説明

ベルト状被洗浄物の洗浄方法及び洗浄装置

【課題】 ベルト状被洗浄物の汚れを良好に除去できるだけでなく、上記被洗浄物の載置面に噴射された洗浄液が上記載置面とクリーニングフードの隙間から外部へ飛散することのないベルト状被洗浄物の洗浄方法及び洗浄装置を提供する。
【解決手段】 複洗浄ノズルNZ1が、ベルト状被洗浄物B2に接近して対設する先端側が開口するフード状のヘッドカバー2内に囲繞されて配置される複数個からなり、それら洗浄ノズルNZ1の吐出口がベルト状被洗浄物B2の載置面に直交する軸線方向、並びに該軸線に対し上記載置面に向けて放射方向に45度から−45度の範囲内に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体や空気などの洗浄媒体を噴射してベルト状被洗浄物を洗浄するベルト状被洗浄物の洗浄方法及び洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製紙機械において、例えば、ベルト状被洗浄物として例えばループ状のドライヤカンバス上に載せて連続移送する水分を含んだ紙料は、上記ドライヤカンバスによりドライヤシリンダに押し付けられて乾燥が行われ、その後製品として巻き取られる。ドライヤカンバスの汚れはその通気性を減少させて乾燥速度に影響を及ぼし、シートをドライヤシリンダに均一に保持することに支障をきたし、シートの厚み変動の原因となるだけでなく紙の品質の悪化の原因となることからドライヤカンバスの洗浄が行われている。
【0003】
上記ドライヤカンバスの洗浄は、従来より化学薬品溶液により汚れをとるのが普通であったが、この方法では、製紙機械の運転中の洗浄は困難であり、またクリーニング効果も十分なものとはいえなかった。そこで、近年では超高圧の液体噴射を行う洗浄方法及び装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−70888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、上記洗浄装置の超高圧の液体噴射によりドライヤカンバス上の汚れをクリーニングする場合は、30〜150barの超高圧の液体がノズルからドライヤカンバスに向けて噴射され、その噴射された洗浄液の物理的な作用によって汚れを除去するようになっている。
【0006】
ところが、上記ノズルは、ドライヤカンバスの面に対して直交する方向に向けて接近設置されてあるため、ノズルから超高圧で噴射される液体によってカンバス上面に水縞模様が形成され易くクリーニング効果が期待できない問題を有していた。また、洗浄カップとカンバス上面との間には吸引用の隙間が形成されているためこの隙間から洗浄液が外部に飛散され易くなるなどの問題を有していた。
【0007】
本発明の目的は、ベルト状被洗浄物の汚れを良好に除去できるだけでなく、上記被洗浄物の載置面に噴射された洗浄液が上記載置面とクリーニングフードの隙間から外部へ飛散することのないベルト状被洗浄物の洗浄方法及び洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を解決するために、本発明の請求項1に記載のベルト状被洗浄物の洗浄装置は、複数のロールR1〜R8にループ状に巻き付けられて連続走行するベルト状被洗浄物B1〜B5に対し洗浄ノズルNZから洗浄媒体を噴射させて上記被洗浄物に付着した汚れを除去するベルト状被洗浄物の洗浄装置に於いて、上記洗浄ノズルNZは、上記ベルト状被洗浄物B1〜B5に接近して対設する先端側が開口するフード状のヘッドカバー2内に囲繞されて配置される複数個からなり、それら洗浄ノズルNZの吐出口が上記ベルト状被洗浄物B1〜B5の載置面に直交する軸線方向、並びに該軸線に対し上記載置面に向けて放射方向に45度から−45度の範囲内に設定されていることを特徴とするベルト状被洗浄物の洗浄装置である。
上記のベルト状被洗浄物の洗浄装置によれば、上記洗浄ノズルNZの吐出口からベルト状被洗浄物B1〜B5の載置面に直交する軸線に対し放射方向に傾斜した角度45度から−45度の範囲内で洗浄媒体が吐出される。これによりベルト状被洗浄物B1〜B5に吹き付けられる洗浄媒体の面積は、載置面に対し直交する軸線方向から吹き付けられる面積に比し増大する。
また、傾斜したノズルの吐出口から吹き付けられる洗浄媒体は、例えばカンバス生地製のベルト状被洗浄物B5では網目の奥まで侵入し、更に布製B1,B2または毛布製のベルト状被洗浄物B3,B4では、斜め横方向から吹き付けられて毛羽立つ繊維の根元まで侵入する。
【0009】
本発明の請求項2に記載のベルト状被洗浄物の洗浄装置は、上記ヘッドカバー2は、上記開口部4の端縁に沿って上記ベルト状被洗浄物B1〜B5に向く複数の小径エアー噴出口が連設されると共に、上記ヘッドカバー2の後端側にはエアー排気口6が設けられて成り、上記複数のエアー噴出口から噴出されるエアーにより形成されるエアーカーテンによって上記開口部4が密閉され、上記ベルト状被洗浄物B1〜B5から除去された汚れ並びに上記ベルト状被洗浄物B1〜B5に吹き付けた洗浄媒体が外部へ漏洩するのを防止するように構成したことを特徴とするベルト状被洗浄物の洗浄装置である。
上記のベルト状被洗浄物の洗浄装置によれば、連続走行するベルト状被洗浄物B1〜B5を洗浄している際は、ヘッドカバー2の開口部4とベルト状被洗浄物B1〜B5との隙間がエアーカーテンにより密閉される。これにより、上記ベルト状被洗浄物B1〜B5から除去された汚れ並びにベルト状被洗浄物B1〜B5に吹き付けた洗浄媒体は、上記隙間から外部への漏洩が防止される。
【0010】
本発明の請求項3に記載のベルト状被洗浄物の洗浄装置は、ヘッドカバー2後端側のエアー排気口6の近傍にはエアーベンチュリー8が設けられると共に、エアー排気口6の後端は洗浄後の洗浄媒体を外部に排出する排出トヨに連通して成り、上記エアーベンチュリー8の入口側には、後端側の排出口に向けて圧縮エアーを噴き出すエアー吐出口が設けられ、上記エアー吐出口から噴き出される圧縮エアーにより形成される上記エアーベンチュリー8の負圧作用によって吸引された洗浄後の洗浄媒体を上記排出トヨに導くようにしたことを特徴とするベルト状被洗浄物の洗浄装置である。
上記のベルト状被洗浄物の洗浄装置によれば、エアーベンチュリー8の入口側に設けられたエアー吐出口から噴き出された圧縮エアーによりエアーベンチュリーに負圧作用が生ずる。これによりヘッドカバー2に収容された洗浄後の洗浄媒体は吸引されて排出トヨに導かれる。
【0011】
本発明の請求項4に記載のベルト状被洗浄物の洗浄装置は、ワイヤーフォーミング工程Aにおいて、布製のベルト状被洗浄物B1,B2の洗浄を行う洗浄装置CR1〜CR4は、上記洗浄ノズルNZ1,NZ2が吐出口から吐出する洗浄媒体が60〜150barの高圧で連続吐出される複数個から構成されており、上記ベルト状被洗浄物B1,B2からヘッドカバー20内に跳ね返った洗浄媒体を上記排出トヨ22に導くように構成されていることを特徴とするベルト状被洗浄物の洗浄装置である。
上記のベルト状被洗浄物の洗浄装置によれば、ワイヤーフォーミング工程Aにおいて洗浄装置CR1〜CR4で布製のベルト状被洗浄物B1,B2を洗浄する場合は、60〜150barの高圧の洗浄媒体が複数の洗浄ノズルNZ1,NZ2から連続吐出される。
【0012】
本発明の請求項5に記載のベルト状被洗浄物の洗浄装置は、プレス工程Bにおいて、毛布製のベルト状被洗浄物B3,B4の洗浄を行う洗浄装置CR5は、上記洗浄ノズルNZ3が吐出口から吐出する洗浄媒体が15〜60barの中圧で連続吐出される複数個から構成されており、毛布製のベルト状被洗浄物B3,B4からヘッドカバー20内に跳ね返った洗浄媒体を上記排出トヨ22に導くように構成されていることを特徴とするベルト状被洗浄物の洗浄装置である。
上記のベルト状被洗浄物の洗浄装置によれば、プレス工程において洗浄装置CR5で毛布製のベルト状被洗浄物B3,B4を洗浄する場合は、15〜60barの中圧の洗浄媒体が複数の洗浄ノズルから連続吐出される。
【0013】
本発明の請求項6に記載のベルト状被洗浄物の洗浄装置は、ドライヤー工程Cにおいて、カンバス生地製のベルト状被洗浄物B5の洗浄を行う洗浄装置第二カンバスクリーナCR6bは、上記洗浄ノズルNZが、吐出口から吐出する洗浄媒体が80〜350barの超高圧で連続吐出される複数個からなる洗浄ノズルNZ6aと、間欠的に吐出する複数個からなる間欠洗浄ノズルNZ6bから構成されており、カンバス生地製のベルト状被洗浄物B5からヘッドカバー20内に跳ね返った洗浄媒体を上記排出トヨ26に導くように構成されていることを特徴とするベルト状被洗浄物の洗浄装置である。
上記のベルト状被洗浄物の洗浄装置によれば、ドライヤー工程において洗浄装置CR6aでカンバス生地製のベルト状被洗浄物を洗浄する場合は、80〜350barの超高圧の洗浄媒体が複数の洗浄ノズルから連続吐出される。
【0014】
本発明の請求項7に記載のベルト状被洗浄物の洗浄方法は、複数のロールR1〜R8にループ状に巻き付けられて連続走行するベルト状被洗浄物B1〜B5に対し洗浄ノズルNZから洗浄媒体を噴射させて上記被洗浄物B1〜B5に付着した汚れを除去するベルト状被洗浄物の洗浄方法に於いて、上記ベルト状被洗浄物B1〜B5に接近して対設する先端側が開口するフード状のヘッドカバー2内に囲繞された複数の上記洗浄ノズルNZの各吐出口が、上記ベルト状被洗浄物B1〜B5の載置面に直交する軸線方向、並びに該軸線に対し放射方向に45度から−45度の範囲内に設定されると共に、上記ヘッドカバー2は開口部4の端縁に沿って上記ベルト状被洗浄物に向く複数の小径エアー噴出口が連設されて成り、上記複数の洗浄ノズルNZの各吐出口から噴出される洗浄媒体によって上記ベルト状被洗浄物B1〜B5から除去されて上記ヘッドカバー2内に収容された汚れ並びに噴射された上記洗浄媒体は、上記エアー噴出口から噴出されるエアーにより形成されるエアーカーテンによって上記開口部4とベルト状被洗浄物B1〜B5の隙間が密閉されると共に、上記ヘッドカバー2後端側のエアー排気口に装備されたエアーベンチュリー8の吸引作用で上記エアー排気口を通して排出トヨに排出されることを特徴とするベルト状被洗浄物の洗浄方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以下の効果を奏する。
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、ベルト状被洗浄物の載置面に直交する軸線に対し放射方向に傾斜した角度45度から−45度の範囲内で洗浄媒体が吐出されるので、ベルト状被洗浄物に吹き付けられる洗浄媒体の面積は、載置面に対し直交する軸線方向から吹き付けられる面積に比し増大する。これにより、例えばカンバス生地製のベルト状被洗浄物では網目の奥まで侵入し、更に布製または毛布製のベルト状被洗浄物では、斜め横方向から吹き付けられて毛羽立つ繊維の奥まで侵入するので、ベルト状被洗浄物の表面に限らず繊維の奥に付着した汚れを剥離することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、ヘッドカバーの開口部とベルト状被洗浄物との隙間がエアーカーテンにより密閉されるので、ベルト状被洗浄物から除去された汚れ並びにベルト状被洗浄物に吹き付けた洗浄媒体が上記隙間から外部へ漏洩することがなく、ベルト状被洗浄物に再び付着することも無くなる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、エアーカーテンに使用される圧縮エアーの一部をエアーベンチュリーに供給することで、別途バキュームを用いずにエアーベンチュリーに生ずる負圧により、ヘッドカバー内の洗浄後の洗浄媒体を吸引して排出トヨに導くことができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、ワイヤーフォーミング工程において布製のベルト状被洗浄物を洗浄する際は、60〜150barの高圧の洗浄媒体が複数の洗浄ノズルからベルト状被洗浄物の載置面に直交する軸線に対し放射方向に傾斜した角度45度から−45度の範囲内で連続吐出されるので、水分が多く表面に薄い層となっているベルト状被洗浄物を洗浄することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、プレス工程において毛布製のベルト状被洗浄物を洗浄する際は、15〜60barの中圧の洗浄媒体が複数の洗浄ノズルからベルト状被洗浄物の載置面に直交する軸線に対し放射方向に傾斜した角度45度から−45度の範囲内で連続吐出されるので、水分が多く毛布製のベルト状被洗浄物を洗浄することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、ドライヤー工程においてカンバス生地製のベルト状被洗浄物を洗浄する際は、80〜350barの超高圧の洗浄媒体が複数の洗浄ノズルからベルト状被洗浄物の載置面に直交する軸線に対し放射方向に傾斜した角度45度から−45度の範囲内で連続吐出されるので、少し乾燥している汚れや粘ついている汚れを除去することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、ベルト状被洗浄物の載置面に直交する軸線に対し放射方向に傾斜した角度45度から−45度の範囲内で洗浄媒体が吐出されるので、ベルト状被洗浄物に吹き付けられる洗浄媒体の面積は、載置面に対し直交する軸線方向から吹き付けられる面積に比し増大する。これにより、例えばカンバス生地製のベルト状被洗浄物では網目の奥まで侵入し、更に布製または毛布製のベルト状被洗浄物では斜め横方向から吹き付けられて毛羽立つ繊維の奥まで侵入するので、ベルト状被洗浄物の表面に限らず繊維の奥に付着した汚れを剥離することができる。
また、エアーカーテンによって開口部とベルト状被洗浄物の隙間が密閉されるので、該隙間から洗浄後の洗浄媒体が外部へ漏洩することがなくベルト状被洗浄物に再び付着することも無くなる。更に、エアーベンチュリーに生ずる負圧作用により、ヘッドカバー内の洗浄後の洗浄媒体を吸引して排出トヨに導くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の一実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0024】
図1〜図3にはベルト状被洗浄物の洗浄装置の一実施例が示されている。図1は本発明に係るベルト状被洗浄物の洗浄装置の一実施例としてワイヤーフォーミング成型工程を実施する洗浄装置の全体図、図2は本発明に係るベルト状被洗浄物の洗浄装置の一実施例としてプレス工程を実施する洗浄装置の全体図、図3は本発明に係るベルト状被洗浄物の洗浄装置の一実施例としてドライヤー工程を実施する洗浄装置の全体図である。
【0025】
製紙工程において水分を含んだシート状の紙料は、例えば、ループ状のドライヤカンバスなどにドライヤシリンダに押し付けられて、乾燥が行われ、その後製品として巻き取られるようになっているが、上記ドライヤカンバスの汚れはその通気性を減少させて乾燥速度に影響を及ぼし、シート状紙料をドライヤシリンダに均一に保持することに支障をきたすだけでなくシートの厚み変動の原因となり、更にはドライヤシリンダからシートへ熱伝達が不均一となり、紙の品質の悪化の原因となることからベルト状被洗浄物の洗浄は不可欠な工程となっている。
【0026】
図1〜図3に示すベルト状被洗浄物の洗浄装置は、主に製紙機械のベルト状被洗浄物を洗浄する装置であって、その洗浄工程は、洗浄対象物となるベルト状被洗浄物の種類によってワイヤーフォーミング成型工程A、プレス工程B、ドライヤー工程Cに分類することができる。
【0027】
先ず、ワイヤーフォーミング成型工程Aに付き、図1を参照して説明する。図1に示すワイヤーフォーミング成型工程Aの洗浄装置は、ボトム駆動ロールR1とトップリターンロールR2間に複数のローラを介してループ状に掛け渡された幅広の布製ベルトで構成されたトップベルト被洗浄物B1と、ボトム駆動ロールR3とボトムリターンロールR4間に複数のローラを介してループ状に掛け渡された幅広の布製ベルトで構成されたボトムベルト被洗浄物B2とから構成されている。
【0028】
トップベルト被洗浄物B1とボトムベルト被洗浄物B2間には、ボトムリターンロールR4部に上記被洗浄物B1,B2を相互に圧接する圧縮工程を備えている。
【0029】
上記トップベルト被洗浄物B1のトップリターンロールR2下流側にはトップベルト被洗浄物B1の洗浄を行うトップパワークリーナ(洗浄装置)CR1が配設され、上記ボトム駆動ロールR2近傍の下流側にはボトムパワークリーナ(洗浄装置)CR2が配設されている。
【0030】
また、上記ボトムベルト被洗浄物B2のボトム駆動ロールR3下流側には、ボトムベルト被洗浄物B2の洗浄を行うボトムパワークリーナ(洗浄装置)CR3が配設されている。そして、これらトップパワークリーナCR1、ボトムパワークリーナCR2及びボトムパワークリーナCR3は、ベルト被洗浄物B1,B2の幅方向(走行方向と直交する方向)に25mm/sec〜50mm/secの速度で往復移動(トラバース)するように構成されている。
【0031】
以下、ワイヤーフォーミング成型工程Aで使用される洗浄装置に付き図4、図5を参照して説明する。図4は布製ベルト状被洗浄物の洗浄に使用される洗浄装置の側面図、図5は図4のX部を示し、洗浄装置のヘッドカバーエアー排気口に設けられたエアーベンチュリーの断面図である。
【0032】
図4に示すボトムパワークリーナ(洗浄装置)CR3は、上記ボトムパワークリーナCR2と同一構成となっている。図4、図5において、上記ボトムパワークリーナCR3は、連続走行するボトムベルト被洗浄物B2に接近して対設する先端側が開口するフード状のヘッドカバー2と、このヘッドカバー2に囲繞されて配置され上記ボトムベルト被洗浄物B2に対し洗浄媒体を噴射させる複数個の洗浄ノズルNZ1と、上記ヘッドカバー2の矩形状に形成された開口部4端縁に沿って配設され上記ボトムベルト被洗浄物B2に向けて圧縮エアーを噴出するよう複数の図示しない小径エアー噴出口が連設された給気管5と、上記ヘッドカバー2後端側のエアー排気口6の近傍に装備したエアーベンチュリー装置8とから構成されている。
【0033】
上記ボトムパワークリーナCR2,CR3の洗浄ノズルNZ1は、上記ボトムベルト被洗浄物B2に対し21個(3列×7個)のノズルが50mm離間して配設されており、これらの吐出口からボトムベルト被洗浄物B2の載置面に直交する軸線に対し放射方向に傾斜した角度45度から−45度の範囲内で3方向に向けて0.1〜0.5mmの口径から3〜6リットル/minの洗浄媒体が60〜150barの高圧で吐出されるように構成されている。
【0034】
また、開口部4に沿って配設された矩形状の給気管5は、上記ボトム駆動ロールR3の外周に巻回したボトムベルト被洗浄物B2の湾曲する2つの円弧部ないしこれと直交する軸方向の2つの直線部がボトムベルト被洗浄物B2に10〜35mmの間隔に接近して配設されている。
【0035】
上記ボトムベルト被洗浄物B2下流側の給気管5は、2重に並設された給気管5で構成されており、上記給気管5に穿設された複数のエアー噴出口からは6barの圧縮エアー1.5〜2.5m/minが上記ボトムベルト被洗浄物B2に向けて噴出され、この噴出された圧縮エアーによって開口部4とボトムベルト被洗浄物B2との隙間にエアーカーテンが形成されるようになっている。
【0036】
上記のように構成されたトップパワークリーナCR1、ボトムパワークリーナCR2,CR3によれば、ボトムベルト被洗浄物B2の載置面に直交する軸線に対し放射方向に傾斜した角度45度から−45度の範囲内で3方向に向く21個の洗浄ノズルNZ1から洗浄媒体が吐出されるようになっているので、上記ボトムベルト被洗浄物B2に吹き付けられる洗浄媒体の面積は、載置面に対し直交する軸線方向から吹き付けられる面積に比し増大する。
【0037】
これにより、例えば布製のボトムベルト被洗浄物B2では、斜め横方向から吹き付けられて毛羽立つ繊維の奥まで侵入するので、ボトムベルト被洗浄物B2の表面に限らず繊維の奥に付着した汚れを剥離することができる。
【0038】
また、上記ヘッドカバーヘッドカバー2の開口部4とボトムベルト被洗浄物B2との隙間がエアーカーテンにより密閉されるので、上記ボトムベルト被洗浄物B2から除去された汚れ並びにボトムベルト被洗浄物B2に吹き付けた洗浄媒体が上記隙間から外部へ漏洩することがなく、上記ボトムベルト被洗浄物B2に再び付着することも無くなる。
【0039】
図5に示すように、上記ヘッドカバー2後端側のエアー排気口6の近傍にはエアーベンチュリー8が設けられると共に、エアー排気口6の後端は洗浄後の洗浄媒体を外部に排出する排出トヨ(後述する)に連通している。
【0040】
上記エアーベンチュリー8は、エアー排気口6に螺着された円筒状のソケット10と、このソケット10の先端に挿嵌された小径の吐出管12とから構成され、エアーベンチュリー8の側面にはエアーカーテンに使用される圧縮エアーの一部を内部に噴き出す圧縮エアー噴出口14が形成されている。
【0041】
上記圧縮エアー噴出口14から噴き出される圧縮エアーにより形成されるエアーベンチュリー8の負圧作用によって、ヘッドカバー2内に収容された洗浄後の洗浄媒体は上記ボトムベルト被洗浄物B2の幅方向(走行方向と直交する方向)に設けられた上記排出トヨに排出されたのち外部に排出されるようになっている。
【0042】
このように、エアーカーテンに使用される圧縮エアーの一部をエアーベンチュリー8に供給することで、別途バキュームを用いずに上記エアーベンチュリー8に生ずる負圧により吸引されたヘッドカバー2内の洗浄後の洗浄媒体は排出トヨに導くことができる。
【0043】
また、図1に示すトップパワークリーナCR1は、トップリターンロールR2の上面に配設されているが、上記ボトムパワークリーナCR2、CR3と略同一構成であって、0.1〜1.0mmの口径から3〜6リットルの洗浄媒体が60〜150barの中圧で吐出される点のみが相違している。
【0044】
次に、ワイヤーフォーミング成型工程Aで使用される洗浄装置として、貫通形のボトムパワークリーナCR4に付き図6を参照して説明する。図6は布製ベルト状被洗浄物の洗浄に使用される洗浄装置の側面図である。尚、上記の洗浄装置の構成部分と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0045】
図6に示す洗浄装置は、貫通形のボトムパワークリーナCR4であって、この貫通形ボトムパワークリーナCR4は、連続走行するボトムベルト被洗浄物B2下面の平坦面に対設するヘッドカバー2の開口部4端縁に小径エアー噴出口が連設された平坦な矩形枠状の給気管15が接近して配設されており、上記ヘッドカバー2内には、上記ボトムパワークリーナCR3の洗浄ノズルNZ1と略同一構成の洗浄ノズルNZ2が配設されている。
【0046】
上記ヘッドカバー2後端側のエアー排気口6の周囲には、上記給気管15と同一構成の給気管16が取付けられており、この給気管16にはエアー排気口6の出口に向けて圧縮エアーを噴出する複数の図示しない小径エアー噴出口が連設され、エアー排気口6の出口側にはエアーベンチュリー機能を備えた先細の排気筒18が設けられている。このボトムパワークリーナCR4は、ボトムパワークリーナCR2,CR3と同一作用効果を有しており重複する説明を省略する。
【0047】
次に、プレス工程Bに付き図2、図7を参照して説明する。図7は毛布製のベルト状被洗浄物の洗浄に使用される洗浄装置の側面図である。尚、上記洗浄装置の構成部分と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
図2に示すプレス工程Bの洗浄装置は、ボトム駆動ロールR5とトップリターンロールR6間に複数のローラを介してループ状に掛け渡された幅広の毛布製トップベルト被洗浄物B3と、ボトム駆動ロールR7とボトムリターンロールR8間に複数のローラを介してループ状に掛け渡された幅広の毛布製ボトムベルト被洗浄物B4とから構成されている。
【0049】
上記トップベルト被洗浄物B3とボトムベルト被洗浄物B4間には、ボトム駆動ロールR5とボトムリターンロールR8の下流側に両ベルト被洗浄物B3,B4を相互に圧接する圧縮工程を備えている。
【0050】
トップベルト被洗浄物B3のトップリターンロールR6近傍の上流側には上記トップベルト被洗浄物B3の洗浄を行うトップクリーナ(洗浄装置)CR5が配設され、上記ボトム駆動ロールR7近傍の下流側には上記トップクリーナCR5と同一構成のボトムクリーナCR5(以下両者を毛布洗浄クリーナCR5と称する)が配設されている。
【0051】
次に、プレス工程Bで使用される洗浄装置に付き図7を参照して説明する。図7において、洗浄装置として毛布専用の洗浄クリーナCR5は、連続走行するトップベルト被洗浄物B3の下方を向く載置面に接近して対設する先端側が開口するフード状のヘッドカバー20と、このヘッドカバー20に囲繞されて配置されトップベルト被洗浄物B3の載置面に対し洗浄媒体を噴射させる複数個の洗浄ノズルNZ3と、上記ヘッドカバー20の矩形状に形成された平坦な開口部4端縁に沿って配設され上記トップベルト被洗浄物B3に向けて圧縮エアーを噴出するよう複数の図示しない小径エアー噴出口が連設された給気管15と、上記ヘッドカバー20後端側に形成されたエアー排気口6とから構成されている。
【0052】
上記毛布洗浄クリーナCR5の洗浄ノズルNZ3は、その吐出口から上記トップベルト被洗浄物B4の載置面に直交する軸線に対し放射方向に傾斜した角度45度から−45度の範囲内で3方向に向く21個の洗浄ノズルNZ3を有し、上記洗浄ノズルNZ3は、0.2mmの口径から1.4〜3.5リットルの洗浄媒体が15〜60barの中圧で吐出されるように構成されている。
【0053】
上記ヘッドカバー20後端側に形成された下方に向くエアー排気口6は、上記トップベルト被洗浄物B4の幅方向(走行方向と直交する方向)に設けられた排出トヨ22に連通接続されており、上記排出トヨ22内には毛布専用の洗浄クリーナCR5と共に長手方向に移動可能なスクレーパ24が配設されている。
【0054】
上記のように構成された毛布洗浄クリーナCR5によれば、プレス工程において毛布製のベルト状被洗浄物を洗浄する際は、15〜60barの中圧の洗浄媒体が複数の洗浄ノズルから連続吐出されるので、水分が多く毛布製のベルト状被洗浄物の洗浄効果を得ることができる。
【0055】
次に、ドライヤー工程Cに付き図3、図8、図9を参照して説明する。図3に示すドライヤー工程Cの洗浄装置は、駆動用ロールR7とリターンロールR8間に複数のローラ群R10を介してループ状に掛け渡された幅広の不織布、食品、建材コンベア等のカンバス生地で構成されるカンバス製ベルト被洗浄物B5とから構成されている。
【0056】
上記カンバス製ベルト被洗浄物B5の駆動用ロールR7下流側に配設されたローラR9には、カンバス製ベルト被洗浄物B5の洗浄を行うカンバス洗浄装置CR6が配設されている。
【0057】
以下、ドライヤー工程Cで使用される洗浄装置に付き図8、図9〜図12を参照して説明する。図8はカンバス製ベルト被洗浄物の洗浄に使用されるカンバス洗浄装置の側面図、図9はカンバス製ベルト被洗浄物の洗浄に使用される貫通形カンバス洗浄装置の側面図である。
【0058】
ドライヤー工程Cの洗浄装置として使用されるカンバス洗浄装置CR6は、第1カンバスクリーナCR6aと第2カンバスクリーナCR6bから構成されており、本実施例では第1カンバスクリーナCR6aに付き説明する。
【0059】
図8において、第1カンバスクリーナCR6aは、連続走行するカンバス製ベルト被洗浄物B5に接近して対設する先端側が開口するフード状のヘッドカバー20と、このヘッドカバー20に囲繞されて配置され上記カンバス製ベルト被洗浄物B5に対し洗浄媒体を噴射させる複数個の洗浄ノズルNZ4と、上記ヘッドカバー20の矩形状に形成された開口部4端縁に沿って配設され上記カンバス製ベルト被洗浄物B5に向けて圧縮エアーを噴出する複数の小径エアー噴出口(図示せず)が連設された給気管15と、上記ヘッドカバー20後端側のエアー排気口6近傍に装備されたエアーベンチュリー装置8とから構成されている。
【0060】
第1カンバスクリーナCR6aの洗浄ノズルNZ4は、その吐出口からカンバス製ベルト被洗浄物B5の載置面に直交する軸線、すなわちローラR9の中心方向に向く2〜6個の高圧洗浄ノズルNZ4aと、8〜12個の中圧洗浄ノズルNZ4bとから構成されている。
【0061】
上記高圧洗浄ノズルNZ4aは、0.1〜0.3mmの口径から0.8〜3リットル/minの洗浄媒体が80〜350barの超高圧で連続で吐出され、上記高圧洗浄ノズルNZ4aの上流側に隣接して並設された中圧洗浄ノズルNZ4bは、0.8mmの口径から25〜30リットル/minの中圧洗浄媒体が30〜80barの中圧で間欠的に吐出され、これにより洗浄媒体が間欠振動吐出(バッチ吐出)を行うよう構成されている。
【0062】
そして、上記高圧洗浄ノズルNZ4a及び中圧洗浄ノズルNZ4bを囲繞するフード状のヘッドカバー20は、矩形状の給気管15が開口部4に沿って配設されており、この給気管15は、ローラR9の外周に巻回したカンバス製ベルト被洗浄物B5の湾曲する2つの円弧部ないし、これと直交する2つの軸方向の直線部が上記カンバス製ベルト被洗浄物B5に接近して配設され、上記給気管15はカンバス製ベルト被洗浄物B5に対し一定隙間が形成されるようになっている。
【0063】
上記給気管15は、カンバス製ベルト被洗浄物B5の下流側が2重に並設されており、これら給気管5のエアー噴出口からは6barの圧縮エアー1.5〜2.5m/minが上記カンバス製ベルト被洗浄物B5に向けて噴出され、この噴出された圧縮エアーによって開口部4とカンバス製ベルト被洗浄物B5との隙間にエアーカーテンが形成されるようになっている。
【0064】
図9において、CR7は、カンバス製ベルト被洗浄物の洗浄に使用される貫通形カンバス洗浄装置となる貫通型カンバスクリーナを示しており、この貫通型カンバスクリーナCR7は、連続走行するカンバス製ベルト被洗浄物B5に接近して対設する先端側が開口するフード状のヘッドカバー20と、このヘッドカバー20に囲繞されて配置され上記カンバス製ベルト被洗浄物B5に対し洗浄媒体を噴射させる2個〜6個の高圧洗浄ノズルNZ5aと、その上流側に配設された8個の中圧洗浄ノズルNZ5bと、上記ヘッドカバー20の矩形状に形成された開口部4端縁に沿って配設され上記カンバス製ベルト被洗浄物B5に向けて圧縮エアーを噴出する複数の小径エアー噴出口(図示せず)が連設された給気管15と、上記ヘッドカバー20後端側のエアー排気口6近傍に装備されたエアーベンチュリー装置8と、上記複数個の洗浄ノズルNZ5から噴射されて上記カンバス製ベルト被洗浄物B5を貫通した洗浄媒体を収容する排出トヨ30とから構成されている。
【0065】
上記高圧洗浄ノズルNZ5aは、口径0.1〜0.5mmから80〜350barの洗浄媒体が吐出されると共に中圧洗浄ノズルNZ5bは、口径0.1〜1.0mmから60〜80barの洗浄媒体が吐出される。
【0066】
フード状のヘッドカバー20後端側のエアー排気口6には、図8に示すカンバス洗浄装置CR6と同様にエアーベンチュリー装置8が装着されており、このエアーベンチュリー装置8の出口にはミストボックス28が接続されている。このミストボックス28は、排出トヨ26内を上記貫通型カンバスクリーナCR7と共にカンバス製ベルト被洗浄物B5の幅方向に往復移動(トラバース)可能に構成されている。
【0067】
上記のように構成されたドライヤー工程Cで使用される洗浄装置である第2カンバスクリーナCR6bは、上記第1カンバスクリーナCR6aと略同一構成であり、ヘッドカバー20にはエアーベンチュリー装置8を具備していないが、カンバス製ベルト被洗浄物B5の洗浄は、第1カンバスクリーナCR6aのように汚れが少量乾燥している場合に有効なのに対し、汚れが多く粘付いている場合に有効である。
【0068】
次に、ドライヤー工程Cで使用される洗浄装置のカンバス洗浄装置CR6として第1カンバスクリーナCR6aに付き、図10〜図12を参照して説明する。図10は第1カンバスクリーナの斜視図、図11は第1カンバスクリーナが洗浄時にカンバス製ベルト被洗浄物の幅方向に往復移動する状態を示す部分斜視図、図12は洗浄時にカンバス製ベルト被洗浄物の幅方向に往復移動する第1カンバスクリーナと排出トヨとの関係を示す側面図である。尚、上述した洗浄装置の構成部分と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0069】
図10において、第1カンバスクリーナCR6aは、ヘッドカバー20の内部の上方に2〜6個の高圧洗浄ノズルNZ6aが配設されると共にそれらの下方に3列×4個(12個)の中圧洗浄ノズルNZ6bが上記ヘッドカバー20に囲繞されて配設されている。
【0070】
そして、第1カンバスクリーナCR6aの洗浄時には高圧洗浄ノズルNZ6aから最大350barの洗浄媒体が連続的に吐出され、同時に中圧洗浄ノズルNZ6bの3列の吐出口から、上記カンバス製ベルト被洗浄物B5の載置面に直交する軸線方向、並びに該軸線に対し上記載置面に向けて45度から−45度の範囲内で放射方向に最大80barの洗浄媒体が間欠的に吐出される。
【0071】
この状態で、上記第1カンバスクリーナCR6aは、カンバス製ベルト被洗浄物B5が連続走行している間に上記ベルト被洗浄物B5の幅方向(走行方向と直交する方向)に駆動源(例えばモーターシリンダなど)の作用によりガイドレール32に案内されて25mm/sec〜50mm/secの速度で往復移動(トラバース)しつつ洗浄し、この間は、給気管5のエアー噴出口から6kg/cmの圧縮エアー1.5〜2.5m/minがカンバス製ベルト被洗浄物B5に向けて噴出され、この噴出された圧縮エアーによって開口部4と上記カンバス製ベルト被洗浄物B5との隙間にエアーカーテンが形成される。
【0072】
これにより、上記ヘッドカバーヘッドカバー20の開口部4とカンバス製ベルト被洗浄物B5との隙間がエアーカーテンにより密閉されるので、カンバス製ベルト被洗浄物B5から除去された汚れ並びに上記カンバス製ベルト被洗浄物B5に吹き付けた洗浄媒体が上記隙間から外部へ漏洩することがなく、上記カンバス製ベルト被洗浄物B5に再び付着することも無くなる。
【0073】
次に、洗浄方法に付き図13、図14を参照して説明する。図13は布製のベルト被洗浄物の洗浄方法の説明図、図14はカンバス製のベルト被洗浄物の洗浄方法の説明図である。
【0074】
図13に示すように、洗浄媒体をノズルからベルト被洗浄物の載置面に直交する軸線方向、並びに該軸線に対し上記載置面に向けて45度から−45度の範囲内で洗浄媒体を放射方向に吐出することで、布製のベルト被洗浄物B1,B2の場合では、矢印で示すように斜め横方向から吹き付けられて毛羽立つ繊維の奥まで侵入するので、布製ベルト被洗浄物B1,B2の表面に限らず繊維の奥に付着した汚れを剥離することができる。
【0075】
また、図14に示すようにカンバス製のベルト被洗浄物B5の場合でも、矢印で示すように洗浄媒体がノズルからカンバス製ベルト被洗浄物B5の載置面に直交する軸線方向、並びに該軸線に対し上記載置面に向けて15度から−15度の範囲内で連続的に超高圧から高圧の範囲で吐出される少量の洗浄媒体、ないし間欠的に大量に吐出される中圧洗浄媒体による間欠振動洗浄により少量で乾燥している汚れや、多量に粘ついている汚れを剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係るベルト状被洗浄物の洗浄装置の一実施例としてワイヤーフォーミング成型工程を実施する洗浄装置の全体図である。
【図2】本発明に係るベルト状被洗浄物の洗浄装置の一実施例としてプレス工程を実施する洗浄装置の全体図である。
【図3】本発明に係るベルト状被洗浄物の洗浄装置の一実施例としてドライヤー工程を実施する洗浄装置の全体図である。
【図4】布製ベルト状被洗浄物の洗浄に使用される洗浄装置の側面図である。
【図5】図4のX部を示し、洗浄装置のヘッドカバーエアー排気口に設けられたエアーベンチュリーの断面図である。
【図6】布製ベルト状被洗浄物の洗浄に使用される洗浄装置の側面図である。
【図7】毛布製のベルト状被洗浄物の洗浄に使用される洗浄装置の側面図である。
【図8】カンバス製ベルト被洗浄物の洗浄に使用されるカンバス洗浄装置の側面図である。
【図9】カンバス製ベルト被洗浄物の洗浄に使用される貫通形カンバス洗浄装置の側面図である。
【図10】第1カンバスクリーナの斜視図である。
【図11】第1カンバスクリーナが洗浄時にカンバス製ベルト被洗浄物の幅方向に往復移動する状態を示す部分斜視図である。
【図12】洗浄時にカンバス製ベルト被洗浄物の幅方向に往復移動する第1カンバスクリーナと排出トヨとの関係を示す側面図である。
【図13】布製のベルト被洗浄物の洗浄方法の説明図である。
【図14】カンバス製のベルト被洗浄物の洗浄方法の説明図である。
【符号の説明】
【0077】
2 ヘッドカバー
4 開口部
5 給気管
6 エアー排気口
8 エアーベンチュリー
10 ソケット
12 吐出管
14 圧縮エアー噴出口
15,16 給気管
18 排気筒
20 ヘッドカバー
22,26 排出トヨ
24 スクレーパ
28 ミストボックス
30 排出トヨ
32 ガイドレール
A ワイヤーフォーミング成型工程
B プレス工程
B1 トップベルト被洗浄物(布製ベルト状被洗浄物)
B2 ボトムベルト被洗浄物(布製ベルト状被洗浄物)
B3 トップベルト被洗浄物(毛布製ベルト状被洗浄物)
B4 ボトムベルト被洗浄物(毛布製ベルト状被洗浄物)
B5 カンバス製ベルト被洗浄物
C ドライヤー工程
CR1 トップパワークリーナ(洗浄装置)
CR2 ボトムパワークリーナ(洗浄装置)
CR3 ボトムパワークリーナ(洗浄装置)
CR4 ボトムパワークリーナ(洗浄装置)
CR5 毛布洗浄クリーナ(洗浄装置)
CR6a 第1カンバスクリーナ(洗浄装置)
CR6b 第2カンバスクリーナ(洗浄装置)
CR7 第3カンバスクリーナ(洗浄装置)
NZ1〜5 洗浄ノズル
NZ4a 高圧洗浄ノズル
NZ4b 中圧洗浄ノズル
NZ5a 高圧洗浄ノズル
NZ5b 中圧洗浄ノズル
NZ6a 高圧洗浄ノズル
NZ6b 中圧洗浄ノズル
R1 ボトム駆動ロール
R2 トップリターンロール
R3 ボトム駆動ロール
R4 ボトムリターンロール
R5 ボトム駆動ロール
R6 トップリターンロール
R7 ボトム駆動ロール
R8 ボトムリターンロール
R9 ローラ
R10 ローラ群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のロールR1〜R8にループ状に巻き付けられて連続走行するベルト状被洗浄物B1〜B5に対し洗浄ノズルNZから洗浄媒体を噴射させて上記被洗浄物に付着した汚れを除去するベルト状被洗浄物の洗浄装置に於いて、
上記洗浄ノズルNZは、上記ベルト状被洗浄物B1〜B5に接近して対設する先端側が開口するフード状のヘッドカバー2内に囲繞されて配置される複数個からなり、それら洗浄ノズルNZの吐出口が上記ベルト状被洗浄物B1〜B5の載置面に直交する軸線方向、並びに該軸線に対し上記載置面に向けて放射方向に45度から−45度の範囲内に設定されていることを特徴とするベルト状被洗浄物の洗浄装置。
【請求項2】
上記ヘッドカバー2は、上記開口部4の端縁に沿って上記ベルト状被洗浄物B1〜B5に向く複数の小径エアー噴出口が連設されると共に、上記ヘッドカバー2の後端側にはエアー排気口6が設けられて成り、
上記複数のエアー噴出口から噴出されるエアーにより形成されるエアーカーテンによって上記開口部4が密閉され、上記ベルト状被洗浄物B1〜B5から除去された汚れ並びに上記ベルト状被洗浄物B1〜B5に吹き付けた洗浄媒体が外部へ漏洩するのを防止するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のベルト状被洗浄物の洗浄装置。
【請求項3】
ヘッドカバー2後端側のエアー排気口6の近傍にはエアーベンチュリー8が設けられると共に、エアー排気口6の後端は洗浄後の洗浄媒体を外部に排出する排出トヨに連通して成り、
上記エアーベンチュリー8の入口側には、後端側の排出口に向けて圧縮エアーを噴き出すエアー吐出口が設けられ、上記エアー吐出口から噴き出される圧縮エアーにより形成される上記エアーベンチュリー8の負圧作用によって吸引された洗浄後の洗浄媒体を上記排出トヨに導くようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のベルト状被洗浄物の洗浄装置。
【請求項4】
ワイヤーフォーミング工程Aにおいて、布製のベルト状被洗浄物B1,B2の洗浄を行う洗浄装置CR1〜CR4は、上記洗浄ノズルNZ1,NZ2が吐出口から吐出する洗浄媒体が60〜150barの高圧で連続吐出される複数個から構成されており、上記ベルト状被洗浄物B1,B2からヘッドカバー20内に跳ね返った洗浄媒体を上記排出トヨ22に導くように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のベルト状被洗浄物の洗浄装置。
【請求項5】
プレス工程Bにおいて、毛布製のベルト状被洗浄物B3,B4の洗浄を行う洗浄装置CR5は、上記洗浄ノズルNZ3が吐出口から吐出する洗浄媒体が15〜60barの中圧で連続吐出される複数個から構成されており、
毛布製のベルト状被洗浄物B3,B4からヘッドカバー20内に跳ね返った洗浄媒体を上記排出トヨ22に導くように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のベルト状被洗浄物の洗浄装置。
【請求項6】
ドライヤー工程Cにおいて、カンバス生地製のベルト状被洗浄物B5の洗浄を行う洗浄装置第二カンバスクリーナCR6bは、上記洗浄ノズルNZが、吐出口から吐出する洗浄媒体が80〜350barの超高圧で連続吐出される複数個からなる洗浄ノズルNZ6aと、間欠的に吐出する複数個からなる間欠洗浄ノズルNZ6bから構成されており、カンバス生地製のベルト状被洗浄物B5からヘッドカバー20内に跳ね返った洗浄媒体を上記排出トヨ26に導くように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のベルト状被洗浄物の洗浄装置。
【請求項7】
複数のロールR1〜R8にループ状に巻き付けられて連続走行するベルト状被洗浄物B1〜B5に対し洗浄ノズルNZから洗浄媒体を噴射させて上記被洗浄物B1〜B5に付着した汚れを除去するベルト状被洗浄物の洗浄方法に於いて、
上記ベルト状被洗浄物B1〜B5に接近して対設する先端側が開口するフード状のヘッドカバー2内に囲繞された複数の上記洗浄ノズルNZの各吐出口が、上記ベルト状被洗浄物B1〜B5の載置面に直交する軸線方向、並びに該軸線に対し放射方向に45度から−45度の範囲内に設定されると共に、上記ヘッドカバー2は開口部4の端縁に沿って上記ベルト状被洗浄物に向く複数の小径エアー噴出口が連設されて成り、
上記複数の洗浄ノズルNZの各吐出口から噴出される洗浄媒体によって上記ベルト状被洗浄物B1〜B5から除去されて上記ヘッドカバー2内に収容された汚れ並びに噴射された上記洗浄媒体は、上記エアー噴出口から噴出されるエアーにより形成されるエアーカーテンによって上記開口部4とベルト状被洗浄物B1〜B5の隙間が密閉されると共に、上記ヘッドカバー2後端側のエアー排気口に装備されたエアーベンチュリー8の吸引作用で上記エアー排気口を通して排出トヨに排出されることを特徴とするベルト状被洗浄物の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−165968(P2009−165968A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7310(P2008−7310)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(508016424)株式会社KGKエンジニアリング (1)
【出願人】(508015690)プロジェット株式会社 (1)
【Fターム(参考)】