説明

ポイント管理装置

【課題】任意の登録者により登録されたポイントに基づき、リンクコストを変更し通行制御を行う。
【解決手段】ポイント登録システム300は、ポイント登録者310が、インターネットINTに接続されたクライアントパソコンなどを使用して、地図データ110に格納されている地図データ上を参照し、任意の地物、道路などに10p、20p等、サーバ100の登録ポイント130に登録する。かかるポイントは、サーバ100において、道路に登録したポイントは道路を表すリンクに、地物に登録したポイントは、地物を表すポリゴンに登録される。サーバ100は、ナビゲーション装置200から出発地情報、目的地情報などを受信して、ポイント登録システム300により登録されたポイントをリンクの評価値であるリンクコストに反映して経路探索を行い、探索結果をナビゲーション装置200へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リンク評価値を有する地図ネットワークデータを利用した経路探索方法および、地図ネットワークデータに登録されたポイントを、ユーザに付与するポイント管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータで利用可能に電子化された地図データ、いわゆる電子地図データを利用して、地図の表示や経路探索などを行うナビゲーション装置が普及している。ナビゲーション装置は、車載用、携帯用など、幅広く使用されている。電子地図データは、経路探索を行うための経路探索用データを備えている。経路探索用データは、道路(通路)を表すリンクデータや、交差点や行き止まりなどの道路の端点を表すノードデータ、および、ランドマーク情報などを備えている。リンクデータには、各道路を識別するためのリンクIDや、平均通行所要時間などの道路の評価値を表すリンクコストなどが含まれる。リンクコストは、道路の種別、通行料金の有無、時間帯、渋滞発生率など種々の要因に基づき、道路の管理者が決定しており、ナビゲーション装置は、一般的に、かかるリンクコストに基づき、経路探索を行っている。
【0003】
また、近年では、有料道路、施設などを利用するユーザに対して、利用度によりサービスポイントにより還元することで、利用促進を図るシステム(特許文献1参照)や、有料道路において、渋滞状況に応じ、料金を返金するシステム(特許文献2参照)が検討されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002―216187号公報
【特許文献2】特開2002―260037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の経路探索方法は、ネットワークデータの作成者が設定したリンクコストにのみ基づいて行われており、施設等に付与されたポイントは経路探索に考慮されていなかった。そのため、施設を利用したユーザにポイントを付与するサービスポイントシステムにおいては、例えば、ポイントを登録しユーザの利用の促進を図った場合でも、経路探索によりかかる道路が探索される可能性が低く、ポイント登録の効果が反映されにくいという問題点があった。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、管理者以外の外部から入力されたポイントを経路探索にリンクコストに反映し、種々の条件に対応した経路探索を行うことを目的とする。また、かかるポイントをユーザに付与することにより、道路や施設の利用を促進するポイント管理を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
ノードおよびノード同士をつなぐリンクを有し、該リンクに、経路探索用のリンク評価値が設定された地図データを利用して経路探索を行う経路探索装置であって、ポイント登録者から指定されたポイントを、前記地図データの地物および前記リンクと対応づけてデータベースに登録する登録手段と、ユーザから、少なくとも、出発地情報および目的地情報を受信する受信部と、前記リンク評価値と、前記ポイントと、前記受信した情報とに基づき経路探索を行い、その結果を前記ユーザへ報知する経路案内部とを備えることを要旨とする。
【0009】
リンク評価値とは、道路の距離、通行所要時間、種別や、渋滞発生率などに基づき設定される値であり、ネットワークデータ作成時に、予め設定されている。経路探索には種々の方法が挙げられるが、例えば、ダイクストラ法によれば、出発地から目的地までのリンク評価値の積算値が低いほど、優先して探索する方法をとることができる。
【0010】
適用例1の経路探索装置によれば、リンク評価値と、ポイント登録者により、地図データに対応づけて登録されたポイントとを加味した経路探索を行うことができる。こうすれば、例えば、ポイント登録者が、店舗、施設などの管理者である場合には、ポイントを登録した箇所へ、ユーザを誘導することができ、商業上の効果を向上することができる。また、例えば、ポイント登録者が、道路の管理者である場合には、登録するポイントにより、通行制御を行うことができる。
【0011】
[適用例2]
適用例1の経路探索装置において、前記経路案内部は、前記リンク評価値および前記受信した情報に基づき、複数の経路を探索し、該複数の経路に含まれる前記リンクに登録された前記ポイントに基づき決定し、該経路探索結果を、前記ユーザへ報知することとしてもよい。
【0012】
例えば、従前のダイクストラ法を用いて経路探索を行った場合には、リンク評価値の積算値の低い順に探索された複数の経路から、かかる経路のリンクに登録されたポイントの合計値の高い経路を、かかる合計ポイントとともに、ユーザへ報知することができる。複数の経路を報知することとしてもよいし、例えば、ポイントの合計値の上位から3経路を報知することとしてもよい。リンクに登録されたポイントのみでなく、地物に登録されたポイントを、併せて加味することとしてもよい。
【0013】
適用例2の経路探索装置によれば、リンク評価値を基準として複数の経路候補を探索するため、通行しやすい経路が探索される。かかる複数の経路候補に、ポイントを加味した結果を、ユーザに通知するため、ユーザは、ポイントと通行しやすさとを考慮しつつ、柔軟に経路を選択することができるため、利便性が向上する。
【0014】
[適用例3]
適用例1の経路探索装置において、前記経路案内部は、前記リンク評価値に、前記ポイントを反映し、前記変更後のリンク評価値と、前記受信した情報とに基づき、経路探索を行うこととしてもよい。
【0015】
適用例3の経路探索装置によれば、ポイント登録者により地図データに対応付けて登録されたポイントを反映したリンク評価値により経路探索を行うことができ、経路の誘導だけでなく、例えば、ポイントをリンク評価値に反映する際に、リンク評価値を増加させることとすれば、経路の敬遠を行うことも可能である。例えば、道路管理者、道路工事管理者などの、一時的、限定的な通行量の制限や、夜間の住宅地近傍の通行量の抑制、通勤、通学時間帯の、バス通行道路の通行量の制御などを行うことができる。
【0016】
[適用例4]
適用例3の経路探索装置において、前記リンク評価値変更部は、前記リンクの少なくとも一部を含む所定の範囲内に登録された前記ポイントを、該リンクのリンク評価値に反映することとしてもよい。適用例4の経路探索装置によれば、柔軟にリンク評価値を変更することができる。
【0017】
[適用例5]
適用例3または適用例4の経路探索装置において、前記リンクは、属性情報を有し、前記リンク評価値変更部は、前記属性情報に基づき、前記リンク評価値への前記ポイントの反映方法を変更することとしてもよい。
【0018】
属性情報とは、例えば、高速道路、国道などの道路種別や、道路幅、規定速度、一方通行等の通行規制等、道路に関する情報とすることができる。適用例5の経路探索装置によれば、登録されたポイントのリンク評価値への影響の度合いを、属性情報により制御することができる。
【0019】
[適用例6]
適用例1の経路探索装置において、前記ポイント登録者が前記登録の操作を行うための操作部に、前記地図データに基づき地図を表示させる制御を行う地図表示手段と、前記ポイント登録者による前記操作部への操作に応じて、前記ポイントおよび該ポイントの登録箇所の指定を受け付ける登録箇所受付手段とを備え、前記登録手段は、該登録箇所に対応する前記リンク、または、地物に対応づけて前記登録を行うこととしてもよい。適用例6の経路探索装置によれば、ポイント登録者は、簡易にポイント登録箇所を指定することができるため、利便性を向上することができ好適である。
【0020】
[適用例7]
ノードおよびノード同士をつなぐリンクを有し、該リンクに、リンクを評価するリンク評価値が設定された地図データを利用するユーザに付与されるポイントを管理するポイント管理装置であって、ポイント登録者により登録されたポイントを、前記地図データ中のリンク又は地物と対応づけて登録したデータベースを参照するポイントデータ参照部と、と、前記ユーザの移動軌跡を、前記地図データ上で特定可能な移動情報を取得する移動情報取得部と、前記移動情報に基づき特定されるリンク又は地物に対応する前記ポイントを、ユーザごとに積算し、前記ユーザごとのポイントの合計を表す積算ポイントを管理するポイント管理部とを備えることを要旨とする。
【0021】
地図データは、例えば、ハードディスクやCD−ROMなどの記憶媒体から参照することとしてもよいし、ネットワークを介してサーバなどから取得することとしてもよい。後者の場合には、必要な地図データのみ、適宜、受け取ることとすれば、ネットワーク負荷を軽減することができ好ましい。ポイント登録者は、例えば、店舗の経営者、道路に面した位置に設置された宣伝用看板の管理者、道路の管理者等とすることができる。ポイント登録者により登録されたポイントは、例えば、サーバに蓄積されていることとでき、ポイントが登録された道路や施設をユーザが使用した場合に付与され、積算ポイントに応じた商品と交換可能とすれば、ユーザの施設利用を促進することができ、好適である。
【0022】
適用例7のポイント管理装置によれば、地図データを利用して移動したユーザに対してポイントを付与するため、地図データの利用促進を図るとともに、ポイント登録者には広告・宣伝の効果を向上することが可能となる。
【0023】
適用例7のポイント管理装置は、サーバ側、ユーザ側のいずれにも構築することができる。例えば、前者に構築されている場合は、ユーザからユーザを特定可能なユーザ情報、移動情報などを取得することで実現でき、ユーザ側の装置の処理負荷を軽減することができる。後者に構築されている場合には、ユーザ情報と移動情報とをサーバに通知することとしてもよいが、ネットワークを介して地図データを取得する際に、関連づけて登録されているポイントを併せて取得することとすれば、その後のサーバとの情報の授受を必要とせず、付与されるポイントを知ることができる。複数のポイント登録者に対して、複数の地図データのユーザが存在することとなるため、ユーザの取得した積算ポイントは、サーバ側で一元的に管理することが運用上好ましい。かかる場合には、例えば、ユーザは所定のタイミングで、ユーザ情報と取得ポイントをサーバへ通知することとすれば、容易に実現できる。
【0024】
[適用例8]
適用例7のポイント管理装置において、前記移動情報は、前記ユーザの移動した移動履歴としてもよい。移動履歴には、例えば、道路の通過所要時間や、通過時刻、施設の滞在時間などを特定可能な情報が含まれることとすれば、種々の情報に基づきポイントを付与することができるため、好適である。
【0025】
[適用例9]
適用例7または適用例8のポイント管理装置において、前記移動情報は、移動所要時間を特定可能な情報が含まれており、前記ポイント加算部は、前記移動所要時間に基づき、前記ポイントを変更し加算することとしてもよい。
【0026】
移動所要時間を特定可能な情報とは、例えば、道路の移動所要時間そのものとしてもよいし、道路の距離と道路の通過時の平均速度から算出することとしても良い。ポイント加算部は、例えば、予め設定されている移動所要時間に比例する係数をポイントに乗算することとしてもよいし、所定ポイントを加減算することとしてもよい。例えば、移動所要時間が10分以上であったユーザには、通常付与されるポイントに5ポイント増加するなど、柔軟にポイントを変更して加算することができ、利便性が向上する。
【0027】
[適用例10]
適用例7ないし適用例9いずれかのポイント管理装置において、また、前記移動情報には、移動距離を特定可能な情報が含まれており、前記ポイント加算部は、前記移動距離に基づき、前記ポイントを変更し加算することとしてもよい。
【0028】
移動距離は、例えば、移動したリンクの属性情報によって管理されている各リンクが表す道路の距離の合計とする、平均速度と移動所要時間とから算出することとできる。ポイント加算部は、例えば、かかる移動距離が所定距離以上の場合には、ポイントを倍にする、リンクを最後まで通行せずに、脇道にそれた場合には、ポイントを半減する、または、移動距離に比例して所定ポイント加算するなどとすることができる。適用例10のポイント管理装置によれば、ユーザの利用率を、更に反映したポイント管理を行うことができる。
【0029】
[適用例11]
適用例1ないし適用例10いずれかのポイント管理装置において、ユーザに対して、前記地図データを表示する表示手段に対して、前記ポイントが登録されたポイント登録箇所を、強調表示させる表示制御部とを備えることとしてもよい。
【0030】
強調表示とは、例えば、ポイントが登録された箇所の表示を、色彩、表示サイズの変更、点滅、付加情報の吹き出し等により表示することとしてもよいし、また、道路は赤、施設は青とする等の属性情報により表示方法を切り換えることとしてもよい。登録されているポイントにより表示を切り換えることとしてもよい。ポイント登録箇所が、通常表示よりもユーザが認識しやすい表示とすることが好ましい。こうすることにより、ユーザは、例えば、ポイントが登録されている箇所が密集している地域など、ポイントが登録されている箇所を簡易に視認することができ、利便性が向上する。また、ポイント登録者は、広告・宣伝効果を向上することができ好適である。
【0031】
また、ユーザの現在地位置情報に基づく所定の範囲内に存在するポイント登録箇所を、強調表示することとしてもよい。所定の範囲内とは、現在地情報を中心に考える必要はなく、例えば、ユーザの進行方向に対し、現在地情報が円弧の下端となる範囲としてもよいし、円に限らず種々の形状の領域としてもよい。適用例11のポイント管理装置によれば、ユーザは、現在地の近辺に存在するポイント登録箇所を把握することが可能となり、利便性が向上する。
【0032】
[適用例12]
適用例11のポイント管理装置において、前記ユーザの属性を特定可能な情報を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段を備え、前記表示制御部は、前記ユーザ情報に基づき、強調表示する箇所を切り換える制御を行うこととしてもよい。
【0033】
ユーザ情報取得手段とは、例えば、予め、サーバ側にユーザに関する情報が登録されており、ユーザから、ユーザを特定可能な情報を受け取ることにより、属性情報などを取得することとしても良いし、年齢、性別、嗜好などを、逐一、入力することとしてもよい。
【0034】
適用例12のポイント管理装置によれば、ユーザは、数多く設定されているポイント登録箇所から自分に適切なポイント登録箇所を容易に確認することができるため、利便性が向上する。
【0035】
本発明は、上述したポイントに基づく通行制御装置、および、ポイント管理装置としての構成の他、通行制御方法、ポイント管理方法として構成しても良い。また、本発明の通行制御、および、ポイント管理をコンピュータによって実現するためのコンピュータプログラム、かかるプログラムを記録した記録媒体として構成しても良い。記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(ROMやRAM等のメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施例におけるナビゲーションシステム1000の概略構成を示す説明図である。
【図2】第1実施例におけるサーバ100およびナビゲーション装置200の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】第1実施例における地図データ110に格納されている電子地図データの構造を例示する説明図である。
【図4】第1実施例におけるネットワークデータ410におけるリンクコストを例示する説明図である。
【図5】第1実施例におけるポイント登録者310によるポイント登録処理を説明するフローチャートである。
【図6】第1実施例におけるポイント登録画面320および登録ポイント130を例示する説明図である。
【図7】第1実施例における経路探索処理を説明するフローチャートである。
【図8】第1実施例におけるポイントをリンクコストに反映させる処理を説明するフローチャートである。
【図9】第1実施例における新リンクコストを反映したネットワークデータ420および経路探索結果を例示する説明図である。
【図10】第1実施例における表示パネル210に表示される経路探索結果を例示する説明図である。
【図11】第1実施例におけるユーザに付与されるポイントの加算処理を説明するフローチャートである。
【図12】第2実施例におけるナビゲーション装置200の構成を示す機能ブロック図である。
【図13】第2実施例におけるポイント計算処理を説明するフローチャートである。
【図14】第3実施例におけるポイント登録箇所の強調表示を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について、以下の項目に分けて説明する。
A.第1実施例:
A1.システム構成:
A2.機能ブロック図:
A3.地図データ構造:
A4.リンクコスト:
A5.ポイント登録処理:
A6.経路探索:
A6−1.経路探索処理:
A6−2.リンクコスト変更処理:
A6−3.経路探索結果:
A7.ポイント加算処理:
A8.第1実施例のバリエーション:
B.第2実施例:
B1.機能ブロック図:
B2.ポイント変更処理:
B3.第2実施例のバリエーション:
C.第3実施例:
C1.強調表示処理:
C2.第3実施例のバリエーション:
D.変形例:
【0038】
A.第1実施例:
A1.システム構成:
図1は、第1実施例としてのナビゲーションシステム1000の概略構成を示す説明図である。本実施例のナビゲーションシステム1000は、サーバ100と、ナビゲーション装置200と、ポイント登録システム300とから構成されている。サーバ100と、ナビゲーション装置200と、ポイント登録システム300とは、インターネットINTを介して接続され、各種データの授受を行う。
【0039】
サーバ100には、地図データ110と、ユーザ獲得ポイント120と、登録ポイント130の各種データベースが構築されている。地図データ110には、電子地図データが格納されている。登録ポイント130には、ポイント登録者310により、ポイント登録画面320から、電子地図データ上の道路、地物などに関連づけられたポイントが登録されており、電子地図データを使用して移動したユーザに対して、かかるポイントが付与される。ユーザ獲得ポイント120には、ユーザに付与されたポイントを、ユーザ情報と対応づけて管理されている。
【0040】
サーバ100は、ナビゲーション装置200から出発地情報、目的地情報などを受信して経路探索を行い、ナビゲーション装置200へ送信する機能を奏する。また、ポイント登録システム300から、電子地図データ上の道路、地物などに対して登録されたポイントを管理し、かかるポイントを経路探索に反映する。
【0041】
ナビゲーション装置200は、中継局STと、無線通信を行うことにより、インターネットINTを介してサーバ100と接続され各種データの授受を行っている。ナビゲーション装置200は、表示パネル210と、操作パネル220とを備えている。表示パネル210は、地図や文字情報、メニュー画面、経路探索の結果、ポイント登録箇所などを表示する。操作パネル220は、表示パネル210に表示された地図上のカーソルの移動や、縮尺の設定、変更、画面のスクロール、目的地に関する情報の入力を含むメニュー画面での各種設定等、ユーザの指示を入力するためのものである。
【0042】
ポイント登録システム300は、ポイント登録者310が、インターネットINTに接続されたクライアントパソコンなどを使用して、地図データ110に格納されている地図データ上を参照し、任意の地物、道路などに10ポイント(以降、ポイントの単位を「p」で表すこととする)、20p等と、ポイントを登録するシステムである。
【0043】
本実施例では、ナビゲーション装置200は、車載されるタイプのいわゆるカーナビゲーション装置であるものとした。以降では、サーバ100、ナビゲーション装置200の構成を示す機能ブロック図、処理詳細、ポイント登録システム300の処理詳細を示す。
【0044】
A2.機能ブロック:
図2は、サーバ100およびナビゲーション装置200の構成を示す機能ブロック図である。
【0045】
ナビゲーション装置200の制御ユニット230は、CPU、ROM、RAM等を備えるマイクロコンピュータとして構成されており、制御部231と、通信部232と、現在地検出部233と、コマンド入力部234と、表示制御部235とを備えている。これらの機能ブロックは、ソフトウェア的に構成されている。ハードウェア的に構成してもかまわない。
【0046】
制御部231は、制御ユニット230内の各部の制御を行う。通信部232は、中継局STと、無線通信を行い、インターネットINTを介してサーバ100と各種データの授受を行う。現在地検出部233は、図示しないGPSアンテナが受信する人工衛星からの電波に基づき、現在位置を検出する。コマンド入力部234は、操作パネル220の操作によるユーザの指示や経路探索における目的地などを入力する。目的地は、例えば、目的地の住所、名称、電話番号などによって特定することができる。表示制御部235は、表示パネル210に表示すべき画面を制御する。
【0047】
サーバ100の制御ユニット101は、制御部102と、通信部103と、経路探索部104と、ポイント管理部105と、ポイント登録部106と、各種データベースとして、地図データ110と、ユーザ獲得ポイント120と、登録ポイント130と、登録者情報140と、ユーザ情報150とを備えている。制御部102は、制御ユニット101内の各部の制御を行う。通信部103は、ナビゲーション装置200、ポイント登録システム300と各種データの授受を行う。通信部103は、例えば、ナビゲーション装置200からの表示要求を受信し、これに基づき抽出された電子地図データをナビゲーション装置200に送信する。
【0048】
ポイント登録部106は、ポイント登録システム300から登録されたポイント、および、ポイント登録箇所を、登録ポイント130に登録するとともに、登録者情報140に、ポイント登録者310の登録ポイントの合計値を登録する。登録者情報140は、図示するように登録者のIDと、名称と、合計登録ポイントの3つの項目から構成されており、ポイント登録部106は、ポイント登録システム300から受信したIDによりポイント登録者310を特定し、登録ポイントを加算する。
【0049】
経路探索部104は、ナビゲーション装置200から受信した現在地情報、出発地情報、目的地情報などに基づき、登録ポイント130に登録されているポイントを反映して、出発地から目的地までの経路探索を行う。ポイントを経路探索に反映させる方法に関しては、詳細は後述する。経路探索結果は、通信部103を介して、ナビゲーション装置200に送出される。本実施例では、経路探索方法として、周知のダイクストラ法により行うこととした。
【0050】
ポイント管理部105は、ナビゲーション装置200から現在地情報とユーザIDとを受信し、かかる現在位置が、ポイントの登録されている道路、施設である場合、付与すべきポイントを、ユーザIDと対応づけてユーザ獲得ポイント120に登録する。
【0051】
ユーザ情報150は、ナビゲーション装置200のユーザの詳細情報が管理されており、図示するように、ユーザIDと、ユーザ名と、連絡先と、年齢と、性別との5項目から構成されている。連絡先には、電話番号が格納されており、性別は、「0」を男性、「1」を女性として格納されている。ユーザ情報150が管理する情報は、これらのユーザの詳細情報に限られるものではなく、趣味などの嗜好項目などを、併せて管理することとしてもよい。
【0052】
A3.地図データ構造:
図3は、本実施例における地図データ110に格納されている電子地図データの構造を例示する説明図である。電子地図データは、表示用データ400と、ネットワークデータ410とを有している、表示用データ400は、ナビゲーション装置200の表示パネル210や、ポイント登録画面320に表示を行うためのデータであり、道路幅など実際の状態が反映され構成されている。ネットワークデータ410は、道路を表すリンクデータと道路の端点を表すノードデータ、および地物を表すポリゴンから構成されている。ポリゴンは別のレイヤとして構成しても良い。ノードやリンクは、属性情報としてそれぞれ様々な情報を有している。図示するように、ネットワークデータ410のノードは、表示用データ400と、破線で示すように対応しており、ネットワークデータ410の各リンク、およびポリゴンにおいても、同様に対応している。
【0053】
本実施例では、ナビゲーション装置200が経路探索の出発地として出発地Sを、目的地として目的地Eを指定することとした。
【0054】
A4.リンクコスト:
図4は、ネットワークデータ410におけるリンクコストを例示する説明図である。図中、N1からN7まではノードを示しており、L3(12)、L4(16)などがリンクを示している。L3(12)における(12)は該当するリンクの通行しやすさなどの評価値を表すリンクコストを示しており、このリンクコストは低いほど通行しやすい、すなわち、渋滞が発生しないなどと評価される。地物Po1〜Po4までは、建物、施設などを示すポリゴンである。
【0055】
ネットワークデータ410におけるリンクコストから、ダイクストラ法により経路探索を行った場合、出発地SはノードN4であり、目的地Eは地物Po1であるため、最短経路としては、図に破線で示すように「L13−L10−L3」という結果が得られる。
【0056】
A5.ポイント登録処理:
図5は、ポイント登録者310によるポイント登録処理を説明するフローチャートである。本実施例では、ポイント登録者310の情報は、予め、サーバ100に登録されており、ポイント登録者310は、ブラウザを介してサーバ100にアクセスし、地図データ110上の任意の箇所にポイントを登録できることとする。
【0057】
ポイント登録システム300は、ポイント登録者310の操作に基づき、サーバ100に、IDとパスワードを入力しログインする(ステップS10)。サーバ100は、ポイント登録者310の認証を行い、ポイント登録可能な登録者であることを判断し、アクセスの許可を送出する(ステップS20)。ポイント登録システム300は、アクセス許可を受信し、地図データ110を参照して、ポイントを登録すべき箇所を指定する(ステップS11)。指定方法としては、住所を入力する、電話番号で指定する、マウスなどのポインティングデバイスにより指定するなど種々の方法が挙げられる。次に、指定箇所に対して、任意にポイントを指定する(ステップS12)。
【0058】
ポイント登録システム300は、サーバ100へ、指定した登録箇所およびポイントの登録指示を送出し(ステップS13)、サーバ100は、かかる登録箇所およびポイントを、登録ポイント130に登録すると共に、登録者情報140の合計登録ポイントを登録する(ステップS21)。
【0059】
図6(a)は、ポイント登録画面320を例示する説明図である。図5における、ステップS11〜S13までの処理を示している。ポイント登録画面320には、登録者情報表示部320aと、メッセージ表示部320bと、地図表示部320cと、登録ボタン320dとから構成されている。
【0060】
登録者情報表示部320aには、ログインした登録者のIDと名称が表示されており、メッセージ表示部320bには、ポイント登録方法の説明メッセージが表示されており、地図表示部320cには、地図データ110が表示されている。登録ボタン320dは、押下することにより、指定したポイントの登録箇所およびポイントをサーバ100へ送出する機能を奏する。
【0061】
ポイント登録者310は、例えば、「地物Po1」に「50p」登録する場合には、マウスなどのポインティングデバイスを使用し、「地物Po1」を指定し、表示される登録部321aに「50p」と入力する。登録部321aには、地物Po1が有する属性情報により、名称が表示される。本実施例では、地物Po1は、「○×百貨店」である。
【0062】
道路に対してポイントを登録する場合には、マウスにより指定された地点を含むリンクにポイントを登録することで実現できる。図示するように、マウスにより星印の位置を指定した場合、リンクL4が選択され、登録部321bが表示される。登録部321bには、リンクの属性情報からリンクが示す道路の名称「△△通り」が表示され、ポイント登録者310は、登録すべきポイントの「100p」を指定する。
【0063】
ポイント登録者310は、ポイントを登録すべき箇所とポイントを指定後、登録ボタン320dを押下することにより、かかる登録情報をサーバ100へ登録することができる。
【0064】
図6(b)は、サーバ100に構築されているデータベースである登録ポイント130を例示する説明図である。登録ポイント130は、ポイント登録システム300により登録されたポイントを、リンク、ポリゴンごとに管理しており、「登録者ID」と、「登録箇所」と、「登録ポイント」の3つの項目から構成されている。
【0065】
登録者IDは、ポイント登録者310を特定するための情報であり、登録者情報140のIDが格納されている。登録箇所は、ポイントが登録されているリンク、ポリゴンなどが格納されている。登録ポイントは、登録箇所に登録されているポイントを示している。
【0066】
本図では、登録者ID「100」のポイント登録者は、「地物Po1」に「50p」、「リンクL4」に「100p」、「リンクL3」に「50p」登録したことを示している。また、登録者ID「374」と「233」はそれぞれ「リンクL13」に「10p」と「10p」を登録している。このように、同一のリンク、ポリゴンに異なる登録者からのポイント登録をすることも可能である。
【0067】
A6.経路探索:
A6−1.経路探索処理:
図7は、本実施例における経路探索処理を説明するフローチャートである。サーバ100とナビゲーション装置200との間で行われる処理である。
【0068】
ナビゲーション装置200は、操作パネル220から出発地および目的地を入力し、サーバ100へ送信する(ステップS30)。サーバ100は、これらの情報を受信し(ステップS40)、経路探索を行う(ステップS41)。経路探索処理に関しては、後述する。次にサーバ100は、経路探索結果をナビゲーション装置200に送信する(ステップS42)。
【0069】
ナビゲーション装置200は、経路探索結果を受信し(ステップS31)、表示パネル210に表示する(ステップS32)。
【0070】
A6−2.リンクコスト:
図8は、ポイントをリンクコストに反映させる処理を説明するフローチャートである。図7のステップS41における処理であり、サーバ100が、経路探索部104を制御して、地図データ110および登録ポイント130を参照して行う処理である。
【0071】
サーバ100は、ナビゲーション装置200から受信した出発地および目的地の情報に基づき、経路の候補となるリンクを抽出し、設定されているリンクコストを、かかるリンクに登録されているポイントにより変更し、新リンクコストを設定する(ステップS50)。図中に、併せて、ポイントの反映によるリンクコストの変更を説明する表を示した。本実施例では、10pにつき、リンクコストを「1」下げることとした。例えば、リンクL3は、予め設定されているリンクコストが「12」である。リンクL3には、ポイントが「50p」登録されているため、リンクコストを5下げることにより、登録されたポイントを反映させた新リンクコストを設定する。
【0072】
リンクに登録されたポイントをリンクコストに反映させた後、サーバ100は、更に、リンクから接続可能な地物に対して登録されたポイントを、リンクコストに反映する(ステップS51)。図中に、併せて、地物に登録されたポイントの反映によるリンクコストの変更を説明する表を示した。ステップS50の処理と同様に、10ポイントにつき、リンクコストを「1」下げることとした。例えば、ポリゴンにより表される地物Po1は、リンクL3およびリンクL4から接続可能であり、地物Po1に登録されたポイントは、「50p」であり、リンクL3およびリンクL4の双方のリンクコストに反映される。リンクL3は、ステップS50において、「12」から「7」へ変更されており、リンクL4も同様に、リンクコストは「16」から「6」へ変更されている。地物Po1に登録されている「50p」に基づき、かかる変更後のリンクコストを、更に「5」低くする。こうすることで、リンクL3は、「7」から「2」へ変更され、リンクL4は、「6」から「1」へ変更される。
【0073】
サーバ100は、リンクコストの変更後、ネットワークデータ410に新リンクコストを設定し(ステップS52)、経路探索を行う(ステップS53)。
【0074】
図9(a)には、新リンクコストを設定したネットワークデータ420を例示した。ネットワークデータ420は、図4に示したネットワークデータ410と同様に、図中、N1からN7まではノードを示しており、L3(2)、L4(1)などがリンクを示している。L3(2)における(2)は該当するリンクコストを示しており、登録されたポイントが反映されている。
【0075】
図9(b)は、図9(a)に示すネットワークデータ420に基づき経路探索を行った結果を示している。図示するように、経路番号1は、「L15−L7−L4」という経路が選択されており、リンクコストの合計値は「11」となり、経路番号2は、「L13−L10−L3」という経路が選択されており、リンクコストの合計値は「13」となる。経路番号3は、「L15−L9−L3」という経路が選択されており、リンクコストの合計値は「24」となり、経路番号4は、「L15−L23−L8−L4」という経路が選択されており、リンクコストの合計値は「45」となる。すなわち、経路番号1が経路探索結果として、ナビゲーション装置200へ送信される。経路番号1は、図9(a)において、一点鎖線で示す経路である。
【0076】
A6−3.経路探索結果:
図10は、表示パネル210に表示される経路探索結果を例示する説明図である。出発地Sから目的地Eまでは、図に実線矢印で示すように、経路が表示される。ポイントを反映していないリンクコストにより経路探索を行う場合、破線で示す経路Rが探索される確率が高いため、かかる経路探索により多数の利用者が通行することにより、経路Rが渋滞する原因となっていた。予め設定されたリンクコストが高い経路、すなわち、渋滞する可能性が高い、遠回りである、などの経路にポイントを登録し、リンクコストを変更することで、経路Rの渋滞を緩和するという通行制御の効果がある。
【0077】
A7.ポイント加算処理:
図11は、ユーザに付与されるポイントの加算処理を説明するフローチャートである。サーバ100が、図5のステップS21の後に行う処理である。
【0078】
サーバ100は、ナビゲーション装置200から、ユーザ情報および現在地情報を受信すると(ステップS60)、現在地情報に基づき、通過中のリンクを特定すると共に、かかるリンクにポイントが登録されているか否かを判断する(ステップS61)。ポイントが登録されていない場合には、そのまま処理を終了する。ユーザ情報には、少なくともユーザIDが含まれているものとする。
【0079】
ポイントが登録されている場合には、ポイントを、ユーザ獲得ポイント120に登録されている積算ポイントに加算する(ステップS62)。ユーザ獲得ポイント120は、ステップS62に図示するようにユーザIDと、ユーザの積算ポイントが管理されている。
【0080】
以上説明した第1実施例のナビゲーションシステム1000によれば、ポイント登録者により任意に登録されたポイントを反映してリンクコストを変更し、経路探索を行うため、以下のような種々の効果を得ることができる。第1に、ポイントを登録することにより、柔軟にリンクコストを変更することができるため、ポイント登録者による任意の通行制御を行うことができる。第2に、建物、施設などに登録したポイントを、かかる建物などへ接続可能なリンクのリンクコストに反映することができるため、ポイント登録した建物、施設もしくはその近辺を通行するように、ナビゲーション装置200のユーザを誘導することができ、広告効果を得ることができる。登録するポイントの多少によりリンクコストの変化量も異なるため、ポイント登録者へ広告効果の不公平も抑制することができる。ユーザは、経路探索結果として、遠回りの経路が選択された場合にも、ポイントを取得することができるという利点がある。
【0081】
A8.第1実施例のバリエーション:
第1実施例では、登録されたポイントを反映したリンクコストにより経路探索を行い、通行したユーザに対してポイントを加算することとしたが、ポイント加算処理を省略し、経路探索処理のみの通行制御装置として構成することとしてもよい。
【0082】
また、第1実施例では、ポイントが高いほどリンクコストを下げて経路探索を行う、いわゆる、「ポイント優先経路探索」であるが、経路探索の方法を、ユーザが柔軟に選択できることとすれば、利便性が向上し、好適である。
【0083】
また、第1実施例に示すように、リンクコストに反映するポイントは、リンクおよびリンクから接続可能な施設等に限られず、例えば、リンクの中心から所定範囲内に存在する施設に登録されているポイントを、かかるリンクのリンクコストに反映させてもよい。
【0084】
B.第2実施例:
B1.機能ブロック図:
第1実施例では、サーバ100が、ナビゲーション装置200から出発地情報と目的地情報とを受信し、経路探索を行うこととしたが、第2実施例では、ナビゲーション装置200が、経路探索を行い、通行履歴からポイントを計算することとした。システム概要は、第1実施例と同様である。
【0085】
図12は、第2実施例におけるナビゲーション装置200の構成を示す機能ブロック図である。ナビゲーション装置200の制御ユニット500は、CPU、ROM、RAM等を備えるマイクロコンピュータとして構成されており、制御部501と、通信部502と、現在地検出部503と、コマンド入力部504と、表示制御部505と、地図データ格納部506と、履歴管理部507と、ポイント管理部508とを備えている。これらの機能ブロックは、ソフトウェア的に構成されている。ハードウェア的に構成してもかまわない。
【0086】
通信部502と、現在地検出部503と、コマンド入力部504と、表示制御部505は、第1実施例において、図2で説明した各ブロックと同様の処理を行うため説明は省略する。
【0087】
制御部501は、サーバ100から出発地と目的地とを含む経路探索に必要となる地図データ、および、かかる地図データに関連する属性情報を受信し、表示用の地図データを表示制御部505へ、属性情報を地図データ格納部506へ受け渡す。地図データ格納部506は、図示するように、リンクと、リンクが示す道路の名称、距離、種別、登録されているポイントから構成されている。例えば、リンクL15は、「国道28号」であり、リンクL15にかかる道路の距離は「5km」、道路の種別は「国道」、登録されているポイントは「200p」であることを表している。
【0088】
履歴管理部507は、通行履歴を管理する。履歴管理部507は、図示するように、時系列で管理されており、リンクの通行開始日時、通行終了日時、平均速度から構成されている。通行開始時間は、リンクの端点を示すノードを通行した日時を示し、通行終了日時は、リンクの他端点のノードを通行した日時を示す。例えば、L15は、通行開始日時が「200301280950」であり、これは、「2003年1月28日9時50分」であることを示している。通行終了日時も同様である。平均速度は、地図データ格納部506に格納されている距離と、通行開始日時および通行終了日時から算出される。別途速度の履歴を作成し、かかる速度履歴から平均速度を算出することとしてもよい。
【0089】
ポイント管理部508は、履歴管理部507と、地図データ格納部506とからポイントを計算し、通信部502を介して、計算されたポイントをサーバ100へ送出する機能を奏する。計算済フラグFdは、すでにポイントを計算したリンクであるか否かを判断するためのフラグであり、「0」は未計算を、「1」は計算済みを示す。
【0090】
B2.ポイント変更処理:
図13は、第2実施例におけるポイント計算処理を説明するフローチャートである。ナビゲーション装置200の制御部501が各機能ブロックを制御して行う処理である。本実施例では、通行したリンクに登録されているポイントに、通行所要時間による異なる追加ポイントを加算することとした。
【0091】
ナビゲーション装置200は、履歴管理部507の通行履歴を参照し(ステップS70)、計算済フラグFdが「0」である最初のリンクの移動所要時間を確認する(ステップSS71)。次に、地図データ格納部506を参照し、リンクに登録されているポイントと、通行所要時間とからポイントを計算する(ステップS72)。図示するように、通行所要時間により、異なる追加ポイントを加算しポイント計算を行い、計算済フラグFdを「1」に設定する。通行所要時間が、「0〜10分」の場合には、「通常ポイント+0p」となり、通常ポイントのままである。「11〜20分」の場合には、「通常ポイント+5p」となる。「21〜30分」の場合には、「通常ポイント+7p」、「31分以上」の場合には、「通常ポイント+10p」となる。このように、通行所要時間に比例して、加算されるポイントが高くなる。これは、例えば、道路通行中に視認可能な場所に看板が存在する場合、通行所要時間に比例して、看板を確認する時間が長くなり、広告効果の向上を図ることができるためである。
【0092】
次に、小計ポイントを計算する(ステップS73)。小計ポイントとは、通行履歴において、計算済フラグFdが「0」である履歴のポイント合計値を示す。通行履歴の計算済フラグFdが「0」である履歴のポイント計算が終了したか否かを判断し(ステップS74)、終了していない場合には、次の履歴の通行所要時間を確認し(ステップS75)、ステップS72へ戻りポイントを計算する。ポイント計算が終了した場合には、インターネットINTを介して、小計ポイントを、ユーザ情報と共にサーバ100へ送信する(ステップS76)。ユーザ情報とは、ユーザIDなどユーザを特定可能な情報であればよい。サーバ100は、受信したポイントを、ユーザ獲得ポイント120へ登録する。
【0093】
以上説明した第2実施例によれば、ユーザに付与するポイントを、ユーザの通行時間に比例して付与することができるため、広告・宣伝効果に対応したポイントの付与が可能となり、ポイント登録者の利便性を向上することができる。
【0094】
B3.第2実施例のバリエーション:
本実施例では、通行所要時間に基づき、付与するポイントを計算することとしたが、これに限られない。例えば、自家用車、公共交通機関、自転車、徒歩などユーザの移動手段に基づきポイントを計算することとしてもよい。また、例えば、リンクを半分しか通行せず脇道にそれたユーザに対して、通常ポイントから所定ポイント下げて付与する、総移動距離の長いユーザに対して、通常ポイントに所定ポイント加算するなど、ユーザの移動した距離に基づき、ポイントを計算することとしてもよい。
【0095】
また、本実施例では、リンクに登録されたポイントを計算することとしたが、これに限られない。施設、建物などを利用した場合、通行した場合など、かかる施設等に登録されたポイントを、利用状況により加算することとしてもよい。こうすれば、柔軟にポイント計算を行うことができ、利便性が向上する。
【0096】
また、図2のユーザ情報150に示すような、性別、年齢などユーザの属性情報に基づき、ポイントを計算することとしてもよい。こうすれば、ポイント登録者にとって、効率的なポイント付与が行え、好適である。
【0097】
C.第3実施例:
第1実施例では、ポイント登録者310が登録したポイントを反映した経路探索を行い、ユーザにポイントを付与することとした。第2実施例では、通行履歴に基づき、ポイントを変更してユーザに付与することとした。第3実施例では、ナビゲーション装置200の表示パネル210に、ポイントが登録された箇所を強調表示することにより、ユーザへのポイント登録箇所の案内を明確にするとともに、ポイント登録者310の広告・宣伝効果の向上を図ることとした。本実施例では、システム概要は第1実施例と同様であり、経路探索、ポイント計算などは、サーバ100が行うこととした。経路探索、ポイント計算など行わず、強調表示の処理のみ行うこととしてもよい。
【0098】
C1.強調表示処理
図14は、第3実施例におけるポイント登録箇所の強調表示を説明するフローチャートである。サーバ100がナビゲーション装置200から、現在地情報を受信することにより、処理は開始される。
【0099】
ナビゲーション装置200は、通行中に現在地情報をサーバ100に送信する(ステップS80)。サーバ100は、ナビゲーション装置200から現在地情報を受信する(ステップS90)と、かかる現在地情報から所定範囲内のポイント登録箇所を検索する(ステップS91)。図示するように、星印で示す現在地Xを中心とした円で示される領域B内に存在するリンクにおいて、ポイントが登録されているリンク、ポリゴンを検索する。本実施例では、図に破線で示すように、リンクL3、L4、L7および地物Po1にポイントが登録されている。
【0100】
サーバ100は、かかるリンクおよびポリゴンを強調表示する指示を、ナビゲーション装置200に送出する(ステップS92)。ナビゲーション装置200は、かかる指示を受信し(ステップS81)、図示するように、指示されたリンクおよびポリゴンであるリンクL3、L4、L7、地物Po1に該当する道路、地物を強調表示する。強調表示とは、色、模様などを通常と異なる形態にする、点滅させる、拡大表示する、吹き出しを表示するなど種々の態様が挙げられる。また、本実施例では、リンクとポリゴンとで、異なる表示を行うこととしたが、例えば、リンクの属性別に異なる色や模様などを表示することとしてもよいし、ポイントごとに表示態様を切り換えるなどの制御することとしてもよい。例えば、登録ポイントが高い箇所は、低い箇所より長い時間強調表示するなどとしてもよい。
【0101】
以上説明した第3実施例によれば、ナビゲーション装置200に、ポイントが登録されている箇所を強調表示するため、ユーザは、ポイントを登録されている道路や施設などを確認することができ、利便性が向上する。また、ポイント登録者は、広告・宣伝効果の向上を図ることができる。
【0102】
C2.第3実施例のバリエーション:
上述した第3実施例は、第1実施例と同様のシステム構成により実現したため、サーバ100が経路探索、ポイント計算を行うこととしたが、第2実施例と同様の構成により、ナビゲーション装置200が、経路探索、ポイント計算を行うこととしてもよい。サーバ100の処理負荷を抑制することが可能となる。
【0103】
また、第3実施例では、現在地から所定の範囲内に存在するポイント登録箇所を、強調表示することとしたが、これに限られない。例えば、所定の範囲内だけでなく、全てのポイント登録箇所を強調表示することとしてもよいし、ポイントが所定以上のポイント登録箇所は常時表示し、所定以下のポイント登録箇所は、現在地から所定の範囲内に存在する場合にのみ表示する、などしてもよい。また、例えば、ユーザの性別、年齢、趣味などの属性情報に基づき、強調表示するポイント登録箇所を切り換えることとしてもよい。
【0104】
D.変形例:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明の実施の要旨を逸脱しない範囲内において、更に様々な形態で実施しうることは言うまでもない。例えば、第1実施例のシステム構成において、第2実施例において説明したポイント変更処理を行うこととしてもよい。
【0105】
上述する他、気象条件など所定の条件に対応して、第3実施例におけるポイントの強調表示の態様や、第2実施例における追加するポイントの増減などを切り換えることとしてもよい。例えば、ポイント登録者310が屋外遊園地などの管理者である場合には、雨の場合には利用できないため、登録時に、「雨ならばポイントは0とする」等、柔軟に設定できることとすれば、より利便性の高いナビゲーションシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0106】
1000…ナビゲーションシステム
100…サーバ
101…制御ユニット
102…制御部
103…通信部
104…経路探索部
105…ポイント管理部
106…ポイント登録部
110…地図データ
120…ユーザ獲得ポイント
130…登録ポイント
140…登録者情報
150…ユーザ情報
200…ナビゲーション装置
210…表示パネル
220…操作パネル
230…制御ユニット
231…制御部
232…通信部
233…現在地検出部
234…コマンド入力部
235…表示制御部
300…ポイント登録システム
310…ポイント登録者
320…ポイント登録画面
320a…登録者情報表示部
320b…メッセージ表示部
320c…地図表示部
320d…登録ボタン
321a、321b…登録部
400…表示用データ
410…ネットワークデータ
420…ネットワークデータ
500…制御ユニット
501…制御部
502…通信部
503…現在地検出部
504…コマンド入力部
505…表示制御部
506…地図データ格納部
507…履歴管理部
508…ポイント管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノードおよびノード同士をつなぐリンクを有し、該リンクに、リンクを評価するリンク評価値が設定された地図データを利用するユーザに付与されるポイントを管理するポイント管理装置であって、
ポイント登録者により登録されたポイントを、前記地図データ中のリンク又は地物と対応づけて登録したデータベースを参照するポイントデータ参照部と、
前記ユーザの移動軌跡を、前記地図データ上で特定可能な移動情報を取得する移動情報取得部と、
前記移動情報に基づき特定されるリンク又は地物に対応する前記ポイントを、ユーザごとに積算し、前記ユーザごとのポイントの合計を表す積算ポイントを管理するポイント管理部とを備えるポイント管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−75575(P2011−75575A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276729(P2010−276729)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【分割の表示】特願2008−287265(P2008−287265)の分割
【原出願日】平成15年5月30日(2003.5.30)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】