説明

ミオスタチンを阻害する結合剤

【課題】ミオスタチンに結合し、そしてその活性を阻害することが可能なペプチドを含む結合剤を提供する。
【解決手段】結合剤は、ポリマーまたはFcドメインなどの少なくとも1つのビヒクルに、直接または間接的に付着した、少なくとも1つのミオスタチン結合ペプチドを含む結合剤。前記結合剤を含有する、筋萎縮障害、並びに糖尿病および肥満を含む他の代謝障害を治療するのに有用な組成物。ミオスタチンを検出、測定ならびに、ミオスタチンに関連する障害を診断する方法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミオスタチンに結合可能な少なくとも1つのペプチドを含む結合剤であって、該ペプチドがアミノ酸配列WMCPP(配列番号633)を含む、前記結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項2】
ペプチドの長さが5〜50アミノ酸の間である、請求項1の結合剤。
【請求項3】
ミオスタチンに結合可能な少なくとも1つのペプチドを含む結合剤であって、該ペプチドが、アミノ酸配列WMCPP(配列番号352)、ここでa、aおよびaは、中性疎水性、中性極性、または塩基性アミノ酸から選択される、を含み、そして該ペプチドの長さが10〜50アミノ酸の間である、前記結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項4】
ミオスタチンに結合可能な少なくとも1つのペプチドを含む結合剤であって、該ペプチドが、配列WMCPP(配列番号353)、ここで
は、アミノ酸T、I、またはRのいずれか1つから選択され;
は、R、S、Qのいずれか1つから選択され;
は、P、RおよびQのいずれか1つから選択される
を含み、そして該ペプチドの長さが10〜50アミノ酸の間である、前記結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項5】
ミオスタチンに結合可能な少なくとも1つのペプチドを含む結合剤であって、該ペプチドが、配列cWMCPP10111213(配列番号354)、ここで
は、存在しないか、またはアミノ酸いずれかであり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、またはアミノ酸いずれかであり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは塩基性アミノ酸であり;
は、中性疎水性、中性極性、または塩基性アミノ酸であり;
は、中性疎水性、中性極性、または塩基性アミノ酸であり;
は、中性疎水性、中性極性、または塩基性アミノ酸であり;そして
10〜c13は、アミノ酸いずれかである
を含み;そして該ペプチドの長さが20〜50アミノ酸の間である、前記結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項6】
ミオスタチンに結合可能な少なくとも1つのペプチドを含む結合剤であって、該ペプチドが、配列
WMCPP10111213(配列番号355)、ここで
は、存在しないか、またはアミノ酸いずれかであり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、またはアミノ酸いずれかであり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは塩基性アミノ酸であり;
は、アミノ酸T、I、またはRのいずれか1つから選択され;
は、R、S、Qのいずれか1つから選択され;
は、P、RおよびQのいずれか1つから選択され;そして
10〜d13は、アミノ酸いずれかから選択される
を含み;
そして該ペプチドの長さが20〜50アミノ酸の間である、前記結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項7】
ミオスタチンに結合可能な少なくとも1つのペプチドを含む結合剤であって、該ペプチドが、配列WY(配列番号356)、
ここでeは、P、SまたはYであり、
は、CまたはQであり、そして
は、GまたはHである、を含み、そして該ペプチドの長さが7〜50アミノ酸である、前記結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項8】
ミオスタチンに結合可能な少なくとも1つのペプチドを含む結合剤であって、該ペプチドが、配列fEMLSLLL(配列番号455)、
ここでfは、MまたはIであり、
は、アミノ酸いずれかであり、
は、LまたはFであり、
は、E、QまたはDである
を含み;
そして該ペプチドの長さが7〜50アミノ酸である、前記結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項9】
ミオスタチンに結合可能な少なくとも1つのペプチドを含む結合剤であって、該ペプチドが、配列LL(配列番号456)、ここで
は、Q、DまたはEであり、
は、S、Q、DまたはEであり、
は、アミノ酸いずれかであり、
は、L、W、F、またはYである、を含み、そして該ペプチドの長さが8〜50アミノ酸の間である、前記結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項10】
ミオスタチンに結合可能な少なくとも1つのペプチドを含む結合剤であって、該ペプチドが、配列h(配列番号457)、ここで
は、RまたはDであり、
は、アミノ酸いずれかであり、
は、A、T、SまたはQであり、
は、LまたはMであり、
は、LまたはSであり、
は、アミノ酸いずれかであり、
は、FまたはEであり、
は、W、FまたはCであり、
は、L、F、MまたはKである、を含み、そして該ペプチドの長さが9〜50アミノ酸の間である、前記結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項11】
構造:
(X−F−(X、またはその多量体;
ここでFはビヒクルであり;そしてXおよびXは、各々独立に
−(L−P
−(L−P−(L−P
−(L−P−(L−P−(L−P
および−(L−P−(L−P−(L−P−(L−P
ここでP、P、P、およびPは、ミオスタチンに結合可能なペプチドであり、そして各々独立に、アミノ酸配列WMCPP(配列番号633)を含み;
、L、L、およびLは、各々リンカーであり;
そしてa、b、c、d、eおよびfは、各々独立に0または1である、但しaおよびbの少なくとも1つは1である
から選択される
を有する結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項12】
1以上のミオスタチン結合ペプチドが、アミノ酸配列WMCPP(配列番号352)、ここでa、aおよびaは、中性疎水性、中性極性、または塩基性アミノ酸から選択される、を含み、そして該ペプチドの長さが10〜50アミノ酸の間である、請求項11の結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項13】
1以上のミオスタチン結合ペプチドが、各々独立に、アミノ酸配列WMCPP(配列番号353)、ここで
は、アミノ酸T、I、またはRのいずれか1つから選択され;
は、R、S、Qのいずれか1つから選択され;
は、P、RおよびQのいずれか1つから選択される
を含み、そして該ペプチドの長さが10〜50アミノ酸の間である、請求項11の結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項14】
1以上のミオスタチン結合ペプチドが、配列cWMCPP10111213(配列番号354)、ここで
は、存在しないか、またはアミノ酸いずれかであり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、またはアミノ酸いずれかであり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは塩基性アミノ酸であり;
は、中性疎水性、中性極性、または塩基性アミノ酸であり;
は、中性疎水性、中性極性、または塩基性アミノ酸であり;
は、中性疎水性、中性極性、または塩基性アミノ酸であり;そして
10〜c13は、アミノ酸いずれかである
を含み;そして該ペプチドの長さが20〜50アミノ酸の間である、請求項11の結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項15】
1以上のミオスタチン結合ペプチドが、各々独立に、配列dWMCPP10111213(配列番号355)、ここで
は、存在しないか、またはアミノ酸いずれかであり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、またはアミノ酸いずれかであり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは酸性アミノ酸であり;
は、存在しないか、または中性疎水性、中性極性、もしくは塩基性アミノ酸であり;
は、アミノ酸T、I、またはRのいずれか1つから選択され;
は、R、S、Qのいずれか1つから選択され;
は、P、RおよびQのいずれか1つから選択され;そして
10〜d13は、アミノ酸いずれかから選択される
を含み、そして該ペプチドの長さが20〜50アミノ酸の間である、請求項11の結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項16】
構造:
(X−F−(X、またはその多量体;
ここでFはビヒクルであり;そしてXおよびXは、各々独立に
−(L−P
−(L−P−(L−P
−(L−P−(L−P−(L−P
および−(L−P−(L−P−(L−P−(L−P
ここでP、P、P、およびPは、ミオスタチンに結合可能なペプチドであり、そして1以上のP、P、P、およびPは、各々独立に:
(a)アミノ酸配列WY(配列番号356)、ここでeは、P、SまたはYであり、eは、CまたはQであり、そしてeは、GまたはHである、を含むペプチド;
(b)アミノ酸配列fEMLSLLL(配列番号455)、ここでfは、MまたはIであり、fは、アミノ酸いずれかであり、fは、LまたはFであり、そしてfは、E、QまたはDである、を含むペプチド;
(c)アミノ酸配列LL(配列番号456)、ここでgは、Q、DまたはEであり、gは、S、Q、DまたはEであり、gは、アミノ酸いずれかであり、そしてgは、L、W、F、またはYである、を含むペプチド;および
(d)アミノ酸配列h(配列番号457)、ここでhは、RまたはDであり、hは、アミノ酸いずれかであり、hは、A、T、SまたはQであり、hは、LまたはMであり、hは、LまたはSであり、hは、アミノ酸いずれかであり、hは、FまたはEであり、hは、W、FまたはCであり、そしてhは、L、F、MまたはKである、を含むペプチド
からなる群より選択され;
該ペプチドの長さは9〜50アミノ酸の間であり;
、L、L、およびLは、各々リンカーであり;
そしてa、b、c、d、eおよびfは、各々独立に0または1である、但しaおよびbの少なくとも1つは1である
から選択される
を有する結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項17】
構造:
(X−F−(X、またはその多量体;
ここでFはビヒクルであり;そしてXおよびXは、各々独立に
−(L−P
−(L−P−(L−P
−(L−P−(L−P−(L−P
および−(L−P−(L−P−(L−P−(L−P
ここでP、P、P、およびPは、ミオスタチンに結合可能なペプチドであり、そして独立に、配列番号305〜351および配列番号357〜454から選択され;
、L、L、およびLは、各々リンカーであり;
そしてa、b、c、d、eおよびfは、各々独立に0または1である、但しaおよびbの少なくとも1つは1である
から選択される
を有する結合剤およびその生理学的に許容しうる塩。
【請求項18】
ビヒクルがFcドメインである、請求項11〜17のいずれか1つの結合剤。
【請求項19】
請求項18の結合剤をコードするポリヌクレオチド配列。
【請求項20】
請求項19のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項21】
請求項20の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項22】
原核細胞である、請求項21の宿主細胞。
【請求項23】
真核細胞である、請求項21の宿主細胞。
【請求項24】
薬学的に許容しうるキャリアーと混合された、請求項1または11のいずれか1つの結合剤の有効量を含む、薬剤組成物。
【請求項25】
ビヒクルがFcドメインである、請求項24の薬剤組成物。
【請求項26】
被験者において、ミオスタチン活性を阻害する方法であって、請求項1、3または11のいずれか1つの結合剤の有効量を、該被験者に投与することを含む、前記方法。
【請求項27】
被験者において、除脂肪(lean)筋量を増加させる方法であって、請求項24の組成物を該被験者に投与することを含む、前記方法。
【請求項28】
被験者が食用動物である、請求項27の方法。
【請求項29】
被験者において、脂肪に対する除脂肪筋量の比を増加させる方法であって、請求項24の組成物の療法的有効量を、該被験者に投与することを含む、前記方法。
【請求項30】
被験者において、筋萎縮(muscle−wasting)疾患を治療する方法であって、請求項24の組成物の療法的有効量を、該被験者に投与することを含む、前記方法。
【請求項31】
疾患が、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、うっ血性閉塞性肺疾患、慢性心不全、癌、AIDS、腎不全、尿毒症、関節リウマチ、年齢に関連するサルコペニア、並びに長期間の絶対安静、脊椎傷害、脳卒中、骨折、および加齢による筋萎縮から選択される、請求項30の方法。
【請求項32】
被験者において、ミオスタチン関連代謝障害を治療する方法であって、請求項24の組成物の療法的有効量を、該被験者に投与することを含む、前記方法。
【請求項33】
代謝障害が、糖尿病、肥満、高血糖、および骨減少から選択される、請求項32の方法。
【請求項34】
試料中のミオスタチンを検出する方法であって、請求項1または11の結合剤と該試料を接触させ、そして結合複合体を検出することを含む、前記方法。
【請求項35】
試料中のミオスタチンを測定する方法であって、請求項1または11の結合剤と該試料を接触させ、そして結合複合体を測定することを含む、前記方法。
【請求項36】
被験者において、ミオスタチンに関連する障害を診断する方法であって、請求項1または11の結合剤と、該被験者から採取した試料を接触させ、そして結合複合体を検出することを含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−193888(P2010−193888A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40110(P2010−40110)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【分割の表示】特願2004−563875(P2004−563875)の分割
【原出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【出願人】(500203709)アムジェン インコーポレイテッド (76)
【Fターム(参考)】