説明

メディア変換装置、及び伝送システム

【課題】CATVシステムがPON方式へ移行するのを容易にする。
【解決手段】本発明のメディア変換装置は、PON方式の局側装置1との間で、PON方式の伝送が可能な第1伝送部11と、ケーブルモデム8との間で、ケーブルモデム方式の伝送が可能な第2伝送部12と、を備えている。第1伝送部11は、局側装置1から送信されたPON方式のデータを中間データに変換して第2伝送部12に出力するとともに、第2伝送部12から出力された中間データをPON方式のデータに変換して、局側装置1に送信する。第2伝送部12は、ケーブルモデム8から送信されたケーブルモデム方式のデータを中間データに変換して第1伝送部11に出力するとともに、第1伝送部11から出力された中間データをケーブルモデム方式のデータに変換して、ケーブルモデム8に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディア変換装置、及び伝送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CATV(ケーブルテレビ)システムは、同軸ケーブルで伝送される高周波信号の周波数帯域をチャンネル単位(6MHz)に分割し、必要なチャンネルにコンポジット形式のテレビ信号を多重伝送する技術が基盤となっている。
【0003】
このようなCATVシステムに対して、親和性良くインターネットサービス、VOD(Video On Demand)、及びVoIP(Voice over Internet Protocol)サービスなどを追加して提供するための伝送手段として、ケーブルモデムの技術が使用されている。
【0004】
ケーブルモデムは、ユーザの宅側に設置され、CATV局側のヘッドエンド装置であるCMTS(Cable modem termination system)と対になって動作する。
ケーブルモデムでは、双方向のデータ通信を実現する目的で、信号が、QAM方式などでデジタル変調した高周波信号に変換され、テレビ信号と同じように周波数多重にて伝送される。
なお、デジタル方式のテレビ信号についても、OFDM方式やQAM方式によりデジタル変調された高周波信号がチャネルを単位にして周波数多重される点については原理的に同じである。
【0005】
つまり、CATVの信号は、変調された高周波信号が周波数多重された複雑なアナログ信号であるという特徴がある。
【0006】
さて、CATVの伝送システムでは、CATV局設備(ヘッドエンド装置)から加入者宅までの伝送媒体として、元々、同軸ケーブルが用いられていた。
しかし、近年では、図9に示すように、CATV局設備(ヘッドエンド装置)から加入者宅の近傍までを、同軸ケーブルの代わりに光ファイバーケーブルで伝送するHFC(Hybrid Fiber−Coaxial)方式が、一般的となっている。HFCでは、光ノードの後段に、同軸ケーブルを介して、ケーブルモデムが接続される。
【0007】
HFC方式とは、ヘッドエンドから光ノードまでの区間において、元々、同軸ケーブルにて伝送されるべきアナログの高周波信号(同軸RF信号データ)を、光送受信器にてAM変調された光信号で光ファイバーケーブルを介して伝送させるものであり、光AM伝送方式とも言われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−4095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、電話システムでは、FTTH(Fiber To The Home)方式の光化が行われている。FTTH方式は、PON(Passive Optical Network)方式とも呼ばれ、光ファイバーケーブルを伝送媒体として用い、光パルスでコード化されたデータを伝送する。
PON方式のシステムは、局側装置(OLT)と、これに接続された光ファイバーケーブルから光分配器を介して複数の光ファイバーケーブルに分岐した構成を為す光ファイバー網と、分岐した光ファイバーケーブルの終端にそれぞれ接続された宅側装置(ONU)と、を含む。
【0010】
CATVシステムにおいても、PON方式を用いると、効率的なネットワークの構築が可能であることから、ケーブルモデム方式のシステムから、PON方式のシステムへの移行が望まれる。
【0011】
しかしながら、光パルスでコード化されたデータの伝送が行われるPON方式は、アナログ伝送であるケーブルモデム方式システム(同軸システム又はHFC)とは、互換性が全く無い。
このため、ケーブルモデム方式システムを、PON方式システムに移行するには、設備を大きく変更する必要があり、大きな負担が生じる。
また、集合住宅等では、共同の設備室等までには光ファイバーケーブルを敷設できても、そこから各戸までの間に光ファイバーケーブルを敷設することが困難なことがあり、FTTH方式であるPON方式の導入が困難な場合がある。
【0012】
そこで、本発明の第1の目的は、CATVシステムにおいて、ケーブルモデム方式からPON方式へ移行するのを容易にする装置等を提供することである。
【0013】
上記の第1の目的の達成のためには、PON方式の局側装置とケーブルモデムとの間でデータ変換を行うメディア変換装置を設けることが考えられる。
ここで、図9に示すような一般なケーブルモデム方式システムでは、局側装置であるCMTSは、CATV局に複数設置されることが多い。例えば、上流のアプリケーションサーバや顧客管理システムなどとの関連から、CATV局には、VOD用に限定したCMTSが設置されることがある。また、VoIPアプリケーションでは、局設備の管理主体が異なることが通例であり、専用のCMTSが設置される。
【0014】
そこで、本発明の第2の目的は、上記のようなケーブルモデム方式システムに対応させることである。
【0015】
上記の第2の目的の達成のためには、メディア変換部を複数有するメディア変換装置を設置することが考えられる。しかし、局側からの光信号を複数のメディア変換部に分配する場合、高価な光学部品が必要となり、導入コスト高を招く。
【0016】
そこで、本発明の第3の目的は、複数のメディア変換部に対して、光分配しなくても信号を与えることができるようにすることである。
【0017】
また、前述のメディア変換装置を導入したとしても、例えば、一つの集合住宅において、加入者側の端末をケーブルモデムのみに統一することには、無理があり、加入者側の端末としてONUを使用したい場合がありえる。つまり、ONUとケーブルモデムを併存させながら、順次、ONUの割合を増やしていく方策が望まれる。
【0018】
したがって、前述のメディア変換装置を導入する場合であっても、FTTH方式との共存ができるほうが有利である。この場合、局側装置からの光信号を、メディア変換装置だけでなく、加入者宅のONUに対しても分配する必要がある。しかし、ケーブル局からメディア変換装置までの距離は、まちまちになることが予想され、光分配の条件も異なってくる。
したがって、メディア変換装置への入力を、ONUへ光分配することを考える場合、さらに、どれだけの個数のONUを接続することができるかという点について、これらの条件を総合的に満足させるための煩わしい回線設計や管理が必要となる。
これに対し、メディア変換装置が、FTTH(光信号)の中継機能を併せ持てば、その位置から開始する光出力が、ONUへの分配に独立して専用に用いることができ有利である。
【0019】
そこで、本発明の第4の目的は、メディア変換装置に、FTTH(光信号)の中継機能を併せて具備させることである。
【0020】
また、FTTHにおける光信号の伝送と分配は、光ファイバーや光スプリッタなどの受動部品のみで行われる。したがって、光分配の方式では、経路の切り替えや故障時のバックアップなどを自動的に行わせることが非常に困難である。CATVの伝送路は、屋外の電柱などに設置されることが多いため、切断事故を完全に回避することは出来ない事情にあり、重要な伝送ルートのバックアップを可能とすることが望まれる。
【0021】
そこで、本発明の第5の目的は、伝送ルートのバックアップおよび、経路の切り替えに適した機能を提供することである。
【0022】
さらに、前述のメディア変換装置の構成については、CATV局のアプリケーションの追加やFTTHへの移行の進展に応じて、順次、変化できるようにすることが望まれる。
そこで、本発明の第6の目的は、メディア変換装置の構成の変更を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
(1)第1の目的の観点からみた本発明は、PON方式の局側装置との間で、PON方式の伝送が可能な第1伝送部と、ケーブルモデムとの間で、ケーブルモデム方式の伝送が可能な第2伝送部と、を備え、前記第1伝送部は、前記局側装置から送信されたPON方式のデータを所定方式の中間データに変換して前記第2伝送部に出力するとともに、前記第2伝送部から出力された前記所定方式の中間データをPON方式のデータに変換して、前記局側装置に送信し、前記第2伝送部は、前記ケーブルモデムから送信されたケーブルモデム方式のデータを前記所定方式の中間データに変換して前記第1伝送部に出力するとともに、前記第1伝送部から出力された前記所定方式の中間データをケーブルモデム方式のデータに変換して、前記ケーブルモデムに送信することを特徴とするメディア変換装置である。
【0024】
上記本発明によれば、宅側装置としてケーブルモデムがあっても、PON方式へ移行することができる。
【0025】
(2)第2の目的の観点からみた本発明は、PON方式の局側装置との間で、PON方式の伝送が可能な第1伝送部と、ケーブルモデムとの間で、ケーブルモデム方式の伝送が可能な第2伝送部と、を有したメディア変換部を複数備え、前記第1伝送部は、前記局側装置から送信されたPON方式のデータを所定方式の中間データに変換して前記第2伝送部に出力するとともに、前記第2伝送部から出力された前記所定方式の中間データをPON方式のデータに変換して、前記局側装置に送信し、前記第2伝送部は、前記ケーブルモデムから送信されたケーブルモデム方式のデータを前記所定方式の中間データに変換して前記第1伝送部に出力するとともに、前記第1伝送部から出力された前記所定方式の中間データをケーブルモデム方式のデータに変換して、前記ケーブルモデムに送信することを特徴とするメディア変換装置である。
【0026】
(3)第3の目的の観点からは、PON方式の局側装置への光ファイバーに接続される光リンクと、前記光リンクに接続されるスプリット回路部と、を更に備え、前記複数のメディア変換部の前記第1伝送部は、前記スプリット回路部に接続され、前記スプリット回路部は、前記光リンクから出力された電気信号を、前記複数のメディア変換部に対して分配して出力するとともに、前記複数のメディア変換部の第1伝送部から出力された電気信号を集約し、前記光リンクに出力するのが好ましい。この場合、光分配器を用いて光学的に信号の分配・集約を行わなくても、前記スプリット回路部において、電気的に分配・集約を行うことができる。
【0027】
(4)前記光リンクと前記スプリット回路部との間に設けられた第1SerDesと、
前記スプリット回路部と前記複数の第1伝送部との間に設けられた第2SerDesと、が更に備わり、前記第1SerDesは、前記光リンクから出力されたシリアルの電気信号をパラレルに変換して前記スプリット回路部に与えるとともに、前記スプリット回路部から前記光リンクに対して出力されたパラレルの電気信号をシリアルに変換して前記光リンクに与え、前記第2SerDesは、前記第1伝送部から前記スプリット回路部に対して出力されたシリアルの電気信号をパラレルに変換して前記スプリット回路部に与えるとともに、前記スプリット回路部から前記第1伝送部に対して出力されたパラレルの電気信号をシリアルに変換して前記第1伝送部に与えるのが好ましい。この場合、スプリット回路部における処理をパラレル信号で行うことができ、低速化することができ有利である。
【0028】
(5)前記光リンクは、複数備わり、前記スプリット回路部は、前記複数の光リンクに接続される複数の第1入出力部と、前記複数のメディア変換部の前記第1伝送部に接続される複数の第2入出力部と、を備え、前記第1伝送部に接続される前記複数の第2入出力部それぞれが、前記複数の光リンクに接続される前記複数の第1入出力部のいずれかに選択的に接続されるのが好ましい。この場合、経路の切り替えをスプリット回路部にて電気的に行うことができ、受動的な光分配器では困難だった(電気的に行えない)自動経路切り替えや、故障時の予備系への切り替え(バックアップ)などの自動化が、容易となる。
【0029】
(6)前記スプリット回路部に対して前記メディア変換部が着脱自在に構成されているのが好ましい。この場合、メディア変換装置の拡張等が容易となる。
【0030】
(7)第4の目的の観点からは、PON方式の局側装置への光ファイバーに接続される第1光リンクと、前記第1光リンクに接続されるスプリット回路部と、前記スプリット回路部に接続される1又は複数の第2光リンクと、1又は複数の、(2)記載のメディア変換部と、を備え、前記1又は複数のメディア変換部は、前記局側装置との間で、PON方式の伝送が可能な第1伝送部と、ケーブルモデムとの間で、ケーブルモデム方式の伝送が可能な第2伝送部と、を有し、前記第1伝送部は、前記局側装置から送信されたPON方式のデータを所定方式の中間データに変換して前記第2伝送部に出力するとともに、前記第2伝送部から出力された前記所定方式の中間データをPON方式のデータに変換して、前記局側装置に送信し、前記第2伝送部は、前記ケーブルモデムから送信されたケーブルモデム方式のデータを前記所定方式の中間データに変換して前記第1伝送部に出力するとともに、前記第1伝送部から出力された前記所定方式の中間データをケーブルモデム方式のデータに変換して、前記ケーブルモデムに送信し、さらに前記第1伝送部は、前記スプリット回路部に接続され、前記スプリット回路部は、前記第1光リンクから出力された電気信号を、前記1又は複数の第2光リンク、及び、前記1又は複数のメディア変換部に対して分配して出力するとともに、
前記1又は複数の第2光リンク及び前記1又は複数のメディア変換部の第1伝送部から出力された電気信号を前記スプリット回路部で集約し、前記第1光リンクに出力するのが好ましい。この場合、第2光リンクに光ファイバーを接続して、メディア変換装置よりも宅側にPON方式システムを構築できる。
【0031】
(8)前記第1光リンクと前記スプリット回路部との間に設けられた第1SerDesと、前記スプリット回路部と前記1又は複数の第1伝送部との間、及び前記スプリット回路部と前記1又は複数の第2光リンクとの間に設けられた第2SerDesと、が更に備わり、前記第1SerDesは、前記第1光リンクから出力されたシリアルの電気信号をパラレルに変換して前記スプリット回路部に与えるとともに、前記スプリット回路部から出力されたパラレルの電気信号をシリアルに変換して前記第1光リンクに与え、前記第2SerDesは、前記第1伝送部及び前記第2光リンクから前記スプリット回路部に対して出力されたシリアルの電気信号をパラレルに変換して前記スプリット回路部に与えるとともに、前記スプリット回路部から前記第1伝送部及び第2光リンクに対して出力されたパラレルの電気信号をシリアルに変換して前記第1伝送部及び第2光リンクに与えるのが好ましい。
【0032】
(9)第5の目的の観点からは、前記第1光リンクは、複数備わり、前記スプリット回路部は、前記1又は複数の第1光リンクに接続される複数の第1入出力部と、前記1又は複数の第2光リンク、及び、前記1又は複数のメディア変換部の前記第1伝送部に接続される複数の第2入出力部と、を備え、前記1又は複数の第2光リンク、及び、前記1又は複数のメディア変換部の前記第1伝送部に接続される複数の第2入出力部それぞれが、前記第1光リンクに接続される複数の第1入出力部のいずれかに選択的に接続されるのが好ましい。この場合、経路の切り替えをスプリット回路部にて電気的に行うことができ、受動的な光分配器では困難だった(電気的に行えない)自動経路切り替えや、故障時の予備系への切り替え(バックアップ)などの自動化が、容易となる。
【0033】
(10)第6の目的の観点からは、前記スプリット回路部に対して、前記メディア変換部又は第2光リンクが着脱自在に構成されているのが好ましい。この場合、メディア変換装置の拡張等が容易となる。
【0034】
(11)他の観点からみた本発明は、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載のメディア変換装置を、PON方式の局側装置とケーブルモデムとの間に設置した伝送システムである。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、CATVシステムを、容易にPON方式へ移行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1の目的に関連したメディア変換装置及び伝送システムを示す図である。
【図2】第2の目的に関連したメディア変換装置及び伝送システムを示す図である。
【図3】第3の目的に関連したメディア変換装置を示す図である。
【図4】第4の目的に関連したメディア変換装置を示す図である。
【図5】第5の目的に関連したメディア変換装置を示す図である。
【図6】PON方式の信号と機能的に整合したクロスバー交換回路を示す図である。
【図7】第6の目的に関連したメディア変換装置の他の例を示す図である。
【図8】メディア変換装置の他の例を示す図である。
【図9】従来のHFCシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
図1は、PON方式(FTTHシステム)とケーブルモデム方式(CATVシステム)とが混在した伝送システムを示している。
CATV局には、ヘッドエンド装置としてPON方式の局側装置であるOLT(Optical Line Terminal)1が設置されている。OLT1は、IPネットワークなどの上位ネットワークとの中継ノードとなる。
【0038】
OLT1から延びる光ファイバー2(幹線)は、受動的光分配ノードである光分配器3(光スプリッタ)を介して、複数の光ファイバー4(支線)に分岐している。
一般的な、PON方式の伝送システムでは、図1中にも示すように、分岐した光ファイバー4の終端には、PON方式の宅側装置であるONU(Optical Network Unit)5が接続される。なお、ONU5には、PCなどの端末装置6が接続される。
【0039】
本実施形態の伝送システムでは、分岐した光ファイバー4の終端のいずれか1つ又は複数(全部でもよい)には、メディア変換装置10が接続されている。
【0040】
メディア変換装置10は、例えば、集合住宅の設備室又は集合住宅近傍の電柱柱上などに設置される。メディア変換装置10には、同軸ケーブル7が接続される。同軸ケーブル7は、例えば、集合住宅の各戸それぞれに向けて敷設されており、分岐した同軸ケーブル7の終端には、ケーブルモデム8が接続されている。なお、ケーブルモデム8には、PCなどの端末装置6が接続される。
【0041】
メディア変換装置10は、前記局側装置であるOLT1との間で伝送されるPON方式のデータと、ケーブルモデム8との間で伝送されるケーブルモデム方式のデータ(同軸RF信号データ)と、の間で、相互にデータを変換する。
【0042】
メディア変換装置10は、ONU機能部(第1伝送部)11と、CMTS機能部(第2伝送部)と、光リンク(第1光リンク)13と、を備えている。
【0043】
光リンク13は、光ファイバー4の終端に接続され、光ファイバー4からの光信号を電気信号に変換して出力するとともに、電気信号を光信号に変換して光ファイバー4に出力する光送受信機である。なお、光リンク13から出力される電気信号は、光信号であるPON方式のデータを、単に電気信号に変換したものにすぎず、データ形式の変換は行われていない。
【0044】
第1伝送部であるONU機能部11は、光リンク13を介して、OLT1との間でPON方式の伝送を行う。
ONU機能部11は、光リンク13から出力された電気信号のPON形式データを、所定方式の中間データに変換し、第2伝送部であるCMTS機能部12側へ出力する(下りONU変換)。
また、ONU機能部11は、CMTS機能部12から出力された所定方式の中間データを、PON方式のデータ(電気信号)に変換し、OLT1側へ出力する(上りONU変換)。
なお、一般的なONU5は、前記光リンク13と前記ONU機能部11とを備えたものである。換言すると、ONU機能部11は、一般的なONU5から光リンク13を除いたものである、ということができる。
【0045】
本実施形態では、前記局側装置のOLT1と、メディア変換装置10のONU機能部11と、で、一般的なPON方式システムにおけるOLT及びONUの対に相当するものが得られている。つまり、前記局側装置1とメディア変換装置10との間は、PON方式データの伝送が行われるPON方式システムとして構成されている。
【0046】
第2伝送部であるCMTS機能部12は、同軸ケーブル7を介して接続されたケーブルモデム8との間で、ケーブルモデム方式の伝送を行う。
CMTS機能部12は、ケーブルモデム方式のシステムにおける局側装置であるCMTSと同等の機能を有している。
【0047】
つまり、CMTS機能部12は、ケーブルモデム8から送信されたケーブルモデム方式のデータを、所定方式の中間データに変換して、ONU機能部11に出力する(上りCMTS変換)。
また、CMTS機能部12は、ONU機能部11から出力された所定方式の中間データをケーブルモデム方式のデータに変換して、ケーブルモデム8側に送信する(下りCMTS変換)。
【0048】
本実施形態では、メディア変換装置10のCMTS機能部12とケーブルモデム8とで、一般的なケーブルモデム方式のシステムにおけるCMTS及びケーブルモデムの対に相当するものが得られている。つまり、メディア変換装置10とケーブルモデム8との間は、ケーブルモデム方式データの伝送が行われるケーブルモデム方式システムとして構成されている。
【0049】
そして、メディア変換装置10では、PON方式データとケーブルモデム方式データとの相互変換が行われるため、PON方式の局側装置(OLT)1とケーブルモデム8との伝送が可能となっている。
【0050】
本実施形態の伝送システムでは、局からの幹線は、PON方式システムを利用できるため、CATV局としては、宅側装置がケーブルモデム8であっても、幹線におけるシステムとしてPON方式システムを採用できる。
このため、ケーブルモデム方式システムが利用されている集合住宅等であっても、加入者宅側の設備(ケーブルモデム8)を変更したり、集合住宅内に光ファイバーを敷設する必要がなく、各戸まで光ファイバーを敷設できない場合であっても、幹線部分のPON方式化が容易に行え、本発明の第1の目的を達成できる。
したがって、CATV局としては、PON方式化を行っても、宅側の終端装置の交換(ケーブルモデムからONUへの交換)を不要にしたり、遅らせたりすることができ、経済的である。
【0051】
[2.第2実施形態]
図2は、複数のメディア変換部10a,10b,10cを備えたメディア変換装置20を示している。
図2のメディア変換装部10は、図1に示すメディア変換装置と同様のものである。
【0052】
一般なケーブルモデム方式システムでは、局側装置であるCMTSは、CATV局に複数設置されることが多い。例えば、上流のアプリケーションサーバや顧客管理システムなどとの関連から、CATV局には、VOD用に限定したCMTSが設置されることがある。また、VoIPアプリケーションでは、局設備の管理主体が異なることが通例であり、専用のCMTSが設置される。
【0053】
図2のメディア変換装置20では、上記のようなケーブルモデム方式システムに対応させるべく、複数のメディア変換部10a,10b,10cを備えており、本発明の第2の目的を達成できる。例えば、第1のメディア変換部10aはVOD用であり、第2のメディア変換部10bはVoIP用であり、第3のメディア変換部10cはインターネット他用である。なお、各メディア変換部10a,10b,10cの光リンク13へは、光分配器3で分岐させた光信号が入力される。また、各メディア変換部10a,10b,10cのCMTS機能部12は集約されて同軸ケーブル7に接続される。分岐した同軸ケーブル7の終端には、VOD用のケーブルモデム内蔵STB(Set Top Box)8a、及びケーブルモデム8、電話機能付きケーブルモデム8b(EMTA:Embedded Multimedia Terminal Adapter)が接続される。なお、電話機能付きケーブルモデム8bには、端末装置として電話器6aが接続される。
【0054】
[3.第3実施形態]
図3は、光学部品を少なくしたメディア変換装置20を示している。
図2のメディア変換装置20では、複数のメディア変換部10に、高価な光学部品である光リンク13がそれぞれ備わっている。また、複数のメディア変換部10に光信号を分配するための光分配器3も必要である。しかも、光学部品は、非常にデリケートであり、集合住宅の設備室等に数多く配置することは現実的に困難なことがある。
【0055】
図3のメディア変換装置20では、単一の第1光リンク13を備え、電気的に信号を分配・集約するスプリット回路部21を設けている。
スプリット回路部21は、図2の光分配器3と等価な機能を電気的に行うものである。スプリット回路21は、第1光リンク13から出力された電気信号(下り信号)のPON方式データを、出力数に応じてコピーして分配して出力する。
【0056】
また、スプリット回路部21は、複数のメディア変換部10a,10b,10c,10dから出力された電気信号(上り信号)のPON方式データを集約し、第1光リンク13側へ出力する。
PON方式では、上り信号は、各ONUからの信号の衝突が起こらないように、各ONUからの信号が、異なるタイミングで送信される。
したがって、スプリット回路部21は、上り信号については、単に、複数のメディア変換部10a,10b,10c,10dから受信した複数の信号を、集約して順に第1光リンク13側へ送り出すだけでよい。
【0057】
図3のスプリット回路部21は、第1光リンク13から出力された電気信号を、複数のメディア変換部10a,10b,10c,10dに対して分配して出力するとともに、複数のメディア変換部10a,10b,10c,10dから出力された電気信号を集約し、第1光リンク13に出力する。
この場合、スプリット回路部で、電気的に分配・集約できるので、高額な光部品である図2の光分配器3は、不要となる。また、第1光リンク13も、個々のメディア変換部10a,10b,10c,10dには、必要なくなるため、高額な光部品である光リンクを減らすことができるため、本発明の第3の目的を達成できる。
【0058】
なお、図3のメディア変換装置20を利用すると、光分配器3は、メディア変換装置20が持つ複数のメディア変換部に信号を分配する目的においては不要であるが、他のメディア変換装置20やONUに信号を分配するために、PON方式システム内において光分配器3を設けても良い。
【0059】
図3のメディア変換装置20において、第1光リンク13とスプリット回路部21との間には、第1SerDes(SERializer/DESerializer)22が設けられている。また、スプリット回路部21と複数のメディア変換部10a,10b,10c,10dとの間には、第2SerDes23a,23b,23c,23dが設けられている。
第1及び第2SerDesは、シリアル信号とパラレル信号の相互変換を行うものである。
【0060】
第1SerDes22は、第1光リンク13から出力されたシリアルの電気信号(下り信号)をパラレルの電気信号に変換するとともに、下り信号に基づいてクロックの再生を行う。変換されたパラレルの電気信号は、スプリット回路部21側へ出力される。
さらに、第1SerDes22は、スプリット回路部21から第1光リンク13側に対して出力されたパラレルの電気信号(上り信号)をシリアルの電気信号に変換して第1光リンク13側へ出力する。
なお、第1光リンク13と第1SerDes22とをあわせて、局側光送受信部14というものとする。
【0061】
第2SerDes23a,23b,23c,23dは、第1SerDes22とは逆変換を行う。
すなわち、第2SerDes23a,23b,23c,23dは、第1伝送部11からスプリット回路部21側へ出力されたシリアルの電気信号(上り信号)をパラレルの電気信号に変換してスプリット回路部21側へ出力する。
さらに、第2SerDes23a,23b,23c,23dは、スプリット回路部21から第1伝送部11に対して出力されたパラレルの電気信号(下り信号)をシリアルに変換して前記第1伝送部11に出力する。
【0062】
第1及び第2SerDesで囲まれたスプリット回路部21では、伝送信号がパラレルの同期信号となり、クロック周波数を光信号よりも、例えば10分の1以下に低下させることができるため、信号処理が容易となる。例えば、光信号のクロックが1.25GHzである場合には、パラレル信号のクロックは125MHzにできる。
【0063】
また、SerDesやスプリット回路部21は、汎用的な電気部品であるため、コストを低減することができる。
なお、第2SerDes23a,23b,23c,23dと第1伝送部11との信号条件が一致しない場合には、図3に示すように、信号振幅の調整回路24a,24b,24c,24dを調整することで、第2SerDes23a,23b,23c,23dと第1伝送部11との信号条件が一致しない場合であっても、両者を結合することができる。
【0064】
[4.第4実施形態]
図4は、PON中継機能を併存させたメディア変換装置20を示している。
図4のメディア変換装置20は、図3のメディア変換部10dが、PON中継機能部30に置き換わっている点を除くと、図3のメディア変換装置20と同様である。
【0065】
PON中継機能部30は、第2の光リンク25を備えており、第1の光リンク13で電気信号に変換されたPON方式データを、再び、光信号に変換したり、PON中継機能部30から延びる光ファイバー9に接続されたONU5からの光信号(PON方式データ)を電気信号に変換する。なお、第2光リンク25で電気信号に変換されたPON方式データは、第1リンクにて光信号に再変換される。
【0066】
図4のスプリット回路部21は、第1光リンク13から出力された電気信号を、メディア変換部10a,10b,10c側だけでなく、第2光リンク25側にも分配してする。
また、図4のスプリット回路部21は、第2光リンク25及び各メディア変換部10a,10b,10cの第1伝送部11から出力された電気信号を集約し、第1光リンク13側に出力する。
【0067】
図4のメディア変換装置20は、当該メディア変換装置20よりも局側のPON方式システムと、宅側のPON方式システムとを、中継することになる。これにより、例えば、1つの集合住宅の中で、ケーブルモデムとPON用のONUの併存を可能とすることができる。
1つの集合住宅であっても、PON方式化を望む加入者が存在することがあり、集合住宅内のケーブル敷設をケーブルモデム方式(同軸)に統一することが難しい場合もある。また、将来的にONUが増加することも想定される。
【0068】
この場合に、図1及び図2に示すように、光分配器3で分岐された支線光ファイバー4のうち、メディア変換部10又はメディア変換装置20が接続された支線光ファイバーとは別の支線光ファイバーにONUを接続することが考えられる。
【0069】
この場合、光分配される信号の一部を加入者宅のONUに対して、さらに分配することが必要となる。しかし、CATV局から本メディア変換装置20までの距離はまちまちであり、光分配の条件も異なってくる。
【0070】
したがって、局側からメディア変換装置20への入力を光分配した場合には、さらにどれだけの個数のONUを接続することができるか、という点について、これらの条件を総合的に満足させるための煩わしい回線設計や管理が必要となる。
【0071】
これに対し、図4のメディア変換装置20では、光信号が、本メディア変換装置20で中継されることにより、CATV局と本装置20との間の光ファイバーによる伝搬損失や光分配器3による分配損失が無関係となる。つまり、本装置よりも加入者宅側の伝送条件は、本装置20のPON中継機能部30の第2光リンク25の出力だけで決めることができる。これにより、CATV局から離れた位置にある集合住宅などでは、光の分配数を数多くとれることになり、その結果、CATV網全体の光ファイバーを節減することができる。したがって、伝送網の回路設計が簡略化され、管理が容易となり、本発明の第4の目的が達成される。
しかも、ケーブルモデム方式とPON方式の併存が容易に可能であり、PON方式への移行が非常に柔軟になるという利点が生まれる。
【0072】
[5.第5実施形態]
図5は、現用系の光ファイバー経路と予備系の光ファイバー経路とを切替可能にしたメディア変換装置20を示している。
図5のメディア変換装置20では、現用系の光ファイバー2aと予備系の光ファイバー2bとが接続可能になっている。
各光ファイバー2a,2bには、光リンク(第1光リンク)13a,13bが接続され、各第1光リンク13a,13bとスプリット回路部21との間には、それぞれ第1SerDes22a,22bが設けられている。
【0073】
図5のスプリット回路部21は、複数の第1光リンク13a,13bに対応して、複数の第1入出力部21a,21bが設けられている。
スプリット回路部21は、複数のメディア変換部10a,10b,10c,10dに対応する複数の第2入出力部21−1,21−2,21−3,21−4を持ち、それぞれが、複数の第1入出力部21a,21bのいずれかに選択的に接続されるよう構成されている。
【0074】
つまり、通常は、スプリット回路部21の各第2入出力部21−1,21−2,21−3,21−4は、現用系の光ファイバー2aに繋がる第1入出力部21aに接続されている。そして、予備系の光ファイバー2bに接続を切り替えたい場合には、スプリット回路部21の各第2入出力部21−1,21−2,21−3,21−4が、予備系の光ファイバー2bに繋がる第1入出力部21bに接続されるように、接続を切り替える。
【0075】
図5に示すように、スプリット回路部21は、クロスバー交換機能を持つ。
図6は、PON方式の信号と機能的に整合したクロスバー交換回路の一例を示す。複数の第1入出力部21a,21b,21cは、それぞれ別々の経路で、PON方式の局側装置(OLT)と接続される。メディア変換部またはPON中継機能部と接続される第2入出力部21−1,21−2,21−3,21−4は、前記局側装置(OLT)と接続される第1入出力部21a,21b,21cの任意の1つと、選択的に接続することができる。
【0076】
図5のメディア変換装置20では、線路の切り替えや、故障時の予備系への切り替え(バックアップ)などを、スプリット回路部21のクロスバー交換機能で電気的に行うことができ、経路切替の自動化が容易となる。
つまり、光分配器3による光分配方式では、光分配器3が受動部品であるため、経路切替の自動化が困難(電気的に行えない)である。これに対し、図5のメディア変換装置20では、光分配では困難である自動経路変更や故障時バックアップ機能を具備させることが容易であり、本発明の第5の目的が達成される。
なお、図5のメディア変換装置20においても、図4と同様に、PON中継機能部30を設けることができる。
【0077】
[6.第6実施形態]
図7のメディア変換装置20は、図4のメディア変換部、およびPON中継機能部を、機能毎にモジュール化したものを示している。
図7では、スプリット回路部21よりも宅側の各系統を、それぞれ、モジュール化されたサブブロック40a,40b,40c,40dとしたものである。宅側の各サブロック40a,40b,40c,40dは、メディア変換部10a,10b,10c又はPON中継機能部30とともに、それらの前段にある第2SerDes23a,23b,23c,23d及び調整回路24a,24b,24c,24dを含めてモジュール化されている。
【0078】
スプリット回路部21と第2SerDes23a,23b,23c,23dとの間は、低速のパラレル信号で信号の受け渡しが行われるため、宅側のサブブロック40a,40b,40c,40dに、第2SerDes23a,23b,23c,23dを含めて構成することで、スプリット回路部21とサブブロック40a,40b,40c,40dとの間の信号の受け渡しを低速で容易に行うことができる。
【0079】
宅側のサブブロック40a,40b,40c,40dは、それぞれ、スプリット回路部21に対して、着脱可能である。つまり、サブブロックを構成する基板(サブ基板)が、コネクタ等を介して、スプリット回路部21を含む装置(メイン基板装置)に対して、着脱可能に接続される。
【0080】
メディア変換部10又は第2光リンク25を含む宅側のサブブロック40a,40b,40c,40dが、メイン基板装置に対して着脱自在であることで、CATV局の個別の事情等に応じて、メディア変換装置20の宅側出力を、ケーブルモデム方式(同軸RF信号)又はPON方式のいずれかに自由に組み替えることができる。また、サブブロックの着脱により、出力数も自由に調整することができる。特に、メディア変換装置20の設置当初は、出力数を少なくしておき、事後的に拡張用のサブブロックを装着することで、メディア変換装置20の拡張を容易に行うことができ、本発明の第6の目的が達成される。
なお、図7では、スプリット回路部21よりも宅側の4つの系統がすべてサブブロック40a,40b,40c,40dとして構成されて、メイン基板装置に対して着脱自在に構成されているが、一部の系統だけがサブブロック化されていてもよい。
また、図7のスプリット回路部21よりも局側の第1光リンク13a,13bと、第1SerDes22a,22bを、それぞれ局側光送受信部14a,14bとして、サブブロック化し、着脱自在としてもよい。
【0081】
[7.第7実施形態]
図8は、下2つの系統を、着脱自在なサブブロック(拡張用サブ基板)40c,40dとし、上2つの系統は、スプリット回路部21(図8では省略)などを含むメイン基板側に設けた例を示している。
【0082】
メディア変換装置10a,10b,10c,10dのCMTS機能部12に入出力される高周波のケーブルモデム方式データは、CMTS機能部12を単位とし、しかも、それぞれの上り信号と下り信号とが別々に分けて処理される。
図8のメディア変換装置20では、CMTS機能部12よりも宅側の同軸ケーブルを1本にまとめて使い勝手を良くするため、ダイプレックスフィルタ51が設けられている。
【0083】
ダイプレックスフィルタ51は、上り及び下り信号を分離する。また、それぞれの上り信号及び下り信号は、増幅器52にて必要な増幅が行われる。さらには、分配器53により適切な分配・集約が行われる。
【0084】
また、拡張用のサブブロック(拡張用サブ基板)40c,40dは、メイン基板側に設けられた同軸コネクタ54と接続される同軸コネクタ55を備えており、これらの同軸コネクタ54,55間は、同軸ジャンパーにて接続される。拡張用のサブブロック(拡張用サブ基板)40c,40dがメイン基板に装着されない場合には、図8中に示すダミー用サブ基板60を装着させ、ダミー用サブ基板60の同軸コネクタ55とメイン基板の同軸コネクタ54とを接続すればよい。
【0085】
[8.付記]
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0086】
1 局側装置
2 光ファイバー
3 光分配器
4 光ファイバー
6 端末装置
7 同軸ケーブル
8 ケーブルモデム
9 光ファイバー
10 メディア変換装置
10a,10b,10c,10d メディア変換装置
11 第1伝送部(ONU機能部)
12 第2伝送部(CMTS機能部)
13 光リンク(第1光リンク)
14 局側光送受信部
14a,14b 局側光送受信部
20 メディア変換装置
21 スプリット回路部
21a,21b 第1入出力部
21−1,21−2,21−3,21−4 第2入出力部
22 第1SerDes
23a,23b,23c,23d 第2SerDes
24a,24b,24c,24d 調整回路
25 光リンク(第2光リンク)
30 中継機能部
40a,40b,40c,40d サブブロック
51 ダイプレックスフィルタ
52 増幅器
53 分配器
54 同軸コネクタ
55 同軸コネクタ
60 ダミー用基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PON方式の局側装置との間で、PON方式の伝送が可能な第1伝送部と、
ケーブルモデムとの間で、ケーブルモデム方式の伝送が可能な第2伝送部と、
を備え、
前記第1伝送部は、
前記局側装置から送信されたPON方式のデータを所定方式の中間データに変換して前記第2伝送部に出力するとともに、
前記第2伝送部から出力された前記所定方式の中間データをPON方式のデータに変換して、前記局側装置に送信し、
前記第2伝送部は、
前記ケーブルモデムから送信されたケーブルモデム方式のデータを前記所定方式の中間データに変換して前記第1伝送部に出力するとともに、
前記第1伝送部から出力された前記所定方式の中間データをケーブルモデム方式のデータに変換して、前記ケーブルモデムに送信する
ことを特徴とするメディア変換装置。
【請求項2】
PON方式の局側装置との間で、PON方式の伝送が可能な第1伝送部と、
ケーブルモデムとの間で、ケーブルモデム方式の伝送が可能な第2伝送部と、を有した メディア変換部を複数備え、
前記第1伝送部は、
前記局側装置から送信されたPON方式のデータを所定方式の中間データに変換して前記第2伝送部に出力するとともに、
前記第2伝送部から出力された前記所定方式の中間データをPON方式のデータに変換して、前記局側装置に送信し、
前記第2伝送部は、
前記ケーブルモデムから送信されたケーブルモデム方式のデータを前記所定方式の中間データに変換して前記第1伝送部に出力するとともに、
前記第1伝送部から出力された前記所定方式の中間データをケーブルモデム方式のデータに変換して、前記ケーブルモデムに送信する
ことを特徴とするメディア変換装置。
【請求項3】
前記局側装置への光ファイバーが接続される光リンクと、
前記光リンクに接続されるスプリット回路部と、
を更に備え、
前記複数のメディア変換部の前記第1伝送部は、前記スプリット回路部に接続され、
前記スプリット回路部は、
前記光リンクから出力された電気信号を、前記複数のメディア変換部に対して分配して出力するとともに、
前記複数のメディア変換部の第1伝送部から出力された電気信号を集約し、前記光リンクに出力する請求項2記載のメディア変換装置。
【請求項4】
前記光リンクと前記スプリット回路部との間に設けられた第1SerDesと、
前記スプリット回路部と前記複数の第1伝送部との間に設けられた第2SerDesと、が更に備わり、
前記第1SerDesは、
前記光リンクから出力されたシリアルの電気信号をパラレルに変換して前記スプリット回路部に与え、
前記スプリット回路部から出力されたパラレルの電気信号をシリアルに変換して前記光リンクに与え、
前記第2SerDesは、
前記第1伝送部から前記スプリット回路部に対して出力されたシリアルの電気信号をパラレルに変換して前記スプリット回路部に与え、
前記スプリット回路部から前記第1伝送部に対して出力されたパラレルの電気信号をシリアルに変換して前記第1伝送部に与える
請求項3記載のメディア変換装置。
【請求項5】
前記光リンクは、複数備わり、
前記スプリット回路部は、
前記複数の光リンクに接続される複数の第1入出力部と、
前記複数のメディア変換部の前記第1伝送部に接続される複数の第2入出力部と、
を備え、
前記第1伝送部に接続される複数の第2入出力部それぞれが、光リンクに接続される前記複数の第1入出力部のいずれかに選択的に接続される
請求項3又は4記載のメディア変換装置。
【請求項6】
前記スプリット回路部に対して前記メディア変換部が着脱自在に構成された請求項3〜5のいずれか1項に記載のメディア変換装置。
【請求項7】
PON方式の局側装置への光ファイバーが接続される第1光リンクと、
前記第1光リンクに接続されるスプリット回路部と、
前記スプリット回路部に接続される1又は複数の第2光リンクと、
1又は複数のメディア変換部と、
を備え、
前記1又は複数のメディア変換部は、前記局側装置との間で、PON方式の伝送が可能な第1伝送部と、ケーブルモデムとの間で、ケーブルモデム方式の伝送が可能な第2伝送部と、を有し、
前記第1伝送部は、
前記局側装置から送信されたPON方式のデータを所定方式の中間データに変換して前記第2伝送部に出力するとともに、
前記第2伝送部から出力された前記所定方式の中間データをPON方式のデータに変換して、前記局側装置に送信し、
前記第2伝送部は、
前記ケーブルモデムから送信されたケーブルモデム方式のデータを前記所定方式の中間データに変換して前記第1伝送部に出力するとともに、
前記第1伝送部から出力された前記所定方式の中間データをケーブルモデム方式のデータに変換して、前記ケーブルモデムに送信し、さらに前記第1伝送部は、前記スプリット回路部に接続され、
前記スプリット回路部は、
前記第1光リンクから出力された電気信号を、前記1又は複数の第2光リンク、及び、前記1又は複数のメディア変換部に対して分配して出力するとともに、
前記1又は複数の第2光リンク及び前記1又は複数のメディア変換部の第1伝送部から出力された電気信号を集約し、前記第1光リンクに出力する
ことを特徴とするメディア変換装置。
【請求項8】
前記第1光リンクと前記スプリット回路部との間に設けられた第1SerDesと、
前記スプリット回路部と前記1又は複数の第1伝送部との間、及び前記スプリット回路 部と前記1又は複数第2光リンクとの間に設けられた第2SerDesと、が更に備わり、
前記第1SerDesは、
前記第1光リンクから出力されたシリアルの電気信号をパラレルに変換して前記スプリット回路部に与えるとともに、
前記スプリット回路部から出力されたパラレルの電気信号をシリアルに変換して前記第1光リンクに与え、
前記第2SerDesは、
前記第1伝送部及び前記第2光リンクから前記スプリット回路部に対して出力されたシリアルの電気信号をパラレルに変換して前記スプリット回路部に与えるとともに、
前記スプリット回路部から前記第1伝送部及び第2光リンクに対して出力されたパラレルの電気信号をシリアルに変換して前記第1伝送部及び第2光リンクに与える
請求項7記載のメディア変換装置。
【請求項9】
前記第1光リンクは、複数備わり、
前記スプリット回路部は、
前記複数の第1光リンクに接続される複数の第1入出力部と、
前記1又は複数の第2光リンク、及び、前記1又は複数のメディア変換部の前記第1伝送部に接続される複数の第2入出力部と、を備え、
前記1又は複数の第2光リンク、及び、前記1又は複数のメディア変換部の前記第1伝送部に接続される複数の第2入出力部それぞれが、前記第1光リンクに接続される複数の第1入出力部のいずれかに選択的に接続される
請求項7又は8記載のメディア変換装置。
【請求項10】
前記スプリット回路部に対して、前記メディア変換部又は第2光リンクが着脱自在に構成された請求項7〜9のいずれか1項に記載のメディア変換装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のメディア変換装置を、PON方式の局側装置とケーブルモデムとの間に設置した伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−31126(P2013−31126A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167512(P2011−167512)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(504126112)住友電工システムソリューション株式会社 (78)
【出願人】(500241273)株式会社ブロードネットマックス (10)
【Fターム(参考)】