説明

マッサージ機

【課題】施療機構を有する身体支持部を移動させることで、大腿部から脹脛までを移動しながら施療できるマッサージ機を提供する。
【解決手段】座部2と、施療機構33を有する身体支持部3と、前記身体支持部3を被施療者の大腿部から少なくとも脹脛までを移動させる移動機構6と、前記移動機構6を駆動させる第1駆動源61と、を有する。前記身体支持部3は、前記移動機構6によって、大腿部から少なくとも脹脛までを移動しながら、擦り施療動作を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大腿部から脹脛までをマッサージできるマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より特許文献1に開示されるような、足載台が前後に摺動移動しながら、被施療者の足部をマッサージするマッサージ機がある。
これは、背凭れ部と座部を有し、座部前部には出没機構を介してその前端に前方に出没可能な足載台を設けた椅子において、前記足載台に摺動機構を設けると共に、足載台を座部前方で自動的に前後に摺動移動させる摺動プログラムを備え、選択指定された摺動プログラムに応じて足載台が前後に摺動移動するようにし、使用者が足載台を好みの位置に摺動させてリラックスした姿勢で椅子に着座する事ができるようにすると共に、足載台上に載置された施療者の足部に自動的に摩り施療や連続摩り膨縮施療を施す事ができるようにしたものである。
しかし、特許文献1では、大腿部から脹脛までを移動しながら施療することができない。
また、特許文献2に開示されるような、ベッド型の指圧装置であって、指圧装置が大腿部および脹脛部を指圧できるようにするマッサージ機がある。
これは、身体の脚部、腕部等を抱持しえるように形成される抱持枠と、その抱持枠を開閉する開閉動作装置と、伸縮作動を繰り返す一対の指圧筒と、抱持枠を支持する支持部材をその抱持枠とともに、指圧筒の伸縮方向と略直行する方向に往復動させる抱持枠往復動装置を有する指圧装置が開示されている。
特許文献2においては、指圧装置の指圧筒は、身体の形状によって、取付け位置や数を変更するものであり、大腿部の指圧装置をそのまま脹脛部に移動させて指圧するものではない。
【0003】
【特許文献1】特開2002−320654
【特許文献2】特開昭50−136994
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の従来の問題に鑑みて発明したものであって、その課題とするところは、施療機構を有する身体支持部を移動させることで、大腿部から脹脛までを移動しながら施療できるマッサージ機を提供することにある。
【0005】
座部と、施療機構を有する身体支持部と、前記身体支持部を被施療者の大腿部から少なくとも脹脛までを移動させる移動機構と、前記移動機構を駆動させる第1駆動源と、を有することを特徴とする。このような構成とすることで、大腿部から少なくとも脹脛までを移動しながら施療をおこなうことができる。
【0006】
前記身体支持部の施療機構は、擦り部を有していることを特徴とする。この様に構成することで、移動機構による擦り動作と擦り部による擦り動作が可能となる。
【0007】
前記擦り部は、対向する側壁部と、該側壁部の間にあり、身体の底面を支持する中央部を有しており、少なくとも側壁部と中央部のいずれかを往復運動させる往復運動部と、該往復運動部を駆動させる第2駆動源と、を有することを特徴とする。このような構成とすることで、中央部に身体を安定的に支持した状態で、被施療者の側面に対して、擦り動作を行なうことができる。
【0008】
前記身体支持部の施療機構は施療部を有しており、該施療部は、前記擦り部に設けられており、断続的、又は連続的に施療を行うことを特徴とする。
この様に構成することで、移動機構や擦り部での擦り動作を停止したとしても、施療部で施療を行うことができ、施療部による施療と擦り部による施療を組合わせることもできる。
【0009】
前記施療部は、膨張収縮する複数のエアセルであって、被施療者の身体に沿うように設けられており、施療部位の変更に伴って、膨張させるエアセルを変更することを特徴とする。大腿部から脹脛は太さが異なるため、太さに合わせてマッサージを行うことができる。
【0010】
前記マッサージ機は、更にフットレストを有しており、前記身体支持部の後端に、座部が位置し、前記身体支持部の前端に前記フットレストが位置し、前記フットレストは、身体支持部の前端に回動可能に軸支されており、フットレストを回動させる回動機構を備えることを特徴とする。このように構成することで、足をのばした状態で大腿部から脹脛をマッサージすることができる。
【0011】
前記フットレストの回動機構は、施療を行う前に、フットレストを上方回動させることを特徴とする。施療前は、フットレストを下方回動させておくことで、非施療時はマッサージ機をコンパクトにしておける。
【0012】
前記移動機構は、前記身体支持部と、フットレストと、フットレストの回動機構とを、共に移動させることを特徴とする。身体支持部を座部から近接離反させたとしても、身体支持部とフットレストとフットレストの回動機構とを一緒に動かすことで、足を伸ばした状態の施療者を保持できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、身体支持部が大腿部から脹脛部までを移動しながら施療を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のマッサージ機の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】本発明のマッサージ機の側面図である。
【図3】本発明のマッサージ機のフレーム部の斜視図である。
【図4】本発明のマッサージ機の実施の一形態を示す正面図である。
【図5】本発明のマッサージ機の実施の一形態を示す斜視図である。
【図6】本発明のマッサージ機の実施の一形態を示す斜視図である。
【図7】本発明のマッサージ機の身体支持部を示す図である。
【図8】本発明のマッサージ機の他の実施の一形態を示す側面図である
【図9】本発明のマッサージ機の他の実施の一形態を示す図である。
【図10】本発明のマッサージ機の他の実施の一形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すマッサージ機1は、被施療者が着座する座部2と被施療者の大腿部又は脹脛を支持する身体支持部3と少なくとも脹脛を支持するフットレスト4を有している。図1(a)は、身体支持部3が収納位置にある状態を示す図であり、図1(b)は、身体支持部3が最突出位置にある状態を示す図である。
【0016】
以下の方向の概念は、座部2に着座した被施療者から見たときの方向の概念と一致するものとし、その他の場合は適宜説明するものとする。前記座部2は、被施療者の臀部側を後端21とし、被施療者の大腿部側の端部を前端22としており、前記身体支持部3の後端31は、被施療者の大腿部側にあって、座部2の前端22と対向しており、前記身体支持部3の前端32は、被施療者の膝部分に位置し、前記身体支持部3の前端32は、フットレスト4の後端41と対向しており、フットレスト4の前端42は被施療者の足部分に位置する。
【0017】
図2に示すマッサージ機1は、図1で示す本発明のマッサージ機の側面図を示している。図2(a)は、図1(a)に対応しており、図2(b)は、図1(b)に対応している。
また、図3は、本発明のマッサージ機の座部2及び身体支持部3を支持するフレーム部5を示している。
図3に示す、フレーム部5は、床面Fと対向するフレームベース51と、前記フレームベース51に設けられた電源ユニット52と、各駆動源を制御する制御部(図示せず)と、後述する身体支持部3を移動させる移動機構6の第1駆動源61と、前記第1駆動源61の駆動力を伝達する伝達機構62と、減速機構63と、減速機構63を介して設けられ中途部にギア65を設けた駆動軸64と、後述する身体支持部3の施療部33bにエアを給排気するためのポンプ57とを有し、フレームベース51の左右に設けられ、床面Fと当接する一対の側部フレーム53と、一対の側部フレーム53に設けられ、座部2を所定高さで保持固定するための支持フレーム54と、支持フレーム54近傍に設けられた前記移動機構6の駆動軸64の端部を保持する一対のブラケット55と、座部2と側部フレーム53の間にあって、支持フレーム54に固定された、一対のコの字状のレール56と、を有している。
コの字状のレール56は、ストッパ(図示せず)を有しており、後述する身体支持部3は、ストッパ位置で停止する。
【0018】
前記座部2は、柔軟性をもった部材で構成されており、その上面に被施療者の臀部を支える身体支持面23を有しており、被施療者の臀部を安定的保持している。座部2は、フレーム部5の支持フレーム54によって床面Fから所定高さをもって、保持されることが望ましい。
【0019】
図3には、移動機構6のセンサ60が示されており、該センサ60は、プーリーに磁石を埋め込み、その磁力を検知するホールICである。前記センサ60は、駆動伝達機構の近傍に設けることが好ましく、プーリーの回転数及び回転方向を検知することができる。
プーリーの回転数を検知することで、身体支持部の位置を検出することが可能であり、プーリーの回転方向を検知することで、大腿部から脹脛へ移動させたり、脹脛から大腿部へ移動させる動きが可能となる。
【0020】
身体支持部3の位置を検出するには、プーリーが何回転したかをホールICで検知し、身体支持部3の位置を特定している。また、回転方向については、センサ部にホールICを2つ並べることで、回転方向の正逆を検知している。
このほか、移動機構6には、後述する収納位置と最突出位置でリミットセンサ(図示せず)が設けられており、レール56やラック69から身体支持部3が脱落しないようになっている。
【0021】
図4は、本発明のマッサージ機1の実施の一形態を示す正面図である。図4で示す様に、移動機構6は、身体支持部3を支持する枠体66と、前記枠体上方であって、身体支持部3の下方に設けられた天板67と、前記枠体66に設けられ、フレーム部5のレール56内を走行する複数個のローラ68と、前記枠体66の下方に設けられ、フレーム部5のフレームベース51に設けられた駆動源61と、第1駆動源61の駆動力を受けるギア65と、前記ギア65と噛合するラック69と、前記第1駆動源61の回転数及び回転方向を検知するセンサ60(図3参照)と、を有している。
このような構成とすることで、移動機構6は、身体支持部3を移動させることができる。
また、移動機構6は、後述するフットレスト4の回動機構43の取付け部を有しており、身体支持部3の移動にともなって、フットレスト4の回動機構43も移動するようになっている。
【0022】
また、移動機構6の第1駆動源61は、フレーム部5のフレームベース51に設けられているが、これを後述する図9に示す様に、移動機構6A,6Bに設けてもよい。
【0023】
図4,図5に示す、身体支持部3は、施療機構33を有しており、マッサージ機1に設けられた移動機構6によって、身体に沿って移動することが可能である。
施療機構33は、被施療者の大腿部から少なくとも脹脛までを移動し、施療を行いつつ移動する擦りマッサージを行う。
また、図4〜図6に示す様に、身体支持部3の施療機構33は、擦り部33aと、前記擦り部33aを往復移動させる往復運動部34を有しており、前記往復運動部34を駆動させることで、移動機構6によらずとも、擦りマッサージを行うことができる。
【0024】
前記擦り部33aは、対向する側壁部35を有しており、対向する側壁部35の間には身体の底面を支持する中央部36を有している。
前記擦り部33aは、更に側壁部35と中央部36とを往復運動させる往復運動部34を備えており、前記側壁部35と前記中央部36を往復運動させることで、擦り動作を行なう。
図6に示す往復運動部34は、側壁部35と中央部36を下方で支持しており、側壁部35と中央部36を往復運動させる第2駆動源37と、側壁部35と中央部36に第2駆動源37からの駆動力を伝える駆動伝達機構(図示せず)を有し、対向する側壁部35を同一位相で駆動し、中央部36を側壁部35と異なる位相で駆動させることで、擦り動作をおこなっている。
【0025】
前記往復運動部34は、第2駆動源37と、第2駆動源からの駆動力を伝達する駆動伝達機構であるプーリー(図示せず)とベルト(図示せず)と、駆動力を減速する減速機構38と、減速機構38に繋がった駆動軸39と、前記駆動軸39の中央部に減速機構38が設けられ、前記駆動軸39上であって、減速機構38を挟んで設けられた対の第1偏心部331と、前記駆動軸39上であって、駆動軸39の両端部付近に設けられた対の第2偏心部332と、前記第1偏心部331と第2偏心部332によって、偏心駆動される駆動軸39に従動するように設けられた、従動軸333と、前記従動軸333の従動方向を規制する長孔を有する複数個の規制部材334とを有している。前記規制部材334は、第1偏心部331及び第2偏心部332と所定距離を持って配置され、前記従動軸333は、規制部材334の長孔に設けられており、前記従動軸333は、第1偏心部331と第2偏心部332によって、偏心動作を行なう駆動軸39の動きに合わせて、規制部材334の長孔を移動するように構成されている。
前記対の第1偏心部331は、中央部36を支持しており、対の第2偏心部332は、側壁部35を支持しており、前記複数個の規制部材334は、中央部36と側壁部35を支持している。
第1偏心部331と第2偏心部332の、回動軸芯は、駆動軸39と一致しており、対の第1偏心部331の回動軸芯は互いに同一位相であり、対の第2偏心部332の回動軸芯は、互いに同一位相となっており、第1偏心部331の回転軸芯と第2偏心部332の回転軸芯は、異なる位相となっている。
この構成によって、擦り部33aの往復運動を可能とし、身体支持部3のみでの擦り動作をおこなえる。
【0026】
図4,図5では、本発明のマッサージ機の身体支持部3を示している。
前記身体支持部3は、施療部33bを有しており、施療部33bは、前記擦り部33aに設けられている。具体的には、対向する側壁部35と中央部36に設けられており、
対向する側壁部35の身体に対向する面である内側面に設けられた第1施療部336L,336Rは、中央部36に向かって回動するように固定点を有しており、中央部36は、対向する側壁部35側の内側面に向かって回動するように固定点を設けた対の第2施療部337L,337Rと、前記身体支持部3の後端31側に展開部を有し、前端32側に固定点を有し、第2施療部337L,337Rを身体に対して押し付ける方向に回動する第3施療部338を有している。
各施療部336L,336R,337L,337R,338はエアセルより構成されており、施療部位によって、膨張させるエアセルを制御する。
【0027】
図7は、身体支持部3の施療部33bの動作と身体支持部3の移動前と移動後の図を示している。図7(a)は、施療部33bが、膨張していない状態の身体支持部3を示す図である。図7(b)は、施療部33bが、膨張した状態の身体支持部3を示す図である。図7(c)は、大腿部を施療しているときの身体支持部3を示す図である。図7(d)は、脹脛を施療しているときの身体支持部3を示す図である。図7(e)は、図7(c)の状態の身体支持部3を上方から見た図である。図7(f)は、図7(d)の状態の身体支持部3を上方から見た図である。
図7に示す様に、前記身体支持部3は、移動機構6によって、収納位置と最突出位置までを移動することが可能となっており、収納位置とは、座部2の前端22に身体支持部3の後端31が最も近接又は当接している状態をいい、座部2は臀部を支持し、身体支持部3は大腿部を支持する。最突出位置とは、座部2の前端22と身体支持部3の後端31が最も離間した状態をいい、座部2は臀部を支持し、身体支持部3は、脹脛を支持する。
また、実施例では、最も突出した位置を脹脛としたが、足部や足首であってもよく、身体外の位置まで、突出するようにしてもよい。
また、収納位置から最突出位置までの間には、複数の施療位置があり、各施療位置での施療を行うことも可能であり、収納位置から最突出位置までを連続的に施療できるようになっている。
【0028】
前記施療部33bは、フレーム部5に設けられたポンプ57よりエアが供給されており、電磁弁(図示せず)と制御部(図示せず)によって、膨張収縮するようにプログラムされている。また、移動機構6の大腿部から脹脛の移動に合わせて膨張収縮を行うことができ、各施療位置に応じて、膨張させる施療部の変更や膨張強度の変更を行うことが可能である。また、擦り部33aの往復運動に合わせて膨張収縮を行うことができる。
【0029】
例えば、大腿部に身体支持部3があるときと、脹脛に身体支持部3があるときでは、膨張させる施療部や膨張量が異なる。具体的には、大腿部に身体支持部3がある場合は、側壁部35の第1施療部336L,336Rと第2施療部337L,337Rを膨張させ、脹脛に身体支持部3がある場合は、側壁部の第1施療部336L,336Rと第2施療部337L,337Rと第3施療部338を膨張させる。このように膨張させる理由としては、大腿部は脹脛に比べて太いため、第3施療部338を膨張させなくても、十分な施療を行うことができるが、脹脛は大腿部と比べて、細いので第1施療部336L,336Rと第2施療部337L,337Rと第3施療部338を膨張させないと十分な施療が行えない。そのため、膨張させる施療部を部位によって変更している。
【0030】
また、身体支持部3の大腿部から脹脛の移動に合わせて施療部33bを膨張収縮させる場合や、擦り部33aの往復運動に合わせて施療部33bを膨張収縮させる場合、最も膨張させた状態では、身体支持部3や擦り部33aを移動させにくい。よって、施療部33bの膨張量を調整する必要がある。ここでも大腿部と脹脛の太さの違いを考慮して、移動に伴い、膨張量を調整している。
【0031】
また、図7(e)及び、図7(f)に示す前記身体支持部3の中央部36の身体支持面36aは、座部2の身体支持面23に比べて面積が小さくなっており、臀部よりも先にある大腿部や脹脛部をより適切に施療できるようになっている。臀部に比べて、大腿部や脹脛は細いため、座部2と同じ大きさの身体支持面23で、左右方向の端部に施療部を設けては、大腿部等に施療が行き届かず、満足のいくものではない。よって、座部の身体支持面23に比べて、中央部36の身体支持面36aを小さくすることで、身体の細い部分についても満足のいく施療が施せる様になっている。また、対向する側壁部35と中央部26を含めた左右方向の長さは、座部2の左右方向の長さと略同一となっており、収納状態となった際に美感を保つようにすることが好適である。
【0032】
図1〜図2に示す、前記フットレスト4は、身体支持部3の前端32に回動可能に設けられており、前面に身体を支持する平板部45と、後面に回動機構43を有しており、回動機構43によって、上下に回動を行う。前記フットレスト4は、身体支持部3と共に移動するため、前記身体支持部3が収納位置にある際には、被施療者の脹脛部を支持することができ、最突出位置に身体支持部3が移動した際には、足首部を保持するようになっており、身体支持部3の前方にある被施療者の身体を保持するようになっている。フットレスト4の回動機構43は、移動機構6の移動に伴って、移動するようになっているため、身体支持部3の移動に追従できるようになっている。
【0033】
また、フットレスト4は、フラットな形状をしており、側壁や中央壁を設けないことで、広い支持面を実現し、非回動時には、邪魔にならないようにしておくことができる。
【0034】
前記回動機構43は、フットレストの後面に設けられたリンク部44と、リンク部44を押し引きして、フットレスト4を回動動作させるアクチュエータ46と、を有している。
前記リンク部44は、第1リンク部材44aと第2リンク部材44bと第3リンク部材44cとを有しており、第1リンク部材44aの一端は、フットレスト4の裏面に固定されており、他端は第2リンク部材44bの一端に取り付けられており、前記第2リンク部材44bの他端は、第3リンク部材44cの中央部に取り付けられており、第3リンク部材44cの一端は、回動機構43の駆動源であるアクチュエータ46に取り付けられており、他端は移動機構6に設けられた回動機構取付け部に設置されている。
フットレスト4が下方回動した状態では、フットレスト4の背面に各リンクが収められており、フットレスト4が上方回動した状態では、第3リンク部材44cがアクチュエータ46によって、押出され、その動きに伴って、第2リンク部材44bと、第1リンク部材44aが押出されて、フットレスト4が上方回動するようになっている。
この構成とすることで、フットレスト4を上方へ回動させた状態から下方へ回動させたときに、回動軌道上に異物があったとしても、挟み込みをなくすことができる。具体的には、第1リンク部材44aと第2リンク部材44bは異物に当接した時点で、回動動作を止め、第3リンク部材44cのみアクチュエータ46の収縮回動にあわせて移動する。
【0035】
前記実施例では、座部2と身体支持部3とフットレスト4を有するマッサージ機1について、例示したが、図8で示す椅子型マッサージ機9のように、背凭れ部7や肘掛け部8を有していてもよい。
この場合、背凭れ部7は、座部2の後端21側に設けられ、肘掛け部8は、座部2の左右側方に設けられる。
【0036】
図8に示す、椅子型マッサージ機9の背凭れ部7は、図示はしていないが、施療機構と、前記施療機構に設けられた被施療者の施療部位をマッサージするマッサージ部材と、マッサージ部材を駆動する駆動機構と、駆動機構の動作を制御する制御部と、前記施療機構を背凭れ部内において、昇降自在移動させる昇降機構と、によって、構成されている。
また、背凭れ部7に上腕を施療する上腕施療部や、腰部などを押圧するエアセル等を設けてもよい。
【0037】
図8(a)の椅子型マッサージ機9は、身体支持部3が収納状態にある図を示しており、前記肘掛け部8は、座部2の左右側方に配置され、前後方向の長さにおいて、収納状態における座部2の後端21から身体支持部3の前端32の全長よりも長く設けられている。
また、側面視において、収納状態の座部2と身体支持部3の全長は、少なくとも肘掛け部8に隠れる程度の大きさとなっている。
また、図8(b)の椅子型マッサージ機9は、身体支持部3が最突出位置又は各施療位置に移動している状態を示しており、身体支持部3は、側面視において、肘掛け部8より身体支持部3の一部又は全部が露出した状態となっている。
【0038】
前記座部2と身体支持部3の幅方向の長さは、左右の肘掛け部8の間に収まる程度の長さとなっており、フレーム部5によって、座部2と身体支持部3は、略同一高さで保持されており、その高さは、身体支持部3の側壁部35が、側面視における肘掛け部8から露出しない程度の高さとなっている。
このような構成とすることで、身体支持部3を収納状態としたときに、マッサージ機1をコンパクトにしておくことができ、施療をおこなうときには、大腿部から脹脛を移動しながら施療できるようになっている。
【0039】
また、実施例では、座部2の身体支持面23は、身体支持部3の身体支持面36aよりも高い位置に設けられているが、座部2の身体支持面23、身体支持部3の身体支持面36aのどちらかが高くなっていればよく、被施療者が座りやすいように適宜設定するのが好適である。
【0040】
図9は、本発明の別実施形態を示している。図9に示す別実施形態は、座部2と身体支持部Aと身体支持部Bを有しており、身体支持部Aは移動機構6Aによって、身体支持部Bは移動機構6Bによって、大腿部から脹脛までを移動可能となっている。なお、本発明の実施例と変更のない部分については、説明を省いている。
図9(a)は、身体支持部を座部2の前方に複数設けた実施例を示しており、図9(b)は、複数の身体支持部が移動した状態を示しており、図9(c)は、身体支持部A及びBの移動機構A及びBを示しており、図9(d)は、身体支持部Aを示している。
【0041】
図9に示す様に、身体支持部Aと身体支持部Bの移動機構6A及び6Bは、身体支持部Aと身体支持部Bを同時に動かすことも可能であるし、それぞれ個別動かすことも可能である。
このように構成することで、身体支持部Aが施療位置で止まって擦り施療を行っている間に、身体支持部Bで移動しながら施療部を擦り施療することが可能となる。
【0042】
ここでは、身体支持部Aと身体支持部Bの構成は同じであるので、身体支持部Aを例に説明を行う。移動機構Aは、駆動源61Aと、前記駆動源61Aから駆動力を伝達する伝達機構62Aと、伝達機構62Aから伝えられた駆動力を減速する減速機構63Aと、減速機構63Aを介して左右方向に延びる駆動軸64Aと、前記駆動軸64Aの端部に設けられたギア65Aと、を有し、フレーム部5に設けたレール56は、ラック69を有しており、前記ラック69上を転動するように前記ギア65Aを設置している。
このような構成であっても、身体支持部3の移動を実現できる。このほか、ネジ棒式のものや、エアや電動のアクチュエータによる移動等が考えられるが、身体支持部3を移動させるものであれば、身体支持部3を大腿部から脹脛部まで移動させるという本発明の目的を達成できる。
【0043】
また、図10の実施例は、座部2の前方に一対の身体支持部C,Dを有するものである。図10(a)は、一対の身体支持部C,Dが収納状態にあるときの図であり、図10(b)は、一対の身体支持部C,Dが突出した状態にあるときの図であり、図10(c)は、身体支持部Cが突出した状態となっており、身体支持部Dが収納状態にあるときの図であり、図10(d)は、一対の身体支持部C,Dの移動機構6C,6Dを示す図である。
【0044】
この実施例の一対の身体支持部C,Dは、それぞれに側壁部35C,35Dと中央部36C,36Dを有しており、被施療者の左右の大腿部や脹脛を振り分けて、施療することが可能である。
【0045】
また、一対の身体支持部C,Dは個別に移動機構6C,6Dを有しており、身体支持部C,Dは異なる施療部位を施療することが可能である。例えば身体支持部Cが大腿部を施療しているときに、身体支持部Dが脹脛を施療したり、一方は止まった状態で擦り動作を行ない、他方は移動しながら施療動作を行なうことが可能となる。
【0046】
また、身体支持部Cの移動機構6Cは、コの字状のレール56CL,56CRを有しており、同様に身体支持部Dの移動機構6Dは、コの字状のレール56DL,56DRを有しており、フレーム部5は、該コの字状のレール56CL,56CR,56DL,56DRを左右と中央に設けており、中央部のレール56CL,56DRは、コの字状のレールの閉端部を対向するように設けられた形状となっている。このように設けることで、コの字状のレール56CRと中央のレール56CLの開放端同士が対向し、コの字状のレール56DLと中央のレール56DRの開放端同士が対向するようになる。
フレーム部5には、身体支持部Cの移動機構6Cの駆動源61Cと身体支持部Dの移動機構6Dの駆動源61Dが設けられており、駆動源61Cの駆動力を受けるギア65Cと、駆動源61Dの駆動力を受けるギア65Dと、前記移動機構6Cの下側に設けられたラック69Cとギア65Cが噛合し、前記移動機構6Dの下側に設けられたラック69Dとギア65Dが噛合し、それぞれ独立した動きを可能としている。
【0047】
このような構成とすることで、身体支持部C,Dを個別または同時に移動させることが可能となり、身体支持部Cと身体支持部Dの位置を異ならせて、大腿部から脹脛をマッサージすることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 マッサージ機
2 座部
3 身体支持部
4 フットレスト
5 フレーム部
6 移動機構
61 第1駆動源
33 施療機構
33a 擦り部
33b(336L,336R,337L,337R,338) 施療部
35 側壁部
36 中央部
34 往復運動部
37 第2駆動源
43 回動機構


【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と、
施療機構を有する身体支持部と、
前記身体支持部を被施療者の大腿部から少なくとも脹脛までを移動させる移動機構と、
前記移動機構を駆動させる第1駆動源と、
を有するマッサージ機。
【請求項2】
前記身体支持部の施療機構は、擦り部を有していることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記擦り部は、
対向する側壁部と、
該側壁部の間にあり、身体の底面を支持する中央部を有しており、
少なくとも側壁部と中央部のいずれかを往復運動させる往復運動部と、
該往復運動部を駆動させる第2駆動源と、
を有することを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記身体支持部の施療機構は施療部を有しており、
該施療部は、前記擦り部に設けられており、
断続的、又は連続的に施療を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記施療部は、膨張収縮する複数のエアセルであって、
被施療者の身体に沿うように設けられており、
施療部位の変更に伴って、膨張させるエアセルを変更することを特徴とする請求項4に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記マッサージ機は、更にフットレストを有しており、
前記身体支持部の後端に、座部が位置し、
前記身体支持部の前端に前記フットレストが位置し、
前記フットレストは、身体支持部の前端に回動可能に軸支されており、フットレストを回動させる回動機構を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記フットレストの回動機構は、施療を行う前に、フットレストを上方回動させることを特徴とする請求項6に記載のマッサージ機。
【請求項8】
前記移動機構は、
前記身体支持部と、フットレストと、フットレストの回動機構とを、共に移動させることを特徴とする請求項6または7に記載のマッサージ機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−78487(P2013−78487A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220439(P2011−220439)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】