説明

メッシュネットワーク視覚化装置

【課題】画像処理の負荷の軽減を図りつつ、各端末(スマートメータ)の標高差を確認可能とするメッシュネットワークの表示技術を提供する。
【解決手段】スマートメータ位置情報及び通信経路情報に基づいて、前記2次元地図上にスマートメータの位置を示すマークと通信経路を示すラインとからなるメッシュネットワークグラフを表示させ、且つ選択された領域である選択領域に基づいて、マークがスマートメータ位置情報に基づいて配置された3次元空間である選択領域空間を生成し、マークの選択領域空間における相対位置を維持しながら、前記選択領域空間を回転させて、回転後の選択領域空間を前記2次元地図上に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施の形態は、メッシュネットワーク視覚化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、既存の電力網を再構築し、IT技術でリアルタイムなエネルギー需要を把握して効率良く送電をするしくみであるスマートグリッドが提唱されるようになってきた。スマートグリッドを実現する機器として、スマートメータの開発も盛んになってきている。
【0003】
スマートメータは、電力消費データを、人手を介在せず自動的に計測し、毎日あるいは毎時間といった多頻度で電力事業者に送信することを可能にした。これによって、従来は困難であったピーク需要時の電力需要動向のリアルタイムでの把握、時間帯や電力需要によって動的に変動する電力料金プランの設定と適用、それに基づく電力需要抑制やピークシフトといったデマンドレスポンス(需要応答)の操作までを全て自動化することができるようにする。
【0004】
スマートグリッドを構成するスマートメータは一般に無線通信機能を持ち、メッシュネットワークを形成する。従来のスマートメータを監視制御するシステムや装置は、スマートメータのデータを集計するコンセントレータまでの通信状況を地図上で表すことができ、運用者はそのシステムによって表示されるスマートメータ及びそのスマートメータで構成されるメッシュネットワークを用いて、スマートメータの監視・制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−188620号公報
【特許文献2】特開2011−061931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のようなメッシュネットワークを地図上で表示する技術においては、以下の問題点がある。
【0007】
(1)2D(2次元)表示のGIS上でメッシュネットワークを表す従来の技術では、各スマートメータの標高情報の表現に制約があり、2つのスマートメータが高低差はあるが平面上では同一位置となる場合に2つのスマートメータが重なって表示されてしまい、見逃し、見落としなどの問題が生じている。
【0008】
(2)また、GIS上でメッシュネットワークを全て3D表示(3次元表示)する場合、3次元処理の処理量が膨大となり処理装置に負荷がかかってしまうという問題点がある。
【0009】
本発明の実施の形態は、画像処理の負荷の軽減を図りつつ、各端末(スマートメータ)の標高差を確認可能とする、端末及びメッシュネットワークに関する情報を表示する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一の実施の形態によれば、メッシュネットワーク視覚化装置が提案される。このメッシュネットワーク視覚化装置は、第1の記憶手段、第2の記憶手段、第3の記憶手段、第1の表示手段、第2の表示手段を有している。
【0011】
第1の記憶手段は、メッシュネットワークを構成する端末装置の位置を3次元空間内で特定する情報である端末装置位置情報を記憶する。
第2の記憶手段は、前記端末装置間の通信経路を示す情報である通信経路情報を記憶する。
第3の記憶手段は、2次元地図を表示するための地図データを記憶する。
第1の表示手段は、前記地図データから2次元地図を表示させる。
第2の表示手段は、前記端末位置情報及び通信経路情報に基づいて、前記2次元地図上に、前記端末装置の位置を示す第1の表示情報と前記通信経路を示す第2の表示情報とからなるメッシュネットワークグラフを表示させ、且つ選択された領域である選択領域に基づいて、前記第1の表示情報が前記端末位置情報に基づいて配置された3次元空間である選択領域空間を生成し、前記第1の表示情報の選択領域空間における相対位置を維持しながら、前記選択領域空間を回転させて、回転後の選択領域空間を前記2次元地図上に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】メッシュネットワーク視覚化装置の構成例を示す機能ブロック図
【図2】メッシュネットワーク表示処理の処理内容の例を示すフローチャート
【図3】選択領域空間表示・操作処理の一例を示したフローチャート
【図4】選択領域空間生成処理の一例を示すフローチャート
【図5】選択領域空間操作処理の一例を示すフローチャート
【図6】メッシュネットワーク視覚化装置の出力部に表示される画面例を示す図
【図7】図6の画面後に、メッシュネットワーク視覚化装置の出力部に表示される画面例を示す図
【図8】図7の画面後に、メッシュネットワーク視覚化装置の出力部に表示される画面例を示す図
【図9】図8の画面後に、メッシュネットワーク視覚化装置の出力部に表示される画面例を示す図
【図10】図9の画面後に、メッシュネットワーク視覚化装置の出力部に表示される画面例を示す図
【図11】図10の画面後に、メッシュネットワーク視覚化装置の出力部に表示される画面例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
初めに、本明細書において使用する用語の定義を述べる。
(1)位置情報
「位置情報」とは、3次元空間内で対象の位置を特定することが可能な情報をいい、例えば、緯度、経度及び標高情報の組み合わせである。
【0014】
(2)メッシュネットワーク
「メッシュネットワーク」とは、通信機能を持った端末同士が相互に通信を行うことにより、網の目(mesh)状に形成された通信ネットワークをいう。例えば、無線LANの通信機能を持った端末同士で形成された通信ネットワークはメッシュネットワークである。
【0015】
(3)コンセントレータ
「コンセントレータ」とは、複数の回線を束ねる装置をいう。集約装置とも呼ばれる。
【0016】
(4)スマートメータ
「スマートメータ」とは、通信機能や管理機能を備えた高機能な電力メータをいう。スマートメータは、メッシュネットワークを構成する端末装置として機能する。
【0017】
(5)GIS(Geographic Information System)
「GIS」とは、地理情報システムをいう。地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術である。
【0018】
(6)「スマートグリッド」
スマートグリッドとは、スマートメータのようなスマートデジタル機器による通信能力や演算能力を活用して、電力需給を自律的に調整する機能を持たせることにより、省エネとコスト削減及び信頼性と透明性の向上を目指した新しい電力網をいう。
【0019】
[ネットワーク視覚化装置の構成]
本実施の形態にかかるネットワーク視覚化装置の構成例について説明する。本実施の形態にかかるメッシュネットワーク視覚化装置は、2次元表示された地図上にスマートグリッドを構成する端末装置であるスマートメータとスマートメータ間の通信経路を表示するとともに、上記地図上に、ユーザによって選択された領域内に含まれるスマートメータの位置を3次元表示する3次元モデルを生成し、さらにユーザの操作に応じて、その3次元モデルの回転、移動、傾斜などを行うことを可能とする装置である。
【0020】
図1は、メッシュネットワーク視覚化装置1の構成例を示す機能ブロック図である。なお、図1に示した各構成要素は、メッシュネットワーク視覚化装置1を機能ごとのまとまりとしてとらえた要素であって、実際のメッシュネットワーク視覚化装置1が各構成要素に相当するハードウエア(回路、モジュール、ユニットなど)を備えていることを必要とすることを示すものではない。なお、以下に構成要素が「接続する」、「接続されている」と記しているが、必ずしも物理的に配線等により接続されていることを指すものではなく、構成要素間でデータや信号を送受信できること意味しており、例えばプログラムモジュールなどの間でのデータの受け渡しの実行も「接続」されていると呼んでいる。
【0021】
メッシュネットワーク視覚化装置1は、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置によって実現される装置である。この情報処理装置は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、及び必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置である。
【0022】
メッシュネットワーク視覚化装置1は、スマートメータ(SM)位置登録部10と、データ集計/制御部20と、スマートメータ(SM)位置登録部10及びデータ集計/制御部20に接続された動的データ記憶部30と、静的データ記憶部40と、動的データ記憶部30及び静的データ記憶部40に接続された表示処理部50と、入力部60と、出力部70とを有する。
なお、スマートメータは、本実施の形態の「端末装置」に相当する。また、動的データ記憶部30及び静的データ記憶部40は、本実施の形態の記憶部に相当する。表示処理部50は、本実施の形態の表示部及び表示制御部に相当する。
【0023】
データ集計/制御部20はメッシュネットワーク、より詳しくはコンセントレータに通信可能に接続されており、各スマートメータから送信されたデータ等を受信し、各スマートメータへの制御コマンドや制御用メッセージを送信することができる。
【0024】
動的データ記憶部30は、3Dフラグ記憶部31と、スマートメータ位置情報記憶部32と、通信経路情報記憶部33と、スマートメータ状態情報記憶部34とを有している。スマートメータ位置情報記憶部32はスマートメータ位置登録部10に接続されているとともに、表示処理部50、より詳しくは後述するメッシュネットワーク表示部51に接続されている。通信経路情報記憶部33はデータ集計/制御部20に接続されているとともに、表示処理部50、より詳しくは後述するメッシュネットワーク表示部51に接続されている。スマートメータ状態情報記憶部34はデータ集計/制御部20に接続されているとともに、表示処理部50、より詳しくは後述するスマートメータ状態更新部52に接続されている。
【0025】
なお、スマートメータ位置情報記憶部32は、本実施の形態の「第1の記憶手段」に相当する。また、通信経路情報記憶部33は本実施の形態の「第2の記憶手段」に相当する。また、スマートメータ位置情報は、本実施の形態の「端末装置位置情報」に相当する。
【0026】
静的データ記憶部40は、地図情報記憶部41を有している。地図情報記憶部41は、本実施の形態の「第3の記憶手段」に相当する。地図情報記憶部41は、表示処理部50、より詳しくは地図表示部54に接続されている。また、表示処理部50は、入力部60に接続されているとともに、出力部70に接続している。
【0027】
表示処理部50は、メッシュネットワーク表示部51と、スマートメータ状態更新部52と、スマートメータ制御部53と、地図表示部54と、画像化処理部56と、3D領域操作処理部55とを有している。メッシュネットワーク表示部51は、動的データ記憶部30の3Dフラグ記憶部31、スマートメータ位置情報記憶部32、及び通信経路情報記憶部33に接続されており、スマートメータ状態更新部52及び3D領域操作処理部55に接続されているとともに画像化処理部56に接続している。なお、地図表示部54は本実施の形態の「第1の表示手段」に相当し、メッシュネットワーク表示部51は本実施の形態の「第2の表示手段」に相当する。
【0028】
画像化処理部56はメッシュネットワーク表示部51及び地図表示部54に接続されているとともに、出力部70に接続している。
3D領域操作処理部55は、入力部60に接続されている。
【0029】
(各部の機能)
以下に、メッシュネットワーク視覚化装置1の各構成要素の機能を述べる。
スマートメータ位置登録部10は、メッシュネットワークを構成するスマートメータの位置情報の入力処理を行う機能を有する。入力された位置情報はスマートメータを特定する情報(例えば、スマートメータID)と対応付けされて、スマートメータ位置情報記憶部32に記憶される。
【0030】
データ集計/制御部20は、メッシュネットワークを構成する各スマートメータからデータを受信し、また各スマートメータに制御用命令を送信する機能を有する。
【0031】
動的データ記憶部30は、変動データを記憶する機能を有する。変動データには、3Dフラグ、スマートメータ位置情報、スマートメータ状態情報、通信経路情報が含まれる。3Dフラグは、ユーザからメッシュネットワークの3次元表示の要求がなされたか否かを示す情報である。スマートメータ位置情報は、スマートメータの水平方向及び垂直方向の位置を特定する情報であって、例えば緯度、経度、及び標高からなる情報である。スマートメータ状態情報はそのスマートメータが正常かエラー状態かを示す情報である。通信経路情報は、メッシュネットワーク内において、どのスマートメータ間で通信が行われているかを示す情報である。
【0032】
静的データ記憶部40は、非変動データを記憶する機能を有する。非変動データをきおくする機能を有する。非変動データには、2次元地図を表示するためのデータである地図データが含まれる。
【0033】
表示処理部50は、2次元地図上に各スマートメータ及びメッシュネットワークの通信経路を表示するとともに、ユーザにより選択された領域において、スマートメータの上下関係(高低差)及び相対位置を確認可能であって、その内部にスマートメータ及びメッシュネットワークの通信経路を表示した三次元空間を表示し、且つユーザの操作に応じてその三次元空間を移動、回転、傾斜等させてユーザに三次元空間内のスマートメータの相互位置関係を提示する機能を有する。
【0034】
入力部60は、ユーザの入力を表示処理部50に出力する機能を有し、例えば、ポインティングデバイス、キーボード、タッチパネルなどである。
出力部70は、表示処理部50から出力された、地図、スマートメータ、通信経路を含む画像を出力してユーザに示す機能を有する。出力部70は例えば、液晶ディスプレイ装置、プリンタなどである。
【0035】
次に、表示処理部50に含まれる各構成要素の機能について説明する。
地図表示部54は、地図情報記憶部41から地図データを取得し、2次元地図を表示するための画像データを生成する機能を有する。
【0036】
スマートメータ制御部53は、スマートメータを制御するための制御命令をスマートメータに送信する機能を有する。
【0037】
スマートメータ状態更新部52は、スマートメータ状態情報記憶部34からスマートメータ状態情報を読み出し、メッシュネットワーク表示部51に渡す機能を有する。
【0038】
メッシュネットワーク表示部51は、ユーザによって選択された領域内にあるスマートメータを含む3次元空間モデル(「選択領域空間モデル」と呼ぶ)を生成し、その選択領域空間モデルを表示させるための画像データを生成する。選択領域空間モデル内には、各スマートメータのスマートメータ位置情報に従って、スマートメータを示すマーク(3次元、2次元を問わない)が配置され、さらに通信経路情報に基づいてスマートメータ間の通信経路を示すライン等が配置される。スマートメータ位置情報には各スマートメータの高さを示す情報を含んでいるので、選択領域空間モデル内のスマートメータを示すマークは、水平方向の位置だけでなく、上下(垂直)方向の位置についても正確に配置される。また、メッシュネットワーク表示部51は、選択領域空間モデルの表示を行っていない時には、スマートメータ位置情報に基づいて2次元地図及び2次元地図上のスマートメータを示すマークを表示してユーザに示す。
【0039】
また、メッシュネットワーク表示部51は、後述する3D領域操作処理部55からの命令に応じて、選択領域空間モデルを回転等させる座標変換処理を行い、座標変換後の選択領域空間モデルを表示させるための画像データを生成する。
【0040】
3D領域操作処理部55は、ユーザが操作する入力部60からの信号等に基づいて、選択領域の決定、選択領域に基づいて生成された選択領域空間モデルをどのように回転等させるかを指示する命令、メッセージなどを生成し、メッシュネットワーク表示部51に送信する機能を有する。
【0041】
画像化処理部56は、地図表示部54から地図の画像データを受信し、メッシュネットワーク表示部51からスマートメータを示すマーク、通信経路を示すラインを示す画像データを受信し、2次元地図上にメッシュネットワークを示す情報(選択領域空間モデルを含む)が示された、画像を表示するデータを生成する機能を有する。
【0042】
[メッシュネットワーク視覚化装置の動作]
次に、メッシュネットワーク視覚化装置1の動作について説明する。
【0043】
(1)データの登録
メッシュネットワーク視覚化装置1の使用の前準備として各スマートメータについてスマートメータ位置情報の登録を行う。ユーザは、スマートメータの緯度・経度と標高情報を設置者がGPSなどから取得し、スマートメータ位置情報登録部10から入力し、スマートメータ位置情報記憶部32に記憶させておく。また、地図情報記憶部41にも別途2次元地図データを記憶させておく。
【0044】
(2)2次元地図及びメッシュネットワークグラフの表示
上記各データ登録後、メッシュネットワーク視覚化装置1を起動させると、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは地図表示部54は、地図情報記憶部41から地図データを読み込む。また、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくはメッシュネットワーク表示部51は、スマートメータ位置情報記憶部32からスマートメータ位置情報を読み込み、スマートメータ状態情報記憶部34からスマートメータ状態情報を読み込む。
【0045】
次に、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくはメッシュネットワーク表示部51は、通信経路情報記憶部33からスマートメータ及びコンセントレータ間の通信経路情報を読み込む。
【0046】
次に、メッシュネットワーク視覚化装置1は、読み込んだデータから2次元地図及びメッシュネットワークグラフを表示する。
【0047】
(3) 選択領域空間表示・操作処理
上記2次元地図及びメッシュネットワークグラフの表示の後、メッシュネットワーク視覚化装置1は、3次元化を希望する領域の選択の入力を待ち受ける。
ユーザの領域選択イベントを受けると、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくはメッシュネットワーク表示部51は選択領域に対応する選択領域空間モデルを生成し、出力部70に従前の2次元地図上に当該選択領域空間モデルを表示させる。選択領域空間モデル内には、当該選択領域内に位置するスマートメータを示すマークが2次元地図上の正しい位置となるように配置されている。但し、選択領域空間モデルが回転等する場合は、スマートメータを示すマークは選択領域空間モデル内の位置が変わらないように描画される。
【0048】
なお、上記選択領域空間モデル表示後一定時間が経過しても、マウスのクリックなどの特定のイベントがなければ、メッシュネットワーク視覚化装置1は、選択領域空間モデルを2次元地図上で自動で回転させながら表示するようにしてもよい。
【0049】
選択領域空間モデルはユーザの入力部60操作により、2次元地図上で変移させることが可能である。入力部60操作の例としては、例えば、マウス操作(例えば、クリック又はドラッグ&ドロップ)イベントにより、選択領域空間モデルを回転させる。
【0050】
[主要動作(メッシュネットワーク表示処理)]
次に、メッシュネットワーク視覚化装置1の主要動作であるメッシュネットワーク表示処理を説明する。図2は、メッシュネットワーク視覚化装置1の主要動作であるメッシュネットワーク表示処理の処理内容の例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照しながら、メッシュネットワーク視覚化装置1の主要動作であるメッシュネットワーク表示処理を説明する。
【0051】
メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50の地図表示部54は、地図情報記憶部41に記憶されている地図データを読み込む(S10)。
【0052】
次にメッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、スマートメータ位置情報記憶部32からスマートメータ位置情報を読み取り、またメッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、スマートメータ状態情報記憶部34からスマートメータ状態情報を読み取る(S20)。
【0053】
次にメッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、通信経路情報記憶部33から通信経路情報を読み込む(S30)。
【0054】
次に、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50の画像化処理部56は、メッシュネットワーク表示部51が出力するメッシュネットワーク表示データ及び地図表示部54が出力する2次元地図表示データに基づいて、2次元地図及びその2次元地図上に示されるメッシュネットワークグラフ(スマートメータの位置を示すマーク、及びスマートメータ間の通信経路を示すラインを有するグラフィック情報)を表示するための画像データを生成し、出力部70に2次元地図及びその2次元地図上に示されるメッシュネットワークグラフを表示させる(S40)。メッシュネットワークグラフは、各スマートメータを示す「メータ位置マーク」と、メータ間の通信経路を示す「通信経路ライン」からなる画像である。また、「メータ位置マーク」そのもの若しくはその近傍に該当するスマートメータの状態を示す情報(例えば、当該スマートメータが正常であれば対応するメータ位置マークの色を青とし、当該スマートメータがエラー状態であれば対応するメータ位置マークの色を赤とする)を表示するようにしてもよい。
【0055】
次に、次にメッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、スマートメータ状態情報の更新イベントが発生しているか否かをチェックする(S50)。更新イベントが発生しているか否かはスマートメータ状態更新部52がスマートメータ状態情報記憶部34の記憶内容を監視することにより行われる。スマートメータ状態情報の更新イベントが発生していると判定した場合(S50、Yes)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51はステップS20に戻り、スマートメータ位置情報等の読み込、メッシュネットワークグラフ表示を行う。
【0056】
一方、スマートメータ状態情報の更新イベントが発生していないと判定した場合(S50、No)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50の3D領域操作処理部55は、2次元地図上で、ユーザが3次元表示を望む領域が選択されたか否かを判定する(S60)。ここで選択された領域を「選択領域」と呼ぶこととする。なお、選択領域の指定はどのように行うようにしてもかまわないが、ここでは一例としてポインティングデバイスのポインタをドラッグすることによって、選択領域が確定されるものとする。ドラッグの始点と終点を対角線とする矩形が選択領域となる。
ステップS60で領域が選択されていないと判定した場合(S60、No)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51はステップS50に戻る。一方、ステップS60で領域が選択されたと判定した場合(S60、Yes)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、ユーザによって選択された領域におけるメッシュネットワークグラフの3次元表示処理である選択領域空間表示処理、及び3次元表示されたメッシュネットワークグラフの回転等の操作を行う処理である、選択領域空間表示・操作処理を実行する(S70)。選択領域空間表示・操作処理の内容については後述する。
【0057】
次に、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50は、ユーザからメッシュネットワーク表示処理の終了要求が入力されたか否かを判定する(S80)。メッシュネットワーク表示処理の終了要求が入力されたと判定した場合(S80、Yes)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50は、メッシュネットワーク表示処理を終了する。一方、メッシュネットワーク表示処理の終了要求が入力されていないと判定した場合(S80、No)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50は、ステップS70に戻り、選択領域空間表示・操作処理を続行する。
以上で、メッシュネットワーク視覚化装置1の主要動作であるメッシュネットワーク表示処理の説明を終了する。
【0058】
[選択領域空間の表示・操作処理]
図2に示した選択領域空間の表示・操作処理(S70)の内容について詳述する。図3は、選択領域空間表示・操作処理の一例を示したフローチャートである。以下、この図3を参照しながら選択領域空間表示・操作処理の内容を述べる。
【0059】
まず最初にメッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、スマートメータ位置情報を参照して当該選択領域に含まれるスマートメータを抽出し、抽出したスマートメータに対応するメータ情報の3DフラグをONであるとして、3Dフラグ記憶部31に記憶させる(S110)。3Dフラグは、対応するスマートメータが当該選択領域内に位置するスマートメータであり、後述する選択領域空間処理において、選択領域空間モデル内にメータ位置マークとして表示されるスマートメータであることを示す情報である。
【0060】
次に、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、選択領域空間生成処理を実行する(S120)。選択領域空間は、選択領域を高さ方向にそのまま伸ばして形成される、選択領域を底面(若しくは上面でもよい)とする立体空間(選択領域空間)内に、当該選択領域内に内包されるスマートメータを示すメータ位置マークと、スマートメータ間の通信経路を示すラインが配置された空間である。当該空間を画像として表示するためのデータとして表現したものが「選択領域空間モデル」である。なお、選択領域空間生成処理の内容の詳細については後述する。なお、メータ一マークは本実施の形態の「第1の表示情報」に相当し、ラインは本実施の形態の「第2の表示情報」に相当する。
【0061】
次に、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、選択領域空間操作処理を実行する(S130)。選択領域空間操作処理は、ステップS120において生成された選択領域空間を回転等させ、回転等後の選択領域空間を2次元地図上に表示させる処理である。
【0062】
前述の通り、選択領域空間内にはスマートメータを示すメータ位置マークが配置されている。選択領域空間が回転等された後も選択領域空間内のマークの相対位置が維持されるようにメータ位置マークの表示される位置も変更される。例えば、選択領域空間内の基準点Pに対して3次元ベクトル表示で(3,3,2)となるマークは、選択領域空間が回転させられた後も当該基準点Pに対して3次元ベクトル表示で(3,3,2)となる位置に座標変換されて表示される。なお、通信経路は回転によるマークの変移に伴って表示される。すなわち、選択領域空間の回転後にあるスマートメータXを示すマークAと、スマートメータXと通信している別のスマートメータYを示すマークBが、選択領域空間の回転後の新たな位置に表示されるとともに、新たな位置となったマークA、マークB間を結ぶ通信経路が描画されるようになる。
【0063】
次に、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、選択領域空間表示・操作処理の終了要求がなされたか否かを判定する(S140)。この終了要求はどのように行われてもよいが、本実施の形態ではユーザが入力部を用いて所定の操作(例えば、画面内に生成された終了ボタンをクリックする)を行うことによってなされる。
【0064】
終了要求がなされたと判定した場合(S140,Yes)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、ステップS110においてONにした3DフラグをOFFに書き換えて、3Dフラグ記憶部31に記憶させ(S150)、その後選択領域空間表示・操作処理を終了する。一方、終了要求がなされていないと判定した場合(S140,No)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、ステップS130に戻り、選択領域空間操作処理(S130)を続行する。
以上で、選択領域空間表示・操作処理の説明を終了する。
【0065】
[選択領域空間生成処理]
図3に示した選択領域空間生成処理(S120)の内容について詳しく説明する。図4は、選択領域空間生成処理(S120)の一例を示すフローチャートである。以下、図4を参照しながら選択領域空間生成処理(S120)の一例を述べる。
【0066】
選択領域空間生成処理において、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、3Dフラグ記憶部31に記憶されたメータ情報を参照する(S210)。
【0067】
次にメッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、そのメータ情報の3DフラグがONか否かを判定する(S220)。
【0068】
そのメータ情報の3DフラグがONでないと判定した場合(S220、No)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、後述するステップS240に進む。
【0069】
一方、そのメータ情報の3DフラグがONでないと判定した場合(S220、No)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、そのメータ情報に対応するスマートメータのスマートメータ位置情報を用いて、選択領域空間内における当該スマートメータの3次元座標を演算し、選択領域空間内における当該スマートメータを示すメータ位置マークの表示位置として設定する(S230)。
【0070】
その後、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、3Dフラグ記憶部31に記憶されている全メータ情報を参照したか否かを判定する(S240)。全メータ情報を参照していないと判定した場合(S240、No)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51はステップS210に戻り、3Dフラグ記憶部31に記憶されているメータ情報のうち、まだ参照していないメータ情報を参照する(S210)。
【0071】
一方、全メータ情報を参照したと判定した場合(S240、Yes)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、当該スマートメータの3次元座標に基づいて選択領域内に位置するスマートメータのメータ位置マークを内部に有する選択領域空間及びマーク間の通信経路を含む3次元モデルである選択領域空間モデルを生成する(S250)。
【0072】
次にメッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50のメッシュネットワーク表示部51は、前記3次元モデルを2次元地図上に表示するための画像データを生成する(S260)。この画像データには、スマートメータを示すマーク、通信経路を示すライン、選択空間領域を示すワイヤーフレーム又は半透明な壁面及び上面、底面が含まれる。
【0073】
上記の画像データは画像化処理部56に渡され、画像化処理部56は地図データと画像データとから、2次元地図上に上記3次元モデルが表示されている画像データを生成し、出力部70に渡して画像を表示させる。
以上でメッシュネットワーク視覚化装置1は選択領域空間生成処理を終了する。
【0074】
[選択領域空間操作処理]
図3に示した選択領域空間操作処理(S130)の内容について詳しく説明する。図5は、選択領域空間操作処理(S130)の一例を示すフローチャートである。以下、図5を参照しながら選択領域空間操作処理(S130)の一例を述べる。
【0075】
選択領域空間操作処理において、次にメッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50の3D領域操作処理部55は、入力部60からの入力信号を解析し、入力部の操作が2次元地図上の選択領域空間の「ドラッグ&ドロップ」であるか否かを判定する(S310)。入力部の操作が2次元地図上の選択領域空間の「ドラッグ&ドロップ」であると判定した場合(S310、Yes)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50の3D領域操作処理部55は、「ドラッグ&ドロップ」のドラッグされた方向及びドラッグの方向に基づいて、選択領域空間の回転方向及び回転量(本実施の形態では最大90度回転)を決定し、回転方向及び回転量をメッシュネットワーク表示部51に送信する(S320)。メッシュネットワーク表示部51は回転方向及び回転量に基づいて前記選択領域空間モデルの座標変換を実行し、座標変換後の前記選択領域空間を2次元地図上に表示するための画像データを生成する。その後ステップS310に戻り、新たな入力を待ち受ける。
【0076】
一方ステップS310において入力部60の操作が2次元地図上の選択領域空間の「ドラッグ&ドロップ」でないと判定した場合(S310、No)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50の3D領域操作処理部55は、入力部60の操作が2次元地図上の選択領域空間の「クリック」であるか否かを判定する(S330)。入力部60の操作が2次元地図上の選択領域空間の「クリック」であると判定した場合(S310、Yes)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50の3D領域操作処理部55は、「クリック」された時のポインタの位置に基づいて、選択領域空間の回転方向を決定し、決定した回転方向及び所定の回転量(本実施の形態では最大90度回転)をメッシュネットワーク表示部51に送信する(S340)。その後メッシュネットワーク表示部51は回転方向及び回転量に基づいて前記選択領域空間モデルの座標変換を実行し、座標変換後の前記選択領域空間モデルを2次元地図上に表示するための画像データを生成する。その後ステップS310に戻り、新たな入力を待ち受ける。
【0077】
一方ステップS330において。入力部60の操作が2次元地図上の選択領域空間の「クリック」でないと判定した場合(S310、No)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50の3D領域操作処理部55は、直前の入力部60の操作実行から一定時間(例えば、3分)が経過したか否かを判定する(S350)。
【0078】
ステップS350において直前の入力部の操作実行から一定時間が経過していないと判定した場合(S350、No)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50の3D領域操作処理部55は、ステップS310に戻り新たな入力を待ち受ける。
【0079】
一方ステップS350において直前の入力部60の操作実行から一定時間が経過したと判定した場合(S350、Yes)、メッシュネットワーク視覚化装置1、より詳しくは表示処理部50の3D領域操作処理部55は、自動回転を開始する(S360)。自動回転は、あらかじめ定めた回転方向にあらかじめ定めた回転角度で前記3次元モデルを回転させる様子を画像表示させる処理である。例えば、前記選択領域空間を側面が見える角度に回転軸(例えば、選択領域空間の上面の中心と、底面の中心を通過する直線)を傾けた後、当該回転軸を中心にして選択領域空間を360度ゆっくりと回転させる処理を自動回転とする。
【0080】
ステップS360の自動回転により、ユーザは選択領域空間内の、全てのメータ位置マークの上下関係(標高差)を確認することを可能としている。同様にステップS320、S340の処理においてもユーザの所望する方向から所望の二以上のメータ位置マークの上下関係(標高差)を確認することが可能となる。
【0081】
また、選択領域空間内のメータ位置マークの座標は選択領域空間内における各マークの相対位置は変わらないように座標変換が行われるため、水平方向におけるマークの位置関係も、現実の位置関係を保つように表示され続ける。
【0082】
[具体的表示例]
次に、メッシュネットワーク視覚化装置1の表示内容の具体例を示す。
【0083】
(選択領域空間表示前の画面)
図6は、メッシュネットワーク視覚化装置1の出力部70に表示される画面例を示す図であって、前述したステップS40のメッシュネットグラフ表示実行時の画面例である。画面には2次元地図が表示されているとともに、該当地域内に配置されているコンセントレータを示すメータ位置マークcnt1及び、16個のスマートメータを示すメータ位置マークm1〜m16も表示されている。但し、メータ位置マークm13はメータ位置マークcnt1に重なって隠れており、メータ位置マークm14、メータ位置マークm15はメータ位置マークm5に重なって隠れている。また、コンセントレータ及びスマートメータ間の通信経路を示すライン(図中破線で示している)が表示されている。
【0084】
(領域の選択時の画面)
次に図7に、領域が選択された状態におけるメッシュネットワーク視覚化装置1の出力部70に表示される画面例を示す。
【0085】
前述の図6の画面状態において、ユーザにより選択領域Cが選択されたものとする。図6に示す2次元地図、メータ位置マークcnt1、マークm1〜m16,及びスマートメータ間の通信経路を示すラインは領域選択前と変化していない。また、メータ位置マークm2、m4、m6、m7、m8、m9、m10,m11,m16は選択領域Cに含まれていないことに留意されたい。
【0086】
(選択領域空間の回転)
次に、選択領域空間生成処理(S130)が完了した後、選択領域空間操作処理におけるメッシュネットワーク視覚化装置1の出力部70に表示される画面例を示す。図8は、図7の画面表示後に選択領域空間の回転が行われた状態の画面例である。ここでは、選択領域空間が、2次元地図上に起立している状態から、選択領域空間C1の中心(重心)を図面の横方向に貫く軸(x軸)を中心として回転させられ、且つ図面右側に向かって傾斜させられた状態を示している。選択領域空間を示すフレームC1は、左側面がユーザから見えるように傾斜した状態になっている。選択領域空間に含まれるメータ位置マークcnt1、m1、m3、m5、m12、m13、m14、m15は、選択領域空間の回転に伴って、画面上表示される位置は変更される。但し、選択領域空間内での相対位置は不変となるように座標変換されて表示されている。選択領域空間に含まれないメータ位置マークm2、m4、m6、m7、m8、m9、m10,m11,m16は、変更されない。通信経路を示すラインもメータ位置マークcnt1、m1、m3、m5、m12、m13、m14、m15の表示位置変更に伴って表示が更新されている。
回転させられた選択領域空間の表示によって、図6、図7に示した画面では、他のメータ一マークに隠されていたメータ位置マークm13、m14、メータ位置マークm15がユーザに視認されるように表示された。
【0087】
図9は、図8の画面表示後、前述のx軸を中心として選択領域空間がさらに回転させられた状態を示す図である。フレームC1は選択領域空間の回転に伴って表示が更新され、選択領域空間に含まれるメータ位置マークcnt1、m1、m3、m5、m12、m13、m14、m15は、選択領域空間の回転に伴って、表示される位置は変更されている。ラインもこれに伴って表示が更新される。選択領域空間に含まれないマークm2、m4、m6、m7、m8、m9、m10,m11、m16には変更はない。
【0088】
図10は、図9の画面表示の状態から、前述のx軸を中心として選択領域空間がさらに回転させられた状態を示す図である。フレームC1は選択領域空間の回転に伴って表示が更新され、選択領域空間に含まれるメータ位置マークcnt1、m1、m3、m5、m12、m13、m14、m15は、選択領域空間の回転に伴って、表示される位置が変更されている。ラインもこれに伴って表示が更新される。選択領域空間に含まれないメータ位置マークm2、m4、m6、m7、m8、m9、m10,m11、m16には変更はない。
【0089】
図11は、図10の画面表示後、前述のx軸を中心として選択領域空間がさらに回転させられた状態を示す図である。フレームC1は選択領域空間の回転に伴って表示が更新され、選択領域空間に含まれるメータ位置マークcnt1、m1、m3、m5、m12、m13、m14、m15は、選択領域空間の回転に伴って、表示される位置は変更されている。ラインもこれに伴って表示が更新される。選択領域空間に含まれないメータ位置マークm2、m4、m6、m7、m8、m9、m10,m11、m16には変更はない。
【0090】
側面から選択領域空間内を見通せるようになるため、ユーザはメータ位置マーク間の上下関係(高低関係)を容易に把握することができる。
なお、上記図6から図11に示した選択領域空間の変移はx軸を回転軸とした回転を例としたが、このような変移に限られる趣旨ではなく、任意の軸(y軸、z軸など)を回転軸とした回転、任意の方向への移動や、拡大、縮小、これらの組み合わせを選択領域空間に適用するようにしてもよい。
【0091】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加、組み合わせ等が可能である。
【0092】
[まとめ]
本実施の形態によれば、メッシュネットワークを表示する画面全体のコンテキストを維持した状態で、ユーザが選択した領域に存在する個々のスマートメータ(端末)の詳細情報を確認することができる。
・投影なしの2次元のメッシュネットワーク表示を維持
・標高情報を確認したい部分のみを3次元化して表示する。
・ユーザイベントで3次元座標変換したネットワークグラフを回転しスマートメータと通信経路の高低を確認可能とする。
本実施の形態は、構成要素の一部を3D化し、全部を3D化する技術に比して、画像処理の負荷を軽減することができる。
【符号の説明】
【0093】
1・・・メッシュネットワーク視覚化装置; 51・・・メッシュネットワーク表示部;54・・・地図表示部; 55・・・3D領域操作処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュネットワークを構成する端末装置の位置を3次元空間内で特定する情報である端末装置位置情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記端末装置間の通信経路を示す情報である通信経路情報を記憶する第2の記憶手段と、
2次元地図を表示するための地図データを記憶する第3の記憶手段と、
前記地図データから2次元地図を表示させる第1の表示手段と、
前記端末位置情報及び通信経路情報に基づいて、前記2次元地図上に、前記端末装置の位置を示す第1の表示情報と前記通信経路を示す第2の表示情報とからなるメッシュネットワークグラフを表示させ、且つ選択された領域である選択領域に基づいて、前記第1の表示情報が前記端末位置情報に基づいて配置された3次元空間である選択領域空間を生成し、前記第1の表示情報の選択領域空間における相対位置を維持しながら、前記選択領域空間を回転させて、回転後の選択領域空間を前記2次元地図上に表示させる第2の表示手段と
を有するメッシュネットワーク視覚化装置。
【請求項2】
前記第2の表示手段は、回転後の選択領域空間内の第1の表示情報と、前記通信経路情報とに基づいて、前記第2の表示情報を更新する
請求項1に記載のメッシュネットワーク視覚化装置。
【請求項3】
2次元地図を表示するための地図データに加えて、当該2次元地図上で複数の端末装置の位置を3次元空間内で特定する端末位置情報および前記端末装置間の通信経路を示す通信経路情報を含むメッシュネットワークグラフを記憶する記憶部と、
前記地図データから2次元地図を表示させるとともに、その一部の選択領域を指定可能な表示部と、
前記端末位置情報及び通信経路情報に基づいて、前記2次元地図上に、前記メッシュネットワークグラフを表示させるとともに、前記端末位置情報に基づいてユーザが指定する前記選択領域を3次元表示させるための表示制御部と
を有するメッシュネットワーク視覚化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−97522(P2013−97522A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238866(P2011−238866)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】