説明

ボクセルデータ符号化方式

【課題】ボクセルデータの効率化を図り、且つ可逆圧縮を可能とすること。
【解決手段】カメラ群9−1により3次元対象物を撮影し、キャプチャデバイス9−3にてボクセル生成装置9−2に取り込む。撮影された映像はシルエット生成処理部9−4にてシルエットのみ抽出される。そしてボクセル生成手段判定部9−5にて、シルエットの分布に最適なボクセル生成手法を選択し、ボクセル空間を生成する。さらにボクセル符号化部9−6にてボクセルの分布から最適な符号化方式を選択し、符号化する。符号化されたデータはネットワーク伝送処理部9−7にて送信され、ネットワーク9−8を経由してネットワーク伝送処理部9−10にて受信される。ボクセル復号化部9−11ではどの符号化方式で符号化されたかを判定して、復号化を行う。ボクセル空間再構成部9−12では復号化されたデータからボクセル空間を再構成する。3次元空間生成部9−13ではボクセル空間を3次元CGなどで3次元表現を行う。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に3次元CG及びバーチャルリアリティの分野に属し、特にボクセル形状表現した3次元モデルをネットワーク伝送する際の伝送効率化を可能にするボクセルデータ符号化方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
3次元CGやバーチャルリアリティの分野にて立方体(ボクセルとも呼ぶ)を3次元の仮想空間上に複数配置することで、3次元物体の形状を表現する手法がある。この手法において構成された3次元物体の属する空間をボクセル空間と呼ぶ。この手法において3次元物体を表現するには多くのボクセルが必要となり、このボクセルデータを計算機にて扱う場合、大量のメモリが必要となる。さらにこれらのボクセルデータをネットワークを用いて遠隔地へ伝送する場合においては、更なるボクセルデータの効率化が必要となる。
【0003】
ボクセルデータの効率化に関する従来の技術として、特開平01−042939号公報に開示された「ボクセルデータ圧縮/展開装置」(以下、第1の従来技術と呼ぶ)が知られている。この手法ではボクセル空間をX平面、Y平面、Z平面に射影することで、ボクセルデータをその3つの射影平面に落とし込む。しかしながらこの手法では3次元物体間で影になってしまう場合、例えば2つの3次元物体がある場合など、影になってしまったボクセル情報は欠落してしまうことになり、完全に復元できない(すなわち非可逆圧縮)など、ある程度対象となる3次元物体の形状が限定されてしまう。
【0004】
また、特開平11−265460号公報には、ボクセル空間をZ軸に沿ってある間隔でXY平面でスライスし、Z軸方向に対する前後関係からスライス間のボクセルを推測する非可逆圧縮手法(以下、第2の従来技術と呼ぶ)が開示されているが、これはスライス間の相関が高いことを前提にされており、相関の乏しいボクセル空間では正しく復元できない可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の問題点として非可逆圧縮であることが挙げられる。上記した第1の従来技術では、ボクセル空間を投影面に投影する際、ボクセルデータどうしで影となる場合に元のボクセル空間が復元できない。また、上記した第2の従来技術ではZ軸に沿ってスライスされた平面間の相関関係が乏しいボクセル空間の場合、元のボクセル空間を完全に復元することはできない。
【0006】
本発明の目的は、ボクセルデータの効率化を図ることであり、且つ可逆圧縮を可能とするものである。これにはボクセル空間におけるボクセルの分布により複数の符号化手法の中から最適な手法を選択することで実現する。また、これを実現するにあたり、ボクセル生成の段階においてボクセル分布を推定することにより、ボクセルデータを効率化する最適なボクセル生成手法を選択し、且つ生成されたボクセルの分布から符号化手法を選択する手法をとる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
ボクセル空間生成手法に視体積交差法という手法について説明する。複数のカメラから撮影された対象物体のシルエットと、対象空間を立方体に分割した空間とを用意しておく。対象空間内の各立方体をシルエット(輪郭)映像に射影し、該各立方体がシルエットの内にあるならばボクセル対象候補となる。これを全てのカメラのシルエット映像に対して行う。射影された各立方体が全てにおいてシルエット内であれば、この立方体は3次元物体を構成する立方体すなわちボクセルの一つとするものである。この処理を対象空間内全体にわたって行うことで3次元物体を生成するという手法である(図1参照)。ちなみにここでは、これらの空間をボクセル空間と呼ぶ。
【0008】
この手法においては対象空間全体についてシルエット内外を判定するが、対象空間全体を走査する手法として2通りの方法が考えられる。一つは対象空間(一般には立方体)内を一定の区間で立方体に分割し、各立方体をシルエット内外か否か判別する手法(以下、「順次走査手法」と呼ぶ)で、各立方体が順に走査される(図2参照)。もう一方は、OCTREEを用いた手法であり(以下、「OCTREE手法」と呼ぶ)、対象空間(一般的には立方体)を8分割し、各立方体についてシルエット内外か否かを判別する。3次元形状を構成する立方体であると判定された場合、さらにこれを8分割し同様に判別を行う(図3参照)。立方体がシルエット外の場合は、その立方体は分割しない。前記順次走査手法についてはボクセルの集積度が比較的高い場合に有利であり、前記OCTREE手法についてはボクセルの集積度が比較的低い場合に有利である。
【0009】
このように、ボクセルの集積度によって各手法における利点・欠点があるが、ボクセルの集積度をシルエット映像から判断することにより、その3次元物体に適した手法にて対象空間走査を選択し、より高速にボクセル空間を生成可能とする。具体的には、各シルエット映像に対しバウンディングボックスを求め、その面積とシルエットの画素数との比率から所望の対象空間走査手法を選択する(図4参照)。
【0010】
次に、上記した各手法におけるボクセル符号化方法において、前記順次走査手法では以下の2通りの符号化方法が考えられる。一つは3次元物体を形成するボクセルの座標値を列挙する方法(以下、「座標値列挙手法」と呼ぶ)であり(図5参照)、3次元物体を形成するボクセル個数が多い時はデータ量が大きくなる傾向にある。
【0011】
もう一つは図6に示すように、順次走査手法にもあった対象空間をボクセルのサイズで分割し、全ての立方体を1ビットで表現するものである(以下、「空間分割列挙手法」と呼ぶ)。この手法では対象空間が大きい時にデータ量が大きくなる傾向がある。
【0012】
そこで、対象空間とボクセル個数の量を比較することで、前記座標値列挙手法と前記空間分割列挙手法を切り替えて、効率的なボクセル符号化を行うことが可能となる。例えば、走査する3次元空間内の立方体の数をV、走査する3次元空間内のボクセルの数をv、ボクセルの座標値としてnバイト必要とした場合、V/8≧v×nの時は前記空間分割列挙手法が適しており、V/8<v×nの時は前記座標値列挙手法が適している。
【0013】
前記OCTREE手法においては空間を再帰的に8分割していくことから、8分割されたものを1バイトとし、これを順に記述していくことで効率的なボクセル符号化を行うことが可能になる(図7、図8参照。以下、「OCTREE符号化手法」と呼ぶ)。
【0014】
【作用】
はじめに、対象となる3次元物体を視体積交差法により3次元モデル化する際、3次元物体をカメラで撮影し、その3次元物体のシルエットを求める。シルエットはあらかじめ背景を撮影しておき、その差分(背景差分)を算出することでシルエットを求める既存の手法で行われる。
【0015】
そのシルエットのバウンディングボックスを求め、その座標値からバウンディングボックスの面積Sbbを求める。この時シルエットの画素数Nsも求める。SbbとNsの比率をSbb/Nsとし、これが閾値Tより小さい時、すなわちボクセル集積度が高い時は順次走査手法をボクセル生成手法として選択する。Tより大きい時、すなわちボクセル集積度が低いときはOCTREE手法をボクセル生成手法として選択する。
【0016】
ボクセル生成手法として順次走査手法を選択した場合、生成されたボクセル空間について走査する立方体の数V、ボクセルの個数vを求める。また、ボクセルの座標値としてnバイト必要な時、V/8≧v×nであるならば符号化手法として空間分割列挙手法を、V/8<v×nであるならば符号化手法として座標値列挙手法を選択する。
【0017】
ボクセル生成手法としてOCTREE手法が選択された場合には、OCTREE符号化手法にて符号化される。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図9を参照すると、大きくカメラ群9−1、ボクセル生成装置9−2、ネットワーク9−8、及びボクセル再構成装置9−9に分類できる。カメラ群9−1はボクセル生成対象となる3次元物体を撮影するためにあり、例えば図10の様に3次元物体を囲むように設置される。これらの映像は1系統又は複数の系統にてボクセル生成装置9−2に取り込まれる。
【0020】
ボクセル生成装置9−2はキャプチャデバイス9−3、シルエット生成処理部9−4、ボクセル生成手段判定部9−5、ボクセル符号化部9−6、ネットワーク伝送処理部9−7で構成されている。キャプチャデバイス9−3はカメラ群9−1からの映像を取り込み、ボクセル生成装置9−2の作業メモリ上に展開する。シルエット生成処理部9−4はカメラ映像の3次元物体のシルエットを生成する。
【0021】
このシルエット生成は背景差分方式などの既存の手法にて行われる。例えば、対象となる3次元物体を対象空間に配置していない状態で1フレームを背景として予め撮影しておき、この背景映像と3次元物体を置いた状態でのカメラ映像との画素の差分をとることで3次元物体のシルエットを生成する。ボクセル生成手段判定部9−5ではボクセル生成手段を決定する。ここではシルエットのバウンディングボックスを求め、その座標値からバウンディングボックスの面積Sbbを求める。同時にシルエットの画素数Nsも求める。
【0022】
SbbとNsの比率をSbb/Nsとし、このSbb/Nsが閾値Tより小さい時、すなわちボクセル集積度が高い時は順次走査手法をボクセル生成手法として選択する。Sbb/Nsが閾値Tより大きい時、すなわちボクセル集積度が低いときはOCTREE手法をボクセル生成手法として選択する。ボクセル符号化部9−6ではボクセルの生成手法やボクセルの分布により符号化方式を変えて符号化する。
【0023】
ボクセル生成手法として順次走査手法が選択された場合、生成されたボクセル空間について走査する立方体の数Vとボクセルの個数vを求める。また、ボクセルの座標値としてnバイト必要な時、V/8≧v×nであるならば符号化手法として空間分割列挙手法を、V/8<v×nであるならば符号化手法として座標値列挙手法を選択する。ボクセル生成手法としてOCTREE手法が選択された場合には、OCTREE符号化手法にて符号化される。また、データの先頭にどの方式で符号化を行ったかを記述すると共に、それに付随するデータ、例えば順次走査手法における走査開始座標やどの範囲を走査するかなどのパラメータが格納される。
【0024】
図11、図12、図13に各々のデータ構造例をC言語風に示す。11−8のデータ構造体は座標値列挙手法におけるデータ構造例である。11−1は符号化方式を示す符号化モードを、11−2ではボクセルの一辺の長さを、11−3ではボクセルの個数を、11−4はボクセル空間のX座標値を、11−5はボクセル空間のY座標値を、11−6はボクセル空間のZ座標値を、11−7は各ボクセルの座標値を格納する配列のポインタ(各ボクセルの座標値)を示す。
【0025】
12−13のデータ構造体は空間分割列挙手法におけるデータ構造例である。12−1は符号化方式を示す符号化モードを、12−2ではボクセルの一辺の長さを、12−3は分割されるボクセル空間の始点位置X座標を、12−4は分割されるボクセル空間の始点位置Y座標を、12−5は分割されるボクセル空間の始点位置Z座標を、12−6は分割される空間の始点位置座標を、12−7は分割されるボクセル空間のX座標方向の大きさを、12−8は分割されるボクセル空間のY座標方向の大きさを、12−9は分割されるボクセル空間のZ座標方向の大きさを、12−10は分割されるボクセル空間の大きさを、12−11は8つの立方体が1バイトで表現(符号化)されたデータの長さ(バイト数)を、12−12は8つの立方体が1バイトで表現(符号化)されたデータのバッファポインタを示す。
【0026】
13−12のデータ構造体はOCTREE符号化手法におけるデータ構造例である。13−1は符号化手法を示す符号化モードを、13−2はボクセル空間の始点位置X座標を、13−3はボクセル空間の始点位置Y座標を、13−4はボクセル空間の始点位置Z座標を、13−5はOCTREE手法にて分割される対象ボクセル空間の始点座標位置を、13−6はOCTREE手法にて分割される対象ボクセル空間の始点X座標位置(X軸方向の大きさ)を、13−7はOCTREE手法にて分割される対象ボクセル空間の始点Y座標位置(Y軸方向の大きさ)を、13−8はOCTREE手法にて分割される対象ボクセル空間の始点Z座標位置(Z軸方向の大きさ)を、13−9はOCTREEにて分割される対象ボクセル空間の大きさを、13−10はOCTREE符号化手法にて表現(符号化)されたボクセルデータの長さ(バイト数)を、13−11はOCTREE符号化手法にて表現(符号化)されたボクセルデータのバッファポインタを示す。ネットワーク伝送処理部9−7ではボクセル符号化部9−6にて作成されたボクセルデータを、ネットワーク9−8を経由してボクセル再構成装置9−9に送信する。
【0027】
ネットワーク9−8はピアツーピアの接続が可能なネットワークを用いる。インターネットはその一つである。
【0028】
ボクセル再構成装置9−9はネットワーク伝送処理部9−10、ボクセル復号化部9−11、ボクセル空間再構成部9−12、3次元空間生成部9−13で構成されている。ネットワーク伝送処理部9−10ではネットワーク伝送処理部9−7から送信されたボクセルデータを、ネットワーク9−8を経由して受信する。ボクセル復号化部9−11ではネットワーク伝送処理部9−10によって受信されたボクセルデータからどの手法により符号化されたかを座標値列挙手法(モード11−1)及び空間分割列挙手法(モード12−1)及びOCTREE手法(モード13−1)を用いて判別し、ボクセルデータの復号化を行う。ボクセル空間再構成部9−12ではボクセル復号化部9−11にて復号化されたボクセルデータからボクセル空間の再構築を行う。3次元空間生成部9−13ではボクセル空間再構成部9−12により生成されたボクセル空間から、3次元仮想空間を構築する。
【0029】
以下、本実施の形態による符号化方式の動作について説明する。カメラ群9−1によりボクセル生成対象となる3次元物体を撮影する。撮影されたビデオ映像はキャプチャデバイス9−3にてボクセル生成装置9−2に取り込まれる。ビデオ映像はシルエット生成処理部9−4にて3次元物体のシルエットが抽出される。そのシルエットを元にボクセル生成手段判定部9−5ではボクセル生成手段が選択され、ボクセル空間が生成される。ボクセル符号化部9−6にてボクセル空間の特性に適したボクセル符号化方式が選択され、生成されたボクセル空間が符号化され、ボクセルデータが生成される。
【0030】
ボクセル生成手段判定部9−5とボクセル符号化部9−6における一連の処理フローを図1414に示す。ステップ14−1にてシルエットのバウンディングボックスの面積Sbbを算出し、続けてステップ14−2にてシルエットの画素数Nsを算出する。ステップ14−3ではSbb/Nsと適切に設定された閾値Tとを比較し、Sbb/Ns<Tならばステップ14−4にて順次走査手法によるボクセル生成を、Sbb/Ns≧Tならばステップ14−10にてOCTREE手法によるボクセル生成を行う。ステップ14−4にて順次走査手法によるボクセル生成がなされた後、ステップ14−5にて対象空間の分割された立方体の個数Vを算出する。続けてステップ14−6にて3次元物体を構成するボクセルの個数vを算出する。ステップ14−7にて立方体数Vを8で割った値とボクセル個数vとボクセルの座標を記述するのに必要なバイト数nをかけたものを比較し、V/8<v×nならばステップ14−8にて座標値列挙手法による符号化を、V/8≧v×nならばステップ14−9にて空間分割列挙手法による符号化がなされる。
【0031】
座標値列挙手法では図11のように記述され、モード11−1に座標値列挙手法を示すIDが記録される。空間分割列挙手法では図12のようなデータ構造で記述され、モード12−1に空間分割列挙手法を示すIDが記録される。一方14−10のOCTREE手法によるボクセル生成の場合は14−11のOCTREE符号化手法にて符号化される。OCTREE符号化手法では図13のようなデータ構造で記述され、モード13−1にOCTREE符号化手法を示すIDが記録される。
【0032】
これらのデータ構造で記述されたボクセルデータはネットワーク伝送処理部9−7にてネットワーク9−8を介してネットワーク伝送処理部9−10に送信される。受信されたボクセルデータはのボクセル復号化部9−11にてどの形式のデータ構造であるのかが判別される。具体的にはモード11−1,12−1及び13−1のデータエリアを参照することで判別される。これらのby Modeのデータエリアは全てデータの先頭などの同じ位置に存在する。判別されたデータ構造をもとにボクセルデータの復号化が行われ、ボクセル空間再構成部9−12にてボクセル空間の再構築が行われる。再構築されたボクセル空間は3次元空間生成部9−13によって3次元空間生成が行われる。ここではOpen GLやDirect Xなどにより3次元仮想空間が生成される。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、ボクセルデータの分布から適切なボクセル符号化方式を選択することにより、ボクセルデータ量の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】視体積交差法概念を示した図である。
【図2】順次走査法概念を示した図である。
【図3】OCTREE手法概念を示した図である。
【図4】シルエットとバウンディングボックスの概念を示した図である。
【図5】座標値列挙手法概念を示した図である。
【図6】空間分割列挙法概念を示した図である。
【図7】OCTREE符号化手法概念を示した図である。
【図8】OCTREE符号化手法におけるデータ形式を示した図である。
【図9】本発明のボクセルデータ符号化方式のシステム構成図である。
【図10】カメラ配置例を示した図である。
【図11】座標列挙手法におけるデータ構造例を示した図である。
【図12】空間分割列挙手法におけるデータ構造例を示した図である。
【図13】OCTREE符号化手法におけるデータ構造例を示した図である。
【図14】ボクセル生成手段判定部及びボクセル符号化部における一連の処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1−1  カメラ1の視点
1−2  カメラ1のシルエット
1−3  対象空間
1−4  対象物体
1−5  カメラ2のシルエット
1−6  カメラ2の視点
1−7〜1−9  カメラ1の視点から対象物体の頂点へのベクトル
1−10〜1−12  カメラ2の視点から対象物体の頂点へのベクトル
2−1  スキャン(走査)方向。この方向を優先に走査される。
2−2  スキャン(走査)方向。2−1の次に優先して走査される。
2−3  スキャン(走査)方向。2−3の次に優先して走査される。
2−4  ボクセル空間
3−1  OCTREE手法による分割0段階目
3−2  OCTREE手法による分割1段階目
3−3  OCTREE手法による分割3段階目
4−1  映像フレーム
4−2  シルエット(輪郭)
4−3  バウンディングボックス
5−1  ボクセル1のX座標
5−2  ボクセル1のY座標
5−3  ボクセル1のZ座標
6−1  ボクセル空間
6−2  1バイト分のボクセル集合体
7−1  OCTREE手法による分割0段目
7−2  OCTREE手法による分割1段目
7−3  OCTREE手法による分割2段目
8−1  OCTREE符号化手法における1段目のビット列構造
8−2  OCTREE符号化手法における2段目のビット列構造
8−3〜8−4  1段目のONビットに対する2段目のバイト
9−1  カメラ群
9−2  ボクセル生成装置
9−3  キャプチャデバイス
9−4  シルエット生成処理部
9−5  ボクセル生成手段判定部
9−6  ボクセル符号化部
9−7  ネットワーク伝送処理部
9−8  ネットワーク
9−9  ボクセル再構成装置
9−10  ネットワーク伝送処理部
9−11  ボクセル復号化部
9−12  ボクセル空間再構成部
9−13  3次元空間生成部
10−1〜10−7  カメラ群
10−9  撮影対象物体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元対象物を撮影するカメラ群と、
撮影された前記3次元対象物をビデオ映像として取り込むキャプチャデバイスと、
前記ビデオ映像のシルエットのみ抽出するシルエット生成処理部と、
前記映像シルエットの分布に最適なボクセル生成手法を選択し、ボクセル空間を生成するボクセル生成手段判定部と、
生成されたボクセル空間の特性に適したボクセル符号化方式を選択し、その選択されたボクセル符号化方式によって前記生成されたボクセル空間を符号化して、符号化されたボクセル符号化データを生成するボクセル符号化部と、
前記ボクセル符号化データを送信するネットワーク伝送処理部と、
前記ボクセル符号化データを、ネットワークを経由して受信するネットワーク伝送処理部と、
受信された前記ボクセル符号化データがどの符号化方式で符号化されたかを判定して、当該ボクセル符号化データの復号化を行うボクセル復号化部と、
前記復号化されたボクセル復号化データからボクセル空間を再構成するボクセル空間再構成部と、
前記再構成されたボクセル空間を3次元コンピュータグラフィック(CG)で3次元表現を行う3次元空間生成部
を有することを特徴とするボクセルデータ符号化方式。
【請求項2】
前記ボクセル生成手段判定部では、前記シルエットのバウンディングボックスを求め、その座標値からバウンディングボックスの面積(Sbb)を求めると同時に前記シルエットの画素数(Ns)を求め、
前記面積(Sbb)と前記画素数(Ns)の比率(Sbb/Ns)が所定の閾値(T)より小さい時、順次走査手法をボクセル生成手法として選択し、前記比率(Sbb/Ns)が前記閾値(T)より大きい時、OCTREE手法をボクセル生成手法として選択することを特徴とする請求項1記載のボクセルデータ符号化方式。
【請求項3】
前記ボクセル符号化部は、ボクセル生成手法として順次走査手法が選択された場合、前記生成されたボクセル空間について走査する立方体の数Vとボクセルの個数vを求め、ボクセルの座標値を記述するのにnバイト必要な時、前記立方体の数Vを8で割った値と、前記ボクセル個数v及び前記ボクセルの座標を記述するのに必要なバイト数nを積算したものを比較し、V/8≧v×nであるならば符号化手法として空間分割列挙手法を選択し、V/8<v×nであるならば符号化手法として座標値列挙手法を選択し、選択された符号化手法により前記ボクセル空間を符号化することを特徴とする請求項2記載のボクセルデータ符号化方式。
【請求項4】
前記ボクセル符号化部は、ボクセル生成手法として前記OCTREE手法が選択された場合には、OCTREE符号化手法にて前記ボクセル空間を符号化することを特徴とする請求項2記載のボクセルデータ符号化方式。
【請求項5】
前記ボクセル符号化データには、当該データの先頭にどの方式で符号化を行ったかを示すIDが記録されていることを特徴とする請求項3又は4記載のボクセルデータ符号化方式。
【請求項6】
前記ボクセル符号化データは、符号化手法として前記座標値列挙手法が選択された場合、それに付随するパラメータとして、ボクセルの一辺の長さ、ボクセルの個数、各ボクセルの座標値を格納する配列のポインタ、ボクセルのX座標値、ボクセルのY座標値、及びボクセルのZ座標値が格納された構造を有していることを特徴とする請求項5記載のボクセルデータ符号化方式。
【請求項7】
前記ボクセル符号化データは、符号化手法として前記空間分割列挙手法が選択された場合、それに付随するパラメータとして、ボクセルの一辺の長さ、分割される空間の始点位置座標、分割される空間の始点位置X座標、分割される空間の始点位置Y座標、分割される空間の始点位置Z座標、分割される空間の大きさ、分割される空間のX座標方向の大きさ、分割される空間のY座標方向の大きさ、分割される空間のZ座標方向の大きさ、8つの立方体が1バイトで表現されるデータの長さ、及び8つの立方体が1バイトで表現されるデータのポインタが格納された構造を有していることを特徴とする請求項5記載のボクセルデータ符号化方式。
【請求項8】
前記ボクセル符号化データは、符号化手法として前記OCTREE符号化手法が選択された場合、それに付随するパラメータとして、OCTREE手法にて分割される対象空間の始点座標位置、OCTREE手法にて分割される対象空間の始点X座標位置、OCTREE手法にて分割される対象空間の始点Y座標位置、OCTREE手法にて分割される対象空間の始点Z座標位置、OCTREEにて分割される対象空間の大きさ、OCTREEにて分割される対象空間のX軸方向の大きさ、OCTREEにて分割される対象空間のY軸方向の大きさ、OCTREEにて分割される対象空間のZ軸方向の大きさ、OCTREE符号化手法にて表現されるボクセルデータの長さ、及びOCTREE符号化手法にて表現されるボクセルデータのポインタが格納された構造を有していることを特徴とする請求項5記載のボクセルデータ符号化方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2004−70792(P2004−70792A)
【公開日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−231192(P2002−231192)
【出願日】平成14年8月8日(2002.8.8)
【出願人】(592256623)通信・放送機構 (2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000213301)中部日本電気ソフトウェア株式会社 (56)
【Fターム(参考)】