説明

ペット同伴可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置

【課題】ペットを同伴してペット同伴可能な施設にナビゲーション装置により案内を行う時、その施設に於いてペット同伴可能出入口やエレベータが限られている時に、ペット同伴可能出入口や同伴可能エレベータに近い駐車場の駐車場所に案内することができる「ペット同伴可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置」を提供する、
【解決手段】ペット同伴可能施設を検索するペット同伴可能施設検索部を備え、前記ペット同伴可能施設を検索した時、ペット同伴可能出入口、またはペット同伴可能エレベータを検索し、前記ペット同伴可能施設内ペット同伴可能出入口、またはペット同伴可能エレベータに近い駐車場の駐車場所を検索する。特に駐車場が屋上のときはペット同伴可能エレベータに近い駐車場所を検索する。その後携帯型ナビゲーション装置の時には、ペット同伴可能施設の案内を行うこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット同伴で入ることができる例えば大型のショッピングセンター等において、ペット同伴者には限られている出入口にできる限り近い駐車場を利用できるようにしたペット同伴可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の商店においては、多くの場合ペットを店内に連れて入ることは、特に食品類を取り扱う店に於いて衛生面等から制限されている。また、一般の商店においても、ペットの抜け毛等で皮膚のアレルギー症状を起こす人や、呼吸器に障害を起こす人もいるほか、突然に暴れ出して人に危害を加える場合もあるため、犬等のペットは店外に繋いでおくようにしている店も多い。
【0003】
一方、近年は道路が整備され、自家用車が普及し、郊外型大型商店が発達しており、大型のスーパーマーケットや大型電気器具店、大型の日曜大工や園芸店が集まり、更に各種の専門店や飲食店が集合した店舗集合型ショッピングセンター(以下「ショッピングセンター」という)が多くなっている。
【0004】
このようなショッピングセンターに於いては、ペット同伴者に対して、ショッピングセンター内に存在する多数の店の特性により、例えば飲食店街のようにペット同伴を禁止する店のほか、ペットショップを初め、特に保健所等から入店を禁止されていない店であってペットと共に買い物をすることを望む客層をターゲットとする店も存在し、ショッピングセンター内での店の配置を工夫することにより、ペット同伴者もできる限り楽しめるショッピングセンターになるように努力している所も多い。
【0005】
このようなショッピングセンター内に於いて、多くの場合ペット同伴でエスカレータに乗ることは禁止されており、また、エレベータにおいても、少なくとも他人のペットに近付くことは好まない人が多いことを考慮し、多数存在するエレベータの中で、特定のエレベータのみ「ペット同伴可」のマークを付して、ペット同伴の人は例えば抱きかかえる、かごに入れる、または特定のケージに入れて持ち運ぶ、或いは特定のペット用カートに乗せる等によってそのエレベータに乗ることができる規則を定めて、一般の人がそのエレベータを使用する時にはペットも乗ることを覚悟して乗ることができるようにしていることが多い。
【0006】
このように、ペット同伴で入ることができる店を集中させ、ペット同伴で乗ることができるエレベータを配置し、前記のようなペット同伴可能な店を容易に利用することができる場所に配置している。そのため、多数存在するショッピングセンターの出入口の中で、前記のようにペット同伴で利用可能な店や施設を集めている区域に出入りが容易な出入口を特定して、ペット同伴可の出入口に指定していることが多い。前記のような多数の商店等が入っているショッピングセンターでは、郊外に建設されることが多いため、ほとんどの人は自家用車で来ることに対応するため、多数の駐車場を用意しておく必要がある。そのために例えば図6に示すように、特に同図(a)に示すような1階のショッピングセンター周辺には、広範囲の駐車場を配置し、更には同図に於いて(e)に示すように屋上にも駐車場を配置することが多い。
【0007】
したがって、例えば現在自宅にいて、これからそのショッピングセンターに、ナビゲーション装置で案内されながら行きたいと思う時、現在地を自宅にし、目的地をそのショッピングセンターとすると、従来のナビゲーション装置では多くの場合、目的地の施設の中心となる出入口近傍を目的地に設定し、案内を行うこととなる。
【0008】
そのため、前記のようにペットを同伴してそのショッピングセンターに行こうとする人も、同様にそのショッピングセンターの中央の出入口に近い場所に案内され、その近辺で現在あいている駐車場所を探し、駐車させる。その後、ペットを同伴してそのショッピングセンターに入ろうとする時、ペット同伴可能な出入口はそのショッピングセンターの裏側に存在することがあり、そこまでペットを連れて歩かなければならなくなる。
【0009】
図6には前記図5(a)の施設配置の拡大図を示し、前記のようなナビゲーション装置の案内によって中央出入口に比較的近いC413に駐車した時、ショッピングセンターの施設案内の表示等を見て、ペット同伴可能な出入口はショッピングセンターの中央出入口の反対側にあることを知ることにより、図示するようにペットと共にショッピングセンター外周をほぼ半周歩かなければならなくなる。
【0010】
なお、ペット同伴で利用可能な施設を検索して案内を行うようにした技術は特許文献1に開示されている。また、広い駐車場内で所望の駐車場所を案内可能とした技術は特許文献2に開示されている。また、ショッピングセンター等の駐車場で、所望の店にできる限り近い駐車場を案内することができるようにした技術は特許文献3に開示されている。また、車内に設けたマイクによりペットの鳴き声が抽出された場合はペット用の施設を検索するようにした技術は特許文献4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2011−158385号公報
【特許文献2】特開2009−063504号公報
【特許文献3】特開2009−186205号公報
【特許文献4】特開2010−176423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記特許文献1に開示されているように、ペット同伴可能施設として前記のような大型施設としてのショッピングセンターを目的地として選択し、ナビゲーション装置により案内を行うと、ショッピングセンターの中央出入口を最終目的地として案内を行うため、ペット同伴出入口とは遠い場所に駐車してしまい、その後ペットを連れて遠くまで歩かなければならなくなる。
【0013】
前記のような問題は、例えば屋上駐車場においても同様であり、例えば図6に示すように、このショッピングセンターの屋上では、中央エレベータのほか北口エレベータと南口エレベータが屋上まで通じており、その内中央エレベータと北口エレベータは1階から全てペット同伴不可であり、南口エレベータのうちの一つのみがペット同伴可能エレベータである時、もしもこの施設内の屋上駐車場の空き駐車場案内が存在する時には、このショッピングセンターの中央出入口に存在する中央エレベータを中心に案内を行うため、例えばこのときD505番が空いていると、図示するようにそこの案内を行うことになる。そのごきペット同伴者は、ペット同伴可能エレベータのある南口エレベータに案内されることになり、図示するように屋上駐車場を長距離ペットと共に歩くことになり、ペット同伴者に対してより便利な駐車場案内を行うことが求められている。
【0014】
したがって本発明は、ペットを同伴してペット同伴可の施設にナビゲーション装置により案内を行う時、その施設に於いてペット同伴出入口が限られている時、またペット同伴可能エレベータが限られている時に、それらのペット同伴で出入りが可能な出入口に近い駐車場を案内することができるペット同伴可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るペット同伴可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置は、前記課題を解決するため、ペット同伴可能施設を検索するペット同伴可能施設検索部と、前記ペット同伴可能施設を検索した時、ペット同伴可能出入口を検索する、ペット同伴可能施設内ペット同伴可能出入口検索部と、前記ペット同伴可能施設内ペット同伴可能出入口に近い駐車場の駐車場所を検索する、ペット同伴可能出入口近接駐車場所検索部とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る他のペット同伴者可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置は、ペット同伴可能施設を検索するペット同伴可能施設検索部と、前記ペット同伴可能施設を検索した時、ペット同伴可能エレベータを検索する、ペット同伴可能施設内ペット同伴可能エレベータ検索部と、前記ペット同伴可能施設内ペット同伴可能エレベータに近い駐車場の駐車場所を検索する、ペット同伴可能エレベータ近接駐車場所検索部とを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る他のペット同伴者可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置は、前記ペット同伴可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置に於いて、屋上駐車場に駐車する時、前記ペット同伴可能施設内ペット同伴可能エレベータ検索部で検索を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る他のペット同伴者可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置は、前記ペット同伴可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置に於いて、前記ペット同伴可能施設内で、ペット同伴可能場所を案内する、ペット同伴可能施設内ペット同伴移動案内部を備えてことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上記のように構成したので、ペットを同伴してペット同伴可の施設にナビゲーション装置により案内を行う時、その施設に於いてペット同伴出入口が限られている時、またペット同伴可能エレベータが限られている時に、それらのペット同伴で出入りが可能な出入口に近い駐車場を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例の機能ブロック図である。
【図2】同実施例の作動フロー図である
【図3】同実施例の案内図例である。
【図4】同実施例の他の案内図である。
【図5】同実施例の他の案内図である。
【図6】本発明に於ける平面案内図の例である。
【図7】従来例を示す図である。
【図8】他の従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0021】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は本発明におけるペット同伴可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置の実施例の機能ブロック図であり、本発明を各種の態様で実施することができるようにした機能ブロック図を示している。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0022】
図1に示すナビゲーション装置の機能ブロック図においては、従来から用いられている各種機能部を備えており、システム制御部10では、CPU、ソフトウェアを記録しているROM、CPUの処理に必要なRAM等を備えており、ROMに記録したソフトウェアにより各機能部がそれぞれ関連して所定の作動を行うようにしている。
【0023】
図示のナビゲーション装置においては、このシステム制御部10に対して車両位置検出部13を接続し、GPS受信器11の位置データを入力すると共に、更に必要に応じて車速センサや角度センサによる走行距離・方位検出部12からの車両の移動データを入力することによって、車両の現在位置を正確に検出している。
【0024】
駐車場情報入力部14では、例えばこのナビゲーション装置に接続した携帯電話等により、インターネット網に接続し、大型ショッピングセンターで駐車場の空き情報を逐次提供している時にはその情報を取り込み、或いは、同様の各種駐車場案内を取り込む。それにより、後述するような特定のショッピングセンター等の施設において、ペット同伴可能の出入口に近い駐車場の検索等の各種処理を行うことを可能とする。
【0025】
また、データ入出力部19においては、DVD−ROM、或いはハードディスク、メモリカード等の地図・情報データ記録媒体18から必要な地図データ、施設データ等を取り込んでいる。特に本発明においては、この施設データにペット同伴可能施設、更にはその施設でのペット同伴可の出入口、更にはペット同伴可能エレベータの位置等の情報も記録している。
【0026】
更にそのデータ記録媒体がハードディスクのように容易にデータの書き込みができるような場合には、逐次インターネット情報等の外部から取り込んだ情報により、ペット同伴可能施設の追加、ペット同伴可能出入口や入店可能施設の変更や追加等最新の情報として蓄積することもできる。
【0027】
画像出力部21ではモニタ20に各種の画像を出力するものであり、現在位地を中心とした地図、後述する誘導経路案内部から出力される交差点拡大図等を表示する。また、駐車場案内時には現在地点から適切な空き駐車場に案内する画像表示も行う。音声出力部23では後述する誘導経路案内部から出力する交差点の右左折案内等の音声案内をスピーカ22から出力すると共に、必要に応じて更に種々の警報等の音声出力も行う。
【0028】
図1に示す例においては、特に本発明における主要な機能であるナビゲーション機能部31について、その中でも特にペット同伴可能施設に於ける駐車場の中でペット同伴可能な出入口、及びペット同伴で使用可能エレベータの利用を容易にするための駐車場所の案内を行うための各種機能部を備えたナビゲーション機能部31の例を示している。
【0029】
図1に示すナビゲーション機能部31にはペット同伴可能施設検索部32を備え、前記のように既に提案されているような、ペット同伴で入ることができる施設について、地図・情報データ記録媒体8に記録されているデータを利用して、利用者の指示により、ペット同伴可能な施設の検索を行う。
【0030】
ここで利用者の指示によりペット同伴可能施設の検索を行った時、そこで得られたデータの表示の中で、利用者が適切として選択した施設については、誘導経路設定部36に出力して、目的地設定部37における目的地に設定可能とする。
【0031】
ペット同伴可能施設内ペット同伴可能出入口検索部33では、前記のようにしてペット同伴可能施設検索部32で検索した施設について、地図・情報データ記録媒体18に記録しているそのペット同伴可能施設についての駐車場のデータを取り込み、ペット同伴可能施設を目的地に設定した時、自動的に或いは利用者の指示により、その施設についてペット同伴で利用可能な出入口の検索を行う。
【0032】
即ち、ペット同伴可能施設においては、多くの場合多数存在する出入口の中で特定の出入口のみをペット同伴可能出入口とし、それ以外の出入口には例えば、「ペット同伴の方は南口からお入りください」のように、ペット同伴可能な出入口の案内を行い、それ以外の出入口からの出入りは禁止している場合が多い。そのため、本発明のナビゲーション装置においては、そのようなペット同伴可能の出入口を予め検索し、利用者に提示可能としている。特に図1に示す例では、その検索結果を後述するような駐車場内駐車場所検索部42のペット同伴可能出入口近接駐車場所検索部43で利用可能としている。
【0033】
ペット同伴可能施設内ペット同伴可能エレベータ検索部34においては、前記のようにペット同伴可能施設に於いても、ペット同伴可能の出入口が限られているのと同様に、ペット同伴で利用可能なエレベータについても、ペット同伴可能な出入口に近い一群のエレベータの中で、特定のエレベータについてのみ「ペット同伴可能エレベータ」に予め指定され、その旨の表示がなされている。したがって本発明においては、ペット同伴可能施設を目的地に設定した時、自動的に或いは利用者の指示により、その施設についてペット同伴で利用可能なエレベータの検索を行う。その検索結果は利用者に表示可能とすると共に、後述する駐車場内駐車場所検索部42のペット同伴可能エレベータ近接駐車場所検索部44で利用可能としている。
【0034】
ペット同伴可能施設内ペット同伴禁止場所検出部35においては、地図・情報データ記録媒体18に記録されているデータにより、そのペット同伴可能施設について、ペット同伴で入ることができない施設内の店舗、通路部分等の場所を検出する。その検出結果は、後述するペット同伴可能施設内案内部45のペット同伴可能施設内ペット同伴移動案内部46において利用可能とする。
【0035】
誘導経路設定部36においては、従来のナビゲーション装置と同様に誘導経路を設定するものであり、目的地設定部37では従来から提案されている各種の手法により目的地を設定するものであって、本発明においては、前記のようにペット同伴可能施設検索部32で検索した施設を目的地に設定することができる。
【0036】
また、目的地駐車場所設定部38では、後述する駐車場内駐車場所検索部42の中の、ペット同伴可能出入口近接駐車場所検索部43でペット同伴可能出入口に近接している駐車場所を検索した時、特にそのペット同伴可能施設について、中央出入口を目的地施設の案内場所とすることなく、ペット同伴可能出入口に、できる限り近い駐車場所を目的地駐車場所設定部38で目的地に設定を行う。
【0037】
その際には目的地施設に近付いた時、或いは目的地駐車場に入った時、その施設のインターネット情報に含まれる駐車場空き情報を駐車場情報入力部14で取り込み、或いは駐車場内で受信可能な駐車場空き情報を駐車場情報入力部で取り込んで、ペット同伴可能出入口等にできる限り近い駐車場所を最終的な目的地に設定する。
【0038】
同様に、後述する駐車場内駐車場所検索部42のペット同伴可能エレベータ近接駐車場所検索部44でペット同伴可能エレベータを検索した時に於いても、その情報を目的地駐車場所設定部38で最終的な駐車場に設定し、前記と同様に目的地の施設に近接した時、或いは目的地施設の駐車場内に入った時に、最終目的地をその施設の中央出入口ではなく、ペット同伴可能エレベータに近接している駐車場所を検索する。
【0039】
現在地取込部39では、前記車両位置検出部13で検出した車両の現在位置を取り込む。誘導経路演算部40においては、目的地設定部37で前記のようにして設定した目的地施設、或いは目的地施設の駐車場内の駐車場所と、現在地取込部39で取り込んだ現在地のデータにより、現在地から目的地施設、或いは目的地施設駐車場内の駐車場所までの誘導経路を演算する。
【0040】
前記のようにして得られた誘導経路は、誘導経路記憶部41に記憶し、以降は誘導経路案内部47で従来と同様に、画像及び音声によって案内を行う。ここに記憶している誘導経路記憶部のデータは、前記ペット同伴可能施設内ペット同伴禁止場所検出部35で検出したデータにより、後述するペット同伴可能施設内案内部45の案内データとしても用いることができる。
【0041】
駐車場内駐車場所検索部42では、ペット同伴可能施設において、特にペット同伴可能な出入口を地図・情報データ記録媒体18から検出し、そのペット同伴可能出入口に近い駐車場所を検索する。その際には、単にペット同伴可能駐車場に於けるペット同伴可能出入口を最終目的地に設定し、その出入口近くに到着した時に周辺を見渡して空いている駐車場所に駐車するほか、空き駐車場情報を取り込むことができる時には、その情報を利用して、その出入り口に近い駐車場所で、現在空いている駐車場所を案内することも可能となる。
【0042】
ペット同伴可能エレベータ近接駐車場検索部44においても、前記ペット同伴可能出入口近接駐車場所検索部43と同様に、ペット同伴可能なエレベータを地図・情報データ記録媒体18から検出し、そのペット同伴可能エレベータに近い駐車場所を検索する。その際には、ペット同伴可能施設の駐車場に於けるペット同伴可能エレベータが存在するペット同伴可能出入口を最終目的地に設定し、その出入口に近付いた時周囲の空き駐車場所に駐車するほか、空き駐車場情報を取り込むことができる時には、その情報を利用して、ペット同伴可能出入口に近い駐車場所で、現在空いている駐車場所を案内することも可能となる。
【0043】
これらの駐車場所のデータは誘導経路設定部36の目的地設定部37における目的地駐車場所設定部38のデータとして用いられる。したがってこの時の目的地設定部37では、最初に目的地施設としてペット同伴可能施設を目的地に設定した時には、目的地施設の中央出入口を目的地に設定するが、目的地施設に近付いた時は、特にペット同伴可能施設については、自動的に、或いは利用者の指示により、目的地をペット同伴可能出入口、或いはペット同伴可能エレベータが存在する出入口に変更する処理を行う。
【0044】
また、駐車場内駐車場所検索部42では、例えば利用者が特に指示しない時にはペット同伴可能出入口近接駐車場所検索部43が作動し、利用者が例えばペット同伴可能出入口が複数存在することがわかった時に、特に別の階に移動するためエレベータを使用する必要があるときに、ペット同伴可能エレベータ近接駐車場所検索部によって検索するようにしても良い。
【0045】
更に、駐車場所が屋上駐車場である場合、下の階に降りるエレベータが複数存在する場合には、特にペット同伴可能エレベータ近接駐車場所検索部44が自動的に作動させるように設定しておくこともできる。その時にはペット同伴可能出入口近接駐車場所検索部43は作動させる必要はなくなる。
【0046】
ペット同伴可能施設内案内部45では、特にこのナビゲーション装置が携帯型である時、予め地図・情報データ記録媒体18に記録されているその施設内のペット同伴で移動できる範囲を示す情報によって、現在ペットを同伴して施設内を移動している時に、移動可能な範囲を現在地と共にわかりやすく表示する。それにより携帯型ナビゲーション装置の特性を活かして、ペット同伴で館内を容易に移動し、各種施設を容易に利用することができる。この作動は図5に示している。
【0047】
誘導経路案内部47では従来のナビゲーション装置と同様に、前記のように誘導経路記憶部41に記憶されているデータに基づき、車両を目的施設に案内するほか、ペット同伴者のために、ペット同伴出入口に近い駐車場所に案内し、ペット同伴可能エレベータに案内を行う。なお、図示の例では、ペット同伴可能施設内の案内をペット同伴可能施設内案内部45によって別途の案内を行う例を示したが、この案内も誘導経路案内部47で行うようにすることもできる。
【0048】
前記のような機能ブロックから成るナビゲーション装置においては、図2に示すような作動フローにしたがって順に作動させることにより所望の機能を行うことができる。図2に示すペット同伴可能施設駐車場内駐車場所案内処理の例においては、最初に誘導経路の設定に際して、目的地をペット同伴可能施設を条件に設定したか否かを判別している。
【0049】
即ち、この作動は本発明において目的地を設定するに際して、条件を「ペット同伴可能施設」として設定し、その中から目的地を設定する時の例を示している。この作動は図1のペット同伴可能施設検索部32で検索をすることにより行っている。図2の例では目的地をペット同伴可能施設に設定しない時には、設定されるまで待機している。
【0050】
ステップS1に於いて目的地をペット同伴可能施設であることを条件に設定したと判別した時には、図2の例では目的地の施設に於けるペット同伴可能出入口、またはペット同伴可能エレベータを検索する(ステップS2)。この作動に際しては、少なくともペット同伴可能エレベータを探すことにより、ペット同伴可能出入口を探すことができるが、最初にペット同伴可能施設内ペット同伴可能出入口検索部33が検索を行い、複数見つかった時に、ぺット同伴可能施設内ペット同伴可能エレベータ検索部34によってペット同伴可能エレベータを探すようにしても良い。また、屋上駐車場に案内された時に、ペット同伴可能エレベータを別途の入力により探すように設定することもできる。
【0051】
続いて前記のように設定したペット同伴可能施設内に於けるペット同伴可能出入口、またはペット同伴可能エレベータに近い駐車場内駐車場所に案内を行う(ステップS3)。この作動は最初ペット同伴可能施設に案内を行った後に、ペット同伴可能施設内ペット同伴可能出入口やペット同伴可能エレベータに案内を行うようにすることができる。
【0052】
続いて誘導経路に沿って走行し(ステップS4)、その後図2の例では空き駐車場検索を行うか否かを判別する(ステップS5)。即ち大型施設では駐車場内の空き情報を流しているところがあるので、これを図1の駐車場情報入力部14で取り込むことができるか否かを判別する、
【0053】
空き駐車場検索を行う時には、予め設定されているペット同伴可能出入口、またはペット同伴可能エレベータに近い空き駐車場を優先して案内を行う(ステップS6)。また、このような空き駐車場案内のない施設や、案内を行う必要のない場合はそのままできる限りペット同伴可能出入口やペット同伴可能エレベータに近い出入口に案内されて、空いている駐車場所に駐車する。このような駐車がなされたと判別した時には(ステップS7)この一連の作動を終了し(ステップS8)、駐車していないと判別した時にはステップS4に戻って誘導経路に沿って車両を走行する。
【0054】
前記ステップS6で空き駐車場検索の結果ペット同伴可能出入口や、ペット同伴可能エレベータに近い駐車場所に駐車した後、また、空き駐車場検索を行わずにペット同伴可能出入口に近い空いている駐車場所に駐車した後はこの処理を終了する(ステップS8)。但し、図2には示していないが、続いて使用しているナビゲーション装置が携帯型ナビゲーション装置であるか否かを判別し、携帯型の時には施設内でペット同伴可能移動経路を案内するように設定することができる。この案内は図1のペット同伴可能施設内案内部45で行うことができる。
【0055】
このような処理を行う結果、図3に「a」と「b」で示すように、1階については、ペット同伴可能出入口に等距離圏としての目印線を示すように、A6及びB5の駐車スペースが近いことがわかる。このことはペット同伴可能出入口に近い駐車場所を自動的に探すことにより可能となる。また、図示する目印線は表示しなくても良く、またわかりやすくするために表示しても良い。このような図を見て、利用者はA513の駐車場所に駐車し、後は歩いてペット同伴可能出入口に行く例を示している。
【0056】
また、図4に示す例においては屋上駐車場を利用する例を示しており、ここでは特にペット同伴可能エレベータに近い駐車場所に駐車する例を示している。図4に「c」と「d」で示すように、等距離圏としての目印線で示すように、ペット同伴可能エレベータにできる限り近い空きスペースに駐車することになる。したがって、屋上駐車場にとめることになる時は、常にペット同伴可能エレベータに近い場所を探すように設定することが望ましい。同図に示す例においては、D603に駐車した例を示している。
【0057】
図5には2階の案内図の例を示しており、この2階には1階と同様にペット同伴可能場所が限られている。なお3階については図6に示すように、「ペット同伴はご遠慮ください」とされ、3階については利用できないことを示している。図5に示す例においては、同図(b)に携帯型ナビゲーションの例を示しており、同図のように通常時はナビゲーション装置として機能し、同図(c)のように○○ショッピングセンター内では、ペット同伴者への案内をすることができるようにした例を示している。
【0058】
なお、近年は常日頃利用している携帯型ナビゲーション装置をできる限り利用できるように、車両に搭載したモニタに、スマートフォン等の携帯型ナビゲーション装置を繋いで利用できるものも市販されており、このようなものも有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
10 システム制御部
11 GPS受信器
12 走行距離・方位検出部
13 車両位置検出部
14 駐車料情報入力部
15 リモコン
16 タッチパネル
17 指示信号入力部
18 地図・情報データ記録媒体
19 データ入出力部
20 モニタ
21 画像出力部
22 スピーカ
23 音声出力部
31 ナビゲーション機能部
32 ペット同伴可能施設検索部
33 ペット同伴可能施設内ペット同伴可能出入口検索部
34 ペット同伴可能施設内ペット同伴可能エレベータ検索部
35 ペット同伴可能施設内ペット同伴可能場所検出部
36 誘導経路設定部
37 目的地設定部
38 目的地駐車場所設定部
39 現在地取込部
40 誘導経路演算部
41 誘導経理記憶部
42 駐車場内駐車場所検索部
43 ペット同伴可能出入口近接駐車場所検索部
44 ペット同伴可能エレベータ近接駐車場所検索部
45 ペット同伴可能施設内案内部
46 ペット同伴可能施設内ペット同伴移動案内部
47 誘導経経路案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペット同伴可能施設を検索するペット同伴可能施設検索部と、
前記ペット同伴可能施設を検索した時、ペット同伴可能出入口を検索する、ペット同伴可能施設内ペット同伴可能出入口検索部と、
前記ペット同伴可能施設内ペット同伴可能出入口に近い駐車場の駐車場所を検索する、ペット同伴可能出入口近接駐車場所検索部とを備えたことを特徴とするペット同伴者可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置。
【請求項2】
ペット同伴可能施設を検索するペット同伴可能施設検索部と、
前記ペット同伴可能施設を検索した時、ペット同伴可能エレベータを検索する、ペット同伴可能施設内ペット同伴可能エレベータ検索部と、
前記ペット同伴可能施設内ペット同伴可能エレベータに近い駐車場の駐車場所を検索する、ペット同伴可能エレベータ近接駐車場所検索部とを備えたことを特徴とするペット同伴者可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置。
【請求項3】
屋上駐車場に駐車する時、前記ペット同伴可能施設内ペット同伴可能エレベータ検索部で検索を行うことを特徴とする請求項2記載のペット同伴可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ペット同伴可能施設内で、ペット同伴可能場所を案内する、ペット同伴可能施設内ペット同伴移動案内部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のペット同伴可能施設駐車場所案内ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−88407(P2013−88407A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232310(P2011−232310)
【出願日】平成23年10月22日(2011.10.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】