説明

ベルトコンベヤ用キャリアローラ

【課題】センタローラを前後に配し、センタローラの交換が容易になるようにする。
【解決手段】コンベヤフレームの両側にキャリア側ベルトの下を横切る水平材1の両端を取り付け、この水平材の上面両端及び中央部からそれぞれ対向状に起立するサイドローラスタンドを設けて、このサイドローラスタンドにそれぞれのサイドローラの両端を支持し、上記水平材の中央部上記サイドスタンドの内側から対向状に起立する脚材4を設け、この両脚材の上端に水平な支軸を介しベルトの走行方向側に先端が向く左右一対の下流アーム5の末端と、ベルトの走行方向に反対側に先端が向く左右一対の上流アーム6の末端とを回動自在に支持すると共に、この下流アームの先端及び上流アームの先端にセンタローラ8の両端を支持し、上記下流アーム及び上流アームの途中に先端を取り付けた支持ブラケット9の末端を上記水平材に取付金具10を介し着脱自在に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ベルトコンベヤを構成するベルトのキャリア側を支承するキャリアローラに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベヤのキャリア側ベルトを支承するキャリアローラは、周知のように、センタローラと、このセンタローラの両側に配置する対の登り傾斜のサイドローラとからなり、センタローラ及び対のサイドローラの計3つのローラは、平面上直線に配置した構成になっている。
【0003】
このような構成によると、中央のセンタローラで全荷重の60%以上を、両側のサイドローラには、残りをそれぞれ負荷することになるので、センタローラに加わる荷重を分散させると共に、ベルトのセンタローラ間の屈曲を軽減してベルトの移送による抵抗を減らすようにしたベルトコンベヤ用キャリアローラがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許公報No.10−0620132
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のものは、コンベヤフレーム上の両側にサイドローラが支持され、コンベヤフレームの中央部分(サイドローラ間)にベルトの長手方向両端が上下動自在になる一本の回動フレームの中間を支持手段により支持して、この回動フレームの両端にそれぞれセンタローラを支持した構成になっている。すなわち前後の並列センタローラにより荷重を分散させている。
【0006】
しかしながら、故障したセンタローラを交換する場合、ベルトの下側に通過させた棒材の持ち上げや、ベルトの吊り上げによってセンタローラに対しベルトを浮上させて、ベルトの浮上状態を維持しながら、無荷重になったセンタローラを交換するので、ベルトの押し上げに著しく手数がかかると共に、センタローラの交換に長時間要することになる。すなわち、ベルトコンベヤの運転休止が長時間になる問題があった。
【0007】
そこで、この発明は、センタローラの交換が極めてスムーズに、すなわち、ベルトコンベヤの運転休止が短時間になるようにしたことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明は、コンベヤフレームの両側にキャリア側ベルトの下を横切る水平材の両端を取り付け、この水平材の上面両端及び中央部からそれぞれ対向状に起立するサイドローラスタンドを設けて、このサイドローラスタンドにそれぞれのサイドローラの両端を支持し、上記水平材の中央部上記サイドスタンドの内側から対向状に起立する脚材を設け、この両脚材の上端に水平な支軸を介しベルトの走行方向側に先端が向く左右一対の下流アームの末端と、ベルトの走行方向に反対側に先端が向く左右一対の上流アームの末端とを回動自在に支持すると共に、この下流アームの先端及び上流アームの先端にセンタローラの両端を支持し、上記下流アーム及び上流アームの途中に先端を取り付けた支持ブラケットの末端を上記水平材に取付金具を介し着脱自在に取り付けた構成を採用する。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、この発明のベルトコンベヤ用キャリアローラによれば、中央(センタ)ローラに対する乗り越え抵抗を減らすことにある。すなわち、センタローラの60%以上の負荷を半減させることで、センタローラの寿命も延びることにより耐久性を向上させ、かつセンタローラが故障すると、取付金具による支持ブラケットの末端の支持を解除することで、上流アームや下流アームの先端側を降下させながら、キャリアベルトに対しセンタローラを遊離させることができる。
【0010】
このため、センタローラの交換が極めてスムーズになり、その結果、ベルトコンベヤの運転休止が極めて短時間になるすぐれた効果がある。
【0011】
また、取付金具による支持ブラケットの末端固定を解除することで、下流アーム及び上流アームを回動させて並列状に集合させることができる。
【0012】
このため、嵩低くすることが可能になって、格納や輸送のかさばりの不都合をなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、この発明の実施形態を示す平面図である。
【図2】図2は、同上の要部を示す拡大平面図である。
【図3】図3は、同縦断拡大側面図である。
【図4】図4は、同上の一部切欠正面図である。
【図5】図5は、センタローラの交換を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
実施形態の図1から図4に示すaは、ベルトコンベヤAの無端状のベルトである。
【0016】
1はキャリア側ベルトaの下を横切ってコンベヤフレームBの両端上縁に締付具などを介し両端を取り付けた水平材である。
【0017】
上記水平材1上の両端及び中央部には、それぞれが対向状に起立するサイドローラスタンド2,2が設けてあり、この各対向するサイドローラスタンド2,2には、サイドローラ3の両端が支持させてある。
【0018】
上記サイドローラ3の両端支持は、周知のように例えばサイドローラスタンド2の上縁から下方に向け設けてある切欠き20にサイドローラ3の両端面から突出するセンタ支軸21の両端外周面対向位置に設けてある溝22を係合状に落とし込んで、センタ支軸21を不回転状態で受架してある。
【0019】
なお、左右の両サイドローラ3は、外側方に登り傾斜になるようにセンタ側サイドローラスタンド2の上方への突出長さは、コンベヤフレームBの側面側サイドローラスタンド2の上方への突出長さよりも短くしてある。
【0020】
また、水平材1の上面中央部で、上記サイドローラスタンド2の内側に対向状に起立する脚材4,4を設けて、この両脚材4の上端には、ベルトaの走行方向に先端が向く左右一対の下流アーム5の末端と、ベルトaの走行方向の反対方向に先端が向く左右一対の上流アーム6の末端とを水平な支軸7を介し回動自在に支持する。
【0021】
上記支軸7は、図示の場合、両端外周対向の溝22を脚材4の上縁から下方に向く切欠き20に落とし込んで不回転状態に支持したが、限定されない。この要因は、センタローラを取り外したセンタローラスタンドを脚材4として使用するためである。
【0022】
そして、下流アーム5の両先端間と上流アーム6の両先端間とには、センタローラ8がそれぞれ交換可能に支持させてある。
【0023】
上記センタローラ8の交換可能な支持手段としては、図示の場合、周知のサイドローラ3の支持方式と同様の方式を採用したが、限定されずその他の交換可能(着脱可能)な方式を採用してもよい。
【0024】
さらに、下流アーム5及び上流アーム6の途中に先端を取り付けた支持ブラケット9の末端を水平材1に取付金具10を介し着脱自在に取り付ける。
【0025】
水平材1上に支持ブラケット9の末端を取り付けた際には、ベルトaのキャリア側下面にセンタローラ8の上周面が接触している。すなわち、支持ブラケット9が起立状態にある。
【0026】
なお、支持ブラケット9の先端を下流アーム5及び上流アーム6の途中にピン11を介し取り付け、支持ブラケット9の末端を水平材1に取付金具10を介し着脱自在にしたが、逆にすることもでき、また支持ブラケット9の先端、末端の両方を取付金具を介し着脱式にしても同効果がある。
【0027】
上記の取付金具10は、図示の場合ボルトとナットを用いたが、限定されず、その他の着脱できる金具であってもよい。
【0028】
上記のように構成すると、センタローラ8を何らかの原因により交換する場合、まず取付金具10を取り外して水平材1に対する支持ブラケット9の末端の固定(支持)を解除する。
【0029】
すると、上方への押し上げの解除された上流アーム6或いは下流アーム5を図5に示すように倒れ方向にピン11を支点として傾動させながら、センタローラ8を降下させることができるので、ベルトaを押し上げ或いは吊り下げることなく、センタローラ8の交換作業が極めてスムーズに行うことができる。
【0030】
センタローラ8の交換後に降下方向に傾動させてある下流アーム5或いは上流アーム6を起きる方向に回動させ、しかるのち水平材1に支持ブラケット9の末端を取付金具10を介し固定する。
【0031】
なお、出荷前の格納や輸送に際しては、支持ブラケット9の末端取付金具10による固定を解除し、そして下流アーム5及び上流アーム6を並列するように回動させておくと嵩が低くなり、格納や輸送が容易になる。
【0032】
また、脚材4は、既存のセンタローラのスタンドを使用することができる。すなわち既在ベルトコンベヤのセンタローラを取り外して、センタローラスタンドにこの発明の上流アーム6と下流アーム5の支軸7の両端を支持させる。すると、大幅な改造を必要とせず、目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0033】
A ベルトコンベヤ
a ベルト
B コンベヤフレーム
1 水平材
2 サイドローラスタンド
3 サイドローラ
4 脚材
5 下流アーム
6 上流アーム
7 支軸
8 センタローラ
9 支持ブラケット
10 取付金具
11 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤフレームの両側にキャリア側ベルトの下を横切る水平材の両端を取り付け、この水平材の上面両端及び中央部からそれぞれ対向状に起立するサイドローラスタンドを設けて、このサイドローラスタンドにそれぞれのサイドローラの両端を支持し、上記水平材の中央部上記サイドスタンドの内側から対向状に起立する脚材を設け、この両脚材の上端に水平な支軸を介しベルトの走行方向側に先端が向く左右一対の下流アームの末端と、ベルトの走行方向に反対側に先端が向く左右一対の上流アームの末端とを回動自在に支持すると共に、この下流アームの先端及び上流アームの先端にセンタローラの両端を支持し、上記下流アーム及び上流アームの途中に先端を取り付けた支持ブラケットの末端を上記水平材に取付金具を介し着脱自在に取り付けたことを特徴とするベルトコンベヤ用キャリアローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−255990(P2011−255990A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130634(P2010−130634)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(504385982)株式会社JRC (17)
【Fターム(参考)】