説明

ミシン糸

【課題】高強力、高モジュラスであり、本縫高速直線可縫性の良好な衣料用ミシン糸を提供する。
【解決手段】主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートであるポリエステルからなるマルチフィラメントミシン糸であって、ポリエステルがフェニルホスホン酸又はその誘導体、及び/又はフェニルホスフィン酸又はその誘導体であるリン化合物を、ポリマーを構成するジカルボン酸のモル数に対して0.1〜300ミリモル%含むポリマー組成物であることを特徴とするミシン糸。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高強力、高モジュラスであり、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性を要求される過酷な環境に使用される衣料に好適なミシン糸に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンナフタレート繊維は、高強度、高モジュラスおよび優れた寸法安定性を示し、タイヤコード、伝動ベルト等のゴム補強材をはじめとする産業資材分野で広く適用され始めている。また、ポリエチレンテレフタレートと比較して耐熱性、耐薬品性にも優れる性質を示しており、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性を要求される過酷な環境に使用される衣料用ミシン糸としても注目されてきている。
【0003】
ポリエチレンナフタレートは高強度、高モジュラスであるが紡糸及び延伸工程で生じる粗大な結晶成長を抑制することが困難であり剛直性が高く、特にミシン目の屈曲の激しい縫製ではミシン針による糸切れが問題となり、著しく縫製での工程通過性が低下する問題があった。
【0004】
特許文献1ではポリエチレンナフタレートをコアとして、それよりも極限粘度が[η]fが0.2〜0.5低いポリエチレンテレフタレートを紡糸工程で混繊させた芯鞘2層構造ミシン糸が提示されている。確かに剛直性の低いポリエチレンテレフタレートを混繊することによりミシン糸としての剛直性は低下しある程度工程通過性は向上するものの、コアヤーンのポリエチレンナフタレート自体の分子の剛直性を変えるものではなく、根本的な縫製工程での糸切れを改善することはできなかった。また、糸表面側にループ状に存在する鞘部にポリエチレンナフタレートを使用しないため、ポリエチレンナフタレートポリマー特性のもつ耐熱性、耐薬品性が機能せず、ミシン糸として使用用途が限定されるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−146307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は高強力、高モジュラスであり、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性を要求される過酷な環境に使用される衣料用ミシン糸を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートであるポリエステルからなるマルチフィラメントミシン糸であって、ポリエステルがフェニルホスホン酸又はその誘導体、及び/又はフェニルホスフィン酸又はその誘導体であるリン化合物を、ポリマーを構成するジカルボン酸のモル数に対して0.1〜300ミリモル%含むポリマー組成物であることを特徴とするミシン糸、
好ましくは該ポリエステル繊維が1〜100nmの層状構造を有する粒子を含有し、赤道方向の広角X線回折において2θ=5〜6°に回折ピークを有するミシン糸であり、
さらに好ましくは糸の10%LASEが4.0cN/dtex以上、強度が5.5cN/dtex以上、伸度が15%以上、熱水収縮率が4.0%以下であるミシン糸、
が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明のポリエステルミシン糸は、リン化合物を添加することによりポリマー分子の剛直性を改質することができ、高速縫製時での糸切れが少なく、高強力、高モジュラスであり、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性を要求される過酷な環境に使用される衣料に好適なミシン糸とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明で用いられる主たる繰返し単位がエチレンナフタレートであるポリエステルポリマーとしては、好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を80%以上、特には90%以上含むポリエチレンナフタレートであることが好ましい。
【0010】
本発明のミシン糸は、上記ポリエステルからなるフィラメントであり、該ポリエステルがフェニルホスホン酸又はその誘導体、及び/又はフェニルホスフィン酸又はその誘導体であるリン化合物を、ポリマーを構成するジカルボン酸のモル数に対して0.1〜300ミリモル%含むポリマー組成物であることを特徴とする。
【0011】
ポリエステルはフェニルホスホン酸又はその誘導体、及び/又はフェニルホスフィン酸又はその誘導体であるリン化合物を含有することにより、ポリマーの結晶性が向上し、溶融し、紡糸口金から吐出する段階で、微小結晶を多数形成する。そしてこの微小結晶が、紡糸及び延伸工程で生じるポリエステルの粗大な結晶成長を抑制し結晶を微分散化させ、繊維の剛直性を下げることによって、縫製時に繊維がミシン糸との摩擦で塑性変形することで発生する糸切れを少なくすることができる。
【0012】
本発明で用いられるポリエステルポリマーは、樹脂チップの極限粘度として、公知の溶融重合や固相重合を行うことにより0.60〜1.20の範囲にすることが好ましい。樹脂チップの極限粘度が低すぎる場合には溶融紡糸後の繊維を高強度化させることが困難となる。また極限粘度が高すぎると固相重合時間が大幅に増加し、生産効率が低下するため工業的観点から好ましくない。極限粘度としては、さらには0.65〜1.0の範囲であることが好ましい。また、微小結晶を多数形成させるためには、下記一般式(1)であらわされるリン化合物のRがベンジル基であることが、さらにはフェニル基であることが好ましく、本発明のリン化合物がフェニルホスフィン酸またはフェニルホスホン酸であることが好ましい。特にはフェニルホスホン酸およびその誘導体であることが最適である。
【0013】
【化1】

[上の式中、Rは炭素数1〜12個の炭化水素基であるアルキル基、アリール基又はベンジル基であり、Rは水素原子又は炭素数の1〜12個の炭化水素基であるアルキル基、アリール基又はベンジル基、Xは、水素原子または−OR基であり、Xが−OR基である場合、Rは水素原子又は炭素数の1〜12個の炭化水素基であるアルキル基、アリール基又はベンジル基、であり、RとRは同一であっても異なっていても良い。]
【0014】
本発明で用いられるポリエステルのリン化合物含有量としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分のモル数に対して0.1〜300ミリモル%であることが必要である。リン化合物の量が0.1ミリモル未満の場合、微小結晶の結晶性向上効果が不十分になる傾向にあり、300ミリモルを超える場合には紡糸時の異物欠点が発生するために製糸性が低下する。リン化合物の含有量はポリエステルを構成するジカルボン酸成分のモル数に対して1〜100ミリモル%の範囲がより好ましく、10〜80ミリモル%の範囲がさらに好ましい。
【0015】
また、ポリエステル中には、各種の添加剤、たとえば二酸化チタンなどの艶消剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、可塑剤、耐衝撃剤の添加剤、または補強剤としてモンモリナイト、ベントナイト、ヘクトライト、板状酸化鉄、板状炭酸カルシウム、板状ベーマイト、あるいはカーボンナノチューブなどの添加剤が含まれていてもよいことはいうまでもない。
【0016】
ポリエステル中に含まれるリン化合物は、ポリマー重合工程にポリマー中で1〜100nmの大きさの層状ナノ粒子を形成し、このような層状ナノ粒子は透過型電子顕微鏡により確認することができる。層状ナノ粒子の大きさが100nmより大きいと繊維中で異物として作用し断糸や単糸切れが発生しやすく、強度やモジュラス等の機械特性を引き起こしてしまう。一方、1nmより小さい場合は本発明で重要なポリマーの微小結晶の結晶性向上や製糸性向上などの効果が得られにくい。このような層状ナノ粒子の大きさとしては5〜80nmが好ましく、10〜60nmであることがさらに好ましい。
【0017】
さらに、本発明のミシン糸は上記の1〜100nmの層状ナノ粒子を含有するとともに、赤道方向の広角X線回折において2θ=5〜6°に回折ピークを有することが必須である。これは、数nmの層間間隔を有する層状ナノ粒子が繊維軸方向に特異的に配向していることを示すものであり、これによって本発明者らは従来課題であったポリエステル製糸工程での断糸を抑制し、生産性を飛躍的に向上せしめることを見出した。
【0018】
本発明のミシン糸の10%LASE(105伸長応力)は4.0cN/dtex以上、強度が5.5cN/dtex以上、伸度が15%以上、熱水収縮率が4.0%以下であることが好ましい。10%LASEは高い方が好ましく、4.0cN/dtex以上、好ましくは5.0〜7.0cN/dtexであり、強度は5.5cN/dtex以上、好ましくは5.5〜7.5cN/dtexである。伸度は15%以上が必要であり、10%未満では縫製時での糸切れやが発生するなどして工程通過性が著しく悪くなる。これらの物性を同時に達成することにより、可縫性に優れ、且つ、高い耐久性を持つミシン糸が可能となる。
【0019】
熱水収縮率は3.0%以下であることが好ましく、これによりミシン糸の高い寸法安定性を得ることができる。
かかるミシン糸は、そのまま使用しても良いし、複合ミシン糸としてフィラメント又は紡績糸との混繊でのコアヤーンとして使用しても良い。
【0020】
かかる特性のミシン糸を得るための具体的な製造法について説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
公知の紡糸口金を用いて、溶融紡糸しマルチフィラメントとし、続いて延伸を施すことにより上記物性を有する原糸が得られる。紡糸工程で一旦未延伸糸として巻き取り改めて延伸する工程としては、紡糸速度が400〜1000m/分であり、紡糸後に3.0〜10倍延伸することが好ましい。紡糸速度としてはさらには400〜700m/分であることが好ましい。また延伸倍率としては3〜7倍であることが好ましい。このように低速にて紡糸し、高倍率に延伸することによってより高強度の延伸繊維を得ることが可能である。従来は例え低速で紡糸したとしても高倍率延伸時に結晶の欠点に起因する強度の弱い部分が存在するため、高倍率延伸時に断糸が起こることが多かった。しかし本発明ではリン化合物の配合により延伸による結晶化において微細結晶が均一に形成されるため、延伸欠点が発生しにくく、高倍率に延伸でき、繊維を高強度化することが可能となったものである。
【0021】
本発明のミシン糸の延伸方法としては、引取りローラーから一旦巻き取って、いわゆる別延伸法で延伸してもよく、あるいは引取りローラーから連続的に延伸工程に未延伸糸を供給する、いわゆる直接延伸法で延伸しても構わない。また延伸条件としては1段ないし多段延伸であり、延伸負荷率としては60〜95%であることが好ましい。延伸負荷率とは繊維が実際に断糸する張力に対する、延伸を行う際の張力の比である。
【0022】
延伸時の予熱温度としては、未延伸糸のガラス転移点以上、結晶化開始温度の20℃以上低い温度以下で行うことが好ましく、本発明においては120〜180℃が好適である。延伸倍率は紡糸速度に依存するが、破断延伸倍率に対し延伸負荷率60〜95%となる延伸倍率で延伸を行うことが好ましい。また、繊維の強度を維持し寸法安定性を向上させるためにも、延伸工程で170℃から繊維の融点以下の温度で熱セットを行うことが好ましい。さらには延神時の熱セット温度が170〜270℃の範囲であることが好ましい。
【0023】
上記延伸糸をミシン糸として用いることができるが、通常延伸後に例えば1000T/MのS撚りを施した後、数本あわせて、700T/M等のZ撚りを施し、チーズに巻き取り、染色処理をおこない、乾燥後シリコーン系油剤を塗布してミシン糸とすることが好ましい。
【実施例】
【0024】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例、比較例における各特性値は以下の方法で測定した。
(1)極限粘度IVf
樹脂あるいは繊維をフェノールとオルトジクロロベンゼンとの混合溶媒(容量比6:4)に溶解し、35℃でオストワルド型粘度計を用いて測定して求めた。
(2)繊維の広角X線回折
Bruker社製D8 DISCOVER with GADDS SuperSpeedを用い、回折角2θ=0°〜50°における繊維の赤道方向の広角X線回折を測定し、2θ=5〜6°の回折ピークの有無を求めた。
(3)原糸の強度、伸度
原糸の強度および伸度はJIS−L1017に準拠し、オリエンテック社製のテンシロンを用いてサンプル長25cm、伸長速度30cm/minで測定し、サンプル破断した時の強度と伸度である。10%LASEは上記の測定時のサンプルが10%伸長した時の応力を測定した。
(4)熱水収縮率(BWS)
枠周1.125mの検尺機で捲数20回のカセを作り、0.022cN/dtexの過重を掛けて、スケール板に吊るして初期のカセ長L0を測定する。その後、このカセを100℃の熱水浴中で30分間処理後、放冷し再びスケール板に吊るし収縮後の長さLを測定し次式で沸水収縮率を計算する。
沸水収縮率=(L0−L)/L0×100(%)
(5)本縫高速直線可縫性
本縫い1本針ミシンを用いて、4000rpmの速度、ミシン針#14でT/Rサージ4枚を1分間縫製し、ミシン糸の切断の有りもしくは単糸切れ多発で外観不合格の場合を(×)、単糸切れが発生するも極僅かで実用上問題ない場合を(○)、単糸切れが全く発生しない場合を(◎)として評価した。
【0025】
[実施例1]
[ポリエステルの作製]:
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部とエチレングリコール50重量部との混合物に酢酸マンガン四水和物0.030重量部、酢酸ナトリウム三水和物0.0056重量部を攪拌機、蒸留搭及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、150℃から245℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを反応器外に留出させながら、エステル交換反応を行い、引き続いてエステル交換反応が終わる前にフェニルホスホン酸(PPA)を0.03重量部(50ミリモル%)を添加した。その後、反応生成物に三酸化二アンチモン0.024重量部を添加して、攪拌装置、窒素導入口、減圧口及び蒸留装置を備えた反応容器に移し、305℃まで昇温させ、30Pa以下の高真空下で縮合重合反応を行い、常法に従ってチップ化して極限粘度0.65のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。このチップを65Paの真空度下、120℃で2時間予備乾燥した後、同真空下240℃で10〜13時間固相重合を行い、表1に記載した固有粘度のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。
【0026】
[フィラメントミシン糸の作製]:
製糸化は以下の通り行った。上記の乾燥樹脂チップを紡糸設備にて常法で溶融し、ギヤポンプを経て紡糸ヘッドに供給した。溶融ポリマーは、ノズル孔径0.2mmの円形紡糸孔を24個有する紡糸口金から、通常のクロスフロー型紡糸筒からの冷却風で冷却・固化し、紡糸油剤を付与しつつ、600m/分の紡速にて巻き取りつつ、オイリングローラーにて油剤を付着させながら、未延伸糸を得た。その後、加熱されたホットローラーにて予熱後、スリットヒーター200℃で加熱しながら3.8倍で延伸し、0.03倍のリラックス処理を施した後、巻き取り、84dtex−24filの延伸糸を得た。得られた延伸糸は強度6.2cN/dtex、伸度20%、10%LASE 5.2cN/dtex、湿熱収縮率3.2%であった。
【0027】
[評価用ミシン糸の作製]:
上記延伸糸に1000T/MのS撚りを施した後、3本あわせて、700T/MのZ撚りを施しミシン糸とした後、チーズに巻き取り、150℃、40分の染色処理をおこない、乾燥後シリコン系油剤を3%塗布してミシン糸とした。
得られたポリエチレンナフタレート、フィラメントミシン糸、評価用ミシン糸の性能を表1に示す。
【0028】
[実施例2]
実施例1において、ポリエチレンナフタレートの作製の際、固相重合を実施しなかったこと以外は実施例1と同様に実施し得た。得られたポリエチレンナフタレート、フィラメントミシン糸、評価用ミシン糸の性能を表1に示す。
【0029】
[実施例3]
実施例1において、ポリエチレンナフタレートの作製の際、フェニルホスホン酸(PPA)の代わりに、フェニルホスフィン酸(PPI)80ミリモル%を使用したこと以外は実施例1と同様に実施した。得られたポリエチレンナフタレート、フィラメントミシン糸、評価用ミシン糸の性能を表1に示す。
【0030】
[実施例4]
実施例1において、ポリエチレンナフタレートの作製の際、フェニルホスホン酸(PPA)の代わりに、フェニルホスフィン酸(PPI)100ミリモル%を使用したこと以外は実施例1と同様に実施した。得られたポリエチレンナフタレート、フィラメントミシン糸、評価用ミシン糸の性能を表1に示す。
【0031】
[比較例1]
実施例1において、ポリエチレンナフタレートの作製の際、リン化合物を含有させないこと以外は実施例1と同様に実施した。得られたポリエチレンナフタレート、フィラメントミシン糸、評価用ミシン糸の性能を表1に示す。
【0032】
[比較例2]
実施例1において、ポリエチレンナフタレートの作製の際、リン化合物としてフェニルホスフィン酸の代わりに正リン酸を40mmol%添加したこと以外は、実施例1と同様に実施した。得られたポリエチレンナフタレート、フィラメントミシン糸、評価用ミシン糸の性能を表1に示す。
【0033】
[比較例3]
実施例1においてフェニルホスホン酸350ミリモル使用した以外は同様に行なった。得られたポリエチレンナフタレート、フィラメントミシン糸、評価用ミシン糸の性能を表1に示す。紡糸工程で断糸が多く又本縫高速直線可縫性は単糸切れが多く問題であった。
【0034】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0035】
フィラメントの光沢を残しつつ均一な縫目を形成することが可能で、且つ高強力、高モジュラスであり、高速縫製性の良好な衣料用フィラメントミシン糸とすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートであるポリエステルからなるマルチフィラメントミシン糸であって、該ポリエステルがフェニルホスホン酸又はその誘導体、及び/又はフェニルホスフィン酸又はその誘導体であるリン化合物を、ポリマーを構成するジカルボン酸のモル数に対して0.1〜300ミリモル%含むポリマー組成物であることを特徴とするミシン糸。
【請求項2】
該ミシン糸が1〜100nmの層状構造を有する粒子を含有し、赤道方向の広角X線回折において2θ=5〜6°に回折ピークを有する請求項1記載のミシン糸。
【請求項3】
10%LASEが4.0cN/dtex以上、強度が5.5cN/dtex以上、伸度が15%以上、熱水収縮率が4.0%以下である請求項1〜2いずれかに記載のミシン糸。

【公開番号】特開2011−1665(P2011−1665A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147542(P2009−147542)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】