説明

マスク組立体および有機発光表示装置

【課題】本発明は、蒸着品質を高めることができるマスク組立体およびそれを用いて製造された有機発光表示装置を提供する。
【解決手段】本発明によるマスク組立体は、開口部を形成するフレームと、複数の蒸着用開口部を形成し、長さ方向に沿って引張力が加わった状態で両側端部がフレームに固定される複数の単位マスクとを含む。複数の単位マスクのうちの隣接した少なくとも二つの単位マスクは、互いに向き合う両側面に蒸着用凹部を形成する。単位マスクの幅方向に沿った蒸着用凹部の幅は、単位マスクの幅方向に沿った蒸着用開口部の幅と同一であるか、またはそれよりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク組立体に関し、より詳しくは、薄膜蒸着のためのマスク組立体およびそれを用いて製造された有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、自発光特性を有し、低い消費電力と高い輝度および速い応答速度などの高品位特性を有する。有機発光表示装置は、画素電極と共通電極の間に有機発光層を配置した構造からなり、副画素(sub−pixel)毎に一つの画素電極と一つの有機発光層が位置する。
【0003】
有機発光層は、マスク組立体を用いた蒸着法で形成される。マスク組立体は、有機発光層に対応する複数の蒸着用開口部を形成した帯状の単位マスクと、単位マスクを支持するフレームから構成される。単位マスクは、長さ方向に沿って引張力が加わった状態でフレームに固定されて自重による垂れが防止される。このような分割型マスク組立体は、大型有機発光表示装置の製造に有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有機発光層の蒸着品質を高めることができるマスク組立体およびそれを用いて製造された有機発光表示装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によるマスク組立体は、開口部を形成するフレームと、複数の蒸着用開口部を形成し、長さ方向の両側端部がフレームに固定される複数の単位マスクとを含む。複数の単位マスクのうちの隣接した少なくとも二つの単位マスクは、互いに向き合う両側面に蒸着用凹部を形成し、単位マスクの幅方向に沿った蒸着用凹部の幅は、単位マスクの幅方向に沿った蒸着用開口部の幅以上である。
【0006】
複数の蒸着用開口部のそれぞれは、単位マスクの幅方向と平行な長辺と、単位マスクの長さ方向と平行な短辺とを含むことができる。単位マスクの幅方向に沿った蒸着用開口部の間の距離は、単位マスクの長さ方向に沿った蒸着用開口部の間の距離よりも小さく形成されてもよい。
【0007】
蒸着用凹部は、単位マスクの幅方向に沿って複数の蒸着用開口部と平行に位置してもよい。少なくとも二つの単位マスクに形成された二つの蒸着用凹部は、同一の形状と同一の大きさを有し、単位マスクの幅方向に沿って平行に位置してもよい。
【0008】
蒸着用開口部と蒸着用凹部は、傾いた側壁で囲まれ、単位マスクの幅方向に沿った蒸着用凹部の一側面の側壁形状は、単位マスクの幅方向に沿った蒸着用開口部の側壁形状と同一であってもよい。
【0009】
単位マスクは、蒸着ソースと向き合う一面とその反対面を含み、一面で観察される蒸着用開口部および蒸着用凹部の大きさは、反対面で観察される蒸着用開口部および蒸着用凹部の大きさよりも大きく形成されてもよい。
【0010】
単位マスクの幅方向に沿った蒸着用凹部の幅(w1)は、下記条件を満たすことができる。
【0011】
w2<w1≦w2+d1/2
ここで、w2は、単位マスクの幅方向に沿った蒸着用開口部の幅であり、d1は、単位マスクの幅方向に沿った蒸着用開口部の間の距離である。
【0012】
複数の蒸着用開口部と蒸着用凹部は、フレームの開口部に対応する領域に位置してもよい。
【0013】
単位マスクは、第1色と第2色および第3色の副画素に対応する有機発光層蒸着用であり、長さ方向に沿って引張力が加わった状態でフレームに固定され、蒸着過程で引張方向が同一色の副画素の配列方向と直交するように配置されてもよい。複数の蒸着用開口部と蒸着用凹部は、第1色と第2色および第3色の副画素のうちのいずれか一色の副画素に対応して位置してもよい。
【0014】
本発明の一実施形態による有機発光表示装置は、基板上に位置する画素電極と有機発光層および共通電極を含み、有機発光層は、一つの副画素に対応して位置する第1有機発光層と、二つの副画素にわたって位置する第2有機発光層とを含む。
【0015】
有機発光層は、互いに異なる複数の色のいずれか一色を具現することができる。第1方向に沿って同一色の有機発光層が一列に位置し、第1方向と直交する第2方向に沿って異なる色の有機発光層が交互に位置してもよい。第2有機発光層は、第1方向に沿って隣接した二つの副画素にわたって位置してもよい。
【0016】
第1方向に沿った第2有機発光層の長さは、第1方向に沿った第1有機発光層の長さの2倍以上であってもよい。第1方向に沿った第2有機発光層の長さ(L2)は、下記数式で表されてもよい。
【0017】
L2=2L1+d3
ここで、L1は、第1方向に沿った第1有機発光層の長さであり、d3は、第1方向に沿った第1有機発光層の間の距離である。
【0018】
第2有機発光層の間の中央で第2方向に沿って薄膜層が位置してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本実施形態のマスク組立体は、蒸着用開口部の側壁と蒸着用凹部の側壁が十分な傾斜角を有するようにすることができ、その結果、有機発光表示装置全体で有機発光層の蒸着品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態によるマスク組立体の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるマスク組立体の平面図である。
【図3】図1に示したマスク組立体中の二つの単位マスクと有機発光表示装置の副画素を示す平面図である。
【図4】図3に示した単位マスクの平面図である。
【図5】図4のA−A線を基準に切開した単位マスクの断面図である。
【図6】図5の単位マスクを用いた有機発光層の蒸着過程を示す概略図である。
【図7】蒸着用凹部なしに蒸着用開口部のみを備えた比較例の単位マスクを示す部分拡大図である。
【図8】図7のB−B線を基準に切開した単位マスクの断面図である。
【図9】図1のマスク組立体を用いて製造された有機発光表示装置の有機発光層を示す平面図である。
【図10】図9に示した第2有機発光層を含む有機発光表示装置の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は、多様な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態によるマスク組立体の分解斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態によるマスク組立体の平面図である。
【0023】
図1と図2を参照すると、本実施形態のマスク組立体100は、開口部15を形成するフレーム10と、両側端部がフレーム10に固定される帯状の単位マスク20とを含む。各単位マスク20は、複数の蒸着用開口部21を形成し、長さ方向に沿って引張力が加わった状態でフレーム10に固定されて自重による垂れが防止される。
【0024】
フレーム10は、互いに平行な一対の第1支持部11と、第1支持部11と直交する一対の第2支持部12から構成される。第1支持部11の長さは、第2支持部12の長さよりも大きく形成されてもよい。単位マスク20は、両側端部が第1支持部11に固定されて第2支持部12と平行に配置される。単位マスク20が引張された状態でフレーム10に固定されるため、フレーム10は十分な剛性を有さなければならない。
【0025】
単位マスク20が集まって蒸着のための一つのマスク201を構成する。単位マスク20中のフレーム10に固定された両側端部を除いた残りの部分は、フレーム10の開口部15上に位置する。したがって、後述する蒸着過程で単位マスク20は基板と蒸着ソースの間に位置するため、蒸着用開口部21を用いた有機発光層の蒸着を可能にする。
【0026】
単位マスク20は、蒸着用開口部21以外に、次に説明する蒸着用凹部を共に形成する。図1と図2では、便宜上、蒸着用凹部の図示を省略した。
【0027】
図3は、図1に示したマスク組立体中の二つの単位マスクと有機発光表示装置の副画素を示す平面図であり、図4は、図3に示した単位マスクの平面図である。
【0028】
図3と図4を参照すると、有機発光表示装置は、複数の画素を含み、各画素は3色の副画素30を含む。3色は、赤色(R)と緑色(G)および青色(B)であってもよい。第1方向(図3のx軸方向)に沿って同一色の副画素30が一列に位置し、第1方向と直交する第2方向(図3のy軸方向)に沿って異なる色の副画素30が交互に位置する。
【0029】
通常の場合、単位マスク20は、引張方向(長さ方向)が同一色の副画素30の配列方向と一致するように位置する。ところで、必要によって単位マスク20は、その反対の場合に配置されてもよい。本実施形態のマスク組立体100で単位マスク20は、引張方向(長さ方向)が同一色の副画素30の配列方向(第1方向)と直交するように位置する。
【0030】
図3で単位マスク20の引張方向は、第2方向(y軸方向)であり、同一色の副画素30の配列方向は、第1方向(x軸方向)である。各単位マスク20には、3色の副画素30のうちの一色の副画素30に対応する蒸着用開口部21が形成される。
【0031】
蒸着用開口部21のそれぞれは、長辺と短辺を有するほぼ長方形で形成されてもよい。蒸着用開口部21の長辺は、単位マスク20の幅方向(x軸方向)と一致し、短辺は単位マスク20の長さ方向(y軸方向)と一致する。そして、第1方向(x軸方向)に沿った蒸着用開口部21の間の距離(d1)(図4参照)は、第2方向(y軸方向)に沿った蒸着用開口部21の間の距離(d2)(図4参照)よりも小さい。
【0032】
複数の単位マスク20のうちの隣接した少なくとも二つの単位マスク20は、互いに向き合う両側面に蒸着用凹部22を形成する。蒸着用凹部22は、単位マスク20で完全に囲まれずに単位マスク20の側面に向かって開放されている。隣接した二つの単位マスク20の間には、所定の隙が存在してもよい。
【0033】
蒸着用凹部22は、第1方向(x軸方向)に沿って蒸着用開口部21と平行に位置する。そして、一側面の単位マスク20に形成された蒸着用凹部22と他側面の単位マスク20に形成された蒸着用凹部22とは、同一の形状と同一の大きさで形成され、第1方向(x軸方向)に沿って平行に位置する。
【0034】
単位マスク20の幅方向に沿った蒸着用凹部22の幅(w1)(図4参照)は、単位マスク20の幅方向に沿った蒸着用開口部21の幅(w2)(図4参照)と同一であるか、またはそれよりも大きく形成される。この時、隣接した二つの単位マスク20は、互いに重なることができないため、蒸着用凹部22の幅(w1)は下記条件1を満たすように設定される。
【0035】
w2<w1≦w2+d1/2 ・・・(1)
ここで、d1は、単位マスク20の幅方向に沿った蒸着用開口部21の間の距離を示す。
【0036】
したがって、蒸着用開口部21と同様に、一つの蒸着用凹部22も一つの副画素30に対応し、この副画素30に対応する有機発光層を蒸着するための用途で使用される。
【0037】
二つの単位マスク20が互いに向き合う両側面にそれぞれの蒸着用凹部22を形成することによって、これら二つの蒸着用凹部22を一つの蒸着用開口部として活用し、二つの副画素30にわたって位置する一つの有機発光層を形成することができる。
【0038】
つまり、マスク組立体100は、複数の蒸着用開口部21を用いて一つの副画素30に対応する有機発光層と、二つの蒸着用凹部22を用いて二つの副画素にわたって位置する有機発光層を同時に形成することができる。本実施形態のマスク組立体100を用いて形成された有機発光層の構造については後述する。
【0039】
図5は、図4のA−A線を基準に切開した単位マスクの断面図であり、図6は、図5の単位マスクを用いた有機発光層の蒸着過程を示す概略図である。
【0040】
図5と図6を参照すると、単位マスク20は、蒸着過程で蒸着ソース41と有機発光層42が蒸着される基板43との間に位置する。このような単位マスク20は、蒸着用開口部21と蒸着用凹部22の側壁23を傾斜して形成し、単位マスク20の上下面で観察される蒸着用開口部21および蒸着用凹部22の大きさが異なるようにする。
【0041】
具体的に、単位マスク20の上下面のうち、蒸着ソース41と向き合う面(図5および図6を基準に下面)で観察される蒸着用開口部21および蒸着用凹部22の大きさは、基板43と向き合う面(図5および図6を基準に上面)で観察される蒸着用開口部21および蒸着用凹部22の大きさよりも大きい。
【0042】
また、第1方向(x軸方向)に沿った単位マスク20の断面形状を基準に蒸着用凹部22の一側面の側壁23形状は、蒸着用開口部21の側壁23形状と同一に形成される。つまり、蒸着用開口部21の側壁23傾斜角は、蒸着用凹部22の一側面の側壁23傾斜角と同一に形成される。
【0043】
蒸着用開口部21と蒸着用凹部22の傾いた側壁23は、有機発光層42が不均一な厚さで蒸着されるシャドー効果(shadow effect)を減らすためのものである。もし、蒸着用開口部21と蒸着用凹部22の側壁23が十分な傾斜角を確保できない場合には、蒸着ソース41で放出される物質の大部分は、側壁23にぶつけられて基板43に均一に蒸着されない。したがって、側壁23が十分な傾斜角を確保することが重要である。
【0044】
図7は、蒸着用凹部なしに蒸着用開口部のみを備えた比較例の単位マスクを示す部分拡大図であり、図8は、図7のB−B線を基準に切開した単位マスクの断面図である。
【0045】
図7と図8を参照すると、比較例の単位マスク205は、実施形態の単位マスク20と同一な条件(単位マスクの引張方向が同一色の副画素の配列方向と直交し、蒸着用開口部の長辺が単位マスクの幅方向と一致)で蒸着用凹部なしに蒸着用開口部215、215aのみを形成する。
【0046】
比較例の単位マスク205では、単位マスク205の両側面と最外郭蒸着用開口部215aとの間に十分な間隔を確保するのが難しい。その結果、単位マスク205の側面に向かった最外郭蒸着用開口部215aの一側面に十分な傾斜角を具現することができない。
【0047】
図8で単位マスク205の側面に向かった最外郭蒸着用開口部215aの一側面の側壁235は、垂直に近い傾斜角を具現している。これによって、比較例の単位マスクでは、最外郭蒸着用開口部215aでシャドー現象が発生し、有機発光層425の蒸着品質が低下する。図8で有機発光層425のうちシャドー現象が発生した部位を黒色線で表示した。
【0048】
再び図5と図6を参照すると、本実施形態の単位マスク20は、比較例の最外郭蒸着用開口部215aの代わりに蒸着用凹部22を形成することによって、比較例で発生したシャドー効果を根本的に遮断することができる。つまり、最外郭蒸着用開口部215aを形成する代わりに、隣接した二つの蒸着用凹部22を一つの蒸着用開口部として活用することによって、厚さが均一な有機発光層42を形成することができる。
【0049】
このように本実施形態の単位マスク20は、蒸着用開口部21と蒸着用凹部22の側壁23が十分な傾斜角を有するようにすることができ、その結果、有機発光表示装置全体で有機発光層42の蒸着品質を高めることができる。
【0050】
図9は、図1のマスク組立体を用いて製造された有機発光表示装置の有機発光層を示す平面図である。
【0051】
図3と図9を参照すると、マスク組立体100は、第1位置で第1色と第2色および第3色のうちのいずれか一色の有機発光層42蒸着に使用され、第2位置に移動した後、第1色と第2色および第3色のうちの他の一色の有機発光層42蒸着に使用される。また、マスク組立体100は、第3位置に移動した後、第1色と第2色および第3色のうちの残りの一色の有機発光層42蒸着に使用される。第1色は赤色(R)であってもよく、第2色は緑色(G)であってもよく、第3色は青色(B)であってもよい。
【0052】
有機発光表示装置で、同一色の有機発光層42は、第1方向(x軸方向)に沿って一列に位置し、第2方向(y軸方向)に沿って異なる色の有機発光層42が交互に位置する。有機発光層42は、一つの副画素に対応して位置する第1有機発光層421と、第1方向に沿って隣接した二つの副画素にわたって位置する第2有機発光層422とを含む。
【0053】
第2有機発光層422の長さ(L2)(図9参照)は、第1有機発光層421の長さ(L1)(図9参照)の2倍以上である。具体的に、第2有機発光層422の長さ(L2)は、(2L1+d3)で表されてもよい。d3は、第1有機発光層421の間の距離を示し、 この時、長さ(L1、L2)と距離(d3)は全て第1方向(x軸方向)を基準とする。第2方向(y軸方向)に沿った第1有機発光層421の幅は、第2有機発光層422の幅と同一である。
【0054】
第2有機発光層422が隣接した二つの副画素にわたって位置しても、各副画素毎に画素電極(図示せず)と駆動回路部(図示せず)が別個に備わるため、第2有機発光層422は、副画素別に独立的に発光することができる。
【0055】
一方、図3に示した二つの単位マスク20の間に所定の隙が存在し得るため、この隙を通じて有機発光層42が蒸着され得る。この隙によりできた薄膜層60を図9に示した。薄膜層60は、前述した3色の有機発光層42が重畳されたものであって、第2有機発光層422の間の中央で第2方向(y軸方向)と平行に位置する。
【0056】
図10は、図9に示した第2有機発光層を含む有機発光表示装置の概略的な断面図である。
【0057】
有機発光表示装置200は、複数の信号線と連結されており、ほぼ行列(matrix)の形態に配列された複数の副画素を含む。図10は、複数の副画素のうちの2つの副画素を示したものであり、各副画素は複数の薄膜トランジスターを含むが、ここでは、便宜上、一つの薄膜トランジスター50のみを示す。
【0058】
図10を参照すると、基板43の上にバッファー層44が形成され、バッファー層44の上に半導体層45が位置する。半導体層45は、チャンネル領域451とソース領域452およびドレイン領域453を含む。ソース領域452とドレイン領域453には、p型不純物またはn型不純物がドーピングされ得る。
【0059】
半導体層45を覆いながら、バッファー層44の上にゲート絶縁膜46が形成され、チャンネル領域451に対応するゲート絶縁膜46の上にゲート電極47が形成される。そして、ゲート電極47を覆いながらゲート絶縁膜46の上に層間絶縁膜48が形成される。
【0060】
層間絶縁膜48とゲート絶縁膜46には、ソース領域452とドレイン領域453を露出させるコンタクトホールが形成される。層間絶縁膜48の上には、コンタクトホールを通じてソース領域452と連結されるソース電極51およびコンタクトホールを通じてドレイン領域453と連結されるドレイン電極52が形成される。
【0061】
ソース電極51とドレイン電極52を覆いながら層間絶縁膜48の上に平坦化膜49が形成され、平坦化膜49にはドレイン電極52を露出させるコンタクトホールが形成される。平坦化膜49の上にはドレイン電極52と連結される画素電極53が形成され、画素電極53を覆いながら平坦化膜49の上に画素定義膜54が形成される。画素定義膜54には、画素電極53の一部を露出させる開口部が形成される。
【0062】
画素定義膜54の開口部には有機発光層422が形成され、有機発光層422を覆いながら画素定義膜54全体に共通電極55が形成される。図10に示した有機発光層422は、隣接した二つの副画素にわたって位置する第2有機発光層である。画素電極53と共通電極55のうちのいずれか一つは電子注入電極として機能し、他の一つは正孔注入電極として機能する。
【0063】
有機発光層422は、赤色と緑色および青色のうちのいずれか一色の光を出す有機物質または有機物質と無機物質の混合物で形成されてもよい。有機発光層422の下部および上部には、有機発光層422の発光効率を改善するための補助層が形成されてもよい。補助層は、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、および電子輸送層のうちの少なくとも一つであってもよい。
【0064】
画素電極53と共通電極55のうちのいずれか一つは透明導電膜で形成され、他の一つは反射型導電膜で形成されてもよい。有機発光層422で放出された光は反射型導電膜により反射され、透明導電膜を透過して有機発光表示装置の外部に放出される。
【0065】
一方、前記では有機発光層42が赤色と緑色および青色を具現することを例に挙げて説明したが、有機発光層42の発光色は前述した例に限定されない。
【0066】
以上で本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0067】
100…マスク組立体
10…フレーム
15…開口部
20…単位マスク
21…蒸着用開口部
22…蒸着用凹部
23…側壁
30…副画素
41…蒸着ソース
42…有機発光層
421…第1有機発光層
422…第2有機発光層
43…基板
45…半導体層
50…薄膜トランジスター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を形成するフレーム、および
複数の蒸着用開口部を形成し、長さ方向の両側端部が前記フレームに固定される複数の単位マスクを含み、
前記複数の単位マスクのうちの隣接した少なくとも二つの単位マスクは、互いに向き合う両側面に蒸着用凹部を形成し、
前記単位マスクの幅方向に沿った前記蒸着用凹部の幅は、前記単位マスクの幅方向に沿った前記蒸着用開口部の幅以上である、マスク組立体。
【請求項2】
前記複数の蒸着用開口部のそれぞれは、前記単位マスクの幅方向と平行な長辺と、前記単位マスクの長さ方向と平行な短辺とを含む、請求項1に記載のマスク組立体。
【請求項3】
前記単位マスクの幅方向に沿った前記蒸着用開口部の間の距離は、前記単位マスクの長さ方向に沿った前記蒸着用開口部の間の距離よりも小さい、請求項2に記載のマスク組立体。
【請求項4】
前記蒸着用凹部は、前記単位マスクの幅方向に沿って前記複数の蒸着用開口部と平行に位置する、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のマスク組立体。
【請求項5】
前記少なくとも二つの単位マスクに形成された前記二つの蒸着用凹部は、同一の形状と同一の大きさを有し、前記単位マスクの幅方向に沿って平行に位置する、請求項4に記載のマスク組立体。
【請求項6】
前記蒸着用開口部と前記蒸着用凹部は、傾いた側壁で囲まれ、
前記単位マスクの幅方向に沿った前記蒸着用凹部の一側面の側壁形状は、前記単位マスクの幅方向に沿った前記蒸着用開口部の側壁形状と同一である、請求項4に記載のマスク組立体。
【請求項7】
前記単位マスクは、蒸着ソースと向き合う一面とその反対面を含み、
前記一面で観察される前記蒸着用開口部および前記蒸着用凹部の大きさは、前記反対面で観察される前記蒸着用開口部および前記蒸着用凹部の大きさよりも大きい、請求項6に記載のマスク組立体。
【請求項8】
前記単位マスクの幅方向に沿った前記蒸着用凹部の幅(w1)は、下記条件を満たす、請求項1に記載のマスク組立体。
w2<w1≦w2+d1/2
ここで、w2は、前記単位マスクの幅方向に沿った前記蒸着用開口部の幅であり、d1は、前記単位マスクの幅方向に沿った前記蒸着用開口部の間の距離である。
【請求項9】
前記複数の蒸着用開口部と前記蒸着用凹部は、前記フレームの開口部に対応する領域に位置する、請求項1に記載のマスク組立体。
【請求項10】
前記単位マスクは、第1色と第2色および第3色の副画素に対応する有機発光層蒸着用であり、長さ方向に沿って引張力が加わった状態で前記フレームに固定され、蒸着過程で引張方向が同一色の副画素の配列方向と直交するように配置される、請求項1に記載のマスク組立体。
【請求項11】
前記複数の蒸着用開口部と前記蒸着用凹部は、前記第1色と前記第2色および前記第3色の副画素のうちのいずれか一色の副画素に対応して位置する、請求項10に記載のマスク組立体。
【請求項12】
基板上に位置する画素電極と有機発光層および共通電極を含む有機発光表示装置において、
前記有機発光層は、
一つの副画素に対応して位置する第1有機発光層、および
二つの副画素にわたって位置する第2有機発光層
を含む、有機発光表示装置。
【請求項13】
前記有機発光層は、互いに異なる複数の色のいずれか一色に対応し、
第1方向に沿って同一色の有機発光層が一列に位置し、前記第1方向と直交する第2方向に沿って異なる色の有機発光層が交互に位置する、請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記第2有機発光層は、前記第1方向に沿って隣接した二つの副画素にわたって位置する、請求項13に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
前記第1方向に沿った前記第2有機発光層の長さは、前記第1方向に沿った前記第1有機発光層の長さの2倍以上である、請求項14に記載の有機発光表示装置。
【請求項16】
前記第1方向に沿った前記第2有機発光層の長さ(L2)は、下記数式で表される、請求項15に記載の有機発光表示装置。
L2=2L1+d3
ここで、L1は、前記第1方向に沿った前記第1有機発光層の長さであり、d3は、前記第1方向に沿った前記第1有機発光層の間の距離である。
【請求項17】
前記第2有機発光層の間の中央で前記第2方向に沿って薄膜層が位置する、請求項13に記載の有機発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−112896(P2013−112896A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−45437(P2012−45437)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【出願人】(512187343)三星ディスプレイ株式會社 (73)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】95,Samsung 2 Ro,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do,Korea
【Fターム(参考)】