説明

ラベルデータ作成装置、プログラム及び記録媒体

【課題】オブジェクトを挿入する編集中のレイアウトを任意に選択することが可能となるラベルデータ作成装置、プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】コンピュータ装置2のCPU41は、レイアウト編集画面に表示されるポータルアプリケーション起動ボタン86がマウスでクリックされた場合には、ポータルアプリケーションを起動して、縮小ポータルアイコン91を表示する。そして、縮小ポータルアイコン91にオブジェクトアイコンがドラッグされて近づくと、CPU41は、縮小ポータルアイコン91に替えて大きな拡大ポータルアイコン95を表示する(S11〜S13)。そして、CPU41は、この拡大ポータルアイコン95にオブジェクトアイコンがドラッグ&ドロップされると、編集中の各ラベルデータが印刷テープ23の印刷領域に表示されたレイアウトを一覧表示する(S14:YES〜S15)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺状のテープに印刷するための印刷データを作成・編集するラベルデータ作成装置、プログラム及び記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、長尺状のテープに印刷するための印刷データを作成・編集するラベルデータ作成装置に関し種々提案されている。
例えば、表示装置のブラウザの表示領域に表示されたGIF(graphicsinterchange format)、JPEG(joint photographic experts group)、BMP(bit map format)等の様々な形式の画像データ(以下、「オブジェクト」という。)を、ドラッグアンドドロップ操作によってアプリケーションソフトウェア(アシスタントソフト)の表示領域にドロップする。そして、アプリケーションソフトウェアの表示領域にオブジェクトがドロップされた場合には、現在編集中のレイアウト編集画面に当該オブジェクトが挿入され、このオブジェクトをラベルデータに編集することが可能となるラベルデータ作成装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】再公表WO2001/098890号公報(5頁〜9頁、図1〜図12)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1に記載される構成では、複数のレイアウト編集画面を同時に開いて複数のラベルデータを編集している場合には、オブジェクトを挿入するレイアウト編集画面を任意に選択することができないという問題がある。また、レイアウト編集画面に表示されたテープの印刷領域上におけるオブジェクトの挿入位置を、レイアウト編集画面が表示される前に任意に設定することができず、レイアウト編集画面が表示されてから編集する必要があり、編集作業が煩雑になるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、オブジェクトを挿入する編集中のレイアウトを任意に選択することが可能となるラベルデータ作成装置、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。また、レイアウト編集画面が表示される前に、テープの印刷領域上におけるオブジェクトの挿入位置を任意に設定することが可能となるラベルデータ作成装置、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係るラベルデータ作成装置は、表示手段と、長尺状のテープに印刷するための印刷データを作成・編集する印刷データ作成・編集手段とを備えたラベルデータ作成装置において、オブジェクトを前記テープの印刷領域に挿入して編集するアプリケーションを備え、前記印刷データ作成・編集手段は、前記アプリケーションの起動が行われた場合には、前記オブジェクトのドラッグアンドドロップ操作を利用可能な表示画面を前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、前記表示画面に前記アプリケーションの起動を表すアイコンを表示するアイコン表示手段と、前記オブジェクトがドロップされた位置を検出するドロップ位置検出手段と、前記アイコンが表示されている位置で前記オブジェクトがドロップされたか否かを判定するドロップ判定手段と、前記アイコンが表示されている位置でオブジェクトがドロップされた場合には、編集中の文字列データや図柄データからなるラベルデータがテープの印刷領域に表示されたレイアウトを該表示画面に表示するレイアウト一覧表示手段と、前記表示画面に表示されたレイアウト一覧から前記ドロップされたオブジェクトを挿入するレイアウトを選択するレイアウト選択手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係るラベルデータ作成装置は、請求項1に記載のラベルデータ作成装置において、前記印刷データ作成・編集手段は、前記レイアウト選択手段によって選択されたレイアウトに対応するラベルデータが表示されたテープの印刷領域に前記ドロップされたオブジェクトを挿入して編集するレイアウト編集画面を表示するように制御する編集画面表示制御手段を有し、前記レイアウト選択手段は、前記ドロップされたオブジェクトの縦横比を算出する算出手段と、縦幅を前記レイアウトの幅に合わせた前記縦横比の枠を作成して、前記枠を該レイアウト上のカーソルに重ねて表示するように制御する枠表示制御手段と、前記枠が表示されている位置を検出する枠位置検出手段と、前記枠の位置が確定されたか否かを判定する枠位置確定判定手段と、を有し、前記レイアウト選択手段は、前記枠の位置が確定された場合には、該枠が表示されている位置のレイアウトを選択し、前記編集画面表示制御手段は、この選択されたレイアウト上における該枠の位置に対応する前記テープの印刷領域の位置に前記ドロップされたオブジェクトを挿入して表示するように制御することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係るラベルデータ作成装置は、請求項1又は請求項2に記載のラベルデータ作成装置において、前記レイアウト一覧表示手段は、編集中の前記ラベルデータが複数ある場合には、各ラベルデータをそれぞれテープの印刷領域に表示した複数のレイアウトを前記表示画面に一覧表示することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係るラベルデータ作成装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のラベルデータ作成装置において、前記印刷データ作成・編集手段は、前記オブジェクトがドラッグされた位置を検出するドラッグ位置検出手段を有し、前記アイコン表示手段は、前記アプリケーションの起動時には、前記アイコンを縮小表示する縮小アイコン表示手段と、縮小表示されたアイコンの位置にオブジェクトが近づいたか否かを判定するドラッグ位置判定手段と、縮小表示されたアイコンの位置にオブジェクトが近づいた場合には、このアイコンを拡大表示する拡大表示手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係るラベルデータ作成装置は、請求項4に記載のラベルデータ作成装置において、前記アイコン表示手段は、前記アイコンにカーソルだけが近づいた場合には、該アイコンがこのカーソルが来た方向と反対方向へ前記表示画面内を移動して該カーソルから離れるように表示する移動表示手段を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に係るプログラムは、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のラベルデータ作成装置の印刷データ作成・編集手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0011】
更に、請求項7に係る記録媒体は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のラベルデータ作成装置の印刷データ作成・編集手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムが記録されてコンピュータで読み取り可能なことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係るラベルデータ作成装置では、オブジェクトをテープの印刷領域に挿入して編集するアプリケーション(以下、「ポータルアプリケーション」という。)が起動された場合には、オブジェクトをアイコン(以下、「ポータルアイコン」という。)上にドラッグした後、ドロップすることによって、編集中のラベルデータがテープの印刷領域に表示されたレイアウトを表示することが可能となる。また、表示画面に表示されたレイアウト一覧からドロップされたオブジェクトを挿入するレイアウトを選択することが可能となる。これにより、ユーザは編集中のラベルデータを容易に確認しながら、ドロップしたオブジェクトを挿入するレイアウトを任意に選択することが可能となる。
【0013】
また、請求項2に係るラベルデータ作成装置では、レイアウト上のカーソルの位置に表示された枠の位置を確定することによって、該枠が表示されている位置のレイアウトを選択できるため、ユーザは更に容易にレイアウトを選択することが可能となる。
また、この選択されたレイアウト上における該枠の位置に対応するレイアウト編集画面のテープの印刷領域の位置に、ドロップされたオブジェクトが表示されるため、ユーザは、レイアウト編集画面が表示される前に、テープの印刷領域上におけるオブジェクトの挿入位置を任意に設定することが可能となる。
【0014】
また、請求項3に係るラベルデータ作成装置では、編集中のラベルデータが複数ある場合には、各ラベルデータをそれぞれテープの印刷領域に表示した複数のレイアウトが表示画面に一覧表示されるため、ユーザは、レイアウトを更に容易に選択することが可能となる。
【0015】
また、請求項4に係るラベルデータ作成装置では、ポータルアプリケーションの起動時には、ポータルアイコンが縮小表示されるため、他のアプリケーションソフトウェアに係る編集作業を容易に行うことが可能となる。また、縮小表示されたポータルアイコンの位置にオブジェクトが近づいた場合には、このポータルアイコンが拡大表示されるため、ポータルアプリケーションが起動していることを確認しつつ、当該オブジェクトを容易にドロップすることが可能となる。
【0016】
また、請求項5に係るラベルデータ作成装置では、ポータルアイコンにドラッグ状態でないカーソルを近づけることによって、このポータルアイコンを表示画面の任意の位置に移動させることが可能となり、当該ポータルアイコンを表示画面の端縁部の任意の位置に容易に移動させることが可能となる。
【0017】
また、請求項6に係るプログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のラベルデータ作成装置として機能するため、ユーザはオブジェクトを挿入するレイアウト編集画面を任意に選択することが可能となる。また、ユーザはレイアウト編集画面が表示される前に、テープの印刷領域上におけるオブジェクトの挿入位置を任意に設定することが可能となり、ラベルデータ作成作業の迅速化及び作業効率の向上を図ることができる。
【0018】
更に、請求項7に係る記録媒体では、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のラベルデータ作成装置の機能をコンピュータで実行されるプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、半導体メモリ、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、データカード(ICカード、磁気カード等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、光磁気ディスク(MD等)、相変化ディスク、磁気テープ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMに前記プログラムを記録しておき、このROMやバックアップRAMをコンピュータに組み込んで用いてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るラベルデータ作成装置、プログラム及び記録媒体をラベル印刷システムについて、具体化した一実施例に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
[ラベル印刷システムの概略構成]
先ず、本実施例に係るラベル印刷システム1の概略構成について図1に基づき説明する。図1は本実施例に係るラベル印刷システム1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施例に係るラベル印刷システム1は、パーソナルコンピュータ等から構成されるラベルデータ作成装置の一例としてのコンピュータ装置2と、このコンピュータ装置2と信号ケーブルK1を介して接続されるテープ印刷装置3とから構成されている。
また、コンピュータ装置2は、ホストコントローラ4、表示装置(例えば、CRT、LCD等)5、キーボード6、マウス7、イメージスキャナ8、及びCDリード・ライター(CD−R/W)9から構成されている。尚、マウス7は、ジョイスティックやトラックボール等に置き換えてもよい。また、CD−R/W9は、MO装置、DVD装置等に置き換えてもよい。
【0021】
また、テープ印刷装置3は、所定幅寸法以下(本実施例では、約24mm以下である。)の長尺状の粘着媒体を裏面側に有する印刷テープが内蔵された後述のテープカセット3D(図2参照)が装着され、この印刷テープに対して印刷するプリンタであり、コンピュータ装置2からの印刷指令に基づき、所望の文字等が印刷された粘着材付印刷テープを作成する。
ここで、テープ印刷装置3は、その上面に文字キーや制御キー等の多数のキーを含むキーボード3Aと、ラベルの編集作業等を行う際に参照するラベルのイメージ等を表示するディスプレイ3Bとを備えている。また、テープ印刷装置3の側壁には、印刷テープを外部に排出するテープ排出口3Cが形成されているので、コンピュータ装置2からの印刷指令に基づき、所望の文字が印刷された粘着材付印刷テープが、テープ排出口3Cから排出される。
【0022】
次に、テープ印刷装置3の印刷機構にテープカセット3Dを装着した場合の概略構成について図2に基づいて説明する。図2は図1に示すテープ印刷装置3の印刷機構にテープカセット3Dを装着した場合の概略構成を示す平面図である。
図2に示すように、印刷機構PMに着脱自在に矩形状のテープカセット3Dが装着されており、このテープカセット3Dには、ラミネートフィルムテープ11が巻装されたテープスプール12と、インクリボン13が巻装されたリボン供給スプール14と、このインクリボン13を巻取る巻取りスプール15と、ラミネートフィルムテープ11と同一幅を有する両面粘着テープ16が剥離紙を外側にして巻装された供給スプール17と、これらラミネートフィルムテープ11と両面粘着テープ16とを接合させる接合ローラ18とが回転自在に設けられている。
【0023】
前記ラミネートフィルムテープ11とインクリボン13とが重なる位置には、サーマルヘッド19が立設され、これらラミネートフィルムテープ11とインクリボン13とをサーマルヘッド19に押圧するプラテンローラ20と、ラミネートフィルムテープ11と両面粘着テープ16とを接合ローラ18に押圧して印刷テープ23を作成する送りローラ21とは、テープ印刷装置3の本体フレームに回動自在に枢着された支持体22に回転可能に枢支されている。このサーマルヘッド19には、512個の発熱素子からなる発熱素子群が上下方向に列設されている。
【0024】
従って、テープ送りモータ72(図5参照)の所定回転方向への駆動により、接合ローラ18と巻取りスプール15とが所定回転方向に夫々同期して駆動されながら、サーマルヘッド19の発熱素子群に通電されたとき、ラミネートフィルムテープ11上には複数のドット列により文字やバーコード等が印字され、しかもラミネートフィルムテープ11は両面粘着テープ16を接合した状態で印刷テープ23としてテープ送り方向Aにテープ送りされ、テープ排出口3Cから外部に繰出される。尚、印刷機構PMの詳細については、例えば、特開平2−106555号公報に記載された機構とほぼ同一であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0025】
次に、この印刷テープ23を自動的に切断する切断装置30について簡単に説明する。前記テープカセット3Dの左側に対応するテープ印刷装置3の本体フレームの直ぐ内側には、板状の補助フレーム31が立設され、この補助フレーム31に固定刃32が上向きに固着されている。補助フレーム31に固着された左右方向向きの枢支軸33には、前後方向に延びる操作レバー34の前端近傍部が回動可能に枢支され、その操作レバー34の枢支軸33より前側に対応する部位において、可動刃35が前記固定刃32と対向して取付けられている。また、操作レバー34の後端部は、切断用モータ74(図5参照)に連結された揺動駆動機構(図示略)により上下揺動可能に構成され、常には、可動刃35が固定刃32から離間した状態で保持されている。
そして、サーマルヘッド19により印刷された印刷テープ23は、テープカセット3Dから固定刃32と可動刃35との間を通ってテープ排出口3Cから外に延びているので、切断信号により駆動された切断用モータ74により、揺動駆動機構を介して操作レバー34の後端部が上下揺動され、可動刃35が固定刃32に接近して、これら両刃32・35で印刷テープ23が切断される。
【0026】
ところで、前記テープカセット3Dから繰出される印刷テープ23として、テープ幅を6mm、9mm、12mm、18mm、24mmとする5種類が準備されており、これらテープカセット3Dの底壁部には、これら5種類のテープ幅の何れかを検知する為に、4つの突出爪の有無を組合せた突出片24が設けられている。そして、このテープカセット3Dの下側を支持する本体フレームには、この突出片24の突出爪の組合せからテープ幅を検知するカセットセンサ68(図5参照)が取付けられている。即ち、このカセットセンサ68は、突出片24を構成する突出爪の組合せにより、例えば、テープ幅が18mmのときには「0100」のカセット信号を出力し、またテープ幅が24mmのときには「1100」のカセット信号を出力するとともに、テープカセット3Dが装着されていないときには、「0000」のカセット信号を出力する。
【0027】
次に、ラベル印刷システム1を構成するコンピュータ装置2の回路構成について図3に基づいて説明する。図3は図1に示すコンピュータ装置2の要部の回路構成を示す回路ブロック図である。
図3に示すように、コンピュータ装置2のホストコントローラ4は、CPU41、ROM42、RAM43、入出力インターフェース(I/F)44、通信用インターフェース(I/F)45、フロッピー(登録商標)ディスクコントローラ(FDC)46、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)47、ハードディスクコントローラ(HDC)48、ハードディスクドライブ(HDD)49、表示装置コントローラ50、モデム51等を備えている。また、CPU41、ROM42、RAM43、入出力インターフェース(I/F)44、通信用インターフェース(I/F)45、及びモデム51は、バス線52により相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。また、入出力I/F44には、FDD47を駆動制御するFDC46を介してFDD47、HDD49を駆動制御するHDC48を介してHDD49、及び表示装置コントローラ50が接続されている。また、モデム51には電話回線53が接続されている。
【0028】
そして、ホストコントローラ4には、入出力I/F44を介して文字や記号等を入力するためのキーボード6、表示装置5の表示画面上の座標を入力するためのマウス7、図面から外形線データ等を取り込むためのイメージスキャナ8、及び印刷用データや後述のアプリケーションソフトウェアであるポータルアプリケーション等をCD−ROM56に書き込み及び読み込むためのCD−R/W9が接続されている。また、ホストコントローラ4には、表示装置コントローラ50を介して表示装置5が接続され、後述のようにレイアウト編集画面が表示され、入力されたラベルデータが表示された印刷テープ23の印刷領域(図12参照)等が表示される。更に、ホストコントローラ4には、通信用I/F45及び信号ケーブルK1を介してテープ印刷装置3が接続される。
【0029】
また、CPU41は、ラベル印刷システム1全体を制御し、ラベル印刷システム1の動作に関する全てのデータを管理する。また、ROM42には、一般のパーソナルコンピュータと同様に電源投入時にコンピュータ装置2を立ち上げてCPU41を起動させるための起動プログラムが格納されている。
【0030】
また、RAM43は、CPU41が種々の制御を実行する際に、各種データを一時的に記憶するものであり、後述の画像データ等のオブジェクト情報(図4参照)を記憶するオブジェクト情報記憶エリア43A、テープ印刷装置3に送信するテンプレートデータやキーボード6等を介して入力された文字列データや図柄データ等からなるラベルデータが記憶されるラベルデータ記憶エリア43B等が設けられている。
また、通信用I/F45は、例えば、セントロニクスインターフェースやUSB(UniversalSerial Bus)等から構成され、テープ印刷装置3や外部の電子機器(例えば、コンピュータ、レーザプリンタ等)と双方向データ通信が可能になっている。
【0031】
また、HDD49に装着されるハードディスクには、MS−DOS(登録商標)やウィンドウズ(登録商標)システム等の各種オペレーティングシステム(OS)に加えて、テープ印刷装置3や外部の電子機器に対してデータの送受信を行うための通信用プロトコル、ブラウザや当該OSにて実行可能なワープロソフトや印刷用ラベルデータを作成するレイアウト編集ソフト等の各種アプリケーションソフトウェアが必要に応じて格納されると共に、後述する画像データ等のオブジェクトをラベルデータが表示されたテープの印刷領域に挿入して編集するポータルアプリケーションや、このポータルアプリケーションの起動によってラベルデータが表示されたテープの印刷領域にオブジェクトを挿入表示して編集するレイアウト編集処理等の制御処理の制御プログラムが記憶格納されている。
【0032】
このポータルアプリケーションは、比較的小型で軽量のアプリケーションソフトウェアであるため、常駐させていても、システムリソースの消費量が少なく、安定動作に寄与する。
また、FDD47に着脱自在に装着されるフロッピー(登録商標)ディスク(FD)55には、後述する処理にて得られた各種印刷データが格納保存される。
【0033】
また、CD−R/W9に着脱自在に装着される光ディスク(CD−ROM)56には、後述する画像データ等のオブジェクトをラベルデータが表示されたテープの印刷領域に挿入して編集するポータルアプリケーションや、このポータルアプリケーションの起動によってラベルデータが表示されたテープの印刷領域にオブジェクトを挿入表示して編集するレイアウト編集処理等の制御処理の制御プログラム等と共に、GIF、JPEG、BMP等の様々な形式の各種オブジェクトのオブジェクト情報(例えば、オブジェクト名、オブジェクトの原画像の縦寸法、オブジェクトの原画像の横寸法、画像データ等である。)が記録されて、各種ラベル作成装置に供給される。
【0034】
次に、ホストコントローラ4のRAM43のオブジェクト情報記憶エリア43Aに記憶されるオブジェクト情報の一例について図4に基づいて説明する。尚、このオブジェクト情報は、FDやCD−ROM等から読み込まれ、また、インターネット上のWWWサーバから取得されてオブジェクト情報記憶エリア43Aに記憶される。そして、ポータルアプリケーションが起動した場合には、オブジェクト情報記憶エリア43Aに記憶される各オブジェクト情報を表すオブジェクトアイコン(図9参照)が表示装置5の表示画面に表示される。
【0035】
ここで、オブジェクト情報記憶エリア43Aに記憶されるオブジェクト情報の一例について図4に基づいて説明する。図4は図3に示すオブジェクト情報記憶エリア43Aに記憶されるオブジェクト情報の一例を示す図である。
図4に示すように、オブジェクト情報431は、オブジェクトの種類を表すオブジェクト名431A、当該オブジェクトの原画像の縦寸法431B、当該オブジェクトの原画像の横寸法431C、当該オブジェクトのGIF、JPEG、BMP等の様々な形式の画像データ431D等から構成されている。
【0036】
次に、ラベル印刷システム1を構成するテープ印刷装置3の回路構成について図5に基づき説明する。図5は図1に示すテープ印刷装置3の要部の回路構成を示す回路ブロック図である。
図5に示すように、テープ印刷装置3の制御回路部60は、CPU61、CG(キャラクタジェネレータ)ROM62、ROM63、RAM64、入出力インターフェース(I/F)65、及び通信用インターフェース(I/F)66等を備えている。また、CPU61、CGROM62、ROM63、RAM64、入出力インターフェース(I/F)65、及び通信用インターフェース(I/F)66は、バス線67により相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。
ここに、CGROM62には各キャラクタに対応するドットパターンデータが記憶されている。
【0037】
また、ROM63は各種のプログラムを記憶させておくものであり、印刷制御プログラム等のテープ印刷装置3の制御上必要な各種のプログラムが記憶されている。そして、CPU61はかかるROM63に記憶されている各種のプログラムに基づいて各種の演算を行なうものである。また、CGROM62には、多数の文字等のキャラクタのそれぞれについて、各キャラクタの輪郭線を規定する輪郭線データ(アウトラインデータ)が各書体(ゴシック系書体、明朝体系書体等)毎に分類されてコードデータに対応して記憶されている。このアウトラインデータに基づいてドットパターンデータがイメージバッファ上に展開される。
【0038】
また、RAM64はCPU61により演算された各種の演算結果を一時的に記憶させておくためのものである。また、サーマルヘッド19を介してラミネートテープ11に印字する際に印字データが一時記憶される。更に、RAM64には、テキストメモリ、イメージバッファ、印字バッファ等の各種のメモリが設けられている。
【0039】
また、入出力I/F65には、キーボード3A、ディスプレイ3B、カセットセンサ68、サーマルヘッド19を駆動する為の駆動回路71、テープ送りモータ72を駆動する為の駆動回路73、及び切断用モータ74を駆動する為の駆動回路75等が夫々接続されている。
また、通信用I/F66は、例えば、セントロニクスインターフェースやUSB等から構成され、コンピュータ装置2と双方向データ通信が可能になっている。
【0040】
次に、このように構成されたテープ印刷システム1のコンピュータ装置2のCPU41によるラベルデータが表示されたテープの印刷領域にオブジェクトを挿入表示して編集するレイアウト編集処理について図6乃至図16に基づいて説明する。
図6は図1に示すコンピュータ装置2のCPU41によるラベルデータが表示されたテープの印刷領域にオブジェクトを挿入表示して編集するレイアウト編集処理を示すメインフローチャートである。図7はレイアウト編集中の表示画面の一例を示す図である。
【0041】
図6に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、コンピュータ装置2のCPU41は、ラミネートテープフィルム11等に印字するラベルデータを作成するためのレイアウト編集ソフトが起動された場合には、表示装置5の表示画面に印刷テープ23の印刷領域を表示し、この印刷領域にキーボード6やマウス7等を介して入力された編集中の文字データや図柄データからなるラベルデータを表示する、即ち、各印刷テープ23の編集中のレイアウトを表示するレイアウト編集画面を表示する。
【0042】
具体的には、図7に示すように、CPU41は、表示装置5に、編集中の4つの各レイアウト表示画面5A、5B、5C、5Dを表示する。そして、各レイアウト表示画面5A、5B、5C、5Dに横長四角形の各テープ81〜84を表示し、その内側に横長四角形の各印刷領域81A〜84Aを一点鎖線で表示する。そして、ユーザがこの各印刷領域81A〜84A内の座標位置をマウス7等で指示し、キーボード6等を介してラベルデータとして各文字や図形のサイズを特定して入力することにより、CPU41は、指示された位置に各文字や図形を所定サイズで配置して表示する。また、CPU41は、各ラベルデータを、該各印刷領域81A〜84Aに対応するテキストデータやイメージデータとしてRAM43に記憶する。
【0043】
続いて、S12において、CPU41は、表示装置5に表示されたポータルアプリケーション起動ボタン86(図7参照)がマウスでクリックされたか否か、即ち、ポータルアプリケーションの起動指示がされたか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、ポータルアプリケーションの起動指示がされていない場合には(S12:NO)、CPU41は、S17の処理に移行する。S17において、CPU41は、レイアウト編集画面(図7参照)を表示してレイアウト編集後、当該処理を終了をする。
【0044】
一方、ポータルアプリケーションの起動指示がされた場合には(S12:YES)、CPU41は、S13の処理に移行する。S13において、CPU41は、ポータルアプリケーションの起動を表す縮小ポータルアイコン91又は拡大ポータルアイコン95(図9、図10参照)を表示する後述の「ポータルアイコンの拡大・退避処理」のサブ処理(図8参照)を実行する。
【0045】
続いて、S14において、CPU41は、いずれかのオブジェクトアイコンが拡大ポータルアイコン95にドラッグ&ドロップされたか否かを判定する判定処理を実行する。尚、本実施例では、レイアウト編集ソフトが起動された場合には、レイアウト編集画面のデータの取り込みは、キーボード6等から入力だけでなく、マウス7によるドラッグ&ドロップ操作、コピー操作等が実行可能である。
【0046】
そして、オブジェクトアイコンが拡大ポータルアイコン95にドラッグ&ドロップされていない場合には(S14:NO)、CPU41は、S13以降の処理を再度実行する。
一方、いずれかのオブジェクトアイコンが拡大ポータルアイコン95にドラッグ&ドロップされた場合には(S14:YES)、CPU41は、S15の処理に移行する。S15において、CPU41は、印刷テープ23の印刷領域に編集中の各ラベルデータを表示したレイアウトを表示する後述の「レイアウト一覧表示処理」のサブ処理(図11参照)を実行する。
【0047】
続いて、S16において、CPU41は、印刷テープ23の編集中のレイアウト上にオブジェクトを挿入する位置を調整する後述の「オブジェクト挿入処理」のサブ処理(図14参照)を実行する。
そして、S17において、CPU41は、各印刷テープ23のレイアウト編集画面を表示してレイアウト編集後、当該処理を終了する。
【0048】
次に、上記S13でCPU41が実行する「ポータルアイコンの拡大・退避処理」のサブ処理について図8乃至図10に基づいて説明する。
図8は図6の「ポータルアイコンの拡大・退避処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。図9はカーソルだけが縮小ポータルアイコン91に近づいた場合の表示画面の一例を示す図である。図10はオブジェクトがドラッグされて、縮小ポータルアイコン91に近づいた場合の表示画面の一例を示す図である。
【0049】
図8に示すように、S111において、CPU41は、表示装置5の表示画面の略中央位置に縮小ポータルアイコン91を表示する。また同時に、CPU41は、表示装置5の表示画面左端縁部に、オブジェクト情報記憶エリア43Aに記憶する各オブジェクト情報を表すオブジェクトアイコンを表示する。
【0050】
例えば、図9に示すように、CPU41は、表示装置5の表示画面のほぼ中央部に縮小ポータルアイコン91を表示する。また、CPU41は、表示装置5の表示画面左端縁部に、オブジェクト情報記憶エリア43Aに記憶する各オブジェクト情報を表す各オブジェクトアイコン88A、88B、88Cを表示する。また、CPU41は、各オブジェクトアイコン88A〜88Cの下側に、それぞれのオブジェクト名431A(図4参照)である「Image1.」、「Image2.」、「Image3.」を表示する。また、CPU41は、カーソル92を太い矢印形で表示する。
【0051】
尚、このオブジェクトアイコンは、各オブジェクトのサムネイルを表示するようにしてもよい。また、縮小ポータルアイコン91を表示する位置が、前回のポータルアプリケーションの起動によって、後述のように表示画面上を移動されていた場合には(S114〜S115参照)、前回の最終表示位置をHDD49に記憶しておき、この前回の最終表示位置に縮小ポータルアイコン91を表示するようにしてもよい。
【0052】
続いて、S112において、CPU41は、マウス7の操作によってカーソル92の表示位置が、縮小ポータルアイコン91を表示する位置の近傍に近づくのを待つ(S112:NO)。
そして、マウス7の操作によってカーソル92の表示位置が、縮小ポータルアイコン91を表示する位置の近傍に近づいた場合には(S112:YES)、CPU41は、S113の処理に移行する。S113において、CPU41は、いずれかのオブジェクトアイコンがドラッグされているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0053】
そして、オブジェクトアイコンがドラッグされていない場合、即ち、カーソル92だけが縮小ポータルアイコン91を表示する位置の近傍に近づいた場合には(S113:NO)、CPU41は、S114の処理に移行する。S114において、CPU41は、カーソル92が縮小ポータルアイコン91を表示する位置の近傍に近づいて来た方向を算出する。
【0054】
続いて、S115において、CPU41は、縮小ポータルアイコン91をカーソル92が近づいてきた方向と反対方向に所定距離(例えば、表示画面上で約5mm〜1cmである。)移動させて表示後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻る。
尚、縮小ポータルアイコン91は、表示画面内のみを移動する。従って、縮小ポータルアイコン91は、表示画面の端縁部に達した場合には、表示画面の外側方向には移動しない。
【0055】
例えば、図9に示すように、縮小ポータルアイコン91の斜め左上方向(矢印X1方向である。)からカーソル91だけが近づいてきた場合には、CPU41は、縮小ポータルアイコン91を右斜め下方向(矢印X2方向である。)に所定距離移動させて表示し、このカーソル92から離れるように表示する。
【0056】
一方、オブジェクトアイコンがドラッグされている場合には(S113:YES)、CPU41は、S116の処理に移行する。S116において、CPU41は、縮小ポータルアイコン91を表示する位置に、この縮小ポータルアイコン91に替えて大きな拡大ポータルアイコン95(図10参照)を表示後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻る。
【0057】
例えば、図10に示すように、オブジェクトアイコン88Aが、X3方向にドラッグされて縮小ポータルアイコン91を表示する位置に近づいた場合には、CPU41は、縮小ポータルアイコン91を表示する位置に、この縮小ポータルアイコン91に替えて大きな拡大ポータルアイコン95を表示する。また、CPU41は、この拡大ポータルアイコン95にカーソル92が近づいても、この拡大ポータルアイコン95を移動させないため、ユーザは、この拡大ポータルアイコン95上に、オブジェクトアイコン88Aをドラッグ&ドロップすることができる。
【0058】
次に、上記S15でCPU41が実行する「レイアウト表示処理」のサブ処理について図11乃至図13に基づいて説明する。
図11は図6の「レイアウト一覧表示処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。図12は図11のステップ213における表示画面の一例を示す図である。図13は図11のステップ214における表示画面の一例を示す図である。
【0059】
図11に示すように、S211において、CPU41は、印刷テープ23の現在編集中のレイアウトを順次読み出し、編集中のレイアウト数をカウントする。
続いて、S212において、CPU41は、編集中のレイアウトがあるか否か、即ち、編集中のレイアウト数が1以上か否かを判定する判定処理を実行する。
そして、編集中のレイアウトがある場合には(S212:YES)、CPU41は、S213の処理に移行する。S213において、CPU41は、この編集中の各レイアウトの印刷領域にラベルデータを表示したレイアウトを表示装置5の表示画面に一覧表示後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻る。
【0060】
例えば、図7に示すように、4つの各テープ81〜84の各印刷領域81A〜84Aにラベルデータが入力されて編集中の場合には(S212:YES)、図12に示すように、各テープ81〜84の各印刷領域81A〜84Aにラベルデータを表示した各レイアウト81B〜84Bが、表示装置5の表示画面に一覧表示される。
【0061】
一方、編集中のレイアウトが無い場合には(S212:NO)、CPU41は、S214の処理に移行する。S214において、CPU41は、印刷領域にラベルデータ入力されていない状態の印刷テープ23の新規ラベルのレイアウトを1個表示装置5の表示画面に表示後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻る。
例えば、図13に示すように、編集中のレイアウトが無い場合には(S212:NO)、白い横長四角形のテープの新規ラベルのレイアウト101が1個、表示装置5の表示画面に表示される。
【0062】
次に、上記S16でCPU41が実行する「オブジェクト挿入処理」のサブ処理について図14乃至図16に基づいて説明する。
図14は図6の「オブジェクト挿入処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。図15はオブジェクトの挿入位置を印刷領域の右端部に確定した一例を示す図である。図16はオブジェクトの挿入位置を印刷領域の左端部に確定した一例を示す図である。
【0063】
図14に示すように、S311において、CPU41は、拡大ポータルアイコン95上にドロップされたオブジェクトアイコンに対応するオブジェクト情報431(図4参照)をオブジェクト情報記憶エリア43Aから読み出し、当該オブジェクト情報431の縦寸法431Bと横寸法431Cとから挿入するオブジェクトのサイズの縦横比を算出してRAM43に記憶する。
【0064】
続いて、S312において、CPU41は、挿入するオブジェクトのサイズの縦横比をRAM43から読み出す。そして、CPU41は、上記S213又はS214で表示画面上に表示された編集中のレイアウトのうち、カーソル92が位置するレイアウトの幅を縦幅とし、このRAM43から読み出した縦横比と同じ縦横比の矩形111(図15参照)を作成して、RAM42に記憶する。
【0065】
そして、S313において、CPU41は、RAM42から矩形111を読み出し、上記S213又はS214で表示画面上に表示された編集中のレイアウトのうち、カーソル92が位置するレイアウト上に、このカーソル92を中心に当該矩形111を表示する。これにより、カーソル92をレイアウト上で移動させることによって、レイアウト上に表示される矩形111の表示位置を移動させることができる。尚、CPU41は、カーソル92の移動により、矩形111がレイアウトの左右両端から外にはみ出る場合には、このレイアウトの左右両端部に矩形111を表示する。
【0066】
例えば、図15の上図に示すように、ユーザが、表示装置5の表示画面に、一覧表示された各レイアウト81B〜84Bのうち、レイアウト81B上の数字の「7」の下側にカーソル92を移動させた場合には、CPU41は、当該レイアウト81Bの幅を縦幅とし、拡大ポータルアイコン95上にドロップされたオブジェクトアイコン88Aに対応するオブジェクト111A(図15の下図参照)のサイズの縦横比と同じ縦横比の矩形111を作成する。そして、CPU41は、この矩形111をレイアウト81B上のカーソル92をほぼ中心とするレイアウト81Bの右端部の位置に太い破線で表示する。
【0067】
また、図16の上図に示すように、ユーザが、レイアウト81B上の数字の「0」の下側にカーソル92を移動させた場合には、CPU41は、当該レイアウト81Bの幅を縦幅とし、拡大ポータルアイコン95上にドロップされたオブジェクトアイコン88Aに対応するオブジェクト111A(図15の下図参照)のサイズの縦横比と同じ縦横比の矩形111を作成する。そして、CPU41は、この矩形111をレイアウト81B上のカーソル92をほぼ中心とするレイアウト81Bの左端部の位置に太い破線で表示する。
【0068】
続いて、S314において、CPU41は、カーソル92が同じレイアウト上にあるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、カーソル92が他のレイアウト上に移動した場合には(S314:NO)、CPU41は、S312以降の処理を再度実行する。
一方、カーソル92が同じレイアウト上にある場合には(S314:YES)、CPU41は、S315の処理に移行する。
【0069】
S315において、CPU41は、カーソル92がレイアウト上に位置する状態、即ち、矩形111がレイアウト上のカーソル92の位置に表示された状態でマウス7がクリックされて矩形111の位置が確定されたか否か、即ち、オブジェクトの挿入位置が決定されたか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、矩形111がレイアウト上のカーソル92の位置に表示された状態でマウス7がクリックされて矩形111の位置が確定されていない場合、即ち、オブジェクトの挿入位置が決定されていない場合には(S315:NO)、CPU41は、S314以降の処理を再度実行する。
【0070】
一方、矩形111がレイアウト上のカーソル92の位置に表示された状態でマウス7がクリックされて矩形111の位置が確定された場合、即ち、オブジェクトの挿入位置が決定された場合には(S315:YES)、CPU41は、S316の処理に移行する。S316において、CPU41は、拡大ポータルアイコン95上にドロップされたオブジェクトアイコンに対応するオブジェクトのサイズの縦幅が、カーソル92が位置する編集中のレイアウトのテープ幅に合うように、当該オブジェクトを拡大又は縮小する。
【0071】
続いて、S317において、CPU41は、カーソル92が位置する編集中のレイアウトを表示するレイアウト表示画面を表示する。そして、CPU41は、レイアウト上に表示されていた矩形111の位置に対応する編集中の印刷領域の位置に、この拡大又は縮小したオブジェクトを挿入して表示した後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻る。
【0072】
例えば、図15の下図に示すように、マウス7がクリックされて矩形111の位置が確定された場合には(S315:YES)、CPU41は、矩形111が表示されたレイアウト81Bに対応する横長四角形のテープ81の内側に横長四角形の印刷領域81Aが表示されると共に編集中のラベルデータが表示されたレイアウト表示画面5Aを表示装置5に表示する。また、CPU41は、拡大ポータルアイコン95上にドロップされたオブジェクトアイコン88Aに対応するオブジェクト111Aのサイズの縦幅を印刷領域81Aの縦幅に合うように拡大又は縮小する。そして、CPU41は、矩形111が表示されていたレイアウト81Bの右端部の位置に対応するように、印刷領域81Aの右端部の位置に拡大又は縮小されたオブジェクト111Aを挿入して表示する。
【0073】
また、図16の下図に示すように、マウス7がクリックされて矩形111の位置が確定された場合には(S315:YES)、CPU41は、矩形111が表示されたレイアウト81Bに対応する横長四角形のテープ81の内側に横長四角形の印刷領域81Aが表示されると共に編集中のラベルデータが表示されたレイアウト表示画面5Aを表示装置5に表示する。また、CPU41は、拡大ポータルアイコン95上にドロップされたオブジェクトアイコン88Aに対応するオブジェクト111Aのサイズの縦幅を印刷領域81Aの縦幅に合うように拡大又は縮小する。そして、CPU41は、矩形111が表示されていたレイアウト81Bの左端部の位置に対応するように、印刷領域81Aの左端部の位置に拡大又は縮小されたオブジェクト111Aを挿入して表示する。
【0074】
ここで、コンピュータ装置2は、ラベルデータ作成装置として機能する。また、CPU41及び表示装置5は、表示手段、アイコン表示手段、レイアウト一覧表示手段、縮小アイコン表示手段、拡大表示手段、移動表示手段を構成する。また、CPU41、ROM42、RAM43、HDD49は、印刷データ作成・編集手段、表示制御手段、ドロップ判定手段、編集画面表示制御手段、算出手段、枠表示制御手段、枠位置確定判定手段、ドラッグ位置判定手段を構成する。また、CPU41及びマウス7は、ドロップ位置検出手段、レイアウト選択手段、枠位置検出手段、ドラッグ位置検出手段を構成する。
【0075】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るラベル印刷システム1では、コンピュータ装置2のCPU41は、レイアウト編集画面に表示されるポータルアプリケーション起動ボタン86がマウスでクリックされた場合には、ポータルアプリケーションを起動して、縮小ポータルアイコン91を表示する。そして、縮小ポータルアイコン91の近傍にオブジェクトアイコンがドラッグされて近づくと、CPU41は、縮小ポータルアイコン91に替えて大きな拡大ポータルアイコン95を表示する(S11〜S13)。そして、CPU41は、この拡大ポータルアイコン95にオブジェクトアイコンがドラッグ&ドロップされると、編集中の各ラベルデータが印刷テープ23の印刷領域に表示されたレイアウトを一覧表示する(S14:YES〜S15)。
【0076】
これにより、ポータルアプリケーションの起動時には、縮小ポータルアイコン91が表示されるため、他のアプリケーションソフトウェアに係る編集作業を容易に行うことが可能となる。また、縮小ポータルアイコン91に替えて大きな拡大ポータルアイコン95が表示されるため、ユーザは、ポータルアプリケーションが起動していることを確認しつつ、ドラッグしたオブジェクトを容易にドロップすることが可能となる。
また、ユーザは、編集中のレイアウトが複数ある場合には、レイアウトの一覧によって、編集中の各ラベルデータを容易に確認しながら、拡大ポータルアイコン95にドロップしたオブジェクトを挿入するレイアウトを任意に選択することが可能となる。
【0077】
また、CPU41は、一覧表示された各レイアウトのうち、カーソル92が位置するレイアウトの幅を縦幅とし、このドラッグ&ドロップしたオブジェクトの原画像のサイズの縦横比と同じ縦横比の矩形111(図15参照)を作成して、カーソル92を中心にレイアウト上に表示する。そして、CPU41は、矩形111がいずれかのレイアウト上のカーソル92の位置に表示された状態でマウス7がクリックされて矩形111の位置が確定された場合には、カーソル92が位置するレイアウトに対応する編集中のレイアウト表示画面を表示する。また、CPU41は、レイアウト上に表示されていた矩形111の位置に対応する編集中のレイアウトの位置に、オブジェクトの原画像のサイズの縦幅をこのレイアウトの印刷領域の幅に合せて挿入し、表示する(S16)。
【0078】
これにより、ユーザは、矩形111がいずれかのレイアウト上のカーソル92の位置に表示された状態でマウス7をクリックして位置を確定することによって、この矩形111が表示されている位置のレイアウトを選択できるため、ユーザは更に容易にレイアウトを選択することが可能となる。また、この選択されたレイアウト上における該矩形111の位置に対応する印刷領域の位置に、ドロップされたオブジェクトの原画像が、縦幅をテープの印刷領域の幅に合わせて拡大又は縮小されて表示される。このため、ユーザは、レイアウト編集画面が表示される前に、印刷テープ23の印刷領域上におけるオブジェクトの挿入位置を任意に設定することが可能となる。
【0079】
また、ドラッグ状態でないカーソル92だけが縮小ポータルアイコン91を表示する位置の近傍に近づいた場合には、CPU41は、縮小ポータルアイコン91をカーソル92が近づいてきた方向と反対方向に所定距離(例えば、表示画面上で約5mm〜1cmである。)移動させて表示する(S13)。これにより、ユーザは、縮小ポータルアイコン91にドラッグ状態でないカーソル92だけを近づけることによって、この縮小ポータルアイコン91を表示画面の任意の位置に移動させて、当該縮小ポータルアイコン91を表示画面の端縁部の任意の位置に容易に移動させることが可能となる。
【0080】
尚、本発明は前記実施例に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本実施例に係るラベル印刷システムの概略構成である。
【図2】図1に示すテープ印刷装置の印刷機構にテープカセットを装着した場合の概略構成を示す平面図である。
【図3】図1に示すコンピュータ装置の要部の回路構成を示す回路ブロック図である。
【図4】図3に示すオブジェクト情報記憶エリアに記憶されるオブジェクト情報の一例を示す図である。
【図5】図1に示すテープ印刷装置の要部の回路構成を示す回路ブロック図である。
【図6】図1に示すコンピュータ装置のCPUによるラベルデータが表示されたテープの印刷領域にオブジェクトを挿入表示して編集するレイアウト編集処理を示すメインフローチャートである。
【図7】レイアウト編集中の表示画面の一例を示す図である。
【図8】図6の「ポータルアイコンの拡大・退避処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図9】カーソルだけが縮小ポータルアイコンに近づいた場合の表示画面の一例を示す図である。
【図10】オブジェクトがドラッグされて、縮小ポータルアイコンに近づいた場合の表示画面の一例を示す図である。
【図11】図6の「レイアウト一覧表示処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図12】図11のステップ213における表示画面の一例を示す図である。
【図13】図11のステップ214における表示画面の一例を示す図である。
【図14】図6の「オブジェクト挿入処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図15】オブジェクトの挿入位置を印刷領域の右端部に確定した一例を示す図である。
【図16】オブジェクトの挿入位置を印刷領域の左端部に確定した一例を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
1 ラベル印刷システム
2 コンピュータ装置
3 テープ印刷装置
3D テープカセット
4 ホストコントローラ
5 表示装置
5A〜5D レイアウト表示画面
6 キーボード
7 マウス
41 CPU
42 ROM
43 RAM
43A オブジェクト情報記憶エリア
81〜84 テープ
81A〜84A 印刷領域
81B〜84B、101 レイアウト
86 ポータルアプリケーション起動ボタン
88A〜88C オブジェクトアイコン
91 縮小ポータルアイコン
92 カーソル
95 拡大ポータルアイコン
111 矩形
111A オブジェクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、長尺状のテープに印刷するための印刷データを作成・編集する印刷データ作成・編集手段とを備えたラベルデータ作成装置において、
オブジェクトを前記テープの印刷領域に挿入して編集するアプリケーションを備え、
前記印刷データ作成・編集手段は、
前記アプリケーションの起動が行われた場合には、前記オブジェクトのドラッグアンドドロップ操作を利用可能な表示画面を前記表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、
前記表示画面に前記アプリケーションの起動を表すアイコンを表示するアイコン表示手段と、
前記オブジェクトがドロップされた位置を検出するドロップ位置検出手段と、
前記アイコンが表示されている位置で前記オブジェクトがドロップされたか否かを判定するドロップ判定手段と、
前記アイコンが表示されている位置でオブジェクトがドロップされた場合には、編集中の文字列データや図柄データからなるラベルデータがテープの印刷領域に表示されたレイアウトを該表示画面に表示するレイアウト一覧表示手段と、
前記表示画面に表示されたレイアウト一覧から前記ドロップされたオブジェクトを挿入するレイアウトを選択するレイアウト選択手段と、
を有することを特徴とするラベルデータ作成装置。
【請求項2】
前記印刷データ作成・編集手段は、
前記レイアウト選択手段によって選択されたレイアウトに対応するラベルデータが表示されたテープの印刷領域に前記ドロップされたオブジェクトを挿入して編集するレイアウト編集画面を表示するように制御する編集画面表示制御手段を有し、
前記レイアウト選択手段は、
前記ドロップされたオブジェクトの縦横比を算出する算出手段と、
縦幅を前記レイアウトの幅に合わせた前記縦横比の枠を作成して、前記枠を該レイアウト上のカーソルに重ねて表示するように制御する枠表示制御手段と、
前記枠が表示されている位置を検出する枠位置検出手段と、
前記枠の位置が確定されたか否かを判定する枠位置確定判定手段と、
を有し、
前記レイアウト選択手段は、前記枠の位置が確定された場合には、該枠が表示されている位置のレイアウトを選択し、
前記編集画面表示制御手段は、この選択されたレイアウト上における該枠の位置に対応する前記テープの印刷領域の位置に前記ドロップされたオブジェクトを挿入して表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載のラベルデータ作成装置。
【請求項3】
前記レイアウト一覧表示手段は、編集中の前記ラベルデータが複数ある場合には、各ラベルデータをそれぞれテープの印刷領域に表示した複数のレイアウトを前記表示画面に一覧表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラベルデータ作成装置。
【請求項4】
前記印刷データ作成・編集手段は、
前記オブジェクトがドラッグされた位置を検出するドラッグ位置検出手段を有し、
前記アイコン表示手段は、
前記アプリケーションの起動時には、前記アイコンを縮小表示する縮小アイコン表示手段と、
縮小表示されたアイコンの位置にオブジェクトが近づいたか否かを判定するドラッグ位置判定手段と、
縮小表示されたアイコンの位置にオブジェクトが近づいた場合には、このアイコンを拡大表示する拡大表示手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のラベルデータ作成装置。
【請求項5】
前記アイコン表示手段は、前記アイコンにカーソルだけが近づいた場合には、該アイコンがこのカーソルが来た方向と反対方向へ前記表示画面内を移動して該カーソルから離れるように表示する移動表示手段を有することを特徴とする請求項4に記載のラベルデータ作成装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のラベルデータ作成装置の印刷データ作成・編集手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のラベルデータ作成装置の印刷データ作成・編集手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムが記録されてコンピュータで読み取り可能なことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−304959(P2008−304959A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148714(P2007−148714)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】