説明

メニュー表示装置、メニュー表示方法、及びプログラム

【課題】
メニュー表示装置において、操作性の良いメニュー表示画面を表示する。
【解決手段】
特定の機能に対応付けられたメニュー項目を表示すると共に、ユーザが選択した一のメニュー項目を入力する操作表示部20と、前記メニュー項目が操作表示部20に入力される可能性の高い第1の期間にあるか、又は第1の期間よりも前記可能性の低い第2の期間にあるかを示す識別情報を記憶する識別情報記憶手段204と、識別情報に基づいて各メニュー項目の表示位置を決定して操作表示部20に表示する表示制御手段214と、操作表示部20により一のメニュー項目が入力されたときに、当該入力されたメニュー項目に対応する識別情報を第2の期間中であることを示す内容に変更する識別情報変更手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに機能の選択を促すメニューを表示するメニュー表示装置、当該メニュー表示装置におけるメニュー表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の携帯端末やナビゲーション装置では、特定の機能を関連付けたメニュー項目を液晶パネル等の表示部に表示しておき、ユーザに対し、表示されているメニュー項目の中から所望のメニュー項目を選択するよう促すメニュー表示装置が用いられている。
【0003】
このようなメニュー表示装置におけるメニュー表示制御方式として、従来、各メニュー項目の選択頻度や異なる2つのメニュー項目が連続して選択される頻度を記憶しておき、これらの頻度情報に基づいて各メニュー項目の表示位置や配列を決定するカスタムメニュー領域と、予め決められた位置及び配列に従ってメニュー項目を表示する固定メニュー領域とを用いた方式が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、メニュー項目の中には、そのメニュー項目に関連付けられた機能に応じて、一旦ユーザによって選択されると、その後しばらくの間は選択される可能性の低いメニュー項目がある。このようなメニュー項目は、特に、ナビゲーション装置において多く見られ、例えば、現在位置から最寄りのガソリンスタンドを検索して経路を案内する機能は、一度選択してガソリンスタンドが利用されれば、再び選択されるのは早くとも数日後となるのが通常である。
【0005】
このような、或る程度の期間を置いて散発的に選択されるメニュー項目がある場合には、当該メニュー項目を、次に選択される時期が到来するまでメニュー表示画面のうち目立たない位置に表示する等、選択操作後の当該メニュー項目の表示位置を変更することが、操作性の観点からは望ましい。
【0006】
しかしながら、上記従来のメニュー表示制御方式では、各メニュー項目の選択頻度又は異なる2つのメニュー項目が連続して選択される頻度のみにより、各メニュー項目の表示位置が決定されるため、一度選択され暫くの間は選択される可能性の少ないメニュー項目であっても、メニュー表示画面上の目立つ位置に表示され続けてしまう場合があり得る。その結果、メニュー項目を選択する際の操作性が損なわれるという問題を生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−297555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、メニュー表示装置において、或る程度の期間をおいて散発的に選択されるメニュー項目を表示する場合にも、メニュー表示画面の操作性を良好に保つことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、特定の機能に対応付けられたメニュー項目を表示する表示部と、一の前記メニュー項目を入力する入力部と、を備えるメニュー表示装置であって、前記メニュー項目が、前記入力部に入力される可能性の高い第1の期間にあるか、又は前記第1の期間よりも前記可能性の低い第2の期間にあるかを示す識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、前記識別情報記憶手段が記憶する識別情報に基づいて、各メニュー項目の表示位置を決定して前記表示部に表示する表示制御手段と、前記識別情報記憶手段に記憶された前記各メニュー項目の前記識別情報を、前記第1の期間中又は前記第2の期間中であることを示す内容に変更する識別情報変更手段と、を有し、前記識別情報変更手段は、前記入力部により一の前記メニュー項目が入力されたときに、前記識別情報記憶手段に記憶された当該入力されたメニュー項目に対応する前記識別情報を、前記第2の期間中であることを示す内容に変更するメニュー表示装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、メニュー表示装置において、或る程度の期間をおいて散発的に選択されるメニュー項目を表示する場合にも、メニュー表示画面の操作性を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るメニュー表示装置を用いた地図表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るメニュー表示装置の、操作表示部に表示されるメニュー項目の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るメニュー表示装置の、メイン処理の手順を示すフロー図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るメニュー表示装置の、識別情報変更処理の手順を示すフロー図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るメニュー表示装置の、識別情報復帰処理の手順を示すフロー図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るメニュー表示装置を用いた地図表示装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るメニュー表示装置を用いた地図表示装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るメニュー表示装置を用いた地図表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【0013】
本地図表示装置1は、地図情報を表示する表示部4と、表示部4に表示する地図に関する地図情報を記憶する地図情報記憶部6と、地図情報記憶部6が記憶する地図情報を読み出して表示部4に表示する等の処理を行う制御部8と、GPS衛星の電波を受信して現在位置の緯度・経度を取得するGPSモジュール10と、制御部8が実行する特定の機能に対応付けられたメニュー項目を表示して、表示されているメニュー項目の中からユーザが選択したメニュー項目を制御部8に通知するメニュー表示装置2と、を有している。
【0014】
メニュー表示装置2は、特定の機能に対応付けられたメニュー項目を表示する表示部であり、かつ、ユーザが選択したメニュー項目を入力する入力部でもあるタッチパネル等を用いた操作表示部20と、操作表示部20へのメニュー項目の表示動作や選択されたメニュー項目の入力動作等に関する処理を行う処理部22と、記憶部24と、タイマ26とを有している。
【0015】
ここで、メニュー表示装置2は、各メニュー項目について、或る程度の期間(休眠期間)をおいて散発的に選択されるメニュー項目(散発選択項目)であるか否かを示すフラグを記憶部24に記憶し、かつ、散発選択項目であるメニュー項目については、選択される可能性の高い「使用期間」にあるか、それとも「休眠期間」にあるかを識別する識別情報を記憶部24に記憶しておき、当該識別情報に基づいて、メニュー項目の表示位置を決定する。
【0016】
このため、記憶部24は、例えばNVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)等の不揮発メモリにより構成され、予め制御部8の特定の機能に対応付けられたメニュー項目を記憶する項目記憶手段202と、各メニュー項目について散発選択項目であるか否かを示すフラグを記憶するフラグ記憶手段206と、散発選択項目である各メニュー項目について、現在が「使用期間中」であるか「休眠期間中」であるかを識別する識別情報を記憶する識別情報記憶手段204と、を有している。
【0017】
また、記憶部24は、散発選択項目である各メニュー項目についての休眠期間の長さ(休眠時間)を記憶する時間記憶手段208と、各メニュー項目が操作表示部20により入力された時刻(入力時刻)を含む情報を入力履歴情報として記憶する履歴記憶手段210と、を有している。ここで、各散発選択項目の休眠時間は、その初期値が予め定められて時間記憶手段208に記憶された後、後述するように、履歴記憶手段210が記憶する履歴情報に基づいて処理部22の時間変更手段218により変更される。
【0018】
なお、記憶部24が有する上記各記憶手段は、記憶部24を構成する不揮発メモリ(不図示)の所定範囲のメモリアドレスを、当該記憶手段に割り当てることにより実現される。
【0019】
処理部22は、CPU(Central Processing Unit)、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータであり、操作表示部20により入力されたメニュー項目に応じて、識別情報記憶手段204が記憶する識別情報を変更する識別情報変更手段212と、識別情報記憶手段204に記憶されている識別情報に基づいて各メニュー項目の表示位置を決定して操作表示部20に表示する表示制御手段214と、履歴記憶手段210が記憶する各メニュー項目の入力履歴情報に基づき当該メニュー項目の入力間隔を算出する算出手段216と、算出手段216が算出した各メニュー項目の入力間隔に基づいて、時間記憶手段208に記憶されている各メニュー項目の休眠時間を変更する時間変更手段218と、を有している。
【0020】
なお、上述した各手段は、プログラムにより実現される処理部(コンピュータ)22の機能実現手段である。また、コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。
【0021】
図2は、メニュー表示装置2の操作表示部20に表示されるメニュー項目の一例を示す図である。
図2では、各メニュー項目が、矩形のアイコンと、番号を付した項目名により表示されている。例えば、現在位置の住所検索機能に対応付けられたメニュー項目「今いる場所」が、番号1を付されて画面左上隅に表示され、その右側に、最寄り駅までのルート検索機能に対応付けられたメニュー項目「最寄り駅までのルート」(番号2)、及び、最も近いトイレまでのルート検索機能に対応付けられたメニュー項目「トイレ」(番号3)が、その右側に表示されている。その他のメニュー項目は、順次、列方向を下に、行方向を右に向かって配置されている。なお、最も下の行に示された項目名のない矩形アイコン(番号0)は、表示すべきメニュー項目がないか、又は、当該メニュー項目の表示動作の途中段階にあることを示している。メニュー項目の数や配置は、任意に設定することができる。各メニュー項目は、ユーザの操作によって選択可能となっている。例えば、メニュー項目の番号は、入力キーの「1」、「2」、・・・、「0」と対応付けられており、入力キー「1」、「2」、・・・、「0」の何れかが入力されると、入力された番号に対応する表示領域が図2の画面に拡大表示され、各メニュー項目の機能が実行される。また、タッチパネルの場合であれば、選択された表示領域が拡大されるようにすることができる。
【0022】
上記の構成を備えるメニュー表示装置2は、ユーザが地図表示装置1の電源を投入すると動作を開始し、表示制御手段214は、項目記憶手段202からメニュー項目を読み出すと共に、フラグ記憶手段206が記憶するフラグ及び識別情報記憶手段204が記憶する識別情報を参照し、「使用期間中」にある散発選択項目及び散発選択項目でないメニュー項目を、操作表示部20上の、予め定めた所定の領域に表示し、「休眠期間中」である散発選択項目を上記所定の領域以外の領域に表示する。
【0023】
ここで、「操作表示部20上の、予め定めた所定の領域」は、その領域に表示されているメニュー項目が、「休眠期間中」の散発選択項目でないことが識別できればよく、見やすさや操作のしやすさ等、ユーザに与える印象を考慮して任意に設定できる。具体的には、上記所定の領域を、例えば操作表示部20の左上の領域としたり、メニュー表示画面が複数の表示ページで構成される場合にはページ番号の若い表示ページとすることができる。なお、「使用期間中」にあるメニュー項目と「休眠期間中」であるメニュー項目とは、一方が表示されていない場合もある。また、「使用期間中」であっても「休眠期間中」であっても、表示位置を変更するメニュー項目と、表示位置を変更しないメニュー項目があってもよい。表示位置を変更しないメニューは特定の表示位置に表示してもよいし、ユーザが表示位置を決めるようにしてもよい。さらに、メニュー項目には、位置情報を利用しない例えば設定のメニュー項目を含んだメニュー項目を表示してもよい。
【0024】
続いて、ユーザが、表示されたメニュー項目から散発選択項目の一つを選択して入力すると、処理部22は、当該入力された散発選択項目であるメニュー項目を制御部8に通知すると共に、識別情報記憶手段204に記憶されている当該メニュー項目の識別情報を「休眠期間中」に変更する。
【0025】
続いて、表示制御手段214は、変更された識別情報に基づいて、再び、新たに「休眠期間中」となった散発選択項目を含めて、「休眠期間中」である散発選択項目を操作表示部20上の上記所定の領域以外の領域に表示し、散発選択項目でないメニュー項目及び「使用期間中」である散発選択項目を、操作表示部20の所定の領域に表示する。
また、処理部22は、上記入力されたメニュー項目について識別情報を「休眠期間中」に変更した後の経過時間を計測し、当該経過時間が時間記憶手段208の記憶する休眠時間に達すると、当該識別情報を「使用期間中」に変更する。
【0026】
これにより、操作表示部20により一度入力され休眠期間に入った散発選択項目であるメニュー項目、すなわち暫くの間入力される可能性のないメニュー項目は、操作表示部20上の所定の領域から排除され、所定の領域以外の領域に表示される結果、操作表示部20におけるメニュー選択の際の操作性が向上する。また、休眠期間を終了し使用期間に入った散発選択項目は、再び操作表示部20上の所定の領域に表示され、操作表示部20におけるメニュー選択の際の操作性は良好に維持される。
【0027】
なお、本発明のメニュー表示装置2が扱うメニュー項目としては、現在位置の位置情報を用いて実行される機能に関するメニュー項目、例えば、図2に示したように、最寄り施設の検索や経路案内を行なう機能についてのメニュー項目が好適であるが、これに限らず、或る程度の期間をおいて散発的に選択されるメニュー項目であればよい。
【0028】
次に、本発明のメニュー表示装置2の動作手順について説明する。
本発明のメニュー表示装置2の動作は、次の2つの処理で構成される。
A:メイン処理
メニュー項目を表示し、表示されたメニュー項目の中からユーザが一のメニュー項目を選択して入力したときに、当該メニュー項目の識別情報を「休眠期間中」に変更すると共に、当該入力後の経過時間(入力経過時間)の計測を開始する処理である。
B:識別情報復帰処理
メイン処理において入力経過時間の計測が開始された時点で処理を開始し、メイン処理と並行して実行され、入力経過時間が時間記憶手段208によって記憶されている休眠時間に到達したときに、当該メニュー項目の識別情報を「使用期間中」に変更して復帰させる処理である。
【0029】
以下、メイン処理及び識別情報復帰処理の手順について説明する。
【0030】
(1)メイン処理
まず、メイン処理の手順について、図3に示すフロー図にしたがって説明する。このメイン処理は、ユーザが地図表示装置1の電源を投入することにより開始する。
【0031】
動作を開始すると、表示制御手段214は、項目記憶手段202からメニュー項目を読み出し、フラグ記憶手段206から各メニュー項目のフラグを読み出すと共に、識別情報記憶手段204から散発選択項目の識別情報を読み出す(S101)。
【0032】
表示制御手段214は、操作表示部20における各メニュー項目の表示位置を識別情報に従って決定し、決定した位置に各メニュー項目を表示する(S102)。ここで、表示制御手段が識別情報に基づいて決定する各メニュー項目の表示位置としては、例えば、散発選択項目であって識別情報が「使用期間中」となっているメニュー項目については、予め定めた操作表示部20上の所定の領域とし、散発選択項目であって識別情報が「休眠期間中」となっているメニュー項目については上記所定の領域以外の領域とすることができる。また、散発選択項目でないメニュー項目を、「使用期間中」である散発選択項目と同様に、上記所定の領域に表示することができる。
【0033】
なお、上記所定の領域内におけるメニュー項目の表示位置、又は、上記所定の領域外の領域におけるメニュー項目の表示位置については、アイウエオ順等、予め定めたルールに従って決定することができる。
【0034】
操作表示部20にメニュー項目が表示されると、ユーザは、表示されたメニュー項目のうち所望のメニュー項目のアイコンを、例えば指で押下することにより、当該メニュー項目を選択して入力することができる。
【0035】
次に、処理部22は、いずれかのメニュー項目が入力されたことを認識し(S103)、入力されたメニュー項目を示す情報を制御部8に通知すると共に(S104)、当該メニュー項目とその入力時刻を、当該メニュー項目の入力履歴として履歴記憶手段210に記憶した後(S105)、識別情報変更処理を実行する(S106)。なお、識別情報変更処理の詳細については後述する。
【0036】
ここで、ステップS104においてメニュー項目を通知された制御部8は、例えば、GPSモジュール10により現在位置の位置情報(経度・緯度など)を取得して、当該メニュー項目に対応付けられた機能を実行する。
【0037】
続いて、処理部22は、制御部8において当該メニュー項目に対応する機能の実行が完了したことを確認した後(S107)、ステップS101に戻って処理を繰り返す。上記の「機能の実行が完了したこと」の確認は、例えば、制御部8から機能実行の完了を示す信号を処理部22へ送信することにより行なうことができる。なお、ユーザが途中で機能を中断することもあるため、当該メニュー項目に対応する機能の実行が完了したことを確認した後(S107)に識別情報変更処理(S106)を行なってもよい。これにより、例えば、経路案内を行なうなど機能の完了までに時間のかかるメニュー項目の場合には、経路案内において目的地(トイレ、最寄り駅、自宅等)に到着したと装置が判定した後に、識別情報変更処理を行なうことができる。
【0038】
次に、図3に示したメイン処理における識別情報変更処理(図3のステップS106)の手順について、図4に示すフロー図にしたがって説明する。
まず、処理部22の識別情報変更手段212は、図3のステップS101で参照したフラグに基づいて、図3のステップS103において入力されたメニュー項目が散発選択項目であるか否かを判断する(S201)。
【0039】
次に、識別情報変更手段212は、当該メニュー項目が散発選択項目であるときは(S201、Yes)、識別情報記憶手段204が記憶している当該メニュー項目の識別情報を「休眠期間中」に書き換えて変更すると共に(S202)、タイマ26を用いて、当該メニュー項目が入力された後の経過時間(入力経過時間)の計測を開始して(S203)、処理を終了する。
【0040】
なお、ステップS203において一のメニュー項目について入力経過時間の計測が開始された後に、図3のステップS103において他のメニュー項目が入力されたときは、当該メニュー項目についてステップS203で開始する入力経過時間の計測は、上記一のメニュー項目についての入力経過時間の計測と並行して行なうものとする。
【0041】
また、図3のステップS103において識別情報が「休眠期間中」であるメニュー項目が入力された場合には、ステップS203においては、識別情報記憶手段204に記憶されている当該メニュー項目の識別情報は「休眠期間中」のまま維持することとなる。この場合、タイマ26により計測されている入力経過時間を一旦クリアして、新たに入力経過時間の計測を開始するものとしてもよい。
【0042】
一方、ステップS201において、当該入力されたメニュー項目が散発選択項目でないときは(S201、No)、処理を終了する。
【0043】
(2)識別情報復帰処理
次に、メニュー表示装置2の識別情報復帰処理の手順について、図5に示すフロー図にしたがって説明する。この処理は、図4のステップS203において入力経過時間の計測が開始されることにより開始され、図3に示すメイン処理と並行して実行される。また、この処理は、一のメニュー項目についての入力経過時間の計測が行なわれている間に、他のメニュー項目についての入力経過時間の計測が開始されたときは、メニュー項目毎に並行に実行されるものとする。
【0044】
まず、識別情報変更手段212は、時間記憶手段208から、図3のステップS103において入力されたメニュー項目についての休眠時間、すなわち休眠期間の長さを参照して(S301)、図4のステップS203において計測を開始した入力経過時間が、当該メニュー項目についての休眠時間に達したことを確認する(S302)。そして、識別情報記憶手段204が記憶している当該メニュー項目についての識別情報を「使用期間中」に書き換えて変更した後(S303)、当該メニュー項目についての入力経過時間の計測値をクリアする(S304)。
【0045】
ここで、散発選択項目である各メニュー項目についての休眠時間は、当該メニュー項目毎に、操作表示部20により一度入力されたのち次に入力されるまでの時間を予め予測して定め、これを初期値として時間記憶手段208に記憶しておくことができる。その後、時間記憶手段208に記憶された休眠時間は、後述するように時間変更手段218により変更される。なお、上述の休眠時間の初期値は、例えば、最寄りトイレへの経路検索機能に関連付けられたメニュー項目の場合には3時間、最寄りガソリンスタンドへの経路検索機能に関連付けられたメニュー項目の場合には3日、最寄りコンビニエンス・ストアへの経路検索機能に関連付けられたメニュー項目の場合には5時間、とすることができる。
【0046】
次に、ステップS304において入力経過時間の計測値がクリアされると、処理部22の算出手段216は、履歴記憶手段210が記憶している当該メニュー項目についての入力履歴を参照して(S305)、当該メニュー項目についての入力間隔を算出する(S306)。この入力間隔は、例えば、当該メニュー項目が操作表示部20により入力されたのち次に入力されるまでの期間の平均値、最頻値、あるいは中央値として算出することができる。
【0047】
次に、時間変更手段218は、算出手段216が算出した入力間隔に基づいて、時間記憶手段208が記憶する、当該メニュー項目についての休眠時間を変更して(S307)、処理を終了する。
【0048】
ここで、ステップS307における休眠時間の変更においては、例えば、算出された入力間隔に所定の余裕時間を加算した時間を、時間単位又は日単位に丸めて、変更後の休眠時間とすることができる。
【0049】
なお、本実施形態では、制御部8と処理部22にそれぞれCPU(不図示)を持つものとして、その動作を説明したが、同一のCPUを用いて制御部8と処理部22を構成するものとしてもよい。
また、本実施形態では、メニュー項目を表示する操作表示部20と、地図情報を表示する表示部4とを個別に設ける構成としたが、操作表示部20にメニュー項目と他の情報(例えば地図情報)とを併せて表示するものとしてもよい。
【0050】
また、地図表示装置1がサーバとの通信を行なう通信手段を備えた携帯端末であれば、記憶部24をサーバ内に設ける構成としてもよい。この場合には、処理部22は、上記通信手段を介して、記憶部24が記憶する情報を取得して、図3ないし図5に示した動作を行なうものとすることができる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施形態に係るメニュー表示装置について説明する。
図6は、本実施形態に係るメニュー表示装置2’を用いた地図表示装置1’の構成を示すブロック図である。なお、図6に示す地図表示装置1’では、図1に示した第1の実施形態に係る地図表示装置1と同じ構成部分は図1における番号と同じ番号を付して示している。
【0052】
本実施形態では、メニュー表示装置2’を構成する記憶部24’の識別情報記憶手段204’が記憶する識別情報の内容が、2つの期間(「使用期間中」又は「休眠期間中」)のいずれかでなく、3つ以上の期間、例えば、使用期間又は複数の期間に分割された休眠期間のうちの一の期間のいずれかを示し、処理部22’の識別情報変更手段212’は、入力経過時間が休眠時間に達するまでの間に、識別情報を上記複数の期間のうち一の期間中にあることを示す内容に順次変更する。また、表示制御手段214’は、上記3つ以上の期間を示す識別情報の内容に基づいて、メニュー項目の表示位置を決定する。
【0053】
一度入力されてから再度入力されるまでの実際の休眠期間に誤差をもつようなメニュー項目では、時間記憶手段208に記憶された休眠時間の満了より少し前に、当該メニュー項目が入力される場合がある。このため、操作表示部20の操作性の観点からは、入力後の経過時間に伴って、当該メニュー項目が、使用期間中である散発選択項目の表示位置として予め定められた所定の領域に徐々に接近して表示されることが望ましい。例えば、メニュー表示画面が複数の表示ページで構成されている場合には、一旦入力されメニュー表示画面の最後のページに表示されることとなったメニュー項目は、休眠時間の到達時に、上記所定の領域である最初のページまで一気に移動するよりも、入力経過時間の増大に伴って最初のページに向かって徐々に移動していくほうが、当該メニュー項目を探し易くなり、操作性の観点からは望ましい。
【0054】
本実施形態によれば、入力経過時間が休眠時間に到達するまでの間に、当該メニュー項目の識別情報を、休眠期間を構成する複数の期間のうちの一の期間中であることを示す内容に順次変更するので、表示制御手段214’は、当該識別情報に従って、当該メニュー項目の表示位置を、徐々に上記所定の位置へ移動させて、操作表示部20の操作性を向上することができる。
【0055】
次に、本発明の第3の実施形態に係るメニュー表示装置について説明する。
図7は、本実施形態に係るメニュー表示装置2’’を用いた地図表示装置1’’の構成を示すブロック図である。なお、図7に示す地図表示装置1’’では、図1に示した第1の実施形態に係る地図表示装置1と同じ構成部分は図1における番号と同じ番号を付して示している。
【0056】
本実施形態では、メニュー表示装置2’’を構成する処理部22’’の識別情報変更手段212’’は、第1の実施形態に係るメニュー表示装置2の識別情報変更手段212の機能を有すると共に、予め定めた所定のメニュー項目について、予め定めた第1の所定時刻(変更時刻)に識別情報を「休眠期間中」に変更し、かつ、予め定めた第2の所定時刻(復帰時刻)に識別情報を「使用期間中」に復帰させる。
【0057】
メニュー項目に関連付けられた機能によっては、当該メニュー項目が入力される可能性が時刻によって変動する場合がある。例えば、最寄り駅における終電情報検索の機能に関連付けられたメニュー項目は、日中では入力される可能性が低く、現在時刻が終電時刻に近づくにつれて入力される可能性が高まる。
本実施形態では、上記終電情報検索の機能のように、時刻に応じて入力される可能性が変動するメニュー項目の識別情報を現在時刻に応じて変更し、現在時刻において入力される可能性の高いメニュー項目を、予め定めた操作表示部20上の所定の領域に表示すると共に、現在時刻において入力される可能性の低いメニュー項目を、上記所定の領域以外の領域に表示することにより上記所定の領域から排除し、操作表示部20の操作性を良好に維持することができる。
【0058】
具体的には、メニュー項目毎に、時刻に応じて識別情報の変更を行なうか否かを示すフラグと、当該対象とするメニュー項目についての変更時刻と復帰時刻とを、予め定めて記憶部24に記憶しておくものとし、識別情報変更手段212’’が、これらの記憶内容に従って、識別情報記憶手段204に記憶されている各メニュー項目の識別情報を、変更時刻に「休眠期間中」に変更し、かつ、復帰時刻に「休眠期間中」に復帰させるものとすればよい。
【0059】
以上説明したように、第1ないし第3の実施形態によれば、或る程度の期間(休眠期間)をおいて散発的に選択されるメニュー項目(散発選択項目)について「休眠期間中」であるか「使用期間中」であるかを識別する識別情報を識別情報記憶手段204に記憶しておき、当該メニュー項目が入力された時に当該メニュー項目の識別情報を「休眠期間中」に変更する。そして、表示制御手段214が、当該識別情報に基づいて、「使用期間中」にあるメニュー項目を、予め定めた操作表示部20上の所定の領域に表示し、「休眠期間中」にあるメニュー項目を当該所定の領域以外の領域に表示する。これにより、一旦入力された後、再度入力される可能性の低い休眠期間に入ったメニュー項目は、操作表示部20上の上記所定の領域から排除されることとなり、メニュー表示画面におけるメニュー項目選択の際の操作性が向上する。
【符号の説明】
【0060】
1、1’、1’’・・・地図表示装置、2、2’、2’’・・・メニュー表示装置、4・・・表示部、6・・・地図情報記憶部、8・・・制御部、10・・・GPSモジュール、20・・・操作表示部、22、22’、22’’・・・処理部、24、24’・・・記憶部、26・・・タイマ、202・・・項目記憶手段、204、204’・・・識別情報記憶手段、206・・・フラグ記憶手段、208・・・時間記憶手段、210・・・履歴記憶手段、212、212’、212’’・・・識別情報変更手段、214、214’・・・表示制御手段、216・・・算出手段、218・・時間変更手段。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の機能に対応付けられたメニュー項目を表示する表示部と、一の前記メニュー項目を入力する入力部と、を備えるメニュー表示装置であって、
前記メニュー項目が、前記入力部に入力される可能性の高い第1の期間にあるか、又は前記第1の期間よりも前記可能性の低い第2の期間にあるかを示す識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
前記識別情報記憶手段が記憶する識別情報に基づいて、各メニュー項目の表示位置を決定して前記表示部に表示する表示制御手段と、
前記識別情報記憶手段に記憶された前記各メニュー項目の前記識別情報を、前記第1の期間中又は前記第2の期間中であることを示す内容に変更する識別情報変更手段と、
を有し、
前記識別情報変更手段は、前記入力部により一の前記メニュー項目が入力されたときに、前記識別情報記憶手段に記憶された当該入力されたメニュー項目に対応する前記識別情報を、前記第2の期間中であることを示す内容に変更するメニュー表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたメニュー表示装置において、
前記識別情報変更手段が一の前記メニュー項目の前記識別情報を前記第2の期間中であることを示す内容に変更した後の経過時間を計測するタイマと、
前記各メニュー項目が前記入力部に入力された後再度入力されるまでの予測時間であって予め定められた所定の時間を記憶する時間記憶手段と、
を有し、
前記識別情報変更手段は、一の前記メニュー項目についての前記識別情報を前記第2の期間中であることを示す内容に変更した後、前記タイマが計測した前記一のメニュー項目についての前記経過時間が、前記時間記憶手段が記憶する前記一のメニュー項目についての前記所定の時間に到達したか否かを判断し、到達したときに、前記一のメニュー項目についての前記識別情報を第1の期間中であることを示す内容に変更するメニュー表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたメニュー表示装置において、
前記第2の期間は、複数の期間に分割して構成され、
前記識別情報記憶手段が記憶する前記識別情報は、前記複数の期間のいずれの期間中であるかを示す情報を保持し、
前記識別情報変更手段は、前記所定の時間に到達するまでの間に、前記識別情報を前記複数の期間のうち一の期間中にあることを示す内容に順次変更するメニュー表示装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載されたメニュー表示装置において、
前記メニュー項目が前記入力部により入力された履歴を、前記メニュー項目毎に記憶する履歴記憶手段と、
前記履歴記憶手段が記憶する前記履歴から前記各メニュー項目の入力間隔を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記各メニュー項目の入力間隔に基づいて、前記時間記憶手段が記憶する前記所定の時間を変更する時間変更手段と、
を有するメニュー表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載されたメニュー表示装置において、
前記各メニュー項目について、前記識別情報の変更を行うか否かを示すフラグを記憶するフラグ記憶手段を有し、
前記識別情報変更手段は、前記フラグ記憶手段が記憶するフラグにより前記識別情報の変更を行なうものとされている前記メニュー項目について、前記識別情報の内容を変更するメニュー表示装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載されたメニュー表示装置において、
前記メニュー項目に対応付けられた前記特定の機能は、現在位置の位置情報を用いて実行される機能であるメニュー表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載されたメニュー表示装置において、
現在時刻を出力するタイマと、
前記各メニュー項目の前記識別情報を、それぞれ第1の期間中及び第2の期間中であることを示す内容に変更する第1の時刻及び第2の時刻を記憶する記憶手段と、
を有し、
前記識別情報変更手段は、さらに、前記タイマが出力する現在時刻が、前記記憶手段の記憶する一の前記メニュー項目についての第1の時刻又は第2の時刻と一致したときに、当該メニュー項目の前記識別情報を、それぞれ、第1の期間中又は第2の期間中であることを示す内容に変更するメニュー表示装置。
【請求項8】
特定の機能に対応付けられたメニュー項目を表示する表示部と、一の前記メニュー項目を入力する入力部と、を備えるメニュー表示装置におけるメニュー表示方法であって、
前記メニュー項目が、前記入力部に入力される可能性の高い第1の期間にあるか、又は前記第1の期間よりも前記可能性の低い第2の期間にあるかを示す識別情報を記憶手段に記憶する工程と、
前記記憶手段が記憶する識別情報に基づいて、各メニュー項目の表示位置を決定して前記表示部に表示する工程と、
前記記憶する工程において前記記憶手段に記憶された前記各メニュー項目の前記識別情報を、前記第1の期間中又は前記第2の期間中であることを示す内容に変更する工程と、
を有し、
前記変更する工程では、前記入力部により一の前記メニュー項目が入力されたときに、前記記憶する工程において前記記憶手段に記憶された当該入力されたメニュー項目に対応する前記識別情報を、前記第2の期間中であることを示す内容に変更するメニュー表示方法。
【請求項9】
特定の機能に対応付けられたメニュー項目を表示する表示部と、一の前記メニュー項目を入力する入力部と、を備えるメニュー表示装置のコンピュータを、
前記メニュー項目が、前記入力部に入力される可能性の高い第1の期間にあるか、又は前記第1の期間よりも前記可能性の低い第2の期間にあるかを示す識別情報を記憶装置に記憶させる手段と、
前記記憶装置が記憶する識別情報に基づいて、各メニュー項目の表示位置を決定して前記表示部に表示する表示制御手段と、
前記記憶装置に記憶された前記各メニュー項目の前記識別情報を、前記第1の期間中又は前記第2の期間中であることを示す内容に変更する識別情報変更手段、
として機能させるプログラムであって、
前記識別情報変更手段は、前記入力部により一の前記メニュー項目が入力されたときに、前記記憶装置に記憶された当該入力されたメニュー項目に対応する前記識別情報を、前記第2の期間中であることを示す内容に変更するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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