説明

マイクロカプセル分散液

本発明は、カプセルコア(ここで、該カプセルコアは、水溶性有機物質を含んでいる)とカプセルシェル(ここで、該カプセルシェルは、本質的に、ポリイソシアネートと多官能性アミンの反応生成物で構成されている)を有するマイクロカプセルを疎水性溶媒中に含んでいるマイクロカプセル分散液に関し、さらにまた、それらの調製方法、及び、さらに、対応するマイクロカプセル分散液から得ることができるマイクロカプセルにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセルコア(ここで、該カプセルコアは、水溶性有機物質を含んでいる)とカプセルシェル(ここで、該カプセルシェルは、本質的に、ポリイソシアネートと多官能性アミンの反応生成物で構成されている)を有するマイクロカプセルを疎水性溶媒中に含んでいるマイクロカプセル分散液に関する。本発明は、また、それらの調製方法にも関し、さらに、対応するマイクロカプセル分散液から得ることができるマイクロカプセルにも関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロカプセルは、カプセルコアとそのカプセルコアを取り囲んでいるカプセルシェル(これは、カプセル壁とも称される)を含んでいる粒子である。その多岐にわたる用途は、該カプセルコアの性質に依存する。例えば、活性成分を制御放出するカプセルの場合、その性質にとって、壁の材料及びカプセル化方法も重要である。
【0003】
感圧複写紙(carbonless copying paper)の場合、マイクロカプセルは広範な用途を有する。かくして、発色剤を含んでいるコアオイルを有するマイクロカプセルは、長い間知られている。メラミン−ホルムアルデヒド樹脂に基づくカプセル壁(特許文献1)又はポリ尿素に基づくカプセル壁(特許文献2)は、水中油型エマルションの界面において、それぞれ、重縮合反応又は重付加反応により形成される。
【0004】
油が分散相、即ち、不連続相であり、水が連続相である水中油型エマルションとは逆に、2つの相が逆転しているカプセル化方法も知られている。逆マイクロカプセル化(inverse microencapsulation)は、これらの調製方法にも使用される用語である。
【0005】
(特許文献3)には、そのような1つの逆カプセル化が記載されている。それは、水溶性物質を含んでいるカプセルコアとメラミン/ホルムアルデヒド樹脂で作られているカプセル壁を有するマイクロカプセルについて教示している。
【0006】
さらに、(特許文献4)は、カプセルコアとしてのジオール及びポリオールとポリウレタン壁を有するマイクロカプセルについて教示しており、これらのマイクロカプセルは、連続相としてのパラフィン中で調製されている。そのようにして得られたマイクロカプセルは、粉末塗装成分として適している。この教示によれば、この調製方法により水感受性物質をカプセル化することも可能である。
【0007】
(特許文献5)には、水溶性コアとポリウレタン壁を有するマイクロカプセルが記載されており、ここで、このマイクロカプセルは、植物油中で調製される。カプセルコア物質として、除草剤に加えて水溶性染料が挙げられている。
【0008】
(特許文献6)には、ポリ尿素をベースとし、液体の懸濁液含有カプセルコア又は固体のカプセルコアを有するマイクロカプセルの調製方法について開示されている。そのカプセル壁は、イソシアネート/アミンシステムで形成されており、架橋成分(例えば、モノアルデヒド又はジアルデヒド)を添加することにより、さらに安定化される。
【0009】
(特許文献7)には、非ラジカルミニエマルション重合を用いて個々の活性成分をその場でカプセル化する活性成分ポリマーカプセル、ビーズ又は液滴の調製方法が記載されている。500nm以下の粒径を有するミクロエマルションが得られる。
【0010】
装飾的な化粧品学においては、着色成分として、通常、有機顔料又は無機顔料が使用される。顔料は不溶性であるので、可溶性の染料とは異なって、化粧品の残りの成分に対して実質的に不活性である。顔料の不溶性は、さらに、その化粧品で処置した体の領域の恒久的な変色を回避することが可能であるという有利点を有している。
【0011】
(特許文献8)は、水溶性有機物質(特に、染料)を含んでいるカプセルコアとポリウレタン及び/又はポリ尿素から本質的になるカプセルシェルを有するマイクロカプセルを50〜100重量%のグリセロールエステル油と0〜50重量%の溶媒(ここで、該溶媒は、グリセロールエステル油と混和性である)からなる疎水性溶媒中に含んでいるマイクロカプセル分散液に関し、また、そのマイクロカプセル分散液の化粧品組成物中への組込に関する。
【0012】
しかしながら、染料と比較して、顔料を使用することに伴う不利点は、それらの色の明るさが低いということである。マイクロカプセルを使用することに伴う問題は、封入されているコア物質に対するカプセル壁の浸透性が多くの場合高い(従って、不満足である)ということである。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0026914号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0535384号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10120480号明細書
【特許文献4】米国特許第5,859,075号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第0148169号明細書
【特許文献6】国際公開第03/042274号パンフレット
【特許文献7】国際公開第02/09862号パンフレット
【特許文献8】国際公開第03/015910号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、従来技術のマイクロカプセル分散液の不利点を有さず且つカプセル化された内容物に関して高度に不浸透性であることにより区別されるマイクロカプセル分散液の形態にある化粧品組成物のための有機水溶性物質(例えば、染料)を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
その結果、疎水性溶媒中にマイクロカプセルを含んでいるマイクロカプセル分散液が見いだされ、ここで、該マイクロカプセルは、少なくとも1種類の水溶性有機物質を含んでいるカプセルコア及びカプセルシェルを有し、該カプセルシェルは、
(a)少なくとも1種類のジイソシアネート、オリゴイソシアネート及び/又はポリイソシアネート;
及び
(b)600〜380000g/molの数平均分子量を有するポリビニルアミン、ポリエチレンイミン及びポリオキシアルキレンアミンからなる群から選択される少なくとも1種類の多官能性アミン;
及び
(c)適切な場合には、2〜10個の炭素原子を有する1種類又は2種類以上の異なったアルキルジアミン;
の反応生成物を含んでいる。
【0015】
該カプセルは、カプセルシェル及びカプセルコアを含んでいる。該カプセルコアは、固体形態にある少なくとも1種類の水溶性有機物、及び/又は、調製した結果として親水性溶媒中の溶液の形態にある少なくとも1種類の水溶性有機物を含んでいる。好ましいカプセルコアは、水溶性有機物質の溶液を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本明細書の目的のために、「反応物」は、600〜380000g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種類の多官能性アミン、並びに、ジイソシアネート基、オリゴイソシアネート基及び/又はポリイソシアネート基と反応する化合物として必要に応じて使用される2〜10個の炭素原子を有するアルキルジアミンを意味する。
【0017】
マイクロカプセル化の基本原理は、いわゆる界面付加重合又は界面重付加反応に基づいている。界面重付加反応では、第一のプロセスステップにおいて、カプセル化対象の物質及び反応物を、知られているように、親水性溶媒に溶解させ、その後、疎水性溶媒を添加して、その系をエマルションに加工処理する。該エマルションの連続相には、通常、界面活性物質を含ませて、液滴の合体を防止する。このエマルションの内部では、親水性溶媒は、不連続分散相であり、疎水性溶媒は、連続相である。親水性溶媒が水である場合、用語「油中水型エマルション」も、説明に役立つ。乳化された液滴は、その後得られるマイクロカプセルの寸法におおよそ相当する寸法を有している。第二のプロセスステップにおいてカプセル壁を形成させるために、上記エマルションを、壁形成が可能なイソシアネートと混合させる。該反応物は、不連続相と連続相の界面で、連続相中で溶液状態にあるイソシアネートと反応して、高分子カプセル壁を形成することが可能である。
【0018】
該プロセスの第三ステップは、場合により実施することができるが、その第三のステップは、新たに調製したカプセル分散液のいわゆる後処理を含んでいる。このステップにおいては、温度及び滞留時間の制御下、必要に応じてさらなる助剤を使用して、イソシアネートと反応物の間の反応を完了するまで行わせる。
【0019】
「親水性溶媒」は、水を意味するのみではなく、水に加えて最大で20重量%までの水混和性有機溶媒(例えば、C−Cアルカノール、特に、メタノール、エタノール若しくはイソプロパノール、又は、環状エーテル、例えば、テトラヒドロフラン)も含んでいる水性混合物も意味する。好ましい親水性溶媒は、水である。
【0020】
適する親水性溶媒は、さらに、エチレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール及びブチレングリコール及びそれらの混合物であり、それらと水の混合物又はそれらと上記で挙げた水性混合物との混合物も適している。好ましい親水性溶媒は、これらの溶媒と水の混合物である。
【0021】
適する疎水性溶媒の例としては、鉱油、鉱物蝋、分枝鎖及び/又は非分枝鎖炭化水素、並びに、飽和及び/又は不飽和の分枝鎖及び/又は非分枝鎖C−C24アルカンカルボン酸のトリグリセリドなどがある。疎水性溶媒として適しているさらなる物質としては、以下のものなどがある:合成、半合性又は天然の油、例えば、オリーブ油、ヤシ油、アーモンド油又はそれらの混合物;油、脂肪又は蝋、飽和及び/又は不飽和の分枝鎖及び/又は非分枝鎖C−C30アルカンカルボン酸と芳香族カルボン酸の飽和及び/又は不飽和の分枝鎖及び/又は非分枝鎖C−C30アルコールと飽和及び/又は不飽和の分枝鎖及び/又は非分枝鎖C−C30アルコールとのエステル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ヘキシルデシル、オレイン酸オレイル;並びに、そのようなエステルの合成、半合性及び天然の混合物、例えば、ホホバ油、アルキルベンゾエート、又は、シリコーン油、例えば、シクロメチコン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、さらに、それらの混合物、又は、ジアルキルエーテル、例えば、アルキル基当たり6〜22個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の対称又は非対称のジアルキルエーテル。
【0022】
エポキシ化脂肪酸エステルとポリオール及び/又は脂肪族炭化水素及び/又はナフテン系炭化水素の開環生成物も適している。
【0023】
好ましい疎水性溶媒は、エステル、特に、ポリオールのエステルであり、さらに好ましくは、純粋なグリセロールエステル油である。本発明に関連して特に好ましいグリセロールエステル油は、C−C12脂肪酸トリグリセリド又はそれらの混合物、特に、オクタン酸トリグリセリド及びデカン酸トリグリセリド及びそれらの混合物である。1つの好ましいオクタノイルグリセリド/デカノイルグリセリド混合物は、例えば、Sasol製のMiglyol(登録商標)812である。
【0024】
好ましい一実施形態では、本発明で使用する疎水性溶媒は、約50〜約100重量%の濃度のグリセロールエステル油混合物又は純粋なグリセロールエステル油である。「グリセロールエステル油」は、飽和又は不飽和脂肪酸とグリセロールのエステルを意味する。モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドが適しており、それらの混合物も適している。脂肪酸トリグリセリドが好ましい。
【0025】
該疎水性溶媒は、例えば、50〜100重量%、好ましくは、70〜100重量%、さらに好ましくは、90〜100重量%のグリセロールエステル油と、0〜50重量%、好ましくは、0〜30重量%、さらに好ましくは、0〜10重量%のグリセロールエステル油混和性溶媒で構成されている。疎水性溶媒として特に好ましいのは、グリセロールエステル油であり、これは、単独で使用されるか、又は、その混合物として使用される。
【0026】
グリセロールエステル油と混和性の油の例としては、以下のものなどがある:
・炭化水素油、例えば、流動パラフィン、ピュアセリンオイル、ペルヒドロスクアレン、及び、これらの油中の微晶質蝋の溶液;
・動物油又は植物油、例えば、スイートアーモンド油、アボガド油、カロフィルム油、ラノリン及びその誘導体、ヒマシ油、馬油、豚油、ゴマ油、オリーブ油、ホホバ油、カリテ油、及び、ヒウチダイ油;
・大気圧での蒸留開始点が約250℃であり且つ蒸留終点が410℃である鉱油、例えば、ワセリン油;
及び
・飽和又は不飽和脂肪酸のエステル、例えば、ミリスチン酸アルキル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル又はミリスチン酸セチル、ステアリン酸ヘキサデシル、パルミチン酸エチル又はパルミチン酸イソプロピル、及び、リシノール酸セチル。
【0027】
グリセロールエステル油と混和性の適切なさらなる化合物は、シリコーン油、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン及びシリコーングリコールコポリマー、脂肪酸及び脂肪アルコール、又は、蝋、例えば、カルナウバ蝋、カンディリラ蝋、蜜蝋、ミクロクリスタリンワックス、オゾケライト蝋、並びに、オレイン酸、ミリスチン酸、リノレン酸及びステアリン酸のCa塩、Mg塩及びAl塩である。
【0028】
疎水性溶媒として挙げられている上記化合物は、それぞれ単独で使用することが可能であるか、又は、互いの混合物として使用することができる。
【0029】
該ポリマーの臭気をマスクするために香油を添加することは、一般に必要ではない。しかしながら、望ましい場合には、それでもなお、化粧品製剤に香油を含ませることができる。挙げることができる香油の例には、天然芳香物質と合成芳香物質の混合物などが包含される。天然芳香物質は、例えば、以下のものの抽出物である:花(例えば、ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイランノキ)、茎及び葉(例えば、ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(例えば、アニシード、コリアンダー、キャラウェー、ビャクシン)、果皮(例えば、ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(例えば、メース、アンゼリカ、セルリ、カルダモン、コスタス(costus)、アヤメ、カルムス(calmus))、材木(例えば、マツ材、ビャクダン材、グアヤク材、シーダー材、シタン材)、ハーブ及びイネ科植物(例えば、タラゴン、レモングラス、サルビア、ジャコウソウ)、針状葉及び枝(例えば、トウヒ、モミ、マツ、マウンテインパイン(mountain pine))、樹脂及びバルサム(例えば、ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナックス(opoponax))。動物性素材、例えば、アンバーグリース、麝香及び海狸香なども、適している。
【0030】
望ましい場合には使用可能な典型的な合成芳香化合物は、さらに、エステルタイプ、エーテルタイプ、アルデヒドタイプ、ケトンタイプ、アルコールタイプ及び炭化水素タイプの化合物である。エステルタイプの芳香化合物は、例えば、酢酸ベンジル、フェノキシエチルイソブチレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、酢酸リナリル、ジメチルベンジルカービニルアセテート、フェニルエチルアセテート、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート及びサリチル酸ベンジルなどである。エーテル類としては、例えば、ベンジルエチルエーテルなどがあり、アルデヒド類としては、例えば、8〜18個の炭素原子を有する線状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブルゲオナールなどがあり、ケトン類としては、例えば、イオノン類、α−イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンなどがあり、アルコール類としては、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロオール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールなどがあり、炭化水素類としては、例えば、テルペン類及びバルサム類などがある。しかしながら、調和して魅力的な芳香性の香りを産み出す異なった芳香物質の混合物を用いるのが好ましい。低揮発性の精油は芳香成分として一般に使用されているが、そのような低揮発性の精油、例えば、セージ油、カモミール油、クローブ油、バルサム油、ハッカ油、ケイ皮油(cinnamon leaf oil)、ライム花油(lime blossom oil)、ジュニパーベリー油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油、ラブダナム油及びラバンジン油なども香油として適している。ベルガモット油、ジヒドロミリセノール、リリアール、ライラール(lyral)、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロオール、ボイサンブレンフォート(Boisambrene Forte)、アンブロキサン、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデリセ(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール(cyclovertal)、ラバンジン油、クラリセージ油、β−ダマスコン、ゼラニウム油バーボン(geranium oil bourbon)、サリチル酸シクロヘキシル、バートフィックスクール(Vertofix Coeur)、イソ−E−スーパー(Iso-E-Super)、フィクソライドNP(Fixolide NP)、エバニール、イラルデインガンマ(iraldein gamma)、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット(Romillat)、イロチル(Irotyl)及びフロラマト(Floramat)を単独で使用するか又は混合物として使用するのが好ましい。
【0031】
本発明のマイクロカプセルのカプセルコアは、少なくとも1種類の水溶性有機物質、即ち、1種類の水溶性有機物質又は2種類以上(一般に、約2〜5種類)の異なった水溶性有機物質の混合物を含んでいる。好ましくは、該カプセルコアは、1種類の水溶性有機物質を含んでいる。「水溶性有機物質」は、少なくとも部分的には水に溶解する炭素ベース化合物を意味する。そのような有機物質は、疎水性相に対するよりも親水性相に対して大きな親和性を有していなければならない。このことは、一般に、当該物質の室温での親水性溶媒中の溶解度が少なくとも1g/Lあれば、保証される。好ましくは、該有機物質の親水性溶媒中の溶解度は、少なくとも20g/Lである。
【0032】
該水溶性有機物質は、例えば、水溶性染料、水溶性ビタミン(例えば、ビタミンB6など)、農業用化学製品、香味料、医薬活性成分、肥料又は化粧品活性成分などである。本発明では、染料が、好ましい水溶性有機物質である。
【0033】
用語「染料」は、以下の記載においては、有機化合物及び有機化合物の塩を包含し、さらに、有機化合物と発色団(ここで、該発色団は、400〜850nmの範囲の波長に吸収極大を有し、従って、ヒトの目に色の印象を引き起こし(従来の染料)、また、それ自体も可視域内の光を放射し得る(蛍光染料))の電荷移動錯体も包含する。本発明の目的のためには、「染料」は、紫外線が照射されると可視域内の蛍光を放射する250〜400nmの範囲内に吸収極大を有する化合物(蛍光増白剤)も包含する。「染料」は、本発明の意味では、さらに、波長が400nm未満の光を吸収して、放射がなくても非活性化する化合物(紫外線安定剤)も包含する。
【0034】
一般に、水溶性染料は、水性溶媒中での溶解度を向上させるイオン性官能基を含んでいる。実施された修飾は、カチオン性又はアニオン性であり得る。適切な置換基は、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基及びリン酸基であり、さらにまた、アンモニウム基及びアルキルアンモニウム基も適している。
【0035】
本発明において適切な染料には、異なった発色団を有している様々な種類の染料が包含される。そのような染料の例は、モノアゾ染料及びジアゾ染料、トリアリールメタン染料、金属錯体染料、例えば、フタロシアニン染料、キノフタロン類、メチン染料及びアザメチン染料などである。これらの中で好ましい染料は、モノアゾ染料及びジアゾ染料、キノフタロン類、メチン染料及びアザメチン染料、並びに、金属錯体染料(例えば、フタロシアニン染料)である。
【0036】
例として、カラーインデックスから以下の番号を挙げることができる:
ダイレクトイエロー4、5、10、11、50、127、137、147、153;アシッドオレンジ7、8;ダイレクトオレンジ15、34、102;ダイレクトレッド81、239、252〜255;ダイレクトバイオレット9、51;アシッドブルー9、86;ダイレクトブルー199、218、267、273、279、281;アシッドブラック194、208、210、221;ダイレクトブラック19、161、170、171;ベーシックレッド1、ベーシックレッド14、ベーシックブルー7、ベーシックブルー11、ベーシックブルー26、ベーシックバイオレット1、ベーシックバイオレット4、ベーシックバイオレット10など;反応性染料、例えば、リアクティブレッド120、リアクティブレッド2など。
【0037】
該染料には、さらに、塩基性染料と酸性染料の複合体、及び、アニオン性染料とカチオン性染料の複合体も包含される。それら例は、クリソイジン塩基とメタニルイエロー酸の複合体である。
【0038】
本発明によれば、該染料には、少なくとも部分的には水に溶解する蛍光増白剤も包含される。
【0039】
有機染料には、自明のこととして、吸収した放射を無放射的に不活性化する紫外線吸収化合物(紫外線安定剤)も包含される。この種の化合物は、しばしば、サンプロテクション製品中の紫外線吸収剤として使用される。それらには、p−アミノ安息香酸の誘導体、特に、そのエステル;2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸及びその塩、サリチレート類、シンナメート類、ベンゾフェノン類、2−フェニルベンゾイミダゾール−4−スルホン酸及びその塩、ウロカニン酸、その塩及びそのエステル、ベンゾオキサゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンジリデンカンファー及びその誘導体、3,3’−(1,4−フェニレンジメチン)−ビス(7,7−ジメチル−2−オキソジシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−スルホン酸)及びその塩、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン−5−スルホン酸及びその塩、ジメトキシフェニルグリオキサル酸及びその塩、3−(4’−スルホベンジリデン)−ボルナン−2−オン及びその塩、2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス−1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸及びその塩などがある。
【0040】
同様に非常に適しているものは、化粧学で使用されるカラーインデックス染料、例えば、42045、42051、42080、42090、42735、44045、61585、62045、73015、74180、ブロモチモールブルー、カラメル、10316、13015、18690、18820、18965、19140、45350、47005、75100、ラクトフラビン、10020、42053、42100、42170、44090、59040、61570、75810、ブロモクレゾールグリーン、14270、15510、15980、15985、16230、20170、40215、14700、14720、14815、15620、16035、16185、16255、16290、17200、18050、18130、18736、24790、27290、45100、45220、45380、45405、45410、45425、45430、75470、ビートルートレッド、アントシアン、アシッドレッド195、ブラック20470、27755、28440、50420、42510、42520、45190、60725及び60730などである。
【0041】
好ましい染料としては、例として、カラーインデックス15510、15985、16255、17200、19140、20170、42053、42090、45350、45380、45410、47005、60725、61570及び75470を有する染料を挙げることができる。
【0042】
当該染料の色の強さ及び溶解度に応じて、マイクロカプセルには、親水性溶媒に基づいて、一般に、0.1重量%、好ましくは、1〜50重量%、さらに好ましくは、5〜40重量%、特に、5〜30重量%の少なくとも1種類の染料を含ませる。
【0043】
本発明に従ってカプセル化しようとする水溶性有機物質は、単独で使用可能であるか、又は、2種類以上の異なった水溶性有機物質の混合物の形態で使用することができる。このことは、必要に応じて、本発明により、単一の水溶性有機物質又はその混合物(例えば、異なった染料の混合物)を含んでいるマイクロカプセル分散液を得ることが可能であるということを意味する。
【0044】
本発明のカプセル壁は、1種類又は種々のポリ尿素を含んでおり、これは、本発明に従って使用される数平均分子量が600〜380000g/molの少なくとも1種類の多官能性アミン及び/又は2〜10個(好ましくは、2〜6個)の炭素原子を有する少なくとも1種類のアルキルジアミンと、ジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートとの反応生成物で構成される。好ましい一実施形態では、該カプセル壁は、上記反応生成物からなる。
【0045】
適切なものは、ジイソシアネート及びポリイソシアネート、例えば、W.Siefken(Justus Liebigs Annalen der Chemie, 562, pages 75−136)によって記述された脂肪族、脂環式、アリール脂肪族(araliphatic)、芳香族及びヘテロ環式のジイソシアネート及びポリイソシアネート、例えば、エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロブタン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−ジイソシアネート及びシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート及びこれら異性体の任意の混合物、例えば独国特許第1202785号明細書及び米国特許第3401190号明細書に記載されている1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン、2,4−ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート及び2,6−ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート及びこれら異性体の任意の混合物、ヘキサヒドロ−1,3−フェニレンジイソシアネート及びヘキサヒドロ−1,4−フェニレンジイソシアネート、ペルヒドロ−1,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート及びペルヒドロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート及び2,6−トリレンジイソシアネート及びこれら異性体の任意の混合物、ジフェニルメタン2,4’−ジイソシアネート及びジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン4,4’,4’’−トリイソシアネート、例えば英国特許第874430号明細書及び英国特許第848671号明細書に記載されているポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(これは、アニリン−ホルムアルデヒド縮合とそれに続くホスゲン化によって得られる)、米国特許第3454606号明細書によるm−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、例えば独国特許第1157601号明細書に記載されている過塩素化アリールポリイソシアネート、独国特許第1092007号明細書(=米国特許第3152162号明細書)に記載されているカルボジイミド基含有ポリイソシアネート、米国特許第3492330号明細書に記載されているジイソシアネート、英国特許第761626号明細書及び公開されたオランダ国特許出願第7102524号明細書に記載されているアロファネート基含有ポリイソシアネート、例えば米国特許第3001973号明細書、独国特許第1022789号明細書、独国特許第1222067号明細書、独国特許第1027394号明細書、独国特許出願公開第1929034号明細書及び独国特許出願公開第2004048号明細書に記載されているイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、例えばベルギー国特許第752261号明細書又は米国特許第3394164号明細書に記載されているウレタン基含有ポリイソシアネート、独国特許第1230778号明細書によるアシル化尿素基含有ポリイソシアネート、例えば独国特許第1101394号明細書及び英国特許第889050号明細書に記載されているビウレット基含有ポリイソシアネート、例えば米国特許3654106号明細書に記載されている短鎖重合反応により調製されたポリイソシアネート、例えば英国特許第965474号明細書、英国特許第1072956号明細書、米国特許第3567763号明細書及び独国特許第1231688号明細書に記載されているエーテル基含有ポリイソシアネート、独国特許第1072385号明細書による上記イソシアネートとアセタールの反応生成物、並びに、米国特許第3455883号明細書による高分子脂肪酸基含有ポリイソシアネートである。
【0046】
イソシアネートの工業的な調製中に生じるイソシアネート基含有蒸留残渣を使用することも可能であり、その際、1種類以上の上記ポリイソシアネートに場合により溶解させて使用してもよい。さらに、上記ポリイソシアネートの任意の混合物を使用することも可能である。
【0047】
修飾された適切な脂肪族イソシアネートは、例えば、ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン及びイソホロンジイソシアネートに基づくものであり、これらは、1分子当たり少なくとも2つのイソシアネート基を含んでいる。
【0048】
さらにまた、適しているのは、例えば、独国特許第1101394号明細書、独国特許第1453543号明細書、独国特許出願公開第1568017号明細書及び独国特許出願公開第1931055号明細書に記載されているビウレット構造を有するヘキサメチレン1,6−ジイソシアネートの誘導体に基づくポリイソシアネートである。
【0049】
有機リン触媒を用いたビウレット基含有ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネートのカルボジイミド化(carbodiimidization)の結果として生じたポリイソシアネート−ポリウレトンイミンを使用することも可能であり、ここで、形成されたカルボジイミド基が主としてさらに別のイソシアネート基と反応してウレトンイミン(uretonimine)基を与える。
【0050】
3つ以上の末端イソシアネート基含有イソシアヌレート変性ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートに基づいたその調製が独国特許出願公開第2839133号明細書に記載されているもの)を使用することも可能である。別のイソシアヌレート変性ポリイソシアネートも同様に得ることが可能である。
【0051】
上記イソシアネートの混合物、例えば、脂肪族イソシアネートの混合物、芳香族イソシアネートの混合物、脂肪族イソシアネートと芳香族イソシアネートの混合物、特に、変性ジフェニルメタンジイソシアネートを場合により含んでいてもよい混合物を使用することも可能である。
【0052】
本明細書に記載されているジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートは、さらにまた、ジカルボニルクロリド及びポリカルボニルクロリド(例えば、塩化セバコイル、塩化テレフタロイル、二塩化アジポイル、二塩化オキサリル、三塩化トリカルバリロイル(tricarballyloyl trichloride)及び1,2,4,5−ベンゼン−カルボニルテトラクロリドなど)との混合物として、ジスルホニルクロリド及びポリスルホニルクロリド(例えば、1,3−ベンゼンスルホニルジクロリド及び1,3,5−ベンゼンスルホニルトリクロリドなど)との混合物として、ホスゲンとの混合物として、及び、ジクロロギ酸エステル及びポリクロロギ酸エステル(例えば、1,3,5−ベンゼントリクロロホルメート及びエチレンビスクロロホルメートなど)との混合物として使用することも可能である。
【0053】
好ましいイソシアネートは、ビウレットヘキサメチレンジイソシアネート(場合により、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート及び場合により2,4−ジフェニルメタンイソシアネートとの混合物として)、及び、三量体化ヘキサメチレンジイソシアネート(場合により、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び場合により2,4−ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物として)である。
【0054】
さらに別の適切なジイソシアネートは、独国特許出願公開第3105776号明細書及び独国特許出願公開第3521126号明細書に記載されているアルキルベンゼンジイソシアネート及びアルコキシベンゼンジイソシアネート(ここで、これらは、これらのビウレットイソシアネートウレトジオンオリゴマー形態を包含する)である。
【0055】
好ましいジイソシアネート又はポリイソシアネートは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、単量体ジフェニルメタンジイソシアネートとオリゴマージフェニルメタンジイソシアネートの混合物(ポリマーMDI)、テトラメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート三量体、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体、イソホロンジイソシアネート三量体、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ドデシルジイソシアネート、リシンアルキルエステルジイソシアネート(ここで、アルキルは、C−C10である)、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート若しくは2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2−ブチル−2−エチルペンタメチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン又は4−イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネートである。
【0056】
さらにまた、好ましいのは、反応性が異なっているNCO基を有しているジイソシアネート又はポリイソシアネート、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、トリイソシアナトトルエン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2−ブチル−2−エチルペンタメチレンジイソシアネート、2−イソシアナトプロピル−シクロヘキシルイソシアネート、3(4)−イソシアナトメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート、1,4−ジイソシアナト−4−メチルペンタン、2,4’−メチレン−bis(シクロヘキシル)ジイソシアネート及び4−メチルシクロヘキサン1,3−ジイソシアネート(H−TDI)である。特に好ましいのは、さらにまた、NCO基の反応性が最初は等しいが、NCO基にアルコール又はアミンが最初に付加した結果として第二のNCO基の反応性を低下させることが可能なイソシアネートである。その例は、非局在化電子系を介してNCO基をカップリングさせたイソシアネート、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、トリジンジイソシアネート又は2,6−トリレンジイソシアネートなどである。
【0057】
加えて、本発明において好ましいイソシアネートの群は、以下の化合物により代表される:テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(IPDI)、2,4−トリレンジイソシアネート及び2,6−トリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン及び4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン。
【0058】
特に好ましいのは、ウレタン構造、アロファネート構造、尿素構造、ビウレット構造、ウレトジオン構造、アミド構造、イソシアヌレート構造、カルボジイミド構造、ウレトンイミン構造、オキサジアジントリオン構造又はイミノオキサジアジンジオン構造を用いて結合させることにより上記ジイソシアネート又はポリイソシアネート又はそれらの混合物から調製することが可能なオリゴイソシアネート又はポリイソシアネートである。同様に、これらの中で好ましいのは、ウレタン構造、イソシアヌレート構造、アロファネート構造、尿素構造又はビウレット構造を用いて結合させることにより上記ジイソシアネート又はポリイソシアネート又はそれらの混合物から調製することが可能なオリゴイソシアネート又はポリイソシアネートである。
【0059】
本発明による方法で上記ジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートと反応させることが可能な反応物は、平均分子量が、約600〜約380000g/mol、好ましくは、約600〜約300000g/mol、さらに好ましくは、約600〜約100000g/mol、特に好ましくは、約800〜約70000g/molの多官能性アミンである。これらの化合物は、それぞれ、単独で使用可能であるか、又は、互いの混合物として使用することができる。本発明の目的のために、用語「多官能性アミン」には、
一般式(I):
【化1】

【0060】
で表されるポリビニルアミン、
それぞれ、一般式(II)若しくは一般式(III):
【化2】

【0061】
で表されるポリエチレンイミン(ポリエチレンアミン)、
及び/又は
一般式(IV)〜一般式(VI):
【化3】

【0062】
で表されるポリオキシアルキレンアミンが包含され、ここで、式(I)〜式(IV)における添え字x、y及びzは、それぞれの多官能性アミンが上記で示されている範囲内にある分子量を有するようにそれぞれ互いに独立して選択される整数である。上記ポリオキシアルキレンアミンの種類の化合物の挙げることができる例は、JEFFAMINE(登録商標)製品、例えば、JEFFAMINE(登録商標)D−230、JEFFAMINE(登録商標)D−400、JEFFAMINE(登録商標)D−2000、JEFFAMINE(登録商標)T−403、XTJ−510(D−4000)、XTJ−500(ED−600)、XTJ−501(ED−900)、XTJ−502(ED−2003)、XTJ−509(T−3000)及びJEFFAMINE(登録商標)T−5000である。
【0063】
本発明に関連して好ましい多官能性アミンは、式(I)で表されるポリビニルアミン及び式(III)で表される分枝鎖ポリエチレンイミン、特に、式(I)で表されるポリビニルアミンである。この種類のポリビニルアミンは、例えば、式(VII)の対応するポリビニルホルムアミドを加水分解することにより得ることができる。
【化4】

【0064】
本発明に従って使用されるポリビニルアミンがポリビニルホルムアミドの加水分解産物である場合、それは、生じた加水分解の程度又は完全性に応じて、式(IV)で表されるポリビニルホルムアミドを依然として含み得る。本発明の目的のために、加水分解の程度が約60〜約100%(mol/mol)である加水分解産物(これは、従って、最初に使用したポリビニルホルムアミドの約40〜約0%(mol/mol)を含んでいる)を使用するのが好ましい。加水分解の程度が約80〜約100%、さらに好ましくは、約90〜約100%、特に好ましくは、約95〜約100%である加水分解産物を使用するのが好ましい。
【0065】
本発明による多官能性アミンとして同様に好ましいポリエチレンイミンは、例えば、「Rompp Chemie Lexikon, 9th edition, 1992」に記載されているような、当業者には自体公知の方法により得ることができる。
【0066】
上記多官能性アミンは、本発明のマイクロカプセル分散液を調製するために、それぞれ、単独で使用可能であるか、又は、上記したものの内の約2〜約5種類の異なったアミンの混合物として使用することができる。
【0067】
好ましい一実施形態では、それらは、2〜10個の炭素原子(好ましくは、2〜6個の炭素原子)を有するアルキルジアミンと一緒に使用する。適切なアルキルジアミンは、例えば、2〜10個の炭素原子(好ましくは、2〜6個の炭素原子)を有する脂肪族アルキルジアミン、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン及び/又はヘキサメチレンジアミン、好ましくは、エチレンジアミン及び/又はヘキサメチレンジアミンである。同様に適しているものは、環状アルキルジアミン、例えば、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン,IPDA)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン及び/又は1,4−ジアミノシクロヘキサンである。上記アルキルジアミンも、それぞれ、単独で使用可能であるか、又は、上記化合物の混合物として使用することができる。
【0068】
本発明のマイクロカプセル分散液の調製についての好ましい一実施形態では、選択した多官能性アミン、特に、選択したポリビニルアミンは、上記アルキルジアミンの内の1つとの混合物の形態で使用するか、又は、上記アルキルジアミンの混合物との混合物の形態で使用する。そのような場合、その混合比は、有利には、当該混合物内のアミノ基の約20〜約65%、好ましくは、約30〜約60%、特に、約40〜約55%が選択したアルキルジアミン又は選択したアルキルジアミンの混合物に由来するように選択する。
【0069】
本発明にしたがって使用されるイソシアネートの量は、従来の界面重付加反応プロセスの範囲内で変わる。かくして、カプセル化(親水性溶媒+水溶性物質)に対して提供される不連続相に基づいて、一般に、20〜150重量%、好ましくは、40〜150重量%のイソシアネートを使用する。得られたカプセルの良好な剪断安定性は、40重量%という低い量から観察される。150重量%を超える量は可能であるが、一般に、さらに安定なカプセル壁が得られることはない。
【0070】
壁を形成するのに必要なイソシアネートの理論上の量は、使用する反応物成分の反応性アミノ基の量から計算する。これらの量的な比率は、通常、当量で表される。
【数1】

【0071】
油相中に存在しているNCO基の全てが反応するのには、少なくとも理論的には等しい数のNH基及び/又は−NH基が必要である。従って、イソシアネートと多官能性アミンと場合により選択されるアルキルジアミンをそれらの当量の比率で使用するのが有利である。しかしながら、界面重付加反応プロセス中にイソシアネートと過剰に存在している水との副反応をなくすることはできないので、いずれかの架橋剤を化学量論的に計算された量より少なくすることも同様に可能である。あるいは、過剰量の反応物成分を使用することも可能であるが、それは、反応物成分が過剰であっても重大な問題ではなく、また、使用される多官能性アミンの場合は、立体障害的な理由により、一般に、全てのアミノ官能性が反応するわけではないからである。
【0072】
従って、特に、該反応物は、理論的に計算された量の約50〜250重量%の量で使用する。この量は、理論的に計算された量に基づいて、好ましくは、約90〜200重量%、特に、約105〜170重量%である。
【0073】
本発明は、さらに、本発明のマイクロカプセル分散液を調製する方法を提供し、ここで、該方法では、界面活性物質を用いて疎水性溶媒中の親水性溶媒のエマルションを調製し(ここで、該親水性相は、水溶性有機物質と、ジイソシアネート基及び/又はポリイソシアネート基と反応するNH基又はNH基含有反応物を含んでいる)、及び、そのエマルションに、ジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートを添加する。
【0074】
安定なエマルションを得るために、保護コロイド及び/又は乳化剤などの界面活性物質が必要である。通常、該疎水性相と混合する界面活性物質を使用する。
【0075】
好ましい保護コロイドは、単独の又は別の界面活性物質と混合されている状態にある、50Å以上の長さを有する疎水性構造単位を持つ線状ブロックコポリマーである。そのような線状ブロックコポリマーは、式:
【化5】

【0076】
で表され、ここで、上記式中、wは0又は1であり、xは1又はそれ以上のいずれかであり、yは0又は1であり、Aは親水性構造単位であり(ここで、該親水性構造単位は、25℃での水中における溶解度が1重量%以上であり、200〜50000g/molの数平均分子量を有し、且つ、Bブロックに対して共有結合的に結合する)、Bは疎水性構造単位であり(ここで、該疎水性構造単位は、300〜60000g/molの数平均分子量を有し、25℃での水中における溶解度が1重量%未満であり、且つ、Aに対して共有結合を形成することができる)、C及びDは、末端基である(ここで、該末端基は、互いに依存して、A又はBであり得る)。該末端基は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、また、調製方法に依存する。
【0077】
親水性基の例は、ポリエチレンオキシド、ポリ(1,3−ジオキソラン)、ポリエチレンオキシド又はポリ(1,3−ジオキソラン)のコポリマー、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド)及びポリメチレンオキシドである。
【0078】
疎水性基の例は、疎水性部分が、50Å以上、好ましくは、75Å以上、特に、100Å以上の立体障害(steric barrier)であるポリエステルである。そのようなポリエステルは、2−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシカプロン酸、10−ヒドロデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシイソブタン酸、2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、カプロラクトンとブチロラクトンのポリラクトン、カプロラクタムのポリラクタム、ポリウレタン及びポリイソブチレンなどの成分から誘導される。
【0079】
該線状ブロックコポリマーは、親水性単位と疎水性単位の両方を含んでいる。該ブロックポリマーは、約1000g/molの分子量を有し、余弦の法則に従って計算して50Å以上の疎水性部分の長さを有している。これらの寸法は、文献に記載されている結合距離及び結合角を考慮して、伸びた立体配置に対して計算する。これらの単位の調製は、一般的な知識である。調製方法は、例えば、ヒドロキシ酸の縮合反応、ポリオール(例えば、ジオール)とポリカルボン酸(例えば、ジカルボン酸)との縮合である。ラクトン及びラクタムの重合、並びに、ポリオールとポリイソシアネートの反応も適している。一般的に知られているように、例えば、縮合反応及びカップリング反応により、疎水性ポリマー単位を親水性単位と反応させる。そのようなブロックコポリマーの調製については、例えば、米国特許第4203877号明細書に記載されている。これを特に参照する。線状ブロックコポリマーの割合は、使用する界面活性物質の総量の、好ましくは、20〜100重量%である。
【0080】
適切な界面活性物質は、さらにまた、油中水型エマルションに対して従来使用される乳化剤、例えば、以下のものなどである:
・C12−C18ソルビタン脂肪酸エステル;
・ヒドロキシステアリン酸とC12−C30脂肪アルコールのエステル;
・C12−C18脂肪酸とグリセロール又はポリグリセロールのモノエステル及びジエステル;
・エチレンオキシドとプロピレングリコールの縮合物;
・オキシプロピレン化/オキシエチレン化C12−C20脂肪アルコール;
・多環式アルコール、例えば、ステロール類;
・高分子量の脂肪族アルコール、例えば、ラノリン;
・オキシプロピレン化/ポリグリセリル化アルコールとイソステアリン酸マグネシウムの混合物;
・ポリオキシエチル化脂肪アルコール又はポリオキシプロピレン化脂肪アルコールのコハク酸エステル;
・場合により水素化ラノリン、ラノリンアルコール又はステアリン酸若しくはステアリルアルコールとの混合物としての、ラノリン脂肪酸及びステアリン酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、亜鉛塩及びアルミニウム塩。
【0081】
Span(登録商標)シリーズの乳化剤は、特に有利点を有していることが分かっている。これらは、環化ソルビトール(脂肪酸でポリエステル化されている場合もある)であり、その基礎構造も、界面活性化合物から選択されたさらなる既知ラジカル(例えば、ポリエチレンオキシド)で置換されてもよい。ここで挙げることができる例は、ソルビタンのラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸とのエステル、例えば、Span(登録商標)80(モノオレイン酸ソルビタン)、Span(登録商標)60(モノステアリン酸ソルビタン)及びSpan(登録商標)85(トリオレイン酸ソルビタン)などである。
【0082】
好ましい一実施形態では、オキシプロピレン化/オキシエチレン化C12−C20脂肪アルコールを、さらなる界面活性物質との混合成分として使用する。これらの脂肪アルコールは、通常、3〜12のエチレンオキシド単位及び/又はプロピレンオキシド単位を有している。
【0083】
乳化剤として、C12−C18ソルビタン脂肪酸エステルを使用するのが好ましい。これらは、単独で使用可能であるか、混合した状態で使用可能であるか、及び/又は、上記で記載した別のタイプの乳化剤との混合物として使用することができる。ソルビタン脂肪酸エステルの割合は、使用する界面活性物質の総量の、好ましくは、20〜100重量%である。
【0084】
好ましい一実施形態では、上記で定義した線状ブロックコポリマーとC12−C18ソルビタン脂肪酸エステルを含んでいる界面活性物質の混合物を選択する。
【0085】
特に好ましくは、該線状ブロックコポリマーとC12−C18ソルビタン脂肪酸エステルとオキシプロピレン化/オキシエチレン化C12−C20脂肪アルコールを含んでいる界面活性物質の混合物を選択する。
【0086】
界面活性物質の総量に基づいて、20〜95重量%(特に、30〜75重量%)の線状ブロックコポリマー及び5〜80重量%(特に、25〜70重量%)のC12−C18ソルビタン脂肪酸エステルを含んでいる混合物が好ましい。オキシプロピレン化/オキシエチレン化C12−C20脂肪アルコールの割合は、好ましくは、0〜20重量%である。
【0087】
界面活性物質の総量に基づいて、30〜50重量%の線状ブロックコポリマー、40〜60重量%のC12−C18ソルビタン脂肪酸エステル及び2〜10重量%のオキシプロピレン化/オキシエチレン化C12−C20脂肪アルコールを本質的に含んでいる界面活性物質の混合物が特に好ましい。
【0088】
界面活性物質の最適量は、第一に、界面活性物質自体に影響され、第二に、反応温度、マイクロカプセルの所望の寸法及び壁の材料により影響される。最適とするのに必要な量は、単純な一連の実験によって容易に決定可能である。該エマルションを調製するために、界面活性物質は、疎水性相に基づいて、一般に、0.01〜10重量%、好ましくは、0.05〜5重量%、特に、0.1〜2重量%の量で使用する。
【0089】
本発明のマイクロカプセルを調製するために、好ましい一実施形態に従い、水溶性有機物質(例えば、染料)と上記で記載した少なくとも1種類の多官能性アミンと適切な場合には1種類以上の異なったアルキルジアミンを親水性溶媒に溶解させた溶液を疎水性溶媒に添加することができる。界面活性物質の助けを借りて、撹拌しながら安定なエマルションを調製する。同様に好ましい変形態様に従えば、水溶性有機物質と反応物を、安定なエマルションに単に添加するか、又は、乳化ステップ中に添加する。次いで、イソシアネートを計量してそのようなエマルション中に供給することができる。一般に、これにより、界面重付加反応又は重縮合が開始され、次いで、壁が形成される。
【0090】
選択されたイソシアネート成分は、連続的に添加可能であるか、又は、不連続的に添加可能である。該イソシアネート成分は、連続的に添加することで首尾よい結果が得られるが、この場合、添加速度は、一定に保つことが可能であるか、又は、反応中に変えることが可能である。本発明のマイクロカプセル分散液の調製についての特に好ましい一実施形態では、ジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートを、反応が進行するにつれて低下していく速度(即ち、勾配様式)で連続的に該エマルションに添加する手順に従う。この好ましい調製方法により、特に、カプセル化対象の水溶性有機物質に関して高いカプセル化効率で本発明のマイクロカプセル分散液を提供することが可能となる。このことは、この調製方法により、有利には、その壁がカプセル化された水溶性有機物質に対して特に低い浸透性を有することを特徴とするマイクロカプセルの分散液が得られるということを意味する。
【0091】
当該界面反応は、例えば、−3〜+70℃の範囲内の温度で進行させることが可能であり、15〜65℃で反応させるのが好ましい。
【0092】
調製するカプセルの寸法に応じて、コアの材料を既知方法で分散させる。大きなカプセルを調製するためには、効果的な撹拌機、特に、プロペラ撹拌機又はインペラー撹拌機を用いて分散させれば充分である。小さなカプセル、特に、カプセルの寸法が50μm未満である場合、均質化機又は分散機が必要である(ここで、これらの装置には、強制流動手段が備えられていても又は備えられていなくてもよい)。
【0093】
そのような均質化は、超音波(例えば、Branson Sonifier II 450)を用いて実施することも可能である。超音波を用いた均質化に関して、適切な装置は、例えば、英国特許出願公開第2250930号明細書及び米国特許第5,108,654号明細書に記載されているものである。
【0094】
カプセルの寸法は、分散装置/均質化装置の回転速度を介して、及び/又は、ポリイソブチレン(Glissopal(登録商標),BASF Aktiengesellschaft)などの適切な増粘剤を用いて、特定の限度内で、それらの濃度及びそれらの分子量に応じて、即ち、連続油相の粘度を介して、制御可能である。これに関連して、回転速度が限界速度まで増大するのにつれて、分散粒子の寸法は、低減する。使用可能なさらなる増粘剤には、乾燥アルミナ、例えば、Bentone(登録商標)38などがある。
【0095】
これに関連して、分散装置をカプセル形成の開始時点で使用するのが重要である。強制流を用いて連続的に作動する装置の場合、該エマルションを剪断場に何度も通すのが有利である。
【0096】
初めに述べたとおり、本発明に従って調製可能なマイクロカプセルは、後処理に付すことができる。そのような後処理に適する試薬は、使用したイソシアネート成分と使用したアミン成分(即ち、選択された多官能性アミン及び/又は選択されたアルキルジアミン)の間の反応を完結させることが可能な低分子量化合物、又は、未反応のイソシアネート官能基と反応することが可能な低分子量化合物である。挙げることができるそれらの例としては、例えば、以下の試薬などがある:2−アミノメチルプロパノール、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、2−アミノシクロヘキサノール及びオクチルアミン。後処理用の好ましい試薬は、2−アミノメチルプロパノールである。
【0097】
本発明の調製方法を用いて、マイクロカプセルの含有量が5〜50重量%であるマイクロカプセル分散液を調製することができる。そのマイクロカプセルは、個別のカプセルである。分散に際して適切な条件を選択した場合、約0.1〜200μm以上の範囲の平均粒径を有するカプセルを製造することが可能である。好ましいのは、平均粒径が約0.1〜50μmのカプセルであり、特に、約0.1〜約30μmのカプセルであり、平均粒径が約0.1〜約10μmであるカプセルが最も好ましい。上記平均粒径は、個々の粒子を計数するためのMie補正を用いたフラウンホーファー回折により測定したz−平均粒径である。それは、通常、「Malvern Mastersizer S」を用いて求める。粒度分布が非常に狭いカプセルが特に有利である。
【0098】
本発明のマイクロカプセル分散液は、既知方法で、化粧品組成物中に組み入れることができる。化粧品組成物中に組み入れるのは、この目的に対して慣習的な方法で、通常、当該化粧品組成物の残りの成分に導入して撹拌及び均質化することにより実施する。
【0099】
装飾的化粧品組成物として製剤される化粧品組成物の例は、顔の皮膚を処置するための組成物、特に、目の領域を処置するための組成物、例えば、コールペンシル、アイライナーペンシル、アイブローペンシル、アイシャドー、クリームブラッシャー、パウダーブラッシャー、ファンデーション、メイクアップ、例えば、ステージメイクアップ、リップスティックなどである。
【0100】
挙げることができるさらなる化粧品組成物としては、紫外線吸収化合物を含んでいる組成物、例えば、サンプロテクション製品、例えば、サンプロテクションクリーム又はサンプロテクションスティックなどがある。
【0101】
油又は脂肪のみからなる化粧品組成物の場合、特に、固形の化粧品組成物(例えば、ペンシル、例えば、コールペンシル、アイライナーペンシル、アイブローペンシル、スティック、ステージメイクアップ、リップスティックなど)の場合、及び、粗い又は微粉の化粧品組成物(例えば、アイシャドー及びクリームブラッシャー又はルースパウダーブラッシャーなど)の場合、マイクロカプセル分散液を使用するのが好ましい。
【0102】
化粧品組成物中のマイクロカプセルの量は、主として、装飾的化粧品組成物が有することになる望ましい色の印象に左右される。化粧品組成物の種類及び望まれる色の印象に応じて、該化粧品の組成物中のマイクロカプセル含有量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、0.1〜50重量%の範囲である。
【0103】
本発明は、さらに、本発明のマイクロカプセル分散液から疎水性溶媒を除去することによって得ることができるマイクロカプセルを提供する。これは、適していると思われる当業者には既知のいずれかの方法で実施可能であり、例えば、適切な溶媒(例えば、ヘプタン)を用いて本発明のマイクロカプセル分散液を抽出又は濾過し、その後、得られたマイクロカプセルを乾燥させることにより、実施可能である。
【0104】
このようにして得ることができるマイクロカプセルも、本発明のマイクロカプセル分散液に関して上記で言及した用途(例えば、化粧品組成物中に組み入れること)の全てに適している。
【実施例】
【0105】
下記実施例は、本発明を一切限定することなく、本発明について説明するのに役立つ。
【0106】
一般細目
粘度は、ISO3219(DIN53019)に従い、Z3DIN内でPhysika粘度計(MC20)を用いて、剪断速度100s−1、温度23℃で測定した。カプセルの直径は、Olympus(BX51)製の顕微鏡を用いて、倍率500倍で視覚的に求めた。
【0107】
カプセル化効率を測定するための指示
得られたマイクロカプセル分散液の均質に混合された0.2gのサンプルを秤量して、50mLの遠心分離管(ポリエチレン)の中に入れた。そのサンプルに、10mLの抽出溶液(完全に脱イオン化した水と2−プロパノールの1:1混合物)を添加した。その溶液を充分に混合し、次いで、20分間遠心分離した。その後、上清溶液をガラス製ビーカーに移した。上清液が無色になるまで、洗浄抽出プロセスを繰り返し行った。洗浄液を集め、それを、抽出溶液を用いて100mLとした。集めた溶液の一部を0.2μmのフィルターで濾過し、カプセル化用の水溶性有機物質の量を、HP(HP8453)製のUV−VIS分光計を使用してUV分光法により求めた。
【0108】
カプセル化効率は、以下の式により計算する:
【数2】

【0109】
上記式中、Aは、分析したサンプル中に存在しているカプセル化のための有機物質の総量であり、Bは、分析したサンプルの容積と紫外線分光学により求めた濃度の積である。
【0110】
実施例1
5.8gのSpan(登録商標)80(モノオレイン酸ソルビタン、Roth)、1.2gのCremophor(登録商標)A6[75重量%のセタレス−6(エトキシル化セチルアルコール)25重量%のステアリルアルコール、BASF]及び8.2gのArlacel(登録商標)P135(PEG−30ジポリヒドロキシステアレート、Atlas Chemie)を1306.9gのMiglyol(登録商標)812(デカノイル/オクタノイルグリセリド;Sasol)に溶解させた溶液を、4L容の撹拌下にある容器に入れた。8.8gのエチレンジアミン(Merck、99%)、46.9gのC.I.42090(BASF Aktiengesellschaft)、23gのポリビニルアミン(Lupamin(登録商標)5095SF、透析済み、加水分解の程度>90%、分子量約45000g/mol、BASF Aktiengesellschaft)及び6.9gのポリビニルアミン(Lupamin(登録商標)1595SF、透析済み、加水分解の程度>90%、分子量<10000g/mol、BASF Aktiengesellschaft)を312.6gの水に溶解させた溶液を添加した後、2000rpm(RZR2102、Heidolph)の回転速度で油中水型エマルションを生成させた。195.9gのBasonat(登録商標)TU 75E(TDIとポリオールの多官能性トリレンジイソシアネート(TDI)付加体、酢酸エチル中75重量%強度、BASF Aktiengesellschaft)を1151.9gのMiglyolに溶解させた溶液を、2000rpmの撹拌速度で、90分間かけて添加した。添加終了後、その分散液を15分間かけて60℃に加熱し、さらに60分間撹拌した。その後、反応混合物を15分間かけて室温まで冷却した。5.1gの2−アミノメチルプロパノール(Merck、95%)を添加し、室温で撹拌を40分間続けた。得られた分散液はミルキーブルー色であり、また、顕微鏡での評価によれば、主として1〜5μmの直径を有する個別のカプセルを含んでいた。粘度は1370mPa・s(100s−1)であり、固形分は20重量%であった。UV−Vis分光法により、カプセル化効率が76%であることが示された。
【0111】
実施例2
4.7gのSpan(登録商標)80(モノオレイン酸ソルビタン、Roth)、1.2gのSpan(登録商標)85(トリオレイン酸ソルビタン、Roth)、1.2gのCremophor(登録商標)A6[75重量%セタレス−6(エトキシル化セチルアルコール)25重量%ステアリルアルコール、BASF]及び4.7gのArlacel(登録商標)P135(PEG−30ジポリヒドロキシステアレート、Atlas Chemie)を1295.6gのMiglyol(登録商標)812(デカノイル/オクタノイルグリセリド;Sasol)に溶解させた溶液を、円筒形の4L容の撹拌下にある容器に入れた。8.8gのエチレンジアミン(Merck、99%)、23.0gのポリビニルアミン(Lupamin(登録商標)5095SF、透析済み、加水分解の程度>90%、分子量約45000g/mol、BASF Aktiengesellschaft)、6.9gのポリビニルアミン(Lupamin(登録商標)1595SF、透析済み、加水分解の程度>90%、分子量<10000g/mol、BASF Aktiengesellschaft)及び47gのC.I.42090(BASF)を313.3gの水に溶解させた溶液を添加し、分散機(Pendraulik stirrer model LD−50)を4000rpm(RZR2102、Heidolph)の回転速度で使用して、4分間分散させた。このようにして得られた油中水型エマルションを、2000rpmの撹拌速度で、195.8gのBasonat(登録商標)TU 75E(TDIとポリオールの多官能性トリレンジイソシアネート付加体、酢酸エチル中の75重量%強度、BASF Aktiengesellschaft)を1080.8gのMiglyolに溶解させた溶液と、90分間にわたり線状に下降する勾配で混合させた。添加完了後、その分散液を15分間かけて60℃に加熱し、さらに60分間撹拌した。その後、反応混合物を15分間かけて室温まで冷却した。5.1gの2−アミノメチルプロパノール(Merck、95%)を添加し、その混合物を室温でさらに40分間撹拌した。得られた分散液はミルキーブルー色であり、また、顕微鏡での評価によれば、主として1〜5μmの直径を有する個別のカプセルを含んでいた。粘度は510mPa・s(100s−1)であり、固形分は20重量%であった。UV−Vis分光法により、カプセル化効率が98%であることが示された。
【0112】
実施例3
C.I.42090(BASF Aktiengesellschaft)の代わりに46.9gのSicovit(登録商標)Cochineal Red 80E 124(BASF Aktiengesellschaft)を使用して、実施例1の方法によりマイクロカプセル分散液を調製した。得られた分散液はミルキーレッド色であり、また、顕微鏡での評価によれば、主として1〜5μmの直径を有する個別のカプセルを含んでいた。粘度は1180mPa・s(100s−1)であり、固形分は20重量%であった。UV−Vis分光法により、カプセル化効率が81%であることが示された。
【0113】
実施例4
C.I.42090(BASF Aktiengesellschaft)の代わりに46.9gのSicovit(登録商標)Cochineal Red 80E 124(BASF Aktiengesellschaft)を使用して、実施例2の方法によりマイクロカプセル分散液を調製した。得られた分散液はミルキーレッド色であり、また、顕微鏡での評価によれば、主として1〜5μmの直径を有する個別のカプセルを含んでいた。粘度は2110mPa・s(100s−1)であり、固形分は20重量%であった。UV−Vis分光法により、カプセル化効率が91%であることが示された。
【0114】
実施例5
アミン成分として68.5gのポリビニルアミン(Lupamin(登録商標)5095SF、透析済み、加水分解の程度>95%、分子量約45000g/mol、BASF Aktiengesellschaft)を使用し、イソシアネート成分として166.9gのBasonat(登録商標)TU 75E(TDIとポリオールの多官能性トリレンジイソシアネート付加体、酢酸エチル中の75重量%強度、BASF Aktiengesellschaft)を使用し、実施例4の方法を用いてマイクロカプセル分散液を調製した。得られた分散液はミルキーブルー色であり、また、主として1〜30μmの直径を有するマイクロカプセルを含んでいた。固形分は20重量%であった。UV−Vis分光法により、カプセル化効率が83%であることが示された。
【0115】
比較例1
5.5gのSpan(登録商標)80(モノオレイン酸ソルビタン、Roth)、1.1gのCremophor(登録商標)A6[75重量%セタレス−6(エトキシル化セチルアルコール)25重量%ステアリルアルコール、BASF]及び7.7gのArlacel(登録商標)P135(PEG−30ジポリヒドロキシステアレート、Atlas Chemie)を1226.1gのMiglyol(登録商標)812(デカノイル/オクタノイルグリセリド;Sasol)に溶解させた溶液を、4L容の撹拌下にある容器に入れた。24.5gのエチレンジアミン(Merck、99%)及び44gのC.I.42090(BASF Aktiengesellschaft)を293.3gの水に溶解させた溶液を添加した後、2000rpm(RZR2102、Heidolph)の回転速度で油中水型エマルションを生成させた。195.9gのBasonat(登録商標)TU 75E(TDIとポリオールの多官能性トリレンジイソシアネート付加体、酢酸エチル中75重量%強度、BASF Aktiengesellschaft)を1080.8gのMiglyolに溶解させた溶液を、2000rpmの撹拌速度で、90分間かけて添加した。添加終了後、その分散液を15分間かけて60℃に加熱し、さらに60分間撹拌した。その後、反応混合物を15分間かけて室温まで冷却した。5.1gの2−アミノメチルプロパノール(Merck、95%)を添加し、室温で撹拌を40分間続けた。得られた分散液はミルキーブルー色であり、また、顕微鏡での評価によれば、主として1〜5μmの直径を有する個別のカプセルを含んでいた。粘度は219mPa・s(100s−1)であり、固形分は20重量%であった。UV−Vis分光法により、カプセル化効率が18%であることが示された。
【0116】
比較例2
比較例1の方法を用いてマイクロカプセル分散液を調製したが、但し、Miglyol中の溶液状態にあるBasonat(登録商標)を、90分間にわたり一定の速度ではなく、その代わりに、同じ90分間にわたり線状に下降する勾配で添加した。得られた分散液はミルキーブルー色であり、また、顕微鏡での評価によれば、主として1〜5μmの直径を有する個別のカプセルを含んでいた。粘度は240mPa・s(100s−1)であり、固形分は20重量%であった。UV−Vis分光法により、カプセル化効率が35%であることが示された。
【0117】
比較例3
C.I.42090(BASF Aktiengesellschaft)の代わりに44gのSicovit(登録商標)Cochineal Red 80A(E124、C.I.16255、BASF Aktiengesellschaft)を使用して、比較例1の方法によりマイクロカプセル分散液を調製した。得られた分散液はミルキーレッド色であり、また、顕微鏡での評価によれば、主として1〜5μmの直径を有する個別のカプセルを含んでいた。粘度は219mPa・s(100s−1)であり、固形分は20重量%であった。UV−Vis分光法により、カプセル化効率が7%であることが示された。
【0118】
比較例4
C.I.42090(BASF Aktiengesellschaft)の代わりに44gのSicovit(登録商標)Cochineal Red 80A(E124、C.I.16255、BASF Aktiengesellschaft)を使用して、比較例2の方法によりマイクロカプセル分散液を調製した。得られた分散液はミルキーレッド色であり、また、顕微鏡での評価によれば、主として1〜5μmの直径を有する個別のカプセルを含んでいた。粘度は153mPa・s(100s−1)であり、固形分は20重量%であった。UV−Vis分光法により、カプセル化効率が51%であることが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性溶媒中にマイクロカプセルを含んでいるマイクロカプセル分散液であって、該マイクロカプセルは、少なくとも1種類の水溶性有機物質を含んでいるカプセルコア及びカプセルシェルを有し、該カプセルシェルは、
(a)少なくとも1種類のジイソシアネート、オリゴイソシアネート及び/又はポリイソシアネート;
及び
(b)600〜380000g/molの数平均分子量を有するポリビニルアミン、ポリエチレンイミン及びポリオキシアルキレンアミンからなる群から選択される少なくとも1種類の多官能性アミン;
及び
(c)適切な場合には、2〜10個の炭素原子を有する1種類又は2種類以上の異なったアルキルジアミン;
の反応生成物を含んでいる、前記マイクロカプセル分散液。
【請求項2】
前記カプセルシェルが、
(a)少なくとも1種類のジイソシアネート、オリゴイソシアネート及び/又はポリイソシアネート;
及び
(b)600〜380000g/molの数平均分子量を有するポリビニルアミン、ポリエチレンイミン及びポリオキシアルキレンアミンからなる群から選択される少なくとも1種類の多官能性アミン;
及び
(c)適切な場合には、2〜10個の炭素原子を有する1種類又は2種類以上の異なったアルキルジアミン;
の反応生成物で構成されている、請求項1に記載のマイクロカプセル分散液。
【請求項3】
前記カプセルシェルが、2〜10個の炭素原子を有する1種類又は2種類以上の異なったアルキルジアミンを用いて形成されている、請求項1又は2に記載のマイクロカプセル分散液。
【請求項4】
前記少なくとも1種類の多官能性アミンが、800〜70000g/molの数平均分子量を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロカプセル分散液。
【請求項5】
前記少なくとも1種類の多官能性アミンが、ポリビニルアミンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロカプセル分散液。
【請求項6】
前記イソシアネートが、ウレタン構造、イソシアヌレート構造、アロファネート構造、尿素構造及び/又はビウレット構造を含んでいるオリゴイソシアネート及び/又はポリイソシアネートである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロカプセル分散液。
【請求項7】
前記少なくとも1種類のジイソシアネート、オリゴイソシアネート及び/又はポリイソシアネートが、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(IPDI)、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン及び4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロカプセル分散液。
【請求項8】
前記水溶性有機物質が、染料を含んでいる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロカプセル分散液。
【請求項9】
前記疎水性溶媒が、50〜100重量%のグリセロールエステル油及び0〜50重量%の溶媒(ここで、該溶媒は、グリセロールエステル油と混和性である)で構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のマイクロカプセル分散液。
【請求項10】
前記疎水性溶媒が、グリセロールエステル油で構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のマイクロカプセル分散液。
【請求項11】
前記カプセルコアが、親水性溶媒として水を含んでいる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のマイクロカプセル分散液。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のマイクロカプセル分散液を調製する方法であって、界面活性物質を用いて疎水性溶媒中の親水性溶媒のエマルションを調製し(ここで、該親水性相は、水溶性有機物質及び少なくとも1種類の多官能性アミンを含み、さらに、必要に応じて、2〜10個の炭素原子を有する1種類又は2種類以上の異なったアルキルジアミンを含んでいる)、及び、そのエマルションに、ジイソシアネート、オリゴイソシアネート及び/又はポリイソシアネートを添加する、前記方法。
【請求項13】
反応が進行するにつれて低下していく速度で前記ジイソシアネート、オリゴイソシアネート及び/又はポリイソシアネートを前記エマルションに連続的に添加する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
下記式:
【化1】

[式中、
Aは、親水性構造単位である(ここで、該親水性構造単位は、25℃での水中における溶解度が1重量%以上であり、200〜50000g/molの数平均分子量を有し、且つ、Bに対して共有結合的に結合するように選択される);
Bは、疎水性構造単位である(ここで、該疎水性構造単位は、300〜60000g/molの数平均分子量を有し、25℃での水中における溶解度が1重量%未満であり、且つ、Aに対して共有結合的に結合することが可能である);
C及びDは、末端基である(ここで、該末端基は、A又はBであることが可能であり、また、同一の基であっても又は異なった基であってもよい);
wは、0又は1である;
xは、1以上の整数である;
yは、0又は1である;
及び
zは、0又は1である]
によって定義される長さが5nm(50Å)よりも長い疎水性構造単位を有する線状ブロックコポリマーを界面活性物質として使用する、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記線状ブロックコポリマーが、12−ヒドロキシステアリン酸ブロックコポリマーである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
12〜C18ソルビタン脂肪酸エステルを界面活性物質として使用する、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項17】
12〜C18ソルビタン脂肪酸エステル及び請求項14に記載されている線状ブロックコポリマーを含んでいる混合物を一界面活性物質として使用する、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項18】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のマイクロカプセル分散液から疎水性溶媒を除去することにより得ることができるマイクロカプセル。

【公表番号】特表2008−518764(P2008−518764A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539504(P2007−539504)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011485
【国際公開番号】WO2006/048166
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】