ルーフレールの取付構造
【課題】ルーフパネルと一体感を有する外観デザインを備え、取付作業の能率化と低コスト化を図ることができるルーフレールの取付構造を提供する。
【解決手段】車両のルーフパネル20に固着されるルーフレール10の取付構造であって、両端に脚部12を有する筒状のルーフレール10と、脚部12とルーフパネル20の間に介装される脚固定部材30と、脚部12、脚固定部材30及びルーフパネル30を同時に共締め固定する複数の締結具40と、を備える。
【解決手段】車両のルーフパネル20に固着されるルーフレール10の取付構造であって、両端に脚部12を有する筒状のルーフレール10と、脚部12とルーフパネル20の間に介装される脚固定部材30と、脚部12、脚固定部材30及びルーフパネル30を同時に共締め固定する複数の締結具40と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のルーフパネルに固着されるルーフレールの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用ルーフレールの脚部の取付構造に関する技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のものが知られている。これら特許文献に記載の技術におけるルーフレールは、その前後両端の脚部に脚固定部材を介して締結具によりルーフパネルに固定し、車両外側寄りに車体前後方向に沿うように装備される。
上記脚固定部材は、予めボルト等の締結具(締結具)によりルーフレールに固着して一体化(サブアッシィ化)され、自動車製造組み立てラインにおいて、上記サブアッシィ化されたルーフレールを用いて行われる。すなわち、サブアッシィ化されたルーフレールを車体ルーフパネルへ取り付ける際には、上記締結具とは別の車両取付用手段(ボルト・ナット等の締結具)を用いて、ルーフレールをルーフパネルに固定するようにしている。
こうして、ルーフレールの脚部は、脚固定部材を介してルーフパネルの前縁から後縁に亘って装着されることとなる。
【特許文献1】特開平07−315135号公報
【特許文献2】特開2007−253928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、乗用自動車等の車体のデザインとしては、フロントウィンド(および/またはリヤウィンドガラス)からルーフパネルにおける車体輪郭が滑らかな曲面(流線型)となっているものがある。このため、ルーフレールの脚部における取付構造が外側から視認され易い。ところが、前述した従来技術では、車体と違和感のない一体感ある取付構造を実現することはできなかった。
そこで、カーデザインに溶け込み、車体と違和感のない、一体感ある取付構造の設計に注力したデザイン処理を考慮することが求められている。
【0004】
また、従来の技術では、脚部構造が複雑となり、小さいスペースでは、この構造での取付が困難であり、脚部を大型化しなければならないなどの欠点があった。特に、ルーフレールのフロント側の脚部では、フロントピラーに近接したコーナ部位であるので、その取付作業スペースが狭く、楽な姿勢での取付が行いにくく、さらには、取付部品点数が多く、取付作業に手間取り、ひいてはコスト高を招来する等の問題点があった。
そこで、狭い取付作業スペースの環境下で取付作業の能率化を図りながら低コストを実現できるルーフレールの取付構造が要請されている。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ルーフパネルと一体感を有する外観デザインを備えたルーフレールの取付構造を提供することを目的とする。
また、取付作業の能率化と低コスト化を図ることができるルーフレールの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るルーフレールの取付構造では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明は、車両のルーフパネルに固着されるルーフレールの取付構造であって、両端に脚部を有する筒状のルーフレールと、前記脚部と前記ルーフパネルの間に介装される脚固定部材と、前記脚部、前記脚固定部材及び前記ルーフパネルを同時に共締め固定する複数の締結具と、を備えることを特徴とする。
【0007】
これにより、ルーフレール(脚部)、ルーフレールの支持手段としての脚固定部材及びルーフパネルの三者を複数の締結具を介して同時に共締めして固定するので、少ない部品点数でルーフレールを車両のルーフパネルに固着できる。また、ルーフレールの取付作業において、タクト短縮化を図れ、その結果、コスト安価に車両を製造できる利点がある。
【0008】
また、前記締結具は、前記ルーフレールの内部空間に突出する上部雄ネジ及び前記ルーフパネルの下面に突出する下部雄ネジを有して前記脚固定部材に挿通される挿通部材と、前記上部雄ネジに螺合される上部ナットと、前記下部雄ネジに螺合される下部ナットと、からなることを特徴とする。
【0009】
これにより、ルーフレールは上部ナットと挿通部材との間に挟持されると共に、ルーフパネルは下部ナットと挿通部材との間に挟持されるので、ルーフレールの固定強度を高めた状態で取り付けることができる。
【0010】
また、前記締結具は、前記ルーフレールの内部空間に突出する上部雄ネジ及び前記ルーフパネルの下面に突出する下部雌ネジを有して前記脚固定部材に挿通される挿通部材と、前記上部雄ネジに螺合される上部ナットと、前記下部雌ネジに螺合される下部ボルトと、からなることを特徴とする。
【0011】
これにより、ルーフレールは上部ナットと挿通部材との間に挟持されると共に、ルーフパネルは下部ボルトと挿通部材との間に挟持されるので、ルーフレールの固定強度を高めた状態で取り付けることができる。
【0012】
また、前記上部ナットの高さを、前記ルーフレールの内部空間の高さと略同一に形成したことを特徴とする。
【0013】
これにより、締結治具等を使用して上部雄ネジを上部ナットに螺合させる際に、上部ナットのルーフレールの内部空間における浮き上がりを効果的に抑制でき、ルーフレールの取付作業を効率よく行うことができ、取付作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0014】
また、前記上部ナットの底面にスパイク状の突起を設けたことを特徴とする。
【0015】
これにより、締結治具等を使用して上部雄ネジを上部ナットに螺合させる際に、突起により上部ナットの連れ周りを効果的に阻止でき、ルーフレールの取付作業を効率よく行うことができ、取付作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0016】
また、前記上部ナットの前記ルーフレールの内部空間へ挿入は、前記挿通部材の配設ピッチと同一のピッチで複数の前記上部ナットを弾性的に側面から挟持する位置出し挿入具を用いて行われることを特徴とする。
【0017】
これにより、位置出し挿入具を用いて上部ナットをルーフレールの内部空間内の所定位置に配置(搬入)できる。更に、上部雄ネジが上部ナットにねじ込まれた後は、位置出し挿入具を弾性力に抗して強制的に内部空間から引き抜くことができ、ルーフレールの取付作業を効率的に行うことができる。
【0018】
また、前記上部ナットは、前記ルーフレールの開口から挿入可能なプレートに螺設形成されることを特徴とする。
【0019】
これにより、上部ナットに螺合される複数の雌ネジ(上部ナット)をルーフレールの内部空間内の所定位置に正確に配置しやすくなり、ルーフレールの取付作業を効率的に行うことができる。
【0020】
また、前記プレートは、前記ルーフレールの内部空間の高さと略同一に形成されたストッパ部を有することを特徴とする。
【0021】
これにより、締結治具等を使用して上部雄ネジを上部ナット(雌ネジ)に螺合させる際に、プレート(上部ナット)のルーフレールの内部空間における浮き上がりを効果的に抑制でき、ルーフレールの取付作業を効率よく行うことができ、取付作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0022】
また、前記プレートは、前記開口からの挿入量を規定する着脱自在の挿入量規定治具を有することを特徴とする。
【0023】
これにより、プレートに設けた上部ナット(雌ネジ)をルーフレールの内部空間内の所定位置に正確に配置(搬入)でき、ルーフレールの取付タクトの短縮化を図ることができる。
【0024】
また、前記プレートは、前記開口からの挿入量を規定する挿入量規定部を有することを特徴とする。
【0025】
これにより、プレートに設けた上部ナット(雌ネジ)をルーフレールの内部空間内の所定位置に正確に配置(搬入)でき、ルーフレールの取付タクトの短縮化を図ることができる。
【0026】
また、前記脚固定部材を側面視において略楔形状の本体部と前記本体部の下部に突設したボス部とで形成し、前記ボス部を前記ルーフパネルに形成した車両前後方向に伸びる凹条溝の底部に着座するように取り付けることを特徴とする。
【0027】
これにより、凹条溝の底部に脚固定部材のボス部を着座させてルーフレールをルーフパネル側へ取り付けることで、スマートな造形美を有する車体構造を実現し得るルーフレールの取付構造を実現できる。
【0028】
また、前記ボス部は、前記凹条溝の深さに略等しい高さに形成されることを特徴とする。
【0029】
これにより、前記ボス部を前記凹条溝に取り付けたときに、車両の側面視におけるルーフパネル外表面と、ルーフパネル外表面に対して傾斜する脚部との間に形成される空間および凹条溝が埋められ、かつ、脚固定部材の下部近傍がルーフパネルの輪郭と連続する状態になる。
したがって、ボス部を凹条溝に収容する形態で取り付け、本体部の下面近傍がルーフパネルの外表面と連続面をなす一体感ある外観体裁を醸し出すように構成されるので、車高の低いデザインの自動車でも、締結具が車外から直接に視認されない。この結果、デザイン性に優れたルーフパネルと一体を有する外観デザインを備えたルーフレールの取付構造を実現できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば以下の効果を得ることができる。
ルーフパネルと一体感を有する外観デザインを備えたルーフレールの取付構造を得ることができる。
また、取付作業の能率化と低コスト化を図ることができるルーフレールの取付構造を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に係るルーフレールの取付構造の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係るルーフレールの取付構造の概要全体構成図である。図2は、ルーフレール10とルーフパネル20との相対位置の関係を示す部分平面図である。図3は、ルーフパネルにルーフレールを取り付けた状態を示す図である。
【0032】
ルーフレール10は、ルーフパネル20の央部に位置するビーム部11と、ビーム部11の前後端に湾曲形成されルーフパネル20の前後両端に存する脚部12,13とを有し、脚部12,13には後述する脚固定部材30に締結具40が一体に取り付けられてサブアッシィとされる。
図2、図3に示すように、サブアッシィ化されたルーフレール10は、車体組み立てラインにおいて、ルーフパネル20の両側縁近傍で車体前後方向に沿って凹設した凹条溝21に取付られるようになっている。この凹条溝21は、ルーフパネル20の車外側縁と、ドア取付用オープニング等をプレス成形したサイドストラクチャーの上側縁とを相互に溶接結合した部位であって、剛性を高めるために横断面を車体前後方向に沿って凹条の溝形状に形成している。
【0033】
なお、以下の説明においては、ルーフレール10のうちフロント(前端)側に位置する脚部12の取付構造について説明し、リア(後端)側の脚部13についてはフロント側の脚部12と同じ構造であるので、その説明を割愛する。
以下、ルーフレールの取付構造の構成要素を具体的に説明していく。
【0034】
ルーフレール10は、アルミニウムやその合金材等を素材にして押出成形により製作され、前端側の脚部12から後端側の脚部13に至る全長に亘り内部に空洞を有する筒状体に形成され、側面視における全体形状が、車両のルーフパネル20の外表面の輪郭から上方へ略弓型を呈するように膨出している。
また、図4に示されるように、脚部12の車外側には、ひれ状のカバー部14が形成される。このカバー部14の下縁は、図3(a)に示すように、凹条溝21の車外側縁部が前後方向に画く車体輪郭に略連続する形状を有し、その車内側に配置される後述の脚固定部材30や締結具40が外部から直接に視認されないようにし、見栄えを良くするようにしている。
なお、このカバー部14は、必須の構成要素ではなく、設けなくてもよいのは勿論である。
【0035】
図3(a)および図5(a)に示すように、脚固定部材30は、金属ブロックや硬質樹脂ブロックからなる楔形状を成す本体部30aと、本体部30aの下部に突設される二つのボス部31とからなる。本体部30aは、脚部12の下面とカバー部14に内面密着するように設けられる。
本体部30aの底面は、ルーフパネル20の車両前後方向におけるルーフパネルの車体輪郭C1(図5(a)の二点鎖線)、および車幅方向におけるルーフパネルの車体輪郭C2(図3(a)参照)、すなわち、ルーフパネル20の外表面に略面一状態で連続する形状に形成される。これにより、車両の側面視において、ルーフパネル20の外面の車体輪郭C1,C2と脚部12との間に形成される空間S(図5(a)参照)が、脚固定部材30で埋めることができるようになっている。
なお、上記ボス部31は前後に二個設けているが、その個数はこれに限定されないのは勿論である。
【0036】
脚固定部材30の下面に突設されるボス部31は、凹条溝21の深さに略等しい高さを有する。そして、このボス部31には、両端に上部雄ネジ41と下部雄ネジ42が形成され、これらの中間に大径の中間部43を有する挿通部材48が貫通(挿通)するように設けられる。
他方、脚部12側にも、上記一対の締結具40の配置ピッチに見合った位置に、締結具40(上部雄ネジ41)が貫通される二個の貫通孔15が穿たれる。
【0037】
そして、中間部43をボス部31に設けた段差を有する挿入孔32に挿入することで、上部雄ネジ41は、脚部12に穿った貫通孔15を貫通して脚部12の内部空間Mに臨む一方、下部雄ネジ42はボス部31から下方に突出し、凹条溝21の底部21aに穿ったボルト挿通孔22を貫通するようになる(図3(b)参照)。
更に、上部雄ネジ41には上部ナット44が、下部雄ネジ42には下部ナット45がそれぞれ螺合するようになっている。
このように、締結具40は、中間部43の上下に設けた上部雄ネジ41,下部雄ネジ42が形成された挿通部材48と、上部ナット44および下部ナット45とで構成されることとなる。
なお、上部ナット44の座面は、脚部12の傾斜に応じた傾斜面を有するものとなっている。
【0038】
こうして、脚固定部材30は、上部雄ネジ41をルーフレール10の内部空間Mに設けた上部ナット44に螺合することにより、図3(a),(b)および図5(a)に示すように、上部ナット44と中間部43との間に挟持され、脚部12すなわちルーフレール10と一体化される。
なお、上部ナット44の底面(座面)には、スパイク状の爪44aが突設される。これにより、締結時に脚部12の内壁に食い込むことで、上部雄ネジ41とともに連れまわることがなく、上部ナット44と上部雄ネジ41とを短時間のうちに確実に締結(螺合)できるようになっている。同様に、上部ナット44の高さは、ルーフレール10の内部空間Mの高さと略同一又はやや低い程度に形成される。これにより、上部雄ネジ41との締結時に、上部ナット44が浮き上がって逃げることが防止でき、確実にねじ込みが行われるようになっている。
【0039】
ところで、上部ナット44を脚部12の内部空間Mに搬入(配置)する方法としては、図5(b)に示す位置出し挿入具5を用いて行うのが好ましい。
この位置出し挿入具5は、ヘアピン(トング)状の形状を有し、締結具40の配置ピッチと同一の間隔で一対の上部ナット44のそれぞれの側面をバネ力により挟み込む把持部5a,5bが形成される。
また、この挿入具5の基部には、位置出し部5cが設けられ、脚部12の開口16から挿入具5を内部空間Mに挿入するとき、開口16に係止するようになっている。
これにより、上部ナット44が前後二カ所の貫通孔15に対応する位置に簡単かつ確実に配置でき、脚固定部材30の脚部12への取付を容易に行うことができるようになっている。
そして、上部ナット44の取付が終わった場合には、位置出し挿入具5を強制的に抜くことで、位置出し挿入具5が弾性変形して内部空間Mから引き抜くことが可能となっている。
【0040】
このようにして、図5(a)に示すように、ルーフレール10に脚固定部材30が締結具40により一体化して組み立てられる。そして、図6に示すように、外観体裁を備えたサブアッシィ化された脚固定部材30付きのルーフレール10が得られる。
【0041】
次に、脚固定部材30と一体化されたルーフレール10を凹条溝21に取り付けるには、図3に示すように、凹条溝21に穿ったボルト挿通孔22に下部雄ネジ42を挿通し、これに下部ナット45をナットランナー(締結治具)で締め付けることでルーフレール10、すなわち脚部12を凹条溝21に強固に取り付けることができ、ルーフレール10のルーフパネル20に対する取付作業が完了する。
なお、図3(a)に示すように、脚部12の端部には、脚部12の端部を被覆するゴム製カバー17が配置される。
【0042】
このように第1実施形態に係るルーフレール10の取付構造によれば、部品点数の少ない締結具40(挿通部材48,上部ナット44、下部ナット45)により、ルーフレール10、脚固定部材30およびルーフパネル20を同時に共締めして固定することができる。
【0043】
また、ルーフレール10の脚部12の下面における開口16と、脚固定部材30下面とが、ルーフパネル20の外表面が形成する車体輪郭C1,C2(図5(a)、図3(a)参照)に略一致して連続する外観体裁を呈するようになり、スマートな造形を有するカーデザインに一体に溶け込んだ形態でルーフレール10をルーフパネル20に装備できる。
つまり、脚固定部材30が薄い楔形に形成されているので、外部に露呈しづらく、スマート感があり、見栄えの優れたルーフレール搭載の自動車を実現できる。
【0044】
また、締結具40を最小限の部品で構成した(挿通部材48,上部ナット44、下部ナット45)ので、取付作業工数を大幅に低減でき、構造がシンプルで、コスト安価なルーフレールの取付構造を得ることができる。
【0045】
なお、図7に示すように、脚固定部材30の上面に突起33を形成し、各突起33に対向する脚部12側にこれらを受容する貫通孔18を穿つようにすることも可能である。これにより、脚固定部材30を脚部12に効率よく正確に位置決めすることができ、作業効率をより一層向上できるようになる。
【0046】
次に、本発明の第2実施の形態を説明する。
なお、第1実施の形態と同一または均等部材には、第1実施の形態で使用したと同一の符号を付し、その詳細な説明は割愛することとする。
【0047】
図8は、本発明の第2実施形態に係るルーフレールの取付構造を透視して示した外観斜視図である。図9は、ルーフレールの脚部を示す縦断面図である。図10は、ナットプレートを示す図である。
【0048】
図8,図9に示すように、ルーフレール10の内部空間Mには、ナットプレート50が挿入され、このナットプレート50に対して挿通部材48の上部雄ネジ41が締結(螺合)されるようになっている。
【0049】
図10に示すように、上部雄ネジ41に螺合するナットプレート50は、脚部12に挿入可能に形成した帯状のプレート51であって、このプレート51には雌ネジとしての二個のナット部52と、プレート51がルーフレール10の内部空間M内で浮き上がるのを阻止するストッパ部53とが形成されている。
【0050】
ストッパ部53は、プレート51の側縁を切り起こして約60°の交差角をなす台形状に形成され、これにより、案内機能と位置決め機能を兼ねたストッパとして作用するようになっている。
ナット部52は、バーリング加工によりネジ切りして形成される。
【0051】
ナットプレート50をルーフレール10の内部空間Mに挿入するには、引っかけ治具54(図9参照)を用いて行われる。すなわち、引っかけ治具54は、プレート51の後端に形成した折曲部55に係止した状態で、引っかけ治具54を開口16から挿入していき、係止部54aが開口16の端縁に当接するまで挿入する。そして、係止部54aが開口16端縁に当接すると、ナット部52は貫通孔15に略対峙するように位置決めされるようになっている。このとき、ストッパ部53は、脚部12の天井に近接した状態にある。
【0052】
この状態において、プレート51は、内部空間Mで浮き上がることはないので、締結具40の挿通部材48(上部雄ネジ41)をナット部52にねじ込んでいくと、脚固定部材30は締結具40により脚部12、つまりルーフレール10に一体化して取り付けられる。
こうして、図8に示すように、サブアッシィ化されたルーフレール10の取付構造を得る。
【0053】
さらに、図11に示すように、サブアッシィ化されたルーフレール10は、下部雄ネジ42を凹条溝21に穿ったボルト挿通孔22に挿通し、不図示の下部ナット45を締結治具により螺合させる。
これにより、サブアッシィ化されたルーフレール10をルーフパネル20の凹条溝21に取り付けることができる。したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と略同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
なお、ナットプレート50のプレート51は帯板状を呈する構造であったが、図12に示すような構造を有するナットプレート60であってもよい。すなわち、このナットプレート60は、台形状のストッパ部53の代わりに、前後両端に弾性変形が可能な湾曲片61を設けた構造である。このような構造のナットプレート60であっても、湾曲片61によりナットプレート60の浮き上がりが阻止され、上部雄ネジ41をナット部52に効率的に螺合することができる。
【0055】
以上、本発明を第1、第2実施の形態により詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態や変形例に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も本発明の範囲に含まれるものである。
【0056】
例えば、図13に示すように、締結具40の挿通部材48に下部雄ネジ42を設ける代わりに、下部雌ネジ46を形成する構成としてもよい。このような構成とした場合には、下部雌ネジ46には、下部ボルト47が螺合される。すなわち、凹条溝21の底部21aは下部ボルト47とボス部31との間に挟持されることとなる。
なお、この変形例は第1実施形態、第2実施形態のいずれにも適用可能である。
【0057】
また、挿通部材48としては、上部雄ネジ41と下部雄ネジ42の間に存在する中間部43が、上部雄ネジ41及び下部雄ネジ42よりも大径である場合に限らない。
例えば、上部雄ネジ41と下部雄ネジ42との間に、上部雄ネジ41及び下部雄ネジ42と略同一径の非ネジ部を有する場合であってもよい。
つまり、締結具40としては、ルーフレール10の脚部12、脚固定部材30及びルーフパネル20を同時に共締め固定することができればよい。したがって、挿通部材48が中間部43のない全ネジであってもよい。
【0058】
また、図14に示すように、脚固定部材30に例えば二個の突起33を突設し、これに対応して脚部12およびナットプレート50に孔(係止用孔56)を穿ち、突起33を受容するように構成することもできる。
これによれば、引っかけ治具54を用いることなく、ルーフレール10の貫通孔15とナットプレート50のナット部52と締結具40とが容易に確実に位置決めされ、取付作業の効率向上を図るのに好都合となる。
なお、ナットプレート50の係止用孔56に脚固定部材30の突起33を受容するのに代えて、ナットプレート50に突起を形成し、脚部12に穿った孔にこの突起を受容するように構成してもよい。
【0059】
また、第1,第2実施形態では、締結具40が一対の場合について説明したが、これに限らない。3個以上であってもよい。また、図14に示すように、脚固定部材30にボス部31を設けない態様とすることも可能である。
【0060】
また、例えば、第1,第2実施形態では、脚部12が取り付けられる凹条溝21以外の凹条溝は、開口したままの状態にしてドリップチャンネルとして利用する構成として説明したが、凹条溝を合成樹脂製のモールディングを用いてルーフパネル外表面と面一となるような形態で装着する構成とすることも可能である。
【0061】
また、上記では、サイドストラクチャー23(図3(a)参照)とルーフパネル20との溶接結合部に凹条溝21が形成される態様の自動車を例に挙げて説明したが、勿論、凹条溝21を有しない自動車にも適用可能である。
【0062】
また、第1,第2実施形態では、ルーフレール10の脚部12,13の端部にカバー部14が設けられる場合について説明したが、図15に示すように、ルーフレール10の全長に亘ってカバー部14を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態に係るルーフレールの取付構造の概要全体構成図である。
【図2】ルーフレールとルーフパネルとの相対位置関係を説明する平面図である。
【図3】ルーフパネルにルーフレールを取り付けた状態を示す図である。
【図4】ルーフレールの脚部を示す図である。
【図5】ルーフレールの脚部を示す縦断面図、位置出し挿入具の外観図、ナットの外観図である。
【図6】ルーフレールの外観図である。
【図7】脚固定部材の変形例を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るルーフレールの取付構造を示す外観斜視図である。
【図9】ルーフレールの脚部を示す縦断面図である。
【図10】ナットプレートを示す図である。
【図11】ルーフパネルにルーフレールを取り付けた状態を示す図である。
【図12】ナットプレートの変形例を示す縦断面図である。
【図13】ルーフレールの取付構造の変形例を示す縦断面図である。
【図14】ルーフレールの取付構造の変形例を示す縦断面図である。
【図15】ルーフレールに他の実施例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0064】
5…挿入具、 10…ルーフレール、 12,13…脚部、 16…開口、 20…ルーフパネル、 30…脚固定部材、 30a…本体部、 31…ボス部、 40…締結具、 41…上部雄ネジ、 42…下部雄ネジ、 44…上部ナット、 44a…爪(突起)、 45…下部ナット、 46…下部雌ネジ、 47…下部ボルト、 48…挿通部材、 50…ナットプレート、 51…プレート、 52…ナット部(上部ナット)、 53…ストッパ部、 54…引っかけ治具(挿入量規定治具)、 56…係止用孔(挿入量規定部) 60…ナットプレート、 61…湾曲片(ストッパ部)、 C1,C2…車体輪郭、 M…内部空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のルーフパネルに固着されるルーフレールの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用ルーフレールの脚部の取付構造に関する技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のものが知られている。これら特許文献に記載の技術におけるルーフレールは、その前後両端の脚部に脚固定部材を介して締結具によりルーフパネルに固定し、車両外側寄りに車体前後方向に沿うように装備される。
上記脚固定部材は、予めボルト等の締結具(締結具)によりルーフレールに固着して一体化(サブアッシィ化)され、自動車製造組み立てラインにおいて、上記サブアッシィ化されたルーフレールを用いて行われる。すなわち、サブアッシィ化されたルーフレールを車体ルーフパネルへ取り付ける際には、上記締結具とは別の車両取付用手段(ボルト・ナット等の締結具)を用いて、ルーフレールをルーフパネルに固定するようにしている。
こうして、ルーフレールの脚部は、脚固定部材を介してルーフパネルの前縁から後縁に亘って装着されることとなる。
【特許文献1】特開平07−315135号公報
【特許文献2】特開2007−253928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、乗用自動車等の車体のデザインとしては、フロントウィンド(および/またはリヤウィンドガラス)からルーフパネルにおける車体輪郭が滑らかな曲面(流線型)となっているものがある。このため、ルーフレールの脚部における取付構造が外側から視認され易い。ところが、前述した従来技術では、車体と違和感のない一体感ある取付構造を実現することはできなかった。
そこで、カーデザインに溶け込み、車体と違和感のない、一体感ある取付構造の設計に注力したデザイン処理を考慮することが求められている。
【0004】
また、従来の技術では、脚部構造が複雑となり、小さいスペースでは、この構造での取付が困難であり、脚部を大型化しなければならないなどの欠点があった。特に、ルーフレールのフロント側の脚部では、フロントピラーに近接したコーナ部位であるので、その取付作業スペースが狭く、楽な姿勢での取付が行いにくく、さらには、取付部品点数が多く、取付作業に手間取り、ひいてはコスト高を招来する等の問題点があった。
そこで、狭い取付作業スペースの環境下で取付作業の能率化を図りながら低コストを実現できるルーフレールの取付構造が要請されている。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ルーフパネルと一体感を有する外観デザインを備えたルーフレールの取付構造を提供することを目的とする。
また、取付作業の能率化と低コスト化を図ることができるルーフレールの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るルーフレールの取付構造では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明は、車両のルーフパネルに固着されるルーフレールの取付構造であって、両端に脚部を有する筒状のルーフレールと、前記脚部と前記ルーフパネルの間に介装される脚固定部材と、前記脚部、前記脚固定部材及び前記ルーフパネルを同時に共締め固定する複数の締結具と、を備えることを特徴とする。
【0007】
これにより、ルーフレール(脚部)、ルーフレールの支持手段としての脚固定部材及びルーフパネルの三者を複数の締結具を介して同時に共締めして固定するので、少ない部品点数でルーフレールを車両のルーフパネルに固着できる。また、ルーフレールの取付作業において、タクト短縮化を図れ、その結果、コスト安価に車両を製造できる利点がある。
【0008】
また、前記締結具は、前記ルーフレールの内部空間に突出する上部雄ネジ及び前記ルーフパネルの下面に突出する下部雄ネジを有して前記脚固定部材に挿通される挿通部材と、前記上部雄ネジに螺合される上部ナットと、前記下部雄ネジに螺合される下部ナットと、からなることを特徴とする。
【0009】
これにより、ルーフレールは上部ナットと挿通部材との間に挟持されると共に、ルーフパネルは下部ナットと挿通部材との間に挟持されるので、ルーフレールの固定強度を高めた状態で取り付けることができる。
【0010】
また、前記締結具は、前記ルーフレールの内部空間に突出する上部雄ネジ及び前記ルーフパネルの下面に突出する下部雌ネジを有して前記脚固定部材に挿通される挿通部材と、前記上部雄ネジに螺合される上部ナットと、前記下部雌ネジに螺合される下部ボルトと、からなることを特徴とする。
【0011】
これにより、ルーフレールは上部ナットと挿通部材との間に挟持されると共に、ルーフパネルは下部ボルトと挿通部材との間に挟持されるので、ルーフレールの固定強度を高めた状態で取り付けることができる。
【0012】
また、前記上部ナットの高さを、前記ルーフレールの内部空間の高さと略同一に形成したことを特徴とする。
【0013】
これにより、締結治具等を使用して上部雄ネジを上部ナットに螺合させる際に、上部ナットのルーフレールの内部空間における浮き上がりを効果的に抑制でき、ルーフレールの取付作業を効率よく行うことができ、取付作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0014】
また、前記上部ナットの底面にスパイク状の突起を設けたことを特徴とする。
【0015】
これにより、締結治具等を使用して上部雄ネジを上部ナットに螺合させる際に、突起により上部ナットの連れ周りを効果的に阻止でき、ルーフレールの取付作業を効率よく行うことができ、取付作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0016】
また、前記上部ナットの前記ルーフレールの内部空間へ挿入は、前記挿通部材の配設ピッチと同一のピッチで複数の前記上部ナットを弾性的に側面から挟持する位置出し挿入具を用いて行われることを特徴とする。
【0017】
これにより、位置出し挿入具を用いて上部ナットをルーフレールの内部空間内の所定位置に配置(搬入)できる。更に、上部雄ネジが上部ナットにねじ込まれた後は、位置出し挿入具を弾性力に抗して強制的に内部空間から引き抜くことができ、ルーフレールの取付作業を効率的に行うことができる。
【0018】
また、前記上部ナットは、前記ルーフレールの開口から挿入可能なプレートに螺設形成されることを特徴とする。
【0019】
これにより、上部ナットに螺合される複数の雌ネジ(上部ナット)をルーフレールの内部空間内の所定位置に正確に配置しやすくなり、ルーフレールの取付作業を効率的に行うことができる。
【0020】
また、前記プレートは、前記ルーフレールの内部空間の高さと略同一に形成されたストッパ部を有することを特徴とする。
【0021】
これにより、締結治具等を使用して上部雄ネジを上部ナット(雌ネジ)に螺合させる際に、プレート(上部ナット)のルーフレールの内部空間における浮き上がりを効果的に抑制でき、ルーフレールの取付作業を効率よく行うことができ、取付作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0022】
また、前記プレートは、前記開口からの挿入量を規定する着脱自在の挿入量規定治具を有することを特徴とする。
【0023】
これにより、プレートに設けた上部ナット(雌ネジ)をルーフレールの内部空間内の所定位置に正確に配置(搬入)でき、ルーフレールの取付タクトの短縮化を図ることができる。
【0024】
また、前記プレートは、前記開口からの挿入量を規定する挿入量規定部を有することを特徴とする。
【0025】
これにより、プレートに設けた上部ナット(雌ネジ)をルーフレールの内部空間内の所定位置に正確に配置(搬入)でき、ルーフレールの取付タクトの短縮化を図ることができる。
【0026】
また、前記脚固定部材を側面視において略楔形状の本体部と前記本体部の下部に突設したボス部とで形成し、前記ボス部を前記ルーフパネルに形成した車両前後方向に伸びる凹条溝の底部に着座するように取り付けることを特徴とする。
【0027】
これにより、凹条溝の底部に脚固定部材のボス部を着座させてルーフレールをルーフパネル側へ取り付けることで、スマートな造形美を有する車体構造を実現し得るルーフレールの取付構造を実現できる。
【0028】
また、前記ボス部は、前記凹条溝の深さに略等しい高さに形成されることを特徴とする。
【0029】
これにより、前記ボス部を前記凹条溝に取り付けたときに、車両の側面視におけるルーフパネル外表面と、ルーフパネル外表面に対して傾斜する脚部との間に形成される空間および凹条溝が埋められ、かつ、脚固定部材の下部近傍がルーフパネルの輪郭と連続する状態になる。
したがって、ボス部を凹条溝に収容する形態で取り付け、本体部の下面近傍がルーフパネルの外表面と連続面をなす一体感ある外観体裁を醸し出すように構成されるので、車高の低いデザインの自動車でも、締結具が車外から直接に視認されない。この結果、デザイン性に優れたルーフパネルと一体を有する外観デザインを備えたルーフレールの取付構造を実現できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば以下の効果を得ることができる。
ルーフパネルと一体感を有する外観デザインを備えたルーフレールの取付構造を得ることができる。
また、取付作業の能率化と低コスト化を図ることができるルーフレールの取付構造を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に係るルーフレールの取付構造の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係るルーフレールの取付構造の概要全体構成図である。図2は、ルーフレール10とルーフパネル20との相対位置の関係を示す部分平面図である。図3は、ルーフパネルにルーフレールを取り付けた状態を示す図である。
【0032】
ルーフレール10は、ルーフパネル20の央部に位置するビーム部11と、ビーム部11の前後端に湾曲形成されルーフパネル20の前後両端に存する脚部12,13とを有し、脚部12,13には後述する脚固定部材30に締結具40が一体に取り付けられてサブアッシィとされる。
図2、図3に示すように、サブアッシィ化されたルーフレール10は、車体組み立てラインにおいて、ルーフパネル20の両側縁近傍で車体前後方向に沿って凹設した凹条溝21に取付られるようになっている。この凹条溝21は、ルーフパネル20の車外側縁と、ドア取付用オープニング等をプレス成形したサイドストラクチャーの上側縁とを相互に溶接結合した部位であって、剛性を高めるために横断面を車体前後方向に沿って凹条の溝形状に形成している。
【0033】
なお、以下の説明においては、ルーフレール10のうちフロント(前端)側に位置する脚部12の取付構造について説明し、リア(後端)側の脚部13についてはフロント側の脚部12と同じ構造であるので、その説明を割愛する。
以下、ルーフレールの取付構造の構成要素を具体的に説明していく。
【0034】
ルーフレール10は、アルミニウムやその合金材等を素材にして押出成形により製作され、前端側の脚部12から後端側の脚部13に至る全長に亘り内部に空洞を有する筒状体に形成され、側面視における全体形状が、車両のルーフパネル20の外表面の輪郭から上方へ略弓型を呈するように膨出している。
また、図4に示されるように、脚部12の車外側には、ひれ状のカバー部14が形成される。このカバー部14の下縁は、図3(a)に示すように、凹条溝21の車外側縁部が前後方向に画く車体輪郭に略連続する形状を有し、その車内側に配置される後述の脚固定部材30や締結具40が外部から直接に視認されないようにし、見栄えを良くするようにしている。
なお、このカバー部14は、必須の構成要素ではなく、設けなくてもよいのは勿論である。
【0035】
図3(a)および図5(a)に示すように、脚固定部材30は、金属ブロックや硬質樹脂ブロックからなる楔形状を成す本体部30aと、本体部30aの下部に突設される二つのボス部31とからなる。本体部30aは、脚部12の下面とカバー部14に内面密着するように設けられる。
本体部30aの底面は、ルーフパネル20の車両前後方向におけるルーフパネルの車体輪郭C1(図5(a)の二点鎖線)、および車幅方向におけるルーフパネルの車体輪郭C2(図3(a)参照)、すなわち、ルーフパネル20の外表面に略面一状態で連続する形状に形成される。これにより、車両の側面視において、ルーフパネル20の外面の車体輪郭C1,C2と脚部12との間に形成される空間S(図5(a)参照)が、脚固定部材30で埋めることができるようになっている。
なお、上記ボス部31は前後に二個設けているが、その個数はこれに限定されないのは勿論である。
【0036】
脚固定部材30の下面に突設されるボス部31は、凹条溝21の深さに略等しい高さを有する。そして、このボス部31には、両端に上部雄ネジ41と下部雄ネジ42が形成され、これらの中間に大径の中間部43を有する挿通部材48が貫通(挿通)するように設けられる。
他方、脚部12側にも、上記一対の締結具40の配置ピッチに見合った位置に、締結具40(上部雄ネジ41)が貫通される二個の貫通孔15が穿たれる。
【0037】
そして、中間部43をボス部31に設けた段差を有する挿入孔32に挿入することで、上部雄ネジ41は、脚部12に穿った貫通孔15を貫通して脚部12の内部空間Mに臨む一方、下部雄ネジ42はボス部31から下方に突出し、凹条溝21の底部21aに穿ったボルト挿通孔22を貫通するようになる(図3(b)参照)。
更に、上部雄ネジ41には上部ナット44が、下部雄ネジ42には下部ナット45がそれぞれ螺合するようになっている。
このように、締結具40は、中間部43の上下に設けた上部雄ネジ41,下部雄ネジ42が形成された挿通部材48と、上部ナット44および下部ナット45とで構成されることとなる。
なお、上部ナット44の座面は、脚部12の傾斜に応じた傾斜面を有するものとなっている。
【0038】
こうして、脚固定部材30は、上部雄ネジ41をルーフレール10の内部空間Mに設けた上部ナット44に螺合することにより、図3(a),(b)および図5(a)に示すように、上部ナット44と中間部43との間に挟持され、脚部12すなわちルーフレール10と一体化される。
なお、上部ナット44の底面(座面)には、スパイク状の爪44aが突設される。これにより、締結時に脚部12の内壁に食い込むことで、上部雄ネジ41とともに連れまわることがなく、上部ナット44と上部雄ネジ41とを短時間のうちに確実に締結(螺合)できるようになっている。同様に、上部ナット44の高さは、ルーフレール10の内部空間Mの高さと略同一又はやや低い程度に形成される。これにより、上部雄ネジ41との締結時に、上部ナット44が浮き上がって逃げることが防止でき、確実にねじ込みが行われるようになっている。
【0039】
ところで、上部ナット44を脚部12の内部空間Mに搬入(配置)する方法としては、図5(b)に示す位置出し挿入具5を用いて行うのが好ましい。
この位置出し挿入具5は、ヘアピン(トング)状の形状を有し、締結具40の配置ピッチと同一の間隔で一対の上部ナット44のそれぞれの側面をバネ力により挟み込む把持部5a,5bが形成される。
また、この挿入具5の基部には、位置出し部5cが設けられ、脚部12の開口16から挿入具5を内部空間Mに挿入するとき、開口16に係止するようになっている。
これにより、上部ナット44が前後二カ所の貫通孔15に対応する位置に簡単かつ確実に配置でき、脚固定部材30の脚部12への取付を容易に行うことができるようになっている。
そして、上部ナット44の取付が終わった場合には、位置出し挿入具5を強制的に抜くことで、位置出し挿入具5が弾性変形して内部空間Mから引き抜くことが可能となっている。
【0040】
このようにして、図5(a)に示すように、ルーフレール10に脚固定部材30が締結具40により一体化して組み立てられる。そして、図6に示すように、外観体裁を備えたサブアッシィ化された脚固定部材30付きのルーフレール10が得られる。
【0041】
次に、脚固定部材30と一体化されたルーフレール10を凹条溝21に取り付けるには、図3に示すように、凹条溝21に穿ったボルト挿通孔22に下部雄ネジ42を挿通し、これに下部ナット45をナットランナー(締結治具)で締め付けることでルーフレール10、すなわち脚部12を凹条溝21に強固に取り付けることができ、ルーフレール10のルーフパネル20に対する取付作業が完了する。
なお、図3(a)に示すように、脚部12の端部には、脚部12の端部を被覆するゴム製カバー17が配置される。
【0042】
このように第1実施形態に係るルーフレール10の取付構造によれば、部品点数の少ない締結具40(挿通部材48,上部ナット44、下部ナット45)により、ルーフレール10、脚固定部材30およびルーフパネル20を同時に共締めして固定することができる。
【0043】
また、ルーフレール10の脚部12の下面における開口16と、脚固定部材30下面とが、ルーフパネル20の外表面が形成する車体輪郭C1,C2(図5(a)、図3(a)参照)に略一致して連続する外観体裁を呈するようになり、スマートな造形を有するカーデザインに一体に溶け込んだ形態でルーフレール10をルーフパネル20に装備できる。
つまり、脚固定部材30が薄い楔形に形成されているので、外部に露呈しづらく、スマート感があり、見栄えの優れたルーフレール搭載の自動車を実現できる。
【0044】
また、締結具40を最小限の部品で構成した(挿通部材48,上部ナット44、下部ナット45)ので、取付作業工数を大幅に低減でき、構造がシンプルで、コスト安価なルーフレールの取付構造を得ることができる。
【0045】
なお、図7に示すように、脚固定部材30の上面に突起33を形成し、各突起33に対向する脚部12側にこれらを受容する貫通孔18を穿つようにすることも可能である。これにより、脚固定部材30を脚部12に効率よく正確に位置決めすることができ、作業効率をより一層向上できるようになる。
【0046】
次に、本発明の第2実施の形態を説明する。
なお、第1実施の形態と同一または均等部材には、第1実施の形態で使用したと同一の符号を付し、その詳細な説明は割愛することとする。
【0047】
図8は、本発明の第2実施形態に係るルーフレールの取付構造を透視して示した外観斜視図である。図9は、ルーフレールの脚部を示す縦断面図である。図10は、ナットプレートを示す図である。
【0048】
図8,図9に示すように、ルーフレール10の内部空間Mには、ナットプレート50が挿入され、このナットプレート50に対して挿通部材48の上部雄ネジ41が締結(螺合)されるようになっている。
【0049】
図10に示すように、上部雄ネジ41に螺合するナットプレート50は、脚部12に挿入可能に形成した帯状のプレート51であって、このプレート51には雌ネジとしての二個のナット部52と、プレート51がルーフレール10の内部空間M内で浮き上がるのを阻止するストッパ部53とが形成されている。
【0050】
ストッパ部53は、プレート51の側縁を切り起こして約60°の交差角をなす台形状に形成され、これにより、案内機能と位置決め機能を兼ねたストッパとして作用するようになっている。
ナット部52は、バーリング加工によりネジ切りして形成される。
【0051】
ナットプレート50をルーフレール10の内部空間Mに挿入するには、引っかけ治具54(図9参照)を用いて行われる。すなわち、引っかけ治具54は、プレート51の後端に形成した折曲部55に係止した状態で、引っかけ治具54を開口16から挿入していき、係止部54aが開口16の端縁に当接するまで挿入する。そして、係止部54aが開口16端縁に当接すると、ナット部52は貫通孔15に略対峙するように位置決めされるようになっている。このとき、ストッパ部53は、脚部12の天井に近接した状態にある。
【0052】
この状態において、プレート51は、内部空間Mで浮き上がることはないので、締結具40の挿通部材48(上部雄ネジ41)をナット部52にねじ込んでいくと、脚固定部材30は締結具40により脚部12、つまりルーフレール10に一体化して取り付けられる。
こうして、図8に示すように、サブアッシィ化されたルーフレール10の取付構造を得る。
【0053】
さらに、図11に示すように、サブアッシィ化されたルーフレール10は、下部雄ネジ42を凹条溝21に穿ったボルト挿通孔22に挿通し、不図示の下部ナット45を締結治具により螺合させる。
これにより、サブアッシィ化されたルーフレール10をルーフパネル20の凹条溝21に取り付けることができる。したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と略同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
なお、ナットプレート50のプレート51は帯板状を呈する構造であったが、図12に示すような構造を有するナットプレート60であってもよい。すなわち、このナットプレート60は、台形状のストッパ部53の代わりに、前後両端に弾性変形が可能な湾曲片61を設けた構造である。このような構造のナットプレート60であっても、湾曲片61によりナットプレート60の浮き上がりが阻止され、上部雄ネジ41をナット部52に効率的に螺合することができる。
【0055】
以上、本発明を第1、第2実施の形態により詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態や変形例に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も本発明の範囲に含まれるものである。
【0056】
例えば、図13に示すように、締結具40の挿通部材48に下部雄ネジ42を設ける代わりに、下部雌ネジ46を形成する構成としてもよい。このような構成とした場合には、下部雌ネジ46には、下部ボルト47が螺合される。すなわち、凹条溝21の底部21aは下部ボルト47とボス部31との間に挟持されることとなる。
なお、この変形例は第1実施形態、第2実施形態のいずれにも適用可能である。
【0057】
また、挿通部材48としては、上部雄ネジ41と下部雄ネジ42の間に存在する中間部43が、上部雄ネジ41及び下部雄ネジ42よりも大径である場合に限らない。
例えば、上部雄ネジ41と下部雄ネジ42との間に、上部雄ネジ41及び下部雄ネジ42と略同一径の非ネジ部を有する場合であってもよい。
つまり、締結具40としては、ルーフレール10の脚部12、脚固定部材30及びルーフパネル20を同時に共締め固定することができればよい。したがって、挿通部材48が中間部43のない全ネジであってもよい。
【0058】
また、図14に示すように、脚固定部材30に例えば二個の突起33を突設し、これに対応して脚部12およびナットプレート50に孔(係止用孔56)を穿ち、突起33を受容するように構成することもできる。
これによれば、引っかけ治具54を用いることなく、ルーフレール10の貫通孔15とナットプレート50のナット部52と締結具40とが容易に確実に位置決めされ、取付作業の効率向上を図るのに好都合となる。
なお、ナットプレート50の係止用孔56に脚固定部材30の突起33を受容するのに代えて、ナットプレート50に突起を形成し、脚部12に穿った孔にこの突起を受容するように構成してもよい。
【0059】
また、第1,第2実施形態では、締結具40が一対の場合について説明したが、これに限らない。3個以上であってもよい。また、図14に示すように、脚固定部材30にボス部31を設けない態様とすることも可能である。
【0060】
また、例えば、第1,第2実施形態では、脚部12が取り付けられる凹条溝21以外の凹条溝は、開口したままの状態にしてドリップチャンネルとして利用する構成として説明したが、凹条溝を合成樹脂製のモールディングを用いてルーフパネル外表面と面一となるような形態で装着する構成とすることも可能である。
【0061】
また、上記では、サイドストラクチャー23(図3(a)参照)とルーフパネル20との溶接結合部に凹条溝21が形成される態様の自動車を例に挙げて説明したが、勿論、凹条溝21を有しない自動車にも適用可能である。
【0062】
また、第1,第2実施形態では、ルーフレール10の脚部12,13の端部にカバー部14が設けられる場合について説明したが、図15に示すように、ルーフレール10の全長に亘ってカバー部14を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態に係るルーフレールの取付構造の概要全体構成図である。
【図2】ルーフレールとルーフパネルとの相対位置関係を説明する平面図である。
【図3】ルーフパネルにルーフレールを取り付けた状態を示す図である。
【図4】ルーフレールの脚部を示す図である。
【図5】ルーフレールの脚部を示す縦断面図、位置出し挿入具の外観図、ナットの外観図である。
【図6】ルーフレールの外観図である。
【図7】脚固定部材の変形例を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るルーフレールの取付構造を示す外観斜視図である。
【図9】ルーフレールの脚部を示す縦断面図である。
【図10】ナットプレートを示す図である。
【図11】ルーフパネルにルーフレールを取り付けた状態を示す図である。
【図12】ナットプレートの変形例を示す縦断面図である。
【図13】ルーフレールの取付構造の変形例を示す縦断面図である。
【図14】ルーフレールの取付構造の変形例を示す縦断面図である。
【図15】ルーフレールに他の実施例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0064】
5…挿入具、 10…ルーフレール、 12,13…脚部、 16…開口、 20…ルーフパネル、 30…脚固定部材、 30a…本体部、 31…ボス部、 40…締結具、 41…上部雄ネジ、 42…下部雄ネジ、 44…上部ナット、 44a…爪(突起)、 45…下部ナット、 46…下部雌ネジ、 47…下部ボルト、 48…挿通部材、 50…ナットプレート、 51…プレート、 52…ナット部(上部ナット)、 53…ストッパ部、 54…引っかけ治具(挿入量規定治具)、 56…係止用孔(挿入量規定部) 60…ナットプレート、 61…湾曲片(ストッパ部)、 C1,C2…車体輪郭、 M…内部空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のルーフパネルに固着されるルーフレールの取付構造であって、
両端に脚部を有する筒状のルーフレールと、
前記脚部と前記ルーフパネルの間に介装される脚固定部材と、
前記脚部、前記脚固定部材及び前記ルーフパネルを同時に共締め固定する複数の締結具と、
を備えることを特徴とするルーフレールの取付構造。
【請求項2】
前記締結具は、
前記ルーフレールの内部空間に突出する上部雄ネジ及び前記ルーフパネルの下面に突出する下部雄ネジを有して前記脚固定部材に挿通される挿通部材と、
前記上部雄ネジに螺合される上部ナットと、
前記下部雄ネジに螺合される下部ナットと、
からなることを特徴とする請求項1に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項3】
前記締結具は、
前記ルーフレールの内部空間に突出する上部雄ネジ及び前記ルーフパネルの下面に突出する下部雌ネジを有して前記脚固定部材に挿通される挿通部材と、
前記上部雄ネジに螺合される上部ナットと、
前記下部雌ネジに螺合される下部ボルトと、
からなることを特徴とする請求項1に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項4】
前記上部ナットの高さを、前記ルーフレールの内部空間の高さと略同一に形成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項5】
前記上部ナットの底面にスパイク状の突起を設けたことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項6】
前記上部ナットの前記ルーフレールの内部空間へ挿入は、前記挿通部材の配設ピッチと同一のピッチで複数の前記上部ナットを弾性的に側面から挟持する位置出し挿入具を用いて行われることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項7】
前記上部ナットは、前記ルーフレールの開口から挿入可能なプレートに螺設形成されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項8】
前記プレートは、前記ルーフレールの内部空間の高さと略同一に形成されたストッパ部を有することを特徴とする請求項7に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項9】
前記プレートは、前記開口からの挿入量を規定する着脱自在の挿入量規定治具を有することを特徴とする請求項8に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項10】
前記プレートは、前記開口からの挿入量を規定する挿入量規定部を有することを特徴とする請求項8に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項11】
前記脚固定部材を側面視において略楔形状の本体部と前記本体部の下部に突設したボス部とで形成し、
前記ボス部を前記ルーフパネルに形成した車両前後方向に伸びる凹条溝の底部に着座するように取り付けることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項12】
前記ボス部は、前記凹条溝の深さに略等しい高さに形成されることを特徴とする請求項11に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項1】
車両のルーフパネルに固着されるルーフレールの取付構造であって、
両端に脚部を有する筒状のルーフレールと、
前記脚部と前記ルーフパネルの間に介装される脚固定部材と、
前記脚部、前記脚固定部材及び前記ルーフパネルを同時に共締め固定する複数の締結具と、
を備えることを特徴とするルーフレールの取付構造。
【請求項2】
前記締結具は、
前記ルーフレールの内部空間に突出する上部雄ネジ及び前記ルーフパネルの下面に突出する下部雄ネジを有して前記脚固定部材に挿通される挿通部材と、
前記上部雄ネジに螺合される上部ナットと、
前記下部雄ネジに螺合される下部ナットと、
からなることを特徴とする請求項1に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項3】
前記締結具は、
前記ルーフレールの内部空間に突出する上部雄ネジ及び前記ルーフパネルの下面に突出する下部雌ネジを有して前記脚固定部材に挿通される挿通部材と、
前記上部雄ネジに螺合される上部ナットと、
前記下部雌ネジに螺合される下部ボルトと、
からなることを特徴とする請求項1に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項4】
前記上部ナットの高さを、前記ルーフレールの内部空間の高さと略同一に形成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項5】
前記上部ナットの底面にスパイク状の突起を設けたことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項6】
前記上部ナットの前記ルーフレールの内部空間へ挿入は、前記挿通部材の配設ピッチと同一のピッチで複数の前記上部ナットを弾性的に側面から挟持する位置出し挿入具を用いて行われることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項7】
前記上部ナットは、前記ルーフレールの開口から挿入可能なプレートに螺設形成されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項8】
前記プレートは、前記ルーフレールの内部空間の高さと略同一に形成されたストッパ部を有することを特徴とする請求項7に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項9】
前記プレートは、前記開口からの挿入量を規定する着脱自在の挿入量規定治具を有することを特徴とする請求項8に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項10】
前記プレートは、前記開口からの挿入量を規定する挿入量規定部を有することを特徴とする請求項8に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項11】
前記脚固定部材を側面視において略楔形状の本体部と前記本体部の下部に突設したボス部とで形成し、
前記ボス部を前記ルーフパネルに形成した車両前後方向に伸びる凹条溝の底部に着座するように取り付けることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のルーフレールの取付構造。
【請求項12】
前記ボス部は、前記凹条溝の深さに略等しい高さに形成されることを特徴とする請求項11に記載のルーフレールの取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−298230(P2009−298230A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153204(P2008−153204)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(504136889)株式会社ファルテック (57)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(504136889)株式会社ファルテック (57)
【Fターム(参考)】
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