説明

ボールねじナットの検査装置および検査方法

【課題】ボールねじナットの内周面の溝形状の検査を容易且つ短時間で行う。
【解決手段】内周面に循環溝2を形成したナット素材1の内周部の上端および下端の開口部をそれぞれ上蓋11および下蓋12で密閉した状態で、上蓋11に形成した注入孔11aから検査用流体を注入すると共に、注入した検査用流体の流量を流量計14で計測する。注入された検査用流体の液面レベルが基準レベルに達するまで検査用流体を注入し、流量計14の計測値から得られる、実際に注入した検査用流体の総量と、循環溝2の加工に伴い除去された除肉量の理論値(設計値)に基づき演算される基準流量とを比較し、これらの差がしきい値より大きいときには、必要以上の除肉が行われた可能性があるとして不良品と判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじを構成するナットの検査装置および検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボールねじは、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝とで形成される軌道の間に配置されたボールと、前記ボールを軌道の終点から視点に戻すボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動する装置である。
このようなボールねじは、一般的な産業用機械の位置決め装置等だけでなく、自動車、二輪車、船舶等の乗り物に搭載される電動アクチュエータにも使用されている。
【0003】
ボールねじのボール戻し経路には循環チューブ方式やコマ方式などがあり、コマ方式の場合は、ボール戻し経路をなす凹部が形成されたコマをナットの貫通穴に嵌めている。これに対して、ボール戻し経路をなす凹部(循環溝)を、ナット素材の内周面に塑性加工で直接形成する方法も提案されている。
ところで、前述のように、前記ボールが転動する螺旋溝(以後、転走溝ともいう)の内面などの凹凸を測定して検査する方法として、例えば、下記の特許文献1には、軌道の間に配置されたボールと同形の球体の測定子を用い、転走溝上においてこの測定子の位置決めを行い、転走溝に沿って測定子を移動させつつ測定子の変位を測定することによって転走溝の形状を検査する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3572951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、軌道の間に配置されたボールと同形の球体の測定子を用いて転走溝の検査を行う場合、転走溝内に測定子を挿入するだけで、前記測定子を、前記転走溝を実際に転動するボールが前記転走溝の内面に接触する状態に、容易に位置決めすることができる。
しかしながら、このように、測定子を用いて検査を行う場合、測定子を転走溝に沿って移動させることでその形状を検査しているため、転走溝の検査に時間がかかるという問題がある。
そこで、この発明は、加工後の溝形状を容易に検査することの可能な、ボールねじナットの検査装置および検査方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1にかかるボールねじナットの検査装置は、内周面に溝が形成されたボールねじナットの検査装置であって、前記ボールねじナットまたは内周面に溝が形成された円筒状のナット素材の開口部上端を密閉する上密閉部材および前記開口部下端を密閉する下密閉部材と、前記上密閉部材および下密閉部材により前記開口部を密閉した状態で前記ボールねじナットまたは前記ナット素材の内周部の中空部分に検査用流体を注入する注入手段と、前記中空部分に注入された検査用流体の液面レベルを計測する液面レベルセンサと、前記注入手段による前記検査用流体の注入量を制御し、前記液面レベルセンサのセンサ信号に基づき前記中空部分に注入された検査用流体の液面レベルが予め設定した基準レベルに達するまで前記検査用流体を注入する制御手段と、前記中空部分に注入された検査用流体の総量を計測する計測手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2にかかるボールねじナットの検査装置は、前記計測手段により計測された検査用流体の総量と、前記溝の形成に伴う前記内周面の除肉量に基づき演算された、前記検査用流体の液面レベルが前記基準レベルに達するまでに前記中空部分に注入された検査用流体の総量の理論値とに基づき、前記内周面の形状を評価する第1の評価手段、をさらに備えることを特徴としている。
【0008】
本発明の請求項3にかかるボールねじナットの検査方法は、内周面に溝が形成されたボールねじナットの検査方法であって、前記ボールねじナットまたは内周面に溝が形成された円筒状のナット素材の開口部上端および下端を密閉した状態で前記ボールねじナットまたは前記ナット素材の内周部の中空部分に検査用流体を注入し、前記中空部分に注入された検査用流体の液面レベルが予め設定した基準レベルに達するまでに前記中空部分に実際に注入された検査用流体の総量と、前記溝の形成に伴う前記内周面の除肉量に基づき演算された、前記検査用流体の液面レベルが前記基準レベルに達するまでに前記中空部分に注入された検査用流体の総量の理論値とに基づき、前記内周面の形状を評価することを特徴としている。
【0009】
本発明の請求項4にかかるボールねじナットの検査装置は、内周面に溝が形成されたボールねじナットの検査装置であって、スリット光を照射する光源および当該光源から照射されるスリット光の反射光画像を撮影する撮影手段を備えたヘッドと、当該ヘッドを支持する支持手段と、前記ボールねじナットまたは内周面に溝が形成された円筒状のナット素材の内周面の検査領域と前記光源および前記撮影手段との相対位置関係が予め設定した一定の位置関係となるように前記支持手段を駆動制御し、且つ前記光源および前記撮影手段と前記検査領域との相対位置関係が前記一定の位置関係となったとき前記光源および前記撮影手段を駆動制御して前記検査領域の反射光画像を獲得する制御手段と、前記反射光画像に基づく光切断法による前記検査領域の光切断画像と、予め設定した前記検査領域の基準の光切断画像とを共に表示する表示制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
また、請求項5にかかるボールねじナットの検査装置は、前記反射光画像に基づく前記検査領域の光切断画像と前記基準の光切断画像とのずれ量を演算して前記検査領域の形状を評価する第2の評価手段、をさらに備えることを特徴としている。
本発明の請求項6にかかるボールねじナットの検査方法は、内周面に溝が形成されたボールねじナットの検査方法であって、前記ボールねじナットまたは内周面に溝が形成された円筒状のナット素材の内周面の検査領域とスリット光を照射する光源および当該光源から照射されるスリット光の反射光画像を撮影する撮影手段との相対位置関係を予め設定した一定の位置関係に保った状態で前記光源および前記撮影手段を駆動制御して前記検査領域の反射光画像を獲得し、前記反射光画像に基づく光切断法による前記検査領域の光切断画像と、予め設定した前記検査領域の基準の光切断画像とを共に表示するようにしたことを特徴としている。
【0011】
本発明の請求項7にかかるボールねじナットの検査方法は、内周面に溝が形成されたボールねじナットの検査方法であって、請求項3記載のボールねじナットの検査方法を用いて前記ボールねじナットが良品であるか否かを判定する第1の検査工程と、請求項6記載のボールねじナットの検査方法を用いて前記ボールねじナットが良品であるか否かを判定する第2の検査工程と、前記第1の検査工程で良品と判定され且つ前記第2の検査工程で良品と判定されたボールねじナットのみを良品と判定することを特徴としている。
さらに、請求項8にかかるボールねじナットの検査方法は、前記第2の検査工程は、前記第1の検査工程で良品と判定されたボールねじナットのみを検査対象とすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1から請求項3にかかる発明によれば、内周面に溝が形成されたボールねじナットまたはナット素材の中空部分の容積を、検査用流体を利用して測定し、測定した容積に基づき、溝の加工が正常に行われか否かを判定する構成としたため、溝形状の検査を容易且つ短時間で行うことができる。
本発明の請求項4から請求項6にかかる発明によれば、検査領域にレーザースリット光を照射しその反射光画像を得ることにより光切断法による光切断画像を獲得し、この光切断画像と予め設定した前記検査領域の基準の光切断画像とを共に表示するため、これらを比較することによって直感的に異常の有無を判定することができ、且つ視覚的に判定することができる。
【0013】
本発明の請求項7および請求項8にかかる発明によれば、内周面に溝が形成されたボールねじナットまたはナット素材の中空部分の容積を、検査用流体を利用して測定し、測定した容積に基づき、溝の加工が正常に行われか否かを判定する第1の検査工程と、検査領域にレーザースリット光を照射しその反射光画像を得ることにより光切断法による光切断画像を獲得し、この光切断画像と予め設定した前記検査領域の基準の光切断画像とを共に表示しこれに基づき内周面に溝が形成されたボールねじナットまたはナット素材の検査を行う第2の検査工程とによる検査を共に行い、前記第1の検査工程で良品と判定され且つ前記第2の検査工程で良品と判定されたボールねじナットのみを良品と判定するため、より高精度に検査を行うことができる。
特に、請求項8にかかる発明によれば、第2の検査工程では、第1の検査工程で良品と判定されたボールねじナットのみを検査対象としているため、効率よく検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態における、除肉量による検査を行う検査装置の一例を示す構成図である。
【図2】図1の変形例である。
【図3】第2の実施の形態における、レーザ光切断法による検査を行う検査装置の一例を示す構成図である。
【図4】画面表示の一例である。
【図5】第3の実施の形態における検査方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明によるボールねじナットの検査装置の一例を示すブロック図である。
この第1の実施の形態における検査装置は、前述のように、転走溝および循環溝が形成されてなるボールねじナットにおいて、その製造過程途中の、中空の円筒状のナット素材1の内周面に循環溝2が塑性加工されているナット素材1を検査対象としたものであり、転走溝が形成される前の段階で検査を行うようにしたものである。なお、ここでは、転走溝が形成される前の段階で循環溝2の検査を行う場合について説明したが、これに限るものではなく、循環溝2と転走溝とが形成された段階でナット素材1の検査を行うことも可能である。
【0016】
図1に示すように、第1の実施の形態における検査装置は、検査対象物である、略円筒状のナット素材1の内周部の上端の開口部を密閉する上蓋(上密閉部材)11と、下端の開口部を密閉する下蓋(下密閉部材)12と、上蓋11および下蓋12で密閉されたナット素材1の内部に検査用流体を注入するポンプ(注入手段)13と、ナット素材1の中空部分に注入された検査用流体の総流量を計測する流量計(計測手段)14と、ナット素材1の中空部分に注入された検査用流体が基準レベルに達したかを検出する液面レベルセンサ15と、液面レベルセンサ15の検出信号に基づきポンプ13の駆動制御を行う制御器(制御手段)16と、を備える。
【0017】
前記上蓋11および下蓋12は、前記ナット素材1の上端および下端の開口部を塞ぐことにより、前記ナット素材1内部に注入された検査用流体を液漏れすることなく保持するように形成され、例えば図示しないプッシャにより、上蓋11および下蓋12を両側からナット素材1に押し付けることによって密閉するようになっている。なお、ここでは、上蓋11および下蓋12によりナット素材1の中空部分を密閉するようにしているが、ナット素材1の上端の開口部および下端の開口部を密閉することができれば、どのような構成であってもよい。
前記上蓋11には、前記検査用流体注入用の注入孔11aと空気穴11bとが形成されている。
【0018】
液面レベルセンサ15は、前記ナット素材1に注入された前記検査用流体の液面レベルが前記空気穴11bの上端まで達したことを検出するためのセンサであって、例えば、超音波式レベル計などで構成される。
制御器16は、液面レベルセンサ15からの検出信号に応じてポンプ13を駆動制御し、検査用流体が空気穴11bから溢れることなく且つ検査用流体の液面レベルが空気穴11bの上端部(基準レベル)に達した状態となるまで検査用流体を注入する。例えば、制御器16は、検査用流体の液面レベルがある程度のレベルとなった時点でポンプ13の吐出量を少なくし、以後、少量ずつ注入するなどして、検査用流体が空気穴11bから溢れないようにポンプ13を駆動制御する。
【0019】
なお、ここでは、検査用流体の基準レベルを空気穴11bの上端位置とし、空気穴11bの上端位置まで検査用流体を注入する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、基準レベルとして、空気穴11bの上端位置よりも所定量だけ下がった位置を設定してもよい。なお、基準レベルは、検査用流体の液面レベルが、検査対象である循環溝2を上回るレベルに設定される。
【0020】
また、前記検査用流体は、例えば、循環溝2だけでなく転走溝の加工が終了した状態など、ナットの製造工程において必要な加工が終了した状態であればナット素材1の潤滑に用いる潤滑油を検査用流体として用いることが可能であり、また、切削または研削加工前など、必要な加工が終了する前の段階であれば、当該ナット素材1の加工に用いる加工液などを検査用流体として用いることが可能である。
【0021】
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
まず、オペレータは、循環溝2が形成された検査対象のナット素材1の、上端および下端の開口部に、上蓋11および下蓋12をそれぞれ装着し、図示しないプッシャにより上蓋11および下蓋12を、ナット素材1に密着させる。
そして、制御器16によりポンプ13の駆動制御を開始して、検査用流体の注入を開始し、液面レベルセンサ15からの検出信号に基づき、検査用流体の液面レベルが基準レベルとなるように、すなわち、空気穴11bの上端位置となり、且つ空気穴11bから検査用流体が溢れないようにポンプ13の駆動制御を行う。
【0022】
検査用流体の液面レベルが基準レベルとなるまで検査用流体を、ナット素材1の中空部分に注入した後、オペレータは、流量計14の計測値から、検査用流体の液面レベルが基準レベルに達するまでに実際に注入された検査用流体の総量を把握し、この注入された検査用流体の総量と予め設定した基準流量とを比較する。
ここで、前記基準流量は、循環溝2が形成されていないときの、ナット素材1の開口部の上端および下端を塞いだ中空部分の容積と、循環溝2の加工が正常に行われたときの循環溝2の加工に伴い除去された除肉量の理論値(設計値)と、空気穴11bの中空部分の容積の容量との和相当に設定される。なお、前記循環溝2だけでなく転走溝も形成されている場合には、この転走溝の形成に伴い除去された除肉量の理論値も考慮して設定する。また、前記基準レベルを、空気穴11bの上端よりも下に設定した場合には、基準レベルを考慮して、注入された検査用流体の理論値を演算し、これを基準流量とすればよい。
【0023】
そして、注入された検査用流体の総量と基準流量との差がしきい値よりも大きいときには、循環溝2が加工された後のナット素材1の中空部分の容積が基準流量相当よりも大きくすなわち必要以上に循環溝2が大きく形成されたなど、循環溝2の形成に伴うナット素材1の変形が大きい可能性があるとして、または、循環溝2が十分な大きさに形成されていないなど循環溝2の形成に伴うナット素材1の変形が小さい可能性があるとして、正常な加工がなされていないNG品(不良品)と判定する。逆に、注入された検査用流体の総量と基準流量との差がしきい値以下であるときには、循環溝2の形成に伴う除肉量は規定値以内であり、適正に加工がなされたと判定する。
【0024】
以上説明したように、第1の実施の形態における検査装置においては、ナット素材1の中空部分の容積を測定することで、循環溝2の加工が正常に行われた否かを判定する構成としたため、従来の測定子を用いる場合に比較して、循環溝2の溝形状の検査を容易に行うことができ且つ短時間で行うことができる。
なお、上記第1の実施の形態においては、流量計14の計測値をもとにオペレータが不良品か否かを判定する場合について説明したがこれに限るものではない。
【0025】
例えば、図2に示すように演算器(第1の評価手段)17をさらに設け、この演算器17において、流量計14で計測された、実際に注入された検査用流体の総量と予め設定された基準流量との差がしきい値より大きいか否かを判定する判定処理を行うように構成する。そして、一つのナット素材1に注入される検査用流体の流量の計測が終了する毎に、その計測値に基づき自動的に判定を行うように構成する。また、例えば、検査対象のナット素材1を識別する番号とこのナット素材1に注入される検査用流体の流量の計測値とを対応付けて記憶する記憶手段をさらに設け、全てのナット素材1について注入される検査用流体の流量の計測が終了した後に、記憶手段に記憶した、各ナット素材1に対する計測値をもとに、各ナット素材1についてNG品かどうかの判定を行うように構成してもよい。
【0026】
また、上記第1の実施の形態においては、ポンプ13により注入される検査用流体の流量を計測することで、実際に注入された検査用流体の総量を演算する場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、ナット素材1の中空部分に、液面レベルが基準レベルに達するまで検査用流体を注入し、この検査用流体を排出するときにこの検査用流体の流量を計測することで注入された検査用流体の総量を計測するようにしてもよい。
【0027】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態における、ボールねじナットの検査装置は、光切断法を用いて検査を行うようにしたものであって、図3は、その一例を示すブロック図である。
この第2の実施の形態における検査装置は、図3に示すように、レーザースリット光を検査対象のナット素材1の内周面に照射する光源31aおよび光源31aから照射されたレーザースリット光の反射光からなる反射光画像を得るためのCCDカメラ(撮影手段)31bを備えたヘッド31と、ヘッド31を支持する支持機構(支持手段)32と、支持機構32の位置制御を行う位置制御部(制御手段)33と、CCDカメラ31bで撮影した反射光画像を画像処理して光切断法による光切断画像を生成する画像処理部34と、画像処理部34での画像処理により得た光切断画像と記憶部36に格納されている光切断画像の基準画像とを画像表示装置37に重ねて或いは並べて表示するとともに、これら光切断画像および基準画像を比較して検査対象のナット素材1の形状が正常であるか否かを判定する画像判定部35と、を備える。なお、画像処理部34、画像判定部35、画像表示装置37が表示制御手段に対応し、画像判定部35が第2の評価手段に対応している。
【0028】
前記支持機構32は、ヘッド31を、ヘッド31を通る回転軸(以後、ヘッド回転軸という)を中心として回転可能に支持し且つ前記ヘッド回転軸に沿って移動可能に支持する。そして、前記ヘッド31において、前記光源31aの光軸とCCDカメラ31bの光軸とはある角度をもってヘッド31に取り付けられる。前記角度は、前記ヘッド31のヘッド回転軸と検査対象のナット素材1の中心軸とを一致させた状態で前記ヘッド回転軸を軸中心としてヘッド31を回転させるとともにヘッド回転軸に沿って移動させることにより、前記CCDカメラ31bで撮影した反射光画像に基づき光切断法を用いた3次元計測により、ナット素材1の内周面の形状を計測可能な角度に設定される。
【0029】
位置制御部33は支持機構32を駆動制御し、前記ヘッド31のヘッド回転軸と検査対象であるナット素材1の中心軸とが一致するようにヘッド31を位置制御した状態で、ヘッド回転軸を軸中心にヘッド31を回転駆動するとともにヘッド回転軸に沿って移動させることにより、ヘッド31を所定の測定位置に移動させる。そして、前記検査対象のナット素材1の内周面全領域の測定位置での、前記光源31aから照射されたレーザースリット光の反射光からなる反射光画像を獲得する。また、位置制御部33は、前記ヘッド31が所定の測定位置に移動した時点で、前記光源31aにレーザースリット光の照射指示を行うとともに、CCDカメラ31bに対して反射光画像の撮影を指示する。
【0030】
前記測定位置は、一度の撮影により撮影可能な反射光画像の範囲に応じて任意に設定することができ、例えばヘッド回転軸に沿った位置に複数点、ナット素材1内周の周方向に複数点される。そして、ヘッド回転軸に沿った複数の地点で測定を行い、且つ、回転軸に沿った各位置において周方向にさらに複数の地点で測定を行うことによって、ナット素材1の内周面の全領域について、反射光画像を獲得することができるようになっている。
【0031】
画像処理部34は、CCDカメラ31bで撮影した反射光画像の画像情報と、位置制御部33からのヘッド31の位置情報とをもとに、光切断法を用いて反射光画像を、高さと幅の座標データに変換して、各測定位置における光切断画像を得る。そして、この光切断画像を測定位置と対応付けて記憶部36に格納するとともに画像判定部35に対して測定位置を通知する。
【0032】
画像判定部35は、画像処理部34から測定位置が通知されると、通知された測定位置に対応する光切断画像を、記憶部36から獲得するとともに、記憶部36に格納されている、ナット素材1の内周面の基準画像のうち、通知された測定位置に対応する光切断画像を獲得する。
ここで、前記基準画像は、前記ナット素材1において循環溝2を設計通りに作成した場合に得られるであろう、前記ナット素材1の内周面の理論上の光切断画像であって、予め生成されてその測定位置と対応付けられて格納されている。
【0033】
また、基準画像における光切断画像の測定位置を表す位置座標と、CCDカメラ31bで撮影した反射光画像から得られる光切断画像の測定位置を表す位置座標とは同一座標に設定される。例えば、基準画像における位置座標の原点に対応するナット素材1の内周面上の位置を基準点として予め設定しておき、この基準点を測定するときのヘッド31の、ヘッド回転軸に沿った位置およびヘッド転軸を軸中心とする周上の位置を、ヘッド31の初期位置とする。そして、このヘッド31が初期位置にあるときの測定位置を、位置座標の原点として設定することにより、基準画像における位置座標と、測定した光切断画像の測定位置を表す位置座標とを一致させる。
【0034】
そして、画像判定部35では、測定した光切断画像と基準画像における光切断画像とを並べて或いは重ねて画像表示装置37に表示する。このとき、画像判定部35では、例えば図4に示すように、反射光画像から獲得した光切断画像(図4中に実線で示す)と基準画像における光切断画像(図4中に破線で示す)とを重ねて表示する場合には、これらの位置座標を重ねて合わせて表示し、上下に並べて表示する場合にはそれぞれの位置座標の縦軸が同一ライン上に並ぶように表示し、左右に並べて表示する場合にはそれぞれの位置座標の横軸が同一ライン上に並ぶように表示する。なお、反射光画像から得た光切断画像と基準画像における光切断画像とを重ねて表示するか、或いは上下または左右に並べて表示するかは、予め設定しておいてもよく、或いは入力装置38により選択可能に構成してもよい。
【0035】
さらに画像判定部35は、反射光画像から得た光切断画像と基準画像における光切断画像とを比較し、これら光切断画像のずれ量を演算する。例えば図4に示すように溝の高さ方向にずれが生じている場合には高さのずれ量を演算する。また、例えば溝の幅方向にずれが生じている場合には幅のずれ量を演算する。このずれ量の演算は、例えば、光切断画像における切断位置の位置座標を比較すること等により行う。
【0036】
そして、ずれ量がしきい値より大きい場合には、ナット素材1の内周面の加工が正常に行われていない可能性があるとしてNG品と判定する。逆に、ずれ量がしきい値以下である場合には、ナット素材1の内周面の加工が正常に行われたOK品(良品)と判定する。また、ずれ量がしきい値より大きくなる測定地点が複数存在する場合には、ナット素材1の中心軸とヘッド31のヘッド回転軸とにずれが生じている可能性があるとして再測定と判定する。なお、このとき、反射光画像から得た光切断画像と基準画像における光切断画像とのずれ量から、ナット素材1の中心とヘッド31のヘッド回転軸とのずれ量を演算するようにしてもよい。
【0037】
なお、前記光切断画像を表示する場合には、上記のように各測定位置における光切断画像のみを表示するようにしてもよく、或いは各測定位置における光切断画像をもとにナット素材1の内周面全領域の光切断画像を表示するようにしてもよく、さらに画像表示装置37において表示されたナット素材1の内周面全領域の光切断画像において、オペレータが指定した位置に対応する光切断画像或いは、指定した範囲に対応する複数の光切断画像を表示するように構成してもよい。
【0038】
次に、上記第2の実施の形態の動作を説明する。
まず、検査対象のナット素材1の内周面上に設定した基準点を測定する位置にヘッド31を位置決めし、このときの測定位置を位置座標の原点として設定する。
この状態から、位置制御部33により支持機構32が駆動制御されヘッド31が所定の測定地点に移動され、光源31aによるレーザースリット光の照射が行われ、このときの反射光がCCDカメラ31bで撮影される。そして撮影された反射光画像から得られた光切断画像と、基準画像における対応する光切断画像とが画像表示装置37に表示され、これら光切断画像のずれ量がしきい値より大きいか否かに応じてNG品か否かの判定が行われ、NG品、またはOK品として判定結果が画像表示装置37に表示される。そして、以後この処理が繰り返し行われ、各測定位置における光切断画像が画像表示装置37に表示されるとともにその判定結果が表示される。このため、オペレータは画像表示装置37を参照することによって、ナット素材1の内周面の加工が正常に行われたかどうかを判定することができる。
【0039】
このとき、ナット素材1の内周面の検査を行う際には、所定の測定位置においてレーザースリット光を照射し、その反射光の態様を検出するだけでよく、各測定位置における光切断画像を画像表示装置37に表示し且つ基準画像における対応する光切断画像とともに表示しているため、オペレータは、表示された反射光画像から得た光切断画像と基準画像における光切断画像とを比較することによって直感的に異常の有無を判定することができ、且つ視覚的に判定することができる。
【0040】
また、ナット素材1の内周面全領域について検査を行っているため、循環溝2の加工によるナット素材1の歪み、具体的には、真円度崩れの有無などをも検査することができる。
なお、上記第2の実施の形態においては、画像判定部35においてNG品か否かの判定を行うようにしているが、まず、画像表示装置37に表示された光切断画像をオペレータが目視により比較することによってOK品であるか否かを判定し、オペレータの目視によりNG品と判定された場合に、例えばオペレータが入力装置38で操作入力を行うことによって、このときの光切断画像についてのみ、ずれ量の演算を行うように構成してもよい。
【0041】
また、画像判定部35において、入力装置38でのオペレータの操作入力による位置座標に対応する、反射光画像から得た光切断画像および基準画像における光切断画像を記憶部36から読み出し、これらを重ねて或いは並べて表示するように構成してもよい。
また、上記第2の実施の形態においては、ナット素材1の内周面全域について検査を行う場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、循環溝2のみを検査することも可能である。この場合には、循環溝2が形成される領域に対応する測定位置を予め循環溝2に対応する測定領域として設定しておく。そして、例えばオペレータが入力装置38において循環溝2のみを検査するとの指示入力を行ったときには、この設定された測定領域内の測定位置にのみヘッド31を移動させて光切断画像を得るように構成すればよい。このように、循環溝2の部分のみを測定することによって、循環溝2の軸方向位置やピッチなども計算することができる。
【0042】
また、検査対象のナット素材1として循環溝2だけでなく転走溝を形成した後のナット素材1を適用することも可能であり、この場合も、ナット素材1の内周面全域について検査を行ってもよく、また循環溝2部分と転走溝部分とのみを検査するように構成してもよい。
また、上記第2の実施の形態においては、前記ナット素材1を設計通りに作成した場合に得られるであろう、前記ナット素材1の内周面の理論上の光切断画像を基準画像として用いる場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、検査対象のナット素材1の設計値どおりに別途循環溝2を備えたナット素材を作成し、図3の検査装置とは別の検査手段により内周面の検査を行う。そしてこの検査によって正常と判定されたナット素材を基準のナット素材として用意する。
【0043】
そして、まず、この正常と判定されている基準のナット素材について上記と同様の手順で検査を行って、各測定位置における光切断画像を獲得し、この各測定位置における光切断画像を基準画像として記憶部36に格納する。そして、以後、この計測した光切断画像を基準画像として用いて、上記と同様の手順で検査を行うようにしてもよい。
また、上記第2の実施の形態において、光源31aおよびCCDカメラ31bを、これらの相対位置関係を保ったまま、ヘッド31のヘッド回転軸を軸中心としてその径方向にヘッド31上において移動可能に構成してもよい。このように構成することによって、光源31aおよびCCDカメラ31bとナット素材1の内周面との間の距離を調整することができる。このため、内径の異なるナット素材1の検査を行う場合であっても、光源31aおよびCCDカメラ31bを移動し、これらとナット素材1の内周面との間の距離を調整することによって、容易に検査を行うことができる。
【0044】
さらに、光源31aおよびCCDカメラ31bを、これらの相対位置関係を保ったままヘッド31上において180度回転可能に構成し、光源31aおよびCCDカメラ31bを180度回転させてレーザースリット光の照射方向を替え、さらに、ヘッド31上においてヘッド回転軸を中心としてその径方向に移動させ、レーザースリット光がナット素材1の外周面を照射する位置にヘッド31を移動させることによって、ナット素材1の外周面の検査も行うように構成してもよい。なお、ナット素材1の外周検査時には、反射光画像から得た光切断画像のみを画像表示装置37に表示し、オペレータの目視によりその形状を判定するようにすればよい。また、例えば、画像判定部35において、計測した光切断画像に切断部があるか否かを判定することによって、自動的に外周形状を判定するように構成してもよい。
【0045】
なお、上述のようにヘッド31上において、光源31aおよびCCDカメラ31bの位置を調整する場合に限るものではなく、例えば、前記図3の支持機構32において、ヘッド31を任意の回転軸中心に回転可能に支持し且つ回転軸に沿って移動可能に支持するように構成するとともに、さらに、ヘッド31を、回転軸を軸中心としてその径方向にも移動可能に支持するように構成する。そして、ヘッド31の光軸31aおよびCCDカメラ31bとナット素材1の内周面と相対位置関係を一定に保ったままヘッド31をナット素材1の内周面全領域を走査させ、且つ、ヘッド31の光軸31aおよびCCDカメラ31bとナット素材1の内周面と相対位置関係を一定に保ったままヘッド31をナット素材1の外周面全領域を走査させることで、内径の異なる任意のナット素材1であっても検査を行うことが可能であり、且つナット素材1の外周についても検査を行うことができるように構成することも可能である。
【0046】
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
この第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態における検査装置による除肉量に基づく検査と、第2の実施の形態における検査装置による光切断法による検査とを組み合わせて検査するものである。除肉量に基づく検査に用いる検査装置および光切断法による検査に用いる検査装置は、上記第1の実施の形態および第2の実施の形態における検査装置と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
図5は、第3の実施の形態における検査方法を説明するためのフローチャートである。すなわち、まず、図1に示す検査装置を用いて、除肉量に基づく検査を行う(ステップS2)(第1の検査工程)。
【0047】
そして、この除肉量に基づく検査の結果、NG品と判定された場合(ステップS4)には処理を終了する。一方、除肉量に基づく検査の結果、NG品と判定されない場合には、ステップS4からステップS6に移行し、図3に示す検査装置を用いて、光切断法による検査を行う(第2の検査工程)。
光切断法による検査の結果、NG品と判定された場合(ステップS8)には処理を終了する。一方、NG品と判定されない場合にはステップS10に移行し、OK品と判定し処理を終了する。
【0048】
ここで、ステップS2での除肉量の検査によって、「NG品ではない」と判定されたとしても、除肉量の検査では鍛造や切削などが所定量だけ行われたかどうかについては判定することはできるが、必ずしも循環溝2の溝形状が正常であると判定することはできない。
そこで、ステップS2での除肉量の検査により、「NG品ではない」と判定されたものについては、さらにステップS6での光切断法による検査を行い、反射光画像を撮影することにより実際に循環溝2の形状を測定し基準画像と対比することで循環溝2の形状が正常であるかを判定するため、これら2つの異なる検査を組み合わせることによって、NG品であるか否かの判定をより精度よく行うことができる。
【0049】
また、全てのナット素材1に対して除肉量の検査とレーザ光切断法による検査との両方を行うのではなく、まず除肉量の検査を行って除肉量の観点からNG品をより分け、さらに、除肉量の検査で「NG品ではない」と判定されたものについてのみ、光切断法による検査を行うため、ナット素材1の検査を効率よく行うことができ、結果的に、ナット素材1の検査を短時間かつ簡単に行うことができる。
【符号の説明】
【0050】
1 ナット素材
2 循環溝
11 上蓋
12 下蓋
13 ポンプ
14 流量計
15 液面レベルセンサ
16 制御器
17 演算器
31 ヘッド
31a 光源
31b CCDカメラ
32 支持機構
33 位置制御部
34 画像処理部
35 画像判定部
36 記憶部
37 画像表示装置
38 入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に溝が形成されたボールねじナットの検査装置であって、
前記ボールねじナットまたは内周面に溝が形成された円筒状のナット素材の開口部上端を密閉する上密閉部材および前記開口部下端を密閉する下密閉部材と、
前記上密閉部材および下密閉部材により前記開口部を密閉した状態で前記ボールねじナットまたは前記ナット素材の内周部の中空部分に検査用流体を注入する注入手段と、
前記中空部分に注入された検査用流体の液面レベルを計測する液面レベルセンサと、
前記注入手段による前記検査用流体の注入量を制御し、前記液面レベルセンサのセンサ信号に基づき前記中空部分に注入された検査用流体の液面レベルが予め設定した基準レベルに達するまで前記検査用流体を注入する制御手段と、
前記中空部分に注入された検査用流体の総量を計測する計測手段と、を備えることを特徴とするボールねじナットの検査装置。
【請求項2】
前記計測手段により計測された検査用流体の総量と、前記溝の形成に伴う前記内周面の除肉量に基づき演算された、前記検査用流体の液面レベルが前記基準レベルに達するまでに前記中空部分に注入された検査用流体の総量の理論値とに基づき、前記内周面の形状を評価する第1の評価手段、をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のボールねじナットの検査装置。
【請求項3】
内周面に溝が形成されたボールねじナットの検査方法であって、
前記ボールねじナットまたは内周面に溝が形成された円筒状のナット素材の開口部上端および下端を密閉した状態で前記ボールねじナットまたは前記ナット素材の内周部の中空部分に検査用流体を注入し、
前記中空部分に注入された検査用流体の液面レベルが予め設定した基準レベルに達するまでに前記中空部分に実際に注入された検査用流体の総量と、前記溝の形成に伴う前記内周面の除肉量に基づき演算された、前記検査用流体の液面レベルが前記基準レベルに達するまでに前記中空部分に注入された検査用流体の総量の理論値とに基づき、前記内周面の形状を評価することを特徴とするボールねじナットの検査方法。
【請求項4】
内周面に溝が形成されたボールねじナットの検査装置であって、
スリット光を照射する光源および当該光源から照射されるスリット光の反射光画像を撮影する撮影手段を備えたヘッドと、
当該ヘッドを支持する支持手段と、
前記ボールねじナットまたは内周面に溝が形成された円筒状のナット素材の内周面の検査領域と前記光源および前記撮影手段との相対位置関係が予め設定した一定の位置関係となるように前記支持手段を駆動制御し、且つ前記光源および前記撮影手段と前記検査領域との相対位置関係が前記一定の位置関係となったとき前記光源および前記撮影手段を駆動制御して前記検査領域の反射光画像を獲得する制御手段と、
前記反射光画像に基づく光切断法による前記検査領域の光切断画像と、予め設定した前記検査領域の基準の光切断画像とを共に表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とするボールねじナットの検査装置。
【請求項5】
前記反射光画像に基づく前記検査領域の光切断画像と前記基準の光切断画像とのずれ量を演算して前記検査領域の形状を評価する第2の評価手段、をさらに備えることを特徴とする請求項4記載のボールねじナットの検査装置。
【請求項6】
内周面に溝が形成されたボールねじナットの検査方法であって、
前記ボールねじナットまたは内周面に溝が形成された円筒状のナット素材の内周面の検査領域とスリット光を照射する光源および当該光源から照射されるスリット光の反射光画像を撮影する撮影手段との相対位置関係を予め設定した一定の位置関係に保った状態で前記光源および前記撮影手段を駆動制御して前記検査領域の反射光画像を獲得し、
前記反射光画像に基づく光切断法による前記検査領域の光切断画像と、予め設定した前記検査領域の基準の光切断画像とを共に表示するようにしたことを特徴とするボールねじナットの検査方法。
【請求項7】
内周面に溝が形成されたボールねじナットの検査方法であって、
請求項3記載のボールねじナットの検査方法を用いて前記ボールねじナットが良品であるか否かを判定する第1の検査工程と、
請求項6記載のボールねじナットの検査方法を用いて前記ボールねじナットが良品であるか否かを判定する第2の検査工程と、
前記第1の検査工程で良品と判定され且つ前記第2の検査工程で良品と判定されたボールねじナットのみを良品と判定することを特徴とするボールねじナットの検査方法。
【請求項8】
前記第2の検査工程は、前記第1の検査工程で良品と判定されたボールねじナットのみを検査対象とすることを特徴とする請求項7記載のボールねじナットの検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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