説明

モジュール組付装置および組付方法

【課題】モジュール組立体の車体への組付け時における車体側とモジュール側との配管や配線のコネクタ接続に好適なモジュール組付装置を提供する。
【解決手段】モジュール組立体Mとそれが取付けられる部材Bとの間を複数の配管および/または配線をコネクタを介して接続するモジュール組付装置であり、前記締付け手段8は、前記第1、2組付治具20、30に係合して両者の間隔を接近離脱させる引込み手段64と、前記第1、2組付治具20、30およびこの組付治具20、30が係合しているモジュール組立体M若しくはモジュール組立体が取付けられる部材Bに対して干渉しないよういずれか一方の組付治具20の外周側に配置されて操作可能な操作手段68と、前記操作手段68と引込み手段64とを連結して操作手段68の操作力を引込み手段64に伝達する伝達手段65〜67と、により構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のラジエータを含むフロントエンドモジュール等のモジュール組立体を車体へ組付けるモジュール組付装置および組付方法に関し、特に、両者間の対向する配管や配線のコネクタの接続に好適なモジュール組付装置および組付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からラジエータを含むフロントエンドモジュール等のモジュール組立体を車体へ組付けるモジュール組付方法が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
特許文献1では、ラジエータコアサポートを車両前方からサイドメンバに組み付ける際に、ラジエータ等の冷熱部品がラジエータコアロアに干渉することを防止するために、ラジエータコアサポートを車両前方からサイドメンバの前端縁部に組み付ける際に、ラジエータコアサポートに仮止めされた冷熱部品を所定の高さに仮保持し、ラジエータコアサポートを組付後に、前記仮保持を解除して冷熱部品を下方の所定位置までスライドさせるようにしている。
【0004】
特許文献2では、フロントエンドモジュールを車体前部に配設されたサイドメンバの前端部に取り付けるフロントエンドモジュールの車両搭載構造において、前記フロントエンドモジュールの裏面側に、フロントエンドモジュールの荷重を支持しうる角形ロケートピンを設ける一方、前記サイドメンバの前端部にこの角形ロケートピンに係合する係合穴を形成し、前記角形ロケートピンを係合穴に挿入して係合することによって、前記フロントエンドモジュールをサイドメンバに取付け、フロントエンドモジュールの荷重を支持することができるようにしている。
【特許文献1】特開2004−291764公報
【特許文献2】特開2003−146244公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車体側とモジュール側との配管や配線のコネクタの接続は、これらコネクタが集中的にレイアウトされていないこともあり、作業者による個別の接続作業が行われ、コネクタの位置によっては腰曲げ作業や頭上に腕を伸ばして行う上方作業を伴うこともあり、特に配管コネクタの接続作業には大きい挿入力を必要とし、作業性が悪く多くの工数を必要としていた。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、モジュール組立体の車体への組付け時における車体側とモジュール側との配管や配線のコネクタ接続に好適なモジュール組付装置および組付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、モジュール組立体に取付けられてモジュール組立体側の複数のコネクタの接続端を夫々保持する第1組付治具と、前記第1組付治具に保持された複数のコネクタの接続端に対して接続される接続端を夫々保持する第2組付治具と、前記モジュール組立体側の複数のコネクタの接続端とこの接続端に接続される接続端とを正対させるよう対向させた前記第1組付治具と第2組付治具との相対位置を調整するロケート手段と、前記ロケート手段による位置決め状態において第1、2組付治具を相対的に接近させる締付け手段と、を備え、モジュール組立体とそれが取付けられる部材との間を複数の配管および/または配線をコネクタを介して接続するモジュール組付装置であり、前記締付け手段は、前記第1、2組付治具に係合して両者の間隔を接近離脱させる引込み手段と、前記第1、2組付治具およびこの組付治具が係合しているモジュール組立体若しくはモジュール組立体が取付けられる部材に対して干渉しないよういずれか一方の組付治具の外周側に配置されて操作可能な操作手段と、前記操作手段と引込み手段とを連結して操作手段の操作力を引込み手段に伝達する伝達手段と、により構成した。
【発明の効果】
【0008】
したがって、本発明では、第1、2組付治具に係合して両者の間隔を接近離脱させる引込み手段と、前記第1、2組付治具およびこの組付治具が係合しているモジュール組立体若しくはモジュール組立体が取付けられる部材に対して干渉しないよういずれか一方の組付治具の外周側に配置されて操作可能な操作手段と、前記操作手段と引込み手段とを連結して操作手段の操作力を引込み手段に伝達する伝達手段と、により締付け手段を構成したため、第1、2組付治具の背面にモジュール組立体等が存在しても、これらと干渉することなく操作手段を操作することができ、作業者の操作しやすい位置で締付け作業が行え、モジュール組付作業の作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のモジュール組付装置および組付方法を各実施形態に基づいて説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1〜図15は、本発明を適用したモジュール組付装置および組付方法の第1実施形態を示し、図1は本発明の第1実施形態のモジュール組付装置を適用する自動車のフロントエンドモジュールの概略斜視図、図2はフロントエンドモジュール側と車体側の配管コネクタを説明する斜視図、図3はラジエータ配管コネクタの構造を説明する分離状態の断面図、図4は空調用コンデンサおよびオイルクーラへの配管コネクタの分離状態の断面図である。図5は配管コネクタと組付装置との装着状態を説明する概略斜視図、図6は図5の装着状態の詳細斜視図、図7は組付装置のモジュール側(前側)組付治具の正面図、図8および図9は締付け手段を示すスケルトン図および断面図、図10は組付装置の車体側(後側)組付治具の構造を説明する正面図、図11は車体側組付治具の仮止め手段の斜視図、図12は仮止め手段の断面図、図13はフロントエンドモジュールの組付工程を説明するレイアウト図、図14および図15は配管コネクタの接続状態を説明する側面図である。
【0011】
先ず、図1および図2に基づき、フロントエンドモジュールMおよびフロントエンドモジュールMが組付けられる車体構造について説明する。前記フロントエンドモジュールMは、前方(図中の矢印FR参照)側において、図示しないラジエータグリル・バンパ・ヘッドランプ等が取付けられる第1クロスメンバとして機能するラジコアサポートRCを備え、ラジコアサポートRCには、図示されていない空調装置のコンデンサ、パワーステアリング装置のオイルクーラが固定され、コンデンサの後方にはエンジン冷却水を冷却するラジエータRが固定されている。
【0012】
前記コンデンサおよびオイルクーラへの冷媒配管1Aおよびオイル配管2AはラジエータRの(右)側方から後方へ開口させたコネクタの(前方)接続端3A〜3Cを夫々備える。また、ラジエータRの右側タンクR1の上方には冷却水を導入するコネクタの(前方)接続端4Aが後方に開口させて配置され、左側タンクR2の下方にはラジエータを通過して冷却された冷却水を送り出すコネクタの(前方)接続端5Aが後方に開口させて配置されている。さらに、ラジエータR内部にはオイルクーラの放熱チューブが内蔵され、その給排用のコネクタの(前方)接続端6AがラジエータRの左側タンクR2から後方に開口させて配置されている。これらの配管コネクタの接続端の配置は車両形式やエンジンルーム内の機器レイアウトに応じて様々な位置に設定される。
【0013】
前記フロントエンドモジュールMに対向する車体構造は、車両の左右に前後方向に配置されてその前端がフロントエンドモジュールMの左右端に連結されるサイドメンバSMおよびフードリッジレインフォースFLと、左右サイドメンバSM間のエンジンルームに配置されたエンジンモジュールEとを備える。
【0014】
また、エンジンモジュールEからエンジン冷却水配管7の前端に配置された冷却水を送り出すコネクタの(後方)接続端4Bと、空調装置およびパワーステアリング装置に連なる冷媒配管1Bおよびオイル配管2Bの前記コンデンサおよびオイルクーラの(前方)接続端3A〜3Cに接続されるコネクタの(後方)接続端13A〜13Cとを前方へ夫々開口させて備える。また、図示しないが、ラジエータRの左側タンクR2から後方へ開口させて配置した冷却水の出口用のコネクタの(前方)接続端5、オイルクーラの給排用のコネクタの(前方)接続端6に接続される各コネクタの(後方)接続端がエンジンブロックEの左側に配置されている。
【0015】
前記した各配管コネクタの前方接続端4A、3A〜3Cと後方接続端4B、13A〜13Cとは、フロントエンドモジュールMの車体への組付作業の進行に応じて夫々対応する接続端同士が接続されて各配管システムを構成する。前記冷却水配管7のコネクタの前後接続端4A、4Bの詳細および空調装置の冷媒配管1A、1B、オイルクーラのオイル配管2A、2Bの各コネクタの前後接続端3A〜3C、13A〜13Cの詳細並びに各コネクタの前後接続端4A、4B、3A〜3C、13A〜13Cの前後組付治具20、30への係合状態について、図3および図4に基づき説明する。
【0016】
前記冷却水配管7のコネクタの前後接続端4A、4Bは、図3に示すように、ラジエータRの(右側)タンクR1に固定されたコネクタの(前方)接続端4Aと、冷却ホース7の前端に挿入固定されており、前端が(前方)接続端4Aに嵌合する(後方)接続端4Bとからなる。図3は前後接続端4A、4Bが分離された状態を示す(部分)断面図である。
【0017】
前記コネクタの(後方)接続端4Bは、(前方)接続端4Aの大径部17に嵌合する大径部10と、大径部10に対して段付11をもって小径となりラジエータホース7が嵌合される小径部12とから構成されている。前記小径部12の外周にはフランジ13が配置され、フランジ13と前記段付部11とで形成される環状溝に後側組付治具30の第1係合溝31を係合させることで後側組付治具30に保持される。(後方)接続端4Bの大径部10の先端近傍には、円周上の対向した位置に大径部10の内外周を貫通させて図示しない抜け止めリングに対する係合溝14を備え、内周には端部より前記係合溝14を含めて、拡径させた段付穴15に形成している。
【0018】
前記コネクタの(前方)接続端4Aは、ラジエータRへの取付け部分がフランジ16となった筒状部材に形成され、その外周が(後方)接続端4B内に挿入される大径部17と前側組付治具20の第1係合溝21に係合する小径部18とを備える。前記大径部17は、段付をもって小径となった先端近傍にはシールリング40を装着するためのリング溝を備え、ラジエータ側において先端より段付をもって拡径され、(後方)接続端4Bの係合溝14と共に抜け止めリングが挿入される環状溝19を備え、大径部のラジエータ側端部はストッパとして機能するフランジ17Aを備える。前側組付治具4Aは、大径部17のフランジ17AとラジエータRへの取付部分のフランジ16との間の小径部18に第1係合溝21を係合して、(前方)接続端4Aに保持され、(前方)接続端4Aと前側組付治具20との軸方向の相対的な動きを規制している。
【0019】
前記抜け止めリングは、前後の接続端4A、4Bが接続された後に、(後方)接続端4Bの係合溝14に嵌り込ませると、(前方)接続端4Aのリング溝19にも同時に係合して、前後接続端4A、4Bの抜け止めを行なう。なお、図示しないが、前側組付治具20に、抜け止めリングの連結部分を(前方)接続端4Aの下方に位置させて、抜け止めリングを開放状態で支持する一対の突起を設け、前後の接続端4A、4Bが接続された後に、前側組付治具20が上方に引き抜かれた際に、抜け止めリングの連結部分が接続された接続端4A、4Bの下方に当接させ、更に前側組付治具20が上方に引き抜かれることにより、抜け止めリングのリング端部を両突起との係合から離脱させて、(後方)接続端4Bの係合溝14に嵌り込ませて、(前方)接続端4Aのリング溝19にも係合させて、前後接続端4A、4Bの抜け止めを行なうようにしてもよい。
【0020】
前記空調装置の冷媒配管1A、1Bおよびオイルクーラのオイル配管2A、2Bの各コネクタの前後接続端3A〜3C、13A〜13Cは、図4に示すように、コンデンサおよびオイルクーラに接続された金属製の(前方)接続端3A〜3Cと、高圧ホース1B、2Bの前端に挿入固定され、前端が(前方)接続端3A〜3C内に挿入される(後方)接続端13A〜13Cとからなる。図4は前後接続端3A〜3C、13A〜13Cが分離された状態を示す断面図である。
【0021】
前記コネクタの(前方)接続端3A〜3Cは、(後方)接続端13A〜13Cの先端を受入れるよう金属製の配管1A、2Aの先端を所定長さに渡って内外径を拡径して形成され、その配管部分1A、2Aと拡径部分41との両外周に前側組付治具20の第2係合溝22を係合させることで前側組付治具20に保持される。前側組付治具20の第2係合溝22は、段付部分22Aを介して前記配管部分1A、2Aに係合する幅寸法の溝22Bと拡径部分41に係合する幅寸法の溝22Cとを板厚方向に連ねて備える。前側組付治具20は、係合溝22の前記段付部分22Aを前方接続端3A〜3Cの配管部分1A、2Aと拡径部分41との間に係合させることにより、(後方)接続端13A〜13Cとの接続時に(前方)接続端3A〜3Cを背面から支持する。
【0022】
前記コネクタの(後方)接続端13A〜13Cは、その外周が(前方)接続端3A〜3C内に挿入される挿入部42と、後側組付治具30の第2係合溝32に係合する保持部43と、高圧ホース1B、2Bに挿入されるホース連結部44とを備える。前記挿入部42は、前記(前方)接続端3A〜3Cの拡径部41に嵌り合う形状に形成され、外周に一対のシールリング45を装着するための一対のリング溝を備え、その後端部はストッパとして機能し且つコネクタ接続後の抜け止めとしても機能するフランジ46およびフランジ46外周から先端側にテーパ状に内径が小さくなるロックチューブ47を備える。
【0023】
ロックチューブ47と挿入部42との間は環状空間に形成されており、この環状空間には環状のロックリング48が挿入され、前後接続端3A〜3C、13A〜13Cが接続されることで、(前方)接続端3A〜3Cの先端がこの環状空間に挿入された際には、ロックリング48が(前方)接続端3A〜3Cの外周に係合し、ロックリング48の外周がロックチューブ47のテーパ状の内面に接触することで、(前方)接続端3A〜3Cの抜け止め、即ち、前後接続端3A〜3C、13A〜13Cの外れ止めがなされる。前記保持部43は、外周に環状に突出するフランジ49が形成され、前記後側組付治具30は、保持部43のフランジ49と前記フランジ46との間に第2係合溝32を係合させて、(後方)接続端13A〜13Cを保持する。この第2係合溝32は、前記フランジ46および48間に係合することにより、(後方)接続端13A〜13Cと後側組付治具30との軸方向の相対的な動きを規制している。
【0024】
図5および図6は、組付装置の前記前側組付治具20および後側組付治具30の全体を示す斜視図であり、図5は周辺のフロントエンドモジュールMを含めて示し、図6は前後組付治具20、30および各コネクタを抜出して示している。図示例では、ラジエータRの右側タンクR1の冷却水導入用のコネクタの(前方)接続端4Aおよび右側タンクR1側方のコンデンサに連なるコネクタの(前方)接続端3A、3Bを保持する前方側モジュール組付治具20(以下では、前側組付治具と称する)と、エンジンEの右側方において冷却水の排出用のコネクタの(後方)接続端4B、空調装置に連なるコネクタの(後方)接続端13A、13Bを保持する後方側モジュール組付治具30(以下では、後側組付治具と称する)と、が図示されている。
【0025】
前記前側組付治具20は、図6および図7に示すように、冷却水の導入用のコネクタの(前方)接続端4Aに係合する下方が開いて幅が比較的大きい係合溝21(第1係合溝と称する)および空調装置の冷媒配管1Aの各コネクタの(前方)接続端3A、3Bに係合する下方が開いて幅が比較的小さい係合溝22(第2係合溝と称する)を備えた板状部材20Aにより構成されている。この板状部材20Aには、車両前方に突出してフロントエンドモジュールMの上部に接触して係合するブラケット20Bが設けられ、フロントエンドモジュールMへの装着時に板状部材20Aが下方へずれて移動するのを阻止するようにしている。
【0026】
前記板状部材20Aには、前記第2係合溝22に隣接した部位および第1係合溝21に隣接した部位に夫々位置させて後側(車体側)に突出させた複数のロケートピン23を備える。また、前側組付治具20には、ロケートピン23間に位置させて締付手段8、例えば、ねじ軸64を貫通させる締付穴24を備える。
【0027】
また、前記板状部材20Aには、支点ピン25Aにより板状部材に沿って揺動可能であり、上端が板状部材20Aから突出された操作端25Bとなり、下端25Cが夫々前記係合溝21、22の側方に位置する一対のアーム25が設けられている。一方のアーム25の下端25Cは前記第1係合溝21に対して第2係合溝22側の側方に位置し、他方のアーム25の下端25Cは前記第2係合溝22に対して第1係合溝21側の側方に位置している。
【0028】
そして、両アーム25の操作端25Bを互いに近づけるように揺動させると、夫々の下端25Cは第1係合溝21および第2係合溝22の領域に回動して、第1係合溝21および第2係合溝22に嵌合させた冷却水導入用コネクタの(前方)接続端4Aおよび冷媒配管1Aの各コネクタの(前方)接続端4A、3A、3Bを各係合溝内で移動しないように把持する係合位置(図中の実線位置)となる。なお、図示した実線位置の一対のアーム25の操作端25Bが互いに重なって図示されているが、この操作端25Bはいずれか一方の操作端25Bを紙面に直交する方向にクランク状に折曲げて互いが干渉しないようにしている。
【0029】
前記係合位置での把持を確実にするために、夫々のアーム25の下端25Cには、各(前方)接続端4A、3A、3Bの外形に沿う凹部25Dを設けている。この凹部25Dは、各(前方)接続端4A、3A、3Bを把持する場合に、各(前方)接続端4A、3A、3Bが第1、2係合溝21、22内で上下方向に位置が若干バラツイても、その位置を凹部25Dにより修正しつつ係合することとなり、各(前方)接続端4A、3A、3Bは正規位置に整列させることができる。
【0030】
また、各アーム25は、夫々のアーム25下端25Cが各係合溝21、22の領域に回動する係合位置へ付勢するバネ25Eが配置され、各係合溝21、22に各コネクタの(前方)接続端4A、3A、3Bを導入するよう板状部材20Aを下方へ押込む際や各コネクタの(前方)接続端4A、3A、3Bから板状部材20Aを上方へ引抜く際には、これらのバネ25Eに抗してアーム25を退避位置(図中の鎖線位置)に回動させる。
【0031】
前記締付け手段8は、前記前側組付治具20の締付け穴24を貫通させて後側組付治具30側に突出するねじ軸64と、ねじ軸64に固定したウォームホイル65と、ウォームホイール65に噛合うウォームギヤと66、ウォームギヤ66を回転させる回転軸67と、回転軸67の軸端に固定した回転ハンドル68とを備える。
【0032】
前記ねじ軸64は、図9に示すように、前側組付治具20に設けた締付け穴24を貫通して後側組付治具30側に突出されており、ねじ軸64に一体となったウォームホイール65は前側組付治具20のアーム25が配列されている側とは反対側の面に設けた窪み26に収容され、当該面に固定されたプレート27により軸方向に移動しないように固定され、窪み26内で回転可能となっている。
【0033】
前記ウォームホイール65には回転ハンドル68により回転される回転軸67に固定したウォームギヤ66が噛合わされ、回転ハンドル68の回転に応じてウォームホイール65が回転され、ねじ軸64を回転させる。前記回転軸67およびウォームギヤ66は、前記ウォームホイール65と同様に、前側組付治具20のアーム25が配列されている側とは反対側の面に設けた図示しない溝に収容され、回転軸67が溝に固定して配置した複数の軸受69により支持されることにより回転可能となっている。
【0034】
前記ねじ軸64の回転方向は、回転ハンドル68の回転方向に応じて変更でき、例えば、回転ハンドル68を時計回りに回転させる場合にはねじ軸64を後述する前記後側組付治具30のねじ穴34に進入するよう回転させ、回転ハンドル68を反時計回りに回転させる場合にはねじ軸64を前記後側組付治具30のねじ穴34から退出するよう回転させる。従って、ねじ軸64はねじ穴34とねじ結合された場合には、回転ハンドル68を時計回りに回転させると、後側組付治具30と前側組付治具20とを接近させる方向に移動させることができ、また、回転ハンドル68を反時計回りに回転させると、後側組付治具30と前側組付治具20とを離反させる方向に移動させることができる。
【0035】
前記後側組付治具30は、図10にも示すように、冷却水のコネクタの(後方)接続端4Bに係合する下方が開いて幅が比較的大きい係合溝31(第1係合溝と称する)および空調装置の冷媒配管1Bの各コネクタの(後方)接続端13A、13Bに係合する下方が開いて幅が比較的小さい係合溝32(第2係合溝と称する)を備えた板状部材30Aにより構成されている。
【0036】
前記板状部材30Aには、前記第2係合溝32に隣接した部位および第1係合溝31に隣接した部位に夫々位置させてロケート穴33を備える。また、後側組付治具30には、ロケート穴33間に位置させて締付用工具、例えば、ボルト軸部がねじ込まれるねじ穴34とを備える。また、前記板状部材30Aは、第1係合溝31が形成される板状部分と第2係合溝32が形成される板状部分とで段差30Bが形成されている。
【0037】
前記板状部材30Aには、支点ピン35Aにより板状部材30Aに沿って揺動可能であり、上端が板状部材30Aから突出された操作端35Bとなり、下端35Cが夫々前記係合溝31、32の側方に位置する一対のアーム35が設けられている。一方のアーム35の下端35Cは前記第1係合溝31に対して第2係合溝32側とは離れた側の側方に位置し、他方のアーム35の下端35Cは前記第2係合溝32に対して第1係合溝31側とは離れた側の側方に位置している。そして、両アーム35の操作端35Bを互いに離れるように揺動させると、夫々の下端35Cは第1係合溝31および第2係合溝32の領域に回動して、第1係合溝31および第2係合溝32に嵌合させた冷却水導入用コネクタの(後方)接続端4Bおよび冷媒配管1Bの各コネクタの(後方)接続端13A、13Bを各係合溝31、32内で移動しないように把持する係合位置(図中の実線位置)となる。
【0038】
前記係合位置での(後方)接続端4Bおよび13A、13Bの把持を確実にするために、夫々のアーム35の下端35そには、各(後方)接続端4B、13A、13Bの外形に沿う凹部35Dを設けている。この凹部35Dは、各(前方)接続端4B、13A、13Bを把持する場合に、各(前方)接続端4B、13A、13Bが第1、2係合溝31、32内で上下方向の位置に若干バラツキがあっても、その位置を凹部35Dにより修正しつつ係合することとなり、各(前方)接続端4B、13A、13Bは正規位置に整列させることができる。
【0039】
各アーム35は、夫々のアーム35下端35Cが各係合溝31、32の領域に回動する係合位置へ付勢するバネ35Eが配置され、各係合溝31、32に各コネクタの(後方)接続端4B、13A、13Bを導入するよう板状部材30Aを下方へ押込む際や各コネクタの(後方)接続端4B、13A、13Bから板状部材30Aを上方へ引抜く際には、これらのバネ35Eに抗してアーム35を退避位置(図中の鎖線位置)に回動させる。
【0040】
ところで、前記一対のアーム35は、第1係合溝31に臨む下端35Cを備えた一方のアーム35と第2係合溝32に臨む下端35Cを備えた他方のアーム35とは、前記板状部材30Aに設けた段差30Bにより板状部材30Aに面直な方向にオフセットされている。即ち、両者の回動軌跡範囲が前記面直方向にずれている。このため、鎖線図示する退避位置に夫々のアーム35を回動させた場合にも、両アームの操作端35Bが干渉することがない。また、前記第1係合溝31に臨むアーム35は、退避位置に回動させた場合に、その操作端35Bが段差30Bに当接することによりそれ以上の回動を阻止するストッパとしても機能する。
【0041】
この後側組付治具30は、エンジン本体E(若しくは、車体のサイドメンバ)に仮止め手段50を介して保持され、その状態において、第1係合溝31により冷却水のコネクタの(後方)接続端4Bを係合保持し、第2係合溝32内に空調装置の冷媒配管1Bの各コネクタの(後方)接続端13A、13Bを係合保持するよう構成している。また、後側組付治具30は、各コネクタの(後方)接続端13A、13Bへの係合状態から、上方へ引き抜くことにより、エンジン本体Eへの仮止め状態から離脱され且つこれらのコネクタの(後方)接続端4B、13A、13Bとの係合を離脱させて外すことができる。
【0042】
前記後側組付治具30の仮止め手段50は、図6および図11に示すように、エンジンユニットE(若しくは、車体のサイドメンバSM)に固定され、車両前方に向かって開口する複数の差込み穴53を備えた仮止めブラケット51と、後側組付治具30の背面(エンジンユニット側)から突出させて前記仮止めブラケット51の差込み穴53に嵌合する複数の差込みピン52と、で構成している。
【0043】
前記複数の差込ピン52は、図11に示すように、差込みピン52の円周上に等間隔に配置され、背面に配置したバネ54の付勢力により差込みピン52の外周面から突出する複数の係合片55と、差込みピン52の中心に軸方向にスライド可能に挿入され、各係合片55を突出状態に保持するスライダ56とを備える。前記複数の係合片55は、差込みピン52の半径方向に設けられた穴内に半径方向に移動可能に挿入され、先端の略半球形に形成した部分が差込みピン52の外周面から突出するよう構成されており、内周側の背面に着座するバネ54により突出付勢される。
【0044】
前記バネ54の内周側には、前記スライダ56に接触し、差込みピン52の外周側に押出されたロック位置と内周側に後退したアンロック位置との間でスライダ56により位置調整されるチェックボール57を備える。チェックボール57がロック位置に位置する場合には、係合片55は突出位置でロックされ、チェックボール57がアンロック位置に位置する場合には、係合片55は背面のバネ54に抗して突出位置から差込みピン52の内周側に押し込めることができる。
【0045】
前記スライダ56は、差込みピン52の軸方向に設けた中空穴内をスライド可能に配置され、中空穴の穴底側(車両後方側)において中空穴の内面に摺動可能な大径部56Aと、大径部56Aより車両前方に位置して中空穴の内面に対して所定の環状隙間を備えるようにした小径部56Bと、大径部56Aと小径部56Bとを接続するテーパ部56Cとを備える。
【0046】
前記小径部56Bは差込みピン52が固定される後側組付治具30の板状部材30Aに設けた貫通穴内に摺動可能に貫通し、その前端は板状部材30Aの表面より突出されている。中空穴の穴底と前記スライダ56の大径部56Aの端部との間にはバネ58が挿入され、バネ58によりスライダ56が車両前方に付勢され、前記チェックボール57は大径部56Aに対面してロック位置に移動されると共に、小径部56Bの前端を板状部材30Aの表面から突出させた状態に保持するようにしている。また、スライダ56が小径部56Bの前端から前記バネ58に抗して矢印の方向に押込まれると、前記チェックボール57はスライダ56の小径部56Bに対面してアンロック位置に移動される。
【0047】
前記仮止めブラケット51の差込み穴53は、図12に示すように、差込みピン52を収容するよう構成され、差込みピン52から突出される各係合片55を収容するための環状溝53Aを備えている。従って、差込みピン52の各係合片55をスライダ56を押込むことにより一時的に係合片55を内周側に後退可能な状態とすることにより、差込みピン52を差込み穴53に挿入したり、差込み穴53から差込みピン52を抜出すことができる。また、差込み穴53に差込みピン52を挿入した状態でスライダ56の押込みを解除すると、スライダ56はその大径部56Aをチェックボール57に対面させてチェックボール57をロック位置に位置させ、係合片55を突出させた状態とし、差込穴53から差込みピン52の抜き差しを阻止する状態とする。なお、この仮止め手段50における差込みピン52内のスライダ56を付勢しているバネ58のバネ定数や係合片55を半径方向外側へ付勢しているバネ54のバネ常数を変化させることにより、係合片55の半径方向外側への張出し力、即ち、保持力を調整することができる。
【0048】
以上の構成のモジュール組付装置は、例えば、図13に示す組付工程において、下記に説明するように使用される。図13は車両組立ラインにおけるフロントエンドモジュールMの組付工程を説明するレイアウト図であり、図中の中央に左から右側へ組立すべき車両が流れる組立メインライン60が構成されている。
【0049】
そして、図中の左上流側にエンジンのサブ組立ライン61が構成され、生産されたエンジンアセンブリEが組立メインライン60に搬送され、車両に組付けられる(60A)。即ち、前記エンジンEのサブ組立ライン61において、組付装置の一方である後側組付治具30には、夫々アーム35の操作端35Bの退避位置への操作とともに、冷却水の配管7が組付けられた時点で配管コネクタの(後方)接続端4Bが第1係合溝31に係合させてセットされ、空調装置の冷媒配管1Bが組付けられた時点で配管コネクタの(後方)接続端13A、13Bが第2係合溝32に係合させてセットされ、アーム35の操作端35Bを係合位置へ復帰させて夫々接続端4B、13A、13Bを係合保持させる(61A)。
【0050】
前記後側組付治具30への(後方)接続端4B、13A、13Bの係合保持は、図10の正面図に示すように、一対のアーム35の操作端35Bを互いに近づける退避位置に位置させ、夫々の下端35Cを第1、2係合溝31、32の領域から退避させる。この退避状態において、第1係合溝31に冷却配管7の(後方)接続端4Bを挿入し、第2係合溝32に空調装置の冷媒配管1Bの(後方)接続端13A、13Bを挿入する。そして、図16および図17に示すように、一対のアーム35の操作端35Bの操作を開放すると、夫々バネ35Eの作動により各々のアーム35は係合位置に回動する。この回動により、第1係合溝31内では、一方のアーム35の下端35Cの凹部35Dが(後方)接続端4Bの外周に係合して、(後方)接続端4Bを正規位置に位置決めし、また、第2係合溝32内では、他方のアーム35の下端35Cの凹部35Dが(後方)接続端13A、13Bの外周に係合して、(後方)接続端13A、13Bを夫々正規位置に位置決めする。
【0051】
そして、図13において、エンジンユニットEに仮止め手段50の仮止めブラケット51が取付けられた時点では、後側組付治具30の差込みピン52を仮止めブラケット51の差込み穴53に挿入して後側組付治具30が各配管コネクタの(後方)接続端4B、13A、13Bを係合保持した状態で正規位置にセットされる(61B)。
【0052】
前記仮止め手段50における差込み穴53への差込みピン52の挿入時においては、スライダ56の小径部56Bの突出した端部を押込むことで、小径部56Bにチェックボール57を対面させてアンロック状態として係合片55が内周側にバネ54に抗して後退可能な状態として、差込みピン52を差込み穴53に挿入される。係合片55は差込み穴53により内周側に押込まれ、環状溝53Aに係合片55が達すると、係合片55がバネ54により突出されて環状溝53Aに係合する。この時の差込み力はチェックボール57がアンロック位置にあるために、係合片55を押出すバネ54の付勢力が低められており、比較的少ない力で差込むことができる。
【0053】
この状態からスライダ56の押込みを解除すると、スライダ56がバネ58により元の位置に復帰し(小径部56Bの端部は再び突出した状態に復帰)、その大径部56Aをチェックボール57に対面させてチェックボール57はロック位置に固定される。チェックボール57のロック位置への移動により大きくされたバネ力により係合片55は突出位置に保持され、環状溝53Aとの係合力を高められる。後側組付治具30に車両の前後方向の作用力、例えば、配管コネクタの接続時における(車両前後方向の)反力が作用しても、仮止め手段50が外れるようなことが防止される。
【0054】
また、図13において、図中の左下流側にフロントエンドモジュールMのサブ組立ライン62が構成され、生産されたフロントエンドモジュールMが組立メインライン60に搬送され、車両に組付けられる(60C)。フロントエンドモジュールMのサブ組立ライン62においては、組立完成したフロントエンドモジュールMに対して組立治具の他方である前側組付治具20のブラケット20Bを上面に係合させてセットされる。そして、夫々のアーム25の操作端25Bが退避位置に操作され、第1係合溝21に冷却配管コネクタの(前方)接続端4Aが係合され、第2係合溝22に冷媒配管コネクタの(前方)接続端3A、3Bが夫々係合され、再び、アーム25の操作端25Bが操作されて係合位置に復帰させて夫々接続端4A、3A、3Bを係合保持させる(62A)。
【0055】
そして、車両組立ライン60上で前側組付治具20と後側組付治具30とが、図5および図6に示すように車両の前後方向において対面される。その後、後述するように、両組付治具20、30が互いに接近(モジュールMと車体も接近)されて車体側の(後方)接続端4B、13A、13BとモジュールM側の(前方)接続端4A、3A、3Bとが接続される。接続後には、前後組付治具20,30の夫々アーム25、35の操作端25B、35Bを退避位置に回動させて第1係合溝21、31および第2係合溝22、32を開放させ、前後組付治具20、30が車両上方に抜出される(60D)。
【0056】
抜出した前側組付治具20は矢印で示すようにフロントエンドモジュールMのサブ組立ライン62に搬送され、後側組付治具30は矢印で示すようにエンジンサブ組立ライン61に搬送され、夫々配管コネクタの接続端を係合させて繰返し使用される。
【0057】
次に、図14および図15により、上記構成のモジュール組付装置によるコネクタの前後接続端の組付方法について、以下に説明する。図14〜図15では、前側組付治具20および後側組付治具30の構成を簡略化して示しており、エンジンユニットEおよびフロントエンドモジュールMもその図示を省略している。
【0058】
図5、6に示す状態では、後側組付治具30の第1、2係合溝31、32に係合保持している冷却水配管7の(後方)接続端4Bおよび空調装置の冷媒配管1Bの各コネクタの(後方)接続端13A、13Bは、前側組付治具20のラジエータRの右タンクR1から突出している(前方)接続端4Aおよび空調装置の冷媒配管1Aの各(前方)接続端3A、3Bと概ね正面から向き合っている。
【0059】
そして、フロントエンドモジュールMの車体Bに対して接近させると、前側組付治具20のロケートピン23と後側組付治具30のロケート穴33との係合が開始され、前側組付治具20のロケートピン23が後側組付治具30のロケート穴33とを互いに係合させ、前後組付治具20、30の相対位置関係を決定して位置決めする。
【0060】
この段階で、図14に示すように、回転ハンドル68を時計回りに回転させて、前側組付治具20の締付穴24から突出させた締付手段8のねじ軸64の先端を後側組付治具30のねじ穴34にねじ込み、ねじ軸64を回転させて後側組付治具30を前側組付治具20に対して前後方向に接近させる。
【0061】
更に、前記締付手段8の回転ハンドル68を回転させると、ねじ軸64とねじ穴34とのねじ係合により後側組付治具30が各(後方)接続端4B、13A、13Bを保持した状態で前側組付治具20に接近され、各(後方)接続端4B、13A、13Bと各(前方)接続端4A、3A、3Bとの嵌合が開始される。
【0062】
この前側組付治具20と後側組付治具30との接近により、仮止め手段50の差込みピン52の背面の後側組付治具30から突出しているスライダ56の小径部56Bの端部が前側組付治具20により押込まれ、スライダ56が差込みピン52の中空穴の穴底側へバネ58に抗して移動され、チェックボール57に対して小径部56Bを対面させて、チェックボール57はアンロック位置に移動される。従って、差込みピン52から突出している係合片55の半径方向外方へのバネ54による付勢力が低減される。
【0063】
従って、引続き、締付け手段8による締付けを継続すると、仮止めブラケット51の差込み穴53から差込みピン52が抜け出し、さらに後側組付治具30が前側組付治具20へ接近され且つ差込みピン52が差込み穴53から完全に離脱してエンジンユニットE(若しくは車体)の仮止めブラケット51からの拘束が解除される。後側組付治具30は、ロケートピン23および締付け手段8により前側組付治具20と一体化されてゆき、全ての前後接続端4A、4B、3A、3B、13A、13Bの嵌合が完了する。
【0064】
この場合、コネクタの嵌合完了を確実にするために、前後組付治具20、30間にいずれ側の組付治具に固定して両組付治具20、30の接近し過ぎを防止するストッパを設けることが望ましく、締付け手段8による締付抵抗がストッパの接触により急激に上昇することから嵌合完了が明確になると共に締付け過ぎを防止して、コネクタは過剰に挿入されることがなく、コネクタの破損も防ぐことができる。
【0065】
全ての前後接続端4A、4B、3A、3B、13A、13Bの嵌合が完了した後は、締付け手段8による締付け状態を若干緩めて前後組付治具20、30の間隔をあけて、前後組付治具20、30の各係合溝21、31、22、32と各コネクタとの間に軸方向の隙間をあけ、図15に示すように、前後組付治具20、30の各アーム25、35を退避位置に操作して第1係合溝21、31および第2係合溝22、32を開放して、連結された前後接続端4A、4B、3A、3B、13A、13Bの下方への離脱を許容させる。
【0066】
次いで、締付け手段8およびロケートピン23により一体となっている前後組付治具20、30をラジエータRの上方に引抜くことにより、前後組付治具20、30の各係合溝21、31、22、32から各コネクタを解放してコネクタの組付作業を完了させる。その後に、フロントエンドモジュールMの車体Bへの組付作業が開始される。
【0067】
なお、上記実施形態において、ロケートピン23の設置位置として、前側組付治具20に設置したものについて説明したが、図示しないが、例えば、後側組付治具30に設置してもよく、また、両組付治具に夫々設けるようにしてもよい。いずれにしても、対応するロケート穴は対向する組付治具に設置する。
【0068】
また、上記実施形態において、仮止め手段50として、仮止めブラケット51の差込み穴53と後側組付治具30の差込みピン52とを係合させるものについて説明したが、図示しないが、差込み穴と差込みピンの断面形状は、円筒形であっても、四角柱等の多角形柱の形状であってもよい。更に、仮止めブラケット51に差込み穴53を設け且つ後側組付治具30に差込みピン52を設けたものについて説明したが、仮止めブラケット51に差込みピン52を設け且つ後側組付治具30に差込み穴53を設けたものであってもよい。
【0069】
また、上記実施形態において、コネクタ接続対象として、フロントエンドモジュールMと車体側との間に配置した各コネクタを対象としたものについて説明したが、図示しないが、モジュールとして、例えば、計器盤やインストルメントボックス等を一体化させたコックピットモジュールと車体との間に配置したコネクタの接続を対象とするものであってもよい。
【0070】
更に、上記実施形態において、接続対象として、配管コネクタを対象としたものについて説明したが、図示しないが、例えば、配線コネクタを接続するものであってもよく、また、配線コネクタと配管コネクタとの両者が混在するものであってもよい。
【0071】
また、上記実施形態において、回転ハンドル68として、上下方向に配置した回転軸67を回転させる水平に配置されたものについて説明説明したが、図示はしないが、前側組付治具の上方において、前後方向に配置した回転軸を車両前方側から回転させる回転ハンドルであってもよく、この場合には、回転軸とねじ軸とをベルトや歯車列等の伝達手段により連結させればよい。
【0072】
更に、上記実施形態において、前側組付治具に回転ハンドル68、回転軸67、およびねじ軸64を配置したものについて説明しているが、図示しないが、後側組付治具にこれら回転ハンドル、回転軸およびねじ軸を配置するものであってもよい。
【0073】
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
【0074】
(ア)モジュール組立体Mに取付けられてモジュール組立体側の複数のコネクタの接続端4A、3A、3Bを夫々保持する第1組付治具20と、前記第1組付治具20に保持された複数のコネクタの接続端に対して接続される接続端4B、13A、13Bを夫々保持する第2組付治具30と、前記モジュール組立体側の複数のコネクタの接続端4A、3A、3Bとこの接続端に接続される接続端4B、13A、13Bとを正対させるよう対向させた前記第1組付治具20と第2組付治具30との相対位置を調整するロケート手段23、33と、前記ロケート手段による位置決め状態において第1、2組付治具20、30を相対的に接近させる締付け手段8と、を備え、モジュール組立体Mとそれが取付けられる部材Bとの間を複数の配管および/または配線をコネクタを介して接続するモジュール組付装置であり、前記締付け手段8は、前記第1、2組付治具20、30に係合して両者の間隔を接近離脱させる引込み手段64と、前記第1、2組付治具20、30およびこの組付治具20、30が係合しているモジュール組立体M若しくはモジュール組立体が取付けられる部材Bに対して干渉しないよういずれか一方の組付治具20の外周側に配置されて操作可能な操作手段68と、前記操作手段68と引込み手段64とを連結して操作手段68の操作力を引込み手段64に伝達する伝達手段65〜67と、により構成した。
【0075】
このため、第1、2組付治具20、30の背面にモジュール組立体M等が存在しても、これらと干渉することなく操作手段68を操作することができ、作業者の操作しやすい位置で締付け作業が行え、モジュール組付作業の作業性を向上させることができる。
【0076】
(イ)引込み手段64として、一方の組付治具20に回転可能に配置され、他方の組付治具30に設けたねじ穴34にねじ係合するねじ軸64で構成され、伝達手段65〜67を介して操作手段68によりねじ軸64を締付け方向および緩め方向に回転させるようにすると、フロントエンドモジュール組立体Mの組付等においては、モジュール組立体Mの上方に位置させた回転ハンドル68によりねじ軸64を自在に回転させて前後組付治具20、30を互いに接近方向に締付けることができ、ラジエータグリルの隙間から前方へ延ばした軸に回転ハンドルを連結してねじ軸を回転させる場合に比較して作業姿勢がよくなり、組付作業性が向上する。
【0077】
(第2実施形態)
図16〜図20は、本発明を適用したモジュール組付装置および組付方法の第2実施形態を示し、図16は前後組付治具の締付け手段の第1実施例を示す概略断面図、図17は図16の車両前方よりの側面図、図18〜図20は締付け手段の第2実施例を示す概略断面図、車両後方からの側面図および平面図である。本実施形態においては、締付け手段のねじ軸等の前後組付治具同士を互いに接近させる手段を複数箇所に配置する構成を第1実施形態に追加したものである。なお、第1実施形態と同一部材には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
【0078】
図16〜図17に示す第1実施形態の締付け手段8は、回転ハンドル68で回転される回転軸67にウォームギヤ66を固定し、ウォームギヤ66に噛合うウォームホイール65によりねじ軸64を回転させる構成において、第1実施形態と同様に構成している。そして、ねじ軸64は、直接ウォームホイール65に結合した第1ねじ軸64Aと、第1ねじ軸64Aから下方にオフセットして配置された第2ねじ軸64Bとを備える。第1ねじ軸64Aと第2ねじ軸64Bとは互いにベルト69を巻掛けすることで連動して回転するようにしている。その他の前後組付治具の構成については、第1実施形態と同様である。
【0079】
この実施例においては、回転ハンドル68により回転軸67を回転させてウォームギヤ66を介してウォームホイール65を回転させると、第1ねじ軸64Aと第2ねじ軸64Bとがベルト69を介して共に回転する。従って、後側組付治具30に設けた複数のねじ穴34に前記ねじ軸64A、64Bをねじ結合させて、前後組付治具20、30を締め付ける場合に、前後組付治具20、30が第1、2ねじ軸64A、64Bにより均等に接近するよう締め付けることができる。従って、第1実施形態のように一本のねじ軸64で前後組付治具20、30を締付ける場合に、コネクタの挿入抵抗の大小に起因して、前後組付治具同士の平行度がずれて一方の組付治具(後側)30が他方に対して一時的に傾斜して全てのコネクタの接合が一様に進行されず、コネクタの一方は接合完了しているが、コネクタの他方は接合途中である等の段階的な接合状態の進行を防止して、全てのコネクタの接合状態を一様に進行させることができる。
【0080】
図18〜図20に示す第2実施形態の締付け手段8は、回転ハンドル68で回転される回転軸67にウォームギヤ66を固定し、ウォームギヤ66に噛合うウォームホイール65により巻取りドラム70を回転させるよう構成している。前側組付治具20には、後側組付治具30に向けて突出し、その先端が後側組付治具30に係合するロッド72A、72Bが車両前後方向にスライド自在にして複数箇所に配置され、ロッド72A、72Bの後端(車両前方側)には夫々ワイヤ71が連結され、ワイヤ71は方向変換プーリに巻掛けられた後、その先端が前記ドラム70に巻掛けられている。その他の前後組付治具の構成については、第1実施形態と同様である。
【0081】
この実施例においては、回転ハンドル68により回転軸67を回転させてウォームギヤ66を介してウォームホイール65を回転させると、ドラム70がワイヤ71を巻取り、ワイヤ71で連結したロッド72A、72Bを車両前方側へ引込むよう作動する。このため、各ロッド72A、72Bの先端を後側組付治具30に係合させれば、後側組付治具30を前側組付治具20に接近させるよう締付けることができる。この場合、各ロッド72A、72Bの先端と後側組付治具30との係合部分に、図示しないが、ラチェット係合させるようにすると、各ロッド72A、72Bを後側組付治具30のラチェット機構に係合させることで後側組付治具30との係合が簡単に行え、係合状態を外す場合においてもラチェット機構を解除するのみでよい。
【0082】
この実施例においても、第1実施例と同様に、前後組付治具20、30を各ロッド72A、72Bにより均等に接近するよう締め付けることができ、全てのコネクタの接合状態を一様に進行させることができる。
【0083】
本実施形態においては、第1実施形態における効果(ア)〜(イ)に加えて以下に記載した効果を奏することができる。
【0084】
(ウ)引込み手段としてのねじ軸64や引込みロッド72を第1、2組付治具20、30間に複数組配置すると、例えば、組付治具20、30の上方と下方との両方で、若しくは、組付治具20、30の左側と右側との両方で、更には、組付治具20、30の上下左右の4箇所で、前側組付治具20・後側組付治具30同士を平行に引込むよう作動させることができ、両組付治具の平行度を保持させた状態で、保持している複数のコネクタの接続端同士を均一な挿入状態で接続させていくことができる。
【0085】
(エ)引込み手段として、一方の組付治具20に摺動可能に配置され、他方の組付治具30に先端が係合可能なロッド72で構成され、伝達手段65〜67、70〜71を介して操作手段68により前記ロッド72を締付け方向および緩め方向に摺動させるようにすると、引込み手段であるロッド72と操作手段である回転ハンドル68およびドラム70との間の伝達手段をワイヤ71により形成でき、構成が簡単化できる。
【0086】
(第3実施形態)
図21〜図24は、本発明を適用したモジュール組付装置および組付方法の第3実施形態を示し、図21および図22は締付け手段の第1実施例の概略構成図、図23および図24は締付け手段の第2実施例の概略構成図である。本実施形態においては、締付け手段を前後組付治具間にリンクを配置して構成することを第1実施形態に追加したものである。なお、第1実施形態と同一部材には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
【0087】
図21に示す第1実施例の締付け手段8は、前側組付治具20に回動自在に複数のリンク74を配置し、このリンク74の先端を後側組付治具30のスライド溝75にピン76(フックでもよい)を介して係合させ、前記リンク74の角度を変化させることにより前後組付治具20、30同士を接近・離脱可能とした。リンク74の角度は、回転ハンドル68により回転する回転軸67に図示しないねじ係合により前側組付治具20に対してスライドするスライダ77に一端がピン78で連結され、他端が前記リンク74にピン76で連結した駆動リンク79により変更可能としている。その他の前後組付治具20、30の構成については、第1実施形態と同様である。
【0088】
この締付け手段8においては、図示の状態から、回転ハンドル68および回転軸67を回転させてスライダ77を図中下方に移動させると、駆動リンク79がリンク74を下方に回動させ、このリンク74の下方への回動により先端のスライドピン76のスライド溝75内での係合位置の変化により後側組付治具30を前側組付治具20に相対的に接近させるよう作動する。なお、リンク74先端と後側組付治具30との係合は、図示例では、ピン76とスライド溝75との係合により実現されているが、図示しないが、リンク74先端を鈎形フックとし、フックをピン76に係合させるようにすると、リンク74と後側組付治具30との係合・離脱がより簡単となる。また、リンク74と駆動リンク79との連結は、図示例では、スライド溝75内のピン76を利用して連結しているが、図示しないが、リンク74の中途部で駆動リンク79とピン連結してもよい。
【0089】
この実施例においては、複数設けたリンク74が回転ハンドル68によって連動して角度を変化させるものであるため、後側組付治具30は前側組付治具20に対して平行度を保った状態で、互いに接近離脱させることができる。このため、前後組付治具20、30を締め付ける場合に、前後組付治具20、30が均等に接近するよう締め付けることができ、全てのコネクタの接合状態を一様に進行させることができる。
【0090】
図22に示す実施例では、回転ハンドル68および回転軸68Aに対して歯車機構80により回転する横軸81を設け、この横軸81に対して歯車機構82を介して方向変換されて回転する縦軸67を設け、この縦軸67に対してねじ結合されて夫々前側組付治具20に対して上下に摺動するスライダ77を配置するようにしたものである。この縦軸67は左右で回転方向が逆となるため、夫々のねじの方向を異ならせている。前記スライダ77に対して前記駆動リンク79を連結することで、前記した上下位置で締付ける構成に加えて、左右位置でも後側組付治具30を締付ける構成とでき、締付け時の後側組付治具30の傾斜を上下左右で確実に防止することができ、組付治具で保持している接続端同士の連結が更に一層均一に行うことができる。
【0091】
図23および図24に示す第2実施例の締付け手段8は、中央部でピン連結したX形リンク84を利用し、X形リンク84の一方の端部は後側組付治具30のスライド溝75にピン76を介して連結し、X形リンク84の他方の端部は一方が前側組付治具20にピン結合され、他方が回転ハンドル68および回転軸67により前側組付治具20に対して上下方向にスライドするスライダ77にピン連結させて構成している。その他の前後組付治具の構成については、第1実施形態と同様である。
【0092】
この締付け手段8においては、図示の状態から回転ハンドル68によりスライダ77を上昇させると、X形リンク84が夫々の端部同士の間隔が開き、夫々のリンクの傾斜角度が大きくなることで、前後組付治具20、30同士の間隔を接近させる。逆に、回転ハンドル68によりスライダ77を下降させると、X形リンク84は夫々の端部同士を近づけて夫々のリンクの傾斜角度が小さくなり、前後組付治具20、30同士の間隔を大きくして互いに離反させる。
【0093】
この実施例においても、複数設けたX形リンク84が回転ハンドル68によって連動して角度を変化させるものであるため、後側組付治具30は前側組付治具20に対して平行度を保った状態で、互いに接近離脱させることができる。このため、前後組付治具20、30を締め付ける場合に、前後組付治具20、30が均等に接近するよう締め付けることができ、全てのコネクタの接合状態を一様に進行させることができる。
【0094】
本実施形態においては、第1実施形態における効果(ア)〜(イ)および第2実施形態における効果(ウ)に加えて、以下に記載する効果を奏することができる。
【0095】
(ク)引込み手段として、一方の組付治具20に回動可能に配置され、他方の組付治具30に先端が係合可能な揺動リンク74、84で構成され、伝達手段を介して操作手段68により前記揺動リンク74、84を締付け方向および緩め方向に揺動させるようにすると、容易に複数の引込み部分を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の一実施形態のモジュール組付装置を適用する自動車のフロントエンドモジュールの概略斜視図。
【図2】同じくフロントエンドモジュール側と車体側の配管コネクタを説明する斜視図。
【図3】ラジエータ配管コネクタの構造を説明する分離状態の断面図。
【図4】空調用コンデンサおよびオイルクーラへの配管コネクタの分離状態の断面図。
【図5】配管コネクタと組付装置との装着状態を説明する概略斜視図。
【図6】図5の装着状態の詳細斜視図。
【図7】モジュール側(前側)組付治具の正面図。
【図8】締付け手段を示すスケルトン図。
【図9】締付け手段を示す断面図。
【図10】車体側(後側)組付治具の構造を説明する正面図。
【図11】車体側組付治具の仮止め手段の斜視図。
【図12】仮止め手段の断面図。
【図13】フロントエンドモジュールの組付工程を説明するレイアウト図。
【図14】配管コネクタの接続状態を説明する側面図。
【図15】図14に続く配管コネクタの接続状態を説明する側面図。
【図16】本発明の第2実施形態のモジュール組付装置における前後組付治具の締付け手段の第1実施例を示す概略断面図。
【図17】図16の車両前方よりの側面図。
【図18】締付け手段の第2実施例を示す概略断面図。
【図19】締付け手段の第2実施例を示す車両後方からの側面図。
【図20】締付け手段の第2実施例を示す平面図。
【図21】本発明の第3実施形態のモジュール組付装置における前後組付治具の締付け手段の第1実施例を示す概略構成図。
【図22】図21の改良された実施例を示す概略図。
【図23】前後組付治具の締付け手段の第2実施例を示す概略構成図。
【図24】前後組付治具の締付け手段の第2実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0097】
E エンジンモジュール、エンジン本体、エンジン
M モジュール組立体としてのフロントエンドモジュール
R ラジエータ
3A〜3C、4A、4B、5A、6A、13A〜13C コネクタの接続端
7 冷却水ホース
20、30 組付治具
21、31 第1係合溝
22、32 第2係合溝
23 ロケートピン
24 締付け穴
25、35 アーム
33 ロケート穴
34 ねじ穴
35 仮止め手段
50 仮止め手段
51 仮止めブラケット
52 差込みピン
53 差込み穴
54、58 バネ
55 係合片
56 スライダ
57 チェックボール
59 フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール組立体に取付けられてモジュール組立体側の複数のコネクタの接続端を夫々保持する第1組付治具と、前記第1組付治具に保持された複数のコネクタの接続端に対して接続される接続端を夫々保持する第2組付治具と、前記モジュール組立体側の複数のコネクタの接続端とこの接続端に接続される接続端とを正対させるよう対向させた前記第1組付治具と第2組付治具との相対位置を調整するロケート手段と、前記ロケート手段による位置決め状態において第1、2組付治具を相対的に接近させる締付け手段と、を備え、モジュール組立体とそれが取付けられる部材との間を複数の配管および/または配線をコネクタを介して接続するモジュール組付装置であり、
前記締付け手段は、前記第1、2組付治具に係合して両者の間隔を接近離脱させる引込み手段と、
前記第1、2組付治具およびこの組付治具が係合しているモジュール組立体若しくはモジュール組立体が取付けられる部材に対して干渉しないよういずれか一方の組付治具の外周側に配置されて操作可能な操作手段と、
前記操作手段と引込み手段とを連結して操作手段の操作力を引込み手段に伝達する伝達手段と、を備えることを特徴とするモジュール組付装置。
【請求項2】
前記引込み手段は、一方の組付治具に回転可能に配置され、他方の組付治具に設けたねじ穴にねじ係合するねじ軸で構成され、伝達手段を介して操作手段によりねじ軸を締付け方向および緩め方向に回転させるものであることを特徴とする請求項1に記載のモジュール組付装置。
【請求項3】
前記引込み手段は、一方の組付治具に摺動可能に配置され、他方の組付治具に先端が係合可能なロッドで構成され、伝達手段を介して操作手段により前記ロッドを締付け方向および緩め方向に摺動させるものであることを特徴とする請求項1に記載のモジュール組付装置。
【請求項4】
前記引込み手段は、一方の組付治具に回動可能に配置され、他方の組付治具に先端が係合可能な揺動リンクで構成され、伝達手段を介して操作手段により前記揺動リンクを締付け方向および緩め方向に揺動させるものであることを特徴とする請求項1に記載のモジュール組付装置。
【請求項5】
前記引込み手段は、前記第1、2組付治具間に複数組が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のモジュール組付装置。
【請求項6】
モジュール組立体に複数の配管および/または配線をコネクタを介して接続するモジュール組付方法であり、
前記モジュール組立体に取付けられてモジュール組立体側の複数のコネクタの接続端を夫々保持する第1組付治具と、前記第1組付治具に保持された複数のコネクタの接続端に対して接続される接続端を夫々保持する第2組付治具とを対向させ、
前記対向させた第1組付治具と第2組付治具との相対位置をロケート手段により位置決めし、
前記位置決め状態において、前記第1、2組付治具に引込み手段を係合させ、
前記第1、2組付治具およびこの組付治具が係合しているモジュール組立体若しくはモジュール組立体が取付けられる部材に対して干渉しないようにいずれか一方の組付治具の外周側に配置された操作手段により、前記引込み手段を作動させて、前記第1、2組付治具の間隔を接近させ、
前記第1、2組付治具の相対的な接近に応じて、夫々保持している複数のコネクタの接続端同士を接続することを特徴とするモジュール組付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−99074(P2007−99074A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291117(P2005−291117)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】