェイス740及び742は、他の適切なジョイント(例えば、フレキシブルポリマ)を含んでも良く、2つの部品が互いに離れている開放位置と2つの部品が互いに連結されている閉鎖位置の間で、第1の部分704aを移動させる。
【0072】
開放位置において、第1の部分704aは第2の部分704bから離れており、ヘアグラフトが第2の部分704bに装填され得る。次に第1の部分704aは、ヘアグラフトチャンバ704の壁でヘアグラフトを囲むべく第2の部分704bと連結され、それによって、ヘアグラフトを適切な整合で制約し、開口した先端716を介して、連結したヘアグラフトチャンバ704からヘアグラフトを移動する次に行う移植に備える。
【0073】
図8A及び図8Bは、先端816、第1の部分804a及び第2の部分804bを含むヘアグラフトチャンバ804を示している。第1の部分804aは、インターフェイス840に沿って第2の部分804bに対して移動可能である。一実施例において、インターフェイス840はスライド機構又はジョイントを含んでも良く、例えば溝とそれに連結する畝があり、両側矢印線Aで示されている方向に沿って第1の部分804aを移動させる。別の実施態様において、インターフェイス840は、他の適切なジョイントを含んでも良く、2つの部品が互いに離れている開放位置と2つの部品が互いに連結されている閉鎖位置の間で、第1の部分804aをスライドさせる。
【0074】
図9A及び図9Bは、先端916、第1の部分904a及び第2の部分904bを含むヘアグラフトチャンバ904を示している。第1の部分904aは、ジョイント940で第2の部分904bに対して移動可能である。一実施例において、ジョイント940はヒンジを含んでも良く、両側矢印線Aで示されている方向に沿って第1の部分904aを移動させる。別の実施態様において、ジョイント940は、他の適切なジョイントを含んでも良く(例えば、ユニバーサルジョイント、ボールソケットジョイント)、2つの部品が互いに離れている開放位置と2つの部品が互いに連結されている閉鎖位置の間で、第1の部分904aを移動させる。
【0075】
図7A〜図7B、図8A〜図8B及び図9A〜図9Bで示されている実施態様は、ヘアグラフトチャンバの一部にあるインターフェイスが、ヘアグラフトチャンバ全長の一部分のみに延在しているように表示しているが、2つの部分の間にあるインターフェイスは、ヘアグラフトチャンバ全長に渡って延在しても良い。更に、図7A〜図7B、図8A〜図8B及び図9A〜図9Bで示されている実施態様は、ヘアグラフトチャンバの2つの部分がインターフェイス及び/又はジョイントによって連結されるように表示しているが、一実施例において、ヘアグラフトを装填するための開放位置で、2つの部分が互いに完全に分離されても良い。そして2つの部分は、次に行う装填されたヘアグラフトの移植のために互いに連結され得る。一実施例において、ヘアグラフトチャンバの一部は、鉗子の自由端又はトングのような構造のアームに連結され得る。鉗子又はトングのような構造のアームが互いに離れている時、ヘアグラフトチャンバの一部は、互いに完全に分離されている。鉗子又はトングのような構造のアームが互いに近接するように移動される時、ヘアグラフトチャンバの一部は、チューブ状のヘアグラフトチャンバを形成するべく互いに連結される。
【0076】
別の実施態様において、ヘアグラフトチャンバは指状の突起を含んでおり、ハウジングの中心軸線に沿ってヘアグラフトチャンバの先端を越えて延在する。指状の突起は、おおよそヘアグラフトの長さを延在する。この実施態様を使用すると、ヘアグラフトを移植する時、装置の整合を導くための指状の突起が傷口の軸線に沿って傷口に配置される。有利なことに、指状の突起はヘアグラフトを傷口に導くだけではなく、ヘアグラフトを移植する前に傷口を少しずつ開く役割も果たし得る。
【0077】
更なる実施態様において、ピストンチャンバ内のロッドは、移植されるヘアグラフトと接するロッドの自由端から延在する指状の突起を含んでも良い。そのような指状の突起は、ウィリアム・ラスマン出願の米国特許第5,817,120号で開示されており、あらゆる面においてここに言及したことで本願の一部とする。
【0078】
図11Aから図11Dは、本発明のまた別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植するための装置及び方法の略図である。図11Aから図11Dは、装置1100の断面図を示している。
【0079】
植毛装置1100は、ヘアグラフトチャンバ1104及びアクチュエータチャンバ1106を有するハウジング1101を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ1104の近接端部は、アクチュエータチャンバ1106と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)はヘアグラフトチャンバ1104に装填される。ヘアグラフト102は、ガス浸透性ロッド1108の端部1115、ヘアグラフトチャンバ1104の開口した先端1116及びヘアグラフトチャンバ1104の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ1104内のスペースに装填される。バキューム装置1122は、真空吸引によってヘアグラフトを捕捉するべく使用される。
【0080】
次に装置1100は、ピストン1112及び連結ロッド1108を作動させるプランジャ1114を利用して、グラフト102を頭皮118に挿入する。ロッド1108の端部1115は、ヘアグラフトチャンバ1104の開口した先端1116の方へ押進され、ヘアグラフトを頭皮に移植する。
【0081】
ヘアグラフトチャンバ1104、アクチュエータチャンバ1106、スプリング1110、ピストン1112及びプランジャ1114は、それぞれの構造及び機能が、上述のヘアグラフトチャンバ104、ピストンチャンバ106、スプリング110、ピストン112及びプランジャ114と概ね同様である。
【0082】
プランジャ1114は、アクチュエータチャンバ1106の近接端部1113の開口部を介して、ピストン1112に連結されている。プランジャ1114はピストン1112の一連の位置を決定し、その結果、動作している間のロッド1108の位置も決定する。プランジャ1114が力Fで押圧される時、図11C及び図11Dに示されているように、ピストン1112及びロッド1108は、ヘアグラフトチャンバ1104の開口した先端1116の方へ移動される。プランジャ1114は、中心軸線Aに沿って、先端1116の方へピストン1112及びロッド1108を移動させる。
【0083】
この実施態様では、スプリング1110も、アクチュエータチャンバ1106内のピストン1112とヘアグラフトチャンバ1104の間に、ガス浸透性ロッドを囲むように含まれている。プランジャ1114に力Fが加えられていない場合、図11A及び図11Bに示されているように、スプリング1110は圧縮されず、ピストン1112は静止位置にある。力Fが加えられている場合、図11C及び図11Dに示されているように、ハウジング1101の中心軸線Aに沿って、ピストン1112はヘアグラフトチャンバ1104の開口した先端1116の方へ移動する。ピストン1112は同時に、スプリング1110によって、アクチュエータチャンバ1106の近接端部1113の方へ付勢される。
【0084】
ガス浸透性ロッド1108は、ヘアグラフトチャンバ1104の軸線Aに沿って、ピストン1112によって作動され、おおよそヘアグラフトの長さを移動する。移植が実施される時、図11Dに示されているように、ロッド1108の端部1115はヘアグラフトチャンバ1104の先端1116と一致する。ヘアグラフトチャンバからのグラフトの離脱は、ロッド1108がヘアグラフトチャンバ1104の先端1116まで完全に進んだ時点で完了される。一実施態様において、装置1100のいずれの部分も傷口に入ること無く、グラフトが頭皮の傷口内に配置される。別の実施態様において、皮膚表面又は皮下にグラフトを辛うじて固定するためのロッド1108の最前進位置として、ロッド1108がヘアグラフトチャンバ1104の端部をわずかに越えて延在しても良いが、著しく傷口に進入するほどではない。プランジャ1114が完全に展開されると、装置1100の大部分は頭皮内に移動されずに、グラフトが完全に移植される。そして、装置1100は実質的に頭皮環境を妨害すること無く皮膚表面から離れ得る。
【0085】
ピストン1112及びロッド1108は、プランジャ1114への力Fを取り除くことによって引込められ得る。その結果、スプリング1110からの付勢が、図11Aに示されているように、ピストン1112及びロッド1108を、近接端部1113及び最初の静止位置の方へ移動させる。
【0086】
ガス浸透性ロッド1108は、装填されたヘアグラフトを頭皮の傷口に移植する上述のロッド108と同様の機能を果たすが、植毛装置へのヘアグラフトの装填は異なる方法で機能している。バキューム装置1122が作動されている時、ロッド1108の端部1115で吸引を発生させるため、ガス浸透性の構造を介して、ガス浸透性ロッド1108に十分なガスを浸透させる。一実施例において、ガス浸透性ロッド1108は編組線で形成されるが、本発明をこれだけに限定するものではない。別の実施例において、ガス浸透性ロッド1108は多孔質の材料で形成され、ロッド1108の端部1115で印加される真空吸引を可能とするのに十分多孔質であるが、移植のために装填されたヘアグラフトを、ヘアグラフトチャンバから物理的に押出可能な構造で形成される。
【0087】
バキューム装置1122は、アクチュエータチャンバ1106の側面にあるポート1111に連結されており、図11A及び図11Bに示されているように、ヘアグラフト102をヘアグラフトチャンバ1104の開口した先端に引込ませる。バキューム装置1122は様々な市販のバキューム装置で良く、ガス浸透性ロッド1108を介して、吸引が端部1115そしてそれに従って先端1116に作られるので、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバ1104に吸引するのに十分なバキュームを提供する。ヘアグラフトチャンバの先端がヘアグラフトに対向して配置されると、吸引でグラフトを捕捉し、グラフトがロッド1108の端部1115で止められる迄又はバキュームが解除される迄、グラフトをヘアグラフトチャンバに引込む。一実施例において、最初にロッド1108の端部1115は、ヘアグラフトチャンバ1104内の、ヘアグラフトチャンバの先端1116から約6mmの所に位置しているが、本発明をこれだけに限定するものではない。
【0088】
制御手段が、ヘアグラフトチャンバ1104内のバキュームの印加及び解除の制御に使用され得る。一実施例において、制御手段はバキューム装置1122とポート1111を連結するラインにある開口部を覆う単純なカバーであるが、本発明をこれだけに限定するものではない。制御手段が連通されている(例えば、カバーが開口部を覆う)時にバキュームが発生し、制御手段が連通を解除されている(例えば、カバーが開口部を覆っていない)時はバキュームが発生しない。別の実施態様において、制御手段を連通するとバキュームを解除して良く、制御手段の連通を解除するとバキュームが印加されて良い。別の実施態様において、単純なスイッチ又は別の制御機構がバキューム装置1122に連結され、ヘアグラフトチャンバ1104内のバキュームの解除、印加又はバキュームの強さの制御を行う。
【0089】
この実施態様において、装置1100は都合良く手動操作可能であり、ヘアグラフト102がヘアグラフトチャンバ1104内へ適切に配置されるように装填する役割を果たす。有利なことに、ヘアグラフトの端部に位置している髪は、毛根が先端1116を向くようにヘアグラフトチャンバ1104内に引込まれ、その結果、次に行う移植のために、ヘアグラフトを適切な位置且つ既知の整合で装填する。ヘアグラフトチャンバ1104に適切に装填された後、バキューム装置1122は連通を解除される。
【0090】
図12Aから図12Dは、本発明のまた別の実施態様に基づいたヘアグラフトを移植する装置及び方法の略図である。図12Aから図12Bは、装置1200の断面図を示している。
【0091】
植毛装置1200は、ヘアグラフトチャンバ1204及びアクチュエータチャンバ1206を有するハウジング1201を含んでいる。ヘアグラフトチャンバ1204の近接端部は、アクチュエータチャンバ1206と動作可能に連結されている。移植過程の最初のステップで、ヘアグラフト102(又は一連のヘアグラフト)はヘアグラフトチャンバ1204に装填される。ヘアグラフト102は、ガス浸透性ストッパ1205の端部1215、ヘアグラフトチャンバ1204の開口した先端1216及びヘアグラフトチャンバ1204の内壁によって画定されるヘアグラフトチャンバ1204内のスペースに装填される。ガスポンプ1222は、真空吸引によってヘアグラフトを捕捉するべく使用される。
【0092】
次に装置1200は、ガス浸透性ストッパ1205を介して先端1216の方へガスフローを提供可能なガスポンプ1222を利用して、グラフト102を頭皮118に挿入する。ガスフローは、ヘアグラフトを頭皮に移植するため、チャンバ1204の開口した先端を介して、装填されたヘアグラフトをハウジングから作動させる又は押出させる。
【0093】
ヘアグラフトチャンバ1204は、構造、機能及び有利な点が、上述のヘアグラフトチャンバ104と概ね同様である。
【0094】
ガスポンプ1222が1つのモードで作動されている時、ストッパ1205の端部1215で吸引を発生させるため、ガス浸透性の構造を介して、ガス浸透性ストッパ1205に十分なガスを浸透させる。ガスポンプが別のモードで作動されている時も、先端1216の方ヘアグラフトチャンバ1204を介してガスフローを発生させるため、ガス浸透性の構造を介して、ガス浸透性ストッパ1205に十分なガスを浸透させる。一実施例において、ガス浸透性ストッパ1205は編組線で形成されるが、本発明をこれだけに限定するものではない。別の実施例において、ガス浸透性ストッパ1205は多孔質の材料で形成され、端部1215で印加される真空吸引を可能とするのに十分多孔質であるが、吸引されたヘアグラフトを、アクチュエータチャンバ1206への進入を物理的に停止可能な構造で形成される。
【0095】
ガスポンプ1222は、アクチュエータチャンバ1206の側面にあるポート1211に連結されており、図12A及び図12Bに示されているように、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバ1204の開口した先端1216を介して引込ませる。ガスポンプ1222は様々な市販の装置であって良く、ガス浸透性ストッパ1205を介して、吸引が端部1215そしてそれに従って先端1216に作られるので、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバ1204に吸引するのに十分なバキュームを提供する。ヘアグラフトチャンバの先端がヘアグラフトに対向して配置されると、吸引でグラフトを捕捉し、グラフトがストッパ1205の端部1215で止められる迄又はバキュームが解除される迄、ヘアグラフトをヘアグラフトチャンバに引込む。ガスポンプ1222は様々な市販の装置であっても良く、先端1216の方へガス浸透性ストッパ1205を介して十分なエアフローを提供し、装填されたヘアグラフトが先端1216を介してヘアグラフトチャンバ1204から押出される又は作動され得る。
【0096】
制御手段が、ヘアグラフトチャンバ1204を通過するエアフローの印加及び解除の制御に使用され得る。一実施例において、制御手段はガスポンプ1222に連結された単純なスイッチであり、バキュームの強さとヘアグラフトチャンバ1204を通過するエアフローの解除、印加及び制御を行うが、本発明をこれだけに限定するものではない。
【0097】
この実施態様において、装置1200は都合良く手動操作可能であり、ヘアグラフト102が、次に行う移植のためにヘアグラフトチャンバ1204内へ適切に配置されるように装填する役割を果たす。有利なことに、ヘアグラフトの端部に位置している髪は、毛根が先端1216を向くようにヘアグラフトチャンバ1204内に引込まれ、その結果、次に行う移植のために、ヘアグラフトを適切な位置且つ既知の整合で装填する。ヘアグラフトチャンバ1204に適切に装填された後、ガスポンプ1222は連通を解除され、装填されたヘアグラフトを移植するための別のモードが作動される。
【0098】
上述された本発明の実施態様は、単に具体例を示すためだけに記載されたのであって、本発明がこれらに限定されるわけではない。様々な変化及び変更が、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。従って、本発明は特定の構造又は寸法に限定されない。例として、本発明は個々のフォリキュラユニットだけではなく、全てのタイプのヘアグラフトに適用され得る。更なる実施例において、上述のピストンは機械部品に限定されず、連結ロッドの作動を提供するべく移動可能な大量の水又はエアを含んでも良い。従って、そのような全ての変化及び変更は、本発明の範囲内であるので、本願明細書に記載されている請求項に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1A】本発明の一実施態様に基づいたスプリング装填式移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図1B】本発明の一実施態様に基づいたスプリング装填式移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図1C】本発明の一実施態様に基づいたスプリング装填式移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図1D】本発明の一実施態様に基づいたスプリング装填式移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図2A】本発明の別の実施態様に基づいた別の移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図2B】本発明の別の実施態様に基づいた別の移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図2C】本発明の別の実施態様に基づいた別の移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図2D】本発明の別の実施態様に基づいた別の移植装置の断面図であり、ヘアグラフトの捕捉及び移植を行う方法の各操作段階を示している。
【図3A】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図3B】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図3C】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図3D】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図4A】本発明のまた別の実施態様に基づいた別のバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図4B】本発明のまた別の実施態様に基づいた別のバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図4C】本発明のまた別の実施態様に基づいた別のバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図4D】本発明のまた別の実施態様に基づいた別のバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図5A】本発明のまた別の実施態様に基づいた2つのバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図5B】本発明のまた別の実施態様に基づいた2つのバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図5C】本発明のまた別の実施態様に基づいた2つのバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図5D】本発明のまた別の実施態様に基づいた2つのバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図6A】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の装填部分の図である。
【図6B】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の装填部分の図である。
【図7A】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図7B】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図8A】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図8B】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図9A】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図9B】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図10A】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図10B】本発明のまた別の実施態様に基づいた移植装置及び方法の別の装填部分の図である。
【図11A】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図11B】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図12A】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。
【図12B】本発明のまた別の実施態様に基づいたバキューム装置を含む別の移植装置及び方法の断面図である。 異なる図面において同じ参照シンボルを使用しているものは、類似又は同一アイテムである。更に、図面は一定の縮尺で描かれているわけではないことに注意されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアグラフトを移植するための装置であって、
開口した先端を有するハウジングと、
装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿って、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致する位置まで移動可能な、前記ハウジング内に延在するロッドと、
前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ハウジングが、ヘアグラフトチャンバ及びピストンチャンバを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロッドの端部と前記開口した先端によって画定される前記ヘアグラフトチャンバ内のスペースにヘアグラフトを装填するために、前記ヘアグラフトチャンバにバキューム装置が動作可能に連結されていることを更に含む請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ヘアグラフトチャンバの側面開口部に、前記ヘアグラフトチャンバ内を真空にするための連通手段を更に含む請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記連通手段が、前記ヘアグラフトチャンバにバキュームの印加又は解除を行う制御手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ロッドの前記端部を、第1の位置と第2の位置の間で移動させるため、バキューム装置が前記ピストンチャンバと動作可能に連結されていることを更に含み、
前記ロッドの前記端部が前記第1の位置にある時、前記ロッドの前記端部と前記ハウジングの前記開口した先端の間に、ヘアグラフトを受容するためのスペースを前記ハウジングが提供し、
前記ロッドの前記端部が前記第2の位置にある時、前記ヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、前記ロッドの前記端部が、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記ピストンチャンバの側面開口部に、前記ピストンチャンバ内を真空にするための連通手段を更に含む請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記連通手段が、前記ピストンチャンバにバキュームの印加又は解除を行う制御手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記アクチュエータが、ロッドに連結されたプランジャを含み、
前記プランジャが、前記ロッドの前記端部を、前記第2の位置から前記第1の位置又は前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることが可能であることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記アクチュエータが、前記ピストンチャンバ内にピストンを含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記アクチュエータが、前記ピストンに連結されたプランジャを含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記アクチュエータが、前記ピストンに動作可能に連結されたバイアススプリングを含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記バイアススプリングが、前記ロッドの前記端部を、前記第2の位置から前記第1の位置に移動させることが可能であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ヘアグラフトチャンバに連結された突起が、前記中心軸線と平行に延在し、前記ハウジングの前記開口した先端を越えて延在するようにしたことを更に含む請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記ロッドの前記端部に連結された突起が、前記中心軸線と平行に延在し、前記ロッドの前記端部を越えて延在するようにしたことを更に含む請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記ロッドの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿った第1の位置と第2の位置の間で移動可能であって、
前記ロッドの前記端部が前記第1の位置にある時、前記ロッドの前記端部と前記ハウジングの前記開口した先端の間に、ヘアグラフトを受容するためのスペースを前記ハウジングが提供し、
前記ロッドの前記端部が前記第2の位置にある時、前記ヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、前記ロッドの前記端部が、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
ヘアグラフトを移植するための装置であって、
ヘアグラフトを装填するために、第1の部分と第2の部分が分離可能な、開口した先端を有するハウジングと、
装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿って、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致する位置まで移動可能な、前記ハウジング内に延在するロッドと、
前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含むことを特徴とする装置。
【請求項18】
前記ハウジングの前記第1の部分が、ヒンジによって前記ハウジングの前記第2の部分に連結されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ハウジングの前記第1の部分が、スライド機構によって前記ハウジングの前記第2の部分に連結されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記ハウジングの前記第1の部分及び前記第2の部分が、鉗子の自由端に接続されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項21】
ヘアグラフトを移植するための方法であって、
開口した先端を有するハウジングを提供し、
前記ハウジング内に、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿って、第1の位置と第2の位置の間を移動可能なロッドを提供し、
前記ロッドの前記端部と前記ハウジングの前記開口した先端の間にスペースを提供し、
ヘアグラフトを前記スペースに装填し、
前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動し、
それによって、前記ハウジングの前記開口した先端が、頭皮の傷口を損傷することなく、前記ヘアグラフトを、前記スペースから前記頭皮の傷口に移動するようにしたことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記ロッドの前記端部が、頭皮の傷口を損傷することなく、前記ヘアグラフトが、前記スペースから前記頭皮に移動するようにしたことを更に含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ヘアグラフトを前記スペースから移動する前に、前記ヘアグラフトを、前記頭皮の傷口と整合させることを更に含む請求項21に記載の方法。
【請求項24】
移植の準備ができているヘアグラフトを装填するための装置であって、
開口した先端を有するハウジングと、
前記開口した先端とは別の、前記ハウジングの側面にある開口部と、
前記開口した先端に吸引力を提供するための、前記開口部と動作可能に連結されたバキューム装置とを含み、
それによって、ヘアグラフトを前記開口した先端を介して前記ハウジングに引込むようにしたことを特徴とする装置。
【請求項25】
前記開口部を、メッシュで覆うことを更に含む請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記バキューム装置と前記開口部を連結する連通手段を更に含む請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記バキューム装置と動作可能に連結された制御手段を更に含む請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記ハウジングの第1の部分と、
前記第1の部分と分離可能な前記ハウジングの第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分を動作可能に連結するカプラとを更に含み、
連結された前記第1の部分と前記第2の部分が、装填されたヘアグラフトの投入を可能にする、前記ハウジングの開口した先端を提供するようにしたことを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項29】
前記第1の部分と前記第2の部分が、前記ハウジングの中間部で機械的に連結されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記カプラが、ヒンジ、スライド機構及び鉗子からなるグループから選択されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項31】
ヘアグラフトを移植するための装置であって、
アクチュエータチャンバと開口した先端を有するヘアグラフトチャンバを含むハウジングと、
前記ヘアグラフトチャンバと動作可能に連結されたガス浸透性ストッパと、
前記アクチュエータチャンバの側面にある開口部と、
前記ガス浸透性ストッパを介して前記開口した先端に吸引力を提供して、前記開口した先端を介して前記ハウジングにヘアグラフトを引込ませるための、前記開口部と動作可能に連結されたバキューム源とを含むことを特徴とする装置。
【請求項32】
前記バキューム源が、前記アクチュエータチャンバと動作可能に連結され、前記ストッパの端部と前記開口した先端で画定される前記ヘアグラフトチャンバ内のスペースに、ヘアグラフトを装填するようにしたことを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項33】
ガスポンプが前記開口部と動作可能に連結され、前記ガス浸透性ストッパを介してガスフローの提供を可能にし、前記開口した先端を介して前記ハウジングから、装填されたヘアグラフトを押出すようにしたことを更に含む請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記ヘアグラフトチャンバに連結された突起が、前記ハウジングの中心軸線と平行に延在し、前記ハウジングの前記開口した先端を越えて延在するようにしたことを更に含む請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記ガス浸透性ストッパが、編組線から形成されることを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項36】
前記ガス浸透性ストッパが、多孔質の材料から形成されることを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項37】
ヘアグラフトを移植するための装置であって、
アクチュエータチャンバと開口した先端を有するヘアグラフトチャンバを含むハウジングと、
前記開口した先端に吸引力を提供して、前記開口した先端を介して前記ハウジングにヘアグラフトを引込ませるための、前記ハウジングと動作可能に連結されたバキューム源と、
1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿った所定の位置まで動作可能な、前記ハウジング内のガス浸透性ロッドと、
装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含むことを特徴とする装置。
【請求項38】
前記バキューム源が、前記アクチュエータチャンバと動作可能に連結され、前記ロッドの端部と前記開口した先端で画定される前記ヘアグラフトチャンバ内のスペースに、ヘアグラフトを装填するようにしたことを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記ロッドの前記端部が、第1の位置と第2の位置の間で移動可能であって、
前記ロッドの前記端部が前記第1の位置にある時、前記ロッドの前記端部と前記ハウジングの前記開口した先端の間に、ヘアグラフトを装填するためのスペースを前記ハウジングが提供し、
前記ロッドの端部が前記第2の位置にある時、ヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、前記ロッドの前記端部が、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するようにしたことを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記ロッドに連結されたプランジャを含むアクチュエータと、
前記プランジャが、前記ロッドの前記端部を、前記第2の位置から前記第1の位置又は前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることが可能であることを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項41】
ヘアグラフトを移植するための方法であって、
開口した先端を有するハウジングを提供し、
ガス浸透性構造の端部と前記ハウジングの前記開口した端部の間にスペースを提供し、
前記ガス浸透性構造内にバキュームを提供し、
それによって、前記ハウジングの前記開口した先端を介して、前記スペースにヘアグラフトを引込むようにしたことを含む方法。
【請求項42】
前記ガス浸透性構造を介して、前記ハウジングの前記先端にガスフローを提供し、
それによって、装填されたヘアグラフトを、前記スペースから前記ハウジングの前記開口した先端を介して押出すようにしたことを更に含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ガス浸透性構造が、ガス浸透性ストッパ又はガス浸透性ロッドであることを特徴する請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記ガス浸透性構造の端部が、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動し、
それによって、前記ハウジングの前記開口した先端が、頭皮の傷口を損傷することなく、前記ヘアグラフトを、前記スペースから前記頭皮の傷口に移動するようにしたことを更に含む請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記ガス浸透性構造の前記端部が、頭皮の傷口を損傷することなく、前記ヘアグラフトを、前記スペースから前記頭皮に移動するようにしたことを更に含む請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記ヘアグラフトを前記スペースから移動する前に、前記ヘアグラフトを、前記頭皮の傷口と整合させることを更に含む請求項41に記載の方法。
【請求項1】
ヘアグラフトを移植するための装置であって、
開口した先端を有するハウジングと、
装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿って、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致する位置まで移動可能な、前記ハウジング内に延在するロッドと、
前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ハウジングが、ヘアグラフトチャンバ及びピストンチャンバを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロッドの端部と前記開口した先端によって画定される前記ヘアグラフトチャンバ内のスペースにヘアグラフトを装填するために、前記ヘアグラフトチャンバにバキューム装置が動作可能に連結されていることを更に含む請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ヘアグラフトチャンバの側面開口部に、前記ヘアグラフトチャンバ内を真空にするための連通手段を更に含む請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記連通手段が、前記ヘアグラフトチャンバにバキュームの印加又は解除を行う制御手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ロッドの前記端部を、第1の位置と第2の位置の間で移動させるため、バキューム装置が前記ピストンチャンバと動作可能に連結されていることを更に含み、
前記ロッドの前記端部が前記第1の位置にある時、前記ロッドの前記端部と前記ハウジングの前記開口した先端の間に、ヘアグラフトを受容するためのスペースを前記ハウジングが提供し、
前記ロッドの前記端部が前記第2の位置にある時、前記ヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、前記ロッドの前記端部が、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記ピストンチャンバの側面開口部に、前記ピストンチャンバ内を真空にするための連通手段を更に含む請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記連通手段が、前記ピストンチャンバにバキュームの印加又は解除を行う制御手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記アクチュエータが、ロッドに連結されたプランジャを含み、
前記プランジャが、前記ロッドの前記端部を、前記第2の位置から前記第1の位置又は前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることが可能であることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記アクチュエータが、前記ピストンチャンバ内にピストンを含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記アクチュエータが、前記ピストンに連結されたプランジャを含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記アクチュエータが、前記ピストンに動作可能に連結されたバイアススプリングを含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記バイアススプリングが、前記ロッドの前記端部を、前記第2の位置から前記第1の位置に移動させることが可能であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ヘアグラフトチャンバに連結された突起が、前記中心軸線と平行に延在し、前記ハウジングの前記開口した先端を越えて延在するようにしたことを更に含む請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記ロッドの前記端部に連結された突起が、前記中心軸線と平行に延在し、前記ロッドの前記端部を越えて延在するようにしたことを更に含む請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記ロッドの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿った第1の位置と第2の位置の間で移動可能であって、
前記ロッドの前記端部が前記第1の位置にある時、前記ロッドの前記端部と前記ハウジングの前記開口した先端の間に、ヘアグラフトを受容するためのスペースを前記ハウジングが提供し、
前記ロッドの前記端部が前記第2の位置にある時、前記ヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、前記ロッドの前記端部が、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
ヘアグラフトを移植するための装置であって、
ヘアグラフトを装填するために、第1の部分と第2の部分が分離可能な、開口した先端を有するハウジングと、
装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿って、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致する位置まで移動可能な、前記ハウジング内に延在するロッドと、
前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含むことを特徴とする装置。
【請求項18】
前記ハウジングの前記第1の部分が、ヒンジによって前記ハウジングの前記第2の部分に連結されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ハウジングの前記第1の部分が、スライド機構によって前記ハウジングの前記第2の部分に連結されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記ハウジングの前記第1の部分及び前記第2の部分が、鉗子の自由端に接続されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項21】
ヘアグラフトを移植するための方法であって、
開口した先端を有するハウジングを提供し、
前記ハウジング内に、1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿って、第1の位置と第2の位置の間を移動可能なロッドを提供し、
前記ロッドの前記端部と前記ハウジングの前記開口した先端の間にスペースを提供し、
ヘアグラフトを前記スペースに装填し、
前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動し、
それによって、前記ハウジングの前記開口した先端が、頭皮の傷口を損傷することなく、前記ヘアグラフトを、前記スペースから前記頭皮の傷口に移動するようにしたことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記ロッドの前記端部が、頭皮の傷口を損傷することなく、前記ヘアグラフトが、前記スペースから前記頭皮に移動するようにしたことを更に含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ヘアグラフトを前記スペースから移動する前に、前記ヘアグラフトを、前記頭皮の傷口と整合させることを更に含む請求項21に記載の方法。
【請求項24】
移植の準備ができているヘアグラフトを装填するための装置であって、
開口した先端を有するハウジングと、
前記開口した先端とは別の、前記ハウジングの側面にある開口部と、
前記開口した先端に吸引力を提供するための、前記開口部と動作可能に連結されたバキューム装置とを含み、
それによって、ヘアグラフトを前記開口した先端を介して前記ハウジングに引込むようにしたことを特徴とする装置。
【請求項25】
前記開口部を、メッシュで覆うことを更に含む請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記バキューム装置と前記開口部を連結する連通手段を更に含む請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記バキューム装置と動作可能に連結された制御手段を更に含む請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記ハウジングの第1の部分と、
前記第1の部分と分離可能な前記ハウジングの第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分を動作可能に連結するカプラとを更に含み、
連結された前記第1の部分と前記第2の部分が、装填されたヘアグラフトの投入を可能にする、前記ハウジングの開口した先端を提供するようにしたことを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項29】
前記第1の部分と前記第2の部分が、前記ハウジングの中間部で機械的に連結されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記カプラが、ヒンジ、スライド機構及び鉗子からなるグループから選択されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項31】
ヘアグラフトを移植するための装置であって、
アクチュエータチャンバと開口した先端を有するヘアグラフトチャンバを含むハウジングと、
前記ヘアグラフトチャンバと動作可能に連結されたガス浸透性ストッパと、
前記アクチュエータチャンバの側面にある開口部と、
前記ガス浸透性ストッパを介して前記開口した先端に吸引力を提供して、前記開口した先端を介して前記ハウジングにヘアグラフトを引込ませるための、前記開口部と動作可能に連結されたバキューム源とを含むことを特徴とする装置。
【請求項32】
前記バキューム源が、前記アクチュエータチャンバと動作可能に連結され、前記ストッパの端部と前記開口した先端で画定される前記ヘアグラフトチャンバ内のスペースに、ヘアグラフトを装填するようにしたことを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項33】
ガスポンプが前記開口部と動作可能に連結され、前記ガス浸透性ストッパを介してガスフローの提供を可能にし、前記開口した先端を介して前記ハウジングから、装填されたヘアグラフトを押出すようにしたことを更に含む請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記ヘアグラフトチャンバに連結された突起が、前記ハウジングの中心軸線と平行に延在し、前記ハウジングの前記開口した先端を越えて延在するようにしたことを更に含む請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記ガス浸透性ストッパが、編組線から形成されることを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項36】
前記ガス浸透性ストッパが、多孔質の材料から形成されることを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項37】
ヘアグラフトを移植するための装置であって、
アクチュエータチャンバと開口した先端を有するヘアグラフトチャンバを含むハウジングと、
前記開口した先端に吸引力を提供して、前記開口した先端を介して前記ハウジングにヘアグラフトを引込ませるための、前記ハウジングと動作可能に連結されたバキューム源と、
1つの端部が、前記ハウジングの中心軸線に沿った所定の位置まで動作可能な、前記ハウジング内のガス浸透性ロッドと、
装填されたヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、前記ロッドの前記端部を、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動させるアクチュエータとを含むことを特徴とする装置。
【請求項38】
前記バキューム源が、前記アクチュエータチャンバと動作可能に連結され、前記ロッドの端部と前記開口した先端で画定される前記ヘアグラフトチャンバ内のスペースに、ヘアグラフトを装填するようにしたことを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記ロッドの前記端部が、第1の位置と第2の位置の間で移動可能であって、
前記ロッドの前記端部が前記第1の位置にある時、前記ロッドの前記端部と前記ハウジングの前記開口した先端の間に、ヘアグラフトを装填するためのスペースを前記ハウジングが提供し、
前記ロッドの端部が前記第2の位置にある時、ヘアグラフトが頭皮の傷口に給送されるように、前記ロッドの前記端部が、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するようにしたことを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記ロッドに連結されたプランジャを含むアクチュエータと、
前記プランジャが、前記ロッドの前記端部を、前記第2の位置から前記第1の位置又は前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることが可能であることを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項41】
ヘアグラフトを移植するための方法であって、
開口した先端を有するハウジングを提供し、
ガス浸透性構造の端部と前記ハウジングの前記開口した端部の間にスペースを提供し、
前記ガス浸透性構造内にバキュームを提供し、
それによって、前記ハウジングの前記開口した先端を介して、前記スペースにヘアグラフトを引込むようにしたことを含む方法。
【請求項42】
前記ガス浸透性構造を介して、前記ハウジングの前記先端にガスフローを提供し、
それによって、装填されたヘアグラフトを、前記スペースから前記ハウジングの前記開口した先端を介して押出すようにしたことを更に含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ガス浸透性構造が、ガス浸透性ストッパ又はガス浸透性ロッドであることを特徴する請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記ガス浸透性構造の端部が、前記ハウジングの前記開口した先端と概ね一致するように移動し、
それによって、前記ハウジングの前記開口した先端が、頭皮の傷口を損傷することなく、前記ヘアグラフトを、前記スペースから前記頭皮の傷口に移動するようにしたことを更に含む請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記ガス浸透性構造の前記端部が、頭皮の傷口を損傷することなく、前記ヘアグラフトを、前記スペースから前記頭皮に移動するようにしたことを更に含む請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記ヘアグラフトを前記スペースから移動する前に、前記ヘアグラフトを、前記頭皮の傷口と整合させることを更に含む請求項41に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【公表番号】特表2007−520267(P2007−520267A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547101(P2006−547101)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/041666
【国際公開番号】WO2005/074820
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(506229899)
【氏名又は名称原語表記】RASSMAN, William R.
【住所又は居所原語表記】9911 West Pico Blvd.,Los Angeles, California 900325, U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/041666
【国際公開番号】WO2005/074820
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(506229899)
【氏名又は名称原語表記】RASSMAN, William R.
【住所又は居所原語表記】9911 West Pico Blvd.,Los Angeles, California 900325, U.S.A.
【Fターム(参考)】
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