説明

リン酸塩輸送インヒビター

【課題】リン酸塩輸送阻害を必要とする被験体におけるリン酸塩輸送を阻害するための医薬を提供する。
【解決手段】具体例を示すと、以下の構造式で示される、メチル5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾエートである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸塩輸送インヒビターに関する。
【0002】
発明の背景
不充分な腎機能、副甲状腺機能低下症、または特定の他の医学的状態を伴う人々は、高ホスファターゼ血症または上昇した血清リン酸塩レベル (6 mg/dLを超す) をしばしば有する。高ホスファターゼ血症は、特に長期間にわたって存在する場合、カルシウムおよびリン代謝における深刻な異常を導き、しばしば副甲状腺機能低下症、骨疾患および関節、肺、眼、もしくは脈管構造の石灰化が認められる。腎機能不全を示す患者に関して、正常範囲内の血清リンの上昇は、腎不全の進行および心臓血管事象のリスクの増加に関連している。リン酸塩保持の減少により、腎疾患の進行は遅らされ得る。従って、高ホスファターゼ血症である腎不全患者について、および血清リン酸塩が正常範囲内の、またはわずかだけ上昇している慢性腎疾患患者については、リン酸塩保持を減少させる治療が役立つ。
【0003】
高ホスファターゼ血症に直面する患者について、腸のリン酸塩に結合しその吸収を妨げる目的で、カルシウム塩が広く使用されている。カルシウム炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、アルギン酸塩、およびケト酸塩を含む種々のタイプのカルシウム塩が、リン酸塩結合のために利用されている。これら全ての治療法に伴う主要な問題は、摂取されたカルシウムの大量吸収によりしばしば生じる高カルシウム血症である。高カルシウム血症は心不整脈、腎不全、ならびに皮膚および内臓の石灰化などの深刻な副作用を引き起こす。カルシウムベースのリン酸塩結合剤を用いた治療の間は、血清カルシウムレベルの頻繁なモニタリングが必要である。他の、カルシウムおよびアルミニウムフリーのリン酸塩結合剤は、治療に有効であるのに必要な投与量および投与間隔を含む難点を有する。
【0004】
上昇したリン酸塩血清レベルを有する患者における腸からのリン酸塩吸収の防止のための代わりのアプローチは、腸でのリン酸塩取り込みを媒介する腸輸送系の阻害を介する。腸の上方におけるリン酸塩吸収は、少なくとも一部においてエネルギー依存様式においてリン酸塩の吸収をナトリウムの吸収に連結させるキャリア媒介メカニズムによって媒介されることが理解されている。腸のリン酸塩輸送の阻害は、血清リン酸塩レベルを減少させる。腎不全の結果として高ホスファターゼ血症にかかりやすい患者において、または腸からのリン酸塩の取り込みを阻害することで処置可能な疾患を有している患者において、これは特に有益である。腎臓による尿からのリン酸塩吸収の阻害も、慢性腎不全の治療のために有益であるだろう。更に、リン酸塩輸送の阻害は、腎不全の進行を遅らせ、心臓血管事象の危険性を減少させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、リン酸塩輸送インヒビターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕リン酸塩輸送阻害を必要とする被験体におけるリン酸塩輸送を阻害するための医薬を製造するための、以下の構造式:
【化1】


式中:
Ar1およびAr2は独立して、置換もしくは非置換のアリール基、または任意に置換された単環式アリール基に融合された任意に置換された五員もしくは六員の非芳香族複素環基であり;
WおよびYは独立して、共有結合またはC1〜C3置換もしくは非置換のアルキレン基であり;および
Xは-S(O)2-、-S(O)2CR1R2-、-S(O)2NR1S(O)2-、-C(O)NR1C(O)-、-NR1C(O)NR2-、-NR1C(NR3)NR2-、-(CH2)n-、-C(O)-、-P(O)(OH)-、-NR1-、-NR1R2-、または以下からなる群:
【化2】


式中、R1、R2およびR3は独立して水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、または置換ヘテロアラルキル基である、
から選ばれる構造式により表される基である、
により表される化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用、
〔2〕被験体が高リン酸塩血症、慢性腎不全、リン酸塩代謝の障害、損傷したリン酸塩輸送機能、副甲状腺機能亢進症、尿毒性骨疾患、軟組織石灰化または骨粗鬆症の処置を必要とする〔1〕記載の使用、
〔3〕前記医薬が1つ以上のリン酸塩封鎖剤と共投与される〔1〕記載の使用、
〔4〕前記医薬がセベラマーと共投与される〔3〕記載の使用、
〔5〕WおよびYが共有結合である〔1〕記載の使用、
〔6〕Ar1およびAr2が独立してフェニル基、置換フェニル基、フリル基、置換フリル基、チエニル基、置換チエニル基、チアゾリル基、置換チアゾリル基、トリアジニル基、置換トリアジニル基、ピリジル基、置換ピリジル基、ピロリル基、置換ピロリル基、イミダゾリル基、置換イミダゾリル基、ピリミジル基、置換ピリミジル基、ピラゾリル基または置換ピラゾリル基である〔5〕記載の使用、
〔7〕Ar1およびAr2が独立して、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NO2、-SO3、-S(O)2R6-、-C(O)R7または-CR7=NR4からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されたフェニル基であり、
R4、R5およびR6は、独立して、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル、ヘテロアラルキル基、もしくは置換ヘテロアラルキルであるか、またはR4およびR5はそれらが結合する原子と共に、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、非芳香族複素環基、もしくは置換非芳香族複素環基を形成し;および
R7は水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアラルキル、-OR6または-NR4R5である〔1〕記載の使用、
〔8〕Xが-NHC(O)NH-である〔1〕記載の使用、
〔9〕Ar2が以下:
【化3】


式中:
R12およびR13は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NO2、-SO3-、-S(O)2R6、-C(O)R7または-CR7=NR4であり;
R4、R5およびR6は独立して、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル、ヘテロアラルキル基、もしくは置換ヘテロアラルキルであるか、またはR4およびR5はそれらが結合する原子と共に、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、非芳香族複素環基、または置換非芳香族複素環基を形成し;
R7は水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、置換ヘテロアラルキル、-OR6または-NR4R5であり;および
環AはR12以外の1つ以上の置換基で任意に置換されている、
からなる群より選ばれる構造式により表される基である〔8〕記載の使用、
〔10〕Ar2が以下の構造式:
【化4】


式中、R12は-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NO2、SO3、-S(O)2R6、-C(O)R7または-CR7=NR4である、
により表される基である〔9〕記載の使用、
〔11〕Ar2が以下の構造式:
【化5】


式中、R13は水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基もしくは置換アルコキシ基または-NO2である、
により表される基である〔9〕記載の使用、
〔12〕Ar1が以下の構造式:
【化6】


式中、R15が水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基もしくは置換アルコキシ基または-NO2であり;および
環BがR15以外の1つ以上の他の置換基で任意に置換されている、
により表される基である〔9〕記載の使用、
〔13〕Ar1が以下:
【化7】


式中、R16およびR17は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基または-NO2である、
から選ばれる構造式により表される基である〔12〕記載の使用、
〔14〕R15がフルオロアルキル基またはニトロ基である〔13〕記載の使用、
〔15〕Ar2が構造式:
【化8】


式中、R13は水素またはハロアルキル基であり、R14が水素またはハロゲンである
により表される〔14〕記載の使用、
〔16〕Xが-NR1C(NR3)NR2-である〔1〕記載の使用、
〔17〕R1、R2およびR3が各々水素である〔16〕記載の使用、
〔18〕Ar1が構造式:
【化9】


式中、R15、R16およびR17は各々独立して水素または置換アルキル基である
により表される〔17〕記載の使用、
〔19〕Ar2が構造式:
【化10】


式中、R13およびR14は各々独立してハロゲンまたは置換アルキル基である
により表される〔18〕記載の使用、
〔20〕R13、R14、R15およびR16がハロゲンまたはハロアルキル基である〔19〕記載の使用、
〔21〕リン酸塩輸送阻害を必要とする被験体におけるリン酸塩輸送を阻害するための医薬を製造するための、以下の構造式:
【化11】


式中、R22およびR23はハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基または-NO2であり;
環A、BおよびFはR22またはR23以外の1つ以上の基で任意に置換されている、
のいずれかにより表される化合物の使用、
〔22〕前記化合物が以下の構造式:
【化12】


式中、R24、R25およびR26は各々独立して水素または置換もしくは非置換のアルキル基である、
のいずれかにより表される〔21〕記載の使用、
〔23〕R22およびR23がペルフルオロアルキル基である〔22〕記載の使用、
〔24〕リン酸塩輸送阻害を必要とする被験体におけるリン酸輸送を阻害するための医薬を製造するための、以下の構造式:
【化13】


式中、環AおよびEは任意に置換されている、
により表される化合物の使用、
〔25〕環Aが1つ以上の電子吸引基で置換されており、環Eが任意に1つ以上のハロゲンで置換されているか、または置換もしくは非置換のアルキルもしくはアルコキシ基である〔24〕記載の使用、
〔26〕電子吸引基がハロアルキル基である〔25〕記載の使用、
〔27〕前記化合物が以下の構造式:
【化14】


式中、R27およびR28は独立して水素またはハロアルキル基である、
により表される〔26〕記載の使用、
〔28〕R27およびR28が各々フルオロアルキル基である〔27〕記載の使用
に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、リン酸塩輸送インヒビターが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の概要
特定のビス-アリールおよび他のビス-環式化合物はリン酸塩輸送タンパク質の効果的なインヒビターであることが見出されている。例えば、表1、2および3に示された多数のビス-フェニルスルホンアミド、表4および5に示されたビス-フェニル尿素およびビス-アリールオキサゾリジンならびに表6および7に示されたビス-アリールピラゾールは、インビトロアッセイにおいて、50μM未満のIC50で、または100μMで80%より大きい阻害率でリン酸塩輸送を阻害する。更に、実施例91の表14は、多数のビス-フェニルアミド、グアニジンおよび尿素、ならびにベンズアミノカルボニル置換ビス-フェニルスルホンアミドおよびフェニルシクロアルキル尿素は、インビトロアッセイにおいて、40μMまたはそれ以下のIC50でリン酸塩輸送を阻害することを示す。この化合物を用いたエキソビボアッセイの結果もまた、表14において表され、更にそれらが腸によるリン酸塩取り込みの阻害に効果的であったことが示される。この発見に基づき、慢性腎疾患、リン酸塩代謝の障害に関連する疾患またはリン酸塩輸送機能の障害に媒介される疾患を有する被験体の処置方法が開示される。
【0009】
本発明の一態様は、構造式 (I):
【化15】


により表されるビス-アリール化合物、またはその薬学的に許容され得る塩の有効量を投与する工程を含む、かかる処置を必要とする被験体においてリン酸塩輸送を阻害する方法である。Ar1およびAr2は独立した置換もしくは非置換アリール基または任意に置換された単環アリール基 (例えば、フェニル基) に融合した任意に置換された五員環もしくは六員環の非芳香族複素環基である。WおよびYは独立した共有結合またはC1〜C3置換もしくは非置換アルキレン基、(好ましくは共有結合または-CH2-; より好ましくは、共有結合) である。Xはヘテロ原子含有官能基、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、非芳香族複素環基、置換非芳香族複素環基、オレフィン基または置換オレフィン基であり、その例は以下に示される。
【0010】
一局面において、本発明は、構造式 (II):
【化16】


(式中、環A、B、Cは任意に置換される) により表される化合物の有効量を投与する工程を含む、リン酸塩輸送阻害の必要のある被験体におけるリン酸塩輸送を阻害する方法である。
【0011】
別の局面において、本発明は構造式 (III) または (IV):
【化17】


(式中、R22およびR23はハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基または-NO2; および環A、BおよびFはR22またはR23以外の他の1つ以上の基で任意に置換される)により表される化合物の有効量を投与する工程を含む、リン酸塩輸送阻害を必要とする被験体においてリン酸塩輸送を阻害する方法である。
【0012】
第2の態様において、本発明は構造式 (V):
【化18】


(式中、環AおよびEは任意に置換される) で表される化合物を効果的な量投与する工程を含む、リン酸塩輸送阻害を必要とする被験体においてリン酸塩輸送を阻害する方法である。
【0013】
本発明はまた、以下の構造式:
【化19】


(式中、R30は置換アルコキシ基、好ましくはトリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシなどのハロアルキルまたはハロアルコキシ基である;環AおよびCは任意に置換される; ならびに環Bは任意にR30以外の1つ以上の置換基を含む) により表される新規化合物に関する。キャリアまたは希釈剤を含むこれらの化合物の医薬組成物およびリン酸塩輸送阻害のためのその使用もまた、本発明に含まれる。
【0014】
本明細書中に開示されるリン酸塩輸送インヒビターは、かかる処置を必要とする被験体においてリン酸塩輸送を阻害するための、例えば高リン酸塩血症、副甲状腺機能亢進症、尿毒性骨疾患、軟組織石灰化 (例えば、心臓血管石灰化)、腎不全の進行、心臓血管事象および骨粗しょう症などのリン酸塩代謝障害または障害のあるリン酸塩輸送機能を処置または予防するための、薬剤の製造に使用され得る。本発明はまた、かかる処置の必要のある被験体においてリン酸塩輸送を阻害するため、例えば慢性腎不全もしくは高リン酸塩血症に関連した疾患を治療または予防するための、本明細書中に開示される化合物の使用に関する。
【0015】
本発明の別の態様は、リン酸塩輸送インヒビターおよび薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤または賦形薬として同定されている、本明細書中に開示される1以上の化合物を含む医薬組成物を包含する。同様に、本発明は、本明細書中に開示される1つ以上の状態または疾患の処置における、本明細書中に開示される1つの化合物の使用を含む。本発明はまた、本明細書中に開示される新規化合物を含む。
【0016】
本発明の別の態様は、リン酸塩を結合する、薬学的に許容され得る化合物 (「リン酸塩封鎖剤 (sequesterant)」) と組み合わせた、構造式 (I)〜(V) により表される化合物の使用である。薬剤的に許容され得るリン酸塩結合剤は、その内容の全体が本明細書中に参照により援用される米国特許第5,496,545号、5,667,775号および6,083,495号; において開示されたものなどの、カルシウム、アルミニウムもしくはランタン含有リン酸塩結合剤またはリン酸塩結合ポリマーであり得る。好ましくは、リン酸塩結合ポリマーはポリアリルアミンである。
【0017】
本明細書中に開示される化合物は、リン酸塩輸送の有効なインヒビターであり、従って高リン酸塩血症、慢性腎不全、リン酸塩代謝障害および障害のあるリン酸塩輸送機能に関連した疾患の処置に有用である。慢性腎不全、リン酸塩代謝障害または障害のあるリン酸塩輸送機能、例えば、高リン酸塩血症、尿毒性骨疾患、腎性骨疾患、軟組織石灰化 (例えば、心臓血管石灰化)、心臓血管事象、および骨粗しょう症における有益な局面は、腸の輸送体、または骨、腎臓、もしくは脈管に存在するものなどの他組織の輸送体いずれかへの影響により媒介され得る。
【0018】
発明の詳細な説明
リン酸塩輸送のインヒビターである低分子化合物が本明細書中に開示される。これらの低分子化合物は消化管においてリン酸塩輸送を阻害する (すなわち、完全または部分的に減少または予防する) ために好ましく使用され、従って上昇したリン酸塩レベルにより特徴付けられる病気および疾患、例えば高リン酸塩血症、腎不全および副甲状腺機能低下症の処置において有用である。多数の低分子インヒビターは消化管に吸収されると予測されるため、全身的に利用可能である。結果として、それらは腎臓など他臓器においてリン酸塩輸送を阻害し得、慢性腎不全を処置するために有益に使用され得る。これらのリン酸塩輸送インヒビターの多くはビス-アリール化合物であり、この2つのアリール基は構造式 (I) において「X」で表される複素環式環、ヘテロ原子含有官能基またはオレフィンにより隔てられる。任意に、一方または両方のアリール基は、任意に置換された単環アリール基に融合した任意に置換された単環五または六員環非芳香族複素環基で置換され得る。他のリン酸塩輸送インヒビターは、一方の窒素がアリール基で置換され、他一方の窒素原子がシクロアルキル (例えば、シクロヘキシル) 基で置換されている中央尿素部分を有する。
【0019】
任意に、1つもしくは両方のアリール基またはシクロアルキル基はアルキレン基によりXから隔てられるが、好ましくは、アリール基またはシクロアルキル基はXに直接連結される。
【0020】
好ましくは、構造式 (I) 中のXは、-S(O)2-、-S(O)2CR1R2-、-S(O)2NR1S(O)2-、-C(O)NR1C(O)-、-NR1C(O)NR2-、-NR1C(NR3)NR2-、-(CH2)n-、-P(O)(OH)-、-C(O)-、-NR1-、-N+R1R2-、 または以下:
【化20】


から選択される構造式により表される1つの基である。
【0021】
R1、R2およびR3は独立して水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換へテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル、ヘテロアラルキル基、または置換へテロアラルキルである。
【0022】
好ましくは、Ar1およびAr2は独立してフェニル基、置換フェニル基、フリル基、置換フリル基、チエニル基、置換チエニル基、チアゾリル基、置換チアゾリル基、トリアジニル基、置換トリアジニル基、ピリジル基、置換ピリジル基、ピロリル基、置換ピロリル基、イミダゾリル基、置換イミダゾリル基、ピリミジル基、置換ピリミジル基、ピラゾリル基または置換ピラゾリル基である。より好ましくは、Ar1およびAr2は独立してフェニル基、置換フェニル基、フリル基または置換フリル基である。更により好ましくは、Ar1およびAr2は独立して: 水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NR4R5、-N3、-CN、-NO2、-NR4SO2R5、-N=N-R4、-SO3、-S(O)2R6、-S(O)2NR4R5、-SR4、-C(O)R7、-CR7=NR4 または -N=C=Sからなる基から選択された1以上の置換基で置換されたフェニル基である。
【0023】
R4、R5およびR6は独立して、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換へテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル、ヘテロアラルキル基、または置換へテロアラルキル基であり、または、それらが結合される原子で統合されたR4およびR5は、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、非芳香族複素環基、または置換非芳香族複素環基を形成する。
【0024】
R7は水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換へテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換へテロアリール基、置換アラルキル、ヘテロアラルキル基、置換へテロアラルキル、-OR6 または -NR4R5である。
【0025】
本発明の好ましい態様において、構造式 (II) により表されるリン酸塩輸送インヒビターは構造式:
【化21】


(式中、R9は水素または電子求引基であり; 環AはR9以外の1つ以上の置換基で任意に置換される) により表される。好ましくは、R9は水素またはハロゲンである。
【0026】
更により好ましくは、構造式 (II) で表される化合物は、以下の構造式:
【化22】


(式中、R10は水素、ハロゲン、置換アルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基または -NO2であり; 環BはR10以外の1つ以上の置換基で任意に置換され; 環AはR9以外の1以上の置換基で任意に置換され; 環Cは任意に置換される) により表される。好ましくは、R10は水素、ハロゲン、アルコキシ基、置換アルコキシ基または-NO2である。更により好ましくは、R10はハロゲンまたは、ハロゲン置換アルコキシ基などの置換アルコキシ基である。特に好ましい置換アルコキシ基は、トリフルオロメトキシ基などの、フルオロ置換基またはぺルフルオロ置換基である。
【0027】
構造式 (II) により表される更により好ましい化合物は、以下の構造式:
【化23】


(式中、R11は水素、ハロゲン、アルコキシ基、置換アルコキシ基、または -NO2 であり; 上記の通り、環Cは任意に置換される) により表される。典型的に、環Cについての置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、置換または非置換アルキルおよび置換または非置換アルコキシ基を含む。好ましくは、環Cはハロゲン (例えば、臭素、フッ素)、ヒドロキシル基または置換もしくは非置換アルコキシ基 (例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ) で置換される。少なくとも1つの環C置換基は典型的に、アミノ基に対してオルトまたはパラ、好ましくはオルトである。環Cは典型的に、しばしばアミノ基に対してオルトまたはパラである1つまたは2つの置換基を有する。
【0028】
構造式 (VI) により表される好ましい化合物は、以下の構造式:
【化24】


(式中、環AおよびCは任意に置換され; 環Bは任意にR30以外の1つ以上の置換基を含む) により表される。より好ましくは、該化合物は構造式:
【化25】


(式中、R31はハロゲンであり、環Cは任意に置換され; 環AおよびBは任意にR30およびR31以外の1つ以上の置換基を含む) により表される。更により好ましくは、該化合物は以下の構造式:
【化26】


(式中、環Cは任意に置換され; 環AおよびBは任意にR30およびR31以外の1つ以上の置換基を含む) により表される。環AおよびBは典型的にR30およびR31以外の置換基を有さない。より好ましくは、環AはR31で一置換され、環BはR30で一置換、またはR30およびスルホンアミド官能基に対してオルトであるニトロ基で2基置換される。環Cは典型的にハロゲン (例えば、臭素、フッ素)、ヒドロキシル基、または置換もしくは非置換のアルコキシ基 (例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ) で置換される。少なくとも1つの環C置換基は典型的に、アミド基に対してオルトまたはパラ、好ましくはオルトである。環Cは典型的に、しばしばアミド基に対してオルトおよびパラである1つまたは2つの置換基を有する。
【0029】
構造式 (I) におけるXが -NHC(O)NH- である場合、Ar2は好ましくは以下:
【化27】


から選択される構造式により表される。
【0030】
R12およびR13は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NO2、-SO3、-S(O)2R6、-C(O)R7 または -CR7=NR4である。好ましくは、R12は -C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NO2、SO3、-S(O)2R6、-C(O)R7または -CR7=NR4 である。R12はより好ましくは -P(O)(OR6)2である。R13はより好ましくは水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基もしくは置換アルコキシ基、または -NO2 である。
【0031】
R14は -H または電子求引基であり、好ましくは -H またはハロゲンである。R13がハロゲン (例えば、塩素) または置換アルキル基(例えば、トリフルオロメチルなどのハロアルキル基) である場合、R14は有利に水素またはクロロ基である。
【0032】
R4〜R7は上記に定義される通りである。
【0033】
環AはR12およびR13以外の1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0034】
Xが-NHC(O)NH- であり、Ar2が構造式 (XXV)、(XXVI)、(XXVII) または (XXVIII) により表される場合、Ar1は以下:
【化28】


から選択される構造式により表される。
【0035】
R15は水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基もしくは置換アルコキシ基または -NO2 である。
【0036】
R16およびR17は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基または -NO2 である。R15がハロアルキルまたはニトロ基、好ましくはフルオロアルキルまたはニトロ基である場合、R16およびR17は有利に独立して、水素、ハロゲン、またはハロアルキル基、好ましくは水素、フルオロ基またはトリフルオロメチル基である。
【0037】
環BはR15以外の1以上の置換基で任意に置換される。
【0038】
Xが構造式 (IX) または (X) により表される場合、Ar2は好ましくは以下の構造式:
【化29】


により表される。
【0039】
R18およびR19は独立して、水素またはハロゲンである。
【0040】
Xが構造式 (IX) または (X) により表され、Ar2が構造式 (XXXII) により表される場合、Ar1は以下の構造式:
【化30】


により表される。
【0041】
R20は水素またはOR21であり; R21は水素、アルキル基、またはアリール基である。
【0042】
Xが構造式 (VII) により表される場合、R1およびR2 は好ましくは -H または低級アルキル基である。より好ましくは、R1およびR2は -H または低級アルキル基であり、Ar1およびAr2は独立して以下:
【化31】


から選択される構造式により表される。
【0043】
R8は水素または -SO3 である。
【0044】
R21は水素、ヒドロキシ基、-NR4R5、-NR4SO2R5、-N=N-R4、または -N=C=S であり; R4およびR5は上記の通りである。
【0045】
Xが -S(O2)- である場合、Ar2は好ましくは任意に置換されたフェニル環に融合した任意に置換された単環へテロアリール環であり、より好ましくはフェニル環に融合した窒素含有へテロアリール環、すなわち、二環式窒素含有へテロアリール基である。二環式へテロアリール基は置換または非置換であり得る。好ましい二環式窒素含有へテロアリール基の例としては、インドール、ベンズピラゾリル、ベンズイミダゾリルおよびベンズトリアゾリルが挙げられる。Xが -S(O2)- であり、Ar2がフェニール環に融合した窒素含有へテロアリール環である場合、Ar1は好ましくは置換または非置換のフェニル基である。
【0046】
好ましい一態様において、Ar1は置換または非置換のアリール基 (好ましくはフェニル) であり、Ar2は任意に置換された単環アリール基 (好ましくはフェニル) に融合した任意に置換された五員環または六員環非芳香族複素環基、すなわち、二環式環系である。Ar2がこの値を有する場合、Xは好ましくは S(O2)- であるか、または -C(O)NH- の新しい値をとり得る。好ましい非芳香族複素環基は、窒素含有である。Ar2に関する二環式環系の例としては以下が挙げられる。:
【化32】

【0047】
環CおよびDは独立して置換または非置換である。
【0048】
別の好ましい態様において、Xは -NR1C(NR3)NR2- である。R1、R2およびR3は上記に定義される通りであるが、好ましくはそれぞれ水素である。本態様において、Ar1は典型的に構造式:
【化33】


(式中、R15、R16およびR17は上記に定義される通りである) により表される。好ましくは、R15、R16、およびR17はそれぞれ独立して、臭素、塩素およびトリフルオロメチル基などのハロゲンまたは置換アルキル基である。
【0049】
Xが -NR1C(NR3)NR2- であり、Ar1が構造式 (XXXVI) または (XXXVII) により表される場合、Ar2は典型的に構造式:
【化34】


(式中、R13およびR14は上記に定義されている通りである) により表される。好ましくは、R13およびR14はそれぞれ独立して、ハロゲンまたは置換アルキル基である。本態様において、R13、R14、R15およびR16は有利にそれぞれハロゲンまたはハロアルキル基である。これらの基の典型的な例としては、塩素、臭素、およびトリフルオロメチル基が挙げられる。
【0050】
別の態様において、化合物は構造式 (III) または (IV) により表される。1つの例において、該化合物は以下の構造式:
【化35】


(式中、R24、R25、およびR26はそれぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換のアルキル基である) の1つにより表される。典型的に、該アルキル基は、特異性を増加する目的で、ハロアルキル基、フルオロアルキル基、ペルフルオロアルキル基およびトリフルオロメチル基などの置換アルキル基である。
【0051】
本発明の別の態様において、被験体におけるリン酸塩輸送を阻害する方法は、構造式:
【化36】


(式中、R8は -P(O)(OR6)2 であり; R6は水素または低級アルキル基であり、環Bは上記の通り任意に置換される) により表される化合物を投与する工程を含む。好ましい態様において、該化合物は構造式:
【化37】


(式中、R9は水素または、ハロゲンなどの電子求引基である) により表される。
【0052】
更に別の態様において、リン酸塩輸送インヒビター化合物は構造式 (V) により表される。環Aは、ハロアルキル (例えば、トリフルオロメチル) 基などの1つ以上の電子求引基で置換され得る。環Eは1つ以上のハロゲンまたは、置換もしくは非置換アルキルまたはアルコキシ基で任意に置換される。構造式 (V) に含まれる化合物の1つの例は、構造式:
【化38】


(式中、R27およびR28は独立して、水素または置換アルキル基である) により表される。好ましい置換アルキル基としては、フルオロアルキル基 (例えば、トリフルオロメチル) などのハロアルキル基が挙げられる。
【0053】
更に本明細書中に含まれるものは、本明細書中に記載される化合物の薬学的に許容され得る塩である。本明細書中に開示される、充分な酸性官能基、充分な塩基官能基または両方を所有する化合物は、塩を形成するために、多数の有機または無機塩基、ならびに無機および有機酸のいずれかと反応し得る。
【0054】
例えばこれらの化合物を適切な有機または無機酸と反応させることにより、アミンまたは他の塩基性基を含む化合物の塩が得られ得る。カルボキシル酸または他の酸性官能基を含む化合物の塩は、それらを適切な塩基と反応させることによって調製され得る。
【0055】
塩基付加塩は、アンモニウムまたはアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などの無機塩基より得られたものを含む。従って本発明の塩の調製に有用なかかる塩基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸塩カリウムなどを含む。
【0056】
塩基性基を有する化合物から酸付加塩を形成するために通常使用される酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸、およびp-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p-ブロモフェニル-スルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などの有機酸である。かかる塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオエート (dioate)、ヘキシン-1,6-ジオアート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γーヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、マンデル酸塩などが挙げられる。
【0057】
本明細書中で使用される「低級アルキル基」は、飽和直鎖または分枝鎖炭化水素である。典型的に、低級アルキル基は1から8の炭素を有する。好ましくは、低級アルキル基は1から6の炭素原子を有する。
【0058】
本明細書中で使用される「ヘテロアルキル基」は、少なくとも1つのメチレン基が窒素、酸素、または硫黄などのヘテロ原子で置換されている低級アルキル基である。
【0059】
本明細書中で使用される「シクロアルキル基」は、3〜10原子を有する非芳香族炭素環式環系である。シクロアルキル基は任意に、炭素環式非芳香族環、炭素環式芳香族環、複素環式芳香族環、非芳香族複素環式環、または別の非芳香族炭素環式環に融合され得る。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、および1,2,3-テトラヒドロインダニルが挙げられる。
【0060】
本明細書中で使用される「ヘテロシクロアルキル基」または「非芳香族複素環式基」は、3〜10の原子を有し、少なくとも窒素、酸素、または硫黄などの1つのヘテロ原子を含む非芳香族環系である。ヘテロシクロアルキル基は任意に、炭素環式非芳香族環、炭素環式芳香族環、複素環式芳香族環、または別の非芳香族複素環式環に融合される。ヘテロシクロアルキル基の例としては、ピペラジニル、ピペリジニル、ホモピペラジニル、キヌクリジニル、アゼチジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、1,2,3-テトラヒドロインドリル、インドリル、フラニルまたはイミダゾリルが挙げられる。
【0061】
本明細書中で使用される用語「アリール基」は、炭素環式および複素環式芳香族環系の両方を含む。アリール基は任意に、炭素環式非芳香族環、複素環式非芳香族環、複素環式芳香族環または別の炭素環式芳香族環に融合される。炭素環式芳香族系は好ましくは10個までの、炭素環原子のみからなる。
【0062】
炭素環式アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、および5,6,7,8-テトラヒドロナフチルまたは5,6,7-テトラヒドロインダニルが挙げられる。
【0063】
本明細書中で使用される「ヘテロアリール基」または「芳香族複素環式基」は、窒素、酸素、または硫黄などの1つ以上の環ヘテロ原子を含む、3〜10の環原子を有するアリール基である。ヘテロアリール基は単環であり得る。または、単環へテロアリール基は、1つ以上の他の単環式へテロアリール基または単環式炭素環式アリール基に融合される。好ましくは、ヘテロアリール基は1〜3のヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基は任意に、炭素環式芳香族環、炭素環式非芳香族環、または別のヘテロアリール環に融合される。ヘテロアリール基の例としては、チエニル、ピリジル、ピラゾリル、イソキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、インダゾリル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、キノリニル、カルバゾリル、ベンゾカルバゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾフランまたはインドリルが挙げられる。
【0064】
本明細書中で使用される「アラルキル基」は、1〜約6の炭素原子を有するアルキル基によって化合物に連結されるアリール基である。
【0065】
本明細書中で使用される「ヘテロアラルキル基」は、1〜約6の炭素原子を有するアルキル基により化合物に連結されるヘテロアリール基である。
【0066】
本明細書中で使用される「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子が挙げられる。
【0067】
本明細書中で使用される「オレフィン基」は、二重結合を含む基である。二重結合はE- またはZ- 異性体であり得る。好ましくは、二重結合はE- 異性体である。
【0068】
本明細書中で使用される「アルキレン基」は、-(CH2)n- により表される。nは整数値1〜10、好ましくは1〜4である。
【0069】
本明細書中で使用される「ヘテロ原子含有官能基」は、窒素、酸素、または硫黄などの1つ以上のヘテロ原子含む官能基である。例としては-NR1-、-NR1R2-、-O-、-S-、-C(O)-、 -C(O)O-、-OC(O)-、-P(O)(OH)-、-CR1=N-、-N=CR1-、-S(O)2NR1-、-NR1S(O)2-、-S(O)2-、 -S(O)2CR1R2-、-CR1R2S(O)2-、-S(O)2NR1S(O)2-、-NR1C(O)-、-C(O)NR1-、-C(O)NR1C(O)-、-NR1C(O)NR2-、-NR1C(S)NR2-、または-NR1C(NR3)NR2-が挙げられる。R1およびR2は上記の通りである。
【0070】
2つの環が2つの近接した環原子を共有する場合、その2つの環は「融合」されている。
【0071】
置換低級アルキル基、置換へテロアルキル基、置換シクロアルキル基、置換へテロシクロアルキル基、置換アリール基、置換へテロアリール基、置換アラルキル基、置換へテロアラルキル基、置換アルコキシ基または置換アリールオキシ基、における適切な置換基は、例えば、水素、ハロゲン、電子求引基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、低級アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NR4R5、-NCR7(PO3)2、-NO2、-SO3、-S(O)2R6、-C(O)R7、-SR4、-CR7=NR4、-NR4SO2R5、-N=N-R4、-CN、-N3 または -N=C=S を含む。R4、R5、R6、およびR7は上記の通りである。置換低級アルキル基、置換へテロアルキル基、置換シクロアルキル基、置換へテロシクロアルキル基、置換アリール基、置換へテロアリール基、置換アラルキル基、置換ヘテロアラルキル基、置換アルコキシ基または置換アリールオキシ基は、1以上の置換基を有し得る。
【0072】
本明細書中で使用される用語「電子吸引基」は、当該分野でこの用語が与える一般的な意味を有する。詳細には、電子吸引基は結合されている官能基から電子密度を吸引する官能基である。例えば、電子吸引基が非存在の場合よりも存在する場合の方が、より少ない電子密度を有するフェニル環を生じる。電子吸引基は、誘導または共鳴効果により電子密度を吸引し得る。電子吸引基は、0より大きいHammet シグマ値を有する (例えば、C.Hansch, A.LeoおよびD.Hoeckman, 「Exploring QSAR Hydrophobic, Electronic and Steric Constants」, American Chemical Society (1995), ページ217-32を参照のこと)。電子吸引基の例としては、ハロゲン、アルキルイミン (alkylimines)、アルキルスルホニル、カルボキシアミド、カルボン酸アルキルエステル、-CH=NH、-CN、および -NO2が挙げられる。
【0073】
本明細書中に描かれる構造式において、化学基または官能基が分子または化合物の残余に結合されることによる単または二重結合は、以下の記号:
【化39】


により示される。
【0074】
本明細書中に描かれる構造式において、任意に単または二重結合である結合は、以下の記号:
【化40】


により示される。
【0075】
本明細書中に描かれる構造は、左から右に読むと理解される。例えば、式中、Xが -S(O)2NH- である場合、硫黄はWへの付着点であり、窒素はYへの付着点である。
【0076】
「被験体」は、好ましくはヒトであるが、リン酸塩輸送インヒビターを用いた処置を必要とする動物、例えば、コンパニオンアニマル (例えば、イヌ、ネコなど)、家畜 (例えば、ウシ、ブタ、ウマなど) および実験動物 (例えば、ラット、マウス、モルモットなど) でもあり得る。
【0077】
本発明の化合物を用いた「処置を必要とする」被験体、または「リン酸塩輸送阻害を必要とする」被験体は、有益な治療的および/または予防的結果を達成するためにリン酸塩輸送インヒビターで処置され得る疾患および/または状態を有する被験体を含む。有益な成果としては、症状の重篤度の減少または症状の開始の遅延、寿命の延長および/またはより急速なもしくはより完全な疾患または病気の解決が挙げられる。例えば、典型的に処置を必要とする被験体は、例えば、障害のある腎機能または副甲状腺機能低下症に起因する上昇した血清リン酸塩レベル、高リン酸塩血症を有する。低い血清リン酸塩レベルは、例えば、腸においてリン酸塩輸送を阻害することにより達成され得る。「処置を必要とする」被験体はまた、正常範囲内の血清リン酸塩レベルを有し得る、慢性腎不全を有する被験体を含む。腸または腎臓におけるリン酸塩輸送の阻害は、これら被験体において腎臓の悪化速度を遅め、心臓血管事象の危険性を減少させ得る。リン酸塩輸送インヒビターを必要とする被験体の他の例としては、リン酸塩代謝の障害に関連する疾患または障害のあるリン酸塩輸送機能により治療される疾患を有する患者が挙げられる。このタイプの疾患および/または障害の例としては、心臓血管石灰化、副甲状腺機能亢進症、尿毒性骨疾患、腎性骨疾患および骨粗しょう症などの軟組織石灰化が挙げられる。
【0078】
本明細書中に開示される化合物の「有効量」は、処置の非存在と比較し、化合物で処置された状態で有益な臨床的成果を生じる量である。投与されるリン酸塩輸送阻害化合物の量は、疾患または病気の程度、重篤度、およびタイプ、所望の治療量、ならびに医薬製剤の放出特性に依存する。これはまた被験体の健康、大きさ、体重、年齢、性別および薬剤耐性にも依存する。典型的に、該化合物は所望の治療効果を達成するのに充分な期間投与される。典型的に1日あたり約5 gと1日あたり約0.001 gの間の化合物 (好ましくは、1日あたり約1 g〜1日あたり約0.001 g) が、処置を必要とする被験体に投与される。
【0079】
化合物は、任意の適切な経路により投与され得る。該化合物は好ましくは、カプセル、懸濁物、錠剤、丸薬、糖衣錠、液体、ゲル、シロップ、スラリーなどにおいて、経口 (例えば、食餌) 投与される。組成物をカプセル化する方法は (ハードゼラチンまたはシクロデキストランのコーティングなど) は当該分野で公知である (Bakerら,「Controlled Release of Biological Active Agents」, John WileyおよびSons, 1986)。該化合物は、医薬組成物の一部として許容され得る薬学的キャリアと共に被験体に投与され得る。該医薬組成物の製剤形態は、選択された投与経路に従って変化する。適切な医薬キャリアは、該化合物と相互作用しない不活性成分を含み得る。該キャリアは、投与部位において生物学的適合性、すなわち非毒性、非炎症性、非免疫源性、および他の所望でない反応を欠くものであるべきである。薬学的に許容され得るキャリアの例としては、例えば、生理食塩水、市販の不活性ゲル、またはアルブミンを補充した液体、メチルセルロースまたはコラーゲンマトリックスが挙げられる。Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, PAに記載されたものなど、標準的な医薬構築技術を使用し得る。
【0080】
経口使用のための医薬調製物は、本発明の化合物と固体賦形剤とを合わせること、任意に、生じた混合物を粉砕すること、および、錠剤または糖衣錠のコアを得ることが所望される場合には、適切な補助剤を加えた後に顆粒の混合物を処理することにより得られ得る。適切な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの賦形剤; 例えば、コーンスターチ、コムギデンプン、イネデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン (PVP) などのセルロース調製物である。所望の場合は、架橋ポリビニルピロリドン、アガー、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤を加え得る。
【0081】
糖衣錠コアは適切なコーティングを伴って提供される。本目的のために、任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポル (carbopol) ゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含み得る、濃縮された糖溶液を使用し得る。染料または色素が、同定のため、または活性化合物用量の種々の組み合わせを特徴づけるため、錠剤または糖衣錠コーティングに加えられ得る。
【0082】
経口的に使用され得る医薬調製物としては、ゼラチンなどの適切な物質で作られるプッシュフィットカプセル、ならびに、例えばゼラチン、およびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤といった適切な物質で作られる軟かく密封されたカプセルが挙げられる。プッシュフィットカプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤および、任意に、安定剤を有する混合物中に活性成分を含む。軟カプセルにおいては、活性化合物は、脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に溶解または懸濁され得る。さらに、安定剤が添加され得る。経口投与のための全ての製剤は、かかる投与に適切な用量である。
【0083】
本発明の特定の化合物は、種々の立体異性体 (例えば、ジアステレオマーおよび光学異性体) として得られ得ること、また本発明は、開示された化合物の全ての異性体型およびラセミ混合物、ならびに純異性体およびラセミ混合物を含むその混合物の両方を用いた被験体の処置方法を含むことが理解される。立体異性体は、クロマトグラフィーなどの任意の適切な方法を使用して分離および単離され得る。
【0084】
本発明の化合物の活性は、実施例66に記載されるウサギ腸における33PO4取り込みBBMVハイスループットスクリーニング (HTS) アッセイ、および実施例91に記載される単離されたウサギ腸管リング(ring)における33PO4取り込みなどの適切なアッセイを用いて評価され得る。本発明の化合物はまたインビボで、例えば実験動物の胃腸管において、リン酸塩の吸収を阻害するそれらの能力によっても同定され得る。
【0085】
本明細書中に開示される化合物は実施例1〜65および67〜90に示された通りに調製され得る。スキームは下記により詳細に記載される。
【0086】
ある場合には、リン酸塩輸送インヒビターと共に1つ以上の更なる薬学的に活性な薬剤を共投与することは有益であり得る。例としては、その内容の全体が参照により本明細書中に援用される米国特許第5,496,545号、5,667,775号および6,083,495号に開示されたものなどの薬学的に活性なカルシウム、アルミニウムもしくはランタン含有リン酸塩結合剤、または薬学的に活性なリン酸塩結合ポリマーが挙げられる。好ましくは、薬学的に活性な薬剤はポリアリルアミンリン酸塩結合ポリマーである。より好ましくは、薬学的に活性な薬剤は塩酸セベラマー (sevelamer) またはセベラマーとも呼ばれ、RENAGEL (登録商標) (GelTex Pharmaceuticals, Inc., Waltham, MA) と市販されているエピクロロヒドリン架橋結合ポリ (塩酸アリルアミン) 樹脂である。
【0087】
本発明の別の態様は、本明細書中に開示される化合物の1つである。更に別の態様は、薬学的に許容され得るキャリアまたは希釈剤および本明細書中に開示される化合物の1つを含む医薬組成物である。
【0088】
本発明は以下の実施例により示されるが、何ら限定されることを意図しない。
【実施例】
【0089】
実施例1.メチル5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾエート
【0090】
【化41】

【0091】
メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエート(2.78 g, 0.012 mol)をピリジン (3 mL) に溶解した。該混合物を5℃未満の氷浴中で冷却し、4-トリフルオロメトキシ ベンゼンスルホニルクロリド (3.5 g, 0.013 mol, 1.1当量) を該混合物にゆっくり添加した。該混合物を室温に暖め、1時間撹拌した。溶媒を除去し、生じた固体をHCl (1 M, 40 mL) 中に30分間懸濁させた。該混合物を濾過し、固体をヘキサン (40 mL) 中に懸濁させ、30分間撹拌した。混合物を濾過し、固体をヘキサン (2×20 mL) で洗浄した。固体は減圧乾燥機中で40℃にて乾燥させた。回収=4.63 g (85%収率)。
【0092】
実施例2.5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノ安息香酸
【0093】
【化42】

【0094】
メチル5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾエート(0.85 g 0.019 mmol) をテトラヒドロフラン (20 mL)/水 (10 mL) の混合液中に溶解した。水酸化ナトリウムの溶液 (50%,5 mL) を加え、該混合物を2〜3時間加熱し、還流させた。テトラヒドロフランをロータリーエバポレーションにより除去し、混合物をHCl(2 M)で酸性化させた。混合物を酢酸エチル(20 mL)で抽出した。乾燥のため有機溶媒を除去し、次いで酢酸エチル(3×15 mL)に溶解し、溶媒を除去した。この油をヘキサン(20 mL)中で、固体を形成するまで粉砕した。該混合物を濾過し、固体を減圧乾燥機中で40℃にて乾燥させた。回収=0.691 g(83%収率)。(M-H)-のM/Z=432、1H NMR (DMSO) δ=7.42-7.48 (1H)、7.55-7.6 (2H)、7.74-7.8 (1H)、7.92-8.0 (3H)、11.2 (br, 1H)。
【0095】
実施例3.5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリド
【0096】
【化43】

【0097】
5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノ安息香酸 3.27 g, 7.4 mmol) を塩化チオニル (30 mL) に懸濁し、該化合物を4時間加熱し、還流させた。溶媒を乾燥のために除去し、残渣を無水酢酸エチル (2×20 mL) に溶解し、溶媒を除去した。固体を減圧乾燥機中で40℃にて一晩乾燥させた。
【0098】
実施例4.5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノ-N-(2''-メトキシベンジル)ベンズアミド
【0099】
【化44】

【0100】
5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]塩化アミノベンゾイル(5.124 g, 11.6 mmol)をテトラヒドロフラン(100 mL)中に溶解し、混合物を氷浴中で5℃未満に冷却した。温度を10℃未満に保ちながら、2-メトキシベンジルアミン(1.8 mL, 13.8 mmol, 1.2当量) およびトリエチルアミン (1.9 mL, 13.6 mmol, 1.2当量) を混合物に加えた。混合物を室温に暖め、溶媒を乾燥のために除去した。残渣をHCl(1 M, 50 mL)と酢酸エチル (100 mL) との間に分画した。有機溶媒を回収し、乾燥のため濃縮させた。生じた固体を酢酸エチル (2×25 mL) 中に溶解し、溶媒を除去した。混合物を、ヘキサン中の20% 酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。固体をヘキサン(90 mL)中の5%酢酸エチルの混合物に懸濁させた。混合物を遠心分離し、固体を減圧乾燥機中で40℃にて一晩乾燥させた。回収=4.85 g (75%収率)。[M-H]-のM/Z=557、1H NMR (CDCl3) δ=3.85 (s, 3H)、4.5 (sd, 2H)、6.5-6.6 (1H)、6.9-7.05 (4H)、7.3-7.4 (2H)、7.45 (1H)、7.5 (1H)、7.6 (1H)、7.8 (2H)、10.8 (br, 1H)。
【0101】
実施例5.5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノ-N-(4"-フルオロベンジル)ベンズアミド.
【0102】
【化45】

【0103】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに4-フルオロベンジルアミンを用いて調製した: [M-H]-のM/Z = 545. 1H NMR (DMSO) δ = 4.4 (sd, 2H), 7.15-7.23 (2H), 7.3-7.4 (2H), 7.4-7.5 (3H), 7.65-7.7 (1H), 7.8-7.9 (2H), 7.9-8.0 (1H), 9.4 (br, 1H), 11.5 (br, 1H).
【0104】
実施例6.5-ブロモ-2-[(4'-クロロフェニル)スルホニル]アミノ-N-(4"-フルオロベンジル)ベンズアミド.
【0105】
【化46】

【0106】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに4-フルオロベンジルアミンおよび5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドの代わりに5-ブロモ-2-[(4'-クロロフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドを用いて調製した: [M-H]-のM/Z = 495. 1H NMR (DMSO) δ = 4.4 (sd, 2H), 7.15-7.25 (2H), 7.3-7.4 (2H), 7.45-7.5 (1H), 7.55-7.6 (2H), 7.65-7.75 (3H), 7.9-7.95 (2H), 9.4 (1H), 11.4 (br, 1H).
【0107】
実施例7.5-ブロモ-2-[(4'-クロロフェニル)スルホニル]アミノ-N-(3"-ブロモフェニル)ベンズアミド.
【0108】
【化47】

【0109】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに3-ブロモアニリンおよび5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドの代わりに5-ブロモ-2-[(4'-クロロフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 541. 1H NMR (DMSO) δ = 7.2-7.4 (1H), 7.27-7.32 (2H), 7.45-7.52 (2H), 7.52-7.6 (1H), 7.62-7.7 (2H), 7.8-7.84 (1H), 7.88-7.9 (1H), 10.2 (1H), 10.4 (1H).
【0110】
実施例8.5-ブロモ-2-[(4'-クロロフェニル)スルホニル]アミノ-N-(2"-メトキシベンジル)ベンズアミド.
【0111】
【化48】

【0112】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドの代わりに5-ブロモ-2-[(4'-クロロフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 507. 1H NMR (CDCl3) δ = 3.85 (s, 3H), 4.45 (sd, 2H), 6.45 (br, 1H), 6.8-7.0 (2H), 7.15-7.2 (2H), 7.3-7.5 (3H), 7.55-7.6 (1H), 7.6-7.65 (2H), 10.65 (1H).
【0113】
実施例9.5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノ-N-(4"-メチルベンジル)ベンズアミド.
【0114】
【化49】

【0115】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに4-メチルベンジルアミンを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 541. 1H NMR (DMSO) δ = 2.3 (s, 3H), 4.35 (sd, 2H), 7.1-7.2 (4H), 7.4-7.5 (3H), 7.65-7.7 (1H), 7.8-7.85 (2H), 7.9-8.0 (1H), 9.4 (1H), 11.6 (1H).
【0116】
実施例10.5-ブロモ-2-[(4'-クロロフェニル)スルホニル]アミノ-N-(2"-トリフルオロメトキシベンジル)ベンズアミド.
【0117】
【化50】

【0118】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに2-トリフルオロメトキシベンジルアミンおよび5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドの代わりに5-ブロモ-2-[(4'-クロロフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 561. 1H NMR (DMSO) δ = 4.4 (sd, 2H), 7.38-7.5 (5H), 7.55-7.62 (2H), 7.7-7.8 (3H), 7.95-8.0 (1H), 9.4 (br, 1H), 11.4 (br, 1H).
【0119】
実施例11.N-[5-ブロモ-2-(4'-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-フェニル]-2-(3"-メトキシフェニル)-アセトアミド.
【0120】
【化51】

【0121】
N-(2-アミノ-4-ブロモ フェニル)-4-(トリフルオロメトキシ)-ベンゼンスルホンアミド(0.042 g, 0.1 mmol)を、テトラヒドロフラン(1 mL)に溶解した。混合物を氷浴中で5℃未満に冷却した。3-メトキシフェニルアセチルクロリド(55 μL, 0.3 mmol)およびトリエチルアミン(45 μL, 0.32 mmol)を混合物に添加した。混合物を室温まで加温し、溶媒を除去して乾燥させた。得られた残渣をHCl(1M, 1mL)と酢酸エチル(2 mL)との間に分配した。有機溶媒を回収した。溶媒を除去して乾燥し、得られた固体を酢酸エチル(2×5 mL)に溶解した。粗生成物を、ヘキサンと酢酸エチルの50/50混合物を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。 [M-H]-のM/Z = 559. 1H NMR (CDCl3) δ = 3.7 (s, 2H), 3.85 (s, 3H), 6.6-6.7 (1H), 6.8-7.0 (4H), 7.1-7.15 (1H), 7.2-7.3 (2H), 7.3-7.4 (1H), 7.6-7.65 (2H), 7.8-7.9 (2H).
【0122】
実施例12.5-ブロモ-2-[(4'-クロロフェニル)スルホニル]アミノ-N-(2'-クロロフェニル)ベンズアミド.
【0123】
【化52】

【0124】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに2-クロロアニリンおよび5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドの代わりに5-ブロモ-2-[(4'-クロロフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 497. 1H NMR (CDCl3) δ = 7.15-7.2 (1H), 7.25-7.3- (2H), 7.35-7.4 (1H), 7.45-7.5 (1H), 7.6-7.7 (5H), 8.0 (br, 1H), 8.25-8.30 (1H), 101.1 (1H).
【0125】
実施例13.5-ブロモ-2-[(4'-クロロ-3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノ-N-(2'-メトキシフェニル)ベンズアミド.
【0126】
【化53】

【0127】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに2-メトキシアニリンおよび5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドの代わりに5-ブロモ-2-[(4'-クロロ-3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 538, 1H NMR (DMSO) δ = 3.8 (s, 3H), 6.85-6.95 (1H), 7.0-7.08 (1H), 7.1-7.2 (2H), 7.6-7.78 (2H), 7.82-7.96 (3H), 8.3 (1H).
【0128】
実施例14.5-ブロモ-2-[(4'-メトキシ-3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノ安息香酸.
【0129】
【化54】

【0130】
この化合物を、実施例2に記載の手順を用い、テトラヒドロフラン/水の代わりにメタノール(3)/水(1)の混合物を用いて、メチル5-ブロモ-2-[(4'-クロロ-3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノベンゾエートの加水分解により調製した。 [M-H]-のM/Z = 429.
【0131】
実施例15.5-ブロモ-2-[(4'-メトキシ-3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノ-N-(3'-ブロモフェニル)ベンズアミド.
【0132】
【化55】

【0133】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに3-ブロモアニリンおよび5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドの代わりに5-ブロモ-2-[(4'-メトキシ-3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドを用いて調製した。
[M-H]-のM/Z = 582, 1H NMR (DMSO) δ = 3.8 (s, 3H), 7.24-7.28 (3H), 7.32-7.38 (1H), 7.48-7.54 (1H), 7.62-7.68 (1H), 7.78-7.82 (1H), 7.86-7.92 (2H), 8.14 (1H), 10.2 (1H), 10.4 (1H).
【0134】
実施例16.5-ブロモ-2-[(4'-メトキシ-3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノ-N-(2'-フルオロフェニル)ベンズアミド.
【0135】
【化56】

【0136】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに2-フルオロアニリンおよび5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドの代わりに5-ブロモ-2-[(4'-メトキシ-3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 522, 1H NMR (DMSO) δ = 3.95 (s, 3H), 7.14-7.3 (4H), 7.4-7.44 (1H), 7.56-7.7 (2H), 7.9-7.96 (2H), 8.2 (1H), 10.4 (1H), 10.8 (1H).
【0137】
実施例17.5-ブロモ-2-[(3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノ-N-(3',4'-ジクロロフェニル)ベンズアミド
【0138】
【化57】

【0139】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに3,4-ジクロロアニリンおよび5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドの代わりに5-ブロモ-2-[(3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドを用いて調製した。 1H NMR (DMSO) δ = 7.22-7.28 (1H), 7.44-7.5 (1H), 7.58-7.62 (1H), 7.68-7.82 (3H), 7.94 (1H), 8.06-8.1 (1H), 8.32-8.36 (1H), 8.42 (1H).
【0140】
実施例18.5-ブロモ-2-[(4'-クロロ-3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノ-N-(2',5'-ジクロロフェニル)ベンズアミド.
【0141】
【化58】

【0142】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに2,5-ジクロロアニリンおよび5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドの代わりに5-ブロモ-2-[(4'-クロロ-3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノベンゾイルクロリドを用いて調製した。 1H NMR (DMSO) δ = 7.2-7.25 (1H), 7.3-7.4 (1H), 7.58-7.62 (1H), 7.6-7.7 (1H), 7.8-8.9 (4H), 8.32-8.36 (1H).
【0143】
実施例19.2-[(4'-クロロ-3'-ニトロフェニル)スルホニル]アミノ安息香酸.
【0144】
【化59】

【0145】
この化合物を実施例1および2に記載の手順を用い、メチル5-ブロモ-2-アミノベンゾエートの代わりにメチルアントラリネート(anthralinate)および4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニルクロリドの代わりに4-クロロ-3-ニトロベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 355.
【0146】
実施例20.5-ブロモ-2-[(2',5'-ジクロロチオフェン)-3-スルホニル]アミノ安息香酸.
【0147】
【化60】

【0148】
この化合物を実施例1および2に記載の手順を用い、4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホニルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 427.
【0149】
実施例21.5-ブロモ-2-[ベンゾチオフェン-3-スルホニル]アミノ安息香酸.
【0150】
【化61】

【0151】
この化合物を実施例1および2に記載の手順を用い、4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニルクロリドの代わりにベンゾチオフェン-3-スルホニルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 410.
【0152】
実施例22.5-ブロモ-2-[(4-ペンチルフェニル)スルホニル]アミノ安息香酸.
【0153】
【化62】

【0154】
この化合物を実施例1および2に記載の手順を用い、4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニルクロリドの代わりに4-ペンチルフェニル-スルホニルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 424.
【0155】
実施例23.5-ブロモ-2-[キノリン-8-スルホニル]アミノ安息香酸.
【0156】
【化63】

【0157】
この化合物を実施例1および2に記載の手順を用い、4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニルクロリドの代わりに8-キノリン-スルホニルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 405.
【0158】
実施例24.5-ブロモ-2-[(3',5'-ジメチルイソオキサゾール)-4-スルホニル]アミノ安息香酸.
【0159】
【化64】

【0160】
この化合物を実施例1および2に記載の手順を用い、4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニルクロリドの代わりに3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-スルホニルクロリドを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 373.
【0161】
実施例25.5-ブロモ-2-[(4'-トリフルオロメトキシフェニル)スルホニル]アミノ-N-[エチル-2-(2'-メトキシフェニル)]ベンズアミド.
【0162】
【化65】

【0163】
この化合物を実施例4に記載の手順を用い、2-メトキシベンジルアミンの代わりに2-メトキシフェニルエチルアミンを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 571. 1H NMR (DMSO) δ = 2.8 (t, 2H), 3.3 (2H), 3.8 (s, 3H), 6.8-6.9- (1H), 6.95-7.0 (1H), 7.1-7.15 (1H), 7.18-7.23 (1H), 7.41-7.45 (1H), 7.5-7.6 (2H), 7.65-7.75 (1H), 7.8-7.9 (3H). 9.0 (br, 1H), 11.6 (br, 1H).
【0164】
実施例26.N-(4-ニトロフェニル)-4(トリフルオロメトキシ)-ベンゼンスルホンアミド.
【0165】
【化66】

【0166】
この化合物を実施例1に記載の手順を用い、メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエートの代わりに4-ニトロアニリンを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 362. 1H NMR (DMSO) δ = 7.3-7.4 (2H), 7.55-7.65 (2H), 7.95-8.05 (2H), 8.15-8.25 (2H), 11.4 (H).
【0167】
実施例27.N-(4-メチルベンジル)-4-(トリフルオロメトキシ)-ベンゼンスルホンアミド.
【0168】
【化67】

【0169】
この化合物を実施例1に記載の手順を用い、メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエートの代わりに4-メチルベンジルアミンを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 344. 1H NMR (CDCl3) δ = 2.3 (s, 3H), 4.15 (sd, 2H), 7.0-7.15 (4H), 7.27-7.35 (2H), 7.8-7.9 (2H).
【0170】
実施例28.N-[2-クロロベンジル]-4-(トリフルオロメトキシ)-ベンゼンスルホンアミド.
【0171】
【化68】

【0172】
この化合物を実施例1に記載の手順を用い、メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエートの代わりに2-クロロベンジルアミンを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 364. 1H NMR (CDCl3) δ = 4.3 (sd, 2H), 5.65 (1H), 7.05-7.3 (6H), 7.7-7.75 (2H).
【0173】
実施例29.N-(4-メチルチオ)-4-(トリフルオロメトキシ)-ベンゼンスルホンアミド.
【0174】
【化69】

【0175】
この化合物を実施例1に記載の手順を用い、メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエートの代わりに4-メチルチオアニリンを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 362. 1H NMR (CDCl3) δ = 2.4 (s, 3H), 6.5 (s, 1H), 6.95-7.05 (2H), 7.15-7.2 (2H), 7.25-7.3 (2H), 7.75-7.8 (2H).
【0176】
実施例30.N-(4-ブロモ-2-ニトロ)-4(トリフルオロメトキシ)-ベンゼンスルホンアミド.
【0177】
【化70】

【0178】
この化合物を実施例1に記載の手順を用い、メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエートの代わりに4-ブロモ-2-ニトロアニリンを用いて調製した。生成物を、副次的生成物として約10%収率で得た。 [M-H]-のM/Z = 439 1H NMR (CDCl3) δ = 7.3-7.35 (2H), 7.38-7.42 (1H), 7.7-7.75 (1H), 7.76-7.8 (1H), 7.88-7.92 (2H), 7.95-8.05 (1H), 8.3 (1H).
【0179】
実施例31.N-(トリフルオロメトキシフェニル)-N'-(4-ブロモ-2-ニトロ フェニル)-4-(トリフルオロメトキシ)-ベンゼンスルホンアミド
【0180】
【化71】

【0181】
この化合物を実施例1に記載の手順を用い、メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエートの代わりに4-ブロモ-2-ニトロアニリンを用いて調製した。生成物を主生成物として得た。 [M-H]-のM/Z = 599. 1H NMR (CDCl3) δ = 6.98-7.02 (1H), 7.38-7.42 (4H), 7.73-7.78 (1H), 8.0-8.06 (4H), 8.2 (1H).
【0182】
実施例32.N-(2-アミノ-4-ブロモ フェニル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
【0183】
【化72】

【0184】
N-(4-ブロモ-2-ニトロ)-4(トリフルオロメトキシ)-ベンゼンスルホンアミド(0.406 g, 0.92 mmol)を、テトラヒドロフラン(5 mL)とメタノール(15 mL)の混合物に溶解した。混合物を、氷浴を用いて5℃未満に冷却した。BiCl3(0.696 g, 2.2 mmol, 2.2当量)を添加した。NaBH4(0.203 g, 5.4 mmol, 5.5当量)を混合物にゆっくりと添加した。黒色沈殿がただちに形成された。混合物を室温まで加温し、遠心分離し、固体を廃棄した。溶液を濃縮して乾燥させた。得られた残渣を、20%酢酸エチル含有ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。 1H NMR (CDCl3) δ = 4.1-4.3 (br, 2H), 6.0 (1H), 6.2-6.3 (1H), 6.6-6.7 (1H), 6.9-7.0 (1H), 7.36-7.4 (2H), 7.72-7.76 (2H).
【0185】
実施例33.N-(4-トリフルオロメトキシフェニル)-N'-(2-アミノ-4-ブロモ フェニル)-4-(トリフルオロメトキシ)-ベンゼンスルホンアミド
【0186】
【化73】

【0187】
この化合物を実施例32に記載の手順を用い、N-(4-ブロモ-2-ニトロ)-4(トリフルオロメトキシ)-ベンゼンスルホンアミドの代わりにN-(トリフルオロメトキシフェニル)-N'-(4-ブロモ-2-ニトロ フェニル)-4-(トリフルオロメトキシ)-ベンゼンスルホンアミドを用いて調製した。 1H NMR (CDCl3) δ = 5.0 (1H), 6.35-6.4 (1H), 6.95-7.05 (1H), 7.2-7.35-(1H), 7.38-7.45 (4H), 7.6 (1H), 8.0-8.1 (4H).
【0188】
実施例34.N-(4-フェノキシ フェニル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
【0189】
【化74】

【0190】
この化合物を実施例1に記載の手順を用い、メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエートの代わりに4-フェノキシアニリンを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 408, 1H NMR (CDCl3) δ = 6.8-7.05 (6H), 7.1 (1H), 7.2-7.4 (4H), 7.8 (2H).
【0191】
実施例35.N (4-ヨード-2-フルオロフェニル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
【0192】
【化75】

【0193】
この化合物を実施例1に記載の手順を用い、メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエートの代わりに2-フルオロ-4-ヨードアニリンを用いて調製した。 1H NMR (CDCl3) δ = 7.1-7.45 (5H), 7.8 (2H), 9.8 (1H).
【0194】
実施例36.N-(2-メトキシベンジル)-4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホンアミド
【0195】
【化76】

【0196】
この化合物を実施例1に記載の手順を用い、メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエートの代わりに2-メトキシベンジルアミンを用いて調製した。 [M-H]-のM/Z = 360. 1H NMR (d-MeOH) δ = 3.65 (s, 3H), 4.2 (s, 2H), 6.65-6.8 (2H), 7.05-7.12 (2H), 7.2-7.3 (2H), 7.7 (2H).
【0197】
実施例37.N-(2-トリフルオロメチルベンジル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
【0198】
【化77】

【0199】
この化合物を実施例1に記載の手順を用い、メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエートの代わりに2-トリフルオロメチルベンジルアミンを用いて調製した。
[M-H]-のM/Z = 398.
【0200】
実施例38.3-(3-フルオロ-フェニル)-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-プロペノン.
【0201】
【化78】

【0202】
バイアル内で、3-フルオロベンズアルデヒド(1.0g)および4-ヒドロキシアセトフェノン(0.9g)をメタノール(30 mL)中で攪拌した。NaOH(1.4 mLの50% w/v水溶液)を室温で添加した。反応混合物を一晩攪拌した。粗製物質を1N HClで中和し、酢酸エチル(100 mL)で抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、溶媒を除去した。粗生成物を、アセトンに溶解した。ヘキサンを、沈殿が得られるまで添加した。固体を濾過により回収し、乾燥し、黄色結晶を得た: 1.2 g (67%収率). 1H NMR (400 MHz, DMSO) ( = 6.8 (d, 2H), 7.2 (m, 1H), 7.4 (m, 1H), 7.6 (s, 1H), 7.6 (d, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.9 (d, 1H), 8.0 (d, 2H); MS 計算値: m/z = 242, 実測値: m/e 242.
【0203】
実施例39.3-フラン-2-イル-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-プロペノン.
【0204】
【化79】

【0205】
バイアル内で、2-フルアルデヒド(1.0g)および4-ヒドロキシアセトフェノン(1.2g)をメタノール(30 mL)中で攪拌した。NaOH(1.8 mLの50% w/v水溶液)を室温で添加した。反応混合物を一晩攪拌した。粗製物質を1N HClで中和し、酢酸エチル(100 mL)で抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を除去した。得られた残渣(1.4 g, 75%収率)は1H NMRにより純粋であった。
【0206】
実施例40.3-フラン-2-イル-1-(4-メトキシ-フェニル)-プロペノン.
【0207】
【化80】

【0208】
バイアル内で、2-フルアルデヒド(1.0 g)および4-フェノキシアセトフェノン(1.3 g)をメタノール(30 mL)中で攪拌した。NaOH(1.8 mLの50% w/v水溶液)を室温で添加した。反応混合物を一晩攪拌した。粗製物質を1N HClで中和し、酢酸エチル(100 mL)で抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を除去した。得られた残渣(1.2 g, 69.5%収率)は1HNMRにより純粋であった。
【0209】
実施例41.3-フラン-2-イル-1-(4-フェノキシ-フェニル)-プロペノン.
【0210】
【化81】

【0211】
バイアル内で、2-フルアルデヒド(1.0g)および4-フェノキシアセトフェノン(1.8 g)をメタノール(30 mL)中で攪拌した。NaOH(1.8 mLの50% w/v水溶液)を室温で添加した。反応混合物を一晩攪拌した。翌日、粗固形生成物を濾過により回収し、メタノール中で粉砕した。固体を次いで乾燥し、所望の精製エノンを71%収率(1.8 g)で得た。
【0212】
実施例42.3-(3-フルオロ-フェニル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-プロペノン.
【0213】
【化82】

【0214】
バイアル内で、3-フルオロベンズアルデヒド(1.0 g)および4-メトキシアセトフェノン(1.0 g)をメタノール(30 mL)中で攪拌した。NaOH(1.4 mLの50% w/v水溶液)を室温で添加した。反応混合物を一晩攪拌した。翌日、粗固形生成物を濾過により回収し、メタノール中で粉砕した。固体を次いで乾燥し、所望のエノンを70%収率(1.2 g)で得た。
【0215】
実施例43.3-(3-フルオロ-フェニル)-1-(4-フェノキシ-フェニル)-プロペノン.
【0216】
【化83】

【0217】
バイアル内で、3-フルオロベンズアルデヒド(1.0 g)および4-フェノキシアセトフェノン(1.4 g)をメタノール(30 mL)中で攪拌した。NaOH(1.4 mLの50% w/v水溶液)を室温で添加した。反応混合物を一晩攪拌した。翌日、粗固形生成物を濾過により回収し、メタノール中で粉砕した。固体を次いで乾燥し、所望の精製エノンを75%収率(1.6 g)で得た。
【0218】
実施例44.4-[5-(3-フルオロ-フェニル)-1-メチル-1H-ピラゾル-3-イル]-フェノール.
【0219】
【化84】

【0220】
開口バイアルにおいて、0.4 gの3-(3-フルオロ-フェニル)-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-プロペノンをジメチルスルホキシド(10 mL)に溶解し、1 gのメチルヒドラジンを添加し、反応混合物を3日間で85℃に加熱した。出発物質の消失をTLC(シリカ/30% EtOAc-ヘキサン)によりモニターした。TLCはまた、ピラゾリン中間体の消失もモニターした。所望のピラゾールは、ピラゾリン中間体よりも高いRf-値を有する。反応物を室温まで冷却し、酢酸エチル(100 mL)および水(50 mL)を添加した。有機層を水(25 mL)で2回洗浄し、次いで分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別した後溶媒を除去した。シリカの短カラム(30%酢酸エチル-ヘキサンで溶出)による精製およびアセトン/ヘキサンからの結晶化により、所望のピラゾールを中程度の収率で得た。(0.15 g, 34%収率). 1H NMR (400 MHz, DMSO) ( = 3.9 (d, 3H), 6.8 (d, 2 H), 6.8 (s, 1H), 7.3 (m, 1H), 7.45 (m, 2 H), 7.6 (m, 1H), 7.65 (d, 2H); MS 計算値: m/e 268, 実測値: m/e 268.
【0221】
実施例45.4-(5-フラン-2-イル-1-メチル-1H-ピラゾル-3-イル)-フェノール.
【0222】
【化85】

【0223】
開口バイアルにおいて、3-フラン-2-イル-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-プロペノン(0.4 g)をジメチルスルホキシド(10 mL)に溶解した。1 gのメチルヒドラジンを添加し、反応混合物を2日間で85℃に加熱した。調製(workup)および実施例44に記載のような精製の後、所望のピラゾールを中程度の収率(0.1 g)で得た。
【0224】
実施例46.5-(3-フルオロ-フェニル)-1-メチル-3-(4-フェノキシ-フェニル)-1H-ピラゾール.
【0225】
【化86】

【0226】
開口バイアルにおいて、3-(3-フルオロ-フェニル)-1-(4-フェノキシ-フェニル)-プロペノン(0.4 g)をジメチルスルホキシド(10 mL)に溶解した。メチルヒドラジン(1.0 g)を添加し、反応混合物を3日間で85℃に加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(100 mL)および水(50 mL)を添加した。有機層を水(25 mL)で2回洗浄し、次いで分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別した後、溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィーによる精製(シリカ、酢酸エチル-ヘキサンで溶出、1:9)により所望のピラゾールを低収量(0.075g)で得た。
【0227】
実施例47.5-(3-フルオロ-フェニル)-3-(4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-1H-ピラゾール.
【0228】
【化87】

【0229】
開口バイアルにおいて、3-(3-フルオロ-フェニル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-プロペノン(0.4 g)をジメチルスルホキシド(10 mL)に溶解した。メチルヒドラジン(1.0 g)を添加し、反応混合物を3日間で85℃に加熱した。反応物を室温まで冷却し、酢酸エチル(100 mL)および水(50 mL)を添加した。有機層を水(25 mL)で2回洗浄し、次いで分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別した後、溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィーによる精製(シリカ 酢酸エチル-ヘキサンで溶出、1:9)により所望のピラゾールを中程度の収率(0.174g)で得た。
【0230】
実施例48.5-フラン-2-イル-3-(4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-1H-ピラゾール.
【0231】
【化88】

【0232】
開口バイアルにおいて、3-フラン-2-イル-1-(4-メトキシ-フェニル)-プロペノン(0.4 g)をジメチルスルホキシド(10 mL)に溶解した。メチルヒドラジン(1.0 g)を添加し、反応混合物を3日間で85℃に加熱した。反応物を室温まで冷却し、酢酸エチル(100 mL)および水(50 mL)を添加した。有機層を水(25 mL)で2回洗浄し、次いで分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別した後、溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィーによる精製(シリカ、酢酸エチル-ヘキサンで溶出、1:9)により所望のピラゾールを中程度の収率(0.096 g)で得た。
【0233】
実施例49.5-フラン-2-イル-1-メチル-3-(4-フェノキシ-フェニル)-1H-ピラゾール.
【0234】
【化89】

【0235】
開口バイアルにおいて、3-フラン-2-イル-1-(4-フェノキシ-フェニル)-プロペノン(0.4 g)をジメチルスルホキシド(10 mL)に溶解した。メチルヒドラジン(1.0 g)を添加し、反応混合物を3日間で85℃に加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(100 mL)および水(50 mL)を添加した。有機層を水(25 mL)で2回洗浄し、次いで分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別した後、溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィーによる精製(シリカ、酢酸エチル-ヘキサンで溶出、1:9)により所望のピラゾールを中程度の収率(0.1 g)で得た。
【0236】
実施例50.4-(5-フラン-2-イル-イソオキサゾル-3-イル)-フェノール.
【0237】
【化90】

【0238】
3-フラン-2-イル-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-プロペノン(0.4 g, 1.9mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(0.2 g, 2.85 mmol)の混合物に、水酸化ナトリウム(0.15 g, 2.8 mmol)を添加した。反応混合物を3日間加熱還流した。混合物を次いで濃縮し、希HClで中和した。酢酸エチルおよび水を次いで添加し、混合物を振盪した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し(20%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)、所望のイソオキサゾールを低収量(50 mg)で得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO) ( = 6.65 (d, 1H), 6.85 (d, 2H), 7.05 (d, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.75 (d, 2H), 7.85 (d, 1H). MS 計算値 = m/e 227, 実測値 = m/e 227.
【0239】
実施例51.5-フラン-2-イル-3-(4-メトキシ-フェニル)-イソオキサゾール.
【0240】
【化91】

【0241】
3-フラン-2-イル-1-(4-メトキシ-フェニル)-プロペノン(0.4 g, 1.75 mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(0.18 g, 2.6 mmol)の混合物に、水酸化ナトリウム(0.14 g, 3.5 mmol)を添加した。反応混合物を3日間加熱還流した。混合物を次いで濃縮し、希HClで中和した。次いで、酢酸エチルおよび水を添加した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し(シリカ、20%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)、所望のイソオキサゾールを低収量(10 mg)で得た。
【0242】
実施例52.5-フラン-2-イル-3-(4-フェノキシ-フェニル)-イソオキサゾール.
【0243】
【化92】

【0244】
3-フラン-2-イル-1-(4-フェノキシ-フェニル)-プロペノン(0.4 g, 1.4 mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(0.14 g, 2.1 mmol)の混合物に、水酸化ナトリウム(0.11g,2.8 mmol)を添加した。反応混合物を3日間加熱還流した。混合物を次いで濃縮し、希HClで中和した。酢酸エチルおよび水を添加した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、(シリカ、20%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)、所望のイソオキサゾールを低収量(10 mg)で得た。
【0245】
実施例53.1,3-ビス-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレア.
【0246】
【化93】

【0247】
窒素下、丸底フラスコにて、α,α,α-トリフルオロ-m-トルイルイソシアネート(3 g, 16 mmol)を無水ジクロロメタン(40 mL)に溶解した。3-(トリフルオロメチル)アニリン(2 g, 12.4 mmol)をシリンジにより 室温で添加した。添加終了の15分後、沈殿が形成された。反応物を室温で一晩攪拌した。翌日、濾過により白色固体を回収し、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥した。この固体は、所望のウレアに相当する。(4.2 g, 97%収率). 1H NMR (400 MHz, DMSO) ( 7.35 (d, 2H), 7.55 (m, 2 H), 7.6 (d, 2H), 8.05 (s, 2H). MS 計算値 = m/e 348, 実測値 = m/e 348.
【0248】
実施例54.2-ヨード-4-ブロモアセトアニリド.
【0249】
【化94】

【0250】
900 mLのMeOHおよび100 mL水の混合物に、4-ブロモアニリン(40.0 g, 0.232 mol)を添加し、得られた溶液を氷浴中で冷却した。これに35 mLの濃縮H2SO4、次いでICl(255 mL 0.232 mol)含有CH2Cl2の1M 溶液を添加した。浴を次いで取り出し、反応物を一晩攪拌した。揮発性物質を次いで回転式エバポレーションにより除去し、200 mLの氷水を、500 mL CH2Cl2とともに生成物に添加した。混合物を、1M NaOHで強塩基性とし、次いで抽出(3×CH2Cl2)した。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥し、次いで濃縮し、真空乾燥し、2-ヨード-4-ブロモアニリンを得た。 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ4.1 (s, 2H, NH), 6.60 (m, 1H, NCH), 7.22 (m, 1H, CHCH), 7.77 (s, 1H, ICCHCBr).粗生成物を次いで、氷浴中で冷却した、アセチルクロリド(36.0 g, 0.472 mol)とピリジン(56.0 g, 0.708 mol)を含有する1Lの乾燥THFの混合物に添加した。浴を次いで取り出し、得られた混合物を室温で一晩攪拌した。THFを回転エバポレーションにより除去し、次いで400 mLの氷水を添加した。生成物をCH2Cl2(3×300 mL)で抽出し、次いで層を合わせ、Na2SO4で乾燥した。EtOAcおよびヘキサンの混合物を用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより、12 gの2-ヨード-4-ブロモアセトアニリドを得た。 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 2.24 (s, 3H, CH3), 7.39 (s, 1H, NH), 7.46 (d, 8.4 Hz, 1H, BrCCH), 7.90 (s, 1H, ICCHCBr), 8.13 (d, 8.0 Hz, 1H, NCCH).
【0251】
実施例55.2-ジエチルホスホノ-4-ブロモアセトアニリド.
【0252】
【化95】

【0253】
30 mL容バイアルに、2-ヨード-4-ブロモアセトアニリド(3.25 g, 9.23 mmol)を、トリエチルホスファイト(2.31 g, 13.8 mmol)およびPdCl2(113 mg, 0.641 mmol)とともに添加した。バイアルにN2を吹き付け(flush)、密封し、次いで攪拌しながら130℃で30時間加熱した。得られた溶液を室温まで冷却し、EtOAc/ヘキサンの1:1混合物に溶解し、次いでEtOAc/ヘキサンの混合物を用いたシリカカラム上で精製し、2.70 gの2-ジエチルホスホノ-4-ブロモアセトアニリド白色固体として得た。 1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ = 1.36 (s, 6H, 6.8 Hz, CH2CH3), 2.20 (s, 3H, CH3), 4.10 (m, 4H, CH2), 7.66 (m, 2H, CHBrCCH), 8.54 (m, 1H, NCCH), 10.6 (s, 1H, NH).
【0254】
実施例56.2-ジエチルホスホノ-4-ブロモアニリン.
【0255】
【化96】

【0256】
オーブン乾燥した 250 mL容丸底フラスコに、Na(1.2 g, 52.2 mmol)を、攪拌バーとともに添加した。フラスコにN2を吹き付け、次いで氷浴中で冷却した。フラスコを、N2供給口を有するゴム栓で密閉し、次いで100 mLの無水EtOHをシリンジによりゆっくりと添加した。得られた混合物を、すべてのNaが溶解するまで攪拌し、次いで2.8 mLのこの溶液を、攪拌バーおよび2-ジエチルホスホノ-4-ブロモアセトアニリド(0.400 g, 0.114 mmol)を含有する真空/P2O5で乾燥したオーブン乾燥バイアルに添加した。バイアルにN2を吹き付け、密閉し、次いで5時間65℃で加熱した。得られた溶液を室温まで冷却し、次いで回転式エバポレーションにより濃縮して乾燥した。残渣を3 mLのCHCl3で溶解させ、次いで、溶出溶媒としてEtOAcを用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、220 mg (63 %)の黄褐色固体を得た。 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 1.30 (t, 6.8 Hz, 6H, CH3), 4.1 (m, 4H, CH2), 6.50 (m, 1H, NCCH), 7.28 (m, 1H, BrCCHCH), 7.5 (m, 1H, PCCHBr). 31P (400 MHz, CDCl3) 19.95 (s).
【0257】
実施例57.2-ホスホノ-4-ブロモアニリン二ナトリウム塩.
【0258】
【化97】

【0259】
2-ジエチルホスホノ-4-ブロモアセトアニリドを、攪拌バーを入れた30 mL容バイアル中で、20 mLの6N HClで処理した。得られた混合物を、撹拌しながら、18時間、100℃で加熱し、次いで、室温まで冷却し、200 mL水で希釈した。得られた溶液を回転式エバポレーションにより濃縮し、次いで、20 mL水で再度希釈し、濃縮した。生成物を最少量の水で再結晶化し、次いで固体を、少量の水に再溶解し、次いで、これを、1N NaOH(pH 10〜11)で塩基性とした。二ナトリウム塩を、イソプロパノールを添加することにより沈殿させ、生成物を真空/P2O5乾燥した。これにより、0.97 gの2-ホスホノ-4-ブロモアニリン二ナトリウム塩を白色固体として得た。 1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 6.48 (m, 1H, CHNH), 6.48 (d, 7.6 Hz, 1H, BrCHCH), 7.44 (d, 1 H, BrCCHCP).
【0260】
実施例58.1-(2-ヨード-4-ブロモフェニル)-3-(3-トリフルオロメチルフェニル)ウレア.
【0261】
【化98】

【0262】
攪拌バーを入れた250 mL容丸底フラスコ内の100 mLの無水THFに、2-ヨード-4-ブロモアニリン(2.00 g, 6.70 mmol)を、3-トリフルオロメチルフェニルイソシアネート(1.51g, 7.00 mmol)および52 mgのピリジンとともに添加した。得られた溶液を一晩65℃で加熱した。THFを回転式エバポレーションにより除去し、生成物を、酢酸エチルから再結晶化させ、3.0 g(92 %)の1-(2-ヨード-4-ブロモフェニル)-3-(3-トリフルオロメチルフェニル)ウレアを白色固体として得た。
【0263】
実施例59.1-(2-ジエチルホスホノ-4-ブロモフェニル)-3-(3-トリフルオロメチルフェニル)ウレア.
【0264】
【化99】

【0265】
30 mL容バイアルに、1-(2-ヨード-4-ブロモフェニル)-3-(3-トリフルオロメチルフェニル)ウレア(2.00 g, 4.12 mmol)を、トリエチルホスファイト(1.03 g, 6.0 mmol)およびPdCl2 (49 mg, 0.278 mmol)とともに添加した。バイアルにN2を拭きつけ、密閉し、次いで攪拌しながら、130℃で一晩加熱した。得られた溶液を、EtOAc/ヘキサンの1:1混合物に溶解し、次いで、EtOAc/ヘキサンの混合物を用いるシリカカラム上で精製し、1.25 gの1-(2-ジエチルホスホノ-4-ブロモフェニル)-3-(3-トリフルオロメチルフェニル)ウレアを白色固体として得た。
【0266】
実施例60.パラレル合成: 1-(2-ジエチルホスホノ-4-ブロモフェニル)-3-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ウレア.
【0267】
【化100】

【0268】
攪拌バーを入れたオーブン乾燥30mL容バイアルに、2 mLのピリジン、次いで、3,5-ビストリフルオロメチルフェニルイソシアネート(35 mg, 0.125)および2-ジエチルホスホノ-4-ブロモアニリン(32 mg, 0.104 mmol)を添加した。得られた溶液を65℃で3時間攪拌した。ピリジンを回転エバポレーションにより除去し、次いで生成物を、EtOAcおよびヘキサンの混合物を用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、1-(2-ジエチルホスホノ-4-ブロモフェニル)-3-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ウレアを得た。 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 1.32 (t, 6.8 Hz, 6H CH3), 4.10 (m, 4H, CH2), 7.52 (s, 1H, CCF3CHCCF3), 7,64 (m, 2H, CHCBRCH), 8.03 (s, 2H, CCF3CHCNH), 8.30 (m, 1H, CPCNCH), 8.62 (s, 1 H, NH), 9.82 (s, 1H, PCCNH). 31P (400 Mz, CDCl3) δ = 18.19 (s)
【0269】
実施例61.1-(2-ホスホノ-4-ブロモフェニル)-3-(3-トリフルオロメチルフェニル)ウレア.
方法A
【0270】
【化101】

【0271】
攪拌バーを入れた40 mL容バイアルに、1-(2-ジエチルホスホノ-4-ブロモフェニル)-3-(3-トリフルオロメチルフェニル)ウレア(1.2 g, 2.42 mmol)を、15 mLのCHCl3とともに添加した。これを氷浴中で冷却し、次いで、N2下で攪拌しながらブロモトリメチルシラン(5.0 g, 32.7 mmol)をゆっくりと添加した。添加後、浴を取り出し、次いで、バイアルを密閉し、40℃で2日間加熱した。得られた溶液氷浴中で冷却し、水(5 mL)、次いで10 mLのイソプロパノールを滴下した。10分後、浴を取り出し、反応物を室温で1日攪拌した。混合物を、次いで、50 mLの水で希釈し、沈殿が形成されるまで濃縮した。沈殿を濾過し、次いで酢酸エチルから再結晶化させて、750 mgの1-(2-ホスホノ-4-ブロモフェニル)-3-(3-トリフルオロメチルフェニル)ウレアを白色固体として得た。1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ= 7.27 (d, 8.0 Hz, 1H, CHCHCCF3), 7.43 (m, 1H, CHCHCCF3), 7.60 (m, 2H, CHCBrCH), 7.70 (dd, 15 Hz, 2H2, 1H, BsCCHCP) 7.90 (s, 1H, CHCF3), 8.05 (m, 1H). 31P (400 Mz, CDCl3) δ =13.41 (s).
【0272】
実施例62.パラレル合成: 1-(2-ホスホノ-4-ブロモフェニル)-3-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ウレア 二ナトリウム塩.
方法B
【0273】
【化102】

【0274】
攪拌バーを入れた30 mL容バイアルに、DMSO-D6 (0.5 mL)、ピリジン-D5 (1滴)、3-トリフルオロメチルフェニルイソシアネート(14 mg, 0.080mol)および2-ホスホノ-4-ブロモアニリン二ナトリウム塩(10 mg, 0.036 mmol)を添加した。得られた混合物を65℃で3時間撹拌すると、所望のウレアのDMSO溶液が得られた。
【0275】
実施例63.N-(4-ブロモ-2-ヨード-フェニル)-4-トリフルオロメトキシ-ベンズアミド.
【0276】
【化103】

【0277】
攪拌バーおよび4-トリフルオロメトキシベンゾイルクロリド(0.70 g, 3.12 mmol)を含有する冷却した30 mL容バイアルに、2-ヨード-4-ブロモアニリン(0.837 g, 2.81 mmol)を含有する3 mLの無水ピリジンを添加した。浴を次いで取り除いた。反応溶液を室温で一晩攪拌し、50 mLのEtOAcを添加した。得られた溶液を100 mLの10%HCl水溶液内に注入した。層を攪拌し、次いで有機層を分離し、水(2×50 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮すると、所望の生成物であることが示された。 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.37 (d, 8.4 Hz, 2HCF3OCCH), 7.53 (m, 1H, ICNCCH), 7.96 (d, 1.6 Hz, 1H, BrCCHCI), 8.8 (d, 8.8 Hz, 2H, CHCHCCOCF3), 8.21 (s, 1H, NH), 8.34 (d, 8.8 Hz, 1H, , ICNCCHCH). MS (electrospray) 486 (MH+), 488 (MH++2).
【0278】
実施例64.2-ジエチルホスホノ-4-ブロモ-(4-トリフルオロメトキシベンゾイル)アニリド.
【0279】
【化104】

【0280】
30 mL容バイアルに、2-ヨード-4-ブロモ-(4-トリフルオロメトキシベンゾイル)アニリド(0.700 g, 1.56 mmol)を、トリエチルホスファイト(0.776 g, 4.68 mmol)およびPdCl2(14 mg, 0.078 mmol)とともに添加した。バイアルにN2を拭きつけ、密閉し、次いで、攪拌しながら130℃で一晩加熱した。得られた溶液を室温まで冷却し、次いで、EtOAc/ヘキサンの1:1混合物を用いたシリカクロマトグラフィーにより精製し、0.45 gの所望のアニリドを白色固体として得た。 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 1.36 (t, 6.8 Hz, 6H, CH3), 4.15 (m, 4H, CH2), 7.34 (d, 9.2 Hz, CF3OCCH), 2H, 7.70 (m, 2H, CHCBRCH), 8.15 (d, 8.8 Hz, 2H, OCCCH), 8.78 (m, 1H, PCCNCH), 11.61 (s, 1H, NH). 31P (400 Mz, CDCl3) δ = 18.60 (s).
【0281】
実施例65.2-ジエチルホスホノ-4-ブロモ-(4-ブロモベンゾイル)アニリド.
【0282】
【化105】

【0283】
攪拌バーを入れた30 mL容バイアルに、THF(1 mL)を、5-メチルベンズオキサゾリン-2-チオン(10 mg, 0.033 mmol)および4-ブロモベンゾイルクロリドとともに添加した。反応混合物を室温で0.5時間攪拌し、次いで2-ジエチルホスホノ-4-ブロモアニリン(10 mg, 0.033 mmol)を添加した。得られた溶液を50℃で一晩加熱した。溶媒をN2流下で除去し、次いで0.5 mLのDMSO-D6を添加した。シリカプレートおよび溶出溶媒として2:1 ヘキサン/酢酸エチルを用いた調製用TLCにより、所望のアニリドを白色固体として得た。 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 1.36 (t, 7.6 Hz, 6H CH3), 4.10 (m, 4H, CH2), 7.70 (m, 4H, ArH), 7.96 (m, 2H, ArH), 8.77 (m, 1H, CHNH), 11.60 (s, 1H, NH). 31P (400 Mz, CDCl3) δ = 18.57 (s).
【0284】
実施例66.リン酸塩輸送体阻害インビトロ試験
以下の実施例は、ウサギ腸刷毛縁膜小胞(Brush Border Membrane Vesicles) (BBMV)によるリン酸塩取り込みの阻害のインビトロ測定に必要な手順を概説する。
【0285】
バッファー溶液調製
300 MET 50 mL
300 mM マンニトール 2.73 g
5 mM EGTA 117 mg
12 mM Tris塩基 73 mg
pH 7.1 (w/HCl)
【0286】
60 MET 250 mL
60 mM マンニトール 2.73g
5 mM EGTA 585 mg
12 mM Tris塩基 363 mg
pH 7.1 (w/ HCl)
【0287】
Na 取り込みハ゛ッファー 50 mL
100 mM NaC1 292 mg
50 mM HEPES 596 mg
100 mM マンニトール 911 mg
100 uM KH2PO4 50 mL 0.1 M 原液
pH 7.4 (w/NaOH)
【0288】
停止ハ゛ッファー 1000 mL
100 mM マンニトール 18.22 g
20 mM HEPES:Tris 1 M 原液の総量20 mL
20 mM MgSO4 4.93 g
100 mM コリン C1 13.96 g
5 mM KH2PO4 681 mg
【0289】
280 MH 250 mL
280 mM マンニトール 12.75 g
20 mM HEPES 5 mLの1 M 原液
pH 7.4 (w/ KOH)
【0290】
K 取り込みハ゛ッファー 50 mL
100 mM KC1 373 mg
50 mM HEPES 596 mg
100 mM マンニトール 911 mg
100 mM KH2PO4 50 mL 0.1 M 原液
PH 7.4 (w/ KOH)
【0291】
BBMV 単離
ウサギ腸刷毛縁膜小胞(BBMV)を、雄ニュージーランド白ウサギの上部小腸(十二指腸)の粘膜切屑から単離した。切屑を低温保存バイアル内に2 gのアリコートに分け、液体窒素中で凍結し、-80℃で保存した。
【0292】
BBMV膜切屑の2 g試料それぞれについて、以下の手順を行なった。バッファー容量および容器サイズを、使用した2 gの試料の数に適するように調整した。調製は、特に記載のない限り、すべて氷上で行なった。
【0293】
粘膜切屑(チューブあたり2 g)を37℃水浴中で3 分間解凍し、次いで氷上に配置した。切屑を合計7.5 mLの300 METで懸濁し、氷上にて250 mL容 Corning チューブに移した。この懸濁液に30 mLの低温(4℃)脱イオン水(dH20)を添加した。懸濁液を、組織ホモジナイザー(Polytron)により高速で2分間ホモジナイズした。攪拌バーおよびMgCl2(81.3 mg)を添加した。懸濁液を、密閉チューブを反転することにより充分混合した。懸濁液を氷上にて40分攪拌し、良好なボルテックスが攪拌バーにより達成されることを確実にした。懸濁液を冷却遠心管に移し、4000×gで15分間回転させた。上清みを新たな冷却遠心管に移し、32000×gで30分間回転させた。上清みを廃棄し、ペレットを、34 mLの低温60 METで再懸濁した。懸濁液をDounce ホモジナイザーで8ストロークホモジナイズした。懸濁液を新たな250 mL容Corningチューブに移した。攪拌バーおよび69.1 mgのMgCl2を添加した。懸濁液を氷上で10分間、十分攪拌した。懸濁液を冷却遠心管に移し、4000×gで15分間回転させた。上清みを新たな冷却遠心管に移し、32000×gで30分間回転させた。上清みを廃棄した。この段階では、調製を継続してもよく、またはこのペレット(P4)を液体窒素中で凍結し、-80℃で保存してもよかった。必要な場合は、このペレットを室温で5分間解凍させてもよかった。調製を継続し、ペレットを34 mLの低温280 MHで再懸濁した。懸濁液をDounce ホモジナイザー内で8ストロークホモジナイズした。懸濁液を新たな冷却遠心管に移し、32000 x gで30分間回転させた。上清みを廃棄した。ペレットに500 μLの280 MHを添加し、気泡が形成されないように注意しながら、25-ゲージ針を有する1 mL容ツベルクリンシリンジにより十分注意深くペレットを再懸濁した。いったん全部のペレットを懸濁し、懸濁液を冷却1.5 mL容マイクロ遠心管に移した。気泡が形成されないように注意しながら、25-ゲージ針により懸濁液をシリンジ内に入れ、再度外部に出すことを8回行なうことにより、懸濁液を均一に分散させた。全タンパク質濃度を、ブラドフォードタンパク質アッセイを行なうことにより測定した。その値を用い、およそ0.5-2.0 mg/mLに達するまでBBMVを280 MHで希釈した。この溶液をできるだけ速やかに取込み研究に使用した。
【0294】
高処理量スクリーニング(HTS)
ウサギ腸BBMVにおける33PO4取込み
以下の実験を、Beckman Multimek 96-チップロボットピペッターを用いて行なった。以下は、1つの96-ウェルプレートの化合物をスクリーニングするのに必要な調製の概略を述べる。しかしながら、マルチプルプレートは、1回の実験でスクリーニングされ得た。
【0295】
「取込みバッファー」に、200,000 CPM/19μLに達するまで33PO4を添加した。バッファー溶液を室温で保存した。以下の対照溶液を調製し、ポリプロピレン製96-ウェルV-底プレート(「高温原液プレート」)の適切なウェル内に配置した:
a.最大活性(MAX) -Na取込みバッファー + 33PO4、200,000 CPM/19μL
b.中間活性(MID) -MAX + 100μM KH2PO4, pH 7.4
c.最小活性(MIN) -K取込みバッファー + 33PO4、200,000 CPM/19μL
化合物含有反応物に使用した残りのウェルには、MAX対照バッファーを入れる。高温原液プレートを室温で保存した。アッセイ前の少なくとも15分間、適切な96-ウェルフィルタープレートの各ウェルにおよそ200μLの停止バッファーを添加してフィルターを予め湿らせた。96-ウェルポリプロピレン製V-底プレートの適切なウェルに化合物溶液を負荷することにより、「化合物プレート」をセットアップした。これは、単一の「スクリーニング」濃度での阻害を試験するため、または適切な濃度での用量応答解析による化合物の有効性を測定するためであり得た。「BBMVプレート」は、96-ウェルポリプロピレン製V-底プレートにBBMVを0.5〜2.0 mg/mL(上述のようにして調製)を負荷することによりセットアップした。BBMVプレートを、アッセイ直前まで氷上に維持した。高温原液プレートから高温取込みバッファー(19μL)を、化合物プレートから化合物溶液(2μL)を吸引し、空の96-ウェルV-底プレート(アッセイプレート)内に分配し、次いでBBMVプレートからBBMV(19μL)を直ちに吸引して同じアッセイプレートに分配することにより反応を開始した。BBMVのアッセイプレートへの添加は、反応開始時間を示した。15分後、リザーバーからの200μLの停止バッファーの添加により反応を停止させた。フィルタープレートマニホルドを用い、予め湿らせたフィルタープレートのウェルからフィルターを介して停止バッファーを真空吸引した。停止させた反応物を真空下で吸引してフィルタープレートに移した。フィルターを真空下にて200μLの停止バッファーで2回洗浄した。フィルタープレートを取り出し、乾燥し、フィルタープレートの底面を密封した。フィルタープレートの各ウェルに50μLのシンチラント(scintillant) (Microscint-20)を添加した。次いで、フィルタープレートにトップシールを施した。シンチレーションカウンター(すなわち、TopCount-Packard Instruments)で33P CPMの値を読む前に、プレートをおよそ20分間インキュベートした。化合物含有ウェル由来のCPM 値を同じプレート上のMAXおよびMIN対照と比較することにより、以下の式
1-((CPM-MIN)/(MAX-MIN))
を用いて阻害割合を計算した。IC50値を、適切なソフトウェアパッケージ(すなわち、Prism GraphPad)内の非線形回帰解析から計算した。
【0296】
本発明の化合物を使用した結果を表1〜13に示す。これからわかるように、これらの化合物は、刷毛縁膜小胞においてリン酸塩輸送を阻害する。
【0297】
【表1−1】

【0298】
【表1−2】

【0299】
【表2−1】

【0300】
【表2−2】

【0301】
【表2−3】

【0302】
【表2−4】

【0303】
【表2−5】

【0304】
【表2−6】

【0305】
【表2−7】

【0306】
【表3−1】

【0307】
【表3−2】

【0308】
【表3−3】

【0309】
【表3−4】

【0310】
【表3−5】

【0311】
【表3−6】

【0312】
【表3−7】

【0313】
【表3−8】

【0314】
【表4−1】

【0315】
【表4−2】

【0316】
【表4−3】

【0317】
【表4−4】

【0318】
【表5−1】

【0319】
【表5−2】

【0320】
【表5−3】

【0321】
【表6−1】

【0322】
【表6−2】

【0323】
【表7−1】

【0324】
【表7−2】

【0325】
【表8】

【0326】
【表9】

【0327】
【表10−1】

【0328】
【表10−2】

【0329】
【表10−3】

【0330】
【表10−4】

【0331】
【表11−1】

【0332】
【表11−2】

【0333】
【表12−1】

【0334】
【表12−2】

【0335】
【表13−1】

【0336】
【表13−2】

【0337】
【表13−3】

【0338】
実施例67.メチル5-ブロモ-2-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)ベンゾエート
【0339】
【化106】

【0340】
メチル2-アミノ-5-ブロモベンゾエート(2.78g、0.012mol)をピリジン(3mL)に溶解させた。混合物を5℃未満の氷浴中で冷却し、4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルクロリド(3.5g, 0.013mol, 1.1当量)を混合物に緩徐に添加した。混合物を室温に温め、1時間撹拌した。溶媒を除去し、得られた固体を30分間HCl(1M, 40mL)に懸濁させた。固体を濾過により収集し、次いでヘキサン(40mL)に懸濁し、30分間環撹拌した。混合物を濾過し、固体をヘキサン(2×20mL)で洗浄した。固体を減圧乾燥器中で40℃にて乾燥させた。回収=4.63g(85%収率)。
【0341】
実施例68.5-ブロモ-2-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)安息香酸
【0342】
【化107】

【0343】
メチル5-ブロモ-2-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)ベンゾエート(0.854g、0.019mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)/水(10ml)の混合物に溶解させた。水酸化ナトリウム(50%、5ml)の溶液を添加し、混合物を加熱し、2〜3時間還流させた。テトラヒドロフランをロータリーエバポレーションにより除去し、混合物をHCl水溶液(2M)で酸性化した。混合物を酢酸エチルで抽出した(20mL)。有機溶媒を除去し、乾燥させた。残渣を、酢酸エチルに溶解させ、続いてエバポレーション(3×15ml)により共沸乾燥させた。これは、オイルを提供し、これを固体が形成されるまでヘキサン(20mL)中で粉砕した。固体を濾過により収集し、40℃にて減圧下で乾燥させた。回収=0.691g(83%収率)。(M-H)-のM/Z=432, 1H NMR(DMSO)δ=7.42-7.48(1H), 7.55-7.6(2H), 7.74-7.8(1H), 7.92-8.0(3H), 11,2(br, 1H)。
【0344】
実施例69.5-ブロモ-2-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-塩化ベンゾイルクロリド。
【0345】
【化108】

【0346】
5-ブロモ-2-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-安息香酸(3.27g, 7.4mmol)を塩化チオニルに懸濁させた(30mL)。混合物を加熱し、4時間還流させた。溶媒を除去して乾燥させた。残渣を無水酢酸エチルに溶解させ、溶媒を除去した(2×20mL)。固体を40℃にて一晩減圧乾燥器内で乾燥させた。
【0347】
実施例70.5-ブロモ-N-(2-メトキシ-ベンジル)-2-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-ベンズアミド。
【0348】
【化109】

【0349】
5-ブロモ-2-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-ベンゾイルクロリド(5.124g、11.6mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解させ、混合物を氷浴で5℃未満で冷却した。2-メトキシ-ベンジルアミン(1.8mL、13.8mmol、1.2当量)およびトリエチルアミン(1.9mL、13.6mmol、1.2当量)を混合物に添加し、10℃未満の温度に維持した。混合物を室温に温め、溶媒を除去し、乾燥させた。残渣をHCl水溶液(1M、50mL)と酢酸エチル(100mL)との間に分配させた。有機溶媒を収集し、濃縮して乾燥させた。得られた固体を酢酸エチル溶解させ、溶媒を除去した(2×25mL)。得られた混合物を、ヘキサン中の20%酢酸エチルの溶出液を用いるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。固体をヘキサン中の5%酢酸エチル(90mL)の混合物に懸濁させた。混合物を遠心分離し、固体を40℃にて一晩減圧乾燥器内で乾燥させた。回収=4.85g(75%収率)。[M-H]-のM/Z=557、1H NMR(CDCl3)δ=3.85(s, 3H), 4.5(sd, 2H), 6.5-6.6 (1H), 6.9-7.05(4H), 7.3-7.4(2H), 7.45(1H), 7.5(1H), 7.6(1H), 7.8(2H), 10.8(br, 1H)。
【0350】
実施例71.5-ブロモ-N-(4-フルオロ-ベンジル)-2-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-ベンズアミド。
【0351】
【化110】

【0352】
この化合物を、2-メトキシベンジルアミンの代わりに4-フルオロベンジルアミンを用いて、実施例70に記載される手順を用いて調製した:[M-H]-のM/Z=545。1H NMR (DMSO) δ=4.4(sd,2H), 7.15-7.23(2H), 7.3-7.4(2H), 7.4-7.5(3H), 7.65-7.7(1H), 7.8-7.9(2H), 7.9-8.0 (1H), 9.4(br, 1H), 11.5(br, 1H)。
【0353】
実施例72.5-ブロモ-2-(4-クロモ-ベンゼンスルホニルアミノ)-N-(2-トリフルオロメトキシ-ベンジル)-ベンズアミド。
【0354】
【化111】

【0355】
この化合物を、5-ブロモ-2-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-ベンゾイルクロリドの代わりに5-ブロモ-2-(4-クロロ-ベンゼンスルホニルアミノ)-ベンゾイルクロリドを用いて、2-メトキシベンジルアミンの代わりに2-トリフルオロメトキシベンジルアミンを用いて、実施例70に記載される手順を用いて調製した。[M-H]-のM/Z=563.8。1H NMR(DMSO)δ=4.4 (sd, 2H), 7.3-7.4(5H), 7.5(2H), 7.65-7.7 (3H), 7.9-8.0(1H), 9.4(br, 1H), 11.5(br, 1H)。
【0356】
実施例73.2-クロロ-N-(2-ヒドロキシ-4-トリフルオロメトキシ-ベンジル)-アセトアミド。
【0357】
【化112】

【0358】
3-(トリフルオロメトキシ)フェノール(4.827g, 27mmol)を氷酢酸(20mL)に溶解させた。混合物を氷浴中で14〜17℃に冷却し、濃硫酸(2ml)を緩徐に添加し、温度を20℃未満に維持した。混合物を10℃未満に冷却し、N-ヒドロキシメチル-2-クロロアセトアミド(3.52g、28.5mmol)を添加した。混合物を室温に緩徐に温め、一晩撹拌した。次いで混合物を氷(200mL)に緩徐に注ぎ、pHをKOHペレットで約4〜5に調整し、温度を5℃未満に維持した。反応混合物を室温に温め、酢酸エチル(150mL)で2回抽出した。有機層を収集し、NaHCO3(飽和、30mL)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過して溶媒を除去し、乾燥させた。混合物を、ヘキサン/酢酸エチル(10/2)の溶出液を用いてカラムクロマトグラフィー(SiO2, 700mL)により精製した。回収:2.42g(33.8%収率)。1H NMR(DMSO)δ=10.23(1H,s), 8.56 (1H,st), 7.16-7.14 (1H, sd), 6.71-6.70(2H, br), 4.18-4.17(2H, d), 4.08(2H, s)。
【0359】
実施例74.2-アミノメチル-5-トリフルオロメトキシ-フェノール。
【0360】
【化113】

【0361】
2-クロロ-N-(2-ヒドロキシ-4-トリフルオロメトキシ-ベンジル)-アセトアミド(9.9g, 37.4mmol)をエタノール(100mL)/HCl水溶液(12M, 50mL)の混合物に溶解させた。混合物を約6時間還流させた。溶媒をロータリーエバポレーションにより除去し、残渣を酢酸エチルに溶解させ、続いてロータリーエバポレーションにより共沸乾燥させた(6×150mL)。得られた固体を酢酸エチル(100mL)に懸濁させ、濾過により回収し、減圧乾燥器で65℃にて一晩乾燥させた。回収:8.68g(95.3%収率)。[M-H]-のM/Z(-ZH)=208。1H NMR (D2O)δ=7.26-7.22(1H, sd), 6.76-6.75(2H, br), 4.07(2H, s)。
【0362】
実施例75.5-ブロモ-N-(2-ヒドロキシ-4-トリフルオロメトキシ-ベンジル)-2-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-ベンズアミド
【0363】
【化114】

【0364】
この化合物を、2-メトキシベンジルアミンの代わりに2-ヒドロキシ-4-トリフルオロメトキシベンジルアミンヒドロクロリドを用いて、実施例70に記載の手順を用いて調製した:[M-H]-のM/Z=629。1H NMR (DMSO)δ=11.51(1H, s), 10.28(1H, s), 9.23(1H, st), 7.95(1H, sd), 7.81-7.79 (2H, m), 7.67-7.64 (1H, m), 7.45-7.40 (3H, m), 7.16-7.14(1H, d), 6.73-6.71 (2H, br), 4.29(2H, sd)。
【0365】
実施例76.2-クロロ-N-(5-フルオロ-2-メトキシ-ベンジル)-アセトアミド。
【0366】
【化115】

【0367】
この化合物を、3-トリフルオロメトキシフェノールの代わりに4-フルオロアニソールを用いて実施例73に記載の手順を用いて調製した。1H NMR (DMSO)δ=8.65(1H, Br), 7.09-7.03(1H, dt), 7.02-6.95(2H, m), 426-4.22(2H, d), 4.1 92H, s)。
【0368】
実施例77.5-フルオロ-2-メトキシ-ベンジルアミンヒドロクロリド
【0369】
【化116】

【0370】
この化合物を、2-クロロ-N-(2-ヒドロキシ-4-トリフルオロメトキシ-ベンジル)-アセトアミドの代わりに2-クロロ-N-(2-メトキシ-5-トリフルオロメトキシ-ベンジル)-アセトアミドを用いて、実施例74に記載される手順を用いて調製した。1H NMR (CD3OD)δ=7.15-7.11 (2H, m), 7.06-7.03(1H, m), 4.06(2H, s), 3.88(3H, s)。
【0371】
実施例78.5-ブロモ-N-(5-フルオロ-2-メトキシ-ベンジル)-2-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-ベンズアミド。
【0372】
【化117】

【0373】
この化合物を、2-メトキシベンジルアミンの代わりに2-メトキシ-5-フルオロベンジルアミンヒドロクロリドを用いて、実施例70に記載される手順を用いて調製した:1H NMR (DMSO)δ=11.45(1H, s), 9.22(1H, st), 7.97-7.96(1H, sd), 7.82-7.80(2H, sd), 7.67-7.65(1H, sdd), 7.47-7.39(3H, m), 7.09-7.02(1h, dt), 6.98-6.92(2H, m), 4.31(2H, d), 3.31 (3H, s)。
【0374】
実施例79.2-アミノ-5-ブロモ-N-(2-メトキシ-ベンジル)-ベンズアミド。
【0375】
【化118】

【0376】
窒素雰囲気下で、2-メトキシベンジルアミン(10g, 73mmol)を無水トルエン(30ml)に懸濁させた。この懸濁物を氷浴中で冷却し、ヘキサン(36ml, 72mmol)中の(2M)トリメチルアルミニウム溶液を緩徐に添加した。添加の完了後、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、得られた溶液を氷浴で冷却し、メチル-2-アミノ-5-ブロモベンゾエートを小量に分けて添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。この溶液を予め冷却した溶液2N HCl(300ml)に注いだ。得られた固体を、濾過により収集し、メタノール(50ml)中で粉砕した。固体を収集し、高減圧乾燥器下で65℃にて一晩乾燥させた。純粋生成物を回収した(16g)。1H NMR (DMSO)δ=3.8(s, 3H), 4.35(sd, 2H), 6.5(2H), 6.6(1H), 6.85(1H), 6.9(1H), 6.9(1H), 7.1-7.25 (3H), 7.7(1H), 8.7(br, 1H)。
【0377】
実施例80.5-ブロモ-N-(2-メトキシ-ベンジル)-2-(4-トリフルオロメチル-2-ニトロ-ベンゼンスルホニルアミノ)-ベンズアミド。
【0378】
【化119】

【0379】
2-アミノ-5-ブロモ-N-(2-メトキシ-ベンジル)-ベンズアミド(9g, 28mmol)を無水ジクロロメタン(300ml)に懸濁し、氷浴中で冷却した。ピリジン(20ml)を撹拌しながら添加し、続いて2-ニトロ-4-トリフルオロメチル-ベンゼンスルホニルクロリド(15g, 52mmol)を添加した。反応混合物を2日間室温で撹拌した。混合物を濾過し、固体の沈殿物を除去し、濾過物をエバポレートして乾燥させた。HCl水溶液(2N, 300ml)を添加し、得られた溶液をジクロロメタン(500ml)で抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解させた。この溶液へのヘキサンの添加により、固体沈殿物を生成した。この固体を酢酸エチルに溶解させ、ジクロロメタンおよび酢酸エチルの溶出液を用いるシリカのショートカラムを通過させることにより所望の生成物を得た(7.5g, 46%収率)。[M-H]-のM/Z=587。1H NMR (DMSO)δ=3.8(s, 3H), 4.35(sd, 2H), 6.85(1H), 6.95(1H), 7.1(1H), 7.2(1H), 7.4(1H), 7.65 (1H), 8(1H), 8.15(1H), 8.25(1H), 8.55(1H)。
【0380】
実施例81.N-(4-ブロモ-フェニル)-3-トリフルオロメチル-ベンズアミド。
【0381】
【化120】

【0382】
窒素雰囲気下で、4-ブロモアニリン(15.75g, 91.6mmol)を、500mlフラスコ中の無水ジクロロメタンに溶解させた。トリエチルアミン(14.1ml, 100mmol)を溶液に添加した。混合物を氷浴中で冷却し、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(21g, 100mmol)をシリンジにより緩徐に添加した。反応混合物を一晩撹拌しながら室温に温めた。脱イオン化水を混合物に添加し、溶液を分液漏斗に移した。有機層を分離し、脱イオン水でもう1回洗浄した。水を捨て、懸濁物に含まれていた有機層を収集し、40℃に加熱して溶解させた。室温に冷却後、固体が形成された。固体を濾過により収集し、ジクロロメタン(100ml)中で粉砕した。次いで、固体を濾過し、高減圧乾燥器で65℃にて乾燥させた。純粋な生成物を得た(28g, 90%収率)。[M-H]-のM/Z=343。1H NMR(DMSO)δ=7.6(2H), 7.8(3H), 7.95(1H), 8.3(1H), 10.6(1H)。
【0383】
実施例82.1,3ビス(3-トリフルオロメチルフェニル)ウレア
【0384】
【化121】

【0385】
3-(トリフルオロメチル)アニリン10g(62.1mmol)を、500mlの丸底フラスコ中の500mlの無水ジクロロメタンに添加した。氷水浴を用いてこの撹拌した溶液を0℃に冷却した。3-(トリフルオロメチル)フェニルイソシアネート15g(80.1mmol)を10分間かけて滴下した。反応混合物を室温に温め、周囲温度で18時間撹拌した。この時間の間、大量の沈殿物が形成された。この固体をBuchner漏斗での濾過により収集し、20mlのジクロロメタンに再懸濁させた。約30分の撹拌後、固体をBuchner漏斗で再び濾過し、次いで40℃にて減圧下に配置し、24時間乾燥させ、20gの白色固体(92.5%収率)を得た。1H NMR(400mHz DMSO)δ9.20(s 2H) 8.04(s 2H) 7.61(m 2H) 7.54(t 2H) 7.34(m 2H)。MS: M+1 実測値349。
【0386】
実施例83.1-シクロヘキシル-3-(3,5-ビストリフルオロメチル-フェニル)-ウレア。
【0387】
【化122】

【0388】
シクロヘキシルアミン4.98g(49.3mmol)を、500mlの丸底フラスコ中の120mlの無水ジクロロメタンに添加した。氷水浴を用いて、この撹拌した溶液を0℃に冷却した。3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルイソシアネート12.33g(48.3mmol)を15分間をかけて滴下した。反応混合物を室温に温め、周囲温度で18時間撹拌した。この時間の間に、大量の沈殿物が形成された。この固体をBuchner漏斗上での濾過により収集し、250mlのジクロロメタンに再懸濁させた。約30分の撹拌後、固体を、Buchner漏斗上で再度濾過し、次いで減圧下40℃に配置し、24時間乾燥させ、15.4gの白色固体(90%収率)を得た。1H NMR (400MHz DMSO)δ9.10(s 1H) 8.10(s 2H) 7.53(s 1H) 6.43(d 1H) 3.49(m 1H) 1.81(t 2H) 1.68(m 2H) 1.54(m 1H) 1.25(m 5H)。MS:m/z 355(M+1)。
【0389】
実施例84.5-tert-ブチル-2-メチル-2H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-トリフルオロメチル-フェニル)-アミド。
【0390】
【化123】

【0391】
4-トリフルオロメチルアニリン(19.39g, 120.3mmol)およびトリエチルアミン(13.4g, 132mmol)を、1リットル丸底フラスコ中の400mlの無水ジクロロメタンに添加した。氷水浴を用いて、この撹拌溶液を4℃に冷却した。3-tert-ブチル-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリド26.57g(132mmol)をこの冷却した溶液に滴下した。反応混合物を室温に温め、次いで周囲温度で18時間撹拌した。次いで、反応混合物を抽出漏斗に入れ、次いで400mlの1N HClで最初に抽出し、続いて300mlの水で抽出した。水での抽出を繰り返した。次いで、有機層を2リットルErlenmeyerフラスコ中で撹拌し、500mlのヘキサンを添加した。混合物を2時間撹拌し、沈殿物をが得られ、これをBuchner漏斗での濾過により収集した。次いで、白色の固体を減圧下で40℃にて24時間乾燥させ、20.63gの純粋な生成物(52%収率)を得た。1H NMR (400MHz CDCl3)δ: 7.85(s 1H) 7.74 (s 2H) 7.62 (d 1H) 6.53 (s 1H) 4.16(s 3H) 1.33 9s 9H)。MS:m/z 324.2 (M-1)。
【0392】
実施例85.1-(2,5-ジクロロ-フェニル)-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレア
【0393】
【化124】

【0394】
α-トリフルオロ m-トリルイソシアネート(15g, 80.16mmol)を窒素雰囲気下で120mLの塩化メチレンに溶解させた。30mlの塩化メチレンに溶解した2,5-ジクロロアニリン(13g, 80.16mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を12時間撹拌した。この時間の間、灰色がかった白色の沈殿物が形成された。この固体を濾過により収集し、減圧下で乾燥させ、11.2gの純粋な生成物(40%収率)を得た。1H NMR(400MHz CDCl3)δ: 7.04 (dd, 1H), 7.29(s,1H), 7.41-7.49(m, 3H), 7.98(s, 1H), 8.25(d, 1H), 8.47(s, 1H), 9.81(s, 1H)。MS:m/z 371 (M+Na+)。
【0395】
実施例86.1-(4-フルオロ-3-ニトロ-フェニル)-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ウレア
【0396】
【化125】

【0397】
4-フルオロ-3-ニトロフェニルイソシアネート(15g, 82.40mmol)を、窒素雰囲気下で200mlの塩化メチレンに溶解させた。50mLの塩化メチレンに溶解した3-トリフルオロメチルアニリンの溶液(13.27g, 82.40mmol)を滴下した。反応物を12時間撹拌した。この時間の間に黄色の沈殿物が形成された。この固体を濾過により収集し、減圧下で乾燥させ、27.9gの純粋な生成物(98%収率)を得た。1H NMR (400MHz CDCl3)δ: 7.25(dd, 1H), 7.39-7.46(m,2H), 7.55(d,1H), 7.63-7.67(m, 1H), 7.94(s, 1H), 8.36(dd, 1H), 9.14(s, 1H), 9.21(s, 1H)。MS: m/z 366 (M+Na+)。
【0398】
実施例87.N,N'-ビス-(4-ブロモ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-グアニジンヒドロクロリド
【0399】
【化126】

【0400】
磁性撹拌バーを含む30mlのバイアルに、無水エタノール(15mL)およびアセトニトリル中の臭化シアン5M溶液(1.67mL; 8.33mmol)と共に3-トリフルオロメチル-4-ブロモアニリン(4.00g, 16.7mmol)を添加した。バイアルを封着し、得られた溶液を90〜95℃で2日間撹拌した。揮発性物質をロータリーエバポレーションにより除去し、残渣を50mLのCHCl3に溶解させた。次いで、これを3NNaOH水溶液(50mL)、続いて水(50mL)で洗浄した。NaSO4での乾燥およびカラムクロマトグラフィー分離(シリカ、3:1 EtOAc/ヘキサン)により、1.2gのグアニジン生成物を明るい黄色の固体として得た。エレクトロスプレーMS(m/z: MH+503, 505, 507)。これを、少量のMeOHに溶解させ、3N HCl水溶液で滴定した。得られた溶液を、ロータリーエバポレーションによりわずかに濃縮し、白色固体としてN,N'-ビス-(4-ブロモ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-グアニジンヒドロクロリドを沈殿させた。これを濾過し、水でリンスし、次いで減圧下で乾燥させた。1H-NMR(DMSO-d6)δ 7.52 (d J 8.8 Hz, 2H, NHCHCH), 7.81(s,2H, NHCHCF3), 7.89(d, J 8.8 Hz, 2H, CBrCH), 8.40(s, 2H, NH, NH), 10.60 (s, 2H, NH2)。エレクトロスプレーMS(m/z: MH+ 504, 506, 508)、CHN 計算値33.27, 186, 7.76, 実測値33.32, 1.64, 7.58
【0401】
実施例88.N,N'-ビス-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-グアニジンヒドロクロリド
【0402】
【化127】

【0403】
N,N'-ビス-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-グアニジンヒドロクロリドを、3-トリフルオロメチル-4-ブロモアニリンの代わりに3,5-ビス-トリフルオロメチルアニリンを用いて実施例87に記載されるように調製した。1H-NMR(DMSO-d6)δ 7.85(s, 2H, CF3CHCF3), 790(s, 4H, NHCCH), 868(s, 2H, NH, NH), 11.12(s, 2H, NH2)。エレクトロスプレーMS(m/z: MH+ 484)。
【0404】
実施例89.N,N'-ビス-(4-クロロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-グアニジンヒドロクロリド
【0405】
【化128】

【0406】
N,N'-ビス-(4-クロロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-グアニジンヒドロクロリドを、3-トリフルオロメチル-4-ブロモアニリンの代わりに3-トリフルオロメチル-4-クロロアニリンを用いて実施例87に記載のように調製した。1H-NMR(DMSO-d6)δ7.65(d,84 Hz, 2H, NHCCHCH), 7.78(d, 8.4Hz, 2H, NHCCHCH), 7.87(s, 2H, CHCCF3), 8.44(s, 2H, NH, NH), 10.67(s, 2H, NH2)エレクトロスプレー MS(m/z: MH+ 416, 418) CHN 計算値39.91, 2.23, 9.28, 実測値 39.77, 2.03,927
【0407】
実施例90.N,N'-ビス-(3,4-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-グアニジンヒドロクロリド
【0408】
【化129】

【0409】
N,N'-ビス-(3,4-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-グアニジンヒドロクロリドを、3-トリフルオロメチル-4-ブロモアニリンの代わりに3,4-ビス-トリフルオロメチルアニリンを用いて実施例1に記載のように調製した。1H-NMR(DMSO-D6)δ 7.79(d, J 8.4Hz, 2H, CNCHCCH), 7.99(s, 2H, CNCHCF3), 8.04(d J 8.8 Hz, 2H, CF3CCHCH), 8.82 (s, 2H, NH, NH), 11.13(s, 2H, NH2)エレクトロスプレーMS(m/z: MH+ 484)
【0410】
実施例91.リン酸塩輸送インヒビターのインビトロおよびエキソビボ試験
表14に示されるリン酸塩輸送インヒビターをインビトロおよびエキソビボアッセイの両方で試験し、それらの活性を測定した。インビトロアッセイは、化合物のグルコース輸送阻害活性をも測定したこと以外は実施例66に記載されたアッセイと同一であった。結果を種々のタイプの阻害についてIC50値として報告する。好ましい化合物は、高いリン酸塩輸送阻害活性を有するが、グルコース輸送阻害活性をほとんどまたは全く有さない。
【0411】
エキソビボアッセイについて、単離されたウサギ腸管リング(ring)への33Pの取り込みは、CraneおよびMandelstamにより記載される方法[Robert K. CraneおよびPaul Mandelstam "The active transport of sugars by various preparations of hamster intestine" Biochim.Biophys.Acta 45:460-476, 1960; この内容は参考として本明細書中に援用される]の改良法を用いて測定した。体重2〜3kgの雄ニュージーランドウサギをFatal Plus(登録商標)のi.v.注射により安楽死させた。正中線開腹術を行い、幽門接合部からトライツ靭帯までの十二指腸を分離し、切除した。腸の区画を外転させ、2〜4mmのリング様片に切断し、Na+が等浸透圧的にN-メチル-D-グルカミンで置換された改変Hepes緩衝化リンガー溶液に入れた。リン酸塩取り込みを測定するために、6つのリングを、Na+を伴うか、または伴わない10ml容積のリンガー溶液を含む50mlのコニカルチューブ中でインキュベートし、100%O2で泡立たせ、37℃で維持した。次いで、0.5uCi/mlの33Pをリングと共に15分間インキュベートし、組織を収集し、リンスし、ブロット乾燥させ、秤量した。次いで、組織を、5ml容積のSolvable(登録商標)組織溶解剤中で50℃にて一晩それらを消化するこにより可溶化させ、33Pレベルをシンチレーション計数により測定した。33Pのナトリウム依存性取り込みを、Hepes-緩衝化リンガー溶液中でNa+の存在下または非存在下でインキュベートされたリング間の取り込みの差異を測定することにより計算した。リン酸塩およびグルコース取り込みそれぞれの阻害パーセントとして結果を報告する。
【0412】
【表14】

【0413】
表14は、試験した化合物がリン酸塩輸送の効果的かつ強力なインヒビターであることを示す。表14は、試験した化合物が、細胞および組織へのグルコース輸送が化合物により一般に最小に影響されることにおいて選択的であることをさらに示す。
【0414】
本発明は、その好ましい態様を参照して詳細に示され記載されてきたが、当業者は、付随する特許請求の範囲により包含される本発明の範囲を逸脱することなく、そこに形態および細部において種々の変更がなされうることを理解する。
【0415】
本発明の態様として以下のものが挙げられる。
[1]以下の構造式:
【化130】


式中、環A、BおよびCは任意に置換されている、
により表される化合物の有効量を投与することを含むリン酸塩輸送阻害を必要とする被験体におけるリン酸塩輸送の阻害方法。
[2]被験体が高リン酸塩血症の処置を必要とする[1]記載の方法。
[3]被験体が慢性腎不全の処置を必要とする[1]記載の方法。
[4]被験体がリン酸塩代謝の障害または損傷したリン酸塩輸送機能の処置を必要とする[1]記載の方法。
[5]被験体が副甲状腺機能亢進症、尿毒性骨疾患、軟組織石灰化または骨粗鬆症の処置を必要とする[1]記載の方法。
[6]1つ以上のリン酸塩封鎖剤を被験体に共投与することをさらに含む[1]記載の方法。
[7]セベラマーを被験体に共投与することをさらに含む[6]記載の方法。
[8]前記化合物が以下の構造式:
【化131】


式中:R9は水素または電子吸引基であり;
環Aは任意にR9以外の1つ以上の置換基で任意に置換されている、
により表される[2]記載の方法。
[9]R9が水素またはハロゲンである[8]記載の方法。
[10]前記化合物が以下の構造式:
【化132】


式中:R10が水素、ハロゲン、置換アルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基または-NO2であり;
環BがR10以外の1つ以上の置換基で任意に置換されている、
により表される[9]記載の方法。
[11]R10がハロゲンまたは置換アルコキシ基である[10]記載の方法。
[12]R10がトリフルオロメトキシ基である[11]記載の方法。
[13]前記化合物が以下の構造式:
【化133】


式中、R11は水素、ハロゲン、アルコキシ基、置換アルコキシ基または-NO2である、
により表される[12]記載の方法。
[14]以下の構造式:
【化134】


式中:
Ar1およびAr2は独立して、置換もしくは非置換のアリール基、または任意に置換された単環式アリール基に融合された任意に置換された五員もしくは六員の非芳香族複素環基であり;
WおよびYは独立して、共有結合またはC1〜C3置換もしくは非置換のアルキレン基であり;および
Xは-S(O)2-、-S(O)2CR1R2-、-S(O)2NR1S(O)2-、-C(O)NR1C(O)-、-NR1C(O)NR2-、-NR1C(NR3)NR2-、-(CH2)n-、-C(O)-、-P(O)(OH)-、-NR1-、-NR1R2-、または以下からなる群:
【化135】


式中、R1、R2およびR3は独立して水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、または置換ヘテロアラルキル基である、
から選ばれる構造式により表される基である、
により表される化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与することを含む、
リン酸塩輸送阻害を必要とする被験体におけるリン酸塩輸送の阻害方法。
[15]被験体が高リン酸塩血症の処置を必要とする[14]記載の方法。
[16]被験体が慢性腎不全の処置を必要とする[14]記載の方法。
[17]被験体がリン酸塩代謝の障害または損傷したリン酸塩輸送機能の処置を必要とする[14]記載の方法。
[18]被験体が副甲状腺機能亢進症、尿毒性骨疾患、軟組織石灰化または骨粗鬆症の処置を必要とする[14]記載の方法。
[19]1つ以上のリン酸塩抑制剤を被験体に共投与することをさらに含む[14]記載の方法。
[20]セベラマーを被験体に共投与することをさらに含む[19]記載の方法。
[21]WおよびYが共有結合である[15]記載の方法。
[22]Ar1およびAr2が独立してフェニル基、置換フェニル基、フリル基、置換フリル基、チエニル基、置換チエニル基、チアゾリル基、置換チアゾリル基、トリアジニル基、置換トリアジニル基、ピリジル基、置換ピリジル基、ピロリル基、置換ピロリル基、イミダゾリル基、置換イミダゾリル基、ピリミジル基、置換ピリミジル基、ピラゾリル基または置換ピラゾリル基である[21]記載の方法。
[23]Ar1およびAr2が独立して、フェニル基、置換フェニル基、フリル基または置換フリル基である[22]記載の方法。
[24]Ar1およびAr2が独立して、フェニル基または置換フェニル基である[23]記載の方法。
[25]Ar1およびAr2が独立して、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NO2、-SO3、-S(O)2R6-、-C(O)R7または-CR7=NR4からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されたフェニル基であり、
R4、R5およびR6は、独立して、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル、ヘテロアラルキル基、もしくは置換ヘテロアラルキルであるか、またはR4およびR5はそれらが結合する原子と共に、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、非芳香族複素環基、もしくは置換非芳香族複素環基を形成し;および
R7は水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアラルキル、-OR6または-NR4R5である[24]記載の方法。
[26]Xが-NHC(O)NH-である[24]記載の方法。
[27]Ar2が以下:
【化136】


式中:
R12およびR13は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NO2、-SO3-、-S(O)2R6、-C(O)R7または-CR7=NR4であり;
R4、R5およびR6は独立して、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル、ヘテロアラルキル基、もしくは置換ヘテロアラルキルであるか、またはR4およびR5はそれらが結合する原子と共に、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、非芳香族複素環基、または置換非芳香族複素環基を形成し;
R7は水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、置換ヘテロアラルキル、-OR6または-NR4R5であり;および
環AはR12以外の1つ以上の置換基で任意に置換されている、
からなる群より選ばれる構造式により表される基である[26]記載の方法。
[28]Ar2が以下の構造式:
【化137】


式中、R12は-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NO2、SO3、-S(O)2R6、-C(O)R7または-CR7=NR4である、
により表される基である[27]記載の方法。
[29]Ar2が以下の構造式:
【化138】


式中、R13は水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基もしくは置換アルコキシ基または-NO2である、
により表される基である[27]記載の方法。
[30]Ar1が以下の構造式:
【化139】


式中、R15が水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基もしくは置換アルコキシ基または-NO2であり;および
環BがR15以外の1つ以上の他の置換基で任意に置換されている、
により表される基である[27]記載の方法。
[31]Ar1が以下:
【化140】


式中、R16およびR17は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基または-NO2である、
から選ばれる構造式により表される基である[30]記載の方法。
[32]R15がフルオロアルキル基またはニトロ基である[31]記載の方法。
[33]Ar2が構造式:
【化141】


式中、R13は水素またはハロアルキル基であり、R14が水素またはハロゲンである
により表される[32]記載の方法。
[34]Xが-NR1C(NR3)NR2-である[24]記載の方法。
[35]R1、R2およびR3が各々水素である[34]記載の方法。
[36]Ar1が構造式:
【化142】


式中、R15、R16およびR17は各々独立して水素または置換アルキル基である
により表される[35]記載の方法。
[37]Ar2が構造式:
【化143】


式中、R13およびR14は各々独立してハロゲンまたは置換アルキル基である
により表される[36]記載の方法。
[38]R13、R14、R15およびR16がハロゲンまたはハロアルキル基である[37]記載の方法。
[39]以下の構造式:
【化144】


式中、R22およびR23はハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基または-NO2であり;
環A、BおよびFはR22またはR23以外の1つ以上の基で任意に置換されている、
のいずれかにより表される化合物の有効量を投与することを含む、リン酸塩輸送阻害を必要とする被験体におけるリン酸塩輸送の阻害方法。
[40]前記化合物が以下の構造式:
【化145】


式中、R24、R25およびR26は各々独立して水素または置換もしくは非置換のアルキル基である、
のいずれかにより表される[39]記載の方法。
[41]R22およびR23がペルフルオロアルキル基である[40]記載の方法。
[42]以下の構造式:
【化146】


式中、環AおよびEは任意に置換されている、
により表される化合物の有効量を投与することを含む、リン酸塩輸送阻害を必要とする被験体におけるリン酸輸送の阻害方法。
[43]環Aが1つ以上の電子吸引基で置換されており、環Eが任意に1つ以上のハロゲンで置換されているか、または置換もしくは非置換のアルキルもしくはアルコキシ基である[42]記載の方法。
[44]電子吸引基がハロアルキル基である[43]記載の方法。
[45]前記化合物が以下の構造式:
【化147】


式中、R27およびR28は独立して水素またはハロアルキル基である、
により表される[44]記載の方法。
[46]R27およびR28が各々フルオロアルキル基である[45]記載の方法。
[47]以下の構造式:
【化148】


式中、R30は置換アルコキシ基であり;環AおよびCが任意に置換されており;環Bが任意にR30以外の1つ以上の置換基を含有する、
により表される化合物を含有してなる組成物。
[48]前記化合物が以下の構造式:
【化149】


式中、環AおよびCは任意に置換されており;環Bが任意にR30以外の1つ以上の置換基を含有してなる、
により表される[47]記載の組成物。
[49]R30がハロアルコキシ基である[48]記載の組成物。
[50]前記化合物が以下の構造式:
【化150】


式中、R31はハロゲンであり;
環Cは任意に置換されており;環AおよびBは任意にR30およびR31以外の1つ以上の置換基を含有する、
により表される[49]記載の組成物。
[51]前記化合物が以下の構造式:
【化151】


式中、環Cは任意に置換されており;環AおよびBは任意にR30およびR31以外の1つ以上の置換基を含有する、
により表される[50]記載の組成物。
[52]R30がトリフルオロメトキシ基であり、R31が臭素である[51]記載の組成物。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸塩輸送阻害を必要とする被験体におけるリン酸塩輸送を阻害するための医薬を製造するための、以下の構造式:
【化1】


式中:
Ar1およびAr2は独立して、置換もしくは非置換のアリール基、または任意に置換された単環式アリール基に融合された任意に置換された五員もしくは六員の非芳香族複素環基であり;
WおよびYは独立して、共有結合またはC1〜C3置換もしくは非置換のアルキレン基であり;および
Xは-S(O)2-、-S(O)2CR1R2-、-S(O)2NR1S(O)2-、-C(O)NR1C(O)-、-NR1C(O)NR2-、-NR1C(NR3)NR2-、-(CH2)n-、-C(O)-、-P(O)(OH)-、-NR1-、-NR1R2-、または以下からなる群:
【化2】


式中、R1、R2およびR3は独立して水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、または置換ヘテロアラルキル基である、
から選ばれる構造式により表される基である、
により表される化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用。
【請求項2】
被験体が高リン酸塩血症、慢性腎不全、リン酸塩代謝の障害、損傷したリン酸塩輸送機能、副甲状腺機能亢進症、尿毒性骨疾患、軟組織石灰化または骨粗鬆症の処置を必要とする請求項1記載の使用。
【請求項3】
前記医薬が1つ以上のリン酸塩封鎖剤と共投与される請求項1記載の使用。
【請求項4】
前記医薬がセベラマーと共投与される請求項3記載の使用。
【請求項5】
WおよびYが共有結合である請求項1記載の使用。
【請求項6】
Ar1およびAr2が独立してフェニル基、置換フェニル基、フリル基、置換フリル基、チエニル基、置換チエニル基、チアゾリル基、置換チアゾリル基、トリアジニル基、置換トリアジニル基、ピリジル基、置換ピリジル基、ピロリル基、置換ピロリル基、イミダゾリル基、置換イミダゾリル基、ピリミジル基、置換ピリミジル基、ピラゾリル基または置換ピラゾリル基である請求項5記載の使用。
【請求項7】
Ar1およびAr2が独立して、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NO2、-SO3、-S(O)2R6-、-C(O)R7または-CR7=NR4からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されたフェニル基であり、
R4、R5およびR6は、独立して、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル、ヘテロアラルキル基、もしくは置換ヘテロアラルキルであるか、またはR4およびR5はそれらが結合する原子と共に、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、非芳香族複素環基、もしくは置換非芳香族複素環基を形成し;および
R7は水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアラルキル、-OR6または-NR4R5である請求項1記載の使用。
【請求項8】
Xが-NHC(O)NH-である請求項1記載の使用。
【請求項9】
Ar2が以下:
【化3】


式中:
R12およびR13は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NO2、-SO3-、-S(O)2R6、-C(O)R7または-CR7=NR4であり;
R4、R5およびR6は独立して、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル、ヘテロアラルキル基、もしくは置換ヘテロアラルキルであるか、またはR4およびR5はそれらが結合する原子と共に、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、非芳香族複素環基、または置換非芳香族複素環基を形成し;
R7は水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、置換ヘテロアラルキル、-OR6または-NR4R5であり;および
環AはR12以外の1つ以上の置換基で任意に置換されている、
からなる群より選ばれる構造式により表される基である請求項8記載の使用。
【請求項10】
Ar2が以下の構造式:
【化4】


式中、R12は-C(O)NR4R5、-C(O)OR6、-P(O)(OR6)2、-NO2、SO3、-S(O)2R6、-C(O)R7または-CR7=NR4である、
により表される基である請求項9記載の使用。
【請求項11】
Ar2が以下の構造式:
【化5】


式中、R13は水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基もしくは置換アルコキシ基または-NO2である、
により表される基である請求項9記載の使用。
【請求項12】
Ar1が以下の構造式:
【化6】


式中、R15が水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基もしくは置換アルコキシ基または-NO2であり;および
環BがR15以外の1つ以上の他の置換基で任意に置換されている、
により表される基である請求項9記載の使用。
【請求項13】
Ar1が以下:
【化7】


式中、R16およびR17は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基または-NO2である、
から選ばれる構造式により表される基である請求項12記載の使用。
【請求項14】
R15がフルオロアルキル基またはニトロ基である請求項13記載の使用。
【請求項15】
Ar2が構造式:
【化8】


式中、R13は水素またはハロアルキル基であり、R14が水素またはハロゲンである
により表される請求項14記載の使用。
【請求項16】
Xが-NR1C(NR3)NR2-である請求項1記載の使用。
【請求項17】
R1、R2およびR3が各々水素である請求項16記載の使用。
【請求項18】
Ar1が構造式:
【化9】


式中、R15、R16およびR17は各々独立して水素または置換アルキル基である
により表される請求項17記載の使用。
【請求項19】
Ar2が構造式:
【化10】


式中、R13およびR14は各々独立してハロゲンまたは置換アルキル基である
により表される請求項18記載の使用。
【請求項20】
R13、R14、R15およびR16がハロゲンまたはハロアルキル基である請求項19記載の使用。


【公開番号】特開2010−132674(P2010−132674A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8273(P2010−8273)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【分割の表示】特願2003−557583(P2003−557583)の分割
【原出願日】平成14年12月24日(2002.12.24)
【出願人】(591042816)ジェンザイム コーポレーション (20)
【Fターム(参考)】