説明

ペトリ皿に材料を分注するための装置及び方法

本発明は、皿部(F)の上に配置されることのできるそれぞれが除去可能な蓋部(C)を含み、皿部(F)が蓋部(C)よりも広くないペトリ皿(P)の皿部内に所定の材料を分注するための装置に関し、前記ペトリ皿を材料分注ステーション(40)に動かすことを含む。本発明によれば、前記装置はピストン(32b)を含み、これは前記分注ステーションで皿部(F)を支持するためのトレイ(320b)を含み、及び前記トレイ(320b)を前記分注ヘッド(6)に相対して回転させるための手段を含み、前記皿部内に前記材料を分注するための位置で分注ヘッドに相対して前記底(F)を回転させ、前記材料吐出ノズルが前記材料を前記回転する皿部(F)内に分注させるためにトレイ(320b)に相対して設けられている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペトリ皿に所定の材料、特に寒天を分注するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペトリ皿とは、円形の周辺形状を有し、透明なプラスチック材料の小さな皿であり、これは寒天媒体などの栄養材料を含み、微生物を含む培養培地のための媒体として使用される。また、多くの分析実験質、特に医学研究や工業的研究において大量に使用されている。
【0003】
それぞれのペトリ皿は除去可能な蓋部を有し、前記蓋部よりもやや狭い皿部の上に置かれる。
【0004】
材料分注のために、機械的装置が前記皿を開けて前記開口された皿部を材料分注ステーションへ移動させるように設けられる。前記ステーションはノズルを含む分注ヘッドを有し、前記ノズルを通じて材料が前記皿部へ分注される。
【0005】
この分注ステーションにより起る1つの問題は分注される材料の非溶液性内容物に関するものである。
【0006】
しばしばかかる成分は粘性が高く、特にそれが寒天の場合にはそうである。
【0007】
前記材料のかかる粘性により、ペトリ皿の皿部内に前記材料が均一に分配されないということが起こりうる。
【0008】
この問題はさらに、材料の僅かな量がペトリ皿の皿部に分注される場合には顕著となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、ペトリ皿に分注される量にかかわらず、ペトリ皿の皿部から材料がこぼれることもなく、ペトリ皿の皿部内に材料を均一に分配するための分注装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的のために、本発明の第1の目的は所定の材料を少なくとも1つのペトリ皿に分注するための装置を提供することであり、それぞれのペトリ皿は除去可能な蓋部を有し、前記蓋部は、前記蓋部よりもやや小さい幅の皿部の上に設けられるように構成され、
前記装置が、前記ペトリ皿を分注ステーションへ移動させる手段を含み、
そこで前記ペトリ皿がその蓋部及び皿部の間に空間を持って維持され、前記材料の分注が、ノズルを含む材料分注ヘッドを介して分注され、前記ノズルは分注位置にある際に前記皿部へ材料を吐出し、
前記装置が、さらに、前記材料分注ステーションで前記皿部を支持するためのトレイを含むピストン及び前記トレイ自体を前記分注ヘッドに関して前記トレイ回りに回転させる手段を含み、
前記皿部へ材料を分注するための前記位置に配置される前記分注ヘッドに関して前記皿部を回転させるように設けられ、そこで前記材料吐出ノズルが前記トレイに関して材料を回転状態にある前記皿部へ分注するように構成されている、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の実施態様によれば:
−前記トレイはその回りに回転する速度は、10及び100回転/分の間である。

−前記回転駆動手段は、前記トレイがほぼ幾何学的回転軸につき自らの回りに回転させるように設計され、前記ノズルは分注位置にある際に、前記回転するトレイの前記幾何学的回転軸から離れて位置される材料吐出端部を含む。
−回転駆動手段は、前記トレイがほぼ幾何学的回転軸につき自の回りに回転させるように設計され、前記吐出ノズルが、材料を前記皿部の領域へ分注するように構成され、前記領域は分注位置にある際に、前記回転するトレイの幾何学的回転軸から離れて位置される。
−前記トレイは前記ペトリ皿の皿部を受けるように、中心から周辺に向かってくぼんでいる上部方面を有する。
−前記トレイの上部表面は前記ペトリ皿の皿部と接触するための周辺接触部を含む。
−前記トレイはその上部表面上の中心に凹部を含む。
−前記トレイの上部表面は前記ペトリ皿の皿部と接触するための第1の周辺接触部を含み、この第1の接触部は、前記第1の周辺接触部を囲む前記トレイの上部表面の第2の部分の材料よりもより大きい接着性を有する材料である。
−前記第1の接触部はゴム材料であり、一方前記第1の周辺接触部を囲む前記第2の部分が金属である。
【0012】
前記移動手段は、前記皿部を前記分注ステーションでの停止位置まで移動させる移動部材を含み、前記移動部材は前記ペトリ皿の皿部を支持するための第2の下部開口部の上に、前記ペトリ皿の蓋部を支持するための上部開口部を含み、前記トレイが前記の開口部を通って前記ペトリ皿の皿部を前記蓋部の方向へ持ち上げ、前記移動部材が前記分注ステーションの停止位置にある際にそれらのそれぞれの支持開口部を通過することができる。
−ペトリ皿の垂直ガイドのためのカラムが前記ピストンの上に設けられ、その皿部が前記ピストンを介してその蓋部の方向へ前記充填ステーションまで持ち上げられているペトリ皿を受け取るように構成され、前記ピストンは、前記ペトリ皿の垂直ガイドのための前記カラムの方向へ前記移動部材からその蓋部へ持ち上げられる皿部と共に前記ペトリ皿を移動させるように構成され、前記ペトリ皿の垂直ガイドのための前記カラムが、その皿部がその蓋部の方へ持ちあげられ、かつ前記ピストンにより移動されたペトリ皿を保持する。
【0013】
本発明のさらなる目的は、前記の分注装置の手段による、より小さい幅の皿部の上に設けられ得る除去可能な蓋部を含む少なくとも1つのペトリ皿へ所定の材料を分注するための方法であり、前記ペトリ皿が開かれてその蓋部をその皿部から離れて保持し、
前記皿部が分注ステーションへ移動され、前記分注ヘッドが分注位置へ配置されて材料を前記分注ステーションに位置される前記皿部へ分注し、前記ペトリ皿の皿部が、自らの回りに回転するトレイを含むピストンの上に配置され、前記材料が前記ステーションでの分注位置の前記分注ヘッドからの前記皿部へ分注される間の全時間を通じて、前記皿部を自らの回りに回転させることを特徴とする。
【0014】
本発明は、以下の記載に基づきさらに理解が深まるであろう。しかし、以下の図面を参照して説明される以下の記載は、本発明をなんら制限するものではない例示的なものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明による材料充填ステーションに設けられる分注装置を模式的に示す。
【図2A】図2Aは、図1の装置で使用されるピストントレイの斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aのトレイの模式的断面図である。
【図3】図3は、本発明の1つの実施態様における、ペトリ皿の皿部のさらに下に位置するピストンの模式的側面図である。
【図4】図4は、本発明の1つの実施態様における、材料の分注のためのペトリ皿の皿部の上方に位置するピストンの模式的側面図である。
【図5】図5は、本発明による装置の1つの実施態様による、図9Bに対応する引き込み位置での分注ステーションの模式的部分的斜視図である。
【図6A】図6Aは、本発明による装置の1つの実施態様において、図1、4及び9Cに対応する、分注位置での分注装置の模式的部分的斜視図である。
【図6B】図6Bは、本発明による装置の1つの実施態様において、図6Aでの分注装置の模式的部分的上面図である。
【図7】図7は、本発明による分注装置を用いる機器の1つの実施態様の模式的部分的斜視図である。
【図8】図8は、図7の装置の模式的部分的斜視図である。
【図9A】図9Aは、ペトリ皿の充填のための操作の異なる一連の位置における、図7の装置の部分的拡大図である。
【図9B】図9Bは、ペトリ皿の充填のための操作の異なる一連の位置における、図7の装置の部分的拡大図である。
【図9C】図9Cは、ペトリ皿の充填のための操作の異なる一連の位置における、図7の装置の部分的拡大図である。
【図9D】図9Dは、ペトリ皿の充填のための操作の異なる一連の位置における、図7の装置の部分的拡大図である。
【図9E】図9Eは、ペトリ皿の充填のための操作の異なる一連の位置における、図7の装置の部分的拡大図である。
【図9F】図9Fは、ペトリ皿の充填のための操作の異なる一連の位置における、図7の装置の部分的拡大図である。
【図9G】図9Gは、ペトリ皿の充填のための操作の異なる一連の位置における、図7の装置の部分的拡大図である。
【図10A】図10Aは、前述の図の装置の異なる位置での模式的構造図である。
【図10B】図10Bは、前述の図の装置の異なる位置での模式的構造図である。
【図10C】図10Cは、前述の図の装置の異なる位置での模式的構造図である。
【図10D】図10Dは、前述の図の装置の異なる位置での模式的構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1では、ペトリ皿Pの皿部Fに材料を分注するための材料分注ステーション40が示される。この材料は例えば寒天である。他の図に示されるように、それぞれのペトリ皿Pは皿部F及び蓋部Cを含む。前記ステーション40は、前記皿部Fへ材料を吐出するための吐出ノズル61を持つ材料分注ヘッド6を含む。
【0017】
分注ステーション40はまた、ペトリ皿の皿部Fを受けるための上部トレイ320bを含むピストン32bを含む。前記ペトリ皿の皿部は、適切な手段で前記トレイ320b上にもたらされ、材料が前記ヘッド6を介してそこへ分注される。前記分注ステーション40までペトリ皿の皿部Fを移動するこれらの手段には、例えば図5などを参照して記載された実施態様における手段などが含まれる。これらの手段はその皿部Fと蓋部Cとの間に空間を残すようにペトリ皿を開けることを可能とする。従って、分注ステーション40では、前記ヘッド6は材料分注位置に配置され、そこで前記吐出ノズル61が、前記トレイ320b上に位置される前記開けられたペトリ皿の皿部Fの上に位置する吐出チップ610を有する。
【0018】
トレイ320bはその回りに回転する前記トレイ320bを駆動するための手段と接続される。例えば、前記トレイ320bはその下側部41で前記トレイ320bを確保するための中心ピン321bに接続される。前記中心ピン321bをその回りに回転させることで、前記トレイ320bはその回りを回転させられる。ベルト及びギアを介した電気モータが前記中心ピン321bを駆動し、それにより前記トレイ320bをその回りに回転させるために使用される。
【0019】
前記ヘッド6の制御のための手段が、前記トレイ320bが回転する際に材料を前記材料分注位置での前記ノズルに供給するために設けられる。前記トレイのその周りの回転は、前記ノズル61により分注される材料がペトリ皿の皿部Fの全表面に分配されることを可能とし、一方前記材料が前記皿部Fからこぼれることを防止する。
【0020】
従って、前記皿部Fは、前記ノズル61から材料を分注する全期間その回りに回転するように維持される。
【0021】
ペトリ皿の皿部Fでの材料の空間的分配は従って最小の空間要求で、より均一になされ、さらには前記皿部Fが攪拌されることなく、かつ前記ヘッド6から材料を同時に前記皿部Fへ分注することにより時間の節約も可能とする。従って前記分注工程は、前記ヘッドを介して材料を分注するステップの間に前記トレイを回転する320b中に設定することにより遅延することはない。
【0022】
例えば同期手段が、前記ヘッド6の前記分注位置への変更及び材料の前記ノズル61への供給とを前記トレイ320bの回転設定と同期させるために設けられる。前記トレイ320bは少なくとも、材料が分注位置での前記ヘッド6の前記ノズル61を介して分注される間の時間は回転するように設定される。前記ヘッド6は、図3で示される引き込み位置、即ち前記ノズルは前記皿部F及びトレイ320b上にはなく、前記材料は前記ヘッド6により分注されていない引き込み位置と、図1及び4で示される分注位置との間を、例えば他の垂直軸AX2の回りに回転することにより可動である。
【0023】
分注位置で、ノズル61の端部610は例えば、前記トレイ320bの上に位置し、これは前記トレイ320bが回転する幾何学的回転軸AXからずっと離れており、従って回転の遠心力下で分注された材料は矢印PRODで示されるように前記回転軸上に位置する中心から離れるように移動することとなる。前記端部610から材料の水平方向への分注速度により、材料が皿部F上に落とされる領域は前記回転軸AX上に位置する前記中心から離れていてもよく、これは前記ヘッド6により分注される材料の放物線を示す矢印PRODにより示される。
【0024】
前記トレイの回転速度は例えば10及び100回転/分であり、特に50及び90回転/分である。1つの実施態様では前記トレイ320bの回転速度は、寒天から形成される材料の場合例えば75回転/分である。
【0025】
図2Aの及び2Bで示される実施態様では、前記皿部Fの下部を受けるために使用されるトレイ320bの上部表面は、例えばその周辺から中心へ向かってややへこんでいる。
【0026】
ペトリ皿の皿部Fは、全ての完全に平坦な表面上に置かれる必要があることから、その下部表面上に下向きの凸状中心ふくらみを持ち得る。この場合、前記中心ふくらみに加えて前記平坦表面上で前記皿部Fの唯一つの他の周辺点のみが置かれる。これらの平坦表面との皿部Fとの点接触は完全に平坦なトレイによる回転の駆動に対して有害となる。トレイ320bの上部表面42の凹形状は、前記皿部Fの中心の下向きふくらみ部分が前記トレイ320bの中心に収められ、皿部Fの表面と前記トレイ320bとの接触表面が、皿部Fの全下部周辺にわたり伸びることを確実にする。この目的で、トレイ320bの上部凹状表面42は例えば、凹部43を含み、これでペトリ皿の皿部Fの中心を受け取る。その回りに回転するトレイ320bの垂直回転軸AXはこの凹部43を実質的に通る。凹部43は例えば、トレイ320bの上部表面42から下部表面41へ伸び、従ってスルーホールを形成する。従って表面42は、トレイ320bの中心からその周辺44に向かって正傾斜を持つこととなる。
【0027】
トレイ320bは前記ピン321bに例えば前記穴43内に設けられるネジ47により確保される。前記穴43は前記穴43内に前記ネジ47を保持するために上から下向きに傾きを持つ平坦化コーン形状である。
【0028】
前記トレイ320bの上部周辺表面44は、例えばそれを囲む部分45とは別の材料であって、例えばペトリ皿の皿部Fとの接触において部分45よりもよりよい接着性を確保する材料である。部分44は例えばゴム材料であり、一方部分45は例えば金属性である。
【0029】
従って、一般に回転の駆動が改良するために、ペトリ皿の皿部Fはその大部分をトレイ320bの周辺表面を介して置かれる。
【0030】
トレイ320bはペトリ皿Pの皿部Fよりもやや狭い。
【0031】
図3及び4及び以下の図では、前記皿部Fを前記材料を分注ステーションへ移動する装置は、シャトル31を含み、これはペトリ皿Pの蓋部Cを支持するための上部板311と、同じペトリ皿Pの皿部Fを支持するための底板312を含む。上部板311は第2の開口部311bを含み、これは、ペトリ皿の皿部Fを通すため、及びペトリ皿の蓋部Cを保持するために使用される。第2の上部開口部311bは幅Lbを持ちこれはペトリ皿の皿部Fの幅よりは大きいが、その蓋部Cの幅よりは小さい。前記第2の下部開口部312bはペトリ皿の皿部Fの支持として作用し、この皿部Fからの幅よりも小さい幅を持つ。前記第2の開口部311b及び312bは従って、ペトリ皿Pのための支持開口部と呼ばれる。
【0032】
図1、3及び4には、前記シャトル31が前記皿部F及び蓋部Cを前記分注ステーション40まで移動させ、前記分注ステーション40での停止位置にあり、この位置を第2の停止位置とする。前記シャトル31が前記分注ステーション40でのこの第2の停止位置に到達すると、前記分注ヘッド6は最初図3に示される前記引き込み位置にあり、前記皿部Fは前記板312の前記第2の下部開口部312b上にあり、前記蓋部Cは前記第2の上部開口部311b上にあり、さらに前記ピストン32bは前記皿部Fより下の位置にあってそのトレイ320bが前記底板312の下にある。その後前記ピストン32bのトレイ320bが前記下部開口部312bを通って、図4に示される下部開口部312bの上のある距離での第1の高さ位置へ、前記皿部Fを持ち上げるための前記ピン312bを垂直に駆動する手段により持ち上げられる。前記ピストンがこの第1の高さ位置にくると、前記トレイ320bはそれ自体が前記のように回転状態に設定される。同時に又は前記ピストン32bが持ち上げられた後、前記ヘッド6が前記引き込み位置から図4で示される分注位置へ動き、その後材料を、前記回転しているトレイ320bにより回転設定される前記皿部F内へ分注する。その後、前記ヘッドからの材料の分注が停止された後、前記ヘッド6は前記分注位置から前記引き込み位置へ変更される。前記引き込み位置は前記皿部F及びトレイ320bの動く方向からずっと離れている。分注材料Pを含む皿部Fを支持するトレイ320bはその後、図4での高さ位置から上方へ動かされ、前記上部板311の上部開口部311bを通過し、前記皿部がそこで蓋部C内に上方向に挿入され、その結果蓋部Cが皿部Fを閉じることとなる。皿部Fを閉じた前記蓋部Cは再びトレイ320bにより以下説明するレシーバーカラムまで持ち上げられる。前記引き込み位置で、前記ノズル61とその吐出端部610は収集容器又は凹部48の上にあり、これは前記皿部Fへ分注した後に前記ノズルから落ちる可能性のある液滴を防止するために設けられており、それにより前記装置のその他の部分、特にシャトル31、ピストン及びヘッドなどを動かすために使用されるすべてのメカニズムが汚染されることを防止する。
【0033】
以下本発明の他の実施態様が記載される。ここで前記ピストンは前記第2のピストン、前記トレイは前記第2のトレイである。
【0034】
図5、6A、6B、7、8、9A、9B、9C、9D、9E、9F、9G、10A、10B、10C、10Dにおいて、分注装置1はケース形状の基部2を含む。基部2は、前側部を含みその上に装置の制御パネルが設けられる。例えば制御スクリーン4及び1以上の制御ボタン5又は他の全てのインタフェース5が設けられ、ユーザが装置1の自動機能を制御することを可能にする。基部2上には所定材料、例えば液体寒天又は寒天媒体である材料を分注するための手段6が設けられる。この分注手段6は、例えば前記基部2の上側21上の垂直軸の回りに回転するヘッド6の形である。前記ヘッドは前記ノズル又は材料吐出端部61を含む。この分注手段6に、前記手段6へ供給するための手段8に接続されるチューブ7を介して材料が供給される。この手段8は例えば基部2上、例えばその前側部22上に設けられるペリスタティックポンプ8からなり、前記チューブ7の他の端は前記材料の供給9に接続される。
【0035】
基部2は上部分23を含み、前記上部分23に隣接する前記上側表面21に比較して持ち上げられている。前記持ちあげられた部分23はペトリ皿保存のための回転ラック10を持つ。前記回転ラック10は基部2上にあり、基部2の部分23上に、中心垂直シャフト101に関して回転する。前記回転ラックは下部リング102を含み、これはペトリ皿を積み重ねて保存するための手段103を持つ。これらの手段103は複数の垂直カラム104をペトリ皿の積み重ねを収容しかつガイドするために境界を定め、このためのそれらはロッド103、又はいかなる他の手段であってペトリ皿を垂直にガイドする手段を含む。取り外し可能な上部リング107が手段103を閉じるために設けられる。それぞれのカラム104は、ペトリ皿を下部リング102へ開口部105を通って下方に導く。従ってこれらの開口部105はペトリ皿よりも広い直径を持つ。前記カラム104の開口部105は前記中心回転シャフト101から等間隔に分配され、前記下部リング102上で等角度で分布される。開口部105は例えば前記下部リング102の周辺にあり、前記リング102の切欠き形状である。前記ガイド手段103の高さは、それぞれのカラム104において、所定の数のいくつかのペトリ皿の積み重ねを前記リング107まで受け入れるように設計される。蓋部Cが皿部F上に置かれ取り外し可能に閉じられたた蓋部Cを持つそれぞれのペトリ皿Pはカラム104に挿入される。前記ペトリ皿Pは、図に示されるように皿部Fからよりも広い蓋部Cを持つことが知られている。ペトリ皿が閉じられると前記蓋部の周辺部が前記皿部の周辺部の外側にくる。
【0036】
前記回転ラックの下部リング102の下及び基部2の上に、水平ガイド板11があり、これはペトリ皿が前記回転ラックにある際にペトリ皿を水平にガイドするためである。回転ラックのシャフト101が基部2にある回転を駆動するための手段と接続されて回転ラックをこの垂直シャフト101の回りに水平に回転させる。水平ガイド板11は前記持ちあげられた部分23に確保され、前記上表面21の上でかつ回転ラック10のいくつかのカラム104の下に位置される部分116を含む。部分116で、前記水平ガイド板11は、第1の開口部又は通路115aを含み、これは前記回転ラック10の2つの下部開口部105と同じ空間分布を持ち、ペトリ皿がこれらの開口部105、115a、115bを通過することを可能とする。より好ましくコンパクトにするために、前記板105の前記第1の開口部115aと第2の開口部115bの間の距離は、前記回転ラック10の2つの第1及び第2のそれぞれの下部隣接開口部105a及び105bの間の距離に対応する。
【0037】
前記板11の第1及び第2の開口部115a及び115bはステーション20の上に位置されており、空のペトリ皿を取り出したり、開かせたり、皿部に材料を分注させたり、閉じたり及び充填状態に再び積み重ねることを可能とする。ステーション20は基部2の前記上側21上に位置される。
【0038】
ステーション20は、システム30を含み、これは前記カラム104bの下から空の状態のペトリ皿をひとつひとつ、開口部115aを通って開口部105bへ水平移動部材31及び前記第2及び第1のカラム104a、104bの下でそれぞれ垂直に動く2つの第1と第2のピストン32a、32bを介して動かす。それぞれのピストン32a、32bは、上部トレイ320a、320bを含み、これらは下部垂直ロッド321a、321bへ固定され、これらのロッドは基部2内で前記ピストン32a、32bを持ち上げ及び下げるための垂直駆動手段へ接続されている。
【0039】
移動部材31はシャトル31であり、長手水平方向Xに沿って往復運動を実行する。前記部材31の1つの実施態様は図8に示され以下詳細に説明される。この実施態様では、図9A、9B、9C、9D、9E、9F及び9Gに示されるように、前記ピストン32a及び32bは同時に垂直移動を行いそれらのトレイ320a及び320bがお互いに同じ高さにあることになる。この場合これにより、1つのモータで両方のピストン32a及び32bを垂直移動に駆動させることとなる。図示される実施態様で、前記第1及び第2のピストン32a及び32bは同じ同期された動きをし、共に同時に最上位置(図9A及び9G)、下部位置(図9B、9C、9D)に到達し、又は上昇位置(図9E、9F)に到達する。
【0040】
シャトル31は、お互いにスペーサー313で接続される上部板311と下部板312を持つ。明らかにシャトル31は1個として形成され得る。下部板312は表面21上で移動する際にシャトル31をガイドし、シャトル31をこの表面21上に安定化させるために使用される。シャトル31の移動の駆動のための手段60は基部2内の前記持ちあげられた部分23の下に配置される。
【0041】
図では、上部板311は第1の上部開口部311a及び第2の上部開口部311bを含み、これらはそれぞれ下部板312の第1の下部開口部312a及び第2の下部開口部312bの上にある。前記第1の下部及び上部開口部311a及び312aは前記第1のピストン32aの第1のトレイを通過させるために使用され、それらはより広い幅を持つ。
【0042】
加えて、上部板311は前記第1の上部開口部311a及び第2の開口部311bの間の接続通路311cを含み、これにより前記第1のピストン32aのロッド321aがこれら開口部311aと311bとの間を通過することを可能にする。通路311cは前記第1のピストン32aのロッド321aの幅よりも大きい横断水平幅を持つ。下部板312は、前記第1の下部開口部312a及び第2の開口部312bを接続する通路312cを含み、これにより前記第1のピストン32aのロッド321aのこれらの開口部311aと311bとの間を通過することを可能とする。通路312cは、前記第1のピストン32aのロッド321aの幅よりも大きい横断水平幅を持つ。
【0043】
図8で、シャトル31は長手水平方向Xに伸びている。この方向は前記板105の2つの開口部115a及び115bの間に伸びる水平方向である。横断水平方向Yは前記長手方向Xと直交する方向である。
【0044】
板11は前記第2の開口部115b上に積み重ねられたペトリ皿P、P’を保持しかつ通過させるための手段106を含む。これらの手段106は、図10A、10C及び10Dで示されるように前記カラム104b内で前記開口部115bの上の下部上で保持されるペトリ皿P’の積み重ねの第1の保持位置と、図10Bで示されるように前記開口部115bを通じてペトリ皿の放出通過のための第2の放出位置との間を、移動可能である。前記カラム104b内に既に位置されるこれらのペトリ皿P’は皿部F’の上に置かれる蓋部C’を持つ。例えば前記開口部115b回りのいくつかの点で、前記手段106は突出部114を含み、これは水平回転軸108により支持体109上にちょうつがいされて前記部分116へ開口部115bの近隣で確保される。例えば2つの直径方向に対抗する突出部114である。図9B、9C、9D及び10Aに示される保持位置では、前記突出部114は前記開口部115bの上に伸び、最も下部の皿部F’を支持するために、それらの間の幅をペトリ皿P’の皿部F’の幅よりも小さくするように定める。かかる幅は前記ピストン32bのトレイ320bが前記吐出部114の間を通過できるようにこのトレイ320bの幅よりも広い。
【0045】
皿部F上に置かれる蓋部Cを持つペトリ皿Pをその上に載せる前記トレイ320bが前記開口部115bを下から上に通って図10Bでのカラム104bへ通過する際に、トレイ320bにより持ち上げられたこのペトリ皿の蓋部Cは前記突出部114を持ち上げそれらを外側に回転させる。図10Bでトレイ320bが上昇する間に、トレイ320bは開口部115bに相当する高さになり、前記突出部114は前記軸108からそれらの遊離端部1140の距離を介してペトリ皿に対して側方に位置することとなる。前記突出部114が前記保持位置に適合されるような手段が設けられる。例えば重力や、前記突出部114のピン108の位置合わせにより、又はバネや他のポジティブリターン手段などが挙げられる。
【0046】
図10Cでは、トレイ320bが前記遊離端部1140を超えて第2の高さ位置へ変更され、前記端部1140は前記トレイにより保持されるペトリ皿P、P’に対して作用していない。この第2の高さ位置は図9E及び9Fに対応する。従って前記突出部の端部1140は開口部115bに向かって保持位置へ戻ることとなる。図10Cでの前記第2の高さ位置は図4で示される前記第1の高さ位置を超えるものである。
【0047】
図10Cから図10Dへ、ピストン32bが下げられると、トレイ320bは保持位置にある突出部114の間を通過して、開口部115bを通過し、これによりペトリ皿P、P’の積み重ねは前記突出部114の保持位置上に置かれることとなる。
【0048】
本装置の機能は以下の通りである。
【0049】
図9A、9B、9C、9D、9E、9F及び9Gは空のペトリ皿の軌跡を示す。即ち蓋部C及び皿部Fを含み、カラム104aの最も下にあるものである。
【0050】
図5、9A、9B、9F及び9Gでは、シャトル31が第1の停止位置にある。
【0051】
図6A、6B、9C、9D及び9Eではシャトル31が第2の停止位置にある。
【0052】
第1の停止位置P1で、シャトル31の支持開口部311b及び312bは第1の開口部115aの下にあり、第1に開口部自体は空の閉じたペトリ皿のカラムの開口部105aの下にある。第1の停止位置P1で、シャトル31は前記第2のピストン32bの他の側上に設けられ、前記板11の固体部分117は回転ラック10と前記シャトル31の前記第1の開口部311aとの間に位置する。
【0053】
第1の停止位置P2で、シャトル31の前記第1の開口部311a及び312aは前記第1の開口部115aの下にあり、前記第1のカラム104aの下にある。第2の停止位置で、シャトル31の前記第2の開口部311b及び312bは前記第2の開口部115b及び前記第2のカラム104bの下にある。
【0054】
図に示される実施態様では、シャトル31は、停止位置として、第1の停止位置P1及び第2の停止位置P2のみを含む。
【0055】
図9Aで、前記第1のピストン32aの第1のトレイ320aは、前記第2の開口部312b及び311bの上の前記第1のカラム104a内のペトリ皿の第1の積み重ねを支持し、ロッド321aはこれらの開口部312b及び311bを通過している。
【0056】
ピストン32aはその後、シャトル31の第2の開口部311b及び312bを通じて下げられ、カラム104aの下部でペトリ皿の蓋部Cを第2の上部開口部311b上に動かされ、ペトリ皿の皿部Fを第2の下部開口部312b上に動かされて、図9Bで示される位置へ到達させる。図9B、9C、9Dでは、シャトル31は例えば表面21内に設けられるハウジング内にある。
【0057】
図9A及び9Bには、材料分注手段6が引き込み位置にあり、そこでは前記ノズル61は、前記開口部312b上にも、ピストン32b上にもない。この引き込み位置では、ノズル61は、前記第2の下部開口部312b及び第2の開口部311bの間に自由な通路を与え、この場合には前記ピストン32bの移動方向の外側にある。
【0058】
シャトル31はその後、長手方向、方向Xに沿って水平に移動し図9Cで示される第2の停止位置へ到達する。分注手段6は、材料を分注するための分注位置が変更される。例えば前記分注ヘッド36を回転させてその分注ノズル61を、前記上部板311と下部板312の間で、前記第2の開口部312bの上に導き、それにより図9Cで示される位置にあるペトリ皿部Fの上に導かれる。
【0059】
前記第2の下部開口部312b上で/内で支持される皿部F、及び前記第2の上部開口部311b上で/内で保持される蓋部Cは、前記固定された板11の前記第2の開口部115bの下にあり、及び前記第2のカラム104bの下にある。基部2に設けられる自動化手段はその後、前記供給手段8を制御して材料が前記分注手段6に到達させ、その後この材料は、前記第2の上部開口部312bの上にある分注手段6によりそこにあるペトリ皿の皿部F内に分注される。
【0060】
その後図9Dに示されるような位置で、分注手段6はその位置を、前記第2の下部開口部312bから離れた位置、又は引き込み位置に戻される。
【0061】
図9Eでは、ピストン32aおよび32bは、前記シャトル31及び前記カラム104bの上の図10Cの上昇位置へ移動する。第2のピストン32bは従って、まず前記第2の下部開口部312bに位置する皿部Fを持ち上げ、その後前記皿部Fから、前記第2の上部開口部311bにある蓋部Cの中へ持ち上げ、前記蓋部Cは前記ペトリ皿を閉じる。このペトリ皿の皿部には前記手段6によりその中に分注された材料を含むものである。その後このようにして充填され閉じられたペトリ皿を、前記第2の開口部115b及び前記回転ラックの前記第2の開口部104bを介して前記第2のカラム104b内へ持ち上げる。従ってトレイ320bはこのようにして閉じられ充填されたペトリ皿Pと、前記カラム104b内に既にある他のペトリ皿P’をカラム104b内に保持する。
【0062】
次に図9Fで、シャトル31は図9Bに対応するその第1の停止位置に移動される。図9Fで、前記シャトル31の第2の開口部312b及び311bは前記第1の開口部115a及び104aの下にあり、一方前記第1の開口部311a及び312aは前記板11の固体部分117の下にある。この移動の際に、前記第1のピストン32aのロッド321aは従って、前記第2の開口部311b及び312bから前記第1の開口部311a及び312aへ通り、及び前記板311及び312に設けられる前記通路311c及び312cを通る。
【0063】
図9Gで、前記ピストンのトレイ320a及び320bはその後図9Fでの前記上昇位置よりも低い位置へ戻される。この位置は図9A及び10Dでの位置に対応する。図9A及び9Gでは、カラム104b内のペトリ皿は手段106で支持される。
【0064】
前記第2のカラム104b内のペトリ皿P、P’の垂直ガイドのための手段50は前記開口部115bの近隣の前記板11に確保されており、例えば垂直バー50を持ち、これによりペトリ皿P、P’を、図10Aから10Dに示されるように、前記第2のピストン32bの上昇下降の際に、真っ直ぐに積み重なるようにする。
【0065】
シャトル31による空間は、約隣接するペトリ皿2つ分であり、図9Cに示されるように2つの隣接するカラム104の下の位置に対応する。記載された実施態様でのシャトル31の移動距離は、隣接するペトリ皿の2つのカラム104a及び104bの間の距離に対応する。
【0066】
前記第1の上部開口部311aの幅はペトリ皿Pの皿部Fの幅よりも小さく、この第1の上部開口部311aが図9C及び9Dに示されるように下にある場合に、前記第1のカラム104aからのペトリ皿の積み重ねを保持する。
【0067】
シャトル31は図に示される形状以外のいかなる形状もとり得ることは明らかである。一方図では、シャトルは、前記第1の下部開口部312aから上部開口部311aへ伸びる第1の垂直通路314aを含み、前記第1のピストン32aの前記第1のトレイ320aの動きを可能とし、前記第2の下部開口部312bから上部開口部311bへの第2の垂直通路314bを含み、前記第1及び第2のピストン32a及び32bの前記第1及び第2のトレイ320a及び320bを通過させ、前記上部開口部311b及び311aの間の第3の上部通路311c、及び前記下部開口部312及び312bの間の第4の通路312cとを含み、これらの第3及び第4の通路311c及び311dは1つだけであってよいことは明らかである。
【0068】
シャトル31で占められる小さな容積により、多数のカラム104を持つ回転ラック10を含むことが可能となる。従って、同じ数のペトリ皿のためにより高さの低い回転ラック10が可能となる。というのはペトリ皿をより多い数のカラム104上に分配できるからである。係る装置の製造はまたより簡単にかつ安価なものとなる。
【0069】
前記装置の最適な使用には、ユーザは1つのカラムを除いて回転ラック10の全てのカラム104にカラのペトリ皿を詰める。回転ラック10のペトリ皿の積まれていないカラムを回転により図9Aの前記第2の開口位置115bの上及び前記第2のピストン32bの上に動かされる。カラム104aからのペトリ皿Pはその後続いて上で説明した方法で充填されていく。
【0070】
充填されたペトリ皿Pはその後、最初ペトリ皿のないカラム104b内に1つずつ移される。第1の開口部115aの上のカラム104aのペトリ皿Pが含まれなくなると、回転ラック10は図1に示される方向Sへ回転し、これによってこの新たな空のカラムが前記第2の開口部115bの上にくる。1つのカラムによる回転ラックの動きSの方向は、前記第1の停止位置P1から前記第2の停止位置P2への方向と同じように起こる。この場合、最初前記板11の固体部分112上に位置していた空のペトリ皿の新たなカラムが、前記第1の開口部115a上に動かされ、積み重ねが解かれることとなる。その後同様の工程がこのペトリ皿の積み重ねについて繰り返される。
【0071】
シャトル31はまた、ピストンロッド321bのための長手方向端部通路を含む。即ち図示される実施態様において、前記上部板311内に第1の上部長手方向端部通路311dを含み、この通路311dは第1に前記第2上部開口部311bへ及び第2に前記長手方向内の外側へ開いている。さらにシャトル31は前記下部板312内の下部長手方向通路312dを含み、これは前記第2の下部開口部312bが前記長手方向の外側と交信するように配置される。例えば図8では、前記第2の下部開口部312bと前記通路312dは前記タブ板312の切目の形状であり、これは前記下部長手方向端部へ開き、かつ1つの側部312eへ開いている。
【0072】
検出器が前記第2の下部開口部312bに皿部Fがあるかどうかを検出するために設けられ得る。この検出器は例えば基部2に固定され、前記第1の停止位置及び/又は前記第2の停止位置での前記第2の下部開口部312bに皿部Fが存在するかどうかを検出する。従って第1の検出器を前記第1のカラム104aの下に設けてもよく、また他の検出器を前記第2のカラム104bの下に設けてもよい。ペトリ皿の充填工程は、前記検出器が前記開口部312b内にペトリ皿の皿部Fの存在についての情報を与える限り実行される。検出器が前記312b内にペトリ皿の皿部Fの存在を知らせる情報を与えない場合には、前記工程は停止され、前記分注手段6への材料供給が停止される。
【0073】
前記回転ラック10、ピストン32a、32b、ヘッド6及びシャトル31を駆動するための異なる手段を制御しかつ指示することは前記制御インタフェース5により自動化され駆動される。例えばこれらは前記基部2内のマイクロプロセッサの形で設けられ得る。
【0074】
本発明の装置は、自動化ペトリ皿充填装置に組み込まれることが意図される。
【0075】
1つの実施態様によると、前記装置は:
ペトリ皿(P)の垂直ガイドのための少なくとも第1及び第2のカラムを含み、それぞれは前記ペトリ皿の皿部の上に置かれる蓋部を有するペトリ皿の第1及び第2の積み重ねを収容することができ、かつそれぞれがペトリ皿を通過させるための第1の下部通路(115a)の上及びペトリ皿を通過させるための第2の下部通路(115b)の上に配置され、前記第2及び第2の通路(115a、115b)が前記基部(2)に関して固定部分(3)上に設けられており、
前記第1のカラム(104a)から前記第2のカラム(104b)へ少なくとも1つのペトリ皿を動かすためのシステムを含み、前記システムが:
−ペトリ皿の皿部(F)を支持する第2の下部開口部(312b)の上に前記ペトリ皿の蓋部(C)を指示する上部開口部(311b)を有する移動部材(31)、
−前記下部開口部(312b)の上の前記材料を、前記上部開口部(311b)の下の前記ペトリ皿の皿部(F)内に分注するための分注手段(6)、
−前記移動手段(31)が、前記支持開口部(311b、312b)が前記第1の通路(115a)の下に位置される第1の停止位置と、前記支持開口部(311b、312b)が前記第2の通路(115b)の下にある第2の停止位置とを決めることができ、
−前記第1の通路(115a)の下に位置される第1のトレイ(320a)を含み、前記開口部(311b、312b)を通過して前記第1のカラム(104a)内の前記ペトリ皿の蓋部及び皿部を、前記移動部材(31)が関連付けられる第1の停止位置にくる場合にそれぞれの支持開口部(311b、312b)の上に下げ得る、第1のピストン、
−前記第2の下部通路(115b)の下に位置される第2のトレイ(320b)を含み、前記開口部(311b、312b)を通過して前記ペトリ皿の蓋部及び皿部を、前記移動部材(31)が関連付けられる第2の停止位置にくる場合にそれぞれの支持開口部(311b、312b)から前記第2のカラム(104b)内に持ち上げることができる、第2のピストンを含み、
前記移動部材(31)がシャトル(31)であり、前記シャトルが前記基部(2)に相対して前記第1及び第2の停止位置(P1、P2)間を前記支持開口部が直接往復する移動運動を有し、
前記分注手段(6)が、前記下部開口部(312b)の上かつ前記上部開口部(311b)の下で、前記材料を、これらの開口部が前記第1及び第2の停止位置(P1、P2)の1つの選択される位置にある場合に、前記ペトリ皿(P)の皿部(F)へ分注されるように構成される。
【0076】
1つの実施態様によれば、前記装置は、前記ピストン(32a、32b)を同じ高さに同期駆動するための手段を含む。
【0077】
1つの実施態様によれば、前記ピストン(32a、32b)は、同じモータで駆動される。
【0078】
1つの実施態様によれば、前記装置は、前記シャトル(31)及びピストン(32a、32b)の移動運動を制御してそれらを順に次の位置へ配置させるための手段を含む:すなわち、
−前記第1の停止位置(P1)であり、前記下部開口部(312b)の下の前記第1のトレイ(320b)の下げ位置であり、前記ペトリ皿の蓋部を前記上部開口部(311b)上に運び、前記ペトリ皿の皿部を前記下部開口部(312b)上に運ぶ、前記第1の停止位置(P1)、
−前記第2の停止位置(P2)であり、前記下部開口部(312b)の下の第1のトレイ(320a)が、分注手段(6)を介して前記下部開口部(312b)内に位置される開かれたペトリ皿の皿部(F)内に材料が分注される、前記第2の停止位置(P2)、
−前記第2の停止位置(P2)での、前記第2のカラム(104b)内の第2のトレイ(320b)の上昇位置であり、前記ペトリ皿の皿部の上の蓋部が閉じられ、前記閉じられたペトリ皿が前記第2のカラムに移動される、
−前記第1の停止位置(P1)での、前記下部開口部(312b)の下の前記第1のトレイ(320a)の下げ位置。
【0079】
1つの実施態様によれば、前記分注手段(6)は、
前記材料を吐出するための吐出ノズル(61)、
前記分注ノズル(61)を移動する手段であり、前記分注ノズル(6)を
前記ノズル(6)が、前記選択された停止位置で、前記下部開口部(312b)の上及び前記後部開口部(311b)の下にある、前記材料の分注位置又は
前記ノズルが前記開口部(311b、312b)の間には存在しない、引き込み位置のいずれかの位置の間を動くように設けられる、前記分注ノズル(61)を移動する手段、
前記ノズル(6)が前記引き込み位置である場合に前記選択された停止位置に伴う前記ピストン(32a、32b)の移動を可能とするように構成される、制御手段とを、含む。
【0080】
1つの実施態様によれば、シャトル(31)は、第2開口部(311b、312b)と呼ぶ前記上部及び下部支持開口部(311b、312b)に加えてまた、第1の開口部(311b)と共に設けられるペトリ皿の皿部(F)を支持するための手段(311b)を含み、前記第1の停止位置での前記第1のピストン(32a)の通過を可能とする。
【0081】
1つの実施態様によれば、前記シャトル(31)は、第2開口部311b、312bと呼ぶ前記上部及び下部支持開口部(311b、312b)、及び前記第1の上部及び下部開口部(311a、312a)に加えて、下部板312及び上部板311を含み、これらはお互いに所定の距離離されている、前記分注位置で前記分注手段(6)のための通路を形成し、
前記下部板(312)は、前記第1のトレイ(320a)と第1のピストン(32a)の通過のための前記第1の下部開口部(312a)と、前記ペトリ皿の皿部を支持するための前記第2の開口部(312b)を含み、
前記上部板(311)が前記第1のトレイ(329a)の通過のための第1の上部開口部(311a)、及び前記蓋部を支持するための前記第2の上部開口部(311b)を含み、前記第1の上部開口部(311a)が前記第1の下部開口部(312a)の上にある。
【0082】
1つの実施態様によれば、前記装置は、前記第1のピストン(32a)の第1のトレイ(320a)を前記シャトル(31)の上に持ち上げる手段を含み、前記第1のトレイ(320a)は、前記持ち上げ手段に前記第1のトレイ(320a)を接続する少なくとも1つの下部ロッド(321a)に固定され、
前記シャトル(31)は、少なくとも1つの通路(311c、312c)を含み、前記第2の開口部(311b、312b)を前記第1の開口部(311a)又は(311a、312a)と交信して、前記第1のトレイ(320a)が前記シャトル(31)の上の上昇位置にある場合に、前記シャトル(31)が前記停止位置間を動く際に前記下部支持ロッド(321a)の通過を可能とする。
【0083】
1つの実施態様によれば、前記装置は、前記基部(2)の垂直シャフト上に回転配置される少なくとも1つの回転ラック(10)を含み、前記回転ラックは、
前記ペトリ皿(P)の垂直ガイドのための複数のカラム(104a、104b)を含み、それぞれは前記皿部上に置かれる蓋部を持つペトリ皿の積み重ねを受容可能であり、
前記回転ラック(10)を回転駆動するための手段を含み、2つのカラム(104a、194b)のそれぞれを、前記第1の下部ペトリ皿通路(115a)の上に及び前記第2の下部通路(115b)の上に動かして前記第1及び第2のカラム(104a、104b)を形成する。
【0084】
1つの実施態様によれば、前記装置は、
ペトリ皿(P、P’)を保持し前記第2の通路(115b)の上に通過させるための手段(106)を含み、これらの保持及び通過手段(106)は、
前記第2のカラム(104b)内に前記第2の通路(115b)の上に前記ペトリ皿を保持する第1の保持位置と、
前記第2の通路(115b)内の前記ペトリ皿を放出通過させる第2の位置との間を移動可能であり、
前記設けられた第1の保持位置を束縛するための束縛手段を含み、
前記第2のカラム(104b)内の所定の高さ位置まで前記第2のピストン(32b)の第2のトレイ(320b)を持ち上げるように構成される手段を含み、
前記保持手段(106)は、蓋部を持つペトリ皿を支持する前記第2のピストン(32b)の第2のトレイ(320b)が前記第2のカラム(104b)内で所定の高さまで持ち上げられる場合に、前記ペトリ皿の蓋部に対して隣接させることで前記第2の放出通過位置で駆動され得るように構成され、
前記保持手段(106)は、前記第1の保持位置で、前記ペトリ皿の皿部の幅よりも狭い通路幅を有しそれを支持し、かつ前記第2のピストン(32b)の第2のトレイ(320b)の幅よりも広い幅を有し、前記カラム(104b)の下にそれを下げることを可能とする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の材料を、少なくとも1つのペトリ皿に分注するための装置であり、前記ペトリ皿はそれぞれより小さい幅の皿部の上に置かれ得る除去可能な蓋部を含み、
前記装置が、前記ペトリ皿を材料分注ステーションへ動かす移動手段を含み、前記分注ステーションで、前記ペトリ皿が前記蓋部及び皿部の間に空間を挟んで保持され、吐出ノズルを含む材料分注ヘッドを介して、前記吐出ノズルが材料分注位置にある場合に前記材料を分注することを可能とする、装置であり、
前記装置がさらに、前記材料分注ステーションで前記皿部を支持する所定のトレイを含む所定のピストンと、前記所定のトレイを前記材料分注ヘッドに相対してその周りに回転駆動させる手段を含み、前記手段は、前記皿部を、前記皿部へ前記材料の分注位置である前記材料分注ヘッドに相対して回転させるように構成され、前記吐出ノズルが前記所定のトレイに相対して回転設定された前記皿部内に材料を分注し、
前記移動手段が、前記材料分注ステーションで所定の停止位置まで前記皿部を移動させる移動部材を含み、前記移動部材が、前記ペトリ皿の皿部を支持するための下部支持開口部の上の前記ペトリ皿の蓋部を支持するための上部開口部を含み、前記所定のトレイは、前記移動部材が前記材料分注ステーションで前記所定の停止位置にある場合に、前記ペトリ皿の皿部を前記開口部を通ってそれぞれの支持開口部を通って前記蓋部の中に持ち上げることが可能であり、
前記所定のトレイと共に設けられる前記所定のピストンは、前記材料の分注位置で前記皿部内に材料を分注する間、前記ペトリ皿の前記皿部を回転させる機能と及び前記ペトリ皿の皿部を前記上部開口部を通って前記皿部を前記所定の停止位置で前記ペトリ皿の蓋部の中に持ち上げる機能とを持つ、ことを特徴とする分注装置。
【請求項2】
請求項1に記載の分注装置であり、前記所定のトレイがその周りに回転する速度が、10及び100の間の回転/分であることを特徴とする分注装置。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項に記載の装置であり、前記回転の駆動のための手段が、前記所定のトレイが幾何学的回転軸の周りに回転するように構成され、前記吐出ノズルは、前記材料分注位置でその周りに回転設定される前記所定のトレイの幾何学的回転軸から離れて位置される材料吐出端部を持つ、装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置であり、回転の駆動のための前記手段が、前記所定のトレイを幾何学的回転軸の周りに回転させるように構成され、前記吐出ノズルは前記皿部の領域に材料を分注するように構成されており、前記領域は前記材料分注位置で回転設定される前記所定のトレイの幾何学的回転軸から離れている、装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置であり、前記所定のトレイが、上部表面を含み、前記表面はその中心から周辺にかけて、前記ペトリ皿の皿部を受け入れるように凹部形状である、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であり、前記所定のトレイの上部表面が前記ペトリ皿の皿部と接触するための周辺接触部を含む、装置。
【請求項7】
請求項5又は6のいずれか1項に記載の装置であり、前記所定のトレイがその上部表面上の中心に凹部を持つ、装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置であり、前記所定のトレイの上部表面が前記ペトリ皿の皿部と接触するための第1の周辺接触部を含み、前記第1の周辺接触部が、前記第1の周辺接触部により囲まれる前記所定のトレイの上部表面の第2の部分の材料よりもより大きな接着性を持つ材料である、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であり、前記第1の周辺接触部がゴム材料であり、一方前記第1の周辺接触部で囲まれる前記第2の部が金属性である、装置。
【請求項10】
請求1乃至9のいずれか1項に記載の装置であり、前記装置が:
ペトリ皿の垂直ガイドのための少なくとも第1および第2のカラムを含み、これらは前記ペトリ皿の皿部の受けに置かれる蓋部をそれぞれ持つペトリ皿の第1及び第2の積み重ねを収容することができ、かつペトリ皿の通過のために第1の通路の上及びペトリ皿の通過のために第2の通路の上にそれぞれ位置されることができ、
前記第1及び第2の通路が基部に相対して固定部上に設けられ、
少なくとも1つのペトリ皿を前記第1のカラムから前記第2のカラムへ移動するためのシステムを含み、前記システムが:
前記移動部材が可動であり、前記支持開口部が前記第1の通路の下にある場合には他の第1の停止位置を取り、かつ前記支持開口部が前記第2の通路の下にある場合には前記材料分注ステーションでの前記第2の所定の停止位置を取り、
前記材料分注ヘッドは、前記下部支持開口部の上の前記材料を、前記第2の所定の停止位置で前記上部支持開口部の下の前記ペトリ皿の皿部内に分注するように構成され、
他の第1のピストンは、他の第1のトレイを含み、前記第1の通路の下に位置され、前記移動部材は、前記関連する第1の停止位置にある場合には、前記第1のカラムのペトリ皿の蓋部及び皿部をそのそれぞれの支持開口部上に下げるため前記支持開口部を通過することができ、
前記第2の所定のピストンは、前記第2の所定のトレイを含み、前記第2の下部通路の下に位置され、前記移動部材が前記関連する第2の停止位置にある場合には、前記支持開口部を、前記ペトリ皿の蓋部及び皿部をそれらのそれぞれの支持開口部から、前記第2のカラム内へ持ち上げるために通過することができ、
前記移動部材はシャトルを含み、前記シャトルは前記第1及び第2の停止位置の間を前記支持開口部の直接往復運動で前記基部に相対して移動運動する、ことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であり、
ペトリ皿の垂直ガイドのための前記カラムの1つが、前記材料分注ステーションで前記所定の第2のピストンを介してその蓋部の中に持ち上げられた皿部を持つペトリ皿を収容するために前記第2の所定のピストンの上に設けられ、
前記第2の所定のピストンが、その蓋部内へ持ち上げられた皿部を持つペトリ皿を前記移動部材から前記ペトリ皿の垂直ガイドのための前記カラムへ移動させるように構成され、
前記ペトリ皿の垂直ガイドのためのカラムが、前記第2の所定のピストンにより動かされたその蓋部の中に持ち上げられた皿部を持つペトリ皿を保持するための手段を含む、ことを特徴値する装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の分注装置を用いる少なくとも1つのペトリ皿内に所定の材料を分注するための方法であり、
それぞれのペトリ皿は除去可能な蓋部を持ち、より小さい幅を持つ皿部の上に置かれることができ、
前記方法では、前記ペトリ皿が開けられてその蓋部を皿部から離され、前記皿部は材料分注ステーションに動かされ、前記分注ヘッドが材料分注位置へ配置されて前記分注ステーションの前記皿部内に材料を分注し、
前記ペトリ皿の皿部がその周りに回転する所定のトレイを含む所定のピストン上に位置され、前記皿部を、前記材料分注ステーションで材料分注位置の前記材料分注ヘッドによる前記皿部内へ材料が分注される全時間にわたり、その周りに回転させ、
前記皿部は、前記ペトリ皿の皿部を支持するための下部支持開口部の上のペトリ皿の蓋部を支持するための上部開口部を持つ移動部材により前記材料分注ステーションの所定の停止位置まで動かされ、
前記所定のトレイは、前記移動部材が前記分注ステーションで前記所定の停止位置にある場合に、前記それぞれの支持開口部を通過することにより、前記ペトリ皿の皿部を前記蓋部内へ持ち上げるために、前記支持開口部を通過することができ、
前記所定のトレイと共に設けられる前記所定のピストンは、前記材料分注位置で材料が皿部内に分注される間、ペトリ皿の皿部を回転させ、その後前記ペトリ皿の皿部を前記上部支持開口部を通って持ち上げ、前記材料分注ステーションでの前記所定の停止位置でのペトリ皿の蓋部内に挿入する、ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【公表番号】特表2013−500731(P2013−500731A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523299(P2012−523299)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061104
【国際公開番号】WO2011/015528
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(510316659)
【Fターム(参考)】