説明

メントール含有混合物

【課題】本発明は、20℃なる温度および常圧において既に液体状態にある、メントール-含有混合物を提供することを課題とする。
【解決手段】101325Paなる圧力および20℃またはそれ以上の温度にて液体である混合物であって、ラセミ型d,l-メントールおよび場合により付随的なl-メントールを、合計量として72.0〜85.0質量%なる範囲の量で;d,l-イソメントールを、7.5〜20.0質量%なる範囲の量で;第一のアルキレンジオールおよび場合により1または複数の更なるアルキレンジオールを、全体として7.0〜11.0質量%なる範囲の量で;および更なる成分を、0〜2.0質量%なる範囲の合計量にて含むか、あるいはこれらのみからなり、前記質量%で表される量が、前記混合物の全質量を基準とするものであることを特徴とする、前記混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として新規な混合物に係り、該混合物は、該混合物の全質量に対して、以下の成分:
・全体として72.0〜85.0質量%なる範囲の量の、ラセミ型d,l-メントールおよび随意の付随的なl-メントール;
・7.5〜20.0質量%なる範囲の量のd,l-イソメントール;
・全体として7.0〜11.0質量%なる範囲の量の、第一のアルケンジオールおよび随意の1種のまたは複数の更なるアルケンジオール;および
・全体として0〜2.0質量%なる範囲の量の更なる成分;
を含むか、またはこれら成分のみからなり、また以下において「常圧」とも呼ばれる101325Paなる圧力および20℃またはそれ以上の温度にて液体である。
【0002】
本発明は、更に(i) 本発明の混合物および更なる成分を含むか、あるいは(ii) 本発明の混合物および更なる成分を混合し、あるいはこれら成分を相互に接触させることにより製造できる生成物にも係り、ここで該生成物の更なる成分は、メントールおよび/またはイソメントールを含まず、また好ましくはアルキレンジオールを含まないものである。
本発明は、更にメントール-含有製品、好ましくは本発明による生成物を製造するための方法にも係る。
本発明のもう一つの局面は、第一のアルキレンジオールおよび随意の1種または複数の更なるアルキレンジオールと混合されたd,l-メントールの、場合により付随的なl-メントールの存在下で、該d,l-メントールの融点を、101325Paなる圧力にて、即ち常圧下で、好ましくは20℃またはそれ以下の温度まで下げるための手段としての使用に関する。
本発明の更なる局面は、以下の説明、例示的実施態様および添付した特許請求の範囲から理解することができる。
【背景技術】
【0003】
該着香材料であるメントールは、特に、皮膚および粘膜における涼味を持つ爽快感を生出すという、その優れた性質のために、風味付与製品、特に歯科衛生製品、チューインガムおよび清涼感を与えるスイーツに対して使用される、最も重要な物質の一つである。
メントールは、所望の用途に応じて、主としてエナンチオマー的に純粋なl-型(l-メントール)として使用されるが、ラセミ体(d,l-型;d,l-メントール)としても使用される。(純粋な)l-メントールは、42.5℃なる融点を有する。d,l-メントールの融点は、34〜36℃なる範囲にある(Beilstein, Hdb. Org. Chem., 第4版, 第2追補, 第VI巻, スプリンガーベルリン(Springer Berlin), 1944, p.40; p.49)。
迅速な冷却により、l-メントールおよびd,l-メントール両者から、第一に、上記のものよりも低い融点を持つ、準安定な変性体を製造することが可能である。該(準安定な)変性体は、しかし保存中にあるいは熱処理によって、より高い融点を持つ、より安定性の高い変性体に変換される(F.E. Wright, J. Amer. Chem. Soc., 1917 (39), 1515; M. Kuhnert-Brandstatter, R. Ulmer, L. Langhammer, Arch. Pharm., 1974 (307), 497-503)。
【0004】
通常の保存温度において、即ち特に0〜30℃なる範囲の温度において、l-メントールおよびd,l-メントールは、結晶性固体形状にある。
メントール、特にl-メントールおよびd,l-メントールの加工においては、その用途に依存して、固体、結晶状態にあるのではなく、寧ろ液体状態にあるメントールを使用することが、しばしば必要となる。集合体のこの液体状態は、特に着香物質の製剤(例えば、香料濃縮物)の製造においてメントールを添加する際の、より単純かつより正確な計量および着香した製品を製造するために、着香すべき媒体またはペーストへのより良好な配合を可能とする。
液体形状で使用するために、現在までは、メントールはしばしば最初に溶融され、次いで高温度下で、(液体状態にて)供給されていた。しかし、この操作は、特別な装置の使用を必要とし、また著しくエネルギー消費量の高いものである。
その結果、該着香材料の加工工業においては、20℃程度の周囲温度にて、既に液体状態で処理し得る、メントールまたはメントール混合物を提供する必要がある。
【0005】
このための様々な方法が、公知技術において記載されているが、これらの方法は、しばしばかなりの欠点を有している。
例えば、所定の加工温度においてメントールを液体状態で使用することを可能とする溶液を得るために、メントールを適当な溶媒に溶解することは周知である。しかし、この方法の欠点の一つは、比較的多量の溶媒を必要とする点にある。一方において、得られるメントールの希薄液は、その所望の効果を減じてしまう。他方において、着香物質の製剤(例えば、香料濃縮物)の製造において、または着香した製品(例えば、練歯磨粉およびチューインガム)を製造するために、着香すべき媒体またはペーストに対して配合する際に、この多量の溶媒使用の必要性は、多くの問題をもたらす。従って、この極めて多量の溶媒の使用は、例えばしばしば幾つかの製品の流動性または粘度における望ましからぬ変動をもたらす。
【0006】
従って、例えば(僅かに)10質量%なる量での、食品の香味付けにとって許容される溶媒である1,2-プロピレングリコールの、d,l-メントールへの添加は、常圧(101325Pa)および25℃以下の温度にて固体状態にある混合物を生成する。常圧および20℃なる温度にて既に液体状態にある混合物を得るためには、1,2-プロピレングリコールの量を大幅に高めることが必要である。しかし、これは、該出発物質に対して、即ち純粋なメントールに対して、望ましからぬ程度にまで、メントールの官能特性を減じてしまうという欠点を持つ。その上、このように高い比率の溶媒は、(完成された)製品の配合に係る問題へと導く恐れがある。
従って、該着香物質の加工工業においては、特に、20℃なる温度および常圧において既に液体状態にあり、しかも該着香物質の官能効果が、純粋なメントール、特に純粋なl-メントールまたはd,l-メントールに対して減じられず、または実質的に減じられることのない、メントール-含有混合物に対する需要がある。ここでは更に、該混合物の全質量に対する該溶媒の比率は、好ましくは10質量%またはそれ以下の範囲内にある。
メントールの融点を下げるための、公知技術から知ることのできる一つの可能性は、異なるメントール異性体の混合物を使用することである。
【0007】
例えば、d,l-メントールとl-メントールとを混合することにより得ることのできる最低融点(共融点)が、約30℃であることが、d-メントールおよびl-メントールの融点図から理解することができる(M. Kuhnert-Brandstatter, R. Ulmer, L. Langhammer, Arch. Pharm., 1974 (307), 497-503を参照のこと)。これに比して、該純粋なエナンチオマーの融点は、42.5℃である。該共融点における組成は、68質量%のl-メントールおよび32質量%のd-メントールなる混合比に相当し、これは更に64質量%のd,l-メントール(ラセミ型)および36質量%の(純粋な)l-メントールなる混合比に相当する。
しかし、本発明者等の独自の検討によれば、所定量の溶媒、即ち最大10質量%なる量の1,2-プロピレングリコールを、共融点における該組成物(前章を参照のこと)に添加したとしても(以下の実施例1.3、第三の混合物参照)、その融点を23℃まで下げ得るに過ぎず、所望の範囲:≦20℃まで下げることはできない。
【0008】
もう一つの方法が、JP2008-220048に記載されている。そこにおいては、l-メントールに対してd-ネオメントールを添加することにより、l-メントールの晶出を回避できることが報告されている。そのために、該組成物中のl-メントールの質量割合に対して、約4質量%なる比率のd-ネオメントールの使用が推奨されている。しかし、このような手順は、メントールの爽快な冷却効果が、ネオメントールの顕著な土-カビ臭さという特徴のために、認知不可能なまでに劣化されるという欠点を持つ(cf. R. Emberger, R. Hopp, 風味研究における問題(Topics in Flavor Research), R.G. Berger, S. Nitz, P. Schreier, H. Eichhorn編, マルツリング-ハンゲアム(Marzling-Hangenham), 1985, p. 201-218)。従って、l-メントールまたはd,l-メントールに対するd-ネオメントールの添加は、官能上の考察によれば望ましくない。
WO 2007/115593は、+5℃以下の凝固点を持つ冷却または香味付与剤として、メンチルラクテート、ネオメントールおよびメントールの混合物を開示している。ここで、ネオメントール対メントールの質量比は、1:1.25〜1:2.5なる範囲内にある。
US 2004/018954は、メントールとメンチルラクテートとを含む組成物および該組成物の冷却または香味付与剤としての使用を開示している。該組成物は、メントールおよびメンチルラクテートを、1:4〜4:1なる範囲の質量比にて含み、またその結晶点は、25℃なる周囲温度以下である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明が達成しようとする第一の目的は、20℃なる温度および常圧において既に液体状態にある、メントール-含有混合物を提供することにあり、ここでこの混合物の更なる成分は、好ましくはメントールの官能効果(上記のような)を全く劣化させず、最悪でも僅かに劣化させるに過ぎない。より好ましくは、溶媒の割合が、上記の問題を引起す程高いものであってはならない、このような混合物が、提供されるべきである。
本発明のもう一つの目的は、新規なメントール-含有製品および新規なメントール-含有製品の製法を提供することにある。
本発明との関連で実現すべき更なる目的は、以下の説明、添付した実施例および特許請求の範囲から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明により実現すべき上記第一の目的は、101325Paなる圧力、即ち常圧および20℃またはそれ以上の温度にて液体である混合物によって実現され、該混合物は以下の成分:
合計量として72.0〜85.0質量%なる範囲の量の、ラセミ型d,l-メントールおよび場合により付随的にl-メントール;
7.5〜20.0質量%なる範囲の量の、d,l-イソメントール;
全体として7.0〜11.0質量%なる範囲の量の、第一のアルキレンジオールおよび場合により1または複数の更なるアルキレンジオール;および
全体として0〜2.0質量%なる範囲の量の更なる成分;
含むか、あるいはこれらのみからなり、
ここで、前記質量%で表される量は、前記混合物の全質量を基準とするものである。
従って、本発明の混合物は、d-メントールおよびl-メントール両者を含み、ここでl-メントールの量は、d-メントールの量に対して、等モル量または等モル量を越えるものである。
本発明の混合物は、20℃またはそれ以上の温度にて、即ち20℃なる温度、およびそれ以上の温度両者において液体(常圧で)である。(本件明細書に記載されるような)本発明による混合物の特に好ましい態様においては、しばしば20℃未満の融点さえも実現される。しかし、これは予想されることではなく、寧ろ以下において更に詳細に説明するように、極めて驚くべきことであった。
【発明を実施するための形態】
【0011】
イソメントールは、明らかに、官能的目的に対して、d-メントールよりも適切なプロフィールを持つ(上記記載を参照のこと)が、メントールの融点よりも実質的に高い融点を有している。即ち、(本発明の混合物中に含まれているような)d,l-メントールの融点は、52〜53℃なる範囲内にあり、d-メントールの融点は、実に82.5℃である(Beilstein, Hdb. Org. Chem., 第4版, 第2追補, Vol. VI, スプリンガーベルリン(Springer Berlin),1944, p.51)。従って、7.5〜20質量%なる範囲の量でd,l-メントールを含む、(上記の如き)本発明の混合物は、常圧、20℃なる温度において、既に液体状態にあることは、予想もされなかった。特に、d,l-メントールの添加が、d,l-メントールおよび随意の付随的なl-メントールを含有する混合物の融点を、所定の程度まで低下するのに寄与し得ることは予想もされなかった。比較例において我々が確立したように、50質量%のd,l-メントールと50質量%のd,l-イソメントールとの混合物(付随的な溶媒なしに)は、36.5℃なる融点を持つ。80質量%のd,l-メントールと20質量%のd,l-イソメントールとの混合物(付随的な溶媒なしに)に関して、常圧におけるその融点は、34.5℃であることが分かった。25〜50質量%のl-メントール、65〜40質量%のd,l-メントールおよび10質量%のd,l-イソメントールを含む混合物の融点も、我々独自の検討によれば、同様に33〜34℃なる範囲内であった。
【0012】
特に、d,l-メントールおよび場合により付随的なl-メントールを含む混合物の融点が、7.5〜20質量%のd,l-イソメントールおよび更に7.0〜11質量%のアルケンジオールを添加することにより下げることができ、結果として(本発明による)混合物が得られ、この混合物が、常圧(101325Pa)の下で、20℃なる温度において既に液体状態にあることは驚くべきことであった。このことは、例えばd,l-メントールに対する10質量%の1,2-プロピレングリコールの添加が、最大で10℃の融点降下を導くに過ぎず、またd,l-メントールとl-メントールとの共融混合物に対する10質量%の1,2-プロピレングリコールの添加が、最大で7℃の融点降下を導くに過ぎないことから、驚くべきことである(以下に与えられる実施例1.2および1.3を参照のこと)。
(本件明細書に記載されるような)本発明の混合物に関して、その融点は、有利には、追加のd,l-イソメントールを含まない、l-メントール(および場合によりd,l-メントール)およびプロピレングリコールの混合物に対して、約15℃またはそれ以上低下する。
本発明の目的にとって、特に、d,l-メントールおよび場合によりl-メントールの合計量に対するd,l-イソメントールの量は、5〜25質量%なる範囲にあることが好ましく、該d,l-イソメントールの量は、より好ましくは10〜20質量%なる範囲にある。7.5〜10質量%のアルキレンジオール、例えば1,2-プロピレングリコールとの組合せにおいて、本発明の混合物が有利に得られ、その融点は実に20℃以下である。
【0013】
本発明の目的にとって、該1種のアルキレンジオールまたは1種の、複数のまたは全ての該アルキレンジオールが、2〜6個の炭素原子を持つアルキレングリコールからなる群から選択される、本発明の混合物が、特に好ましい。
特に好ましくは、前記の、または前記1種の、複数のまたは全てのアルキレンジオールは、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコールおよび1,2-ヘキシレングリコールからなる群から選択される。
一般的に、本発明の混合物における該アルキレンジオールまたは該1種の、複数のまたは全てのアルキレンジオールは、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびヘキシレングリコールからなる群から選択される。
本発明の混合物が、d,l-メントールと共に追加のl-メントールを含む場合、該d,l-メントールとl-メントールとの質量比は、1:4より大きく、好ましくは1:2より大きいことが特に好ましい。
【0014】
本発明の特に好ましい一局面によれば、本発明の混合物において、該混合物中のd,l-メントールおよびl-メントールの全質量に対して、該l-メントールの質量基準での割合は、好ましくは0〜80質量%なる範囲、特に好ましくは0〜60質量%なる範囲内にある。より好ましくは、本発明の混合物中の該l-メントールの割合は、該混合物の全質量に対して、0〜51質量%なる範囲内にある。
本発明に係るもう一つの局面によれば、全体として61〜89質量%なる範囲、好ましくは71〜84質量%なる範囲の量の、(ラセミ型)d,l-メントールおよび随意の付随的な(純粋)l-メントール;4〜24質量%なる範囲、好ましくは6〜24質量%なる範囲の量のd,l-イソメントール;および全体として6〜19質量%なる範囲の量の第一のアルキレンジオール(例えば、1,2-プロピレングリコール)および場合により1種または複数種の更なるアルキレンジオール、好ましくは6〜11質量%なる範囲の量の1,2-プロピレングリコールを含むか、あるいはこれら成分のみからなる混合物が提供される。従って、このような混合物の好ましい態様に関連して、以下のことが当てはまる。
【0015】
本発明の目的にとって、本発明の(上記の如き)混合物は、以下のような成分:
・72.0〜85.0質量%なる範囲の量のラセミ型d,l-メントール;
・7.5〜20.0質量%なる範囲の量のd,l-イソメントール;
・7.0〜11.0質量%なる範囲の量の1,2-プロピレングリコール;および
・全体で0〜2.0質量%なる範囲の量の更なる成分
のみからなり、あるいはこれら成分を含み、ここで該質量%表示された量は、該混合物の全質量を基準とするものである。該混合物は、好ましくはd,l-メントールと共に、如何なる追加の(純粋な)l-メントールをも含むことはない。
本発明のもう一つの好ましい態様は、以下のような本発明の混合物に係り、即ち該混合物は、以下に列挙する成分:
・48〜57質量%なる範囲の量のラセミ型d,l-メントール;
・21.0〜32.0質量%なる範囲の量の付随的なl-メントール;
・8.0〜14.0質量%なる範囲の量のd,l-イソメントール;
・7.0〜11.0質量%なる範囲の量の1,2-プロピレングリコール;および
・全体で0〜2.0質量%なる範囲の量の更なる成分
のみからなり、あるいはこれら成分を含み、ここで該質量%表示された量は、該混合物の全質量を基準とするものである。
【0016】
本発明の好ましい一態様によれば、本発明の混合物は、更なる成分を全く含まず(0質量%)、即ち本発明のこの局面によれば、本発明の混合物は、好ましくは上記の量のラセミ型d,l-メントールおよび場合により付随的な純l-メントール、上記の量のd,l-イソメントールおよび上記の量の1種または複数のアルキレンジオールからなる。
有利には、本発明の混合物は、着香製剤、特に香味料濃縮物の製造において容易に処理でき、また正確に秤量でき、また更には着香すべき媒体およびペースト中に配合する際の良好な取扱い性を与える。本発明の混合物のもう一つの利点は、これらが11質量%またはそれ以下のアルキレンジオールを含むに過ぎないことにある。というのは、上記の如く、多量の溶媒の使用が、幾つかの媒体およびペーストに係る、あるいは(最終)製品の処方における問題を生じる可能性があるからである。
比較テストにおいて示されるように、本発明による混合物のもう一つの利点は、これらが、純粋なd,l-メントールに匹敵する、全体としての官能上の印象を与える点にある。
【0017】
従って、本発明の混合物は、着香製剤の成分として、あるいは着香すべき製品の成分として有利かつとりわけ適したものである。本発明の混合物は、着香製剤、化粧料、および栄養補給しおよび/または爽快感を得るために使用される調製物、特に従来は(結晶性)メントールを含んでいた調製物において使用するのに、特に適している。
従って、本発明のもう一つの局面は、
(i) 本発明の混合物および更なる成分を含む製品、あるいは
(ii) 本発明の混合物と更なる成分とを混合するか、あるいはこれらを接触させることにより製造できる製品に係り、ここで該製品の更なる成分は、メントールおよび/またはイソメントールを含まず、また好ましくはアルキレンジオールを含まないものである。
【0018】
好ましくは、該製品は、着香製剤、化粧用製剤、栄養摂取および/または快適さを得るために使用される調製物(例えば、タバコ製品)、好ましくは直ぐに消費または使用できる調製物、特に飲料および咀嚼可能な食糧品、特にチューインガムおよび咀嚼性スイーツ(例えば、清涼性スイーツ)、口腔衛生製品および歯科衛生製品、特に練歯磨粉および歯科衛生用チューインガム、香料(芳香放出性物質の混合物)、調剤化学的および皮膚科学的製品、カプセル化されたメントール-含有調剤、家庭用品からなる群から選択される。
調剤化学的および皮膚科学的製品および化粧用調剤において、好ましくは本発明の混合物は、浸透増強剤として機能する。浸透増強剤は、活性物質の皮膚障壁またはその部分への浸透性、または活性物質の皮膚障壁またはその部分に対する透過性を改善する物質である。ここで、該皮膚障壁またはその部分とは、特に角質層である。
従って、本発明の製品は、第一の局面によれば、好ましくは着香製剤であり、これは本発明の混合物とは別に、1種または複数の更なる成分、1種または複数の更なる着香物質を含む。
【0019】
本発明による着香製剤は、好ましくは口腔衛生用製品、歯科衛生用製品およびチューインガムを着香するために使用される、着香製剤である。
本発明のもう一つの局面によれば、上記のような本発明の製品は、好ましくは化粧用調剤、栄養摂取および/または快適さを得るために使用される調製物である。このような本発明の製品は、また(本発明による)着香製剤をも含むことができ、従って(上記の如き)本発明の混合物を含む。該製品は、好ましくは口腔衛生用製品、歯科衛生用製品またはチューインガムである。
特に好ましくは、上記の如き(本発明による)着香製剤は、ユーカリ、ペパーミント、スペアミント、シナモン、冬緑油および/または柑橘類香味特性を持つ。
本発明の混合物と有利に組合せることのできる着香物質(例えば、(上記のような)本発明による着香製剤における)を以下に述べる:
使用に適した着香物質は、基本的に天然の原料物質、例えば植物から得られる抽出物および精油、またはこれらから得られる画分およびこれらから単離された物質、並びに合成によりあるいはバイオテクノロジーにより得られる個々の着香物質である。
【0020】
好ましい天然産の原料物質は、ペパーミント油、スペアミント油、薄荷油、アニス油、クローブ油、シトラス油、桂皮油、冬緑油、カッシア油、ダバナ(davana)油、トウヒ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、ガルバヌム油、ジンジャー油、カミルレ油、キャラウェー油、ローズ油、ゼラニウム油、セージ油、ヤロー(ノコギリソウ)油、スターアニス油、タイム油、杜松油、ローズマリー油、アンジェリカ油、およびこれらオイルの画分からなる群から選択される。
本発明の混合物と共に、更なる着香物質または更なる着香物質の混合物として使用し得る、好ましい個々の化合物は、好ましくはアネトール、メントン、イソメントン、メンチルアセテート、メントフラン、メンチルメチルエーテル、ミント-ラクトン、ユーカリプトール、リモネン、オイゲノール、ピネン、サビネン水和物、3-オクタノール、カルボン、γ-オクタラクトン、γ-ノナラクトン、ゲルマクレン(germacrene)-D、ビリジフロロール(viridiflorol)、1,3E,5Z-ウンデカトリエン、イソプレゴール、ピペリトン、2-ブタノン、エチルフォルメート、3-オクチルアセテート、イソアミルイソバレレート、ヘキサノール、ヘキサナール、cis-3-ヘキセノール、リナロオール、α-テルピネオール、cis-およびtrans-カルビル(carvyl)アセテート、p-シメン、チモール、4,8-ジメチル-3,7-ノナジエン-2-オン、ダマセノン、ダマスコン、ローズオキシド、ジメチルスルフィド、フェンコール、アセタルデヒド-ジエチルアセタール、cis-4-ヘプテナール、イソブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、cis-ジャスモン、アニスアルデヒド、メチルサリチレート、ミルテニル(myrtenyl)アセテート、8-オシメニルアセテート、2-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルイソブチレート、2-フェニルエチルイソバレレート、シンナムアルデヒド、ゲラニオール、およびネロールからなる群から選択される。キラル化合物の場合において、上記の着香物質は、ラセミ体の形状、個々のエナンチオマーとして、あるいはエナンチオマーに富む混合物として存在し得る。
【0021】
本発明において使用するのに好ましい追加の着香物質は、1,8-シネオール(ユーカリプトール)、メントン、カルボン、シンナムアルデヒドおよび/またはメチルサリチレートである。
当然、上記着香物質は、その混合物として使用することができる。従って、(本発明による)着香物質の製剤は、更なる成分として以下に列挙する物質を含むものであることが好ましい:
・ユーカリプトールを含むユーカリ樹香料;および/または
・メントンを含む、ペパーミント香料;および/または
・カルボンを含む、スペアミント香料;および/または
・シンナムアルデヒドを含む、シナモン香料;および/または
・メチルサリチレートを含む、ウインターグリーン香料。
【0022】
幾つかの場合において、本発明の製品、特に着香物質の製剤は、付随的に、強いまたは鮮明な風味を持つか、あるいは皮膚および粘膜に対して温かみまたは辛味を生じ、あるいは口腔および咽頭口にピリピリ感またはヒリヒリ感を生じる着香物質、例えばパプリカ粉末、チリペッパー粉末、パプリカ抽出物、トウガラシ抽出物、チリペッパー抽出物、ジンジャー抽出物、パラダイス種子[アフラモマムメレゲタ(Aframomum melegueta)]抽出物、オランダセンニチ[ジャンブルオレオレジン(jambul oleoresin)、センニチモドキ(Spilanthes acmella)、またはキバナノオランダセンニチ(Spilanthes oleracea)]の抽出物、サンショウ[キサントキシラムピペリタム(Xanthoxylum piperitum)の抽出物、ケンペリアガランガ(Kaempferia galanga)の抽出物、アルピニアガランガ(Alpinia galanga)の抽出物、ヤナギタデ[ポリゴニウムヒドロピパー(Polygonium hydropiper)]の抽出物、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ジンゲロール(gingerol)、パラドール(paradol)、ショーガオール、ピペリン、サーンシュール(saanshool)-I、サーンシュール-II、サンショアミド、スピラントール、カルボン酸-N-バニリルアミド、特にノナン酸-N-バニリルアミド、2-ノネン酸アミド、特に2-ノネン酸-N-イソブチルアミド、2-ノネン酸-N-4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニルアミド、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、特に4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル-n-ブチルエーテル、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3,4-ジメトキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3,4-メチレンジオキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、バニリンのアセタール、エチルバニリンのアセタール、イソバニリンのアセタール、(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)酢酸アミド、特に(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)酢酸-N-n-オクチルアミド、アリルイソチオシアネート、ニコチンアルデヒド、メチルニコチネート、プロピルニコチネート、2-ブトキシエチルニコチネート、ベンジルニコチネート、1-アセトキシカビコールを含むことが好ましい。
【0023】
更に、本発明による(上記の)混合物は、皮膚および/または粘膜に生理的な冷却効果をもたらす物質と有利に組合せることができる。
【0024】
従って、本発明の製品は、好ましくは、生理的な冷却効果を持つ、1種または複数の(更なる)物質を付随的に含む。該1または複数の更なる物質は、好ましくは以下に列挙する化合物からなる群から選択される:メンチルエーテル(例えば、(l-メントキシ)-1,2-プロパンジオール、(l-メントキシ)-2-メチル-1,2-プロパンジオール、l-メンチルメチルエーテル)、メンチルエステル(例えば、メンチルフォルメート、メンチルアセテート、メンチルイソブチレート、メンチルラクテート、好ましくはL-メンチルラクテート、L-メンチル-L-ラクテート、L-メンチル-D-ラクテート、メンチル-(2-メトキシ)アセテート、メンチル-(2-メトキシエトキシ)アセテート、メンチルピログルタメート)、メンチルカーボネート(例えば、メンチルアルキルカーボネート、メンチルプロピレングリコールカーボネート、メンチルエチレングリコールカーボネート、メンチルグリセロールカーボネートまたはこれらの混合物)、メントールとジカルボン酸またはその誘導体との半-エステル(例えば、モノ-メンチルサクシネート、モノ-メンチルグルタレート、モノ-メンチルマロネート、O-メンチルコハク酸エステル-N,N-(ジメチル)アミド、O-メンチルコハク酸エステルアミド)、メンタンカルボン酸アミド(例えば、メンタンカルボン酸-N-エチルアミド[WS-3]、メンタンカルボン酸-N-(4-メトキシフェニル)-アミド[WS-12]、Nα-(メンタン-カルボニル)グリシンエチルエステル[WS-5]、メンタンカルボン酸-N-(4-シアノフェニル)アミド、メンタンカルボン酸-N-(アルコキシアルキル)アミド)、メントンおよびメントン誘導体(例えば、L-メントングリセロケタール等のメントンケタール)、2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)ブタン酸誘導体(例えば、2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)ブタン酸-N-メチルアミド[WS-23])、イソプレゴールまたはそのエステル(例えば、l-(-)-イソプレゴール、l-(-)-イソプレゴールアセテート)、メンタン誘導体(例えば、p-メンタン-3,8-ジオール)、クベボール(cubebol)またはクベボールを含有する合成または天然産混合物、シクロアルキルジオン誘導体のピロリドン誘導体(例えば、3-メチル-2-(1-ピロリジニル)-2-シクロペンテン-1-オン)またはテトラヒドロピリミジン-2-オン(例えば、WO 2004/026840に記載されているようなイシリン(icilin)または関連化合物)、N-(4-シアノメチルフェニル)-p-メンタン-カルボキサミド、N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)-3-p-メンタン-カルボキサミド、酢酸-2-(メチルアミノ)-2-オキソ-、5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキシルエステル、酢酸-2-(エチルアミノ)-2-オキソ-、5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキシルエステル。メントール骨格構造に基く冷却効果を持つ物質は、好ましくは、特にl-メントールの誘導体である。
【0025】
生理的な冷却効果を持つが、何らかのまたは何らかの重要な味覚作用を同時に与えることのない、1種または複数の生理的な冷却効果を持つ(更なる)物質を使用することが好ましい。生理的な冷却効果を持つ好ましい物質は、従って以下に列挙する化合物からなる群から選択される:メンチルエーテル(例えば、(l-メントキシ)-1,2-プロパンジオール、(l-メントキシ)-2-メチル-1,2-プロパンジオール)、より極性の高いメンチルエステル(例えば、メンチルラクテート、L-メンチル-L-ラクテート、L-メンチル-D-ラクテート、メンチル-(2-メトキシ)アセテート、メンチル-(2-メトキシエトキシ)アセテート、メンチルピログルタメート)、メンチルカーボネート(例えば、メンチルプロピレングリコールカーボネート、メンチルエチレングリコールカーボネート、メンチルグリセロールカーボネート)、メントールとジカルボン酸またはその誘導体との半-エステル(例えば、モノ-メンチルサクシネート、モノ-メンチルグルタレート、モノ-メンチルマロネート、O-メンチルコハク酸エステル-N,N-(ジメチル)アミド、O-メンチルコハク酸エステルアミド)、本発明によらないメンタン-カルボン酸アミド(例えば、メンタンカルボン酸-N-エチルアミド[WS-3]、メンタンカルボン酸-N-(4-メトキシフェニル)-アミド[WS-12]、Nα-(メンタン-カルボニル)グリシンエチルエステル[WS-5]、メンタンカルボン酸-N-(4-シアノフェニル)アミド、メンタンカルボン酸-N-(アルコキシアルキル)アミド)、メントン誘導体(例えば、L-メントングリセロケタール)、2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)ブタン酸誘導体(例えば、2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)ブタン酸-N-メチルアミド)、シクロアルキルジオン誘導体のピロリドン誘導体(例えば、3-メチル-2-(1-ピロリジニル)-2-シクロペンテン-1-オン)、2,2,2-トリ酢酸アミド(例えば、2,2-ジイソプロピルプロピオン酸メチルアミド)またはテトラヒドロピリミジン-2-オン(例えば、WO 2004/026840に記載されているようなイシリン、イシリン誘導体または関連化合物)。
本発明の製品が、(随意に)含むことのできる物質および賦形剤は、例えば以下に列挙するものである:
【0026】
保存剤、好ましくはUS2006/0089413において述べられている保存剤、研磨剤、抗-挫創剤および皮脂を減じるための薬剤、好ましくはWO 2008/046791に述べられているもの、皮膚の老化を防止する薬剤、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、抗菌剤、抗-小胞炎剤、フケ防止剤、好ましくはWO 2008/046795に述べられているもの、抗炎症剤、刺激を防止する薬剤、抗-刺激剤(抗-炎症剤、刺激防止剤および刺激を防止する薬剤)、好ましくはWO 2007/042472およびUS 2006/0089413に述べられているもの、抗菌薬、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、酸化防止剤、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、収斂薬、防腐剤、帯電防止剤、バインダ、バッファー、担体、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、キレート剤、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、細胞刺激剤、清浄化剤、手当て用薬剤、脱毛剤、界面活性物質、脱臭薬および発汗抑制剤、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、可塑剤、乳化剤、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、酵素、精油、好ましくはUS 2008/0070825に述べられているもの、防虫薬、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、繊維、フィルム-形成剤、定着剤、発泡剤、泡安定化剤、消泡剤、泡増強剤、抗-真菌薬、ゲル化剤およびゲル形成剤、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、ヘアケア剤、整髪剤、縮毛矯正剤、モイスチャー調節剤(水和剤、モイスチャライザーおよび/または保湿剤)、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、オスモライト(osmolytes)、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、相溶化性溶質、好ましくはWO 01/76572およびWO 02/15686に述べられているもの、漂白剤、強化剤、染み除去剤、蛍光増白剤、含浸剤、汚れ防止剤、摩擦を減じる薬剤、潤滑剤、モイスチャライジングクリーム、軟膏、不透明化剤、可塑剤、被覆剤、研磨剤、光沢剤、ポリマー、好ましくはWO 2008/046676に述べられているもの、粉末、タンパク質およびタンパク質水解物、好ましくはWO 2005/123101およびWO 2008/046676に述べられているもの、リファッティング(refatting)剤、摩耗剤、皮膚鎮静薬、皮膚清浄化剤、皮膚手当て剤、皮膚治癒剤(皮膚修復剤)、好ましくはコレステロールおよび/または脂肪酸および/またはセラミドおよび/または擬似セラミドを含有するものおよび好ましくはWO 2006/053912に述べられているもの、皮膚明度改善剤、好ましくはWO 2007/110415に述べられているもの、皮膚保護剤、皮膚柔軟化剤、皮膚冷却剤、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、皮膚加温剤、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、安定化剤、UV-吸収剤およびUVフィルタ、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、ベンジリデン-β-ジカルボニル化合物、好ましくはWO 2005/107692に述べられているもの、α-ベンゾイル桂皮酸ニトリル、好ましくはWO 2006/015954に述べられているもの、Ahrレセプタアンタゴニスト、好ましくはWO 2007/128723およびWO 2007/060256に述べられているもの、洗浄剤、織物柔軟剤、懸濁剤、皮膚日焼け剤、好ましくはWO 2006/045760に述べられているもの、増粘剤、ビタミン類、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、オイル、ワックスおよび脂肪、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、リン脂質、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、脂肪酸(飽和脂肪酸、モノ-またはポリ不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸)、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、液化剤、染料および色彩-保護剤および顔料、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、防錆剤、香料および香味物質および芳香性物質、好ましくはS. Arctanderの、香水および芳香性化学物質(Perfume and Flavor Chemicals)と題する刊行物、自己出版物、N.J.州、モンクレール(Montclair), 1969およびSurburg, Pantenの、一般的な芳香性および香味物質(Common Fragrance and Flavor Materials), 第5版、ウイリー(Wiley)-VCH, ワインハイム(Weinheim)2006に列挙されているもの、特にUS 2008/0070825に明瞭に記載されているもの、アルコールおよびポリオール、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、界面活性剤、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、動物抽出物、酵母抽出物、藻類または微小藻類の抽出物、電解質、液化剤、有機溶媒、好ましくはWO 2005/123101に述べられているもの、あるいはシリコーンおよびシリコーン誘導体、好ましくはWO 2008/046676に述べられているもの。
【0027】
経口摂取可能な本発明の製品は、また例えば錠剤(例えば、フィルム-被覆錠剤)、糖衣錠剤、カプセル剤(例えば、ゼラチンカプセル剤)、顆粒剤、ジュース、液剤、エマルション、マイクロエマルション、スプレー剤または他の形状でまたは他の食品として経口摂取し得る製品(これらは、そこに含まれる他の適当な活性物質と共に、「内側からの美」をもたらす)等においても有利である。
更に、本発明による混合物または上記製品、特に着香物質の製剤は、カプセル化された形状であり得、ここで該製剤は、好ましくは固体シェル材料でカプセル化され、該固体シェル材料は、好ましくはデンプン、分解されたまたは化学的もしくは物理的に変性されたデンプン(特にデキストリンおよびマルトデキストリン)、ゼラチン、アラビアゴム、寒天、ガッチガム、ジェランガム、変性および未変性セルロース、プルラン、カードラン、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、イヌリン、ザンタンガムおよび2種またはそれ以上の複数の上記物質の混合物から選択される。
【0028】
好ましくは、該固体シェル材料は、ゼラチン(豚、牛、鶏および/または魚類ゼラチンおよびこれらの混合物が有利であり、好ましくは、200またはそれ以上のブルーム値を持つ、好ましくは240またはそれ以上のブルーム値を持つ、少なくとも1種のゼラチンを含むことが好ましい)、マルトデキストリン(好ましくは、トウモロコシ、小麦、タピオカまたは馬鈴薯から得られるもの;好ましくは、マルトデキストリンは、10〜20なる範囲のDE値を持つ)、変性セルロース(例えば、セルロースエーテル)、アルギン酸塩(例えば、Na-アルギネート)、カラギーナン(β-、ι-、λ-および/またはκ-カラギーナン)、アラビアゴム、カードランおよび/または寒天から選択される。ゼラチンは、特に様々なブルーム値を持つものとしての、その容易な入手性のために、好ましく使用される。シームレスゼラチンまたはアルギネートカプセル(そのシェルは、口腔内で極めて迅速に溶解し、あるいは咀嚼した際に崩壊する)が特に好ましく、また特に経口投与用途に対して好ましい。該カプセルは、例えばEP 0 389 700、US 4,251,195、US 6,214,376、WO 03/055587またはWO 2004/050069に記載されているような方法で製造することができる。
【0029】
上で述べた如く、本発明の一局面によれば、本発明の製品は、好ましくは化粧料調剤でる。本発明において好ましい化粧料調剤の一つは、皮膚科学的な調剤であり、これは(そこに含まれる本発明の混合物とは別に)、通常の組成を有し、また好ましくは、皮膚および/または毛髪のトリートメント、ケアおよび清浄化のための化粧料、特に皮膚科学的な明度の保護用化粧料として、あるいは装飾的な化粧料におけるメイキャップ製品として機能する。同様に、このような調剤は、その構造に依存して、例えば皮膚保護用クリーム、デイクリームまたはナイトクリーム、アイクリーム、サンスクリーンまたはアフターサンローション、ナリシングクリーム、ケアマスク、ゲル-パッド、フェイスローション、モイストケア、クリーニングワイプ、クレンジングミルク、クレンジング石鹸、フォームまたはシャワーゲル、デオドラント製品、発汗抑制剤、ヘアシャンプー、ヘアケア剤、ヘアコンディショナー、ヘアカラーリング剤、ヘアスタイリング剤および好ましくはエマルション、ローション、ミルク、フルイド化粧料、クリーム、水性分散ゲル、バルサム剤、スプレー剤、アルコールまたは水性アルコール溶液、フォーム、パウダー、液体石鹸、ソープバー、シャンプー、ロール-オン剤、スティックまたはメイキャップとして使用することができる。ヘアトリートメント剤において、これは、頭皮に対して直接使用することが好ましい。
【0030】
本発明によるこれら化粧料調剤を使用するためには、該調剤を、十分な量にて、化粧料の通常の方法に従って、皮膚および/または毛髪に適用する。
同様に、本発明による化粧料調剤は、その構造に依存して、好ましくは皮膚ケア剤、例えば皮膚保護クリーム、デイクリームまたはナイトクリーム、サンスクリーン剤、アフターサン調剤(例えば、アフターサンローション)、ケアマスク、ゲル-パッド、フェースローション、モイストケアおよび/または含浸液、化粧ワイプ、クリーニングワイプ、クレンジング石鹸、フォームまたはシャワーゲル、液体石鹸、ソープバー、シャンプー(例えば、2-イン-1シャンプー、フケ防止シャンプー、ボディーシャンプー、乾燥性頭皮用シャンプー、シャンプー濃縮物)、ヘアケア剤、ヘアコンディショナー、ヘアカラーリング剤、ヘアリンス、ヘアスタイリング剤(例えば、ヘアゲル)、デオドラント剤、発汗抑制剤(例えば、ロール-オンまたはスティック)、シェービング用調剤(例えば、アフターシェーブバルサム剤、プレ-シェーブまたはアフターシェーブローション)またはメイキャップ除去剤等として使用することができる。
【0031】
本発明による化粧料調剤は、エマルション、ローション、フルイド、クリーム、マイクロエマルション、ゲル(例えば、水性ゲルまたは水性-分散ゲル)、バルサム、ポンプスプレー、アルコール性または水性-アルコール性溶液の形状にある。
本発明のもう一つの局面は、メントール-含有製品、好ましくは(上記の如き)本発明の製品の製造方法に係り、該方法は、以下の諸工程:
・(上記の如き)本発明による混合物を準備または調製する工程;
・該混合物と更なる成分とを混合しまたはこれらを相互に接触させる工程;
を含む。ここで、該更なる成分は、メントールおよび/またはイソメントールを含まず、また好ましくはアルキレンジオールを含まないものである。
(本発明による)混合物の好ましい態様については、対応的に上記事項があてはまる。更に、相応的に、本発明による製品中に含まれる更なる成分に関連する上記の見解が、該更なる成分に対して当てはまる。
上記の如き方法、即ち該混合物と該更なる成分との混合またはこれらの間の接触が、該混合物の融点よりも高いが、25℃未満であり、好ましくは23℃未満である温度にて起る上記方法が、本発明によれば好ましい。
【0032】
更に、101325Paなる圧力、即ち常圧において、および20℃またはそれ以上の温度において液体状態にある混合物、またラセミ型d,l-メントールおよび場合により付随的なl-メントールを、該混合物の全質量に対して72.0〜85.0質量%なる範囲の量で含む該混合物、また好ましくは(上記の如き)本発明による混合物の製法であって、以下の諸工程:
・全体として72.0〜85.0質量%なる範囲の量の、ラセミ型d,l-メントールおよび場合により付随的なl-メントールを準備または調製する工程;
・該ラセミ型d,l-メントールおよび該随意の付随的l-メントールを、以下の成分:
・7.5〜20.0質量部なる範囲の量のd,l-イソメントール;
・全体として7.0〜11.0質量部なる範囲の量の、第一のアルケンジオールおよび随意の1種または複数の更なるアルキレンジオール;および
・全体として0〜2.0質量部なる範囲の量の、更なる成分
と混合する工程を含み、ここにおいて該質量部で表された量が、該混合物の全質量を基準とするものであり、また得られる該混合物が、101325Paなる圧力および20℃またはそれ以上の温度にて液体となるように、前記割合が調節されることを特徴とする、上記方法が好ましい。
【0033】
特に好ましくは、使用する1またはそれ以上の該アルキレンジオールに係る上記の事項および好ましく使用される該成分の量は、相応的にここでも当てはまる。
従って、該第一のアルキレンジオールまたは1種の、複数のまたは全ての該アルキレンジオールが、2〜6個の炭素原子を持つアルキレングリコールから選択されるような、(上記の如き)本発明の方法が、特に好ましい。
特に好ましくは、該第一のアルキレンジオールまたは該1種の、複数のまたは全てのアルキレンジオールは、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコールおよび1,2-ヘキシレングリコールから選択される。
該第一のアルキレンジオールまたは該1種の、複数のまたは全てのアルキレンジオールが、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびヘキシレングリコールからなる群から選択される、(上記の如き)本発明の方法が一般的に好ましい。
【0034】
上記d,l-メントール対l-メントールの質量基準での比が、1:4よりも大きく、好ましくは1:2よりも大きいような、上記の如き本発明の方法が、特に好ましい。更に、上記のようなd,l-メントール対l-メントールの質量比に関する上記事項は、相応的にここでも当てはまる。
本発明のもう一つの局面は、第一のアルケンジオールおよび随意の1種または複数の更なるアルキレンジオールと混合されたd,l-メントールの、場合により付随的なl-メントールの存在下で、該d,l-メントールの融点を、好ましくは101325Paなる圧力にて20℃またはそれ以下の温度まで下げるための手段としての使用に係る。
医薬製品において、本発明による混合物は、例えば浸透増強剤として作用する。従って、本発明のもう一つの局面は、本発明による混合物の、浸透増強剤としての使用に係る。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を、実施例を基にして更に詳細に説明する。特に述べない限り、全ての量は質量基準の値である。
実施例:
1. 本発明による混合物および比較混合物の調製およびこれら混合物の融点の測定
1.1 一般的な手順
本発明による混合物または比較例混合物の調製
所定量のd,l-メントール、l-メントールおよびd,l-イソメントール(以下の章1.2〜1.6を参照のこと)を溶融し、一緒に併合し、かつ(これらが依然として液体状態にある間に)、1,2-プロピレングリコールを添加した。
以下に記載する全ての量は、各混合物の全質量に対する質量%なる単位で表されているものと理解すべきである。
【0036】
融点測定用のサンプルの調製
該混合物を室温まで冷却した後、該混合物に少量のd,l-メントール結晶を接種し、また場合により該混合物を、顕著な結晶化が開始するまで冷却した。次いで、該混合物を冷却装置内で5℃にて24時間に渡り保存した。
各場合において、サンプルとして、約1gを該混合物から取出し、径1.5cmを持つ丸型の10-g容量のサンプル容器中に入れた。次に、このサンプル容器を、該サンプル量が水位以下となるように、15℃に加熱された水浴に入れた。
融点の測定:
10分間なる期間に渡り、第一段階において、該水浴の温度を0.5℃だけ増大させ、次いでこの温度にて30分間維持した。次に、更なる諸段階において、該水浴の温度を、各場合において0.5℃だけ、対応する時間間隔で増大させた。該混合物または該サンプルの融点は、結晶残渣が、該サンプル内において、最早観測し得なくなった時点の温度として定義される。
以下の混合物を、(上記の如く)調製した。ここで、記載された融点は、(上記のようにして)測定された。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
【表4】

【0041】
【表5】

【0042】
2. 本発明の混合物の官能的評価
2.1 本発明の混合物とd,l-メントール(比較例サンプル)との直接的な比較:
以下の成分を、砂糖ペースト(フォンダン)に、0.05%なる濃度にて配合した:
(1) d,l-メントール(比較例サンプル)または
(2) 81質量%のd,l-メントール、9質量%のd,l-イソメントールおよび10質量%の1,2-プロピレングリコールを含有する本発明の混合物(実施例1.5、No. 2)。
熟練したパネルによる該砂糖ペーストの試食テストは、両サンプル間で極めて類似した評価、即ち典型的なメントール-様の清々しい味覚を与えた。その上、有利なことに、如何なる妨害的な特徴もしくは低下された清涼化効果は、本発明による混合物を含む該砂糖サンプルには見いだされなかった。
【0043】
2.2 香味付けされた最終製品における、本発明による混合物とd,l-メントール(比較例サンプル)との比較
各場合において、0.5質量%の標準的な練歯磨粉用香料[オプタミント(OptamintTM) FLO10529AA、シムライズ社(Symrise AG), ホルツミンデン(Holzminden)]および以下の成分:
(1) 0.5質量%のd,l-メントール、または
(2) 81質量%のd,l-メントール、9質量%のd,l-イソメントールおよび10質量%の1,2-プロピレングリコールを含有する、0.5質量%の本発明による混合物(実施例1.5、No. 2)、
を、サッカリン含有率0.2質量%の、標準的な練歯磨粉用混合物に配合した。これら練歯磨粉を、実際上の条件下で、熟練したパネルによる味覚テストに付した。これらサンプル両者に関する該評価の結果、これらは、夫々匹敵する、混じり気のない、メントール-様の、強力かつ清々しい味覚を与えた。
3. 処方例F1-F14
【0044】
【表6】

【0045】
【表7】

【0046】
【表8】

【0047】
【表9】

【0048】
【表10】

【0049】
【表11】

【0050】
【表12】

【0051】
【表13】

【0052】
【表14】

【0053】
【表15】

【0054】
該チューインガム原料ペースト(Q1)の全ての成分を混合し、型押ししてチューインガムストランドとし、次いで個々のチューインガムのクッション状の製品に成型した。次に、該チューインガムクッションを、回転式被覆ドラム内で、40質量%のアラビアガム溶液で湿潤(ガム化)させた。次いで、このガム化したチューインガムクッションを、混合物A(配合用の混合物、以下を参照のこと)により、回転式被覆ドラム内で被覆した。低温空気で十分に乾燥した後、該被覆されたチューインガムクッションを、一夜乾燥した。該乾燥され、被覆されたチューインガムクッションに該被膜を適用するために、先ず15層の被覆溶液Bを、パン-塗布法により適用した。第16層においては、成分Cと混合物Bとの混合物を適用した。次いで、該被膜(Q2)の全質量が、該元のチューインガムクッション(Q1)の質量の約35質量%となるまで、更なる層を、混合物Bを用いて適用した。チューインガム-被覆錠剤に光沢を付与するために、等質量割合のカルナウバワックスとミツロウとの混合物に基く光沢剤を用いて、最終的な処理を行った。咀嚼した際に、該そのまま使用できるチューンガム-被覆錠剤は、極めて鮮明で、光沢があり、新鮮かつ新規なメントールの風味を、口腔内に生成する。
Q2:被膜
上で述べた質量基準での割合は、該チューインガムクッション(Q1)上に適用した、該被膜(Q2)の全質量を意味し;Q2の全質量は、Q1の質量に対して約35%であった。
【0055】
【表16】

【0056】
【表17】

【0057】
上記表において、香料Bは、以下のような組成を持つ(各場合において質量%単位で表されている):
0.1%のネオタム(neotame)粉末;0.05%のアスパルテーム;29.3%のレモンオイル;29.3%のオレンジオイル;2.97%のスクラロース;2.28%のトリアセチン;5.4%のジエチルタルタレート;12.1%のペパーミントオイルヤキマ(yakima);0.7%のエタノール;3.36%の2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート;3.0%の2-ヒドロキシプロピルメチルカーボネート;0.27%のバニリン;5.5%のD-リモネン;5.67%のL-メンチルアセテート。
直接消費するのに適したゼラチンカプセルは、径5mmを有し、またコア材料対シェル材料の質量比は90:10であった。該カプセルは、口腔内で10秒未満にて開放され、また50秒未満の期間内に完全に溶解した。
【0058】
【表18】

【0059】
製造のための指針:
a) 前記ゼラチンを、水(ゼラチンの量の1.8倍量)により、70℃にて2時間膨潤させる;
b) 前記砂糖、シロップ、水、脂肪およびレシチンを、123℃にて調理する;
c) 該ゼラチン溶液および該調理バッチを、ゆっくりと混合する;
d) 該混合物に、本発明の混合物および上記随意の着色剤を入れて攪拌する;
e) 得られた塊状物の温度を、冷却テーブル上で、約70℃に調節し、次いで上記フォンダンを添加し、約3分間に渡り引張装置内で空気混和処理する;
f) 次に、得られた該咀嚼性スイーツの塊状物を裁断し、包装する。
該咀嚼性スイーツを消費するに際して、これを咀嚼している際に、強いメントールの風味が感知され、またこの咀嚼性スイーツは、快適な口当たりを有していた。
【0060】
【表19】

【0061】
製造のための指針:
上記全ての成分を混合し、適当な装置内で加圧して、圧縮製品を製造する。
【0062】
【表20】

【0063】
製造のための指針(WO 03/092412をも参照のこと):
上記成分の全てを混合し、一点計量用の二軸スクリュー押出機内に供給する。この押出しの温度は、100〜120℃なる範囲にあり、比エネルギー投入量は、0.2kWh/kgである。1-mmの孔を持つ、該押出機のノズルプレートから出てくるストランドを、回転ブレードにより、該ノズルから出て来た直後に、径約1mmを持つ粒子に裁断する。得られるこれらの顆粒は、10質量%なるメントール含有率を持つ。
【0064】
【表21】

【0065】
US 6,432,441(そこに含まれる実施例1)およびUS 5,458,894またはUS 5,002,791に記載された方法に基いて、粘稠な液状コアを持つスイーツを製造した。上記混合物AおよびB両者を、夫々別々に加工して、該シェル用のベース(混合物A)または該コア用のベース(混合物B)を得た。同時押出しにより得られたこれらの充填式咽喉用スイーツは、咳、咽頭炎(痛)および声のしゃがれに対して、罹患したヒトにより消費された場合に、効果的であった。
【0066】
【表22】

【0067】
【表23】

【0068】
【表24】

【0069】
【表25】

【0070】
製造のための指針:
上記AおよびBの成分を、別々に約80℃なる温度にて加熱する。均質化しつつ、該成分A内に該成分Bを混合する。攪拌しつつ、この混合物を約40℃まで冷却する。上記成分CおよびDを添加し、また得られる混合物を短期間に渡り再度均質化する。次いで、攪拌しつつ室温まで冷却する。
【0071】
【表26】

【0072】
製造のための指針:
上記AおよびBに従う成分を、別々に、約80℃まで加熱する。均質化しつつ、該成分Bおよび該成分Aを混合する。得られる混合物を、攪拌しつつ約40℃まで冷却する。上記成分CおよびDをこれに添加し、得られる混合物を、短期間に渡り再度均質化する。これを、攪拌しつつ室温まで冷却する。
【0073】
【表27】

【0074】
製造のための指針:
上記成分Aを溶解する。該成分Aと上記成分Bとを混合する。該併合した成分AおよびBに、上記成分Cを配合する。該併合した成分A、BおよびCに、上記成分Dを溶解し、かつ均質化する。攪拌を、更に15分間継続する。
【0075】
【表28】

【0076】
製造のための指針:
上記成分Aの各原料を秤量し、次いで透明となるまでこれら成分を溶解する。
【0077】
【表29】

【0078】
【表30】

【0079】
製造のための指針:
上記成分Aの各原料を混合する。これに、上記成分Bを溶解し、次いでこれを該成分Aに配合し、更に均質化する。
【0080】
【表31】

【0081】
製造のための指針:
上記成分Aの原料を混合する。均質化しつつ、成分Bを成分Aと混合する。再度均質化しつつ、得られる混合物を、成分Cで中和する。
【0082】
【表32】

【0083】
製造のための指針:
上記成分AおよびBに従う各原料を、別々に約80℃に加熱する。均質化しつつ、成分Bと成分Aとを混合する。上記成分Cを約80℃に加熱し、これを、均質化しつつ、該併合された成分AおよびBと混合する。この全体を、攪拌しつつ約40℃まで冷却し、上記成分Dを添加し、再度均質化する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
101325Paなる圧力および20℃またはそれ以上の温度にて液体である混合物であって、
ラセミ型d,l-メントールおよび任意に含まれていてもよい付随的なl-メントールを、合計量として72.0〜85.0質量%なる範囲の量で;
d,l-イソメントールを、7.5〜20.0質量%なる範囲の量で;
第一のアルキレンジオールおよび任意に1または複数の更なるアルキレンジオールを、全体として7.0〜11.0質量%なる範囲の量で;および
更なる成分を、0〜2.0質量%なる範囲の合計量にて含むか、あるいはこれらのみからなり、
前記質量%で表される量が、前記混合物の全質量を基準とするものであることを特徴とする、前記混合物。
【請求項2】
前記1種のアルキレンジオール、または1種の、複数のまたは全ての前記アルキレンジオールが、2〜6個の炭素原子を持つアルキレングリコールからなる群から選択される、請求項1記載の混合物。
【請求項3】
前記アルキレンジオール、前記1種の、複数のまたは全てのアルキレンジオールが、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびヘキシレングリコールからなる群から選択される、請求項1または2記載の混合物。
【請求項4】
前記d,l-メントール対前記l-メントールの質量比が、1:4よりも大きく、好ましくは1:2よりも大きい、請求項1〜3の何れか1項に記載の混合物。
【請求項5】
前記混合物が、
・72.0〜85.0質量%なる範囲の量の前記ラセミ型d,l-メントール;
・7.5〜20.0質量%なる範囲の量の前記d,l-イソメントール;
・7.0〜11.0質量%なる範囲の量の1,2-プロピレングリコール;および
・全体として0〜2.0質量%なる範囲の量の前記更なる成分
のみからなり、またはこれら成分を含み、前記質量%で表される量が、前記混合物の全質量を基準とするものである、請求項1〜4の何れか1項に記載の混合物。
【請求項6】
前記混合物が、
・48〜57質量%なる範囲の量の前記ラセミ型d,l-メントール;
・21.0〜32.0質量%なる範囲の量の前記付随的なl-メントール;
・8.0〜14.0質量%なる範囲の量の前記d,l-イソメントール;
・7.0〜11.0質量%なる範囲の量の1,2-プロピレングリコール;および
・全体として0〜2.0質量%なる範囲の量の前記更なる成分
を含み、前記質量%で表される量が、前記混合物の全質量を基準とするものである、請求項1〜4の何れか1項に記載の混合物。
【請求項7】
(i) 請求項1〜6の何れか1項に記載の混合物および更なる成分を含むか、あるいは
(ii) 請求項1〜6の何れか1項に記載の混合物と更なる成分とを混合または接触させることによって製造することができ、
該生成物の更なる成分が、メントールおよび/またはイソメントールを含まず、また好ましくはアルキレンジオールを含まないことを特徴とする、前記生成物。
【請求項8】
前記生成物が、着香製剤、化粧料製剤、栄養摂取および/または快適さを得るためのおよび好ましくは直ぐに消費できる製剤、特に飲料および咀嚼可能な食品、特にチューインガム及び咀嚼性スイーツ、口腔衛生用製品および歯科衛生用製品、特に練歯磨粉および歯科衛生用チューインガム、香料(芳香放出性物質の混合物)、調剤化学的および皮膚科学的製品、カプセル化されたメントール-含有製剤、家庭用品からなる群から選択される、請求項7記載の生成物。
【請求項9】
請求項7または8に記載の生成物の製造方法であって、以下の諸工程:
・請求項1〜6の何れか1項に記載の混合物を準備または調製する工程;
・該混合物と更なる成分とを混合しまたはこれらを接触させる工程;
を含み、該更なる成分が、メントールおよび/またはイソメントールを含まず、また好ましくはアルキレンジオールを含まないものである、ことを特徴とする、前記方法。
【請求項10】
前記混合物と前記更なる成分とを混合し、またはこれらを接触させる前記工程が、該混合物の融点よりも高く、かつ25℃未満、好ましくは23℃未満の温度にて行われる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜6の何れか1項に記載の混合物の製造方法であって、以下の諸工程:
・全体として72.0〜85.0質量%なる範囲の量の、ラセミ型d,l-メントールおよび任意に含まれていてもよい付随的なl-メントールを準備または調製する工程;
・該ラセミ型d,l-メントールおよび該任意に含まれていてもよい付随的l-メントールを、以下の成分:
・7.5〜20.0質量部なる範囲の量のd,l-イソメントール;
・全体として7.0〜11.0質量部なる範囲の量の、第一のアルケンジオールおよび任意の1種または複数の更なるアルキレンジオール;および
・全体として0〜2.0質量部なる範囲の量の、更なる成分
と混合する工程を含み、前記質量部で表された量が、前記混合物の全質量を基準とするものであり、得られる前記混合物が、101325Paなる圧力および20℃またはそれ以上の温度にて液体となるように、割合を調節することを特徴とする、前記方法。
【請求項12】
前記第一のアルケンジオールまたは前記1種の、複数のまたは全てのアルケンジオールが、2〜6個の炭素原子を持つアルキレングリコールからなる群から選択される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記1種の、複数のまたは全てのアルケンジオールが、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびヘキシレングリコールからなる群から選択される、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
前記d,l-メントール対前記l-メントールの質量比が、1:4よりも大きく、好ましくは1:2よりも大きい、請求項11〜13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
第一のアルケンジオールおよび任意に含まれていてもよい1種または複数の更なるアルキレンジオールと混合されたd,l-メントールの、任意にl-メントールの存在下で、該d,l-メントールの融点を、101325Paなる圧力にて、好ましくは20℃またはそれ以下の温度まで下げるための手段としての使用。
【請求項16】
請求項1〜6の何れか1項に記載の混合物の、浸透増強剤としての使用。

【公開番号】特開2012−111948(P2012−111948A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−271709(P2011−271709)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(511008850)シムライズ アーゲー (6)
【Fターム(参考)】