説明

モバイル端末用サーバ

【課題】モバイル端末利用時のユーザビリティの向上を図る。
【解決手段】サーバ100は、モバイル端末200(例えば、携帯電話など)で実行される情報を、モバイル端末200に提供する。サーバ100とモバイル端末200とは、相互にインスタントメッセージ(IM)が利用可能に構成されている。モバイル端末200は、ユーザ状態(例えば、モバイル端末の開閉状態など)を検出して、IM技術に基づきサーバ100に通知する。サーバ100、及び/又は、モバイル端末200は、検出されたユーザ状態に基づいて、サーバ100からモバイル端末200に提供すべき情報を決定する。モバイル端末200は、サーバ100から提供された情報を実行する際、検出したユーザの状態に基づいて、その実行を制御する。例えば、モバイル端末200で実行される複数のジョブの優先順位が設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信端末などのモバイル端末への情報提供等に好適なモバイル端末用サーバ等に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などのモバイル端末が広く普及している。このようなモバイル端末の高性能化により、例えば、インターネットへの接続なども可能になり、その利用範囲は拡大している。また、装置の小型化も進んでおり携帯性も向上されている。したがって、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置によるネットワーク利用と同等のサービスを、携帯性に優れたモバイル端末でも享受できるようになってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のようなモバイル端末のハードウェア性能は、パーソナルコンピュータなどと比べると劣ってしまい、また、小型であるために、同じサービスを利用する場合であっても、煩雑な操作を必要とすることがあり、ユーザビリティが低くなってしまうことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかるモバイル端末用サーバは、
通信ネットワークを介して複数のモバイル端末との間で、情報を交換するモバイル端末用サーバであって、
複数のモバイル端末からそれぞれ供給される、当該モバイル端末が開いたことを示す開信号を受信する開信号受信手段と、
前記開信号受信手段で受信された開信号に応答して、所定の情報をモバイル端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0005】
上記モバイル端末用サーバは、
複数のジャンルに分けられた情報を記憶する情報蓄積手段を備えていることが望ましく、この場合、
前記送信手段は、前記開信号の受信に応答して、前記情報蓄積手段が記憶している情報の中から、所定のジャンルの情報を当該モバイル端末に送信することが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、携帯電話などのモバイル端末のユーザビリティを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施例にかかるモバイル・ネットワーク・システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示すサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すユーザ情報データベースに蓄積される情報の例を示す図である。
【図4】図2に示す提供情報データベースに蓄積される情報の例を示す図である。
【図5】図2に示す転送済情報データベースに蓄積される情報の例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例にかかるモバイル端末の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1実施例にかかる「フォーム提供準備処理」および「フォーム要求処理」を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7に示す「フォーム要求処理」においてモバイル端末で実行される「要求対象決定処理(1)」を説明するためのフローチャートである。
【図9】図7に示す「フォーム要求処理」においてモバイル端末で実行される「要求対象決定処理(2)」を説明するためのフローチャートである。
【図10】図7に示す「フォーム要求処理」においてモバイル端末で実行される「要求対象決定処理(3)」を説明するためのフローチャートである。
【図11】図7に示す「フォーム提供準備処理」においてサーバで実行される「提供フォーム決定処理」を説明するためのフローチャートである。
【図12】図7に示す「フォーム提供準備処理」においてサーバで実行される「割込処理」を説明するためのフローチャートである。
【図13】図7に示す「フォーム提供準備処理」の後にサーバで実行される「フォーム提供処理」、および図7に示す「フォーム要求処理」の後にモバイル端末で実行される「フォーム受信処理」を説明するためのフローチャートである。
【図14】図13に示す「フォーム受信処理」の後にモバイル端末で実行される「フォーム実行処理」を説明するためのフローチャートである。
【図15】図14に示す「フォーム実行処理」の後にサーバで実行される「継続提供処理」を説明するためのフローチャートである。
【図16】本発明の第1実施例にかかる「未返送確認処理」を説明するためのフローチャートである。
【図17】図16に示す「未返送確認処理」の後にモバイル端末で実行される「未返送通知フォーム実行処理」を説明するためのフローチャートである。
【図18】図17に示す「未返送通知フォーム実行処理」においてモバイル端末に表示される表示画面の例を示す図である。
【図19】(a)は、第2実施例において、ユーザ情報DBが記憶する「ステータス情報管理テーブル」の例を示す図であり、(b)は、第2実施例において、ユーザ情報DBが記憶する「待機ジョブリスト」の例を示す図である。
【図20】第2実施例にかかる「ジョブ開始処理」を説明するためのフローチャートである。
【図21】第2実施例にかかる「第1端末制御処理」を説明するためのフローチャートである。
【図22】第2実施例にかかる「ジョブ終了処理」を説明するためのフローチャートである。
【図23】第2実施例にかかる「第2端末制御処理」を説明するためのフローチャートである。
【図24】ユーザ情報DBが記憶する「配信順位テーブル」の例を示す図である。
【図25】第2実施例にかかる「第3端末制御処理」を説明するためのフローチャートである。
【図26】第3実施例において、ユーザ情報DBが記憶する「利用者情報テーブル」の例を示す図である。
【図27】第3実施例にかかる「サービス開始処理」を説明するためのフローチャートである。
【図28】第3実施例にかかる「ステータス変更処理」を説明するためのフローチャートである。
【図29】第4実施例において、ユーザ情報DBが記憶する「利用者情報テーブル」の例を示す図である。
【図30】第4実施例にかかる「情報提供処理」を説明するためのフローチャートである。
【図31】第4実施例にかかる「サービス中止処理」を説明するためのフローチャートである。
【図32】第4実施例にかかる「情報送信処理」を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施例)
以下、本発明にかかる実施例を図面を参照して説明する。本実施例では、携帯電話などのモバイル端末200のインスタント・メッセージ(Instant Message:IM)機能を用いて、モバイル端末200に情報を提供するモバイル・ネットワーク・システムを説明する。
【0009】
図1は本発明の実施例にかかるモバイル・ネットワーク・システムの構成を示す図である。図示するように、本実施例にかかるモバイル・ネットワーク・システム1は、サーバ100と、モバイル端末200と、から構成され、それぞれが通信ネットワーク10を介して相互に接続されている。
【0010】
ここで、通信ネットワーク10は、例えば、インターネットなどの所定の通信プロトコル(例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)など)を用いて情報伝達を行う通信ネットワークである。
【0011】
サーバ100は、例えば、メインフレームやワークステーションなどの所定のコンピュータ装置から構成され、後述する各処理を実行することにより、モバイル端末200に情報を提供するものである。サーバ100の構成を図2を参照して説明する。なお、本実施例では、サーバ100は、他のモバイル端末との間で、即時的かつ簡易なメッセージ交換を行う、いわゆるインスタントメッセージ(以下、「IM」(Instant Message)とする)サービスを提供するサーバとして機能するものとする。したがって、サーバ100には、IMサービスを提供するために必要な所定のプログラムや装置等が備えられているものとし、後述するモバイル端末200との間で実行される各処理は、これらIMサービスのための手法・技術等を用いて行われるものとする。
【0012】
図2はサーバ100の構成を示すブロック図である。図示するように、サーバ100は、制御部110と、通信制御部120と、ユーザ情報データベース130と、提供情報データベース140と、転送済情報データベース150と、入力部160と、出力部170と、プログラム格納部180と、から構成される。
【0013】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などから構成され、サーバ100の各部を制御するとともに、所定の動作プログラムを実行することで、後述する各処理を実現する。
【0014】
通信制御部120は、例えば、ルータなどの所定の通信装置から構成され、サーバ100と通信ネットワーク10とを接続し、サーバ100とモバイル端末200との間の情報通信を制御する。
【0015】
ユーザ情報データベース130は、例えば、ハードディスク装置などの書換可能な記憶装置から構成され、本実施例にかかるモバイル・ネットワーク・システム1による情報提供サービスを利用するユーザ、すなわち、モバイル端末200のユーザに関する情報が予め登録されている。なお、ユーザ情報データベース130に記録される情報は、本モバイル・ネットワーク・システム1にかかる情報提供サービス利用開始時にユーザにより登録された後、後述するモバイル端末200のユーザ情報格納部230に記録されているユーザ情報のうちの所定のものが随時送信されることで、ユーザ情報データベース130に記録されているユーザ情報は随時更新されるものとする。図3に、ユーザ情報データベース130に記録される情報の例を示す。
【0016】
図示するように、ユーザ情報データベース130には、各ユーザに割り当てられたユーザID毎にレコードが作成され、各レコードには、当該ユーザが使用するモバイル端末200を特定する端末特定情報(例えば、IPアドレス、電子メールアドレス、電話番号、など)、当該ユーザの現在の状態(ステータス)を示すステータス情報、当該ユーザの属性(性別、年齢(生年月日)、職業、など)を示す属性情報、当該ユーザの嗜好を示す嗜好情報、などが記録されている。ここで、ステータス情報は、IM技術によるステータス検知によって検知される各ユーザのステータスを示す情報であり、各モバイル端末200から随時取得されるものである。ステータス情報として、例えば、「仕事中」、「買い物中」、「他のユーザと通信中」、などを示す情報が記録される。ステータス情報は、各ユーザによりモバイル端末200に設定入力される場合の他、モバイル端末200が検知(例えば、通信状態、通信相手、プログラムの終了、電源OFF、など)することで生成され、随時サーバ100に送信されるものである。送信されたステータス情報は、ユーザ情報データベース130に随時記録・更新される。
【0017】
提供情報データベース140は、例えば、ハードディスク装置などの書換可能な記憶装置から構成され、登録ユーザが使用するモバイル端末200に提供する情報を蓄積する。なお、本実施例では、提供情報データベース140に記録される情報は、モバイル端末200が取得(ダウンロード)し、モバイル端末に実装されている所定のプログラム(以下、「端末プログラム」とする)により実行される情報であり、例えば、アンケートサービスを構成するページや電子商取引(以下、「EC」(Electronic Commerce)とする)サイトを構成するページなどである。これらの情報は、所定単位(各ページ単位など)毎に用意されており、それぞれは、相互間で動的な関連性を持つような言語(例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)などのマークアップ言語など)で記述されている。例えば、あるアンケートページに対する回答内容によって、次に提示されるアンケートページがいずれであるか、などが関連づけられている。この場合、ユーザに対し提示されるのは、単に質問項目と回答入力欄などを表示する入力フォームであるが、端末プログラムが記述言語を解釈することにより、回答として入力された情報に基づく動的な関連づけが行われる。本実施例では、実行されることで外見上所定の入力フォームを形成する情報をモバイル端末200に提供するものとし、以下「フォーム(情報)」とする。
【0018】
図4に提供情報データベース140に記録される情報の例を示す。図示するように、提供情報データベース140には、各フォームに割り当てられたID毎にレコードが作成され、各レコードには、当該フォームの種別(アンケートやECなどの別)、提示対象となるユーザの属性、関連づけられたフォームのフォームID、当該データとその記述言語、などを示す情報が記録される。ここで、提供情報データベース140に記録される「属性」は、ユーザ情報データベース130に記録される「属性情報」および「嗜好情報」に対応している。すなわち、例えば、同じ目的のアンケートであっても、回答者(すなわち、モバイル端末200のユーザ)の属性や嗜好により、質問項目を異ならせたフォームを用意し、適切なものを提示するものである。
【0019】
転送済情報データベース150は、例えば、ハードディスク装置などの書換可能な記憶装置から構成され、サーバ100からモバイル端末200に転送されたフォームに関する情報が蓄積される。図5に、転送済情報データベース150に記録される情報の例を示す。図示するように、転送済情報データベース150には、転送先のユーザを示すユーザID、転送日時、転送したフォームを示すフォームID、転送したフォームを用いて返送された内容、などを示す情報が蓄積される。
【0020】
入力部160は、例えば、キーボードやポインティングデバイスなどの所定の入力装置から構成され、制御部110への指示の入力や各データベースへの情報の入力などに用いられる。
【0021】
出力部170は、例えば、ディスプレイ装置などの所定の出力装置から構成され、制御部110の処理結果などを出力する。
【0022】
プログラム格納部180は、例えば、ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置から構成され、サーバ100の動作プログラムを格納する。後述する各処理は、制御部110がプログラム格納部180から所定の動作プログラムを読み出して実行することで実現されるものである。
【0023】
次に、モバイル端末200の構成について説明する。モバイル端末200は、例えば、移動体通信端末(携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)など)やパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Data Assistance:携帯情報端末)などの、所定のコンピュータ装置から構成される情報モバイル端末から構成され、通信ネットワーク10を介してサーバ100から情報(フォーム)を受信可能に構成されている。本実施例では、モバイル端末200は少なくとも、通信ネットワーク10を介して、サーバ100との間で、IMサービスが利用可能に構成されているものとする。すなわち、IMサービスを利用するための所定のプログラムがモバイル端末200にインストールされているものとし、後述するサーバ100との間で実行される各処理は、IMサービスのための手法・技術等を用いて行われるものとする。図6を参照してモバイル端末200の構成を説明する。
【0024】
図示するように、モバイル端末200は、制御部210、通信制御部220、ユーザ情報格納部230、プログラム格納部240、転送情報格納部250、入力部260、および、出力部270、から構成される。
【0025】
制御部210は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などから構成され、後述するプログラム格納部240に格納されている所定の動作プログラムを実行することで、後述する各処理を実現する。
【0026】
通信制御部220は、例えば、ルータやTA(Terminal Adapter)、モデム、あるいは、所定のアンテナ装置などを含む所定の通信装置(回路、モジュール等も含む)から構成され、モバイル端末200と通信ネットワーク10とを接続することで、サーバ100との間の情報通信を行う。
【0027】
ユーザ情報格納部230は、例えば、ハードディスク装置、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、および、種々の記録媒体、などの書換可能な記憶装置あるいは記録媒体から構成され、当該モバイル端末200のユーザに関する情報を予め記録する。ユーザ情報格納部230に記録される情報は、少なくとも、図3に示すサーバ100のユーザ情報データベース130に記録される「属性情報」および「嗜好情報」に対応するものである。すなわち、モバイル端末200のユーザ情報格納部230に記録される情報のうち所定のもの(サーバ100に開示してよいもの)がサーバ100に随時送信されることで、サーバ100のユーザ情報データベース130に更新記録されるものである。
【0028】
プログラム格納部240は、例えば、ハードディスク装置、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、および、種々の記録媒体、などの書換可能な記憶装置あるいは記録媒体から構成され、後述する各処理を実現するための所定の動作プログラム(IMサービスを利用するためのプログラム、サーバ100から転送されたフォームを実行するプログラム、など)が記録される。なお、本実施例における後述する各処理を実現するために、モバイル端末200の制御部210で実行される各動作プログラムを、以下「端末プログラム」とする。
【0029】
転送情報格納部250は、例えば、ハードディスク装置、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、および、種々の記録媒体、などの書換可能な記憶装置あるいは記録媒体から構成され、サーバ100から転送されたフォームを格納する。
【0030】
入力部260は、例えば、キーボードやテンキー、ポインティングデバイスなどの所定の入力装置から構成され、制御部210に対する指示の入力やユーザ情報格納部230への情報の入力、実行されたフォームに対する入力、などに用いられる。
【0031】
出力部270は、例えば、ディスプレイ装置などの所定の出力装置から構成され、制御部210の処理結果(受信されたフォームの実行結果、など)などを出力する。
【0032】
次に、本実施例にかかるモバイル・ネットワーク・システム1における、サーバ100およびモバイル端末200が行う各処理を図面を参照して説明する。
【0033】
まず、図7に示すフローチャートを参照して、本実施例にかかるフォーム要求処理(モバイル端末200の動作)およびフォーム提供準備処理(サーバ100の動作)を説明する。
【0034】
まず、モバイル端末200の制御部210が、プログラム格納部240に格納されている端末プログラムを実行すると、制御部210が使用者状態を所定期間毎に随時検出する(ステップS101)。すなわち、ユーザが入力部260を操作することにより、所定の状態を設定したか否かの検出の他、「IMによる他のユーザとの通信をしているか否か」、「通信中である場合、通信相手が誰であるか」、「フォーム実行中であるか否か」「端末プログラムが終了したか否か」、「(モバイル端末200が移動体通信端末である場合)モバイル端末200の電源がOFFとなったか否か」、など、IMによる通信に関連するモバイル端末200の状態を検出することで、ユーザの状態(通信の可否、など)として検知する。制御部210は、検知されたユーザの状態を示す情報(以下、「ユーザ状態情報」とする)を通信制御部220を介して、サーバ100に通知する。なおこのとき、ユーザ状態情報には、所定の端末特定情報が付されて通知される。
【0035】
サーバ100では、通信制御部120が、モバイル端末200からユーザ状態情報を受信すると、制御部110は、当該ユーザ状態情報に付された端末特定情報に基づいて、ユーザ情報データベース130から対応するレコードを特定し、当該レコードの「ステータス情報」欄に、受信したユーザ状態情報を記録する(ステップS201)。
【0036】
モバイル端末200では、サーバ100に提供を要求するフォームを決定するための要求対象決定処理(ステップS300)が随時実行される。この要求対象決定処理を図8〜10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0037】
要求対象決定処理では、少なくとも、図8〜10に示す(1)〜(3)の処理が実行される。これらの処理は、順次実行されてもよく、または、並行して実行されてもよい。本実施例では、順次実行されるものとして以下説明する。
【0038】
まず、図8に示す要求対象決定処理(1)が実行される。ここでは、ユーザからの任意の要求に基づいて要求対象が決定される。まず、端末プログラム実行中に、ユーザがモバイル端末200の入力部260を操作することにより、任意のフォームの実行が要求されると(ステップS311:Yes)、制御部210は、転送情報格納部250を検索し、当該要求されたフォームが格納されているか否かを判別することにより、未取得であるか取得済であるかを判別する(ステップS312)。
【0039】
ここで、当該フォームがすでにサーバ100から取得され、転送情報格納部250に格納されている場合(ステップS312:No)は、後述するフォーム実行処理(ステップS700)にすすみ、当該フォームが実行される。
【0040】
一方、まだ取得されていない場合(ステップS312:Yes)は、当該要求されたフォームを、サーバ100に対する要求対象として決定し(ステップS313)、図7に示すフォーム要求処理に戻る。
【0041】
一方、ユーザからの実行要求がない場合(ステップS311:No)は、図9に示す要求対象決定処理(2)が実行される。
【0042】
要求対象決定処理(2)では、ユーザの状態に応じて要求対象が決定される。まず、制御部210が、図7に示すステップS101で検出されたユーザ状態を分析し(ステップS321)、現在のユーザ状態が、サーバ100にフォームを要求すべき所定の状態(以下、「フォーム要求状態」とする)であるか否かを判別する(ステップS322)。ここでは、端末プログラムが用いるデータとして、フォーム要求状態とその時に要求するフォームとが予め対応付けられて登録されているものとする。すなわち、例えば、ユーザ状態が「買い物中」である場合には、所定のショッピングに関するアンケートページを要求したり、ユーザ状態が「スポーツ観戦中」である場合に、スポーツグッズのショッピングサイトを要求するなどの関連づけがなされている。これらの関連づけは、端末プログラムにデフォルトで設定されていてもよく、あるいは、ユーザにより任意に登録されてもよい。
【0043】
このように予め登録されているフォーム要求状態である場合(ステップS322:Yes)、制御部210は、転送情報格納部250を検索し、当該フォーム要求状態に対応するフォームがすでに格納されているか否かを判別することにより、当該フォームが未取得であるか取得済であるかを判別する(ステップS323)。ここで、当該フォームがすでに取得済である場合(ステップS323:No)は、後述するフォーム実行処理(ステップS700)に進み、当該フォームを実行する。
【0044】
一方、当該フォームが未取得である場合(ステップS323:Yes)は、制御部210は、当該フォームを要求対象として決定する(ステップS324)。
【0045】
一方、ユーザ状態がフォーム要求状態ではない場合(ステップS322:No)は、図10に示す要求対象決定処理(3)が実行される。
【0046】
要求対象決定処理(3)を図10に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、ユーザ情報格納部230に記録されているユーザ情報に基づいて、要求対象を決定する。
【0047】
まず、制御部210が、ユーザ情報格納部230から、記録されているユーザ情報を取得する(ステップS331)。
【0048】
制御部210は、取得したユーザ情報に基づいて、当該ユーザ情報に更新があったか否かを判別する(ステップS332)。例えば、記録されている生年月日情報に基づいて、年齢が更新されたか否か、などを判別する。あるいは、ユーザの任意の入力により、ユーザ情報が更新されたか否かを判別する。したがって、この要求対象決定処理(3)は、ユーザによるユーザ情報の更新入力を契機に実行されてもよい。
【0049】
制御部210は、ユーザ情報が更新されたと判別した場合(ステップS332:Yes)、転送情報格納部250に格納されているフォームを参照し、ユーザ情報の更新が、これら取得済フォームの変更を必要とするものか否かを判別する(ステップS334)。例えば、「所定の年齢層を対象としたフォームが取得されている場合に、年齢情報の更新により、当該フォームが現在の年齢に合っているか否か」、「所定の嗜好を対象としたフォームが取得されている場合に、嗜好の変化により、当該フォームがユーザに合っているか否か」、などが判別される。
【0050】
ここで、ユーザ情報の更新により、取得済フォームの変更が必要であると判別された場合(ステップS334:Yes)は、制御部210は、当該フォームを変更対象として決定する(ステップS335)。
【0051】
一方、取得済フォームの変更は不要であると判別された場合(ステップS334:No)は、更新後のユーザ情報のうち、サーバ100への通知対象となっているものをサーバ100に送信する(ステップS336)。サーバ100では、ステップS336で送信されたユーザ情報に基づいて、ユーザ情報データベース130を更新する。
【0052】
ステップS336でユーザ情報が送信された後、あるいは、ユーザ情報の更新がなかった場合(ステップS332:No)は、図7に示すステップS101に戻り、再びユーザ状態の検出等が行われる。
【0053】
制御部210は、ステップS313、S324、あるいは、S335で決定したフォームを要求する(あるいは、変更を要求する)旨の要求情報を生成し、通信制御部220を介してサーバ100に送信する(ステップS102)。
【0054】
サーバ100では、モバイル端末200から要求情報を受信すると(ステップS204:Yes)、受信した要求情報に基づくフォーム提供処理(ステップS800:後述)が実行される。
【0055】
以上が、モバイル端末200が要求対象を決定する場合の処理である。一方、サーバ100が、モバイル端末200に提供するフォームを決定する場合もある。この場合の処理を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0056】
まず、前述のように、ステップS101でモバイル端末200から送信され、ステップS201でユーザ情報データベース130に記録されたユーザ状態情報に基づいて、サーバ100の制御部110は、提供フォーム決定処理(ステップS400)を実行する。この提供フォーム決定処理を、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0057】
まず、制御部110は、ステップS201で更新登録されたユーザ状態情報に基づいて、対応するユーザ(モバイル端末200)が、通信可能状態であるか否かを判別する(ステップS401)。すなわち、モバイル端末200や端末プログラムが起動しているか否かなどの物理的状態のほか、ユーザ状態が、例えば、「仕事中」など通信するのが好ましくない状態であるか否かなどを判別する。
【0058】
ここで、当該ユーザが通信可能状態である場合(ステップS401:Yes)、制御部210は、さらに、当該ユーザが他者と通信中であるか否かを判別し(ステップS402)、通信中である場合(ステップS402:Yes)はさらに、通信相手が、本情報提供サービスを利用する他の登録ユーザであるか否かを判別する(ステップS403)。これは、同じIMサービスを利用する者同士では、両者の間でユーザ状態情報の相互参照が行われているため、これを反映したユーザ状態情報を取得することで、判別することができる。
【0059】
ここで、通信相手が登録ユーザである場合(ステップS403:Yes)、制御部210はさらに、当該通信の内容が判別可能であるか否かを判別する(ステップS404)。ここでは、例えば、当該ユーザ同士が、IMを用いてあるテーマでチャットや電子会議などを行っている場合は、そのテーマを通信内容として参照する。
【0060】
通信内容が判別可能である場合(ステップS404:Yes)は、制御部210は、当該通信内容に合ったフォームを提供対象として決定する(ステップS405)。
【0061】
一方、通信内容が判別できない場合(ステップS404:No)は、制御部210は、ユーザ情報データベース130にアクセスし、両ユーザの「属性情報」および「嗜好情報」を参照し(ステップS406)、両者に共通する属性や嗜好に対応するフォームを提供対象として決定する(ステップS407)。ステップS405あるいはS407で提供対象が決定された場合、後述するフォーム提供処理(ステップS800)に進み、決定されたフォームがモバイル端末200に提供される。
【0062】
一方、通信可能状態でない(ステップS401:No)、通信中ではない(ステップS402:No)、あるいは、登録ユーザとの通信ではない(ステップS403:No)場合は、図7のステップS202に進む。
【0063】
ステップS202では、制御部110が、サーバ100の自己状態(以下、「サーバ状態」とする)を検出する。例えば、サーバ100の異常検出や予定されているメインテナンスなどによって、サーバ100によるサービス停止が生じる状態(以下、「サービス停止状態」とする)であるか否かや、提供情報データベース140に登録されているフォームが更新・変更された(以下、「フォーム更新状態」とする)か否かなどを検出する。
【0064】
制御部110は、検出したサーバ状態が所定の状態(すなわち、サービス停止状態やフォーム更新状態など)である場合(ステップS203:Yes)、割込処理(ステップS600)を実行する。この割込処理を図12に示すフローチャートを参照して説明する。本実施例では、サービス停止状態とフォーム更新状態が所定のサーバ状態である場合を例に以下説明する。
【0065】
まず制御部110は、所定のサーバ状態として検出されたサーバ状態を分析し(ステップS601)、サービス停止状態であるか否かを判別する(ステップS602)。
【0066】
サービス停止状態である場合(ステップS602:Yes)は、制御部110は、ユーザ情報データベース130に登録されている全ユーザを転送先として指定し(ステップS603)、サービス停止状態をユーザに通知するとともに、モバイル端末200でのフォーム実行を制限するためのフォーム(以下、「停止通知フォーム」とする)を作成する(ステップS604)。ここでは、制御部110が所定のフォーム作成プログラムに基づいて、自動的に作成してもよく、あるいは、停止通知フォームの作成を促すメッセージなどを出力部170に表示させ、フォーム作成担当者に通知するようにしてもよい。作成された停止通知フォームは提供情報データベース140に格納される。そして、制御部110は、作成した停止通知フォームを転送対象として決定する。なお、予め定型的に用意されているフォームがある場合は、作成を省略し、用意されているフォームを転送対象として決定してもよい。
【0067】
一方、所定サーバ状態がフォーム更新状態である場合(ステップS602:No)、制御部110は、転送済情報データベース150を検索し(ステップS605)、更新前のフォームが転送された転送先(すなわち、ユーザID)を特定する(ステップS606)。
【0068】
そして、当該特定されたユーザIDを更新後フォームの転送先として指定し(ステップS607)、当該更新後フォームを変更対象フォームとして決定する(ステップS608)。
【0069】
制御部110は、後述するフォーム提供処理(ステップS800)を実行し、ステップS604またはS608で決定したフォーム(サービス停止通知フォームあるいは更新後フォーム)をモバイル端末200に転送する。
【0070】
一方、割込処理を要するサーバ状態でない場合(ステップS203:No)は、モバイル端末200からの要求情報を待機する(ステップS204)。モバイル端末200から要求情報を受信するまでは、ステップS202の自己状態の検出を繰り返し実行する。
【0071】
次に、上述のモバイル端末200からの要求、あるいは、サーバ100がユーザ状態またはサーバ状態に基づいて決定されたフォームをモバイル端末200に提供し(ステップS800「フォーム提供処理」)、モバイル端末200がフォームを受信する処理(ステップS500「フォーム受信処理」)が行われる。フォーム提供処理およびフォーム受信処理を図13のフローチャートを参照して説明する。
【0072】
まず、サーバ100の制御部110は、ステップS204で受信した要求情報に示されるフォーム、あるいは、ステップS405もしくはS407、または、ステップS604もしくはS608で決定したフォームを、提供情報データベース140から取得する(ステップS801)。
【0073】
次に制御部110は、ユーザ情報データベース130にアクセスし、要求情報、ユーザ状態、あるいは、サーバ状態(サービス停止状態を除く)に基づいてフォームが決定された場合には対応するユーザ(モバイル端末200)、サービス停止状態に基づいてフォームが決定された場合には全ユーザ、について、「ステータス情報」を参照し、通信可能状態であるか否かを判別する(ステップS802)。
【0074】
提供対象が通信可能状態である場合(ステップS802:Yes)、制御部110は、ステップS801で取得したフォームを、通信制御部120を介して提供対象のモバイル端末200に転送(送信)する(ステップS803)。なお、上述の要求対象決定処理(3)で変更対象として要求された場合、または、割込処理で「フォーム更新状態」に基づいて更新後フォームを転送する場合には、転送時に変更対象である旨を示す付加情報が併せて送信される。さらに、更新後フォームを転送する場合、転送済データベース150の更新前フォームに対応する「返送内容」欄に返送情報が記録されている場合は、その内容も併せて転送する。
【0075】
制御部110は、ステップS802で転送したフォームに関する情報を、転送済情報データベース150に記録する(ステップS804)。すなわち、転送先のユーザ示すユーザID、転送日時、転送したフォームのフォームIDなどを記録する。なお、この時点では「返送内容」欄は「NULL」とする。
【0076】
モバイル端末200では、通信制御部220がサーバ100からフォームを受信すると(ステップS501)、制御部210が、付加情報に基づいて、当該受信したフォームが変更対象であるか否かを判別する(ステップS502)。
【0077】
変更対象フォームである場合(ステップS502:Yes)、制御部210は、転送情報格納部250にアクセスし、対応するフォームを削除し(ステップS503)、受信したフォームを格納する(ステップS504)。また、「フォーム更新状態」に基づいて変更されたフォームであって、返送内容情報が併せて転送された場合は、その情報も格納される。
【0078】
変更対象でないフォームについては、転送されたフォームが転送情報格納部250に格納される(ステップS502:No、S504)。
【0079】
制御部210は、ステップS504で転送情報格納部250に格納したフォームを実行するためのフォーム実行処理を実行する(ステップS700)。このフォーム実行処理を図14に示すフローチャートを参照して説明する。
【0080】
制御部210は、図7のステップS101で検出される現在のユーザ状態に基づいて、フォーム実行可能状態であるか否かを判別する(ステップS701)。例えば、ユーザ状態が「仕事中」などフォームの実行が好ましくない状態であったり、モバイル端末200が、例えば、スリープ状態などにより実行してもユーザが認識できない場合、はフォーム実行不可と判別する。
【0081】
フォーム実行可能状態である場合(ステップS701:Yes)は、転送情報格納部250にアクセスし、ステップS504で格納されたフォームを実行する(ステップS702)。あるいは、要求対象特定処理(1)または(2)で取得済フォームの実行が指定された場合は、当該フォームを実行する。なお、実行対象フォームが、「サービス停止通知フォーム」である場合は、当該フォームが実行されることにより、指定期間(サービス停止期間)中は、フォームの実行ができない旨出力部270に表示される他、端末プログラムと協働することにより、当該期間中のフォームの実行を制限するものとする。
【0082】
一方、フォーム実行不可状態である場合(ステップS701:No)は、実行可能状態となるまで、フォームの実行を待機する。
【0083】
ここで、実行されたフォームが、所定事項の入力をユーザに要求するもの(例えば、アンケートページなど)である場合(ステップS703)、制御部210は、入力部260から入力された情報を順次転送情報格納部250に、当該フォームと対応付けて記録する(ステップS704)。
【0084】
次に制御部220は、当該フォームの実行により、何らかの情報をサーバ100に返送する必要があるか否かを判別する(ステップS705)。すなわち、アンケートページであれば、入力回答をサーバ100に返送する必要があり、ECサイトであれば、商品指定などの情報を返送する必要がある。
【0085】
返送対象がある場合(ステップS705:Yes)、制御部210は、ユーザからの送信指示を待機し、送信指示に応じて、返送対象情報をサーバ100に送信し(ステップS706:Yes、S707)、図13のフォーム受信処理に戻る。
【0086】
返送対象がない場合(ステップS705:No)や送信指示がない場合(ステップS706:No)は、サーバ100に対する送信は行わずにフォーム受信処理に戻る。
【0087】
なお、ステップS703で転送情報格納部250に格納された入力情報は、当該入力情報がサーバ100に送信完了するまで転送情報格納部250に保持される。すなわち、入力フォームの入力途中で中断した場合や、送信途中の通信断などで入力情報がサーバ100に返送されなかった場合、当該フォームの再実行時に前回入力した入力情報を転送情報格納部250から呼び出し、ユーザによる同一情報の再入力を省略させる。
【0088】
ステップS700のフォーム実行処理において、サーバ100に情報送信が行われた場合は、サーバ100で継続提供処理(ステップS1000)が実行される。この継続提供処理を図15に示すフローチャートを参照して説明する。
【0089】
サーバ100の通信制御部120がモバイル端末200から返送情報を受信すると(ステップS1001:Yes)、制御部110は、転送済情報データベース150にアクセスし、対応するレコードの「返送内容」欄に受信した返送情報を記録する(ステップS1002)。
【0090】
制御部110は、当該返送情報に対し、継続してモバイル端末200に提示すべきフォームがあるか否かを判別する(ステップS1003)。例えば、アンケートページの1ページ目の回答(返送情報)を受信した場合、この回答に対応付けられたさらなるページがあるか否か、などを判別する。ここでは、提供情報データベース140の「関連フォーム」情報などに基づいて、継続提示フォームの有無を判別する。
【0091】
継続提示フォームがある場合(ステップS1003:Yes)は、制御部110は当該フォームを提供対象フォームとして決定する(ステップS1004)。制御部110は、図13に示すフォーム提供処理を再度実行し、ステップS801〜S803の処理を行うことで、ステップS1004で決定したフォームをモバイル端末200に提供する。
【0092】
上述したように、入力フォームでの入力が中断された場合や、入力情報がサーバ100に送信完了しなかった場合は、モバイル端末200側で入力情報を保持し、フォーム再実行の際の再入力を省略させたが、返送情報の返送有無をサーバ100側で検出し、所定の処理を行ってもよい。この場合の未返送確認処理(ステップS1100)を、図16に示すフローチャートを参照して説明する。
【0093】
サーバ100の制御部110は、所定期間毎に転送済情報データベース150内に、「返送内容」が「NULL」となっているレコードを検索する(ステップS1101)。該当するレコードがある場合(ステップS1102:Yes)、当該レコードの「転送日時」欄の情報を参照する(ステップS1103)。
【0094】
制御部110は、現在日時と参照した転送日時とを比較し、所定期間(例えば、1週間など)以上前に転送されているか否かを判別する(ステップS1104)。ここで、所定期間以上経過している場合(ステップS1104)は、当該レコードのユーザに対し、未返送通知フォームを転送する(ステップS1105)。この未返送通知フォームは、モバイル端末200で実行されることにより、ユーザに未返送情報があることを通知するとともに、必要に応じて再送信の処理を行うものである。なお、未返送通知フォームは予め定型的に作成され、提供情報データベース140に格納されているものとする。したがって、制御部110は、提供情報データベース140から当該未返送通知フォームを取得し、転送対象のモバイル端末200に転送する。また、ここでは、制御部110により所定の情報(対象フォームIDなど)が付加されるものとする。
【0095】
このようにして転送された未返送通知フォームをモバイル端末200が実行する際の処理(「未返送通知フォーム実行処理」(ステップS1200))を図17に示すフローチャートを参照して説明する。
【0096】
まず、モバイル端末200の制御部210は、通信制御部220などを制御することで、図13のフォーム受信処理におけるステップS501〜S504および図14のフォーム実行処理におけるステップS701〜S702と同様の処理を行うことにより、前述の未返送通知フォーム転送処理で転送された未返送通知フォームの受信・格納・実行(実行可能状態の場合)を行う(ステップS1201)。
【0097】
モバイル端末200が、端末プログラムとの協働により未返送通知フォームを実行すると、図18に示すような、入力途中の回答を情報提供サーバ100に送信するか否かを問い合わせるメッセージおよびこの問い合わせに対する回答(「はい」または「いいえ」)が、出力部270に表示される(ステップS1202)。
【0098】
ユーザは入力部260を操作し、当該回答の送信要否を回答する。ここで、回答不要である場合、すなわち、「いいえ」が選択された場合(ステップS1203:No)は、処理を終了する。一方、回答要である場合、すなわち、「はい」が選択された場合(ステップS1203:Yes)、制御部110は、転送情報格納部250を検索し(ステップS1204)、当該フォームがあるか否かを判別する(ステップS1205)。
【0099】
ここで、当該フォームが転送情報格納部250にある場合(ステップS1205:Yes)、制御部210は当該フォームを実行する(ステップS1206)。このとき、入力情報が格納されている場合は、それを含んで実行することにより、ユーザによる入力済情報の再入力を省略する。
【0100】
制御部210は、図14のフォーム実行処理におけるステップS703〜S706と同様の処理を実行することにより、入力済情報および新たに入力された情報をサーバ100に送信し(ステップS1207)、処理を終了する。サーバ100では、必要に応じて図15に示す継続提供処理を実行する。
【0101】
一方、例えば、ユーザの指示による破棄や転送情報格納部250の容量制限などにより、対象フォームが転送情報格納部250から削除されている場合(ステップS1205:No)、制御部210は、当該フォームを要求対象として決定し(ステップS1208)、図7におけるステップS102と同様の処理により、決定したフォームを要求する要求情報を生成して、サーバ100に送信する(ステップS1209)。サーバ100では、上述した各処理を実行することにより、要求情報で要求されたフォームを当該モバイル端末200に転送する。
【0102】
以上説明したように、本発明の実施例にかかるモバイル・ネットワーク・システム1によれば、ユーザが要求した場合はもとより、IMに基づくユーザ状態情報を用いることで、サーバ100及び/又はモバイル端末200が、ユーザに提供すべき適切な情報(フォーム)を自動的に決定し、適切なタイミングで能動的にユーザに提供することができるので、効果的な情報提供が実現できるとともに、ユーザの操作等を要しないので、利便性が高い。
【0103】
また、ユーザの属性や嗜好の変化に応じて、適切な情報の提供がなされる。この場合、ユーザ情報の更新は、モバイル端末200においてなされたものに基づいて自動的に行われるので、ユーザが同じ内容を何度も入力する必要がなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0104】
さらに、実行されたフォームがアンケートページなどのユーザの入力を要するものである場合、入力された情報は随時モバイル端末200に保持される。したがって、入力途中で中断した場合や、サーバ100への送信が未完了となっても、同一フォームを次回実行した際に、前回入力された情報が再現されるので、同じ情報を再度入力する必要がない。また、サーバ100において、未返送情報をチェックし、所定期間以上返送されていない場合には、その旨通知するとともに、ユーザが操作することなく同一のフォームが実行されるので、中断していた回答の再開を促すことができる。このため、情報提供者は効果的に情報収集できるとともに、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0105】
また、サーバ100の障害等によりサービスが停止される場合は、その旨が各モバイル端末200に通知されるので、ユーザは、通信断やサービス停止の原因を容易に特定することができ、ユーザの利便性が高い。
【0106】
上記実施例では、モバイル端末200でフォームが実行されることにより入力される入力情報を、モバイル端末200側で随時保持し、再実行時に入力済情報を再現したが、モバイル端末200で保持すると同時に、サーバ100に送信し、転送済情報データベース150に記録するようにしてもよい。このような構成によれば、上記未返送通知フォーム実行処理において、モバイル端末200に対象フォームがない場合であっても、前回入力済情報を再現させることができる。この場合において、入力情報をサーバ100に送信する際、例えば、「すべての項目が入力されていない」、あるいは、「情報送信が正常に行われなかった」などを示す付加情報を転送済情報データベース150に対応付けて記録する。よって、上記未返送確認処理においては、これらの付加情報を検出することにより、未返送であるか否かを判別するものとする。
【0107】
なお、上記実施例では、フォームとしてアンケートページやECサイトを構成するものを例に説明したが、提供される情報の種類は任意である。例えば、フォームとして、ゲームやオークションサイトを構成するフォームや、株価情報やニュースなどを提供するためのフォーム、などであってもよい。いずれの場合であっても、ユーザの状態に応じて、必要かつ適切な情報を能動的に提供することができるので、情報提供者の効率およびユーザの利便性に資するものである。
【0108】
(第2実施例)
上記第1実施例では、サーバ100がモバイル端末200に、IMを用いた情報提供を行う場合を示したが、サーバ100がモバイル端末200のジョブ管理を行うこともできる。すなわち、サーバ100は、各モバイル端末200を制御し、各利用者により設定されたジョブの優先順位に従って、各モバイル端末200を動作させる。なお、モバイル端末200が行うジョブは、通話送受信、電子メール送受信、及び、アプリケーションプログラムの実行などである。例えば、モバイル端末200がジョブAを実行中に、ジョブAよりも優先順位の高いジョブBの実行要求が発生した場合、サーバ100は、モバイル端末200を制御して、ジョブAを途中休眠(中断)させ、ジョブBを実行させる。以下、この場合の実施例を説明する。
【0109】
本実施例におけるハードウェア構成は、上記第1の実施例と同一であるが、サーバ100のユーザ情報DB130は、図19aに示す各利用者の端末使用状況を表すステータス情報管理テーブル、及び、図19bに示す待機ジョブリストを記憶するものとする。
【0110】
ステータス情報管理テーブルは、図19aに示すように、モバイル端末200(利用者)毎に作成され、利用者の端末使用状況、即ち、モバイル端末200の動作状況(ステータス)を表す。モバイル端末200の動作状況は、ステータスフラグにより示される。
【0111】
ステータスフラグは、図19aに示すように、例えば「00」はジョブが終了したことを示し、「01」はジョブが実行中であることを示し、「10」はジョブが途中休眠(中断中)であることを示す。また、ステータス情報管理テーブルは、モバイル端末200が行うジョブの優先順位を表す。なお、ジョブの優先順位は、利用者がモバイル端末200を操作し、サーバ100にアクセスして設定することができる。
【0112】
待機ジョブリストは、図19bに示すように、モバイル端末200(利用者)毎に作成される。上記したように、各ジョブは利用者が設定した優先順位に従って実行される。このため、優先順位の低いジョブは、優先順位の高いジョブが終了した後に実行される。待機ジョブリストは、このような優先順位の高いジョブの終了を待っている待機ジョブを表す。
【0113】
次に、本実施例にかかるモバイル・ネットワーク・システム1の動作について説明する。
【0114】
各モバイル端末200の利用者は、自分が所有するモバイル端末200の入力部260を操作してサーバ100にアクセスし、自分のモバイル端末200に実行させるジョブの優先順位を設定する。
【0115】
サーバ100の制御部110は、利用者のアクセスに応答し、モバイル端末200に実行させるジョブの情報を、利用者が設定する優先順位で、ユーザ情報DB130のステータス情報管理テーブルに格納する。これにより、モバイル端末200が実行するジョブの優先順位が設定される。
【0116】
サーバ100は、以上の操作により作成されたステータス情報管理テーブルを用いて、各モバイル端末200の動作状況を管理する。
【0117】
利用者は、希望するジョブをモバイル端末200に実行させる際、モバイル端末200の入力部260を操作して、希望するジョブを指定する。入力部260は、利用者の操作に応答して、利用者が指定するジョブの実行を指示するユーザ実行信号を制御部210に出力する。
【0118】
制御部210は、入力部260から供給されるユーザ実行信号に応答し、プログラム格納部240が記憶するプログラムに従って、図20に示すジョブ開始処理を開始する。
【0119】
始めに、制御部210は、利用者が指定したジョブの実行開始をサーバ100に通知する(ステップS2001)。
【0120】
具体的には、制御部210は、自己のモバイル端末200、実行対象である開始ジョブ、及び、ジョブの開始、のそれぞれを表すデータを含む開始データを、通信制御部220を介してサーバ100に送信する。なお、サーバ100とモバイル端末200との間で送受信されるデータ(情報)は、パケットに分解されて送受信される。
【0121】
その後、制御部210は、プログラム格納部240が記憶しているプログラムに従って、利用者が指定したジョブの実行を開始し(ステップS2002)、ジョブ開始処理を終了する。
【0122】
一方、サーバ100の制御部110は、モバイル端末200から供給される上記開始データに応答し、ユーザ情報DB130に格納されている、開始データを送信したモバイル端末200のステータス情報管理テーブルを更新する。
【0123】
具体的には、制御部110は、供給された開始データに含まれるモバイル端末200を表すデータを用いて、開始データを送信したモバイル端末200を特定する。
【0124】
続いて、制御部110は、供給された開始データに含まれる、開始ジョブを表すデータを用いて開始ジョブを特定する。
【0125】
そして、制御部110は、ユーザ情報DB130を制御し、特定したモバイル端末200のステータス情報管理テーブルに格納されている、特定した開始ジョブのステータスを「00」(終了)から「01」(実行中)に書き換える。
【0126】
以上のようにして、利用者の操作に応答してモバイル端末200が行うジョブの開始がサーバ100に通知される。
【0127】
また、サーバ100の制御部110は、通信ネットワーク10(インターネット等)を介して他の端末からジョブの実行要求(電子メールや通話回線の接続要求など)を供給された場合、以下に示すようにして、要求されたジョブを実行させる対象となるモバイル端末200の動作を制御する。
【0128】
制御部110は、供給されたジョブの実行要求に応答し、プログラム格納部180のプログラムに従って、図21に示す第1端末制御処理を開始する。
【0129】
始めに、制御部110は、供給されたジョブの実行要求から、制御する対象のモバイル端末200(対象端末)を特定する(ステップS2011)。
【0130】
例えば、実行要求が電子メールであった場合、制御部110は、電子メールの送り先を示すアドレスを用いて対象端末を特定する。また、実行要求が通話回線の接続要求であった場合、制御部110は、電話番号から対象端末を特定する。
【0131】
次に、制御部110は、ユーザ情報DB130が格納している、特定した対象端末のステータス情報管理テーブルを検索し、実行を要求された要求ジョブよりも優先順位の高いジョブが実行中であるか否かを判別する(ステップS2012)。これにより、制御部110は、対象端末が要求ジョブを実行可能であるか否かを判別する。
【0132】
優先順位の高いジョブが実行中である、即ち、対象端末は要求ジョブを実行可能でないと判別した場合(ステップS2012;YES)、制御部110は、ユーザ情報DB130に格納されている対象端末の待機ジョブリストに、要求ジョブを表す情報を格納し(ステップS2013)、端末制御処理を終了する。なお、待機ジョブリストに複数のジョブを表す情報が格納される場合、制御部110は、利用者が設定した優先順位で各ジョブの情報を並べ替えて格納する。
【0133】
一方、優先順位の高いジョブが実行中でない、即ち、対象端末は要求ジョブを実行可能であると判別した場合(ステップS2012;NO)、制御部110は、対象端末のステータス情報管理テーブルを検索し、要求ジョブよりも優先順位の低いジョブが実行中であるか否かを判別する(ステップS2014)。
【0134】
優先順位の低いジョブが実行中でないと判別した場合(ステップS2014;NO)、制御部110は、後述するステップS2017の処理を行う。
【0135】
一方、優先順位の低いジョブが実行中であると判別した場合(ステップS2014;YES)、制御部110は、実行中であるジョブの中断(途中休眠)を指示するジョブ中断信号を、通信制御部120を介して対象端末に送信する(ステップS2015)。
【0136】
対象端末の制御部210は、サーバ100から供給されたジョブ中断信号に応答し、実行中であるジョブの途中状態をプログラム格納部240に保存し、実行中であるジョブを中断する。そして、制御部210は、ジョブを中断したことを示す中断完了信号を、通信制御部220を介してサーバ100に送信する。
【0137】
サーバ100の制御部110は、対象端末から供給される中断完了信号に応答し、ユーザ情報DB130に格納されている対象端末の待機ジョブリストに、中断させた中断ジョブを示す情報を格納する(ステップS2016)。なお、この際も上記と同様に、待機ジョブリストに複数のジョブを表す情報が格納される場合、制御部110は、各ジョブの情報を優先順位に従って格納する。
【0138】
そして、制御部110は、要求ジョブの実行を指示するサーバ実行信号を、通信制御部120を介して対象端末に送信する(ステップS2017)。
【0139】
その後、制御部110は、ユーザ情報DB130に格納されている、対象端末のステータス情報管理テーブルを更新する(ステップS2018)。具体的には、制御部110は、中断させた中断ジョブのステータスを「01」(実行中)から「10」(途中休眠)に書き換え、開始させた要求ジョブのステータスを「00」(終了)から「01」(実行中)に書き換える。なお、上記ステップS2014の処理で優先順位の低いジョブが実行中でないと判別した場合、制御部110は、要求ジョブのステータスのみを書き換える。
【0140】
対象端末の制御部210は、上記ステップS2017で送信されたサーバ実行信号に応答し、プログラム格納部240のプログラムに従って、サーバ実行信号により指示される要求ジョブを実行する。
【0141】
なお、対象端末の制御部210は、サーバ100の制御に従って、実行中のジョブを中断する際、及び、要求ジョブを開始する際、出力部270を制御して、所定のメッセージや図形を表示したり、音声を出力したり、画面を点滅させる等により、ジョブの中断及び開始を利用者に通知してもよい。
【0142】
以上のようにして、利用者が設定した優先順位に従って、モバイル端末200にジョブを実行させることができる。
【0143】
また、利用者は、実行中のジョブを終了させる際、モバイル端末200の入力部260を操作して、終了させるジョブの指定する。入力部260は、利用者の操作に応答して、利用者が指定するジョブの終了を指示するジョブ終了信号を制御部210に出力する。
【0144】
制御部210は、入力部260から供給されるジョブ終了信号に応答し、プログラム格納部240が記憶するプログラムに従って、図22に示すジョブ終了処理を開始する。
【0145】
始めに、制御部210は、利用者が指定したジョブを終了する(ステップS2021)。
【0146】
そして、制御部210は、利用者が指定したジョブの実行終了をサーバ100に通知する(ステップS2022)。具体的には、制御部210は、自己のモバイル端末200、終了対象である終了ジョブ、及び、ジョブの終了、のそれぞれを表すデータを含む終了データを、通信制御部220を介してサーバ100に送信する。
【0147】
サーバ100の制御部110は、モバイル端末200から供給される上記終了データに応答し、プログラム格納部180のプログラムに従って、図23に示す第2端末制御処理を開始する。
【0148】
始めに、制御部110は、供給された終了データに含まれるモバイル端末200を表すデータを用いて、終了データを送信したモバイル端末200を特定する(ステップS2031)。
【0149】
続いて、制御部110は、供給された終了データに含まれる、終了ジョブを表すデータを用いて終了ジョブを特定する(ステップS2032)。
【0150】
そして、制御部110は、ユーザ情報DB130を制御し、特定したモバイル端末200のステータス情報管理テーブルに格納されている、特定した終了ジョブのステータスを「01」(実行中)から「00」(終了)に書き換える(ステップS2033)。
【0151】
その後、制御部110は、ユーザ情報DB130に格納されている、特定したモバイル端末200の待機ジョブリストに待機ジョブの情報が格納されているか否かを判別する(ステップS2034)。これにより、制御部110は、待機ジョブが存在するか否かを判別する。
【0152】
待機ジョブの情報が格納されていない、即ち、待機ジョブが存在しないと判別した場合(ステップS2034;NO)、制御部110は、第2端末制御処理を終了する。
【0153】
一方、待機ジョブの情報が格納されている、即ち、待機ジョブが存在すると判別した場合(ステップS2034;YES)、制御部110は、待機ジョブリストに格納されている待機ジョブの情報を用いて、待機ジョブを特定する(ステップS2035)。
【0154】
なお、待機ジョブリストに複数の情報が格納されている場合、制御部110は、優先順位が一番高い待機ジョブの情報を用いる。上記したように、待機ジョブリストに格納される情報は、利用者が設定した優先順位に従って格納されているので、制御部110は、待機ジョブリストの一番上又は一番下に格納されている情報を用いて待機ジョブを特定する。
【0155】
そして、制御部110は、特定した待機ジョブの実行を指示するサーバ実行信号を、通信制御部120を介して特定したモバイル端末200に送信する(ステップS2036)。
【0156】
その後、制御部110は、ユーザ情報DB130に格納されている、特定したモバイル端末200のステータス情報管理テーブルに格納されている、実行を指示した待機ジョブのステータスを「00」(終了)又は「10」(途中休眠)から「01」(実行中)に書き換え(ステップS2037)、第2端末制御処理を終了する。
【0157】
モバイル端末200の制御部210は、上記ステップS2036で送信されたサーバ実行信号に応答し、プログラム格納部240のプログラムに従って、サーバ実行信号により指示されるジョブの実行を開始(又は再開)する。
【0158】
以上のようにして、利用者の操作に応答してモバイル端末200が行うジョブの終了がサーバ100に通知される。また、1つのジョブが終了したときに、優先順位の低い待機ジョブがある場合は、待機ジョブが自動的に開始(又は再開)される。
【0159】
また、ジョブの中断及び開始(再開)はサーバ100の制御により行われるので、利用者は、ジョブの中断及び開始(再開)のためにモバイル端末200を操作する必要がない。これにより、利用者の操作が簡単になる。
【0160】
また、ジョブの中断及び開始(再開)は利用者が予め設定した優先順位に従って実行されるので、モバイル端末200は、利用者にとって最も重要なジョブを確実に実行することができる。このため、利用者の作業に混乱等が生じず、利用者は効率よく作業を進めることができる。
【0161】
なお、上記実施例で示した通信システムをインスタントメッセージ(IM)システムに適用する場合、メッセージの配信先に配信順位(順番)を付け、この配信順位に従ってメッセージを配信してもよい。
【0162】
この場合、サーバ100のユーザ情報DB130は、上記したステータス情報管理テーブル及び待機ジョブリストに加えて、図24に示す配信順位テーブルを記憶する。
【0163】
配信順位テーブルは、図24に示すように、モバイル端末200(利用者)毎に作成され、メッセージ配信先の配信順位を示す。具体的には、同一グループに所属する各メンバーを示す情報(例えば、メンバーが所有するモバイル端末200の電話番号など)を、配信順位に従って格納する。また、配信順位テーブルは、配信順位テーブルが表す順位に従ってメッセージを配信する順位配信機能を利用するか否かを示す。
【0164】
なお、メッセージの配信順位は、利用者がモバイル端末200を操作してサーバ100にアクセスし、上記したジョブの優先順位を設定する場合と同様にして設定することができる。また、順位配信機能を利用するか否かについても、利用者がモバイル端末200を操作し、サーバ100にアクセスして設定することができる。
【0165】
以下に、ある利用者が同一グループに所属する他の利用者(メンバー)にメッセージを送信する際のシステムの動作を説明する。
【0166】
利用者が、自分のモバイル端末200の入力部260を操作し、モバイル端末200に実行させるジョブとしてIMプログラムを指定すると、上記と同様にして、入力部260は、利用者が指定したジョブ(IMプログラム)の実行を指示するユーザ実行信号を制御部210に出力する。
【0167】
制御部210は、入力部260から供給されるユーザ実行信号に応答し、上記したジョブ開始処理を行うことにより、利用者が指定したIMプログラムを実行する。
【0168】
利用者が入力部260を操作してメッセージを入力すると、制御部210は、送信元及び送信先等を示すデータと共に、利用者が入力したメッセージをサーバ100に送信する。
【0169】
サーバ100の制御部110は、モバイル端末200から供給されるメッセージに応答し、プログラム格納部180が記憶しているプログラムに従って、図25に示す第3端末制御処理を開始する。
【0170】
始めに、制御部110は、メッセージと共に供給された送信元を示すデータを用いて、メッセージを送信したモバイル端末200を特定する(ステップS2041)。
【0171】
そして、制御部110は、ユーザ情報DB130に格納されている、特定したモバイル端末200の配信順位テーブルを参照し、順位配信機能を使用するか否かを判別する(ステップS2042)。
【0172】
順位配信機能を使用しないと判別した場合(ステップS2042;NO)、制御部110は、メッセージの配信先であるモバイル端末200のそれぞれに、ジョブの優先順位に従ってメッセージを送信する(ステップS2043)。
【0173】
具体的には、制御部110は、メッセージの配信先であるモバイル端末200のそれぞれについて、上記した第1端末制御処理と同様の処理を実行する。これにより、制御部110は、配信先の各モバイル端末200に対して、ジョブが実行中でない場合はそのままメッセージを送信し、IMプログラムよりも優先順位の高いジョブが実行中である場合は優先順位の高いジョブが終了した後にメッセージを送信し、IMプログラムよりも優先順位の低いジョブが実行中である場合は優先順位の低いジョブを中断させてメッセージを送信する。
【0174】
一方、順位配信機能を使用すると判別した場合(ステップS2042;YES)、制御部110は、ステップS2041で特定したモバイル端末200の配信順位テーブル、及び、配信先であるモバイル端末200のステータス情報管理テーブルを参照し、配信先のモバイル端末200の中から、ジョブを実行中でないモバイル端末200を検出する(ステップS2044)。
【0175】
続いて、制御部110は、ジョブを実行中でないモバイル端末200を検出したか否かを判別する(ステップS2045)。
【0176】
ジョブを実行中でないモバイル端末200を検出できなかったと判別した場合(ステップS2045;NO)、制御部110は、メッセージを受信可能な状態にあるモバイル端末200が存在しないことを示す送信不可信号を、メッセージの送信元であるモバイル端末200に送信し(ステップS2046)、第3端末制御処理を終了する。
【0177】
一方、ジョブを実行中でないモバイル端末200を検出したと判別した場合(ステップS2045;YES)、制御部110は、ステップS2044で検出したジョブを実行中でないモバイル端末200に、送信元の利用者が設定した配信順位に従ってメッセージを送信し(ステップS2047)、第3端末制御処理を終了する。
【0178】
以上のようにして、利用者が予め設定した配信順位に従って、メッセージを配信することができる。
【0179】
(第3実施例)
上記のようなモバイル端末200で、IMによりユーザの状態を通信相手に通知するプレゼンス通知という機能を利用する場合、インスタントメッセージシステムにログインしている間、モバイル端末200は、ユーザが携帯端末を使用しているか否か、又は、キー入力操作があるか否か等の情報を、所定のタイミングでサーバに送信するため、モバイル端末200が情報を送信する度に通信費用がかかるという問題がある。また、ユーザがモバイル端末200をポケットやカバンにしまうと、モバイル端末200から情報を送信できない状態、即ち、通信不能な状態が発生する場合がある。このため、例えば、ユーザがインスタントメッセージシステムにログインした状態でモバイル端末200をポケットやカバンにしまうと、通信相手に通知されるユーザの状態が正しく更新されない場合がある。その結果、通信相手がユーザのメッセージを無駄に待つという事態が発生する場合がある。
【0180】
以下、このような問題を回避するためのモバイル・ネットワーク・システム1の実施例を説明する。
【0181】
本実施例におけるハードウェア構成は、上記各実施例と基本的には同じであるが、モバイル端末200は開閉式のものが採用されるものとする。したがって、本実施例におけるモバイル端末200には、図6に示す構成に加え、モバイル端末200の開閉状態を検出する開閉検出部280が備えられているものとする。この開閉検出部280は、モバイル端末200の開閉を検出するためのスイッチ等を備え、モバイル端末200の開閉を検出する。開閉検出部280は、モバイル端末200が開いたことを検出した場合、モバイル端末200が開いたことを示す開信号を制御部210に出力する。また、モバイル端末200が閉じたことを検出した場合、開閉検出部280は、モバイル端末200が閉じたことを示す閉信号を制御部210に出力する。
【0182】
さらに、プログラム格納部240は、モバイル端末200の開閉状態を示す信号をサーバ100に自動送信するための状態送信プログラムを記憶するものとする。
【0183】
また、サーバ100のユーザ情報DB130は、図26に示すような利用者情報テーブルを記憶する。この利用者情報テーブルは、図26に示すように、所定の登録手続を行ったユーザに対してサーバ100が発行するユーザID、ユーザが所有するモバイル端末200の電話番号、モバイル端末200の開閉状態、及び、通知要利用者をそれぞれ対応づけて格納する。
【0184】
「通知要利用者」は、ユーザが指定する他のユーザを識別するための情報(ユーザID又は電話番号など)である。サーバ100は、後述するようにして、通知要利用者に指定されたユーザが所有するモバイル端末200の開閉状態を、通知要利用者を指定したユーザに通知する。例えば、ユーザAがユーザBを通知要利用者として予め指定しておけば、ユーザBが所有するモバイル端末200の開閉状態がユーザAに通知される。なお、複数のユーザを通知要利用者として指定してもよい。
【0185】
次に、本実施例にかかるモバイル・ネットワーク・システムの動作について説明する。
【0186】
サーバ100が提供するメッセージサービスを利用するユーザは、モバイル端末200の入力部260を操作してサーバ100にアクセスし、所定の登録手続を予め行う。
【0187】
登録手続では、サーバ100の制御部110は、ユーザにユーザIDを発行し、ユーザ情報DB130が記憶している利用者情報テーブルに、登録手続を行ったユーザに関する情報を格納する。そして、制御部110は、発行したユーザID、及び、モバイル端末200の開閉状態をサーバ100に自動送信するための状態送信プログラムを登録手続を行ったユーザのモバイル端末200に供給する。
【0188】
登録手続を行ったユーザが所有するモバイル端末200の制御部210は、サーバ100から供給されるユーザIDと状態送信プログラムをプログラム格納部240に格納する。
【0189】
また、サーバ100に登録されたユーザは、モバイル端末200の入力部260を操作して、開閉状態を知りたい他のユーザを通知要利用者として指定することができる。サーバ100の制御部110は、ユーザ情報DB130が記憶している利用者情報テーブルの通知要利用者に、ユーザが指定した他のユーザを表す情報(ユーザID又は電話番号など)を格納する。
【0190】
上記登録手続を行ったユーザは、自己が所有するモバイル端末200を開くことにより、サーバ100が提供するメッセージサービスの利用を開始することができる。また、自己が所有するモバイル端末200を閉じることにより、インスタントメッセージサービス中のステータス変更や、メッセージサービスの利用中止(中断)などを行うことができる。
【0191】
ユーザがモバイル端末200を開くと、モバイル端末200の開閉検出部280は、モバイル端末200が開いたことを検出し、モバイル端末200が開いたことを示す開信号を制御部210に出力する。
【0192】
制御部210は、開閉検出部280から供給される開信号に応答し、プログラム格納部240の状態送信プログラムに従って、ユーザ情報格納部230に格納されているユーザIDと共に開信号をサーバ100に送信する。
【0193】
サーバ100の制御部110は、モバイル端末200から供給される閉信号に応答し、プログラム格納部240のプログラムに従って、図27に示すサービス開始処理を開始する。
【0194】
始めに、制御部110は、開信号と共に供給されたユーザIDを用いて、ユーザ情報DB130が記憶している利用者情報テーブルの中から、メッセージサービスの利用を開始するユーザ(開始ユーザ)の情報を特定する(ステップS3001)。
【0195】
そして、制御部110は、特定した開始ユーザの情報に含まれる開閉状態を更新する(ステップS3002)。具体的には、制御部110は、開始ユーザの開閉状態を「閉」から「開」に書き換える。
【0196】
続いて、制御部110は、ユーザ情報DB130の利用者情報テーブルを参照して、開始ユーザが通知要利用者を指定しているか否かを判別する(ステップS3003)。
【0197】
通知要利用者を指定していないと判別した場合(ステップS3003;NO)、制御部110は、後述するステップS3006の処理を行う。
【0198】
一方、通知要利用者を指定していると判別した場合(ステップS3003;YES)、制御部110は、ユーザ情報DB130の利用者情報テーブルを検索し、開始ユーザが指定した通知要利用者の開閉状態を取得する(ステップS3004)。
【0199】
そして、制御部110は、取得した通知要利用者の開閉状態を示す情報を、通信制御部120を介して開始ユーザのモバイル端末200に送信する(ステップS3005)。
【0200】
開始ユーザが所有するモバイル端末200の制御部210は、サーバ100から供給される通知要利用者の開閉状態を示す情報に応答し、出力部270を制御して、供給された情報が示す通知要利用者の開閉状態を、文字、図形、又は、音声等により開始ユーザに提示する。これにより、開始ユーザは、希望する他のユーザの開閉状態を知ることができる。
【0201】
一方、サーバ100の制御部110は、ユーザ情報DB130の利用者情報テーブルを参照し、メッセージサービスを利用中であるユーザの中に、開始ユーザを通知要利用者に指定しているユーザがいるか否かを判別する(ステップS3006)。
【0202】
開始ユーザを通知要利用者に指定しているユーザはいないと判別した場合(ステップS3006;NO)、制御部110は、サービス開始処理を終了する。
【0203】
一方、開始ユーザを通知要利用者に指定しているユーザがいると判別した場合(ステップS3006;YES)、制御部110は、開始ユーザの開閉状態を示す情報を、開始ユーザを通知要利用者に指定しているユーザのモバイル端末200に送信し(ステップS3007)、サービス開始処理を終了する。
【0204】
開始ユーザを通知要利用者に指定したユーザが所有するモバイル端末200の制御部210は、サーバ100から供給される開始ユーザの開閉状態を示す情報に応答し、出力部270を制御して、供給された情報が示す開始ユーザの開閉状態を、文字、図形、又は、音声等によりユーザに提示する。これにより、開始ユーザを通知要利用者に指定したユーザは、開始ユーザのモバイル端末200が開いたこと、言い換えると、開始ユーザがモバイル端末200を見ていることを知ることができる。
【0205】
次に、ユーザがモバイル端末200を閉じると、モバイル端末200の開閉検出部280は、モバイル端末200が閉じたことを検出し、モバイル端末200が閉じたことを示す閉信号を制御部210に出力する。
【0206】
制御部210は、開閉検出部280から供給される閉信号に応答し、プログラム格納部240の状態送信プログラムに従って、ユーザ情報格納部230に格納されているユーザIDと共に閉信号をサーバ100に送信する。
【0207】
サーバ100の制御部110は、モバイル端末200から供給される閉信号に応答し、プログラム格納部180のプログラムに従って、図28に示すステータス変更処理を開始する。
【0208】
始めに、制御部110は、閉信号と共に供給されたユーザIDを用いて、ユーザ情報DB130が記憶している利用者情報テーブルの中から、モバイル端末200を閉じたユーザ(すなわち、モバイル端末200を使用していない状態となったユーザ:以下「不使用ユーザ」とする)の情報を特定する(ステップS3011)。
【0209】
そして、制御部110は、特定した不使用ユーザの情報に含まれる開閉状態を更新する(ステップS3012)。具体的には、制御部110は、不使用ユーザの開閉状態を「開」から「閉」に書き換える。
【0210】
続いて、制御部110は、ユーザ情報DB130の利用者情報テーブルを参照し、メッセージサービスを利用中であるユーザの中に、不使用ユーザを通知要利用者に指定しているユーザがいるか否かを判別する(ステップS3013)。
【0211】
不使用ユーザを通知要利用者に指定しているユーザはいないと判別した場合(ステップS3013;NO)、制御部110は、ステータス変更処理を終了する。
【0212】
一方、不使用ユーザを通知要利用者に指定しているユーザがいると判別した場合(ステップS3013;YES)、制御部110は、不使用ユーザの開閉状態を示す情報を、不使用ユーザを通知要利用者に指定しているユーザのモバイル端末200に送信し(ステップS3014)、ステータス変更処理を終了する。
【0213】
不使用ユーザを通知要利用者に指定したユーザが所有するモバイル端末200の制御部210は、サーバ100から供給される不使用ユーザの開閉状態を示す情報に応答し、出力部270を制御して、供給された情報が示す不使用ユーザの開閉状態を、文字、図形、又は、音声等によりユーザに提示する。これにより、不使用ユーザを通知要利用者に指定したユーザは、不使用ユーザのモバイル端末200が閉じたこと、言い換えると、指定したユーザがモバイル端末200を見ていないことを知ることができる。
【0214】
以上のように、各ユーザは、自己が所有するモバイル端末200を開くことにより、予め指定した通知要利用者がモバイル端末200を見ているか否か、即ち、メッセージサービスを受けることができる状態にあるか否かを知ることができる。
【0215】
また、ユーザがモバイル端末200を開閉することにより、このユーザを通知要利用者に指定した他のユーザは、ユーザがモバイル端末200を見ているか否か、即ち、メッセージサービスを受けることができる状態にあるか否かを確実に知ることができる。その結果、通信相手がユーザのレスポンスを無駄に待つという事態を防止することができる。
【0216】
なお、上記のような閉信号を受信したことを契機に、サーバ100が当該ユーザに提供しているサービスの中止・中断などをおこなってもよい。
【0217】
また、ユーザ(又はモバイル端末200)の状態を「開」又は「閉」としたことにより、モバイル端末200は、従来のように、キー入力操作があるか否か等の情報をサーバ100に送信する必要がない。このため、メッセージの送受信以外にかかる通信費用を抑えることができる。
【0218】
また、モバイル端末200が開信号を送信することにより、電波強度等に関する情報も得ることができる。
【0219】
また、例えば会議のメンバーを通知要利用者に指定しておけば、会議のメンバー全員がそろった時点ですぐに会議を始めることができる。
【0220】
(第4実施例)
上記のようなモバイル端末200の開閉状態を検出する場合の応用例を以下に示す。本実施例のハードウェア構成は、上記第3実施例と同一であるが、サーバ100のユーザ情報DB130は、サーバ100に登録された、即ち、サーバ100が提供する情報提供サービスを利用可能なユーザに関する情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報DB130は、例えば図29に示すような利用者情報テーブルを記憶する。利用者情報テーブルは、図29に示すように、所定の登録手続を行ったユーザに対してサーバ100が発行するユーザID、ユーザが所有するモバイル端末200の電話番号、モバイル端末200の開閉状態、及び、ユーザが指定した情報のジャンルをそれぞれ対応づけて格納する。
【0221】
また、サーバ100の提供情報DB140は、例えば、ユーザに提供する様々なジャンルに分けられた情報(ニュースなど)を記憶するものとする。これらの情報は、サーバ100の管理者等により定期的に更新され、常に最新の情報であるように維持される。
【0222】
次に、本実施例にかかるモバイル・ネットワーク・システムの動作について説明する。
【0223】
サーバ100が提供する情報提供サービスを利用するユーザは、第3実施例と同様にして、モバイル端末200の入力部260を操作してサーバ100にアクセスし、所定の登録手続を行う。
【0224】
登録手続では、サーバ100の制御部110は、ユーザにユーザIDを発行し、ユーザ情報DB130が記憶している利用者情報テーブルに、登録手続を行ったユーザに関する情報を格納する。そして、制御部110は、発行したユーザID、及び、モバイル端末200の開閉状態をサーバ100に自動送信するための状態送信プログラムを登録手続を行ったユーザのモバイル端末200に供給する。
【0225】
登録手続を行ったユーザが所有するモバイル端末200の制御部210は、サーバ100から供給されるユーザIDと状態送信プログラムをプログラム格納部240に格納する。
【0226】
また、サーバ100に登録されたユーザは、モバイル端末200の入力部260を操作して、希望する情報のジャンルを指定することができる。サーバ100の制御部110は、ユーザ情報DB130が記憶している利用者情報テーブルのジャンルに、ユーザが指定したジャンル(経済ニュース、スポーツニュース、芸能ニュース、及び/又は、天気予報など)を格納する。
【0227】
上記登録手続を行ったユーザは、自己が所有するモバイル端末200を開くことにより、サーバ100が提供する情報提供サービスを利用することができる。また、自己が所有するモバイル端末200を閉じることにより、サーバ100が提供する情報提供サービスの利用を中止(中断)することができる。
【0228】
ユーザがモバイル端末200を開くと、モバイル端末200の開閉検出部280は、モバイル端末200が開いたことを検出し、モバイル端末200が開いたことを示す開信号を制御部210に出力する。
【0229】
制御部210は、開閉検出部280から供給される開信号に応答し、プログラム格納部240の状態送信プログラムに従って、ユーザ情報格納部230に格納されているユーザIDと共に開信号をサーバ100に送信する。
【0230】
サーバ100の制御部110は、モバイル端末200から供給される開信号に応答し、プログラム格納部180のプログラムに従って、図30に示す情報提供処理を開始する。
【0231】
始めに、制御部110は、開信号と共に供給されたユーザIDを用いて、ユーザ情報DB130が記憶している利用者情報テーブルの中から、情報提供サービスの利用を開始するユーザ(開始ユーザ)の情報を特定する(ステップS4001)。
【0232】
そして、制御部110は、特定した開始ユーザの情報に含まれる開閉状態を更新する(ステップS4002)。具体的には、制御部110は、開始ユーザの開閉状態を「閉」から「開」に書き換える。
【0233】
続いて、制御部110は、特定した開始ユーザの情報に含まれるジャンルを識別する(ステップS4003)。
【0234】
そして、制御部110は、識別したジャンルの情報をユーザ情報DB130から取得し(ステップS4004)、通信制御部120を介して開始ユーザのモバイル端末200に送信する(ステップS4005)。
【0235】
モバイル端末200の制御部210は、サーバ100から供給される情報に応答し、出力部170を制御して、供給された情報を表示したり、音声として出力したりする。これにより、開始ユーザは、希望するジャンルの情報を得ることができる。
【0236】
次に、ユーザがモバイル端末200を閉じると、モバイル端末200の開閉検出部280は、モバイル端末200が閉じたことを検出し、モバイル端末200が閉じたことを示す閉信号を制御部210に出力する。
【0237】
制御部210は、開閉検出部280から供給される閉信号に応答し、プログラム格納部240の状態送信プログラムに従って、ユーザ情報格納部230に格納されているユーザIDと共に閉信号をサーバ100に送信する。
【0238】
サーバ100の制御部110は、モバイル端末200から供給される閉信号に応答し、プログラム格納部180のプログラムに従って、図31に示すサービス中止処理を開始する。
【0239】
始めに、制御部110は、閉信号と共に供給されたユーザIDを用いて、ユーザ情報DB130が記憶している利用者情報テーブルの中から、情報提供サービスの利用を中止するユーザ(中止ユーザ)の情報を特定する(ステップS4011)。
【0240】
そして、制御部110は、特定した中止ユーザの情報に含まれる開閉状態を更新する(ステップS4012)。具体的には、制御部110は、中止ユーザの開閉状態を「開」から「閉」に書き換える。
【0241】
以上のようにして、ユーザはモバイル端末200を閉じるだけで、サーバ100が提供する情報提供サービスの利用を中止することができる。
【0242】
また、サーバ100の制御部110は、ユーザ情報DB130が記憶している情報が更新された場合、図32に示す情報送信処理を行ってもよい。
【0243】
始めに、制御部110は、更新された情報のジャンルを識別し、ユーザ情報DB130の利用者情報テーブルを検索して、識別したジャンルを指定したユーザがいるか否かを判別する(ステップS4021)。
【0244】
識別したジャンルを指定したユーザがいないと判別した場合(ステップS4021;NO)、制御部110は、情報送信処理を終了する。
【0245】
一方、識別したジャンルを指定したユーザがいると判別した場合(ステップS4021;YES)、制御部110は、利用者情報テーブルの開閉状態を参照し、識別したジャンルを指定したユーザの内、開閉状態が「開」であるユーザがいるか否かを判別する(ステップS4022)。これにより、制御部110は、識別したジャンルを指定したユーザの中に、情報提供サービスを受けることができる状態にあるユーザがいるか否かを判別する。
【0246】
開閉状態が「開」であるユーザがいないと判別した場合(ステップS4022;NO)、制御部110は、情報送信処理を終了する。
【0247】
一方、開閉状態が「開」であるユーザがいると判別した場合(ステップS4022;YES)、制御部110は、更新された情報をユーザ情報DB130から取得する(ステップS4023)。
【0248】
そして、制御部110は、更新された情報のジャンルを指定した開閉状態が「開」であるユーザのモバイル端末200に、取得した情報を送信し(ステップS4024)、情報送信処理を終了する。
【0249】
上記更新情報を供給されたモバイル端末200の制御部210は、出力部170を制御して、供給された情報を表示したり、音声として出力したりする。このように、ユーザは、希望するジャンルを予め指定しておけば、常に最新の情報を得ることができる。
【0250】
なお、モバイル端末200の制御部210は、ユーザの指示に応答して、開信号をサーバ100に送信してもよい。具体的には、ユーザは、モバイル端末200を開き、サーバ100が提供するサービスを利用したいときに入力部260の所定ボタンを押下してもよい。入力部260は、所定ボタンの押下に応答して、開信号の送信を指示する送信信号を制御部210に出力してもよい。制御部210は、入力部260からの送信信号に応答して、ユーザ情報格納部230に格納されているユーザIDと共に開信号をサーバ100に送信してもよい。このようにすれば、ユーザは、自分が希望する時に、サーバ100が提供するサービスを受けることができる。
【0251】
上記第3実施例および第4実施例では、携帯電話機を例にとって説明したが、開閉式の端末であれば、PDA(Personal Digital Assistant)やノート型コンピュータ等の携帯端末にも本発明を適用することができる。
【0252】
また、上記各実施例におけるサーバ100は、専用装置で構成可能であることはもとより、例えば、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータ装置などで構成することもできる。この場合、上記各処理を実現するためのプログラムの一部または全部を汎用コンピュータ装置にインストールし、OSなどの制御下で実行することにより、サーバ100を構成することができる。この場合のプログラム配布形態は任意である。例えば、CD−ROMなどの記録媒体に格納して配布可能であることはもとより、搬送波に重畳させることで通信媒体(インターネットなど)を介して配布することができる。
【符号の説明】
【0253】
1 モバイル・ネットワーク・システム
10 通信ネットワーク
100 サーバ
110 制御部
120 通信制御部
130 ユーザ情報データベース
140 提供情報データベース
150 転送済情報データベース
160 入力部
170 出力部
180 プログラム格納部
200 モバイル端末
210 制御部
220 通信制御部
230 ユーザ情報格納部
240 プログラム格納部
250 転送情報格納部
260 入力部
270 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して複数のモバイル端末との間で、情報を交換するモバイル端末用サーバであって、
複数のモバイル端末からそれぞれ供給される、当該モバイル端末が開いたことを示す開信号を受信する開信号受信手段と、
前記開信号受信手段で受信された開信号に応答して、所定の情報をモバイル端末に送信する送信手段と、
を備える、
ことを特徴とするモバイル端末用サーバ。
【請求項2】
複数のジャンルに分けられた情報を記憶する情報蓄積手段を備え、
前記送信手段は、前記開信号の受信に応答して、前記情報蓄積手段が記憶している情報の中から、所定のジャンルの情報を当該モバイル端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモバイル端末用サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−160441(P2011−160441A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49599(P2011−49599)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【分割の表示】特願2008−131214(P2008−131214)の分割
【原出願日】平成15年3月26日(2003.3.26)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】